説明

レーザー駆動の光源

光を発生するための装置は、チャンバーとチャンバー内のガスをイオン化する点火源とを備える。装置は、チャンバー内のイオン化ガスにエネルギーを供給する少なくとも1つのレーザーも備え、これにより高輝度光を発生する。レーザーは、イオン化ガスに実質的に連続する量のエネルギーを供給して実質的に連続する高輝度光を発生することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本発明は、レーザー駆動の光源を実現するための方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
[0002]高輝度光源は、さまざまな用途に使用されうる。例えば、高輝度光源は、半導体ウェハまたはウェハの製造で使用される材料(例えばレチクルおよびフォトマスク)に付随する検査、試験、または特性測定用に使用することができる。あるいは、高輝度光源が発生する電磁エネルギーは、ウェハの製造、顕微鏡システム、またはフォトレジスト硬化システムで使用されるリソグラフィシステムにおいて照射源として使用することができる。光のパラメータ(例えば、波長、出力レベル、および輝度)は、用途に応じてさまざまなものがある。
【0003】
[0003]例えば、ウェハ検査システムにおける現行技術では、光を発生するためにキセノンアークまたは水銀アークのランプの使用を必要とする。アークランプは、ランプのチャンバー内に配置されたキセノンまたは水銀ガスを励起するために使用されるアノードおよびカソードを備える。アノードとカソードとの間で放電が発生し、これにより、励起された(例えばイオン化された)ガスに電力が供給され、光源の動作中イオン化ガスによって放射された光が維持される。動作中、アノードおよびカソードは、アノードとカソードの間にあるイオン化ガスに放電が伝えられるので非常に熱くなる。その結果、アノードおよび/またはカソードは消耗しがちであり、また、光源を汚染するか、または光源の故障を結果としてもたらしうる粒子を放出することがある。また、これらのアークランプは、とりわけ紫外線スペクトルにおいて、いくつかの用途向けには輝度が十分でない。さらに、これらのランプではアークの位置が不安定になる恐れがある。
【0004】
[0004]したがって、改善された高輝度光源が必要である。また、高輝度光を発生するプラズマを維持するのに放電に依存しない改善された高輝度光源も必要である。
[0005]多くの光源(例えば、アークランプ、マイクロ波ランプ)が発生する光の特性は、光が、例えば、その光を放射する場所を備えるチャンバーの壁を通過するときに影響を受ける。
【0005】
[0006]したがって、光を放射する場所を備えるチャンバーの壁を光が通過するときに放射される光が著しく影響を受けることのない改善された光源が必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
[0007]本発明は、高輝度光を発生するための光源を特徴とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
[0008]本発明は、一態様では、チャンバーを有する光源を特徴とする。光源は、チャンバー内のガスをイオン化するための点火源も備える。光源は、チャンバー内のイオン化ガスにエネルギーを供給するための少なくとも1つのレーザーも備え、高輝度光を発生する。
【0008】
[0009]いくつかの実施形態では、少なくとも1つのレーザーは、高輝度光の発生元となる領域に向けられた複数のレーザーである。いくつかの実施形態では、光源は、イオン化ガスに供給されたレーザーエネルギーの特性を変更するための少なくとも1つの光学要素も備える。光学要素は、例えばレンズ(例えば不遊レンズ、色消しレンズ、単玉レンズ、およびフレネルレンズ)またはミラー(例えば、コーティングされたミラー、誘電体でコーティングされたミラー、狭帯域ミラー、および紫外線を透過して赤外線を反射するミラー)とすることができる。いくつかの実施形態では、光学要素は、ガスにレーザーエネルギーを向けるための1つまたは複数の光ファイバー要素である。
【0009】
[0010]チャンバーは、紫外線透過領域を備えることができる。チャンバーまたはチャンバー内の窓は、石英、Suprasil(登録商標)石英(Heraeus Quartz America、LLC社(ジョージア州ビュフォード所在))、サファイア、MgF、ダイヤモンドおよびCaFからなるグループから選択された材料を含むことができる。いくつかの実施形態では、チャンバーは密閉チャンバーである。いくつかの実施形態では、チャンバーは、能動的に励起(actively pumped)されうる。いくつかの実施形態では、チャンバーは、誘電体(例えば、石英)を含む。チャンバーは、例えば、ガラスバルブであってよい。いくつかの実施形態では、チャンバーは、紫外線透過性誘電体チャンバーである。
【0010】
[0011]ガスは、希ガス、Xe、Ar、Ne、Kr、He、D、H、O、F、金属ハロゲン化物、ハロゲン、Hg、Cd、Zn、Sn、Ga、Fe、Li、Na、エキシマ形成ガス、空気、蒸気、金属酸化物、エアロゾル、流動媒体、または再生媒体のうちの1つまたは複数とすることができる。ガスは、チャンバー内の対象(例えば、固体または液体)に衝突するパルスレーザービームによって生成されうる。対象は、金属のプールまたはフィルムであってよい。いくつかの実施形態では、対象は、移動することができる。例えば、対象は、高輝度光の発生元となる領域へ向けられる液体であってよい。
【0011】
[0012]いくつかの実施形態では、少なくとも1つのレーザーは、光ファイバー要素内に結合された複数のダイオードレーザーである。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのレーザーは、パルスまたは連続波レーザーを含む。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのレーザーは、IRレーザー、ダイオードレーザー、ファイバーレーザー、イッテルビウムレーザー、COレーザー、YAGレーザー、またはガス放電レーザーである。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのレーザーは、イオン化媒体に強く吸収される電磁エネルギーの少なくとも1つの波長を放射する。
【0012】
[0013]点火源は、電極、紫外線点火源、容量性点火源、誘導性点火源、RF点火源、マイクロ波点火源、閃光ランプ、パルスレーザーまたはパルスランプでありうるか、またはこれらを含むことができる。点火源は、チャンバー内の固体または液体の対象に当たる連続波(CW)またはパルスレーザーであってよい。点火源は、チャンバーの外部または内部に存在することができる。
【0013】
[0014]光源は、イオン化ガスによって放射された電磁放射の特性を変更するために少なくとも1つの光学要素を含むことができる。光学要素は、例えば、1つまたは複数のミラーまたはレンズとすることができる。いくつかの実施形態では、光学要素は、イオン化ガスによって放射された電磁放射をツール(例えば、ウェハ検査ツール、顕微鏡、計量ツール、リソグラフィツールまたは内視鏡検査ツール)に送るように構成される。
【0014】
[0015]本発明は、別の態様では、光を発生するための方法に関する。この方法は、点火源でチャンバー内のガスをイオン化するステップを含む。この方法は、チャンバー内のイオン化ガスにレーザーエネルギーを供給して高輝度光を発生するステップも含む。
【0015】
[0016]いくつかの実施形態では、この方法は、イオン化ガスに供給されたレーザーエネルギーの特性を変更するために、レーザーエネルギーを少なくとも1つの光学要素に通すステップも含む。いくつかの実施形態では、この方法は、能動的にチャンバーを励起するステップも含む。イオン性媒体は、移動する対象であるものとしてよい。いくつかの実施形態では、この方法は、光の特性を変更するために、高輝度光を少なくとも1つの光学要素に通すステップも含む。いくつかの実施形態では、この方法は、イオン化媒体によって放射された高輝度光をツール(例えば、ウェハ検査ツール、顕微鏡、計量ツール、リソグラフィツールまたは内視鏡検査ツール)に送るステップも含む。
【0016】
[0017]別の態様では、本発明は光源を特徴とする。光源は、チャンバー内のイオン性媒体をイオン化するためのチャンバーおよび点火源を備える。光源は、チャンバー内のイオン化媒体に対して実質的に連続したエネルギーを供給して高輝度光を発生するための少なくとも1つのレーザーも備える。
【0017】
[0018]いくつかの実施形態では、少なくとも1つのレーザーは、連続波レーザー、または高いパルス繰返し数のレーザーである。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのレーザーは、イオン化媒体にエネルギーのパルスを供給する高いパルス繰返し数のレーザーであり、そのため、高輝度光は実質的に連続的である。いくつかの実施形態では、動作中、高輝度光の強さは、約90%を上回って変動することはない。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのレーザーは、イオン化媒体にエネルギーが供給されないときに、イオン化媒体の冷却を最小化するためにエネルギーを実質的に連続して供給する。
【0018】
[0019]いくつかの実施形態では、光源は、イオン化媒体に供給されたレーザーエネルギーの特性を変更するための少なくとも1つの光学要素(例えばレンズまたはミラー)を備えることができる。光学要素は、例えば、不遊レンズ、色消しレンズ、単玉レンズ、フレネルレンズ、コーティングされたミラー、誘電体でコーティングされたミラー、狭帯域ミラー、または紫外線を透過して赤外線を反射するミラーとすることができる。いくつかの実施形態では、光学要素は、レーザーエネルギーをイオン性媒体に向けるための1つまたは複数の光ファイバー要素である。
【0019】
[0020]いくつかの実施形態では、チャンバーは紫外線透過領域を備える。いくつかの実施形態では、チャンバーまたはチャンバー内の窓は、石英材料、suprasil石英材料、サファイア材料、MgF材料、ダイヤモンド材料、またはCaF材料を含む。いくつかの実施形態では、チャンバーは密閉チャンバーである。チャンバーは能動的に励起されうるものとしてよい。いくつかの実施形態では、チャンバーは、誘電体(例えば、石英)を含む。いくつかの実施形態では、チャンバーは、ガラスバルブである。いくつかの実施形態では、チャンバーは、紫外線透過性誘電体チャンバーである。
【0020】
[0021]イオン性媒体は、固体、液体、または気体でありうる。イオン性媒体は、希ガス、Xe、Ar、Ne、Kr、He、D、H、O、F、金属ハロゲン化物、ハロゲン、Hg、Cd、Zn、Sn、Ga、Fe、Li、Na、エキシマ形成ガス、空気、蒸気、金属酸化物、エアロゾル、流動媒体、再生媒体、または揮発性の対象のうちの1つまたは複数を含むことができる。いくつかの実施形態では、イオン性媒体はチャンバー内の対象であり、点火源は、対象に当たるパルスレーザービームを供給するパルスレーザーである。対象は、金属のプールまたはフィルムであってよい。いくつかの実施形態では、対象は、移動することができる。
【0021】
[0022]いくつかの実施形態では、少なくとも1つのレーザーは、光ファイバー要素内に結合された複数のダイオードレーザーである。少なくとも1つのレーザーは、イオン化媒体に強く吸収される電磁エネルギーの少なくとも1つの波長を放射することができる。
【0022】
[0023]点火源は、電極、紫外線点火源、容量性点火源、誘導性点火源、RF点火源、マイクロ波点火源、閃光ランプ、パルスレーザーまたはパルスランプでありうるか、またはこれらを含むことができる。点火源は、チャンバーの外部または内部に存在することができる。
【0023】
[0024]いくつかの実施形態では、光源は、イオン化媒体によって放射された電磁放射の特性を変更するための少なくとも1つの光学要素(例えばミラーまたはレンズ)を備える。光学要素は、イオン化媒体によって放射された電磁放射をツール(例えばウェハ検査ツール、顕微鏡、計量ツール、リソグラフィツールまたは内視鏡検査ツール)に送るように構成されうる。
【0024】
[0025]本発明は、別の態様では、光を発生するための方法に関する。この方法は、チャンバー内のイオン性媒体を点火源でイオン化するステップを含む。この方法は、チャンバー内のイオン化媒体に対して実質的に連続したレーザーエネルギーを供給して高輝度光を発生するステップも含む。
【0025】
[0026]いくつかの実施形態では、この方法は、イオン性媒体に供給されたレーザーエネルギーの特性を変更するために、レーザーエネルギーを少なくとも1つの光学要素に通すステップも含む。この方法は、チャンバーを能動的に励起するステップも含むことができる。いくつかの実施形態では、イオン性媒体は、移動する対象である。イオン性媒体は、固体、液体、または気体を含むことができる。いくつかの実施形態では、この方法は、光の特性を変更するために、高輝度光を少なくとも1つの光学要素に通すステップも含む。いくつかの実施形態では、この方法は、イオン化媒体によって放射された高輝度光をツールに送るステップも含む。
【0026】
[0027]本発明は、別の態様では、チャンバーを有する光源を特徴とする。光源は、チャンバー内のイオン性媒体をイオン化するための第1の点火手段を備える。光源は、チャンバー内のイオン化媒体に対して実質的に連続したレーザーエネルギーを供給するための手段も備える。
【0027】
[0028]本発明は、別の態様では、反射面を備えるチャンバーを有する光源を特徴とする。光源は、チャンバー内のガスをイオン化するための点火源も備える。光源は、反射器の方へ向けられた電磁エネルギーの所定の波長の第1の組を少なくとも実質的に反射し、電磁エネルギーの所定の波長の第2の組が反射器を通り抜けることを少なくとも実質的に可能にする反射器も備える。光源は、チャンバー内のイオン化ガスに電磁エネルギーを供給して高輝度光を発生するプラズマを生成するために少なくとも1つのレーザー(例えば、連続波のファイバーレーザー)もチャンバーの外部に備える。連続波レーザーは、パルスレーザーの場合のような短いバーストではなく、連続して、または実質的に連続して放射する。
【0028】
[0029]いくつかの実施形態では、少なくとも1つのレーザーが、反射器によって電磁エネルギーの第1の組の波長をチャンバーの反射面(例えば、内面)へ向け、反射面が電磁エネルギーの波長の第1の組の少なくとも一部分をプラズマの方へ向ける。いくつかの実施形態では、高輝度光の少なくとも一部分が、チャンバーの反射面の方へ向けられ、反射器の方へ反射され、反射器によってツールの方へ反射される。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのレーザーが、電磁エネルギーの第1の組の波長を反射器の方へ向け、反射器が電磁エネルギーの波長の第1の組の少なくとも一部分をチャンバーの反射面の方へ反射し、反射面が電磁エネルギーの波長の第1の組の一部分をプラズマの方へ向ける。
【0029】
[0030]いくつかの実施形態では、高輝度光の少なくとも一部分が、チャンバーの反射面に向けられ、反射器の方へ反射され、光源の出力に向かって反射器を通り抜ける。いくつかの実施形態では、光源は、高輝度光を受け取るために光源の出力に対して間を置いて配置された顕微鏡、紫外線顕微鏡、ウェハ検査システム、レチクル検査システム、またはリソグラフィシステムを備える。いくつかの実施形態では、高輝度光の一部分が、チャンバーの反射面に向けられ、反射器の方へ反射され、電磁エネルギーの所定の波長の第2の組を含む電磁エネルギーは反射器を通り抜ける。
【0030】
[0031]光源のチャンバーは、窓を備えることができる。いくつかの実施形態では、チャンバーは密閉チャンバーである。いくつかの実施形態では、チャンバーの反射面は、湾曲した形状、放物面の形状、楕円の形状、球形状、または非球面の形状を備える。いくつかの実施形態では、チャンバーは、反射性の内面を有する。いくつかの実施形態では、チャンバーの外側に、反射面を形成するためにコーティングまたはフィルムが配置される。いくつかの実施形態では、チャンバーの内側に、反射面を形成するためにコーティングまたはフィルムが配置される。いくつかの実施形態では、反射面は、チャンバーの内面とは明確に異なる構造または光学要素である。
【0031】
[0032]光源は、レーザーからの電磁エネルギーが進行する経路にそって配設された光学要素を備えることができる。いくつかの実施形態では、光学要素は、レーザーからプラズマへの電磁エネルギーを大きな立体角にわたって供給するように適合される。いくつかの実施形態では、チャンバーの反射面は、レーザーからプラズマへの電磁エネルギーを大きな立体角にわたって供給するように適合される。いくつかの実施形態では、チャンバーの反射面は、プラズマによって発生された高輝度光を大きな立体角にわたって集光するように適合される。いくつかの実施形態では、反射面、反射体、および窓の1つまたは複数は、電磁エネルギーの所定の波長(例えば、電磁エネルギーの赤外線波長)を濾波するための材料を含む(例えばコーティングされるか、または含む)。
【0032】
[0033]本発明は、別の態様では、反射面を有するチャンバーを備える光源を特徴とする。光源は、チャンバー内のガスをイオン化するための点火源も備える。光源は、チャンバー内のイオン化ガスに電磁エネルギーを供給するための少なくとも1つのレーザーもチャンバーの外部に備え、高輝度光を発生するプラズマを生成する。光源は、少なくとも1つのレーザーからチャンバーの反射面へ電磁エネルギーが進行する経路にそって配置された反射体も備える。
【0033】
[0034]いくつかの実施形態では、反射体は、反射体の方へ向けられた電磁エネルギーの所定の波長の第1の組を少なくとも実質的に反射し、電磁エネルギーの所定の波長の第2の組が反射器を通り抜けることを少なくとも実質的に可能にするように適合される。
【0034】
[0035]本発明は、別の態様では、光を発生するための方法に関する。この方法は、反射面を有するチャンバー内のガスを点火源でイオン化するステップを含む。この方法は、チャンバー内のイオン化ガスにレーザーエネルギーを供給して高輝度光を発生するプラズマを生成するステップも含む。
【0035】
[0036]いくつかの実施形態では、この方法は、反射体によって電磁エネルギーの第1の組の波長を含むレーザーエネルギーをチャンバーの反射面の方へ向けるステップを含み、反射面が電磁エネルギーの波長の第1の組の少なくとも一部分をプラズマの方へ反射する。いくつかの実施形態では、この方法は、高輝度光の少なくとも一部分をチャンバーの反射面の方へ向けるステップを含み、この高輝度光は、反射体の方へ反射され、かつ反射体によってツールの方へ反射される。
【0036】
[0037]いくつかの実施形態では、この方法は、電磁エネルギーの第1の組の波長を含むレーザーエネルギーを反射器の方へ向けるステップを含み、反射体は、電磁エネルギーの波長の第1の組の少なくとも一部分をチャンバーの反射面の方へ反射し、反射面は、電磁エネルギーの波長の第1の組の一部分をプラズマの方へ向ける。いくつかの実施形態では、この方法は、高輝度光の一部分をチャンバーの反射面に向けるステップを含み、この高輝度光は反射体の方へ反射され、また、電磁エネルギーの所定の波長の第2の組を含む電磁エネルギーは反射体を通り抜ける。
【0037】
[0038]この方法は、レーザーエネルギーをレーザーエネルギーの特性を変更する光学要素に通し、レーザーエネルギーをプラズマの方へ大きな立体角にわたって送るステップを含むことができる。いくつかの実施形態では、この方法は、レーザーエネルギーをレーザーエネルギーの特性を変更する光学要素に通し、レーザーエネルギーをプラズマの方へ約0.012ステラジアンの立体角にわたって送るステップを含む。いくつかの実施形態では、この方法は、レーザーエネルギーをレーザーエネルギーの特性を変更する光学要素に通し、レーザーエネルギーをプラズマの方へ約0.048ステラジアンの立体角にわたって送るステップを含む。いくつかの実施形態では、この方法は、レーザーエネルギーをレーザーエネルギーの特性を変更する光学要素に通し、レーザーエネルギーをプラズマの方へ約2π(約6.28)ステラジアンを上回る立体角にわたって送るステップを含む。いくつかの実施形態では、チャンバーの反射面は、プラズマにレーザーエネルギーを大きな立体角にわたって供給するように適合される。いくつかの実施形態では、チャンバーの反射面は、プラズマによって発生された高輝度光を大きな立体角にわたって集光するように適合される。
【0038】
[0039]本発明は、別の態様では、光を発生するための方法に関する。この方法は、反射面を有するチャンバー内のガスを点火源でイオン化するステップを含む。この方法は、電磁エネルギーの波長の第1の組をチャンバー内のイオン化ガスの方へ少なくとも実質的に反射する反射体の方へレーザーからの電磁エネルギーを向けて、高輝度光を発生するプラズマを生成するステップも含む。
【0039】
[0040]いくつかの実施形態では、レーザーからの電磁エネルギーは、まず反射体によってチャンバーの反射面の方へ反射される。いくつかの実施形態では、チャンバーの反射面の方に向けられた電磁エネルギーは、プラズマの方へ反射される。いくつかの実施形態では、高輝度光の一部分が、チャンバーの反射面の方へ向けられ、反射体の方へ反射されて反射体を通り抜ける。
【0040】
[0041]いくつかの実施形態では、レーザーからの電磁エネルギーは、まず反射体を通り抜けてチャンバーの反射面の方へ進行する。いくつかの実施形態では、チャンバーの反射面の方に向けられた電磁エネルギーは、プラズマの方へ反射される。いくつかの実施形態では、高輝度光の一部分が、チャンバーの反射面の方へ向けられ、反射体の方へ反射され、反射体によって反射される。
【0041】
[0042]本発明は、別の態様では、反射面を有するチャンバーを備える光源を特徴とする。光源は、チャンバー内のガスをイオン化するための手段も備える。光源は、反射体の方へ向けられた電磁エネルギーの所定の波長の第1の組を少なくとも実質的に反射し、電磁エネルギーの所定の波長の第2の組が反射体を通り抜けることを少なくとも実質的に可能にするための手段も備える。光源は、チャンバー内のイオン化ガスに電磁エネルギーを供給するための手段も備え、高輝度光を発生するプラズマを生成する。
【0042】
[0043]本発明は、別の態様では、密閉チャンバーを備える光源を特徴とする。光源は、チャンバー内のガスをイオン化するための点火源も備える。光源は、チャンバー内のイオン化ガスにエネルギーを供給するための少なくとも1つのレーザーも密閉チャンバーの外部に備え、高輝度光を発生するプラズマを生成する。光源は、密閉チャンバーによって放射された高輝度光の少なくとも一部分を受け取って光源の出力の方へ反射するために、密閉チャンバーの外部に配設される湾曲した反射面も備える。
【0043】
[0044]いくつかの実施形態では、光源は、レーザーからの電磁エネルギーが進行経路にそって配設された光学要素を備える。いくつかの実施形態では、密閉チャンバーは、湾曲した反射面に相対的に密閉チャンバーを配置する支持要素を備える。いくつかの実施形態では、密閉チャンバーは、石英バルブである。いくつかの実施形態では、光源は、レーザー電磁エネルギーの少なくとも一部分を受け取って高輝度光を発生するプラズマに対して電磁エネルギーを合焦するために、密閉チャンバーの内部または外部に配設される第2の湾曲した反射面を備える。
【0044】
[0045]本発明は、別の態様では、密閉チャンバーおよびチャンバー内のガスをイオン化するための点火源を備える光源を特徴とする。光源は、電磁エネルギーを供給するために、密閉チャンバーの外部に少なくとも1つのレーザーも備える。光源は、電磁エネルギーの少なくとも一部分を受け取り、チャンバー内のイオン化ガスの方へ反射するための湾曲した反射面も備えて高輝度光を発生するプラズマを生成し、湾曲した反射面は、プラズマによって放射された高輝度光の少なくとも一部分も受け取って光源の出力の方へ反射する。
【0045】
