説明

レンズ駆動用モータ内蔵型交換式レンズ鏡筒

【課題】カメラボディがレンズ側モータに電力を供給できる電源を備えるか否かに拘わらず、動力によりレンズを駆動できるレンズ駆動用モータ内蔵型交換式レンズ鏡筒を提供する。
【解決手段】レンズの駆動機構と、その駆動源であるレンズ側モータMUを内蔵する交換式レンズ鏡筒11であって、駆動機構を駆動するためのボディ側モータ17を内蔵するカメラボディ12Aに着脱可能であり、カメラボディ12Aに装着したときボディ側モータ17の駆動力を駆動機構に伝達する動力伝達機構MM1を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レンズを駆動するためのモータ及び電源を内蔵するカメラボディに着脱可能なレンズ駆動用モータ内蔵型交換式レンズ鏡筒に関する。
【背景技術】
【0002】
カメラボディと交換式レンズ鏡筒からなるカメラのレンズは、カメラボディに設けたモータ(ボディ側モータ)ではなく交換式レンズ鏡筒に設けたモータ(レンズ側モータ)によって駆動するのが理想的である。何故なら、ボディ側モータはレンズの仕様とは無関係に採用されるのに対し、レンズ側モータはレンズの仕様に合わせて採用されるからである。
【特許文献1】特許第2503997号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、レンズ側モータを内蔵するレンズ鏡筒には次の問題がある。
即ち、接続しようとするカメラボディがボディ側モータを内蔵するタイプの場合、このカメラボディに内蔵した電源はレンズ側モータに電力を供給できないので、レンズ鏡筒をカメラボディに接続してもレンズ側モータを駆動できない。一方、レンズ側モータを内蔵するレンズ鏡筒は、カメラボディのボディ側モータの駆動力をレンズに伝達する動力伝達機構を具備していない。従って、レンズ側モータを内蔵する交換式レンズ鏡筒は、レンズ側モータに電力を供給できるように製造されたカメラボディにしか適用できず、その他のカメラボディに接続して使用することが出来なかった。
【0004】
本発明の目的は、レンズ側モータに電力を供給できる電源を備えるカメラボディに接続した場合だけでなく、ボディ側モータにのみ電力を供給可能なカメラボディに接続した場合においてもレンズを駆動でき、さらに使用していないモータに余計な負荷を掛けることがないレンズ駆動用モータ内蔵型交換式レンズ鏡筒を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明のレンズ駆動用モータ内蔵型交換式レンズ鏡筒は、レンズの駆動機構と、その駆動源であるレンズ側モータを内蔵する交換式レンズ鏡筒であって、上記駆動機構を駆動するためのボディ側モータを内蔵するカメラボディに着脱可能であり、上記カメラボディに装着したとき、上記ボディ側モータの駆動力を上記駆動機構に伝達する動力伝達機構を備えることを特徴としている。
【0006】
上記カメラボディは、上記ボディ側モータには電力を供給可能で上記レンズ側モータには電力を供給不能な駆動電源を備える第2のカメラボディであり、上記交換式レンズ鏡筒は、該第2のカメラボディと、上記レンズ側モータの駆動電源を内蔵する第1のカメラボディと、に選択的に着脱可能であり、かつ上記第1のカメラボディに装着したとき、該第1のカメラボディの上記駆動電源から電力の供給を受ける電力伝達部材を備えるのが好ましい。
【0007】
上記動力伝達機構が、上記ボディ側モータの動力は上記駆動機構に伝達し該駆動機構の動きは該ボディ側モータに伝達しない第1の一方向入出力回転伝達機構であり、さらに、上記レンズ側モータと駆動機構の間に、該レンズ側モータの動力は上記駆動機構に伝達し該レ駆動機構の動きは該レンズ側モータに伝達しない第2の一方向入出力回転伝達機構を備えるのが好ましい。
【0008】
上記レンズ側モータとしては、例えば超音波モータを利用できる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によると、レンズ側モータを内蔵する交換式レンズ鏡筒をボディ側モータを内蔵するカメラボディに接続した場合に、交換式レンズ鏡筒の動力伝達機構がボディ側モータの動力を駆動機構に伝達できるので、ボディ側モータによりレンズを駆動できる。
【0010】
さらに請求項2のように構成すれば、カメラボディがレンズ側モータに電力を供給可能なタイプの場合は、該カメラボディの電源の電力を電力伝達部材を介してレンズ側モータに伝達し、このレンズ側モータの駆動力によりレンズを移動させることができる。一方、カメラボディがレンズ側モータに電力を供給できず該カメラボディが内蔵するボディ側モータには電力を供給可能な場合は、ボディ側モータの駆動力を動力伝達機構を介してレンズ移動機構に伝達する。従って、この場合はボディ側モータの駆動力を利用してレンズを移動させることが可能である。
【0011】
