説明

リールシートおよびそれに用いる締付固定手段

【課題】ジギングが盛んに行われている。また、特にジギングの際にはナイロンラインに替わって伸びのないPEラインが盛んに使われるようになってきている。従って、単独の締付ナットで締付固定したのでは緊締機能が不十分となる恐れが出てきているが、リールシート1を長尺化するのは好ましくない。
【解決手段】締付固定手段として締付ナット17とロックナット23が併用され、ナット17、23のいずれか一方または両方の内方が薄肉部21、27になっており、そこにボディ3の雄ネジ部9に対して回転不能で直進移動可能に弛み止めリング29が遊嵌されるよう設計されている。締付固定後は、締付ナット17とロックナット23は弛み止めリング29に両側から相対しながら圧接するので弛み止め効果が発揮される。その一方で、弛み止めリング29に外方から締付ナット17等が被さっているので、リールシート1を長尺化せずに済む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リール脚を固定するリールシートおよびそれに用いる締付固定手段に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のリールシートは、合成樹脂で形成され、固定フードが設けられ、竿体に外嵌固定されるボディと、前記ボディに対して進退移動可能に装着される可動フードと、前記ボディの外周面に形成された雄ネジ部に螺合することで前記可動フードを前記ボディに対して所定位置で締付固定する締付ナットとで構成されている。
【0003】
ところで、近年では、ジギングと呼ばれる、小魚に似せたジグ(擬似餌)を使い、海底に沈め、激しく竿をシャクリあげて魚を誘う釣り手法が盛んに行われている。特にジギングでは、擬似餌を自由に動かせることや、アタリを敏感に感じ取れる事等から、ナイロンラインに替わって伸びのないPEラインが盛んに使われるようになってきている。
【0004】
【特許文献1】実公昭49−16467号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
而して、PEラインはナイロンラインよりも伸びがないのでシャクリ動作をするとその動作振動がリールに直に伝わる。従って、締付ナットに掛かる弛緩方向への回転力は大きくなっており、特に激しいシャクリ動作を行うと単独の締付ナットで締付固定したのでは緊締機能が不十分となる恐れが出てきている。
特に、リールに対してナットが竿尻側で装着される所謂アップロックタイプでは、リールを握る手は、その手の平部分から小指部分にかけて締付ナットに当たることになる。そのため、締付ナットには手からも弛緩方向への回転力が掛かることになり、緊締機能が損なわれ易い。
【0006】
リールシートは合成樹脂製が主流になる前は金属製が殆どであり、合成樹脂と異なり弾力性による緊締機能が期待できなかったため、弛み止めについての考察は以前からなされており、例えば、特許文献1に示すように、締付ナットとロックナットとの間に弛み止めリングを介装させることで締付ナットとロックナットとの共回りを阻止することが提案されていた。
しかしながら、締付ナットを手で回して締付けるには、竿軸方向にある程度の長さ寸法を有することが必要である。また、弛み止めリングに十分な弛み止め機能を担わせるためには、ネジ幅ピッチを十分に超える長さ寸法を有することが必要である。その一方で、軽快なシャクリ動作を可能ならしめるため、リールシートの短尺化も求められている。
【0007】
従って、特許文献1の教示を基に上記した複数の課題に安易に応えようとすると、図11のリールシート101に示すように、弛め止めリング103の長さ寸法がネジ幅ピッチすれすれにしても、締付ナット105を螺進移動させて締付ける際に、指が締付ナット105と弛み止めリング103とに跨ってしまい、締付け難くなる。
