説明

レギュレータ装置

【課題】
レギュレータの個体差等を考慮して出力電流に応じて最適なレギュレータを選択することにより、変換効率の最適化を図ったレギュレータ装置を提供する。
【解決手段】
電力入力端子と電力出力端子を有するレギュレータ装置であって、前記電力入力端子と前記電力出力端子の間に並列に配設される複数のレギュレータと、前記複数のレギュレータの各々について、出力電流に対する変換効率の特性を表す変換効率特性情報を取得する変換効率特性情報取得部と、前記変換効率特性情報取得部によって取得される前記複数のレギュレータの各々の前記変換効率特性情報を格納するメモリ部と、前記電力出力端子から出力される出力電流の値と、前記メモリ部に格納された変換効率特性情報とに基づき、前記複数のレギュレータの切替制御を行う切替制御部とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
レギュレータ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話機のような無線通信装置、又はPC(Personal Computer:パーソナルコンピュータ)、サーバ等の情報処理装置には、電力変換用のレギュレータが用いられている。
【0003】
近年における無線通信装置及び情報処理装置等の高性能化・高機能化により、消費電力は増大傾向にあると同時に、長期間にわたって安定的に電力を供給することが求められている。
【0004】
ところで、レギュレータには、定格電流又は定格電圧等の違いによる様々な種類のものがあり、出力電流値に対する変換効率の特性は、レギュレータの種類によって異なる。
【0005】
また、変換効率を向上させるためには、トランジスタ又は整流ダイオード等の内部部品を変更する必要があるが、変換効率は出力電流値に対する特性を有するため、内部部品の最適化は容易ではない。
【0006】
このため、変換効率の異なる複数のレギュレータを有し、出力電流値に応じて変換効率が最適なレギュレータに選択的に切り替えるレギュレータ装置があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平11−353040号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、上述のようにレギュレータの変換効率はレギュレータの種類によって異なるが、いずれの種類のレギュレータにも変換効率の経年変化(経年劣化)が生じる。変換効率の経年変化は、レギュレータの使用状況又は使用頻度等によって度合が異なる。
【0009】
また、変換効率には、個々のレギュレータ間でばらつきがある場合もある。
【0010】
このため、経年変化又はばらつき等の個体差を考慮しないでレギュレータの切り替えを行うと、最適なレギュレータの選択を行えない場合が生じるという課題があった。
【0011】
そこで、レギュレータの個体差等を考慮して出力電流に応じて最適なレギュレータを選択することにより、変換効率の最適化を図ったレギュレータ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の実施の形態の一観点のレギュレータ装置は、電力入力端子と電力出力端子を有するレギュレータ装置であって、前記電力入力端子と前記電力出力端子の間に並列に配設される複数のレギュレータと、前記複数のレギュレータの各々について、出力電流に対する変換効率の特性を表す変換効率特性情報を取得する変換効率特性情報取得部と、前記変換効率特性情報取得部によって取得される前記複数のレギュレータの各々の前記変換効率特性情報を格納するメモリ部と、前記電力出力端子から出力される出力電流の値と、前記メモリ部に格納された変換効率特性情報とに基づき、前記複数のレギュレータの切替制御を行う切替制御部とを含む。
【発明の効果】
【0013】
レギュレータの個体差等を考慮して出力電流に応じて最適なレギュレータを選択することにより、変換効率の最適化を図ったレギュレータ装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】実施の形態1のレギュレータ装置を示すブロック図である。
【図2】実施の形態1のレギュレータ装置に用いるレギュレータ10の内部構造を示す図である。
【図3】実施の形態1のレギュレータ装置100に含まれるレギュレータ10A〜10Cの各々の出力電流に対する変換効率の特性を示す図である。
【図4】実施の形態1のレギュレータ装置100で用いる変換効率特性情報のデータ構造を示す図である。
【図5】レギュレータ10における変換効率特性の計算処理を示すフローチャートである。
【図6】実施の形態1のレギュレータ装置100で用いる切替用データを示す図である。
【図7】実施の形態1のレギュレータ装置100で用いる切替用データに基づいて切り替えられるレギュレータ10A〜10Cと出力電流値との関係を示す図である。
【図8】実施の形態1のレギュレータ装置100におけるレギュレータ10A〜10Cの切替処理を示すフローチャートである。
【図9】実施の形態2のレギュレータ装置に含まれるレギュレータ210の内部構造を示す図である。
【図10】実施の形態2のレギュレータ装置で異常検出に用いる異常情報を表す異常情報データのデータ構造を示す図である。
【図11】実施の形態2のレギュレータ装置による異常検出処理を含むレギュレータの切替処理の内容を示すフローチャートである。
【図12】実施の形態3のレギュレータ装置300を示すブロック図である。
【図13】実施の形態3のレギュレータ装置300の切替処理を示すフローチャートである。
【図14】実施の形態4のレギュレータ装置400を示すブロック図である。
【図15】実施の形態4のレギュレータ装置400の切替回路410の回路構成を示す図である。
【図16】(A)は実施の形態4のレギュレータ装置400における切替用データの取得処理を示すフローチャート、(B)はレギュレータ10A〜10Cの切替処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明のレギュレータ装置を適用した実施の形態について説明する。
【0016】
[実施の形態1]
実施の形態1では、レギュレータ装置が情報処理装置としてのサーバに組み込まれ、サーバに電力供給を行う形態について説明する。
【0017】
図1は、実施の形態1のレギュレータ装置を示すブロック図である。
【0018】
実施の形態1のレギュレータ装置100は、3つのレギュレータ10A、10B、10C、コントローラIC(Integrated Circuit:集積回路)50、電力入力端子101、電力出力端子102、リアクトル103、コンデンサ104、及び出力電流検出部105を含む。
【0019】
レギュレータ10A、10B、10C(以下、10A〜10Cと記す)は、それぞれ電力入力端子101と電力出力端子102の間で並列に接続されている。レギュレータ10A〜10Cは、それぞれ定格電流値が異なるため変換効率特性が異なるが、内部構造は基本的に同一である。レギュレータ10A〜10Cの内部構造については、図2を用いて後述する。なお、レギュレータ10A〜10Cを特に区別しない場合には、レギュレータ10と称す。
【0020】
コントローラIC50は、インターフェイス部51、主制御部52、及びメモリ部53を有し、出力電流検出部105で検出される出力電流の値に基づき、変換効率が最適なレギュレータをレギュレータ10A〜10Cのうちから選択する。レギュレータ10A〜10Cの切替は、コントローラIC50がレギュレータ10A〜10Cの各々をオン/オフすることにより、いずれか一つを選択することによって行われる。
【0021】
インターフェイス部51は、レギュレータ10A〜10CとコントローラIC50との間におけるデータの入出力処理を行う。具体的には、インターフェイス部51は、例えば、変換効率を計測するための計測指令をレギュレータ10A〜10Cに伝送する処理、レギュレータ10A〜10Cから伝送される変換効率特性情報をメモリ部53に伝送する処理、出力電流検出部105で検出される出力電流値を主制御部52に伝送する処理、及び、レギュレータ10A〜10Cを切り替えるための切替指令を出力する処理を行う。
【0022】
主制御部52は、変換効率特性情報取得部521と切替制御部522を有する。
【0023】
