説明

ログ管理装置およびログ管理プログラム

【課題】 複数チャンネルのコンテンツデータを同時に受信する場合であっても、実際にユーザ操作によって選択されたチャンネルのログを記録すること。
【解決手段】 同時に各チャンネルプログラムA〜Dがサーバ200からの対応するチャンネルのコンテンツデータを受信してバッファに蓄積しているにもかかわらず、再生部6と接続されているチャンネルプログラムのみが、再生部6に送信したコンテンツデータのログをログテーブルに記録し、再生部6と接続されていないチャンネルプログラムはログをログテーブルに記録しない。従って、ユーザ操作によって選択されたチャンネルのログを正確に記録して管理することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サーバからコンテンツデータを受信して再生する端末装置におけるログ管理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
1又は複数のサーバから、複数チャンネルの放送コンテンツデータ(例えば音声データ)がデータストリームの形式で配信され、端末装置で受信して、ユーザが希望するチャンネルのコンテンツデータを再生するサービスが提供されている。端末装置は、コンテンツデータを受信して再生する際には、コンテンツデータを所定量以上バッファに蓄積する必要がある。ここで、ユーザ操作によってチャンネルが変更された際に、一からバッファに変更後のチャンネルのコンテンツデータを蓄積し、バッファ内のコンテンツデータ量が所定量以上になってから再生を開始するので、直ぐにコンテンツデータを再生することができない。
【0003】
この問題を解決するために、端末装置が、複数チャンネルのそれぞれに対応する複数バッファを備えており、複数チャンネルのコンテンツデータを同時に受信して、複数バッファに同時に蓄積することによって、チャンネルが変更された際にも、直ちに変更後のチャンネルに対応するバッファに蓄積されたコンテンツデータを再生開始する端末装置が考えられる。
【0004】
ここで、サーバを運営する放送局においては、端末装置における複数チャンネルのコンテンツデータの再生状況に関するログ(例えば、選択されたチャンネル、及び、その再生時間等)を端末装置から収集して、今後のコンテンツデータの製作に利用することが行われている。従来のように、端末装置がユーザ操作によって選択された1つのチャンネルのコンテンツデータのみを受信する場合には、受信しているチャンネルとその受信時間とを集計することによってログを管理することができる。しかし、上記のように、端末装置が同時に複数チャンネルのコンテンツデータを受信し、複数バッファに蓄積する場合には、どのチャンネルに関するログを収集し、サーバに送信すべきであるかを特定することが困難である。
【0005】
【特許文献1】特開2002−82849号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は上記従来の課題を解決するためになされたものであり、その目的は、複数チャンネルのコンテンツデータを同時に受信する場合であっても、実際にユーザ操作によって選択されたチャンネルのログを記録することができるログ管理装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の好ましい実施形態によるログ管理装置は、1又は複数チャンネルのコンテンツデータを送信する1又は複数のサーバに接続可能であり、前記サーバから複数チャンネルのコンテンツデータを同時に受信して、一時的に複数チャンネルのコンテンツデータを蓄積する受信蓄積手段と、ユーザ操作に応じて複数チャンネルの中からチャンネルを選択する選択手段と、前記受信蓄積手段が蓄積する複数チャンネルのコンテンツデータの中から、前記選択手段によって選択されたチャンネルのコンテンツデータを再生する再生手段と、ログを記録するためのログ記憶部と、前記受信蓄積手段がコンテンツデータを蓄積する各チャンネルのうち、前記再生手段によって再生されたチャンネルのコンテンツデータに関するログを前記ログ記憶部に記録すると共に、前記再生手段によって再生されないチャンネルのコンテンツデータに関するログを前記ログ記憶部に記録しないログ記録手段とを備える。
【0008】
