説明

レーザ駆動回路及びレーザディスプレイ

【課題】レーザ駆動回路、及びレーザ駆動回路を備えるレーザディスプレイにおいて、低消費電力でレーザダイオードを発光駆動する。
【解決手段】電流出力禁止部60は、電流供給部40−1において、電流路切換えスイッチ45−1により電流出力ライン42−1がグランドライン44−1に接続されているとき、電圧入力スイッチ61−1により電圧入力ライン46−1を切断して、電圧/電流変換部41−1に電圧が入力されないようにすることにより、電圧/電流変換部41−1により電流が生成されて出力されるのを禁止する。また、電流出力禁止部60は、電流供給部40−2〜40−8がグランドライン44−2〜44−8に接続されているときも、同様に、電流が生成されて出力されるのを禁止する。これにより、電流供給部40−1〜40−8からレーザダイオード11rに電流が供給されないとき、不要な電流が生成されてグランドに放出されることがない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レーザダイオードを発光駆動するレーザ駆動回路、及びレーザ駆動回路を備えるレーザディスプレイに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、スクリーンにレーザ光を照射して画像を表示するレーザディスプレイがある。このようなレーザディスプレイは、レーザダイオードを発光駆動するためのレーザ駆動回路を備えており、レーザ駆動回路によりレーザダイオードを発光駆動して、レーザ光をスクリーンに照射するようになっている。このようなレーザ駆動回路としては、図5に示す構成のものが知られている。
【0003】
図5に示すレーザ駆動回路100は、レーザダイオード101に電流を供給して、レーザダイオード101を発光駆動する電流駆動型のレーザ駆動回路である。このレーザ駆動回路100は、閾値電流用の電流供給部140−0から閾値電流をレーザダイオード101に供給すると共に、複数(8個)の輝度電流用の電流供給部140−1〜140−8から輝度電流をレーザダイオード101に供給して、レーザダイオード101を発光駆動するようになっている。閾値電流とは、レーザダイオード101を発光させるときに必要とする基礎レベルの電流(閾値電圧に対応した電流)であり、輝度電流とは、レーザダイオード101の発光輝度(発光出力強度)を調整するための電流である。
【0004】
閾値電流用の電流供給部140−0では、閾値電圧出力部147−0から電圧入力ライン146−0を経由して電圧/電流変換部141−0に閾値電圧が入力されることにより、電圧/電流変換部141−0によって、その入力された閾値の大きさに応じた電流である閾値電流が生成され、その閾値電流が電流出力供給ライン142−0から出力される。電流出力供給ライン142−0から出力される閾値電流は、レーザダイオード101に供給される。
【0005】
輝度電流用の電流供給部140−1では、輝度電圧出力部147−1により、最大出力電圧供給部150から供給される電圧に基いて輝度電圧が生成され、そして、輝度電圧出力部147−1から電圧入力ライン146−1を経由して電圧/電流変換部141−1に輝度電圧が入力されることにより、電圧/電流変換部141−1によって、その入力された輝度電圧の大きさに応じた電流である輝度電流が生成され、その輝度電流が電流出力ライン142−1から出力される。そして、電流出力ライン142−1から出力される輝度電流は、電流路切換えスイッチ145−1が電流出力ライン142−1を電流供給ライン143−1に接続しているときには、電流供給ライン143−1を経由してレーザダイオード101に供給され、電流路切換えスイッチ145−1が電流出力ライン142−1をグランドライン144−1に接続しているときには、グランドライン144−1を経由してグランドに放出される。
【0006】
輝度電流用の電流供給部140−2〜140−8でも、同様に、輝度電圧出力部147−2〜147−8により、最大出力電圧供給部150から供給される電圧に基いて輝度電圧が生成され、そして、輝度電圧出力部147−2〜147−8から電圧入力ライン146−2〜146−8を経由して電圧/電流変換部141−2〜142−8に輝度電圧が入力されることにより、電圧/電流変換部141−2〜142−8によって、その入力された輝度電圧の大きさに応じた電流である輝度電流が生成され、その輝度電流が電流出力ライン142−2〜142−8から出力される。そして、電流出力ライン142−2〜142−8から出力される輝度電流は、電流路切換えスイッチ145−2〜145−8が電流出力ライン142−2〜142−8を電流供給ライン143−2〜143−8に接続しているときには、電流供給ライン143−2〜143−8を経由してレーザダイオード101に供給され、電流路切換えスイッチ145−2〜145−8が電流出力ライン142−2〜142−8をグランドライン144−2〜144−8に接続しているときには、グランドライン144−2〜144−8を経由してグランドに放出される。
【0007】
但し、各輝度電流用の電流供給部140−1〜140−8の輝度電圧出力部147−1〜147−8は、互いに異なる大きさの輝度電圧を出力する。従って、各輝度電流用の電流供給部140−1〜140−8の電圧/電流変換部141−1〜141−8は、互いに異なる大きさの輝度電流を生成する。
【0008】
閾値電流用の電流供給部140−0の電流出力供給ライン142−0、及び輝度電流用の電流供給部140−1〜140−8の電流供給ライン143−1〜143−8は、並列に接続されている。従って、電流出力供給ライン142−0に流れる閾値電流、及び電流供給ライン143−1〜143−8に流れる輝度電流が合流(加算)されてレーザダイオード101に供給され、その電流によってレーザダイオード101が発光駆動される。
【0009】
電流路切換えスイッチ145−1〜145−8により、電流出力ライン142−1〜142−8の電流供給ライン143−1〜143−8及びグランドライン144−1〜144−8への接続が切換えられることによって、レーザダイオード101に供給される電流の大きさが変化し、レーザダイオード101の発光輝度が変化する。
【0010】
電流路切換えスイッチ145−1〜145−8による電流出力ライン142−1〜142−8の電流供給ライン143−1〜143−8及びグランドライン144−1〜144−8への接続の切換えは、切換えスイッチ制御部170によって制御される。
【0011】
切換えスイッチ制御部170により電流出力ライン142−1〜142−8の電流供給ライン143−1〜143−8及びグランドライン144−1〜144−8への接続の切換えが制御されることにより、レーザダイオード101に供給される電流の大きさが制御され、レーザダイオード101の発光輝度が制御される。
【0012】
また、マトリックス型ディスプレイにおいて、1走査期間において、駆動電流の電流経路の導通と遮断を繰り返すことにより、画像の表示品質を向上するようにしたものが知られている(例えば特許文献1参照)。また、マトリックス型ディスプレイにおいて、非表示部の輝度が上昇しないようにし、非表示部におけるクロストークを防止するようにしたものが知られている(例えば特許文献2参照)。また、マトリックス型ディスプレイにおいて、動画像をボケやにじみのない良好な表示品質で表示できるようにしたものが知られている(例えば特許文献3参照)。また、マトリックス型ディスプレイにおいて、出力電流の閾値電圧に対する依存性に加え、キャリア移動度に対する依存性を補正することにより、画面のユニフォーミティを改善するようにしたものが知られている(例えば特許文献4参照)。また、マトリックス型ディスプレイにおいて、表示に関与しない期間においてデータ線に流れる電流を補正電流として、表示にかかる電流がデータ線に印加されるべき期間において、補正電流によって補正した映像電流をデータ線に印加することにより、良好な階調表示を実現するようにしたものが知られている(例えば特許文献5参照)。
【特許文献1】特開2008−83727号公報