[0046]いくつかの実施形態では、湾曲した反射面は、チャンバー内のプラズマがある領域に対して電磁エネルギーを合焦する。いくつかの実施形態では、湾曲した反射面は、チャンバー内に配置される。いくつかの実施形態では、湾曲した反射面は、チャンバーの外部に配置される。いくつかの実施形態では、高輝度光は、紫外線光であるか、紫外線光を含むか、または実質的に紫外線光である。
【0046】
[0047]本発明は、別の態様では、チャンバーを備える光源を特徴とする。光源は、チャンバー内のガスにエネルギーを供給するためのエネルギー源も備え、チャンバーの壁を通して放射される光を発生するプラズマを生成する。光源は、チャンバーの壁を通して放射される光を反射する反射体も備える。反射体は、チャンバーの壁の屈折率を補正するように構成された形状を有する反射面を備える。この形状は、修正された放物面の形状、楕円の形状、球形状、または非球面の形状であるものとしてよい。
【0047】
[0048]いくつかの実施形態では、エネルギー源は、チャンバーの外部にある少なくとも1つのレーザーである。いくつかの実施形態では、エネルギー源は、チャンバー内の点火源でもある。エネルギー源は、マイクロ波エネルギー源、ACアーク源、DCアーク源、レーザー、またはRFエネルギー源であってよい。エネルギー源は、パルスレーザー、連続波ファイバーレーザー、またはダイオードレーザーとすることができる。
【0048】
[0049]いくつかの実施形態では、チャンバーは密閉チャンバーである。チャンバーは、円筒状管を備えることができる。いくつかの実施形態では、円筒状管は先細りである。チャンバーは、円筒状管の一方の端部または両端に1つまたは複数のシールを備えることができる。チャンバーは、サファイア、石英、溶融石英、Suprasil石英、溶融シリカ、Suprasil溶融シリカ、MgF、ダイヤモンド、単結晶石英、またはCaFを備えることができる。チャンバーは、誘電体を備えるものとしてよい。チャンバーは、紫外線透過誘電体を備えることができる。チャンバーは、反射体内の開口部を通して突き出るものとしてよい。
【0049】
[0050]いくつかの実施形態では、光源は、チャンバー内のガスをイオン化するための点火源も備える。点火源としては、電極、紫外線点火源、容量性点火源、誘導性点火源、閃光ランプ、パルスレーザー、またはパルスランプが挙げられる。点火源は、プラズマの対向する側に配置された電極を備えることができる。
【0050】
[0051]いくつかの実施形態では、光源は、反射体に相対的にチャンバーを配置する支持要素も備える。支持要素は、チャンバーの圧力制御または充填のうちの少なくとも1つを可能にするフィッティングを備えることができる。
【0051】
[0052]いくつかの実施形態では、光源は、少なくとも1つの光学要素を備える。光学要素は、チャンバーの壁を通して放射され、反射体によって反射される光の特性を変更することができる。光学要素は、ミラーまたはレンズであってよい。光学要素は、チャンバーの壁を通して放射され、反射体によってツール(例えばウェハ検査ツール、顕微鏡、紫外線顕微鏡、レチクル検査システム、計量ツール、リソグラフィツール、または内視鏡検査ツール)に反射される光を送出するように構成されうる。
【0052】
[0053]本発明は、別の態様では、光を発生するための方法を特徴とする。この方法は、チャンバーの壁を通して光を放射するステップを含む。この方法は、反射体の反射面を使用して光を反射するステップも含み、反射面は、チャンバーの壁の屈折率を補正するように構成された形状を有する。
【0053】
[0054]いくつかの実施形態では、この方法は、ガスをチャンバー内に流し込むステップも含む。いくつかの実施形態では、この方法は、チャンバー内のガスに点火してイオン化ガスを生成するステップも含む。いくつかの実施形態では、この方法は、イオン化ガスにレーザーエネルギーを当てて、光(例えば、高輝度光)を発生するプラズマを生成するステップも含む。いくつかの実施形態では、この方法は、チャンバーの外部の少なくとも1つのレーザーからチャンバー内にレーザーエネルギーを向けるステップも含む。いくつかの実施形態では、この方法は、レーザーエネルギーの特性を変更する光学要素にレーザーエネルギーを通すステップも含む。いくつかの実施形態では、この方法は、反射光の特性を変更するために光学要素に反射光を通すステップも含む。いくつかの実施形態では、この方法は、反射光をツールに向けるステップも含む。いくつかの実施形態では、この方法は、チャンバーの圧力を制御するステップも含む。
【0054】
[0055]いくつかの実施形態では、この方法は、形状を数式として表すステップも含む。いくつかの実施形態では、この方法は、チャンバーの壁の屈折率が指定された値より低いことで生じる誤差を低減するように数式のパラメータを選択するステップも含む。いくつかの実施形態では、この方法は、チャンバーの壁の屈折率を補正するように形状を構成するステップも含む。いくつかの実施形態では、この方法は、反射面により反射光の平行もしくは集束ビームを生成するステップも含む。いくつかの実施形態では、この方法は、チャンバーの壁の屈折率を補正するように放物面の形状、楕円の形状、球形状、または非球面の形状を変更し、合焦され反射される高輝度光を発生するステップも含む。
【0055】
[0056]本発明は、別の態様では、チャンバーを備える光源を特徴とする。光源は、チャンバー内のガスに電磁エネルギーを供給するためのレーザー源も備え、チャンバーの壁を通して放射される光を発生するプラズマを生成する。光源は、チャンバーの壁を通る電磁エネルギーとチャンバーの壁を通して放射される光とを反射する反射体も備え、反射体は、チャンバーの壁の屈折率を補正するように構成された形状を有する反射面を備える。
【0056】
[0057]本発明は、別の態様では、チャンバーを有する光源を特徴とする。光源は、チャンバー内のガスにエネルギーを供給するための手段も備え、チャンバーの壁を通して放射される光を発生するプラズマを生成する。光源は、チャンバーの壁を通して放射される光を反射するための手段も備え、この反射手段は、チャンバーの壁の屈折率を補正するように構成された形状を有する反射面を備える。
【0057】
[0058]本発明は、別の態様では、チャンバーを有する光源を特徴とする。光源は、チャンバー内の媒体(例えば、ガス)をイオン化するための点火源も備える。光源は、チャンバー内のイオン化された媒体にエネルギーを供給するためのレーザーも備え、光を発生する。光源は、エネルギーの少なくとも一部をブロックするためにエネルギーが進行する経路にそって吊り下げられたブロッカーも備える。
【0058】
[0059]いくつかの実施形態では、ブロッカーは、イオン化された媒体によって吸収されないイオン化された媒体に供給されたエネルギーを光源の出力から遠ざかるように偏向する。いくつかの実施形態では、ブロッカーは、ミラーである。
【0059】
[0060]いくつかの実施形態では、ブロッカーは、イオン化された媒体によって吸収されないイオン化された媒体に供給されたエネルギーを吸収する。ブロッカーとしては、グラファイトが挙げられる。
【0060】
[0061]いくつかの実施形態では、ブロッカーは、イオン化された媒体によって吸収されないイオン化された媒体に供給されたエネルギーを反射する。いくつかの実施形態では、反射エネルギーは、チャンバー内のイオン化された媒体の方へ反射される。いくつかの実施形態では、ブロッカーは、チャンバーの一部に施されたコーティングである。
【0061】
[0062]いくつかの実施形態では、光源は、ブロッカー内に配設された冷却材チャネルを備える。いくつかの実施形態では、光源は、冷却材チャネルに結合された冷却材供給部(例えば、冷却材、例えば、水を供給するための)を備える。いくつかの実施形態では、光源は、ブロッカーを冷却するためにブロッカー上にガス(例えば、窒素もしくは空気)を吹き付けるガス源を備える。
【0062】
[0063]いくつかの実施形態では、光源は、ブロッカーを光源のハウジングに連結するアームを備える。
[0064]いくつかの実施形態では、レーザーによって供給されるエネルギーはチャンバーの第1の側からチャンバー内に入り、またブロッカーは、第1の側の反対側のチャンバーの第2の側に吊り下げられている。
【0063】
[0065]本発明は、別の態様では、光を発生するための方法に関する。この方法は、点火源でチャンバー内の媒体をイオン化するステップを含む。この方法は、チャンバー内のイオン化された媒体にレーザーエネルギーを供給して光を発生するステップも含む。この方法は、イオン化された媒体によって吸収されないイオン化された媒体に供給されたエネルギーをエネルギーが進行する経路にそって吊り下げられているブロッカーによってブロックするステップも含む。
【0064】
[0066]いくつかの実施形態では、エネルギーをブロックするステップは、エネルギーを偏向して光源の出力から遠ざけるステップを含む。いくつかの実施形態では、ブロッカーは、ミラーを備える。いくつかの実施形態では、エネルギーをブロックするステップは、エネルギーを吸収するステップを含む。いくつかの実施形態では、エネルギーをブロックするステップは、エネルギーを反射するステップを含む。いくつかの実施形態では、エネルギーを反射するステップは、エネルギーをチャンバー内のイオン化された媒体の方へ反射するステップを含む。
【0065】
[0067]いくつかの実施形態では、この方法は、ブロッカーを冷却するステップも含む。いくつかの実施形態では、ブロッカーを冷却するステップは、冷却材をブロッカー内の、またはブロッカーに結合されたチャネル内に貫流させるステップを含む。いくつかの実施形態では、この方法は、ブロッカーを冷却するためにブロッカー上にガスを吹き付けるステップを含む。
【0066】
[0068]本発明は、別の態様では、光を発生するための方法に関する。この方法は、点火源でチャンバー内のガスをイオン化するステップを含む。この方法は、10気圧を超える圧力下にあるチャンバー内のイオン化ガスにレーザーエネルギーを供給して高輝度光を発生するステップも含む。
【0067】
[0069]いくつかの実施形態では、チャンバー内のガスは、30大気を超える圧力がかかっている。いくつかの実施形態では、チャンバー内のガスは、50大気を超える圧力がかかっている。いくつかの実施形態では、高輝度光が、約0.01mmの体積を有するプラズマから放射される。
【0068】
[0070]本発明は、別の態様では、中にガスが配設されているチャンバーと点火源とを有する光源、および少なくとも1つのレーザーに関する。点火源は、ガスを励起する。励起ガスは、赤外線波長において少なくとも1つの強い吸収線を有する。少なくとも1つのレーザーは、チャンバー内の励起ガスの強い吸収線に近い波長においてエネルギーを励起ガスに供給し、高輝度光を発生する。
【0069】
[0071]いくつかの実施形態において、ガスは、希ガスを含む。ガスはキセノンを含んでいてもよい。いくつかの実施形態では、励起ガスは、最低励起状態の原子を含む。ガスは、少なくとも1つのレーザーの波長の近いところで吸収性を有するものとしてよい。励起ガスの強い吸収線は、約980nmまたは約882nmとすることができる。いくつかの実施形態では、励起ガスは、準安定状態にある。
【0070】
[0072]本発明は、別の態様では、光を発生するための方法に関する。点火源は、チャンバー内のガスを励起する。レーザーは第1の波長に同調され、チャンバー内の励起ガスにエネルギーを供給して高輝度光を生成する。励起ガスは、第1の波長の近くのエネルギーを吸収する。レーザーは第2の波長に同調され、チャンバー内の励起ガスにエネルギーを供給して高輝度光を維持する。励起ガスは、第2の波長の近くのエネルギーを吸収する。
【0071】
[0073]いくつかの実施形態では、レーザーは、レーザーの動作温度を調整することによって第1の波長および第2の波長に同調される。いくつかの実施形態では、レーザーは、ダイオードレーザーであり、レーザーは、温度調整の約0.4nm/℃で同調される。レーザーの動作温度は、熱電冷却デバイスの電流を変えることによって調整することができる。
【0072】
[0074]チャンバー内のガスは、電子が少なくとも1つの励起原子状態にある原子を有するものとすることができる。チャンバー内のガスは、希ガスであってよく、また、いくつかの実施形態では、チャンバー内のガスはキセノンである。
【0073】
[0075]いくつかの実施形態では、第1の波長は、約980nmである。第2の波長は、約975nmであってよい。第2の波長は、第1の波長から約1nmないし約10nmずらされた波長であるものとしてよい。本発明は、別の態様では、光源に関する。光源は、1つまたは複数の壁を有するチャンバーとチャンバー内に配設されるガスとを備える。光源は、チャンバー内でガス上に合焦されるエネルギーの集束ビームを供給するための少なくとも1つのレーザーも備え、チャンバーの壁を通して放射される光を発生するプラズマを生成し、これにより、エネルギーの集束ビームの開口数は約0.1から約0.8である。いくつかの実施形態では、この開口数は、約0.4から約0.6である。開口数は、約0.5であってよい。
【0074】
[0076]光源は、ビームの経路内に光学要素を備えることもできる。光学要素は、ビームの開口数を増やすことができるものとしてよい。いくつかの実施形態では、光学要素は、レンズまたはミラーである。レンズは、非球面レンズとすることができる。いくつかの実施形態では、プラズマのスペクトル放射輝度は、ビームの開口数の増大とともに増大する。
【0075】
[0077]本発明は、別の態様では、光源に対してバルブの位置合わせを事前に行う方法に関する。バルブは、2つの電極を有し、取り付け基部に結合される。バルブおよび取り付け基部は、カメラアセンブリ内に挿入されている。カメラアセンブリは、少なくとも1つのカメラおよびディスプレイ画面を備える。少なくとも1つのカメラからのバルブの少なくとも1つの画像が、ディスプレイ画面上に表示される。取り付け基部内のバルブの位置は、2つの電極間のバルブの領域がディスプレイ画面上の位置決めグリッドと揃うように調整される。
【0076】
[0078]いくつかの実施形態では、光源用のランプは、本明細書で説明されている方法を使用して事前に位置合わせされる。
[0079]いくつかの実施形態では、この方法は、バルブの位置合わせを行うために少なくとも2つのカメラをトグル式に切り替えるステップを含む。カメラアセンブリは、2つのカメラを備えることができる。そのカメラから得られる画像は、異なる色で表示することができる。いくつかの実施形態では、これら2つのカメラは、2つの直交する方向からバルブの画像を撮れるように位置決めされる。
【0077】
[0080]バルブの位置は、垂直方向および水平方向に調整することができる。バルブの位置は、マニピュレータによって調整することができる。マニピュレータは、バルブの上に位置決めされ、バルブを垂直方向および水平方向に移動することができるものとしてよい。
【0078】
[0081]この方法は、2つの電極の間のバルブの領域がディスプレイ画面上の位置決めグリッドに位置合わせされた後にバルブを基部に固定するステップも含むことができる。いくつかの実施形態では、位置決めグリッドは、2つの電極間のバルブの中心領域がディスプレイ画面上の位置決めグリッドに位置合わせされたときに、その領域がバルブおよび取り付け基部が光源内に挿入されるときにレーザーの焦点に相対的に位置合わせされるように事前に決定される。
【0079】
[0082]本発明は、別の態様では、光源内のノイズを低減するための方法に関する。光源は、レーザーを備える。光源から放射される光のサンプルが収集される。光のサンプルは、電気信号に変換される。この電気信号を基準信号と比較して、誤差信号を得る。制御信号が得られるように誤差信号が処理される。光源内のノイズが低減されるように、光源のレーザーの強さが制御信号に基づき設定される。これらのステップは、ノイズが所望の程度に達するまで繰り返すことができる。
【0080】
[0083]いくつかの実施形態では、光源から放射される光のサンプルがビームスプリッタから収集される。ビームスプリッタは、ガラス製ビームスプリッタであるか、または二股分岐のファイバーバンドルとすることができる。
【0081】
[0084]いくつかの実施形態では、誤差信号は、基準サンプルと変換されたサンプルとの間の差である。誤差信号は、制御増幅器によって処理されうる。制御増幅器は、誤差信号の時間積分、時間導関数、または大きさのうちの少なくとも1つに比例する制御信号を出力することができる。
【0082】
[0085]サンプルは、フォトダイオードを使用して収集することができる。いくつかの実施形態では、サンプルは、光源のケーシング内のフォトダイオードを使用して収集される。いくつかの実施形態では、サンプルは、光源のケーシングの外部のフォトダイオードを使用して収集される。いくつかの実施形態では、2つのサンプルが収集される。一方のサンプルは、光源のケーシング内の第1のフォトダイオードを使用して収集され、他方のサンプルは、光源のケーシングの外部の第2のフォトダイオードを使用して収集されうる。
【0083】
[0086]本発明は、別の態様では、光源に関する。光源は、1つまたは複数の壁を有するチャンバーとチャンバー内に配設されるガスとを備える。光源は、チャンバー内のガスにエネルギーを供給するための少なくとも1つのレーザーも備え、チャンバーの壁を通して放射される光を発生するプラズマを生成する。レーザーエネルギーがプラズマの方へ向けられるように2色性ミラーが少なくとも1つのレーザーの経路内に位置決めされる。2色性ミラーは、プラズマが発生する光が少なくとも1つのレーザーの方に実質的に反射されないように少なくとも1つの波長の光を選択的に反射する。
【0084】
[0087]本発明は、別の態様では、光源に関する。光源は、中にガスが配設されているチャンバーとガスを励起するための点火源とを有する。光源は、チャンバー内の励起ガスにエネルギーを供給するための少なくとも1つのレーザーも有し、第1のスペクトルを有する高輝度光を発生する。光学要素が、高輝度光の経路内に配設され、これにより、高輝度光の第1のスペクトルを第2のスペクトルに変更する。
【0085】
[0088]光学要素は、プリズム、弱いレンズ、強いレンズ、または2色性フィルターとすることができる。いくつかの実施形態では、第2のスペクトルは、第1のスペクトルに比べて、紫外線領域において、より大きな割合の光の強さを有する。いくつかの実施形態では、第1のスペクトルは、第2のスペクトルに比べて、可視光線領域において、より大きな割合の光の強さを有する。
【0086】
[0089]本発明は、別の態様では、所定の周波数帯域内の光源のノイズを低減するための方法に関する。光源は、レーザーダイオードを備える。レーザーダイオードの電流は、所定の周波数帯域より高い周波数で変調され、これによりレーザーが異なる組のモード間で高速に切り替わるようにして、所定の周波数帯域内で光源のノイズを低減する。
【0087】
[0090]本発明の前記および他の目的、態様、特徴、および利点は、以下の説明および請求項からより明確になるであろう。
[0091]本発明の前記および他の目的、特徴、および他の利点、さらには本発明それ自体は、必ずしも縮尺通りではない付属の図面とともに、以下の例示的な説明を読むと、より完全に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0088】
【図1】[0092]本発明の例示的な実施形態による光源の概略ブロック図である。
【図2】[0093]本発明の例示的な実施形態による光源の一部分の概略ブロック図である。
【図3】[0094]本発明による光源を使用してプラズマに供給されたレーザー出力の関数としてのUV輝度のグラフである。
【図4】[0095]本発明による光源を使用して水銀から発生されたプラズマを通過するレーザーエネルギー伝送を示すグラフである。
【図5】[0096]本発明の例示的な実施形態による光源の概略ブロック図である。
【図6】[0097]本発明の例示的な実施形態による光源の概略ブロック図である。
【図7】[0098]本発明の例示的な実施形態による光源の概略ブロック図である。
【図8A】[0099]本発明の例示の実施形態により、レーザーからの電磁エネルギーが第1の立体角にわたってプラズマに供給される光源の概略ブロック図である。
【図8B】[00100]本発明の例示の実施形態により、レーザーからの電磁エネルギーが大きな立体角にわたってプラズマに供給される図8Aの光源の概略ブロック図である。
【図9】[00101]反射面がプラズマを閉じ込めているチャンバーの屈折率を補正しない光源の概略図である。
【図10A】[00102]本発明の例示的な実施形態による、チャンバーとチャンバー内に発生する光を反射する反射体とを備える光源の概略図である。
【図10B】[00103]本発明の例示的な実施形態による、チャンバーとチャンバー内に発生する光を反射する反射体とを備える光源の概略図である。
【図11】[00104]本発明の例示的な実施形態による、チャンバーとチャンバー内に発生する光を反射する反射体とを備える光源の概略図である。
【図12】[00105]本発明の例示的な実施形態による、光源の断面図である。
【図13】[00106]反射面から反射された光線が反射面の形状を表す数式の異なるフィット次数について遠隔焦点からずれる半径のグラフである。
【図14】[00107]本発明の例示的な実施形態による光源の概略ブロック図である。
【図15A】[00108]本発明の例示的な実施形態による、光源の断面図である。
【図15B】[00109]図15Aの光源の端面図である。
【図16】[00110]本発明による光源を使用する、光源のチャンバー内の圧力の関数としての輝度のグラフである。
【図17】[00111]原子および分子キセノンのエネルギー準位図である。
【図18】[00112]希ガス原子の第1の吸収およびエネルギー準位の遷移エネルギーのグラフである。
【図19】[00113]本発明の例示的な実施形態による、同調機構に対するレーザー出力波長対温度のグラフである。
【図20】[00114]キセノンおよびアルゴンに対する出力対圧力のグラフである。
【図21】[00115]本発明の例示的な実施形態による、集束レーザービームの開口数の概略図である。
【図22】[00116]本発明の例示的な実施形態による、スペクトル放射輝度対開口数のグラフである。
【図23A】[00117]本発明の例示的な実施形態による、バルブアセンブリ内のチャンバーの側面図である。
【図23B】[00118]本発明の例示的な実施形態による、取り付け基部を備えるバルブアセンブリの側面図である。
【図24】[00119]本発明の例示的な実施形態による、カメラアセンブリの概略図である。
【図25】[00120]本発明の例示的な実施形態による、位置合わせ特徴部を備えるディスプレイ画面の概略図である。
【図26】[00121]本発明の例示的な実施形態により、光源に対してバルブの事前位置合わせを行う方法の流れ図である。
【図27】[00122]本発明の例示的な実施形態による、フィードバックループの概略図である。
【図28】[00123]本発明の例示的な実施形態による、フィードバックループの制御システムブロック図の概略図である。
【図29】[00124]本発明の例示的な実施形態による、レーザー駆動の光源のノイズ測定システムのための光学装置の概略図である。
【図30】[00125]本発明の例示的な実施形態による、弱いレンズのフィードバック方法の概略図である。
【図31】[00126]本発明の例示的な実施形態による、強いレンズのフィードバック方法の概略図である。
【図32】[00127]本発明の例示的な実施形態による、フィルターのフィードバック方法の概略図である。
【図33】[00128]本発明の例示的な実施形態による、プリズムのフィードバック方法の概略図である。
【図34】[00129]本発明の例示的な実施形態による、選択的に反射するミラーの概略図である。
【図35】[00130]本発明の例示的な実施形態による、吸収セル内のレーザー駆動の光源の概略図である。
【図36】[00131]本発明の例示的な実施形態による、紫外線(「UV」)光検出器内のレーザー駆動の光源の概略図である。