受信蓄積手段がサーバからの複数チャンネルのコンテンツデータを同時に受信して一時的に蓄積しているので、ユーザ操作によってチャンネルが選択又は変更されたときに、再生手段が即座に選択又は変更されたチャンネルのコンテンツデータを再生開始することができる。なお、一時的に蓄積するとは、コンテンツデータの再生後に蓄積されているコンテンツデータが消去されることをいう。さらに、受信蓄積手段がサーバからの複数チャンネルのコンテンツデータを同時に受信して一時的に蓄積しているにもかかわらず、ログ記録手段が再生手段によって再生されたチャンネルのコンテンツデータのログのみを記録し、再生手段によって再生されないチャンネルのコンテンツデータのログは記録しない。従って、ユーザ操作によって選択されたチャンネルのログを正確に記録して管理することができる。
【0009】
好ましい実施形態においては、前記ログ管理装置は、前記ログ記憶部に記録されている1又は複数のログの中から、前記再生手段による再生時間に基づいて送信ログを決定する送信ログ決定手段と、前記送信ログ決定手段によって決定された送信ログを前記サーバに送信するログ送信手段とをさらに備える。
【0010】
例えば、ユーザ操作によって頻繁にチャンネルが変更される場合、短期間に複数のチャンネルのログが多数記録されてしまい、ログの管理が煩雑になる。しかし、送信ログ決定手段が、1又は複数のログの中から再生時間に基づいてサーバに送信すべき送信ログを決定するので、サーバに多数のログが送信されること防止することができる。
【0011】
好ましい実施形態においては、前記コンテンツデータが複数のパケットを含み、 前記送信ログ決定手段が、前記コンテンツデータの1パケット当たりの再生時間と、前記再生手段によって再生されたパケット数とを乗算して前記再生時間を算出する。
【0012】
各チャンネルのコンテンツデータ毎にビットレートが異なる場合には、再生手段が再生したパケット数のみからでは再生時間を正確に判断できない。そこで、1パケット当たりの再生時間とパケット数とを乗算することによって再生時間を正確に算出することができる。
【0013】
好ましい実施形態においては、前記ログ記録手段が、所定条件を満たしたときに前記ログ記憶部にログを記録することによって前記ログ記憶部に複数のログを記録し、前記送信ログ決定手段が、前記ログ記憶部に記録されている複数のログのうち、同一チャンネルに関するログをまとめて1つのログを生成する。
【0014】
この場合、同一チャンネルに関する複数のログを1つにまとめることにより、ログの管理を簡易にすることができる。さらに、同一チャンネルのログをまとめた後に再生時間に基づいて送信ログを決定することにより、より最適なログを送信ログに決定することができる。
【0015】
本発明の別の好ましい実施形態によるログ管理装置は、1又は複数チャンネルのコンテンツデータを送信する1又は複数のサーバに接続可能であり、各チャンネルに対応する複数のチャンネルプログラムと、再生プログラムとが実行されるログ管理装置であって、前記各チャンネルプログラムが、前記サーバから対応するチャンネルのコンテンツデータを受信して、一時的にコンテンツデータを蓄積する受信蓄積ステップと、前記再生プログラムと接続された場合に、前記受信蓄積ステップが蓄積するコンテンツデータを再生プログラムに送信する送信ステップと、 前記再生プログラムと接続された場合に、前記送信ステップが前記再生プログラムに送信したコンテンツデータに関するログをログ記憶部に記録するログ記録ステップと、前記再生プログラムと接続解除された場合に、ログ記憶部へのログの記録を停止するログ記録停止ステップとを含み、前記再生プログラムが、ユーザ操作に応じて選択されたチャンネルに対応するチャンネルプログラムのみと接続する接続ステップと、前記接続ステップによって接続された前記チャンネルプログラムから、コンテンツデータを受信して再生する再生ステップとを含む。
【0016】
