説明

レコメンドリスト生成装置

【課題】ユーザにメイン商品と組み合わせて購入される適切なついで買い商品をレコメンドするためのレコメンドリストを作成するレコメンドリスト生成装置を提供すること。
【解決手段】レコメンドリスト生成装置11は、所定回数以上関連付けられている複数の商品の組み合わせを、ついで買い候補商品群として抽出するついで買い候補商品群抽出手段112と、ついで買い候補商品群に含まれる複数の商品の商品名を検索クエリとしてWebページを検索し、これらの検索クエリが出現する全てのWebページのうちこれらの検索クエリが同一のWebページに出現する割合である共起率を算出する共起率算出手段113と、共起率が所定値以下の複数の商品をついで買い候補商品群から排除するついで買い候補商品群絞込み手段114と、ついで買い候補商品群をレコメンドリストとしてレコメンドリスト記憶手段118に記憶するレコメンドリスト生成手段115と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レコメンドリスト生成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、インターネット等のネットワークを介して、コンピュータによって商品を販売及び購入させるシステムが普及している。このようなシステムによれば、ユーザは、Webページで商品を販売したり、商品を購入することができる。
【0003】
ユーザは、このようなシステムを利用して、Webページで商品を購入する場合、まず商品の情報を提供する商品ページで購入する商品を選択した後、決済ページに移動して商品の決済をすることができる。
特許文献1には、Webページで商品の決済を可能とするシステムとして、ユーザ端末から送信される商品購入に係る要求に対して、この要求に含まれる認証キーを用いて認証を行い、商品の決済処理を行う商品販売システムが提案されている。
この商品販売システムによれば、ユーザは、商品購入に係る要求をすることで、商品の決済を行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−112381号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、Webページで商品の決済を可能とするシステムにおいては、ユーザが商品を購入する際に、当該商品の購入金額が所定の基準額に達することで、配送料を無料にする等の所定のサービスを提供する場合がある。そこで、ユーザは、商品購入に係る要求をし商品の決済を行うときに、当該商品の購入金額が上記サービスを受けるための所定の基準額に達していない場合には、当該商品をメイン商品として当該メイン商品と組み合わせて購入するいわゆるついで買い商品を追加することで、購入金額が所定の基準額に達するように調整をすることが考えられる。
【0006】
しかしながら、このような場合、ユーザは、決済ページから商品ページに再び移動して、どのようなついで買い商品を追加するかを検討し、追加するついで買い商品を決めた後に、更に決済ページに戻ってきて購入金額の合計が所定の基準額に達するかどうかを確認する、という煩雑な操作を行う必要がある。したがって、このような煩雑な操作を嫌うユーザは、ついで買いをすることなく、そのまま決済をしてしまうこともある。また、ついで買いをしようとしたユーザが再び商品ページに戻ることにより、そのまま購入を中止してしまう可能性もある。このようなシステムは、ユーザにとっても、操作が煩雑となると同時に、商品を販売する業者にとっても、販売機会を逸することとなる。そこで、ユーザを決済ページから移動させることなく、その場で所定の基準額に達する適切なついで買い商品を選択できるようなレコメンドを行うことが考えられる。
【0007】
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、ユーザにメイン商品と組み合わせて購入される適切なついで買い商品をレコメンドするためのレコメンドリストを作成するレコメンドリスト生成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明では、以下のような解決手段を提供する。
【0009】
(1) ネットワークを介して接続可能なユーザの端末に、メイン商品と組み合わせて購入されるついで買い商品の推薦情報を送信するためのレコメンドリストを生成するレコメンドリスト生成装置であって、
所定期間内に同一のユーザにより購入された複数の商品を関連付けて購入ログとして記憶する購入ログ記憶手段と、
