説明

レストランオーダシステム、ハンディターミナルおよび注文受付け方法

【課題】 注文入力時に品切れを把握できるレストランオーダシステムを提供する
【解決手段】 レストランオーダシステムは、ハンディターミナル10と、ハンディターミナル10と無線通信し、各メニューの残数を記憶している品切れ状態テーブル31を備えるコントローラ30とからなる。ハンディターミナル10は、各メニューの残数を記憶している品切れ状態テーブル11を備える。ハンディターミナル10の注文受付部12は、注文のメニューと個数の入力を受付け、品切れ状態テーブル11に格納されている残数が注文の個数未満のときは、品切れの旨を通知する。ハンディターミナル10の品切れ状態受信部13は、コントローラ30から、品切れ状態テーブル31の記憶内容を受信して、品切れ状態テーブル11に登録する。コントローラ30の品切れ状態送信部35は、品切れ状態テーブル31の記憶内容を取得して、ハンディターミナル10に送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飲食店などにおいて、接客係が客席にて顧客の注文を受付けるレストランオーダシステム、ハンディターミナルおよび注文受付け方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のレストランオーダシステムは、接客係が操作して注文を入力するハンディターミナルと、各ハンディターミナルと無線通信して、注文を受信し、伝票の発行や厨房への調理指示などを行うコントローラとからなる。何れかのメニューが、品切れ等により注文を受けられなくなったときは、該メニューが品切れである旨の品切れ情報をコントローラに登録しておく。ハンディターミナルは、接客係が受けた一通りの注文を入力されると、該注文とコントローラに送信する。コントローラは、ハンディターミナルから注文を受信すると、注文内容と品切れの情報を比較して、該注文を受付けられるかを判断している(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平8−137945号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、特許文献1に示すレストランオーダシステムにあっては、品切れ情報をコントローラにて管理するため、ハンディターミナルにて一通りの注文の入力を受付けて、コントローラに送信してから、コントローラが品切れを判定し、その結果をハンディターミナルにより接客係に通知するため、接客係は、品切れの注文に関して、改めて注文を取り直さなければならないという問題がある。
【0004】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、その目的は、注文入力時に品切れを通知するレストランオーダシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この発明は上述した課題を解決するためになされたもので、本発明は、各メニューの残数を記憶している第2の品切れ状態テーブルを備えるハンディターミナルと、各メニューの残数を記憶している第1の品切れ状態テーブルを備え、前記ハンディターミナルと無線通信するコントローラとを備えるレストランオーダシステムにおいて、前記ハンディターミナルは、前記コントローラから、前記第1の品切れ状態テーブルの記憶内容を受信して、前記第2の品切れ状態テーブルに登録する品切れ状態受信手段と、ユーザ操作による注文のメニューと個数の入力を受付けると、前記第2の品切れ状態テーブルから前記注文のメニューの残数を取得し、該取得した残数と前記受付けた注文の個数とを比較し、前記取得した残数が前記受付けた注文の個数未満のときは、品切れの旨を通知する注文受付手段とを備え、前記コントローラは、前記第1の品切れ状態テーブルの記憶内容を取得して、前記ハンディターミナルの品切れ状態受信手段に送信する品切れ状態送信手段を備えることを特徴とするレストランオーダシステムである。
【0006】
