説明

レジシステム、商品購入総額確認方法、携帯電話機、およびプログラム

【課題】店舗および購入者の双方に負担なく商品購入総額を購入者を確認する。
【解決手段】商品管理装置20で、販売する商品を識別するための商品コードごとに当該商品の単価を記憶しておき、購入者の所有する携帯電話機10で、購入商品に添付されている商品コードを読み取って、商品管理装置20とデータ通信を行うことにより商品コードと対応する単価をそれぞれ取得し、これら商品コードおよび単価と当該購入商品の購入数量との組を購入商品情報に登録し、これら単価と購入数量とに基づいて購入商品情報に登録されているすべての購入商品の購入総額を算出して画面表示することにより購入者へ提示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、購入商品精算技術に関し、特に商品の精算を行う前に商品購入総額を購入者が確認できる商品購入総額確認技術に関する。
【背景技術】
【0002】
スーパーマーケットやホームセンタなどの店舗では、購入者が多種にわたる複数の使用品を一括して購入するため、レジで購入する商品の精算を行う際に時間がかかり、さらにクレジットカードでの決済にも与信確認のため時間がかかるため、レジに長い行列が発生しやすい。
また、購入者はレジで精算するまで商品購入総額を確認できないため、現金や電子マネー等の所持金額が足りない場合には精算が出来ない事態が発生し、購入を取りやめる等の問題があった。また、購入取りやめ時には、手に取ってレジまで持って行った商品を購入者または店員が元の陳列場所に戻す必要が発生し、手間が掛かった。特に、購入者が自分でレジを操作するセルフレジの場合、入力した商品の購入を取り消す操作を不慣れな購入者か自ら行わなければならず、購入者に対して大きな操作負担となる。
【0003】
このような商品購入時の精算やクレジットカード決済に要する時間を短縮するため、店舗に来店した購入者に対して専用端末を貸し出して、購入者が商品を手にとって買い物かごやカートへ入れる際、専用端末で商品から商品情報を読み取り、精算を行う前に、これら商品情報に基づき商品購入総額を算出して購入者に提示する技術が提案されている(例えば、特許文献1など参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−187334号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、このような関連技術では、店舗ごとに専用端末を用意して購入者への貸出・返却を管理する必要があるため、店舗側での設備コスト負担や保守負担が増大するとともに、店舗および購入者の双方に、専用端末の貸出・返却のための負担が増大するという問題点があった。
本発明はこのような課題を解決するためのものであり、店舗および購入者の双方に負担なく商品購入総額を購入者が確認できる商品購入総額確認技術を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
このような目的を達成するために、本発明にかかるレジシステムは、購入者が購入する購入商品の金額を精算するレジシステムであって、販売する商品を識別するための商品コードごとに当該商品の単価を記憶する商品管理装置と、購入者の所有する携帯電話機からなり、購入商品に添付されている商品コードを読み取って、商品管理装置とデータ通信を行うことにより商品コードと対応する単価をそれぞれ取得し、これら商品コードおよび単価と当該購入商品の購入数量との組を購入商品情報に登録し、これら単価と購入数量とに基づいて購入商品情報に登録されているすべての購入商品の購入総額を算出して画面表示することにより購入者へ提示する携帯電話機とを備えている。
【0007】
また、本発明にかかる商品購入総額確認方法は、購入者が購入する購入商品の金額を精算するレジシステムで用いる商品購入総額確認方法であって、商品管理装置が、販売する商品を識別するための商品コードごとに当該商品の単価を記憶する商品管理ステップと、購入者の所有する携帯電話機が、購入商品に添付されている商品コードを読み取るステップと、商品管理装置とデータ通信を行うことにより商品コードと対応する単価をそれぞれ取得するステップと、これら商品コードおよび単価と当該購入商品の購入数量との組を購入商品情報に登録するステップと、これら単価と購入数量とに基づいて購入商品情報に登録されているすべての購入商品の購入総額を算出して画面表示することにより購入者へ提示するステップとを備えている。
