リーブオーダー管理システム
【課題】
複雑な階層構造をもったリーブオーダーを間違いなく、確実に執行することのできるリーブオーダー管理システムを提供すること。
【解決手段】
本発明にかかるリーブオーダー管理システムは、複数のオーダーが最適ヘッジ比率に調整されるように階層化されたものを対象とし、特に、二つの選択的なオーダーのうち一方のオーダーを実行した場合に他方のオーダーを取り消し、実行したオーダーについてさらに二つの選択的な配下のオーダーを定めるシナリオ情報に基づいてリーブオーダーが実行される。このとき、特定の識別番号をOCとし、配下のオーダーの識別番号をOU1、OU2とし、Cを定数としたとき、OU1=OC×2+C,OU2=OC×2+(C+1)によって表わされる式に基づいて当該配下のオーダの識別番号を算出し、算出された識別番号間のリンク情報を生成している。
複雑な階層構造をもったリーブオーダーを間違いなく、確実に執行することのできるリーブオーダー管理システムを提供すること。
【解決手段】
本発明にかかるリーブオーダー管理システムは、複数のオーダーが最適ヘッジ比率に調整されるように階層化されたものを対象とし、特に、二つの選択的なオーダーのうち一方のオーダーを実行した場合に他方のオーダーを取り消し、実行したオーダーについてさらに二つの選択的な配下のオーダーを定めるシナリオ情報に基づいてリーブオーダーが実行される。このとき、特定の識別番号をOCとし、配下のオーダーの識別番号をOU1、OU2とし、Cを定数としたとき、OU1=OC×2+C,OU2=OC×2+(C+1)によって表わされる式に基づいて当該配下のオーダの識別番号を算出し、算出された識別番号間のリンク情報を生成している。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、予約取引を実行するリーブオーダー管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
ダイナミックヘッジ商品は、オプションを使わずにある想定シナリオにより組成された為替予約取引(リーブオーダー形式)の反復売買を繰り返すことにより、オプション取引と同等の効果を実現し、かつ最終的にオプション取引よりも低コストとなる可能性を有する商品であり、近年、銀行等においてその取り扱いが増加している。
【0003】
図14にダイナミックヘッジ商品において作成される想定シナリオの例を示す。図14の例では、現在の米ドル(USD)/日本円(JPY)の為替レートが118円であった場合、1円上下するシナリオ(117円或いは119円)を想定し、それぞれのケースについて売るべき(或いは買うべき)金額を指定しておく。具体的には、シナリオ1として為替レートが117円になった場合に1000万米ドル分売り、シナリオ2として為替レートが119円になった場合に500万米ドル分買うことが想定されている。このように、顧客が取引すべき金額や価格を事前に指定した上で銀行等に対して依頼するオーダー(為替オーダー)を本明細書では「リーブオーダー」という。以下の説明では、「リーブオーダー」を単に「オーダー」と呼ぶ場合もある。
【0004】
なお、株や外国為替などを自動売買するシステムが提案されている(特許文献1、2参照)。
【特許文献1】特開2004−5554号公報
【特許文献2】特開2005−317043号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このようなリーブオーダーの管理には、一般にコンピュータが用いられ、管理システムが構成される。しかしながら、従来の管理システムでは、単に、オーダー内容をシステム上に登録した上で個々のオーダーの発効条件をマニュアルで設定していた。従って、図14で示されるような1階層分の管理であれば問題は少ないが、さらにシナリオ1やシナリオ2のそれぞれにおいて階層的にオーダーが組み込まれることになると、複雑な階層構造をもったオーダーを間違いなく、確実に執行することは困難であった。
【0006】
本発明の第1の目的は、かかる問題を解消し、複雑な階層構造をもったリーブオーダーを間違いなく、確実に執行することのできるリーブオーダー管理システムを提供することである。
【0007】
さらに、本発明の第2の目的は、リーブオーダーの階層や件数が変更になった場合であっても柔軟に対応可能なリーブオーダー管理システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明にかかるリーブオーダー管理システムは、想定条件と当該想定条件を充足した場合に実行される取引内容とを含む複数のオーダーが最適ヘッジ比率に調整されるように階層化され、二つの選択的なオーダーのうち一方のオーダーを実行した場合に他方のオーダーを取り消し、実行したオーダーについてさらに二つの選択的な配下のオーダーを定めるシナリオ情報に基づいてリーブオーダーを実行し、管理するリーブオーダー管理システムであって、前記シナリオ情報に含まれるオーダーと、当該オーダーを識別する識別番号とを関連付けて格納するシナリオ情報記憶部と、前記オーダー間の関連性に関するリンク情報を格納するリンク情報記憶部と、前記シナリオ情報記憶部に格納されたオーダーのそれぞれについて、特定の識別番号をOCとし、配下のオーダーの識別番号をOU1、OU2とし、Cを定数としたとき、OU1=OC×2+C,OU2=OC×2+(C+1)によって表わされる式に基づいて当該配下のオーダの識別番号を算出し、算出された識別番号間のリンク情報を生成して前記リンク情報記憶部に格納する制御部を備えたものである。
【0009】
ここで、前記リンク情報は、並列的に選択可能なオーダーであって一方を実行した場合に他方が取り消される関係を示すリンク情報ocoと、所定オーダーとこのオーダを実行した場合に発効される配下のオーダーとの関係を示すリンク情報idoとを含む。
【0010】
また、前記制御部は、前記シナリオ情報記憶部に格納されたシナリオ情報に含まれるオーダー数が偶数件数であるかを判定することが好ましい。
【0011】
また、前記制御部は、前記シナリオ情報記憶部に格納されたシナリオ情報に含まれるオーダーの全てについてリンク情報を算出し、前記リンク情報記憶部に格納することが望ましい。
【0012】
さらにまた、前記制御部は、前記シナリオ情報記憶部に格納されたオーダーと識別番号とを関連付けて画面に表示させるとともに、前記リンク情報記憶部に格納されたリンク情報も画面に表示させることが好ましい。
【0013】
また、前記制御部は、リンク情報の生成処理を外部から前記シナリオ情報を入力した際に実行することが望ましい。
【0014】
ここで、好適な実施の形態におけるオーダーは、為替先物予約取引の売買を行なうオーダーである。
【0015】
本発明にかかる他の観点によるリーブオーダー管理システムは、為替先物予約取引における発効条件付き多階層リーブオーダーに基づく為替先物予約取引の売買を繰り返すことによって最適ヘッジ比率に調整できるように作成されたシナリオ情報に基づいて、当該リーブオーダーの実行及び管理を行なうリーブオーダー管理システムであって、前記リーブオーダーは、想定為替レートと当該想定為替レートを充足した場合に実行される為替売買内容とを含む複数のオーダーよりなり、かつ二つの選択的なオーダーのそれぞれに対して、二つの選択的なオーダーが関連付けられることにより階層化されており、前記シナリオ情報に含まれるオーダーと、当該オーダーを識別する識別番号とを関連付けて格納するシナリオ情報記憶部と、前記オーダー間の関連性に関するリンク情報を格納するリンク情報記憶部と、前記リーブオーダーの実行及び管理を制御する制御部とを備え、前記制御部は、前記シナリオ情報記憶部に格納されたオーダーのそれぞれについて、特定の識別番号OCとし、配下のオーダーの識別番号をOU1、OU2とし、Cを定数としたとき、OU1=OC×2+C,OU2=Oc×2+(C+1)によって表わされる式に基づいて当該配下のオーダの識別番号を算出し、算出された識別番号を記憶部に格納する識別番号算出手段と、前記識別番号算出手段によって算出された配下のオーダーの識別番号OU1,OU2とOCとを前記記憶部より読み出し、OCにより特定されるオーダーが実行された場合にOU1,OU2により特定されるオーダーが発効される関係にあることを示すリンク情報を生成し、前記リンク情報記憶部に格納する第1のリンク情報生成手段と、前記OCにより特定されるオーダーに対して、OC+1若しくはOC−1により特定されるオーダーが並列的に選択される関係にあることを示すリンク情報を生成し、前記リンク情報記憶部に格納する第2のリンク情報生成手段とを備えたものである。
