説明

レーザ加工機用のレーザダイオード電源装置

【課題】レーザ加工機用のレーザダイオード電源装置においてLD駆動電流を設定電流値まで無理なく高速に立ち上げられるようにする。
【解決手段】このレーザダイオード電源装置12は、主たる構成要素として、負荷回路に所望の定電流を供給するための定電流源回路70と、この定電流源回路70とLDアレイ30との間に接続されるインダクタンスコイル72と、定電流源回路70に対してインダクタンスコイル72と直列に接続され、かつLDアレイ30と並列に接続されるスイッチング素子74と、このスイッチング素子74と並列に、かつLDアレイ30と直列に接続されるスイッチング素子76と、これらのスイッチング素子74,76を制御するLD駆動制御部78とを有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レーザ加工機に用いるレーザダイオード(LD)を駆動するためのレーザダイオード電源装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、YAGレーザやファイバレーザ等の活性媒体を光学的に励起するための励起光源にレーザダイオード(LD)がよく用いられている。最近は、加工用のレーザ光を生成するためのレーザ発振源としてもLDが用いられている。
【0003】
通常、レーザ加工機に用いられるLD方式の励起光源あるいはレーザ発振源は、高出力を得るために、LDを一次元方向または二次元方向に多数配列してそれらを全部同時に発光させる。このようなLDアレイは、電気的には、たとえば縦方向では各列のLDを直列に接続し、横方向では全列のLD直列回路を並列に接続したものとなり、アレイ全体で相当大きな駆動電流を必要とする。
【0004】
レーザ加工分野における従来のレーザダイオード電源装置は、負荷のLDを所要の出力でレーザ発振させるのに必要なLD駆動電流を定電流で供給できる定電流源回路として構成されており、一般的には、電力を蓄積するコンデンサと、このコンデンサを設定電圧まで充電する充電回路と、コンデンサと負荷(LD)との間に接続される出力用のスイッチング素子とを有している。ノーマルパルスまたはロングパルスの加工用レーザ光を生成する場合は、該スイッチング素子がパルス出力時間の間だけオンまたはスイッチング動作し、パルスを出力しない間はオフ状態に保持されるようになっている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来のレーザダイオード電源装置は、上記のように、出力用のスイッチング素子をオンまたはスイッチング動作させることにより、コンデンサを放電させて、その放電電流をLD駆動電流とするものである。しかしながら、LDには配線インダクタンスや端子間容量があり、しかも直並列に接続された多数のLD(LDアレイ)を全部同時に発光させなければならない条件の下では、コンデンサ放電電流(LD駆動電流)の立ち上がりが遅く、そのためにレーザ出力の立ち上がりも遅くなっている。そこで、パルスレーザの高速の立ち上がりを必要とするレーザ加工(たとえばレーザ溶接)においては、コンデンサの充電電圧を十分高い値に設定することで、LD駆動電流の立ち上がりの高速化を図っている。しかし、そのように高電圧のパワーでLD駆動電流を無理やり立ち上げる技法は、定電流制御が難しくなるという問題が生じて、高速かつ安定した立ち上がり特性が得られるものではなかった。
【0006】
本発明は、かかる従来技術の問題点に鑑みてなされたものであって、LD駆動電流を設定電流値まで無理なく高速に立ち上げられるレーザ加工機用のレーザダイオード電源装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するために、本発明の第1の観点におけるレーザダイオード電源装置は、レーザ加工機におけるレーザ発振器内の活性媒体を光学的に励起するために、励起光源のレーザダイオード(LD)を駆動するレーザダイオード電源装置であって、負荷回路に所望の定電流を供給するための定電流源回路と、前記定電流源回路と前記レーザダイオードとの間に接続されるインダクタンスコイルと、前記定電流源回路に対して前記インダクタンスコイルと直列に接続され、かつ前記レーザダイオードと並列に接続される第1のスイッチング素子と、前記レーザダイオードを発光させない間は前記第1のスイッチング素子をオン状態に保持し、前記レーザダイオードを発光させる時は前記第1のスイッチング素子をオフ状態に保持するLD駆動制御部とを有する。
【0008】
上記の装置構成においては、レーザダイオードを発光させない間は、定電流源回路より出力される電流がインダクタンスコイルおよびオン状態の第1のスイッチング素子を通って流れ、インダクタンスコイルに電磁エネルギーの形態で電力が蓄えられる。レーザダイオードを発光させるために、LD駆動制御部が第1のスイッチング素子をオン状態からオフ状態に切り替えると、インダクタンスコイルからの電流は負荷回路において第1のスイッチング素子とは並列のレーザダイオード側をLD駆動電流として流れるようになり、レーザダイオードがレーザ発振(発光)する。インダクタンスコイルに流れていた電流を流し込んでレーザダイオードの通電を開始するので、LD駆動電流を無理なく迅速に立ち上げることができる。