さらに請求項3のように構成すれば、例えばボディ側モータによってレンズ移動機構が動作しても、レンズ移動機構から停止中のレンズ側モータへの動力の伝達は第2の入出力回転伝達機構によって遮断されるので、停止中のレンズ側モータに余計な負荷が掛かることはない。また、例えば交換式レンズ鏡に設けたマニュアルフォーカス環によってMFを行った場合にレンズ移動機構が動作しても、レンズ移動機構から停止中のボディ側モータ及びレンズ側モータへの動力の伝達は第1及び第2の入出力回転伝達機構によってそれぞれ遮断される。従って、この場合も停止中のボディ側モータ及びレンズ側モータに余計な負荷が掛かることはない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
添付図面を参照しながら本発明の一実施形態を説明する。なお、以下の説明の前後方向は図1、図3及び図5の矢線方向を基準としている。
まずは、図1及び図3を参照しながらカメラ10の全体構造について説明する。
本実施形態の交換式レンズ鏡筒11は、交換式レンズ鏡筒11の超音波モータ(レンズ側モータ)UMに電力を供給不能な旧タイプのカメラボディ12A(第2のカメラボディ)と、交換式レンズ鏡筒11の超音波モータUMに電力を供給可能な新タイプのカメラボディ(第1のカメラボディ)12Bとに選択的に接続可能である。
まずは、図1を利用して、交換式レンズ鏡筒11とカメラボディ12Aの全体構造について説明する。
【0013】
カメラ10は互いに着脱可能な交換式レンズ鏡筒11とカメラボディ12Aを具備している。
交換式レンズ鏡筒11の内部には光軸に沿って進退可能なフォーカスレンズ(レンズ)Lが配設してあり、交換式レンズ鏡筒11の外周部には光軸回りに回転可能なマニュアルフォーカス環14が設けてある。さらに交換式レンズ鏡筒11の内部には、マニュアルフォーカス環14の回転に連動して光軸回りに回転することによりフォーカスレンズLを光軸方向に進退させる距離調節環(駆動機構)15が設けてある。さらに交換式レンズ鏡筒11の内部には、動力によってフォーカスレンズLを光軸方向に進退させるためのレンズ側駆動機構DMと、超音波モータ(レンズ側モータ)UMを制御するための制御手段C1が設けてある。さらに、交換式レンズ鏡筒11の後端面には制御手段C1と電気的に接続された金属製の導電ピン(電力伝達部材)P1が突設してある。
交換式レンズ鏡筒11の超音波モータUMに電力を供給不能な旧タイプであるカメラボディ12Aは、コイルを利用した通常のモータであるボディ側モータ17と、このボディ側モータ17に電力を供給可能な電源18Aと、AFスイッチ19を備えている。さらにカメラボディ12Aは、電源18A及びボディ側モータ17と電気的に接続し、電源18Aで発生した電力を利用してボディ側モータ17を制御する制御手段C2を備えている。
【0014】
次に図3を利用してカメラボディ12Bの全体構造について説明する。なお、交換式レンズ鏡筒11の構造は図1のものと同一なので省略する。
カメラボディ12Bは、カメラボディ12Aと同様にAFスイッチ19を具備するが、制御手段C2、ボディ側モータ17及び電源18Aは具備していない。代わりに電源18Bと、交換式レンズ鏡筒11をカメラボディ12Bに接続したときに交換式レンズ鏡筒11の導電ピンP1と接触する導電ピンP2と、を備えている。この導電ピンP2は電源18Bと電気的に接続している。
【0015】
次に、交換式レンズ鏡筒11に内蔵されたレンズ側駆動機構DMについて主に図5〜図7を参照しながら詳しく説明する。
レンズ側駆動機構DMは交換式レンズ鏡筒11内部の固定部材にねじ止めされた固定ハウジング20を備えている。この固定ハウジング20には、上下一対の収納用筒部21と収納用筒部22が設けてあり、収納用筒部21と収納用筒部22には、第1の一方向入出力回転伝達機構(動力伝達機構)MM1と第2の一方向入出力回転伝達機構MM2がそれぞれ設けてある。
まずは、収納用筒部21とその内部に配設された第1の一方向入出力回転伝達機構MM1について説明する。
収納用筒部21の後端は開放しており、かつその前壁と周壁上部の間の角部には窓孔24が穿設してある。収納用筒部21の前壁後面の中央部には円形板25が固着してある。円形板25の後面には、収納用筒部21と同軸の固定軸26の前端面が固着してある。固定軸26は、その前部をなす小径部27と、後部をなす大径部28とからなる円柱形状の部材である。固定軸26の中心軸A1はカメラ光軸と平行である。
【0016】
大径部28には、入力回転部29の中心孔30が回転可能に嵌合している。入力回転部29は、その前部をなす小径部31と、その後部をなす大径部32とを具備しており、大径部32の後端面には環状凹部33が形成してある。さらに、大径部32の環状をなす前面には正面視環状の嵌合凹部34が形成してある。また、入力回転部29の前端面は中心軸A1に対して直交する平面である軸方向直交平面35となっている。
入力回転部29は図7に示すように、小径部31の周面には周方向位置によって(径方向の)深さが異なると共に中心軸A1と平行な方向に延びる6本の周方向不等幅溝36が等角度間隔で形成してある。さらに、大径部32の外周面には入力ギヤ37が設けてある。
【0017】
