説明

レンズアダプタ及びコンバージョンレンズ

【課題】デジタルスチルカメラ等の撮像装置に簡単かつ確実に装着できるレンズアダプタ及びコンバージョンレンズとする。
【解決手段】撮像装置のレンズリング140の外周面に形成された固定溝141にはまり込む形状の突部41と、突部41が形成されたストッパ40と、ストッパ40を揺動自在に支持する支持軸23と、突部41が固定溝141に出入りするようにストッパ40を揺動させるための揺動ガイド33a,33bと、突部41が固定溝141に入り込んだ固定状態又は突部41が固定溝141から抜け出た解除状態になるように揺動ガイド33a,33bを操作する外枠30とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デジタルスチルカメラ等の撮像装置に取り付けて使用するレンズアダプタ及びコンバージョンレンズ関する。
【背景技術】
【0002】
デジタルスチルカメラやデジタルビデオカメラ等の撮像装置は、従来から、撮像レンズによって被写体像を結像させ、撮像レンズの後部に配置されたCCD(Charge Coupled Device Image Sensor)イメージセンサやCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor )イメージセンサ等の撮像素子によって被写体像を撮影するようになっている。そして、例えばデジタルスチルカメラでは、被写体像を異なる倍率で撮影できるようにするとともに薄型化を図るため、沈胴式のズームレンズが採用されることがある。
【0003】
しかし、沈胴式のズームレンズでは、倍率が狭い範囲に限定されてしまう。そのため、より広い倍率での撮影ができるように、内部空間にズームレンズを突出させることができる円筒形状のレンズアダプタを介してテレ又はワイドのコンバージョンレンズを装着できるようにした技術が知られている。
具体的には、ズームレンズユニットを格納する円筒形状のレンズリングをケースの前面から突出させ、このレンズリングの内周面にねじ溝を形成する。また、一端側にコンバージョンレンズを取り付けることができるレンズアダプタの他端側の外周面にねじ山を形成する。そして、レンズリングにレンズアダプタをねじ込むことにより、レンズアダプタを介してコンバージョンレンズを装着できるようにする技術である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−235222号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記の特許文献1の技術では、レンズアダプタのねじ込みに時間がかかり、装着が面倒であるという問題がある。また、ねじ山がつぶれやすく、耐久性に問題がある。さらにまた、ねじ込みが不十分だった場合には、レンズアダプタが脱落することがあり、信頼性にも問題がある。
なお、単焦点レンズの場合には、レンズアダプタを介することなく直接コンバージョンレンズをレンズリングにねじ込んで装着することができるが、この場合であっても、コンバージョンレンズのねじ込みに時間がかかる等の問題がある。
【0006】
したがって、本発明が解決しようとする課題は、デジタルスチルカメラ等の撮像装置に簡単かつ確実に装着できるレンズアダプタ及びコンバージョンレンズとすることである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、以下の解決手段により、上述の課題を解決する。
本発明の請求項1に記載の発明は、撮像装置のレンズリングの外周面に形成された溝にはまり込む形状の突部と、前記突部が形成された固定片と、前記固定片を揺動自在に支持する支持軸と、前記突部が前記溝に出入りするように前記固定片を揺動させるための揺動ガイドと、前記突部が前記溝に入り込んだ固定状態又は前記突部が前記溝から抜け出た解除状態になるように前記揺動ガイドを操作する操作部と、前記撮像装置の撮像レンズの光軸に一致するように光学部品を装着可能な装着部とを有するレンズアダプタである。
【0008】
また、本発明の請求項6に記載の発明は、撮像装置のレンズリングの外周面に形成された溝にはまり込む形状の突部と、前記突部が形成された固定片と、前記固定片を揺動自在に支持する支持軸と、前記突部が前記溝に出入りするように前記固定片を揺動させるための揺動ガイドと、前記突部が前記溝に入り込んだ固定状態又は前記突部が前記溝から抜け出た解除状態になるように前記揺動ガイドを操作する操作部と、前記撮像装置の撮像レンズの焦点距離を変更するための補助レンズとを有するコンバージョンレンズである。
【0009】
(作用)
上記の請求項1及び請求項6に記載の発明は、撮像装置のレンズリングの外周面に形成された溝にはまり込む形状の突部を有している。また、突部が溝に入り込んだ固定状態又は突部が溝から抜け出た解除状態になるようにする操作部を有している。そのため、レンズアダプタやコンバージョンレンズを撮像装置に取り付けるには、操作部により、突部が溝に入り込んだ固定状態にすればよい。
一方、撮像装置から取り外すには、突部が溝から抜け出た解除状態にすればよい。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、操作部によって突部を溝に出入りさせるだけで取付け及び取外しが可能となるので、レンズアダプタやコンバージョンレンズを簡単に撮像装置に装着できる。また、突部が溝に入り込んでいれば固定状態となるので、レンズアダプタやコンバージョンレンズの装着が確実になる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明のレンズアダプタを装着可能なデジタルスチルカメラの前面側を示す斜視図である。
【図2】本発明のレンズアダプタを装着可能なデジタルスチルカメラの背面側を示す斜視図である。
【図3】本発明のレンズアダプタを装着可能なデジタルスチルカメラの構成を示すブロック図である。
【図4】本発明のレンズアダプタの一実施形態(第1の実施の形態)としての、レンズアダプタを取り付ける際の状況を示す斜視図である。
【図5】本発明のレンズアダプタの一実施形態(第1の実施の形態)としての、レンズアダプタを示す斜視図である。
【図6】本発明のレンズアダプタの一実施形態(第1の実施の形態)としての、レンズアダプタの内枠を示す斜視図である。
【図7】本発明のレンズアダプタの一実施形態(第1の実施の形態)としての、レンズアダプタの解除状態を示す斜視図である。