【図37】[00132]本発明の例示的な実施形態による、ダイオードアレイ検出器内のレーザー駆動の光源の概略図である。
【図38】[00133]本発明の例示的な実施形態による、蛍光検出器内のレーザー駆動の光源の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0089】
[00134]図1は、光を発生するための本発明を具現化した光源100の概略ブロック図である。光源100は、イオン性媒体(図示せず)を収納するチャンバー128を備える。光源100は、プラズマ132を生成するイオン性媒体を有するチャンバー128の領域130にエネルギーを供給する。プラズマ132は、プラズマ132に由来する高輝度光136を発生し、放射する。光源100は、チャンバー128内にあるプラズマ132に供給されるレーザービームを発生する少なくとも1つのレーザー源104も備え、高輝度光136を起動および/または維持する。
【0090】
[00135]いくつかの実施形態では、レーザー源104からイオン性媒体へのエネルギー伝達の効率を最大にするために、レーザー源104によって発生された電磁エネルギーの少なくとも1つの波長がイオン性媒体に強く吸収されるのが望ましい。
【0091】
[00136]いくつかの実施形態では、高輝度光源を実現するために、プラズマ132のサイズは小さいのが望ましい。輝度は、光源によって単位立体角の中へ放射された単位面積当りの出力である。光源によって生成された光の輝度が、十分な解像度で物体(例えば、ウェハ表面上の特徴部)を点検または測定するためのシステム(例えば、計量ツール)またはオペレータの能力を決定する。レーザー源104が、高出力レーザービームでプラズマを駆動および/または維持することも望ましい。
【0092】
[00137]小さいサイズのプラズマ132を生成し、プラズマ132に高出力レーザービームを当てると、同時に高輝度光136が発生する。次いで、レーザー源104が発する出力の大半が、小さな体積の高温プラズマ132から放射されるため、光源100は高輝度光136を発生する。プラズマ132の温度は、レーザービームによる加熱のために、放射および他のプロセスによって平衡状態になるまで上昇することになる。レーザーで維持されたプラズマ132内に実現される高温によって、より短い波長の電磁エネルギー、例えば、紫外線エネルギーでの放射が増加する。一実験において、約10,000Kから約20,000Kまでの範囲の温度が観測された。プラズマ132の放射は、一般的な意味で、プランクの放射則に従う電磁スペクトルにわたって分布する。最大の放射の波長は、ウィーンの変位則に従って黒体の温度に反比例する。レーザーで維持されたプラズマは、黒体ではないが黒体のように挙動し、約300nmの波長の紫外線領域における最も高い輝度は、レーザーで維持されたプラズマについては約10,000Kから約15,000Kまでの範囲内の温度を有すると予想される。しかし、従来のアークランプの大多数はこれらの温度で動作することができない。
【0093】
[00138]したがって、本発明のいくつかの実施形態では、光源100が動作中のプラズマ132の温度を、十分に明るい光136が発生し、放射された光が動作中に実質的に連続的であることを確実にするように維持するのが望ましい。
【0094】
[00139]この実施形態では、レーザー源104は、光ファイバー要素108を介してレーザービームを出力するダイオードレーザーである。光ファイバー要素108は、レーザービーム光線116を互いに実質的に平行にするのを支援することによりダイオードレーザーの出力の調整を支援するコリメータ112にレーザービームを供給する。次いで、コリメータ112は、ビームエキスパンダ118にレーザービーム116を向ける。ビームエキスパンダ118は、レーザービーム116のサイズを拡大してレーザービーム122を発生する。また、ビームエキスパンダ118は、光学レンズ120にレーザービーム122を向ける。光学レンズ120は、チャンバー128のうちのプラズマ132が存在する(またはプラズマ132が発生され維持されるのが望ましい)領域130に向けられる小径レーザービーム124を生成するために、レーザービーム122を合焦するように構成される。
【0095】
[00140]この実施形態では、光源100は、2つの電極(例えばチャンバー128内に配置されたアノードおよびカソード)として図示された点火源140も備える。点火源140は、チャンバー128(例えば、チャンバー128の領域130)内に放電を発生させて、イオン性媒体に点火する。次いで、レーザーは、イオン化媒体にレーザーエネルギーを供給して、高輝度光136を発生するプラズマ132を維持または生成する。次いで、光源100によって発生された光136は、チャンバーから、例えば、ウェハ検査システム(図示せず)に向けられる。
【0096】
[00141]本発明の例示の実施形態によって代替的形態のレーザー源が企図される。いくつかの実施形態では、コリメータ112、ビームエキスパンダ118、またはレンズ120は、どれも必要とされなくてよい。いくつかの実施形態では、追加または代替的光学要素が使用されうる。レーザー源は、例えば、赤外線(IR)レーザー源、ダイオードレーザー源、ファイバーレーザー源、イッテルビウムレーザー源、COレーザー源、YAGレーザー源またはガス放電レーザー源であるものとしてよい。いくつかの実施形態では、レーザー源104は、パルスレーザー源(例えば、高いパルス繰返し数のレーザー源)または連続波レーザー源である。ファイバーレーザーは、レーザーダイオードを使用して、特殊な添加光ファイバーを励起し、次いでこれがレーザー発振して出力(つまり、レーザービーム)を生じる。いくつかの実施形態では、複数のレーザー(例えば、ダイオードレーザー)が、1つまたは複数の光ファイバー要素(例えば、光ファイバー要素108)に結合される。ダイオードレーザーは、1つのダイオード(または通常は多数のダイオード)から光を得て、光をファイバーに通し出力する。いくつかの実施形態では、レーザー源104としての用途にはファイバーレーザー源および直接遷移形半導体レーザー源が望ましいが、それというのも、これらは、比較的低コストで、形状係数またはパッケージサイズが小さく、比較的効率が高いからである。
【0097】
[00142]約700nmから約2000nmのNIR(近赤外線)波長領域では、最近、効率的で費用対効果が大きい高出力レーザー(例えば、ファイバーレーザーおよび直接遷移型ダイオードレーザー)が入手可能である。この波長領域のエネルギーは、より一般的にバルブ、窓およびチャンバーの製造に使用されているいくつかの材料(例えば、ガラス、石英、およびサファイア)を通してより容易に伝送される。したがって、以前に可能であった領域より、現在は700nmから2000nmの領域内のレーザーを使用して動作する光源を作製するほうが実用的である。
【0098】
[00143]いくつかの実施形態では、レーザー源104は、光源100に対して高輝度光136を発生するのに十分な実質的に連続したレーザーエネルギーを供給する高いパルス繰返し数のレーザー源である。いくつかの実施形態では、放射される高輝度光136は、実質的に連続であり、この場合、例えば、この高輝度光の振幅(例えば輝度または出力)は、動作中には約90%を上回って変動することはない。いくつかの実施形態では、プラズマに送られるレーザーエネルギーのピーク出力と、プラズマに送られるレーザーエネルギーの平均出力との比率は、約2〜3である。いくつかの実施形態では、プラズマ132に供給される実質的に連続したエネルギーは、放射される光136の望ましい輝度を維持するためにイオン化媒体の冷却を最小化するのに十分である。
【0099】
[00144]この実施形態では、光源100は、複数の光学要素(例えば、ビームエキスパンダ118、レンズ120、および光ファイバー要素108)を備え、チャンバー132に送られるレーザービームの特性(例えば、直径および配向)を変更する。1つまたは複数の光学要素(例えば、ミラーまたはレンズ)でレーザービームのさまざまな特性が変更されうる。例えば、レーザービームの径、方向、発散、収束、開口数、および配向の一部または全体を変更するのに1つまたは複数の光学要素が使用されうる。いくつかの実施形態では、光学要素は、レーザービームの波長を変更し、および/またはレーザービーム中の電磁エネルギーの特定の波長を濾波する。
【0100】
[00145]本発明のさまざまな実施形態で使用できるレンズとして、不遊レンズ、色消しレンズ、単玉レンズ、およびフレネルレンズが挙げられる。本発明のさまざまな実施形態で使用できるミラーとしては、コーティングされたミラー、誘電体でコーティングされたミラー、狭帯域ミラー、および紫外線を透過して赤外線を反射するミラーが挙げられる。例えば、本発明のいくつかの実施形態では、レーザービームからの赤外線エネルギーを除去する一方で紫外線エネルギーがミラーを通り抜けてツール(例えば、ウェハ検査ツール、顕微鏡、リソグラフィツールまたは内視鏡検査ツール)に送られることを可能にするのが望ましいとき、紫外線を透過して赤外線を反射するミラーが使用される。
【0101】
[00146]この実施形態では、チャンバー128は、当初はイオン性媒体(例えば、固体、液体、または気体)を含む密閉チャンバーである。その代わりに、いくつかの実施形態では、チャンバー128は、能動的に励起され、ガス入口(図示せず)を通って1つまたは複数のガスがチャンバー128内に導入され、ガス出口(図示せず)を通ってガスがチャンバー128を出ることができる。チャンバーは、例えば、誘電材料、石英材料、Suprasil石英、サファイア、MgF、ダイヤモンド、またはCaFの1つまたは複数から製作されうるか、またはこれらの1つまたは複数を含む。材料の種類は、例えば、使用されるイオン性媒体の種類および/またはチャンバー128で発生しそこから出力されることが望まれる光136の波長に基づき選択されうる。いくつかの実施形態では、チャンバー128の領域は、例えば、紫外線エネルギーに対して透過性を有する。石英を使用して製作されたチャンバー128では、一般に、約2ミクロン程度の波長の電磁エネルギーがチャンバーの壁を通り抜けることが可能である。サファイアのチャンバー壁では、一般に、約4ミクロン程度の波長の電磁エネルギーが壁を通り抜けることが可能である。
【0102】
[00147]いくつかの実施形態では、チャンバー128は、高圧および高温を維持することができる密閉チャンバーであることが望ましい。例えば、一実施形態では、イオン性媒体は、水銀蒸気である。動作中に水銀蒸気を含むために、チャンバー128は、約1.013MPa(約10気圧)から約20.26MPa(約200気圧)までの範囲の圧力を維持し、約900℃で動作することができる密閉された石英バルブである。石英バルブによって、光源100のプラズマ132によって発生された紫外線光136を、チャンバー128の壁を通して伝送することも可能になる。
【0103】
[00148]本発明の代替的実施形態では、さまざまなイオン性媒体が使用されうる。例えば、イオン性媒体は、希ガス、Xe、Ar、Ne、Kr、He、D、H、O、F、金属ハロゲン化物、ハロゲン、Hg、Cd、Zn、Sn、Ga、Fe、Li、Na、エキシマ形成ガス、空気、蒸気、金属酸化物、エアロゾル、流動媒体、または再生媒体のうちの1つまたは複数とすることができる。いくつかの実施形態では、チャンバー128内でイオン性ガスを発生するのに、チャンバー128内の固体または液体の対象(図示せず)が使用される。対象にエネルギーを供給してイオン性ガスを発生するために、レーザー源104(または代替的レーザー源)が使用されうる。対象は、例えば、金属のプールまたはフィルムであってよい。いくつかの実施形態では、対象は、チャンバー内を移動する固体または液体である(例えば、チャンバー128の領域130を通って進む液体の小滴の形態をとる)。いくつかの実施形態では、プラズマ132に点火するために、まずチャンバー128内に第1のイオン性ガスが導入され、次いで、プラズマ132を維持するために、別の第2のイオン性ガスが導入される。この実施形態では、第1のイオン性ガスは、点火源140を使用して容易に点火されるガスであり、第2のイオン性ガスは、特定の波長の電磁エネルギーを発生するガスである。
【0104】
[00149]この実施形態では、点火源140は、チャンバー128内に配置された一対の電極である。いくつかの実施形態では、これらの電極は、チャンバー128の同じ側に配置される。例えば、RF点火源またはマイクロ波点火源と共に、単一の電極が使用されうる。いくつかの実施形態では、従来のアークランプバルブで有効な電極は、点火源(例えば、Ushio社(カリフォルニア州サイプレスに営業所がある)製のモデルUSH−200DP石英バルブ)である。いくつかの実施形態では、電極は、従来のアークランプバルブで使用される電極より小さく、および/またはより遠く離れて配置されるが、それというのも、チャンバー128内の高輝度プラズマを維持するのに電極が不要なためである。
【0105】
[00150]さまざまな種類および構成の点火源も企図されるが、それらは本発明の範囲内にある。いくつかの実施形態では、点火源140は、チャンバー128の外部にあるか、またはチャンバー128に対して部分的に内部にあり、かつ部分的に外部にある。光源100で使用され得る代替的な種類の点火源140としては、紫外線点火源、容量性放電点火源、誘導性点火源、RF点火源、マイクロ波点火源、閃光ランプ、パルスレーザー、およびパルスランプが挙げられる。一実施形態では、点火源140は不要であり、代わりに、レーザー源104が、イオン性媒体に点火し、プラズマ132を発生させ、ならびにプラズマおよびプラズマ132によって放射される高輝度光136を維持するために使用される。
【0106】
[00151]いくつかの実施形態では、光源100の動作中にチャンバー128内のガス圧または蒸気圧が所望のレベルに維持されることを確実するために、チャンバー128の温度および内容物を維持するのが望ましい。いくつかの実施形態では、点火源140は、光源100の動作中に操作され、点火源140は、プラズマ132に対してレーザー源104によって供給されるエネルギーに加えてエネルギーを供給する。このように、点火源140は、チャンバー128の温度およびチャンバー128の内容物を維持する(または十分なレベルに維持する)ために使用される。
【0107】
[00152]いくつかの実施形態では、本明細書に別記されるのと同様に、光源100は、プラズマ132(例えば、イオン化ガス)によって放射された電磁エネルギー(例えば、高輝度光136)の特性を変更するために少なくとも1つの光学要素(例えば、少なくとも1つのミラーまたはレンズ)を備える。
【0108】
[00153]図2は、本発明の原理が組み込まれている光源200の一部分の概略ブロック図である。光源200は、イオン性ガスを含むチャンバー128を備え、その一方で、チャンバー128内の圧力を維持して電磁エネルギーがチャンバー128に出入りすることも可能にする窓204を有する。この実施形態では、チャンバー128は、イオン性ガス(例えば、水銀またはキセノン)に点火してプラズマ132を生成する点火源(図示せず)を有する。
【0109】
[00154]レーザー源104(図示せず)は、レーザービーム220を生成するためにレンズ208に通されるレーザービーム216を供給する。レンズ208は、レーザービーム124を生成するために、レーザービーム220を反射する薄膜反射器212の表面224上にレーザービーム220を合焦する。反射体212は、プラズマ132がある領域130に対してレーザービーム124を向ける。レーザービーム124は、プラズマ132にエネルギーを供給して、チャンバー128の領域130内のプラズマ132から放射される高輝度光136を維持および/または発生する。
【0110】
[00155]この実施形態では、チャンバー128は、放物面形状および反射性の内面228を有する。放物面形状と反射面は、実質的な量の高輝度光136を、窓204に向けて、またその窓から外へ、協働して反射する。この実施形態では、反射体212は、放射された光136(例えば、紫外線光の少なくとも1つまたは複数の波長)に対して透過性を有する。このように、放射された光136は、チャンバー128から伝送されて、例えば、計量ツール(図示せず)に向けられる。一実施形態では、放射された光136は、ツールに向けられる前に、まず追加の光学要素の方へ向けられるか、またはその光学要素に通される。
【0111】
[00156]説明のために、本発明の例示的な実施形態により、光源を使用して紫外線光を発生するように実験が行われた。チャンバー内のイオン性媒体としてキセノンを使用した実験に、光源のチャンバー(例えば、図1の光源100のチャンバー128)としてHamamatsu社(ニュージャージー州ブリッジウォーターに営業所がある)製のモデルL6724石英バルブが使用された。チャンバー内のイオン性媒体として水銀を使用した実験に、光源のチャンバーとしてUshio社(カリフォルニア州サイプレスに営業所がある)製のモデルUSH−200DP石英バルブが使用された。図3は、チャンバー内にあるプラズマが発生する高輝度光のUV輝度のプロット300を、プラズマに供給されるレーザーの出力(単位はワット)の関数として示す。実験で使用されたレーザー源は、1.09ミクロン、100ワットのCWレーザーであった。プロット300のY軸312は、ワット/mmステラジアン(sr)の単位のUV輝度(約200から約400nmまでの範囲内)である。プロット300のX軸316は、プラズマに供給されるレーザービームの出力であり、単位はワットである。曲線304は、チャンバー内のイオン性媒体としてキセノンを使用して発生されたプラズマによって生成された高輝度光のUV輝度である。キセノンを使用した実験におけるプラズマは、約1mmから約2mmまでの範囲の長さ、および約0.1mmの径を有していた。プラズマの長さは、レーザービームの輻輳角を調整することにより制御された。集束ビームが焦点に近いときに集束ビームはプラズマを維持することができる輝度に達するので、角度が大きいと(すなわち開口数が大きいと)より短いプラズマがもたらされる。曲線308は、チャンバー内のイオン性媒体として水銀を使用して発生されたプラズマによって生成された高輝度光のUV輝度である。水銀を使用した実験におけるプラズマは、約1mmの長さで、約0.1mmの径を有していた。
【0112】
[00157]説明のために、本発明の例示の実施形態によって、光源を使用して紫外線を発生するように別の実験が行われた。チャンバー(例えば、図1の光源100のチャンバー128)内のイオン性媒体として水銀を使用した実験に、光源のチャンバーとしてUshio社(カリフォルニア州サイプレスに営業所がある)製のモデルUSH−200DP石英バルブが使用された。実験で使用されたレーザー源は、SPI Lasers PLC社(カリフォルニア州ロスガトスに営業所がある)の1.09ミクロン、100ワットのイッテルビウム添加ファイバーレーザーであった。図4は、水銀から発生したチャンバー内のプラズマによるレーザーエネルギー伝送量対ワットを単位としてプラズマに供給される出力の大きさのプロット400を示す。プロット400のY軸412は、透過係数であり、単位は無次元である。プロット400のX軸416は、プラズマに供給されるレーザービームの出力であり、単位はワットである。プロット400内の曲線は、レーザー源を使用して1mmの吸収長が達成されたことを示す。100ワットで観測された0.34の伝送値は、約1mmの1/e吸収長に対応する。
【0113】
[00158]図5は、本発明の原理が組み込まれている光源500の一部分の概略ブロック図である。光源500は、反射面540を有するチャンバー528を備える。反射面540は、例えば放物面の形状、楕円の形状、湾曲した形状、球形状または非球面形状を有することができる。この実施形態では、光源500は、チャンバー528の領域530内のイオン性ガス(例えば、水銀またはキセノン)に点火してプラズマ532を生成する点火源(図示せず)を有する。
【0114】
[00159]いくつかの実施形態では、反射面540は、反射性の内面または外面であってよい。いくつかの実施形態では、チャンバーの内側または外側にコーティングまたはフィルムが配置されて反射面540を形成する。
【0115】
[00160]レーザー源(図示せず)は、反射体512の表面524に向けられるレーザービーム516を供給する。反射体512は、チャンバー528の反射面540の方へレーザービーム520を反射する。反射面540は、レーザービーム520を反射してプラズマ532の方へ向ける。レーザービーム516は、プラズマ532にエネルギーを供給して、チャンバー528の領域530内のプラズマ532から放射される高輝度光536を維持および/または発生する。プラズマ532によって放射される高輝度光536は、チャンバー528の反射面540の方へ向けられる。高輝度光536の少なくとも一部分は、チャンバー528の反射面540によって反射されて反射体512の方へ向けられる。反射体512は、高輝度光536(例えば、少なくとも1つまたは複数の波長の紫外線光)に対して実質的に透過性を有する。このように、高輝度光536は、反射体512を通り抜けて、例えば、計量ツール(図示せず)に向けられる。いくつかの実施形態では、高輝度光536は、ツールに向けられる前に、まず窓または追加の光学要素の方へ向けられるか、またはその窓または追加の光学要素に通される。
【0116】
[00161]いくつかの実施形態では、光源500は、チャンバー528の凹面の領域に配置されている別の密閉チャンバー(例えば、図7の密閉チャンバー728)を備える。密閉チャンバーは、プラズマ532を生成するために使用されるイオン性ガスを閉じ込めている。代替的実施形態では、密閉チャンバーは、チャンバー528を収納する。いくつかの実施形態では、密閉チャンバーは、反射体512も収納する。
【0117】
[00162]図6は、本発明の原理が組み込まれている光源600の一部分の概略ブロック図である。光源600は、反射面640を有するチャンバー628を備える。反射面640は、例えば放物面の形状、楕円の形状、湾曲した形状、球形状または非球面形状を有することができる。この実施形態では、光源600は、チャンバー628の領域630内のイオン性ガス(例えば、水銀またはキセノン)に点火してプラズマ632を生成する点火源(図示せず)を有する。
【0118】
[00163]レーザー源(図示せず)は、反射体612の方に向けられるレーザービーム616を供給する。反射体612は、レーザービーム616に対して実質的透過性を有する。レーザービーム616は、反射体612を通り抜けてチャンバー628の反射面640の方へ向けられる。反射面640は、レーザービーム616を反射してチャンバー628の領域630のプラズマ632の方へ向ける。レーザービーム616は、プラズマ632にエネルギーを供給して、チャンバー628の領域630内のプラズマ632から放射される高輝度光636を維持および/または発生する。プラズマ632によって放射される高輝度光636は、チャンバー628の反射面640の方へ向けられる。高輝度光636の少なくとも一部分は、チャンバー628の反射面640によって反射されて、反射体612の表面624の方へ向けられる。反射体612は、高輝度光636(例えば、少なくとも1つまたは複数の波長の紫外線光)を反射する。このように、高輝度光636(例えば、可視光および/または紫外線光)は、例えば計量ツール(図示せず)に向けられる。いくつかの実施形態では、高輝度光636は、ツールに向けられる前に、まず窓または追加の光学要素の方へ向けられるか、またはその窓または追加の光学要素に通される。いくつかの実施形態では、高輝度光636は紫外線光を含む。紫外線光は、例えば、約50nmから400nmまでの範囲の可視光線より短い波長を有する電磁エネルギーである。
【0119】
[00164]いくつかの実施形態では、光源600は、チャンバー628の凹面の領域に配置されている別の密閉チャンバー(例えば、図7の密閉チャンバー728)を備える。密閉チャンバーは、プラズマ632を生成するために使用されるイオン性ガスを閉じ込めている。代替的実施形態では、密閉チャンバーは、チャンバー628を収納する。いくつかの実施形態では、密閉チャンバーは、反射体612も収納する。