この入力回転部29の入力ギヤ37より前方に位置する部分は収納用筒部21内に位置している。入力回転部29の環状凹部33には、複数の金属製のベアリングボール(スチールボール)Bが周方向に並んだ状態で配設されている。固定軸26の後端面には、その径が環状凹部33とほぼ同一の円形の抜止板38が固定ねじ39によって固着してあり、各ベアリングボールBが抜止板38に当接することにより入力回転部29のそれ以上の後方移動が規制されている。
さらに、収納用筒部21の下端部には、交換式レンズ鏡筒11をカメラボディ12Aに結合したときに、カメラボディ12Aのボディ側モータ17の出力軸(図示略)と連係するAF用ジョイント部材41が固定してある。このAF用ジョイント部材41は入力ギヤ37と噛合するギヤ42を具備しており、このギヤ42は、AF用ジョイント部材41にボディ側モータ17の駆動力が伝達されたときにAF用ジョイント部材41の軸線回りに回転する。
【0018】
収納用筒部21の内部には、前端及び後端がともに開放された筒状の筒状出力回転軸43が、固定軸26を中心に回転可能として配設してある。この筒状出力回転軸43は、後方に向かうに連れてその径が段階に拡大するものである。筒状出力回転軸43の後部をなす大径筒状部44は、収納用筒部21の内周面と固定軸26の小径部31との間に回転可能として嵌合しており、筒状出力回転軸43の前部をなす小径筒状部45の前端部は、円形板25に回転可能として嵌合している。小径筒状部45の外周面全体には出力ギヤ46が設けてある。
図5に示すように、固定ハウジング20の収納用筒部21と収納用筒部22を連結する中央部には中心軸A1と平行な動力伝達軸(駆動機構)48の後端部が回転可能に支持されており、動力伝達軸48の前端部はカメラボディの内面に回転可能に支持されている。動力伝達軸48の前部にはギヤ(駆動機構)49Aが一体的に設けてあり、このギヤ49Aは距離調節環15の後端部に形成してある入力ギヤ16と噛合している。さらに、動力伝達軸48の中間部にはギヤ49Aより大径のギヤ(駆動機構)49Bが一体的に設けてあり、このギヤ49Bは収納用筒部21の窓孔24を通して筒状出力回転軸43の出力ギヤ46と噛合している。
【0019】
固定軸26の大径部28には、入力回転部29の前方に位置する環状押圧部材50の中心孔が外嵌している。この環状押圧部材50の後面は中心軸A1に対して直交する軸方向直交平面51となっている。環状押圧部材50の前面と円形板25の後面との間には圧縮コイルばねS1が縮設してあり、この圧縮コイルばねS1により環状押圧部材50は常に後方に向けて付勢されている。
そして、環状押圧部材50の軸方向直交平面51と小径部31の軸方向直交平面35の間には、その中心軸A2が固定軸26の径方向に延びる略円柱状の差動コロ53が周方向に等角度間隔で3つ設けてあり、各差動コロ53の周面には、軸方向直交平面51と軸方向直交平面35がそれぞれ常に当接している(軸方向直交平面51と軸方向直交平面35によって常に弾性的に挟持されている)。
【0020】
筒状出力回転軸43の大径筒状部44の内周面は中心軸A1を中心とする円筒面52であり(図7参照)、この円筒面52と小径部31の各周方向不等幅溝36との間には、図7に示すように周方向位置によってその径方向幅が異なる収納空間CSが形成されている。すなわち、小径部31と大径筒状部44の円筒面52の間に形成された、正面視で環状をなす環状空間RSは、4つの収納空間CSに区切られている。
さらに、各収納空間CSには、その中心軸A3が中心軸A1と平行な略円柱状の食付コロ55が収納されている。各食付コロ55は各収納空間CS内を周方向に移動可能でる。
【0021】
さらに、小径部31と大径筒状部44の円筒面52の間の環状空間RSと小径部31の軸方向直交平面35と環状押圧部材50の軸方向直交平面51の間の空間には、両空間に跨る態様で筒状リテーナ57が配設してある。筒状リテーナ57は、小径部31の軸方向直交平面35と環状押圧部材50の軸方向直交平面51の間の空間に位置する前壁部58と、小径部31と大径筒状部44の円筒面52の間の環状空間RSに位置する周壁部59と、固定軸26の大径部28に回転可能に嵌合する中心孔60とを具備している。図5及び図6に示すように、筒状リテーナ57の前壁部58には、3個の嵌合孔61が周方向に等角度間隔で並べて穿設してあり、各嵌合孔61に3つの差動コロ53がその中心軸A2回りに回転(自転)自在として嵌合している。一方、図5及び図7に示すように、周壁部59には周方向に等角度間隔で6つの収納孔62が穿設してある。各収納孔62には、6つの食付コロ55がその中心軸A3回りに回転(自転)自在かつ中心軸A3方向に移動自在として嵌合している。
以上説明した収納用筒部21に設けた各構成部材(AF用ジョイント部材41とギヤ42を除く)が第1の一方向入出力回転伝達機構MM1の構成要素である。
【0022】
次に、収納用筒部22とその内部に配設された第2の一方向入出力回転伝達機構MM2及び第2の一方向入出力回転伝達機構MM2と一体をなす超音波モータUMについて説明する。
収納用筒部22の後端は開放しており、かつその前壁と周壁下部の間の角部には窓孔65が穿設してある。