【0008】
また、本発明にかかる携帯電話機は、商品を購入する購入者が所有する携帯電話機からなり、購入者が購入する購入商品に添付されている商品コードを読み取って、当該商品コードの読取回数から得た購入数量または操作入力された当該購入商品の購入数量とを取得する商品情報登録部と、販売する商品を識別するための商品コードごとに当該商品の単価を記憶する商品管理装置とデータ通信を行うことにより、商品コードと対応する単価をそれぞれ取得し、当該商品コードと単価の組を購入商品情報として保存する商品単価取得部と、購入商品情報に含まれる商品コードと単価の組に基づいて、購入商品の購入総額を算出して画面表示する購入総額算出部とを備えている。
【0009】
また、本発明にかかるプログラムは、コンピュータを、前述した携帯電話機を構成する各部として機能させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、購入者の所有する携帯電話機での操作により、購入商品の購入総額を容易に確認できるため、店舗ごとに専用端末を用意して購入者への貸出・返却を管理する必要がなくなる。このため、店舗側での設備コスト負担や保守負担の発生、店舗および購入者の双方における、専用端末の貸出・返却のための負担の発生を解消することができ、店舗および購入者の双方に負担なく商品購入総額を購入者が確認することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本実施形態にかかるレジシステムの構成を示すブロック図である。
【図2】購入商品情報の構成例である。
【図3】商品マスタ情報の構成例である。
【図4】本実施形態にかかるレジシステムの動作を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
次に、本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。
[レジシステム]
まず、図1を参照して、本実施形態にかかるレジシステムについて説明する。図1は、本実施形態にかかるレジシステムの構成を示すブロック図である。
このレジシステム1は、スーパーマーケットやホームセンタなどの店舗で利用されて、購入者が購入する購入商品の金額を精算する機能を有しており、主な構成として、携帯電話機10、商品管理装置20、およびレジ装置30が設けられている。
【0013】
本実施形態は、商品管理装置20で、販売する商品を識別するための商品コードごとに当該商品の単価を記憶しておき、購入者の所有する携帯電話機10で、購入商品に添付されている商品コードを読み取り、商品管理装置20とデータ通信を行うことにより商品コードと対応する単価をそれぞれ取得して、当該商品コードと単価の組を購入商品情報に登録し、これら単価に基づいて購入商品情報に登録されているすべての購入商品の購入総額を算出して画面表示することにより購入者へ提示し、レジ装置30で、携帯電話機10とデータ通信を行うことにより購入商品情報を取得し、この購入商品情報に基づいて購入商品の支払金額を精算するようにしたものである。
【0014】
[携帯電話機]
次に、本実施形態にかかる携帯電話機10の構成について詳細に説明する。
この携帯電話機10には、主な機能部として、無線通信部11、音声処理部12、通信インターフェース部(以下、通信I/Fという)13、カメラ部14、操作入力部15、画面表示部16、記憶部17、および制御部18が設けられている。
【0015】
無線通信部11は、専用の無線通信回路からなり、携帯網(図示せず)と無線データ通信を行うことにより、無線通話のための音声データや制御データをやり取りする機能を有している。
【0016】
音声処理部12は、専用の音声処理回路からなり、無線通信部11で受信した音声データを音声信号に復号してスピーカ(図示せず)から出力する機能と、マイク(図示せず)から入力された音声信号を符号化して無線通信部11へ出力する機能と、制御部18からの指示に応じて着信音などの各種信号音をスピーカから出力する機能とを有している。
【0017】