また、本発明のレストランオーダシステムは、前記ハンディターミナルの注文受付手段は、ユーザ操作による注文のメニューと個数の入力を受付けると、前記第2の品切れ状態テーブルから前記注文のメニューの残数を取得し、該取得した残数と前記受付けた注文の個数とを比較し、前記取得した残数が前記受付けた注文の個数以上のときは、前記受付けた注文のメニューと個数を注文内容とするオーダデータを生成して、前記コントローラに送信し、前記取得した残数が前記受付けた注文の個数未満のときは、品切れの旨を通知して、ユーザ操作による代替え注文のメニューと個数の入力を受付け、前記受付けた代替え注文のメニューと個数を注文内容とし、かつ、前記最初に受付けた注文のメニューと個数を代替え前の注文内容とするオーダデータを生成して、前記コントローラに送信し、前記コントローラは、前記オーダデータの内容を記憶する伝票データベースと、前記注文受付手段が送信したオーダデータを受信し、前記受信したオーダデータの内容を前記伝票データベースに登録し、前記受信したオーダデータの注文内容に応じて、前記第1の品切れ状態テーブルを更新する注文登録手段とを備えることを特徴とする。
【0007】
また、本発明のレストランオーダシステムは、前記コントローラの第1の品切れ状態テーブルは、内容が更新されると値が更新されるバージョン番号を保持し、前記ハンディターミナルの第2の品切れ状態テーブルは、バージョン番号を保持し、前記ハンディターミナルの品切れ状態受信手段は、前記コントローラの品切れ状態送信手段に前記第2の品切れ状態テーブルが保持するバージョン番号を送信し、該送信の返信として受信した前記第1の品切れ状態テーブルの記憶内容およびバージョン番号を、前記第2の品切れ状態テーブルに格納し、前記コントローラの品切れ状態送信手段は、前記品切れ状態受信手段から受信したバージョン番号と、前記第1の品切れ状態テーブルが保持するバージョン番号の値が一致しない場合は、前記第1の品切れ状態テーブルの記憶内容およびバージョン番号を、前記ハンディターミナルの品切れ状態受信手段に送信することを特徴とする。
【0008】
また、本発明のレストランオーダシステムは、前記コントローラと通信路により接続された端末を備え、前記端末は、ユーザ操作によるメニューと残数の修正値の入力を受付けて、前記受付けたメニューと残数の修正値を修正データとして、前記コントローラに送信する修正受付手段を備え、前記コントローラは、前記修正受付手段から修正データを受信し、前記受信した修正データから取得したメニューと残数の修正値に基づき、前記第1の品切れ状態テーブルの内容を更新する修正登録手段を備えることを特徴とする。
【0009】
また、本発明は、各メニューの残数を記憶している第1の品切れ状態テーブルを備えるコントローラと無線通信するハンディターミナルにおいて、各メニューの残数を記憶している第2の品切れ状態テーブルと、前記コントローラから、前記第1の品切れ状態テーブルの記憶内容を受信して、前記第2の品切れ状態テーブルに登録する品切れ状態受信手段と、ユーザ操作による注文のメニューと個数の入力を受付けると、前記第2の品切れ状態テーブルから前記注文のメニューの残数を取得し、該取得した残数と前記受付けた注文の個数とを比較し、前記取得した残数が前記受付けた注文の個数未満のときは、品切れの旨を通知する注文受付手段とを備えることを特徴とするハンディターミナルである。
【0010】
また、本発明は、ハンディターミナルと、各メニューの残数を記憶している第1の品切れ状態テーブルを備え、前記ハンディターミナルと無線通信するコントローラとを備えるレストランオーダシステムにおけるレストランオーダ方法において、前記コントローラが、前記第1の品切れ状態テーブルの記憶内容を取得して、前記ハンディターミナルに送信する第1の過程と、前記ハンディターミナルが、前記コントローラから、前記第1の品切れ状態テーブルの記憶内容を受信して、前記ハンディターミナルが備える第2の品切れ状態テーブルに登録する第2の過程と、前記ハンディターミナルが、ユーザ操作による注文のメニューと個数の入力を受付け、前記第2の品切れ状態テーブルから前記注文のメニューの残数を取得し、該取得した残数と前記受付けた注文の個数とを比較し、前記取得した残数が前記受付けた注文の個数未満のときは、品切れの旨を通知する第3の過程とを備えることを特徴とする注文受付け方法である。
【発明の効果】
【0011】
この発明によれば、ハンディターミナルは、第2の品切れ状態テーブルを備え、注文受付手段は、注文のメニューの入力を受付けると、第2の品切れ状態テーブルを参照して、該メニューが品切れとなるか判定し、品切れとなる場合は、その旨を通知するため、接客係は、注文入力時に品切れを把握することができる。