【0120】
[00165]図7は、光を発生するための本発明を具現化した光源700の概略ブロック図である。光源700は、イオン性媒体(図示せず)を収納する密閉チャンバー728(例えば、密閉された石英バルブ)を備える。光源700は、プラズマ732を生成するイオン性媒体を有するチャンバー728の領域730にエネルギーを供給する。プラズマ732は、プラズマ732に由来する高輝度光736を発生し、放射する。光源700は、チャンバー728内にあるプラズマ732に供給されるレーザービームを発生する少なくとも1つのレーザー源704も備え、高輝度光736を起動および/または維持する。
【0121】
[00166]この実施形態では、レーザー源704は、光ファイバー要素708を介してレーザービームを出力するダイオードレーザーである。光ファイバー要素708は、レーザービーム光線716を互いに実質的に平行にするのを支援することによりダイオードレーザーの出力の調整を支援するコリメータ712にレーザービームを供給する。次いで、コリメータ712は、ビームエキスパンダ718にレーザービーム716を向ける。ビームエキスパンダ718は、レーザービーム716のサイズを拡大してレーザービーム722を発生する。また、ビームエキスパンダ718は、光学レンズ720にレーザービーム722を向ける。光学レンズ720は、レーザービーム722を合焦して、より小径のレーザービーム724を発生するように構成される。レーザービーム724は、湾曲した反射面740の基部724にある開口または窓772を通り抜けて、チャンバー728の方へ向けられる。チャンバー728は、レーザービーム724に対して実質的に透過性を有する。レーザービーム724は、チャンバー728を通り抜けて、プラズマ732が存在するチャンバー728の領域730(またはレーザー724によってプラズマ732が発生されかつ維持されるのが望ましい場所)の方へ向かう。
【0122】
[00167]この実施形態では、イオン性媒体はレーザービーム724によって点火される。代替的実施形態では、光源700は、イオン性媒体に点火するために、例えば、チャンバー728内(例えば、チャンバー728の領域730)に、放電を発生する点火源(例えば、一対の電極または紫外線エネルギー源)を備える。次いで、レーザー源704は、イオン化媒体にレーザーエネルギーを供給して、高輝度光736を発生するプラズマ732を維持する。チャンバー728は、高輝度光736(または高輝度光736中の所定の波長の電磁放射)に対して実質的に透過性を有する。次いで、光源700が発生する光736(例えば、可視光および/または紫外線光)は、チャンバー728から反射面740の内面744の方へ向けられる。
【0123】
[00168]この実施形態では、光源700は、複数の光学要素(例えば、ビームエキスパンダ718、レンズ720、および光ファイバー要素708)を備え、チャンバー732に送られるレーザービームの特性(例えば、直径および配向)を変更する。1つまたは複数の光学要素(例えば、ミラーまたはレンズ)でレーザービームのさまざまな特性が変更されうる。例えば、レーザービームの径、方向、発散、収束および配向の一部または全体を変更するのに1つまたは複数の光学要素が使用されうる。いくつかの実施形態では、光学要素は、レーザービームの波長を変更し、および/またはレーザービーム中の電磁エネルギーの特定の波長を濾波する。
【0124】
[00169]本発明のさまざまな実施形態で使用できるレンズとして、不遊レンズ、色消しレンズ、単玉レンズ、およびフレネルレンズが挙げられる。本発明のさまざまな実施形態で使用できるミラーとしては、コーティングされたミラー、誘電体でコーティングされたミラー、狭帯域ミラー、および紫外線を透過して赤外線を反射するミラーが挙げられる。例えば、本発明のいくつかの実施形態では、レーザービームからの赤外線エネルギーを除去する一方で紫外線エネルギーがミラーを通り抜けてツール(例えば、ウェハ検査ツール、顕微鏡、リソグラフィツールまたは内視鏡検査ツール)に送られることを可能にするのが望ましいとき、紫外線を透過して赤外線を反射するミラーが使用される。
【0125】
[00170]図8Aおよび8Bは、光を発生するための本発明を具現化した光源800の概略ブロック図である。光源800は、イオン性媒体(図示せず)を収納するチャンバー828を備える。光源800は、プラズマを生成するイオン性媒体を有するチャンバー828の領域830にエネルギーを供給する。プラズマは、プラズマに由来する高輝度光を発生し、放射する。光源800は、チャンバー828内にあるプラズマに供給されるレーザービームを発生する少なくとも1つのレーザー源804も含み、高輝度光を起動および/または維持する。
【0126】
[00171]いくつかの実施形態では、高輝度光源を実現するために、プラズマのサイズは小さいのが望ましい。輝度は、光源によって単位立体角の中へ放射された単位面積当りの出力である。光源によって生成された光の輝度が、十分な解像度で物体(例えば、ウェハ表面上の特徴部)を点検または測定するためのシステム(例えば、計量ツール)またはオペレータの能力を決定する。レーザー源804が、高出力レーザービームでプラズマを駆動および/または維持することも望ましい。
【0127】
[00172]小さいサイズのプラズマを発生し、プラズマに高出力レーザーを与えると、同時に高輝度光を発生する。次いで、レーザー源804によって導入される大部分の出力が、小さな体積の高温プラズマから放射されるので、光源800は高輝度光を発生する。プラズマの温度は、レーザービームによる加熱のために、放射および他のプロセスによって平衡状態になるまで上昇することになる。レーザーで維持されたプラズマ内に達成される高温は、短い波長の電磁エネルギー(例えば、紫外線エネルギー)での放射を増加させる。一実験において、約10,000Kから約20,000Kまでの範囲の温度が観測された。プラズマの放射は、一般的な意味で、プランクの放射則に従う電磁スペクトルにわたって分布する。最大の放射の波長は、ウィーンの変位則に従って黒体の温度に反比例する。レーザーで維持されたプラズマは、黒体ではないが黒体のように挙動し、約300nmの波長の紫外線領域における最も高い輝度は、レーザーで維持されたプラズマについては約10,000Kから約15,000Kまでの範囲内の温度を有すると予想される。しかし、従来のアークランプは、これらの温度で動作することができない。
【0128】
[00173]本発明のいくつかの実施形態では、サイズの小さいプラズマを実現するために、チャンバー828内のプラズマに対して大きな立体角にわたってレーザーエネルギーを送るのが望ましい。大きな立体角にわたってレーザーエネルギーを送るために、さまざまな方法および光学要素が使用されうる。本発明のこの実施形態では、レーザーエネルギーがチャンバー828内のプラズマに送られる立体角の大きさを変更するために、ビームエキスパンダおよび光学レンズのパラメータが変更される。
【0129】
[00174]図8Aを参照すると、レーザー源804は、光ファイバー要素808を介してレーザービームを出力するダイオードレーザーであることがわかる。光ファイバー要素808は、レーザービーム光線816を互いに実質的に平行にするのを支援することによりダイオードレーザーの出力の調整を支援するコリメータ812にレーザービームを供給する。コリメータ812は、光学レンズ820にレーザービーム816を向ける。光学レンズ820は、レーザービーム816を合焦するように構成され、立体角878を有するより小径のレーザービーム824を生成する。レーザービーム824は、チャンバー828のプラズマ832が存在する領域830へ向けられる。
【0130】
[00175]この実施形態では、光源800は、2つの電極(例えばチャンバー828内に配置されたアノードおよびカソード)として図示された点火源840も備える。点火源840は、チャンバー828(例えば、チャンバー828の領域830)内に放電を発生させて、イオン性媒体に点火する。次いで、レーザーは、イオン化媒体にレーザーエネルギーを供給して、高輝度光836を発生するプラズマ832を維持または生成する。次いで、光源800によって発生された光836は、チャンバーから、例えば、ウェハ検査システム(図示せず)に向けられる。
【0131】
[00176]図8Bは、チャンバー828内のプラズマに対して、立体角874にわたってレーザーエネルギーが送られる本発明の一実施形態を示す。本発明のこの実施形態は、ビームエキスパンダ854を備える。ビームエキスパンダ854は、レーザービーム816のサイズを拡大してレーザービーム858を発生する。ビームエキスパンダ854は、光学レンズ862にレーザービーム858を向ける。ビームエキスパンダ854と光学レンズ862の組合せは、図8Aのレーザービーム824の立体角878より大きい立体角874を有するレーザービーム866を生成する。図8Bのより大きな立体角874は、図8Aのプラズマよりサイズの小さいプラズマ884を生成する。この実施形態では、X軸およびY軸にそった図8Bのプラズマ884のサイズは、図8Aのプラズマ832のサイズより小さい。このように、光源800は、図8Aの光836と比べてより明るい図8Bの光870を発生する。
【0132】
[00177]図8Aおよび図8Bで示された光源の動作が可能になるようにビームエキスパンダおよび光学レンズが選択されて実験が行われた。密閉チャンバー828としてHamamatsu社(ニュージャージー州ブリッジウォーターに営業所がある)のL2273キセノンバルブが使用された。SPI連続波(CW)の100W、1090nmファイバーレーザー(カリフォルニア州ロスガトスに営業所があるSPI Lasers PLC社によって販売されている)を使用して、Hamamatsu社のL2273キセノンバルブ内にプラズマが形成された。連続波レーザーは、パルスレーザーの場合のような短いバーストではなく、連続して、または実質的に連続して放射する。ファイバーレーザー804は、特殊な添加光ファイバー(ファイバーレーザー804に内蔵されるが図示せず)を励起するために使用されるレーザーダイオードを含む。次いで、特殊な添加光ファイバーがレーザー発振してファイバーレーザー804を出力する。次いで、ファイバーレーザー804の出力が、光ファイバー要素808を通りコリメータ812へ進行する。次いで、コリメータ812が、レーザービーム816を出力する。図8Aのビーム816に対応する初期レーザービームの直径(Y軸にそって)は、5mmであった。レーザービーム816は、
【0133】
【数1】

【0134】
の輝度レベルに対して測定された直径5mmのガウスビームであった。レンズ820に対応する、実験で使用されたレンズは、直径30mm、焦点距離40mmのレンズであった。これは、約0.012ステラジアンの照射立体角のプラズマ832を生成した。この配置構成で生成されるプラズマ832の長さ(X軸にそって)は、約2mmと測定された。プラズマ832の直径(Y軸にそって)は、約0.05mmであった。プラズマ832は、高輝度紫外線光836を発生した。
【0135】
[00178]図8Bを参照すると、2倍のビームエキスパンダ854がビームエキスパンダ854として使用されていることがわかる。ビームエキスパンダ854は、ビーム816を、直径5mm(Y軸にそって)から、ビーム858に対応する直径10mmに拡大した。図8Bのレンズ862は、図8Aのレンズ820と同一のものであった。ビームエキスパンダ854と光学レンズ862との組合せは、約0.048ステラジアンの照射立体角874を有するレーザービーム866を発生した。この実験では、プラズマの長さ(X軸にそって)は、約1mmと測定され、Y軸にそって測定された直径は、依然として0.05mmであった。プラズマを維持するのに必要な輝度がプラズマの境界で一定であるとすると、立体角の4倍の変化によってプラズマ長のこの2倍の短縮が予想される。(X軸にそった)プラズマ長における2倍の短縮(図8Aでの2mmから図8Bでの1mmへの短縮)の結果、規定されたレーザービームの入力に対して、プラズマによって放出された放射の輝度がおおよそ2倍になったが、それというのも、プラズマによって吸収される出力がほぼ同じでありながら、プラズマの放射領域がほぼ半分になった(X軸にそった長さの短縮による)ためである。この実験は、レーザーからの照射立体角を大きくすることによりプラズマをより小さくできることを実証した。
【0136】
[00179]一般に、大きな照射立体角は、レーザービーム径を増加させ、および/または対物レンズの焦点距離を短くすることにより実現されうる。反射性光学部品がプラズマの照射に使用される場合、前述の実験より照射立体角をはるかに大きくすることができる。例えば、いくつかの実施形態では、プラズマが、深い、湾曲した反射面(例えば放物面または楕円体)に囲まれるとき、照射立体角は約2π(約6.28)ステラジアンより大きくなりうる。その表面でプラズマを維持するために一定輝度の光が必要とされるという概念に基づき、一実施形態では、本発明者は、(上記実験で説明されたのと同一のバルブおよびレーザー出力を使用して)5ステラジアンの立体角は直径と長さが等しいプラズマをもたらし、ほぼ球状のプラズマを生成するはずであると計算した。
【0137】
[00180]図9は、光を発生するための光源900の概略図である。光源900は、イオン性媒体(図示せず)を収納する密閉チャンバー928(例えば、密閉された石英バルブ、密閉されたサファイアチューブ)を備える。光源900は、エネルギー源(図示せず)も備える。エネルギー源は、エネルギーをチャンバー928の領域に伝達してプラズマ932を発生させる。プラズマ932は、プラズマ932に由来する光936を発生し、放射する。光源900が発生した光936は、チャンバー928の壁942に通され、反射体940の反射面944の方へ向けられる。反射面944は、光源900が発生した光を反射する。
【0138】
[00181]チャンバー928の壁942では、電磁エネルギー(例えば、光)を壁942に通すことができる。これらの壁の屈折率は、電磁エネルギーが壁942の中でどれだけ減速されるかということに関する尺度である。チャンバー928の壁942を通して放射されるプラズマ932が発生する光線936の特性(例えば、伝搬方向)は、壁942の屈折率によって変更される。壁942がチャンバー928の内部の媒体975の屈折率(典型的には1.0に近い値)に等しい屈折率を有している場合、光線936は光線936’として壁942を通り抜ける。しかし、壁が内部の媒体975の屈折率より大きい屈折率を有している場合、光線936は光線936’’として壁を通り抜ける。
【0139】
[00182]光線936によって代表される光の方向は、光線936が媒体975より大きい屈折率を有している壁942に入るとともに変わってゆく。光線936は、光線936が壁942の法線方向へ曲がるように屈折される。光源900は、チャンバー928の外部に媒体980を有する。この実施形態では、媒体980は、チャンバー928の内部の媒体975の屈折率に等しい屈折率を有する。光線936が壁942から出てチャンバー928の外部ある媒体980の中に入るときに、光線936は、光線(光線936’’として)が壁942を出るときに壁942の法線方向から遠ざかる向きに曲がるように屈折される。光線936’’は、壁942の屈折率が内部媒体975および外部媒体980の屈折率に等しかった場合に光線936’’が辿ったであろうルートに平行なルートを辿るようにシフトされている。
【0140】
[00183]方向のこのような屈折シフトおよびその結果得られる、光線936(ならびに936’および936”)の位置は、スネルの屈折の法則によって
sinθ=nsinθ 式1
と記述され、
ただし、式中、スネルの法則により、nは光の入射元である媒体の屈折率であり、nは光の入射先となる媒体の屈折率であり、θは光の入射元である媒体と光の入射先となる媒体との間の境界に接近する光の入射角(法線方向に関する)であり、θは光の入射元である媒体と光の入射先となる媒体との間の境界から出て行く光の入射角(法線方向に関する)である(Hecht、Eugene著「Optics」、M.A.、Addison−Wesley、1998年、99〜100頁、QC355.2.H42)。
【0141】
[00184]内部媒体975が外部媒体980の屈折率に等しい屈折率を有していない場合、光線936は屈折してスネルの法則によるルートを辿る。光線936が辿るルートは、内部媒体975、壁942、および外部媒体980が等しい屈折率を有していないときに光線936’が辿るルートから逸れることになる。
【0142】
[00185]チャンバー928の壁942の屈折率が、内部媒体975および外部媒体980に等しい場合、反射面944は光線936’を反射し、光の集束ビーム956を生成する。しかし、壁942の屈折率が、内部媒体975および外部媒体980より大きい場合、反射面944は光線936’’を反射し、集束ビームを生成しない(光線936’’は分散され光960を発生する)。したがって、チャンバーおよび形状がチャンバーの壁の屈折率の効果を補正するように構成されている反射面を備える光源を有することが望ましい。
【0143】
[00186]代替的実施形態では、反射面940は、チャンバー928の壁942の屈折率が内部媒体975および外部媒体980の屈折率に等しいときに光の平行ビームを生成するように構成されている。しかし、チャンバー928の壁942の屈折率が、内部媒体975および外部媒体980の屈折率より大きい場合、反射面940は光の非平行ビームを生成する(反射された光は、上で述べたとおり同様に分散する)。
【0144】
[00187]他の実施形態では、本発明の態様は、チャンバー928内に向けられたレーザーエネルギーに対してチャンバー928の壁942の屈折率の効果を補正するために使用される。レーザーエネルギーは、反射体940の反射面944の方に向けられる。反射面944は、レーザーエネルギーを反射してチャンバー928の壁942に通し、チャンバー928内のプラズマ932の方へ送る(例えば、図5および6に関して本明細書で説明されているのと同様に)。チャンバー928の壁942が内部媒体975および外部媒体980の屈折率より大きい屈折率を有する場合、レーザーエネルギーの方向は、エネルギーが壁942内に入ると変更される。これらの実施形態では、反射体942の反射面944がチャンバーの壁の屈折率の効果を補正するように構成された形状を有する場合に、チャンバー928内に入ったレーザーエネルギーは逸れない。むしろ、チャンバー928内に入ったレーザーエネルギーは、本明細書で説明されているように同様に、チャンバー928内のプラズマ932がある場所の方へ適切に向けられる。このようにして、本発明の原理は、チャンバー928内に向けられた電磁エネルギー(例えば、レーザーエネルギー)およびチャンバー928から外へ向けられたプラズマ932が発生する電磁エネルギー(例えば、光)に適用することができる。
【0145】
[00188]図10Aは、光を発生するための光源1000aの概略ブロック図である。光源1000aは、イオン性媒体(図示せず)を収納する密閉チャンバー1028a(例えば、密閉された石英チューブまたは密閉されたサファイアチューブ)を備える。光源1000aは、エネルギー源1015aも備える。さまざまな実施形態において、エネルギー源1015aは、マイクロ波エネルギー源、ACアーク源、DCアーク源、またはRFエネルギー源であってよい。エネルギー源1015aは、イオン性媒体を有するチャンバー1028aの領域1030aにエネルギー1022aを供給する。エネルギー1022aは、プラズマ1032aを生成する。プラズマ1032aは、プラズマ1032aに由来する光1036aを発生し、放射する。光源1000aは、反射面1044aを有する反射体1040aも備える。反射体1040aの反射面1044aは、チャンバー1028aの壁1042aの屈折率を補正するように構成された形状を有する。
【0146】
[00189]チャンバー1028aの壁1042aは、光1036a(または光1036a中の所定の波長の電磁放射)に対して実質的に透過性を有する。光源1000aが発生する光1036a(例えば、可視光および/または紫外線光)は、チャンバー1028aの壁1042aに通され、反射体1040aの反射面1044aの方へ向けられる。
【0147】
[00190]壁1042aの屈折率が、チャンバー1028aの内部の媒体および外部の媒体(図示せず)の屈折率に等しくない場合、光線1036aの位置および方向は、反射面1044aがチャンバー1028aの壁1042aの屈折率を補正する形状を有していない限りチャンバー1028aの壁1042aを通り抜けることによって変えられる。光1036aは、反射体1040aの表面1044aから反射した後分散する。しかし、反射体1040aの反射面1044aの形状は、チャンバー1028aの壁1042aの屈折率を補正するように構成されているため、光1036aは、反射体1040aの表面1044aから反射した後も分散しない。この実施形態では、光1036aは、反射体1040aの表面1044aから反射して、光の平行ビームを生成する。
【0148】
[00191]図10Bは、光を発生するための光源1000bの概略ブロック図である。光源1000bは、イオン性媒体(図示せず)を収納する密閉チャンバー1028b(例えば、密閉された石英チューブまたは密閉されたサファイアチューブ)を備える。光源1000bは、エネルギー源1015bも備える。エネルギー源1015bは、チャンバー1028b内に配置されている電極1029に電気的に接続される。エネルギー源1015bは、エネルギーを電極1029に供給して、チャンバー1028b(例えば、チャンバー1028bの領域1030b)内に放電を発生させ、イオン性媒体に点火し、プラズマ1032bを生成して維持する。プラズマ1032bは、プラズマ1032bに由来する光1036bを発生し、放射する。光源1000bは、反射面1044bを有する反射体1040bも備える。反射体1040bの反射面1044bは、チャンバー1028bの壁1042bの屈折率を補正するように構成された形状を有する。
【0149】
[00192]チャンバー1028bの壁1042bは、光1036b(または光1036b中の所定の波長の電磁放射)に対して実質的に透過性を有する。光源1000bが発生する光1036b(例えば、可視光および/または紫外線光)は、チャンバー1028bの壁1042bに通され、反射体1040bの反射面1044bの方へ向けられる。
【0150】
[00193]壁1042bの屈折率が、チャンバー1028bの内部の媒体および外部の媒体(図示せず)の屈折率に等しくない場合、光線1036bの方向および位置は、反射面1044bがチャンバー1028bの壁1042bの屈折率を補正する形状を有していない限りチャンバー1028bの壁1042bを通り抜けることによって変えられる。光1036bは、反射体1040bの表面1044bから反射した後分散する。しかし、反射体1040bの反射面1044bの形状は、チャンバー1028bの壁1042bの屈折率を補正するように構成されているため、光1036bは、反射体1040bの表面1044bから反射した後も分散しない。この実施形態では、光1036bは、反射体1040bの表面1044bから反射して、光の平行ビームを生成する。
【0151】
[00194]図11は、光を発生するための本発明を具現化した光源1100の概略ブロック図である。光源1100は、イオン性媒体(図示せず)を収納する密閉チャンバー1128(例えば、密閉された円筒形サファイアバルブ)を備える。光源1100は、プラズマ1132を生成するイオン性媒体を有するチャンバー1128の領域1130にエネルギーを供給する。プラズマ1132は、プラズマ1132に由来する光(例えば、高輝度光)1136を発生し、放射する。光源1100は、チャンバー1128内にあるプラズマ1132に供給されるレーザービームを発生する少なくとも1つのレーザー源1104も備え、高輝度光1136を起動および/または維持する。
【0152】