【0009】
本発明の第2の観点におけるレーザダイオード電源装置は、レーザ加工機におけるレーザ発振器内の活性媒体を光学的に励起するために、励起光源のレーザダイオード(LD)を駆動するレーザダイオード電源装置であって、負荷回路に所望の定電流を供給するための定電流源回路と、前記定電流源回路と前記レーザダイオードとの間に接続されるインダクタンスコイルと、前記定電流源回路に対して前記インダクタンスコイルと直列に接続され、かつ前記レーザダイオードと並列に接続される第1のスイッチング素子と、前記レーザダイオードを流れるLD駆動電流の電流値を測定するためのLD駆動電流測定部と、前記レーザダイオードを発光させない間は前記第1のスイッチング素子をオン状態に保持し、前記レーザダイオードを発光させる時は前記LD駆動電流測定部より得られる電流測定値が予め設定された基準値または基準波形に倣うように前記第1のスイッチング素子をスイッチング動作させるLD駆動制御部とを有する。
【0010】
上記の装置構成においては、レーザダイオードを発光させない間は、定電流源回路より出力される電流がインダクタンスコイルおよびオン状態の第1のスイッチング素子を通って流れ、インダクタンスコイルに電磁エネルギーの形態で電力が蓄えられる。レーザダイオードを発光させるために、LD駆動制御部が第1のスイッチング素子をオン状態からスイッチング動作に切り替えることで、インダクタンスコイルからの電流が負荷回路において第1のスイッチング素子の枝路とレーザダイオードの枝路とに分流して流れ、レーザダイオードがレーザ発振(発光)する。インダクタンスコイルに流れていた電流を流し込んでレーザダイオードの通電を開始するので、電流フィードバック制御においてLD駆動電流を無理なく基準値または基準波形に倣わせて高速に立ち上げることができる。
【0011】
本発明の第3の観点におけるレーザダイオード電源装置は、レーザ加工機におけるレーザ発振器内の活性媒体を光学的に励起するために、励起光源のレーザダイオード(LD)を駆動するレーザダイオード電源装置であって、負荷回路に所望の定電流を供給するための定電流源回路と、前記定電流源回路と前記レーザダイオードとの間に接続されるインダクタンスコイルと、前記定電流源回路に対して前記インダクタンスコイルと直列に接続され、かつ前記レーザダイオードと並列に接続される第1のスイッチング素子と、前記レーザ発振器より発振出力されるレーザ光のレーザ出力を測定するためのレーザ出力測定部と、前記レーザダイオードを発光させない間は前記第1のスイッチング素子をオン状態に保持し、前記レーザダイオードを発光させる時は前記レーザ出力測定部より得られるレーザ出力測定値が予め設定された基準値または基準波形に倣うように前記第1のスイッチング素子をスイッチング動作させるLD駆動制御部とを有する。
【0012】
上記の装置構成においては、レーザダイオードを発光させない間は、定電流源回路より出力される電流がインダクタンスコイルおよびオン状態の第1のスイッチング素子を通って流れ、インダクタンスコイルに電磁エネルギーの形態で電力が蓄えられる。レーザダイオードを発光させるために、LD駆動制御部が第1のスイッチング素子をオン状態からスイッチング動作に切り替えることで、インダクタンスコイルからの電流が負荷回路において第1のスイッチング素子の枝路とレーザダイオードの枝路とに分流して流れ、レーザダイオードがレーザ発振(発光)する。インダクタンスコイルに流れていた電流を流し込んでレーザダイオードの通電を開始するので、レーザ出力フィードバック制御においてLD駆動電流を無理なく基準値または基準波形に倣わせて高速に立ち上げることができる。
【0013】
本発明の好適な一実施態様においては、LD駆動制御部が、第1のスイッチング素子をパルス幅変調方式でスイッチング制御する。
【0014】
別の好適な実施態様においては、第1のスイッチング素子と並列に、かつ前記レーザダイオードと直列に第2のスイッチング素子が接続され、LD駆動制御部が、レーザダイオードを発光させない間は第2のスイッチング素子をオフ状態に保持し、レーザダイオードを発光させる時は第2のスイッチング素子をオン状態に保持する。かかる構成により、レーザダイオードを発光させない間は、オフ状態の第2のスイッチング素子が電流を遮断するので、レーザダイオードへの不所望な電流注入を確実に防止することができる。
【0015】
別の好適な実施態様として、レーザダイオードと並列に、かつ第1のスイッチング素子と直列に1個または複数個のダイオードが第1のスイッチング素子を流れる電流に対して順方向に接続される。この構成においては、レーザダイオードの発光の前後で負荷電圧の変動を少なくし、LD駆動電流の立ち上がりを一層安定に高速化することができる。
【0016】
本発明のレーザダイオード電源装置において、好ましくは、定電流源回路が、電力蓄積用のコンデンサと、このコンデンサを予め設定された基準電圧まで充電する充電回路と、コンデンサとインダクタンスコイルとの間に接続される第3のスイッチング素子と、インダクタンスコイルを流れる主電流の電流値を測定するための主電流測定部と、この主電流測定部より得られる電流測定値が予め設定された基準値に一致するように第3のスイッチング素子をスイッチング動作させる主電流制御部とを有する。
