説明

レーダ配置算出装置及び方法

【課題】複数のレーダ、要求覆域等が与えられている場合、準最適なレーダ配置を短時間で求めることができるレーダ配置算出装置、方法を得る。
【解決手段】レーダ諸元に基きレーダ種類とレーダ位置候補の組合せについて、レーダ探知可能領域を算出するレーダ探知可能領域算出手段3と、位置決定済のレーダのレーダ種類及びレーダ位置に対応するレーダ探知可能領域に基き要求覆域内の小領域毎の重要度を算出する小領域重要度算出手段8と、位置未決定のレーダに関するレーダ種類とレーダ位置候補の組合せについて、レーダ探知可能領域及び要求覆域に含まれる小領域集合を抽出し、その集合に属する小領域の重要度を総合してレーダ位置評価値を算出するレーダ位置評価値算出手段10と、位置未決定のレーダに関するレーダ種類とレーダ位置候補の組合せのうち、前記レーダ位置評価値が最大のものを選択する最適レーダ位置選択手段11等を設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、適切なレーダ配置を算出するレーダ配置算出装置及び方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のレーダ配置算出装置は、複数のレーダを複数のレーダ位置候補に配置させる全組合せに対してそれぞれ有効度を算出し、その最大のレーダ配置を最適として選択するものである(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開平4−155284号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来のレーダ配置算出装置は、最適なレーダ配置を求めることはできるが、レーダ配置の全組合せを処理するため、利用可能なレーダやレーダ位置候補の数が大きい場合には、処理時間が膨大なものになってしまうという問題点があった。
【0005】
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、その目的は、複数のレーダおよび複数のレーダ位置候補、また要求覆域が与えられている場合に、要求覆域を満遍なく捜索可能な準最適なレーダ配置を短時間で求めることができるレーダ配置算出装置及び方法を得るものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係るレーダ配置算出装置は、地形情報及びレーダ位置候補を保持するレーダ位置候補保持手段と、配置対象とする複数のレーダ種類のレーダ諸元を保持するレーダ情報保持手段と、前記レーダ諸元に基づいて、前記レーダ種類と前記レーダ位置候補の組合せについて、探知対象空間をメッシュ分割した小領域の集合として表現されるレーダ探知可能領域を算出するレーダ探知可能領域算出手段と、前記レーダ探知可能領域算出手段により算出されたレーダ探知可能領域を保持するレーダ探知可能領域保持手段と、探知すべき領域であり、前記小領域の集合として表現される要求覆域を保持する要求覆域保持手段と、配置対象とする位置未決定のレーダのレーダ種類及びレーダ数を保持する位置未決定レーダ保持手段と、位置決定済のレーダのレーダ種類及びレーダ位置を保持するレーダ位置保持手段と、位置決定済のレーダのレーダ種類及びレーダ位置に対応するレーダ探知可能領域に基づいて、要求覆域内の小領域毎の重要度を算出する小領域重要度算出手段と、前記小領域重要度算出手段により算出された小領域毎の重要度を保持する小領域重要度保持手段と、位置未決定のレーダに関するレーダ種類とレーダ位置候補の組合せについて、レーダ探知可能領域及び要求覆域に含まれる小領域集合を抽出し、前記小領域集合に属する小領域の重要度を総合することによってレーダ位置評価値を算出するレーダ位置評価値算出手段と、位置未決定のレーダに関するレーダ種類とレーダ位置候補の組合せのうち、前記レーダ位置評価値が最大のものを選択し、選択されたレーダ種類のレーダ1台を選択されたレーダ位置候補に配置して位置決定済として前記レーダ位置保持手段に追加するとともに、選択されたレーダ種類のレーダ1台を前記位置未決定レーダ保持手段から削除する最適レーダ位置選択手段とを設けたものである。
【発明の効果】
【0007】
この発明に係るレーダ配置算出装置は、複数のレーダおよび複数のレーダ位置候補、また要求覆域が与えられている場合に、要求覆域を満遍なく捜索可能な準最適なレーダ配置を短時間で求めることができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
実施の形態1.
この発明の実施の形態1に係るレーダ配置算出装置について図1から図8までを参照しながら説明する。図1は、この発明の実施の形態1に係るレーダ配置算出装置の構成を示すブロック図である。なお、以降では、各図中、同一符号は同一又は相当部分を示す。
【0009】
図1において、この実施の形態1に係るレーダ配置算出装置は、レーダ位置候補保持手段1と、レーダ情報保持手段2と、レーダ探知可能領域算出手段3と、レーダ探知可能領域保持手段4と、要求覆域保持手段5と、位置未決定レーダ保持手段6と、レーダ位置保持手段7と、小領域重要度算出手段8と、小領域重要度保持手段9と、レーダ位置評価値算出手段10と、最適レーダ位置選択手段11とが設けられている。
【0010】
また、小領域重要度算出手段8は、探知レーダ数抽出手段81と、重要度設定手段82とが設けられている。
【0011】
つぎに、この実施の形態1に係るレーダ配置算出装置の動作について図面を参照しながら説明する。
【0012】
図2は、この発明の実施の形態1に係るレーダ配置算出装置の要求覆域及びレーダ位置候補の例を示す図である。図3は、この発明の実施の形態1に係るレーダ配置算出装置のレーダ配置例を示す図である。図4は、この発明の実施の形態1に係るレーダ配置算出装置の小領域及び小領域の集合として表現される要求覆域の例を示す図である。図5は、この発明の実施の形態1に係るレーダ配置算出装置のあるレーダ種類・レーダ位置候補に対するレーダ探知可能領域の例を示す図である。図6は、この発明の実施の形態1に係るレーダ配置算出装置のある位置未決定のレーダを、あるレーダ位置候補に配置した場合のレーダ探知可能領域及び要求覆域の例を示す図である。図7は、この発明の実施の形態1に係るレーダ配置算出装置の2台の位置決定済レーダがある場合について、レーダ探知可能領域及び要求覆域の例を示す図である。
【0013】
この実施の形態1でレーダ配置対象とするレーダは、空間中に電磁波を放射し、目標からの反射波を受信して、目標を探知するレーダであり、移動可能であるものとする。このようなレーダが複数台ある場合を考える。また、レーダには複数種類があり、それぞれ探知能力が異なるものとする。但し、特別な場合として、レーダ種類数が1でも良い。
【0014】
レーダによって探知すべき範囲は、あらかじめユーザによって設定されており、この領域を「要求覆域」と呼ぶ。
【0015】