【図8】本発明のレンズアダプタの一実施形態(第1の実施の形態)としての、レンズアダプタの解除状態を示す断面図である。
【図9】本発明のレンズアダプタの一実施形態(第1の実施の形態)としての、レンズアダプタの固定状態を示す斜視図である。
【図10】本発明のレンズアダプタの一実施形態(第1の実施の形態)としての、レンズアダプタの固定状態を示す断面図である。
【図11】本発明のレンズアダプタの一実施形態(第2の実施の形態)としての、レンズアダプタの解除状態を示す断面図である。
【図12】本発明のレンズアダプタの一実施形態(第3の実施の形態)としての、レンズアダプタの解除状態を示す斜視図である。
【図13】本発明のレンズアダプタの一実施形態(第3の実施の形態)としての、レンズアダプタの固定状態を示す斜視図である。
【図14】本発明のレンズアダプタの一実施形態(第4の実施の形態)としての、レンズアダプタの解除状態を示す断面図である。
【図15】本発明のレンズアダプタの一実施形態(第4の実施の形態)としての、レンズアダプタの固定状態を示す断面図である。
【図16】本発明のコンバージョンレンズの一実施形態(第5の実施の形態)としての、テレコンバージョンレンズの固定状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して、本発明を実施するための形態について説明する。
ここで、本発明における撮像装置は、以下の実施の形態では、デジタルスチルカメラ100であるとする。また、本発明におけるレンズアダプタは、デジタルスチルカメラ100に装着して使用するレンズアダプタ10,50〜70であるとする。さらにまた、本発明におけるコンバージョンレンズは、デジタルスチルカメラに装着して使用するテレコンバージョンレンズ80であるとする。
なお、説明は、以下の順序で行う

1.第1の実施の形態(操作部:光軸方向及び円周方向への移動によって固定する例)
2.第2の実施の形態(固定片:突部に弾性材料を使用する例)
3.第3の実施の形態(操作部:光軸方向への移動だけで固定する例)
4.第4の実施の形態(操作部:円周方向への移動だけで固定する例)
5.第5の実施の形態(テレコンバージョンレンズを直接固定する例)

【0013】
[撮像装置の構成例]

図1は、本発明のレンズアダプタ10,50〜70を装着可能なデジタルスチルカメラ100の前面側を示す斜視図である。
また、図2は、本発明のレンズアダプタ10,50〜70を装着可能なデジタルスチルカメラ100の背面側を示す斜視図である。
図1及び図2に示すように、デジタルスチルカメラ100は、外装を構成する直方体状のケース110を有している。そして、ケース110の前面に、ズームレンズユニット130と、ズームレンズユニット130の周囲から突出し、外周面に固定溝141(本発明における溝に相当)が形成されたレンズリング140とを備えている。
【0014】
また、ズームレンズユニット130の上方には、左から順に、撮影補助光を出射するフラッシュ111、AF(Auto Focus)補助光発光部112、及びファインダー窓113が設けられている。そして、ケース110の上面には、電源のオン・オフを行う電源ボタン114と、撮影を行うためのシャッターボタン115とが配置されている。
なお、上下左右とは、図1で見たデジタルスチルカメラ100の上下左右を言う。
【0015】
さらにまた、図2に示すように、ケース110の後面には、ディスプレイ116、ズームレバー117、メニューボタン118、十字キー119、決定ボタン120、及び露出補正ボタン121が設けられている。
このディスプレイ116は、液晶表示器等であり、設定メニューの他、撮影する画像を表示したり、撮影された画像を再生等する。ズームレバー117は、操作者がズーミング(変倍操作)を行うときに操作する。メニューボタン118は、ディスプレイ116に各種の設定メニュー(静止画撮影モード、動画撮影モード、再生モード等)を表示させるときに操作し、表示された設定メニューは、十字キー119で選択して決定ボタン120で決定する。露出補正ボタン121は、絞りを開閉して逆光補正等の露出補正をワンタッチで行うときに操作する。
【0016】
このようなデジタルスチルカメラ100において、ズームレンズユニット130(図1参照)は、沈胴式となっている。そのため、電源を切るとケース110の内部に収納されるようになり、不使用時における携帯性の向上やズームレンズユニット130の破損等の防止が図られる。
一方、電源を入れるとケース110の前面から突出し、撮影が可能となる。そして、前玉レンズ131(撮像レンズの1つ)等によって結像された被写体像は、ズームレンズユニット130の後部に配置された撮像素子122によって撮影される。
なお、撮像素子122としては、例えば、CCD(Charge Coupled Device )イメージセンサ、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor )イメージセンサ等を使用できる。
【0017】
また、ズームレンズユニット130は、レンズリング140の内側に配置された固定鏡筒132と、固定鏡筒132の内側に配置された外側可動鏡筒133と、外側可動鏡筒133の内側に配置された内側可動鏡筒134とを備えている。そして、電源オン時は、固定鏡筒132から外側可動鏡筒133が突出し、外側可動鏡筒133から内側可動鏡筒134が突出する。
【0018】
ここで、固定鏡筒132は、ケース110の内部に配置されており、前面がレンズリング140と略同じ高さで突出する。そして、固定鏡筒132の内部には、フォーカスレンズ135(図示せず)及び絞り136(図示せず)が設けられている。また、外側可動鏡筒133は、固定鏡筒132の内径と略同一の外径で形成されるとともに、固定鏡筒132から前方に進退可能に支持されており、その内部には、ズームレンズ137(図示せず)が設けられている。さらにまた、内側可動鏡筒134は、外側可動鏡筒133の内径と略同一の外径で形成されるとともに、外側可動鏡筒133から前方に進退可能に支持されており、その内部には、ズームレンズ138(図示せず)が設けられている。
なお、フォーカスレンズ135、ズームレンズ137、及びズームレンズ138は、前玉レンズ131とともに、デジタルスチルカメラ100の撮像レンズを構成する。
【0019】