それ故、本発明は、上記した複数の課題を同時に解決できる、新規且つ有用なリールシートおよびそれに用いる締付固定手段を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、鋭意研究の結果、締付固定手段を雄ネジ部の形成された部分において竿先側部材と竿尻側部材とに分割し、且つ、竿先側または竿尻側のいずれか一方または両方の部材の分割側部分の内方側を前記雌ネジ部より大径に切除された薄肉部にし、前記薄肉部の内側空間に、ボディの雄ネジ部に対して螺進移動不能で直進移動可能な弛み止めリングを遊嵌させることで、上記した課題を解決できることを思い付き、新規且つ有用な構造を案出するに至ったので、以下に記載する。
【0009】
請求項1の発明は、一方のリール脚挿入部が設けられ、竿体に外嵌固定されるボディと、他方のリール脚挿入部が設けられ、前記ボディに対して進退移動可能に外嵌装着される筒状締付固定手段とを備え、前記ボディの外周面に形成された雄ネジ部に前記締付固定手段の内周面に形成された雌ネジ部が螺合することで前記締付固定手段が前記ボディに対して締付固定されるタイプのリールシートにおいて、前記締付固定手段は前記雄ネジ部の形成された部分において竿先側部材と竿尻側部材とに分割され、且つ、竿先側部材または竿尻側部材のいずれか一方または両方の分割側部分の内方が前記雌ネジ部のネジ径より大径に切除された薄肉部になっており、前記薄肉部より内方の空間では、前記ボディの雄ネジ部に対して回転不能で直進移動可能に弛み止めリングが遊嵌されており、締付固定後は、前記竿先側部材と竿尻側部材は前記弛み止めリングに両側から相対して圧接することを特徴とするリールシートである。
【0010】
請求項2の発明は、請求項1に記載したリールシートにおいて、弛み止めリングは半径方向外方に張り出した外方フランジ部を有しており、締付固定後は、竿先側部材と竿尻側部材は前記外方フランジ部でも両側から相対して圧接することを特徴とするリールシートである。
【0011】
請求項3の発明は、請求項2に記載したリールシートにおいて、外方フランジ部の外周面は締付固定手段の外周面より内方に後退していることを特徴とするリールシートである。
【0012】
請求項4の発明は、請求項1から3のいずれかに記載したリールシートにおいて、締付固定手段の竿先側部材と竿尻側部材のうちリール側部材は締付ナットを備え、その余の部材はロックナットを備えており、薄肉部は前記締付ナットの竿尻側の内方が切除されたものからなることを特徴とするリールシートである。
【0013】
請求項5の発明は、請求項4に記載したリールシートにおいて、締付ナットの薄肉部の内周面には係止部が設けられ、弛み止めリングの外周面には前記係止部と凹凸係合可能な係止部が設けられており、前記締付ナットの螺進移動に追従して前記弛み止めリングが直進移動することを特徴とするリールシートである。
【0014】
請求項6の発明は、請求項1から5のいずれかに記載したリールシートを構成する締付固定手段である。
【発明の効果】
【0015】
本発明のリールシートによれば、弛み止めリングに外方から締付用部材が被さっているので、リールシートを長尺化せずとも、リール脚を竿体に固定する際の締付固定作業を楽に行える。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明の第1の実施の形態に係るリールシート1を、図1から図3に従って説明する。
図1はリールシート1の斜視図を、図2は分解斜視図をそれぞれ示す。このリールシート1は合成樹脂で構成されている。
符号3は筒状のボディを示し、このボディ3の外周面にはリール脚着座部5が形成されている。リール脚着座部5の竿先側部分は、フード状上面により上方空間が限定されて、一方のリール脚挿入部7になっている。ボディ3は竿体sの外周面に外嵌固定される。
ボディ3の竿尻側部分の外周面には雄ネジ部9が形成されている。また、この雄ネジ部9には竿軸方向に延びる1本のキー溝10が凹設されている。
【0017】
符号11は可動筒部材を示す。この可動筒部材11の内径はボディ3の外径より大きく設定されている。可動筒部材11の内周面には竿軸方向に延びるキー部13が設けられており、可動筒部材11がボディ3に装着される際にはこのキー部13が雄ネジ部9に形成されたキー溝10に差込まれて係合される。従って、可動筒部材11はボディ3に対して竿軸方向に直進移動可能で回転不能に外嵌装着される。