レーダが探知可能な領域は、送信電磁波が到達可能な範囲に限られる。従って、レーダを設置する場所は、ある程度、周辺の見通しの良い場所でなければならない。そのため、レーダを設置する場所の候補(以下「レーダ位置候補」と呼ぶ)は、通常、有限個に限られる。
【0016】
図2に、要求覆域及びレーダ位置候補の例を示す。要求覆域やレーダ位置候補は、実際には3次元空間で指定されるものであるが、以下では簡単のため、2次元空間において説明する。しかし、以下の議論は、3次元空間を考える場合にも全く同様に適用可能なものである。
【0017】
レーダ配置とは、レーダをレーダ位置候補に割り当てることである。レーダ種類Aのレーダが2台、レーダ種類Bのレーダが1台ある場合について、図2の状況を対象としたレーダ配置例を図3に示す。レーダ配置の際には、「要求覆域を満遍なく探知できる」などの要求を満たすよう、複数のレーダを適切なレーダ位置候補に割り当てる必要がある。
【0018】
レーダ位置候補保持手段1は、地形情報およびレーダ位置候補を、また、要求覆域保持手段5は、要求覆域を保持する。但し、本実施の形態1のレーダ配置算出装置においては、探知対象となる空間は、メッシュ分割した小領域の集合としてモデル化されるものとする。従って、要求覆域も、小領域の集合として表現される。探知対象空間をメッシュ分割してできる小領域及び小領域の集合として表現される要求覆域の例を、図4に示す。
【0019】
位置未決定レーダ保持手段6は、配置対象とする位置未決定のレーダ種類および、それぞれのレーダ数を保持する。具体的には、例えば、「レーダ種類Aのレーダが2台、レーダ種類Bのレーダが1台」などの情報を保持する。
【0020】
レーダ情報保持手段2は、配置対象とするレーダ種類のそれぞれについて、レーダ諸元を保持する。レーダ探知可能領域算出手段3は、レーダ位置候補保持手段1が保持する地形情報およびレーダ位置候補、またレーダ情報保持手段2が保持する各レーダ種類に対応するレーダ諸元に基づいて、全ての可能なレーダ種類・レーダ位置候補の組合せについて、レーダ探知可能領域を算出する。但し、レーダ探知可能領域は、要求覆域と同様に、探知対象空間をメッシュ分割した小領域の集合として表現される。あるレーダ種類・レーダ位置候補に対するレーダ探知可能領域の例を図5に示す。
【0021】
レーダ探知可能領域保持手段4は、レーダ種類とレーダ位置候補の可能な組合せのそれぞれについて、レーダ探知可能領域算出手段3が算出したレーダ探知可能領域を保持する。
【0022】
レーダ位置保持手段7は、位置決定済のレーダについて、レーダ種類およびレーダ位置を保持する。レーダ配置算出の開始時点においては、全てのレーダが位置未決定状態であるため、レーダ位置保持手段7の内容は空である。後述するレーダ配置算出過程において、レーダが1台ずつ位置決定されていくため、位置決定が行われる毎に、レーダ位置保持手段7の内容が追加されていく。
【0023】
探知対象空間をメッシュ分割した小領域のうち、要求覆域に含まれる部分には、それぞれ「重要度」なる数値が与えられる。各小領域の重要度は、小領域重要度算出手段8が、位置決定済のレーダのレーダ種類およびレーダ位置に対応するレーダ探知可能領域に基づいて算出する。具体的な重要度算出方法については後述する。
【0024】
小領域重要度算出手段8が算出した小領域毎の重要度は、小領域重要度保持手段9が保持する。レーダ位置評価値算出手段10は、位置未決定のレーダに関するレーダ種類とレーダ位置候補の可能な組合せのそれぞれについて、そのレーダ探知可能領域および要求覆域に含まれる小領域集合を抽出し、その小領域集合に属する小領域の重要度を総合することによってレーダ位置評価値を算出する。
【0025】
レーダ位置評価値の算出方法について、図6に基づいて説明する。図6は、ある位置未決定のレーダを、あるレーダ位置候補に配置した場合のレーダ探知可能領域、また要求覆域を示す例である。小領域の一部に記された数字は、その小領域に関する重要度を表す。この時、このレーダ種類とレーダ位置候補に対するレーダ位置評価値は、レーダ探知可能領域と要求覆域の両方に属する小領域、つまり、図6で重要度を付された小領域集合に依存して決定される。具体的には、レーダ位置評価値は、これらの小領域集合の重要度の和として算出される。図6の場合、重要度5が付された小領域数は30個、重要度1が付された小領域数は13個、重要度0が付された小領域数は11個なので、レーダ位置評価値は、(5×30)+(1×13)+(0×11)=163となる。
【0026】
最適レーダ位置選択手段11は、位置未決定のレーダに関するレーダ種類とレーダ位置候補の可能な組合せのうち、レーダ位置評価値算出手段10が算出したレーダ位置評価値が最大のものを選択する。そして、選択されたレーダ種類のレーダ1台を位置決定済として、選択されたレーダ位置候補に配置するものとしてレーダ位置保持手段7に記録する。さらに、位置未決定レーダ保持手段6において、選択されたレーダ種類に関する位置未決定レーダの数を1だけ減らす。
【0027】
小領域重要度算出手段8による各小領域の重要度の算出方法について説明する。まず、探知レーダ数抽出手段81が、要求覆域内の小領域のそれぞれについて、位置決定済のレーダのレーダ種類およびレーダ位置に対応するレーダ探知可能領域に含まれるかどうかを調べることによって、探知可能かどうかを判定し、探知可能と判定されたレーダの数(「探知レーダ数」と呼ぶ)を算出する。そして、重要度設定手段82は、探知レーダ数が大きい小領域については低い重要度を、探知レーダ数が小さい小領域については高い重要度を設定する。重要度の設定は、例えば「探知レーダ数が0ならば重要度は5、探知レーダ数が1ならば重要度は1、探知レーダ数が2以上ならば重要度は0」などのような対応規則を決めておき、これに基づいて行うようにすれば良い。もしくは、探知レーダ数に応じて探知確率を計算し、予め定めた探知確率と重要度との対応を示す関数に基づいて重要度を算出するようにしても良い。
【0028】
上記の方法によれば、「位置決定済のレーダによって既に探知可能であることが確定している小領域」の重要度は低く設定され、逆に「位置決定済のレーダで探知不可能な小領域」の重要度は高く設定される。従って、次のレーダ位置決定の際には、「位置決定済のレーダで探知不可能な小領域」を探知可能であるようなレーダ種類、レーダ位置候補の組合せに関するレーダ位置評価値が大きくなり、従って選択されやすくなる。また、「位置決定済のレーダで探知不可能な小領域」が無い場合は、「探知可能な位置決定済レーダ数が少ない小領域」を探知可能であるようなレーダ種類、レーダ位置候補の組合せが選択されやすくなる。このようなレーダ位置決定を反復するため、最終的には、要求覆域内の小領域をバランス良く探知可能なレーダ配置が得られる。
【0029】