変換効率特性情報取得部521は、切替制御に必要となるレギュレータ10A〜10Cの変換効率特性情報を取得する。また、切替制御部522は、インターフェイス部51を介して出力電流検出部105から入力される出力電流値と、メモリ部53に格納された変換効率特性情報とに基づき、レギュレータ10A〜10Cを切り替える切替制御部である。
【0024】
主制御部52は、例えば、CPU(Central Processing Unit:中央演算装置)で実現することができる。主制御部52内の切替制御部522がレギュレータ10A〜10Cの切替制御のために生成する切替指令は、インターフェイス部51を介してレギュレータ10A〜10Cに伝送される。
【0025】
メモリ部53は、レギュレータ10A〜10Cの各々で測定された変換効率特性情報を格納するメモリであり、ここでは不揮発性のメモリを用いる。レギュレータ装置100の電源がオフにされても、変換効率特性情報を保持することが可能であるからである。
【0026】
電力入力端子101は、レギュレータ装置100が組み込まれるサーバに供給される電力(Vin)が入力される端子であり、例えば、3〜5(V)の直流電圧が入力される。電力入力端子101に入力される直流電圧は、レギュレータ装置100内で所定電圧の直流電圧に変換(降圧又は昇圧)され、電力出力端子102から出力される。電力出力端子102から出力される電力(Vout)は、レギュレータ装置100が組み込まれるサーバ内のIC等に供給される。
【0027】
リアクトル103は、一端がレギュレータ10A〜10Cの出力側に接続されるとともに、他端が電力出力端子102に接続されており、後述するレギュレータ10A〜10C内のスイッチング素子のオン/オフに伴って電力変換用の誘導起電力を発生させるために設けられている。リアクトル103としては、誘導コイルを用いることができる。
【0028】
コンデンサ104は、一端がリアクトル103と電力出力端子102との間に接続され、他端が接地された平滑用のコンデンサであり、電力出力端子102から出力される出力電圧を平滑化するために挿入されている。
【0029】
出力電流検出部105は、電力出力端子102から出力される電流の電流値を検出する電流センサである。
【0030】
次に、レギュレータ10について説明する。
【0031】
図2は、実施の形態1のレギュレータ装置に用いるレギュレータ10の内部構造を示す図である。図2には、一例として降圧用のレギュレータ10を示す。
【0032】
レギュレータ10は、電力入力端11、電力出力端12、FET(Field Effect Transistor:電界効果型トランジスタ)13、FET14、制御部15、電流センサ16A、電圧センサ16V、エラーアンプ17、コンパレータ18、発振器19、インターフェイス部20、変換効率測定部21、及びメモリ部22を含む。
【0033】
電力入力端11は、レギュレータ装置100の電力入力端子101に接続されており、レギュレータ装置100が組み込まれるサーバに供給される電力が入力される。例えば、3〜5(V)の直流電圧が入力される。
【0034】
電力出力端12は、レギュレータ装置100の電力出力端子102に接続されており、レギュレータ10内で変換された電力を出力する。電力出力端12から出力される電力は、レギュレータ装置100の電力出力端子102から出力される。
【0035】
FET13は、制御部15によってオン/オフの制御が行われるスイッチング素子であり、例えば、P型のMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)を用いることができる。
【0036】
FET14は、制御部15によってオン/オフの制御が行われるスイッチング素子であり、例えば、N型のMOSFETを用いることができる。
【0037】
FET13及びFET14は、ドレイン端子同士が接続されており、FET13のソースは電力入力端11に接続され、FET14のソースは接地され、それぞれのゲートが制御部15によって駆動されることによってオン/オフが行われる。
【0038】
制御部15は、レギュレータ10の切替処理に伴うオン/オフ制御と、FET13及びFET14のオン/オフ制御とを行う。
【0039】
制御部15は、コントローラIC50からレギュレータ10のオン/オフの切り替えを表す切替指令が伝送されると、レギュレータ10のオン/オフの制御を行う。図1に示すように、実施の形態1では3つのレギュレータ10A〜10Cがあるため、レギュレータ10A〜10Cの各々に含まれる制御部15が切替指令に基づいてオン/オフを切り替えることにより、3つのレギュレータ10A〜10Cの切替制御が実行される。
【0040】
また、オンにされたレギュレータ10の制御部15は、FET13及びFET14のゲートに駆動電圧を印加することにより、FET13及びFET14のオン/オフ制御を行い、電力入力端11から入力される電力を所定の電力に変換するための処理を行う。
【0041】
電流センサ16A及び電圧センサ16Vは、レギュレータ10の出力電流及び出力電圧を検出するために配設されている。電流センサ16A及び電圧センサ16Vで検出される電流値及び電圧値は、制御部15に入力され、入力電力を降圧するためにFET13、14の駆動制御を行う際に用いられる。
【0042】
エラーアンプ17には、出力電力に応じた出力電圧が非反転入力端に入力されるとともに、基準電圧用電源17Aから出力される基準電圧が反転入力端に入力されており、出力電圧と基準電圧との誤差を増幅して出力する。
【0043】
コンパレータ18には、エラーアンプ17から出力される誤差電圧と、発振器19から出力されるパルス電圧が入力されている。コンパレータ18は、パルス電圧によって決まる所定のタイミングで誤差電圧を取り込み、制御部15に入力する。この結果、制御部15によってFET13及びFET14の駆動制御が行われ、入力電力が所定の出力電力に変換される。
【0044】
発振器19は、例えば、オシレータ(OSC:oscillator)であり、コンパレータ18に入力するためのパルス電圧を発生する。
【0045】
インターフェイス部20は、コントローラIC50に接続されており、データの入出力処理を行う。具体的には、インターフェイス部20は、例えば、コントローラIC50から受け取った計測指令を変換効率測定部21に入力する処理、レギュレータ10の変換効率特性情報をコントローラIC50に出力する処理、及び、コントローラIC50から伝送される切替指令を制御部15に入力する処理を行う。
【0046】
変換効率測定部21は、入力電力測定部21A、出力電力測定部21B、及び変換効率計算部21Cを有し、コントローラIC50から計測指令を受け取ると、レギュレータ10の変換効率特性を計算する。
【0047】
入力電力測定部21Aは、電力入力端11における入力電力を測定する。出力電力測定部21Bは、電力出力端12における出力電力を取得する。レギュレータ装置100の入出力電力は直流電力であるため、入力電力測定部21A及び出力電力測定部21Bは、直流電力を測定できる電力計であればよい。
【0048】
変換効率計算部21Cは、例えば、CPUで実現され、入力電力に対する出力電力の比を求めることによって変換効率を算出し、さらに、電力出力端12における出力電流値に対するレギュレータ10の変換効率特性を計算する。変換効率計算部21Cによって計算された変換効率特性を表す変換効率特性情報は、インターフェイス部20によってメモリ部22に格納される。
【0049】
メモリ部22は、変換効率計算部21Cによって計算された変換効率特性を表す変換効率特性情報を格納するメモリである。メモリ部22は、変換効率特性情報を一時的に保持できればよいため、ここでは揮発性のメモリを用いる。
【0050】
このようなレギュレータ10は、コントローラIC50からオンに切り替える切替指令が伝送されるとオンになる。オンになったレギュレータ10の制御部15は、電流センサ16A及び電圧センサ16Vで検出される電流値及び電圧値を用いて出力電力が所定の電力に変換されるようにFET13及びFET14のオン/オフ制御を行う。これにより、電力入力端11から入力される電力が所定の電力に変換されて電力出力端12から出力される。
【0051】
ここで、電力入力端11はレギュレータ装置100の電力入力端子101に接続されており、電力出力端12はレギュレータ装置100の電力出力端子102に接続されているため、電力出力端12にはリアクトル103とコンデンサが接続されていることになる。
【0052】