[00195]この実施形態では、レーザー源1104は、レーザービーム1120を出力するダイオードレーザーである。光学レンズ1120は、レーザービーム1122を合焦して、より小径のレーザービーム1124を発生するように構成される。レーザービーム1124は、湾曲した反射面1140の基部1124にある開口または窓1172を通り抜けて、チャンバー1128の方へ向けられる。チャンバー1128は、レーザービーム1124に対して実質的に透過性を有する。レーザービーム1124は、チャンバー1128を通り抜けて、プラズマ1132が存在するチャンバー1128の領域1130(またはレーザー1124によってプラズマ1132が発生されかつ維持されるのが望ましい場所)の方へ向かう。
【0153】
[00196]この実施形態では、イオン性媒体はレーザービーム1124によって点火される。代替的実施形態では、光源1100は、イオン性媒体に点火するために、例えば、チャンバー1128内(例えば、チャンバー1128の領域1130)に、放電を発生する点火源(例えば、一対の電極または紫外線エネルギー源)を備える。次いで、レーザー源1104は、イオン化媒体にレーザーエネルギーを供給して、光1136を発生するプラズマ1132を維持する。チャンバー1128は、光1136(または光1136中の所定の波長の電磁放射)に対して実質的に透過性を有する。次いで、光源1100が発生する光1136(例えば、可視光および/または紫外線光)は、チャンバー1128から反射面1140の内面1144の方へ向けられる。
【0154】
[00197]反射体1140の反射面1144は、チャンバー1128の壁1142の屈折率を補正する形状を有する。壁1142の屈折率が、チャンバー1128の内部の媒体および外部の媒体(図示せず)の屈折率に等しくない場合、光1136の速度は、反射面1144がチャンバー1128の壁1142の屈折率を補正する形状を有していなければチャンバー1128の壁1142を通り抜けることによって変えられる(図9に関して上で説明されているのと同様に)。
【0155】
[00198]図12は、本発明の原理が組み込まれている光源1200の断面図である。光源1200は、イオン性媒体(図示せず)を収納するチャンバー1228を備える。光源1200は、反射体1240も備える。チャンバー1228は、反射体1240内の開口部1272を通して突き出る。光源1200は、反射体1240に取り付けられた支持要素1274(例えば、取り付け金具または取り付け機構)を備える。支持要素1274は、チャンバー1228の後端1280にも取り付けられ、チャンバー1228を反射体1240に関係する位置に配置する。光源1200は、プラズマ1232を生成するためにイオン性媒体を点火するチャンバー1228内に配置されている電極1229aおよび1229b(1229と総称する)を備える。電極1229aおよび1229bは、プラズマ1232が電極1229の向かい合う端部の間に配置される形でY軸にそって互いから相隔てて並ぶ。
【0156】
[00199]光源1200は、プラズマ1232にエネルギーを供給して、プラズマ1232から放射される光1236(例えば、高輝度光)を維持および/または発生するエネルギー源も備える。光1236は、放射されるとチャンバー1228の壁1242を通り、反射体1240の反射面1244の方へ向けられる。反射面1244が光1236を反射する。
【0157】
[00200]いくつかの実施形態では、電極1229は、プラズマ1232にエネルギーを供給して、光1236を維持および/または発生するエネルギー源でもある。いくつかの実施形態では、本発明の他の実施形態に関して本明細書で説明されているのと同様にして、エネルギー源は、レーザーエネルギーを供給して、プラズマ1232によって発生される光1236を維持および/または発生するチャンバー1228の外部のレーザーである。例えば、一実施形態では、光源1200は、レーザー源(例えば、図1のレーザー源104)ならびに付随するレーザー送出コンポーネントおよび光学コンポーネントを備え、レーザーエネルギーをプラズマ1232に供給し、および/または光1236を発生する。
【0158】
[00201]チャンバーの壁1242の屈折率が、チャンバー1228の内部の媒体および外部の媒体(図示せず)の屈折率に等しく、反射体1240の反射面1244が、放物面の形状である場合、表面1244から反射された光1236は、光の平行ビーム1264を発生する。チャンバーの壁1242の屈折率が、チャンバー1228の内部の媒体および外部の媒体の屈折率に等しく、反射体1240の反射面1244が、楕円体の形状である場合、表面1244から反射された光1236は、光の集束ビーム1268を発生する。
【0159】
[00202]チャンバー1228の壁1242の屈折率が、チャンバー1228の内部の媒体および外部の媒体の屈折率より大きい場合、光線1236の方向および位置は、反射体1240の反射面1244がチャンバー1228の壁1242の屈折率を補正する形状を有していない限りチャンバー1228の壁1242を通り抜けることによって変えられる。光線1236は、反射体1240の表面1244から反射した後分散する。しかし、反射体1240の反射面1244の形状は、チャンバー1228の壁1242の屈折率を補正するように構成されているため、光1236は、反射体1240の表面1244から反射した後も分散しない。
【0160】
[00203]この実施形態では、チャンバー1228の壁1242の屈折率は、内部媒体および外部媒体の屈折率より大きく、反射面1242は、壁1242の屈折率を補正する変更された放物面の形状を有する。この変更された放物面の形状により、反射された光1236は光の平行ビーム1264をもたらすことができる。放物面の形状が使用された場合、反射された光1236は平行でなく、むしろ、反射された光は、分散される。変更された放物面の形状とは、その形状が純粋な放物面の形状でないということである。むしろ、その形状は、他の何らかの形で反射された光1236の中に入り込む収差を十分補正できるように変更されている。いくつかの実施形態では、反射面1242の形状は、指定された値より低い誤差(例えば、反射された光1236の分散)を低減するようになされる。
【0161】
[00204]いくつかの実施形態では、反射面1242の形状は、数式として表される。いくつかの実施形態では、反射面1242の形状を数式として表すことによって、製造時に形状を比較的容易に再現することができる。いくつかの実施形態では、この数式のパラメータは、チャンバー1228の壁1242の屈折率が指定された値より低いことで生じる誤差を低減するように選択される。
【0162】
[00205]光源1200は、チャンバー1228の頂部にシールアセンブリ1250を備える。光源1200は、チャンバー1228の下端にフィッティング1260も備える。シールアセンブリ1250は、イオン性媒体を収納するチャンバー1228を密閉する。いくつかの実施形態では、シールアセンブリ1250は、チャンバー1228の頂端に鑞付けされる。シールアセンブリ1250は、高温で一体化された複数の金属を備えることができる。例えば、シールアセンブリ1250としては、弁棒シールアセンブリ、フェイスシールアセンブリ、アンカーシールアセンブリ、またはシャフトシールアセンブリが挙げられる。いくつかの実施形態では、シールアセンブリ1250は、チャンバー1228の頂端に機械的に留められる。いくつかの実施形態では、チャンバー1228の両端に配置された、2つのシールアセンブリ1250がある。
【0163】
[00206]フィッティング1260により、チャンバーに、例えば、イオン性媒体または他の流体およびガス(例えば、点火を円滑にする不活性ガス)を充填することができる。フィッティング1260を使って、チャンバー1228内の圧力を制御することもできる。例えば、加圧ガス源(図示せず)および/または安全弁(図示せず)はフィッティングに結合され、これによりチャンバー1228内の圧力を制御することができるものとしてよい。フィッティング1260は、イオン性媒体をガス入口(図示せず)を通してチャンバー1228内に流し込むことができる弁であってよい。
【0164】
[00207]図13は、式2の形式の数式で表されるさまざまな形状を有する反射面に対して反射面(例えば、図12の反射面1244)によって引き起こされるぼけまたは分散のプロット1300のグラフ表示である。ぼけまたは分散は、反射面から反射された光線が反射された光(例えば、反射面144の形状が変更された楕円形状である状況における図12の反射された光1268)に対する所望の遠隔焦点から外れる半径である。
【0165】
【数2】

【0166】
[00208]プロット1300のX軸1304は、特定の光線が反射面(例えば、図12の反射面1244)から反射する光軸にそった位置(単位はミリメートル)である。プロット1300のY軸1308は、ミリメートルを単位とする半径(つまり、ぼけまたは分散)である。円筒形チャンバーは、7.11mmの外径(X軸にそった)と4.06mmの内径とを有する。曲線1312は、反射面の光軸にそった位置から反射された光線が反射された光に対する所望の遠隔焦点から外れる半径を示しており、反射面はn=2およびm=0として数式(式2)で表される。曲線1316は、反射面の光軸にそった位置から反射された光線が反射された光に対する所望の遠隔焦点から外れる半径を示しており、反射面はn=3およびm=1として数式(式2)で表される。曲線1320は、反射面の光軸にそった位置から反射された光線が反射された光に対する所望の遠隔焦点から外れる半径を示しており、反射面はn=4およびm=4として数式(式2)で表される。曲線1324は、反射面の光軸にそった位置から反射された光線が反射された光に対する所望の遠隔焦点から外れる半径を示しており、反射面はn=5およびm=5として数式(式2)で表される。
【0167】
[00209]この実施形態では、反射面の形状がイオン性媒体を収納するチャンバーの壁の屈折率を補正するように数式のパラメータを選択(例えば、最適化)するために光線追跡プログラムが使用された。図13および式2を参照すると、パラメータは、数式の次数と係数であることがわかる。この実施形態では、チャンバーの壁を通して放射され、これらの壁がチャンバーの内部および外部の媒体の屈折率より大きい屈折率を有し、選択された次数および係数を持つ式2により記述されている形状を有する反射面から反射される、光線の経路を決定するために光線追跡プログラムが使用された。この実施形態では、光線追跡プログラムは、反射面の光路にそって置かれている点を始点とする光線が所望の遠隔焦点から外れる半径をグラフ化する。
【0168】
[00210]この実施形態では、有理多項式(式2)の次数および係数は、光線が遠隔焦点から外れる半径が誤差の閾値レベルの範囲内に収まるまで調整される。他の実施形態では、次数および/または係数は、プラズマによって放射される光線の半値全幅(FWHM)が遠隔焦点の指定された半径の範囲内に収束するまで調整される。一実施形態では、指定された半径は25μmである。
【0169】
[00211]他の実施形態では、光線追跡プログラムは、反射面の光路にそって置かれている点を始点とする光線が反射面の頂点から指定された距離のところにある対象の平行領域から外れる半径をグラフ化する。反射面の形状を表す数式のパラメータは、光線が対象の平行領域から外れる半径が誤差の閾値レベルの範囲内に収まるまで調整される。他の実施形態では、次数および/または係数は、プラズマによって放射される光線の半値全幅(FWHM)が反射面の頂点から指定された距離のところにある対象の平行領域の指定された半径の範囲内に入るまで調整される。
【0170】
[00212]本発明の代替的実施形態では、反射体の反射面(例えば、図12の反射体1240の反射面1244)の形状を記述するか、または表すために数式の代替的形式が使用されうる。本発明の原理は、形状の異なるチャンバーおよび/または形状の異なる反射面を有する光源に等しく適用可能である。例えば、いくつかの実施形態では、反射体の反射面は、チャンバーの壁の屈折率を補正するために使用される変更された放物面の形状、楕円の形状、球形状、または非球面の形状である形状を有する。
【0171】
[00213]図14は、本発明の例示的な実施形態による光源1400の一部分の概略ブロック図である。光源1400は、イオン性媒体を入れた密閉チャンバー1428を備える。光源1400は、反射面1444を有する第1の反射体1440も備える。反射面1444は、例えば放物面の形状、楕円の形状、湾曲した形状、球形状または非球面形状を有することができる。この実施形態では、光源1400は、チャンバー1428の領域1430内のイオン性ガス(例えば、水銀またはキセノン)に点火してプラズマ1432を生成する点火源(図示せず)を有する。
【0172】
[00214]いくつかの実施形態では、反射面1444は、反射性の内面または外面であってよい。いくつかの実施形態では、チャンバーの内側または外側にコーティングまたはフィルムが配置されて反射面1444を形成する。
【0173】
[00215]レーザー源(図示せず)は、第2の反射体1412の表面1424に向けられるレーザービーム1416を供給する。第2の反射体1412は、第1の反射体1440の反射面1444の方へレーザービーム1420を反射する。反射面1444は、レーザービーム1420を反射してプラズマ1432の方へ向ける。チャンバー1430の壁1442の屈折率は、レーザービーム1416がチャンバー1430内の壁1442を通り抜けるときにレーザービーム1416に影響を及ぼすが、これはチャンバー1430の壁1442を通り抜ける光が本明細書の前の方で説明したように影響を受けるのと同様である。反射面1444の形状が屈折率を補正するように選択されていない場合、レーザーエネルギーはチャンバー1430内に入った後に分散するか、または合焦せず、プラズマ1432上に合焦されない。したがって、この実施形態では、反射体の反射面1444は、チャンバー1430の壁1442の屈折率を補正するように選択された形状を有する(例えば、図12および13に関して本明細書ですでに説明されているのと同様である)。
【0174】
[00216]レーザービーム1416は、プラズマ1432にエネルギーを供給して、チャンバー1428の領域1430内のプラズマ1432から放射される高輝度光1436を維持および/または発生する。プラズマ1432によって放射される高輝度光1436は、第1の反射体1440の反射面1444の方へ向けられる。高輝度光1436の少なくとも一部分は、第1の反射体1440の反射面1444によって反射されて第2の反射体1412の方へ向けられる。反射体の反射面1444は、チャンバー1430の1442の屈折率を補正するように選択された形状を有するため、反射面1444によって反射された光1436は、第2の反射体1412の方へ向けられた光1436の所望の平行ビームを発生する。
【0175】
[00217]第2の反射体1412は、高輝度光1436(例えば、少なくとも1つまたは複数の波長の紫外線光)に対して実質的に透過性を有する。このように、高輝度光1436は、第2の反射体1412を通り抜けて、例えば、計量ツール(図示せず)に向けられる。いくつかの実施形態では、光1436は、フォトレジスト露光、偏光解析法の実行(例えば、UVまたは可視光)、薄膜測定に使用されるツールに向けられる。
【0176】
[00218]いくつかの実施形態では、高輝度光1436は、ツールに向けられる前に、まず窓または追加の光学要素の方へ向けられるか、またはその窓または追加の光学要素に通される。
【0177】
[00219]図15Aは、本発明の原理が組み込まれている光源1500の断面図である。図15Bは、図15Aの光源1500の(Y−Z平面内の)断面図である。光源1500は、光源1500のさまざまな要素を収納するハウジング1510を備える。ハウジング1510は、密閉チャンバー1522を備え、光がハウジング1510から出る際に通る光学要素1520(例えば、石英の円盤状要素)を備える出力1580を有する。光源1500は、イオン性媒体(図示せず)を収納する密閉チャンバー1528を備える。光源1500は、反射体1540も備える。光源1500は、ブロッカー1550も備える。光源1500は、プラズマ(図示せず)を生成するためにイオン性媒体を点火するチャンバー1528内に一部配置されている電極1529aおよび1529b(1529と総称する)を備える。電極1529aおよび1529bは、プラズマが電極1529の向かい合う端部の間に配置される形で(Y軸にそって)互いから相隔てて並ぶ。
【0178】
[00220]いくつかの実施形態では、電極1529は、プラズマにエネルギーを供給して、光を維持および/または発生するエネルギー源でもある。この実施形態では、本発明の他の実施形態に関して本明細書で説明されているのと同様にして、エネルギー源は、レーザーエネルギー1524(例えば、赤外線)を供給して、プラズマによって発生される光1530(例えば、紫外線および/または可視光線を含む高輝度光)を維持および/または発生するチャンバー1528の外部のレーザー(図示せず)である。レーザーエネルギー1524は、チャンバー1528の第1の側1594からチャンバー1528に入る。いくつかの実施形態では、光源1500は、プラズマにレーザーエネルギーを供給して、光1530を維持および/または発生する付随するレーザー伝送コンポーネントおよび光学コンポーネントも備える。この実施形態では、光源1500は、レーザーエネルギー1524をレーザーからプラズマに送って、プラズマから放射された光1530を維持および/または発生するための光学要素1560を備える。
【0179】
[00221]光1530は、チャンバー1528の壁を通して放射される。チャンバー1528の壁1532を通して放射される光1530の一部は、反射体1540の反射面1532の方へ伝搬する。反射面1532は、ハウジング1510内の光学要素1520を通して光を反射し反射体1540の焦点1525に送る。光1536の一部は、光学要素1560の方へ伝搬する。光学要素1560は、光1536を吸収し、光1536は、光学要素1520を通して反射されない。その結果、焦点1525に反射される光は、領域1540および1541として図示されている経路にそって反射体1540によって反射されるプラズマから放射される光1530である。その結果、光源1500は、光が光学要素1560の方へ放射され、したがって、反射体1540の焦点1525へ反射されないため、暗い領域1542を備える。
【0180】
[00222]プラズマに送られるレーザーエネルギーの一部は、プラズマによって吸収されない。吸収されないレーザーエネルギー(レーザーエネルギー1556)は、この後も、ハウジング1510の端部に向かう正のX軸方向にそって伝搬し続ける。ブロッカー1550は、チャンバー1528の第2の側1596に吊り下げられている。ブロッカー1550は、レーザーエネルギー1556が進行する経路1562にそって吊り下げられている。ブロッカー1550は、光源1500のチャンバー1522内にブロッカー1550を吊り下げるアーム1555に結合されている。ブロッカー1550は、レーザーエネルギー1556をブロックし、レーザーエネルギー1556がハウジングの端部の方へ、光源1500の出力1580を通って伝搬するのを防ぐ。
【0181】
[00223]この実施形態では、ブロッカー1550は、プラズマによって吸収されないレーザーエネルギー1556を開口部1520から離れる方向へ、ハウジング1510の壁を通して偏向するミラーである。ブロッカー1550は、レーザーエネルギー1556をハウジング1510の壁1588の方へ反射する。ハウジング1510は、反射されたレーザーエネルギー1584の一部を吸収し、レーザーエネルギー1584の一部をハウジング1510の対向する壁1592の方へ反射する。レーザーエネルギー1584の一部は、これがハウジング1510の壁(例えば、壁1588または1592)に当たるたび毎に吸収される。レーザーエネルギー1584がハウジング1510の壁に繰り返しぶつかることにより、レーザーエネルギー1584はハウジング1510の壁によって実質的に(または完全に)吸収される。ブロッカー1550は、ブロッカー1550を使用してレーザーエネルギー1556を偏向することによりレーザーエネルギー(例えば、赤外線波長の電磁エネルギー)が開口部1580を通ってハウジング1510から出るのを防ぐ。その結果、プラズマが発生する光のみ(例えば、紫外線および/または可視光線)が、開口部1580を通ってハウジング1510から出る。
【0182】
[00224]ブロッカー1550は、ブロッカー1550が反射体1540によって反射された光153を開口部1580を通して焦点1525に偏向することをしない位置でハウジング1510内に吊り下げられる。ブロッカー1550は、ブロッカー1550が暗い領域1542内に配置されているため光1530を偏向しない。それに加えて、ブロッカー1550に結合されているアーム1555は、アームが電極1529aに相対的に正のX軸方向にそって電極1529aと位置合わせされている、ハウジング1510内の位置に配置されるため、光1530も偏向しない。このようにして、ブロッカー1550およびアーム1555は、光1530のそのブロッキングを最小限度に抑えるように位置決めされる。
【0183】
[00225]暗い領域1542は、領域1542が開口部1580に近づくほど先細りになる。ブロッカー1550が反射体1540によって反射された光を偏向するのを防ぐために、レーザーエネルギーブロッカー1550は、X軸にそった位置に置かれ、そこで、ブロッカー1550の断面積(Y−Z平面内の)は暗い領域1542の断面積(Y−Z平面内の)以下である。その結果、ブロッカー1550の断面積(Y−Z平面内の)が小さければ小さいほど、ブロッカー1550をX軸にそって開口部1580に近い位置に配置できる。
【0184】
[00226]いくつかの実施形態では、レーザーエネルギーブロッカー1550は、レーザーエネルギー1556を反射する材料で作られる。いくつかの実施形態では、ブロッカー1550は、レーザーエネルギー1556をチャンバー1528内のイオン化された媒体の方へ戻す形で反射するように構成される。いくつかの実施形態では、ブロッカー1550は、チャンバー1528の一部に施されたコーティングである。いくつかの実施形態では、ブロッカーは、開口部1580の光学要素1520上に施されたコーティングである。
【0185】
[00227]いくつかの実施形態では、レーザーエネルギーブロッカー1550は、レーザーエネルギー1556を反射するよりはむしろ吸収する材料(例えば、グラファイト)で作られる。ブロッカーがレーザーエネルギー1556を吸収するいくつかの実施形態では、ブロッカー1550は、レーザーエネルギー1556を吸収するためその温度が上昇する。
【0186】
[00228]いくつかの実施形態では、ブロッカー1550は、冷却される。ブロッカー1550は、ブロッカー1550内に1つまたは複数の冷却材チャネルを備えることができる。光源は、ブロッカー1550を冷却するために冷却材を冷却材チャネルに供給する冷却材チャネルに結合された冷却材供給部も備えることができる。いくつかの実施形態では、光源1500は、ブロッカー1550を冷却するためにブロッカー1550上にガス(例えば、空気、窒素、もしくは他のガス)を吹き付けるガス源(例えば、加圧ガスキャニスタまたはガス吹き付け器)を備える。いくつかの実施形態では、光源1500は、レーザーエネルギーのブロッカー1550の周りに巻き付けられている1つまたは複数のチューブ(例えば、銅製チューブ)を備える。光源1500は、冷却材(例えば、水)をチューブに通して流し、ブロッカー1550を冷却する。
【0187】
[00229]説明のために、本発明の例示的な実施形態により、光源を使用して紫外線光を発生するように実験が行われた。チャンバー内のイオン性媒体としてキセノンを使用した実験に、光源のチャンバー(例えば、図1の光源100のチャンバー128)として体積1cmの特別に製作された石英バルブが使用された。バルブは、石英バルブ内に形成されたチャンバーが圧力制御されたキセノンガス源と連通していた。図16は、本発明による光源を使用する、光源のチャンバー内の圧力の関数としての輝度のグラフである。図16は、チャンバー内にあるプラズマが発生する高輝度光のUV輝度のプロット1600を、チャンバー内の圧力の関数として示す。