重要度算出の具体例について、図7に基づいて説明する。図7は、2台の位置決定済レーダがある場合について、位置決定済のレーダ1・レーダ2のレーダ探知可能領域、また要求覆域を示す例である。レーダ1のみによって探知可能な領域、レーダ2のみによって探知可能な領域、レーダ1・レーダ2の両方によって探知可能な領域は、それぞれ異なるハッチングで示している。この時、「探知レーダ数が0ならば重要度は5、探知レーダ数が1ならば重要度は1、探知レーダ数が2以上ならば重要度は0」なる対応規則に基づいて定めた重要度を、図7の一部の小領域に記している。
【0030】
なお、レーダ配置算出の開始時点においては、位置決定済のレーダが存在しないため、例えば全ての小領域の重要度を同じ値に設定するなどすれば良い。
【0031】
続いて、この発明の実施の形態1に係るレーダ配置算出装置の動作についてフローチャートを参照しながら説明する。図8は、この発明の実施の形態1に係るレーダ配置算出装置のレーダ配置算出処理を示すフローチャートである。
【0032】
まず初めに、ステップ101において、レーダ探知可能領域算出手段3が、レーダ種類、レーダ位置候補の可能な全組合せについて、レーダ探知可能領域を算出する。
【0033】
次に、ステップ102において、位置未決定レーダ保持手段6に配置対象となるレーダ種類およびレーダ数が、また、要求覆域保持手段5に要求覆域が設定される。
【0034】
次に、ステップ103において、小領域重要度算出手段8が、位置決定済のレーダのレーダ種類およびレーダ位置に対応するレーダ探知可能領域に基づいて、各小領域の重要度を算出する。重要度は、具体的には、探知レーダ数が大きい場合は低く、探知レーダ数が小さい場合は高く設定される。
【0035】
次に、ステップ104において、レーダ位置評価値算出手段10が、位置未決定のレーダに関するレーダ種類とレーダ位置候補の可能な組合せのそれぞれについて、そのレーダ探知可能領域および要求覆域に含まれる小領域集合を抽出し、その小領域集合に属する小領域の重要度を総合することによってレーダ位置評価値を算出する。
【0036】
次に、ステップ105において、最適レーダ位置選択手段11は、ステップ104で算出されたレーダ位置評価値が最大となるものに基づいて、1台のレーダのレーダ位置を決定する。
【0037】
最後に、ステップ106において、位置未決定のレーダが残っていない場合にはレーダ配置算出処理を終了する。一方、位置未決定のレーダがまだ残っている場合には、ステップ103に戻る。
【0038】
この実施の形態1によれば、位置未決定のレーダに関するレーダ種類とレーダ位置候補の可能な組合せのうちレーダ位置評価値最大のものを選択する操作を反復することによってレーダ配置算出を行うので、レーダ配置の全組合せを処理する従来の方法と比較して、圧倒的に短い処理時間で準最適なレーダ配置を得ることが可能なレーダ配置算出装置を実現できる。
【0039】
さらに、探知レーダ数が大きい小領域の重要度を低く設定するので、要求覆域内の小領域をバランス良く探知可能なレーダ配置が得られる。
【0040】
なお、以上では全てのレーダを配置算出対象とする場合について述べたが、一部レーダの設置位置があらかじめ固定されていても構わない。この場合、レーダ配置算出の開始時に、レーダ位置保持手段7に、それらのレーダのレーダ種類およびレーダ位置をあらかじめ記録しておけば良い。
【0041】
また、以上では、各レーダ位置候補に同時に配置可能なレーダについての制限があるかどうかについては特に言及しなかったが、そのような制限があっても構わない。例として、「同一場所に(種類を問わず)複数レーダを置けない」との制限がある場合を考える。この場合、例えば、位置未決定レーダ保持手段6に、「配置不可能位置」の情報も記録可能とし、配置不可能位置に含まれるレーダ位置候補を、レーダ位置評価値算出手段10における処理から除外するようにする。そして、最適レーダ位置選択手段11におけるレーダ種類およびレーダ位置選択の際に、決定されたレーダ位置を、位置未決定レーダ保持手段6が保持する配置不可能位置に追加するようにすれば良い。
【0042】
実施の形態2.
この発明の実施の形態2に係るレーダ配置算出装置について図9及び図10を参照しながら説明する。図9は、この発明の実施の形態2に係るレーダ配置算出装置の構成を示すブロック図である。
【0043】
図9において、この実施の形態2は、小領域重要度算出手段8の構成が上記の実施の形態1と異なる。
【0044】
この実施の形態2における小領域重要度算出手段8は、探知レーダ数抽出手段81と、
重要度設定手段82と、優先監視領域保持手段83とから構成されている。それ以外の構成は、基本的に上記の実施の形態1と同じである。
【0045】
つぎに、この実施の形態2に係るレーダ配置算出装置の動作について図面を参照しながら説明する。図10は、この発明の実施の形態2に係るレーダ配置算出装置の優先監視領域の例を示す図である。
【0046】
優先監視領域保持手段83は、要求覆域でユーザが指定する、優先して監視すべき領域であり、小領域の集合として表現される優先監視領域及びこの優先監視領域の優先度を保持する。優先監視領域の例を図10に示す。図10では、要求覆域内に、優先度2の優先監視領域と、優先度3の優先監視領域が指定されている。
【0047】
探知レーダ数抽出手段81の動作は、上記の実施の形態1と同じなので省略する。
【0048】
重要度設定手段82は、小領域のそれぞれについて、上記の実施の形態1と同様、探知レーダ数が大きい小領域については低い重要度を、探知レーダ数が小さい小領域については高い重要度を設定する。この重要度設定手段82は、重要度の計算について、さらに優先度も考慮し、優先度が大きい場合は、その重要度を高く設定する。
【0049】
例えば、優先監視領域でない領域について、探知レーダ数と重要度との間に「探知レーダ数が0ならば重要度は5、探知レーダ数が1ならば重要度は1、探知レーダ数が2以上ならば重要度は0」なる対応規則が設定されている場合を考える。優先監視領域に関しては、この対応規則で得られる重要度に、例えば、さらに優先度を掛けた値を重要度とする。すると、優先度2の優先監視領域における対応規則は「探知レーダ数が0ならば重要度は10(=5×2)、探知レーダ数が1ならば重要度は2(=1×2)、探知レーダ数が2以上ならば重要度は0(=0×2)」となり、優先度3の優先監視領域における対応規則は「探知レーダ数が0ならば重要度は15(=5×3)、探知レーダ数が1ならば重要度は3(=1×3)、探知レーダ数が2以上ならば重要度は0(=0×3)」となる。
【0050】
この実施の形態2によれば、優先度が大きい小領域について、重要度が高く設定されるので、優先監視領域を探知可能なレーダ数が多いレーダ配置が得られる。その結果、優先監視領域を探知可能な1台のレーダが故障等で利用不可能な状態になっても、他のレーダで優先監視領域を探知することができる。また、優先監視領域を複数のレーダで同時に観測することにより、優先監視領域におけるデータレート(データの更新間隔)を向上することができる。
【0051】
実施の形態3.