前記購入ログ記憶手段に記憶された前記購入ログを参照して、所定回数以上関連付けられている前記複数の商品の組み合わせを、ついで買い候補商品群として抽出するついで買い候補商品群抽出手段と、
前記ついで買い候補商品群抽出手段が抽出した前記ついで買い候補商品群に含まれる前記複数の商品の商品名を検索クエリとしてWebページを検索し、これらの検索クエリが出現する全てのWebページのうちこれらの検索クエリが同一のWebページに出現する割合である共起率を算出する共起率算出手段と、
前記共起率算出手段で算出した前記共起率が所定値以下の前記複数の商品を前記ついで買い候補商品群から排除するついで買い候補商品群絞込み手段と、
前記ついで買い候補商品群絞込み手段が絞り込んだついで買い候補商品群を前記レコメンドリストとして記憶するレコメンドリスト生成手段と、を備えるレコメンドリスト生成装置。
【0010】
(1)のレコメンドリスト生成装置は、ネットワークを介して接続可能なユーザの端末に、メイン商品と組み合わせて購入されるついで買い商品の推薦情報を送信するためのレコメンドリストを生成する。購入ログ記憶手段は、所定期間内に同一のユーザにより購入された複数の商品を関連付けて購入ログとして記憶する。ついで買い候補商品群抽出手段は、購入ログ記憶手段に記憶された購入ログを参照して、所定回数以上関連付けられている複数の商品の組み合わせを、ついで買い候補商品群として抽出する。共起率算出手段は、ついで買い候補商品群抽出手段が抽出したついで買い候補商品群に含まれる複数の商品の商品名を検索クエリとしてWebページを検索し、これらの検索クエリが出現する全てのWebページのうちこれらの検索クエリが同一のWebページに出現する割合である共起率を算出する。ついで買い候補商品群絞込み手段は、共起率算出手段で算出した共起率が所定値以下の複数の商品をついで買い候補商品群から排除する。レコメンドリスト生成手段は、ついで買い候補商品群絞込み手段が絞り込んだついで買い候補商品群をレコメンドリストとして記憶する。
【0011】
これにより、メイン商品と同時期に購入される商品であって、その回数が所定回数以上のついで買い候補商品群を抽出し、更にこのついで買い候補商品群のうちから、メイン商品と共起率が所定値以下のを商品を排除して、メイン商品と組み合わせて購入されるついで買い商品の推薦情報を送信するためのレコメンドリストを生成する。すなわち、レコメンドリストのついで買い候補商品群は、メイン商品と同時期に購入され、なおかつ、同一のWebページに掲載されていることが、他の商品に比べて多い。よって、例えば、メイン商品に追加して他の商品を購入する際に、ユーザは、このついで買い候補商品群が示されれば、煩雑な操作を行うことなく、適切なついで買い商品を選択できる。
したがって、ユーザにメイン商品と組み合わせて購入される適切なついで買い商品をレコメンドするためのレコメンドリストを作成するレコメンドリスト生成装置を提供できる。
【0012】
(2) 前記購入ログ記憶手段は、前記商品の価格を前記商品に関連付けて更に記憶し、
前記レコメンドリスト生成手段は、前記購入ログ記憶手段を参照して、前記ついで買い候補商品群に含まれる前記複数の商品のうち前記価格が最も高いものをメイン商品として設定する(1)に記載のレコメンドリスト生成装置。
【0013】
(2)のレコメンドリスト生成装置は、購入ログ記憶手段を参照して、ついで買い候補商品群に含まれる複数の商品のうち価格が最も高いものをメイン商品として設定する。
これにより、メイン商品は、所定期間において同一のユーザにより購入された複数の商品の中でも、最も単価が高いものであるので、ユーザの主たる購入物であった可能性が高い。そして、メイン商品以外の商品は、メイン商品の付属物や消耗品であった可能性が高い。このように、メイン商品を決定することで、ユーザの買い物の態様に即したレコメンドリストを生成できる。
したがって、ユーザにメイン商品と組み合わせて購入される適切なついで買い商品をレコメンドするためのレコメンドリストを作成するレコメンドリスト生成装置を提供できる。
【0014】
(3) 前記ついで買い候補商品群抽出手段は、前記購入ログを参照し、前記複数の商品が関連付けられている回数が多いほど大きい重み付け値を設定して前記ついで買い候補商品群に関連付けて記憶し、
前記レコメンドリスト生成手段は、前記ついで買い候補商品群抽出手段が前記ついで買い候補商品群に関連付けた前記重み付け値を、前記レコメンドリストにおいて前記ついで買い商品群に更に関連付けて記憶する(1)又は(2)に記載のレコメンドリスト生成装置。
【0015】