【0017】
また、本発明のレーザダイオード電源装置は、レーザダイオードを空間的に一次元方向または二次元方向に多数個配列し、その配列パターンにしたがってそれら多数個のレーザダイオードを電気的に直列および/または並列に接続してなるLDアレイを駆動する場合に、そしてパルス波形のレーザ光を生成する場合に、特に大なる利点を有する。
【0018】
さらに、本発明は、レーザ加工用のレーザ光を発振出力するためのレーザダイオード(LD)を駆動するレーザダイオード電源装置にも好適に適用可能である。
【発明の効果】
【0019】
本発明のレーザダイオード電源装置によれば、上記のような構成および作用により、LD駆動電流を設定電流値まで無理なく高速に立ち上げられることが可能であり、レーザ加工機における加工能力や加工品質を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、添付図を参照して本発明の好適な実施形態を説明する。
【0021】
図1に、本発明のレーザダイオード電源装置を好適に適用できる一例としてのファイバレーザ加工機の構成を示す。このファイバレーザ加工機は、ファイバレーザ発振器10、レーザダイオード電源装置12、レーザ入射部14、ファイバ伝送系16、レーザ出射部18、加工テーブル20および主制御部25を備えている。
【0022】
ファイバレーザ発振器10は、発振用の光ファイバ(以下「発振ファイバ」と称する。)22と、この発振ファイバ22の一端面にポンピング用の励起光MBを照射する電気光学励起部24と、発振ファイバ22を介して光学的に相対向する一対の光共振器ミラー26,28とを有している。
【0023】
電気光学励起部24は、励起光源のLDアレイ30および集光用の光学レンズ32を有している。LDアレイ30は、電流注入型のLDを空間的に一次元方向または二次元方向に多数配列し、その配列パターンにしたがってそれら多数のレーザダイオードを電気的に直列および/または並列に接続してなり(図2)、レーザダイオード電源装置12からのLD駆動電流ILDによって発光し、励起用のレーザ光MBを発振出力する。光学レンズ32は、LDアレイ30からの励起用レーザ光MBを発振ファイバ22の一端面に集光入射させる。LDアレイ30と光学レンズ32との間に配置される光共振器ミラー26は、LDアレイ30側から入射した励起用レーザ光MBを透過させ、発振ファイバ22側から入射した発振光線を共振器の光軸上で全反射するように構成されている。
【0024】
発振ファイバ22は、図示省略するが、発光元素としてたとえば希土類元素のイオンをドープしたコアと、このコアを同軸に取り囲むクラッドとを有しており、コアを活性媒体とし、クラッドを励起光の伝播光路としている。上記のようにして発振ファイバ22の一端面から発振ファイバ22内に入射した励起用レーザ光MBは、クラッド外周界面の全反射によって閉じ込められながら発振ファイバ22の中を軸方向に伝搬し、その伝搬中にコアを何度も横切ることでコア中の希土類元素イオンを光励起する。こうして、コアの両端面から軸方向に所定波長の発振光線が放出され、この発振光線が光共振器ミラー26,28の間を何度も行き来して共振増幅され、部分反射ミラーからなる片側の光共振器ミラー28より該所定波長を有するファイバレーザ光FBが取り出される。
【0025】
なお、光共振器において、光学レンズ32,34は、発振ファイバ22の端面から放出されてきた発振光線を平行光にコリメートして光共振器ミラー26,28へ通し、光共振器ミラー26,28で反射して戻ってきた発振光線を発振ファイバ22の端面に集光させる。また、発振ファイバ22を通り抜けた励起用レーザ光MBは、光学レンズ34および光共振器ミラー28を透過したのち折り返しミラー36にて側方のレーザ吸収体38に向けて折り返される。光共振器ミラー28より出力されたファイバレーザ光FBは、この折り返しミラー36をまっすぐ透過し、次いでビームスプリッタ40を通ってからレーザ入射部14に入る。
【0026】
ビームスプリッタ40は、入射したファイバレーザ光FBの一部(たとえば1%)を所定方向つまりパワーモニタ用の受光素子たとえばフォトダイオード(PD)42側へ反射する。フォトダイオード(PD)42の正面に、ビームスプリッタ40からの反射光またはモニタ光RFBを集光させる集光レンズ44が配置されてよい。
【0027】
フォトダイオード(PD)42は、ビームスプリッタ40からのモニタ光RFBを光電変換して、ファイバレーザ光FBのレーザ出力(ピークパワー)を表す電気信号(レーザ出力測定信号)SFBを出力し、この信号SFBをレーザダイオード電源装置12に送る。レーザダイオード電源装置12は、リアルタイムのパワーフィードバック制御を行う場合に、フォトダイオード(PD)42からのレーザ出力測定信号SFBをフィードバック信号に用いる。
【0028】