さらに、内側可動鏡筒134の先端部には、開閉自在のレンズカバー139が設けられている。そして、デジタルスチルカメラ100の電源が投入され、ズームレンズユニット130(外側可動鏡筒133及び内側可動鏡筒134)が突出すると、レンズカバー139が開いて前玉レンズ131が露出し、撮影が可能となる。
一方、電源が切られ、外側可動鏡筒133及び内側可動鏡筒134が固定鏡筒132内に収納されると、レンズカバー139が閉じて前玉レンズ131を保護する。
【0020】
図3は、本発明のレンズアダプタ10,50〜70を装着可能なデジタルスチルカメラ100の構成を示すブロック図である。
図3に示すように、デジタルスチルカメラ100には、ズームレンズユニット130が設けられ、前玉レンズ131、ズームレンズ138、ズームレンズ137、及びフォーカスレンズ135が光軸に沿って配列されている。
【0021】
また、ズームレンズ137とフォーカスレンズ135との間には、絞り136が配置されている。この絞り136は、絞り駆動装置123によって駆動され、開口量を増減させることができる。例えば、明るい被写体を撮影する場合には、フォーカスレンズ135の後部に配置された撮像素子122への入射光量を少なくするため、絞り136の開口量を小さくして光量を減少させる。逆に、暗い被写体を撮影する場合には、撮像素子122への入射光量を多くするため、絞り136の開口量を大きくして光量を増加させる。
【0022】
さらにまた、フォーカスレンズ135は、光軸方向に移動可能となっており、フォーカスレンズ駆動装置124によって駆動される。このフォーカスレンズ駆動装置124は、例えば、ステッピングモータやリニアモータ等であり、フォーカスレンズ135を光軸方向にスライドさせてフォーカシング(焦点調節操作)を行う。
さらに、ズームレンズ137を備える外側可動鏡筒133(図1参照)及びズームレンズ138を備える内側可動鏡筒134(図1参照)は、ステッピングモータやリニアモータ等によって光軸方向に移動可能となっており、ズームレンズ駆動装置125によって駆動される。
【0023】
また、このデジタルスチルカメラ100には、A/D(Analog/Digital )変換部126、カメラDSP(Digital Signal Processor)127、メモリ128、ディスプレイ116、ズームレバー117、及びCPU(Central Processing Unit )129が設けられている。
この中で、A/D変換部126は、撮像素子122から出力されたアナログ信号をデジタル信号に変換する。具体的には、ズームレンズユニット130によって結像された被写体像が撮像素子122によって光電変換され、その出力であるアナログ信号がA/D変換部126によってデジタル信号に変換される。
【0024】
変換されたデジタル信号は、カメラDSP127により、ガンマ補正、色分離、色差マトリクス等の処理が施される。そして、メモリ128に保存され、ディスプレイ116に被写体像として表示される。さらに、A/D変換部126によって変換されたデジタル信号の輝度データがCPU129に送信される。
【0025】
CPU129は、送信された輝度データに基づいて露出制御用の計算を行う。そして、その結果が適正でなかった場合には、露出が適正になるように絞り駆動装置123を制御し、絞り136を調節する。また、CPU129は、フォーカスレンズ駆動装置124を制御し、フォーカスレンズ135をスライドさせてフォーカシング(焦点調節操作)を行う。さらにまた、CPU129は、ズームレバー117の操作に応じてズームレンズ駆動装置125を制御し、ズームレンズ137及びズームレンズ138をスライドさせてズーミング(変倍操作)を行う。
【0026】
このように、デジタルスチルカメラ100は、CPU129により、オート露出制御及びオートフォーカス制御を行う。また、ズームレバー117の操作により、ズームレンズユニット130のズーミングが行われ、異なる倍率での撮影が可能となる。さらにまた、より広い倍率での撮影を行う場合には、レンズリング140(図1参照)にレンズアダプタ10,50〜70(図示せず:光学補助部品に相当)を装着する。そして、レンズアダプタ10,50〜70にテレ又はワイドのコンバージョンレンズを取り付ける。
なお、単焦点レンズのデジタルスチルカメラの場合には、テレコンバージョンレンズ80(図示せず:光学部品に相当)を直接装着する。
【0027】
<1.第1の実施の形態>
[レンズアダプタの構成例]

図4は、本発明のレンズアダプタの一実施形態(第1の実施の形態)としての、レンズアダプタ10を取り付ける際の状況を示す斜視図である。
図4に示すように、デジタルスチルカメラ100は、沈胴式のズームレンズユニット130を備えている。ここで、より高倍率での撮影を可能とするテレコンバージョンレンズ150を使用するに際し、重いテレコンバージョンレンズ150をズームレンズユニット130に直接取り付けると、ズームレンズユニット130の駆動系に負担をかけ、故障等の原因となる。
【0028】
そこで、デジタルスチルカメラ100のレンズリング140に円筒形状のレンズアダプタ10を取り付け、レンズアダプタ10にテレコンバージョンレンズ150を装着する。このレンズアダプタ10は、内枠20及び外枠30によって構成されている。そして、内枠20の外挿部21をレンズリング140に外挿した後、固定溝141に固定するようになっている。また、テレコンバージョンレンズ150は、内枠20の装着部22にねじ込んで装着する。
なお、実際の使用時は、テレコンバージョンレンズ150やワイドコンバージョンレンズを予めレンズアダプタ10の装着部22にねじ込んでおき、そのレンズアダプタ10をレンズリング140にワンタッチで取り付ける。
【0029】
このように、テレコンバージョンレンズ150は、円筒形状のレンズアダプタ10を介してデジタルスチルカメラ100に装着する。そのため、レンズアダプタ10の内部空間がズームレンズユニット130の突出領域となる。したがって、テレコンバージョンレンズ150の重量をズームレンズユニット130に負担させず、ズームレンズユニット130のズーミングにも支障なく、テレコンバージョンレンズ150による高倍率での撮影が可能となる。
【0030】
図5は、本発明のレンズアダプタの一実施形態(第1の実施の形態)としての、レンズアダプタ10を示す斜視図である。
また、図6は、本発明のレンズアダプタの一実施形態(第1の実施の形態)としての、レンズアダプタ10の内枠20を示す斜視図である。
図5に示すように、第1の実施の形態のレンズアダプタ10は、内枠20、外枠30(本発明における操作部に相当)、及びストッパ40(本発明における固定片に相当)を有している。