通信I/F部13は、赤外線通信、Bluetooth(登録商標)、無線LAN、無線タグ通信などの専用の近距離無線通信回路からなり、商品管理装置20やレジ装置30とデータ通信を行うことにより、購入商品に関する各種情報をやり取りする機能を有している。
カメラ部14は、画像を撮影するカメラからなり、制御部18からの指示に応じて購入商品のバーコードを撮影する機能を有している。
【0018】
操作入力部15は、ダイヤルキーやカーソルキーなどの各種操作キーからなり、購入者の操作を検出して、制御部18へ出力する機能を有している。
画面表示部16は、LCDなどの画面表示装置からなり、制御部18からの指示に応じて、操作メニューや電話帳などの携帯電話機用画面に加え、購入商品リストや購入総額などの購入商品に関する各種情報を画面表示する機能を有している。
【0019】
記憶部17は、半導体メモリなどの記憶装置からなり、制御部18での処理に用いる各種処理情報とプログラム17Pを記憶する機能を有している。プログラム17Pは、外部装置や記録媒体(ともに図示せず)から予め記憶部17へ格納されており、制御部18に読み出されて実行されることにより、各種処理部を実現する携帯アプリケーションプログラムである。
記憶部17で記憶する主な処理情報として、購入商品情報17Aと購入総額情報17Bがある。
【0020】
図2は、購入商品情報の構成例である。ここでは、購入商品を識別するための商品コードごとに、商品名、購入数量、単価、および購入金額が組として記憶されている。このうち商品コードは、カメラ部14で撮影した購入商品に添付されているバーコードから制御部18で取得したものであり、購入数量は、購入者から操作入力されたものである。また単価は、商品コードに基づいて商品管理装置20から取得したものであり、購入金額は、購入数量と単価を乗算したものである。
また、購入総額情報17Bは、購入商品情報17Aの購入金額を集計したものである。
【0021】
制御部18は、CPUとその周辺回路とを有し、記憶部17のプログラム17Pを読み込んで実行することにより、CPUとプログラムとを協働させることにより、各種処理部を実現する機能を有している。
制御部18で実現される主な処理部として、呼制御部18A、商品情報登録部18B、商品単価取得部18C、購入総額算出部18D、および精算要求部18Eがある。
【0022】
呼制御部18Aは、無線通信部11を介して携帯網と制御データをやり取りすることにより、携帯網を介した無線通話を制御する機能を有している。
【0023】
商品情報登録部18Bは、操作入力部15で検出された商品情報登録操作に応じて、カメラ部14を制御して購入商品を撮影し、得られた画像内のバーコードから商品コードを取得する機能と、商品コードの読取回数から得た購入数量または操作入力部15で検出された当該購入商品の購入数量とを取得する機能と、当該商品コードの購入数量と商品単価取得部18Cで取得した単価とを乗算して購入金額を算出する機能と、当該商品コード、商品名、購入数量、単価、および購入金額の組を記憶部17の購入商品情報17Aへ登録する機能とを有している。
【0024】
商品単価取得部18Cは、商品情報登録部18Bでの商品コードの取得に応じて、あるいは当該商品コードの取得後に操作入力部15で検出された商品単価取得操作に応じて、通信I/F部13を介して商品管理装置20とデータ通信を行うことにより、当該商品コードと対応する商品名および単価の照会要求を行って取得する機能を有している。
【0025】
購入総額算出部18Dは、商品単価取得部18Cでの単価の取得に応じて、あるいは当該単価所得後に操作入力部15で検出された購入総額確認操作に応じて、記憶部17の購入商品情報17Aを参照し、購入商品情報17Aに登録されている商品コードの購入金額を集計することにより購入総額を算出する機能と、この購入総額を購入総額情報17Bとして記憶部17へ保存する機能と、記憶部17の購入総額情報17Bから読み出した購入総額を画面表示部16で画面表示して購入者に提示する機能とを有している。
【0026】
精算要求部18Eは、操作入力部15で検出された精算要求操作に応じて、記憶部17の購入商品情報17Aを読み出し、通信I/F部13を介してレジ装置30とデータ通信を行うことにより、購入商品情報17Aを含む精算要求を送信する機能を有している。
【0027】
[商品管理装置]