レーザ入射部14に入ったファイバレーザ光FBは、最初にベントミラー46で所定方向に折り返され、次いで入射ユニット48内で集光レンズ50により集光されてファイバ伝送系16の伝送用光ファイバ(以下「伝送ファイバ」と称する。)52の一端面に入射する。伝送用光ファイバ52は、たとえばSI(ステップインデックス)形ファイバからなり、入射ユニット48内で入射したファイバレーザ光FBをレーザ出射部18の出射ユニット54まで伝送する。
【0029】
出射ユニット54は、伝送ファイバ52の終端面より出たファイバレーザ光FBを平行光にコリメートするコリメートレンズ56と、平行光のファイバレーザ光FBを所定の焦点位置に集光させる集光レンズ58とを有しており、加工テーブル20に載置されている被加工物60の加工点Wにファイバレーザ光FBを集光照射する。
【0030】
主制御部25は、たとえばマイクロコンピュータからなり、このファイバレーザ加工機内の各部を統括して制御し、特に後述するようにレーザダイオード電源装置12に対して設定値の供給やタイミング的な制御を行う。
【0031】
このファイバレーザ加工機において、テーブル20上の被加工物60にたとえばレーザ溶接を施す場合は、レーザダイオード電源装置12よりパルス波形のLD駆動電流ILDがLDアレイ30に供給されることにより、ファイバレーザ発振器10内でLDアレイ30よりパルス波形の励起用レーザ光MBが発振ファイバ22に供給され、ファイバレーザ発振器10よりパルス波形のファイバレーザ光FBが発振出力される。このパルス波形のファイバレーザ光FBが、レーザ入射部14、ファイバ伝送系16およびレーザ出射部18を介して被加工物60の加工点Wに集光照射される。加工点Wにおいては、パルス波形のファイバレーザ光FBのエネルギーにより被加工材質が溶融し、パルス照射終了後に凝固してナゲットが形成される。
【0032】
このファイバレーザ加工機は、後述するようにレーザダイオード電源装置12がLDアレイ30に供給するLD駆動電流ILDを高速に立ち上げられるため、励起用レーザ光MBの立ち上がり速度ひいてはファイバレーザ光FBの立ち上がり速度が高く、これによってレーザ溶接加工における溶け込み特性を向上させることができる。
【0033】
図2に、この実施形態におけるレーザダイオード電源装置12の構成を示す。このレーザダイオード電源装置12は、主たる構成要素として、負荷回路に所望の定電流を供給するための定電流源回路70と、この定電流源回路70とLDアレイ30との間に接続されるインダクタンスコイル72と、定電流源回路70に対してインダクタンスコイル72と直列に接続され、かつLDアレイ30と並列に接続される第1のスイッチング素子であるスイッチング素子74と、このスイッチング素子74と並列に、かつLDアレイ30と直列に接続される第2のスイッチング素子であるスイッチング素子76と、これらのスイッチング素子74,76を制御するLD駆動制御部78とを有している。
【0034】
定電流源回路70は、商用交流電源80、充電回路82、コンデンサ84、スイッチング素子86、フライホイール・ダイオード88、電流センサ90、電流測定回路92および主電流制御部94を有している。
【0035】
ここで、充電回路82は、商用交流電源80からの商用交流を直流に変換してコンデンサ84を設定電圧まで充電する。コンデンサ84は、LD駆動用の電力を充電電荷(静電エネルギー)として蓄積する。第3のスイッチング素子であるスイッチング素子86は、主電流制御部94の制御の下で、コンデンサ80を放電させて負荷回路側へ所望の放電電流または主電流ICを流すようにスイッチング動作する。フライホイール・ダイオード88は、スイッチング素子86が一時的にオフしている間も負荷回路に主電流ICを還流して流し続けるためのものである。電流センサ90は、たとえばホール素子からなり、非接触方式で主電流ICを検出する。電流測定回路92は、電流センサ90の出力信号を入力して主電流ICの電流測定値(たとえば電流実効値)を演算し、主電流測定値SICをフィードバック信号として主電流制御部94に与える。主電流制御部94は、主電流制御部94から取り込んだ主電流測定値SICが予め設定された基準値に一致するように、たとえばパルス幅変調(PWM)方式でスイッチング素子86をスイッチング制御する。
【0036】
なお、主電流制御部94のフィードバック制御に用いられる電流基準値は、主制御部25より与えられる。また、充電回路82においてコンデンサ80をフィードバック制御で充電する場合の電圧設定値も、主制御部25より与えられる。
【0037】
このレーザダイオード電源装置12では、負荷回路のノードNa,Nb間で、LDアレイ30と並列に、かつスイッチング素子74と直列に1個または複数個の電圧降下用ダイオード96がスイッチング素子74を流れる電流に対して順方向に接続されている。この直列接続されるダイオード96の数は、LDアレイ30の各列内で直列接続されるLDの数と同一または近似しているのが好ましい。定電流源回路70より出力される主電流ISは、常にインダクタンスコイル72を流れ、その後段の負荷回路においては、ダイオード列96および第1のスイッチング素子74を含む第1枝路J1および/またはスイッチング素子76およびLDアレイ30を含む第2枝路J2を分流してあるいは選択的に流れるようになっている。
