説明

レプチンレセプターへの作用の測定方法

【課題】被験物質のレプチンレセプターに対する作用を測定する方法等を提供する。
【解決手段】以下の工程からなる被験物質のレプチンレセプターに対する作用を測定する方法。
(1)以下の(a)〜(c)の領域を含みかつレプチンに結合可能なキメラレセプターを有し、レプチン依存的生育を示す哺乳動物細胞を培養する工程、(a)レプチンレセプターを除くホモダイマーサイトカインレセプターのサブユニット、インターロイキン-2レセプターβサブユニットおよびgp130からなる群から選ばれるレセプターサブユニットの細胞内領域(b)サイトカインレセプターサブユニットの膜貫通領域(c)レプチンレセプターサブユニットの細胞外領域(2)前記哺乳動物細胞と被験物質とを接触させる工程、および(3)前記哺乳動物細胞の生育度を測定する工程

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、被験物質のレプチンレセプターに対する作用を測定する方法等に関する。
【0002】
【従来の技術】レプチンレセプターは、ホモダイマーサイトカインレセプターの一種で、リガンドであるレプチンが結合することによって、哺乳動物の体重の調節や造血に関与する。レプチンは、サイトカインの一種(Y.Zhang et al., (1994年) Nature,373、425-432頁)で、脂肪細胞において産生され、血液中に放出されてレプチンレセプターを有する細胞に作用する。レプチンレセプターは、レプチンが結合しホモダイマー複合体を形成することによって活性化され、固有のシグナル伝達経路を経て細胞内部にそのシグナルを伝達する。サイトカインレセプターの活性化機構の解析のために、キメラレセプターに関する報告がいくつかなされている(WO97/19952公報、Morella et al., (1995),J. Biol. Chem. 270:8298-8310、Baumann et al., (1994), Mol. Cell. Biol. 14:138-146、 Vigon et al., 1993, Oncogene 8:2607-2615等)。これらの報告例では、キメラレセプターからのシグナルを受容するために別途細胞に導入されたレポーター遺伝子が用いられている。宿主細胞に対してレポーター遺伝子を導入する場合、該レポーター遺伝子に適した宿主細胞を選択することが必要な場合がある。また、導入された該レポーター遺伝子が経時的に宿主細胞から脱落し、宿主細胞における該レポーター遺伝子発現の検出感度が低下する場合がある。さらに、キメラレセプターからのシグナルをレポーター遺伝子の発現に置き換えるため、該レポーター遺伝子発現を検出するための方法を準備する必要がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】レポーター遺伝子を用いることなくレプチンレセプターの活性化を検出することによって、被験物質のレプチンレセプターに対する作用を測定する方法が求められている。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、このような状況の下、鋭意検討した結果、サイトカイン依存的に生育する哺乳動物細胞に、レプチンレセプターとある種のサイトカインレセプターとのキメラレセプターを有するレプチン依存的に生育する細胞を作製し、本発明を完成した。即ち、本発明は、1.以下の工程からなる被験物質のレプチンレセプターに対する作用を測定する方法、(1)以下の(a)〜(c)の領域を含みかつレプチンに結合可能なキメラレセプターを有し、レプチン依存的生育を示す哺乳動物細胞を培養する工程、(a)レプチンレセプターを除くホモダイマーサイトカインレセプターのサブユニット、インターロイキン-2レセプターβサブユニットおよびgp130からなる群から選ばれるレセプターサブユニットの細胞内領域(b)サイトカインレセプターサブユニットの膜貫通領域(c)レプチンレセプターサブユニットの細胞外領域(2)前記哺乳動物細胞と被験物質とを接触させる工程、および(3)前記哺乳動物細胞の生育度を測定する工程2.細胞内領域が、レプチンレセプターを除くホモダイマーサイトカインレセプターのサブユニットの細胞内領域である前項1.に記載の方法、3.細胞内領域が、インターロイキン-2レセプターβサブユニットまたはgp130の細胞内領域である前項1.に記載の方法、4.細胞内領域が、トロンボポエチンレセプターサブユニット、エリスロポエチンレセプターサブユニット、顆粒球コロニー刺激因子レセプターサブユニット、成長ホルモンレセプターサブユニットおよびプロラクチンレセプターサブユニットからなる群から選ばれるレセプターサブユニットの細胞内領域である前項1.に記載の方法、5.レプチン依存的生育を示す哺乳動物細胞と被験物質とを接触させる工程において、(a)〜(c)の領域を含みかつレプチンに結合可能なキメラレセプターに対して作用し得るサイトカインを実質的に共存させない前項1.に記載の方法、6.レプチン依存的生育を示す哺乳動物細胞と被験物質とを接触させる工程において、レプチンを共存させる前項1.に記載の方法、7.以下の(a)〜(c)の領域を含むキメラレセプターサブユニットをコードするポリヌクレオチドを有し、レプチン依存的生育を示す哺乳動物細胞、(a)レプチンレセプターを除くホモダイマーサイトカインレセプターのサブユニット、インターロイキン-2レセプターβサブユニットおよびgp130からなる群から選ばれるレセプターサブユニットの細胞内領域(b)サイトカインレセプターサブユニットの膜貫通領域(c)レプチンレセプターサブユニットの細胞外領域8.哺乳動物細胞が哺乳動物の造血系細胞である前項7.に記載の細胞、9.哺乳動物細胞が哺乳動物のリンパ球系細胞である前項7.に記載の細胞、10.哺乳動物細胞がBaF-3細胞、TALL-101細胞、OC1-Ly9細胞、OC1-Ly13.1細胞、FDC-P1細胞、TF-1細胞、UT-7細胞およびF-36-P細胞からなる群から選ばれる細胞である前項7.に記載の細胞、11.哺乳動物細胞がBaF-3細胞である前項7.に記載の細胞、12.細胞内領域が、レプチンレセプターを除くホモダイマーサイトカインレセプターのサブユニットの細胞内領域である前項7.に記載の細胞、13.細胞内領域が、インターロイキン-2レセプターβサブユニットまたはgp130の細胞内領域である前項7.に記載の細胞、14.細胞内領域が、トロンボポエチンレセプターサブユニット、エリスロポエチンレセプターサブユニット、顆粒球コロニー刺激因子レセプターサブユニット、成長ホルモンレセプターサブユニットおよびプロラクチンレセプターサブユニットからなる群から選ばれるレセプターサブユニットの細胞内領域である前項7.に記載の細胞、15.膜貫通領域が、ホモダイマーサイトカインレセプターのサブユニット、インターロイキン-2レセプターβサブユニットおよびgp130からなる群から選ばれるレセプターサブユニットの膜貫通領域である前項7.に記載の細胞、16.膜貫通領域が、レプチンレセプターサブユニットの膜貫通領域である前項7.に記載の細胞、17.以下の(a)〜(c)の領域を含むキメラレセプターサブユニットをコードするポリヌクレオチドを有し、レプチン依存的生育を示す哺乳動物細胞、(a)レプチンレセプターを除くホモダイマーサイトカインレセプターのサブユニット、インターロイキン-2レセプターβサブユニットおよびgp130からなる群から選ばれるレセプターサブユニットの細胞内領域(b)(a)で選ばれるレセプターサブユニットの膜貫通領域(c)レプチンレセプターサブユニットの細胞外領域18.以下の(a)〜(c)の領域を含むキメラレセプターサブユニットをコードするポリヌクレオチドを有し、レプチン依存的生育を示す哺乳動物細胞、(a)トロンボポエチンレセプターサブユニット、エリスロポエチンレセプターサブユニット、顆粒球コロニー刺激因子レセプターサブユニット、成長ホルモンレセプターサブユニットおよびプロラクチンレセプターサブユニットからなる群から選ばれるレセプターサブユニットの細胞内領域(b)(a)で選ばれるレセプターサブユニットの膜貫通領域(c)レプチンレセプターサブユニットの細胞外領域19.以下の(a)〜(c)の領域を含むキメラレセプターサブユニットをコードするポリヌクレオチドを含む発現ベクターを有し、レプチン依存的生育を示す哺乳動物細胞、(a)レプチンレセプターを除くホモダイマーサイトカインレセプターのサブユニット、インターロイキン-2レセプターβサブユニットおよびgp130からなる群から選ばれるレセプターサブユニットの細胞内領域(b)サイトカインレセプターサブユニットの膜貫通領域(c)レプチンレセプターサブユニットの細胞外領域20.細胞内領域が、トロンボポエチンレセプターサブユニット、エリスロポエチンレセプターサブユニット、顆粒球コロニー刺激因子レセプターサブユニット、成長ホルモンレセプターサブユニットおよびプロラクチンレセプターサブユニットからなる群から選ばれるレセプターサブユニットの細胞内領域である前項19.に記載の細胞、21.以下の(a)〜(c)の領域を含みかつ細胞膜に埋め込まれているキメラレセプターを有し、レプチン依存的生育を示す哺乳動物細胞、(a)レプチンレセプターを除くホモダイマーサイトカインレセプターのサブユニット、インターロイキン-2レセプターβサブユニットおよびgp130からなる群から選ばれるレセプターサブユニットの細胞内領域(b)サイトカインレセプターサブユニットの膜貫通領域(c)レプチンレセプターサブユニットの細胞外領域22.以下の(a)〜(c)の領域を含むキメラレセプターサブユニットをコードするポリヌクレオチド、(a)トロンボポエチンレセプターサブユニット、エリスロポエチンレセプターサブユニット、成長ホルモンレセプターサブユニット、プロラクチンレセプターサブユニット、インターロイキン-2レセプターβサブユニットおよびgp130からなる群から選ばれるレセプターサブユニットの細胞内領域(b)サイトカインレセプターサブユニットの膜貫通領域(c)レプチンレセプターサブユニットの細胞外領域23.以下の(a)〜(c)の領域を含むキメラレセプターサブユニット、(a)トロンボポエチンレセプターサブユニット、エリスロポエチンレセプターサブユニット、成長ホルモンレセプターサブユニット、プロラクチンレセプターサブユニット、インターロイキン-2レセプターβサブユニットおよびgp130からなる群から選ばれるレセプターサブユニットの細胞内領域(b)サイトカインレセプターサブユニットの膜貫通領域(c)レプチンレセプターサブユニットの細胞外領域24.前項1.に記載の方法を用いて被験物質のレプチンレセプターに対する作用を測定し、前項1.に記載の細胞の生育を可能とする被験物質を選抜するレプチン様活性物質のスクリーニング方法、25.前項24.記載のスクリーニング方法によって選抜され得るレプチン様活性物質、26.前項25.記載のレプチン様活性物質を有効成分として含む抗肥満薬、27.前項1.に記載の方法を用いて被験物質のレプチンレセプターに対する作用を測定し、前項1.に記載の細胞の生育を阻害する被験物質を選抜するレプチン活性阻害物質のスクリーニング方法、28.前項27.記載のスクリーニング方法によって選抜され得るレプチン活性阻害物質、および29.前項28.記載のレプチン活性阻害物質を有効成分として含む抗羸痩薬、を提供するものである。