【特許文献2】特開2007−188098号公報
【特許文献3】特開2006−330138号公報
【特許文献4】特開2006−251632号公報
【特許文献5】特開2005−157322号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
ところで、上述した従来のレーザ駆動回路では、レーザダイオードの発光輝度を高速で制御することを可能にするために、複数の電流供給部のうちレーザダイオードに電流を供給しない電流供給部において、電圧/電流変換部の電圧/電流変換機能を停止させることなく、電流出力ラインをグランドラインに接続することにより、レーザダイオードに電流を供給しないようにしている。つまり、従来のレーザ駆動回路では、レーザダイオードに電流を供給しない電流供給部において、電圧/電流変換部により電流を生成し続けて、その電流をグランドに放出することにより、レーザダイオードに電流を供給しないようにしている。このため、従来のレーザ駆動回路では、レーザダイオードの発光に寄与しない電流を無駄に生成して出力しており、消費電力が高くなる。なお、上述した特許文献1乃至特許文献5に開示の内容を適用したとしても、上記の問題を解決することはできない。
【0014】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、低消費電力でレーザダイオードを発光駆動することができるレーザ駆動回路、及びレーザ駆動回路を備えるレーザディスプレイを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記目的を達成するために請求項1の発明は、レーザダイオードに電流を供給して、レーザダイオードを発光駆動するレーザ駆動回路であって、レーザダイオードに電流を供給する電流供給手段を備え、電流供給手段は、入力された電圧を電流に変換して、電流を生成する電圧/電流変換部と、電圧/電流変換部に接続され、電圧/電流変換部により生成された電流を出力するための電流出力ラインと、レーザダイオードに接続され、レーザダイオードに電流を供給するための電流供給ラインと、グランドに接続されたグランドラインと、電流出力ラインを電流供給ラインとグランドラインのいずれか一方に選択的に接続するように切換える電流路切換えスイッチとを有し、電圧/電流変換部から電流出力ライン及び電流路切換えスイッチを経由して電流供給ラインに流れる電流がレーザダイオードに供給され、その電流によってレーザダイオードが発光駆動されるレーザ駆動回路において、電流路切換えスイッチにより電流出力ラインがグランドラインに接続されているときに、電圧/電流変換部により電流が生成されて電流出力ラインから電流が出力されるのを禁止する電流出力禁止手段を備えるものである。
【0016】
請求項2の発明は、電流供給手段は、電圧/電流変換部に接続され、電圧/電流変換部に電圧を入力するための電圧入力ラインをさらに有し、電流出力禁止手段は、電圧入力ラインを接続/切断する電圧入力スイッチを有し、該電圧入力スイッチにより電圧入力ラインを切断して、電圧/電流変換部に電圧が入力されないようにすることにより、電圧/電流変換部により電流が生成されて電流出力ラインから電流が出力されるのを禁止するものである。
【0017】
請求項3の発明は、電流出力禁止手段は、電流路切換えスイッチにより電流出力ラインがグランドラインに接続される期間が、電圧入力スイッチにより電圧入力ラインが切断されたときの電流出力ラインから出力される電流の立下り時間と、電圧入力スイッチにより電圧入力ラインが接続されたときの電流出力ラインから出力される電流の立上り時間の和よりも長いときに、電圧入力スイッチにより電圧入力ラインを切断することによって、電圧/電流変換部により電流が生成されて電流出力ラインから電流が出力されるのを禁止するものである。
【0018】
請求項4の発明は、電流出力禁止手段は、電流出力ラインを接続/切断する電流出力スイッチを有し、該電流出力スイッチにより電流出力ラインを切断して、電流路を切断することにより、電圧/電流変換部により電流が生成されて電流出力ラインから電流が出力されるのを禁止するものである。
【0019】
請求項5の発明は、電流出力禁止手段は、電流路切換えスイッチにより電流出力ラインがグランドラインに接続される期間が、電流出力スイッチにより電流出力ラインが切断されたときの電流出力ラインから出力される電流の立下り時間と、電流出力スイッチにより電流出力ラインが接続されたときの電流出力ラインから出力される電流の立上り時間の和よりも長いときに、電流出力スイッチにより電流出力ラインを切断することによって、電圧/電流変換部により電流が生成されて電流出力ラインから電流が出力されるのを禁止するものである。
【0020】
請求項6の発明は、電流供給手段は、電圧/電流変換部に入力する電圧を出力する電圧出力部をさらに有し、電流出力禁止手段は、電圧出力部の出力する電圧値を制御する電圧制御手段を有し、該電圧制御手段により電圧出力部の出力する電圧値を0にして、電圧/電流変換部に電圧が入力されないようにすることにより、電圧/電流変換部により電流が生成されて電流出力ラインから電流が出力されるのを禁止するものである。
【0021】
請求項7の発明は、電流供給手段を複数備え、複数の電流供給手段の電流供給ラインに流れる電流が合流されてレーザダイオードに供給され、その電流によってレーザダイオードが発光駆動され、電流出力禁止手段は、複数の電流供給手段のうち、電流路切換えスイッチにより電流出力ラインがグランドラインに接続されているものがあるときに、その電流供給手段において、電圧/電流変換部により電流が生成されて電流出力ラインから電流が出力されるのを禁止するものである。
【0022】
請求項8の発明は、レーザダイオードと、レーザダイオードに電流を供給して、レーザダイオードを発光駆動するレーザ駆動回路と、レーザダイオードから発光されたレーザ光をスクリーン上に走査する走査手段とを備え、走査手段によるレーザ光の走査を制御して、スクリーン上におけるレーザ光の照射位置を制御すると共に、レーザ駆動回路によるレーザダイオードの発光駆動を制御して、スクリーン上に照射するレーザ光の発光輝度を制御することにより、スクリーン上に画像を表示するレーザディスプレイにおいて、レーザ駆動回路は、請求項1乃至請求項7のいずれか一項に記載のレーザ駆動回路であるものである。
【発明の効果】
【0023】
請求項1の発明によれば、電流出力ラインがグランドラインに接続されているとき、すなわち、電圧/電流変換部からレーザダイオードに電流が供給されないとき、電流出力禁止手段によって、電圧/電流変換部により電流が生成されて電流出力ラインから電流が出力されるのを禁止することができる。これにより、電圧/電流変換部からレーザダイオードに電流が供給されないとき、レーザダイオードの発光に寄与しない不要な電流が電圧/電流変換部により生成されてグランドに放出されないようにすることができ、消費電力を低減して、低消費電力でレーザダイオードを発光駆動することができる。
【0024】
請求項2の発明によれば、電圧入力ラインを接続/切断する電圧入力スイッチを設け、電圧入力スイッチにより電圧入力ラインを切断するという簡単な構成によって、電流出力禁止手段を実現することができる。また、電圧入力ラインを接続/切断する構成によれば、電圧/電流変換部の電圧/電流変換機能自体を開始/停止させる構成と比較して、電流出力ラインから出力される電流の立上り時間及び立下り時間を短くすることができ、レーザダイオードの発光輝度を高速で制御することを可能にしながら、消費電力を低減することができる。
【0025】
請求項3の発明によれば、電流出力ラインがグランドラインに接続された後に再び電流供給ラインに接続されたとき、電流出力ラインから出力される電流の立上り期間中における変化途上の電流がレーザダイオードに供給されることがなく、電流出力ラインから出力される電流の立上り期間後における一定の値に安定した電流をレーザダイオードに供給することができる。これにより、消費電力を低減することができると共に、電流出力ラインがグランドラインに接続された後に再び電流供給ラインに接続されたときに、レーザダイオードを一定の発光輝度で発光させることができる。