制御部15によってFET13と14は交互に切り替えられ、FET13がオンの時は電力入力端11から入力される電力がリアクトル103に蓄えられる。また、FET13がオフにされるとともに、FET14がオンにされると、リアクトル103に蓄えられた電力によってコンデンサ104が充電される。
【0053】
このようなFET13、14のオン、オフを制御部15が制御することにより、レギュレータ10の入力電力が所定の電力に変換(ここでは、降圧)されて電力出力端12から出力される。
【0054】
次に、図3を用いてレギュレータ10A〜10Cの変換効率特性について説明する。
【0055】
図3は、実施の形態1のレギュレータ装置100に含まれるレギュレータ10A〜10Cの各々の出力電流に対する変換効率の特性を示す図である。
【0056】
図3に示す実線は、レギュレータ10Aの変換効率特性を示し、破線は、レギュレータ10Bの変換効率特性を示し、一点鎖線は、レギュレータ10Cの変換効率特性を示す。
【0057】
図3に示すように、レギュレータ10A〜10Cの変換効率特性は、変換効率がピークとなる出力電流の値がずれている。出力電流値が0.5(A)まではレギュレータ10Aの変換効率が最も高く、出力電流値が0.5〜1.25(A)まではレギュレータ10Bの変換効率が最も高く、出力電流値が1.25(A)以上ではレギュレータ10Cの変換効率が最も高い。
【0058】
このように、レギュレータ10A〜10Cの出力電流値に対する変換効率の特性は、それぞれ異なり、最も変換効率の高いレギュレータは、出力電流値に応じて異なる。これは、レギュレータ10A〜10Cの定格電流又は定格電圧等の違いに起因する。
【0059】
また、レギュレータ10A〜10Cの変換効率は、経年変化によって劣化し、劣化の度合は、レギュレータ10A〜10Cのそれぞれの使用状況又は使用頻度等によって異なる。さらに、同一のレギュレータ10A同士、10B同士、10C同士であっても、ばらつきが存在する場合もあり得る。
【0060】
このため、実施の形態1のレギュレータ装置100では、予め定めたタイミングでレギュレータ10A〜10Cの各々の変換効率特性を測定し、それぞれのメモリ部22に格納する。レギュレータ10A〜10Cの各々のメモリ部22に格納された変換効率特性は、レギュレータ装置100に伝送され、メモリ部53に格納される。レギュレータ装置100は、経年変化又はばらつき等の個体差を反映した変換効率特性に基づき、出力電流値に応じて最も効率の高いレギュレータを10A〜10Cから選択してオンにする。
【0061】
以下、レギュレータ10A〜10Cの各々の経年変化又はばらつき等の個体差を反映した変換効率特性を用いて、出力電流値に応じて最も効率の高いレギュレータを10A〜10Cから選択するためのデータ構造及び処理内容等について説明する。
【0062】
図4は、実施の形態1のレギュレータ装置100で用いる変換効率特性情報のデータ構造を示す図である。図4(A)は、レギュレータ10のメモリ部22に格納される変換効率特性情報を示し、図4(B)は、レギュレータ装置100のメモリ部53に格納される変換効率特性情報を示す。
【0063】
変換効率特性は、レギュレータ10の出力電流値に対する変換効率を表す特性であるため、変換効率特性情報としては、例えば、出力電流値に対する変換効率の値を示すプロットのデータを用いることができる。
【0064】
このため、実施の形態1のレギュレータ10は、図4(A)に示すように、出力電流値(0.01〜10.0(A))と変換効率(α〜α(%))(kは任意の整数)で表されるプロットのデータを多数含む変換効率特性情報をメモリ部22に格納している。変換効率特性情報に含まれるプロットのデータは、図3に一例を示すような変換効率特性を表す。
【0065】
また、図4(B)に示すように、レギュレータ装置100のメモリ部53には、レギュレータ10A〜10Cのそれぞれの変換効率特性情報が識別子(ID:Identification)に関連付けられて格納されている。図4(B)に示す識別子(reg001, reg002, reg003)は、レギュレータ10A〜10Cにそれぞれ割り振られており、識別子とプロットのデータが関連付けられている。ここで、レギュレータ10Bの変換効率特性情報に含まれる変換効率はβ〜β(%)(lは任意の整数)であり、レギュレータ10Cの変換効率特性情報に含まれる変換効率はγ〜γ(mは任意の整数)である。
【0066】
なお、ここでは変換効率特性情報がプロットのデータで表される形態について説明するが、変換効率特性情報は、出力電流値に対する変換効率の値を表す式を表すデータであってもよい。
【0067】
次に、図5を用いて実施の形態1のレギュレータ装置100に含まれるレギュレータ10における変換効率特性の計算処理について説明する。
【0068】
図5は、レギュレータ10における変換効率特性の計算処理を示すフローチャートである。この計算処理は、レギュレータ10内の変換効率計算部21Cによって実行される処理である。
【0069】
変換効率計算部21Cは、変換効率を計測するための計測指令をコントローラIC50から受け取ると、処理を開始する(スタート)。ここで、計測指令は、レギュレータ装置100の電源が投入された後であってサーバ(外部回路)に電力供給を行う前に、コントローラIC50の変換効率特性情報取得部521からレギュレータ10A〜10Cに伝送される。
【0070】
変換効率計算部21Cは、レギュレータ10の出力電流を所定の最小値から所定の最大値まで変化させるための測定用の駆動指令を制御部15に伝送する(ステップS1)。この駆動指令により、制御部15はFET13、14を駆動し、電力出力端12から出力される出力電流が所定の最小値から所定の最大値まで変化させられる。
【0071】
変換効率計算部21Cは、ステップS1の処理によって電力出力端12から出力される出力電流が所定の最小値から所定の最大値まで変化する際の入力電力と出力電力を取得すべく、入力電力測定部21Aに入力電力の測定を行わせるとともに、出力電力測定部21Bに出力電力の測定を行わせる(ステップS2)。
【0072】
次いで、変換効率計算部21Cは、ステップS2で取得した入力電力に対する出力電力の比を求めることによって変換効率を算出するとともに、電力出力端12における出力電流値に対するレギュレータ10の変換効率特性を計算する(ステップS3)。
【0073】
次に、変換効率計算部21Cは、変換効率特性を表す変換効率特性情報をメモリ部22に格納する(ステップS4)。ステップS4の処理がレギュレータ10A〜10Cのそれぞれで行われることにより、レギュレータ10A〜10Cの各々のメモリ部22に経年変化又はばらつき等の個体差が反映された変換効率特性情報が格納される。
【0074】
最後に、変換効率計算部21Cは、メモリ部22に格納した変換効率特性情報をコントローラIC50に伝送する(ステップS5)。これにより、コントローラIC50内のメモリ部53に、レギュレータ10A〜10Cの各々の変換効率特性情報が格納される。
【0075】
以上の処理がレギュレータ10A〜10Cのそれぞれで行われることにより、レギュレータ装置100の電源投入後に、レギュレータ10A〜10Cの経年変化又はばらつき等の個体差が反映された変換効率特性情報がコントローラIC50内のメモリ部53に格納される。
【0076】
次に、図6乃至図8を用いて実施の形態1のレギュレータ装置100におけるレギュレータ10A〜10Cの切替処理について説明する。
【0077】
図6は、実施の形態1のレギュレータ装置100で用いる切替用データを示す図である。
【0078】
切替用データは、レギュレータ10A〜10Cのそれぞれの変換効率特性をデータマッピングすることにより、出力電流値に応じて最高の変換効率を有するレギュレータを10A〜10Cから選択して切り替えるためのデータである。切替用データは、オンにされるレギュレータ10の識別子と、出力電流の範囲(下限値、上限値)を関連付けたデータであり、切替制御部522によって作成される。なお、レギュレータ10A、10B、10Cの識別子は、それぞれ、reg001、reg002、reg003である。
【0079】