図5に示すように、収納用筒部22の内部には収納用筒部21の内部に配設した第1の一方向入出力回転伝達機構MM1の構成要素と同じ構成要素(第1の一方向入出力回転伝達機構MM1と同じ構成要素には同じ符合を付してある)が配設してあり、これら各構成要素によって第2の一方向入出力回転伝達機構MM2が構成されている。但し、第1の一方向入出力回転伝達機構MM1の固定軸26に対応する入力回転軸67と、入力回転部29に対応する入力回転部68はその形状等が第1の一方向入出力回転伝達機構MM1のものとは異なる。
第2の一方向入出力回転伝達機構MM2の入力回転軸67は第1の一方向入出力回転伝達機構MM1の固定軸26に比べて長く(その中心軸A4は中心軸A1と平行)その後端部が収納用筒部22の後方に突出しているが、第1の一方向入出力回転伝達機構MM1の固定軸26と同様に前部は小径部27となっており、後部は大径部28となっている。さらに、大径部28の中間部には一対の突部69が突設してある。但し、この入力回転軸67は第2の一方向入出力回転伝達機構MM2の円形板25に対して相対回転可能である。
第2の一方向入出力回転伝達機構MM2の入力回転部68は第1の一方向入出力回転伝達機構MM1の入力回転部29より前後方向に短く、全体が収納用筒部22内に位置しており、その後面が一対の突部69にそれぞれ回転可能に当接している。但し、この入力回転部68も入力回転部29と同様に中心孔30、小径部31、軸方向直交平面35、周方向不等幅溝36を具備している(大径部32、環状凹部33、嵌合凹部34、入力ギヤ37は具備していない)。さらに、この入力回転部68は入力回転軸67に対して相対回転不能である。
第2の一方向入出力回転伝達機構MM2の出力ギヤ46にも動力伝達軸48のギヤ49Bが窓孔65を通して噛合している。
【0023】
以上構成の第2の一方向入出力回転伝達機構MM2には以下の構造の超音波モータUMが一体的に結合している。
固定ハウジング20の後面における収納用筒部22の外周側には、入力回転軸67の中心軸A4を中心とする筒状部材である筒状固定部材70が固定してある。筒状固定部材70の後部の外周面には、中心軸A4を中心とする環状部材である超音波発生部材71の中心孔が嵌合固定してある。超音波発生部材71の後端部の外周側は正面視環状をなす振動伝達部72となっており、振動伝達部72の後端面は中心軸A4に対して直交する環状平面となっている。
さらに、入力回転軸67の後端部には外側筒状部73と内側筒状部74を備える有底の筒状回転出力軸75の環状凹部76が嵌合固定してある。外側筒状部73の前端面は中心軸A4に対して直交する環状平面であり、振動伝達部72の後端面に相対回転可能に接触している。超音波発生部材71と筒状回転出力軸75の間に形成された内部空間には、筒状固定部材70の後端部外周面に嵌合固定された筒状リテーナ77が位置している。
筒状固定部材70の中心孔79には外環80がスライド可能(回転不能)に嵌合しており、外環80の内周側には複数のベアリングボール81を介して外環80と同心をなす内環82が、外環80に対して相対回転可能かつ軸線方向に相対移動不能として設けてある。即ち、外環80、ベアリングボール81及内環82によってボールベアリング装置83が構成されている。
外環80と筒状リテーナ77の間には圧縮コイルばねS2が縮設されており、この圧縮コイルばねS2の付勢力によって外環80、ベアリングボール81及び内環82が前方に付勢され、内環82が突部69の後面に弾性接触している。
そして、第2の一方向入出力回転伝達機構MM2と超音波モータUMによって超音波回転駆動装置MUが構成されている。
以上説明した入力ギヤ16、固定ハウジング20、AF用ジョイント部材41(ギヤ42)、第1の一方向入出力回転伝達機構MM1、超音波回転駆動装置MU、及び動力伝達軸48(ギヤ49A、ギヤ49B)はレンズ側駆動機構DMの構成要素である。
【0024】
次に、以上のような構成のカメラ10のフォーカシング動作について説明する。
本実施形態では、交換式レンズ鏡筒11をカメラボディ12Aに接続した場合とカメラボディ12Bに接続した場合とでカメラ10の動作が異なるので、以下の説明はカメラボディがカメラボディ12Aの場合とカメラボディ12Bの場合に分けて説明する。
【0025】
(交換式レンズ鏡筒11をカメラボディ12Aに接続する場合)
交換式レンズ鏡筒11をカメラボディ12Aに接続すると、交換式レンズ鏡筒11のAF用ジョイント部材41がカメラボディ12Aのボディ側モータ17と機械的に接続する。しかし、交換式レンズ鏡筒11の導電ピンP1はカメラボディ12A側の部材とは接続しないので、交換式レンズ鏡筒11の超音波モータUMは電源18Aから電力の供給を受けることが出来ない。
この場合のAF動作は以下のように行われる。
カメラボディ12Aに設けたAFスイッチ19を操作すると、カメラボディ12Aの電源18Aから制御手段C2に電力が送られ、制御手段C2がボディ側モータ17に回転信号を送る。