【0016】
ここで、前記制御部は、前記シナリオ情報記憶部に格納されたシナリオ情報に含まれるオーダー数が偶数件数であるかを判定するチェック手段を備えることが望ましい。
【0017】
また、前記制御部は、リンク情報の生成処理を外部から前記シナリオ情報を入力した際に実行することが好ましい。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、複雑な階層構造をもったリーブオーダーを間違いなく、確実に執行することが可能なリーブオーダー管理システムを提供することができ、また、リーブオーダーの階層や件数が変更になった場合であっても柔軟に対応可能なリーブオーダー管理システムを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
図1に示されるように、本発明の実施の形態にかかるリーブオーダー管理システム200は、ダイナミックヘッジシステム100とともに用いられる。
【0020】
ダイナミックヘッジシステム100は、現在の各種マーケットレート・ボラティリティーといった変数を入力値として想定シナリオ(ヘッジ計画)を作成するコンピュータシステムである。
【0021】
図2に本発明の実施の形態にかかるリーブオーダー管理システム200のシステム構成を示す。
【0022】
リーブオーダー管理システム200は、コンピュータシステムにより構成され、CPU11、ROM12、RAM13より構成される制御部1、入力装置2、出力装置3、入出力制御回路4、データベース5を備えており、これらの構成要素は相互にシステムバスにより接続されている。
【0023】
制御部1は、リーブオーダー管理システム200を実現するための種々の演算処理を実行する。CPU11は、中央演算装置であり、ROM12に格納されたメインプログラムや、RAM13等に展開されたプログラム、一時的に格納されたデータ等に基づき転送や演算処理を実行する。RAM13は、一時的にデータを格納する記憶部として機能する。
【0024】
入力装置2は、例えばキーボードやマウス等のデータ入力デバイスである。この入力装置2によりデータベース5へデータを入力できる。出力装置3は、LCDやCRT等の表示装置やプリンタである。入出力制御回路4は、ダイナミックヘッジシステム100等の外部装置との間でデータの入出力を実行するための制御を行う。
【0025】
データベース5は、データを格納する記憶手段(記憶部)であり、メモリやハードディスク等によって構成される。リーブオーダー管理システム200のデータベース5は、少なくともシナリオ情報記憶部51及びリンク情報記憶部52を備えている。
【0026】
シナリオ情報記憶部51は、ダイナミックヘッジシステム100により作成されたシナリオ情報を格納する。シナリオ情報では、オーダーと、このオーダを識別する識別番号とが相互に関連付けられている。
【0027】
リンク情報記憶部52は、シナリオ情報記憶部51に格納されたシナリオ情報に基づいて作成されたリンク情報を格納する。ここで、リンク情報とは、個々のオーダーを相互に関連付ける情報である。
【0028】
続いて、図3のフローチャートを用いて、ダイナミックヘッジシステム100及びリーブオーダー管理システム200における処理概要について説明する。
【0029】
まず、ダイナミックヘッジシステム100に対して各種マーケットレートやボラティリティといった変数を入力すると、このダイナミックヘッジシステム100は、予め定められたアルゴリズムに従って、想定シナリオを計算し作成する(S101)。ダイナミックヘッジシステム100では、例えば顧客別にそれぞれ7階層・254パターンのリーブオーダーからなるシナリオを作成する。
【0030】
次に、ダイナミックヘッジシステム100において作成されたシナリオに含まれるリーブオーダーのそれぞれに1,2,3,・・・・,Nの連続する数字からなる識別番号を付してリーブオーダー管理システム200に転送する(S102)。かかる識別番号の付与は、当該ダイナミックヘッジシステム100において自動的に実行するようにしてもよく、またリーブオーダー管理システム200に対してマニュアルにて入力するようにしてもよい。
【0031】
次に、リーブオーダー管理システム200においてオーダーのリンク付けを実行する(S103)。かかるリンク付け処理は、本発明において特徴的な処理であるため、後に詳述する。リンク付け処理の際にエラーチェックも実行するが、エラーを検出した場合にはダイナミックヘッジシステム100において再計算を実行し、再計算の結果得られたシナリオ情報をリーブオーダ管理システム200に転送する。
【0032】
オーダーのリンク付けが行なわれた後に、まず、顧客に対してオーダーの詳細を通知し、また、ダイナミックヘッジシステム100により作成された時価レポートを送付する。その後に、オーダーを24時間管理の上で執行する(S104)。さらに、オーダーの執行に関するパフォーマンスをモニターの上継続的なモデルの見直しを実行する。
【0033】
図4に示す概念図を用いて、リーブオーダ管理システム200において実行されるリンク付け処理について概説する。図において、符号10にて示される情報が、ダイナミックヘッジシステム100により作成されたシナリオ情報である。この例にかかるシナリオ情報は、テキストファイルであり、左端の数字(1,2,3・・・・16)が識別番号である。この例では、16のオーダーが示されている。
【0034】
オーダーに含まれる情報には、オーダー番号、売りか買いかを示す情報、取引金額、通貨種類、為替レート、通貨指値か逆指値かを示す情報、取引先情報等がある。
【0035】
各オーダーは、図4に示されるような階層構造を有している。即ち、各オーダーは、二つの選択的なオーダーのそれぞれに対して、二つの選択的なオーダーが関連付けられることにより階層化されている。それぞれ、丸で囲まれた数字が識別番号である。識別番号は、階層構造において次のように割り当てられている。
【0036】
(A)最上段の左側を1とし、最上段の右側を2とする。
【0037】
(B)下段の最も左側が小さくなるようにして連続して右に番号付けしていき、同じ段の全てについて番号付けした場合には、その下の段に移り、同様にして最も最下層まで番号付けを行なう。このような階層構造を有する場合、オーダーの数は偶数となる。従って、オーダーの数が奇数の場合には、エラーがあると判断する。また、本例では、オーダー数の最小は、4としている。
【0038】
図中「oco」は、「one cancel the other」の略であり、一方のオーダーが約定になった(即ち、実行された)場合には、他方のオーダーを取り消した上で、約定されたオーダーと関連付けられた下段の二つのオーダーを発効するという処理を示す。例えば、「1oco2」は、オーダー1が約定になった場合には、他方のオーダー2を取り消し、オーダー2が約定になった場合には、他方のオーダー1を取り消すことを示す。
【0039】
また、図中「ido」は、「if done」の略であり、オーダーが約定になった場合には、関連付けられたオーダーを発効するという処理を示す。例えば、「1ido3,4」は、オーダー1が約定になった場合には、オーダー3及びオーダー4を発効することを示す。
【0040】
即ち、各オーダーは、並列に二つの選択肢と関連付けられており、そして、一方のオーダーが約定(選択)された場合には他方が取り消され、次に約定されたオーダーに対して下段(配下)において関連付けられた二つの選択肢を発効する。このような関係を有するオーダーがシナリオに含まれる数だけ用意される。
【0041】
図4に示す例では、最上段にオーダー1とオーダー2が配置される。オーダー1に対してはその配下においてオーダー3、4が関連付けられ、オーダー2に対してはその配下においてオーダー5、6が関連付けられている。
【0042】
発明者等は、このような階層構造を有する各オーダーについて、配下オーダーの識別番号が算式により計算できることを見出した。即ち、左下に位置する配下オーダーの識別番号をOU1、右下に位置する配下オーダーの識別番号をOU2、現在のオーダーの識別番号をOCとしたとき、次式(1)(2)により計算可能である。
