説明

レーザ光測定方法及びその測定装置

【課題】 スペクトル線幅が狭い(コヒーレンス時間が長い)レーザ光のコヒーレンス時間を正確に測定する。
【解決手段】 遅延時間τの関数である被測定レーザ光のコヒーレンス関数γ(τ)を測定する場合に、被測定レーザ光(11)の光周波数を線形に掃引し(12)、掃引されたレーザ光を分岐し(131)、分岐された一方のレーザ光をサーキュレータ(14)により光ファイバ(15)に入射してレイリー散乱光を生じさせ、光ファイバ(15)で生じたレイリー散乱光と分岐されたもう一方のレーザ光とを合波し(132)、合波された光を受光して光電流を検出し(16)、検出された光電流を数値化してフーリエ変換し(17,18)、フーリエ変換された光電流値より、遅延0における振幅の標準偏差と遅延τにおける振幅の標準偏差とを算出し、両者の比により遅延τにおけるコヒーレンス関数の絶対値を求める(19)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レーザ光のコヒーレンス時間を正確に測定するレーザ光測定方法及びその測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、比較的スペクトル線幅が狭い(コヒーレンス時間が長い)レーザ光のコヒーレンス時間を正確に測定するために、レーザ光のコヒーレンス時間を関数として測定する方法が提案されている。
このレーザ光のコヒーレンス関数の測定に関わる方法としては、非特許文献1に記載のレーザ光のスペクトル測定方法が知られている。この測定方法は、被測定レーザ光を2分岐し、一方を十分な長さの光ファイバに入射し、もう一方を音響光学素子などによりその光周波数を一定量だけシフトする。その後、両者を合波し、受光素子によりビートスペクトルを測定する。
【0003】
上記ビートスペクトル幅の1/√2が、レーザ光の発振スペクトル幅であることが知られていることから、上記ビートスペクトル幅からレーザ光のスペクトル線幅を測定することができる。また、このレーザ光のスペクトル線幅をΔνとすると、レーザ光のコヒーレンス時間は1/Δνであるので、これよりレーザ光のコヒーレンス時間を求めることができる。また、これに光速を乗算すればコヒーレンス長が得られる。
【0004】
但し、上記の測定方法には以下のような問題点が知られている。すなわち、上記説明の中で、分岐されたレーザ光の一方は十分に長い光ファイバにより、十分な時間遅延を与えてからもう一方と合波する必要があり、被測定レーザ光のコヒーレンス長よりも十分に長い遅延が要求される。即ち、従来の測定方法は、まさに被測定量であり、よって現段階では不明のレーザ光のコヒーレンス長よりも長い遅延が得られていることを前提に有効となる。したがって、従来の測定方法による測定結果は、レーザ光スペクトル幅の一定の推測を可能にするものの、不確実性を含んだものにならざるを得なかった。
【0005】
上記の懸念は、特にスペクトル線幅が狭い(コヒーレンス時間が長い)レーザ光を測定する場合に顕著であり、近年においてファイバレーザなどの数kHz程度のスペクトル線幅を有するレーザが商用化されている状況では、その測定のあいまいさが問題となっていた。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】T. Okoshi, K. Kikuchi, and A. Nakayama, “Novel method for high resolution measurement of laser output spectrum,” Electronics Letters, Vol. 16, No. 16, pp. 630-631, 1980
【非特許文献2】Y. Koshikiya, X. Fan, and F. Ito, “Long range and cm-level spatial resolution measurement using coherent optical frequency domain reflectmetry with SSB-SC modulator and narrow linewidth fiber laser”, IEEE/OSA J. Lightwave Technol. Vol. 26, No. 18, pp. 3287-3294, 2008
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記のような従来の測定法では、分岐されたレーザ光の一方を十分に長い光ファイバを伝送させ、被測定レーザ光のコヒーレンス長よりも十分に長い遅延を生じさせた後、もう一方と合波し測定を行うが、ここでの測定量は、遅延を生じさせるために用意された光ファイバによって生じるコヒーレンス長であり、測定時には不明であるレーザ光のコヒーレンス長よりも長い遅延が得られていることが前提条件となっている。したがって、測定結果は、レーザ光スペクトル幅の推測は可能であるものの、その測定結果は不確実性を含んでいるという問題点があった。
【0008】