例えばこの回転信号が正転信号の場合、ボディ側モータ17が正転し、この回転力がAF用ジョイント部材41(及びギヤ42)を介して第1の一方向入出力回転伝達機構MM1の入力ギヤ37に伝わる。すると、入力ギヤ37及び入力回転部29が固定軸26の周りを正面視で反時計方向に回転する。すると入力回転部29の軸方向直交平面35と環状押圧部材50の軸方向直交平面51とによって挟持されている各差動コロ53が、中心軸A2回りに自転しつつ、入力回転部29の1/2の回転速度で中心軸A1回りに入力回転部29と同方向に公転(回転)する。この差動コロ53の公転運動により筒状リテーナ57と各食付コロ55も各差動コロ53と同じ速度で反時計方向に回転(公転)する。すると、各食付コロ55は、各収納空間CSの径方向幅が狭くなっている時計方向側の端部において、周方向不等幅溝36の時計方向側の端部と筒状出力回転軸43(大径筒状部44)の円筒面52との間に強い力で食い込む。この結果、入力回転部29と筒状出力回転軸43が、差動コロ53、筒状リテーナ57及び食付コロ55を介して周方向に一体となるので、入力回転部29の回転力が筒状出力回転軸43に伝わり筒状出力回転軸43が図2の反時計方向に回転する。すると、筒状出力回転軸43の回転力が出力ギヤ46からギヤ49Bに伝わり動力伝達軸48が図2の時計方向に回転し、この回転力がギヤ49Aから距離調節環15の入力ギヤ16に伝わり、距離調節環15が正面視で反時計方向に回転する(本実施形態では距離調節環15とギヤ49Aは反対方向に回転する)。その結果、フォーカスレンズL(図示略)が光軸に沿って前方に移動しAFが行われる。
【0026】
一方、AFスイッチ19が操作されたときに制御手段C2がボディ側モータ17に逆転信号(回転信号)を送る場合は、AF用ジョイント部材41のギヤ42から回転力を伝達された第1の一方向入出力回転伝達機構MM1の入力ギヤ37及び入力回転部29が正面視で時計方向に回転する。そして、各差動コロ53が入力回転部29の1/2の回転速度で正面視で時計方向に公転(回転)し、筒状リテーナ57と各食付コロ55も各差動コロ53と同じ速度で時計方向に公転(回転)する。その結果、各食付コロ55が、各収納空間CS内を正面視で時計方向に回転し、各収納空間CSの径方向幅が狭くなっている反時計方向側の端部において、周方向不等幅溝36の反時計方向側の端部と筒状出力回転軸43の円筒面52との間に強い力で食い込む。すると入力回転部29と筒状出力回転軸43が、差動コロ53、筒状リテーナ57及び食付コロ55を介して周方向に一体となるので、入力回転部29の回転力が筒状出力回転軸43に伝わり筒状出力回転軸43が正面視で時計方向に回転する。そして、筒状出力回転軸43の回転力が出力ギヤ46からギヤ49B、動力伝達軸48及びギヤ49Aを介して入力ギヤ16に伝わり、距離調節環15が正面視で時計方向に回転するので、フォーカスレンズLが光軸に沿って後方に移動しAFが行われる。
【0027】
このようにボディ側モータ17が正転する場合も逆転する場合も動力伝達軸48が回転するので、動力伝達軸48の回転力はギヤ49Bを介して第2の一方向入出力回転伝達機構MM2の出力ギヤ46に伝わる。従って、第2の一方向入出力回転伝達機構MM2の出力ギヤ46及び筒状出力回転軸43は正面視で反時計方向に回転するが、大径筒状部44の内周面は中心軸A4を中心とする円筒面52なので、この回転力は円筒面52から第2の一方向入出力回転伝達機構MM2の食付コロ55には伝わらない。そのため、この回転力は第2の一方向入出力回転伝達機構MM2の入力回転部68及び入力回転軸67に伝わらないので、停止中の超音波モータUMの筒状回転出力軸75が超音波発生部材71に対して相対回転することはない。従って、ボディ側モータ17によってAFが行われても、超音波モータUMの外側筒状部73と振動伝達部72の接触面同士が摩耗することはない。
【0028】
さらに、ボディ側モータ17が正転する場合も逆転する場合も、ボディ側モータ17の動力によってAF動作が行われると、制御手段C2からボディ側モータ17に信号が送られ、ボディ側モータ17は、ギヤ42と入力ギヤ37のバックラッシュより小さい回転角だけ、合焦直前の回転方向とは逆方向に回転する。すると、入力回転部29が筒状出力回転軸43を回転させることなく合焦直前の回転方向とは逆方向に回転し、食付コロ55の周方向不等幅溝36及び筒状出力回転軸43の円筒面52に対する食い付き力が減少する。このため、この後にMFを行う際には交換式レンズ鏡筒11のマニュアルフォーカス環14をスムーズに回転させられるようになる。
【0029】
次に、MFによりフォーカシングを行う場合のカメラ10の動作について説明する。
図1に示す交換式レンズ鏡筒11のマニュアルフォーカス環14を図2の時計方向または反時計方向に回転すると、この回転力が距離調節環15に伝わり、フォーカスレンズLが光軸に沿って前方または後方に移動することによりMFが行われる。
このMF操作時に距離調節環15の回転力が入力ギヤ16を介してギヤ49Aに伝わるので、動力伝達軸48が時計方向または反時計方向に回転し、この回転力が第1の一方向入出力回転伝達機構MM1の出力ギヤ46(筒状出力回転軸43)及び第2の一方向入出力回転伝達機構MM2の出力ギヤ46(筒状出力回転軸43)に伝わる。