OU1=2×OC+1 (1)
OU2=2×OC+2 (2)
ここで、OU2=OU1+1が成り立つ。
【0043】
式(1)(2)を用いることにより、各オーダーが実行(約定)された場合、次のオーダーが何であるかを定義付けする、「oco」や「ido」で表わされるリンク付けを計算により行なうことができる。ここで、リンク付けは、プログラム上で予めコードとして設定し、定義することも可能であるが、そうすると、コード数が莫大な量となり、かつオーダー数が増加した場合に追加作業が発生するため、柔軟性及び頑健性という観点から問題がある。本発明では、このように算式を用いてリンク付けを行なうことにしたので、オーダー数の変更に対して柔軟に対応することができる。
【0044】
リンク付け後のオーダー執行処理(S104)について図5〜図8を用いて詳述する。各図において、丸い図形の中の数字は各オーダーに割り当てられた識別番号、丸い図形の上側の数字はオーダー金額、同じく下側の数字がオーダー番号とその枝番である。また、丸い図形のうち、実線の白丸が発効状態、二重丸が約定された状態、点線の丸が非発効状態、網掛けがされた丸が削除状態にあることを示す。
【0045】
ダイナミックヘッジシステム100により作成されたシナリオ情報からリンク付けが実行された状態を図5に示す。図に示されるように、オーダー1及びオーダー2が発効状態にあり、その他のオーダーは非発効状態にある。発効状態にある場合には、例えば、オーダーとして画面表示される。
【0046】
次に、図6に示されるように、オーダー1が約定(実行)されたとすると、この場合には、オーダー2が自動的に削除され、オーダー3及び4が発効される。このとき、オーダー2の配下にあるオーダー5,6は削除状態とはならないが、オーダー2が削除されているため発効状態になることはない。
【0047】
次に、図7に示されるように、オーダー4が約定されたとすると、この場合には、オーダー3が自動的に削除され、オーダー9及び10が発効される。このとき、オーダー3の配下にあるオーダー7,8は削除状態とはならないが、オーダー3が削除されているため発効状態になることはない。
【0048】
最後に、図8に示されるように、オーダー9が約定されたとすると、この場合には、オーダー10が自動的に削除される。オーダー9のリンク内に発効状態のオーダーが存在しない、即ちすべてのオーダーが実行済み、削除状態若しくは無効状態の場合には、オーダー執行処理は終了状態となる。
【0049】
続いて、リーブオーダー管理システム200におけるリンク付け処理及びチェック処理について、図9〜図12に示すフローチャートを用いて説明する。これらの処理が行われる前段階として、ダイナミックヘッジシステム100により作成されたシナリオ情報に識別番号が付されて、リーブオーダー管理システム200に入力され、シナリオ情報記憶部51に格納されている。
【0050】
まず、図9に示されるように、制御部1は、想定シナリオに基づいた一連のリーブオーダをシナリオ情報記憶部51からRAM13上に読み込む(S201)。具体的には、最初に1ブロックを読み込む(S202)。ここで、1ブロックは、一つの商品単位のデータであり、本例にかかるシステムでは、複数ブロックについて実行することが可能である。
【0051】
読み込んだ1ブロック分のオーダについて件数チェックを実行する(S203)。具体的に、制御部1は、1ブロックに含まれるオーダー数が予めシステム上定められた最小件数以上で最大件数以下かどうかを判定する。制御部1は、オーダー数が最小件数未満若しくは最大件数を超過すると判定した場合にはエラーがあることを示すエラー情報を、最小件数以上最大件数以下と判定した場合には正常であることを示す正常情報をそれぞれRAM13上に一時記憶する。さらに、制御部1は、1ブロックに含まれるオーダー数が偶数件であるかどうかを判定する。制御部1は、オーダー数が偶数件でないと判定した場合にはエラー情報を、偶数件であると判定した場合には正常情報をそれぞれRAM13上に一時記憶する。
【0052】
次に、1ブロック分のオーダについて単項目チェックを実行する(S204)。具体的に、制御部1は、コード値の整合性及び桁数が予め定められた許容範囲にあるかどうかを判定する。制御部1は、ステップS203と同様にして判定の結果(正常情報かエラー情報)をRAM13上に一時記憶する。
【0053】
さらに、1ブロック分のオーダについて関連情報のチェックを実行する(S205)。具体的に、制御部1は、顧客情報及びポートフォリオ(ブック)について判定する。制御部1は、ステップS203と同様にして判定の結果(正常情報かエラー情報)をRAM13上に一時記憶する。
【0054】
ステップS203〜S205により1ブロック分のチェック処理が完了した場合、制御部1は、全ブロックの処理が終了したかどうかを判定する(S206)。制御部1は、終了していないと判定した場合には、再度ステップS202を実行し、終了したと判定した場合には、次に全ブロックのチェック処理においてエラーがあったかどうかを判定する(S207)。制御部1がエラーがあったと判定した場合には、エラー確認画面を表示し、読み込み処理は終了する(S210)。
【0055】
他方、制御部1がエラーがなかったと判定した場合には、次にワーニングチェックを実行する(S208)。ワーニングチェックでは、制御部1は、レートの乖離幅が予め定められた範囲にあるかを判定する。これを全ブロック分実行する(S209)。全ブロック分が終了した後、制御部1は、図10のフローチャートに示されるように、ワーニングがあったかどうかを判定する(S211)。ワーニングがあった場合には、制御部1は、ワーニング確認画面を表示する(S212)。このとき、ユーザが処理を継続する入力を行なわない場合には、読み込みを終了し、処理を継続する入力を行なった場合には、図11に示す処理に移行する。
【0056】
まず、制御部1は、現在オーダーの識別番号OCの設定を実行する(S214)。1回目は、識別番号として「1」を設定する。2回目以降は、毎回、現在オーダーに対して1を加えた値を設定する。
【0057】
次に、制御部1は、現在オーダーの左下に位置するオーダーの識別番号OU1を算出する(S215)。具体的には、上述した式(1)により算出する。算出結果は、リンク情報記憶部53に格納される。また、制御部1は、現在オーダーの右下に位置するオーダーの識別番号OU2を算出する(S216)。具体的には、上述した式(2)により算出する。算出結果は、リンク情報記憶部53に格納される。
【0058】
制御部1は、ステップS216によって算出された、現在オーダーの右下に位置するオーダーの識別番号OU2が1ブロックに含まれるオーダー数以下かどうかを判定する(S217)。制御部1は、判定の結果、オーダー数よりも多いと判定した場合には、ステップS219に移行する。他方、制御部1は、判定の結果、オーダー数以下であると判定した場合には、idoリンクの生成処理を実行する(S219)。具体的に、制御部1は、ステップS214で設定した現在オーダーの識別番号OCと、配下のオーダの識別番号のそれぞれOU1、OU2との間において、OC ido OU1、OU2の関係が成立するように、リンクを設定し、設定したリンク情報をリンク情報記憶部53に格納する。
【0059】
次に、制御部1は、現在オーダーの識別番号OCが奇数かどうかを判定する(S219)。制御部1が奇数でないと判定した場合には、ステップS221を実行する。制御部1が奇数であると判定した場合には、ocoリンクの生成処理を実行する(S220)。具体的に、制御部1は、ステップS214で設定した現在オーダーの識別番号OCと、当該識別番号OCに対して1を加算した値との間で、OC oco (OC+1)の関係が成立するように、リンクを設定し、設定したリンク情報をリンク情報記憶部53に格納する。
【0060】
制御部1は、現在オーダの識別番号OCがオーダー数と同じかどうかを判定する(S221)。制御部1は、判定の結果、同じでないと判定した場合には、再度ステップS214の処理を実行し、同じと判定した場合には、全ブロック終了かどうかを判定する(S222)。制御部1は、判定の結果、全ブロック終了していないと判定した場合には、次のブロックについてステップS214の処理を実行する。
【0061】