本発明は、上記の事情に着目してなされたもので、その目的とするところは、スペクトル線幅が狭い(コヒーレンス時間が長い)レーザ光のコヒーレンス時間を正確に測定することのできるレーザ光測定方法及びその測定装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係るレーザ光測定方法は以下のような態様の構成とする。
(1)遅延時間τの関数である被測定レーザ光のコヒーレンス関数γ(τ)を測定する方法であって、前記被測定レーザ光の光周波数を線形に掃引し、前記光周波数が掃引されたレーザ光を分岐し、前記分岐された一方のレーザ光を光ファイバに入射してレイリー散乱光を生じさせ、前記光ファイバで生じたレイリー散乱光と前記分岐されたもう一方のレーザ光とを合波し、前記合波された光を受光して光電流を検出し、前記検出された光電流を数値化してフーリエ変換し、フーリエ変換された光電流値より、遅延0における振幅の標準偏差と遅延τにおける振幅の標準偏差とを算出し、両者の比により遅延τにおけるコヒーレンス関数の絶対値を求める態様とする。
【0010】
(2)(1)の構成において、さらに、前記コヒーレンス関数の絶対値が1/eになるτをもってコヒーレンス時間を求める態様とする。
本発明に係るレーザ光測定装置は以下のような態様の構成とする。
(3)遅延時間τの関数であるレーザ光のコヒーレンス関数γ(τ)を測定する装置であって、被測定レーザ光の光周波数を線形に掃引する光周波数掃引手段と、前記光周波数掃引がされたレーザ光を分岐する分岐手段と、前記分岐された一方のレーザ光を入射してレイリー散乱光を生じさせる光ファイバと、前記光ファイバで生じたレイリー散乱光と前記分岐されたもう一方のレーザ光とを合波する合波手段と、前記合波された光を受光して光電流を検出する検出手段と、前記検出された光電流を数値化してフーリエ変換し、フーリエ変換された光電流値より、遅延0における振幅の標準偏差と遅延τにおける振幅の標準偏差とを算出し、両者の比により遅延τにおけるコヒーレンス関数の絶対値を求める演算手段とを具備する態様とする。
【0011】
(4)(3)の構成において、さらに、前記コヒーレンス関数の絶対値が1/eになるτをもってコヒーレンス時間を求める態様とする。
【発明の効果】
【0012】
以上のように、本発明は、測定値に対し統計処理を行うことにより、従来よりも信頼性を向上させることを特徴としている。具体的には、周波数掃引された被測定レーザ光をC-OFDRを応用しレイリー散乱強度を測定し得られたレイリー散乱強度の絶対値の標準偏差を算出し、τ(コヒーレンス時間)におけるコヒーレンス関数の絶対値を求めるものである。
【0013】
本発明によれば、用意した光ファイバの全長の光の往復時間よりもτが小さい場合であっても、コヒーレンス関数の絶対値を求めることが可能となる。さらに、その値が1/eに減ずるτを求めることにより、レーザ光のコヒーレンス時間を求めることも可能となる。
【0014】
要するに本発明の構成によれば、スペクトル線幅が狭い(コヒーレンス時間が長い)レーザ光のコヒーレンス時間を正確に測定することのできるレーザ光測定方法及びその測定装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明に係るレーザ光測定装置の一実施形態の構成を示すブロック図。
【図2】図1に示す実施形態の周波数掃引によって与えられる光周波数の変化を示す特性図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
図1は本発明に係るレーザ光測定装置の一実施形態の構成を示すブロック図である。図1において、11は被測定レーザ光源、12は被測定レーザ光源11で発生されるレーザ光を入射して光周波数を掃引する機能を有する光周波数掃引装置である。この光周波数掃引装置12で光周波数が掃引されたレーザ光は、光伝送路に送出され、光分岐器131により2分岐される。
【0017】
ここで分岐された一方のレーザ光は光サーキュレータ14を介して光ファイバ15に入射される。この光ファイバ15内ではレイリー散乱と呼ばれる光散乱が生じる。この散乱光は光ファイバ15を逆行し、光サーキュレータ14によって光合波器132に向けて送出される。光分岐器131で分岐された他方のレーザ光はそのまま光合波器132に送られ、光サーキュレータ14からのレーザ光と合波された後、再度2系統に分配されてバランス型受光素子14の受光面に照射される。
【0018】
上記バランス型受光素子14では、2つの光合波出力それぞれを個別に受光し、それぞれの受光量に応じた光電流を発生する。このバランス型受光素子14で得られた2つの光電流出力はデータ取得部17に送られる。
このデータ取得部17は、例えばA/Dコンバータ等による数値化処理部と数値化されたデータを格納するメモリによって構成され、バランス型受光素子16に生じた光電流を数値化し、メモリに記録しておく。
【0019】
一方、フーリエ変換部18及びコヒーレンス関数解析部19は、パーソナルコンピュータ等の数値演算部で実現されるものであり、上記光電流をフーリエ変換してコヒーレンス関数解析を行う。
上記構成において、以下に処理動作を説明する。
まず、被測定レーザ光源11が発するレーザ光の電界振幅E(t)を(1)式のように表すこととする。
【0020】
【数1】