ここで、変換効率特性情報はプロットを表す離散的なデータであるため、データマッピングを行う際に、レギュレータ10A〜10Cを切り替えるための切替点におけるプロットが存在しない場合がある。このような場合は、例えば、最高の変換効率を示すレギュレータが入れ替わる境界にある2つのプロットデータに含まれる出力電流値の中点を切替点として認識するようにすればよい。具体的には、実際の特性では1.25(A)でレギュレータ10Bから10Cに切り替わる場合に、1.20(A)と1.30(A)のプロットを表すデータしか存在しない場合には、1.20(A)と1.30(A)の中間となる1.25(A)を切替点の出力電流値として認識するようにすればよい。
【0080】
なお、変換効率特性情報として、出力電流値に対する変換効率の値を表す式を表すデータを用いる場合には、式を表すデータに基づいて、レギュレータ10A〜10Cの変換効率特性の交点を求めればよい。
【0081】
図7は、実施の形態1のレギュレータ装置100で用いる切替用データに基づいて切り替えられるレギュレータ10A〜10Cと出力電流値との関係を示す図である。
【0082】
図6に示す切替用データにより、出力電流値が0〜0.5(A)まではレギュレータ10Aが選択され、出力電流値が0.5〜1.25(A)まではレギュレータ10Bが選択され、出力電流値が1.25(A)以上ではレギュレータ10Cが選択される。
【0083】
ここで、図7に示す出力電流とレギュレータとの関係はある時点での一例に過ぎず、経年変化又はばらつき等の個体差に応じて、図7に示す関係は変更されるものである。
【0084】
実施の形態1のレギュレータ装置100は、図6に示す切替用データを用いることにより、図7に示すように出力電流に応じてレギュレータを10A〜10Cから選択的に切り替える。このようにして、経年変化又はばらつき等の個体差を反映させた上で、出力電流に応じて最高の変換効率を有するレギュレータを10A〜10Cの中から選択してオンにする。
【0085】
図8は、実施の形態1のレギュレータ装置100におけるレギュレータ10A〜10Cの切替処理を示すフローチャートである。この切替処理は、切替制御部522によって実行される。なお、切替処理が実行される前は、レギュレータ10Aが選択されるように設定されていることとする。
【0086】
レギュレータ装置100の電源が投入されると、切替制御部522は、変換効率特性情報取得部521に対して、計測指令をレギュレータ10A〜10Cに伝送させる(ステップS11)。
【0087】
次いで、切替制御部522は、すべてのレギュレータ10A〜10Cから変換効率特性情報が伝送され、メモリ部53に格納されたか否かを判定する(ステップS12)。このステップS12の処理は、メモリ部53への変換効率特性情報の格納が確認されるまで繰り返し実行される。
【0088】
切替制御部522は、メモリ部53に格納された変換効率特性情報を読み出し、レギュレータ10A〜10Cのそれぞれの変換効率特性を認識する(ステップS13)。
【0089】
切替制御部522は、ステップS13で認識したレギュレータ10A〜10Cのそれぞれの変換効率特性に基づき、レギュレータ10A〜10Cの切替処理を行うための切替用データを作成する(ステップS14)。このステップS14により、図6に示す切替用データが作成される。
【0090】
切替制御部522は、ステップS14で作成した切替用データと、出力電流検出部105によって検出される出力電流値とに基づき、現時点の出力電流値に対して最高の変換効率を有するレギュレータを10A〜10Cの中から選択する(ステップS15)。このステップS15の処理は、出力電流値に応じて、図7に示すようにレギュレータを10A〜10Cのいずれかに切り替える処理である。
【0091】
切替制御部522は、ステップS15で選択されたレギュレータと、現在オンになっているレギュレータが一致するか否かを判定する(ステップS16)。切替が必要か否かを判定するためである。
【0092】
切替制御部522は、ステップS16において、ステップS15で選択されたレギュレータと、現在オンになっているレギュレータとが一致しないと判定した場合は、オンにするレギュレータをステップS15で選択されたレギュレータに切り替える(ステップS17)。具体的には、切替制御部522は、ステップS15で選択したレギュレータをオンにするための切替指令を伝送するとともに、ステップS15で選択しなかったレギュレータをオフにするための切替指令を伝送する。
【0093】
また、切替制御部522は、ステップS16において、ステップS15で選択されたレギュレータと、現在オンになっているレギュレータとが一致すると判定した場合は、レギュレータの切り替えを行う必要がないため、フローをステップS18に進行させる。
【0094】
切替制御部522は、レギュレータ装置100がオフにされるか否かを判定する(ステップS18)。
【0095】
また、ステップS17でレギュレータの切り替えを行った後においても、切替制御部522は、フローをステップS18に進行させ、レギュレータ装置100がオフにされるか否かを判定する。
【0096】
切替制御部522は、レギュレータ装置100がオフにされないと判定した場合は、フローをステップS15にリターンさせる。レギュレータ装置100がオフにされると判定した場合は、一連の処理を終了する(エンド)。
【0097】
以上の処理を繰り返し実行することにより、レギュレータ装置100の出力電流値が変動しても、変動する出力電流に応じて最高の変換効率を有するレギュレータが選択されるように、レギュレータ10A〜10Cの切替が行われる。レギュレータ10A〜10Cの切替処理に用いる切替用データは、レギュレータ装置100の立ち上げ直後にレギュレータ10A〜10Cで実測された変換効率を用いて作成されたデータであり、レギュレータ10A〜10Cの経年変化又はばらつき等の個体差を含むデータである。
【0098】
このため、実施の形態1によれば、レギュレータ10A〜10Cの経年変化又はばらつき等の個体差に応じて最適なレギュレータを選択することができ、変換効率の最適化を図ったレギュレータ装置、及びこれに用いるレギュレータを提供することができる。
【0099】
なお、以上では、レギュレータ装置100の電源投入後であって、サーバに電力を供給する前に各レギュレータ10A〜10Cの変換効率特性を測定する形態について説明した。しかしながら、変換効率特性の測定は、サーバへの電力供給の終了後であって、レギュレータ装置100の電源を遮断する前に行うようにしてもよい。
【0100】
[実施の形態2]
実施の形態2のレギュレータ装置に含まれるレギュレータは、異常検出を行い、レギュレータに異常が生じた場合に、コントローラIC50(図1参照)に異常を知らせる異常情報を伝送するように設定されている。実施の形態2のレギュレータ装置は、異常情報を受けると、異常情報を伝送してきたレギュレータを使用しないようにする。ここで、異常検出の対象となる異常とは、例えば、レギュレータの出力電流値の超過(過電流)又は断線をいう。
【0101】
図9は、実施の形態2のレギュレータ装置に含まれるレギュレータ210の内部構造を示す図である。
【0102】
レギュレータ210は、電流センサ16Aで検出される電流値を制御部215が監視し、異常検出を行う点が実施の形態1のレギュレータ10と異なる。その他は実施の形態1のレギュレータ10と同一であるため、同一の要素には同一符号を付し、その説明を省略する。なお、レギュレータ210は、実施の形態1のレギュレータ10A〜10C(図1参照)と同様に3つあるものとして取り扱うため、それぞれを区別するときは符号を210A、210B、210Cと区別して表記する。
【0103】
図10は、実施の形態2のレギュレータ装置で異常検出に用いる異常情報を表す異常情報データのデータ構造を示す図である。異常情報データは、レギュレータ210A、210B、210Cの識別子(reg001, reg002, reg003)と、異常の有無を表す異常フラグとを関連付けたものである。
【0104】
図10は、一例として、識別子がreg001であるレギュレータ210Aに異常が発生し、異常フラグが1に設定された状態の異常情報データを示している。
【0105】
異常情報データは、異常を検出したレギュレータ210の制御部215によって生成される。
【0106】
レギュレータ210A、210B、210Cの各々の制御部215は、電流センサ16Aで検出される電流値を監視しており、電流値が所定の下限値と上限値で規定される範囲から逸脱すると、自己のレギュレータの識別子と異常フラグを含む異常情報データを生成する。
【0107】