【0038】
より詳細には、LDアレイ30を発光させない間は、LD駆動制御部78の制御の下で、第1枝路J1のスイッチング素子74をオン状態に保持するとともに、第2枝路J2のスイッチング素子76をオフ状態に保持する。この場合は、第2枝路J2にはLD駆動電流ILDが供給されず、インダクタンスコイル72からの主電流ISは全部そのままバイパス電流IBとして第1枝路J1を流れる。
【0039】
また、LDアレイ30を発光させる時は、LD駆動制御部78の制御の下で、第2枝路J2のスイッチング素子76をオン状態に保持するとともに、第1枝路J1のスイッチング素子74をスイッチング動作させる。この場合は、インダクタンスコイル72からの主電流ISは、その一部がLD駆動電流ILDとして第2枝路J2を流れ、残りがバイパス電流IBとして第1枝路J1を流れる。第2枝路J2に設けられる電流センサ98は、たとえばカレントトランスからなり、非接触方式でLD駆動電流ILDを検出する。電流測定回路100は、電流センサ98の出力信号を基にLD駆動電流ILDの測定値(たとえば電流実効値)を演算し、その電流測定値SILDをフィードバック信号としてLD駆動制御部78に与える。
【0040】
LD駆動制御部78は、第2枝路J2を流れるLD駆動電流ILDが予め設定された基準値または基準波形に倣うように、第1枝路J1のスイッチング素子74をスイッチング制御する。あるいは、パワーモニタ部[44,42](図1)からのレーザ出力測定信号SFBをフィードバック信号に用いて、レーザ出力測定信号SFBが予め設定された基準値または基準波形に倣うように、スイッチング素子74をスイッチング制御することも可能である。このような電流フィードバック制御あるいはパワーフィードバック制御に用いる電流基準値または基準波形は、主制御部25より与えられる。また、両スイッチング素子74,76の状態を切り替えるタイミングも、主制御部25よりLD駆動制御部78に指示される。
【0041】
なお、このレーザダイオード電源装置12内の各スイッチング素子74,76,84には、FETあるいはIGBT等のパワートランジスタを使用してよい。
【0042】
図3に、LDアレイ30よりパルス波形の励起用レーザ光MBを発振出力させる場合のレーザダイオード電源装置12(図2)内の各部の状態または波形を示す。
【0043】
この場合、パルス開始(時点ts)前は、図2に示す定電流源回路70のスイッチング素子86が定常的に定電流制御でスイッチング動作し続け、負荷回路では第1枝路J1のスイッチング素子74がオン状態に保持されるとともに第2枝路J2のスイッチング素子76がオフ状態に保持されている。これにより、インダクタンスコイル72を流れる主電流ICが全部そのまま第1枝路J1をバイパス電流IBとして流れ、インダクタンスコイル72には主電流ICの電流値に応じた電力が電磁エネルギーの形態で蓄えられる。
【0044】
図3のパルス開始時点tsで、図2に示す第2枝路J2のスイッチング素子76がそれまでのオフ状態からオン状態に切り替わり、第1枝路J1のスイッチング素子74はそれまでのオン状態からスイッチング動作に切り替わる。これによって、インダクタンスコイル72を流れる主電流ICは、負荷回路では第1枝路J1と第2枝路J2とに分流するようになり、第2枝路J2を流れる電流つまりLD駆動電流ILDの電流値または電流波形はスイッチング素子74に対するLD駆動制御部78のスイッチング制御で規定される。
【0045】
たとえば、電流フィードバック制御ループを働かせる場合は、LD駆動電流ILDの電流波形が基準波形に倣うようにスイッチング素子74がPWM方式でスイッチング動作する。この場合、LD駆動電流ILDの立ち上がり以前からインダクタンスコイル72を流れ続けている主電流ICの一部が第1枝路J1から第2枝路J2に移ってLD駆動電流ILDとして流れることになり、またノードNa,Nb間の負荷電圧はパルス開始の前後で大して違わない。このため、LD駆動電流ILDを無理なく設定通りの速度で高速に立ち上げることができる。なお、図示省略するが、LDアレイ30にLD駆動電流ILDの閾電流値近傍のバイアス電流を供給するバイアス電流供給回路を備えてもよい。
【0046】
一例として、従来のレーザダイオード電源装置ではLD駆動電流の立ち上がり時間が100μsec程度であるのに対して、この実施形態のレーザダイオード電源装置12ではLD駆動電流ILDの立ち上がり時間を2μsec程度まで高速化することができる。
【0047】
上記のようにして第2枝路J2でパルス波形のLD駆動電流ILDが流れることにより、LDアレイ30を構成する全LDが一斉に通電して、パルス波形の励起用レーザ光MBが発振出力される。
【0048】
そして、図3のパルス終端時点t2で、図2に示す第2枝路J2のスイッチング素子76がそれまでのオン状態からオフ状態に切り替わると同時に、第1枝路J1のスイッチング素子74はそれまでのスイッチング動作からオン状態に切り替わる。こうして、各部がパルス開始前と同じ状態に戻る。
【0049】