次に、図1を参照して、本実施形態にかかる商品管理装置20の構成について詳細に説明する。
この商品管理装置20は、全体としてサーバ装置などの情報処理装置からなり、主な機能部として、通信インターフェース部(以下、通信I/F部という)21、単価照会部22、および商品マスタ情報記憶部23が設けられている。
【0028】
通信I/F部21は、赤外線通信、Bluetooth、無線LAN、無線タグ通信などの専用の近距離無線通信回路からなり、携帯電話機10やレジ装置30とデータ通信を行うことにより、購入商品に関する各種情報をやり取りする機能を有している。
【0029】
単価照会部22は、通信I/F部21を介して携帯電話機10から受信した照会要求に応じて、商品マスタ情報記憶部23を検索し、当該照会要求で指定された商品コードと対応する商品名および単価を取得する機能と、取得した商品名および単価を通信I/F部21から携帯電話機10へ送信する機能とを有している。
【0030】
商品マスタ情報記憶部23は、ハードディスクや半導体メモリなどの記憶装置からなり、販売する商品を識別するための商品コードごとに、当該商品の商品名および単価を、商品マスタ情報として記憶する機能を有している。
図3は、商品マスタ情報の構成例である。ここでは、購入商品を識別するための商品コードごとに、商品名と単価とが組として記憶されている。
【0031】
[レジ装置]
次に、図1を参照して、本実施形態にかかるレジ装置30の構成について詳細に説明する。
レジ装置30は、店舗の精算カウンタに設置される一般的なレジスターからなり、主な機能部として、通信インターフェース部(以下、通信I/F部)31、購入情報取得部32、操作入力部33、表示部34、および精算処理部35が設けられている。
【0032】
通信I/F部31は、赤外線通信、Bluetooth、無線LAN、無線タグ通信などの専用の近距離無線通信回路からなり、携帯電話機10や商品管理装置20とデータ通信を行うことにより、購入商品に関する各種情報をやり取りする機能を有している。
【0033】
購入情報取得部32は、購入者が購入する購入商品の金額を精算する際、通信I/F部21を介して携帯電話機10から受信した購入要求から、購入商品情報17Aを取得する機能を有している。
【0034】
操作入力部33は、数字ボタンや金額確認ボタンなどの各種操作ボタンからなり、購入者やオペレータの操作を検出して、精算処理部35へ出力する機能を有している。
表示部34は、LEDや蛍光表示管などの表示装置からなり、精算処理部35からの指示に応じて、支払金額などの購入商品の精算に関する各種情報を表示する機能を有している。
精算処理部35は、購入者が購入する購入商品の支払金額を精算する際、購入情報取得部32で取得した購入商品情報17Aに基づいて、購入商品の支払金額を精算する機能と、得られた支払金額を表示部34で表示して購入者に提示する機能と、操作入力部33で検出された金額確認操作に応じて、精算した支払金額について現金やキャッシュカードにより決済を行う機能とを有している。
【0035】
[本実施形態の動作]
次に、図4を参照して、本実施形態にかかるレジシステムの動作について説明する。図4は、本実施形態にかかるレジシステムの動作を示すシーケンス図である。
本実施形態にかかるレジシステムの動作は、購入商品の登録動作、金額確認動作、および精算動作からなる3つの動作に大別される。ここでは、これら動作についてそれぞれ説明する。
【0036】
[購入商品登録動作]
まず、図4を参照して、本実施形態にかかるレジシステムの購入商品登録動作について説明する。本実施形態にかかるレジシステムの購入商品登録動作は、図4のステップ100〜ステップ110に相当する。
【0037】
購入者は、気に入った商品を買い物かごやカートに入れる際、自身が所有する携帯電話機10で商品情報登録操作を行う。
携帯電話機10の制御部18は、操作入力部15で検出された商品情報登録操作に応じて(ステップ100)、商品情報登録部18Bで、カメラ部14を制御して購入商品を撮影し、得られた画像内のバーコードから商品コードを取得する(ステップ101)。
続いて、商品単価取得部18Cは、商品情報登録部18Bでの商品コードの取得に応じて、通信I/F部13を介して商品管理装置20とデータ通信を行うことにより、当該商品コードと対応する商品名および単価の照会要求を送信する(ステップ102)。