【0031】
ここで、内枠20は、レンズリング140(図4参照)の外周面に外挿可能な外挿部21と、ズームレンズユニット130(図4参照)の光軸に一致するようにテレコンバージョンレンズ150(図4参照)を装着可能な装着部22とを有している。そのため、外挿部21をレンズリング140に外挿し、装着部22にテレコンバージョンレンズ150を装着すれば、ズームレンズユニット130だけを使用した場合よりも高い倍率での撮影が可能となる。
なお、装着部22の内周面にはねじ溝が形成されており、テレコンバージョンレンズ150やワイドコンバージョンレンズ等の各種の光学部品をねじ込んで装着できるようになっている。
【0032】
また、内枠20は、ストッパ40を揺動自在に支持する支持軸23(図5参照)を有している。この支持軸23は、外挿部21の円周を3等分する位置に3つ形成されており、それぞれにストッパ40がはめ込まれている。そのため、3つのストッパ40は、各支持軸23を中心としてシーソーのような動きで回動できる。そして、各ストッパ40には、図6に示すように、突部41、山部42、及び谷部43が形成されており、突部41がレンズリング140(図4参照)の固定溝141(図4参照)に出入りするようになっている。
なお、支持軸23及びストッパ40は、3つに限らず、4つ以上であってもよい。
【0033】
さらにまた、内枠20は、ガイド溝24を有している。このガイド溝24は、支持軸23(図5参照)と同様に3つ形成されており、内枠20に外挿された外枠30(図5参照)をガイドする。
具体的には、各ガイド溝24は、装着部22側の解除位置24aから外挿部21に向かい、その後、外挿部21の円周方向に向かって固定位置24bに到達するまでの略L字形となっている。そして、各ガイド溝24には、外枠30の内周面に形成されたガイド突起31(図示せず)がそれぞれはめ込まれるようになっている。そのため、外枠30は、各ガイド溝24にそって、ズームレンズユニット130(図4参照)の光軸方向に移動可能で、かつ外枠30をデジタルスチルカメラ100(図1参照)に向けて移動させた状態でズームレンズユニット130の円周方向に回転可能となる。
【0034】
さらに、内枠20は、各ガイド溝24にそって移動させた外枠30を固定位置24bで保持するための保持部25を有している。この保持部25は、外枠30のガイド突起31(図示せず)が固定位置24bに到達したときに、外枠30に形成された保持突起32(図示せず)が適度なクリック感を持ってはめ込まれるように設けられている。そのため、外枠30は、ガイド突起31が固定位置24bに移動した状態で、保持突起32が保持部25によって適度な力で保持される。
【0035】
一方、外枠30(図5参照)は、内周面に揺動ガイド33(図5参照)を有している。この揺動ガイド33は、ストッパ40との位置関係に応じて、図6に示す突部41がレンズリング140(図4参照)の固定溝141(図4参照)に出入りするようにストッパ40を揺動させる。
具体的には、外枠30のガイド突起31(図示せず)が解除位置24aにあるときは、ストッパ40の山部42及び谷部43と揺動ガイド33との位置関係によってストッパ40が外向きに開く。そのため、突部41が固定溝141から抜け出た解除状態となる。逆に、ガイド突起31が固定位置24b(図6参照)にあるときは、ストッパ40が内向きに閉じるように揺動し、突部41が固定溝141に入り込んだ固定状態となる。
なお、外枠30の側面には、外枠30を移動させて揺動ガイド33を操作する際の便宜のため、窪みを施した把持部34が形成されている。また、外枠30の下面には、三脚の雲台160(図示せず)の取付けに配慮してDカット処理を施した雲台載置部35が形成されている。
【0036】
図7は、本発明のレンズアダプタの一実施形態(第1の実施の形態)としての、レンズアダプタ10の解除状態を示す斜視図である。
また、図8は、本発明のレンズアダプタの一実施形態(第1の実施の形態)としての、レンズアダプタ10の解除状態を示す断面図である。
図7及び図8に示すように、外枠30が内枠20の装着部22側に位置していれば、ストッパ40が解除状態となる。
【0037】
この解除状態では、外枠30のガイド突起31が内枠20のガイド溝24の解除位置24a(図7参照)にある。これにより、外枠30の揺動ガイド33aは、ストッパ40の山部42の上面に当接する位置となり、山部42を押し下げる。
一方、揺動ガイド33bは、ストッパ40の谷部43の上方に位置しており、ストッパ40との間に隙間がある。そのため、ストッパ40は、支持軸23(図8参照)を中心として山部42が押し下げられるように反時計回りに回動し、山部42と反対側の突部41が外に向けて開くようになる。
【0038】
したがって、外枠30を内枠20の装着部22側に位置させ、ガイド突起31をガイド溝24の解除位置24a(図7参照)にすれば、揺動ガイド33aがストッパ40の山部42を押し下げて突部41を開かせる。そのため、突部41は、図8に示すように、外挿部21に挿入されたレンズリング140の固定溝141から抜け出た状態となる。その結果、レンズアダプタ10の外挿部21に対し、レンズリング140を自由に出し入れできる解除状態となる。
【0039】
図9は、本発明のレンズアダプタの一実施形態(第1の実施の形態)としての、レンズアダプタ10の固定状態を示す斜視図である。
また、図10は、本発明のレンズアダプタの一実施形態(第1の実施の形態)としての、レンズアダプタ10の固定状態を示す断面図である。
図9及び図10に示すように、外枠30が内枠20の外挿部21側に位置していれば、ストッパ40が固定状態となる。
【0040】
この固定状態では、外枠30のガイド突起31が内枠20のガイド溝24の固定位置24b(図9参照)にある。これにより、外枠30の揺動ガイド33bは、ストッパ40の突部41の上面に当接する位置となり、突部41を押し下げる。
一方、揺動ガイド33aは、支持軸23(図10参照)の上方に位置しており、山部42から離れているだけでなく、支持軸23を中心とするストッパ40の揺動に影響を及ぼさない位置にある。そのため、ストッパ40は、支持軸23を中心として突部41が押し下げられるように時計回りに回動し、突部41が内に向かって閉じるようになる。
【0041】