この発明の実施の形態3に係るレーダ配置算出装置について図11及び図12を参照しながら説明する。図11は、この発明の実施の形態3に係るレーダ配置算出装置の構成を示すブロック図である。また、図12は、この発明の実施の形態3に係るレーダ配置算出装置のある位置決定済のレーダのレーダ位置及びレーダ探知可能領域、並びに要求覆域の例を示す図である。
【0052】
図11において、この実施の形態3は、小領域重要度算出手段8の構成が上記の実施の形態1と異なる。
【0053】
この実施の形態3における小領域重要度算出手段8は、レーダ探知小領域数抽出手段84と、レーダ探知小領域数保持手段85と、探知レーダ抽出手段86と、探知度算出手段87と、重要度設定手段82とから構成されている。それ以外の構成は、基本的に上記の実施の形態1と同じである。
【0054】
レーダ探知小領域数抽出手段84は、位置決定済のレーダのレーダ種類およびレーダ位置に対応するレーダ探知可能領域を構成する小領域のうち、要求覆域に含まれる小領域の数(「レーダ探知小領域数」と呼ぶ)を抽出する。レーダ探知小領域数保持手段85は、レーダ探知小領域数抽出手段84が抽出した、位置決定済のレーダのレーダ種類およびレーダ位置に対応するレーダ探知小領域数を保持する。
【0055】
レーダ探知小領域数について、図12に基づいて説明する。図12は、ある位置決定済のレーダのレーダ位置およびレーダ探知可能領域、また要求覆域を表す。図12において、レーダ探知可能領域と要求覆域の両方に含まれる小領域の数は54個である。従って、レーダ探知小領域数は54となる。
【0056】
レーダ探知可能領域はレーダで探知可能な範囲を表すが、実際のレーダ運用に際しては、その全てを探知するとは限らない。まず、要求覆域以外の部分は、探知することをユーザに要求されていないため、探知しない運用にすることが多いと思われる。さらに、要求覆域内部に関しても、探知範囲が広いと、一通り探知するために要する時間も長くなってしまうため、データレートを重視する場合には、なるべく探知範囲を狭くする運用を行うことになる。従って、大まかに捉えると、あるレーダで探知可能な小領域を実際の運用でも探知する可能性は、レーダ探知小領域数が大きいほど低下すると考えられる。
【0057】
一方、探知レーダ抽出手段86は、要求覆域内の各小領域について、位置決定済のレーダのレーダ種類およびレーダ位置に対応するレーダ探知可能領域に含まれるかどうかを調べることによって、探知可能かどうかを判定する。
【0058】
探知度算出手段87は、各小領域について、「位置決定済のレーダによる探知の度合」を表す「探知度」を算出する。探知度は、その小領域を探知可能な個々の位置決定済レーダの探知可能性の総和を取ることによって算出する。ここで、個々の位置決定済レーダの探知可能性は、前述の考えに基づき、レーダ探知小領域数が大きいほど低下するものとする。具体的には、例えば、個々の位置決定済レーダの探知可能性を、レーダ探知小領域数の逆数とするなどすれば良い。つまり、探知度算出手段87は、小領域のそれぞれについて、一定の初期値を与えられた探知度に関し、探知レーダ抽出手段86によって探知可能と判定された位置決定済のレーダに対応するレーダ探知小領域数が大きい場合には探知度を小さく増加、一方、レーダ探知小領域数が小さい場合には探知度を大きく増加させることによって最終的な探知度を算出する。
【0059】
重要度設定手段82は、各小領域について、探知度が大きい場合は、その重要度を低く設定する。重要度の設定方法としては、上記の実施の形態1と同様に、あらかじめ探知度と重要度の対応規則を定めておき、これに基づいて行うようにすれば良い。
【0060】
この実施の形態3によれば、位置決定済レーダのレーダ探知小領域数を考慮した探知度に基づいて、探知度が大きい小領域の重要度を低く設定するので、要求覆域内の小領域を、一部のレーダのデータレートを極端に悪化させることなく、満遍なく探知できるレーダ配置が得られる。
【0061】
実施の形態4.
この発明の実施の形態4に係るレーダ配置算出装置について図13及び図14を参照しながら説明する。図13は、この発明の実施の形態4に係るレーダ配置算出装置の構成を示すブロック図である。また、図14は、この発明の実施の形態4に係るレーダ配置算出装置のある位置決定済のレーダのレーダ位置及びレーダ探知可能領域、並びに要求覆域の例を示す図である。
【0062】
図13において、この実施の形態4は、小領域重要度算出手段8の構成が上記の実施の形態1と異なる。
【0063】
この実施の形態4における小領域重要度算出手段8は、レーダ探知角度範囲抽出手段88と、レーダ探知角度範囲保持手段89と、探知レーダ抽出手段8Aと、探知度算出手段8Bと、重要度設定手段82とから構成されている。それ以外の構成は、基本的に上記の実施の形態1と同じである。
【0064】
レーダ探知角度範囲抽出手段88は、位置決定済のレーダのレーダ種類およびレーダ位置に対応するレーダ探知可能領域を構成する小領域のうち、要求覆域に含まれる小領域を見込む、レーダ位置を中心とした角度(「レーダ探知角度範囲」と呼ぶ)を抽出する。
【0065】
レーダ探知角度範囲保持手段89は、レーダ探知角度範囲抽出手段88が抽出した、位置決定済のレーダのレーダ種類およびレーダ位置に対応するレーダ探知角度範囲を保持する。
【0066】
レーダ探知角度範囲について、図14に基づいて説明する。図14は、ある位置決定済のレーダのレーダ位置およびレーダ探知可能領域、また要求覆域を表す。図14において、レーダ探知可能領域と要求覆域の両方に含まれる小領域集合を見込む、レーダ位置を中心とした角度が、レーダ探知角度範囲であり、図14ではθで示されている。
【0067】
レーダ探知可能領域はレーダで探知可能な範囲を表すが、実際のレーダ運用に際しては、その全てを探知するとは限らない。まず、要求覆域以外の部分は、探知することをユーザに要求されていないため、探知しない運用にすることが多いと思われる。さらに、要求覆域内部に関しても、探知の角度範囲が広いと、一通り探知するために要する時間も長くなってしまうため、データレートを重視する場合には、なるべく探知の角度範囲を狭くする運用を行うことになる。従って、大まかに捉えると、あるレーダで探知可能な小領域を実際の運用でも探知する可能性は、レーダ探知角度範囲が大きいほど低下すると考えられる。
【0068】
一方、探知レーダ抽出手段8Aは、要求覆域内の各小領域について、位置決定済のレーダのレーダ種類およびレーダ位置に対応するレーダ探知可能領域に含まれるかどうかを調べることによって、探知可能かどうかを判定する。
【0069】
探知度算出手段8Bは、各小領域について、「位置決定済のレーダによる探知の度合」を表す「探知度」を算出する。探知度は、その小領域を探知可能な個々の位置決定済レーダの探知可能性の総和を取ることによって算出する。ここで、個々の位置決定済レーダの探知可能性は、前述の考えに基づき、レーダ探知角度範囲が大きいほど低下するものとする。具体的には、例えば、個々の位置決定済レーダの探知可能性を、レーダ探知角度範囲の逆数とするなどすれば良い。つまり、探知度算出手段8Bは、小領域のそれぞれについて、一定の初期値を与えられた探知度に関し、探知レーダ抽出手段8Aによって探知可能と判定された位置決定済のレーダに対応するレーダ探知角度範囲が大きい場合には探知度を小さく増加、一方、レーダ探知角度範囲が小さい場合には探知度を大きく増加させることによって最終的な探知度を算出する。
【0070】
重要度設定手段82は、各小領域について、探知度が大きい場合は、その重要度を低く設定する。重要度の設定方法としては、上記の実施の形態1と同様に、あらかじめ探知度と重要度の対応規則を定めておき、これに基づいて行うようにすれば良い。
【0071】
この実施の形態4によれば、位置決定済レーダのレーダ探知角度範囲を考慮した探知度に基づいて、探知度が大きい小領域の重要度を低く設定するので、要求覆域内の小領域を、一部のレーダのデータレートを極端に悪化させることなく、満遍なく探知できるレーダ配置が得られる。
【0072】
実施の形態5.
