レンズ装置
【課題】イナーシャの大きいワイド端近傍でも移動レンズを停止させやすくし、停止精度を向上させることができる。
【解決手段】カム筒48が回転されると、移動枠46に突出されたピン46Bと一体となったラック47が光軸方向に移動し、ワイド端近傍のカムが立っている領域ではラック47に形成されたギア47Aとロータリダンパ49の出力軸に取り付けられたギア49Aとが噛み合い、移動枠46に粘性抵抗が加えられる。このように、イナーシャが大きくなり移動枠46が停止しにくくなる領域で、移動枠46にロータリダンパ49による制動力を作用させることで、移動枠46を停止させやするすることができる。
【解決手段】カム筒48が回転されると、移動枠46に突出されたピン46Bと一体となったラック47が光軸方向に移動し、ワイド端近傍のカムが立っている領域ではラック47に形成されたギア47Aとロータリダンパ49の出力軸に取り付けられたギア49Aとが噛み合い、移動枠46に粘性抵抗が加えられる。このように、イナーシャが大きくなり移動枠46が停止しにくくなる領域で、移動枠46にロータリダンパ49による制動力を作用させることで、移動枠46を停止させやするすることができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はレンズ装置に係り、特に手動でズーム等の調整を行うレンズ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
レンズ装置を持ち運び可能なENG(Electronic News Gathering)カメラに装着したものが、テレビの取材等で使用される。ENGカメラは、三脚に固定したり、携帯したりして撮影が行われる。
【0003】
特許文献1には、移動レンズを保持する保持環にカムピンが設けられ、このカムピンは固定鏡筒の直進溝及びカム筒のカム溝に摺動可能に嵌められており、カム筒が回転すると移動レンズが光軸方向に移動されることでズーミングが行われるENGレンズのレンズ装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平08−110455号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
図11は、特許文献1に記載の従来のENGカメラ用のレンズ装置におけるカム筒の展開図である。カム筒に形成されたカム溝101は、テレ端の近傍においてはカム筒100の周方向に対するカム溝101の角度θ(以下、カムの角度という)が小さいが、ワイド方向にいくほどカムの角度θは大きくなり、ワイド端ではカムの角度θは40°程度となる。カムの角度θが大きいワイド端近傍では、イナーシャが大きくなり移動レンズが停止しにくくなるため、所望の停止精度が得られないという問題がある。
【0006】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、イナーシャの大きいワイド端近傍でも移動レンズを停止させやすくし、停止精度を向上させることができるレンズ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するために、本発明の一の態様に係るレンズ装置は、直進溝及び第1の長孔が形成された略円筒形の本体と、前記本体の内部に回動自在に配設されたカム筒であって、カム溝と第2の長孔とが形成されたカム筒と、前記カム筒のカム溝に挿通され、かつ前記本体の直進溝に係合するカムピンが突設されるとともに、前記第1の長孔及び前記第2の長孔を貫通するピンが突設された移動枠であって、移動レンズを保持し、前記カム筒の回動に伴いカム溝及び直進溝に沿って前記移動レンズを光軸方向に前後移動させる移動枠と、前記本体の外側に配設され、前記移動枠がワイド端近傍の所定の範囲にある場合に前記ピンを介して前記移動枠に抵抗を付与するダンパと、を備えたことを特徴とする。
【0008】
本発明の一の態様に係るレンズ装置によれば、移動枠に突設されたピンが、カム溝に形成された第2の長孔及び本体に形成された第1の長孔を貫通する。移動枠がワイド端近傍の所定の範囲にある場合には、このピンを介してダンパが移動枠に抵抗を付与する。これにより、ワイド端近傍の所定の範囲では、ロータリダンパを用いて粘性抵抗による制動力を作用させることで、移動枠を停止しやすくすることができる。
【0009】
本発明の他の態様に係るレンズ装置において、前記所定の範囲は、前記カム筒の周方向に対する前記カム溝の角度が略40°〜50°の範囲であってもよい。すなわち、ワイド端近傍の所定の範囲は、カムの立っている領域としてもよい。
【0010】
本発明の他の態様に係るレンズ装置において、前記所定の範囲は、前記カム筒の回転に対する画角の変化量が所定の量以上となる範囲であってもよい。すなわち、ワイド端近傍の所定の範囲は、カム筒の回転に対する画角の変化量が所定の量以上となる範囲としてもよい。
【0011】
本発明の他の態様に係るレンズ装置において、前記本体の外側に配設されたラックを備え、前記ラックは、前記本体と接する面に前記ピンが嵌合する穴が形成され、前記本体と接する面と反対の面に歯車が形成され、前記ダンパは、ロータリダンパであり、前記ロータリダンパの出力軸には、前記ラックに形成された歯車と噛み合うギアが取り付けられ、前記移動枠がワイド端近傍の所定の範囲にあるときに前記ラックに形成された歯車と前記ロータリダンパの出力軸に設けられたギアとが噛み合うことで、前記移動枠に抵抗を付与してもよい。これにより、所定の範囲にあるときには、移動枠に常に一定の抵抗を付与することができる。
【0012】
本発明の他の態様に係るレンズ装置において、前記ダンパは、ロータリダンパであり、前記ロータリダンパの出力軸には、長手方向が前記ロータリダンパの径方向に突出したアームであって、前記移動枠がワイド端近傍の所定の範囲にある場合に前記ピンが摺動するアームが取り付けられ、前記移動枠がテレ側からワイド側に移動されると、前記ピンと前記ロータリダンパの出力軸との距離が短くなってもよい。これにより、移動枠がワイド端に近づくにしたがって、移動枠に加わる粘性抵抗を大きくすることができる。
【0013】
本発明の他の態様に係るレンズ装置において、前記第1の長孔は、前記直進溝と略平行に形成されてもよい。これにより、ピンを光軸方向に移動させることができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、イナーシャの大きいワイド端近傍でも移動レンズを停止させやすくし、停止精度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明が適用された第1の実施の形態におけるENGレンズの外観を示した平面図
【図2】ENGレンズの外観を示した背面図
【図3】レンズ鏡胴を側面から見た断面図
【図4】図3の要部拡大図
【図5】図3の要部拡大図
【図6】カム溝の形状を示す図
【図7】画角の変化を示す図
【図8】第2の実施の形態におけるENGレンズのレンズ鏡胴の要部拡大図
【図9】第2の実施の形態におけるENGレンズのレンズ鏡胴の要部拡大図
【図10】レンズ鏡胴の要部側面図
【図11】カム溝の形状を示す図