【0188】
[00230]実験で使用されたレーザー源は、1.09ミクロン、200ワットのCWレーザーであり、これは0.25の開口数で合焦された。その結果得られたプラズマの形状は、典型的には、直径0.17mmおよび長さ0.22mmの楕円であった。プロット1600のY軸1612は、ワット/mmステラジアン(sr)を単位とする輝度である。プロット1600のX軸1616は、チャンバー内のキセノンの充填圧力である。曲線1604は、発生したプラズマによって生成される高輝度光の輝度(約260から約400nmまでの範囲内)を示す。曲線1608は、このプラズマによって生成される高輝度光の輝度(約260から約390nmまでの範囲内)を示す。両方の曲線(1604と1608)について、光の輝度は、充填温度の増大とともに増大した。曲線1604は、約11気圧で約1ワット/mmsrの輝度が約51気圧では約8ワット/mmsrに増大したことを図示している。曲線1608は、約11気圧で約1ワット/mmsrの輝度が約51気圧では約7.4ワット/mmsrに増大したことを図示している。圧力を高めて光源を動作させることの利点は、チャンバーの充填圧力を高めることで、発生させる光の輝度を高めることができるという点である。
【0189】
[00231]レーザー駆動光源(「LDLS」)を始動するために、チャンバー(図1のチャンバー128)内のガスによるレーザー光の吸収は、高密度プラズマを形成するのに十分なエネルギーをガスに供給するのに十分な強さを持つ。しかし、動作中、LDLSを始動するために使用されたのと同じ吸収は強すぎて、光の輝度を維持することができないが、それというのも、光がレーザーの焦点に近づく前の早い段階に光が吸収されることがあるからである。これらの基準は、多くの場合、コンフリクトし、LDLSを始動するのに必要な吸収とLDLSを維持するか、または動作させるために必要な吸収のアンバランスを引き起こしうる。LDLSを始動したとき、プラズマの密度は、一般的に低く、したがって、他のものが等しいとしても、吸収は弱い。これにより、レーザー光の大半が、吸収されることなく、プラズマ領域を出る可能性がある。このような状況は、レーザーだけでプラズマを維持することができなくなることにつながりうる。この問題の1つの解決策は、レーザーをチャンバー(例えば、図1のチャンバー128)励起された作動ガスの強い吸収線の近くの波長に同調させることである。しかし、点火した後、この同じ強い吸収は負担となりうるが、それは、レーザーの出力がレーザー焦点の近くのプラズマのコアに達する前にレーザーエネルギーがあまりにも容易に吸収されうるからである。この後者の状態により、低輝度光源の光が大きな体積から放射される可能性がある。この問題の1つの解決策は、最大放射輝度になる状態に達するまで強い吸収線から離れる方向にレーザー波長を同調させることである。最適な動作状態は、小さなプラズマサイズと十分に高い出力の吸収との間のバランスであるものとしてよい。このシナリオでは、レーザーが最初に吸収線により近い波長に同調され、次いで最適な動作となるように強い吸収線からさらに離れた別の波長に同調される、光源および動作方法が実現される。
【0190】
[00232]光源は、赤外線波長のところで少なくとも1つの強い吸収線を有する励起ガスを使用して高輝度光を発生することができる。例えば、図1を参照すると、光源100は、ガスが中に配設されるチャンバー128を備えることがわかる。ガスは、希ガス、例えば、キセノン、アルゴン、クリプトン、またはネオンを含むことができる。点火源140は、チャンバー128内のガスを励起するために使用されうる。点火源140は、例えば、2つの電極であってもよい。励起ガスは、その基底状態にある、つまり最低エネルギー準位にあるガスのエネルギーより高いエネルギー準位にある電子を有する。励起ガスは、準安定状態にある、例えば、ガスの基底状態エネルギーより高いが、長期間(例えば、約30秒から約1分までの期間)にわたって持続するエネルギーを有しているものとしてよい。励起状態の比エネルギー準位は、チャンバー128内にあるガスの種類に依存しうる。励起ガスは、赤外線波長において、例えば、約980nm、895nm、882nm、または823nmのところに少なくとも1つの強い吸収線を有する。光源100は、チャンバー128内の励起ガスの強い吸収線に近い波長においてエネルギーを励起ガスに供給し、高輝度光136を発生するために少なくとも1つのレーザー104も備える。チャンバー128内のガスは、レーザー104の波長の近いところで吸収性を有するものとしてよい。
【0191】
[00233]高輝度光の発光を開始し、維持するコンフリクトする基準のバランスをとる光源の操作は、レーザー(例えば、図1のレーザー104)を第1の波長に同調して高輝度光を発生し、次いで、レーザーを第2の波長に同調して高輝度光を維持するステップを含みうる。第1の波長は、高密度のプラズマを形成し維持することができ、したがって高輝度光を発生することができるエネルギー準位にあり、第2の波長は、レーザーがその焦点に到達する前にレーザーエネルギーがプラズマによって実質的に吸収されないようなエネルギー準位にありうる。
【0192】
[00234]例えば、チャンバー(例えば、図1のチャンバー128)内のガスは、点火源で励起されうる。いくつかの実施形態では、プラズマを点火するために、出力が1000W未満の駆動レーザーが使用されうる。他の実施形態では、プラズマを点火するために、出力が1000W超または1000W未満の駆動レーザーが使用されうる。チャンバー内のプラズマおよび/または励起ガスを点火するために、チャンバー内のガスの臨界点の付近でLDLSが操作されうる。臨界点は、ガスが液相と気相とに分離しなくなる寸前の圧力である。例えば、キセノンの臨界点では、温度が約290K、圧力が約5.84MPa(約847psi)である。いくつかの実施形態では、他のガスが使用され、例えば、ネオン、アルゴン、またはクリプトンが使用されうる。他の実施形態では、いくつかのガスの組み合わせ、例えば、ネオンとキセノンの混合気が使用されうる。
【0193】
[00235]チャンバー内のガスが点火された後、レーザー(例えば、図1のレーザー104)は、第1の波長に同調され、チャンバー内の励起ガスにエネルギーを供給して高輝度光を発生することができる。チャンバー内の励起ガスは、第1の波長の近くのエネルギーを吸収する。高輝度光の発光が開始した後、レーザーは第2の波長に同調され、チャンバー内の励起ガスにエネルギーを供給して高輝度光を維持することができる。第2の波長は、第1の波長より短くても、または長くてもよい。チャンバー内の励起ガスは、第2の波長の近くのエネルギーを吸収する。
【0194】
[00236]チャンバー内のガスは、例えば、希ガスとすることができ、電子が少なくとも1つの励起原子状態にある原子を有するものとすることができる。キセノン、アルゴン、クリプトン、またはネオンなどの希ガスは、可視および近赤外領域のスペクトルにおいて透過性を有することができるが、これは、ガスが高温であるか、またはエキシマなどの励起分子状態の存在下にあるときには当てはまらない。キセノンの最低励起状態(例えば、エネルギーに関して基底状態に最も近い励起状態)などの、高エネルギー電子状態の存在を結果としてもたらすガスの状態は、比較的高いエネルギー状態とそれより1eV程度高い準位にあるいくつかのより高い準位の状態のうちのどれかとの間の遷移により強い吸収線を結果として出現させる。
【0195】
[00237]図17は、キセノン中の関連するエネルギー準位の簡略化された図である。水平バーはそれぞれ、キセノン原子または分子(二量体)中の電子によって占有されうるエネルギー準位を表す。電子が2つの準位の間を行き来するときに、光子、例えば、980nmの光子が放射されたり、または吸収されたりしうる。図の「分子レベル」側、または左側上の近接している水平バーは、分子中のキセノン原子の近接結合がいくつかのバンド内への原子のエネルギー準位の広がりをもたらすことを示している。これらのバンド間の遷移により、吸収範囲が広げられうるが、これは、980.0nmの正確な原子遷移からある距離(例えば、数ナノメートル)だけ離れている波長であっても吸収が強いことを説明している。
【0196】
[00238]なおも図17を参照すると、このような吸収線の一例は、キセノンにおける約980nmおよび約882nmであり、これは準安定原子の5p5(2P°3/2)6s準位から5p5(2P°3/2)6p準位への遷移である。分子は、広げられた980nmまたは882nm線を生じる対応する一組の遷移を有する。このような線は、逆遷移による放射においても観察される。
【0197】
[00239]キセノン中の適当な吸収線の他の例は、例えば、881.69nm、823.1nm、および895.2nmである。表1は、定常モードにおけるキセノンアークのカソードスポットの放射および吸収の測定結果ならびに平均温度を示す。図示されているように、プラズマ形態のキセノンは、IRスペクトルの複数の吸収線を有する。高いパーセンテージのエネルギーが複数の波長で吸収されうることで示されるように、881.69nm、823.1nm、および895.2nm、さらには980nmは、高輝度光の発光を開始させるためにLDLS内で使用されうる適切な波長である。
【0198】
【表1】

【0199】
[00240]図18は、ネオン、アルゴン、クリプトン、およびキセノンにおける関連するエネルギー準位の簡略化されたスペクトル図である。それぞれの水平バーは、ネオン、アルゴン、クリプトン、またはキセノン原子もしくは分子(二量体)中の電子によって占有されうるエネルギー準位を表す。希ガス中のこれらのエネルギー準位間の遷移は、吸収の範囲を広げることができる。したがって、これらの希ガスは、本明細書で説明されているシステムおよび方法により高輝度光の発光を開始し、維持するためにLDLSにおいて使用されうる。
【0200】
[00241]レーザーを数ナノメートルで同調する作業は、レーザーの波長を高輝度光の発光を開始する第1の波長から高輝度光を維持する第2の波長に調整するために必要になることがあるが、レーザーの動作温度を調整することによって実行できる。図19は、キセノンに対するレーザー出力波長対温度のグラフを示しており、これはLDLSのレーザーに対する同調機構として使用できる。レーザーの帯域幅は、約5nmであり、キセノンの吸収線1905は、例えば、約980nmのところに示されている。例えば、キセノンの980nmの吸収線の近くで動作する典型的なダイオードレーザーの波長は、約0.4nm/℃の温度範囲で同調することができる。特定の温度または温度範囲は、特定のレーザーに依存する。その結果、レーザー材料の熱膨張により、レーザー空洞の長さが温度とともに伸びて、それにより、空洞の共振波長がより長い波長へずれる。レーザーの温度は、熱電冷却デバイス(例えば、ペルチェ冷却デバイス)によって設定され、熱電冷却器(「TEC」)への電流を変化させることによって素早く同調させることができる。冷却ファンの電子ファン速度制御は、レーザー温度制御の別の1つのオプションである。また、レーザーの電気加熱が温度制御に使用されうる。レーザーの温度は、センサーによって監視され、冷却および/または加熱手段を駆動するフィードバック回路によって制御されうる。
【0201】
[00242]LDLSのレーザーが同調される第2の波長は、第1の波長から約1nmないし約10nmずらされた波長であるものとしてよい。いくつかの実施形態では、第2の波長は、第1の波長より小さく、いくつかの実施形態では、第2の波長は、第1の波長より大きい。例えば、LDLSを始動するために、光源のチャンバー内のキセノンガスを使用してレーザーが約980nmの波長に同調されうる。高輝度光の発光が開始した後、レーザーは約975nmの波長に同調され、これにより高輝度光を維持することができる。いくつかの実施形態では、第2の波長は、約985nmである。
【0202】
[00243]光源を始動し、維持するためにいくつかの異なる方法が使用されうる。いくつかの実施形態では、高電圧パルスがランプ内の点火電極に印加される。約1から約5アンペアのDC電流が最初に点火用電源から結果として得られるプラズマを通して流れうる。電流は、約2ミリ秒の時定数により指数関数的に減少しうる。この期間中、結果として得られるプラズマは、例えば、約980nmの波長の集光レーザービームによって照射され、その場合、レーザー温度は約35である(例えば、図19を参照のこと。これは、レーザー温度が約35℃のときにレーザーは約980nmの波長のエネルギーを放射することを示している)。次いで、DC電流がゼロまで減少した後もレーザープラズマは維持される。プラズマがレーザーによって維持され、次いで約25℃の温度になるまで、また放射輝度(例えば、輝度)などのレーザー駆動の光源の特性に関する能動的なフィードバックによって決定されうる結果の波長約975nm、または所定の動作波長までレーザーが冷却されるのを決定するためにプラズマ光センサーが使用されうる(例えば、図19を参照のこと。これはレーザーの温度が約25℃のときに、レーザーが約975nmの波長のエネルギーを放射することを示している)。この方法は、レーザーによる直接的電子加熱に依存しており、したがって、レーザーの出力を結合するのに十分な電子密度を必要とすることがある。この方法は、約60Wで動作するLDLSに使用することができる。
【0203】
[00244]いくつかの実施形態では、低いレーザー出力、例えば、約10Wから約50Wまでの範囲のレーザー出力に適した、異なる始動方式が使用されうる。例えば、レーザー波長は、そのレーザー波長で、またはその近くの波長で吸収性を有する、中性ガスによるレーザー出力の直接的吸収に依存するように意図的に同調されうる。しかし、レーザー光子エネルギーは、原子励起状態(例えば、最低キセノン励起状態は約8.31eVである)に比べて低い(980nmに対して約1.26eV)ので、この方法は、基底状態からの吸収に依存しえない。それに加えて、多光子効果は、高出力を、通常はパルスレーザーを必要とすることがある。
【0204】
[00245]始動方式は基底状態からの吸収に依存しえないので、始動方式は、その代わりに、励起状態からの吸収に依存しうる。しかし、これは、LDLSのチャンバー内のガスの少なくとも1つの励起状態にいくつかの電子が存在していることを必要とする。いくつかの励起状態は、存続期間が長く、例えば、準安定キセノンの寿命は、約40秒である。寿命が長いため、準安定状態は優先的に占有される傾向がある。レーザー波長に近いガスの吸収線を選択するときに、準安定状態においてより低い準位のものを選択することが好ましい場合がある。それに加えて、高い圧力(例えば、約0.1バールを超える圧力)の場合、圧力と分子効果とで吸収線が広がる。
【0205】
[00246]LDLSを始動するのにあるレベルのDCアーク電流が必要になる可能性があるが、出力がより高く、光源のチャンバー内のガスの吸収線により近くで動作するレーザーでは、DCアーク電流は小さくてもよい。ピークDC電流は、昇圧コンデンサの後の限流抵抗器の抵抗値を変更することによって変えることができる。閾値電流は、きちんと位置を合わせたときにプラズマを始動できる下限のレーザー駆動電流である。レーザー出力は、レーザー電流に比例する。レーザー駆動電流が高ければ高いほど、レーザーの中心波長は原子線に近づく、例えば、980nmに近づきうる。
【0206】
[00247]図20は、アルゴン2300およびキセノン2400に対する出力2100対圧力2200のグラフ2000である。Keefer、「Laser−Sustained Plasmas」(Laser−Induced Plasmas and Applications、published by Marcel Dekker、edited by Radziemskiら、1989年、169〜206頁)の191頁を参照。グラフ2000は、アルゴンおよびキセノンにおいてプラズマを維持するのに必要な最小電力(約30W、20atm未満で最小の電力が生じる)、さらには得られる最大の圧力を示している。それに加えて、点2500および2600において、従来技術のレーザーで維持されるプラズマは、レーザーで維持されるプラズマが従来技術により作動させるときにより高い圧力で動作しえない。例えば、キセノン2400に対して達成されうる最高の圧力は、約21atmであり、アルゴン2300に対して達成されうる最高の圧力は、約27atmである。これらの圧力では、従来技術のレーザーは、キセノンのプラズマを維持するために約50Wの電力を必要とし、アルゴンのプラズマを維持するために約70Wの電力を必要とする。より高い圧力での動作は、本発明による動作の場合より低い電力で済むが発光を目的とするプラズマはより高い輝度で得られるため有利である。
【0207】
[00248]電力を低くするために、LDLSは、約980nmの波長で動作させることができる。LDLSが980nmで動作する場合、図20に示されている最大圧力に比べて高い最大圧力が観察される。それに加えて、図20に示されているのと同様の最大圧力は、LDLSが980nmで動作するときには達成されていない。したがって、LDLSが980nmの波長で動作する場合、LDLSは、従来技術のレーザーで維持されるプラズマに比べて実質的に高い圧力で動作させることができる。例えば、LDLSは、約30atmより高い圧力で動作させることができる。LDLSがこれらの高い圧力で、また約980nmの波長で動作する場合、プラズマを維持するために必要な電力は劇的に低下する。例えば、LDLSが約30atmより高い圧力で動作する場合、プラズマを維持するのに必要な電力は、約10W程度と低い値にできる。
【0208】
[00249]図21は、小さなプラズマ2120上に合焦される異なるサイズのレーザービーム2105、2110、2115を示している。それぞれのレーザービーム2105、2110、2115は、異なる開口数(「NA」)を有し、これは光錐の半角の尺度である。NAは、光錐の半角の正弦であると定義される。例えば、レーザービーム2105は、レーザービーム2115より小さいNAを有する、レーザービーム2110より小さいNAを有する。図21に示されているように、より大きいNAを有するレーザービーム、例えば、レーザービーム2115は、より小さなNAを有するレーザービーム、例えば、レーザービーム2105に比べてより速くプラズマ2120上に集束する密度を有することができる(例えば、レーザーの焦点により速く集束しうる)。それに加えて、より大きなNAを有するレーザービームは、レーザービームが焦点から出ると急速に輝度を下げる可能性があり、したがって、より小さなNAを有するレーザービームに比べて、高輝度光に対する影響は小さい。例えば、レーザービーム2105’は、レーザービーム2105に対応し、レーザービーム2110’は、レーザービーム2110に対応し、レーザービーム2115’は、レーザービーム2115に対応する。図21に示されているように、レーザービーム2115の輝度は、ビーム2115のNAが大きいためレーザービーム2105に比べて焦点の後により急速に減少するが(2115’)、この結果、レーザービームの高輝度光に対する干渉も小さくなる。
【0209】
[00250]図1を参照すると、光源100は、光ビームのNA特性を利用して、高輝度光を発生させることができることがわかる。光源100は、1つまたは複数の壁を有するチャンバー128を備えることができる。チャンバー128内にガスが配設されうる。少なくとも1つのレーザー104が、チャンバー128内でガス上に合焦されるエネルギーの集束ビームを供給し、チャンバー128の壁を通して放射される光を発生するプラズマを生成することができる。エネルギーの集束ビームのNAは、約0.1から約0.8までの範囲内、または約0.4から約0.6までの範囲内、または約0.5であるものとしてよい。
【0210】
[00251]いくつかの実施形態では、レーザー104は、ダイオードレーザーである。ダイオードレーザーは、光学要素を備え、他の光学要素が光学系内に存在していなくてもエネルギーの集束ビームを放射することができる。いくつかの実施形態では、光学要素は、レーザービームの経路内に位置決めされ、例えば、図1を参照すると、光学要素は、レーザー104とレーザービームエネルギーが供給される領域130との間に位置決めできることがわかる。光学要素は、レーザーからのエネルギーのビームのNAを大きくすることができる。光学要素は、例えば、レンズまたはミラーであってよい。レンズは、例えば、非球面レンズとすることができる。図1では、ビームエキスパンダ118とレンズ120との組み合わせを使用して、ビームのNAを高める。例えば、0.5のNAは、レンズ120の照射径が焦点距離に1.15を乗じた値に等しいときに得られる。これらの条件は、30度のビーム半角に対応する。
【0211】
[00252]開口数が大きいレーザービームが有利なのは、NAが大きいレーザービームは集束して小さな焦点ゾーン内で高い輝度を発生し、その一方で小さな焦点ゾーンの外側では輝度が急速に減少するからである。この高輝度により、プラズマを維持することができる。いくつかの実施形態では、プラズマを球状にしておくと都合がよい。NAが大きいレーザービームはプラズマを球形に維持するのに役立ちうるが、それはレーザービームがプラズマ上に集束し、合焦するからである。それに加えて、NAが大きいレーザービームは放射光のスペクトル放射輝度または輝度を高めうるが、それは小さな球状プラズマから高輝度光が放射されるからである。いくつかの実施形態では、プラズマを、限定はしないが、卵形を含む、他の幾何学的形状にしておくと有益である。いくつかの実施形態では、高いNAおよび小さいプラズマスポットサイズを達成するために、レーザー焦点に対する非球面レンズが使用される。
【0212】
[00253]図22は、スペクトル放射輝度をy軸、NAをx軸とするグラフ2200である。図22に示されているように、プラズマのスペクトル放射輝度は、ビームの開口数の増大とともに増大する。例えば、約975nmに同調されたレーザーでは、NAが最大0.55まで増大するとともに、スペクトル放射輝度も高くなる。例えば、NAが約0.4である場合、スペクトル放射輝度は約15mW/nm/mm/srとなる。NAが約0.5である場合、スペクトル放射輝度は約17mW/nm/mm/srに増大する。したがって、NAが約0.1だけ増大した場合、スペクトル放射輝度は約2mW/nm/mm/srだけ増大した。約0.5のNAを有するレーザービームは、より小さなNAを有するレーザービームに比べてより高い高輝度光を発生することができる。
【0213】
[00254]図23Aは、LDLSで使用できるチャンバー2305を有するバルブ2300を示している。LDLSの点火を確実に行わせるために、レーザーの焦点と点火に使用される電極2310、2311の先端部間の線上にあり、電極2310、2311の先端部からほぼ等距離にあるバルブ2300内の点2315との間で位置合わせを高い精度で行うことができる。この線は、レーザープラズマの点火に使用される初期アークがこの線に近接して追随するので重要である。この要件に加えて、複雑な位置合わせ手順なしでLDLSの使用時点においてバルブの単純な交換が必要になることもある。従来技術の位置合わせされたバルブの場合、事前位置合わせの目的は、光源ゾーンと光学系との位置合わせを行うことである。その目標は、動作中に発光ゾーンの位置合わせを確実にし、その位置合わせがバルブの交換に関係なく固定されたままである、バルブではなく、レーザービームの位置合わせによってLDLS内で達成されうる。したがって、LDLS内のバルブの事前位置合わせによって達成される目的は、もっぱら、発光ゾーンの光学的位置合わせではなく、LDLS点火の目的である。いくつかの実施形態では、ランプまたはバルブは、事前位置合わせされうる。一実施形態では、これらの電極は、約0.01から約0.8mmまでの許容範囲内で位置決めされ、より具体的には、これらの電極は、約0.1から約0.4mmまでの許容範囲内にある。いくつかの実施形態では、プラズマの中心は、電極間の間隙の中心の約0.001から0.02mmまでの範囲内にあるべきである。これらの厳しい許容範囲では、エンドユーザーが交換後にランプ/バルブの位置合わせを行わなくてよいようにランプ/バルブの事前位置合わせを行っておくと有益である場合がある。