(3)のレコメンドリスト生成装置は、購入ログを参照し、当該複数の商品が関連付けられている回数が多いほど大きい重み付け値を設定してついで買い候補商品群に関連付けて記憶し、重み付け値を、レコメンドリストにおいてついで買い商品群に更に関連付けて記憶する。
これにより、レコメンドリストにおけるついで買い候補商品群について重み付け値によるランク付けをすることができるので、例えば、ユーザに対して、重み付け値が高いついで買い商品から順に示すことができる。
したがって、ユーザにメイン商品と組み合わせて購入される適切なついで買い商品をレコメンドするためのレコメンドリストを作成するレコメンドリスト生成装置を提供できる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、ユーザにメイン商品と組み合わせて購入される適切なついで買い商品をレコメンドするためのレコメンドリストを作成するレコメンドリスト生成装置を提供することができる。このレコメンドリストを活用することにより、ユーザを決済ページから移動させることなく、その場で所定の基準額に達する適切なついで買い商品を選択できるようなレコメンドを行うことを可能とする。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施形態に係るレコメンドシステムの機能構成を示す図である。
【図2】上記実施形態に係る購入ログDBを説明する図である。
【図3】上記実施形態に係るついで買い候補商品群抽出手段による重み付け値を算出する処理を説明する図である。
【図4】上記実施形態に係る共起率算出手段による共起率を算出する処理を説明する図である。
【図5】上記実施形態に係るレコメンドリストを説明する図である。
【図6】上記実施形態に係るレコメンド装置のレコメンドリスト生成装置がレコメンドリストを生成する処理のフローチャートである。
【図7】上記実施形態に係るレコメンド装置のついで買い商品レコメンド装置がユーザ端末に対してついで買い商品の推薦情報を送信する処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の実施形態の説明にあたって、同一構成要件については同一符号を付し、その説明を省略もしくは簡略化する。
【0019】
[レコメンドシステム1の機能構成]
図1は、本発明の実施形態に係るレコメンドシステム1の機能構成を示す図である。
レコメンドシステム1は、ネットワーク7を介して商品を販売及び購入させるシステムであって、レコメンド装置10と、ネットワーク7を介してレコメンド装置10と接続可能な複数のユーザ端末20と、ネットワーク7を介してレコメンド装置10と接続可能な検索サーバ30と、を備える。
【0020】
レコメンド装置10は、ユーザ端末20にメイン商品と組み合わせて購入されるついで買い商品の推薦情報を送信するためのレコメンドリストを生成するレコメンドリスト生成装置11と、レコメンドリストに基づき、ユーザ端末20に対してレコメンド商品を通知するついで買い商品レコメンド装置12と、を備える。なお、レコメンド装置10は様々な汎用コンピュータ等を用いて実現することが可能であり、その台数に制限はなく、レコメンドリスト生成装置11、ついで買い商品レコメンド装置12及び検索サーバ30を一の装置で構成することもできる。
【0021】
レコメンドリスト生成装置11は、購入ログ取得手段111と、ついで買い候補商品群抽出手段112と、共起率算出手段113と、ついで買い候補商品群絞込み手段114と、レコメンドリスト生成手段115と、購入ログ記憶手段117と、レコメンドリスト記憶手段118と、を備える。
【0022】
購入ログ取得手段111は、ユーザにより購入された商品についての情報である購入ログを、ユーザ端末20より取得し、購入ログ記憶手段117が記憶する購入ログデータベース(DB)(図2参照)に格納する。
購入ログ記憶手段117は、所定期間内に同一のユーザにより購入された複数の商品を関連付けて購入ログとして購入ログDBに記憶する。また、購入ログ記憶手段117は、商品の価格を商品に関連付けて更に、購入ログDBに記憶する。
【0023】
図2を参照して、購入ログデータベース(DB)について説明する。
図2は、購入ログDBを説明する図である。
購入ログDBは、各購入者IDに、所定期間内に購入された複数の購入商品を識別する購入商品ID、購入商品名及び単価が対応付けられている。
購入者IDは、ユーザ端末20によりアクセスしたユーザを識別するための各ユーザ特有の識別子である。
購入商品IDは、商品を識別するための各商品特有の識別子である。購入ログDBでは、各購入者IDに当該購入者IDを有するユーザにより、所定期間(例えば、同一のタイミングや、24時間以内)において購入された購入商品の購入商品IDが対応付けられている。