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、添付図面に従って本発明に係るレンズ装置の好ましい実施の形態について詳説する。このレンズ装置は、放送用又は業務用として取材などで携帯されるENGカメラ等のカメラ装置に装着されるレンズ装置である。
【0017】
<第1の実施の形態>
図1及び図2は、レンズ装置の平面図及び背面図であり、主として、レンズ鏡胴1と、駆動ユニット2とで構成される。レンズ鏡胴1は、後端のマウント部によりカメラ本体に着脱可能である。
【0018】
レンズ鏡胴1は、前方側(対物側)から入射される被写体光を集光してカメラ装置の撮像面に被写体像を結像する撮影光学系を内部に保持している。撮影光学系は、主として、フォーカスレンズ(群)、ズームレンズ(群)、絞り、リレーレンズ(群)で構成される。
【0019】
レンズ鏡胴1には、外周部に回動可能なフォーカスリング4、ズームリング5及びアイリスリング6が設けられ、レンズ鏡胴1の後端部にはエクステンダ3が設けられる。
【0020】
フォーカスリング4を回動操作すると、フォーカスレンズが光軸に沿って前後移動してピント位置が変化する。ズームリング5を回動操作すると、ズームレンズが光軸に沿って前後移動して焦点距離が変化する。アイリスリング6を回動操作すると、絞りが開閉動作して絞り値が変化する。エクステンダ3は、図示しないレバーを回動操作することで像倍率を1倍と2倍とで切りかえることができるようになっている。
【0021】
レンズ鏡胴1の先端(図1中左側、被写体側)には、撮影光学系の焦点距離を所定倍率分広角側にシフトさせるワイドコンバータ7が取り付けられる。ワイドコンバータ7は、レンズ鏡胴1から着脱可能に構成され、ワイドコンバータ7の代わりに他の前面アクセサリを取り付け可能である。
【0022】
レンズ鏡胴1の側部には、前記フォーカスリング4、ズームリング5及びアイリスリング6を駆動する駆動ユニット2が設けられている。駆動ユニット2はケース20を有し、このケース20はビス21を介してレンズ鏡胴1の側部に取り付けられる。
【0023】
ケース20外面には、レンズ操作のための各操作部材が設けられている。ケース20の上面には、アイリスのオート/マニュアルモード切替スイッチ22、アイリスモーメンタリースイッチ23、ズームシーソコントロールスイッチ24(以下、シーソスイッチという)、リターンスイッチ25等が設けられている。
【0024】
シーソスイッチ24は、中立位置を基準に揺動自在に設置され、シーソスイッチ24をテレ(T)側又はワイド(W)側に押圧操作すると、前記ズームリング5がテレ側又はワイド側に回動するようになっている。また、シーソスイッチ24の押し込み量(操作量)によってズームスピードを調整することができ、その押し込み量が大きいほどズームスピードは高速になる。
【0025】
ケース20の側面にはグリップバンド29が設けられ、カメラマンはこのグリップバンド29の中に右手(親指以外の4本の指)を挿入してレンズ鏡胴1を保持することができるようになっている。また、ケース20の後面にはVTRスイッチ26及びクイックズーム&定速オートズームスイッチ27が配設され(図2参照)、これらのスイッチ26、27はカメラマンが右手の親指で操作できるようになっている。
【0026】
ケース20内には、駆動装置が配設されている。駆動装置は、ズームリング5及びアイリスリング6を駆動するための駆動手段を有するとともに、内部に制御基板が配設される。シーソスイッチ24により電動でズームレンズ32(後に詳述)等を駆動制御するとともに、フォーカスレンズ36(後に詳述)や虹彩絞り40(後に詳述)を制御する。駆動手段とズームリング5及びアイリスリング6とは図示しないギア伝達機構を介して連結されるが、各ギア伝達機構には切替手段が備えられ、ズームリング5及びアイリスリング6を手動で操作する場合に各モータへ動力が伝達されないようになっている。
【0027】
図3は、レンズ鏡胴1を側面から見た断面図であり、光軸Oから上半分に関して示している。図1において、レンズ装置1のレンズ鏡胴本体は、主として前枠10、前固定環12、第1本体環14、第2本体環16、後固定環18、マウント取付枠11、及びマウント環13によって略円筒状に構成されている。このレンズ装置1は、マウント環13を介してレンズ交換式のカメラ本体に装着される。
【0028】
第1本体環14は、レンズ鏡胴本体の最内周の構成部材であり、この第1本体環14の外周前方側に前固定環12がねじにより固定され、前固定環12の前方に前枠10がねじにより固定されている。また、第1本体環14の外周後方側に第2本体環16がねじにより固定され、第2本体環16の後方に後固定環18が、後固定環18の後方にマウント取付枠11が、マウント取付枠11の後方にマウント環13がそれぞれねじにより固定されている。
【0029】
このレンズ装置1における光学系は、物体側から順に、固定レンズ(第1群レンズ)30、ズーム(変倍)レンズ(第2群レンズ)32、前マスターレンズ(第3群レンズ)34、フォーカスレンズ(第4群レンズ)36、及び後マスターレンズ(第5群レンズ)38の5群から構成されている。また、前マスターレンズ34の直前には、虹彩絞り40が設けられている。
【0030】
ズームレンズ32が取り付けられたレンズ枠42は、押え環44により移動枠46に固定されている。第1本体環14の内周部にはカム筒48が回動可能に保持されており、移動枠46は、カムピン46Aを介してカム筒48の内周部に保持されている。
【0031】
即ち、第1本体環14の内周面には光軸O方向の直進溝14Aが形成されるとともに、カム筒48にはカム溝(カム形状の孔)48Aが形成されており、移動枠46に固定されたカムピン46Aが、カム筒48のカム溝48Aを挿通して第1本体環14の直進溝14Aに係合されている。これによって移動枠46は、回転が規制された状態で光軸O方向に直進可能に保持されるとともに、カムピン46Aがカム溝48Aに係合する位置に保持される。
【0032】
したがって、カム筒48が回動すると、カム筒48のカム溝48Aと第1本体環14の直進溝14Aとの交差位置がカム形状に応じた位置に変化し、その交差位置へのカムピン46Aの移動によって移動枠46が光軸O方向に進退移動する。
【0033】
また、第1本体環14には光軸O方向の長孔14Bが形成され、移動枠に突設されたピン46Bが、カム筒48のカム溝48Aと平行に形成された長孔14B及び第1本体環14の長孔14Bを挿通してロータリダンパ49から抵抗力を受けるように構成されている。なお、この構成については後に詳述する。
【0034】
一方、第2本体環16の外周部には、ズームリング5が回動可能に配置されており、そのズームリング5の内周面の径方向内向きに棒状の連結軸52が取り付けられている。この連結軸52は、第1本体環14に形成された周方向の長孔(図示せず)を挿通してカム筒48に連結されている。これにより、ズームリング5を回動操作すると、それに連動してカム筒48が回動する。カム筒48が回動すると、上述のように移動枠46が進退移動し、移動枠46と連動してズームレンズ32が光軸O方向に移動する。したがって、ズームリング5の回動操作によりズーム倍率が変更されるようになっている。
【0035】
