説明

レーザ励起超音波画像装置

【課題】非破壊・非接触で、検査対象内部の欠陥検査や構造解析を、空間解像度がナノメータオーダでも行えるといったレーザ励起超音波画像装置を提供する。
【解決手段】検査対象Pに対して超音波励起用レーザL1を放射し、その内部等を伝播する超音波を励起させる超音波励起用レーザ放射部1と、超音波が検査対象P内部の欠陥などに起因して発生する超音波エコーを検出するための参照光L2を放射する参照光放射部2と、参照光L2が検査対象Pに反射又は散乱した際に、その表面で参照光L2と超音波エコーとの相互作用によって生じた光強度又は光周波数の変化等を含む反射光または散乱光L3を受光し、この反射光または散乱光L3によって電子を放出する光電面4と、光電面4から放出された電子の軌道を掃引するための対を成す掃引電極51を備えた掃引部5と、掃引部5で掃引された電子を光変換する蛍光面7と、蛍光面7に現れる輝点を画像化して出力する画像出力部8とを具備して成るようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、接触や近接が困難な計測対象に対して、亀裂や欠陥の検査あるいは構造解析を、非接触かつ非破壊で高精度に行うためのレーザ励起超音波画像装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、超音波エコーを利用して、検査対象の断面映像を捉えることにより、非破壊で検査対象の亀裂や欠陥などの検査を行えるようにしたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、レーザー超音波法を利用して、非破壊、非接触で検査対象の亀裂や欠陥などの内部欠陥の検査を行えるようにした検査装置が知られている。
【0004】
このレーザー超音波法を用いた検査装置は、以下のようにして使用される。
【0005】
まず、検査対象の表面にレーザービームを照射し、検査対象の表面又は内部に超音波を励起させる。この超音波が検査対象を伝播する過程で欠陥に当たると、そこで超音波のエコーが発生する。検査対象には、超音波発生用のレーザービームとは別に、超音波検出用のレーザービームを照射する。この照射部位に欠陥からのエコーが到達すると、その表面には超音波振動が生じるので、レーザービームの反射波はドップラーシフトを受け、その光周波数が変位する。この光周波数の変位を、例えばファブリ・ペロー干渉計で透過光強度の変位に変換し、光検出器に入射させる。その結果、検査対象内部の欠陥は、光検出器の出力信号の変化として検出することが可能となる(例えば、特許文献2参照)。
【特許文献1】特開2000−28589号公報
【特許文献2】特開2002−228639号公報(第2頁)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1記載の構成では、超音波を試料に伝えるための媒体として水が必要である。このため、検査対象が、例えば、吸湿等によって形状や電気的特性が変化するものであれば、正確な検査を行うことができないといった問題点を有している。また、圧電素子によって発生することができる超音波の周波数は、数百MHzが上限であるため、画像の解像度が、数十ミクロン程度までに制限されてしまうといった問題点を有している。
【0007】
また、特許文献2記載の構成では、例えば、超音波発生用のビームのパルス幅を狭くしたとしても、ファブリ・ペロー干渉計および光検出器の応答速度に制限され、ナノメータオーダー以下の空間解像度の画像を得ることは困難である。さらに、零次元計測のため、試料全体を検査するためには、計測点を2次元走査する必要があり、長い時間がかかってしまうという問題点がある。
【0008】
そこで本発明は、非破壊・非接触で、検査対象内部の欠陥検査や構造解析を、(1)空間解像度がナノメータオーダで且つ(2)速い検査速度で行えるといったレーザ励起超音波画像装置を提供することを、その主たる課題としたものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