【0012】
また、本発明によれば、注文受付手段は、代替え注文の入力を受け付けた場合でも、代替え前の注文内容をオーダデータに記載し、コントローラの注文登録手段は、該オーダデータを伝票データベースに登録しておくため、品切れとなったメニューの代替えに注文されたメニューを把握することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。図1は、この発明の一実施形態によるレストランオーダシステムの構成を示す概略ブロック図である。10a〜10cは、接客係が携帯し、注文を入力するハンディターミナルである。20は、厨房などに端末として設置され、厨房などからの本システムに対する指示入力を受付けたり、調理指示などのために注文内容を出力したりするプリンタである。30は、ハンディターミナル10a〜10cとは無線通信し、プリンタ20とは、LAN(Local Area Network)により接続されているコントローラである。
【0014】
図2は、ハンディターミナル10、プリンタ20およびコントローラ30の構成を示すブロック図である。ハンディターミナル10は、品切れ状態テーブル11、注文受付部12、品切れ状態受信部13からなる。品切れ状態テーブル11は、図3に示すように各メニュー番号と該メニューを調理可能な数である残数とを対応付けて記憶しており、さらに該記憶内容のバージョン番号を保持している。注文受付部12は、接客係の操作による注文のメニュー番号と個数の入力を受付けて、注文内容をオーダデータとしてコントローラ30に送信する機能であり、その詳細は注文受付時の動作の説明にて述べる。オーダデータは、その例を図4に示すように、前半に注文内容の項目を後半に代替え前の注文内容の項目からなる。注文内容の項目としては、注文#であるO1、O2・・について、それぞれのメニュー番号と個数、その他に、注文時刻、客層やさび抜きなどの付帯情報を記載するその他情報とからなり、代替え前の注文内容の項目としては、注文#であるN1、N2・・・について、それぞれのメニュー番号と個数、その他情報と、代替え前注文であることを示す「D」のフラグ、該メニューが品切れであったため、代替えの結果注文された注文#(図4では、O1、N1)とからなる。品切れ状態受信部13は、定期的に品切れ状態テーブル11から取得したバージョン番号を送信し、その返信としてコントローラ30から品切れ状態テーブル31の記憶内容を受信すると、品切れ状態テーブル11に登録する。
【0015】
プリンタ20は、修正受付部21を備えており、修正受付け部21は、厨房での調理ミスなどにより、何れかのメニューの残数を変更しなければならない場合に、ユーザ操作によるメニュー番号と残数の修正値(「−1」や「+2」など)を受付けて、コントローラ30に送信する。
【0016】
コントローラ30は、品切れ状態テーブル31、伝票DB(データベース)32、代替オーダテーブル33、注文登録部34、品切れ状態送信部35および修正登録部36からなる。品切れ状態テーブル31は、品切れ状態テーブル11と同様に、図3に示すように各メニュー番号と該メニューの残数とを対応付けて記憶しており、その他に、記憶内容が更新される度に1足されるバージョン番号を保持している。伝票DB32は、図4に示すように、注文内容と代替え前の注文内容を格納したオーダデータに伝票番号を付けて格納しているデータベースである。この伝票DB32の内容を参照することで、請求用の伝票の作成や、厨房での注文内容の確認などを行うことができる。代替オーダテーブル33は、図5に示すように、縦方向に並べたメニュー番号に対して、該メニューが品切れのときに、横方向に並べたメニュー番号のメニューが注文された回数を記憶している。
【0017】
注文登録部34は、注文受付部12が送信したオーダデータを受信し、受信したオーダデータに伝票番号を振って伝票データベース32に登録し、オーダデータの注文内容に応じて、品切れ状態テーブル31の各メニューの残数とバージョン番号を更新する。さらに、オーダデータが代替え前の注文内容を含むときは、代替えオーダテーブルを更新する。品切れ状態送信部35は、品切れ状態受信部13から受信したバージョン番号と、品切れ状態テーブル31が保持するバージョン番号の値が一致しない場合は、品切れ状態テーブル31の記憶内容およびバージョン番号を、送信元の品切れ状態受信部13に送信する。修正登録部36は、修正受付部21から受信したメニューと残数の修正に基づき、品切れ状態テーブル31の内容を更新する