ここでθ(t)は、レーザ光の位相雑音を表す確率変数である。
レーザ光のコヒーレンス関数γ(τ)は、(2)式で与えられる。
【0021】
【数2】

ここで、かっこ記号の<>は統計平均を意味するが、通常のレーザ光においてはこれを時間平均で置き換えることができる。その場合、コヒーレンス関数は(3)式により定義される。
【0022】
【数3】

【0023】
【数4】

【0024】
【数5】

で表される。また、*は位相共役を意味する。
被測定レーザ光源11が発した被測定レーザ光は、光周波数掃引装置12によって、図2に示すようにその光周波数が時間に対してT秒間線形に掃引される。光周波数掃引装置12としては、例えば非特許文献2に記載の単一側波帯変調器を用いることにより実現できる。
【0025】
光周波数掃引装置12により光周波数が掃引された光波の電界振幅ESW(t)は、(4)式で表される。
【0026】
【数6】

ここでgは光周波数の掃引速度(Hz/s)である。
周波数掃引されたレーザ光は、光分岐器131により2分岐され、一方は光サーキュレータ14を介して光ファイバ15に入射される。光ファイバ15内ではレイリー散乱と呼ばれる光散乱が生じ、その散乱光は光ファイバ15を逆方向に伝搬して光サーキュレータ14に戻り、このサーキュレータ14の機能によって光合波器15に送り出される。分岐されたもう一方のレーザ光は、そのまま光合波器132に向かって進行する。光合波器132ではこれらのレーザ光が合波される。
【0027】
本構成は、同じく非特許文献2に説明されているコヒーレント光周波数領域反射計(Coherent Optical Frequency Domain Reflectometry:C-OFDR)と呼ばれる反射分布測定装置の構成を応用したものであり、光ファイバ15内の1つの反射点Zmまでの光の往復時間をτm とすると、この反射点からの散乱光によってバランス受光素子16に生じる光電流im(t)は、(5)式により表される。
【0028】
【数7】

ここで複素数rm は反射点zm のレイリー反射係数であり、ランダムな値をとる確率変数である。
(5)式のフーリエ変換を(6)式に変換すると、
【0029】
【数8】