【0005】
【発明の実施の形態】以下に本発明をさらに詳細に説明する。
【0006】本発明で使用されるキメラレセプターは、下記の(a)〜(c)の領域(a)レプチンレセプターサブユニットを除くホモダイマーサイトカインレセプターサブユニット、インターロイキン-2レセプターβサブユニットおよびgp130からなる群から選ばれるレセプターサブユニットの細胞内領域(b)サイトカインレセプターサブユニットの膜貫通領域(c)レプチンレセプターサブユニットの細胞外領域を含む膜貫通型レセプターであって、通常、導入された哺乳動物細胞においてはその細胞膜に埋め込まれた状態で存在することができる。また、該キメラレセプターは、その細胞外領域においてレプチンと結合しそのシグナルを細胞内領域を介して細胞内に伝達することのできるレセプターである。
【0007】該キメラレセプターサブユニットの細胞外領域としては、レプチンレセプターサブユニットの細胞外領域が用いられる。また該キメラレセプターの細胞外領域としては、該キメラレセプターのシグナル伝達能が失われない限り、レプチンレセプターサブユニットの細胞外領域のアミノ酸配列において1〜数個のアミノ酸、好ましくは1〜3個程度のアミノ酸が挿入、欠失または置換されたアミノ酸配列を有する領域を用いてもよく、レプチンレセプターサブユニットの細胞外領域のアミノ末端に1〜30個程度のアミノ酸が付加されたアミノ酸配列を有する領域を用いてもよい。
【0008】該キメラレセプターサブユニットの細胞内領域としては、レプチンレセプターサブユニットを除くホモダイマーサイトカインレセプターサブユニット、インターロイキン(以下、IL-2と記す。)レセプターβサブユニットおよびgp130からなる群から選ばれるレセプター(以下、本レセプターと記す。)サブユニットの細胞内領域が用いられる。また該キメラレセプターの細胞内領域としては、該キメラレセプターのシグナル伝達能が失われない限り、本レセプターサブユニットの細胞内領域のアミノ酸配列において1〜数個のアミノ酸、好ましくは1〜3個程度のアミノ酸が挿入、欠失または置換されたアミノ酸配列を有する領域を用いてもよく、本レセプターサブユニットの細胞内領域のカルボキシル末端に1〜30個程度のアミノ酸が付加されたアミノ酸配列を有する領域を用いてもよい。該キメラレセプターの細胞内領域として細胞内領域が使用されるレセプターサブユニットとしては、好ましくはレプチンレセプターを除くホモダイマーサイトカインレセプター(ホモダイマーを形成してシグナル伝達能を示すサイトカインレセプター)のサブユニット、例えば、トロンボポエチンレセプターサブユニット、エリスロポエチンレセプターサブユニット、G-CSFレセプターサブユニット、成長ホルモンレセプターサブユニット、プロラクチンレセプターサブユニット等が挙げられ、好ましくはトロンボポエチンレセプターサブユニットが挙げられる。
【0009】該キメラレセプターサブユニットの膜貫通領域としてはサイトカインレセプターサブユニットの膜貫通領域が用いられる。また該キメラレセプターの膜貫通領域としては、該キメラレセプターのシグナル伝達能が失われない限り、サイトカインレセプターサブユニットの膜貫通領域のアミノ酸配列において1〜数個のアミノ酸、好ましくは1〜3個程度のアミノ酸が挿入、欠失または置換されたアミノ酸配列を有する領域を用いてもよい該キメラレセプターサブユニットの膜貫通領域は、該キメラレセプターサブユニットの細胞内領域としてその細胞内領域が用いられる本レセプターサブユニットの膜貫通領域、または該キメラレセプターサブユニットの細胞外領域としてその細胞外領域が用いられるレプチンレセプターサブユニットの膜貫通領域であると好ましい場合がある。なお、前記各領域のアミノ酸の挿入、欠失または置換は、各領域相互の連結部付近にあるのが好ましい。
【0010】このようなキメラレセプターサブユニットをコードするポリヌクレオチドは、例えば以下のようにして作製することができる。まず、例えば、レプチンレセプターサブユニットの細胞外領域をコードするポリヌクレオチド、本レセプターサブユニットの細胞内領域をコードするポリヌクレオチドおよびサイトカインレセプターサブユニットの膜貫通領域をコードするポリヌクレオチドをPCRにて増幅し取得する。レプチンレセプターサブユニットの細胞外領域とレプチンレセプターサブユニットの膜貫通領域とを有するキメラレセプターサブユニットをコードするポリヌクレオチドを作製する場合には、これらの領域を連続してコードするポリヌクレオチドを一度に増幅してもよい。同様に、本レセプターサブユニットの膜貫通領域と本レセプターサブユニットの細胞内領域とを有するキメラレセプターサブユニットをコードするポリヌクレオチドを作製する場合には、これらの領域を連続してコードするポリヌクレオチドを一度に増幅してもよい。
【0011】PCRに使用するプライマーとしては、例えば、L. A. Tartaglia et al, Cell 83 : 1263-1271 (1995)、WO97/19952公報に開示されているレプチンレセプターサブユニットをコードするポリヌクレオチドの塩基配列、および本レセプターサブユニットをコードするポリヌクレオチドの塩基配列、具体的には、Mignotte V et al, Genomics 20 5-12 (1994)、 Skoda RC EMBO J 7 2645-53 (1993)等に開示されているトロンボポエチンレセプターサブユニットをコードするポリヌクレオチドの塩基配列、Jones SS et al, Blood 76: 31-35 (1990)、D'Andrea AD et al, Cell 57 277-285 (1989), Matsuda S et al, J.B.C. 268 15 11208-11216 (1993)等に開示されているエリスロポエチンレセプターサブユニットをコードするポリヌクレオチドの塩基配列、R. Fukunaga et al, Proc. Natl. Acad. Sci. U. S. A. 87: 8702-8706 (1990)に開示されているG-CSFレセプターサブユニットをコードするポリヌクレオチドの塩基配列、Leung, D. W. et al, Nature 330: 537-543 (1987)、GenBank Accession No. NM_010284、 L.S. Mathewset al., J. Biol. Chem. 264: 9905-9910(1989)等に開示されている成長ホルモンレセプターサブユニットをコードするポリヌクレオチドの塩基配列、Boutin, J. M. et al, Mol. Endocrinology 3: 1455-1461 (1989)、D.L. Clarke et al., Endocrinology 133:224-232 (1993)、 R. Zhang et al., Biochem. Biophys.Res. Commun. 168(2):415-422(1990)等に開示されているプロラクチンレセプターサブユニットをコードするポリヌクレオチドの塩基配列、Hibi, M. et al, Cell 63: 1149-1157 (1990)、 M. Saito, J. Immunol. 148(12):4066-4071(1992)、 Y. Wang et al., Genomics, 14:666-672(1992)に開示されているgp130遺伝子の塩基配列、Hatakeyama,M. et al, Science 244: 551-556 (1989)、 A. Shimizu et al., Nucleic Acid Res. 13:1505-1516(1985)、 T.H. Page et al.,Eur. J. Immunol. 21: 2133-2138(1991)に開示されているIL-2レセプターβサブユニットをコードするポリヌクレオチドの塩基配列等をもとに、増幅しようとする領域の5'端領域の塩基配列を有するオリゴヌクレオチド(5'側プライマー)および3'端領域の塩基配列と相補的な塩基配列を有するオリゴヌクレオチド(3'側プライマー)をそれぞれ設計し、DNA自動合成機等によって合成する。該プライマーとしては、通常14塩基程度以上35塩基程度以下のオリゴヌクレオチドであればよく、さらにこのプライマーの5'末端側には、PCRによって増幅されたポリヌクレオチドどうしの連結またはこれらポリヌクレオチドとベクターとの連結の際に利用しうる制限酵素認識配列を設けておくことが好ましい。また、5'末端側がリン酸化されていてもよい。一例としては、配列番号1〜6および9〜13のいずれかで示される塩基配列からなるオリゴヌクレオチドを挙げることができる。