【0018】
なお、この注文受付部12、品切れ状態受信部13、注文登録部34、品切れ状態送信部35、修正登録部36および修正受付部21は専用のハードウェアにより実現されるものであってもよく、また、これら注文受付部12、品切れ状態受信部13、注文登録部34、品切れ状態送信部35、修正登録部36および修正受付部21はメモリおよびCPU(中央演算装置)により構成され、これらの機能を実現するためのプログラムをメモリにロードして実行することによりその機能を実現させるものであってもよい。
【0019】
次に、このレストランオーダシステムの動作を説明する。図6の(a)に注文受付時のシーケンスを、図6の(b)に品切れ状態テーブル11と品切れ状態テーブル31の同期時のシーケンスを、図6の(c)にプリンタ20からの残数修正時のシーケンスを示す。
まず、注文受付時の動作を図6の(a)を参照して説明する。接客係は、客席にて顧客からオーダを一つずつ聞きながら、ハンディターミナル10に入力していく。ハンディターミナル10の注文受付部12は、図7に示すフローチャートに従い、まず、ステップS1では、オーダとして、注文のメニューとその個数の入力を一件受付ける。ここでは、メニュー番号「2」と個数「3」の入力を受付けたとする。注文受付部12は、受付けたメニューのメニュー番号「2」に対応する残数を、品切れ状態テーブル11から取得し、該残数と受付けた個数を比較して、残数が受付けた個数以上であるか判定する(S2)。ここでは、品切れ状態テーブル11の内容が図3の通りであったとすると、メニュー番号「2」に対応する残数は「1」なので、個数「3」より小さく、判定条件は成立しないため、ステップS3に遷移する。ステップS3では、注文受付部12は、注文の個数「3」に対して残数が「1」であり、品切れを起こしている旨を表示して、接客係に通知する。次に、注文受付部12は、メニュー番号「2」で個数「3」の注文で品切れを起こした旨を、図4の注文#「N2」に示すように、オーダデータに登録する(S4)。次に、注文受付部12は、代替えのオーダの入力を受付ける(S5)。ここでは、メニュー番号「5」と個数「3」の入力を受付けたとする。
【0020】
注文受付部12は、受付けたメニューのメニュー番号「5」に対応する残数を、品切れ状態テーブル11から取得し、該残数と受付けた個数を比較して、残数が受付けた個数以上であるか判定する(S2)。前述と同様に、ここでは、品切れ状態テーブル11の内容が図3の通りであったとすると、メニュー番号「5」に対応する残数は「0」なので、個数「3」より小さく、判定条件は成立しないため、ステップS3に遷移する。ステップS3では、注文受付部12は、注文の個数「3」に対して残数が「0」であり、品切れを起こしている旨を表示して、接客係に通知する。次に、注文受付部12は、メニュー番号「5」で個数「3」の注文で品切れを起こした旨を、図4の注文#「N1」に示すように、オーダデータに登録する(S4)。次に、注文受付部12は、代替えのオーダの入力を再度受付ける(S5)。ここでは、メニュー番号「4」と個数「3」の入力を受付けたとする。
【0021】
注文受付部12は、受付けたメニューのメニュー番号「4」に対応する残数を、品切れ状態テーブル11から取得し、該残数と受付けた個数を比較して、残数が受付けた個数以上であるか判定する(S2)。前述と同様に、ここでは、品切れ状態テーブル11の内容が図3の通りであったとすると、メニュー番号「4」に対応する残数は「10」なので、個数「3」より大きく、判定条件は成立しているため、そのままステップS6に遷移し、メニュー番号「4」を個数「3」注文した旨を、図4の注文#「O1」に示すように、オーダデータに登録する。続いて、注文受付部12は、次のオーダの入力を、前述のように図7に従い受付ける。ここでは、メニュー番号「11」と個数「1」の入力を受付け、オーダデータに図4の注文#「O2」に示すように登録したとする。
【0022】