可動筒部材11は竿先側に向かって上部が拡径されたフード状上面を有しており、ボディ3に装着されると、リール脚着座部5の竿尻側部分は、上記したフード状上面により上方空間が限定されて、一方のリール脚挿入部7に対向する他方のリール脚挿入部15を形成する。
【0018】
符号17は締付ナットを示し、この締付ナット17の内周面には竿先端から竿尻側に向かって雌ネジ部19が形成されている。但し、竿尻端部分の内方は雌ネジ部19のネジ径より若干大径になるよう切除された薄肉部21になっている。
締付ナット17の外周面は竿軸方向に十分な長さ寸法を有しており、手で回して規定のトルクまで締付ける際に、隣接する他の部材を触らずに済む。
【0019】
符号23はロックナットを示し、このロックナット23の内周面には竿尻端から竿先側に向かって雌ネジ部25が形成されている。但し、竿先端部分の内方は雌ネジ部25のネジ径より若干大径になるよう切除された薄肉部27になっている。
ロックナット23の外周面は竿軸方向に十分な長さ寸法を有しており、手で回して規定のトルクまで締付ける際に、隣接する他の部材を触らずに済む。
【0020】
上記した締付ナット17の薄肉部21とロックナット23の薄肉部27の内径は同じ寸法に設定されている。
薄肉部21と薄肉部27の竿軸方向の長さ寸法は薄肉部21の方が若干長く設定されている。そして、薄肉部21と薄肉部27の竿軸方向の合計の長さ寸法(x1+y1)は、後述する弛み止めリング29の殆ど大部分を収容できるように設定されている。
薄肉部21と薄肉部27の肉厚寸法は、後述する圧接面積に比例する弛み止め効果を考慮して(w1)に設定されている。
【0021】
弛み止めリング29は竿軸方向に同径に形成されており、その竿軸方向の長さ寸法は雄ネジ部9のネジ幅ピッチを十分超える程度に設定されている。
弛み止めリング29の外径は上記した薄肉部21、27の内径より若干小さく設定されている。また、内径は雄ネジ部9のネジ径より若干大きく設定されている。弛み止めリング29の内周面には竿軸方向に両端まで延びるキー部31が形成されている。このキー部31は上記した雄ネジ部9に凹設されたキー溝10に差込まれて係合される。
【0022】
従って、図3の一部断面図に示すように、弛み止めリング29は、薄肉部21、27とボディ3の雄ネジ部9との間の環状の内部空間に収容されたときには、断面I字状をなして、ボディ3の雄ネジ部9に対して竿軸方向に直進移動可能であるが回転は不能に遊嵌される。
上記したように、この実施の形態では、固定締付手段は、可動筒部材11、締付ナット17、ロックナット23、弛み止めリング29の各部材により構成されており、締付ナット17が竿先側部材に、ロックナット23が竿尻側部材に夫々対応している。
【0023】
リールをリールシート1に装着するときには、リール脚着座部5にリール脚(図示省略)を着座させ、その竿先側部分をリール脚挿入部7に挿入する。そして、先ずリール側部材である締付ナット17を手で回して竿先に向かって螺進移動させ、ボディ3に対して所定のトルクで締付ける。この際、可動筒部材11は、締付ナット17の螺進移動に追従して竿先に向かって直進移動し、そのリール脚挿入部15にリール脚の竿尻側部分が相対的に挿入される。従って、この締付けによりリール脚がリール脚挿入部7、15間で挟着固定され、装着作業が終了する。
さらに、弛み止めリング29を竿先に向かって直進移動させ、次いで、ロックナット23を手で回して竿先に向かって螺進移動させ、所定のトルクで締付ける。これで、弛み止め作業が終了する。
【0024】
本発明では、装着及び弛み止め作業を併せて締付固定作業としている。
上記のように締付固定作業を終了した後は、締付ナット17の竿尻側面とロックナット23の竿先側面の内方は弛み止めリング29に両側から相対して適度な圧接面積で圧接している。
一方、締付ナット17の竿尻側面とロックナット23の竿先側面の外方側は僅かな隙間があいている。
【0025】