【0038】
商品管理装置20の単価照会部22は、通信I/F部21を介して携帯電話機10から受信した照会要求に応じて、商品マスタ情報記憶部23を検索し、当該照会要求で指定された商品コードと対応する商品名および単価を取得し(ステップ103)、取得した商品名および単価を含む照会応答を、通信I/F部21から携帯電話機10へ送信する(ステップ104)。
【0039】
商品単価取得部18Cは、通信I/F部13を介して商品管理装置20から受信した照会応答から、照会要求した商品コードの商品名および単価を取得する(ステップ105)。
また、商品情報登録部18Bは、商品コードの読取回数に基づき当該商品の購入数量を取得する(ステップ106)。この際、商品情報登録部18Bは、画面表示部16で当該商品の購入数量を入力する入力画面を表示し、操作入力部15で検出された購入数量操作に応じて、当該商品の購入数量を取得してもよい。
【0040】
この後、商品情報登録部18Bは、この購入数量と商品単価取得部18Cで取得した単価とを乗算して購入金額を算出し(ステップ107)、これら商品コード、商品名、購入数量、単価、および購入金額の組を記憶部17の購入商品情報17Aへ登録する(ステップ108)。
【0041】
続いて、購入総額算出部18Dは、記憶部17の購入商品情報17Aを参照し、購入商品情報17Aに登録されている商品コードの購入金額を集計することにより購入総額を算出する(ステップ109)。そして、この購入総額を購入総額情報17Bとして記憶部17へ保存するとともに、この購入総額を画面表示部16で画面表示して購入者に提示する(ステップ110)。
【0042】
これにより、購入者が気に入った商品を買い物かごやカートに入れる際、自身の携帯電話機で購入商品登録操作を行うだけで、当該購入商品の商品情報が携帯電話機10へ登録され、それまでに登録した購入商品、すなわち買い物かごやカートに入れた購入商品の購入総額が、携帯電話機10で画面表示される。
【0043】
[購入総額確認動作]
まず、図4を参照して、本実施形態にかかるレジシステムの購入総額確認動作について説明する。本実施形態にかかるレジシステムの購入総額確認動作は、図4のステップ120〜ステップ121に相当する。
【0044】
購入者は、買い物途中で、買い物かごやカートに入れた購入商品の購入総額を確認する際、自身が所有する携帯電話機10で購入総額確認操作を行う。
携帯電話機10の制御部18は、操作入力部15で検出された購入総額確認操作に応じて(ステップ120)、購入総額算出部18Dにより、操作入力部15で検出された購入総額確認操作に応じて、記憶部17の購入総額情報17Bから購入総額を読み出し、画面表示部16で画面表示して購入者に提示する(ステップ121)。
【0045】
これにより、購入者が買い物途中で、買い物かごやカートに入れた購入商品の購入総額を確認する際、自身の携帯電話機で購入商品登録操作を行うだけで、それまでに登録した購入商品、すなわち買い物かごやカートに入れた購入商品の購入総額が、携帯電話機10で画面表示される。
【0046】
この際、購入総額算出部18Dで、記憶部17の購入商品情報17Aから商品コード、商品名、購入数量、単価、および購入金額の組を読み出して、画面表示部16でリスト表示してもよい。この際、リスト表示された組のうちのいずれかを指定した編集操作に応じて、当該組のうちの購入数量を編集するようにしてもよい。これにより、購入者による任意の購入商品に関する購入数量の変更に対応できる。また、リスト表示された組のうちのいずれかを指定した削除操作に応じて、当該組の情報全体を削除するようにしてもよい。これにより、購入者による任意の購入商品の購入取りやめに対応できる。
【0047】
[購入商品精算動作]
次に、図4を参照して、本実施形態にかかるレジシステムの購入商品精算動作について説明する。本実施形態にかかるレジシステムの購入商品精算動作は、図4のステップ130〜ステップ135に相当する。
【0048】
購入者は、買い物かごやカートに入れた購入商品の精算を行う際、自身が所有する携帯電話機10で購入商品精算操作を行う。
携帯電話機10の制御部18は、操作入力部15で検出された購入商品精算操作に応じて(ステップ130)、精算要求部18Eにより、記憶部17の購入商品情報17Aを読み出し、通信I/F部13を介してレジ装置30とデータ通信を行うことにより、購入商品情報17Aを含む精算要求を送信する(ステップ131)。