(6)式に(5)式を代入してf=gτm と置くことにより(7)式を得る。
【0030】
【数9】

ここでTが十分に大きく、
【0031】
【数10】

が成立すると、(7)式は(8)式に示すようになる。
【0032】
【数11】

一般に、光ファイバにコヒーレントなレーザ光を入射すると、そのレイリー散乱光はランダムな強度揺らぎを持つことが知られているが、上記の装置構成においてもそれは同様である。このことから、(8)式は光ファイバの微小体積からのコヒーレントな散乱量を表し、コヒーレントな散乱の全散乱強度Ω(gτm )はそれらの無数の和で決まる。すなわち(9)式に示すようになる。
【0033】
【数12】

尚、バランス型受光素子16に生じる全電流(あらゆる反射点からの電流の和)をi(t)とすれば、
【0034】
【数13】

であるので、Ω(gτm )は全電流i(t)のフーリエ変換によって以下のように求められることは明らかである。
【0035】
【数14】

(8)式によれば、遅延時間がτm の場合には、微小体積からのコヒーレントな散乱の大きさがγ(τm )倍に小さくなる(コヒーレンス関数γ(τ)は複素数であるが、その絶対値は0以上1以下である)ので、その近傍でのレイリー散乱強度の揺らぎの大きさもγ(τm )倍に小さくなることになる。
【0036】
これを利用して、上記観測からコヒーレンス関数を算出するためには、観測可能量であるレイリー散乱強度の絶対値|Ω(gτm )|の統計量を計算する。まずτ=0においては、γ(τ)=γ(0)=1であり、τm 近傍ではγ(τm )はほぼ一定と考えられるので、散乱強度Ω(0)の絶対値の標準偏差は、
【0037】
【数15】

の標準偏差σ|γ|に等しい。すなわち(10)式に示すようになる。
【0038】
【数16】

(9)式において、rm とγ(τm )はいずれも複素数であり、かつrm はランダムな確率複素変数であって、その偏角は0〜2πまで均一に分布する。よって、γ(τm )の偏角をrm に組み入れて新しい変数r’m を定義し、γ(τm )はその絶対値のみを残す形に表記しても問題ない。すなわち
【0039】
【数17】

が成立する。r’m はrm と全く同じ性質の確率変数である。遅延τm におけるΩ(gτm )の絶対値の標準偏差は、(11)式より直ちに
【0040】
【数18】

と求めることができる。(10)式、(12)式の比をとってσ|γ|を消去すれば、以下のようにコヒーレンス関数を求めることができる。
【0041】
【数19】

標準偏差を求めるには多数の標本を必要とする。C-OFDRの理論によれば、観測されるレイリー散乱強度は、光周波数1/Tごとに独立である。したがって、例えばΩ(0)の標準偏差を求めるに当たっては、τ=0近傍において、Δf=1/Tごとに標本
【0042】
【数20】

を収集し、これらの標準偏差を求めればよい。Ω(gτm )の標準偏差を求める場合も同様である。
以上の知見にもとづき、図1の構成において次の手順でコヒーレンス関数を求める。
データ取得部17は、例えばA/Dコンバータによる数値化装置と数値化された値を格納するメモリによって構成され、バランス型受光素子16に生じた光電流i(t)を数値化し、メモリに記録する。フーリエ変換部18は、パーソナルコンピュータ等の数値演算処理装置で構成され、上記光電流i(t)をフーリエ変換し、
【0043】
【数21】