【0026】
請求項4の発明によれば、電流出力ラインを接続/切断する電流出力スイッチを設け、電流出力スイッチにより電流出力ラインを切断するという簡単な構成によって、電流出力禁止手段を実現することができる。また、電流出力ラインを接続/切断する構成によれば、電圧/電流変換部の電圧/電流変換機能自体を開始/停止させる構成と比較して、電流出力ラインから出力される電流の立上り時間及び立下り時間を短くすることができ、レーザダイオードの発光輝度を高速で変化させることを可能にしながら、消費電力を低減することができる。
【0027】
請求項5の発明によれば、電流出力ラインがグランドラインに接続された後に再び電流供給ラインに接続されたとき、電流出力ラインから出力される電流の立上り期間中における変化途上の電流がレーザダイオードに供給されることがなく、電流出力ラインから出力される電流の立上り期間後における一定の値に安定した電流をレーザダイオードに供給することができる。これにより、消費電力を低減することができると共に、電流出力ラインがグランドラインに接続された後に再び電流供給ラインに接続されたときに、レーザダイオードを一定の発光輝度で発光させることができる。
【0028】
請求項6の発明によれば、電圧出力部の出力する電圧値を制御する電圧制御手段を設け、電圧制御手段により電圧出力部の出力する電圧値を制御して0にするという簡単な構成によって、電流出力禁止手段を実現することができる。また、電圧出力部の出力する電圧値を制御して0にする構成によれば、電圧/電流変換部の電圧/電流変換機能自体を開始/停止させる構成と比較して、電流出力ラインから出力される電流の立上り時間及び立下り時間を短くすることができ、レーザダイオードの発光輝度を高速で変化させることを可能にしながら、消費電力を低減することができる。
【0029】
請求項7の発明によれば、電流出力ラインがグランドラインに接続されている電流供給手段があるとき、すなわち、電圧/電流変換部からレーザダイオードに電流が供給されない電流供給手段があるとき、電流出力禁止手段によって、その電流供給手段の電圧/電流変換部により電流が生成されて電流出力ラインから電流が出力されるのを禁止することができる。これにより、電圧/電流変換部からレーザダイオードに電流が供給されない電流供給手段があるとき、その電流供給手段において、レーザダイオードの発光に寄与しない不要な電流が電圧/電流変換部により生成されてグランドに放出されないようにすることができ、消費電力を低減して、低消費電力でレーザダイオードを発光駆動することができる。
【0030】
請求項8の発明によれば、レーザ駆動回路によりレーザダイオードを発光駆動し、レーザダイオードから発光されたレーザ光をスクリーン上に照射して、スクリーン上に画像を表示するレーザディスプレイにおいて、請求項1乃至請求項7と同様の効果が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
以下、本発明を具体化した実施形態によるレーザ駆動回路及びレーザディスプレイについて図面を参照して説明する。図1は、本実施形態によるレーザ駆動回路を備えるレーザディスプレイの構成を示す。レーザディスプレイ1は、スクリーン2上にレーザ光を照射して画像を表示する装置である。
【0032】
レーザディスプレイ1は、レーザ光を発光するレーザダイオード11r、11b、11gと、レーザダイオード11r、11b、11gの発光を制御するレーザ制御部12と、レーザダイオード11r、11b、11gから発光されたレーザ光をスクリーン2上に走査するためのXYスキャナミラー13と、XYスキャナミラー13を駆動するXYドライバ14と、XYスキャナミラー13の駆動周波数を制御する駆動周波数コントローラ15とを備える。
【0033】
また、レーザディスプレイ1は、第1のハーフミラー16と、コリメータレンズ17と、第2のハーフミラー18と、第1の光検出器19と、レーザパワー検出部20と、第2の光検出器21と、位置検出部22と、位置検出コントローラ23と、ビデオI/F24と、VRAM25と、レーザディスプレイ1の動作を制御するCPU26等を備える。
【0034】
レーザダイオード11r、11b、11g、XYスキャナミラー13、第1のハーフミラー16、コリメータレンズ17、第2のハーフミラー18、第1の光検出器19、レーザパワー検出部20、第2の光検出器21、及び位置検出部22により光学システム28構成されている。また、レーザ制御部12、駆動周波数コントローラ15、位置検出コントローラ23、ビデオI/F24、VRAM25、及びCPU26によって制御システム29が構成されている。
【0035】
レーザダイオード11rは、赤色のレーザ光を発光するレーザダイオードである。また、レーザダイオード11bは、青色のレーザ光を発光するレーザダイオードであり、レーザダイオード11gは、緑色のレーザ光を発光するレーザダイオードである。レーザダイオード11r、11b、11gは、各々、電流が供給されることにより、その電流の大きさに応じた発光出力強度(発光輝度)でレーザ光を発光する。
【0036】
レーザ制御部12は、レーザダイオード11r、11b、11gを発光駆動する電流駆動型のレーザ駆動回路30r、30b、30gを備えている。レーザ駆動回路30rは、レーザダイオード11rに電流を供給して、レーザダイオード11rを発光駆動する回路である。また、レーザ駆動回路30bは、レーザダイオード11bに電流を供給して、レーザダイオード11bを発光駆動する回路であり、レーザ駆動回路30gは、レーザダイオード11gに電流を供給して、レーザダイオード11gを発光駆動する回路である。レーザ駆動回路30r、30b、30gは、各々、CPU26による制御のもと、レーザダイオード11r、11b、11gに電流を供給して、レーザダイオード11r、11b、11gを発光駆動する。
【0037】
XYスキャナミラー13は、2つの異なる軸を中心に回動可能になっており、レーザダイオード11r、11b、11gから発光されたレーザ光を反射する。XYドライバ14は、XYスキャナミラー13を駆動して、XYスキャナミラー13を2つの異なる軸を中心に周期的に回動させる。駆動周波数コントローラ15は、CPU26による制御のもと、XYドライバ14によるXYスキャナミラー13の駆動周波数(XYスキャナミラー13の回動周期)を設定する。
【0038】
第1のハーフミラー16は、レーザダイオード11r、11bから発光されたレーザ光の一部を反射させると共に、レーザダイオード11r、11bから発光されたレーザ光の残りの一部を透過させ、また、レーザダイオード11gから発光されたレーザ光の一部を透過させると共に、レーザダイオード11gから発光されたレーザ光の残りの一部を反射させる。
【0039】
コリメータレンズ17は、レーザダイオード11r、11bから発光されて第1のハーフミラー16で反射されたレーザ光、及びレーザダイオード11gから発光されて第1のハーフミラー16を透過したレーザ光をコリメータする。コリメータレンズ17によりコリメータされたレーザ光は、XYスキャナミラー13により反射される。
【0040】
第2のハーフミラー18は、XYスキャナミラー13で反射されたレーザ光の一部を透過させると共に、XYスキャナミラー13で反射されたレーザ光の一部を反射する。第2のハーフミラー18を透過したレーザ光は、レーザディスプレイ1から出射されて、スクリーン2に照射される。
【0041】
XYスキャナミラー13がXYドライバ14により駆動されて回動することにより、XYスキャナミラー13でのレーザ光の反射方向が変化し、レーザディスプレイ1から出射されるレーザ光の出射方向が変化して、レーザ光がスクリーン2上に走査される。XYスキャナミラー13及びXYドライバ14により、レーザダイオード11r、11b、11gから発光されたレーザ光をスクリーン2上に走査する走査手段が構成されている。
【0042】