虹彩絞り40は、主としてプラスチック製の地板(絞り枠)54と、菊座(カム板)56と、絞り枠54とカム板56との間に配置された複数枚の絞り羽根58とによって構成されている。後固定環18とマウント取付枠11との間には、アイリスリング6が回動可能に配設され、このアイリスリング6には、カム板56から延出する連結軸56Aが連結されている。これにより、アイリスリング6の回動によりカム板56が回動し、絞り羽根58が開閉動作するようになっている。
【0036】
フォーカスレンズ36は、光学系の焦点位置を変更するもので、前マスターレンズ34等を保持する保持枠62と、この保持枠62の後端に配設される後マスターレンズ38のレンズ枠64との間に保持されているガイド軸及び回り止め(図示せず)により、光軸O方向に移動可能に支持されている。また、保持枠62には、ガイド軸を挟んで一対のボイスコイルモータ(VCM)66が配設されており、フォーカスレンズ36は、このVCM66の動力によって電動で駆動されるようになっている。
【0037】
前固定環12の外周部には、第1フォーカスリング4A、及び第2フォーカスリング4Bがそれぞれ回動可能に配置されている。第1フォーカスリング4Aは、回動範囲が規制されておらず、エンドレスに回転させることができるとともに、光軸方向にスライド可能に配設されている。また、第2フォーカスリング4Bは、ストッパー軸74により約120度の範囲内で回動できるように規制されている。
【0038】
第1フォーカスリング4Aと第2フォーカスリング4Bとが対向する端面には、それぞれ鋸歯状のクラッチ部70A、72Aが形成されており、図1に示す状態では、クラッチ部70A,72Aが連結(噛合)し、第1フォーカスリング4Aと第2フォーカスリング4Bとが一体的に回動する。したがって、この状態で、第1フォーカスリング4Aを手動で回動させる場合には、約120度の範囲内でのみ回動させることができる。
【0039】
一方、第1フォーカスリング4Aを、クリック用弾性部材76を乗り越えるように前方にスライドさせると、前記クラッチ部70A、72Aの連結が外れる。これにより第1フォーカスリング4Aは、エンドレスで回転できるようになる。
【0040】
本実施の形態では、カム筒48がロータリダンパ49から抵抗力を受けるように構成されている。図4、5を用いて当該構成について説明する。
【0041】
図4、5は、レンズ鏡胴1を長孔14Bに沿って切断したときのレンズ鏡胴1内部の部分断面図である。図4は、ギア47Aとギア49Aと(後で説明する)が噛み合い始める状態を示し、図5はズームレンズ32がワイド端にある状態を示す。なお、長孔14Bは、第1本体環14に形成された光軸O方向の長孔である。
【0042】
移動枠46には、カムピン46Aに隣接してピン46Bが突設される。ピン46Bは、カム筒48のカム溝48Aと平行に形成された長孔及び第1本体環14の長孔14を貫通して第1本体環14から突出する。
【0043】
ピン46Bの第1本体環14から突出した部分には、ラック47が配設される。ラック47は、略角柱状の部材であり、第1本体環14に接する面に穴47Bが形成される。この穴47Bにピン46Bが嵌合することにより、ピン46Bとラック47が一体化される。
【0044】
ラック47が第1本体環14の外周に沿って摺動可能となるように、ラック47の第1本体環14に接する面は第1本体環14の外周と同じ曲率で形成される。ラック47の第1本体環14に接する面と反対側の面には、ギア47Aが形成される。
【0045】
第1本体環14の外周面には、ロータリダンパ49が配設される。ロータリダンパ49は、オイルが充填されたケース内部にローターが設けられ、ローターが回転することによりオイルの粘性抵抗で制動力(ブレーキ)を作用させるものであり、ローターが時計回り、反時計回りのいずれの方向に回転する場合にも制動力が発生する両方向タイプのロータリダンパである。
【0046】
ロータリダンパ49の出力軸(ローターの出力軸)には、ギア49Aが圧入される。ギア49Aは、ギア47Aと噛み合い可能に形成される。
【0047】
図6はカム溝48Aの形状を示すためにカム筒48を展開した図である。ロータリダンパ49は、カムピン46Aがカム溝48Aの図6aの位置に来たときにギア47Aとギア49Aとが噛み合う(図4に示す状態)よう配設される。すなわち、移動枠46が図4に示す位置に来たときに移動枠46には粘性抵抗による制動力が作用し始める。
【0048】
図4に示す状態からズームリング5を回動操作すると、それに連動してカム筒48が回動し、ズームレンズ32がワイド端方向に移動する。カムピン46Aがカム溝48Aの図6bの位置に来たときに移動枠46の移動が停止して図5に示す状態となる。
【0049】
すなわち、図4に示す状態から図5に示す状態へと移動枠46が移動する間(すなわち、カムピン46Aがカム溝48Aの図6cの位置にいる間)、ギア47Aと49Aとは噛み合いを継続し、すなわち移動枠46には粘性抵抗による制動力が作用し続ける。
【0050】
図6に示すように、カム筒48に形成されたカム溝48Aは、テレ端の近傍においてはカム筒48の周方向に対するカム溝48Aの角度θ(以下、カムの角度という)が小さい(カムがねている)が、ワイド方向に行くほどカムの角度θは大きくなり(カムが立つ)、ギア47Aと49Aとが噛み合う図6cの範囲においては、カムの角度θは40°〜50°程度となる。図6cの範囲は、テレ端を0°、ワイド端を90°としたときのカム筒48の回転角度が略85°〜90°の範囲である。このようにワイド端近傍のカムの角度θが大きい範囲では、イナーシャが大きくなり移動枠46が停止しにくくなるため、移動枠46にロータリダンパ49による制動力を作用させて、移動枠46を停止しやすくする。これにより、所望の停止精度を得ることができる。
【0051】
図7は、移動枠46の位置と画角の変化との関係を示す図である。図7の横軸は、テレ端を0°、ワイド端を90°としたときのカム筒48の回転角度であり、縦軸は、カム筒48が1°回転したときの画角の変化量である。図7に示すように、図6cに相当する範囲dは、カム筒48の回転による画角の変化量が大きい範囲である。このように、カムの角度θが大きく移動枠46が停止しにくい範囲は、カム筒48が少し回転すると画角が大きく変わる範囲、すなわちカム筒の回転に対する画角の変化量が所定の量以上となる範囲である。したがって、この領域において移動枠46を停止しやすくすることで、画角が不要に変化することを防ぐことができる。
【0052】
本実施の形態によれば、カムの立っている領域では、ロータリダンパを用いて粘性抵抗による制動力を作用させることで、移動枠を停止しやすくすることができる。
【0053】
なお、本実施の形態では、ラック47を光軸方向に移動させて、ワイド端近傍でロータリダンパ49のギア49Aとラック47のギア47Aとを噛み合わせたが、ラックの移動方向は光軸方向に限られない。カム筒の回転に合わせてラックを回転させて、ワイド端近傍でロータリダンパのギアとラックのギアとを噛み合わせるようにしても良い。この場合には、ピン46Bの代わりにカム筒48にピンを突設し、第1本体環14にカム溝48Aと平行に形成された長孔を貫通させればよい。また、ロータリダンパ49の出力軸がカム溝48Aと直交するように、ロータリダンパ49を第1本体環14に配設すればよい。