【0049】
レジ装置30の購入情報取得部32は、購入者が購入する購入商品の金額を精算する際、通信I/F部21を介して携帯電話機10から受信した購入要求から、購入商品情報17Aを取得する(ステップ132)。
【0050】
続いて、レジ装置30の精算処理部35は、購入情報取得部32で取得した購入商品情報17Aに含まれる組ごとに、当該購入数量と単価とを乗算して購入金額を算出した後、これら購入金額を集計することにより購入総額を算出(ステップ133)、得られた購入総額を表示部34で表示して購入者に提示する(ステップ134)。
この後、精算処理部35は、操作入力部33で検出された金額確認操作に応じて、精算した購入総額について現金やキャッシュカードにより決済を行う(ステップ135)。
【0051】
[本実施形態の効果]
このように、本実施形態は、商品管理装置20で、販売する商品を識別するための商品コードごとに当該商品の単価を記憶しておき、購入者の所有する携帯電話機10で、購入商品に添付されている商品コードを読み取って、商品管理装置20とデータ通信を行うことにより商品コードと対応する単価をそれぞれ取得し、これら商品コードおよび単価と当該購入商品の購入数量との組を購入商品情報に登録し、これら単価と購入数量とに基づいて購入商品情報に登録されているすべての購入商品の購入総額を算出して画面表示することにより購入者へ提示するようにしたものである。
【0052】
これにより、購入者の所有する携帯電話機での操作により、購入商品の購入総額を容易に確認できるため、店舗ごとに専用端末を用意して購入者への貸出・返却を管理する必要がなくなる。このため、店舗側での設備コスト負担や保守負担の発生、店舗および購入者の双方における、専用端末の貸出・返却のための負担の発生を解消することができ、店舗および購入者の双方に負担なく商品購入総額を購入者が確認することが可能となる。
【0053】
また、本実施形態では、レジ装置30を設けて、購入商品の金額を精算する際、携帯電話機10とデータ通信を行うことにより購入商品情報17Aを取得し、この購入商品情報に含まれる各購入商品の単価と購入数量とに基づいて購入商品の支払金額を精算するようにしたので、レジ装置30での商品コードの読み取り作業を不要とすることができ、購入者のみで精算・決済できるセルフレジシステムを実現できる。また、購入商品の金額を精算する精算処理を簡略化できるとともに、レジ装置30から商品管理装置20へアクセスして単価を取得する場合と比較して、商品管理装置20に対するアクセスの集中を緩和することができる。
【0054】
この際、レジ装置30で、購入商品情報17Aに代えて購入総額情報17Bを携帯電話機10から取得して、この購入総額情報17Bに含まれる購入総額に基づいて購入商品の支払金額を精算するようにしてもよい。これにより、レジ装置30での精算処理をさらに簡略化できる。
【0055】
なお、レジ装置30において、携帯電話機10から購入商品情報17Aのうち、各購入商品の商品コードおよび購入数量を取得し、商品管理装置20とデータ通信を行うことによりこれら商品コードと対応する単価をそれぞれ取得し、これら購入商品の単価と購入数量とに基づいて購入商品の支払金額を精算するようにしてもよい。これにより、レジ装置30での商品コードの読み取り作業を不要とすることができ、購入者のみで精算・決済できるセルフレジシステムを実現できる。また、単価や購入総額に対する不正にも対応することができる。
【0056】
[実施形態の拡張]
以上、実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細には、本発明のスコープ内で当業者が理解しうる様々な変更をすることができる。
【0057】
[付記]
以下、本発明の特徴を付記する。
【0058】
(付記1)
購入者が購入する購入商品の金額を精算するレジシステムであって、
販売する商品を識別するための商品コードごとに当該商品の単価を記憶する商品管理装置と、