したがって、外枠30を内枠20の外挿部21側に位置させ、ガイド突起31をガイド溝24の固定位置24b(図9参照)にすれば、揺動ガイド33bがストッパ40の突部41を押し下げて突部41を閉じる方向に揺動させる。そのため、突部41は、図10に示すように、外挿部21に挿入されたレンズリング140の固定溝141に入り込んだ状態となる。その結果、レンズアダプタ10の外挿部21に対し、レンズリング140が固定された固定状態となる。
【0042】
また、図9に示すように、外枠30の保持突起32が保持部25によって適度な力で保持される。そのため、外枠30が自然に動いてしまい、固定状態が不用意に解除されることが防止される。さらにまた、レンズアダプタ10は、図10に示すように、内枠20の内部空間により、ズームレンズユニット130のズーミングに対応できる。さらに、外枠30の雲台載置部35により、大きな雲台160にも対応できる。
【0043】
このように、第1の実施の形態のレンズアダプタ10は、ストッパ40の突部41がレンズリング140の固定溝141から抜け出た解除状態(図8参照)から、突部41が固定溝141に入り込んだ固定状態(図10参照)に、簡単に移行させることができる。
具体的には、図7及び図8に示す解除状態において、図8に示すように、内枠20の外挿部21をレンズリング140に外挿する。
【0044】
次に、外挿部21に向かう光軸方向に外枠30を移動させるように操作する。これにより、外枠30のガイド突起31が解除位置24a(図7参照)から離れ、内枠20のガイド溝24にそって真っ直ぐに移動する。
また、外枠30の揺動ガイド33aがストッパ40の山部42から離れるとともに、外枠30の揺動ガイド33bがストッパ40の突部41の上面に当接するようになる。その結果、ストッパ40が支持軸23を中心として時計回りに回動し、図10に示すように、ストッパ40の突部41がレンズリング140の固定溝141にはまり込む。
【0045】
したがって、第1の実施の形態のレンズアダプタ10は、外枠30を操作し、内枠20の外挿部21に向けて移動させることにより、突部41が固定溝141に入り込んだ固定状態となる。
なお、揺動ガイド33a及び揺動ガイド33bは、外枠30を外挿部21に向けて移動させたときに固定状態になるように予め形成されており、突部41は、固定溝141にはまり込む形状に予め形成されている。
【0046】
ここで、外枠30は、光軸方向に移動可能であるので、外挿部21に向けて移動させた後、装着部22に向かって戻るように動いてしまうことがある。そして、突部41が固定溝141から抜け出た解除状態になってしまうことがある。
そこで、外枠30を外挿部21に向けて移動させた後、外枠30をさらに円周方向に時計回りに回転させる。これにより、図9に示すように、外枠30のガイド突起31が固定位置24bまで移動し、外枠30の保持突起32が内枠20の保持部25に保持されるようになる。したがって、不用意に解除状態に戻ることが防止される。
【0047】
逆に、第1の実施の形態のレンズアダプタ10を固定状態(図10参照)から解除状態(図8参照)にするには、図9に示す固定状態において、外枠30を円周方向に反時計回りに回転させる。これにより、外枠30の保持突起32が内枠20の保持部25から外れる。
さらに、外枠30を装着部22に向けて移動させ、図7に示すように、ガイド突起31を解除位置24aに位置させる。その結果、外枠30の揺動ガイド33aがストッパ40の山部42を押し下げるようになり、図8に示すような突部41が固定溝141から抜け出た解除状態となる。
【0048】
したがって、第1の実施の形態のレンズアダプタ10は、バヨネット方式のように、ワンタッチ・ツーアクション(外枠30の移動及び回転操作)で簡単かつ確実に、レンズリング140に固定することができる。しかも、バヨネット方式のような不格好なキー溝を設ける必要がなく、別部材を使ってキー溝を隠す必要もない。
【0049】
また、支持軸23に揺動自在に支持されたストッパ40ではなく、内枠に一体成形された可とう性のツメを使用する場合に比べ、着脱の際にツメが削れたり、レンズリング140に負荷が作用することもない。
なお、レンズリング140に接触しないように、予め外側に反った形状のツメとすることも考えられる。しかし、高温環境で長期間固定しておくと、熱クリープによって必要な反り形状が変形し、反りが小さくなってしまう。そのため、可とう性のツメでは結局、削れやレンズリング140への負荷の問題が発生する。
【0050】
<2.第2の実施の形態>
[レンズアダプタの構成例]

図11は、本発明のレンズアダプタの一実施形態(第2の実施の形態)としての、レンズアダプタ50の解除状態を示す断面図である。
図11に示すように、第2の実施の形態のレンズアダプタ50は、第1の実施の形態のレンズアダプタ10(図8参照)と同様に、内枠20、外枠30、及びストッパ40を有している。
【0051】
ここで、内枠20は、レンズリング140の外周面に外挿可能な外挿部21と、コンバージョンレンズ等の光学部品を装着可能な装着部22と、ストッパ40を揺動自在に支持する支持軸23とを有している。そして、弾性突部51、山部42、及び谷部43が形成されたストッパ40は、支持軸23を中心としてシーソーのような動きで回動でき、弾性突部51がレンズリング140の固定溝141に出入りする。
なお、支持軸23及びストッパ40は、外挿部21の円周を3等分する位置に3つ設けられているが、4つ以上であってもよい。
【0052】
また、内枠20は、ガイド溝24を有している。このガイド溝24は、内枠20に外挿された外枠30のガイド突起31をガイドする。そのため、外枠30は、ガイド溝24にそって光軸方向に移動可能となっている。
なお、ガイド溝24は、第1の実施の形態のレンズアダプタ10(図7参照)と同様の略L字形となっている。したがって、外枠30を外挿部21に向けて移動させた後、外枠30をさらに円周方向に時計回りに回転させることができる。
【0053】
さらにまた、外枠30は、揺動ガイド33a及び揺動ガイド33bを有している。この揺動ガイド33a及び揺動ガイド33bは、ストッパ40との位置関係に応じて、弾性突部51がレンズリング140の固定溝141に出入りするようにストッパ40を揺動させる。さらに、外枠30の下面には、三脚の雲台160(図10参照)の取付けに配慮してDカット処理を施した雲台載置部35が形成されている。
【0054】
このような第2の実施の形態のレンズアダプタ50は、ストッパ40の弾性突部51がレンズリング140の固定溝141から抜け出た解除状態(図11参照)から、弾性突部51が固定溝141に入り込んだ固定状態に、簡単に移行させることができる。