同時に各チャンネルプログラムの受信蓄積ステップがサーバからの対応するチャンネルのコンテンツデータを受信して一時的に蓄積しているので、ユーザ操作によってチャンネルが選択又は変更されたときに、再生ステップが即座に選択又は変更されたチャンネルのコンテンツデータを再生開始することができる。さらに、同時に各チャンネルプログラムの受信蓄積ステップがサーバからの対応するチャンネルのコンテンツデータを受信して一時的に蓄積しているにもかかわらず、再生プログラムと接続されているチャンネルプログラムのログ記録ステップのみが、再生プログラムに送信したコンテンツデータのログを記録し、再生プログラムと接続されていないチャンネルプログラムのログ記録ステップはログを記録しない。従って、ユーザ操作によって選択されたチャンネルのログを正確に記録して管理することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明のよると、受信蓄積手段がサーバからの複数チャンネルのコンテンツデータを同時に受信して一時的に蓄積しているにもかかわらず、ログ記録手段が再生手段によって再生されたチャンネルのコンテンツデータのログのみを記録し、再生手段によって再生されないチャンネルのコンテンツデータのログは記録しないので、ユーザ操作によって選択されたチャンネルのログを正確に記録して管理することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の好ましい実施形態について、図面を参照して具体的に説明するが、本発明はこれらの実施形態には限定されない。図1は、本発明の好ましい実施形態によるログ管理装置が適用される端末装置100と、サーバ200とを示すブロック図である。端末装置100は、例えばインターネット等の電気通信回線を介してサーバ200に接続されている。なお、本例では、1つのサーバ200が複数チャンネルのコンテンツデータを端末装置100に送信する場合を例に説明するが、複数のサーバ200が1又は複数チャンネルのコンテンツデータを端末装置100に送信してもよい。
【0019】
サーバ200は、複数チャンネルのコンテンツデータを、例えばパケットを含むデータストリーミング形式で端末装置100に配信する。例えば、マルチキャスト等によって、複数チャンネルのコンテンツデータが同時に同じ端末装置100に配信される。コンテンツデータは、音楽(音声)データ、映像データ、および画像データ等を含むが、本例においては音楽データである。
【0020】
サーバ200は、放送局等に設置され運営されるものであり、コンテンツ記憶部(例えばHDD(ハードディスクドライブ))11と、データストリーム生成部12と、配信部13とを備えている。HDD11は、複数チャンネルのコンテンツデータを例えば任意のファイル形式で記憶している。本例では、4つのチャンネル(チャンネルA〜チャンネルD)のコンテンツデータがHDD11内に蓄積されている。データストリーム生成部12は、HDD部11内のファイル形式のコンテンツデータから、端末装置100に送信するために、データストリーム形式のコンテンツデータを生成する。データストリームは、複数のパケットからなり、各パケットのヘッダ部にはチャンネル情報、及び、パケットの順番を特定するためのシーケンス番号が含まれている。配信部13は、データストリーム生成部12によって生成されたデータストリーム形式のコンテンツデータを端末装置100に配信する。
【0021】
図2は、端末装置100を示す機能ブロック図である。端末装置100は、システム制御部1と、システム制御部1によって生成され実行される複数のチャンネルプログラムA〜Dと、各チャンネルプログラムの機能である受信部2A〜2Dと、バッファ3A〜3Dと、パイプ4A〜4Dと、メモリ5と、再生プログラム(以下、再生部という。)6と、操作部7と、表示部8とを備える。
【0022】
システム制御部1は、例えばメモリ5に格納されている端末装置100の動作プログラムに基づいて端末装置100全体を制御するものである。
【0023】
チャンネルプログラムA〜Dは、例えばメモリ5内にシステム制御部1によって生成されるプログラムである。チャンネルプログラムAは、サーバ200から送信されるチャンネルAのコンテンツデータを受信して、再生部6に送信する。チャンネルプログラムBは、サーバ200から送信されるチャンネルBのコンテンツデータを受信して、再生部6に送信する。チャンネルプログラムCは、サーバ200から送信されるチャンネルCのコンテンツデータを受信して、再生部6に送信する。チャンネルプログラムDは、サーバ200から送信されるチャンネルDのコンテンツデータを受信して、再生部6に送信する。チャンネルプログラムA〜Dは同時に実行され、チャンネルA〜Dのコンテンツデータは端末装置100で同時に受信される。各チャンネルプログラムが受信すべきコンテンツデータはパケットのヘッダに含まれるチャンネル情報を参照して判別される。