リールシート1は上記したように、締付ナット17とロックナット23との間に弛み止めリング29が介装されているので、締付ナット17に対して弛緩方向の回転力が掛かっても、それが共回りしない弛み止めリング29により受け止められ、ロックナット23まで伝わることはない。従って、効果的に弛みが防止される。
しかも、弛み止めリング29には締付ナット17とロックナット23に夫々備えられた薄肉部21、27が外方から被さっており、ナット17、23を手で掴んで回すときに、それぞれの薄肉部21、27の外周面も掴み部位として利用できる。従って、締付ナット17及びロックナット23を含む固定締付手段を長尺化せずに済む。
【0026】
以下、別の実施の形態を説明するが、共通する箇所は同じ符号を付して説明を省略する。
【0027】
本発明の第2の実施の形態に係るリールシート41について、図4の一部断面図に従って説明する。
このリールシート41の締付ナット側の薄肉部21とロックナット側の薄肉部27の肉厚寸法(w2)は、第1の実施の形態に係る夫々の薄肉部21と薄肉部27の肉厚寸法(w1)より小さく設定されており、その分、弛み止めリング29の外径を大きくできている。そのため、このリールシート41では、第1の実施の形態に係るリールシート1より弛み止めリング29に対する締付ナット17とロックナット23の圧接面積が大きく確保されている。
そのため、締付ナット17に対して弛緩方向の回転力がより大きく掛かっても、弛み止めリング29により確実に受け止められ、より高い弛み止め効果が期待できる。
【0028】
本発明の第3の実施の形態に係るリールシート51について、図5の一部断面図に従って説明する。
第1の実施の形態と異なり、このリールシート51の弛み止めリング53の外周面の中間部分には、半径方向外方に張り出した鍔状の外方フランジ部55が設けられており、断面T字状をなしている。そのため、このリールシート51では、締付固定後は、締付ナット17の竿尻側面とロックナット23の竿先側面は夫々全面にわたって弛み止めリング53に両側から相対して圧接することになり、第1の実施の形態に係るリールシート1より弛み止めリング53に対する締付ナット17とロックナット23の圧接面積が大きく確保されている。従って、締付ナット17に対して弛緩方向の回転力がより一層大きく掛かっても、弛み止めリング53により確実に受け止められ、より高い弛み止め効果が期待できる。
なお、外方フランジ部55の存在を考慮して、薄肉部21の長さ寸法(x2)と薄肉部27の長さ寸法(y2)は夫々第1の実施の形態での長さ寸法(x1、y1)より若干短く設定されている。
【0029】
本発明の第4の実施の形態に係るリールシート61について、図6の一部断面図に従って説明する。
第3の実施の形態と異なり、このリールシート61では、締付ナット17側にのみ薄肉部21が形成されており、薄肉部21の竿軸方向の長さ寸法がx2に設定されている。弛み止めリング63の外周面の竿尻端部分に、半径方向外方に張り出した鍔状の外方フランジ部65が設けられており、断面L字状をなしている。締付ナット17は可動筒部材11を押圧しながら締付けるため、ロックナット23より力を込めて締め付ける必要があり、手で掴む部分がある程度長い方が力を込めて締付け易い。このリールシート61は、この点を考慮して設計されている。
なお、このリールシート61では、第3の実施の形態に対してロックナット23の薄肉部27を無くすだけの改変をして済ませているので、弛み止めリング63の雄ネジ部9相対側の長さ寸法が相対的に短くなってネジ幅ピッチに近くなっているが、大きい回転力が掛かることが予想される場合には薄肉部21の長さ寸法(x2)をより長く設定されるよう調整することとなる。
【0030】
本発明の第5の実施の形態に係るリールシート71について、図7の一部断面図に従って説明する。
第4の実施の形態と異なり、このリールシート71では、弛み止めリング63の外周面73が、締付ナット17の外周面75やロックナット23の外周面77から突出せず、面一となっている。
従って、外方フランジ部65が設けられていても、グリップg(図1)側から締付ナット17にかけて突出する部分が無くなるので、手をグリップg側からスムーズに滑動させることができる。
【0031】