前記購入者の所有する携帯電話機からなり、前記購入商品に添付されている商品コードを読み取って、前記商品管理装置とデータ通信を行うことにより前記商品コードと対応する単価をそれぞれ取得し、これら商品コードおよび単価と当該購入商品の購入数量との組を購入商品情報に登録し、これら単価と購入数量とに基づいて前記購入商品情報に登録されているすべての前記購入商品の購入総額を算出して画面表示することにより前記購入者へ提示する携帯電話機と
を備えることを特徴とするレジシステム。
【0059】
(付記2)
付記1に記載のレジシステムにおいて、
前記購入商品の金額を精算する際、前記携帯電話機とデータ通信を行うことにより前記購入商品情報を取得し、この購入商品情報に含まれる各購入商品の単価と購入数量とに基づいて前記購入商品の支払金額を精算するレジ装置をさらに備えることを特徴とするレジシステム。
【0060】
(付記3)
付記1に記載のレジシステムにおいて、
前記購入商品の金額を精算する際、前記携帯電話機とデータ通信を行うことにより前記購入総額を取得し、この購入総額に基づいて前記購入商品の支払金額を精算するレジ装置をさらに備えることを特徴とするレジシステム。
【0061】
(付記4)
付記1に記載のレジシステムにおいて、
前記購入商品の金額を精算する際、前記携帯電話機とデータ通信を行うことにより前記購入商品情報のうちから、各購入商品の商品コードおよび購入数量を取得し、前記商品管理装置とデータ通信を行うことによりこれら商品コードと対応する単価をそれぞれ取得し、これら購入商品の単価と購入数量とに基づいて前記購入商品の支払金額を精算するレジ装置をさらに備えることを特徴とするレジシステム。
【0062】
(付記5)
購入者が購入する購入商品の金額を精算するレジシステムで用いる商品購入総額確認方法であって、
商品管理装置が、販売する商品を識別するための商品コードごとに当該商品の単価を記憶する商品管理ステップと、
前記購入者の所有する携帯電話機が、前記購入商品に添付されている商品コードを読み取るステップと、
前記商品管理装置とデータ通信を行うことにより前記商品コードと対応する単価をそれぞれ取得するステップと、
これら商品コードおよび単価と当該購入商品の購入数量との組を購入商品情報に登録するステップと、
これら単価と購入数量とに基づいて前記購入商品情報に登録されているすべての前記購入商品の購入総額を算出して画面表示することにより前記購入者へ提示するステップと
を備えることを特徴とする商品購入総額確認方法。
【0063】
(付記6)
商品を購入する購入者が所有する携帯電話機からなり、
前記購入者が購入する購入商品に添付されている商品コードを読み取って、当該商品コードの読取回数から得た購入数量または操作入力された当該購入商品の購入数量とを取得する商品情報登録部と、
販売する商品を識別するための商品コードごとに当該商品の単価を記憶する商品管理装置とデータ通信を行うことにより、前記商品コードと対応する単価をそれぞれ取得し、当該商品コードと単価の組を購入商品情報として保存する商品単価取得部と、
前記購入商品情報に含まれる前記商品コードと前記単価の組に基づいて、前記購入商品の購入総額を算出して画面表示する購入総額算出部と
を備えることを特徴とする携帯電話機。
【0064】
(付記7)
付記6に記載の携帯電話機において、
精算要求操作に応じて、前記購入商品の金額を精算するレジ装置とデータ通信を行うことにより、前記購入商品情報のうち、少なくとも前記レジ装置での精算に用いる前記購入商品の商品コードを送信する精算要求部をさらに備えることを特徴とする携帯電話機。
【0065】
(付記8)
コンピュータを、付記6または付記7に記載の携帯電話機を構成する各部として機能させるためのプログラム。
【符号の説明】
【0066】
1…レジシステム、10…携帯電話機、11…無線通信部、12…音声処理部、13…通信I/F部、14…カメラ部、15…操作入力部、16…画面表示部、17…記憶部、17A…購入商品情報、17B…購入総額情報、17P…プログラム、18…制御部、18A…呼制御部、18B…商品情報登録部、18C…商品単価取得部、18D…購入総額算出部、18E…精算要求部、20…商品管理装置、21…通信I/F部、22…単価照会部、23…商品マスタ情報記憶部、30…レジ装置、31…通信I/F部、32…購入情報取得部、33…操作入力部、34…表示部、35…精算処理部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