【0024】
チャンネルプログラムA〜Dは、その処理機能として、受信部2A〜2Dと、バッファ3A〜3Dと、パイプ4A〜4Dとをそれぞれ含む。チャンネルプログラムA〜Dは、受信部2A〜2Dによって、サーバ200から送信されたコンテンツデータを受信し、コンテンツデータに含まれるパケットをバッファ3A〜3Dに書き込む。また、チャンネルプログラムA〜Dは、パイプ4A〜4Dによって再生部6からの接続要求を監視しており、再生部6から接続要求があると、再生部6と接続する。また、再生部6と接続したチャンネルプログラムA〜Dは、バッファ3A〜3Dに蓄積されたパケットを再生部6に送信し、かつ、メモリ5に記憶されている後述するログテーブルにログを記録する。また、チャンネルプログラムA〜Dは、再生部6と接続解除すると、ログテーブルへのログの記録を停止する。従って、チャンネルプログラムA〜Dのうち、再生部6に接続され、再生部6にパケットを送信しているチャンネルプログラムのみがログテーブルにログを記録する。
【0025】
メモリ5には図3に示すログテーブルが格納されている。ログテーブルは、チャンネルプログラムA〜Dが再生部6に送信した(すなわち、再生部6が再生した)コンテンツデータに関するログ(コンピュータ上の記録)が記録される。ログテーブルには最初は何も記録されておらず、再生部6と接続しているチャンネルプログラムから再生部6にコンテンツデータが送信されている間、所定条件を満たしたとき(例えば所定時間経過したとき、チャンネルプログラムから再生部6に送信したパケット数が所定数以上になったとき等)にチャンネルプログラムによってログが記録される。ログテーブル内のログは、例えば、チャンネルプログラムから再生部6にパケットが送信された時期が早いログから順に記録されている。すなわち、図3においてはユーザ操作によってチャンネルA,B,C,Aの順番にチャンネルが切り換えられ、ログが記録されたことが分かる。なお、システム制御部1によってログテーブルからログが読み出されると、ログテーブル内の全てのログが消去される。
【0026】
ログは、例えば、再生部6にパケットを送信したチャンネルと、1パケット当たりの再生時間と、パケットロス数と、再生パケット数とを含む。パケットロス数は、チャンネルプログラムが再生部6に送信する(つまりサーバから受信した)パケットの中で欠落しているパケットの数である。パケットロス数は、パケットのヘッダに含まれるシーケンス番号を参照し、欠落しているシーケンス番号数をカウントすることによって算出される。再生パケット数は、チャンネルプログラムから再生部6に送信した(つまり、再生部6が再生した)パケット数である。詳細には、再生パケット数は、チャンネルプログラムから再生部6に実際に送信したパケット数に、その間に含まれるパケットロス数を加算したパケット数である(すなわち、パケットロスがないと仮定した場合の再生パケット数である)。
【0027】
再生部6は、チャンネルプログラムA〜Dの中から、ユーザ操作によって選択されたチャンネルに対応するチャンネルプログラムに接続して、当該チャンネルプログラムからコンテンツデータのパケットを受信して、再生するプログラムである。再生部6は、システム制御部1によってメモリ5内に展開されて実行され、その機能として、デコード部6aと、バッファ6bと、パイプ6cとを含む。
【0028】
再生部6は、パイプ6cを介してユーザ操作によって選択されたチャンネルプログラムのパイプ4A〜4Dのいずれかに接続要求を行うことにより接続する。また、再生部6は、接続したチャンネルプログラムからパケットを受信し、バッファ6bに書き込む。また、再生部6は、バッファ6bに一時的に蓄積されたパケットをデコード部6aによってデコード処理し、コンテンツデータを再生する。
【0029】
操作部7は、ユーザ操作に応じてチャンネルA〜Dのいずれかを選択するチャンネル選択指示が入力され、チャンネル選択指示をシステム制御部1および再生部6に供給する。操作部7は、端末装置100に設けられた操作ボタンやリモコン送受信器等である。表示部8は、現在選択されているチャンネルA〜Dの情報や、現在再生されているコンテンツデータに関するコンテンツ情報を表示するものであり、LCDやFL管等である。
【0030】