すなわち、本発明に係るレーザ励起超音波画像装置は、検査対象に対してパルスレーザを放射し、前記検査対象の表面または内部を伝播する超音波を励起させる超音波励起用レーザ放射部と、前記超音波が前記検査対象内部の欠陥或いは内部構造などに起因して発生する超音波エコーを検出するための参照光を放射する参照光放射部と、前記参照光が検査対象に反射又は散乱した際に、その表面で前記参照光と前記超音波エコーとの相互作用によって生じた光強度又は光周波数の変化等を含む反射光または散乱光を受光し、この反射光または散乱光によって電子を放出する光電面と、前記光電面から放出された電子の軌道を掃引するための対を成す掃引電極を備えた掃引部と、前記掃引部で掃引された電子を光変換する蛍光面と、前記蛍光面に現れる輝点を画像化して出力する画像出力部とを具備して成ることを特徴とする。
【0010】
このようなものによれば、光電面から放出され、少しずつ遅れてやってくる各電子は、掃引部において、掃引方向における少しずつ異なった方向に偏位され、蛍光面に到達する。すなわち、掃引部で電子を高速に掃引することにより、反射光または散乱光の時間的・空間的な光強度変化を、高精度に蛍光面上で画像として捉えることができる。したがって、例えば、パルスレーザのパルス幅を数百ピコ秒以下とすれば、固体中であれば一般に時間分解能1ピコ秒で5nm、100ピコ秒で500nmと、ナノメータ空間解像度の画像を得られるので、この画像を利用して、非常に細かな欠陥を見つけ出すことが可能になり、また、内部構造の高精度な解析も可能となる。
【0011】
すなわち、非破壊・非接触で、検査対象内部の欠陥検査や構造解析を、空間解像度がナノメータオーダで且つ速い検査速度で行えるといったレーザ励起超音波画像装置を提供することができる。
【0012】
前記参照光放射部が放射する参照光が、レーザであれば、上述した本発明の効果は顕著となる。
【0013】
前記掃引方向と直交する方向に長手寸法を有するスリットを設けているのであれば、蛍光面上における掃引方向と同一方向を時間軸、直交する方向を空間軸として設定することができ、多点同時計測を行うことができる。これにより計測時間を短縮することができる。
【0014】
微弱な光を十分な光量まで倍増でき、高精度な解析に資するようにするには、前記対を成す掃引電極と前記蛍光面との間に、掃引電極で掃引された電子を検出し、増倍させた電子を蛍光面に対して出力する電子増倍部を設けていることが望ましい。
【発明の効果】
【0015】
このように本発明に係るレーザ励起超音波画像装置は、光電面から放出され、少しずつ遅れてやってくる各電子は、掃引部において、掃引方向における少しずつ異なった方向に偏位され、蛍光面に到達する。すなわち、掃引部で電子を高速に掃引することにより、反射光または散乱光の時間的・空間的な光強度変化を、蛍光面上で2次元画像として捉えることができる。したがって、例えば、パルスレーザのパルス幅を数百ピコ秒以下とすれば、ナノメータ空間解像度の画像を得られるので、この画像を利用して、非常に細かな欠陥を見つけ出すことが可能になり、また、内部構造の高精度な解析も可能となる。
【0016】
すなわち、非破壊・非接触で、検査対象内部の欠陥検査や構造解析を、空間解像度がナノメータオーダで且つ速い検査速度で行えるといったレーザ励起超音波画像装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。
【0018】
本実施形態のレーザ励起超音波画像装置Aは、検査対象P(例えば、鋼材)のレーザ励起超音波の圧力による表面反射率の変動や表面位置の変動による参照光強度の変調を計測することで、その検査対象Pの内部の欠陥を非破壊・非接触で検査する検査装置や検査対象Pの内部構造を解析する解析装置などとして用いられるものである。そして、このレーザ励起超音波画像装置Aは、図1、図2、図3に示すように、検査対象P内に超音波を励起させるための超音波励起用レーザL1(本発明の「パルスレーザ」に相当)を放射する超音波励起用レーザ放射部1と、前記超音波によって検査対象P内に発生した超音波エコーを検出するための参照光としての参照レーザL2を放射する参照レーザ放射部2(本発明の「参照光放射部」に相当)と、超音波エコー及び参照レーザL2から得られる反射光または散乱光としての反射レーザL3を通過させるためのスリット3と、受光した光を電子に変換して放出する光電面4と、対を成す掃引電極51a、51bを備えた掃引部5と、掃引された電子を倍増させるための電子増倍部6と、電子を光変換する蛍光面7と、この蛍光面7で得られる光学像を出力するための画像出力部8(図示せず)とを具備して成るに加え、超音波励起用レーザ放射部1、参照レーザ放射部2、掃引部5の動作をそれぞれ制御するための制御部9を設けている。なお、本実施形態では、スリット3、光電面4、掃引部5、電子増倍部6、蛍光面7および画像出力部8は、カメラユニットAUとして一体的に組みつけてある。以下、各部を具体的に説明する。