上記のように、図3のパルス期間(ta〜tb)中に、図2の定電流源回路70における主電流ICの制御と負荷回路におけるLD駆動電流ILDの制御とを独立に行うことで、パルス波形制御を自由かつ精細に行うことができる。
【0050】
一変形例として、図4に示すように、パルス期間(ta〜tb)中に、負荷回路では第2枝路J2のスイッチング素子76をオン状態に保持するとともに第1枝路J1のスイッチング素子74をオフ状態に保持し、定電流源回路70の方でスイッチング素子86のLD駆動電流ILDの制御のためのスイッチング動作を行わせることも可能である。この場合、主電流制御部94は、電流測定回路92で得られる電流測定値SIC(SILC)が主制御部25より与えられる基準波形に倣うように、スイッチング素子86をたとえばPWM方式でスイチング制御してよい。
【0051】
図4の例では、LD駆動電流ILDに対する波形制御の自由度を大きくするために、LD駆動電流ILDのピーク値を主電流ICの定常値よりも小さく設定している。別の変形例として、波形制御の自由度は小さくなるが、LD駆動電流ILDのピーク値を主電流ICの定常値に合わせることも可能である。さらに、別の変形例として、主電流制御部94が、パワーモニタ部[44,42](図1)からのレーザ出力測定信号SFBをフィードバック信号に用いて、LD駆動電流ILDの定電流制御または波形制御を行うことも可能である。
【0052】
また、別の変形例として、装置構成の簡易化を図るため、負荷回路において第2枝路J2のスイッチング素子76および電流モニタ用の電流センサ98、電流測定回路100を省いて、図5に示すような装置構成とすることも可能である。この場合、LD駆動制御部78は、LDアレイ30を発光させない間は第1枝路J1のスイッチング素子74をオン状態に保持し、LDアレイ30を発光させる時はスイッチング素子74をオフ状態に保持する。そして、定電流源回路70の方で、LDアレイ30を発光させない間は主電流ICを制御し、LDアレイ30を発光させる時はLD駆動電流ILDを制御してよい。なお、スイッチング素子74がオン状態にある間に主電流ICが第2枝路J2に分流しないように、第1枝路J1に設けられるダイオード96の電圧降下を極力低くするのが好ましい。
【0053】
上記した実施形態はファイバレーザ加工機に係るものであったが、本発明は他のレーザ加工機で用いるレーザダイオード電源装置にも適用可能である。
【0054】
たとえば、図6に示すように、YAGレーザ加工機にも上記実施形態のレーザダイオード電源装置12をそのまま適用できる。このYAGレーザ加工装置は、YAGレーザ発振器102内で光共振器ミラー26,28の間にYAGロッド104を配置しており、YAGロッド104を光学的にポンピングするための励起光源にLDアレイ30を使用し、LDアレイ30をレーザダイオード電源装置12により駆動するようにしている。励起用LDアレイ30で生成された励起用レーザ光MBは、集光レンズ106により伝送用の光ファイバ108の一端面に集光入射し、光ファイバ108の中を伝播してその他端面から射出され、コリメータレンズ110、集光レンズ112、光共振器ミラー26を通ってYAGロッド104の一端面に入射するようになっている。YAGレーザ発振器102より発振出力されたYAGレーザ光YBは、加工用のレーザビームとして、ベントミラー114およびレーザ出射部18を通って被加工物60の加工点Wに照射される。
【0055】
別の例として、図7に示すように、LDアレイ30で加工用のレーザビームLBを直接生成し、この加工用のレーザビームLBを伝送用の光ファイバ116に通して所望の加工場所でレーザ加工を行うLDレーザ加工機にも本発明のレーザダイオード電源装置12を適用することができる。図7において、集光レンズ118は、LDアレイ30より発振出力されたレーザビームLBを光ファイバ116の一端面に集光入射させる。コメータレンズ120は、光ファイバ116の他端面より放射状に射出されたレーザビームLBを平行光にしてベントミラー114に入射させる。
【0056】
本発明のレーザダイオード電源装置は、レーザ溶接だけでなく、レーザマーキング、穴あけ、切断等を行うレーザ加工機にも適用可能である。
【0057】
また、本発明のレーザダイオード電源装置は、上記実施形態におけるようなLDアレイを駆動するのに特に向いているものであるが、単一のLDを駆動するのに用いられてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】本発明の一実施形態におけるレーザダイオード電源装置を適用したファイバレーザ加工機の構成を示す図である。
【図2】実施形態におけるレーザダイオード電源装置の構成を示す回路図である。
【図3】実施形態におけるレーザダイオード電源装置の作用を説明するための各部の状態または波形を示す図である。
【図4】実施形態におけるレーザダイオード電源装置の作用の一変形例を示す図である。
【図5】実施形態の一変形例によるレーザダイオード電源装置の構成を示す回路図である。
【図6】本発明のレーザダイオード電源装置を用いるYAGレーザ加工機の構成を示す図である。
【図7】本発明のレーザダイオード電源装置を用いるLDレーザ加工機の構成を示す図である。
【符号の説明】