【0012】増幅しようとする領域について作製された5'側プライマーおよび3'側プライマーからそれぞれ1種類ずつを選択して組み合わせ、鋳型と混合してPCRを行う。該鋳型DNAとしては、例えば脳、肝臓、肺などの組織、あるいは、造血系細胞等から、通常の方法(例えば、J.,Sambrook, E.,F.,Frisch, T.,Maniatis著、モレキュラークローニング第2版(Molecular Cloning 2nd edition)、コールドスプリング ハーバー ラボラトリー発行(Cold Spring Harbor Laboratory press)等に記載されている方法)に準じて調製されたcDNAライブラリーまたは染色体DNAライブラリーを用いることができる。また、市販のcDNAライブラリー、例えば、ヒト脳cDNAライブラリー(Stratagene社製)、ヒト骨髄ライブラリー(Clontech社製)等を用いることもできる。さらには、レプチンレセプターサブユニットをコードするポリヌクレオチドまたは本レセプターサブユニットをコードするポリヌクレオチドを含むプラスミドを該鋳型とすることもできる。PCRは、例えば、Takara Ex Taq(宝酒造製)、Pyrobest DNA Polymerase(宝酒造製)等のDNA Polymeraseを用いて行うことができる。具体的には、例えば、プライマー、鋳型、DNA Polymerase、dNTP混合液、および反応バッファーを含むPCR反応液を調製し、このPCR反応液に対して、熱変性、アニーリングおよび伸長反応の3つのステップからなる保温サイクルを25回〜40回程度繰り返す処理を行う。熱変性は、例えば94℃で10秒間〜1分間、アニーリングは、プライマーの融解温度(Tm値)以下であって約35℃程度以上の温度で1分間程度、伸長反応は例えば72℃で1分間〜5分間程度の条件で行うことができる。このステップからなる保温サイクルを繰り返した後、反応の最後に72℃で10分間程度の伸長反応のステップを追加してもよい。このような保温は、例えばサーマルサイクラー(PEアプライドバイオシステム社製)を用いて行うことができる。
【0013】前記PCRにおいて、例えば、配列番号1で示される塩基配列からなるプライマーおよび配列番号2で示される塩基配列からなるプライマーを用いた場合には、レプチンレセプターサブユニットの細胞外領域を有するアミノ酸配列をコードするポリヌクレオチドが得られ、配列番号1で示される塩基配列からなるプライマーおよび配列番号3で示される塩基配列からなるプライマーを用いた場合は、レプチンレセプターサブユニットの細胞外領域と膜貫通領域とを有するアミノ酸配列をコードするポリヌクレオチドが得られ、配列番号4で示される塩基配列からなるプライマーおよび配列番号6で示される塩基配列からなるプライマーを用いた場合は、トロンボポエチンレセプターサブユニットの膜貫通領域と細胞内領域とを有するアミノ酸配列をコードするポリヌクレオチドが得られる。また、配列番号5で示される塩基配列からなるプライマーおよび配列番号6で示される塩基配列からなるプライマーを用いた場合は、トロンボポエチンレセプターサブユニットの細胞内領域を有するアミノ酸配列をコードするポリヌクレオチドが得られ、配列番号1で示される塩基配列からなるプライマーおよび配列番号9で示される塩基配列からなるプライマーを用いた場合は、レプチンレセプターサブユニットの細胞外領域を有するアミノ酸配列をコードするポリヌクレオチドが得られる。さらに、配列番号10で示される塩基配列からなるプライマーおよび配列番号11で示される塩基配列からなるプライマーを用いた場合、エリスロポエチンレセプターサブユニットの膜貫通領域と細胞内領域とを有するアミノ酸配列をコードするポリヌクレオチドが得られ、配列番号12で示される塩基配列からなるプライマーおよび配列番号13で示される塩基配列からなるプライマーを用いた場合は、G-CSFレセプターサブユニットの細胞内領域を有するアミノ酸配列をコードするポリヌクレオチドが得られる。
【0014】次に、例えば上記の方法により調製されたレプチンレセプターサブユニットの細胞外領域をコードするポリヌクレオチド、本レセプターサブユニットの細胞内領域をコードするポリヌクレオチドおよびサイトカインレセプターサブユニットの膜貫通領域をコードするポリヌクレオチドを連結することによって、前記の3つの領域を含むキメラレセプターサブユニットをコードするポリヌクレオチドを得ることができる。前記の3つの領域をコードするポリヌクレオチドを哺乳動物細胞に導入するために該ポリヌクレオチドを挿入するベクターとしては、該細胞において機能可能なプロモーターを有しているベクターを使用すると、キメラレセプターサブユニットをコードするポリヌクレオチドの作製とプロモーターの連結とが一度にできる点で好ましい。また、該ベクターが導入された細胞を選抜する際にマーカーとして利用できる抗生物質耐性遺伝子、例えばネオマイシン耐性遺伝子、ピューロマイシン耐性遺伝子等を有しているベクターが好ましい。さらに、大腸菌や酵母等の微生物内で機能可能な複製開始点および選抜マーカー遺伝子を有しているベクターは、前記のポリヌクレオチドの挿入されたベクターの構築、構造確認、ポリヌクレオチド調製等を行う上で便利である。このようなベクターとしては、例えばpMX(M. Onishi et al. Experimental Hematology 24:324-329 (1996))、pBabe-neo(J. P. Morgenstern et al. Nucleic Acid Res. 18:3587-3596)、pBabe-puro(J. P. Morgenstern et al. Nucleic Acid Res. 18:3587-3596)等のレトロウイルス由来のベクター、pREPベクター(Invitrogen社製)等のアデノウイルス由来のベクター、pQBIベクター(QUANTUM BIOTECHNOLOGIES社製)等のEBウイルス由来のベクター、pcDNAベクター(Invitrogen社製)、pRcベクター(Invitrogen社製)などのプラスミド由来のベクターを用いることができる。レトロウイルス由来のベクターは、ウイルス感染を利用して種々の細胞種に高い効率で導入することができ、ベクターに挿入した遺伝子を細胞内で安定的に発現させることができる点で好ましい。
【0015】このようなベクターへの上記ポリヌクレオチドの挿入は、通常の方法(例えば、J.,Sambrook, E.,F.,Frisch, T.,Maniatis著、モレキュラークローニング第2版(Molecular Cloning 2nd edition)、コールド スプリング ハーバー ラボラトリー発行(Cold Spring Harbor Laboratory press)等に記載されている方法)に準じて行うことができる。例えばレプチンレセプターサブユニットの細胞外領域、サイトカインレセプターサブユニットの膜貫通領域、および本レセプターサブユニットの細胞内領域がアミノ末端側から前記の順で連結されてなるキメラレセプターサブユニットとして転写、翻訳されるように上記ポリヌクレオチドをベクターのプロモーターの下流に挿入することによって、前記キメラレセプターサブユニットをコードするポリヌクレオチドを含む発現ベクター(以下、キメラレセプターサブユニット発現ベクターと記す。)を得ることができる。例えば、まず上記ポリヌクレオチドをPCRのプライマーに設けられている塩基配列を認識する制限酵素で消化する。一方、ベクターをプロモーター下流に存在する塩基配列を認識する制限酵素で消化する。これら消化物をアガロースゲル電気泳動に供して目的のポリヌクレオチドを取得し、Gene Clean Kit(BIO 101 Inc製)等を用いて精製したのち、これらポリヌクレオチドを例えばDNA Ligation Kit Ver.1(宝酒造製)等の市販のライゲーション反応キット等を用いて連結する。構築されたキメラレセプターサブユニット発現ベクターにおいては、目的のキメラレセプターをコードするポリヌクレオチドが発現可能な形で挿入されているかどうかについて塩基配列を分析し確認しておくことが望ましい。塩基配列の分析は、例えばThermo Sequenase IIダイ・ターミネーターキット(アマシャム・ファルマシア・バイオテク社製)を用いてDNAシークエンサー(PEアプライドバイオシステム社製)で解析することによって行うことができる。
【0016】次に、キメラレセプターサブユニットをコードするポリヌクレオチド、好ましくはキメラレセプターサブユニット発現ベクターに含有されるキメラレセプターサブユニットをコードするポリヌクレオチドを上記のサイトカイン依存的に生育する哺乳動物細胞に導入して、本発明細胞を作製する。本発明においてレプチンに結合可能なキメラレセプターをコードするポリヌクレオチドを導入する哺乳動物細胞は、該キメラレセプターを導入することによってレプチン依存的生育を示し得る哺乳動物細胞であればよく、サイトカイン依存的に生育する哺乳動物細胞を挙げることができる。ここで「サイトカイン依存的に生育する」とは、生育にサイトカインを必要とする性質を有することを意味する。具体的には、後述するBaF-3細胞の場合であれば「生育にインターロイキン3を必要とする性質」を意味する。かかる細胞としては、例えば、造血系細胞、上皮細胞等が挙げられ、好ましくは造血系細胞を挙げることができる。ここで「造血系細胞」とは、多能性造血幹細胞、および該細胞から分化して生じうる細胞群のことを意味し、具体的には、リンパ球系細胞および骨髄系細胞の各分化過程の細胞ならびにこれらの細胞から分化した血液細胞等が挙げられる。「リンパ球系細胞」とは、リンパ球幹細胞、および該細胞から分化して生じうる細胞群を意味し、具体的には、T細胞、B細胞、NK細胞等の各分化過程の細胞ならびにこれらの細胞から分化したT細胞、B細胞、NK細胞等が挙げられ、一例としては、BaF-3細胞(理研 RCB0805 R. Palacios et al. Cell 41:727-734 (1985))、TALL-101細胞(Lange, B., et al. Blood, 74: 192-199 (1987))、OC1-Ly9細胞(Tweeddale, N., et al. Blood, 74: 572-578 (1989))、OC1-Ly13.1細胞(Tweeddale,N., et al. Blood, 74: 572-578 (1989)) などが挙げられる。骨髄球系細胞の例としては、FDC-P1細胞(ATCC No. CRL-12103)、TF-1細胞(ATCC No. CRL-2003 T. Kitamura et al. J.Cell. Physiol. 140: 323-334 (1989))、UT-7細胞(N. Komatsu et al. Cancer Res. 51: 341-348 (1991))、F36-P細胞(理研 RCB0775 S. Chiba et al. Blood 78: 2261-2268 (1991))などを挙げることができる。上皮細胞の例としては、HK-2細胞(ATCC No. CRL-2190)等を挙げることができる。