しかし、上述のように第2の一方向入出力回転伝達機構MM2の筒状出力回転軸43が回転してもこの回転力は入力回転軸67には伝わらないので、停止中の超音波モータUMの筒状回転出力軸75が超音波発生部材71に対して相対回転して、外側筒状部73と振動伝達部72の接触面同士が摩耗することはない。
さらに第1の一方向入出力回転伝達機構MM1の基本構造(機能)は第2の一方向入出力回転伝達機構MM2と同じなので、第1の一方向入出力回転伝達機構MM1の筒状出力回転軸43が回転しても、この回転力は第1の一方向入出力回転伝達機構MM1の入力回転部29(入力ギヤ37)には伝わらない。従って、動力伝達軸48(ギヤ49B)の回転力が第1の一方向入出力回転伝達機構MM1及びAF用ジョイント部材41(ギヤ42)を介してボディ側モータ17に伝わることはなく、そのため停止中のボディ側モータ17に負荷が掛かることはない。
【0030】
(交換式レンズ鏡筒11をカメラボディ12Bに接続する場合)
交換式レンズ鏡筒11をカメラボディ12Bに接続すると、交換式レンズ鏡筒11の導電ピンP1とカメラボディ12Bの導電ピンP2が接触するので、カメラボディ12Bの電源18Bから交換式レンズ鏡筒11の超音波モータUMに電力を供給可能になる。
この場合はAF動作は以下のように行われる。
カメラボディ12BのAFスイッチ19を操作するとカメラボディ12Bの電源18Bから交換式レンズ鏡筒11の制御手段C1に導電ピンP2及び導電ピンP1を介して電力が供給され、制御手段C1が超音波モータUMに回転信号を送る。
例えばこの回転信号が正転信号の場合、超音波発生部材71が周方向の一方向(正面視で反時計方向)に進む超音波振動を発生する。すると、振動伝達部72の後端面と接触している筒状回転出力軸75(外側筒状部73)が該超音波振動と同じ方向に回転するので、筒状回転出力軸75と周方向に一体となっている入力回転軸67及び入力回転部68が正面視で反時計方向に回転する。すると上述した第1の一方向入出力回転伝達機構MM1の動作と同様に、この回転力が差動コロ53、筒状リテーナ57及び食付コロ55を介して筒状出力回転軸43に伝わり、筒状出力回転軸43が正面視で反時計方向に回転するので、距離調節環15が正面視で反時計方向に回転する。その結果、フォーカスレンズL(図示略)が光軸に沿って前方に移動しAFが行われる。
【0031】
一方、AFスイッチ19が操作されたときに制御手段C1が超音波モータUMに逆転信号(回転信号)を送る場合は、超音波発生部材71が周方向の他方向(正面視で時計方向)の超音波振動を発生し、振動伝達部72の後端面と接触している筒状回転出力軸75の外側筒状部73が該超音波振動と同じ方向に回転する。すると、この回転力が入力回転部68から筒状出力回転軸43に伝わり、筒状出力回転軸43が正面視で時計方向に回転する。さらに、この回転力がギヤ49B、動力伝達軸48及びギヤ49Aを介して入力ギヤ16に伝わり、距離調節環15が正面視で時計方向に回転するので、フォーカスレンズLが光軸に沿って後方に移動しAFが行われる。
【0032】
この場合も超音波モータUMの動力によって合焦すると、制御手段C1から超音波モータUMに信号が送られ、超音波モータUMは合焦直前の回転方向とは逆方向に僅かだけ回転するので、この後に交換式レンズ鏡筒11のマニュアルフォーカス環14をスムーズに回転させられる。
【0033】
さらに、交換式レンズ鏡筒11のマニュアルフォーカス環14によってMFを行う場合は、上記と同様に、距離調節環15の回転力が超音波モータUMとボディ側モータ17に伝わるのを第2の一方向入出力回転伝達機構MM2と第1の一方向入出力回転伝達機構MM1が阻止する。従って、停止中の超音波モータUMの筒状回転出力軸75が超音波発生部材71に対して相対回転して外側筒状部73と振動伝達部72の接触面同士が摩耗することはなく、さらに停止中のボディ側モータ17に負荷が掛かることはない。
【0034】
以上説明したように本実施形態によれば、交換式レンズ鏡筒11を交換式レンズ鏡筒11内の超音波モータUMに電力を供給可能なカメラボディ12Bに接続した場合は、交換式レンズ鏡筒11に内蔵したレンズの仕様に合わせて採用された超音波モータUMによってフォーカスレンズLを駆動することができる。さらに、交換式レンズ鏡筒11を超音波モータUMに電力を供給不能で内蔵するボディ側モータ17には電力を供給可能なカメラボディ12Aに接続した場合には、電源18Aからボディ側モータ17に電力を供給してフォーカスレンズLを駆動するので、本実施形態の交換式レンズ鏡筒11はカメラボディが新タイプのカメラボディ12Bであっても旧タイプのカメラボディ12AであってもフォーカスレンズLを駆動できる。
【0035】
さらに交換式レンズ鏡筒11が第1の一方向入出力回転伝達機構MM1と第2の一方向入出力回転伝達機構MM2を内蔵することにより、停止中のボディ側モータ17及び超音波モータUMの出力部に動力が伝達されないようにしているので、停止中のボディ側モータ17及び超音波モータUMが余計な負荷を受けることがない。