制御部1は、判定の結果、全ブロック分終了したと判定した場合には、図12に示すリンク構文解析処理を実行する(S223)。具体的には、全実行パターンをシミュレーションにより実行する。リンク構文解析処理においては、オーダー情報の書き込みを行い(S224)、またリンク情報の書き込みを実行する(S225)。制御部1は、全ブロックを終了したかどうかを判定し、全ブロック終了していないと判定した場合には、ステップS224を実行し、終了したと判定した場合には、一連の処理を終了する。
【0062】
ここで、図13を用いて、リンク付け処理後の画面表示例について説明する。この画面表示は、制御部1によって出力装置3に表示される。図13に示す例では、上側の領域にオーダー情報が一覧形式で表示される。各オーダーは、識別番号と関連付けられて表示されている。オーダー情報の下方の領域には、リンク情報が一覧形式で表示される。リンク情報の左端の欄の数字は単なる参照番号であり、オーダーの識別番号ではない。
【0063】
なお、上述した例では、オーダーの識別番号は、1からスタートするものであったが、これに限られず、任意の数字からスタートする連続する数字であってもよい。また、数式に対して付加的な変換式やアルゴリズムを加えることも可能である。
【0064】
即ち、実質的に、次の式により、算出できる。
OU1=OC×2+C
OU2=OC×2+(C+1)
ここで、Cは定数であり、OCの最初の数字によって特定される。例えば、最初の数字が1の場合には1、2の場合には0、3の場合には−1、4の場合には−2である。即ち、2から最初の数字を差し引いた数字となる。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】本発明によるリーブオーダー管理システム及びダイナミックヘッジシステムの関連を示すブロック図である。
【図2】本発明によるリーブオーダー管理システムの構成を示すブロック図である。
【図3】本発明によるリーブオーダ管理システム及びダイナミックヘッジシステムの処理概要を示すフローチャートである。
【図4】本発明によるリーブオーダ管理システムにおいて実行される処理を説明するための概念図である。
【図5】本発明によるリーブオーダ管理システムにおいて実行されるリンク付け後のオーダー執行処理を説明するための概念図である。
【図6】本発明によるリーブオーダ管理システムにおいて実行されるリンク付け後のオーダー執行処理を説明するための概念図である。
【図7】本発明によるリーブオーダ管理システムにおいて実行されるリンク付け後のオーダー執行処理を説明するための概念図である。
【図8】本発明によるリーブオーダ管理システムにおいて実行されるリンク付け後のオーダー執行処理を説明するための概念図である。
【図9】本発明によるリーブオーダー管理システムにおいて実行されるリンク付け処理及びチェック処理の流れを示すフローチャートである。
【図10】本発明によるリーブオーダー管理システムにおいて実行されるリンク付け処理及びチェック処理の流れを示すフローチャートである。
【図11】本発明によるリーブオーダー管理システムにおいて実行されるリンク付け処理及びチェック処理の流れを示すフローチャートである。
【図12】本発明によるリーブオーダー管理システムにおいて実行されるリンク付け処理及びチェック処理の流れを示すフローチャートである。
【図13】本発明によるリーブオーダー管理システムにおける画面表示例である。
【図14】ダイナミックヘッジ商品を説明するための概念図である。
【符号の説明】
【0066】
1 制御部
2 入力装置
3 出力装置
4 入出力制御回路
5 データベース
51 シナリオ情報記憶部
52 リンク情報記憶部
100 ダイナミックヘッジシステム
200 リーブオーダー管理システム
【技術分野】
【0001】
本発明は、予約取引を実行するリーブオーダー管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
ダイナミックヘッジ商品は、オプションを使わずにある想定シナリオにより組成された為替予約取引(リーブオーダー形式)の反復売買を繰り返すことにより、オプション取引と同等の効果を実現し、かつ最終的にオプション取引よりも低コストとなる可能性を有する商品であり、近年、銀行等においてその取り扱いが増加している。
【0003】
図14にダイナミックヘッジ商品において作成される想定シナリオの例を示す。図14の例では、現在の米ドル(USD)/日本円(JPY)の為替レートが118円であった場合、1円上下するシナリオ(117円或いは119円)を想定し、それぞれのケースについて売るべき(或いは買うべき)金額を指定しておく。具体的には、シナリオ1として為替レートが117円になった場合に1000万米ドル分売り、シナリオ2として為替レートが119円になった場合に500万米ドル分買うことが想定されている。このように、顧客が取引すべき金額や価格を事前に指定した上で銀行等に対して依頼するオーダー(為替オーダー)を本明細書では「リーブオーダー」という。以下の説明では、「リーブオーダー」を単に「オーダー」と呼ぶ場合もある。
【0004】
なお、株や外国為替などを自動売買するシステムが提案されている(特許文献1、2参照)。
【特許文献1】特開2004−5554号公報
【特許文献2】特開2005−317043号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このようなリーブオーダーの管理には、一般にコンピュータが用いられ、管理システムが構成される。しかしながら、従来の管理システムでは、単に、オーダー内容をシステム上に登録した上で個々のオーダーの発効条件をマニュアルで設定していた。従って、図14で示されるような1階層分の管理であれば問題は少ないが、さらにシナリオ1やシナリオ2のそれぞれにおいて階層的にオーダーが組み込まれることになると、複雑な階層構造をもったオーダーを間違いなく、確実に執行することは困難であった。
【0006】
本発明の第1の目的は、かかる問題を解消し、複雑な階層構造をもったリーブオーダーを間違いなく、確実に執行することのできるリーブオーダー管理システムを提供することである。
【0007】
さらに、本発明の第2の目的は、リーブオーダーの階層や件数が変更になった場合であっても柔軟に対応可能なリーブオーダー管理システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明にかかるリーブオーダー管理システムは、想定条件と当該想定条件を充足した場合に実行される取引内容とを含む複数のオーダーが最適ヘッジ比率に調整されるように階層化され、二つの選択的なオーダーのうち一方のオーダーを実行した場合に他方のオーダーを取り消し、実行したオーダーについてさらに二つの選択的な配下のオーダーを定めるシナリオ情報に基づいてリーブオーダーを実行し、管理するリーブオーダー管理システムであって、前記シナリオ情報に含まれるオーダーと、当該オーダーを識別する識別番号とを関連付けて格納するシナリオ情報記憶部と、前記オーダー間の関連性に関するリンク情報を格納するリンク情報記憶部と、前記シナリオ情報記憶部に格納されたオーダーのそれぞれについて、特定の識別番号をOCとし、配下のオーダーの識別番号をOU1、OU2とし、Cを定数としたとき、OU1=OC×2+C,OU2=OC×2+(C+1)によって表わされる式に基づいて当該配下のオーダの識別番号を算出し、算出された識別番号間のリンク情報を生成して前記リンク情報記憶部に格納する制御部を備えたものである。
【0009】
ここで、前記リンク情報は、並列的に選択可能なオーダーであって一方を実行した場合に他方が取り消される関係を示すリンク情報ocoと、所定オーダーとこのオーダを実行した場合に発効される配下のオーダーとの関係を示すリンク情報idoとを含む。
【0010】
また、前記制御部は、前記シナリオ情報記憶部に格納されたシナリオ情報に含まれるオーダー数が偶数件数であるかを判定することが好ましい。
【0011】
また、前記制御部は、前記シナリオ情報記憶部に格納されたシナリオ情報に含まれるオーダーの全てについてリンク情報を算出し、前記リンク情報記憶部に格納することが望ましい。
【0012】
さらにまた、前記制御部は、前記シナリオ情報記憶部に格納されたオーダーと識別番号とを関連付けて画面に表示させるとともに、前記リンク情報記憶部に格納されたリンク情報も画面に表示させることが好ましい。
【0013】