具体的には、最初に、図11に示す解除状態において、内枠20の外挿部21をレンズリング140に外挿する。
【0055】
次に、外挿部21に向かう光軸方向に外枠30を移動させるように操作する。これにより、外枠30のガイド突起31が内枠20のガイド溝24にそって真っ直ぐに移動する。
また、外枠30の揺動ガイド33aがストッパ40の山部42から離れるとともに、外枠30の揺動ガイド33bがストッパ40の弾性突部51の上面に当接するようになる。その結果、ストッパ40が支持軸23を中心として時計回りに回動し、弾性突部51がレンズリング140の固定溝141にはまり込む。
【0056】
したがって、第2の実施の形態のレンズアダプタ50は、外枠30を操作し、内枠20の外挿部21に向けて移動させることにより、弾性突部51が固定溝141に入り込んだ固定状態となる。
なお、外枠30を外挿部21に向けて移動させた後、外枠30をさらに円周方向に時計回りに回転させることにより、第1の実施の形態のレンズアダプタ10(図9参照)と同様に、外枠30の保持突起が内枠20の保持部に保持される。そのため、不用意に解除状態に戻ることが防止される。
【0057】
ここで、弾性突部51は、弾性を有する材料(本実施形態では、ゴム)によって形成されており、樹脂製の山部42及び谷部43とゴム製の弾性突部51とが2色成形等によって一体成形されている。したがって、ストッパ40は、固定溝141に出入りする弾性突部51が適度な弾性を持っている。これにより、弾性突部51が固定溝141にはめ込まれると、弾性突部51が若干潰れるようになるので、レンズアダプタ50がしっかり固定されるとともに、取り付けたときのガタが完全に防止される。
【0058】
また、レンズダプタ50を取り付ける際のストッパ40とレンズリング140との擦れによる粉吹きを防止でき、耐久性も向上する。さらにまた、レンズアダプタ50の着脱の際の接触ノイズを低減させることができ、使用者の利便性が向上する。
なお、幅が広く、深い固定溝であれば、弾性突部のはめ込み領域を増やすことができるので、より確実な固定が可能となる。
【0059】
<3.第3の実施の形態>
[レンズアダプタの構成例]

図12は、本発明のレンズアダプタの一実施形態(第3の実施の形態)としての、レンズアダプタ60の解除状態を示す斜視図である。
また、図13は、本発明のレンズアダプタの一実施形態(第3の実施の形態)としての、レンズアダプタ60の固定状態を示す斜視図である。
図12及び図13に示すように、第3の実施の形態のレンズアダプタ60は、第1の実施の形態のレンズアダプタ10(図7及び図9参照)と同様に、内枠20、外枠30、及びストッパ40を有している。そして、ストッパ40は、内枠20の支持軸に揺動自在に支持されている。
【0060】
ここで、内枠20は、ガイド溝61を有している。このガイド溝61は、装着部22の円周を3等分する位置に3つ設けられており、内枠20に外挿された外枠30をガイドする。
具体的には、各ガイド溝61は、装着部22側の解除位置61aから外挿部21に向かい、固定位置61bに到達するまでの一直線状となっている。そして、各ガイド溝61には、外枠30の内周面に形成されたガイド突起62がそれぞれはめ込まれるようになっている。そのため、外枠30は、各ガイド溝61にそって、ズームレンズユニット130(図4参照)の光軸方向に移動可能となる。
【0061】
また、内枠20は、各ガイド溝61にそって移動させた外枠30を固定位置61bで保持するための保持部63を有している。この保持部63は、外枠30のガイド突起62が固定位置61bに到達したときに、外枠30に形成された保持突起64が適度なクリック感を持ってはめ込まれるように設けられている。そのため、外枠30は、ガイド突起62が固定位置61bに移動した状態で、保持突起64が保持部63によって適度な力で保持される。
【0062】
さらにまた、外枠30は、内周面に揺動ガイド33a及び揺動ガイド33bを有している。これらの揺動ガイド33a及び揺動ガイド33bは、ストッパ40との位置関係に応じて、突部41がレンズリング140(図4参照)の固定溝141(図4参照)に出入りするようにストッパ40を揺動させる。
具体的には、図12に示すように、外枠30を内枠20の装着部22側に位置させ、ガイド突起62がガイド溝61の解除位置61aにあれば、揺動ガイド33aがストッパ40の山部42を押し下げて突部41を開く方向に揺動させる。そのため、突部41は、外挿部21に挿入されたレンズリング140の固定溝141から抜け出た状態となる。その結果、レンズアダプタ10の外挿部21に対し、レンズリング140を自由に出し入れできる解除状態となる。
【0063】
一方、図13に示すように、外枠30を内枠20の外挿部21側に移動させ、ガイド突起62がガイド溝61の固定位置61bにくるようにすれば、揺動ガイド33bがストッパ40の突部41を押し下げて突部41を閉じる方向に揺動させる。そのため、突部41は、外挿部21に挿入されたレンズリング140(図4参照)の固定溝141(図4参照)に入り込んだ状態となる。その結果、レンズアダプタ10の外挿部21に対し、レンズリング140が固定された固定状態となる。
また、外枠30の保持突起64が保持部63によって適度な力で保持される。したがって、外枠30が自然に動いてしまい、固定状態が不用意に解除されることが防止される。
【0064】
このように、第3の実施の形態のレンズアダプタ60は、外枠30の移動操作のみのワンタッチ・ワンアクションで、簡単かつ確実にレンズリング140(図4参照)に固定することができる。そのため、第1の実施の形態のレンズアダプタ10(図7及び図9参照)よりもさらに利便性が向上する。
なお、第3の実施の形態のレンズアダプタ60では、外枠30が直線的に移動するだけなので、固定状態の不用意な解除を避けるため、保持部63による保持突起64の保持力を強めに設定しておくことが好ましい。この保持力の調整は、例えば、保持部63の凹みを深くし、保持突起64をその凹みに合わせて高くすればよい。
【0065】
<4.第4の実施の形態>
[レンズアダプタの構成例]

図14は、本発明のレンズアダプタの一実施形態(第4の実施の形態)としての、レンズアダプタ70の解除状態を示す断面図である。
また、図15は、本発明のレンズアダプタの一実施形態(第4の実施の形態)としての、レンズアダプタ70の固定状態を示す断面図である。