【0054】
<第2の実施の形態>
第1の実施の形態では、ラック47を光軸方向に移動させ、ワイド端近傍でロータリダンパの出力軸に取り付けられたギアとラックのギアとを噛み合わることで、移動枠に粘性抵抗による制動力を作用させたが、移動枠に粘性抵抗による制動力を作用させる方法はこれに限られない。
【0055】
本発明の第2の実施の形態は、ロータリダンパの出力軸にアームを取り付け、アームを介して移動枠に粘性抵抗による制動力を作用させる形態である。以下、第2の実施の形態に係るレンズ装置について説明する。なお、駆動ユニット2については、第1の実施の形態と同一であるため説明を省略し、レンズ鏡胴1−1についてのみ説明する。また、第1の実施の形態と同一の部分については、同一の符号を付し、説明を省略する。
【0056】
図8、9は、レンズ鏡胴1−1の部分断面図であり、図8は、カムピン46Aがカム溝48Aの図6aの位置に来たときの状態を示し、図9はズームレンズ32がワイド端にある状態を示す。図10は、レンズ鏡胴1−1の主要部を光軸に沿って見た図である。
【0057】
第1本体環14の外周面には、ロータリダンパ49が配設される。ロータリダンパ49の出力軸(ローターの出力軸)には、長手方向がロータリダンパ49の径方向に突出するようにアーム49Bが圧入される。
【0058】
アーム49Bは、先端が折れ曲がった略くの字形状であり、先端にはピン49Cが突設される。ピン49Cには、バネ49Eの一端が取り付けられる。バネ49Eの他端は、第1本体環14に突設されたピン14Dに取り付けられる。したがって、バネ49Eにより、アーム49Bを図8、図9における反時計回りに回転させる力がアーム49Bに付勢される。第1本体環14には度決めピン14Cが配設され、バネ49Eにより反時計回りの回転力が付勢されたアーム49Bの回転が規制される。このアームの49Bの回転が規制された位置では、アーム49B先端部が光軸と略平行となるようにアーム49Bが形成される。したがって、光軸方向に移動するピン46Bが長孔49Dに案内される。
【0059】
アーム49Bには、先端から長手方向に沿って一端が開口した長孔49Dが形成される。ピン46Bは、この長孔49D内を摺動する。図8に示すように、カムピン46Aがカム溝48Aの図6aの位置に来たときには、ピン46Bは、アーム49Bの長孔49D先端から、長孔49D内のアーム49Bが折れ曲がる位置まで移動される。ピン46Bが長孔49D先端からアーム49Bが折れ曲がる位置まで移動する間は、長孔49Dの方向とピン44Bの移動方向とが略平行であるため、ピン46B、すなわち移動枠46にはロータリダンパ49から粘性抵抗は作用されない。
【0060】
カム筒48が回転し、移動枠46が図8に示す状態からワイド端方向に移動する間は、ピン46Bがアーム49Bを時計回り(図8、図9における方向)に押しながら光軸方向(図8、9においては左方向)に移動し、図9に示す位置でピン46Bがワイド端に達してピン46Bが停止する。
【0061】
ピン46Bは、長孔49D内をロータリダンパ49の出力軸に近づく方向に摺動しながらアーム49Bを回動させる。ピン46Bとロータリダンパ49の出力軸との距離が近くなると、ピン46B、すなわち移動枠46に加わる粘性抵抗が大きくなる。このような構成とすることで、よりイナーシャの大きいワイド端に近づくにしたがい、移動枠46に加わる粘性抵抗を大きくすることができる。
【0062】
移動枠46がワイド端からテレ端方向へ移動する場合、すなわちピン46Bが図8、9において右方向に移動する場合には、バネ49Eによる付勢力でピン46Bに粘性抵抗は加わらない。アーム49Bは、ピン46Bの光軸方向の移動に伴って、度決めピン14Cに当接するまで図8、9における反時計回りに回動する。
【0063】
本実施の形態によれば、イナーシャが大きくなるにしたがって移動枠に加わる粘性抵抗を大きくすることができる。したがって、より移動端を停止しやすくすることができる。なお、ワイド端に近づくにしたがい、カム筒の回転に対する画角の変化が大きくなって行く(図7参照)。このように、画角の変化が大きくなるのに伴い移動枠に加わる粘性抵抗を大きくすることで、意図せず画角が大きく変化することを防止することができる。
【0064】
なお、本実施の形態では、ピン46Bを光軸方向に移動させてアーム49Bと噛み合わせたが、第1の実施の形態と同様、カム筒の回転に合わせてピンを回転させてピンとアームとを噛み合わせるようにしても良い。
【0065】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。そのような変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【符号の説明】
【0066】
1…レンズ鏡胴、2…駆動ユニット、3…エクステンダ、4…フォーカスリング、5…ズームリング、6…アイリスリング、7…ワイドコンバータ、14…第1本体環、46…移動枠46、46A…カムピン、46B…ピン、47…ラック、47A…ギア、48…カム筒、48A…カム溝、49…ロータリダンパ、49A…ギア、49B…アーム
【技術分野】
【0001】
本発明はレンズ装置に係り、特に手動でズーム等の調整を行うレンズ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
レンズ装置を持ち運び可能なENG(Electronic News Gathering)カメラに装着したものが、テレビの取材等で使用される。ENGカメラは、三脚に固定したり、携帯したりして撮影が行われる。
【0003】
特許文献1には、移動レンズを保持する保持環にカムピンが設けられ、このカムピンは固定鏡筒の直進溝及びカム筒のカム溝に摺動可能に嵌められており、カム筒が回転すると移動レンズが光軸方向に移動されることでズーミングが行われるENGレンズのレンズ装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平08−110455号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
図11は、特許文献1に記載の従来のENGカメラ用のレンズ装置におけるカム筒の展開図である。カム筒に形成されたカム溝101は、テレ端の近傍においてはカム筒100の周方向に対するカム溝101の角度θ(以下、カムの角度という)が小さいが、ワイド方向にいくほどカムの角度θは大きくなり、ワイド端ではカムの角度θは40°程度となる。カムの角度θが大きいワイド端近傍では、イナーシャが大きくなり移動レンズが停止しにくくなるため、所望の停止精度が得られないという問題がある。