また、前記制御部は、リンク情報の生成処理を外部から前記シナリオ情報を入力した際に実行することが望ましい。
【0014】
ここで、好適な実施の形態におけるオーダーは、為替先物予約取引の売買を行なうオーダーである。
【0015】
本発明にかかる他の観点によるリーブオーダー管理システムは、為替先物予約取引における発効条件付き多階層リーブオーダーに基づく為替先物予約取引の売買を繰り返すことによって最適ヘッジ比率に調整できるように作成されたシナリオ情報に基づいて、当該リーブオーダーの実行及び管理を行なうリーブオーダー管理システムであって、前記リーブオーダーは、想定為替レートと当該想定為替レートを充足した場合に実行される為替売買内容とを含む複数のオーダーよりなり、かつ二つの選択的なオーダーのそれぞれに対して、二つの選択的なオーダーが関連付けられることにより階層化されており、前記シナリオ情報に含まれるオーダーと、当該オーダーを識別する識別番号とを関連付けて格納するシナリオ情報記憶部と、前記オーダー間の関連性に関するリンク情報を格納するリンク情報記憶部と、前記リーブオーダーの実行及び管理を制御する制御部とを備え、前記制御部は、前記シナリオ情報記憶部に格納されたオーダーのそれぞれについて、特定の識別番号OCとし、配下のオーダーの識別番号をOU1、OU2とし、Cを定数としたとき、OU1=OC×2+C,OU2=Oc×2+(C+1)によって表わされる式に基づいて当該配下のオーダの識別番号を算出し、算出された識別番号を記憶部に格納する識別番号算出手段と、前記識別番号算出手段によって算出された配下のオーダーの識別番号OU1,OU2とOCとを前記記憶部より読み出し、OCにより特定されるオーダーが実行された場合にOU1,OU2により特定されるオーダーが発効される関係にあることを示すリンク情報を生成し、前記リンク情報記憶部に格納する第1のリンク情報生成手段と、前記OCにより特定されるオーダーに対して、OC+1若しくはOC−1により特定されるオーダーが並列的に選択される関係にあることを示すリンク情報を生成し、前記リンク情報記憶部に格納する第2のリンク情報生成手段とを備えたものである。
【0016】
ここで、前記制御部は、前記シナリオ情報記憶部に格納されたシナリオ情報に含まれるオーダー数が偶数件数であるかを判定するチェック手段を備えることが望ましい。
【0017】
また、前記制御部は、リンク情報の生成処理を外部から前記シナリオ情報を入力した際に実行することが好ましい。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、複雑な階層構造をもったリーブオーダーを間違いなく、確実に執行することが可能なリーブオーダー管理システムを提供することができ、また、リーブオーダーの階層や件数が変更になった場合であっても柔軟に対応可能なリーブオーダー管理システムを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
図1に示されるように、本発明の実施の形態にかかるリーブオーダー管理システム200は、ダイナミックヘッジシステム100とともに用いられる。
【0020】
ダイナミックヘッジシステム100は、現在の各種マーケットレート・ボラティリティーといった変数を入力値として想定シナリオ(ヘッジ計画)を作成するコンピュータシステムである。
【0021】
図2に本発明の実施の形態にかかるリーブオーダー管理システム200のシステム構成を示す。
【0022】
リーブオーダー管理システム200は、コンピュータシステムにより構成され、CPU11、ROM12、RAM13より構成される制御部1、入力装置2、出力装置3、入出力制御回路4、データベース5を備えており、これらの構成要素は相互にシステムバスにより接続されている。
【0023】
制御部1は、リーブオーダー管理システム200を実現するための種々の演算処理を実行する。CPU11は、中央演算装置であり、ROM12に格納されたメインプログラムや、RAM13等に展開されたプログラム、一時的に格納されたデータ等に基づき転送や演算処理を実行する。RAM13は、一時的にデータを格納する記憶部として機能する。
【0024】
入力装置2は、例えばキーボードやマウス等のデータ入力デバイスである。この入力装置2によりデータベース5へデータを入力できる。出力装置3は、LCDやCRT等の表示装置やプリンタである。入出力制御回路4は、ダイナミックヘッジシステム100等の外部装置との間でデータの入出力を実行するための制御を行う。
【0025】
データベース5は、データを格納する記憶手段(記憶部)であり、メモリやハードディスク等によって構成される。リーブオーダー管理システム200のデータベース5は、少なくともシナリオ情報記憶部51及びリンク情報記憶部52を備えている。
【0026】
シナリオ情報記憶部51は、ダイナミックヘッジシステム100により作成されたシナリオ情報を格納する。シナリオ情報では、オーダーと、このオーダを識別する識別番号とが相互に関連付けられている。
【0027】
リンク情報記憶部52は、シナリオ情報記憶部51に格納されたシナリオ情報に基づいて作成されたリンク情報を格納する。ここで、リンク情報とは、個々のオーダーを相互に関連付ける情報である。
【0028】
続いて、図3のフローチャートを用いて、ダイナミックヘッジシステム100及びリーブオーダー管理システム200における処理概要について説明する。
【0029】
まず、ダイナミックヘッジシステム100に対して各種マーケットレートやボラティリティといった変数を入力すると、このダイナミックヘッジシステム100は、予め定められたアルゴリズムに従って、想定シナリオを計算し作成する(S101)。ダイナミックヘッジシステム100では、例えば顧客別にそれぞれ7階層・254パターンのリーブオーダーからなるシナリオを作成する。
【0030】
次に、ダイナミックヘッジシステム100において作成されたシナリオに含まれるリーブオーダーのそれぞれに1,2,3,・・・・,Nの連続する数字からなる識別番号を付してリーブオーダー管理システム200に転送する(S102)。かかる識別番号の付与は、当該ダイナミックヘッジシステム100において自動的に実行するようにしてもよく、またリーブオーダー管理システム200に対してマニュアルにて入力するようにしてもよい。
【0031】
次に、リーブオーダー管理システム200においてオーダーのリンク付けを実行する(S103)。かかるリンク付け処理は、本発明において特徴的な処理であるため、後に詳述する。リンク付け処理の際にエラーチェックも実行するが、エラーを検出した場合にはダイナミックヘッジシステム100において再計算を実行し、再計算の結果得られたシナリオ情報をリーブオーダ管理システム200に転送する。
【0032】
オーダーのリンク付けが行なわれた後に、まず、顧客に対してオーダーの詳細を通知し、また、ダイナミックヘッジシステム100により作成された時価レポートを送付する。その後に、オーダーを24時間管理の上で執行する(S104)。さらに、オーダーの執行に関するパフォーマンスをモニターの上継続的なモデルの見直しを実行する。
【0033】
図4に示す概念図を用いて、リーブオーダ管理システム200において実行されるリンク付け処理について概説する。図において、符号10にて示される情報が、ダイナミックヘッジシステム100により作成されたシナリオ情報である。この例にかかるシナリオ情報は、テキストファイルであり、左端の数字(1,2,3・・・・16)が識別番号である。この例では、16のオーダーが示されている。
【0034】
オーダーに含まれる情報には、オーダー番号、売りか買いかを示す情報、取引金額、通貨種類、為替レート、通貨指値か逆指値かを示す情報、取引先情報等がある。
【0035】
各オーダーは、図4に示されるような階層構造を有している。即ち、各オーダーは、二つの選択的なオーダーのそれぞれに対して、二つの選択的なオーダーが関連付けられることにより階層化されている。それぞれ、丸で囲まれた数字が識別番号である。識別番号は、階層構造において次のように割り当てられている。
【0036】
(A)最上段の左側を1とし、最上段の右側を2とする。
【0037】