図14及び図15に示すように、第4の実施の形態のレンズアダプタ70は、第1の実施の形態のレンズアダプタ10(図8及び図10参照)と同様に、内枠20、外枠30、及びストッパ40を有している。
【0066】
ここで、内枠20は、レンズリング140の外周面に外挿可能な外挿部21と、コンバージョンレンズ等の光学部品を装着可能な装着部22と、ストッパ40を揺動自在に支持する支持軸23とを有している。そして、突部41が形成されたストッパ40は、支持軸23を中心としてシーソーのような動きで回動でき、突部41がレンズリング140の固定溝141に出入りする。
なお、支持軸23及びストッパ40は、外挿部21の円周を3等分する位置に3つ設けられているが、4つ以上であってもよい。
【0067】
また、内枠20は、ストッパ40の一端部を押し下げるように付勢する板バネ71を有している。そのため、ストッパ40は、支持軸23を中心として板バネ71側が押し下げられるように反時計回りに回動し、板バネ71と反対側の突部41が外に向けて常に開くように付勢された状態となっている。
さらにまた、内枠20は、ガイド溝72を有している。このガイド溝72は、内枠20の円周方向に所定の長さで形成されており、内枠20に外挿された外枠30のガイド突起73をガイドする。したがって、外枠30は、ガイド溝72にそって円周方向に所定の範囲内で回転可能となっている。
【0068】
さらに、外枠30は、揺動ガイド74を有している。この揺動ガイド74は、一端側が低く他端側が高くなるような傾斜面に形成されている。具体的には、図14に示すようなほとんど高さのない形状から、外枠30を円周方向に時計回りに回転させることにより、図15に示すような高さのある形状になるまで徐々に変化する。そして最後は、一定の高さになる。さらにまた、外枠30の下面には、三脚の雲台160(図10参照)の取付けに配慮してDカット処理を施した雲台載置部35が形成されている。
なお、一端側が低く他端側が高くなるような揺動ガイド74は、第1の実施の形態のレンズアダプタ10(図8及び図10参照)等に適用することもできる。
【0069】
このような第4の実施の形態のレンズアダプタ70は、ストッパ40の突部41がレンズリング140の固定溝141から抜け出た解除状態(図14参照)から、突部41が固定溝141に入り込んだ固定状態(図15参照)に、簡単に移行させることができる。
具体的には、最初に、図14に示す解除状態において、内枠20の外挿部21をレンズリング140に外挿する。
【0070】
次に、外枠30を円周方向に時計回りに回転させるように操作する。これにより、外枠30のガイド突起73が内枠20のガイド溝72にそって時計回りに回転する。
また、外枠30の揺動ガイド74が徐々に高くなり、突部41の上面を押し下げる。その結果、ストッパ40は、板バネ71の付勢に反して、支持軸23を中心として時計回りに回動するようになり、図15に示すように、突部41がレンズリング140の固定溝141にはまり込む。
【0071】
したがって、第4の実施の形態のレンズアダプタ70は、外枠30を操作し、円周方向に時計回りに回転させることにより、突部41が固定溝141に入り込んだ固定状態となる。そのため、ワンタッチ・ワンアクション(外枠30の回転操作のみ)で簡単かつ確実に固定することができるので、第1の実施の形態のレンズアダプタ10(図8及び図10参照)よりもさらに利便性が向上する。
【0072】
また、揺動ガイド74は、時計回りの回転方向に徐々に高くなるように形成されているので、図15に示す固定状態では、突部41がより強く押し付けられている。そのため、固定されたレンズアダプタ70のガタつきが完全に防止される。しかも、固定時の応力に十分耐えられる取付け強度を維持しながら、固定溝141の深さを最小限にできるので、デジタルスチルカメラ100(図4参照)の小型化にも貢献できる。
なお、図15に示す固定状態では、第1の実施の形態のレンズアダプタ10(図9参照)と同様に、外枠30の保持突起が内枠20の保持部に保持される。そのため、不用意に解除状態に戻ることが防止される。
【0073】
<5.第5の実施の形態>
[コンバージョンレンズの構成例]

図16は、本発明のコンバージョンレンズの一実施形態(第5の実施の形態)としての、テレコンバージョンレンズ80の固定状態を示す断面図である。
図16に示すように、第5の実施の形態のテレコンバージョンレンズ80は、第1の実施の形態のレンズアダプタ10(図10参照)と同様に、内枠20、外枠30、及びストッパ40を有している。
【0074】
ここで、内枠20は、レンズリング140の外周面に外挿可能な外挿部21と、ストッパ40を揺動自在に支持する支持軸23とを有している。そして、突部41、山部42、及び谷部43が形成されたストッパ40は、支持軸23を中心としてシーソーのような動きで回動でき、突部41がレンズリング140の固定溝141に出入りする。
なお、支持軸23及びストッパ40は、外挿部21の円周を3等分する位置に3つ設けられているが、4つ以上であってもよい。
【0075】
また、内枠20は、ガイド溝24を有している。このガイド溝24は、内枠20に外挿された外枠30のガイド突起31をガイドする。そのため、外枠30は、ガイド溝24にそって光軸方向に移動可能となっている。
なお、ガイド溝24は、第1の実施の形態のレンズアダプタ10(図9参照)と同様の略L字形となっている。したがって、外枠30を外挿部21に向けて移動させた後、外枠30をさらに円周方向に時計回りに回転させることができる。
【0076】
さらにまた、内枠20には、第1レンズ81、第2レンズ82、及び第3レンズ83(本発明における補助レンズに相当)が光軸に沿って配列されている。そのため、テレコンバージョンレンズ80をレンズリング140に装着することにより、高い倍率での撮影ができるようになる。
なお、内枠20に配列するレンズにより、ワイドコンバージョンレンズやマクロコンバージョンレンズとすることもできる。
【0077】
一方、外枠30は、揺動ガイド33a及び揺動ガイド33bを有している。この揺動ガイド33a及び揺動ガイド33bは、ストッパ40との位置関係に応じて、突部41がレンズリング140の固定溝141に出入りするようにストッパ40を揺動させる。また、外枠30の下面には、三脚の雲台160の取付けに配慮してDカット処理を施した雲台載置部35が形成されている。
【0078】
このような第5の実施の形態のテレコンバージョンレンズ80は、ストッパ40の突部41がレンズリング140の固定溝141から抜け出た解除状態から、突部41が固定溝141に入り込んだ固定状態(図16参照)に、簡単に移行させることができる。