【0019】
超音波励起用レーザ放射部1は、検査対象Pに対して超音波励起用レーザL1を放射し、前記検査対象Pの表面または内部を伝播する超音波を励起させるものである。具体的には、超音波励起用レーザ放射部1から放射された超音波励起用レーザL1が、検査対象Pの表面に照射されると、この照射点には熱的応力などによって超音波が発生することで、検査対象P内部を伝播する超音波が励起される。なお、本実施形態では、この超音波励起用レーザL1のパルス幅を、数百ピコ秒以下としている。
【0020】
参照レーザ放射部2は、前記超音波が前記検査対象P内部の欠陥或いは内部構造などに起因して発生する超音波エコーを検出するための参照レーザL2を放射するものである。なお、本実施形態では、参照レーザL2の放射方向と、超音波励起用レーザL1の放射方向とを同一方向となるように設定している(図2参照)。なお、参照レーザL2の放射方向および超音波励起用レーザL1の放射方向は、同一方向でなくても良く、超音波励起用レーザL1の放射角度に略制限は無い。また、本実施形態では、この参照レーザL2を、連続発振(CW)レーザとしているが、これに限らず、白色光などの複数波長の混じりあった光や単一波長の光でも良く、また、パルスレーザを用いることを妨げない。
【0021】
スリット3は、前記掃引方向5Hと直交する方向に長手寸法を有する横長略矩形状のものである。本実施形態では、前記参照レーザL2が検査対象Pに反射した際に、その表面で前記参照レーザL2と前記超音波エコーとの相互作用によって生じた光強度又は光周波数の変化等を含む反射レーザL3を通過させる位置に配している。
【0022】
光電面4は、前記スリット3を通過してきた反射レーザL3を受光し電子を放出するものである。
【0023】
掃引部5は、前記光電面4から放出された電子の軌道を掃引するための対を成す掃引電極51a、51b(以下、掃引電極51と総称する)を備えるものである。本実施形態では、一方の掃引電極51を掃引回路に接続する一方、他方の掃引電極51を接地させている。そして、後述する制御部9が、掃引電極51間を通過する電子を、上方または下方へと振るように、掃引電極51間の掃引電圧を制御するように構成している。
【0024】
電子増倍部6は、前記対を成す掃引電極51と前記蛍光面7との間に配され、掃引電極51で掃引された電子を検出し、増倍させた電子を蛍光面7に対して出力するものであって、一般的にマイクロチャンネルプレート(MCP)と呼ばれるものを用いている。本実施形態では、この電子増倍部6が、電子の数を約数千倍程度に倍増するように構成しているが、これに限られるものではない。
【0025】
蛍光面7は、電子増倍部6で倍増された電子を受光し光変換するものである。
【0026】
画像出力部8は、蛍光面7に現れる輝点を画像化し光学像として出力するものである。なお、この画像出力部8が出力する光学像は、外部のビデオカメラで撮影し得る状態で出力するようにしているが、これに限られるものではない。
【0027】
制御部9は、超音波励起用レーザL1の放射タイミング、参照レーザL2の放射タイミングおよび掃引電極51a、51bへの掃引電圧の印加タイミングをそれぞれ制御するものである。例えば、超音波励起用レーザL1の放射タイミングと参照レーザL2の放射タイミングとを同期制御したり、また、掃引電圧の印加タイミングを、数十ps以下の掃引時間レンジ制御したりすることなどができる。
【0028】
次に上記構成のレーザ励起超音波画像装置Aの動作について説明する。
【0029】