【0059】
10 ファイバレーザ発振器
12 レーザダイオード電源装置
30 LDアレイ
70 定電流源回路
72 インダクタンスコイル
74 第1のスイッチング素子
76 第2のスイッチング素子
78 LD駆動制御部
82 充電回路
84 コンデンサ
86 第3のスイッチング素子
90,98 電流センサ
92,100 電流測定回路
94 主電流制御部
96 ダイオード
100 主制御部
102 YAGレーザ発振器
116 光ファイバ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
レーザ加工機におけるレーザ発振器内の活性媒体を光学的に励起するために、励起光源のレーザダイオード(LD)を駆動するレーザダイオード電源装置であって、
負荷回路に所望の定電流を供給するための定電流源回路と、
前記定電流源回路と前記レーザダイオードとの間に接続されるインダクタンスコイルと、
前記定電流源回路に対して前記インダクタンスコイルと直列に接続され、かつ前記レーザダイオードと並列に接続される第1のスイッチング素子と、
前記レーザダイオードを発光させない間は前記第1のスイッチング素子をオン状態に保持し、前記レーザダイオードを発光させる時は前記第1のスイッチング素子をオフ状態に保持するLD駆動制御部と
を有するレーザダイオード電源装置。
【請求項2】
レーザ加工機におけるレーザ発振器内の活性媒体を光学的に励起するために、励起光源のレーザダイオード(LD)を駆動するレーザダイオード電源装置であって、
負荷回路に所望の定電流を供給するための定電流源回路と、
前記定電流源回路と前記レーザダイオードとの間に接続されるインダクタンスコイルと、
前記定電流源回路に対して前記インダクタンスコイルと直列に接続され、かつ前記レーザダイオードと並列に接続される第1のスイッチング素子と、
前記レーザダイオードを流れるLD駆動電流の電流値を測定するためのLD駆動電流測定部と、
前記レーザダイオードを発光させない間は前記第1のスイッチング素子をオン状態に保持し、前記レーザダイオードを発光させる時は前記LD駆動電流測定部より得られる電流測定値が予め設定された基準値または基準波形に倣うように前記第1のスイッチング素子をスイッチング動作させるLD駆動制御部と
を有するレーザダイオード電源装置。
【請求項3】
レーザ加工機におけるレーザ発振器内の活性媒体を光学的に励起するために、励起光源のレーザダイオード(LD)を駆動するレーザダイオード電源装置であって、
負荷回路に所望の定電流を供給するための定電流源回路と、
前記定電流源回路と前記レーザダイオードとの間に接続されるインダクタンスコイルと、
前記定電流源回路に対して前記インダクタンスコイルと直列に接続され、かつ前記レーザダイオードと並列に接続される第1のスイッチング素子と、
前記レーザ発振器より発振出力されるレーザ光のレーザ出力を測定するためのレーザ出力測定部と、
前記レーザダイオードを発光させない間は前記第1のスイッチング素子をオン状態に保持し、前記レーザダイオードを発光させる時は前記レーザ出力測定部より得られるレーザ出力測定値が予め設定された基準値または基準波形に倣うように前記第1のスイッチング素子をスイッチング動作させるLD駆動制御部と
を有するレーザダイオード電源装置。
【請求項4】
前記LD駆動制御部が、前記第1のスイッチング素子をパルス幅変調方式でスイッチング制御する請求項2または請求項3に記載のレーザダイオード電源装置。
【請求項5】
前記第1のスイッチング素子と並列に、かつ前記レーザダイオードと直列に第2のスイッチング素子が接続され、
前記LD駆動制御部が、前記レーザダイオードを発光させない間は前記第2のスイッチング素子をオフ状態に保持し、前記レーザダイオードを発光させる時は前記第2のスイッチング素子をオン状態に保持する請求項1〜4のいずれか一項に記載のレーザダイオード電源装置。
【請求項6】
前記レーザダイオードと並列に、かつ前記第1のスイッチング素子と直列に1個または複数個のダイオードが前記第1のスイッチング素子を流れる電流に対して順方向に接続される請求項1〜5のいずれか一項に記載のレーザダイオード電源装置。
【請求項7】
前記定電流源回路が、
電力蓄積用のコンデンサと、
前記コンデンサを予め設定された基準電圧まで充電する充電回路と、
前記コンデンサと前記インダクタンスコイルとの間に接続される第3のスイッチング素子と、
前記インダクタンスコイルを流れる主電流の電流値を測定するための主電流測定部と、
前記主電流測定部より得られる電流測定値が予め設定された基準値に一致するように前記第3のスイッチング素子をスイッチング動作させる主電流制御部と
を有する請求項1〜6のいずれか一項に記載のレーザダイオード電源装置。
【請求項8】
前記レーザダイオードを空間的に一次元方向または二次元方向に多数個配列し、その配列パターンにしたがってそれら多数個のレーザダイオードを電気的に直列および/または並列に接続してなる請求項1〜7のいずれか一項に記載のレーザダイオード電源装置。
【請求項9】
前記レーザ発振器をパルス発振させるために、前記レーザダイオードにパルス波形の駆動電流を供給する請求項1〜8のいずれか一項に記載のレーザダイオード電源装置。