第1の光検出器19は、レーザダイオード11r、11bから発光されて第1のハーフミラー16を透過したレーザ光、及びレーザダイオード11gから発光されて第1のハーフミラー16で反射されたレーザ光を受光し、その受光強度に対応する受光出力を出力する。レーザパワー検出部20は、第1の光検出器19の受光出力に基いて、レーザダイオード11r、11b、11gから発光されたレーザ光の発光出力強度を検出し、その検出結果をレーザ制御部12に与える。
【0043】
第2の光検出器21は、第2のハーフミラー18で反射されたレーザ光を受光し、第2のハーフミラー18から第2の光検出器21へのレーザ光の入射位置に対応する受光出力を出力する。位置検出部22は、第2の光検出器21の受光出力に基いて、XYスキャナミラー13の回動位置を検出し、その検出結果を位置検出コントローラ23に与える。位置検出コントローラ23は、位置検出部22の検出結果に基いて、スクリーン2上におけるレーザ光の照射位置を検出し、その検出結果をCPU26に与える。
【0044】
ビデオI/F24は、ビデオ信号を受信する。VRAM25は、レーザディスプレイ1の動作を制御するためのプログラムや各種データを記憶している。また、VRAM25は、CPU26による制御のもと、ビデオI/F24から受信したビデオ信号に基く画像のピクセル輝度値等を一時的に記憶する。
【0045】
このような構成のレーザディスプレイ1は、CPU26による制御のもと、XYスキャナミラー13によるレーザ光の走査を制御して、スクリーン2上におけるレーザ光の照射位置を制御すると共に、レーザ駆動回路30r、30b、30gによるレーザダイオード11r、11b、11gの発光駆動を制御して、スクリーン2上に照射するレーザ光の発光輝度を制御することにより、スクリーン2上に画像を表示する。
【0046】
図2は、レーザ駆動回路30rの構成を示す。レーザ駆動回路30rの構成、レーザ駆動回路30bの構成、及びレーザ駆動回路30gの構成は同様であり、以下に、レーザ駆動回路30rの構成について説明する。
【0047】
レーザ駆動回路30rは、レーザダイオード11rに電流を供給して、レーザダイオード11rを発光駆動する電流駆動型のレーザ駆動回路であり、閾値電流用の電流供給部40−0と、複数(8個)の輝度電流用の電流供給部40−1、40−2、40−3、40−4、40−5、40−6、40−7、40−8と、最大出力電圧供給部50と、電流出力禁止部60と、切換えスイッチ制御部70と、電圧入力スイッチ制御部80とを備える。
【0048】
閾値電流用の電流供給部40−0は、閾値電流をレーザダイオード11rに供給する回路である。閾値電流とは、レーザダイオード101を発光させるときに必要とする基礎レベルの電流(閾値電圧に対応した電流)である。閾値電流用の電流供給部40−0は、電圧/電流変換部41−0と、電流出力供給ライン42−0と、電圧入力ライン46−0と、閾値電圧出力部47−0とを備える。
【0049】
電圧/電流変換部41−0は、入力された電圧を電流に変換して、電流を生成する回路である。電流出力供給ライン42−0は、電圧/電流変換部41−0により生成された電流を出力してレーザダイオード11rに供給するためのラインであり、電圧/電流変換部41−0及びレーザダイオード11rに接続されている。
【0050】
電圧入力ライン46−0は、電圧/電流変換部41−0に電圧を入力するためのラインであり、電圧/電流変換部41−0に接続されている。閾値電圧出力部47−0は、電圧/電流変換部41−0に入力する電圧を出力する回路であり、電圧入力ライン46−0に接続されている。閾値電圧出力部47−0は、電圧/電流変換部41−0により閾値電流を生成するための閾値電圧を電圧入力ライン46−0に出力する。
【0051】
閾値電圧出力部47−0から電圧入力ライン46−0を経由して電圧/電流変換部41−0に閾値電圧が入力されることにより、電圧/電流変換部41−0によって、その入力された閾値電圧の大きさに応じた電流である閾値電流が生成され、その閾値電流が電流出力供給ライン42−0から出力される。電流出力供給ライン42−0から出力される閾値電流は、レーザダイオード11rに供給される。
【0052】
輝度電流用の電流供給部40−1、40−2、40−3、40−4、40−5、40−6、40−7、40−8は、輝度電流をレーザダイオード11rに供給する回路である。輝度電流とは、レーザダイオード11rの発光輝度(発光出力強度)を調整するための電流である。
【0053】
輝度電流用の電流供給部40−1は、電圧/電流変換部41−1と、電流出力ライン42−1と、電流供給ライン43−1と、グランドライン44−1と、電流路切換えスイッチ45−1と、電圧入力ライン46−1と、輝度電圧出力部47−1とを備える。
【0054】
電圧/電流変換部41−1は、入力された電圧を電流に変換して、電流を生成する回路である。電流出力ライン42−1は、電圧/電流変換部41−1により生成された電流を出力するためのラインであり、電圧/電流変換部41−1に接続されている。電流供給ライン43−1は、電圧/電流変換部41−1により生成されて電流出力ライン42−1に出力される電流をレーザダイオード11rに供給するためのラインであり、レーザダイオード11rに接続されている。グランドライン44−1は、電圧/電流変換部41−1により生成されて電流出力ライン42−1に出力される電流をグランドに放出するためのラインであり、グランドに接続されている。電流路切換えスイッチ45−1は、電流出力ライン42−1を電流供給ライン43−1とグランドライン44−1のいずれか一方に選択的に接続するように切換えるためのスイッチである。
【0055】
電圧入力ライン46−1は、電圧/電流変換部41−1に電圧を入力するためのラインであり、電圧/電流変換部41−1に接続されている。輝度電圧出力部47−1は、電圧/電流変換部41−1に入力する電圧を出力する回路であり、電圧入力ライン46−1に接続されている。輝度電圧出力部47−1は、最大出力電圧供給部50から供給される電圧に基いて、電圧/電流変換部41−1により輝度電流を生成するための輝度電圧を生成し、その輝度電圧を電圧入力ライン46−1に出力する。
【0056】
輝度電圧出力部47−1から電圧入力ライン46−1を経由して電圧/電流変換部41−1に輝度電圧が入力されることにより、電圧/電流変換部41−1によって、その入力された輝度電圧の大きさに応じた電流である輝度電流が生成され、その輝度電流が電流出力ライン42−1から出力される。電流出力ライン42−1から出力される輝度電流は、電流路切換えスイッチ45−1が電流出力ライン42−1を電流供給ライン43−1に接続しているときには、電流供給ライン43−1を経由してレーザダイオード11rに供給され、電流路切換えスイッチ45−1が電流出力ライン42−1をグランドライン44−1に接続しているときには、グランドライン44−1を経由してグランドに放出される。
【0057】
輝度電流用の電流供給部40−2は、電圧/電流変換部41−2と、電流出力ライン42−2と、電流供給ライン43−2と、グランドライン44−2と、電流路切換えスイッチ45−2と、電圧入力ライン46−2と、輝度電圧出力部47−2とを備えており、電流供給部40−1と同様の構成になっている。
【0058】
また、輝度電流用の電流供給部40−3〜40−8も、それぞれ、電圧/電流変換部41−3〜41−8と、電流出力ライン42−3〜42−8と、電流供給ライン43−3〜43−8と、グランドライン44−3〜44−8と、電流路切換えスイッチ45−3〜45−8と、電圧入力ライン46−3〜46−8と、輝度電圧出力部47−3〜47−8とを備えており、電流供給部40−1と同様の回路構成になっている。
【0059】
但し、各輝度電流用の電流供給部40−1〜40−8の輝度電圧出力部47−1〜47−8は、互いに異なる大きさの輝度電圧を出力する。従って、各輝度電流用の電流供給部40−1〜40−8の電圧/電流変換部41−1〜41−8は、互いに異なる大きさの輝度電流を生成する。
【0060】