【0017】前記哺乳動物細胞へのポリヌクレオチド導入方法としては、例えば、レトロウイルス感染法(M. Onishi et al. Experimental Hematology 24:324-329 (1996))、電気導入法(A. Ting et al. EMBO J. 15: 6189-6196)、リン酸カルシウム法(S. Grimm et al. Proc. Natl. Acad. Sci. USA 93:10923-10927)などを挙げることができる。キメラレセプターサブユニット発現ベクターの導入された本発明細胞は、例えば、該発現ベクター上の抗生物質耐性遺伝子による抗生物質耐性能を指標とするか、またはレプチンを含みその他のサイトカインは実質的に含まない培地で細胞を継続して培養した際の生育能を指標にして選抜することができる。選抜されたキメラレセプターサブユニット発現ベクターの導入された細胞を、レプチンを含みその他のサイトカインは実質的に含まない培地でさらに培養し、レプチン依存的に生育する細胞を通常の方法、例えば限界希釈法、メチルセルロース法、ペニシリンカップ法などによりクローニングすることにより本発明細胞を得ることができる。各クローンについては、サイトカインを実質的に含まない培地および該培地にレプチンを種々の濃度、例えば5pM〜1nM程度添加した培地での細胞の生育度を測定することにより、細胞のレプチン依存的に生育する能力およびレプチン感受性の高さを調べることができる。ここで、「レプチン依存的に生育する」とは、生存あるいは生育にレプチンを必要とする性質を有することを意味し、「レプチン感受性」とは、レプチンからの刺激を受け取る能力を意味する。レプチン感受性を示す指標としては、例えばレプチンを含みその他のサイトカインは実質的に含まない培地で培養した際に細胞の最大生育速度の50%の生育速度を与える時のレプチン濃度をあげることができる。細胞の該レプチン濃度が小さいほど細胞のレプチン感受性が高い。
【0018】本発明方法における前記本発明細胞を培養する工程は、以下のようにすることができる。培地としては、哺乳動物細胞の培養に通常使用される培地、例えばRPMI1640培地(GibcoBRL社製)にウシ胎児血清を10%(V/V)加えた培地(以下、基本培地と記す。)に、レプチン、あるいは本発明細胞の作製に際して使用した細胞(以下、キメラレセプター非導入細胞と記す。)が生育に必要とするサイトカイン、例えばBaF-3細胞の場合ならインターロイキン3を添加した培地を使用すればよい。培養条件は、哺乳動物細胞の一般的な培養条件が適用され、例えば、37℃で、炭酸ガス5% に設定した炭酸ガスインキュベータ内で培養すればよい。キメラレセプター非導入細胞についても、該細胞が生育に必要とするサイトカインを添加した基本培地を使用して、上記と同様に培養すればよい。前記本発明細胞およびキメラレセプター非導入細胞は、前記の培養の際に使用したレプチンまたはサイトカインが被験物質と接触させる工程に持ち込まれることを防止するために、被験物質との接触に先立って前記細胞を例えば基本培地等で数回、例えば2〜5回洗浄した後、例えば基本培地等に懸濁しておくことが望ましい。
【0019】前記本発明細胞と被験物質とを接触させる工程は、以下のようにすることができる。本発明細胞と被験物質との接触は、水、緩衝液、培地等の液中で行えばよく、培地中で好ましく行うことができる。本発明細胞と被験物質との接触を培地中にて行う場合、例えば以下のようにすることができる。被験物質を例えば基本培地に添加し混合した液を、多穴プレート、例えば96穴プレートに分注し、さらに、各ウェルに前記のようにして調製した本発明細胞懸濁液またはキメラレセプター非導入細胞懸濁液をそれぞれ分注し、通常の哺乳動物細胞を培養する。例えば、炭酸ガス濃度を5%(V/V)に設定した炭酸ガスインキュベータ内で37℃で加温する。被験物質の液中濃度としては1nM〜1mM程度が挙げられ、好ましくは、50nM〜50μM程度がよい。本発明方法において、レプチンを共存させて被験物質のレプチン阻害活性を測定する場合、培地に添加するレプチンの液中の濃度としては1nM〜1mM程度が挙げられ、好ましくは、50nM〜50μM程度がよい。ウェル中での本発明細胞の分注時の濃度は、該細胞の生育特性により異なるが、一般に、約5×103cell/ml〜約5×105cell/mlであればよく、好ましくは、約1×104cell/ml〜約1×105cell/ml程度がよい。
【0020】本発明細胞の生育度を測定する工程は、以下のようにすればよい。生育度を測定は、該細胞の生育の有無や生育の程度が比較できる方法であれば特に限定されないが、例えばアラマーブルーアッセイ法、MTTアッセイ法、各種のDNA定量法等が使用できる。得られた測定値は、被験物質と接触させた本発明細胞と被験物質と接触させなかった本発明細胞(対照1)との間で、また被験物質と接触させたキメラレセプター非導入細胞と被験物質と接触させなかったキメラレセプター非導入細胞(対照2)との間でと比較することができる。
【0021】本発明細胞と被験物質とを接触させる工程において、(a)〜(c)を含みかつレプチンに結合可能なキメラレセプターに対して作用し得るサイトカインを実質的に共存させない場合には、被験物質のレプチン様活性を測定することができる。この場合の本発明方法を用いることによって、レプチン様活性物質をスクリーニング(本発明スクリーニング方法1)することができる。即ち、本発明細胞の場合に対照1より有意に高い生育度が得られ、キメラレセプター非導入細胞の場合に被験物質の有無で生育度に有意差が見られない被験物質を選抜することにより、レプチン様活性物質を得ることができる。ここで「レプチン様活性物質」とは、レプチンと実質的に同質の生理活性、即ちレプチンレセプターと結合しそのシグナルを細胞内に伝達させ得る生理活性を示す物質であって、レプチン以外の物質を意味する。本発明スクリーニング方法1を用いて見出されるレプチン様活性物質としては、例えば、N−(2−メトキシエチル) O−(5−メトキシ−2−ニトロフェニル) メチルホスホン酸チオアミド等を挙げることができる。
【0022】本発明細胞と被験物質とを接触させる工程において、レプチンもしくはレプチン様活性物質を実質的に共存させた場合には、被験物質のレプチン阻害活性を測定することができる。この場合の本発明方法を用いることによって、レプチン活性阻害物質をスクリーニング(本発明スクリーニング方法2)することができる。即ち、本発明細胞の場合には対照1より有意に生育度が低く、かつキメラレセプター非導入細胞の場合には被験物質の有無により生育に有意差が見られない被験物質を選抜することにより、レプチン活性阻害物質を得ることができる。
【0023】上記の本発明スクリーニング方法1にしたがって選抜されたレプチン様活性物質を有効成分として含む医薬品は、抗肥満薬として使用できる。また、本発明スクリーニング方法2にしたがって選抜されたレプチン活性阻害物質を有効成分として含む医薬品は、抗羸痩薬として使用できる。
【0024】前記の抗肥満薬、抗羸痩薬(以下、これらをあわせて本発明剤と記す。)またはこれらの薬学的に許容される塩は、その有効量を経口的または非経口的にヒト等の哺乳動物に対し投与することができる。例えば、経口的に投与する場合、本発明剤またはその薬学的に許容される塩を錠剤、カプセル剤、シロップ剤、懸濁液等の通常の形態で使用することができる。また、非経口的に投与する場合、本発明剤またはその薬学的に許容される塩を溶液、乳剤、懸濁液等の通常の液剤の形態で使用することができる。前記形態の本発明剤またはその薬学的に許容される塩を非経口的に投与する方法としては、例えば注射する方法、坐剤の形で直腸に投与する方法等を挙げることができる。前記の適当な投与剤型は許容される通常の担体、賦型剤、結合剤、安定剤、希釈剤等に本発明剤またはその薬学的に許容される塩を配合することにより製造することができる。また、注射剤型で用いる場合には許容される緩衝剤、溶解補助剤、等張剤等を添加することもできる。投与量は、投与される哺乳動物の年令、性別、体重、疾患の程度、本発明剤またはその薬学的に許容される塩の種類、投与形態等によって異なるが、通常は経口の場合には成人で1日あたり約1mg〜約2g、好ましくは約5mg〜約1gを投与すればよく、注射の場合には成人で約0.1mg〜約500mgを投与すればよい。また、前記の1日の投与量を1回または数回に分けて投与することができる。
【0025】
【実施例】以下に、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0026】実施例1 (レプチンレセプターとトロンボポエチンレセプターとのキメラレセプターをコードするポリヌクレオチドの導入された本発明細胞の作製)
(1)ベクターpMX-neoの調製pMAM-neoの塩基配列(GenBank Accession No.U02432)をもとに設計した配列番号7または8で示される塩基配列からなるプライマー(以下、プライマー7および8と記す)をDNA自動合成装置(PEアプライドバイオシステム社製)を用いて合成する。pMAM-neo(CLONTECH社製)50pg、プライマー7 100pmol、プライマー8100pmol、Pyrobest DNA Polymerase(宝酒造製)1.25U、Pyrobest DNA Polymerase添付のbuffer 5μlおよびPyrobest DNA Polymerase添付のdNTP mixture(2.5mM)4μlを含む50μlの反応液を調製し、PCRを行う。PCRは、まず94℃で1分間保温した後、94℃で30秒間次いで55℃で1分間さらに72℃で3分間からなる保温サイクルを30回繰り返し、最後に72℃で10分間保温する条件で行う。このPCRにより、アガロースゲル電気泳動上約1.5kbpの大きさと考えられる位置に泳動される増幅DNA(増幅DNA5)を得る。増幅DNA5は、前記PCR反応液45μl をフェノールクロロホルム処理後、エタノール沈殿することにより回収し、風乾後水20μlに溶解する。うち10μlをSal I 5Uを用いて50μlの反応液中で37℃で2時間消化し、増幅DNA5制限酵素消化液を得る。また、Exp. Hematol. 24: 324-329 (1996)記載の方法に従い作製されるベクターpMX 1μgをSal I 5Uを用いて10μlの反応液中で37℃で2時間消化しpMX制限酵素消化液を得る。増幅DNA5制限酵素消化液およびpMX制限酵素消化液からアガロースゲル電気泳動による分画およびGene Cleanキット(BIO 101 Inc製)によるDNAの精製を行い、それぞれ消化DNA5および消化pMX断片を得る。得られた消化DNA5は水10μlに溶解し、消化pMX断片は水20μlに溶解する。消化pMX断片水溶液1μl、消化DNA5水溶液2μlとをライゲーションキットver.1(宝酒造製)を用いて16℃で1時間ライゲーション反応し、該ライゲーション反応液30μlのうち10μlおよびE.coli JM109株コンピテントセル(東洋紡製)を用いて、E.coli JM109形質転換体を得る。該形質転換体を50μg/mlアンピシリン含有LB培地100mlで培養し、得られる培養菌体からベクターDNAをQIAGEN Plasmid Maxi kitを用いて精製することによりベクターpMX-neoを得る。