接客係は、該顧客のオーダを一通り聞いてハンディターミナル10の注文受付部12に入力し終わると、送信を指示する。注文受付部12は、送信を指示されると、オーダ入力時に作成した図4に示すオーダデータを、コントローラ30に送信する(Sa1)。コントローラ30は、ハンディターミナル10からオーダデータを受信すると、その注文登録部34が、該オーダデータを受け取り、これを伝票DB32に登録する。さらに注文登録部34は、受け取ったオーダデータの中から、代替え前のメニュー番号と代替え後のメニュー番号を抽出する。ここでは、図4に示すオーダデータであったとすると、代替え前が注文#N2の「2」で代替え後が注文#N1の「5」と、代替え前が注文#N1の「5」で代替え後が注文#O1の「4」の2組を抽出し、図5に示すような代替オーダテーブル33のメニュー番号「2」の行のメニュー番号「5」の列の値をプラス1し、さらに、メニュー番号「5」の行のメニュー番号「4」の列の値をプラス1する。また、注文登録部34は、オーダデータの注文内容に従って、品切れ状態テーブル31の内容を更新し、バージョン番号をプラス1する。ここでは、図4に示すオーダデータであったとすると、メニュー番号「4」の残数を個数「3」減らし、メニュー番号「11」の残数を個数「1」減らし、さらに、バージョン番号をプラス1する。
【0023】
これらの処理を終えると、注文登録部34は、品切れ状態テーブル31に記憶している各メニューの残数とバージョン番号を取得して、これらをオーダ応答として、ハンディターミナル10に送信する(Sa2)。ハンディターミナル10は、オーダ応答を受信すると、その注文受付部12がオーダ応答を受け取り、該オーダ応答から各メニューの残数とバージョン番号を取得して、これらを品切れ状態テーブル11に登録する。
【0024】
次に、品切れ状態テーブル11と品切れ状態テーブル31の同期時の動作を図6の(b)を参照して説明する。まず、ハンディターミナル10の品切れ状態受信部13が、定期的に、品切れ状態テーブル11からバージョン番号を取得して、該バージョン番号を記載した品切れ状態テーブル要求を、コントローラ30に送信する(Sb1)。コントローラ30は、ハンディターミナル10の品切れ状態受信部13から品切れ状態テーブル要求を受けると、その品切れ状態送信部35が、受信した品切れ状態テーブル要求からバージョン番号を取得し、該バージョン番号と品切れ状態テーブル31が保持するバージョン番号を比較する。ここで、バージョン番号が一致するときは、品切れ状態送信部35は、バージョン番号が一致する旨を返信する。バージョン番号が一致しないときは、品切れ状態送信部35は、品切れ状態テーブル31のバージョン番号を含む記憶内容を取得して、品切れ状態受信部13に返信する(Sb2)。品切れ状態受信部13は、品切れ状態テーブル31の記憶内容を受信すると、これらを品切れ状態テーブル11に登録する。
【0025】
これにより、ハンディターミナル10の品切れ状態テーブル11の内容は、コントローラ30の品切れ状態テーブル31の内容と常に一致するように更新されている。
また、本実施形態では、ハンディターミナル10の品切れ状態受信部13が、定期的に品切れ状態テーブル要求を発行し、バージョン番号が異なる場合に、品切れ状態送信部35が品切れ状態テーブル31の内容を送信し、これを受信することで、品切れ状態テーブル11の内容を品切れ状態テーブル31と一致させているが、品切れ状態送信部35は、バージョン番号の確認を行わず、品切れ状態テーブル要求を受信したら、常に品切れ状態送信部35が品切れ状態テーブル31の内容を送信するようにしてもよい。または、品切れ状態送信部35は、品切れ状態テーブル要求の受信に関係なく、定期的に品切れ状態テーブル31の内容を送信するようにしてもよい。または、品切れ状態テーブル31の内容に変更があるたびに、変更内容あるいは全記憶内容を品切れ状態送信部35が、ハンディターミナル10に送信し、ハンディターミナル10の品切れ状態受信部13が、該送信内容を受信して、品切れ状態テーブル11に反映することで、一致させてもよい。
【0026】
次に、プリンタ20からの残数修正時の動作を図6の(c)を参照して説明する。まず、プリンタ20に、ユーザが、修正するメニューのメニュー番号と、修正値として、例えば、「−1」を入力し、これを修正受付部21が受付ける。修正受付部21は、これらのメニュー番号と修正値「−1」を記載した修正データを生成し、これをコントローラ30に送信する(Sc1)。コントローラ30は、修正受付部21の送信した修正データを受けると、その修正登録部36が、修正データからメニュー番号と修正値「−1」を取得して、品切れ状態テーブル31の該当するメニュー番号の残数に修正値を加える。ここでは、修正値は「−1」なので、残数を「1」減らす。さらに、品切れ状態テーブル31のバージョン番号を、1大きな値に更新する。