【0006】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、イナーシャの大きいワイド端近傍でも移動レンズを停止させやすくし、停止精度を向上させることができるレンズ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するために、本発明の一の態様に係るレンズ装置は、直進溝及び第1の長孔が形成された略円筒形の本体と、前記本体の内部に回動自在に配設されたカム筒であって、カム溝と第2の長孔とが形成されたカム筒と、前記カム筒のカム溝に挿通され、かつ前記本体の直進溝に係合するカムピンが突設されるとともに、前記第1の長孔及び前記第2の長孔を貫通するピンが突設された移動枠であって、移動レンズを保持し、前記カム筒の回動に伴いカム溝及び直進溝に沿って前記移動レンズを光軸方向に前後移動させる移動枠と、前記本体の外側に配設され、前記移動枠がワイド端近傍の所定の範囲にある場合に前記ピンを介して前記移動枠に抵抗を付与するダンパと、を備えたことを特徴とする。
【0008】
本発明の一の態様に係るレンズ装置によれば、移動枠に突設されたピンが、カム溝に形成された第2の長孔及び本体に形成された第1の長孔を貫通する。移動枠がワイド端近傍の所定の範囲にある場合には、このピンを介してダンパが移動枠に抵抗を付与する。これにより、ワイド端近傍の所定の範囲では、ロータリダンパを用いて粘性抵抗による制動力を作用させることで、移動枠を停止しやすくすることができる。
【0009】
本発明の他の態様に係るレンズ装置において、前記所定の範囲は、前記カム筒の周方向に対する前記カム溝の角度が略40°〜50°の範囲であってもよい。すなわち、ワイド端近傍の所定の範囲は、カムの立っている領域としてもよい。
【0010】
本発明の他の態様に係るレンズ装置において、前記所定の範囲は、前記カム筒の回転に対する画角の変化量が所定の量以上となる範囲であってもよい。すなわち、ワイド端近傍の所定の範囲は、カム筒の回転に対する画角の変化量が所定の量以上となる範囲としてもよい。
【0011】
本発明の他の態様に係るレンズ装置において、前記本体の外側に配設されたラックを備え、前記ラックは、前記本体と接する面に前記ピンが嵌合する穴が形成され、前記本体と接する面と反対の面に歯車が形成され、前記ダンパは、ロータリダンパであり、前記ロータリダンパの出力軸には、前記ラックに形成された歯車と噛み合うギアが取り付けられ、前記移動枠がワイド端近傍の所定の範囲にあるときに前記ラックに形成された歯車と前記ロータリダンパの出力軸に設けられたギアとが噛み合うことで、前記移動枠に抵抗を付与してもよい。これにより、所定の範囲にあるときには、移動枠に常に一定の抵抗を付与することができる。
【0012】
本発明の他の態様に係るレンズ装置において、前記ダンパは、ロータリダンパであり、前記ロータリダンパの出力軸には、長手方向が前記ロータリダンパの径方向に突出したアームであって、前記移動枠がワイド端近傍の所定の範囲にある場合に前記ピンが摺動するアームが取り付けられ、前記移動枠がテレ側からワイド側に移動されると、前記ピンと前記ロータリダンパの出力軸との距離が短くなってもよい。これにより、移動枠がワイド端に近づくにしたがって、移動枠に加わる粘性抵抗を大きくすることができる。
【0013】
本発明の他の態様に係るレンズ装置において、前記第1の長孔は、前記直進溝と略平行に形成されてもよい。これにより、ピンを光軸方向に移動させることができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、イナーシャの大きいワイド端近傍でも移動レンズを停止させやすくし、停止精度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明が適用された第1の実施の形態におけるENGレンズの外観を示した平面図
【図2】ENGレンズの外観を示した背面図
【図3】レンズ鏡胴を側面から見た断面図
【図4】図3の要部拡大図
【図5】図3の要部拡大図
【図6】カム溝の形状を示す図
【図7】画角の変化を示す図
【図8】第2の実施の形態におけるENGレンズのレンズ鏡胴の要部拡大図
【図9】第2の実施の形態におけるENGレンズのレンズ鏡胴の要部拡大図
【図10】レンズ鏡胴の要部側面図
【図11】カム溝の形状を示す図
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、添付図面に従って本発明に係るレンズ装置の好ましい実施の形態について詳説する。このレンズ装置は、放送用又は業務用として取材などで携帯されるENGカメラ等のカメラ装置に装着されるレンズ装置である。
【0017】
<第1の実施の形態>
図1及び図2は、レンズ装置の平面図及び背面図であり、主として、レンズ鏡胴1と、駆動ユニット2とで構成される。レンズ鏡胴1は、後端のマウント部によりカメラ本体に着脱可能である。
【0018】
レンズ鏡胴1は、前方側(対物側)から入射される被写体光を集光してカメラ装置の撮像面に被写体像を結像する撮影光学系を内部に保持している。撮影光学系は、主として、フォーカスレンズ(群)、ズームレンズ(群)、絞り、リレーレンズ(群)で構成される。
【0019】
レンズ鏡胴1には、外周部に回動可能なフォーカスリング4、ズームリング5及びアイリスリング6が設けられ、レンズ鏡胴1の後端部にはエクステンダ3が設けられる。
【0020】
フォーカスリング4を回動操作すると、フォーカスレンズが光軸に沿って前後移動してピント位置が変化する。ズームリング5を回動操作すると、ズームレンズが光軸に沿って前後移動して焦点距離が変化する。アイリスリング6を回動操作すると、絞りが開閉動作して絞り値が変化する。エクステンダ3は、図示しないレバーを回動操作することで像倍率を1倍と2倍とで切りかえることができるようになっている。
【0021】
レンズ鏡胴1の先端(図1中左側、被写体側)には、撮影光学系の焦点距離を所定倍率分広角側にシフトさせるワイドコンバータ7が取り付けられる。ワイドコンバータ7は、レンズ鏡胴1から着脱可能に構成され、ワイドコンバータ7の代わりに他の前面アクセサリを取り付け可能である。
【0022】
レンズ鏡胴1の側部には、前記フォーカスリング4、ズームリング5及びアイリスリング6を駆動する駆動ユニット2が設けられている。駆動ユニット2はケース20を有し、このケース20はビス21を介してレンズ鏡胴1の側部に取り付けられる。
【0023】
ケース20外面には、レンズ操作のための各操作部材が設けられている。ケース20の上面には、アイリスのオート/マニュアルモード切替スイッチ22、アイリスモーメンタリースイッチ23、ズームシーソコントロールスイッチ24(以下、シーソスイッチという)、リターンスイッチ25等が設けられている。
【0024】
シーソスイッチ24は、中立位置を基準に揺動自在に設置され、シーソスイッチ24をテレ(T)側又はワイド(W)側に押圧操作すると、前記ズームリング5がテレ側又はワイド側に回動するようになっている。また、シーソスイッチ24の押し込み量(操作量)によってズームスピードを調整することができ、その押し込み量が大きいほどズームスピードは高速になる。
【0025】
ケース20の側面にはグリップバンド29が設けられ、カメラマンはこのグリップバンド29の中に右手(親指以外の4本の指)を挿入してレンズ鏡胴1を保持することができるようになっている。また、ケース20の後面にはVTRスイッチ26及びクイックズーム&定速オートズームスイッチ27が配設され(図2参照)、これらのスイッチ26、27はカメラマンが右手の親指で操作できるようになっている。
【0026】