(B)下段の最も左側が小さくなるようにして連続して右に番号付けしていき、同じ段の全てについて番号付けした場合には、その下の段に移り、同様にして最も最下層まで番号付けを行なう。このような階層構造を有する場合、オーダーの数は偶数となる。従って、オーダーの数が奇数の場合には、エラーがあると判断する。また、本例では、オーダー数の最小は、4としている。
【0038】
図中「oco」は、「one cancel the other」の略であり、一方のオーダーが約定になった(即ち、実行された)場合には、他方のオーダーを取り消した上で、約定されたオーダーと関連付けられた下段の二つのオーダーを発効するという処理を示す。例えば、「1oco2」は、オーダー1が約定になった場合には、他方のオーダー2を取り消し、オーダー2が約定になった場合には、他方のオーダー1を取り消すことを示す。
【0039】
また、図中「ido」は、「if done」の略であり、オーダーが約定になった場合には、関連付けられたオーダーを発効するという処理を示す。例えば、「1ido3,4」は、オーダー1が約定になった場合には、オーダー3及びオーダー4を発効することを示す。
【0040】
即ち、各オーダーは、並列に二つの選択肢と関連付けられており、そして、一方のオーダーが約定(選択)された場合には他方が取り消され、次に約定されたオーダーに対して下段(配下)において関連付けられた二つの選択肢を発効する。このような関係を有するオーダーがシナリオに含まれる数だけ用意される。
【0041】
図4に示す例では、最上段にオーダー1とオーダー2が配置される。オーダー1に対してはその配下においてオーダー3、4が関連付けられ、オーダー2に対してはその配下においてオーダー5、6が関連付けられている。
【0042】
発明者等は、このような階層構造を有する各オーダーについて、配下オーダーの識別番号が算式により計算できることを見出した。即ち、左下に位置する配下オーダーの識別番号をOU1、右下に位置する配下オーダーの識別番号をOU2、現在のオーダーの識別番号をOCとしたとき、次式(1)(2)により計算可能である。
OU1=2×OC+1 (1)
OU2=2×OC+2 (2)
ここで、OU2=OU1+1が成り立つ。
【0043】
式(1)(2)を用いることにより、各オーダーが実行(約定)された場合、次のオーダーが何であるかを定義付けする、「oco」や「ido」で表わされるリンク付けを計算により行なうことができる。ここで、リンク付けは、プログラム上で予めコードとして設定し、定義することも可能であるが、そうすると、コード数が莫大な量となり、かつオーダー数が増加した場合に追加作業が発生するため、柔軟性及び頑健性という観点から問題がある。本発明では、このように算式を用いてリンク付けを行なうことにしたので、オーダー数の変更に対して柔軟に対応することができる。
【0044】
リンク付け後のオーダー執行処理(S104)について図5〜図8を用いて詳述する。各図において、丸い図形の中の数字は各オーダーに割り当てられた識別番号、丸い図形の上側の数字はオーダー金額、同じく下側の数字がオーダー番号とその枝番である。また、丸い図形のうち、実線の白丸が発効状態、二重丸が約定された状態、点線の丸が非発効状態、網掛けがされた丸が削除状態にあることを示す。
【0045】
ダイナミックヘッジシステム100により作成されたシナリオ情報からリンク付けが実行された状態を図5に示す。図に示されるように、オーダー1及びオーダー2が発効状態にあり、その他のオーダーは非発効状態にある。発効状態にある場合には、例えば、オーダーとして画面表示される。
【0046】
次に、図6に示されるように、オーダー1が約定(実行)されたとすると、この場合には、オーダー2が自動的に削除され、オーダー3及び4が発効される。このとき、オーダー2の配下にあるオーダー5,6は削除状態とはならないが、オーダー2が削除されているため発効状態になることはない。
【0047】
次に、図7に示されるように、オーダー4が約定されたとすると、この場合には、オーダー3が自動的に削除され、オーダー9及び10が発効される。このとき、オーダー3の配下にあるオーダー7,8は削除状態とはならないが、オーダー3が削除されているため発効状態になることはない。
【0048】
最後に、図8に示されるように、オーダー9が約定されたとすると、この場合には、オーダー10が自動的に削除される。オーダー9のリンク内に発効状態のオーダーが存在しない、即ちすべてのオーダーが実行済み、削除状態若しくは無効状態の場合には、オーダー執行処理は終了状態となる。
【0049】
続いて、リーブオーダー管理システム200におけるリンク付け処理及びチェック処理について、図9〜図12に示すフローチャートを用いて説明する。これらの処理が行われる前段階として、ダイナミックヘッジシステム100により作成されたシナリオ情報に識別番号が付されて、リーブオーダー管理システム200に入力され、シナリオ情報記憶部51に格納されている。
【0050】
まず、図9に示されるように、制御部1は、想定シナリオに基づいた一連のリーブオーダをシナリオ情報記憶部51からRAM13上に読み込む(S201)。具体的には、最初に1ブロックを読み込む(S202)。ここで、1ブロックは、一つの商品単位のデータであり、本例にかかるシステムでは、複数ブロックについて実行することが可能である。
【0051】
読み込んだ1ブロック分のオーダについて件数チェックを実行する(S203)。具体的に、制御部1は、1ブロックに含まれるオーダー数が予めシステム上定められた最小件数以上で最大件数以下かどうかを判定する。制御部1は、オーダー数が最小件数未満若しくは最大件数を超過すると判定した場合にはエラーがあることを示すエラー情報を、最小件数以上最大件数以下と判定した場合には正常であることを示す正常情報をそれぞれRAM13上に一時記憶する。さらに、制御部1は、1ブロックに含まれるオーダー数が偶数件であるかどうかを判定する。制御部1は、オーダー数が偶数件でないと判定した場合にはエラー情報を、偶数件であると判定した場合には正常情報をそれぞれRAM13上に一時記憶する。
【0052】
次に、1ブロック分のオーダについて単項目チェックを実行する(S204)。具体的に、制御部1は、コード値の整合性及び桁数が予め定められた許容範囲にあるかどうかを判定する。制御部1は、ステップS203と同様にして判定の結果(正常情報かエラー情報)をRAM13上に一時記憶する。
【0053】
さらに、1ブロック分のオーダについて関連情報のチェックを実行する(S205)。具体的に、制御部1は、顧客情報及びポートフォリオ(ブック)について判定する。制御部1は、ステップS203と同様にして判定の結果(正常情報かエラー情報)をRAM13上に一時記憶する。
【0054】
ステップS203〜S205により1ブロック分のチェック処理が完了した場合、制御部1は、全ブロックの処理が終了したかどうかを判定する(S206)。制御部1は、終了していないと判定した場合には、再度ステップS202を実行し、終了したと判定した場合には、次に全ブロックのチェック処理においてエラーがあったかどうかを判定する(S207)。制御部1がエラーがあったと判定した場合には、エラー確認画面を表示し、読み込み処理は終了する(S210)。
【0055】
他方、制御部1がエラーがなかったと判定した場合には、次にワーニングチェックを実行する(S208)。ワーニングチェックでは、制御部1は、レートの乖離幅が予め定められた範囲にあるかを判定する。これを全ブロック分実行する(S209)。全ブロック分が終了した後、制御部1は、図10のフローチャートに示されるように、ワーニングがあったかどうかを判定する(S211)。ワーニングがあった場合には、制御部1は、ワーニング確認画面を表示する(S212)。このとき、ユーザが処理を継続する入力を行なわない場合には、読み込みを終了し、処理を継続する入力を行なった場合には、図11に示す処理に移行する。
【0056】
まず、制御部1は、現在オーダーの識別番号OCの設定を実行する(S214)。1回目は、識別番号として「1」を設定する。2回目以降は、毎回、現在オーダーに対して1を加えた値を設定する。
【0057】
次に、制御部1は、現在オーダーの左下に位置するオーダーの識別番号OU1を算出する(S215)。具体的には、上述した式(1)により算出する。算出結果は、リンク情報記憶部53に格納される。また、制御部1は、現在オーダーの右下に位置するオーダーの識別番号OU2を算出する(S216)。具体的には、上述した式(2)により算出する。算出結果は、リンク情報記憶部53に格納される。