閾値電流用の電流供給部40−0の電流出力供給ライン42−0、及び輝度電流用の電流供給部40−1〜40−8の電流供給ライン43−1〜43−8は、並列に接続されている。従って、電流出力供給ライン42−0に流れる閾値電流、及び電流供給ライン43−1〜43−8に流れる輝度電流が合流(加算)されてレーザダイオード11rに供給され、その電流によってレーザダイオード11rが発光駆動される。
【0061】
電流出力禁止部60は、複数(閾値電流用の電流供給部40−0及び輝度電流用の電流供給部40−1、40−2、40−3、40−4、40−5、40−6、40−7、40−8に対応した9個)の電圧入力スイッチ61−0、61−1、61−2、61−3、61−4、61−5、61−6、61−7、61−8を備える。
【0062】
電圧入力スイッチ61−0は、閾値電流用の電流供給部40−0の電圧入力ライン46−0を接続/切断するスイッチであり、電圧入力ライン46−0上に設けられている。電圧入力スイッチ61−1は、輝度電流用の電流供給部40−1の電圧入力ライン46−1を接続/切断するスイッチであり、電圧入力ライン46−1上に設けられている。同様に、電圧入力スイッチ61−2〜61−8は、輝度電流用の電流供給部40−2〜40−8の電圧入力ライン46−2〜46−8を接続/切断するスイッチであり、電圧入力ライン46−2〜46−8上に設けられている。
【0063】
電圧入力スイッチ61−0が電圧入力ライン46−0を接続しているときには、閾値電圧出力部47−0から出力される電圧が電圧入力ライン46−0を経由して電圧/電流変換部41−0に入力され、これにより、電圧/電流変換部41−0によって電流が生成され、その電流が電流出力供給ライン42−0から出力される。一方、電圧入力スイッチ61−0が電圧入力ライン46−0を切断しているときには、電圧/電流変換部41−0に電圧が入力されず、これにより、電圧/電流変換部41−0によって電流が生成されず、電流出力供給ライン42−0から電流が出力されない。
【0064】
電圧入力スイッチ61−1が電圧入力ライン46−1を接続しているときには、輝度電圧出力部47−1から出力される電圧が電圧入力ライン46−1を経由して電圧/電流変換部41−1に入力され、これにより、電圧/電流変換部41−1により電流が生成され、その電流が電流出力ライン42−1から出力される。一方、電圧入力スイッチ61−1が電圧入力ライン46−1を切断しているときには、電圧/電流変換部41−1に電圧が入力されない。従って、電圧/電流変換部41−1によって電流が生成されず、電流出力ライン42−1から電流が出力されない。
【0065】
同様に、電圧入力スイッチ61−2〜61−8が電圧入力ライン46−2〜46−8を接続しているときには、輝度電圧出力部47−2〜47−8から出力される電圧が電圧入力ライン46−2〜46−8を経由して電圧/電流変換部41−2〜41−8に入力され、これにより、電圧/電流変換部41−2〜41−8により電流が生成され、その電流が電流出力ライン42−2〜42−8から出力される。一方、電圧入力スイッチ61−2〜61−8が電圧入力ライン46−2〜46−8を切断しているときには、電圧/電流変換部41−2〜41−8に電圧が入力されず、これにより、電圧/電流変換部41−2〜41−8によって電流が生成されず、電流出力ライン42−2〜42−8から電流が出力されない。
【0066】
電流出力禁止部60は、電圧入力スイッチ61−0により閾値電流用の電流供給部40−0の電圧入力ライン46−0を切断して、閾値電流用の電流供給部40−0の電圧/電流変換部41−0に電圧が入力されないようにすることにより、閾値電流用の電流供給部40−0の電圧/電流変換部41−0により電流が生成されて出力されるのを禁止する。
【0067】
また、電流出力禁止部60は、電圧入力スイッチ61−1〜61−8により輝度電流用の電流供給部40−1〜40−8の電圧入力ライン46−1〜41−8を切断して、輝度電流用の電流供給部40−1〜40−8の電圧/電流変換部41−1〜41−8に電圧が入力されないようにすることにより、輝度電流用の電流供給部40−1〜40−8の電圧/電流変換部41−1〜41−8により電流が生成されて出力されるのを禁止する。
【0068】
切換えスイッチ制御部70は、電流路切換えスイッチ45−1〜45−8を制御して、電流路切換えスイッチ45−1〜45−8による電流出力ライン42−1〜42−8の電流供給ライン43−1〜43−8及びグランドライン44−1〜44−8への接続の切換えを制御する。
【0069】
電圧入力スイッチ制御部80は、電流出力禁止部60の電圧入力スイッチ61−0〜61−8を制御して、電圧入力スイッチ61−0〜61−8による電圧入力ライン46−0〜46−8の接続/切断を制御する。
【0070】
切換えスイッチ制御部70により、電流路切換えスイッチ45−1〜45−8による電流出力ライン42−1〜42−8の電流供給ライン43−1〜43−8及びグランドライン44−1〜44−8への接続の切換えが制御されると共に、電圧入力スイッチ制御部80により、電圧入力スイッチ61−0〜61−8による電圧入力ライン46−0〜46−8の接続/切断が制御されることにより、レーザダイオード11rに供給される電流の大きさが制御され、レーザダイオード11rの発光輝度が制御される。
【0071】
このような構成のレーザ駆動回路30rにおいて、切換えスイッチ制御部70には、上記CPU26から出力階調信号が入力され、切換えスイッチ制御部70は、この出力階調信号に基いて、輝度電流用の電流供給部40−1〜40−8の電流路切換えスイッチ45−1〜45−8を制御する。また、電圧入力スイッチ制御部80には、上記CPU26から電圧オフチャンネル信号が入力され、電圧入力スイッチ制御部80は、この電圧オフチャンネル信号に基いて、電流出力禁止部60の電圧入力スイッチ61−0〜61−8を制御する。
【0072】
出力階調信号とは、レーザダイオード11rの発光輝度を示す信号であり、電流出力ライン42−1〜42−8を電流供給ライン43−1〜43−8とグランドライン44−1〜44−8のどちらに接続するのかを示す信号である。また、電圧オフチャンネル信号とは、電圧入力ライン46−0〜46−8を接続と切断のどちらにするのかを示す信号である。
【0073】
出力階調信号は、CPU26によって、以下のようにして生成される。すなわち、CPU26は、ビデオI/F24から入力されるビデオ信号に基いて、表示しようとする画像の各ピクセルのピクセル輝度値を求め、そして、そのピクセル輝度値に基いて、そのピクセル輝度値に対応する出力階調信号を生成する。
【0074】
本実施形態では、8個の輝度電流用の電流供給部40−1〜40−8を備えているため、CPU26は、ピクセル輝度値を8ビットの2値データ「XXXXXXXX」(Xは「0」又は「1」)によって表現する。
【0075】
ここで、ピクセル輝度値「XXXXXXXX」の各ビットは、輝度電流用の各電流供給部40−1〜40−8に対応し、ピクセル輝度値「XXXXXXXX」の各ビットの値(「0」又は「1」)は、電流出力ライン42−1〜42−8を電流供給ライン43−1〜43−8とグランドライン44−1〜44−8のいずれに接続するのかに対応する。
【0076】
つまり、ピクセル輝度値「XXXXXXXX」の最上位ビット(MSB)が電流供給部40−1に対応し、第2位ビットが電流供給部40−2に対応し、第3位ビットが電流供給部40−3に対応し、第4位ビットが電流供給部40−4に対応し、第5位ビットが電流供給部40−5に対応し、第6位ビットが電流供給部40−6に対応し、第7位ビットが電流供電流供給部40−7に対応し、最下位ビットが給部40−8に対応する。そして、ピクセル輝度値「XXXXXXXX」の各ビットの値「1」は、そのビットに対応する輝度電流用の電流供給部40−1〜40−8において、電流出力ライン42−1〜42−8を電流供給ライン43−1〜43−8に接続することに対応し、ビットの値「0」は、そのビットに対応する輝度電流用の電流供給部40−1〜40−8において、電流出力ライン42−1〜42−8をグランドライン44−1〜44−8に接続することに対応する。
【0077】