システム制御部1は、所定条件を満たしたとき(例えば所定時間経過したとき、ログテーブルのログの容量が所定サイズ以上になったとき、又は、ログテーブル内のログの数が所定数以上になったとき等)、ログテーブルに記録されているログを全て読み出して、これらのログからサーバ200に送信すべき送信ログを生成し、システム制御部1内に設けられた不揮発性メモリに格納する。また、システム制御1は、所定条件を満たしたとき(例えば所定時間経過したとき、不揮発性メモリ内の送信ログの容量が所定サイズ以上になったとき、又は、不揮発性メモリ内の送信ログの数が所定数以上になったとき等)、送信ログを全て不揮発性メモリから読み出してサーバ200に送信する。
【0031】
送信ログは、ログテーブルに記録されたログの代表ログであり、例えば連続してコンテンツデータが再生された時間が最大のログが送信ログに決定される。つまり、図3のログテーブルにおいては、4番目〜6番目に記録されているログはいずれもチャンネルAに関するログであり、この間ユーザはチャンネルAを連続して視聴したことになるので、図4に示すようにこれらの連続する同一チャンネルに関するログを合算して、1つのログにまとめる。すなわち、これらのログについては、パケットロス数、再生パケット数が合算されている。
【0032】
システム制御部1は、再生時間が最大のログを送信ログに決定するが、各チャンネルのコンテンツデータのビットレートが異なることが考えられるので、再生パケット数からだけでは再生時間が最大のログを判断することができない。再生パケット数が多くてもビットレートが大きければ再生時間が短くなるからである。そこで、システム制御部1は、再生パケット数と1パケット当たりの再生時間とを乗算することによって、再生時間を算出する。そして、その再生時間が最大のログを送信ログに決定する。図4においては、4番目のチャンネルAに関するログ(再生時間27.9秒)を図5に示すように送信ログに決定する。
【0033】
なお、上記の例のように連続する同一チャンネルのログを1つにまとめることに限定されず、ログテーブル内の同一チャンネルのログを全て(連続していなくても)合算して1つのログにしてもよく、同一チャンネルかつ1パケット当たりの再生時間が同じログのみを合算して1つのログにしてもよい。
【0034】
以下、本実施形態の動作について説明する。
図6に示すように、チャンネルプログラムA〜Dはシステム制御部1によってメモリ内に生成され、それぞれが並列して処理を実行している(S11A〜S11D)。チャンネルプログラムA〜Dの処理としては、図7に示すコンテンツデータの受信処理(及びログ記録処理)と、図8に示すコンテンツデータの再生部6への送信処理とが並列して実行される。
【0035】
図7に示すように、各チャンネルプログラムA〜Dは、対応するチャンネルのコンテンツデータのパケットを継続的に受信しており(S21)、受信したパケットをバッファ3A〜3Dに書き込む(S22)。各チャンネルプログラムA〜Dは、ログテーブルへのログの記録が許可されているか(例えばメモリ内のログ許可フラグがセットされているか)否かを判断する(S23)。ログテーブルへのログの記録が許可されているチャンネルプログラムはS24に進み、拒否されているチャンネルプログラムはS21に戻る。
【0036】
また、図8に示すように、各チャンネルプログラムA〜Dは、パイプ4A〜4Bにおいて再生部6のパイプ6cからの接続要求を待ち受けている(S31)。再生部6は、図9に示すように、ユーザ操作によってチャンネル選択(チャンネル変更)指示が入力されたかを監視しており(S41)、チャンネルが選択された場合(S41でYES)、選択されたチャンネルに対応するチャンネルプログラムA〜Dのパイプ4A〜4Dに、パイプ6cを介して接続要求を送信し、選択されたチャンネルプログラムと接続する(S42)。本例では、ユーザ操作によってチャンネルAが選択され、再生部6がチャンネルプログラムAと接続することとする。続いて、再生部6は、パイプ6cを介してチャンネルプログラムAにパケット送信要求を送信する(S44)。
【0037】