購入商品名は、購入商品の種類の名称である。購入ログDBでは、各購入商品IDに当該購入商品IDを有する購入商名が対応付けられている。
単価は、購入商品の単価である。購入ログDBでは、各購入商品IDに当該購入商品IDを有する購入商品の単価が対応付けられている。
【0024】
図1に戻って、ついで買い候補商品群抽出手段112は、購入ログ記憶手段117に記憶された購入ログDB(図2参照)を参照して、所定回数以上関連付けられている複数の商品の組み合わせを、ついで買い候補商品群として抽出する。
例えば、図2を参照して説明すると、ついで買い候補商品群抽出手段112は、購入商品のうち、所定回数(例えば、2回)以上関連付けられている「ノートパソコン」と「光学ドライブ」及び「ノートパソコン」と「マウス」の組み合わせをついで買い候補商品群として抽出する。
【0025】
また、ついで買い候補商品群抽出手段112は、購入ログ記憶手段117に記憶された購入ログを参照し、複数の商品が関連付けられている回数が多いほど大きい重み付け値を設定してついで買い候補商品群に関連付けて記憶する。
【0026】
図3は、ついで買い候補商品群抽出手段112による重み付け値を設定する処理を説明する図である。
ついで買い候補商品群抽出手段112は、購入ログDB(図2参照)を参照して、購入商品のうち、所定回数(例えば、2回)以上関連付けられている「ノートパソコン」と「光学ドライブ」及び「ノートパソコン」と「マウス」の組み合わせをついで買い候補商品群として抽出する。そして、ついで買い候補商品群抽出手段112は、「ノートパソコン」と「光学ドライブ」及び「ノートパソコン」と「マウス」の組み合わせのそれぞれについて、購入ログDBに含まれている数に応じた重み付け値を算出する。具体的には、ついで買い候補商品群抽出手段112は、「ノートパソコン」と「光学ドライブ」の組み合わせは購入ログDBに2回含まれているので、重み付け値2.0を算出し、「ノートパソコン」と「マウス」の組み合わせは購入ログDBに3回含まれているので、重み付け値3.0を算出する。なお、重み付け値は、購入ログDBに含まれている回数に所定の乗数を乗算することで算出することもできる。
【0027】
図1に戻って、共起率算出手段113は、ついで買い候補商品群抽出手段112が抽出したついで買い候補商品群に含まれる複数の商品の商品名を検索クエリとしてWebページを検索し、これらの検索クエリが出現する全てのWebページのうちこれらの検索クエリが同一のWebページに出現する割合である共起率を算出する。具体的には、共起率算出手段113は、ついで買い候補商品群に含まれる複数の商品の商品名を検索クエリとして、検索サーバ30に送信し、これらの検索クエリが出現する全てのWebページにおける検索件数を受信し、この受信した検索件数に基づき、ついで候補商品毎に共起率を算出する。
【0028】
図4は、共起率算出手段113による共起率を算出する処理を説明する図である。
共起率算出手段113は、各商品名「ノートパソコン」と「光学ドライブ」及び「ノートパソコン」と「マウス」、商品名の組み合わせ「ノートパソコンAND光学ドライブ」及び「ノートパソコンANDマウス」を検索クエリとして検索サーバ30に送信し、これらの検索クエリが出現する全てのWebページの検索結果としてそれぞれの検索件数を受信する。
【0029】
共起率算出手段113は、「ノートパソコン」と「光学ドライブ」との検索件数を合算した値から「ノートパソコンAND光学ドライブ」の検索件数を減算した値で、「ノートパソコンAND光学ドライブ」の検索件数を除算することで、「ノートパソコン」と「光学ドライブ」との共起率を算出する。
また、共起率算出手段113は、「ノートパソコン」と「マウス」との検索件数を合算した値から「ノートパソコンANDマウス」の検索件数を減算した値で、「ノートパソコンANDマウス」の検索件数を除算することで、「ノートパソコン」と「マウス」との共起率を算出する。
【0030】
図1に戻って、ついで買い候補商品群絞込み手段114は、共起率算出手段113で算出した共起率が所定値以下(例えば、5%以下)の複数の商品をついで買い候補商品群から排除する。すなわち、購入ログ記憶手段117に記憶されている複数のついで買い候補商品群には、たまたま所定期間内に同一ユーザによって購入された商品が含まれており、ついで買い商品としてレコメンドするには適切ではない組み合わせが含まれていると考えられる。そこで、ついで買い候補商品群絞込み手段114は、このようなついで買い候補商品群のうち、Webページにおける共起率が所定値以下のものを排除することにより、当該共起率が所定値を超えている、同時にWebページに掲載されることが多い商品の組み合わせを的確についで買い商品候補群として残すことができる。