まず、制御部9に制御されて超音波励起用レーザ放射部1から放射された超音波励起用レーザL1を、図4(a)に示す検査対象P(例えば、鋼材)の表面に照射すると、この照射点には熱的応力などによって超音波が発生し、検査対象P内部を伝播する超音波S1が励起される。
【0030】
そして、検査対象P内部に、欠陥があった場合(例えば、欠陥K)、その内部を伝播する超音波S1は、その欠陥Kによって反射され超音波エコーS2が発生する。
【0031】
一方、制御部9に制御されて参照レーザ放射部2から放射された参照レーザL2が、検査対象Pに反射する際、その表面で前記参照レーザL2と前記超音波エコーS2との相互作用によって生じた光強度又は光周波数の変化等を含む反射レーザL3が生じる。
【0032】
このようにして生じた反射レーザL3は、スリット3を介して、光電面4に到達する。具体的には、図5に示すように、スリット3を介して、反射レーザL3a、L3b、L3c、L3d、L3eの順に、光電面4に到達する。
【0033】
光電面4に到達した反射レーザL3は、電子となって放出される。
【0034】
そして光電面4から放出される電子Ea、Eb、Ec、Ed、Eeは、掃引部5の掃引電極51間で掃引され、図5に示すように偏位された状態で、順に電子増倍部6に到達する。
【0035】
このようにして電子増倍部6に到達した電子は、増倍され蛍光面7に到達することとなる。
【0036】
しかして、蛍光面7に到達した電子は光変換されて、輝点F(Fa、Fb、Fc、Fd、Fe)として現れ、画像出力部8によって、画像Zとして画像出力される。このようにして、ナノオーダの空間解像度の情報を持つ画像Zを得ることができる(図4(b)参照)。
【0037】
したがって、このようなレーザ励起超音波画像装置Aによれば、光電面4から放出され、少しずつ遅れてやってくる各電子Ea、Eb、Ec、Ed、Eeは、掃引部5において高速に掃引され、掃引方向5Hにおける少しずつ異なった方向に偏位され、蛍光面7に到達し輝点Fとして現れる。すなわち、反射レーザL3の時間的・空間的な光強度変化を、高精度に蛍光面7上で画像(光学像)として捉えることができる。
【0038】
すなわち、非破壊・非接触で、検査対象P内部の非常に細かい欠陥Kの検査や構造解析を、空間解像度がナノメータオーダで且つ速い検査速度で行えるといった、優れたレーザ励起超音波画像装置Aを提供することができる。
【0039】
前記掃引方向5Hと直交する方向に長手寸法を有するスリット3を設けているため、蛍光面7上における掃引方向5Hと同一方向を時間軸、直交する方向を空間軸として設定することができ、多点同時計測を行うことができる。これにより計測時間を短縮することができる。
【0040】
前記対を成す掃引電極51と前記蛍光面7との間に、掃引電極51で掃引された電子を検出し、増倍させた電子を蛍光面7に対して出力する電子増倍部6を設けているため、微弱な光を十分な光量まで倍増でき、高精度な解析に用いることができる。
【0041】
なお、本発明は前記実施形態に限られるものではない。
【0042】
例えば、スリット3を用いない構成零次元計測をすることができる。
【0043】
また、図6に示すように、電子増倍部6を用いない構成とすることもできる。
【0044】
また、参照レーザ放射部2に代えて、例えば、インコヒーレントな白色光を参照光として発光する参照光放射部を用いることもできる。
【0045】
また、検査対象は、鋼材に限られるものではない。
【0046】
また、レーザ励起超音波画像装置Aは欠陥の検査に限らず、内部構造の解析にも用いることができる。
【0047】
また、カメラユニットAUとして一体的に組み付ける各部の種類も本実施形態のものに限られるものではなく、また、一体的に組み付けなくても構わない。
【0048】
また、超音波励起用レーザ放射部1が放射する超音波励起用レーザL1のパルス幅を、数百ピコ秒以下としているが、これに限らず、ナノ秒以上とすることを妨げない。
【0049】
また、蛍光面7の後段にイメージインテンシファイアを配置することにより、蛍光面7に現れる輝点の光増倍部を設けるといった実施態様も考えられる。
【0050】
また、図1、図3、および図7に示す本発明の他の実施形態、すなわち、光干渉光学系を用いたレーザ励起超音波による検査対象Pの表面変位の計測をすることで、その検査対象Pの内部の欠陥を非破壊・非接触で検査する検査装置や検査対象Pの内部構造を解析する解析装置などとして用いることもできる。