また、本実施形態のように第1の一方向入出力回転伝達機構MM1と第2の一方向入出力回転伝達機構MM2を備える構成にすれば、AF時に使用するモータを選択し、かつ使用しないモータと距離調節環15の間の動力の伝達を遮断する切替スイッチは不要になる。さらに、撮影状態をAFとMFとに切り替えるための切替スイッチを設けることなく、撮影状態をAFとMFとに切り替えることが可能になる。
【0036】
また、入力回転部29と入力回転部68に遅れながら差動コロ53を同方向に公転(回転)させ、この差動コロ53によって食付コロ55を入力回転部29(入力回転部68)と筒状出力回転軸43の間に強固に食い込ませ、この食付コロ55を回転力伝達部材として機能させているので、入力回転部29と入力回転部68から筒状出力回転軸43へのトルク伝達を確実に行うことができる。
【0037】
しかも、回転力伝達部材である食付コロ55は、入力回転部29及び入力回転部68の軸線と平行な中心軸A3を有する円柱状部材なので、回転力伝達部材を球状部材とした場合に比べて、入力回転部29(入力回転部68)及び筒状出力回転軸43(円筒面52)との接触面積が大きい。このため、本実施形態の第1の一方向入出力回転伝達機構MM1及び第2の一方向入出力回転伝達機構MM2は、回転力伝達部材を球状とした場合に比べて、入力回転部29(入力回転部68)から筒状出力回転軸43への回転トルクの伝達効率が良い。
【0038】
さらに第1の一方向入出力回転伝達機構MM1及び第2の一方向入出力回転伝達機構MM2は、筒状リテーナ57を用いたことにより、入力回転部29と筒状出力回転軸43の間に形成された環状空間RSをスペース的に有効利用できる。その結果、食付コロ55の数を増やすことが可能となり、食付コロ55の数を増やせば、入力回転部29(入力回転部68)から筒状出力回転軸43への回転トルクの伝達効率を向上させることが可能となる。また、筒状リテーナ57を用いているので組み立てが容易であり、しかも、食付コロ55の個数を少なくすることができる。
【0039】
以上説明した本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、様々な変更を施しながら実施可能である。
例えば、交換式レンズ鏡筒11に設けたレンズ側モータは超音波モータUMではなく、ボディ側モータ17と同様にコイルを利用した通常のモータやその他の種類のアクチュエータとしてもよい。
【0040】
なお、第1の一方向入出力回転伝達機構MM1及び第2の一方向入出力回転伝達機構MM2の周方向不等幅溝36の断面形状を、正三角形や正五角形等、正方形以外の正多角形や、筒状出力回転軸43の円筒面52との間に周方向位置によってその径方向幅が異なる収納空間を形成する少なくとも一つの不等幅空間形成面を備えた非円形に変更することにより、各収納空間CSに配設する差動コロ53及び食付コロ55の数を変更することができ、このような変更を行うことにより、入力回転部29(入力回転部68)から筒状出力回転軸43への回転トルクの伝達効率を調整可能となる。
【0041】
なお、第1の一方向入出力回転伝達機構MM1及び第2の一方向入出力回転伝達機構MM2の入力回転部29(入力回転部68)から筒状出力回転軸43への回転トルクの伝達効率を無視すれば、差動コロ53や食付コロ55を単なる球状部材に代える事も可能である。
また、第1の一方向入出力回転伝達機構MM1及び第2の一方向入出力回転伝達機構MM2の差動コロ53の代わりに、図8に示すような差動コロ90を用いることも可能である。この差動コロ90は、その中心軸A5が入力回転部29(入力回転部68)の径方向と平行であり、中心軸A5に直交する方向の断面形状が、中心軸A5のいずれの位置においても図8に示す形状となっている。この場合は、一対の円弧部90a、90bが、軸方向直交平面35及び軸方向直交平面51と当接関係を維持する範囲で入力回転部29(入力回転部68)を回転させ、この回転範囲内で食付コロ55を入力回転部29(入力回転部68)と筒状出力回転軸43の間に食い込ませるようにする。
さらに、回転トルクの伝達効率の低下を無視すれば、一つの収納空間CSにのみ差動コロ53(差動コロ90)及び食付コロ55を配設して実施することも可能である。
【0042】
また、筒状出力回転軸43の円筒面52と各周方向不等幅溝36の端部とで形成される楔状の空間の楔角、圧縮コイルばねS1の強さ、軸方向直交平面35及び軸方向直交平面51の面粗さを変えることによって、入力回転部29(入力回転部68)から筒状出力回転軸43への回転トルクの伝達効率を変えることが可能である。
【0043】
さらに本実施形態では、レンズ側駆動機構DMをAF用交換式レンズ鏡筒に適用したが、レンズ側駆動機構DMをレンズ鏡筒に設けたズーム環と連動するズーミング機構との間に適用し、超音波モータUM(ズーム用モータ)及びボディ側モータ17(ズーム用モータ)の回転力はズーミング機構に伝達するが、ズーム環の回転力は超音波モータUM及びボディ側モータ17に伝達させないようにすることも可能である。このようにすれば、オートズームとマニュアルズームの切り替えを行うための切替スイッチを設けることなく、オートズーム及びマニュアルズームを行えるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明の一実施形態の交換式レンズ鏡筒を旧タイプのカメラボディに接続したときのカメラの側面図である。