CPU26は、ビデオI/F24から入力されるビデオ信号に基いて、常に、そのときにレーザダイオード11rを発光しているピクセルに先行して、数ピクセル先までのピクセル輝度値を求め、そのピクセル輝度値をVRAM25に蓄える。
【0078】
そして、CPU26は、VRAM25に蓄えているピクセル輝度値に基いて、そのピクセル輝度値に対応する出力階調信号を生成し、その出力階調信号を、ピクセルクロックの周期(表示しようとする画像の各ピクセルに対応して、レーザダイオード11rの発光輝度を制御する周期)で、切換えスイッチ制御部70に出力する。
【0079】
電圧オフチャンネル信号は、CPU26によって、以下のようにして生成される。すなわち、CPU26は、上記のように生成してVRAM25に蓄えているピクセル輝度値を解析して、輝度電流用の電流供給部40−1〜40−8において、電流出力ライン42−1〜42−8をグランドライン44−1〜44−8に接続する期間が電流の立下り時間tと立上り時間tの和t+tよりも長い場合があるか否かを判断する。
【0080】
図3に示すように、電流の立下り時間tとは、電圧入力スイッチ61−1〜61−8により電圧入力ライン46−1〜46−8が切断されたときの電流出力ライン42−1〜42−8から出力される電流の立下り時間であって、電圧入力ライン46−1〜46−8が切断されてV/I変換入力(電圧入力ライン46−1〜46−8から電流供給部40−1〜40−8に入力される電圧)が0になったときに、V/I変換出力(入力電流出力ライン42−1〜42−8から出力される電流)が0になるまでの時間である。また、電流の立上り時間tとは、電圧入力スイッチ61−1〜61−8により電圧入力ライン46−1〜46−8が接続されたときの電流出力ライン42−1〜42−8から出力される電流の立上り時間であって、電圧入力ライン46−1〜46−8が接続されてV/I変換入力(電圧)が所定の値になったときに、V/I変換出力(電流)が所定の値になるまでの時間である。
【0081】
輝度電流用の電流供給部40−1の電流出力ライン42−1をグランドライン44−1に接続する期間が電流の立下り時間tと立上り時間tの和t+tよりも長い場合があるか否かの判断は、図4に示すように、最上位ビットの値が「0」であるピクセル輝度値「0XXXXXXX」(Xは「0」又は「1」)がt+tよりも長く続く場合があるか否かを判断することによって行われる。ピクセル輝度値「0XXXXXXX」がt+tよりも長く続く場合とは、ピクセル輝度値「0XXXXXXX」がピクセルクロックの所定数のクロックパルスの出力時間(t+tに相当する時間)よりも長く続く場合であり、ピクセル輝度値「0XXXXXXX」が所定回数以上連続する場合である。
【0082】
また、輝度電流用の電流供給部40−2の電流出力ライン42−2をグランドライン44−2に接続する期間が電流の立下り時間tと立上り時間tの和t+tよりも長い場合があるか否かの判断は、第2位ビットの値が「0」であるピクセル輝度値「X0XXXXXX」がt+tよりも長く続く場合があるか否かを判断することによって行われる。また、輝度電流用の電流供給部40−3〜40−8の電流出力ライン43−2〜42−8をグランドライン44−3〜44−8に接続する期間が電流の立下り時間tと立上り時間tの和t+tよりも長い場合があるか否かの判断は、同様に、第3位ビット〜最下位ビットの値が「0」であるピクセル輝度値がt+tよりも長く続く場合があるか否かを判断することによって行われる。
【0083】
そして、CPU26は、これらの判断結果(電流出力ライン42−1〜42−8をグランドライン44−1〜44−8に接続する期間が電流の立下り時間tと立上り時間tの和t+tよりも長い場合があるか否かの判断結果)に基いて、電圧オフチャンネル信号を生成する。
【0084】
つまり、CPU26は、輝度電流用の電流供給部40−1において、電流出力ライン42−1をグランドライン44−1に接続する期間がt+tよりも長い場合がなければ、ピクセル輝度値の解析範囲内の全ての期間において電圧入力ライン46−1を接続することを示す電圧オフチャンネル信号を生成する。そして、CPU26は、輝度電流用の電流供給部40−1において、電流出力ライン42−1をグランドライン44−1に接続する期間がt+tよりも長い場合があれば、その期間において電圧入力ライン46−1を切断する(他の期間においては接続する)ことを示す電圧オフチャンネル信号を生成する。
【0085】
図4に示す例では、期間(1)は、最上位ビットの値が「0」のピクセル輝度値「0XXXXXXX」(Xは「0」又は「1」)が連続しており、t+tよりも長い。また、期間(2)は、最上位ビットの値が「0」のピクセル輝度値「0XXXXXXX」が連続しているが、t+tよりも短い。また、これら以外の期間は、最上位ビットの値が「1」のピクセル輝度値「1XXXXXXX」である。従って、図4に示す例では、期間(1)において電圧入力ライン46−1を切断する(他の期間においては接続する)ことを示す電圧オフチャンネル信号を生成する。
【0086】
また、CPU26は、輝度電流用の電流供給部40−2〜40−8においても、同様に、電流出力ライン42−2〜42−8をグランドライン44−2〜44−8に接続する期間がt+tよりも長い場合がなければ、ピクセル輝度値の解析範囲内の全ての期間において電圧入力ライン46−1〜46−8を接続することを示す電圧オフチャンネル信号を生成し、そして、電流出力ライン42−2〜42−8をグランドライン44−2〜44−8に接続する期間がt+tよりも長い場合があれば、その期間において電圧入力ライン46−1〜46−8を切断する(他の期間においては接続する)ことを示す電圧オフチャンネル信号を生成する。
【0087】
なお、電圧入力ライン46−1〜46−8の切断は、電流出力ライン42−1〜42−8をグランドライン44−1〜44−8に接続するのと同時に行うのが好ましく、電圧入力ライン46−1〜46−8の接続は、電流出力ライン42−1〜42−8を電流供給ライン43−1〜43−8に接続するときに既に電流出力ライン42−1〜42−8から出力される電流が立上っているように、電流出力ライン42−1〜42−8を電流供給ライン43−1〜43−8に接続するのに先立って行っておくのが好ましい。従って、CPU26は、電流出力ライン42−1〜42−8をグランドライン44−1〜44−8に接続する期間において、このように電圧入力ライン46−1〜46−8の切断/接続が行われるように、電圧オフチャンネル信号を生成する。
【0088】
また、CPU26は、輝度電流用の電流供給部40−1〜40−8の全てにおいて、電流出力ライン42−1〜42−8の全てを同時に所定数分のピクセルに亘って(すなわち所定時間に亘って)グランドライン44−1〜44−8に接続する場合(ピクセル輝度値「00000000」が所定回数以上連続する場合)があれば、その期間において閾値電流用の電流供給部40−0の電圧入力ライン46−0を切断する(他の期間においては接続する)ことを示す電圧オフチャンネル信号を生成する。これ以外の場合(所定数分のピクセルに亘る範囲内において、電流出力ライン42−1〜42−8のうちのいずれか1つでも電流供給ライン43−1〜43−8に接続することがある場合)は、CPU26は、ピクセル輝度値の解析範囲内の全ての期間において、閾値電流用の電流供給部40−0の電圧入力ライン46−0を接続することを示す電圧オフチャンネル信号を生成する。
【0089】
そして、CPU26は、このように生成した電圧オフチャンネル信号を、上記出力階調信号の出力に同期したタイミングで、電圧入力スイッチ制御部80に出力する。
【0090】
上記出力階調信号は、切換えスイッチ制御部70に入力され、また、上記電圧オフチャンネル信号は、電圧入力スイッチ制御部80に入力される。そして、切換えスイッチ制御部70は、入力された出力階調信号に基いて、輝度電流用の電流供給部40−1〜40−8の電流路切換えスイッチ45−1〜45−8を制御し、また、電圧入力スイッチ制御部80は、入力された電圧オフチャンネル信号に基いて、電流出力禁止部60の電圧入力スイッチ61−0〜61−8を制御する。
【0091】