【請求項10】
レーザ加工用のレーザ光を発振出力するためのレーザダイオード(LD)を駆動するレーザダイオード電源装置であって、
負荷回路に所望の定電流を供給するための定電流源回路と、
前記定電流源回路と前記レーザダイオードとの間に接続されるインダクタンスコイルと、
前記定電流源回路に対して前記インダクタンスコイルと直列に接続され、かつ前記レーザダイオードと並列に接続される第1のスイッチング素子と、
前記レーザダイオードを発光させない間は前記第1のスイッチング素子をオフ状態に保持し、前記レーザダイオードを発光させる時は前記第1のスイッチング素子をオン状態に保持するLD駆動制御部と
を有するレーザダイオード電源装置。
【請求項11】
レーザ加工用のレーザ光を発振出力するためのレーザダイオード(LD)を駆動するレーザダイオード電源装置であって、
負荷回路に所望の定電流を供給するための定電流源回路と、
前記定電流源回路と前記レーザダイオードとの間に接続されるインダクタンスコイルと、
前記定電流源回路に対して前記インダクタンスコイルと直列に接続され、かつ前記レーザダイオードと並列に接続される第1のスイッチング素子と、
前記レーザダイオードを流れるLD駆動電流の電流値を測定するためのLD駆動電流測定部と、
前記レーザダイオードを発光させない間は前記第1のスイッチング素子をオン状態に保持し、前記レーザダイオードを発光させる時は前記LD駆動電流測定部より得られる電流測定値が予め設定された基準値または基準波形に倣うように前記第1のスイッチング素子をスイッチング動作させるLD駆動制御部と
を有するレーザダイオード電源装置。
【請求項12】
レーザ加工用のレーザ光を発振出力するためのレーザダイオード(LD)を駆動するレーザダイオード電源装置であって、
負荷回路に所望の定電流を供給するための定電流源回路と、
前記定電流源回路と前記レーザダイオードとの間に接続されるインダクタンスコイルと、
前記定電流源回路に対して前記インダクタンスコイルと直列に接続され、かつ前記レーザダイオードと並列に接続される第1のスイッチング素子と、
前記レーザダイオードより発振出力される前記レーザ光のレーザ出力を測定するためのレーザ出力測定部と、
前記レーザダイオードを発光させない間は前記第1のスイッチング素子をオン状態に保持し、前記レーザダイオードを発光させる時は前記レーザ出力測定部より得られるレーザ出力測定値が予め設定された基準値または基準波形に倣うように前記第1のスイッチング素子をスイッチング動作させるLD駆動制御部と
を有するレーザダイオード電源装置。
【請求項13】
前記LD駆動制御部が、前記第1のスイッチング素子をパルス幅変調方式でスイッチング制御する請求項11または請求項12に記載のレーザダイオード電源装置。
【請求項14】
前記第1のスイッチング素子と並列に、かつ前記レーザダイオードと直列に第2のスイッチング素子が接続され、
前記LD駆動制御部が、前記レーザダイオードを発光させない間は前記第2のスイッチング素子をオフ状態に保持し、前記レーザダイオードを発光させる時は前記第2のスイッチング素子をオン状態に保持する請求項10〜13のいずか一項に記載のレーザダイオード電源装置。
【請求項15】
前記レーザダイオードと並列に、かつ前記第1のスイッチング素子と直列に1個または複数個のダイオードが前記第1のスイッチング素子を流れる電流に対して順方向に接続される請求項10〜14のいずれか一項に記載のレーザダイオード電源装置。
【請求項16】
前記定電流源回路が、
電力蓄積用のコンデンサと、
前記コンデンサを予め設定された基準電圧まで充電する充電回路と、
前記コンデンサと前記インダクタンスコイルとの間に接続される第3のスイッチング素子と、
前記インダクタンスコイルを流れる主電流の電流値を測定するための主電流測定部と、
前記主電流測定部より得られる電流測定値が予め設定された基準値に一致するように前記第3のスイッチング素子をスイッチング動作させる主電流制御部と
を有する請求項10〜15のいずれか一項に記載のレーザダイオード電源装置。
【請求項17】
前記レーザダイオードを空間的に一次元方向または二次元方向に多数個配列し、その配列パターンにしたがってそれら多数個のレーザダイオードを電気的に直列および/または並列に接続してなる請求項10〜16のいずれか一項記載のレーザダイオード電源装置。
【請求項18】
前記レーザダイオードをパルス発振させるために、前記レーザダイオードにパルス波形の駆動電流を供給する請求項10〜17のいずれか一項に記載のレーザダイオード電源装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−123833(P2009−123833A)
【公開日】平成21年6月4日(2009.6.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−294591(P2007−294591)
【出願日】平成19年11月13日(2007.11.13)
【出願人】(000161367)ミヤチテクノス株式会社 (103)
【Fターム(参考)】