ここで、電流値が所定の上限値以上になる場合とは、例えば、過電流が生じた場合が挙げられる。また、電流値が所定の下限値以下になる場合とは、例えば、断線あるいはFET13、14の破損等によって電流が流れなくなった場合が挙げられる。
【0108】
制御部215は、過電流又は素子の破損等の異常を常時監視し、異常を検出すると異常情報データを生成する。
【0109】
制御部215によって異常情報データが生成されると、インターフェイス部20が異常情報データをメモリ部22に格納するとともに、コントローラIC50に伝送する。
【0110】
異常情報データを受け取ったコントローラIC50は、異常の生じたレギュレータ210を除外して切替処理を実行する。
【0111】
図11は、実施の形態2のレギュレータ装置による異常検出処理を含むレギュレータの切替処理の内容を示すフローチャートである。この異常検出処理を含んだ切替処理は、切替制御部522によって実行される。なお、切替処理が実行される前は、レギュレータ210Aが選択されるように設定されていることとする。
【0112】
また、図11に示すステップS211〜S213は、図8に示す実施の形態1のレギュレータ装置100におけるステップS11〜S13の処理と同一であるため、実施の形態2では、ステップS213以降の処理について説明する。
【0113】
切替制御部522は、メモリ部53に格納された変換効率特性情報を読み出し、レギュレータ210A〜210Cのそれぞれの変換効率特性を認識する(ステップS213)。
【0114】
次いで、切替制御部522は、異常情報を受け取ったか否かを判定する(ステップS214)。
【0115】
切替制御部522は、ステップS214で異常情報を受け取ったと判定した場合は、当該異常情報を伝送したレギュレータを除外したレギュレータの変換効率特性に基づき、切替用データを作成する(ステップS215Y)。例えば、レギュレータ210Aから異常情報を受け取った場合は、異常の生じたレギュレータ210Aを除外し、ステップS213で認識したレギュレータ210Bと210Cの変換効率特性に基づき、レギュレータ210Bと210Cの切替処理を行うための切替用データを作成する。
【0116】
一方、切替制御部522は、ステップS214で異常情報を受け取らなかったと判定した場合は、ステップS213で認識したレギュレータ210A〜210Cのそれぞれの変換効率特性に基づき、レギュレータ210A〜210Cの切替処理を行うための切替用データを作成する(ステップS215N)。
【0117】
次いで、切替制御部522は、ステップS215Y又はS215Nで作成した切替用データと、出力電流検出部105によって検出される出力電流値とに基づき、現時点の出力電流値に対して最高の変換効率を有するレギュレータを10A〜10Cの中から選択する(ステップS216)。ステップS216の処理は、出力電流値に応じて、図7に示すようにレギュレータを10A〜10Cのいずれかに切り替える処理である。
【0118】
切替制御部522は、ステップS216で選択されたレギュレータと、現在オンになっているレギュレータが一致するか否かを判定する(ステップS217)。切替が必要か否かを判定するためである。
【0119】
切替制御部522は、ステップS217において、ステップS216で選択されたレギュレータと、現在オンになっているレギュレータとが一致しないと判定した場合は、オンにするレギュレータをステップS216で選択されたレギュレータに切り替える(ステップS218)。具体的には、切替制御部522は、ステップS216で選択したレギュレータをオンにするための切替指令を伝送するとともに、ステップS216で選択しなかったレギュレータをオフにするための切替指令を伝送する。
【0120】
また、切替制御部522は、ステップS217において、ステップS216で選択されたレギュレータと、現在オンになっているレギュレータとが一致すると判定した場合は、レギュレータの切り替えを行う必要がないため、フローをステップS219に進行させる。
【0121】
切替制御部522は、レギュレータ装置がオフにされるか否かを判定する(ステップS219)。
【0122】
また、ステップS218でレギュレータの切り替えを行った後においても、切替制御部522は、フローをステップS219に進行させ、レギュレータ装置がオフにされるか否かを判定する。
【0123】
切替制御部522は、レギュレータ装置がオフにされないと判定した場合は、フローをステップS214にリターンさせる。
【0124】
フローがステップS214にリターンすると、切替制御部522は、再び異常情報を受け取ったか否かを判定する。ステップS214で新たに別のレギュレータ210から異常情報を受け取っていることが判明すると、新たに異常の発生したレギュレータ210が除外され、残りのレギュレータ210についてステップS215Yで切替用データが作成されることになる。
【0125】
例えば、フローがステップS214にリターンした際に、レギュレータ210Aの異常情報が解除され、レギュレータ210Bから異常情報を受け取ったと判定した場合は、続くステップS215Yにおいて、切替制御部522は、レギュレータ210Aと210Cの変換効率特性に基づき、切替用データを作成する。すなわち、切替用データを作成するためのレギュレータ210の更新が行われることにより、異常がなくなったレギュレータ210Aが復帰され、新たに異常が発生したレギュレータ210Bが除外されることになる。
【0126】
なお、切替制御部522は、ステップS219でレギュレータ装置がオフにされると判定した場合は、一連の処理を終了する(エンド)。
【0127】
以上の処理を繰り返し実行することにより、異常の発生したレギュレータ210を除外しつつ、レギュレータ装置の出力電流値が変動しても、変動する出力電流に応じて最高の変換効率を有するレギュレータが選択されるように、レギュレータ210A〜210Cの切替が行われる。
【0128】
レギュレータ210A〜210Cの切替処理に用いる切替用データは、レギュレータ装置の立ち上げ直後にレギュレータ210A〜210Cで実測された変換効率を用いて作成されたデータであり、レギュレータ210A〜210Cの経年変化又はばらつき等の個体差を含むデータである。また、レギュレータ210A〜210Cの各々の異常有無の判定は、切替制御部522によって繰り返し実行され、随時更新される。
【0129】
このため、実施の形態2によれば、異常の発生したレギュレータ210を除外しつつ、レギュレータ210A〜210Cの経年変化又はばらつき等の個体差に応じて最適なレギュレータを選択することができ、変換効率の最適化を図ったレギュレータ装置、及びこれに用いるレギュレータを提供することができる。
【0130】
[実施の形態3]
実施の形態3のレギュレータ装置300は、切替指令に基づいてレギュレータの切り替えを行う際に、所定時間だけ待機してから切替処理を実行する点が実施の形態1のレギュレータ装置100と異なる。所定時間だけ待機してから切替処理を実行するのは、出力電流が安定した状態でレギュレータ10の切り替えを実行するためである。
【0131】
図12は、実施の形態3のレギュレータ装置300を示すブロック図である。実施の形態3のレギュレータ装置300は、クロック信号を発信するオシレータ(OSC)301を含み、切替制御部522がOSC301のクロックを所定カウント数だけカウントしてからレギュレータ10の切替処理を実行する点が実施の形態1のレギュレータ装置100と異なる。すなわち、切替制御部522は、次に選択するレギュレータ10を決定してから、レギュレータ10の切替処理を実行する前に、所定時間だけ待機する。その他は実施の形態1のレギュレータ装置100と同一であるため、同一の要素には同一符号を付し、その説明を省略する。
【0132】
図13は、実施の形態3のレギュレータ装置300の切替処理を示すフローチャートである。
【0133】
図13は、実施の形態3のレギュレータ装置300におけるレギュレータ10A〜10Cの切替処理を示すフローチャートである。この切替処理は、切替制御部522によって実行される。なお、切替処理が実行される前は、レギュレータ10Aが選択されるように設定されていることとする。
【0134】
また、図13に示すステップS311〜S316は、図8に示す実施の形態1のレギュレータ装置100におけるステップS11〜S16の処理と同一であるため、実施の形態3では、ステップS316以降の処理について説明する。
【0135】