【0058】
制御部1は、ステップS216によって算出された、現在オーダーの右下に位置するオーダーの識別番号OU2が1ブロックに含まれるオーダー数以下かどうかを判定する(S217)。制御部1は、判定の結果、オーダー数よりも多いと判定した場合には、ステップS219に移行する。他方、制御部1は、判定の結果、オーダー数以下であると判定した場合には、idoリンクの生成処理を実行する(S219)。具体的に、制御部1は、ステップS214で設定した現在オーダーの識別番号OCと、配下のオーダの識別番号のそれぞれOU1、OU2との間において、OC ido OU1、OU2の関係が成立するように、リンクを設定し、設定したリンク情報をリンク情報記憶部53に格納する。
【0059】
次に、制御部1は、現在オーダーの識別番号OCが奇数かどうかを判定する(S219)。制御部1が奇数でないと判定した場合には、ステップS221を実行する。制御部1が奇数であると判定した場合には、ocoリンクの生成処理を実行する(S220)。具体的に、制御部1は、ステップS214で設定した現在オーダーの識別番号OCと、当該識別番号OCに対して1を加算した値との間で、OC oco (OC+1)の関係が成立するように、リンクを設定し、設定したリンク情報をリンク情報記憶部53に格納する。
【0060】
制御部1は、現在オーダの識別番号OCがオーダー数と同じかどうかを判定する(S221)。制御部1は、判定の結果、同じでないと判定した場合には、再度ステップS214の処理を実行し、同じと判定した場合には、全ブロック終了かどうかを判定する(S222)。制御部1は、判定の結果、全ブロック終了していないと判定した場合には、次のブロックについてステップS214の処理を実行する。
【0061】
制御部1は、判定の結果、全ブロック分終了したと判定した場合には、図12に示すリンク構文解析処理を実行する(S223)。具体的には、全実行パターンをシミュレーションにより実行する。リンク構文解析処理においては、オーダー情報の書き込みを行い(S224)、またリンク情報の書き込みを実行する(S225)。制御部1は、全ブロックを終了したかどうかを判定し、全ブロック終了していないと判定した場合には、ステップS224を実行し、終了したと判定した場合には、一連の処理を終了する。
【0062】
ここで、図13を用いて、リンク付け処理後の画面表示例について説明する。この画面表示は、制御部1によって出力装置3に表示される。図13に示す例では、上側の領域にオーダー情報が一覧形式で表示される。各オーダーは、識別番号と関連付けられて表示されている。オーダー情報の下方の領域には、リンク情報が一覧形式で表示される。リンク情報の左端の欄の数字は単なる参照番号であり、オーダーの識別番号ではない。
【0063】
なお、上述した例では、オーダーの識別番号は、1からスタートするものであったが、これに限られず、任意の数字からスタートする連続する数字であってもよい。また、数式に対して付加的な変換式やアルゴリズムを加えることも可能である。
【0064】
即ち、実質的に、次の式により、算出できる。
OU1=OC×2+C
OU2=OC×2+(C+1)
ここで、Cは定数であり、OCの最初の数字によって特定される。例えば、最初の数字が1の場合には1、2の場合には0、3の場合には−1、4の場合には−2である。即ち、2から最初の数字を差し引いた数字となる。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】本発明によるリーブオーダー管理システム及びダイナミックヘッジシステムの関連を示すブロック図である。
【図2】本発明によるリーブオーダー管理システムの構成を示すブロック図である。
【図3】本発明によるリーブオーダ管理システム及びダイナミックヘッジシステムの処理概要を示すフローチャートである。
【図4】本発明によるリーブオーダ管理システムにおいて実行される処理を説明するための概念図である。
【図5】本発明によるリーブオーダ管理システムにおいて実行されるリンク付け後のオーダー執行処理を説明するための概念図である。
【図6】本発明によるリーブオーダ管理システムにおいて実行されるリンク付け後のオーダー執行処理を説明するための概念図である。
【図7】本発明によるリーブオーダ管理システムにおいて実行されるリンク付け後のオーダー執行処理を説明するための概念図である。
【図8】本発明によるリーブオーダ管理システムにおいて実行されるリンク付け後のオーダー執行処理を説明するための概念図である。
【図9】本発明によるリーブオーダー管理システムにおいて実行されるリンク付け処理及びチェック処理の流れを示すフローチャートである。
【図10】本発明によるリーブオーダー管理システムにおいて実行されるリンク付け処理及びチェック処理の流れを示すフローチャートである。
【図11】本発明によるリーブオーダー管理システムにおいて実行されるリンク付け処理及びチェック処理の流れを示すフローチャートである。
【図12】本発明によるリーブオーダー管理システムにおいて実行されるリンク付け処理及びチェック処理の流れを示すフローチャートである。
【図13】本発明によるリーブオーダー管理システムにおける画面表示例である。
【図14】ダイナミックヘッジ商品を説明するための概念図である。
【符号の説明】
【0066】
1 制御部
2 入力装置
3 出力装置
4 入出力制御回路
5 データベース
51 シナリオ情報記憶部
52 リンク情報記憶部
100 ダイナミックヘッジシステム
200 リーブオーダー管理システム
【特許請求の範囲】
【請求項1】
想定条件と当該想定条件を充足した場合に実行される取引内容とを含む複数のオーダーが最適ヘッジ比率に調整されるように階層化され、二つの選択的なオーダーのうち一方のオーダーを実行した場合に他方のオーダーを取り消し、実行したオーダーについてさらに二つの選択的な配下のオーダーを定めるシナリオ情報に基づいてリーブオーダーを実行し、管理するリーブオーダー管理システムであって、
前記シナリオ情報に含まれるオーダーと、当該オーダーを識別する識別番号とを関連付けて格納するシナリオ情報記憶部と、
前記オーダー間の関連性に関するリンク情報を格納するリンク情報記憶部と、
前記シナリオ情報記憶部に格納されたオーダーのそれぞれについて、特定の識別番号をOCとし、配下のオーダーの識別番号をOU1、OU2とし、Cを定数としたとき、
OU1=OC×2+C
OU2=OC×2+(C+1)
によって表わされる式に基づいて当該配下のオーダの識別番号を算出し、算出された識別番号間のリンク情報を生成して前記リンク情報記憶部に格納する制御部を備えたリーブオーダー管理システム。
【請求項2】
前記リンク情報は、並列的に選択可能なオーダーであって一方を実行した場合に他方が取り消される関係を示すリンク情報ocoと、所定オーダーとこのオーダを実行した場合に発効される配下のオーダーとの関係を示すリンク情報idoとを含むことを特徴とする請求項1記載のリーブオーダー管理システム。
【請求項3】
前記制御部は、前記シナリオ情報記憶部に格納されたシナリオ情報に含まれるオーダー数が偶数件数であるかを判定することを特徴とする請求項1記載のリーブオーダー管理システム。
【請求項4】
前記制御部は、前記シナリオ情報記憶部に格納されたシナリオ情報に含まれるオーダーの全てについてリンク情報を算出し、前記リンク情報記憶部に格納することを特徴とする請求項1記載のリーブオーダー管理システム。
【請求項5】
前記制御部は、前記シナリオ情報記憶部に格納されたオーダーと識別番号とを関連付けて画面に表示させるとともに、前記リンク情報記憶部に格納されたリンク情報も画面に表示させることを特徴とする請求項1記載のリーブオーダー管理システム。
【請求項6】
前記制御部は、リンク情報の生成処理を外部から前記シナリオ情報を入力した際に実行することを特徴とする請求項1記載のリーブオーダー管理システム。
【請求項7】
前記オーダーは、為替先物予約取引の売買を行なうオーダーであることを特徴とする請求項1乃至6いずれかに記載のリーブオーダー管理システム。
【請求項8】
為替先物予約取引における発効条件付き多階層リーブオーダーに基づく為替先物予約取引の売買を繰り返すことによって最適ヘッジ比率に調整できるように作成されたシナリオ情報に基づいて、当該リーブオーダーの実行及び管理を行なうリーブオーダー管理システムであって、