【0214】
[00255]光源用のバルブは、光源の操作者が使用前にバルブの位置合わせを行わなくてもよいように事前位置合わせを行うことができる。2つの電極2310、2311を有するバルブ2300は、図23Bに示されているように、取り付け基部2320に結合されうる。バルブ2300は、ドッグポイント位置決めネジ、釘、ネジ、または磁石によって取り付け基部2320に結合されうる。
【0215】
[00256]バルブおよび取り付け基部構造は、カメラアセンブリ、例えば、図24のカメラアセンブリ内に挿入されうる。カメラアセンブリは、少なくとも1つのカメラ、例えば、カメラ2405、2410およびディスプレイ画面(図示せず)を備える。カメラアセンブリ2400は、2つより多いカメラを備えることができる。いくつかの実施形態では、マスターピン2415が位置合わせ基部2420内に配置される。位置合わせ基部2420およびマスターピン2415は、バルブセンタリングの標的として使用するためカメラアセンブリ2400内に配置されうる。カメラアセンブリ2400が最初に位置合わせ基部2420とマスターピン2415とともにセットアップされた後、図23Bのバルブ2300および取り付け基部2320は、位置合わせ基部2420およびマスターピン2415の代わりにカメラアセンブリ2400内に挿入することができる。
【0216】
[00257]2つのカメラ2405、2410が2つの直交方向からバルブを見る形で配列され、これにより、バルブが取り付け基部に関して正しく位置決めされたときに高い精度(25から50ミクロン)をもたらしうる。取り付け基部は、金属または他の好適な材料から作ることができる。
【0217】
[00258]図25は、バルブ(例えば、図23Bのバルブ2300)がカメラアセンブリ(例えば、図24のカメラアセンブリ2400)内に装着されたときにカメラ(例えば、図24のカメラ2405、2410)のうちの少なくとも1つから表示することができるディスプレイ画面2500を示している。ディスプレイ画面は、バルブ内にある2つの電極2505、2510を示しうる。矢印2515、2520は、電極2505、2510、したがってバルブを取り付け基部内に位置決めするのを補助するために使用できる。中心点2525は、電極2505、2510の先端部がそれぞれ矢印2515、2520と位置合わせされたときに電極2505、2510の先端部から等距離のところに位置決めされうる。矢印2515、2520および中心グリッド2530は、電極の位置を合わせる位置決めグリッドを備えることができる。バルブアセンブリが取り付け基部内に正しく位置決めされない(したがって、電極がディスプレイ画面2500内で適切に位置合わせされない)場合、取り付け基部内のバルブの位置は、2つの電極の間のバルブの領域(例えば、中心点2525)がディスプレイ画面2500上の位置決めグリッドと位置合わせされるように調整することができる。バルブの位置は、電極2505、2510が位置決めグリッドと位置合わせされるように取り付け基部内に垂直または水平のいずれかの方向に調整することができる。バルブの位置は、バルブがカメラアセンブリ内にあるときにバルブの上に位置決めされるマニピュレータによって調整することができる。マニピュレータは、バルブを垂直方向および水平方向に移動することができるものとしてよい。例えば、マニピュレータは、バルブに固定できるロボット化されたアームであってよい。ロボット化されたアームは、例えば、コンピュータプログラムによって移動できる。
【0218】
[00259]いくつかの実施形態では、バルブの事前位置合わせを行う方法は、バルブの位置合わせを行うために2つのカメラ(例えば、図24のカメラ2405、2410)をトグル式に切り替えるステップを含む。ディスプレイ画面2500および所定のグリッドは、どのようなカメラが表示されているかに基づき変化しうる。いくつかの実施形態では、カメラからの画像は、ディスプレイ画面上に並べて表示される。いくつかの実施形態では、2つのカメラからの画像は、異なる色で表示され、例えば、一方のカメラでは画像を赤色で表示し、もう一方のカメラでは画像を緑色で表示することができる。
【0219】
[00260]ディスプレイ画面上の位置決めグリッドは、2つの電極間2505、2510間のバルブの中心領域2525がディスプレイ画面上の位置決めグリッドに位置合わせされたときに、領域2525がバルブおよび取り付け基部が光源内に挿入されるときにレーザーの焦点に相対的に位置合わせされるように事前に決定されうる。バルブがすでに位置合わせされているときに、バルブは、取り付け基部に固定することができる。いくつかの実施形態では、セメントを硬化させて、バルブ位置を基部に永久的に固定する。いくつかの実施形態では、他の種類の固定または締め付け用の薬剤/材料を使用して、バルブ位置を基部に永久的に固定することができる。この事前位置合わせされたバルブは、事前位置合わせされたバルブを光源内に挿入することによって使用されうる。ユーザー側で、バルブの位置合わせを必要は一切ない。ユーザーは、単に、事前位置合わせされたバルブをLDLS内に挿入するだけでよく、位置合わせのために調整をしなくてすむ。
【0220】
[00261]取り付け基部は、バルブがLDLS内に入れられたときにバルブの位置合わせを保証することができる。一実施形態では、基部は、バルブがLDLS内に入れられたときにバルブの位置合わせを保証するための1つまたは複数の位置合わせ特徴部を有する。別の実施形態では、基部は、バルブがLDLS内に入れられたときにバルブの位置合わせを保証するための、1つまたは複数の嵌合特徴部、例えば、開口、溝、チャネル、または隆起を有する。
【0221】
[00262]LDLS内のノイズの量を減らすためにLDLS内にフィードバックループを取り付けることができる。ノイズは、バルブの中またはバルブの外でのガス対流により発生しうる。ノイズは、レーザー内のモード変更でも発生することがあり、特にレーザーダイオード内で、またはLDLS内に、もしくはLDLSの外側に発生する機械的振動により、発生しうる。ノイズの量を減らす一解決策は、フィードバックループを取り付けることである。ノイズの量を減らす別の解決策は、レーザーをプラズマの水平面から90度傾けることである。別の解決策は、レーザーの温度を、例えば、レーザー温度を感知し、フィードバック制御システムを使用して一定の温度を維持することによって、正確に安定化することである。このような温度安定化システムでは、フィードバックシステムによって制御される熱電冷却器を使用することができる。いくつかの実施形態では、ノイズの量は、レーザーが水平近くに傾けられるにつれ増大する。
【0222】
[00263]図26は、光源内のノイズを低減する方法に対する流れ図2600を示している。光源から放射される光のサンプルが収集されうる(ステップ2610)。光源から収集される光のサンプルは、ビームスプリッタから収集されうる。ビームスプリッタは、ガラス製ビームスプリッタであるか、または二股分岐のファイバーバンドルとすることができる。光のサンプルは、フォトダイオードを使用して収集することができる。フォトダイオードは、光源のケーシング内にあるか、またはフォトダイオードは、光源のケーシングの外部にあってもよい。いくつかの実施形態では、光の2つのサンプルが収集される。一方のサンプルは、光源のケーシング内の第1のフォトダイオードを使用して収集され、もう1つのサンプルは、光源のケーシングの外部の第2のフォトダイオードによって収集されうる。光のサンプルは、電気信号に変換されうる(ステップ2620)。この電気信号を基準信号と比較して、誤差信号が得られる(ステップ2630)。誤差信号は、基準信号と電気信号との差であるものとしてよい。制御信号が得られるように誤差信号が処理されうる(ステップ2640)。いくつかの実施形態では、誤差信号は、制御増幅器によって処理される。制御増幅器は、誤差信号の時間積分、時間導関数、または大きさのうちの少なくとも1つに比例する制御信号を出力することができるものとしてよい。光源内のノイズが低減されるように、光源のレーザーの強さが制御信号に基づき設定されうる(ステップ2650)。ステップ2610〜2650は、ノイズが所望の程度に達するまで繰り返すことができる。ノイズの所望の量に達した後、ステップ2610〜2650を引き続き繰り返して、システム内のノイズの量を維持することができる。ステップ2610〜2650は、ステップが離散でなく、むしろ連続プロセスを形成するような仕方でアナログまたはデジタル電子回路によって実行されうる。
【0223】
[00264]図27は、フィードバックループの一実施形態の機能ブロック図2700の概略図である。回路は、1つまたは複数のモジュール2705、2706からなるものとしてよい。一実施形態では、回路は、2つのモジュール、例えば、ランプコントローラモジュール2705およびランプハウスモジュール2706からなる。一実施形態では、共通のAC 2710がAC/DCコンバータ2715に投入される。一実施形態では、AC電力入力は、約200Wである。AC/DCコンバータ2715は、AC電力をDC電力に変換する。いくつかの実施形態では、DC電力は、レーザー駆動部2720に供給される。レーザー駆動部2720は、次いで、レーザー2725、例えば、IPGダイオードレーザーを動作させることができる。いくつかの実施形態では、レーザー2725は、約975nmで動作し、他の実施形態では、レーザー2725は、約980nmで動作する。レーザー2725は、レーザービームをバルブ2735に伝送するファイバー2730、例えば、光ファイバーケーブルに結合することができる。いくつかの実施形態では、バルブ2735は、180nmより大きい石英バルブである。
【0224】
[00265]いくつかの実施形態では、LDLSからの出力光は、1KHzを超える帯域幅におけるノイズが実質的に低減され、長期ドリフトが防止されるように安定化される。いくつかの実施形態では、出力ビームのサンプルは、ビームスプリッタ、または他の手段によって得られ、これにより、光のサンプルは、出力光が取り出されるときに同じ開口および同じNAまたは立体角から効果的に取られる。
【0225】
[00266]例えば、ガラス製ビームスプリッタをビームの中に置くことができる。出力の数パーセントが、ビームから偏向されうるが、実際の出力されるビームのすべての角度および空間に関する特性を保持する。次いで、このサンプルは、検出器によって電流に変換され、プリセットされた、またはプログラム可能な基準レベルと比較される。次いで、検出器の基準電流と実際の電流との差を表す信号、例えば、誤差信号は、例えば、時間積分、時間導関数、および誤差信号の大きさのうちのどれか、またはすべてに比例する出力制御信号を発生する機能を有する制御増幅器によって処理されうる。次いで、この制御増幅器の出力は、レーザーダイオード内を流れる電流の大きさを設定する。この方法で生じるレーザー出力の変化は、出力されるビーム出力の変動もしくはドリフトを相殺しうる。
【0226】
[00267]いくつかの実施形態では、1つまたは複数のモジュールがツール2740に接続される。ツール2740は、LDLSを利用することができる任意のデバイス、例えば、高圧/高速液体クロマトグラフィ装置(「HPLC」)とすることができる。いくつかの実施形態では、ツール2740は、LDLSから放射される光を電流もしくは電圧のいずれかに変換するフォトダイオード2745を収納する。いくつかの実施形態では、フォトダイオード2745は、信号2746を閉ループ制御機能を収納した制御盤2750に送信する。次いで、この信号2746が基準信号と比較され、フォトダイオード2745によって監視されている光が時間が経過しても一定値のままであるようにLDLSを調整するためにその結果の誤差信号が使用されうる。
【0227】
[00268]いくつかの実施形態では、ランプ制御モジュール2705を冷却するために水が使用される。いくつかの実施形態では、ランプハウスモジュール2706を冷却するためにパージガスおよび/または大気が使用される。いくつかの実施形態では、ランプ制御モジュール2705またはランプハウスモジュール2706を冷却するために他の冷却材が使用される。いくつかの実施形態では、レーザーモジュールは、熱電冷却器によって冷却される。
【0228】
[00269]ランプハウスモジュール2706は、光源のチャンバー内のガスを励起するために使用されうる点火装置モジュール2755も備えることができる。ランプハウスモジュール2706は、フォトダイオード2760およびフォトダイオード調整回路2765を備えることができる。フォトダイオード2760は、高輝度光の輝度に比例する電流信号を供給することができる。フォトダイオード調整回路2765は、離れた場所に配置されている電子制御回路にフォトダイオード信号を伝送するのに適したロバストなバッファリングされた電気信号を供給することができる。フォトダイオード信号は、ランプが点火され、正常に動作していると判定するために使用され、本明細書で説明されているように内部フィードバックループ内で使用されうる。
【0229】
[00270]図28は、2つのフィードバックループを採用する制御システムのブロック図2800を示している。例えば、一方のフィードバックループでは外部フォトダイオード(図28の太字のボックスを参照)を使用することができ、もう一方のフィードバックループでは内部フォトダイオード(図28の太字の破線のボックスを参照)を使用することができる。いくつかの実施形態では、外部ダイオードフィードバックループの結果、ピークツーピークのノイズレベルは0.3%となる。いくつかの実施形態では、外部フォトダイオードフィードバックループは、出力ビームと同じ開口およびNAでサンプリングされた、出力ビームのサンプルからのフィードバックを有する閉ループ制御(「CLC」)システムである。
【0230】
[00271]2つのフィードバックループを使用する制御システムのブロック図2800は、3つのモジュール、1つのランプコントローラモジュール2805、1つのランプハウスモジュール2806、および1つの固定具モジュール2807を含む。ランプコントローラモジュール2805内では比較ツール2815への内部基準2810が備えられている。比較ツールは、加算点とすることができる。ランプコントローラモジュール2805は、外部フィードバックPIコントローラ2825、内部フィードバックPIコントローラ2830、または回路2840に依存する固定された設定点2835から信号を取得することができるレーザーへの電源2820も備える。例えば、図28に示されているように、電源2820は、内部フィードバックPIコントローラ2830から信号を受信している。
【0231】
[00272]電源2820は、ランプハウスモジュール2806内のバルブの2845に送電する。光2850が、バルブ2845から放射される。光2850の一部が、内部フィードバックループに使用されうる。ランプハウスモジュール2806内の内部フィードバックループは、光学系2855、検出器2860、ならびに前置増幅較正、ノイズ、および電力フィードバック2865を備える。内部フィードバックループは、内部基準2810と比較すべき信号を比較ツール2815に送り、誤差信号を構成することができる。
【0232】
[00273]バルブ2845から放射された光2850を光学系2870に送ることができる。光学系2870放射される光2875は、さまざまな用途、例えば、HPLCデバイスで使用される高輝度光であってよい。光2870の一部は、外部フィードバックループに使用されうる。固定具モジュール2807内の内部フィードバックループは、光学系2880、検出器2885、ならびに前置増幅較正、ノイズ、および電力フィードバック2890を備える。外部フィードバックループは、内部基準2810または内部フィードバックループ信号と比較すべき信号を比較ツール2815に送り、誤差信号を構成することができる。
【0233】
[00274]いくつかの実施形態では、フィードバックシステムは、放射領域の同じ空間的領域から、またその用途で使用される同じ立体角からサンプリングされた出力ビームのサンプルにおいて測定されるように光の一定の強さを維持するためにレーザー駆動電流を補正することができる。いくつかの実施形態では、そのようなサンプルを取得し、光のサンプルを、フィードバック信号を発生する光検出器に伝送するためにビームスプリッタが使用される。
【0234】
[00275]図29は、ノイズ測定システムおよびフィードバックループを備える光源の光学系2900を示している。光学系は、コリメータとレーザー(図示せず)からの光2910のビームをバルブ2920のチャンバー2915上に合焦する集束レンズ2905とを備える。チャンバー2915内のプラズマからの光2910が、軸外放物面鏡(「OAP」)2930の方へ放射される。光は、引き続き、アイリス2935、例えば、10mmのアイリスを通り、光学フィルター2940を通り、第2のOAP 2945に入る。光2910は、開口2950、例えば、200μmの開口を通り抜ける。光2910の一部分をフィードバック検出器フォトダイオード2960へ偏向してフィードバックループ内のサンプルとして使用するためにビームサンプラー2955が使用されうる。残りの光2910は、引き続き、出力光ビーム検出器フォトダイオード2965に進行する。光学系2900は、光源の用途をシミュレートし、出力ビーム検出器フォトダイオード2965に到達する光で得られるノイズレベルの測定を可能にし、その光およびノイズレベルは、HPLC検出器などのユーザーの光学系内に入る光を表す。
【0235】
[00276]フィードバックループまたは閉ループ制御(「CLC」)を使用することで、光源内のノイズの量を減らすことができる。表2は、CLC回路を使用した場合と使用しない場合のノイズ測定データを示している。多数のスキャンを行って平均すると、20秒間のピークツーピーク/平均は、CLCシステムを使用しない場合には0.74%、CLCシステムを使用する場合には0.47%である。200秒の期間をとった場合でも、ノイズは、CLCを使用しない場合に0.93%、CLCを使用する場合に0.46%である。
【0236】
【表2】

【0237】
[00277]図29に示されているように、プラズマ2925は、第2のOAP 2945反射体によってレンズチューブの前側端部の200μmの開口上に結像される。石英レンズ(直径2.5cm(1インチ)、焦点距離25mmのEdmund Optics、NT48−293)が同じレンズチューブ内に取り付けられ、ビームサンプラー2955(溶融シリカ、0.5度のくさび形、Thorlabs、BSF10−A1)を通してノイズ測定フォトダイオード2965(Thorlabs DET25K)への開口2950の1:1の像を形成する。ビームサンプラー2955によって反射されたビームは、閉ループ制御システム用の検出器である第2のフォトダイオード2960(Thorlabs DET25K)に合焦される。フォトダイオードの前部には開口はなく、したがって、フォトダイオードは200μmの開口の像で埋められることはなかった。
【0238】
[00278]いくつかの実施形態では、LDLSノイズは、レーザーモードホッピングによって引き起こされる。LDLSに使用される半導体レーザーの出力スペクトルは、個別的な組の周波数、つまりモードを有する。レーザーダイオード内を流れる電流の小さな変動またはレーザーの温度によりレーザーダイオードは異なる組のモードに切り替わりうる。モード間の瞬時的切り替えは、モードホッピングと称される。モードホッピングは、レーザーの出力スペクトルおよび出力の急速な変化を引き起こしうる。プラズマの発光輝度は、これらのパラメータに依存しているので、モードホッピングも、LDLS放射輝度の変化を引き起こし、したがって、LDLSの安定性を損なう可能性がある。この効果は望ましくないが、それは、クロマトグラフィの用途において吸収検出器に使用されるLDLSには高い安定性が要求されるからである。
【0239】
[00279]LDLSの安定性に対するモードホッピングの悪影響をなくすために、半導体レーザーの電流を数十kHzの周波数で変調するとよい。変調の振幅は、全レーザー電流の約10〜20%である。電流の変調は、異なる組のモード間のレーザーダイオードの意図的切り替えを引き起こしうる。この切り替えがゆっくり生じた場合、これは特定の帯域幅、または所定の周波数帯域を有する計測器によってノイズとして観察され、測定されうる。しかし、所定の周波数帯域より大きい周波数でのレーザー電流の急速な変調、および対応する急速なモードホッピングは、所定の周波数帯域内で測定されたときに平均される効果を有するものとしてよい。低ノイズを必要とする用途の一例として、クロマトグラフィの用途における測定は、比較的低速であり、約0.1〜2.0秒を要し、したがって、その場合にノイズを測定するときの注目する周波数帯域は、主に約0.5Hzから10Hzであり、副次的に約0.1Hzから100Hzであって、データのデジタルサンプリングが可能になる。次いで、レーザー電流に課される変調の周波数は、約100Hzより高い周波数、好ましくは約10kHzから100kHzまでの範囲の周波数とすることができる。レーザー電流の多重発振は、測定期間中に発生しうる。測定期間中に平均された異なるモードの寄与は、クロマトグラフ測定におけるノイズの効果的低減をもたらす。
【0240】
[00280]LDLSを使用することができる、いくつかの用途、例えば、スペクトロメーターは、特定の波長帯域において敏感に応答する光検出器を有する。LDLSは、検出器の最も敏感な波長帯域における輝度が以前の光源の約20倍高い高輝度光を出力することができる。スペクトル放射輝度のこの劇的な増大は、その用途の検出器を飽和させる可能性があり、その結果、LDLSが検出器の最も敏感な周波数帯域の外側、例えば、深紫外線領域内において最大の実用上の利点を有しうるとしても、その用途は検出器の最も敏感な波長帯域の外側の光を利用することができない。言い換えると、波長スペクトルのあまり有用でない部分において放射輝度が高いと、その結果、スペクトルの有用な部分において高い放射輝度を利用することができない可能性があるということである。
【0241】
[00281]この問題に対する一解決策は、ガスが中に配設されているチャンバーを有する光源、ガスを励起する点火源、およびチャンバー内の励起されたガスにエネルギーを供給するための少なくとも1つのレーザーを使用して高輝度光を発生することである。高輝度光は、第1のスペクトルを有する。光源は、高輝度光の経路内に配設され、高輝度光の第1のスペクトルを第2のスペクトルに変更するための光学要素も備える。光学要素は、例えば、プリズム、弱いレンズ、強いレンズ、または2色性フィルターとすることができる。第2のスペクトルは、第1のスペクトルに比べて、紫外線領域において光の強さが比較的大きいものとしてよい。第1のスペクトルは、第2のスペクトルに比べて、可視光領域において光の強さが比較的大きいものとしてよい。光学要素は、いくつかの他の波長において光の強さに関していつかの波長において光の強さを高めることができる。
【0242】
[00282]図30は、高輝度光のスペクトルを変更するための弱いレンズの方法3000の概略図を示している。LDLS 3005からの高輝度光は、伝送用光ファイバー3010を介してフィルター3015に送られる。弱いレンズ3020は、レンズ材料の屈折率は波長に依存するためいくつかの所定の波長を集束させることができる弱いレンズ3020は、高輝度光のスペクトルを変更する。レンズは、ガラスまたは溶融石英または屈折率が波長依存である他の材料で作ることができる。スペクトルは、弱いレンズの色収差が光のいくつかの波長を用途3050の開口に合焦させる一方で、他の波長はそこに合焦せず、システムから失われるため変更される。変更されたスペクトルを持つ高輝度光は、2つのOAP 3025、3030に、次いでビームスプリッタ3035に進む。ビームスプリッタ3035は、変更されたスペクトルを有する高輝度光の一部分をフィードバックファイバー3040に送ることができる。光のこのサンプルは、フォトダイオードおよびPIDコントローラ3045に送ることができる。PIDコントローラ3045は、LDLS 3005への電流を制御して、高輝度光の一定出力を維持することができる。高輝度光の残り部分は、用途3050、例えば、スペクトロメーターに送ることができる。用途に送られる光は、光が弱いレンズ3020を通り抜けるのでLDLS 3005から放射される元の高輝度光からの変更されたスペクトルを有することができる。