この発明の実施の形態5に係るレーダ配置算出装置について図15を参照しながら説明する。図15は、この発明の実施の形態5に係るレーダ配置算出装置の構成を示すブロック図である。
【0073】
図15において、この実施の形態5は、小領域重要度算出手段8の構成が上記の実施の形態1と異なる。
【0074】
この実施の形態5における小領域重要度算出手段8は、探知レーダ候補数抽出手段8Cと、探知レーダ数抽出手段81と、重要度設定手段82とから構成されている。それ以外の構成は、基本的に上記の実施の形態1と同じである。
【0075】
探知レーダ候補数抽出手段8Cは、要求覆域内の各小領域について、位置未決定のレーダのうち、その小領域を探知可能となりうるレーダの数(「探知レーダ候補数」と呼ぶ)を抽出する。この値は、位置未決定のレーダに関するレーダ種類と、いずれかのレーダ位置候補との可能な組合せにおいて、そのレーダ探知可能領域がその小領域を含むかどうかを判定し、その判定結果と、レーダ種類に対応するレーダ数とに基づいて求めることができる。
【0076】
例えば、位置未決定レーダ保持手段6に、「レーダ種類Aのレーダが2台、レーダ種類Bのレーダが1台」なる情報が保持されている場合を考える。また、レーダ位置候補としてαとβがあるものとする。この時、以下のレーダ探知可能領域を考えることができる。
【0077】
(1)レーダ種類A、レーダ位置候補αに対するレーダ探知可能領域。
(2)レーダ種類A、レーダ位置候補βに対するレーダ探知可能領域。
(3)レーダ種類B、レーダ位置候補αに対するレーダ探知可能領域。
(4)レーダ種類B、レーダ位置候補βに対するレーダ探知可能領域。
【0078】
ある小領域Pが、これらのレーダ探知可能領域のうち(1)のみに含まれている場合を考えると、レーダ種類Aのレーダ数は2なので、小領域Pの探知レーダ候補数は2となる。
【0079】
一方、ある小領域Qが、これらのレーダ探知可能領域のうち(1)と(2)に含まれている場合を考えると、小領域Qを探知可能なレーダ種類は小領域Pと同じくAだけなので、小領域Pと同様、小領域Qの探知レーダ候補数も2となる。
【0080】
また、ある小領域Rが、これらのレーダ探知可能領域のうち(1)と(4)に含まれている場合を考えると、レーダ種類Aのレーダ数は2、レーダ種類Bのレーダ数は1なので、小領域Rの探知レーダ候補数は3となる。
【0081】
探知レーダ数抽出手段81の動作は、上記の実施の形態1と同じなので省略する。
【0082】
重要度設定手段82は、小領域のそれぞれについて、上記の実施の形態1と同様、探知レーダ数が大きい小領域については低い重要度を、探知レーダ数が小さい小領域については高い重要度を設定する。この重要度設定手段82は、重要度の計算について、さらに探知レーダ候補数も考慮し、探知レーダ候補数が小さい場合は、その重要度を高く設定する。
【0083】
これは、例えば、探知レーダ数、探知レーダ候補数と重要度との間に、以下の対応規則を設定することによって実現する。
【0084】
(1)探知レーダ候補数が2以上、探知レーダ数が0ならば重要度は5。
(2)探知レーダ候補数が2以上、探知レーダ数が1ならば重要度は1。
(3)探知レーダ候補数が2以上、探知レーダ数が2以上ならば重要度は0。
(4)探知レーダ候補数が1、探知レーダ数が0ならば重要度は50。
(5)探知レーダ候補数が1、探知レーダ数が1ならば重要度は3。
(6)探知レーダ候補数が1、探知レーダ数が2以上ならば重要度は0。
【0085】
なお、探知レーダ候補数が0の場合は、その小領域を探知可能な位置未決定のレーダは存在しないため、重要度をどのように設定しようがその後のレーダ位置決定には影響はない。
【0086】
この実施の形態5によれば、探知レーダ候補数が小さい小領域について、重要度が高く設定されるので、少ないレーダでしか探知可能となり得ないような探知困難な小領域も、確実に探知できるようなレーダ配置が得られる。
【0087】
実施の形態6.
この発明の実施の形態6に係るレーダ配置算出装置について図16及び図17を参照しながら説明する。図16は、この発明の実施の形態6に係るレーダ配置算出装置の構成を示すブロック図である。また、図17は、この発明の実施の形態6に係るレーダ配置算出装置のあるレーダ種類・レーダ位置候補に対するレーダ探知可能領域及び着目している小領域の例を示す図である。
【0088】
図16において、この実施の形態6は、小領域距離算出手段12と、重要度修正手段13とがさらに設けられている点が、上記の実施の形態1と異なる。それ以外の構成は、基本的に上記の実施の形態1と同じである。
【0089】
小領域距離算出手段12は、各小領域について、位置未決定のレーダに関するレーダ位置候補との間の距離(「小領域距離」と呼ぶ)を算出する。但し、小領域距離算出の対象とする小領域は、その時にレーダ位置評価値算出の対象としている位置未決定のレーダのレーダ種類およびレーダ位置候補に対応するレーダ探知可能領域に含まれているものに限られる。
【0090】
小領域距離について、図17に基づいて説明する。図17は、あるレーダ種類・レーダ位置候補に対するレーダ探知可能領域および、着目している小領域を示す例である。図17で想定しているレーダ種類・レーダ位置候補について、レーダ位置評価値を算出する場合を考える。この場合、小領域距離は、レーダ位置候補と小領域との間の距離であり、図17においてRで示されるものとなる。
【0091】
重要度修正手段13は、レーダ位置評価値算出の対象としている位置未決定のレーダのレーダ種類およびレーダ位置候補に対応するレーダ探知可能領域に含まれる各小領域について、小領域距離が小さい場合には重要度が大きくなるように重要度を修正して、修正後の重要度を出力する。具体的には、例えば元の重要度を、小領域距離の2乗で割った値を、修正後の重要度などとすれば良い。
【0092】
レーダ位置評価値算出手段10は、修正後の重要度に基づいてレーダ位置評価値を算出する。
【0093】
この実施の形態6によれば、レーダ位置候補と小領域との距離が小さい場合に、その小領域の重要度が相対的に高く修正されるので、各小領域が距離的に近い位置に配置されたレーダで探知できるようなレーダ配置が得られる。その結果、各レーダの探知距離は短くなり、従って、レーダが放射すべき電磁波のエネルギーが少なくて済み、さらにデータレートも向上するという効果がある。
【0094】
実施の形態7.