【0027】(2)レセプターサブユニットをコードするポリヌクレオチドの調製レプチンレセプターサブユニットの塩基配列およびアミノ酸配列(GenBank Accession No.U43168およびGenBank Accession No.AAA93015)をもとに設計された配列番号1〜3で示される塩基配列からそれぞれなるプライマー(以下、プライマー1、2および3と記す。)、ならびにトロンボポエチンレセプターサブユニットの塩基配列およびアミノ酸配列(GenBank Accession No.M90102およびGenBank Accession No.AAA69971)をもとに設計された配列番号4〜6で示される塩基配列からそれぞれなるプライマー(以下、プライマー4、5および6と記す)をDNA自動合成装置(PEアプライドバイオシステム社製)を用いて合成する。human Brain cDNA library (CLONTECH社製) 10ng、プライマー1 100pmolおよびプライマー2 100pmol、Pyrobest DNA Polymerase(宝酒造製)1.25U、Pyrobest DNA Polymerase添付のbuffer 5μlおよびPyrobest DNA Polymerase添付のdNTP mixture(2.5mM)4μlを含む50μlの反応液を調製し、PCRを行う。PCRは、まず94℃で1分間保温した後、94℃で30秒間、次いで55℃で1分間さらに72℃で3分間の保温からなる保温サイクルを30回繰り返し、最後に72℃で10分間保温する条件で行う。このPCRにより、アガロースゲル電気泳動上約2.5kbpの大きさと考えられる位置に泳動される増幅DNA(増幅DNA1)を得る。また、human Brain cDNA library (CLONTECH社製) 10ng、プライマー1 100pmolおよびプライマー3 100pmolを用いて、上記と同じ条件でPCRを行い、アガロースゲル電気泳動上約2.6kbpの大きさと考えられる位置に泳動される増幅DNA(増幅DNA2)を得る。一方、TF-1細胞(ATCC No. CRL-2003 T. Kitamura et al. J.Cell. Physiol.140: 323-334 (1989))からJ.,Sambrook, E.,F.,Frisch, T.,Maniatis著、モレキュラークローニング第2版(Molecular Cloning 2nd edition)、コールド スプリング ハーバー ラボラトリー発行(Cold Spring Harbor Laboratory press)に記載されている方法に準じてcDNAライブラリーを調製する。得られたTF-1細胞cDNAライブラリー 10ng、プライマー4 100pmolおよびプライマー6 100pmolを用いて上記と同じ条件でPCRを行い、アガロースゲル電気泳動上約440bpの大きさと考えられる位置に泳動される増幅DNA(増幅DNA3)を得る。また、TF-1細胞cDNAライブラリー 10ng、プライマー5 100pmolおよびプライマー6 100pmolを用いて上記と同じ条件でPCRを行い、アガロースゲル電気泳動上約370bpの大きさと考えられる位置に泳動される増幅DNA(増幅DNA4)を得る。以上より得られた増幅DNAは、前記PCR反応液のうちの45μl をフェノールクロロホルム処理後、エタノール沈殿することにより回収し、風乾後水20μlに溶解する。
【0028】(3)キメラレセプターサブユニット発現ベクターの構築(2)で調製された増幅DNA1、2、3および4の水溶液それぞれ10μlを表1に示した制限酵素各5Uを用いて50μlの反応液中で37℃で2時間消化した。また、ベクターpMX-neo 1μgをBamHIおよびEcoRI、各2Uを用いて10μlの反応液中で37℃で2時間消化した。各制限酵素消化反応液をそれぞれアガロースゲル電気泳動し、Gene Cleanキット(BIO 101 Inc製)を用いて各増幅DNAおよびベクターpMX-neoの制限酵素消化DNAを精製した。精製された消化DNA1、2、3および4は水10μlに溶解し、消化pMX-neo断片は水20μlに溶解した。消化pMX-neo断片水溶液1μl、消化DNA1水溶液 2μlおよび消化DNA3 水溶液 2μlとをライゲーションキットver.1(宝酒造製)を用いて16℃で1時間ライゲーション反応し、該ライゲーション反応液50μlのうち10μlおよびE.coli JM109株コンピテントセル(東洋紡製)を用いて、E.coli JM109形質転換体を得た。該形質転換体を50μg/mlアンピシリン含有LB培地100mlで培養し、得られた培養菌体からベクターDNAをQIAGEN PlasmidMaxi kitを用いて精製することによりキメラレセプターサブユニット1発現ベクター(図1)(以下、pMX-LT1と記す。)を得た。また、前記と同様にして、消化pMX-neo断片水溶液1μl、消化DNA2 水溶液 2μlおよび消化DNA4水溶液 2μlからキメラレセプターサブユニット2発現ベクター(図2)(以下、pMX-LT2と記す。)を得た。pMX-LT1およびpMX-LT2にそれぞれ挿入された各キメラレセプターサブユニットをコードするポリヌクレオチドの塩基配列は、Thermo Sequenase IIダイ・ターミネーターキット(アマシャム・ファルマシア・バイオテク社製)を用いてDNAシークエンサー(PEアプライドバイオシステム社製)で解析した。その結果、キメラレセプターサブユニット1をコードするポリヌクレオチドは、ヒトレプチンレセプターサブユニットのアミノ酸配列(GenBank Accession No.AAA93015)のアミノ末端から1番目〜841番目のアミノ酸配列に続いてヒトトロンボポエチンレセプターサブユニットのアミノ酸配列(GenBank Accession No.AAA69971)のアミノ末端から492番目〜635番目のアミノ酸配列が接続されてなるアミノ酸配列、即ち、レプチンレセプターサブユニットの細胞外領域、トロンボポエチンレセプターサブユニットの膜貫通領域およびトロンボポエチンレセプターサブユニットの細胞内領域を含むキメラレセプターサブユニットをコードするポリヌクレオチドであることが確認された。同様に、キメラレセプターサブユニット2をコードするポリヌクレオチドはヒトレプチンレセプターサブユニットのアミノ酸配列(GenBank Accession No.AAA93015)のアミノ末端から1番目〜863番目のアミノ酸配列に続いてヒトトロンボポエチンのアミノ酸配列(GenBank Accession No.AAA69971)のアミノ末端から514番目〜635番目のアミノ酸配列が接続されてなるアミノ酸配列、即ち、レプチンレセプターサブユニットの細胞外領域、レプチンレセプターサブユニットの膜貫通領域およびトロンボポエチンレセプターサブユニットの細胞内領域を含むキメラレセプターサブユニットをコードするポリヌクレオチドであることが確認された。
【0029】
【表1】


【0030】(4)ウイルス溶液の調製(3)で作製されたベクターpMX-LT1およびベクターpMX-LT2をリポフェクトアミン(GibcoBRL社製)を用い、ウイルスパッケージング細胞であるBOSC23細胞(ATCC No. CRL 11270)にそれぞれトランスフェクトした。すなわち、pMX-LT1 3μgをOPTI-MEM(GibcoBRL社製) 200μlに溶解した液と、リポフェクトアミン18μlをOPTI-MEM 200μlに混合した液とを合わせて室温で10分間静置した。さらにこの混合液にOPTI-MEM 1600μlを加えて混合した。2×106細胞のBOSC23細胞を60mm dishにまき、ウシ胎児血清(GibcoBRL社製。以下、FBSと記す。)を10%(V/V)を含有するDulbecco's modified Eagle's medium(GibcoBRL社製。以下、D-MEMと記す。)からなる培地中で、5% 炭酸ガス存在下37℃で一晩培養した。細胞の培養上清を除いて1mlのOPTI-MEMで1回洗浄後、この細胞に上記pMX-LT1とリポフェクトアミンとの混合液を添加し5時間培養した。次いで20%(V/V) FBSを含有するD-MEM 2mlを添加し、さらに19時間培養後、10%(V/V) FBSを含有するD-MEM 3mlに培地交換し24時間培養した。この培養上清を3000rpmで5分間遠心して、遠心後の上清をウイルス溶液1とした。また、pMX-LT2 についても上記と全く同様の操作を行い、ウイルス溶液2を得た。