ケース20内には、駆動装置が配設されている。駆動装置は、ズームリング5及びアイリスリング6を駆動するための駆動手段を有するとともに、内部に制御基板が配設される。シーソスイッチ24により電動でズームレンズ32(後に詳述)等を駆動制御するとともに、フォーカスレンズ36(後に詳述)や虹彩絞り40(後に詳述)を制御する。駆動手段とズームリング5及びアイリスリング6とは図示しないギア伝達機構を介して連結されるが、各ギア伝達機構には切替手段が備えられ、ズームリング5及びアイリスリング6を手動で操作する場合に各モータへ動力が伝達されないようになっている。
【0027】
図3は、レンズ鏡胴1を側面から見た断面図であり、光軸Oから上半分に関して示している。図1において、レンズ装置1のレンズ鏡胴本体は、主として前枠10、前固定環12、第1本体環14、第2本体環16、後固定環18、マウント取付枠11、及びマウント環13によって略円筒状に構成されている。このレンズ装置1は、マウント環13を介してレンズ交換式のカメラ本体に装着される。
【0028】
第1本体環14は、レンズ鏡胴本体の最内周の構成部材であり、この第1本体環14の外周前方側に前固定環12がねじにより固定され、前固定環12の前方に前枠10がねじにより固定されている。また、第1本体環14の外周後方側に第2本体環16がねじにより固定され、第2本体環16の後方に後固定環18が、後固定環18の後方にマウント取付枠11が、マウント取付枠11の後方にマウント環13がそれぞれねじにより固定されている。
【0029】
このレンズ装置1における光学系は、物体側から順に、固定レンズ(第1群レンズ)30、ズーム(変倍)レンズ(第2群レンズ)32、前マスターレンズ(第3群レンズ)34、フォーカスレンズ(第4群レンズ)36、及び後マスターレンズ(第5群レンズ)38の5群から構成されている。また、前マスターレンズ34の直前には、虹彩絞り40が設けられている。
【0030】
ズームレンズ32が取り付けられたレンズ枠42は、押え環44により移動枠46に固定されている。第1本体環14の内周部にはカム筒48が回動可能に保持されており、移動枠46は、カムピン46Aを介してカム筒48の内周部に保持されている。
【0031】
即ち、第1本体環14の内周面には光軸O方向の直進溝14Aが形成されるとともに、カム筒48にはカム溝(カム形状の孔)48Aが形成されており、移動枠46に固定されたカムピン46Aが、カム筒48のカム溝48Aを挿通して第1本体環14の直進溝14Aに係合されている。これによって移動枠46は、回転が規制された状態で光軸O方向に直進可能に保持されるとともに、カムピン46Aがカム溝48Aに係合する位置に保持される。
【0032】
したがって、カム筒48が回動すると、カム筒48のカム溝48Aと第1本体環14の直進溝14Aとの交差位置がカム形状に応じた位置に変化し、その交差位置へのカムピン46Aの移動によって移動枠46が光軸O方向に進退移動する。
【0033】
また、第1本体環14には光軸O方向の長孔14Bが形成され、移動枠に突設されたピン46Bが、カム筒48のカム溝48Aと平行に形成された長孔14B及び第1本体環14の長孔14Bを挿通してロータリダンパ49から抵抗力を受けるように構成されている。なお、この構成については後に詳述する。
【0034】
一方、第2本体環16の外周部には、ズームリング5が回動可能に配置されており、そのズームリング5の内周面の径方向内向きに棒状の連結軸52が取り付けられている。この連結軸52は、第1本体環14に形成された周方向の長孔(図示せず)を挿通してカム筒48に連結されている。これにより、ズームリング5を回動操作すると、それに連動してカム筒48が回動する。カム筒48が回動すると、上述のように移動枠46が進退移動し、移動枠46と連動してズームレンズ32が光軸O方向に移動する。したがって、ズームリング5の回動操作によりズーム倍率が変更されるようになっている。
【0035】
虹彩絞り40は、主としてプラスチック製の地板(絞り枠)54と、菊座(カム板)56と、絞り枠54とカム板56との間に配置された複数枚の絞り羽根58とによって構成されている。後固定環18とマウント取付枠11との間には、アイリスリング6が回動可能に配設され、このアイリスリング6には、カム板56から延出する連結軸56Aが連結されている。これにより、アイリスリング6の回動によりカム板56が回動し、絞り羽根58が開閉動作するようになっている。
【0036】
フォーカスレンズ36は、光学系の焦点位置を変更するもので、前マスターレンズ34等を保持する保持枠62と、この保持枠62の後端に配設される後マスターレンズ38のレンズ枠64との間に保持されているガイド軸及び回り止め(図示せず)により、光軸O方向に移動可能に支持されている。また、保持枠62には、ガイド軸を挟んで一対のボイスコイルモータ(VCM)66が配設されており、フォーカスレンズ36は、このVCM66の動力によって電動で駆動されるようになっている。
【0037】
前固定環12の外周部には、第1フォーカスリング4A、及び第2フォーカスリング4Bがそれぞれ回動可能に配置されている。第1フォーカスリング4Aは、回動範囲が規制されておらず、エンドレスに回転させることができるとともに、光軸方向にスライド可能に配設されている。また、第2フォーカスリング4Bは、ストッパー軸74により約120度の範囲内で回動できるように規制されている。
【0038】
第1フォーカスリング4Aと第2フォーカスリング4Bとが対向する端面には、それぞれ鋸歯状のクラッチ部70A、72Aが形成されており、図1に示す状態では、クラッチ部70A,72Aが連結(噛合)し、第1フォーカスリング4Aと第2フォーカスリング4Bとが一体的に回動する。したがって、この状態で、第1フォーカスリング4Aを手動で回動させる場合には、約120度の範囲内でのみ回動させることができる。
【0039】
一方、第1フォーカスリング4Aを、クリック用弾性部材76を乗り越えるように前方にスライドさせると、前記クラッチ部70A、72Aの連結が外れる。これにより第1フォーカスリング4Aは、エンドレスで回転できるようになる。
【0040】
本実施の形態では、カム筒48がロータリダンパ49から抵抗力を受けるように構成されている。図4、5を用いて当該構成について説明する。
【0041】
図4、5は、レンズ鏡胴1を長孔14Bに沿って切断したときのレンズ鏡胴1内部の部分断面図である。図4は、ギア47Aとギア49Aと(後で説明する)が噛み合い始める状態を示し、図5はズームレンズ32がワイド端にある状態を示す。なお、長孔14Bは、第1本体環14に形成された光軸O方向の長孔である。
【0042】
移動枠46には、カムピン46Aに隣接してピン46Bが突設される。ピン46Bは、カム筒48のカム溝48Aと平行に形成された長孔及び第1本体環14の長孔14を貫通して第1本体環14から突出する。
【0043】
ピン46Bの第1本体環14から突出した部分には、ラック47が配設される。ラック47は、略角柱状の部材であり、第1本体環14に接する面に穴47Bが形成される。この穴47Bにピン46Bが嵌合することにより、ピン46Bとラック47が一体化される。
【0044】
ラック47が第1本体環14の外周に沿って摺動可能となるように、ラック47の第1本体環14に接する面は第1本体環14の外周と同じ曲率で形成される。ラック47の第1本体環14に接する面と反対側の面には、ギア47Aが形成される。