この発明の実施の形態7に係るレーダ配置算出装置について図18から図20までを参照しながら説明する。図18は、この発明の実施の形態7に係るレーダ配置算出装置の構成を示すブロック図である。また、図19は、この発明の実施の形態7に係るレーダ配置算出装置の位置決定済レーダのレーダ位置及びレーダ探知可能領域、あるレーダ位置候補、並びに着目している小領域の例を示す図である。さらに、図20は、この発明の実施の形態7に係るレーダ配置算出装置の位置決定済レーダのレーダ位置と着目している小領域との間に局所的なクラッタが発生した場合の例を示す図である。
【0095】
図18において、この実施の形態7は、探知角度抽出手段14と、探知角度保持手段15と、探知角度差算出手段16と、重要度修正手段17とがさらに設けられている点が、上記の実施の形態1と異なる。それ以外の構成は、基本的に上記の実施の形態1と同じである。
【0096】
探知角度抽出手段14は、位置決定済のレーダのレーダ種類およびレーダ位置に対応するレーダ探知可能領域に含まれる小領域について、そのレーダ位置を基準とした角度(「探知角度」と呼ぶ)を抽出する。
【0097】
探知角度について、図19に基づいて説明する。図19は、位置決定済レーダのレーダ位置およびレーダ探知可能領域、あるレーダ位置候補、また、着目している小領域を示す例である。図19の位置決定済レーダおよび着目している小領域に関する探知角度は、図19においてαで表している角度である。ここで、角度測定の基準となる方向は、予め「東方向」等と定めておくものとする。また,探知角度は、位置決定済レーダのレーダ探知可能領域に含まれる小領域のみに対して計算されるものとする。
【0098】
探知角度保持手段15は、探知角度抽出手段14が算出した各小領域に関する探知角度を保持する。
【0099】
探知角度差算出手段16は、各小領域について、位置未決定のレーダに関するレーダ位置候補を基準とした探知角度と、探知角度差算出手段16に保持された探知角度との差のうち最小の値を探知角度差として算出する。但し、探知角度差算出の対象とする小領域は、その時にレーダ位置評価値算出の対象としている位置未決定のレーダのレーダ種類およびレーダ位置候補に対応するレーダ探知可能領域に含まれているものに限られる。
【0100】
探知角度差について、図19に基づいて説明する。図19において、位置未決定のレーダに関するレーダ位置候補および着目している小領域に関する探知角度は、図19のβで表している角度である。着目している小領域を探知可能な位置決定済レーダが1台のみである場合、探知角度差は|α−β|(つまりαとβの差の絶対値)となる。
【0101】
また、着目している小領域を探知可能な位置決定済レーダが複数台ある場合、探知角度差は、探知角度の差として計算される値のうちの最小の値とする。
【0102】
重要度修正手段17は、各小領域について、探知角度差が大きい場合には重要度が大きくなるように重要度を修正する。具体的には、例えば元の重要度に対し、探知角度差を掛けた値を、修正後の重要度などとすれば良い。
【0103】
レーダ位置評価値算出手段10は、修正後の重要度に基づいてレーダ位置評価値を算出する。
【0104】
この実施の形態7の効果について、図20に基づいて説明する。この実施の形態7によれば、探知角度差が大きい場合に、その小領域の重要度が相対的に高く修正される。例えば、図20において、位置決定済レーダのレーダ位置、また、レーダ位置候補Aとレーダ位置候補Bがある場合、同じ小領域であっても、レーダ位置候補Bの方が探知角度差が大きいため、修正後の重要度も大きくなり、結果的にレーダ位置候補Bの方が選択されやすくなる。
【0105】
図20において、位置決定済レーダのレーダ位置と小領域との間に局所的なクラッタが発生した場合を考えると、レーダ位置候補Aにレーダを配置すると、同じクラッタのために小領域が探知できなくなる。一方、レーダ位置候補Bにレーダを配置すると、クラッタに邪魔されずに小領域を探知できると期待される。
【0106】
このように、この実施の形態7によれば、局所的なクラッタが発生した場合でも、いずれかのレーダで要求覆域を探知できるようなレーダ配置が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0107】
【図1】この発明の実施の形態1に係るレーダ配置算出装置の構成を示すブロック図である。
【図2】この発明の実施の形態1に係るレーダ配置算出装置の要求覆域及びレーダ位置候補の例を示す図である。
【図3】この発明の実施の形態1に係るレーダ配置算出装置のレーダ配置例を示す図である。
【図4】この発明の実施の形態1に係るレーダ配置算出装置の小領域及び小領域の集合として表現される要求覆域の例を示す図である。
【図5】この発明の実施の形態1に係るレーダ配置算出装置のあるレーダ種類・レーダ位置候補に対するレーダ探知可能領域の例を示す図である。
【図6】この発明の実施の形態1に係るレーダ配置算出装置のある位置未決定のレーダを、あるレーダ位置候補に配置した場合のレーダ探知可能領域及び要求覆域の例を示す図である。
【図7】この発明の実施の形態1に係るレーダ配置算出装置の2台の位置決定済レーダがある場合について、レーダ探知可能領域及び要求覆域の例を示す図である。
【図8】この発明の実施の形態1に係るレーダ配置算出装置のレーダ配置算出処理を示すフローチャートである。
【図9】この発明の実施の形態2に係るレーダ配置算出装置の構成を示すブロック図である。
【図10】この発明の実施の形態2に係るレーダ配置算出装置の優先監視領域の例を示す図である。
【図11】この発明の実施の形態3に係るレーダ配置算出装置の構成を示すブロック図である。
【図12】この発明の実施の形態3に係るレーダ配置算出装置のある位置決定済のレーダのレーダ位置及びレーダ探知可能領域、並びに要求覆域の例を示す図である。
【図13】この発明の実施の形態4に係るレーダ配置算出装置の構成を示すブロック図である。
【図14】この発明の実施の形態4に係るレーダ配置算出装置のある位置決定済のレーダのレーダ位置及びレーダ探知可能領域、並びに要求覆域の例を示す図である。
【図15】この発明の実施の形態5に係るレーダ配置算出装置の構成を示すブロック図である。
【図16】この発明の実施の形態6に係るレーダ配置算出装置の構成を示すブロック図である。
【図17】この発明の実施の形態6に係るレーダ配置算出装置のあるレーダ種類・レーダ位置候補に対するレーダ探知可能領域及び着目している小領域の例を示す図である。
【図18】この発明の実施の形態7に係るレーダ配置算出装置の構成を示すブロック図である。
【図19】この発明の実施の形態7に係るレーダ配置算出装置の位置決定済レーダのレーダ位置及びレーダ探知可能領域、あるレーダ位置候補、並びに着目している小領域の例を示す図である。
【図20】この発明の実施の形態7に係るレーダ配置算出装置の位置決定済レーダのレーダ位置と小領域との間に局所的なクラッタが発生した場合の例を示す図である。
【符号の説明】
【0108】