【0031】(5)細胞へのキメラレセプターサブユニットをコードするポリヌクレオチドの導入と本発明細胞のクローニングBaF-3細胞を、基本培地にマウスインターロイキン3(R&Dシステム社製。以下mIL-3と記す)を1ng/mlになるように添加した培地を用いて5% 炭酸ガス存在下37℃で培養し、1000rpmで3分間遠心分離して1×105細胞を回収した。(4)で調製したウイルス溶液1および2にそれぞれポリブレン(Hexadimethrine Bromide, Sigma社製)とmIL-3を、それぞれ終濃度10μg/ml、1ng/ml となるように添加した。そのうちの各1mlを、回収したBaF-3細胞に加えて懸濁し、24穴プレートにまいた。5時間培養後、基本培地にmIL-3を1ng/mlになるように添加した培地 1mlを加え、さらに1晩細胞を培養し、ウイルス溶液1感染細胞(以下、c1細胞と記す。),およびウイルス溶液2感染細胞(以下、c2細胞と記す。)を得た。c1細胞およびc2細胞をそれぞれ、基本培地にmIL-3およびGENETICIN (GibcoBRL社製)をそれぞれ1ng/ml、1mg/mlになる様に添加した培地で数回継代培養した。次に、基本培地にレプチン(R&Dシステム社製)10pMを添加した培地に5cell/mlになるように懸濁し、これを1well当たり100μlずつ96穴プレートにまき、5%炭酸ガス存在下37℃で5日間培養した。顕微鏡で観察し、生育が認められた細胞を同培地を用いて順次24穴プレート、6穴プレート、100mmディッシュで継代培養し、最終的にc1細胞7クローン、c2細胞から11クローンを得た。
【0032】実施例2 (レプチンレセプターサブユニットとエリスロポエチンレセプターサブユニットとのキメラレセプターサブユニットをコードするポリヌクレオチドの導入された本発明細胞の作製)
レプチンレセプターサブユニットの塩基配列およびアミノ酸配列(GenBank Accession No.U43168およびGenBank Accession No.AAA93015)をもとに設計した配列番号1または9で示される塩基配列からそれぞれなるプライマー(以下、プライマー1および9と記す。)、ならびにエリスロポエチンレセプターサブユニットの塩基配列およびアミノ酸配列(GenBank Accession No.M90102およびGenBank Accession No.AAA52401)をもとに設計した配列番号10および11で示される塩基配列からそれぞれなるプライマー(以下、プライマー10および11と記す)をDNA自動合成装置(PEアプライドバイオシステム社製)を用いて合成する。プライマー9およびプライマー10は、5'末端側がリン酸化されたプライマーを合成する。human Brain cDNA library (CLONTECH社製) 10ng、プライマー1 100pmolおよびプライマー9 100pmolを用いて実施例1の(2)と同じ条件でPCRを行い、アガロースゲル電気泳動上約2.5kbpの大きさと考えられる位置に泳動される増幅DNA(増幅DNA6)を得る。一方、実施例1の(2)に記載のTF-1細胞cDNAライブラリー 10ng、プライマー10 100pmolおよびプライマー11 100pmolを用いて上記と同じ条件でPCRを行い、アガロースゲル電気泳動上約780bpの大きさと考えられる位置に泳動される増幅DNA(増幅DNA7)を得る。以上より得られた増幅DNAは、前記PCR反応液のうちの45μl をフェノールクロロホルム処理後、エタノール沈殿することにより回収し、風乾後水20μlに溶解し増幅DNA6水溶液および増幅DNA7水溶液を得る。増幅DNA6水溶液および増幅DNA7水溶液10μlをそれぞれ表2に示した制限酵素各5Uを用いて50μlの反応液中で37℃で2時間消化する。また、発現ベクターpMX-neo 1μgをBamHIおよびEcoRI、各2Uを用いて10μlの反応液中で37℃で2時間消化する。各制限酵素消化反応液をそれぞれアガロースゲル電気泳動し、Gene Cleanキット(BIO 101 Inc製)を用いてそれぞれ精製する。精製された消化DNA6、7は水10μlに溶解し、消化pMX-neo断片は水20μlに溶解する。消化pMX-neo断片水溶液1μl、消化DNA6水溶液2μlおよび消化DNA7水溶液2μlとをライゲーションキットver.1(宝酒造製)を用いて16℃で1時間ライゲーション反応し、該ライゲーション反応液50μlのうち10μlおよびE.coli JM109株コンピテントセル(東洋紡製)を用いて、E.coli JM109形質転換体を得る。該形質転換体を50μg/mlアンピシリン含有LB培地100mlで培養して得られた培養菌体からベクターをQIAGEN Plasmid Maxi kitを用いて精製することによりキメラレセプターサブユニット3発現ベクター(以下、pMX-LEと記す。)を得る。pMX-LEに挿入されたキメラレセプターサブユニットをコードするポリヌクレオチドの塩基配列は、Thermo Sequenase IIダイ・ターミネーターキット(アマシャム・ファルマシア・バイオテク社製)を用いてDNAシークエンサー(PEアプライドバイオシステム社製)で解析する。キメラレセプターサブユニット3をコードするポリヌクレオチドは、ヒトレプチンレセプターサブユニットのアミノ酸配列(GenBank Accession No.AAA93015)のアミノ末端から1番目〜841番目のアミノ酸配列に続いてヒトエリスロポエチンレセプターサブユニットのアミノ酸配列(GenBank AccessionNo.AAA52401)のアミノ末端から251番目〜508番目のアミノ酸配列接続されてなるアミノ酸配列、即ち、レプチンレセプターサブユニットの細胞外領域、エリスロポエチンレセプターサブユニットの膜貫通領域およびエリスロポエチンレセプターサブユニットの細胞内領域を含むキメラレセプターサブユニットをコードするポリヌクレオチドであることを確認する。塩基配列を確認したpMX-LEを用いて実施例1の(4)と同様の操作を行いウイルス溶液3を得る。TF-1細胞を、基本培地にヒト顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(バイオトレンド社製。以下hGM-CSFと記す。)を1ng/mlになる様に添加した培地中で5%炭酸ガス存在下37℃で培養し、1000rpmで3分間遠心分離して1×105細胞を回収する。ウイルス溶液3にポリブレン(Hexadimethrine Bromide, Sigma社製)とhGM-CSFを、それぞれ終濃度10μg/ml、1ng/ml となるように添加する。そのうちの1mlを、回収したTF-1細胞に加えて懸濁し、24穴プレートにまく。5時間培養後、基本培地にhGM-CSFを1ng/mlになる様に添加した培地を加え、さらに1晩細胞を培養し、ウイルス溶液3感染細胞(以下、c3細胞と記す。)を得る。c3細胞を、基本培地をhGM-CSFおよびGENETICIN (GibcoBRL社製)をそれぞれ1ng/ml、1mg/mlになる様に添加した培地で数回継代培養する。次に、該細胞を基本培地にレプチン(R&Dシステム社製)を1nMになる様に添加した培地に5cell/mlになるように懸濁し、これを1well当たり100μlずつ96穴プレートにまき、5% 炭酸ガス存在下37℃で5日培養する。顕微鏡で観察し、生育が認められた細胞を同培地を用いて順次24穴プレート、6穴プレート、100mmディッシュで継代培養することによりc3細胞クローンを得る。
【0033】
【表2】


【0034】実施例3 (本発明細胞クローンのレプチン感受性)
実施例1の(5)で取得したc1細胞7クローン、c2細胞11クローンの計18クローンを、100mmディッシュを用いて、基本培地にmIL-3およびGENETICIN をそれぞれ1ng/ml、1mg/mlになる様に添加した培地10mlにて5% 炭酸ガス存在下37℃で培養し、4〜8×105cell/ml程度に生育した細胞をそれぞれ1000rpmで3分間遠心分離して回収した。これらを基本培地で3回洗浄した後、同培地に懸濁して細胞懸濁液を調製した。基本培地および該培地にレプチンを10nMになるように添加した培地を1wellにつき10μlずつ96穴プレート([3603]Costar社製)に分注して、さらに各細胞懸濁液を90μl/well(即ち5×103cell/well)ずつ分注した(レプチン終濃度0pM、1nM)。5% 炭酸ガス存在下37℃で48時間培養し、次いでアラマーブルー(BIOSOURCE社製)を1well当たり10μl添加し、さらに24時間培養した後、スペクトラフルオ(TECAN社製)を用いて蛍光を測定した(測定条件:励起波長545nm、検出波長595nm、gain 50)。各実験は40連あるいは80連で行った。レプチン添加条件での蛍光値からレプチン無添加条件での蛍光値を差し引いた値を求めたところ、c1細胞のクローン8(以下、c1-8細胞と記す。)は13000であり、c2細胞のクローン7(以下、c2-7細胞と記す。)は11000であった。次に、c1-8細胞を100mmディッシュを用いて、基本培地にmIL-3およびGENETICIN をそれぞれ1ng/ml、1mg/mlになる様に添加した培地10mlで5% 炭酸ガス存在下37℃で培養し、基本培地で3回洗浄した後、同培地に懸濁して細胞懸濁液を調製した。基本培地および該培地にレプチンをそれぞれ10nM、1nM、500pM、100pM、50pMになるように添加した培地を1wellにつき10μlずつ96穴プレートに分注して、さらに該細胞懸濁液を90μl/well(即ち5×103cell/well)ずつ分注した(レプチン終濃度0pM、1nM、100pM、50pM、10pM、5pM,)。5% 炭酸ガス存在下37℃で48時間培養した細胞に、アラマーブルーを1well当たり10μl添加し、24時間後に前記と同じ条件で蛍光値を測定した。また、c1-8細胞の替わりにBaF-3細胞を用いてその他は上記と全く同様の方法で試験し、蛍光値を測定した。c1-8細胞とBaF-3細胞の試験結果を表4に示した。試験結果は、各濃度でのレプチン添加条件での蛍光値からレプチン無添加条件での蛍光値を差し引いた値で示した。
【0035】
【表3】


【0036】実施例4 (本発明細胞を用いたレプチン様活性物質スクリーニング)