【0243】
[00283]図31は、高輝度光のスペクトルを変更するための強いレンズの方法3100の概略図を示している。図30の弱いレンズの方法と同様に、LDLS 3005からの高輝度光は、伝送用光ファイバー3010を介してフィルター3015に送られる。次いで、高輝度光は、OAP 3025に進む。色収差を示す強いレンズ3027は、上記の弱いレンズの場合と同様に、OAP 3025とビームスプリッタ3035との間に位置決めされる。強いレンズ3027は、いくつかの所定の波長を集束して高輝度光のスペクトルを変更することができる。高輝度光が変更された後、光は、用途3050、例えば、スペクトロメーターに送られうる。用途に送られる光は、光が強いレンズ3020を通り抜けるのでLDLS 3005から放射される元の高輝度光からの変更されたスペクトルを有することができる。ビームスプリッタ3035は、変更されたスペクトルを有する高輝度光の一部分をフィードバックファイバー3040に送ることができる。光のこのサンプルは、フォトダイオードおよびPIDコントローラ3045に送ることができる。PIDコントローラ3045は、LDLS 3005への電流を制御して、高輝度光の一定出力を維持するように電流を調整することができる。
【0244】
[00284]図32は、高輝度光のスペクトルを変更するためのフィルターの方法3200の概略図を示している。LDLS 3005からの高輝度光は、伝送用光ファイバー3010を介してフィルター3015に送られる。次いで、高輝度光は、OAP 3025、3030に進む。反射フィルター3205は、OAP 3030と用途3050との間に位置決めされる。反射フィルター3205は、いくつかの所定の波長を濾波して高輝度光のスペクトルを変更することができる。用途に送られる光は、光が反射フィルター3205を通り抜けるのでLDLS 3005から放射される元の高輝度光からの変更されたスペクトルを有することができる。例えば、反射フィルターでは、異なる屈折率を有する材料の多数の層を使用することができ、またより短い波長が効率よく反射されるが、より長い波長はフィルターによって少なくとも部分的に透過されるか、または吸収されるように設計されうる。透過フィルターも施すことができる。
【0245】
[00285]図33は、高輝度光のスペクトルを変更するためのプリズムの方法3300の概略図を示している。LDLS 3005からの高輝度光は、伝送用光ファイバー3010を介してフィルター3015に送られる。次いで、高輝度光は、OAP 3025、3030に進む。プリズム3305、例えば、20°の石英プリズムが、出力OAP 3030と用途3050との間に位置決めされる。プリズムは、波長に応じて光を分散させ、一端では短波長の増強スペクトルを、他端では長波長の増強スペクトルを含む細長い焦点スポットを形成する。用途3050に送られる光は、光がプリズム3305を通り抜けるのでLDLS 3005から放射される元の高輝度光からの変更されたスペクトルを有することができる。例えば、細長い焦点スポットの位置が、用途3050に入る開口が細長い焦点スポットの一端からの光を受けるように調整される場合、その用途における光のスペクトルは主に短波長光であり、長波長は抑制されることになる。
【0246】
[00286]いくつかの実施形態では、LDLSを動作させるために必要な安全のための手順の数を減らすため光源出力におけるレーザー出力を最小にすることが望ましい。図34は、レーザー駆動の光源3400の概略図である。光源出力におけるレーザー出力を最小にするために、レーザービーム3410をミラー3430と接触するように位置決めする。ミラー3430は、レーザービームの向きをプラズマ3420に対して90°の角度をなすように変更する。レーザー駆動の光源3400から出力される光は、システムから水平方向に放射される。いくつかの実施形態では、吸収構造物またはコーティングがエンクロージャ3470上に配置され、そこで、残りのレーザービーム(例えば、プラズマによって吸収されていないレーザービーム)がバルブを通過した後に当たる。
【0247】
[00287]いくつかの実施形態では、ミラー3430は、レーザー波長を選択的に反射する。ミラー3430は、レーザービーム3410をプラズマ3420に送るだけでなく、プラズマからレーザーおよび/またはレーザー伝送光ファイバー3440への光の後方反射を低減するために使用されうる。例えば、ミラーは、レーザーエネルギーがプラズマの方へ向けられるようにレーザーの経路内に位置決めされた2色性ミラーであってよい。2色性ミラーは、プラズマが発生する光が少なくとも1つのレーザーの方に実質的に反射されないように少なくとも1つの波長の光を選択的に反射することができる。2色性ミラーは、誘電体光コーティングの複数の層を施したガラスを備えることができる。光コーティングは、1つの波長のエネルギーを反射し、それと異なる波長のエネルギーを透過することができる。したがって、2色性ミラーは、レーザーの波長エネルギーをプラズマ3420に反射することができる。プラズマが発生する高輝度光は、レーザーエネルギーと異なる波長を有するものとしてよい。高輝度光は、レーザーに後方反射される代わりにミラー3420を通り抜けることができる。
【0248】
[00288]いくつかの実施形態では、ミラー3430は、ファイバー端および/またはコネクタの破損を防ぐのにも役立つ。他の実施形態では、ミラーは、レーザービーム3410の方向を変更するために使用される。
【0249】
[00289]LDLSには多数の用途がある。例えば、LDLSは、D2ランプ、キセノンアークランプ、および水銀アークランプを置き換えるために使用されうる。それに加えて、LDLSは、HPLC、UV VIS分光/分光測光、および内視鏡に使用されうる。さらに、LDLSは、280nmにおけるタンパク質吸収および260nmにおけるDNA用に顕微鏡照明器で使用されうる。LDLSは、顕微鏡の一般照明、また蛍光ベースの計測器または顕微鏡での蛍光励起にも使用されうる。LDLSは、共焦点顕微鏡でも使用することができる。
【0250】
[00290]LDLSは、円偏光2色性(「CD」)分光法に使用することもできる。LDLSは、現在使用されている高ワット数のキセノンアークランプと比較して、低い入力電力でより短い波長のより輝度の高い光を供給することができる。それに加えて、LDLSは、現在使用されているアークランプよりも輝度の高い光源を実現するために原子吸光分光法において使用されうる。それに加えて、LDLSは、現在使用されているアークランプよりもノイズを低くするためにスペクトロメーターまたはスペクトログラフにおいて使用されうる。
【0251】
[00291]いくつかの実施形態では、LDLSは、吸収セルとともに使用されうる。吸収セルとともにLDLSを使用するシステムは、LDLSの非常に高い放射輝度、高輝度により非常に小さなセルを使用することができる一方でセルを通る高い率の光子束をそのまま維持するという利点を有する。そこで、セル内で分析を実行するためにより小さな体積の材料が必要であり、与えられた時間分解能について、より低い流量が必要である。図35は、吸収セル3500の概略図である。吸収セルは、透明な壁3506を持つ容器3505を有する。容器3505は、ガスまたは液体を保持することができる。ガスまたは液体の吸収度または吸収スペクトルが測定されうる。吸収セル3500は、1つまたは複数の光学窓3510を含みうる。いくつかの実施形態では、光学窓3510により光源3520からの光を中に入れることができる。いくつかの実施形態では、光源3520は、LDLSである。窓3510のうちの1つが、光学系(図示せず)によって窓3510に送られるLDLSからの光3530の照射を受けることができる。光学系は、レンズ、ミラー、格子、および他の光学要素の組み合わせを備えることができる。システムは、レンズが使用された場合に発生しうる色収差を回避しつつLDLS光を吸収セル3500内に合焦するための集束ミラーとすることができる。光3530は、検出器3540によって検出されうる。吸収セル3500は、図36のサンプルセル3680として使用することができる。
【0252】
[00292]いくつかの実施形態では、LDLSは、UV検出器とともに使用されうる。図36は、UV検出器3600の概略図である。UV検出器3600は、光源3610を収納する。いくつかの実施形態では、光源3610は、LDLSである。光源3610からの光3615は、図36内の矢印の経路を辿る。例えば、光源3610から放射された光3615は、第1の湾曲したミラー3620と接触し、次いで第2の湾曲したミラー3630と接触する。次いで、光3615は、回折格子3640と接触し、第2の湾曲したミラー3630に戻る。次いで、光3615は、第1の平面鏡3650に、次いで第2の平面鏡3660と接触する。光3615は、第1のレンズ3670を通り抜ける。いくつかの実施形態では、第1のレンズ3670は、石英レンズである。次いで、光3615は、サンプルセル3680内に入り、第2のレンズ3690を通り抜ける。いくつかの実施形態では、第2のレンズ3690は、石英レンズである。次いで、光3615は、フォトセル3695内に入る。
【0253】
[00293]いくつかの実施形態では、LDLSは、ダイオードアレイ検出器とともに使用されうる。図37は、本発明の例示的な一実施形態による、ダイオードアレイ検出器3700の概略図である。いくつかの実施形態では、ダイオードアレイ検出器は、光源3710を収納する。いくつかの実施形態では、光源3710は、LDLSである。いくつかの実施形態では、光源3710からの光3715は、色収差補正レンズ系3720を通り、次いでシャッター3730を通り抜ける。次いで、光3715は、フローセル3740内に入り、次いで、入口開口3745に入る。光3715は、入口開口3745を出て、ホログラフィック回折格子3750と接触する。ホログラフィック回折格子3750は、光3770をフォトダイオードアレイ3760内に導く。
【0254】
[00294]いくつかの実施形態では、LDLSは、蛍光検出器とともに使用されうる。図38は、本発明の例示的な一実施形態による、蛍光検出器3800の概略図である。いくつかの実施形態では、蛍光検出器は、光源3810を収納する。一実施形態では、光源3810は、LDLSである。光源3810からの光3815は、第1のレンズ3820を通り抜ける。いくつかの実施形態では、第1のレンズ3820は、石英レンズである。次いで、光3815は、第1の窓3840を通り抜けて、チャンバー3830内に入る。光3815の一部は、第2の窓3845を通ってチャンバー3830を出る。いくつかの実施形態では、第1および第2の窓3840、3845は、石英で作られる。光3815の一部は、チャンバー3830の透明壁を通って出て、第2のレンズ3850と接触する。レンズ3850は、光3815を集束させる。次いで、光3815は、フォトセル3860内に入る。
【0255】
[00295]本明細書で説明されている内容の変更形態、修正形態、および他の実装は、当業者であれば、請求項に記載されているとおりに本発明の精神および範囲から逸脱することなく、思い付く。したがって、本発明は、前記の例示的な説明によってではなく、代わりに、以下の請求項の精神と範囲とによって定められるものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源であって、
ガスが中に配設されるチャンバーと、
前記ガスを励起するための点火源であって、前記励起ガスは赤外線波長において少なくとも1つの強い吸収線を有する、点火源と、
前記チャンバー内の前記励起ガスの強い吸収線に近い波長においてエネルギーを前記励起ガスに供給し、高輝度光を発生するための少なくとも1つのレーザーと
を備える光源。
【請求項2】
前記ガスは、希ガスを含む請求項1に記載の光源。
【請求項3】
前記ガスは、キセノンを含む請求項1に記載の光源。
【請求項4】
前記励起ガスは、最低励起状態の原子を含む請求項1に記載の光源。
【請求項5】
前記ガスは、前記少なくとも1つのレーザーの前記波長の近いところで吸収性を有する請求項1に記載の光源。
【請求項6】
前記励起ガスの前記強い吸収線は、約980nmである請求項1に記載の光源。
【請求項7】
前記励起ガスの前記強い吸収線は、約882nmである請求項1に記載の光源。
【請求項8】
前記励起ガスは、準安定状態にある請求項1に記載の光源。
【請求項9】
光を発生するための方法であって、
点火源でチャンバー内のガスを励起するステップと、
レーザーを第1の波長に同調して前記チャンバー内の前記励起ガスにエネルギーを供給して高輝度光を生成するステップであって、前記励起ガスは前記第1の波長に近い波長のエネルギーを吸収する、ステップと、
前記レーザーを第2の波長に同調して前記チャンバー内の前記励起ガスにエネルギーを供給して高輝度光を維持するステップであって、前記励起ガスは前記第2の波長に近い波長のエネルギーを吸収する、ステップとを含む方法。
【請求項10】
前記レーザーを前記第1の波長および第2の波長に同調するステップは、前記レーザーの動作温度を調整するステップを含む請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記レーザーは、ダイオードレーザーであり、前記レーザーは、温度調整の約0.4nm/℃で同調される請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記レーザーの前記動作温度は、熱電冷却デバイスの電流を変化させることによって調整されうる請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記チャンバー内の前記ガスは、電子が少なくとも1つの励起原子状態にある原子を有する請求項9に記載の方法。
【請求項14】
チャンバー内の前記ガスは、希ガスである請求項9に記載の方法。
【請求項15】
前記チャンバー内の前記ガスは、キセノンである請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記第1の波長は、約980nmである請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記第2の波長は、約975nmである請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記第2の波長は、前記第1の波長から約1nmないし約10nmずらされた波長である請求項8に記載の方法。
【請求項19】
光源であって、
1つまたは複数の壁を有するチャンバーと、
前記チャンバー内に配設されたガスと、
前記チャンバー内で前記ガス上に合焦されるエネルギーの集束ビームを供給し、前記チャンバーの前記壁を通して放射される光を発生するプラズマを生成し、これによりエネルギーの集束ビームの開口数が約0.1から約0.8となる、少なくとも1つのレーザーとを備える光源。
【請求項20】
前記開口数は、約0.4から約0.6までである請求項19に記載の光源。
【請求項21】
前記開口数は、約0.5である請求項19に記載の光源。
【請求項22】
ビームの経路内に光学要素をさらに備え、前記光学要素は前記ビームの前記開口数を増やすことができる請求項19に記載の光源。
【請求項23】
前記光学要素は、レンズまたはミラーである請求項22に記載の光源。
【請求項24】
前記レンズは、非球面レンズである請求項23に記載の光源。
【請求項25】
前記プラズマのスペクトル放射輝度は、前記ビームの開口数の増大とともに増大する請求項19に記載の光源。
【請求項26】
光源のためにバルブを事前位置合わせする方法であって、
前記バルブを取り付け基部に結合するステップであって、前記バルブは2つの電極を有する、ステップと、
前記バルブおよび取り付け基部構造をカメラアセンブリ内に挿入するステップであって、前記カメラアセンブリは少なくとも1つのカメラとディスプレイ画面とを備える、ステップと、
前記少なくとも1つのカメラからの前記バルブの少なくとも1つの画像を前記ディスプレイ画面上に表示するステップと、
前記取り付け基部内の前記バルブの位置を、前記2つの電極間の前記バルブの領域が前記ディスプレイ画面上の位置決めグリッドに位置合わせされるように調整するステップとを含む方法。
【請求項27】
請求項26に記載の方法を使用して事前位置合わせされた、光源用のランプ。
【請求項28】
前記バルブの位置合わせを行うために前記少なくとも2つのカメラをトグル式に切り替えるステップをさらに含む請求項26に記載の方法。
【請求項29】
前記カメラアセンブリは、2つのカメラを備える請求項26に記載の方法。
【請求項30】
前記2つのカメラからの画像は、異なる色で表示される請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記2つのカメラは、2つの直交する方向から前記バルブの画像を撮れるように位置決めされる請求項29に記載の方法。
【請求項32】
前記バルブの前記位置は、垂直方向および水平方向に調整される請求項26に記載の方法。
【請求項33】
前記バルブの前記位置は、マニピュレータによって調整され、前記マニピュレータは前記バルブの上に位置決めされ、前記バルブを垂直方向および水平方向に移動することができる請求項26に記載の方法。
【請求項34】
前記2つの電極の間の前記バルブの領域が前記ディスプレイ画面上の前記位置決めグリッドに位置合わせされた後に前記バルブを基部に固定するステップをさらに含む請求項26に記載の方法。
【請求項35】
前記位置決めグリッドは、前記2つの電極間の前記バルブの中心領域が前記ディスプレイ画面上の前記位置決めグリッドに位置合わせされたときに、前記領域が前記バルブおよび取り付け基部が光源内に挿入されるときにレーザーの焦点に相対的に位置合わせされるように事前に決定される請求項26に記載の方法。
【請求項36】
光源内のノイズを低減するための方法であって、前記光源はレーザーを備え、
a)前記光源から放射される光のサンプルを収集するステップと、
b)光の前記サンプルを電気信号に変換するステップと、
c)前記電気信号を基準信号と比較して、誤差信号を得るステップと、
d)制御信号が得られるように前記誤差信号を処理するステップと、
e)前記光源内のノイズが低減されるように前記レーザーの強さを前記制御信号に基づき設定するステップとを含む方法。
【請求項37】
前記光源から放射される光の前記サンプルは、ビームスプリッタから収集される請求項36に記載の方法。
【請求項38】
前記ビームスプリッタは、ガラス製ビームスプリッタであるか、または二股分岐のファイバーバンドルである請求項37に記載の方法。
【請求項39】
前記誤差信号は、前記基準サンプルと前記変換されたサンプルとの間の差である請求項36に記載の方法。
【請求項40】
前記誤差信号は、制御増幅器によって処理される請求項36に記載の方法。
【請求項41】
前記制御増幅器は、前記誤差信号の時間積分、時間導関数、または大きさのうちの少なくとも1つに比例する制御信号を出力することができる請求項40に記載の方法。
【請求項42】
前記サンプルは、フォトダイオードを使用して収集される請求項36に記載の方法。
【請求項43】
前記サンプルは、前記光源のケーシング内のフォトダイオードを使用して収集される請求項36に記載の方法。
【請求項44】
前記サンプルは、前記光源のケーシングの外部にあるフォトダイオードを使用して収集される請求項36に記載の方法。
【請求項45】
2つのサンプルが収集され、一方のサンプルは前記光源のケーシング内の第1のフォトダイオードを使用して収集され、他方のサンプルは前記光源の前記ケーシングの外部にある第2のフォトダイオードを使用して収集される請求項36に記載の方法。
【請求項46】
ノイズが所望の程度に達するまでステップa)〜e)を繰り返すステップをさらに含む請求項36に記載の方法。
【請求項47】
光源であって、
1つまたは複数の壁を有するチャンバーと、
前記チャンバー内に配設されたガスと、
前記チャンバー内の前記ガスにエネルギーを供給し、前記チャンバーの前記壁を通して放射される光を発生するプラズマを生成する少なくとも1つのレーザーと、
前記レーザーエネルギーが前記プラズマの方へ向けられるように前記少なくとも1つのレーザーの経路内に位置決めされた2色性ミラーであって、前記プラズマが発生する前記光が前記少なくとも1つのレーザーの方に実質的に反射されないように少なくとも1つの波長の光を選択的に反射する、前記2色性ミラーとを備える光源。
【請求項48】
光源であって、
ガスが中に配設されるチャンバーと、
前記ガスを励起するための点火源と、
前記チャンバー内の前記励起ガスにエネルギーを供給して第1のスペクトルを有する高輝度光を生成するための少なくとも1つのレーザーと、
前記高輝度光の前記経路内に配設され、前記高輝度光の前記第1のスペクトルを第2のスペクトルに変更する、光学要素とを備える光源。
【請求項49】
前記光学要素は、プリズムである請求項48に記載の光源。
【請求項50】
前記光学要素は、弱いレンズである請求項48に記載の光源。
【請求項51】
前記光学要素は、強いレンズである請求項48に記載の光源。
【請求項52】
前記光学要素は、2色性フィルターである請求項48に記載の光源。
【請求項53】
前記第2のスペクトルは、前記第1のスペクトルに比べて、紫外線領域において、より大きな光の強さを有する請求項48に記載の光源。
【請求項54】
前記第1のスペクトルは、前記第2のスペクトルに比べて、可視光線領域において、より大きな光の強さを有する請求項48に記載の光源。
【請求項55】
所定の周波数帯域内の光源のノイズを低減するための方法であって、前記光源はレーザーダイオードを備え、
前記レーザーダイオードの電流を前記所定の周波数帯域より高い周波数で変調し、前記レーザーが異なる組のモード間で高速に切り替わるようにして前記所定の周波数帯域内で前記光源のノイズを低減するステップを含む方法。

【図1】
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【図2】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8A】
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【図8B】
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【図9】
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【図10A】
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【図10B】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15A】
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【図15B】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23A】
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【図23B】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2013−519211(P2013−519211A)
【公表日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−552158(P2012−552158)
【出願日】平成23年2月9日(2011.2.9)
【国際出願番号】PCT/US2011/024191
【国際公開番号】WO2011/100322
【国際公開日】平成23年8月18日(2011.8.18)
【出願人】(507005768)エナジェティック・テクノロジー・インコーポレーテッド (8)
【Fターム(参考)】