1 レーダ位置候補保持手段、2 レーダ情報保持手段、3 レーダ探知可能領域算出手段、4 レーダ探知可能領域保持手段、5 要求覆域保持手段、6 位置未決定レーダ保持手段、7 レーダ位置保持手段、8 小領域重要度算出手段、9 小領域重要度保持手段、10 レーダ位置評価値算出手段、11 最適レーダ位置選択手段、12 小領域距離算出手段、13 重要度修正手段、14 探知角度抽出手段、15 探知角度保持手段、16 探知角度差算出手段、17 重要度修正手段、81 探知レーダ数抽出手段、82 重要度設定手段、83 優先監視領域保持手段、84 レーダ探知小領域数抽出手段、85 レーダ探知小領域数保持手段、86 探知レーダ抽出手段、87 探知度算出手段、88 レーダ探知角度範囲抽出手段、89 レーダ探知角度範囲保持手段、8A 探知レーダ抽出手段、8B 探知度算出手段、8C 探知レーダ候補数抽出手段。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
地形情報及びレーダ位置候補を保持するレーダ位置候補保持手段と、
配置対象とする複数のレーダ種類のレーダ諸元を保持するレーダ情報保持手段と、
前記レーダ諸元に基づいて、前記レーダ種類と前記レーダ位置候補の組合せについて、探知対象空間をメッシュ分割した小領域の集合として表現されるレーダ探知可能領域を算出するレーダ探知可能領域算出手段と、
前記レーダ探知可能領域算出手段により算出されたレーダ探知可能領域を保持するレーダ探知可能領域保持手段と、
探知すべき領域であり、前記小領域の集合として表現される要求覆域を保持する要求覆域保持手段と、
配置対象とする位置未決定のレーダのレーダ種類及びレーダ数を保持する位置未決定レーダ保持手段と、
位置決定済のレーダのレーダ種類及びレーダ位置を保持するレーダ位置保持手段と、
位置決定済のレーダのレーダ種類及びレーダ位置に対応するレーダ探知可能領域に基づいて、要求覆域内の小領域毎の重要度を算出する小領域重要度算出手段と、
前記小領域重要度算出手段により算出された小領域毎の重要度を保持する小領域重要度保持手段と、
位置未決定のレーダに関するレーダ種類とレーダ位置候補の組合せについて、レーダ探知可能領域及び要求覆域に含まれる小領域集合を抽出し、前記小領域集合に属する小領域の重要度を総合することによってレーダ位置評価値を算出するレーダ位置評価値算出手段と、
位置未決定のレーダに関するレーダ種類とレーダ位置候補の組合せのうち、前記レーダ位置評価値が最大のものを選択し、選択されたレーダ種類のレーダ1台を選択されたレーダ位置候補に配置して位置決定済として前記レーダ位置保持手段に追加するとともに、選択されたレーダ種類のレーダ1台を前記位置未決定レーダ保持手段から削除する最適レーダ位置選択手段と
を備えたことを特徴とするレーダ配置算出装置。
【請求項2】
前記小領域重要度算出手段は、
前記要求覆域内の各小領域について、位置決定済のレーダのレーダ種類及びレーダ位置に対応するレーダ探知可能領域に含まれるかどうかを調べて探知可能かどうかを判定し、探知可能と判定されたレーダの数である探知レーダ数を算出する探知レーダ数抽出手段と、
前記要求覆域内の各小領域について、前記探知レーダ数が大きい程、重要度を低く設定する重要度設定手段とを有する
ことを特徴とする請求項1記載のレーダ配置算出装置。
【請求項3】
前記小領域重要度算出手段は、
優先して監視すべき領域であり、前記小領域の集合として表現される優先監視領域及び前記優先監視領域の優先度を保持する優先監視領域保持手段をさらに有し、
前記重要度設定手段は、前記要求覆域内の各小領域について、前記優先度が大きい程、重要度を高く設定する
ことを特徴とする請求項2記載のレーダ配置算出装置。
【請求項4】
前記小領域重要度算出手段は、
位置決定済のレーダのレーダ種類及びレーダ位置に対応するレーダ探知可能領域を構成する小領域のうち、前記要求覆域に含まれる小領域の数をレーダ探知小領域数として抽出するレーダ探知小領域数抽出手段と、
前記レーダ探知小領域数抽出手段により抽出されたレーダ探知小領域数を保持するレーダ探知小領域数保持手段と、
前記要求覆域内の各小領域について、位置決定済のレーダのレーダ種類及びレーダ位置に対応するレーダ探知可能領域に含まれるかどうかを調べて探知可能かどうかを判定する探知レーダ抽出手段と、
前記要求覆域内の各小領域について、一定の初期値を与えられた探知度に関し、前記探知レーダ抽出手段によって探知可能と判定された位置決定済のレーダに対応するレーダ探知小領域数が大きい場合には探知度を小さく増加させ、前記レーダ探知小領域数が小さい場合には探知度を大きく増加させることによって最終的な探知度を算出する探知度算出手段と、
前記要求覆域内の各小領域について、前記探知度が大きい程、重要度を低く設定する重要度設定手段とを有する
ことを特徴とする請求項1記載のレーダ配置算出装置。
【請求項5】
前記小領域重要度算出手段は、
位置決定済のレーダのレーダ種類及びレーダ位置に対応するレーダ探知可能領域を構成する小領域のうち、前記要求覆域に含まれる小領域を見込む、レーダ位置を中心とした角度をレーダ探知角度範囲として抽出するレーダ探知角度範囲抽出手段と、
前記レーダ探知角度範囲抽出手段により抽出されたレーダ探知角度範囲を保持するレーダ探知角度範囲保持手段と、
前記要求覆域内の各小領域について、位置決定済のレーダのレーダ種類及びレーダ位置に対応するレーダ探知可能領域に含まれるかどうかを調べて探知可能かどうかを判定する探知レーダ抽出手段と、
前記要求覆域内の各小領域について、一定の初期値を与えられた探知度に関し、前記探知レーダ抽出手段によって探知可能と判定された位置決定済のレーダに対応するレーダ探知角度範囲が大きい場合には探知度を小さく増加させ、前記レーダ探知角度範囲が小さい場合には探知度を大きく増加させることによって最終的な探知度を算出する探知度算出手段と、
前記要求覆域内の各小領域について、前記探知度が大きい程、重要度を低く設定する重要度設定手段とを有する
ことを特徴とする請求項1記載のレーダ配置算出装置。
【請求項6】
前記小領域重要度算出手段は、
前記要求覆域内の各小領域について、位置未決定のレーダに関するレーダ種類と前記レーダ位置候補の組合せに対するレーダ探知可能領域のうち、前記小領域が含まれているレーダ探知可能領域に対応するレーダ種類のレーダ数に基づいて、探知可能となりうるレーダの数を探知レーダ候補数として抽出する探知レーダ候補数抽出手段をさらに有し、
前記重要度設定手段は、前記要求覆域内の各小領域について、前記探知レーダ候補数が小さい程、重要度を高く設定する
ことを特徴とする請求項2記載のレーダ配置算出装置。
【請求項7】
前記レーダ探知可能領域保持手段により保持されたレーダ探知可能領域の各小領域について、前記レーダ位置候補との間の距離を小領域距離として算出する小領域距離算出手段と、
前記各小領域について、前記小領域距離が小さい場合には重要度が大きくなるように重要度を修正する重要度修正手段とをさらに備え、
前記レーダ位置評価値算出手段は、修正後の重要度に基づいてレーダ位置評価値を算出する
ことを特徴とする請求項1記載のレーダ配置算出装置。