図8に示すように、各チャンネルプログラムA〜Dのうち、再生部6から接続要求を受信して再生部6と接続したチャンネルプログラムAは、ログテーブルにログを記録することを許可する(例えばメモリ内のログ許可フラグをセットする)(S32)。そして、チャンネルプログラムAは、再生部6からのパケット送信要求に応答して、バッファ3Aからパケットを読み出してパイプ4Aを介して再生部6に送信する(S33)。図9に示すように、再生部6は、チャンネルプログラムAからパケットを受信すると、デコード処理し、再生する(S44)。このように、ユーザ操作によって選択されたチャンネルAのコンテンツデータを再生することができる。一方、図8に示すように、再生部6によって接続されていないチャンネルプログラムB〜Dは、S31で再生部6からの接続要求の受信を待機する。
【0038】
図7に示すように、チャンネルプログラムAは、ログテーブルへのログの記録が許可されていると判断し(S23でYES)、再生部6に送信したパケット数が所定数以上であるか否かを判断する(S24)。パケット数が未だ所定数未満である場合には(S24でNO)、S21に戻る。一方、パケット数が所定数以上になると(S24でYES)、チャンネルプログラムAは、ログテーブルにログを記録し(S25)、次にログテーブルにログを記録する時期を判断するために送信パケット数のカウントをクリアする。例えば、チャンネルプログラムAは、図3のログテーブルの一番目にログ(チャンネルA、1パケット当たりの再生時間0.31、パケットロス数0,再生パケット数30)を記録する。一方、他のチャンネルプログラムB〜Dは、S23でログテーブルへのログの記録を拒否されていると判断するので(S23でNO)、S21〜S23の処理を繰り返す。
【0039】
次に、ユーザ操作によって例えばチャンネルAからチャンネルBに変更する指示が入力されると、図9に示すように、再生部6は、チャンネルBが選択されたと判断し(S41でYES)、選択されたチャンネルプログラムBに接続要求を送信し接続する(S42)。また、再生部6は、選択解除されたチャンネルプログラムAに接続解除要求を送信し接続を解除する(S43)。
【0040】
図8に示すように、チャンネルプログラムAは、再生部6から接続解除要求を受信し、再生部6との接続を解除すると(S34でYES)、ログテーブルへのログの記録を拒否する(ログ許可フラグをリセットする)(S35)。そして、S31に戻って、チャンネルプログラムAは再度ユーザ操作によって選択され、再生部6から接続要求を受信するまでS31で待機する。また、図7に示すように、チャンネルプログラムAは、S23でログテーブルへのログの記録が拒否されていると判断し(S23でNO)、ログテーブルへのログの記録を停止し、S21〜S23の処理を繰り返す。
【0041】
図8に示すように、新たに再生部6と接続したチャンネルプログラムBは、ログテーブルにログを記録することを許可する(S32)。そして、チャンネルプログラムBは、再生部6からのパケット送信要求に応答して、バッファ3Bからパケットを読み出して再生部6に送信する(S33)。図9に示すように、再生部6は、チャンネルプログラムBからパケットを受信すると、デコード処理し、再生する(S44)。従って、チャンネルBに変更されると、再生部6は、チャンネルプログラムBからのコンテンツデータを再生することができる。一方、図8に示すように、再生部6によって接続されていないチャンネルプログラムA,C,Dは、S31で再生部6からの接続要求の受信を待機する。
【0042】
図7に示すように、チャンネルプログラムBは、ログテーブルへのログの記録が許可されていると判断し(S23でYES)、再生部6に送信したパケット数が所定数以上であると判断すると(S24でYES)、ログテーブルにログを記録する(S25)。例えば、チャンネルプログラムBは、図3のログテーブルの二番目にログ(チャンネルB、1パケット当たりの再生時間0.54、パケットロス数0,再生パケット数30)を記録する。一方、他のチャンネルプログラムA,C,Dは、S23でログテーブルへのログの記録を拒否されていると判断するので(S23でNO)、S21〜S23の処理を繰り返す。
【0043】
以上のように、チャンネルプログラムA〜Dはいずれもバッファ3A〜3Dに対応するチャンネルのコンテンツデータを受信して蓄積しているので、ユーザ操作によってチャンネル変更された際に即座にバッファ3A〜3Dからパケットを読み出して再生部6に送信することができる。また、このように、チャンネルプログラムA〜Dはいずれもバッファ3A〜3Dに対応するチャンネルのコンテンツデータを受信して蓄積している場合でも、ユーザ操作によって選択され再生部6に接続されているチャンネルプログラムのみがログテーブルにログを記録することができる。