具体的には、最初に、解除状態において、内枠20の外挿部21をレンズリング140に外挿する。
【0079】
次に、外挿部21に向かう光軸方向に外枠30を移動させるように操作する。これにより、外枠30のガイド突起31が内枠20のガイド溝24にそって真っ直ぐに移動する。
また、外枠30の揺動ガイド33aがストッパ40の山部42から離れるとともに、外枠30の揺動ガイド33bがストッパ40の突部41の上面に当接するようになる。その結果、ストッパ40が支持軸23を中心として時計回りに回動し、突部41がレンズリング140の固定溝141にはまり込む。
【0080】
このように、第5の実施の形態のテレコンバージョンレンズ80は、外枠30を操作し、内枠20の外挿部21に向けて移動させることにより、突部41が固定溝141に入り込んだ固定状態となる。また、外枠30を外挿部21に向けて移動させた後、外枠30をさらに円周方向に時計回りに回転させることにより、第1の実施の形態のレンズアダプタ10(図9参照)と同様に、外枠30の保持突起が内枠20の保持部に保持される。
【0081】
したがって、第5の実施の形態のテレコンバージョンレンズ80は、ワンタッチ・ツーアクション(外枠30の移動及び回転操作)で簡単かつ確実に、レンズリング140に固定することができる。しかも、不用意に解除状態に戻ることが防止される。そして、高い倍率での撮影が可能となる。
【0082】
また、本発明は、上記の実施形態に限定されることなく、以下のような種々の変形等が可能である。
(1)実施形態では、レンズアダプタ10,50〜70をデジタルスチルカメラ100に装着するようにしている。また、テレコンバージョンレンズ80をデジタルスチルカメラに装着するようにしている。しかし、レンズアダプタ10,50〜70及びテレコンバージョンレンズ80は、デジタルビデオカメラやカメラ付携帯電話等の各種の撮像装置に装着できる。
【0083】
(2)実施形態のレンズアダプタ10,50〜70には、テレコンバージョンレンズ150を装着している。しかし、ワイドコンバージョンレンズ、マクロコンバージョンレンズ、フィルタ等を装着することもできる。また、本発明のコンバージョンレンズは、テレコンバージョンレンズ80だけでなく、ワイドコンバージョンレンズやマクロコンバージョンレンズであってもよい。
【0084】
(3)実施形態のレンズアダプタ10,50〜70及びテレコンバージョンレンズ80は、固定部が三角形をなすように3ヶ所にストッパ40を配置している。しかし、三脚用の雲台160に配慮する必要がない場合等は、ストッパ40を4ヶ所以上に増設して大きな応力にも耐えられるようにし、より確実に固定できるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0085】
10 レンズアダプタ
20 内枠
21 外挿部
22 装着部
23 支持軸
24 ガイド溝
25 保持部
30 外枠(操作部)
31 ガイド突起
33,33a,33b 揺動ガイド
35 雲台載置部
40 ストッパ(固定片)
41 突部
42 山部
43 谷部
50 レンズアダプタ
51 弾性突部(突部)
60 レンズアダプタ
63 保持部
70 レンズアダプタ
74 揺動ガイド
80 テレコンバージョンレンズ(コンバージョンレンズ)
81 第1レンズ(補助レンズ)
82 第2レンズ(補助レンズ)
83 第3レンズ(補助レンズ)
100 デジタルスチルカメラ(撮像装置)
130 ズームレンズユニット
131 前玉レンズ(撮像レンズ)
140 レンズリング
141 固定溝(溝)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像装置のレンズリングの外周面に形成された溝にはまり込む形状の突部と、
前記突部が形成された固定片と、
前記固定片を揺動自在に支持する支持軸と、
前記突部が前記溝に出入りするように前記固定片を揺動させるための揺動ガイドと、
前記突部が前記溝に入り込んだ固定状態又は前記突部が前記溝から抜け出た解除状態になるように前記揺動ガイドを操作する操作部と、
前記撮像装置の撮像レンズの光軸に一致するように光学部品を装着可能な装着部と
を有するレンズアダプタ。
【請求項2】
請求項1に記載のレンズアダプタにおいて、
前記操作部は、前記撮像レンズの光軸方向に移動可能であり、
前記揺動ガイドは、前記操作部を前記撮像装置に向けて移動させたときに、前記突部が前記固定状態になるように形成されている
レンズアダプタ。
【請求項3】
請求項1に記載のレンズアダプタにおいて、
前記操作部は、前記撮像レンズの光軸方向に移動可能で、かつ前記操作部を前記撮像装置に向けて移動させた状態で前記撮像レンズの円周方向に回転可能であり、
前記揺動ガイドは、前記操作部を前記撮像装置に向けて移動させたときに、前記突部が前記固定状態になるように形成されている
レンズアダプタ。
【請求項4】
請求項1に記載のレンズアダプタにおいて、
前記突部の前記固定状態を維持するように前記操作部を保持する保持部を有する
レンズアダプタ。
【請求項5】
請求項1に記載のレンズアダプタにおいて、
前記突部は、弾性を有する材料によって形成されている
レンズアダプタ。
【請求項6】
撮像装置のレンズリングの外周面に形成された溝にはまり込む形状の突部と、
前記突部が形成された固定片と、
前記固定片を揺動自在に支持する支持軸と、
前記突部が前記溝に出入りするように前記固定片を揺動させるための揺動ガイドと、
前記突部が前記溝に入り込んだ固定状態又は前記突部が前記溝から抜け出た解除状態になるように前記揺動ガイドを操作する操作部と、
前記撮像装置の撮像レンズの焦点距離を変更するための補助レンズと
を有するコンバージョンレンズ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2010−186085(P2010−186085A)
【公開日】平成22年8月26日(2010.8.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−30538(P2009−30538)
【出願日】平成21年2月12日(2009.2.12)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【出願人】(591146066)エース光学株式会社 (2)
【Fターム(参考)】