【0045】
第1本体環14の外周面には、ロータリダンパ49が配設される。ロータリダンパ49は、オイルが充填されたケース内部にローターが設けられ、ローターが回転することによりオイルの粘性抵抗で制動力(ブレーキ)を作用させるものであり、ローターが時計回り、反時計回りのいずれの方向に回転する場合にも制動力が発生する両方向タイプのロータリダンパである。
【0046】
ロータリダンパ49の出力軸(ローターの出力軸)には、ギア49Aが圧入される。ギア49Aは、ギア47Aと噛み合い可能に形成される。
【0047】
図6はカム溝48Aの形状を示すためにカム筒48を展開した図である。ロータリダンパ49は、カムピン46Aがカム溝48Aの図6aの位置に来たときにギア47Aとギア49Aとが噛み合う(図4に示す状態)よう配設される。すなわち、移動枠46が図4に示す位置に来たときに移動枠46には粘性抵抗による制動力が作用し始める。
【0048】
図4に示す状態からズームリング5を回動操作すると、それに連動してカム筒48が回動し、ズームレンズ32がワイド端方向に移動する。カムピン46Aがカム溝48Aの図6bの位置に来たときに移動枠46の移動が停止して図5に示す状態となる。
【0049】
すなわち、図4に示す状態から図5に示す状態へと移動枠46が移動する間(すなわち、カムピン46Aがカム溝48Aの図6cの位置にいる間)、ギア47Aと49Aとは噛み合いを継続し、すなわち移動枠46には粘性抵抗による制動力が作用し続ける。
【0050】
図6に示すように、カム筒48に形成されたカム溝48Aは、テレ端の近傍においてはカム筒48の周方向に対するカム溝48Aの角度θ(以下、カムの角度という)が小さい(カムがねている)が、ワイド方向に行くほどカムの角度θは大きくなり(カムが立つ)、ギア47Aと49Aとが噛み合う図6cの範囲においては、カムの角度θは40°〜50°程度となる。図6cの範囲は、テレ端を0°、ワイド端を90°としたときのカム筒48の回転角度が略85°〜90°の範囲である。このようにワイド端近傍のカムの角度θが大きい範囲では、イナーシャが大きくなり移動枠46が停止しにくくなるため、移動枠46にロータリダンパ49による制動力を作用させて、移動枠46を停止しやすくする。これにより、所望の停止精度を得ることができる。
【0051】
図7は、移動枠46の位置と画角の変化との関係を示す図である。図7の横軸は、テレ端を0°、ワイド端を90°としたときのカム筒48の回転角度であり、縦軸は、カム筒48が1°回転したときの画角の変化量である。図7に示すように、図6cに相当する範囲dは、カム筒48の回転による画角の変化量が大きい範囲である。このように、カムの角度θが大きく移動枠46が停止しにくい範囲は、カム筒48が少し回転すると画角が大きく変わる範囲、すなわちカム筒の回転に対する画角の変化量が所定の量以上となる範囲である。したがって、この領域において移動枠46を停止しやすくすることで、画角が不要に変化することを防ぐことができる。
【0052】
本実施の形態によれば、カムの立っている領域では、ロータリダンパを用いて粘性抵抗による制動力を作用させることで、移動枠を停止しやすくすることができる。
【0053】
なお、本実施の形態では、ラック47を光軸方向に移動させて、ワイド端近傍でロータリダンパ49のギア49Aとラック47のギア47Aとを噛み合わせたが、ラックの移動方向は光軸方向に限られない。カム筒の回転に合わせてラックを回転させて、ワイド端近傍でロータリダンパのギアとラックのギアとを噛み合わせるようにしても良い。この場合には、ピン46Bの代わりにカム筒48にピンを突設し、第1本体環14にカム溝48Aと平行に形成された長孔を貫通させればよい。また、ロータリダンパ49の出力軸がカム溝48Aと直交するように、ロータリダンパ49を第1本体環14に配設すればよい。
【0054】
<第2の実施の形態>
第1の実施の形態では、ラック47を光軸方向に移動させ、ワイド端近傍でロータリダンパの出力軸に取り付けられたギアとラックのギアとを噛み合わることで、移動枠に粘性抵抗による制動力を作用させたが、移動枠に粘性抵抗による制動力を作用させる方法はこれに限られない。
【0055】
本発明の第2の実施の形態は、ロータリダンパの出力軸にアームを取り付け、アームを介して移動枠に粘性抵抗による制動力を作用させる形態である。以下、第2の実施の形態に係るレンズ装置について説明する。なお、駆動ユニット2については、第1の実施の形態と同一であるため説明を省略し、レンズ鏡胴1−1についてのみ説明する。また、第1の実施の形態と同一の部分については、同一の符号を付し、説明を省略する。
【0056】
図8、9は、レンズ鏡胴1−1の部分断面図であり、図8は、カムピン46Aがカム溝48Aの図6aの位置に来たときの状態を示し、図9はズームレンズ32がワイド端にある状態を示す。図10は、レンズ鏡胴1−1の主要部を光軸に沿って見た図である。
【0057】
第1本体環14の外周面には、ロータリダンパ49が配設される。ロータリダンパ49の出力軸(ローターの出力軸)には、長手方向がロータリダンパ49の径方向に突出するようにアーム49Bが圧入される。
【0058】
アーム49Bは、先端が折れ曲がった略くの字形状であり、先端にはピン49Cが突設される。ピン49Cには、バネ49Eの一端が取り付けられる。バネ49Eの他端は、第1本体環14に突設されたピン14Dに取り付けられる。したがって、バネ49Eにより、アーム49Bを図8、図9における反時計回りに回転させる力がアーム49Bに付勢される。第1本体環14には度決めピン14Cが配設され、バネ49Eにより反時計回りの回転力が付勢されたアーム49Bの回転が規制される。このアームの49Bの回転が規制された位置では、アーム49B先端部が光軸と略平行となるようにアーム49Bが形成される。したがって、光軸方向に移動するピン46Bが長孔49Dに案内される。
【0059】
アーム49Bには、先端から長手方向に沿って一端が開口した長孔49Dが形成される。ピン46Bは、この長孔49D内を摺動する。図8に示すように、カムピン46Aがカム溝48Aの図6aの位置に来たときには、ピン46Bは、アーム49Bの長孔49D先端から、長孔49D内のアーム49Bが折れ曲がる位置まで移動される。ピン46Bが長孔49D先端からアーム49Bが折れ曲がる位置まで移動する間は、長孔49Dの方向とピン44Bの移動方向とが略平行であるため、ピン46B、すなわち移動枠46にはロータリダンパ49から粘性抵抗は作用されない。
【0060】
カム筒48が回転し、移動枠46が図8に示す状態からワイド端方向に移動する間は、ピン46Bがアーム49Bを時計回り(図8、図9における方向)に押しながら光軸方向(図8、9においては左方向)に移動し、図9に示す位置でピン46Bがワイド端に達してピン46Bが停止する。
【0061】
ピン46Bは、長孔49D内をロータリダンパ49の出力軸に近づく方向に摺動しながらアーム49Bを回動させる。ピン46Bとロータリダンパ49の出力軸との距離が近くなると、ピン46B、すなわち移動枠46に加わる粘性抵抗が大きくなる。このような構成とすることで、よりイナーシャの大きいワイド端に近づくにしたがい、移動枠46に加わる粘性抵抗を大きくすることができる。