c1-8細胞を100mmディッシュを用いて、基本培地にmIL-3およびGENETICIN をそれぞれ1ng/ml、1mg/mlになる様に添加した培地10mlで5% 炭酸ガス存在下37℃で培養し、基本培地で3回洗浄した後、同培地に懸濁して細胞懸濁液を調製した。基本培地、およびに該培地に N−(2−メトキシエチル) O−(5−メトキシ−2−ニトロフェニル) メチルホスホン酸チオアミド (下記の式Iで示される化合物)を100μMまたは10μMとなるように添加した溶液を1wellにつき10μlずつ96穴プレートに分注し、さらに該細胞懸濁液を90μl/well(即ち5×103cell/well)になる様に分注した( N−(2−メトキシエチル) O−(5−メトキシ−2−ニトロフェニル) メチルホスホン酸チオアミドの終濃度は10μMまたは1μM)。5% 炭酸ガス存在下37℃で48時間培養し、ついで、アラマーブルーを1well当たり10μl添加し、さらに24時間培養した後に実施例3に記載の条件で蛍光値を測定した。N−(2−メトキシエチル) O−(5−メトキシ−2−ニトロフェニル) メチルホスホン酸チオアミドを終濃度1μMで添加した条件での蛍光値から無添加条件での蛍光値を差し引いた値は880であった。c1-8細胞の代わりにBaF-3細胞を用いてその他は上記と全く同様の方法で試験したところ、N−(2−メトキシエチル) O−(5−メトキシ−2−ニトロフェニル) メチルホスホン酸チオアミドを終濃度1μMで添加した条件での蛍光値から無添加条件での蛍光値を差し引いた値は35であった。
【0037】


【0038】製造例1 ( N−(2−メトキシエチル) O−(5−メトキシ−2−ニトロフェニル) メチルホスホン酸チオアミドの製造)
メチルホスホノチオリン酸ジクロリド(2.02g、13.6ミリモル)のトルエン(27ml)溶液に5−メトキシ−2−ニトロフェノール(2.30g、13.6ミリモル)のトルエン(7ml)溶液とトリエチルアミン(1.88ml)を10℃以下で滴下しながら併注した。添加後、室温で12時間攪拌した。反応混合物の温度を再び10℃以下に冷却した後、これに2−メトキシエチルアミン(2.04g、27.2ミリモル)を滴下した。添加後、室温で12時間攪拌した。反応混合物を水に注加し、これを酢酸エチルで抽出した。該有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下に濃縮して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、N−(2−メトキシエチル) O−(5−メトキシ−2−ニトロフェニル) メチルホスホン酸チオアミド2.37gを得た。
nD25.81.57841H−NMR(300MHz,CDCl3/TMS):δ(ppm)=.8.02(d,J=9.2Hz,1H)、7.31(d,J=3.1Hz,1H)、6.75(dd,J=9.2、3.1Hz,1H), 3.89(s,3H),3.62−3.75(m,1H)、3.30−3.40(m,2H)、3.19−3.28(m,2H)、3.26(s,3H)、2.07(d、J=15.3Hz、3H).
【0039】実施例5 (本発明細胞を用いたレプチン活性阻害物質のスクリーニング)
c1-8細胞を100mmディッシュを用いて、基本培地にmIL-3およびGENETICIN をそれぞれ1ng/ml、1mg/mlになる様に添加した培地10mlで5% 炭酸ガス存在下37℃で培養し、基本培地で3回洗浄した後、基本培地にレプチンを50pMになるように添加した培地に懸濁して細胞懸濁液を調製する。基本培地にレプチンを50pMになるように添加した培地にさらに被験物質を100μMおよび10μMとなるように添加した液を1wellにつき10μlずつ96穴プレートに分注し、さらに上記細胞懸濁液を90μl/well(即ち5×103cell/well)ずつ分注する(被験物質終濃度10μMおよび1μM)。5% 炭酸ガス存在下37℃で48時間培養し、ついで、アラマーブルーを1well当たり10μl添加し、24時間培養した後に蛍光を測定する。c1-8細胞の代わりにBaF-3細胞を用いて、基本培地にレプチンを50pMになるように添加した培地の代りに基本培地にmIL-3を10pg/mlになるように添加した培地を用いる以外には上記と全く同様の方法で試験を行い、蛍光を測定する。c1-8細胞では被験物質を添加した場合に生育度が低く、BaF-3細胞では被験物質の添加の有無により生育度に有意差が見られない被験物質を選抜することにより、レプチン活性阻害物質を得る。
【0040】
【発明の効果】本発明によって、被験物質のレプチンレセプターに対する作用を測定する方法等が提供可能になる。
【0041】「配列表フリーテキスト」
配列番号1PCRのために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー配列番号2PCRのために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー配列番号3PCRのために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー配列番号4PCRのために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー配列番号5PCRのために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー配列番号6PCRのために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー配列番号7PCRのために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー配列番号8PCRのために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー配列番号9PCRのために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー配列番号10PCRのために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー配列番号11PCRのために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー配列番号12PCRのために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー配列番号13PCRのために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー
【0042】
【配列表】
SEQENCE LISTING<110> Sumitomo Chemical Co., Ltd. <120> Method of evaluating whether a test agent is an agent affecting a leptin receptor <130> P152025 <150> JP 11/285396<151> 1999-10-06 <160> 13 <210> 1<211> 30<212> DNA<213> Artificial Sequence <220> <223> Designed oligonucleotide primer for PCR <400> 1atgcggatcc atgatttgtc aaaaattctg 30 <210> 2<211> 28<212> DNA<213> Artificial Sequence <220> <223> Designed oligonucleotide primer for PCR <400> 2aattaagctt atacctgcat cactctgg 28 <210> 3<211> 29<212> DNA<213> Artificial Sequence <220> <223> Designed oligonucleotide primer for PCR <400> 3tttgtctaga tattaataat gttccaagc 29 <210> 4<211> 27<212> DNA<213> Artificial Sequence <220> <223> Designed oligonucleotide primer for PCR <400> 4ggataagctt ggtgaccgct ctgcatc 27 <210> 5<211> 28<212> DNA<213> Artificial Sequence <220> <223> Designed oligonucleotide primer for PCR <400> 5gctgtctaga tggcagtttc ctgcacac 28 <210> 6<211> 30<212> DNA<213> Artificial Sequence <220> <223> Designed oligonucleotide primer for PCR <400> 6aaaagaattc tcaaggctgc tgccaatagc 30 <210> 7<211> 30<212> DNA<213> Artificial Sequence <220> <223> Designed oligonucleotide primer for PCR <400> 7ctgggtcgac ctgtggaatg tgtgtcagtt 30 <210> 8<211> 30<212> DNA<213> Artificial Sequence <220> <223> Designed oligonucleotide primer for PCR <400> 8gtcggtcgac gataacccca gagtcccgct 30 <210> 9<211> 25<212> DNA<213> Artificial Sequence <220> <223> Designed oligonucleotide primer for PCR <400> 9acctgcatca ctctggtgtt tttca 25 <210> 10<211> 28<212> DNA<213> Artificial Sequence <220> <223> Designed oligonucleotide primer for PCR <400> 10ctcatcctga cgctctccct catcctcg 28 <210> 11<211> 30<212> DNA<213> Artificial Sequence <220> <223> Designed oligonucleotide primer for PCR <400> 11gcctgaattc ctaagagcaa gccacatagc 30 <210> 12<211> 27<212> DNA<213> Artificial Sequence<220> <223> Designed oligonucleotide primer for PCR<400> 12cccctctaga aagaatcccc tctggcc 27 <210> 13<211> 29<212> DNA<213> Artificial Sequence <220> <223> Designed oligonucleotide primer for PCR <400> 13ccaggaattc ctagaagctc cccagcgcc 29