従って、レーザ駆動回路30rは、切換えスイッチ制御部70及び電圧入力スイッチ制御部80による制御のもと、上記出力階調信号及び電圧オフチャンネル信号に基いて、以下のように動作する。
【0092】
すなわち、輝度電流用の電流供給部40−1〜40−8は、切換えスイッチ制御部70による制御のもと、上記出力階調信号に基いて、ピクセルクロックの周期で、電流路切換えスイッチ45−1〜45−8により電流出力ライン42−1〜42−8の電流供給ライン43−1〜43−8及びグランドライン44−1〜44−8への接続を切換える。
【0093】
これにより、閾値電流用の電流供給部40−0の電圧入力ライン46−0及び輝度電流用の電流供給部40−1〜40−8の電圧入力ライン46−1〜46−8が接続されている状態のときには、レーザダイオード11rに供給される電流の大きさがピクセルクロックの周期で制御され、レーザダイオード11rの発光輝度がピクセルクロックの周期で制御される。
【0094】
そして、電流出力禁止部60は、電圧入力スイッチ制御部80による制御のもと、上記電圧オフチャンネル信号に基いて、電圧入力スイッチ61−0〜61−8により閾値電流用の電流供給部40−0の電圧入力ライン46−0及び輝度電流用の電流供給部40−1〜40−8の電圧入力ライン46−1〜46−8を接続/切断する。
【0095】
つまり、電流出力禁止部60は、輝度電流用の電流供給部40−1において、電流出力ライン42−1がグランドライン44−1に接続される期間が電流の立下り時間tと電流の立上り時間tの和t+tよりも長いときに、その期間において、電圧入力スイッチ61−1により電圧入力ライン46−1を切断して、電圧/電流変換部41−1に電圧が入力されないようにすることにより、電圧/電流変換部41−1により電流が生成されて電流出力ライン42−1から電流が出力されるのを禁止する。それ以外の場合は、電流出力禁止部60は、電圧入力スイッチ61−1により電圧入力ライン46−1を接続する。
【0096】
これにより、輝度電流用の電流供給部40−1において、電圧/電流変換部41−1からレーザダイオード11rに電流を供給しないとき、レーザダイオード11rの発光に寄与しない不要な電流が電圧/電流変換部41−1により生成されてグランドに放出されることがない。
【0097】
また、電流出力禁止部60は、輝度電流用の電流供給部40−2〜40−8においても、同様に、電流出力ライン42−2〜42−8がグランドライン44−2〜44−8に接続される期間が電流の立下り時間tと電流の立上り時間tの和t+tよりも長いときに、その期間において、電圧入力スイッチ61−2〜61−8により電圧入力ライン46−2〜46−8を切断して、電圧/電流変換部41−2〜41−8に電圧が入力されないようにすることにより、電圧/電流変換部41−2〜41−8により電流が生成されて電流出力ライン42−2〜42−8から電流が出力されるのを禁止する。それ以外の場合は、電流出力禁止部60は、電圧入力スイッチ61−2〜61−8により電圧入力ライン46−2〜46−8を接続する。
【0098】
これにより、輝度電流用の電流供給部40−2〜40−8において、電圧/電流変換部41−2〜41−8からレーザダイオード11rに電流を供給しないとき、レーザダイオード11rの発光に寄与しない不要な電流が電圧/電流変換部41−2〜41−8により生成されてグランドに放出されることがない。
【0099】
このとき、電流出力禁止部60は、電流出力ライン42−1〜42−8がグランドライン44−1〜44−8に接続されるのと同時に、電圧入力ライン46−1〜46−8を切断し、また、電流出力ライン42−1〜42−8が電流供給ライン43−1〜43−8に接続されるときに既に電流出力ライン42−1〜42−8から出力される電流が立上っているように、電流出力ライン42−1〜42−8が電流供給ライン43−1〜43−8に接続されるのに先立って、電圧入力ライン46−1〜46−8を接続する。
【0100】
これにより、電流出力ライン42−1〜42−8がグランドライン44−1〜44−8に接続された後に再び電流供給ライン43−1〜43−8に接続されたとき、電流出力ライン42−1〜42−8から出力される電流の立上り期間中における変化途上の電流がレーザダイオード11rに供給されることがなく、電流出力ライン42−1〜42−8から出力される電流の立上り期間後における一定の値に安定した電流がレーザダイオード11rに供給される。従って、電流出力ライン42−1〜42−8がグランドライン44−1〜44−8に接続された後に再び電流供給ライン43−1〜43−8に接続されたときに、レーザダイオード11rを一定の発光輝度で発光させることができる。
【0101】
また、電流出力禁止部60は、輝度電流用の電流供給部40−1〜40−8の全てにおいて、電流出力ライン42−1〜42−8の全てが同時に所定時間に亘ってグランドライン44−1〜44−8に接続されるときには、その期間において、電圧入力スイッチ61−0により閾値電流用の電流供給部40−0の電圧入力ライン46−0を切断して、電圧/電流変換部41−0に電圧が入力されないようにすることにより、電圧/電流変換部41−0により電流が生成されて電流出力供給ライン42−0から電流が出力されるのを禁止する。それ以外の場合は、電流出力禁止部60は、電圧入力スイッチ61−0により閾値電流用の電流供給部40−0の電圧入力ライン46−0を接続する。
【0102】
これにより、閾値電流用の電流供給部40−0において、輝度電流用の電流供給部40−1〜40−8の全てからレーザダイオード11rに電流を供給しないとき(すなわちレーザダイオード11rを発光させないとき)、不要な電流が電圧/電流変換部41−0により生成されてレーザダイオード11rに供給されることがない。
【0103】
このような構成のレーザ駆動回路30rによれば、輝度電流用の電流供給部40−1〜40−8の電圧/電流変換部41−1〜41−8からレーザダイオード11rに電流を供給しないとき、レーザダイオード11の発光に寄与しない不要な電流が電圧/電流変換部41−1〜41−8により生成されてグランドに放出されないようにすることができ、消費電力を低減して、低消費電力でレーザダイオード11rを発光駆動することができる。
【0104】
しかも、電圧入力スイッチ61−1〜61−8により電圧入力ライン46−1〜46−8を切断するという簡単な構成によって、レーザダイオード11rの発光に寄与しない不要電流がグランドに放出されないようにすることができる。また、電圧入力ライン46−1〜46−8を接続/切断する構成を採用したことにより、電圧/電流変換部41−1〜41−8の電圧/電流変換機能自体を開始/停止させる構成と比較して、電流出力ライン42−1〜42−8から出力される電流の立上り時間及び立下り時間を短くすることができ、レーザダイオード11rの発光輝度を高速で制御することを可能にしながら、消費電力を低減することができる。
【0105】
なお、本発明は、上記実施形態の構成に限られず、種々の変形が可能である。例えば、電流出力禁止部は、電圧入力ラインを接続/切断するスイッチに代えて、電流出力ラインを接続/切断する電流出力スイッチを備え、電流出力スイッチにより電流出力ラインを切断して、電流路を切断することにより、電圧/電流変換部により電流が生成されて電流出力ラインから電流が出力されるのを禁止する構成であってもよい。この場合、電流路切換えスイッチにより電流出力ラインがグランドラインに接続される期間が、電流出力スイッチにより電流出力ラインが切断されたときの電流出力ラインから出力される電流の立下り時間と、電流出力スイッチにより電流出力ラインが接続されたときの電流出力ラインから出力される電流の立上り時間の和よりも長いときに、電流出力スイッチにより電流出力ラインを切断すればよい。
【0106】
また、電流の立下り時間と電流の立上り時間の和がピクセルクロック周期よりも短い関係にある構成においては、電流出力ラインをグランドラインに接続する期間が電流の立下り時間と立上り時間の和よりも長い場合があるか否かの判断を行う必要はなく、電流出力ラインをグランドラインに接続する期間において電圧入力ライン(又は電流出力ライン)を切断すればよい。