本発明の第6の実施の形態に係るリールシート81について、図8の一部断面図に従って説明する。
第5の実施の形態と異なり、このリールシート81では、弛み止めリング63の外周面73が、締付ナット17の外周面75やロックナット23の外周面77から突出せず、内方に後退している。
従って、手をグリップg側から滑動させる際に、外方フランジ部65に当たらなくなり、弛み止めリング63を締付ナット17やロックナット23とは別の素材で構成しても握りに違和感が出ない。
【0032】
本発明の第7の実施の形態に係るリールシート91について、図9の一部断面図に従って説明する。
第6の実施の形態と異なり、このリールシート91では、弛み止めリング63の竿先側端に、竿尻方向に向かってテーパー状に拡径しながら、半径方向外方に環状に突出した係止凸部93が設けられている。また、締付ナット17の薄肉部21の内周面には、竿尻方向に向かってテーパー状に拡径しながら、半径方向外方に環状に凹んだ係止凹部95が設けられている。そして、係止凸部93が係止凹部95に入り込んで凹凸係合されている。このリールシート91によれば、締付ナット17の螺進移動に追従して弛み止めリング63が直進移動するので、締付固定作業が楽になる。
なお、係止部の形成部位を確保するために、薄肉部21の長さ寸法(x3)は第6の実施の形態での長さ寸法(x2)より長く設定されている。
【0033】
本発明の第8の実施の形態に係るリールシート97について、図10の斜視図に従って説明する。
第1の実施の形態に係るリールシート1が、リールに対して締付ナット17が竿尻側で装着される所謂アップロックタイプであるのに対して、このリールシート97は、リールに対して締付ナット17が竿先側で装着される所謂ダウンロックタイプである点が異なっている。
このように、本発明はアップロックタイプにもダウンロックタイプにも適用できる。
【0034】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明の具体的構成は上記の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨から外れない範囲での設計変更があっても本発明に含まれる。
例えば、薄肉部がロックナットに設けられた場合には、ロックナットと弛み止めリングを係合させることもできる。但し、ロックナットの締付に必要なネジ寸法、即ち雌ネジ部の竿軸方向の長さ寸法は締付ナットより短くて済むことから、リールシート全体の短尺化の要請を優先するならば、締付ナットと係合させる方が好ましい。
【0035】
また、固定締付手段の竿先側の分割部分は、可動筒部材と締付ナットと2つの部材で構成されているが、可動筒部材と締付ナットを回動自在に係合させ、可動筒部材を締付ナットの進退に追従して移動する構成としてもよく、上記部材で夫々に担わされている機能を同時に備えた一つの部材で構成してもよい。
さらに、締付ナットやロックナットの薄肉部の肉厚寸法や長さ寸法は、各部材の素材や使用条件を考慮して、適宜設定すればよいことである。
いずれにしても、特許請求されている形状等を除いては、従来からあるまたは将来案出される形状や製造を任意に組み合わせることができる。
【産業上の利用可能性】
【0036】
本発明のリールシートによれば、リールを装着する際の操作性を犠牲にせずに、確実な弛み止めが期待できる。従って、PEラインを使用したジギングを豪快に楽しむことができる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るリールシートの斜視図である。
【図2】図1のリールシートの分解斜視図である。
【図3】図1のリールシートの一部断面図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態に係るリールシートの一部断面図である。
【図5】本発明の第3の実施の形態に係るリールシートの一部断面図である。
【図6】本発明の第4の実施の形態に係るリールシートの一部断面図である。
【図7】本発明の第5の実施の形態に係るリールシートの一部断面図である。