【請求項8】
位置決定済のレーダのレーダ種類及びレーダ位置に対応するレーダ探知可能領域に含まれる小領域について、前記位置決定済のレーダのレーダ位置を基準とした角度を探知角度として抽出する探知角度抽出手段と、
前記探知角度抽出手段により抽出された探知角度を保持する探知角度保持手段と、
前記各小領域について、位置未決定のレーダに関するレーダ位置候補を基準とした探知角度と、前記探知角度保持手段により保持された探知角度との差のうち最小の値を探知角度差として算出する探知角度差算出手段と、
前記各小領域について、前記探知角度差が大きい場合には重要度が大きくなるように重要度を修正する重要度修正手段とをさらに備え、
前記レーダ位置評価値算出手段は、修正後の重要度に基づいてレーダ位置評価値を算出する
ことを特徴とする請求項1記載のレーダ配置算出装置。
【請求項9】
配置対象とする複数のレーダ種類のレーダ諸元に基づいて、前記レーダ種類とレーダ位置候補の組合せについて、探知対象空間をメッシュ分割した小領域の集合として表現されるレーダ探知可能領域を算出するステップと、
位置決定済のレーダのレーダ種類及びレーダ位置に対応するレーダ探知可能領域に基づいて、要求覆域内の小領域毎の重要度を算出するステップと、
位置未決定のレーダに関するレーダ種類とレーダ位置候補の組合せについて、レーダ探知可能領域及び要求覆域に含まれる小領域集合を抽出し、前記小領域集合に属する小領域の重要度を総合することによってレーダ位置評価値を算出するステップと、
位置未決定のレーダに関するレーダ種類とレーダ位置候補の組合せのうち、前記レーダ位置評価値が最大のものを選択するステップと
を含むことを特徴とするレーダ配置算出方法。
【請求項10】
前記小領域毎の重要度を算出するステップは、
前記要求覆域内の各小領域について、位置決定済のレーダのレーダ種類及びレーダ位置に対応するレーダ探知可能領域に含まれるかどうかを調べて探知可能かどうかを判定し、探知可能と判定されたレーダの数である探知レーダ数を算出するステップと、
前記要求覆域内の各小領域について、前記探知レーダ数が大きい程、重要度を低く設定する重要度設定ステップとを含む
ことを特徴とする請求項9記載のレーダ配置算出方法。
【請求項11】
前記小領域毎の重要度を算出するステップは、
優先して監視すべき領域であり、前記小領域の集合として表現される優先監視領域及び前記優先監視領域の優先度を保持するステップをさらに含み、
前記重要度設定ステップは、前記要求覆域内の各小領域について、前記優先度が大きい程、重要度を高く設定する
ことを特徴とする請求項10記載のレーダ配置算出方法。
【請求項12】
前記小領域毎の重要度を算出するステップは、
位置決定済のレーダのレーダ種類及びレーダ位置に対応するレーダ探知可能領域を構成する小領域のうち、前記要求覆域に含まれる小領域の数をレーダ探知小領域数として抽出するステップと、
前記要求覆域内の各小領域について、位置決定済のレーダのレーダ種類及びレーダ位置に対応するレーダ探知可能領域に含まれるかどうかを調べて探知可能かどうかを判定するステップと、
前記要求覆域内の各小領域について、一定の初期値を与えられた探知度に関し、前記判定するステップによって探知可能と判定された位置決定済のレーダに対応するレーダ探知小領域数が大きい場合には探知度を小さく増加させ、前記レーダ探知小領域数が小さい場合には探知度を大きく増加させることによって最終的な探知度を算出するステップと、
前記要求覆域内の各小領域について、前記探知度が大きい程、重要度を低く設定する重要度設定ステップとを有する
ことを特徴とする請求項9記載のレーダ配置算出方法。
【請求項13】
前記小領域毎の重要度を算出するステップは、
位置決定済のレーダのレーダ種類及びレーダ位置に対応するレーダ探知可能領域を構成する小領域のうち、前記要求覆域に含まれる小領域を見込む、レーダ位置を中心とした角度をレーダ探知角度範囲として抽出するステップと、
前記要求覆域内の各小領域について、位置決定済のレーダのレーダ種類及びレーダ位置に対応するレーダ探知可能領域に含まれるかどうかを調べて探知可能かどうかを判定するステップと、
前記要求覆域内の各小領域について、一定の初期値を与えられた探知度に関し、前記判定するステップによって探知可能と判定された位置決定済のレーダに対応するレーダ探知角度範囲が大きい場合には探知度を小さく増加させ、前記レーダ探知角度範囲が小さい場合には探知度を大きく増加させることによって最終的な探知度を算出するステップと、
前記要求覆域内の各小領域について、前記探知度が大きい程、重要度を低く設定する重要度設定ステップとを含む
ことを特徴とする請求項9記載のレーダ配置算出方法。
【請求項14】
前記小領域毎の重要度を算出するステップは、
前記要求覆域内の各小領域について、位置未決定のレーダに関するレーダ種類と前記レーダ位置候補の組合せに対するレーダ探知可能領域のうち、前記小領域が含まれているレーダ探知可能領域に対応するレーダ種類のレーダ数に基づいて、探知可能となりうるレーダの数を探知レーダ候補数として抽出するステップをさらに含み、
前記重要度設定ステップは、前記要求覆域内の各小領域について、前記探知レーダ候補数が小さい程、重要度を高く設定する
ことを特徴とする請求項10記載のレーダ配置算出方法。
【請求項15】
前記レーダ探知可能領域の各小領域について、前記レーダ位置候補との間の距離を小領域距離として算出するステップと、
前記各小領域について、前記小領域距離が小さい場合には重要度が大きくなるように重要度を修正するステップとをさらに含み、
前記レーダ位置評価値を算出するステップは、修正後の重要度に基づいてレーダ位置評価値を算出する
ことを特徴とする請求項9記載のレーダ配置算出方法。
【請求項16】
位置決定済のレーダのレーダ種類及びレーダ位置に対応するレーダ探知可能領域に含まれる小領域について、前記位置決定済のレーダのレーダ位置を基準とした角度を探知角度として抽出するステップと、
前記各小領域について、位置未決定のレーダに関するレーダ位置候補を基準とした探知角度と、前記抽出するステップにより抽出された探知角度との差のうち最小の値を探知角度差として算出するステップと、
前記各小領域について、前記探知角度差が大きい場合には重要度が大きくなるように重要度を修正するステップとをさらに含み、
前記レーダ位置評価値を算出するステップは、修正後の重要度に基づいてレーダ位置評価値を算出する
ことを特徴とする請求項9記載のレーダ配置算出方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2007−309747(P2007−309747A)
【公開日】平成19年11月29日(2007.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−137871(P2006−137871)
【出願日】平成18年5月17日(2006.5.17)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】