購入者が購入する購入商品の金額を精算するレジシステムであって、
販売する商品を識別するための商品コードごとに当該商品の単価を記憶する商品管理装置と、
前記購入者の所有する携帯電話機からなり、前記購入商品に添付されている商品コードを読み取って、前記商品管理装置とデータ通信を行うことにより前記商品コードと対応する単価をそれぞれ取得し、これら商品コードおよび単価と当該購入商品の購入数量との組を購入商品情報に登録し、これら単価と購入数量とに基づいて前記購入商品情報に登録されているすべての前記購入商品の購入総額を算出して画面表示することにより前記購入者へ提示する携帯電話機と
を備えることを特徴とするレジシステム。
【請求項2】
請求項1に記載のレジシステムにおいて、
前記購入商品の金額を精算する際、前記携帯電話機とデータ通信を行うことにより前記購入商品情報を取得し、この購入商品情報に含まれる各購入商品の単価と購入数量とに基づいて前記購入商品の支払金額を精算するレジ装置をさらに備えることを特徴とするレジシステム。
【請求項3】
請求項1に記載のレジシステムにおいて、
前記購入商品の金額を精算する際、前記携帯電話機とデータ通信を行うことにより前記購入総額を取得し、この購入総額に基づいて前記購入商品の支払金額を精算するレジ装置をさらに備えることを特徴とするレジシステム。
【請求項4】
請求項1に記載のレジシステムにおいて、
前記購入商品の金額を精算する際、前記携帯電話機とデータ通信を行うことにより前記購入商品情報のうちから、各購入商品の商品コードおよび購入数量を取得し、前記商品管理装置とデータ通信を行うことによりこれら商品コードと対応する単価をそれぞれ取得し、これら購入商品の単価と購入数量とに基づいて前記購入商品の支払金額を精算するレジ装置をさらに備えることを特徴とするレジシステム。
【請求項5】
購入者が購入する購入商品の金額を精算するレジシステムで用いる商品購入総額確認方法であって、
商品管理装置が、販売する商品を識別するための商品コードごとに当該商品の単価を記憶する商品管理ステップと、
前記購入者の所有する携帯電話機が、前記購入商品に添付されている商品コードを読み取るステップと、
前記商品管理装置とデータ通信を行うことにより前記商品コードと対応する単価をそれぞれ取得するステップと、
これら商品コードおよび単価と当該購入商品の購入数量との組を購入商品情報に登録するステップと、
これら単価と購入数量とに基づいて前記購入商品情報に登録されているすべての前記購入商品の購入総額を算出して画面表示することにより前記購入者へ提示するステップと
を備えることを特徴とする商品購入総額確認方法。
【請求項6】
商品を購入する購入者が所有する携帯電話機からなり、
前記購入者が購入する購入商品に添付されている商品コードを読み取って、当該商品コードの読取回数から得た購入数量または操作入力された当該購入商品の購入数量とを取得する商品情報登録部と、
販売する商品を識別するための商品コードごとに当該商品の単価を記憶する商品管理装置とデータ通信を行うことにより、前記商品コードと対応する単価をそれぞれ取得し、当該商品コードと単価の組を購入商品情報として保存する商品単価取得部と、
前記購入商品情報に含まれる前記商品コードと前記単価の組に基づいて、前記購入商品の購入総額を算出して画面表示する購入総額算出部と
を備えることを特徴とする携帯電話機。
【請求項7】
請求項6に記載の携帯電話機において、
精算要求操作に応じて、前記購入商品の金額を精算するレジ装置とデータ通信を行うことにより、前記購入商品情報のうち、少なくとも前記レジ装置での精算に用いる前記購入商品の商品コードを送信する精算要求部をさらに備えることを特徴とする携帯電話機。
【請求項8】
コンピュータを、請求項6または請求項7に記載の携帯電話機を構成する各部として機能させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−227643(P2011−227643A)
【公開日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−95831(P2010−95831)
【出願日】平成22年4月19日(2010.4.19)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】