【図8】本発明の第6の実施の形態に係るリールシートの一部断面図である。
【図9】本発明の第7の実施の形態に係るリールシートの一部断面図である。
【図10】本発明の第8の実施の形態に係るリールシートの斜視図である。
【図11】従来品を模したリールシートの一部断面図である。
【符号の説明】
【0038】
1‥‥リールシート(第1の実施の形態)
3‥‥ボディ 5‥‥リール脚着座部
7‥‥リール脚挿入部 9‥‥雄ネジ部
10‥‥キー溝 11‥‥可動筒部材
13‥‥キー部 15‥‥リール脚挿入部
17‥‥締付ナット 19‥‥雌ネジ部
21‥‥薄肉部 23‥‥ロックナット
25‥‥雌ネジ部 27‥‥薄肉部
29‥‥弛み止めリング 31‥‥キー部
41‥‥リールシート(第2の実施の形態)
51‥‥リールシート(第3の実施の形態)
53‥‥弛み止めリング 55‥‥外方フランジ部
61‥‥リールシート(第4の実施の形態)
63‥‥弛み止めリング 65‥‥外方フランジ部
71‥‥リールシート(第5の実施の形態)
73‥‥(弛み止めリング)外周面 75‥‥(締付ナット)外周面
77‥‥(ロックナット)外周面
81‥‥リールシート(第6の実施の形態)
91‥‥リールシート(第7の実施の形態)
93‥‥係止凸部 95‥‥係止凹部
97‥‥リールシート(第8の実施の形態)
s‥‥竿体 g‥‥グリップ
x、y‥‥薄肉部の長さ寸法 w‥‥薄肉部の肉厚寸法

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方のリール脚挿入部が設けられ、竿体に外嵌固定されるボディと、他方のリール脚挿入部が設けられ、前記ボディに対して進退移動可能に外嵌装着される筒状締付固定手段とを備え、前記ボディの外周面に形成された雄ネジ部に前記締付固定手段の内周面に形成された雌ネジ部が螺合することで前記締付固定手段が前記ボディに対して締付固定されるタイプのリールシートにおいて、
前記締付固定手段は前記雄ネジ部の形成された部分において竿先側部材と竿尻側部材とに分割され、且つ、竿先側部材または竿尻側部材のいずれか一方または両方の分割側部分の内方が前記雌ネジ部のネジ径より大径に切除された薄肉部になっており、
前記薄肉部より内方の空間では、前記ボディの雄ネジ部に対して回転不能で直進移動可能に弛み止めリングが遊嵌されており、締付固定後は、前記竿先側部材と竿尻側部材は前記弛み止めリングに両側から相対して圧接することを特徴とするリールシート。
【請求項2】
請求項1に記載したリールシートにおいて、
弛み止めリングは半径方向外方に張り出した外方フランジ部を有しており、締付固定後は、竿先側部材と竿尻側部材は前記外方フランジ部でも両側から相対して圧接することを特徴とするリールシート。
【請求項3】
請求項2に記載したリールシートにおいて、
外方フランジ部の外周面は締付固定手段の外周面より内方に後退していることを特徴とするリールシート。
【請求項4】
請求項1から3のいずれかに記載したリールシートにおいて、
締付固定手段の竿先側部材と竿尻側部材のうちリール側部材は締付ナットを備え、その余の部材はロックナットを備えており、
薄肉部は前記締付ナットの竿尻側の内方が切除されたものからなることを特徴とするリールシート。
【請求項5】
請求項4に記載したリールシートにおいて、
締付ナットの薄肉部の内周面には係止部が設けられ、弛み止めリングの外周面には前記係止部と凹凸係合可能な係止部が設けられており、前記締付ナットの螺進移動に追従して前記弛み止めリングが直進移動することを特徴とするリールシート。
【請求項6】
請求項1から5のいずれかに記載したリールシートを構成する締付固定手段。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2010−99007(P2010−99007A)
【公開日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−273477(P2008−273477)
【出願日】平成20年10月23日(2008.10.23)
【出願人】(000237385)富士工業株式会社 (24)
【Fターム(参考)】