【図面の簡単な説明】
【図1】レプチンレセプターサブユニットの細胞外領域、トロンボポエチンレセプターサブユニットの膜貫通領域およびトロンボポエチンレセプターサブユニットの細胞内領域を含むキメラレセプターサブユニット発現ベクターpMX-LT1の図である。図中のLTRはロングターミナルリピート、Yはウイルスパッケージングシグナル、PはSV40初期プロモーター、Neorはネオマイシン耐性遺伝子、Oriはベクターの複製開始点、Amprはアンピシリン耐性遺伝子を示す。
【図2】レプチンレセプターサブユニットの細胞外領域、レプチンレセプターサブユニットの膜貫通領域およびトロンボポエチンレセプターサブユニットの細胞内領域を含むキメラレセプターサブユニット発現ベクターpMX-LT2の図である。図中のLTRはロングターミナルリピート、Yはウイルスパッケージングシグナル、PはSV40初期プロモーター、Neorはネオマイシン耐性遺伝子、Oriはベクターの複製開始点、Amprはアンピシリン耐性遺伝子を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】以下の工程からなる被験物質のレプチンレセプターに対する作用を測定する方法。
(1)以下の(a)〜(c)の領域を含みかつレプチンに結合可能なキメラレセプターを有し、レプチン依存的生育を示す哺乳動物細胞を培養する工程、(a)レプチンレセプターを除くホモダイマーサイトカインレセプターのサブユニット、インターロイキン-2レセプターβサブユニットおよびgp130からなる群から選ばれるレセプターサブユニットの細胞内領域(b)サイトカインレセプターサブユニットの膜貫通領域(c)レプチンレセプターサブユニットの細胞外領域(2)前記哺乳動物細胞と被験物質とを接触させる工程、および(3)前記哺乳動物細胞の生育度を測定する工程
【請求項2】細胞内領域が、レプチンレセプターを除くホモダイマーサイトカインレセプターのサブユニットの細胞内領域である請求項1に記載の方法。
【請求項3】細胞内領域が、インターロイキン-2レセプターβサブユニットまたはgp130の細胞内領域である請求項1に記載の方法。
【請求項4】細胞内領域が、トロンボポエチンレセプターサブユニット、エリスロポエチンレセプターサブユニット、顆粒球コロニー刺激因子レセプターサブユニット、成長ホルモンレセプターサブユニットおよびプロラクチンレセプターサブユニットからなる群から選ばれるレセプターサブユニットの細胞内領域である請求項1に記載の方法。
【請求項5】レプチン依存的生育を示す哺乳動物細胞と被験物質とを接触させる工程において、(a)〜(c)の領域を含みかつレプチンに結合可能なキメラレセプターに対して作用し得るサイトカインを実質的に共存させない請求項1に記載の方法。
【請求項6】レプチン依存的生育を示す哺乳動物細胞と被験物質とを接触させる工程において、レプチンを共存させる請求項1に記載の方法。
【請求項7】以下の(a)〜(c)の領域を含むキメラレセプターサブユニットをコードするポリヌクレオチドを有し、レプチン依存的生育を示す哺乳動物細胞。
(a)レプチンレセプターを除くホモダイマーサイトカインレセプターのサブユニット、インターロイキン-2レセプターβサブユニットおよびgp130からなる群から選ばれるレセプターサブユニットの細胞内領域(b)サイトカインレセプターサブユニットの膜貫通領域(c)レプチンレセプターサブユニットの細胞外領域
【請求項8】哺乳動物細胞が哺乳動物の造血系細胞である請求項7に記載の細胞。
【請求項9】哺乳動物細胞が哺乳動物のリンパ球系細胞である請求項7に記載の細胞。
【請求項10】哺乳動物細胞がBaF-3細胞、TALL-101細胞、OC1-Ly9細胞、OC1-Ly13.1細胞、FDC-P1細胞、TF-1細胞、UT-7細胞およびF-36-P細胞からなる群から選ばれる細胞である請求項7に記載の細胞。
【請求項11】哺乳動物細胞がBaF-3細胞である請求項7に記載の細胞。
【請求項12】細胞内領域が、レプチンレセプターを除くホモダイマーサイトカインレセプターのサブユニットの細胞内領域である請求項7に記載の細胞。
【請求項13】細胞内領域が、インターロイキン-2レセプターβサブユニットまたはgp130の細胞内領域である請求項7に記載の細胞。
【請求項14】細胞内領域が、トロンボポエチンレセプターサブユニット、エリスロポエチンレセプターサブユニット、顆粒球コロニー刺激因子レセプターサブユニット、成長ホルモンレセプターサブユニットおよびプロラクチンレセプターサブユニットからなる群から選ばれるレセプターサブユニットの細胞内領域である請求項7に記載の細胞。
【請求項15】膜貫通領域が、ホモダイマーサイトカインレセプターのサブユニット、インターロイキン-2レセプターβサブユニットおよびgp130からなる群から選ばれるレセプターサブユニットの膜貫通領域である請求項7に記載の細胞。
【請求項16】膜貫通領域が、レプチンレセプターサブユニットの膜貫通領域である請求項7に記載の細胞。
【請求項17】以下の(a)〜(c)の領域を含むキメラレセプターサブユニットをコードするポリヌクレオチドを有し、レプチン依存的生育を示す哺乳動物細胞。
(a)レプチンレセプターを除くホモダイマーサイトカインレセプターのサブユニット、インターロイキン-2レセプターβサブユニットおよびgp130からなる群から選ばれるレセプターサブユニットの細胞内領域(b)(a)で選ばれるレセプターサブユニットの膜貫通領域(c)レプチンレセプターサブユニットの細胞外領域
【請求項18】以下の(a)〜(c)の領域を含むキメラレセプターサブユニットをコードするポリヌクレオチドを有し、レプチン依存的生育を示す哺乳動物細胞。
(a)トロンボポエチンレセプターサブユニット、エリスロポエチンレセプターサブユニット、顆粒球コロニー刺激因子レセプターサブユニット、成長ホルモンレセプターサブユニットおよびプロラクチンレセプターサブユニットからなる群から選ばれるレセプターサブユニットの細胞内領域(b)(a)で選ばれるレセプターサブユニットの膜貫通領域(c)レプチンレセプターサブユニットの細胞外領域
【請求項19】以下の(a)〜(c)の領域を含むキメラレセプターサブユニットをコードするポリヌクレオチドを含む発現ベクターを有し、レプチン依存的生育を示す哺乳動物細胞。
(a)レプチンレセプターを除くホモダイマーサイトカインレセプターのサブユニット、インターロイキン-2レセプターβサブユニットおよびgp130からなる群から選ばれるレセプターサブユニットの細胞内領域(b)サイトカインレセプターサブユニットの膜貫通領域(c)レプチンレセプターサブユニットの細胞外領域
【請求項20】細胞内領域が、トロンボポエチンレセプターサブユニット、エリスロポエチンレセプターサブユニット、顆粒球コロニー刺激因子レセプターサブユニット、成長ホルモンレセプターサブユニットおよびプロラクチンレセプターサブユニットからなる群から選ばれるレセプターサブユニットの細胞内領域である請求項19に記載の細胞。
【請求項21】以下の(a)〜(c)の領域を含みかつ細胞膜に埋め込まれているキメラレセプターを有し、レプチン依存的生育を示す哺乳動物細胞。
(a)レプチンレセプターを除くホモダイマーサイトカインレセプターのサブユニット、インターロイキン-2レセプターβサブユニットおよびgp130からなる群から選ばれるレセプターサブユニットの細胞内領域(b)サイトカインレセプターサブユニットの膜貫通領域(c)レプチンレセプターサブユニットの細胞外領域
【請求項22】以下の(a)〜(c)の領域を含むキメラレセプターサブユニットをコードするポリヌクレオチド。
(a)トロンボポエチンレセプターサブユニット、エリスロポエチンレセプターサブユニット、成長ホルモンレセプターサブユニット、プロラクチンレセプターサブユニット、インターロイキン-2レセプターβサブユニットおよびgp130からなる群から選ばれるレセプターサブユニットの細胞内領域(b)サイトカインレセプターサブユニットの膜貫通領域(c)レプチンレセプターサブユニットの細胞外領域
【請求項23】以下の(a)〜(c)の領域を含むキメラレセプターサブユニット。
(a)トロンボポエチンレセプターサブユニット、エリスロポエチンレセプターサブユニット、成長ホルモンレセプターサブユニット、プロラクチンレセプターサブユニット、インターロイキン-2レセプターβサブユニットおよびgp130からなる群から選ばれるレセプターサブユニットの細胞内領域(b)サイトカインレセプターサブユニットの膜貫通領域(c)レプチンレセプターサブユニットの細胞外領域
【請求項24】請求項1に記載の方法を用いて被験物質のレプチンレセプターに対する作用を測定し、請求項1に記載の細胞の生育を可能とする被験物質を選抜するレプチン様活性物質のスクリーニング方法。
【請求項25】請求項24記載のスクリーニング方法によって選抜され得るレプチン様活性物質。
【請求項26】請求項25記載のレプチン様活性物質を有効成分として含む抗肥満薬。
【請求項27】請求項1に記載の方法を用いて被験物質のレプチンレセプターに対する作用を測定し、請求項1に記載の細胞の生育を阻害する被験物質を選抜するレプチン活性阻害物質のスクリーニング方法。
【請求項28】請求項27記載のスクリーニング方法によって選抜され得るレプチン活性阻害物質。
【請求項29】請求項28記載のレプチン活性阻害物質を有効成分として含む抗羸痩薬。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2001−169783(P2001−169783A)
【公開日】平成13年6月26日(2001.6.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2000−281326(P2000−281326)
【出願日】平成12年9月18日(2000.9.18)
【出願人】(000002093)住友化学工業株式会社 (8,981)