【0044】
次に、図10を参照し、システム制御部1による送信ログ作成処理を説明する。システム制御部1は、例えば所定時間経過すると(S51でYES)、図3に示すログテーブルに記録されている全ログをメモリ内に読み出して、ログテーブルをクリアする(S52)。システム制御部1は、読み出した全ログについて、例えば、連続する同一チャンネルのログを合算して、1つのログにまとめる。処理上の都合で別々のログとして記録されているが、実際にはユーザ操作によって連続的に再生されたため実際には1つのログと見なすことができるからである。つまり、1つのログにまとめることにより、より正確に再生時間が最大のログを送信ログに決定できる。詳細には、図3の4番目〜6番目のチャンネルAに関するログを1つにまとめ、図4のように4つのログを得る。
【0045】
システム制御部1は、S53でまとめた4つの各ログについて再生時間を算出する(S54)。詳細には、図4に示すように、1パケット当たりの再生時間と再生パケット数とを乗算し、再生時間を得る。続いて、システム制御部1は、再生時間が最大のログを1つ選択して、今回分の送信ログに決定する(S55)。図4においては、4番目のログ(チャンネルA、1パケット当たりの再生時間0.31、パケットロス数1、再生パケット数90、再生時間27.9)が送信ログに決定され、1〜3番目のログは消去される。そして、システム制御部1は、決定した送信ログをメモリからシステム制御部1内の不揮発性メモリに格納する(S56)。
【0046】
システム制御部1は、例えば、不揮発性メモリ内の送信ログの容量が所定サイズ以上であるかを判断し(S57)、所定サイズ未満であれば(S57でNO)、S51に戻って送信ログの不揮発性メモリへの格納を継続する(S51〜S56)。そして、不揮発性メモリ内の送信ログの容量が所定サイズ以上であると判断されると(S57でYES)、システム制御部1は不揮発性メモリ内の全送信ログを読み出して、サーバ200に送信する(S58)。つまり、図5には1つの送信ログしか記載していないが、実際には複数の送信ログが不揮発性メモリに格納されていることになる。
【0047】
以上のように、ログテーブルに記録された複数のログから最も再生時間が長いログを送信ログとしてサーバ200に送信することによって、ユーザ操作によって頻繁にチャンネルが変更された場合でも、適切なログをサーバに送信することができる。つまり、図4において、チャンネルBやチャンネルCは比較的短い時間だけ再生されていたことになるので、これらのログはサーバ200には送信されない。従って、サーバに送信する送信ログが非常に多くなることを防止することができる。
【0048】
また、1パケット当たりの再生時間と再生パケット数とをログテーブルにログとして管理することにより、これらを乗算すると再生時間を得ることができるので、チャンネル毎にコンテンツデータのビットレートが異なる場合でも、正確な再生時間を算出でき、正確に送信ログを決定することができる。
【0049】
以上、本発明の好ましい実施形態を説明したが、本発明はこれらの実施形態には限定されない。チャンネルの数は上記に限定されない。また、サーバから例えば10チャンネルのコンテンツデータが送信される際に、その中からシステム制御部が選択した例えば4つのチャンネルに対応するチャンネルプログラムが生成され、当該4つのチャンネルのコンテンツデータが同時受信されてもよい。本発明は、上記のログ管理装置を動作させるためのコンピュータプログラムまたはそのコンピュータプログラムを記録した記録媒体という形態で提供されてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0050】
本発明は、サーバから配信されるコンテンツを受信する端末装置に好適に適用され得る。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】端末装置100とサーバ200との接続構成を示すブロック図である。
【図2】端末装置100の機能ブロック図である。
【図3】ログテーブルを示す図である。
【図4】同一チャンネルのログを1つのログにまとめ、再生時間を算出したログを示す図である。
【図5】送信ログを示す図である。
【図6】各チャンネルプログラムの処理を示すフローチャートである。
【図7】各チャンネルプログラムの受信処理を示すフローチャートである。