【0031】
レコメンドリスト生成手段115は、ついで買い候補商品群絞込み手段114が絞り込んだついで買い候補商品群をレコメンドリストとしてレコメンドリスト記憶手段118に記憶する。
また、レコメンドリスト生成手段115は、購入ログ記憶手段117に記憶された購入ログDB(図2参照)を参照して、ついで買い候補商品群に含まれる複数の商品のうち価格が最も高いものをメイン商品として設定する。
更に、レコメンドリスト生成手段115は、ついで買い候補商品群抽出手段112がついで買い候補商品群に関連付けた重み付け値(図3参照)を、レコメンドリストにおいて、ついで買い商品群に更に関連付けて記憶する。
【0032】
図5を参照して、レコメンドリストについて説明する。
図5は、レコメンドリストを説明する図である。
図5に示すレコメンドリストは、レコメンドリスト生成手段115が購入ログDB(図2参照)を参照して、ついで買い候補商品群に含まれる複数の商品のうち価格が最も高い「ノートパソコン」をメイン商品として設定したものである。
レコメンドリストは、メイン商品IDに、メイン商品名、ついで買い商品ID、ついで買い商品名、ついで買い商品の単価及びスコアが対応付けられている。
メイン商品IDは、メイン商品を識別するための各商品特有の識別子である。
メイン商品名は、メイン商品の種類の名称である。
ついで買い商品IDは、ついで買い商品を識別するための各商品特有の識別子である。
ついで買い商品名は、ついで買い商品の種類の名称である。レコメンドリストでは、各ついで買い商品IDに当該ついで買い商品IDを有するついで買い商品名が対応付けられている。
単価は、ついで買い商品の単価である。レコメンドリストでは、各ついで買い商品IDに当該ついで買い商品IDを有するついで買い商品の単価が対応付けられている。
スコアは、ついで買い候補商品群抽出手段112が設定した重み付け値である。レコメンドリストでは、各ついで買い商品IDに当該ついで買い商品IDを有するついで買い商品のスコアが関連付けられている。また、レコメンドリストでは、各メイン商品毎に、スコアの高い順についで買い商品が記憶されている。
なお、スコアは、ついで買い候補商品群抽出手段112が設定した重み付け値と共起率算出手段113が算出した共起率とを乗算して得た値とすることもできる。
【0033】
図1に戻って、ついで買い商品レコメンド装置12は、決済要求受信手段121と、基準額到達判定手段122と、ついで買い商品抽出手段123と、ついで買い商品推薦情報送信手段124と、を備える。
決済要求受信手段121は、ユーザ端末20から送信された決済要求を受信する。決済要求とは、ユーザ端末20に表示された商品を選択するためのWebページにおいて、ユーザが購入を希望する商品を選択し、当該商品の決済を要求する情報である。決済要求には、決済を要求する商品の商品ID、名称、数量及び単価等の情報が含まれる。
【0034】
基準額到達判定手段122は、決済要求受信手段121が受信した決済要求に含まれる商品の数量と単価とを乗算し、決済要求に含まれる商品の合計金額を算出し、当該合計金額が所定の基準額に到達しているか否かを判定する。所定の基準額とは、例えば、商品の合計金額が10万円以上で1割引きとするサービスを提供している場合であれば、10万円である。
【0035】
ついで買い商品抽出手段123は、基準額到達判定手段122における判定で、所定の基準額に到達していないと判定した場合に、レコメンドリスト記憶手段118に記憶されたレコメンドリスト(図5参照)を参照して、ついで買い商品を抽出する。具体的には、ついで買い商品抽出手段123は、レコメンドリストを参照して、決済要求に含まれる商品と同種の商品であるメイン商品を検索し、このメイン商品のメイン商品IDに対応付けられたついで買い商品の商品ID、名称、単価及びスコアを抽出する。
【0036】
ついで買い商品推薦情報送信手段124は、ついで買い商品抽出手段123で抽出したついで買い商品の商品ID、名称及び単価をついで買い商品推薦情報として、決済要求を送信してきたユーザ端末20に送信する。具体的には、ついで買い商品推薦情報送信手段124は、決済要求するWebページにおいて、例えば、商品の合計金額が10万円以上で1割引きとするサービスを提供している旨の表示に加え、ついで買い商品のスコアの高い順に、商品ID、名称及び単価を表示するための推薦情報を送信する。