前記リーブオーダーは、想定為替レートと当該想定為替レートを充足した場合に実行される為替売買内容とを含む複数のオーダーよりなり、かつ二つの選択的なオーダーのそれぞれに対して、二つの選択的なオーダーが関連付けられることにより階層化されており、
前記シナリオ情報に含まれるオーダーと、当該オーダーを識別する識別番号とを関連付けて格納するシナリオ情報記憶部と、
前記オーダー間の関連性に関するリンク情報を格納するリンク情報記憶部と、
前記リーブオーダーの実行及び管理を制御する制御部とを備え、
前記制御部は、
前記シナリオ情報記憶部に格納されたオーダーのそれぞれについて、特定の識別番号OCとし、配下のオーダーの識別番号をOU1、OU2とし、Cを定数としたとき、
OU1=OC×2+C
OU2=OC×2+(C+1)
によって表わされる式に基づいて当該配下のオーダの識別番号を算出し、算出された識別番号を記憶部に格納する識別番号算出手段と、
前記識別番号算出手段によって算出された配下のオーダーの識別番号OU1,OU2とOCとを前記記憶部より読み出し、OCにより特定されるオーダーが実行された場合にOU1,OU2により特定されるオーダーが発効される関係にあることを示すリンク情報を生成し、前記リンク情報記憶部に格納する第1のリンク情報生成手段と、
前記OCにより特定されるオーダーに対して、OC+1若しくはOC−1により特定されるオーダーが並列的に選択される関係にあることを示すリンク情報を生成し、前記リンク情報記憶部に格納する第2のリンク情報生成手段とを備えたリーブオーダー管理システム。
【請求項9】
前記制御部は、前記シナリオ情報記憶部に格納されたシナリオ情報に含まれるオーダー数が偶数件数であるかを判定するチェック手段を備えたことを特徴とする請求項8記載のリーブオーダー管理システム。
【請求項10】
前記制御部は、リンク情報の生成処理を外部から前記シナリオ情報を入力した際に実行することを特徴とする請求項8記載のリーブオーダー管理システム。
【請求項1】
想定条件と当該想定条件を充足した場合に実行される取引内容とを含む複数のオーダーが最適ヘッジ比率に調整されるように階層化され、二つの選択的なオーダーのうち一方のオーダーを実行した場合に他方のオーダーを取り消し、実行したオーダーについてさらに二つの選択的な配下のオーダーを定めるシナリオ情報に基づいてリーブオーダーを実行し、管理するリーブオーダー管理システムであって、
前記シナリオ情報に含まれるオーダーと、当該オーダーを識別する識別番号とを関連付けて格納するシナリオ情報記憶部と、
前記オーダー間の関連性に関するリンク情報を格納するリンク情報記憶部と、
前記シナリオ情報記憶部に格納されたオーダーのそれぞれについて、特定の識別番号をOCとし、配下のオーダーの識別番号をOU1、OU2とし、Cを定数としたとき、
OU1=OC×2+C
OU2=OC×2+(C+1)
によって表わされる式に基づいて当該配下のオーダの識別番号を算出し、算出された識別番号間のリンク情報を生成して前記リンク情報記憶部に格納する制御部を備えたリーブオーダー管理システム。
【請求項2】
前記リンク情報は、並列的に選択可能なオーダーであって一方を実行した場合に他方が取り消される関係を示すリンク情報ocoと、所定オーダーとこのオーダを実行した場合に発効される配下のオーダーとの関係を示すリンク情報idoとを含むことを特徴とする請求項1記載のリーブオーダー管理システム。
【請求項3】
前記制御部は、前記シナリオ情報記憶部に格納されたシナリオ情報に含まれるオーダー数が偶数件数であるかを判定することを特徴とする請求項1記載のリーブオーダー管理システム。
【請求項4】
前記制御部は、前記シナリオ情報記憶部に格納されたシナリオ情報に含まれるオーダーの全てについてリンク情報を算出し、前記リンク情報記憶部に格納することを特徴とする請求項1記載のリーブオーダー管理システム。
【請求項5】
前記制御部は、前記シナリオ情報記憶部に格納されたオーダーと識別番号とを関連付けて画面に表示させるとともに、前記リンク情報記憶部に格納されたリンク情報も画面に表示させることを特徴とする請求項1記載のリーブオーダー管理システム。
【請求項6】
前記制御部は、リンク情報の生成処理を外部から前記シナリオ情報を入力した際に実行することを特徴とする請求項1記載のリーブオーダー管理システム。
【請求項7】
前記オーダーは、為替先物予約取引の売買を行なうオーダーであることを特徴とする請求項1乃至6いずれかに記載のリーブオーダー管理システム。
【請求項8】
為替先物予約取引における発効条件付き多階層リーブオーダーに基づく為替先物予約取引の売買を繰り返すことによって最適ヘッジ比率に調整できるように作成されたシナリオ情報に基づいて、当該リーブオーダーの実行及び管理を行なうリーブオーダー管理システムであって、
前記リーブオーダーは、想定為替レートと当該想定為替レートを充足した場合に実行される為替売買内容とを含む複数のオーダーよりなり、かつ二つの選択的なオーダーのそれぞれに対して、二つの選択的なオーダーが関連付けられることにより階層化されており、
前記シナリオ情報に含まれるオーダーと、当該オーダーを識別する識別番号とを関連付けて格納するシナリオ情報記憶部と、
前記オーダー間の関連性に関するリンク情報を格納するリンク情報記憶部と、
前記リーブオーダーの実行及び管理を制御する制御部とを備え、
前記制御部は、
前記シナリオ情報記憶部に格納されたオーダーのそれぞれについて、特定の識別番号OCとし、配下のオーダーの識別番号をOU1、OU2とし、Cを定数としたとき、
OU1=OC×2+C
OU2=OC×2+(C+1)
によって表わされる式に基づいて当該配下のオーダの識別番号を算出し、算出された識別番号を記憶部に格納する識別番号算出手段と、
前記識別番号算出手段によって算出された配下のオーダーの識別番号OU1,OU2とOCとを前記記憶部より読み出し、OCにより特定されるオーダーが実行された場合にOU1,OU2により特定されるオーダーが発効される関係にあることを示すリンク情報を生成し、前記リンク情報記憶部に格納する第1のリンク情報生成手段と、
前記OCにより特定されるオーダーに対して、OC+1若しくはOC−1により特定されるオーダーが並列的に選択される関係にあることを示すリンク情報を生成し、前記リンク情報記憶部に格納する第2のリンク情報生成手段とを備えたリーブオーダー管理システム。
【請求項9】
前記制御部は、前記シナリオ情報記憶部に格納されたシナリオ情報に含まれるオーダー数が偶数件数であるかを判定するチェック手段を備えたことを特徴とする請求項8記載のリーブオーダー管理システム。
【請求項10】
前記制御部は、リンク情報の生成処理を外部から前記シナリオ情報を入力した際に実行することを特徴とする請求項8記載のリーブオーダー管理システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
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【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2007−272560(P2007−272560A)
【公開日】平成19年10月18日(2007.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−97350(P2006−97350)
【出願日】平成18年3月31日(2006.3.31)
【出願人】(592052416)株式会社みずほコーポレート銀行 (13)
【出願人】(599151008)みずほ第一フィナンシャルテクノロジー株式会社 (6)
【出願人】(592131906)みずほ情報総研株式会社 (187)
【公開日】平成19年10月18日(2007.10.18)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年3月31日(2006.3.31)
【出願人】(592052416)株式会社みずほコーポレート銀行 (13)
【出願人】(599151008)みずほ第一フィナンシャルテクノロジー株式会社 (6)
【出願人】(592131906)みずほ情報総研株式会社 (187)
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