【0051】
この場合には、図7に示すように、カメラユニットAUを、ハーフミラーHMを介してピエゾステージPSに対面配置する。そして、検査対象P内に生じたレーザ励起超音波の圧力によって検査対象Pの表面位置が変動することにより検査対象P表面からの反射光パスと、ピエゾステージPSからの反射光パスの光路差が変わることにより、カメラユニットAUで生じる光干渉の光強度の変動を計測などすればよい。
【0052】
その他、各部の具体的構成についても上記実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明の一実施形態に係るレーザ励起超音波画像装置の機能構成図。
【図2】同実施形態における各レーザの放射及び反射態様を説明するための説明図。
【図3】同実施形態におけるAU要部の構成を示す概略構成図。
【図4】同実施形態における超音波エコー等の発生態様を説明するための説明図及び得られる画像例を示す図。
【図5】同実施形態におけるレーザ励起超音波画像装置の動作を説明するための説明図。
【図6】本発明の他の実施形態における要部の構成を示す概略構成図。
【図7】本発明の他の実施形態に係るレーザ励起超音波画像装置を用いた光干渉計測系を示す図。
【符号の説明】
【0054】
A・・・・・・・・・・・・・レーザ励起超音波画像装置
F(Fa〜Fe)・・・・・・輝点
K・・・・・・・・・・・・・欠陥
L1・・・・・・・・・・・・パルスレーザ(超音波励起用レーザ)
L2・・・・・・・・・・・・参照光(参照レーザ)
L3・・・・・・・・・・・・反射光または散乱光(反射レーザ)
P・・・・・・・・・・・・・検査対象
S1・・・・・・・・・・・・超音波
S2・・・・・・・・・・・・超音波エコー
Z・・・・・・・・・・・・・画像
1・・・・・・・・・・・・・超音波励起用レーザ放射部
2・・・・・・・・・・・・・参照光放射部(参照レーザ放射部)
3・・・・・・・・・・・・・スリット
4・・・・・・・・・・・・・光電面
5・・・・・・・・・・・・・掃引部
5H・・・・・・・・・・・・掃引方向
6・・・・・・・・・・・・・電子増倍部
7・・・・・・・・・・・・・蛍光面
8・・・・・・・・・・・・・画像出力部
51(51a、51b)・・・掃引電極

【特許請求の範囲】
【請求項1】
検査対象に対してパルスレーザを放射し、前記検査対象の表面または内部を伝播する超音波を励起させる超音波励起用レーザ放射部と、
前記超音波が前記検査対象内部の欠陥或いは内部構造などに起因して発生する超音波エコーを検出するための参照光を放射する参照光放射部と、
前記参照光が検査対象に反射又は散乱した際に、その表面で前記参照光と前記超音波エコーとの相互作用によって生じた光強度又は光周波数の変化等を含む反射光または散乱光を受光し、この反射光または散乱光によって電子を放出する光電面と、
前記光電面から放出された電子の軌道を掃引するための対を成す掃引電極を備えた掃引部と、
前記掃引部で掃引された電子を光変換する蛍光面と、
前記蛍光面に現れる輝点を画像化して出力する画像出力部とを具備して成ることを特徴とするレーザ励起超音波画像装置。
【請求項2】
前記パルスレーザのパルス幅が、数百ピコ秒以下であることを特徴とする請求項1記載のレーザ励起超音波画像装置。
【請求項3】
前記参照光放射部が放射する参照光が、レーザであることを特徴とする請求項1または2記載のレーザ励起超音波画像装置。
【請求項4】
前記掃引方向と直交する方向に長手寸法を有するスリットを設けていることを特徴とする請求項1乃至3いずれか記載のレーザ励起超音波画像装置。
【請求項5】
前記対を成す掃引電極と前記蛍光面との間に、掃引電極で掃引された電子を検出し、増倍させた電子を蛍光面に対して出力する電子増倍部を設けていることを特徴とする請求項1乃至4いずれか記載のレーザ励起超音波画像装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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