【0037】
ユーザ端末20は、入力手段210と、表示手段220と、ユーザ端末制御手段230と、を備える。
入力手段210は、商品を選択するためのWebページにおいて、ユーザが商品を選択し決済要求するクリック操作等を受け付ける。
表示手段220は、商品を選択するためのWebページや決済要求するWebページを表示する。
ユーザ端末制御手段230は、ユーザ端末20を制御し、入力手段210で受け付けたユーザの操作に伴う情報(例えば、決済要求)をレコメンド装置10に送信する。また、ユーザ端末制御手段230は、レコメンド装置10から送信された、決済要求するWebページにおいて、ついで買い商品の商品ID、名称及び単価を表示するための情報を受信し、表示手段220に表示させる制御を行う。
【0038】
検索サーバ30は、検索エンジンを備え、検索サービスを提供する。具体的には、レコメンド装置10の共起率算出手段113から送信された検索クエリに対する検索結果を、共起率算出手段113に送信する。
【0039】
[レコメンドシステム1のハードウェア構成]
実施形態に係るレコメンドシステム1のレコメンド装置10、ユーザ端末20及び検索サーバ30は、コンピュータ及びその周辺装置に適用される。レコメンド装置10、ユーザ端末20及び検索サーバ30における各部は、コンピュータ及びその周辺装置が備えるハードウェア並びに当該ハードウェアを制御するソフトウェアによって構成される。
【0040】
上記ハードウェアには、CPU(Central Processing Unit)、記憶部の他、通信装置、表示装置、入力装置が含まれる。記憶部としては、例えば、メモリ(RAM:Random Access Memory、ROM:Read Only Memory等)、ハードディスクドライブ(HDD:Hard Disk Drive)、及び光ディスク(CD:Compact Disk、DVD:Digital Versatile Disk等)ドライブが挙げられる。通信装置としては、例えば、各種有線及び無線インターフェース装置が挙げられる。表示装置としては、例えば、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ等の各種ディスプレイが挙げられる。入力装置としては、例えば、入力キー、タッチパネル、キーボード及びポインティング・デバイス(マウス、トラッキングボール等)が挙げられる。
【0041】
上記ソフトウェアには、上記ハードウェアを制御するコンピュータ・プログラム及びデータが含まれる。コンピュータ・プログラム及びデータは、記憶部により記憶され、各制御部により適宜実行、参照される。また、コンピュータ・プログラムやデータは、通信回線を介して配布されることも可能であり、CD−ROM等のコンピュータ可読媒体に記録して配布されることも可能である。
【0042】
[レコメンド装置10の制御フロー]
次に、レコメンド装置10の制御フローについて説明する。
図6は、本実施形態に係るレコメンド装置10のレコメンドリスト生成装置11がレコメンドリストを生成する処理のフローチャートである。
【0043】
ステップS11では、ついで買い候補商品群抽出処理を行う。この処理において、ついで買い候補商品群抽出手段112(図1参照)は、購入ログ記憶手段117(図1参照)に記憶された購入ログDB(図2参照)を参照して、所定回数以上関連付けられている複数の商品の組み合わせを、ついで買い候補商品群として抽出する。また、この処理において、ついで買い候補商品群抽出手段112は、購入ログ記憶手段117に記憶された購入ログを参照し、複数の商品が関連付けられている回数が多いほど大きい重み付け値を設定してついで買い候補商品群に関連付けて記憶する。
【0044】
ステップS12では、共起率算出処理を行う。この処理において、共起率算出手段113(図1参照)は、ステップS11でついで買い候補商品群抽出手段112が抽出したついで買い候補商品群に含まれる複数の商品の商品名を検索クエリとしてWebページを検索し、これらの検索クエリが出現する全てのWebページのうちこれらの検索クエリが同一のWebページに出現する割合である共起率を算出する。
【0045】
ステップS13では、ついで買い候補商品群絞込み処理を行う。この処理において、ついで買い候補商品群絞込み手段114(図1参照)は、ステップS12で共起率算出手段113で算出した共起率が所定値以下の複数の商品をついで買い候補商品群から排除する。
【0046】