【図8】各チャンネルプログラムの送信処理を示すフローチャートである。
【図9】再生部の処理を示すフローチャートである。
【図10】システム制御部の送信ログ生成処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0052】
100 端末装置
1 システム制御部
A〜D チャンネルプログラム
2A〜2D 受信部
3A〜3D バッファ
4A〜4D パイプ
5 メモリ
6 再生部
200 サーバ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1又は複数チャンネルのコンテンツデータを送信する1又は複数のサーバに接続可能であり、
前記サーバから複数チャンネルのコンテンツデータを同時に受信して、一時的に複数チャンネルのコンテンツデータを蓄積する受信蓄積手段と、
ユーザ操作に応じて複数チャンネルの中からチャンネルを選択する選択手段と、
前記受信蓄積手段が蓄積する複数チャンネルのコンテンツデータの中から、前記選択手段によって選択されたチャンネルのコンテンツデータを再生する再生手段と、
ログを記録するためのログ記憶部と、
前記受信蓄積手段がコンテンツデータを蓄積する各チャンネルのうち、前記再生手段によって再生されたチャンネルのコンテンツデータに関するログを前記ログ記憶部に記録すると共に、前記再生手段によって再生されないチャンネルのコンテンツデータに関するログを前記ログ記憶部に記録しないログ記録手段とを備える、ログ管理装置。
【請求項2】
前記ログ記憶部に記録されている1又は複数のログの中から、前記再生手段による再生時間に基づいて送信ログを決定する送信ログ決定手段と、
前記送信ログ決定手段によって決定された送信ログを前記サーバに送信するログ送信手段とをさらに備える、請求項1に記載のログ管理装置。
【請求項3】
前記コンテンツデータが複数のパケットを含み、
前記送信ログ決定手段が、前記コンテンツデータの1パケット当たりの再生時間と、前記再生手段によって再生されたパケット数とを乗算して前記再生時間を算出する、請求項2に記載のログ管理装置。
【請求項4】
前記ログ記録手段が、所定条件を満たしたときに前記ログ記憶部にログを記録することによって前記ログ記憶部に複数のログを記録し、
前記送信ログ決定手段が、前記ログ記憶部に記録されている複数のログのうち、同一チャンネルに関するログをまとめて1つのログを生成する、請求項2または3に記載のログ管理装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかに記載のログ管理装置の各手段をコンピュータに実行させる、ログ管理プログラム。
【請求項6】
1又は複数チャンネルのコンテンツデータを送信する1又は複数のサーバに接続可能であり、各チャンネルに対応する複数のチャンネルプログラムと、再生プログラムとが実行されるログ管理装置であって、
前記各チャンネルプログラムが、前記サーバから対応するチャンネルのコンテンツデータを受信して、一時的にコンテンツデータを蓄積する受信蓄積ステップと、
前記再生プログラムと接続された場合に、前記受信蓄積ステップが蓄積するコンテンツデータを前記再生プログラムに送信する送信ステップと、
前記再生プログラムと接続された場合に、前記送信ステップが前記再生プログラムに送信したコンテンツデータに関するログをログ記憶部に記録するログ記録ステップと、
前記再生プログラムと接続解除された場合に、前記ログ記憶部へのログの記録を停止するログ記録停止ステップとを含み、
前記再生プログラムが、ユーザ操作に応じて選択されたチャンネルに対応するチャンネルプログラムのみと接続する接続ステップと、
前記接続ステップによって接続された前記チャンネルプログラムから、コンテンツデータを受信して再生する再生ステップとを含む、ログ管理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−225360(P2009−225360A)
【公開日】平成21年10月1日(2009.10.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−70294(P2008−70294)
【出願日】平成20年3月18日(2008.3.18)
【出願人】(000000273)オンキヨー株式会社 (502)
【Fターム(参考)】