を得る。
最後に、コヒーレンス関数解析部19は、Ω(0)近傍及びΩ(gτ)近傍でのそれぞれの標準偏差を算出し、
【0044】
【数22】

によりτにおけるコヒーレンス関数の絶対値を求める。
この作業は、使用する光ファイバ15の全長の光の往復時間よりも小さいτの場合であっても可能であり、その範囲でのコヒーレンス関数の絶対値を求めることができる。その値が1/eに減ずるτを求めれば、光源のコヒーレンス時間を求めることもできる。
【0045】
但し、標準偏差の代わりに変動係数(標準偏差/標準偏差の算出に使用したポイント数)を用いてもコヒーレンス関数を求めることができる。
上記実施形態によるコヒーレンス関数の測定方法並びにコヒーレンス時間の測定方法は、従来技術に対して以下の優位性を持つ。
【0046】
第1に、コヒーレンス時間と同程度の光ファイバ長により測定が可能な上、仮にコヒーレンス時間が光ファイバ長よりもはるかに長かった場合には、そのこと自体が測定により明らかにされるので、より長い光ファイバに置き換えて測定をやり直すなどの処置を取ることができる。よって、本実施形態は、従来技術よりも信頼性に優れた測定結果を提供するといえる。
【0047】
第2に、単にコヒーレンス時間の測定が可能となるだけでなく、そのコヒーレンス関数の絶対値の全容が掌握される。これにより、レーザ光の性質をより詳しく測定できると考えられる。
以上、実施形態に記載の構成によれば、スペクトル線幅が狭い(コヒーレンス時間が長い)レーザ光のコヒーレンス時間を正確に測定することのできるレーザ光測定方法及びその測定装置が実現する。
【0048】
尚、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成を削除してもよい。さらに、異なる実施形態例に亘る構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0049】
11…被測定レーザ光源、12…光周波数掃引装置、131…光分岐器、132…光合波器、14…光サーキュレータ、15…光ファイバ、14…バランス型受光素子、17…データ取得部、18…フーリエ変換部、19…コヒーレンス関数解析部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遅延時間τの関数である被測定レーザ光のコヒーレンス関数γ(τ)を測定する方法であって、
前記被測定レーザ光の光周波数を線形に掃引し、
前記光周波数が掃引されたレーザ光を分岐し、
前記分岐された一方のレーザ光を光ファイバに入射してレイリー散乱光を生じさせ、
前記光ファイバで生じたレイリー散乱光と前記分岐されたもう一方のレーザ光とを合波し、
前記合波された光を受光して光電流を検出し、
前記検出された光電流を数値化してフーリエ変換し、フーリエ変換された光電流値より、遅延0における振幅の標準偏差と遅延τにおける振幅の標準偏差とを算出し、両者の比により遅延τにおけるコヒーレンス関数の絶対値を求める
ことを特徴とするレーザ光測定方法。
【請求項2】
さらに、前記コヒーレンス関数の絶対値が1/eになるτをもってコヒーレンス時間を求めることを特徴とする請求項1に記載のレーザ光測定方法。
【請求項3】
遅延時間τの関数であるレーザ光のコヒーレンス関数γ(τ)を測定する装置であって、
被測定レーザ光の光周波数を線形に掃引する光周波数掃引手段と、
前記光周波数掃引がされたレーザ光を分岐する分岐手段と、
前記分岐された一方のレーザ光を入射してレイリー散乱光を生じさせる光ファイバと、
前記光ファイバで生じたレイリー散乱光と前記分岐されたもう一方のレーザ光とを合波する合波手段と、
前記合波された光を受光して光電流を検出する検出手段と、
前記検出された光電流を数値化してフーリエ変換し、フーリエ変換された光電流値より、遅延0における振幅の標準偏差と遅延τにおける振幅の標準偏差とを算出し、両者の比により遅延τにおけるコヒーレンス関数の絶対値を求める演算手段と
を具備することを特徴とするレーザ光測定装置。
【請求項4】
前記演算手段は、さらに前記コヒーレンス関数の絶対値が1/eになるτをもってコヒーレンス時間を求めることを特徴とする請求項3に記載のレーザ光測定装置。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−112657(P2012−112657A)
【公開日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−259156(P2010−259156)
【出願日】平成22年11月19日(2010.11.19)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】