切替制御部522は、ステップS315で選択されたレギュレータと、現在オンになっているレギュレータが一致するか否かを判定する(ステップS316)。切替が必要か否かを判定するためである。
【0136】
切替制御部522は、ステップS316において、ステップS315で選択されたレギュレータと、現在オンになっているレギュレータとが一致しないと判定した場合は、OSC301から発振されるクロックのカウントを開始する(ステップS317)。
【0137】
次いで、切替制御部522は、所定のカウント数のカウントが終了したか否かを判定する(ステップS318)。ステップS318の処理は、カウントが終了するまで繰り返し実行される。
【0138】
切替制御部522は、ステップS318でカウントが終了したと判定すると、オンにするレギュレータをステップS315で選択されたレギュレータに切り替える(ステップS319)。具体的には、切替制御部522は、ステップS315で選択したレギュレータをオンにするための切替指令を伝送するとともに、ステップS315で選択しなかったレギュレータをオフにするための切替指令を伝送する。
【0139】
また、切替制御部522は、ステップS316において、ステップS315で選択されたレギュレータと、現在オンになっているレギュレータとが一致すると判定した場合は、レギュレータの切り替えを行う必要がないため、フローをステップS320に進行させる。
【0140】
切替制御部522は、レギュレータ装置300がオフにされるか否かを判定する(ステップS320)。
【0141】
また、ステップS319でレギュレータの切り替えを行った後においても、切替制御部522は、フローをステップS320に進行させ、レギュレータ装置300がオフにされるか否かを判定する。
【0142】
切替制御部522は、レギュレータ装置300がオフにされないと判定した場合は、フローをステップS315にリターンさせる。レギュレータ装置300がオフにされると判定した場合は、一連の処理を終了する(エンド)。
【0143】
以上の処理を繰り返し実行することにより、レギュレータ装置300の出力電流値が変動しても、変動する出力電流に応じて最高の変換効率を有するレギュレータが選択されるように、レギュレータ10A〜10Cの切替が行われる。レギュレータ10A〜10Cの切替処理に用いる切替用データは、レギュレータ装置300の立ち上げ直後にレギュレータ10A〜10Cで実測された変換効率を用いて作成されたデータであり、レギュレータ10A〜10Cの経年変化又はばらつき等の個体差を含むデータである。
【0144】
このため、実施の形態3によれば、レギュレータ10A〜10Cの経年変化又はばらつき等の個体差に応じて最適なレギュレータを選択することができ、変換効率の最適化を図ったレギュレータ装置、及びこれに用いるレギュレータを提供することができる。
【0145】
また、実施の形態3では、出力電流に基づいて次に選択するレギュレータを決定した後に、所定のカウント数が終了してからレギュレータの切り替えを実行する。
【0146】
例えば、次に選択するレギュレータを決定した後に、レギュレータ装置300の電力出力端子102に接続されるサーバの動作の影響等によって出力電流に瞬間的な変動が含まれたような場合に、カウント終了まで待機することにより、出力電流が安定した状態でレギュレータ10の切り替えを実行することができる。
【0147】
このような場合にカウント終了まで待機せずにレギュレータ10を切り替えると、変動する電流により、選択するレギュレータ10を再度変更することになるような事態が生じうるが、実施の形態3のレギュレータ装置300では、このような事態の発生を抑制することができる。
【0148】
[実施の形態4]
実施の形態4のレギュレータ装置は、レギュレータの変換効率特性を測定するための疑似負荷回路を含む点が実施の形態1のレギュレータ装置100と異なる。
【0149】
以下、実施の形態4のレギュレータ装置400について説明するにあたり、実施の形態1のレギュレータ装置100と同一又は同等の要素には同一符号を付し、その説明を省略する。
【0150】
図14は、実施の形態4のレギュレータ装置400を示すブロック図である。
【0151】
実施の形態4のレギュレータ装置400は、レギュレータ10A、10B、10C、コントローラIC450、電力入力端子101、電力出力端子102、リアクトル103、コンデンサ104、及び出力電流検出部105に加えて、切替回路410、420、430、及び疑似負荷回路440を含む。
【0152】
切替回路410は、レギュレータ10Aの出力側に接続され、レギュレータ10Aの電力供給先を電力出力端子102と、疑似負荷回路440との間で切り替える回路である。切替回路410の切り替えは、コントローラIC450内の切替制御部522によって行われる。
【0153】
切替回路420は、レギュレータ10Bの出力側に接続され、レギュレータ10Bの電力供給先を電力出力端子102と、疑似負荷回路440との間で切り替える回路である。切替回路420の切り替えは、コントローラIC450内の切替制御部522によって行われる。
【0154】
切替回路430は、レギュレータ10Cの出力側に接続され、レギュレータ10Cの電力供給先を電力出力端子102と、疑似負荷回路440との間で切り替える回路である。切替回路430の切り替えは、コントローラIC450内の切替制御部522によって行われる。
【0155】
切替回路410、420、430は、レギュレータ10A、10B、10Cの各々の出力側に1つずつ直列に接続され、かつ、レギュレータ10A、10B、10Cと疑似負荷回路440との間で互いに並列に接続されている。
【0156】
疑似負荷回路440は、レギュレータ10A、10B、10Cの出力電流に対する変換効率の特性を取得する際に、レギュレータ10A、10B、10Cから電力が供給される擬似的な負荷回路である。疑似負荷回路440は、例えば、電力出力端子102に接続されるサーバ(外部回路)と同一のインピーダンスを有する電子回路、又は、サーバ(外部回路)に加えて103と104を加えたインピーダンス有する電子回路であってもよい。
【0157】
実施の形態4のレギュレータ装置400は、電力出力端子102に接続されるサーバとは別の疑似負荷回路440を用いてレギュレータ10A、10B、10Cの出力電流に対する変換効率の特性を測定する。
【0158】
このため、サーバに電力供給を行っているレギュレータ(10A〜10Cのいずれか1つ)とは別のレギュレータを疑似負荷回路440に接続すれば、レギュレータ装置400からサーバに電力を供給している間にも変換効率の特性を測定することができる。
【0159】
このように、実施の形態4のレギュレータ装置400は、レギュレータ装置400の立ち上げ直後又は電源遮断前に限られず、サーバに電力を供給している間にも変換効率の特性を測定することができる。
【0160】
次に、図15を用いて、実施の形態4のレギュレータ装置400の切替回路410、420、430の回路構成について説明する。切替回路410、420、430の回路構成はすべて同一であるため、ここでは、切替回路410の回路構成について説明する。
【0161】
図15は、実施の形態4のレギュレータ装置400の切替回路410の回路構成を示す図である。
【0162】
切替回路410は、2つのCMOS411、412を含む。切替回路410には、コントローラIC50から計測指令が入力され、計測指令によってCMOS411、412の接続先が切り替えられる。
【0163】
実施の形態4のレギュレータ装置400における計測指令は、変換効率を計測するために、切替回路410、420,430の切替制御にも用いられる。
【0164】
CMOS411は、P型のMOSFET411AとN型のMOSFET411Bを有する。MOSFET411Aのソースにはレギュレータ10Aの出力端が接続されており、ドレインはCMOS411の出力端子411CでMOSFET411Bのソースに接続されている。
【0165】
MOSFET411Bのドレインは接地されている。CMOS411の出力端子411Cは、出力端子102に接続されている。MOSFET411A、411Bのゲートには、コントローラIC450から切替信号が入力される。
【0166】
なお、MOSFET411A、411Bのソースとドレインの関係は、上述の関係の逆であってもよい。
【0167】
CMOS412は、P型のMOSFET412AとN型のMOSFET412Bを有する。MOSFET412Aのソースにはレギュレータ10Aの出力端が接続されており、ドレインはCMOS412の出力端子412CでMOSFET412Bのソースに接続されている。