【0027】
これにより、調理ミスなどにより、注文を受けることなく、何れかのメニューの残数が減ってしまった場合でも、品切れ状態テーブル31と実際の在庫状況との整合性をとることができる。なお、ユーザの入力を受付ける修正受付部21を備えるのは、プリンタ20ではなく、その他の端末やハンディターミナル10、或いはコントローラ30であってもよい。また、修正受付部21は、修正値として、残数に対する差分を受付けて、修正登録部36は、該修正値に従い品切れ状態テーブル31を更新するとして説明したが、修正受付部21が受付ける修正値は、残数そのものであってもよい。この場合、修正登録部36は、修正受付部21から受けた修正値を、そのまま品切れ状態テーブル31に残数として登録する。
また、品切れ状態テーブル31には、食材などの在庫状況に応じて、事前に各メニューの残数を登録しておく必要があるが、この登録を、前述の残数修正と同様にして行ってもよいし、在庫管理システムなどと連携することで、必要な情報を取得して登録してもよい。
【0028】
以上、この発明の実施形態を、図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0029】
本発明は、飲食店などにおいて、接客係が客席にて顧客の注文を受付け、該注文に基づき調理指示や伝票発行を行うレストランオーダシステムに用いて好適である。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】この発明の一実施形態によるレストランオーダシステムの構成を示すブロック図である。
【図2】同実施形態におけるハンディターミナル10、プリンタ20、コントローラ30の機能構成を示すブロック図である。
【図3】同実施形態における品切れ状態テーブル11、31の内容例を示す図である。
【図4】同実施形態におけるオーダデータの内容例を示す図である。
【図5】同実施形態における代替オーダテーブル33の内容例を示す図である。
【図6】同実施形態におけるレストランオーダシステムの動作を説明するシーケンス図である。
【図7】同実施形態における注文受付部12の動作を説明するフローチャートである。
【符号の説明】
【0031】
10、10a、10b、10c…ハンディターミナル
11…品切れ状態テーブル
12…注文受付部
13…品切れ状態受信部
20…プリンタ
21…修正受付部
30…コントローラ
31…品切れ状態テーブル
32…伝票DB
33…代替オーダテーブル
34…注文登録部
35…品切れ状態送信部
36…修正登録部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハンディターミナルと、各メニューの残数を記憶している第1の品切れ状態テーブルを備え、前記ハンディターミナルと無線通信するコントローラとを備えるレストランオーダシステムにおいて、
前記ハンディターミナルは、
各メニューの残数を記憶している第2の品切れ状態テーブルと、
前記コントローラから、前記第1の品切れ状態テーブルの記憶内容を受信して、前記第2の品切れ状態テーブルに登録する品切れ状態受信手段と、
ユーザ操作による注文のメニューと個数の入力を受付けると、前記第2の品切れ状態テーブルから前記注文のメニューの残数を取得し、該取得した残数と前記受付けた注文の個数とを比較し、前記取得した残数が前記受付けた注文の個数未満のときは、品切れの旨を通知する注文受付手段と
を備え、
前記コントローラは、
前記第1の品切れ状態テーブルの記憶内容を取得して、前記ハンディターミナルの品切れ状態受信手段に送信する品切れ状態送信手段
を備えることを特徴とするレストランオーダシステム。
【請求項2】