【0107】
また、電流出力禁止部は、電圧入力ラインを接続/切断するスイッチに代えて、輝度電圧出力部の出力する電圧値を制御する電圧制御部を備え、電圧制御部により輝度電圧出力部の出力する電圧値を0にして、電圧/電流変換部に電圧が入力されないようにすることにより、電圧/電流変換部により電流が生成されて電流出力ラインから電流が出力されるのを禁止する構成であってもよい。また、本発明のレーザ駆動回路は、レーザディスプレイに限られず、レーザダイオードによりレーザ光を発光する電気機器であれば、どのような電子機器にも適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0108】
【図1】本発明の一実施形態に係るレーザ駆動回路を備えるレーザディスプレイの概略構成図。
【図2】同レーザディスプレイのレーザ駆動回路の電気回路図。
【図3】同レーザディスプレイのレーザ駆動回路の電圧/電流変換部のV/I変換入力とV/I変換出力との関係を示す図。
【図4】同レーザディスプレイのピクセル輝度値と電圧オフチャンネル信号との関係を示す図。
【図5】従来のレーザ駆動回路の電気回路図。
【符号の説明】
【0109】
1 レーザディスプレイ
2 スクリーン
11r、11b、11g レーザダイオード
12 レーザ制御部
13 XYスキャナミラー
14 XYドライバ
15 駆動周波数コントローラ
16 第1のハーフミラー
17 コリメータレンズ
18 第2のハーフミラー
19 第1の光検出器
20 レーザパワー検出部
21 第2の光検出器
22 位置検出部
23 位置検出コントローラ
24 ビデオI/F
25 VRAM
26 CPU
28 光学システム
29 制御システム
30r、30b、30g レーザ駆動回路
40−0 閾値電流用の電流供給部
40−1〜40−8 輝度電流用の電流供給部
41−0〜41−8 電圧/電流変換部
42−0 電流出力供給ライン
42−1〜42−8 電流出力ライン
43−1〜43−8 電流供給ライン
44−1〜44−8 グランドライン
45−1〜45−8 電流路切換えスイッチ
46−0〜46−8 電圧入力ライン
47−0 閾値電圧出力部
47−1〜47−8 輝度電圧出力部
50 最大出力電圧供給部
60 電流出力禁止部
61−0〜61−8 電圧入力スイッチ
70 切換えスイッチ制御部
80 電圧入力スイッチ制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
レーザダイオードに電流を供給して、前記レーザダイオードを発光駆動するレーザ駆動回路であって、
前記レーザダイオードに電流を供給する電流供給手段を備え、
前記電流供給手段は、
入力された電圧を電流に変換して、電流を生成する電圧/電流変換部と、
前記電圧/電流変換部に接続され、前記電圧/電流変換部により生成された電流を出力するための電流出力ラインと、
前記レーザダイオードに接続され、前記レーザダイオードに電流を供給するための電流供給ラインと、
グランドに接続されたグランドラインと、
前記電流出力ラインを前記電流供給ラインと前記グランドラインのいずれか一方に選択的に接続するように切換える電流路切換えスイッチとを有し、
前記電圧/電流変換部から前記電流出力ライン及び前記電流路切換えスイッチを経由して前記電流供給ラインに流れる電流が前記レーザダイオードに供給され、その電流によって前記レーザダイオードが発光駆動されるレーザ駆動回路において、
前記電流路切換えスイッチにより前記電流出力ラインが前記グランドラインに接続されているときに、前記電圧/電流変換部により電流が生成されて前記電流出力ラインから電流が出力されるのを禁止する電流出力禁止手段を備える、
ことを特徴とするレーザ駆動回路。
【請求項2】
前記電流供給手段は、
前記電圧/電流変換部に接続され、前記電圧/電流変換部に電圧を入力するための電圧入力ラインをさらに有し、
前記電流出力禁止手段は、
前記電圧入力ラインを接続/切断する電圧入力スイッチを有し、該電圧入力スイッチにより前記電圧入力ラインを切断して、前記電圧/電流変換部に電圧が入力されないようにすることにより、前記電圧/電流変換部により電流が生成されて前記電流出力ラインから電流が出力されるのを禁止する、
ことを特徴とする請求項1に記載のレーザ駆動回路。
【請求項3】
前記電流出力禁止手段は、
前記電流路切換えスイッチにより前記電流出力ラインが前記グランドラインに接続される期間が、前記電圧入力スイッチにより前記電圧入力ラインが切断されたときの前記電流出力ラインから出力される電流の立下り時間と、前記電圧入力スイッチにより前記電圧入力ラインが接続されたときの前記電流出力ラインから出力される電流の立上り時間の和よりも長いときに、
前記電圧入力スイッチにより前記電圧入力ラインを切断することによって、前記電圧/電流変換部により電流が生成されて前記電流出力ラインから電流が出力されるのを禁止する、
ことを特徴とする請求項2に記載のレーザ駆動回路。
【請求項4】
前記電流出力禁止手段は、
前記電流出力ラインを接続/切断する電流出力スイッチを有し、該電流出力スイッチにより前記電流出力ラインを切断して、電流路を切断することにより、前記電圧/電流変換部により電流が生成されて前記電流出力ラインから電流が出力されるのを禁止する、
ことを特徴とする請求項1に記載のレーザ駆動回路。
【請求項5】
前記電流出力禁止手段は、
前記電流路切換えスイッチにより前記電流出力ラインが前記グランドラインに接続される期間が、前記電流出力スイッチにより前記電流出力ラインが切断されたときの前記電流出力ラインから出力される電流の立下り時間と、前記電流出力スイッチにより前記電流出力ラインが接続されたときの前記電流出力ラインから出力される電流の立上り時間の和よりも長いときに、
前記電流出力スイッチにより前記電流出力ラインを切断することによって、前記電圧/電流変換部により電流が生成されて前記電流出力ラインから電流が出力されるのを禁止する、
ことを特徴とする請求項4に記載のレーザ駆動回路。
【請求項6】
前記電流供給手段は、
前記電圧/電流変換部に入力する電圧を出力する電圧出力部をさらに有し、
前記電流出力禁止手段は、
前記電圧出力部の出力する電圧値を制御する電圧制御手段を有し、該電圧制御手段により前記電圧出力部の出力する電圧値を0にして、前記電圧/電流変換部に電圧が入力されないようにすることにより、前記電圧/電流変換部により電流が生成されて前記電流出力ラインから電流が出力されるのを禁止する、
ことを特徴とする請求項1に記載のレーザ駆動回路。
【請求項7】
前記電流供給手段を複数備え、
前記複数の電流供給手段の前記電流供給ラインに流れる電流が合流されて前記レーザダイオードに供給され、その電流によって前記レーザダイオードが発光駆動され、
前記電流出力禁止手段は、
前記複数の電流供給手段のうち、前記電流路切換えスイッチにより前記電流出力ラインが前記グランドラインに接続されているものがあるときに、その電流供給手段において、前記電圧/電流変換部により電流が生成されて前記電流出力ラインから電流が出力されるのを禁止する、
ことを特徴とする請求項1に記載のレーザ駆動回路。
【請求項8】
レーザダイオードと、前記レーザダイオードに電流を供給して、前記レーザダイオードを発光駆動するレーザ駆動回路と、前記レーザダイオードから発光されたレーザ光をスクリーン上に走査する走査手段とを備え、
前記走査手段によるレーザ光の走査を制御して、前記スクリーン上におけるレーザ光の照射位置を制御すると共に、前記レーザ駆動回路による前記レーザダイオードの発光駆動を制御して、前記スクリーン上に照射するレーザ光の発光輝度を制御することにより、前記スクリーン上に画像を表示するレーザディスプレイにおいて、
前記レーザ駆動回路は、請求項1乃至請求項7のいずれか一項に記載のレーザ駆動回路である、
ことを特徴とするレーザディスプレイ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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