【0168】
MOSFET412Bのドレインは接地されている。CMOS412の出力端子412Cは、疑似負荷回路440に接続されている。MOSFET412A、412Bのゲートには、コントローラIC450から切替信号が反転されて入力される。
【0169】
なお、MOSFET412A、412Bのソースとドレインの関係は、上述の関係の逆であってもよい。
【0170】
このような切替回路410にコントローラIC450からHレベルの信号が入力されると、CMOS411では、P型のMOSFET411Aがオフ、N型のMOSFET411Bがオンとなり、CMOS411の出力端子411Cは接地される。
【0171】
また、CMOS412では、P型のMOSFET412Aがオン、N型のMOSFET412Bがオフとなり、CMOS412の出力端子412Cはレギュレータ10Aと疑似負荷回路440を接続する。
【0172】
一方、切替回路410にコントローラIC450からLレベルの信号が入力されると、CMOS411では、P型のMOSFET411Aがオン、N型のMOSFET411Bがオフとなる。
【0173】
また、CMOS412では、P型のMOSFET412Aがオフ、N型のMOSFET412Bがオンとなり、CMOS412の出力端子412Cは接地される。
【0174】
すなわち、疑似負荷回路440にレギュレータ10Aを接続して出力電流に対する変換効率の特性を測定する場合には、コントローラIC450から切替回路410に入力する計測指令をHレベルにすればよい。これとは逆に、レギュレータ10Aの出力電流に対する変換効率の特性を測定しない場合には、コントローラIC450から切替回路410に入力する計測指令をLレベルにすればよい。
【0175】
これは、レギュレータ10B及び切替回路420、レギュレータ10C及び切替回路430のそれぞれの関係においても同様である。
【0176】
なお、計測指令とは、疑似負荷回路440に接続して出力電流に対する変換効率の特性を測定するためにレギュレータ10A、10B、10Cのいずれか1つを指定するためにコントローラIC450が出力する指令である。
【0177】
また、レギュレータ10A、10B、10Cのいずれか1つを疑似負荷回路440に接続して出力電流に対する変換効率の特性を測定できるのは、そのレギュレータが出力端子102に電力供給を行っていないときである。
【0178】
このため、コントローラIC450は、レギュレータ10A、10B、10Cのいずれか1つを電力供給用に指定する切替指令と、出力電流に対する変換効率の特性を測定するためにレギュレータ10A、10B、10Cのいずれか1つを指定する計測指令とを、同一のレギュレータに入力しないように設定されている。
【0179】
図16(A)は、実施の形態4のレギュレータ装置400における切替用データの取得処理を示すフローチャートであり、図16(B)は、実施の形態4のレギュレータ装置400におけるレギュレータ10A〜10Cの切替処理を示すフローチャートである。図16(A)、図16(B)に示す処理は、コントローラIC450内の切替制御部522によって実行される処理である。
【0180】
図16(A)に示すように、レギュレータ装置400の電源が投入されると(スタート)、切替制御部522は、変換効率特性情報取得部521に対して、計測指令をレギュレータ10A〜10Cに伝送させる(ステップS411)。
【0181】
切替制御部522は、サーバへの電力供給を行っていないレギュレータに対して計測指令を順次伝送するようにし、サーバへ電力供給を行っているレギュレータについては、電力供給の終了後に、計測指令を伝送する。
【0182】
これにより、レギュレータ10A、10B、10Cは、それぞれ疑似負荷回路440に接続され、疑似負荷回路440に電力供給を行う際に、出力電流に対する変換効率の特性が測定される。
【0183】
次いで、切替制御部522は、すべてのレギュレータ10A〜10Cから変換効率特性情報が伝送され、メモリ部53に格納されたか否かを判定する(ステップS412)。このステップS412の処理は、メモリ部53への変換効率特性情報の格納が確認されるまで繰り返し実行される。
【0184】
切替制御部522は、メモリ部53に格納された変換効率特性情報を読み出し、レギュレータ10A〜10Cのそれぞれの変換効率特性を認識する(ステップS413)。
【0185】
切替制御部522は、ステップS413で認識したレギュレータ10A〜10Cのそれぞれの変換効率特性に基づき、レギュレータ10A〜10Cの切替処理を行うための切替用データを作成する(ステップS414)。このステップS414により、切替用データ(図6参照)が作成される。
【0186】
以上により、実施の形態4のレギュレータ装置400における切替用データの取得処理が終了する。
【0187】
次に、図16(B)を用いて、実施の形態4のレギュレータ装置400におけるレギュレータ10A〜10Cの切替処理について説明する。
【0188】
切替制御部522は、切替用データと、出力電流検出部105によって検出される出力電流値とに基づき、現時点の出力電流値に対して最高の変換効率を有するレギュレータを10A〜10Cの中から選択する(ステップS421)。このステップS421の処理は、出力電流値に応じて、レギュレータを10A〜10Cのいずれかに切り替える処理である。
【0189】
なお、ステップS421で用いる切替用データは、図16(A)に示すステップS414で作成された切替用データを用いればよい。切替用データが新たに作成された場合は、切替用データを新たに作成された切替用データに更新して用いればよい。また、レギュレータ装置400を初めて立ち上げる場合のように、実際に測定された変換効率に基づいて作成された切替用データが存在しないような場合に用いるために、初期値を表す切替用データをメモリ部53に予め格納しておいてもよい。
【0190】
切替制御部522は、ステップS421で選択されたレギュレータと、現在オンになっているレギュレータが一致するか否かを判定する(ステップS422)。切替が必要か否かを判定するためである。
【0191】
切替制御部522は、ステップS422において、ステップS421で選択されたレギュレータと、現在オンになっているレギュレータとが一致しないと判定した場合は、オンにするレギュレータをステップS421で選択されたレギュレータに切り替える(ステップS423)。具体的には、切替制御部522は、ステップS421で選択したレギュレータをオンにするための切替指令を伝送するとともに、ステップS421で選択しなかったレギュレータをオフにするための切替指令を伝送する。
【0192】
また、切替制御部522は、ステップS422において、ステップS421で選択されたレギュレータと、現在オンになっているレギュレータとが一致すると判定した場合は、レギュレータの切り替えを行う必要がないため、フローをステップS424に進行させる。
【0193】
切替制御部522は、レギュレータ装置400がオフにされるか否かを判定する(ステップS424)。
【0194】
また、ステップS423でレギュレータの切り替えを行った後においても、切替制御部522は、フローをステップS424に進行させ、レギュレータ装置400がオフにされるか否かを判定する。
【0195】
切替制御部522は、レギュレータ装置400がオフにされないと判定した場合は、フローをステップS421にリターンさせる。レギュレータ装置400がオフにされると判定した場合は、一連の処理を終了する(エンド)。
【0196】
以上の処理を繰り返し実行することにより、レギュレータ装置400の出力電流値が変動しても、変動する出力電流に応じて最高の変換効率を有するレギュレータが選択されるように、レギュレータ10A〜10Cの切替が行われる。レギュレータ10A〜10Cの切替処理に用いる切替用データは、レギュレータ装置400のレギュレータ10A〜10Cが疑似負荷回路440に電力を供給する際に実測された変換効率を用いて作成されたデータであり、レギュレータ10A〜10Cの経年変化又はばらつき等の個体差を含むデータである。
【0197】
このため、実施の形態4によれば、レギュレータ10A〜10Cの経年変化又はばらつき等の個体差に応じて最適なレギュレータを選択することができ、変換効率の最適化を図ったレギュレータ装置、及びこれに用いるレギュレータを提供することができる。