【図2】交換式レンズ鏡筒を旧タイプのカメラボディに接続したときのレンズ駆動系及び制御系のブロック図である。
【図3】交換式レンズ鏡筒を新タイプのカメラボディに接続したときのカメラの側面図である。
【図4】交換式レンズ鏡筒を新タイプのカメラボディに接続したときのレンズ駆動系及び制御系のブロック図である。
【図5】レンズ鏡筒のレンズ側駆動機構の拡大縦断側面図である。
【図6】図5のVI−VI矢線に沿う縦断正面図である。
【図7】図5のVII−VII矢線に沿う縦断正面図である。
【図8】差動コロの変形例の、その中心軸に直交する断面図である。
【符号の説明】
【0045】
10 カメラ
11 交換式レンズ鏡筒
12A カメラボディ(第2のカメラボディ)
12B カメラボディ(第1のカメラボディ)
14 マニュアルフォーカス環
15 距離調節環(駆動機構)
16 入力ギヤ(駆動機構)
17 ボディ側モータ
18A 18B 電源
19 AFスイッチ
20 固定ハウジング
21 22 収納用筒部
23 取付用突部
24 窓孔
25 円形板
26 固定軸
27 小径部
28 大径部
29 入力回転部
30 中心孔
31 小径部
32 大径部
33 環状凹部
34 嵌合凹部
35 軸方向直交平面
36 周方向不等幅溝
37 入力ギヤ
38 抜止板
39 固定ねじ
41 AF用ジョイント部材
42 ギヤ
43 筒状出力回転軸
44 大径筒状部
45 小径筒状部
46 出力ギヤ
48 動力伝達軸(駆動機構)
49A 49B ギヤ(駆動機構)
50 環状押圧部材
51 軸方向直交平面
52 円筒面
53 差動コロ
55 食付コロ
57 筒状リテーナ
58 前壁部
59 周壁部
60 中心孔
61 嵌合孔
62 収納孔
65 窓孔
67 入力回転軸
68 入力回転部
69 突部
70 筒状固定部材
71 超音波発生部材
72 振動伝達部
73 外側筒状部
74 内側筒状部
75 筒状回転出力軸
76 環状凹部
77 筒状リテーナ
80 外環
81 ベアリングボール
82 内環
83 ボールベアリング装置
90 差動コロ
A1 A2 A3 A4 A5 中心軸
B ベアリングボール(スチールボール)
C1 C2 制御手段
CS 収納空間(周方向不等幅空間)
DM レンズ側駆動機構
L フォーカスレンズ(レンズ)
MM1 第1の一方向入出力回転伝達機構(動力伝達機構)
MM2 第2の一方向入出力回転伝達機構
MU 超音波回転駆動装置
P1 P2 導電ピン(電力伝達部材)
RS 環状空間
S1 S2 圧縮コイルばね
UM 超音波モータ(レンズ側モータ)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
レンズの駆動機構と、その駆動源であるレンズ側モータを内蔵する交換式レンズ鏡筒であって、
上記駆動機構を駆動するためのボディ側モータを内蔵するカメラボディに着脱可能であり、
上記カメラボディに装着したとき、上記ボディ側モータの駆動力を上記駆動機構に伝達する動力伝達機構を備えることを特徴とするレンズ駆動用モータ内蔵型交換式レンズ鏡筒。
【請求項2】
請求項1記載のレンズ駆動用モータ内蔵型交換式レンズ鏡筒において、
上記カメラボディは、上記ボディ側モータには電力を供給可能で上記レンズ側モータには電力を供給不能な駆動電源を備える第2のカメラボディであり、
上記交換式レンズ鏡筒は、該第2のカメラボディと、上記レンズ側モータの駆動電源を内蔵する第1のカメラボディと、に選択的に着脱可能であり、かつ上記第1のカメラボディに装着したとき、該第1のカメラボディの上記駆動電源から電力の供給を受ける電力伝達部材を備えるレンズ駆動用モータ内蔵型交換式レンズ鏡筒。
【請求項3】
請求項2記載のレンズ駆動用モータ内蔵型交換式レンズ鏡筒において、
上記動力伝達機構が、上記ボディ側モータの動力は上記駆動機構に伝達し該駆動機構の動きは該ボディ側モータに伝達しない第1の一方向入出力回転伝達機構であり、さらに、
上記レンズ側モータと駆動機構の間に、該レンズ側モータの動力は上記駆動機構に伝達し該レ駆動機構の動きは該レンズ側モータに伝達しない第2の一方向入出力回転伝達機構を備えるレンズ駆動用モータ内蔵型交換式レンズ鏡筒。
【請求項4】
請求項2または3記載のレンズ駆動用モータ内蔵型交換式レンズ鏡筒において、
上記レンズ側モータが超音波モータであるレンズ駆動用モータ内蔵型交換式レンズ鏡筒。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2008−76684(P2008−76684A)
【公開日】平成20年4月3日(2008.4.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−255001(P2006−255001)
【出願日】平成18年9月20日(2006.9.20)
【出願人】(000000527)ペンタックス株式会社 (1,878)
【Fターム(参考)】