ステップS14では、レコメンドリスト生成処理を行う。この処理において、レコメンドリスト生成手段115(図1参照)は、ステップS13でついで買い候補商品群絞込み手段114が絞り込んだついで買い候補商品群をレコメンドリストとしてレコメンドリスト記憶手段118(図1参照)に記憶する。
また、この処理において、レコメンドリスト生成手段115は、購入ログ記憶手段117に記憶された購入ログDB(図2参照)を参照して、ついで買い候補商品群に含まれる複数の商品のうち価格が最も高いものをメイン商品として設定する。
更に、この処理において、レコメンドリスト生成手段115は、ステップS11でついで買い候補商品群抽出手段112がついで買い候補商品群に関連付けた重み付け値(図3参照)を、レコメンドリストにおいて、ついで買い商品群に更に関連付けて記憶する。
【0047】
図7は、本実施形態に係るレコメンド装置10のついで買い商品レコメンド装置12がユーザ端末20に対してついで買い商品の推薦情報を送信する処理のフローチャートである。
【0048】
ステップS21では、決済要求受信処理を行う。この処理において、決済要求受信手段121(図1参照)は、ユーザ端末20(図1参照)から送信された決済要求を受信する。
【0049】
ステップS22では、基準額到達判定処理を行う。この処理において、基準額到達判定手段122(図1参照)は、ステップS21で決済要求受信手段121が受信した決済要求に含まれる商品の数量と単価とを乗算し、決済要求に含まれる商品の合計金額を算出し、当該合計金額が所定の基準額に到達しているか否かを判定する。基準額到達判定手段122は、合計金額が所定の基準額に到達していると判定した場合には本処理を終了し、合計金額が所定の基準額に到達していないと判定した場合にはステップS23に処理を移す。
【0050】
ステップS23では、ついで買い商品抽出処理を行う。この処理において、ついで買い商品抽出手段123(図1参照)は、レコメンドリスト記憶手段118(図1参照)に記憶されたレコメンドリスト(図5参照)を参照して、ついで買い商品を抽出する。
【0051】
ステップS24では、ついで買い商品推薦情報送信処理を行う。この処理において、ついで買い商品推薦情報送信手段124(図1参照)は、ステップS23で、ついで買い商品抽出手段123で抽出したついで買い商品のスコアの高い順に、商品ID、名称及び単価を表示するための推薦情報を、決済要求を送信してきたユーザ端末20に送信する。
【0052】
本実施形態によれば、以下のような作用効果がある。
本実施形態によれば、レコメンドリスト生成装置11は、ユーザ端末20にメイン商品と組み合わせて購入されるついで買い商品の推薦情報を送信するためのレコメンドリストを生成する。購入ログ記憶手段117は、所定期間内に同一のユーザにより購入された複数の商品を関連付けて購入ログとして購入ログDBに記憶する。ついで買い候補商品群抽出手段112は、購入ログ記憶手段117に記憶された購入ログDBを参照して、所定回数以上関連付けられている複数の商品の組み合わせを、ついで買い候補商品群として抽出する。共起率算出手段113は、ついで買い候補商品群抽出手段112が抽出したついで買い候補商品群に含まれる複数の商品の商品名を検索クエリとしてWebページを検索し、これらの検索クエリが出現する全てのWebページのうちこれらの検索クエリが同一のWebページに出現する割合である共起率を算出する。ついで買い候補商品群絞込み手段114は、共起率算出手段113で算出した共起率が所定値以下の複数の商品をついで買い候補商品群から排除する。レコメンドリスト生成手段115は、ついで買い候補商品群絞込み手段114が絞り込んだついで買い候補商品群をレコメンドリストとしてレコメンドリスト記憶手段118に記憶する。
【0053】
これにより、メイン商品と同時期に購入される商品であって、その回数が所定回数以上のついで買い候補商品群を抽出し、更にこのついで買い候補商品群のうちから、メイン商品と共起率が所定値以下のを商品を排除して、メイン商品と組み合わせて購入されるついで買い商品の推薦情報を送信するためのレコメンドリストを生成する。すなわち、レコメンドリストのついで買い候補商品群は、メイン商品と同時期に購入され、なおかつ、同一のWebページに掲載されていることが、他の商品に比べて多い。よって、例えば、メイン商品に追加して他の商品を購入する際に、ユーザは、このついで買い候補商品群が示されれば、煩雑な操作を行うことなく、適切なついで買い商品を選択できる。
したがって、ユーザにメイン商品と組み合わせて購入される適切なついで買い商品をレコメンドするためのレコメンドリストを作成するレコメンドリスト生成装置を提供できる。
【0054】