【0062】
移動枠46がワイド端からテレ端方向へ移動する場合、すなわちピン46Bが図8、9において右方向に移動する場合には、バネ49Eによる付勢力でピン46Bに粘性抵抗は加わらない。アーム49Bは、ピン46Bの光軸方向の移動に伴って、度決めピン14Cに当接するまで図8、9における反時計回りに回動する。
【0063】
本実施の形態によれば、イナーシャが大きくなるにしたがって移動枠に加わる粘性抵抗を大きくすることができる。したがって、より移動端を停止しやすくすることができる。なお、ワイド端に近づくにしたがい、カム筒の回転に対する画角の変化が大きくなって行く(図7参照)。このように、画角の変化が大きくなるのに伴い移動枠に加わる粘性抵抗を大きくすることで、意図せず画角が大きく変化することを防止することができる。
【0064】
なお、本実施の形態では、ピン46Bを光軸方向に移動させてアーム49Bと噛み合わせたが、第1の実施の形態と同様、カム筒の回転に合わせてピンを回転させてピンとアームとを噛み合わせるようにしても良い。
【0065】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。そのような変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【符号の説明】
【0066】
1…レンズ鏡胴、2…駆動ユニット、3…エクステンダ、4…フォーカスリング、5…ズームリング、6…アイリスリング、7…ワイドコンバータ、14…第1本体環、46…移動枠46、46A…カムピン、46B…ピン、47…ラック、47A…ギア、48…カム筒、48A…カム溝、49…ロータリダンパ、49A…ギア、49B…アーム
【特許請求の範囲】
【請求項1】
直進溝及び第1の長孔が形成された略円筒形の本体と、
前記本体の内部に回動自在に配設されたカム筒であって、カム溝と第2の長孔とが形成されたカム筒と、
前記カム筒のカム溝に挿通され、かつ前記本体の直進溝に係合するカムピンが突設されるとともに、前記第1の長孔及び前記第2の長孔を貫通するピンが突設された移動枠であって、移動レンズを保持し、前記カム筒の回動に伴いカム溝及び直進溝に沿って前記移動レンズを光軸方向に前後移動させる移動枠と、
前記本体の外側に配設され、前記移動枠がワイド端近傍の所定の範囲にある場合に前記ピンを介して前記移動枠に抵抗を付与するダンパと、
を備えたことを特徴とするレンズ装置。
【請求項2】
前記所定の範囲は、前記カム筒の周方向に対する前記カム溝の角度が略40°〜50°の範囲であることを特徴とする請求項1に記載のレンズ装置。
【請求項3】
前記所定の範囲は、前記カム筒の回転に対する画角の変化量が所定の量以上となる範囲であることを特徴とする請求項1に記載のレンズ装置。
【請求項4】
前記本体の外側に配設されたラックを備え、
前記ラックは、前記本体と接する面に前記ピンが嵌合する穴が形成され、前記本体と接する面と反対の面に歯車が形成され、
前記ダンパは、ロータリダンパであり、
前記ロータリダンパの出力軸には、前記ラックに形成された歯車と噛み合うギアが取り付けられ、
前記移動枠がワイド端近傍の所定の範囲にあるときに前記ラックに形成された歯車と前記ロータリダンパの出力軸に設けられたギアとが噛み合うことで、前記移動枠に抵抗を付与することを特徴とする請求項1、2又は3に記載のレンズ装置。
【請求項5】
前記ダンパは、ロータリダンパであり、
前記ロータリダンパの出力軸には、長手方向が前記ロータリダンパの径方向に突出したアームであって、前記移動枠がワイド端近傍の所定の範囲にある場合に前記ピンが摺動するアームが取り付けられ、
前記移動枠がテレ側からワイド側に移動されると、前記ピンと前記ロータリダンパの出力軸との距離が短くなることを特徴とする請求項1、2又は3に記載のレンズ装置。
【請求項6】
前記第1の長孔は、前記直進溝と略平行に形成されることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のレンズ装置。
【請求項1】
直進溝及び第1の長孔が形成された略円筒形の本体と、
前記本体の内部に回動自在に配設されたカム筒であって、カム溝と第2の長孔とが形成されたカム筒と、
前記カム筒のカム溝に挿通され、かつ前記本体の直進溝に係合するカムピンが突設されるとともに、前記第1の長孔及び前記第2の長孔を貫通するピンが突設された移動枠であって、移動レンズを保持し、前記カム筒の回動に伴いカム溝及び直進溝に沿って前記移動レンズを光軸方向に前後移動させる移動枠と、
前記本体の外側に配設され、前記移動枠がワイド端近傍の所定の範囲にある場合に前記ピンを介して前記移動枠に抵抗を付与するダンパと、
を備えたことを特徴とするレンズ装置。
【請求項2】
前記所定の範囲は、前記カム筒の周方向に対する前記カム溝の角度が略40°〜50°の範囲であることを特徴とする請求項1に記載のレンズ装置。
【請求項3】
前記所定の範囲は、前記カム筒の回転に対する画角の変化量が所定の量以上となる範囲であることを特徴とする請求項1に記載のレンズ装置。
【請求項4】
前記本体の外側に配設されたラックを備え、
前記ラックは、前記本体と接する面に前記ピンが嵌合する穴が形成され、前記本体と接する面と反対の面に歯車が形成され、
前記ダンパは、ロータリダンパであり、
前記ロータリダンパの出力軸には、前記ラックに形成された歯車と噛み合うギアが取り付けられ、
前記移動枠がワイド端近傍の所定の範囲にあるときに前記ラックに形成された歯車と前記ロータリダンパの出力軸に設けられたギアとが噛み合うことで、前記移動枠に抵抗を付与することを特徴とする請求項1、2又は3に記載のレンズ装置。
【請求項5】
前記ダンパは、ロータリダンパであり、
前記ロータリダンパの出力軸には、長手方向が前記ロータリダンパの径方向に突出したアームであって、前記移動枠がワイド端近傍の所定の範囲にある場合に前記ピンが摺動するアームが取り付けられ、
前記移動枠がテレ側からワイド側に移動されると、前記ピンと前記ロータリダンパの出力軸との距離が短くなることを特徴とする請求項1、2又は3に記載のレンズ装置。
【請求項6】
前記第1の長孔は、前記直進溝と略平行に形成されることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のレンズ装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2013−50688(P2013−50688A)
【公開日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−189938(P2011−189938)
【出願日】平成23年8月31日(2011.8.31)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年8月31日(2011.8.31)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】
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