【0198】
また、実施の形態4では、レギュレータ10A〜10Cの出力電流に対する変換効率の特性は、疑似負荷回路440に電力供給を行うことによって測定される。
【0199】
すなわち、電力出力端子102を通じてサーバに電力供給を行うレギュレータと、疑似負荷回路440に接続されて出力電流に対する変換効率の特性を測定するレギュレータは異なる。
【0200】
このため、いずれかのレギュレータでサーバに電力供給を行っている間に、同時にバックグラウンド処理で、出力電流に対する変換効率の特性を測定することができる。
【0201】
また、実施の形態4のレギュレータ装置400においても、実施の形態1乃至3と同様に、レギュレータ装置の立ち上げ直後、又は、電源を遮断する前に出力電流に対する変換効率の特性を測定してもよい。
【0202】
実施の形態4のレギュレータ装置400によれば、サーバに電力を供給することによってではなく、疑似負荷回路440に電力を供給することによって出力電流に対する変換効率の特性を測定する。このため、サーバが立ち上げ後、正常動作状態になる前のような状態であっても、レギュレータ10A〜10Cの経年変化又はばらつき等の個体差を含む出力電流に対する変換効率の特性を測定することができる。
【0203】
以上、本発明の例示的な実施の形態のレギュレータ装置について説明したが、本発明は、具体的に開示された実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲から逸脱することなく、種々の変形や変更が可能である。
以上の実施の形態1乃至4に関し、さらに以下の付記を開示する。
(付記1)
電力入力端子と電力出力端子を有するレギュレータ装置であって、
前記電力入力端子と前記電力出力端子の間に並列に配設される複数のレギュレータと、
前記複数のレギュレータの各々について、出力電流に対する変換効率の特性を表す変換効率特性情報を取得する変換効率特性情報取得部と、
前記変換効率特性情報取得部によって取得される前記複数のレギュレータの各々の前記変換効率特性情報を格納するメモリ部と、
前記電力出力端子から出力される出力電流の値と、前記メモリ部に格納された変換効率特性情報とに基づき、前記複数のレギュレータの切替制御を行う切替制御部と
を含む、レギュレータ装置。
(付記2)
前記レギュレータは、前記出力電流に対する前記レギュレータの変換効率の特性を測定する変換効率測定部を含み、
前記変換効率特性情報取得部は、前記変換効率測定部によって測定された特性を表す変換効率特性情報を取得する、付記1に記載のレギュレータ装置。
(付記3)
前記レギュレータは、前記変換効率特性情報を保持するメモリ部を含む、付記1又は2に記載のレギュレータ装置。
(付記4)
前記レギュレータは、自己の異常を検出すると前記切替制御部に異常情報を伝送する異常処理部を有し、
前記切替制御部は、前記異常処理部から異常情報を受け取ると、当該異常情報を伝送したレギュレータを除外して切替制御を行う、付記1乃至3のいずれか一項に記載のレギュレータ装置。
(付記5)
前記切替処理部は、前記出力電流の値と、前記メモリ部に格納された変換効率特性情報とに基づき、次に選択するレギュレータを前記複数のレギュレータの中から決定した後であって、切替処理を実行する前に、所定時間待機する、付記1乃至4のいずれか一項に記載のレギュレータ装置。
(付記6)
前記変換効率特性情報は、レギュレータ装置の電源投入後又は電源遮断前に測定された前記レギュレータの入出力電力に基づいて計算される、付記1乃至5のいずれか一項に記載のレギュレータ装置。
(付記7)
前記複数のレギュレータの出力側に接続され、前記レギュレータの変換効率の特性を測定する際に用いる疑似負荷回路と、
前記複数のレギュレータの各々の出力側に直列に接続されるとともに、前記複数のレギュレータの各々と前記疑似負荷回路との間で互いに並列に接続され、前記切替制御部によって切り替えが行われる複数の切替回路と
をさらに含み、
前記変換効率特性情報取得部は、前記切替制御部によって前記複数の切替回路のうちのいずれかが切り替えられることによって前記疑似負荷回路に接続される前記レギュレータについて、出力電流に対する変換効率の特性を表す変換効率特性情報を取得する、付記1乃至5のいずれか一項に記載のレギュレータ装置。
【符号の説明】
【0204】
10、10A、10B、10C、210、210A、210B、210C レギュレータ
11 電力入力端
12 電力出力端
13、14 FET
15、215 制御部
16A 電流センサ
16V 電圧センサ
17 エラーアンプ
18 コンパレータ
19 発振器
20 インターフェイス部
21 変換効率測定部
22 メモリ部
50、450 コントローラIC
51 インターフェイス部
52 主制御部
521 変換効率特性情報取得部
522 切替制御部
53 メモリ部
100、300、400 レギュレータ装置
101 電力入力端子
102 電力出力端子
103 リアクトル
104 コンデンサ
105 出力電流検出部
410、420、430 切替回路
411、412 CMOS
411A、411B、412A、412B MOSFET
411C、412C 出力端子
410、420、430 切替回路
440 疑似負荷回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電力入力端子と電力出力端子を有するレギュレータ装置であって、
前記電力入力端子と前記電力出力端子の間に並列に配設される複数のレギュレータと、
前記複数のレギュレータの各々について、出力電流に対する変換効率の特性を表す変換効率特性情報を取得する変換効率特性情報取得部と、
前記変換効率特性情報取得部によって取得される前記複数のレギュレータの各々の前記変換効率特性情報を格納するメモリ部と、
前記電力出力端子から出力される出力電流の値と、前記メモリ部に格納された変換効率特性情報とに基づき、前記複数のレギュレータの切替制御を行う切替制御部と
を含む、レギュレータ装置。
【請求項2】
前記レギュレータは、前記出力電流に対する前記レギュレータの変換効率の特性を測定する変換効率測定部を含み、
前記変換効率特性情報取得部は、前記変換効率測定部によって測定された特性を表す変換効率特性情報を取得する、請求項1に記載のレギュレータ装置。
【請求項3】
前記レギュレータは、自己の異常を検出すると前記切替制御部に異常情報を伝送する異常処理部を有し、
前記切替制御部は、前記異常処理部から異常情報を受け取ると、当該異常情報を伝送したレギュレータを除外して切替制御を行う、請求項1又は2に記載のレギュレータ装置。
【請求項4】
前記切替処理部は、前記出力電流の値と、前記メモリ部に格納された変換効率特性情報とに基づき、次に選択するレギュレータを前記複数のレギュレータの中から決定した後であって、切替処理を実行する前に、所定時間待機する、請求項1乃至3のいずれか一項に記載のレギュレータ装置。
【請求項5】
前記変換効率特性情報は、レギュレータ装置の電源投入後又は電源遮断前に測定された前記レギュレータの入出力電力に基づいて計算される、請求項1乃至4のいずれか一項に記載のレギュレータ装置。
【請求項6】
前記複数のレギュレータの出力側に接続され、前記レギュレータの変換効率の特性を測定する際に用いる疑似負荷回路と、
前記複数のレギュレータの各々の出力側に直列に接続されるとともに、前記複数のレギュレータの各々と前記疑似負荷回路との間で互いに並列に接続され、前記切替制御部によって切り替えが行われる複数の切替回路と
をさらに含み、
前記変換効率特性情報取得部は、前記切替制御部によって前記複数の切替回路のうちのいずれかが切り替えられることによって前記疑似負荷回路に接続される前記レギュレータについて、出力電流に対する変換効率の特性を表す変換効率特性情報を取得する、請求項1乃至4のいずれか一項に記載のレギュレータ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2012−5335(P2012−5335A)
【公開日】平成24年1月5日(2012.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−140952(P2010−140952)
【出願日】平成22年6月21日(2010.6.21)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】