前記ハンディターミナルの注文受付手段は、ユーザ操作による注文のメニューと個数の入力を受付けると、前記第2の品切れ状態テーブルから前記注文のメニューの残数を取得し、該取得した残数と前記受付けた注文の個数とを比較し、前記取得した残数が前記受付けた注文の個数以上のときは、前記受付けた注文のメニューと個数を注文内容とするオーダデータを生成して、前記コントローラに送信し、前記取得した残数が前記受付けた注文の個数未満のときは、品切れの旨を通知して、ユーザ操作による代替え注文のメニューと個数の入力を受付け、前記受付けた代替え注文のメニューと個数を注文内容とし、かつ、前記最初に受付けた注文のメニューと個数を代替え前の注文内容とするオーダデータを生成して、前記コントローラに送信し、
前記コントローラは、
前記オーダデータの内容を記憶する伝票データベースと、
前記注文受付手段が送信したオーダデータを受信し、前記受信したオーダデータの内容を前記伝票データベースに登録し、前記受信したオーダデータの注文内容に応じて、前記第1の品切れ状態テーブルを更新する注文登録手段と
を備えることを特徴とする請求項1に記載のレストランオーダシステム。
【請求項3】
前記コントローラの第1の品切れ状態テーブルは、内容が更新されると値が更新されるバージョン番号を保持し、
前記ハンディターミナルの第2の品切れ状態テーブルは、バージョン番号を保持し、
前記ハンディターミナルの品切れ状態受信手段は、前記コントローラの品切れ状態送信手段に前記第2の品切れ状態テーブルが保持するバージョン番号を送信し、該送信の返信として受信した前記第1の品切れ状態テーブルの記憶内容およびバージョン番号を、前記第2の品切れ状態テーブルに格納し、
前記コントローラの品切れ状態送信手段は、前記品切れ状態受信手段から受信したバージョン番号と、前記第1の品切れ状態テーブルが保持するバージョン番号の値が一致しない場合は、前記第1の品切れ状態テーブルの記憶内容およびバージョン番号を、前記ハンディターミナルの品切れ状態受信手段に送信すること
を特徴とする請求項1または請求項2に記載のレストランオーダシステム。
【請求項4】
前記コントローラと通信路により接続された端末を備え、
前記端末は、ユーザ操作によるメニューと残数の修正値の入力を受付けて、前記受付けたメニューと残数の修正値を修正データとして、前記コントローラに送信する修正受付手段を備え、
前記コントローラは、前記修正受付手段から修正データを受信し、前記受信した修正データから取得したメニューと残数の修正値に基づき、前記第1の品切れ状態テーブルの内容を更新する修正登録手段を備えること
を特徴とする請求項1から請求項3のいずれかの項に記載のレストランオーダシステム。
【請求項5】
各メニューの残数を記憶している第1の品切れ状態テーブルを備えるコントローラと無線通信するハンディターミナルにおいて、
各メニューの残数を記憶している第2の品切れ状態テーブルと、
前記コントローラから、前記第1の品切れ状態テーブルの記憶内容を受信して、前記第2の品切れ状態テーブルに登録する品切れ状態受信手段と、
ユーザ操作による注文のメニューと個数の入力を受付けると、前記第2の品切れ状態テーブルから前記注文のメニューの残数を取得し、該取得した残数と前記受付けた注文の個数とを比較し、前記取得した残数が前記受付けた注文の個数未満のときは、品切れの旨を通知する注文受付手段と
を備えることを特徴とするハンディターミナル。
【請求項6】
ハンディターミナルと、各メニューの残数を記憶している第1の品切れ状態テーブルを備え、前記ハンディターミナルと無線通信するコントローラとを備えるレストランオーダシステムにおけるレストランオーダ方法において、
前記コントローラが、前記第1の品切れ状態テーブルの記憶内容を取得して、前記ハンディターミナルに送信する第1の過程と、
前記ハンディターミナルが、前記コントローラから、前記第1の品切れ状態テーブルの記憶内容を受信して、前記ハンディターミナルが備える第2の品切れ状態テーブルに登録する第2の過程と、
前記ハンディターミナルが、ユーザ操作による注文のメニューと個数の入力を受付け、前記第2の品切れ状態テーブルから前記注文のメニューの残数を取得し、該取得した残数と前記受付けた注文の個数とを比較し、前記取得した残数が前記受付けた注文の個数未満のときは、品切れの旨を通知する第3の過程と
を備えることを特徴とする注文受付け方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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