また、レコメンドリスト生成手段115は、購入ログ記憶手段117に記憶された購入ログDBを参照して、ついで買い候補商品群に含まれる複数の商品のうち価格が最も高いものをメイン商品として設定する。
これにより、メイン商品は、所定期間において同一のユーザにより購入された複数の商品の中でも、最も単価が高いものであるので、ユーザの主たる購入物であった可能性が高い。そして、メイン商品以外の商品は、メイン商品の付属物や消耗品であった可能性が高い。このように、メイン商品を決定することで、ユーザの買い物の態様に即したレコメンドリストを生成できる。
したがって、ユーザにメイン商品と組み合わせて購入される適切なついで買い商品をレコメンドするためのレコメンドリストを作成するレコメンドリスト生成装置を提供できる。
【0055】
また、レコメンドリスト生成手段115は、ついで買い候補商品群抽出手段112がついで買い候補商品群に関連付けた重み付け値を、レコメンドリストにおいて、ついで買い商品群に更に関連付けて記憶する。
これにより、レコメンドリストにおけるついで買い候補商品群について重み付け値によるランク付けをすることができるので、例えば、ユーザに対して、重み付け値が高いついで買い商品から順に示すことができる。
したがって、ユーザにメイン商品と組み合わせて購入される適切なついで買い商品をレコメンドするためのレコメンドリストを作成するレコメンドリスト生成装置を提供できる。
【0056】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限るものではない。また、本発明の実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施形態に記載されたものに限定されるものではない。
【符号の説明】
【0057】
11 レコメンドリスト生成装置
117 購入ログ記憶手段
112 ついで買い候補商品群抽出手段
113 共起率算出手段
114 ついで買い候補商品群絞込み手段
115 レコメンドリスト生成手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークを介して接続可能なユーザの端末に、メイン商品と組み合わせて購入されるついで買い商品の推薦情報を送信するためのレコメンドリストを生成するレコメンドリスト生成装置であって、
所定期間内に同一のユーザにより購入された複数の商品を関連付けて購入ログとして記憶する購入ログ記憶手段と、
前記購入ログ記憶手段に記憶された前記購入ログを参照して、所定回数以上関連付けられている前記複数の商品の組み合わせを、ついで買い候補商品群として抽出するついで買い候補商品群抽出手段と、
前記ついで買い候補商品群抽出手段が抽出した前記ついで買い候補商品群に含まれる前記複数の商品の商品名を検索クエリとしてWebページを検索し、これらの検索クエリが出現する全てのWebページのうちこれらの検索クエリが同一のWebページに出現する割合である共起率を算出する共起率算出手段と、
前記共起率算出手段で算出した前記共起率が所定値以下の前記複数の商品を前記ついで買い候補商品群から排除するついで買い候補商品群絞込み手段と、
前記ついで買い候補商品群絞込み手段が絞り込んだついで買い候補商品群を前記レコメンドリストとして記憶するレコメンドリスト生成手段と、を備えるレコメンドリスト生成装置。
【請求項2】
前記購入ログ記憶手段は、前記商品の価格を前記商品に関連付けて更に記憶し、
前記レコメンドリスト生成手段は、前記購入ログ記憶手段を参照して、前記ついで買い候補商品群に含まれる前記複数の商品のうち前記価格が最も高いものをメイン商品として設定する請求項1に記載のレコメンドリスト生成装置。
【請求項3】
前記ついで買い候補商品群抽出手段は、前記購入ログを参照し、前記複数の商品が関連付けられている回数が多いほど大きい重み付け値を設定して前記ついで買い候補商品群に関連付けて記憶し、
前記レコメンドリスト生成手段は、前記ついで買い候補商品群抽出手段が前記ついで買い候補商品群に関連付けた前記重み付け値を、前記レコメンドリストにおいて前記ついで買い商品群に更に関連付けて記憶する請求項1又は2に記載のレコメンドリスト生成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−203454(P2012−203454A)
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−64692(P2011−64692)
【出願日】平成23年3月23日(2011.3.23)
【出願人】(500257300)ヤフー株式会社 (1,128)
【Fターム(参考)】