説明

ロッキング蓋を有する伝達セットコネクタ、およびそれらの使用方法

【課題】系の要素を汚染することなく、このコネクタ要素の分離および再接続を簡単にするような改良したコネクタ系を提供する。
【解決手段】第一長の導管と液体連絡する開口部を有する第一要素10;および第二長の導管と液体連絡するインテリアを有する第二要素12を有するコネクタアセンブリ1であって、 該第一要素10は、該開口部を覆う一体的に形成した蓋、および該蓋を分離可能にロックする選択的に移動可能な手段を包含し、該第二要素は、該蓋をアンロックする手段を包含し、ここで、該第一要素10は、該第二要素12のインテリアに挿入可能であり、それにより、該第一長の導管と該第二長の導管の間で液体連絡が提供され、さらに、ここで、該第一要素10は、該第一要素10と該第二要素12の間の接続点にて、該第二要素12の外部寸法よりも小さい外部寸法を有する、コネクタアセンブリ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、一般に、第一長の導管と第二長の導管とを接続するためのコネクタアセンブリに関する。さらに特定すると、本発明は、このコネクタアセンブリの一要素を用いて一体的に形成したロッキングヒンジ閉鎖系、およびこれらの二要素を接続したとき、このロッキングヒンジ閉鎖系を開放するための協同要素に関する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
種々の工業においてまたは種々の用途に対して、流路を形成し提供することが必要とされている。多くの状況では、最も具体的には、医薬工業では、無菌液の流路を形成する必要がある。
【0003】
もちろん、一般には、種々の目的(例えば、薬物の分配、栄養の供給、腹膜透析など)のために、患者に液体を分配することが知られている。このような液体分配には、多くの場合、無菌流路の形成が不可避である。このような操作には、しばしば、この無菌流路を分離しかつ再接続することが必要となる。
【0004】
例えば、一定長の導管を使用することにより、患者に溶液を注入するために、カニューレまたは注射針を使用することが公知であり、この導管は、さらに、この溶液を収容する容器に接続されている。しばしば、この導管を介して、この容器と患者の間で液体連絡できるようにするために、アダプタまたは他のコネクタが設けられ。例えば、この導管の末端をこの容器に接続するために、この容器上のポートにおいて、コネクタを設けてもよい。
【0005】
例えば、腹膜透析用の溶液を患者に供給することもまた公知である。腹膜透析では、カテーテルを使用して、透析液が腹腔に導入される。充分な時間が経過した後、この透析物と血液の間の溶質交換が達成される。液体の除去は、血液から水が流出できるように、この血液から透析物への適当な浸透勾配を与えることにより行われる。血液に戻すための適当な酸塩基電解質および液体のバランスが得られ、この透析液は、このカテーテルを通って、その体腔から単に排出される。
【0006】
この操作は、一般に、このような患者に対して、1日に3回または4回繰り返される。従って、この系からの分離および接続を繰り返し行う必要がある。さらに、このような患者は、しばしば、体内への溶液投与を中断し、それには、この系から分離する必要がある。
【0007】
例えば、腹膜透析に使用するような無菌流路の分離および接続に関して、少なくとも3つの問題が生じている。1つの必要条件は、この系が、迅速で簡単に分離できなければならないということである。また、分離後に、無菌で不純物を含まない環境を維持することも必要である。さらに、この系は簡単な再接続手段を提供しなければならない。
【0008】
もし、全ての機構を解体する必要があるなら、患者は、一般に、透析の中断ができなくなり、中断を無視して溶液を受容し続ける。他方、もし、この中断および/または再接続が、系を汚染することなしにはできないなら、汚染された系の要素または系全体を取り替えなければならなくなる。別法として、この系の汚染された要素は、この系を再使用する前に、無菌化しなければならない。従って、同様に、患者は、中断を無視して、この系からの溶液投与を継続する。しかしながら、時には、緊急の場合のような中断には、この系からの分離が必要となる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
従って、この系の要素を汚染することなく、このコネクタ要素の分離および再接続を簡単にするような改良したコネクタ系が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明によって以下が提供される:
(1) 第一長の導管と液体連絡する開口部を有する第一要素;および第二長の導管と液体連絡するインテリアを有する第二要素を有するコネクタアセンブリであって、
該第一要素は、該開口部を覆う一体的に形成した蓋、および該蓋を分離可能にロックする選択的に移動可能な手段を包含し、
該第二要素は、該蓋をアンロックする手段を包含し、ここで、該第一要素は、該第二要素のインテリアに挿入可能であり、それにより、該第一長の導管と該第二長の導管の間で液体連絡が提供され、さらに、ここで、該第一要素は、該第一要素と該第二要素の間の接続点にて、該第二要素の外部寸法よりも小さい外部寸法を有する、コネクタアセンブリ。
(2)前記蓋をロックする手段が、少なくとも1個の弾性アームを有する、項目1に記載のコネクタアセンブリ。
(3)前記蓋をロックする手段が、該蓋をロックできる少なくとも1個のストップを有する、項目1に記載のコネクタアセンブリ。
(4)前記蓋をアンロックする手段が、弾性キーを有する、項目1に記載のコネクタアセンブリ。
(5)さらに、前記蓋の密封性を維持するためのリングを有する、項目1に記載のコネクタアセンブリ。
(6)さらに、前記第一要素および前記第二要素の接合中に、前記キーの移動を可能にするために、該第二要素に形成したドーム部分を有する、項目4に記載のコネクタアセンブリ。
(7)さらに、前記キー上に形成したベベル前面を有する、項目4に記載のコネクタアセンブリ。
(8)さらに、前記第二要素のインテリア内に管状部材を有する、項目1に記載のコネクタアセンブリであって、
該管状部材は、該第二要素が前記第一要素と接合するとき、前記開口部が該管状部材と液体連絡するように伸長している、コネクタアセンブリ。
(9)さらに、前記第二要素のインテリアにおいてリングを有する、項目1に記載のコネクタアセンブリ。
(10)さらに、前記第二要素のインテリアにおいてテーパを有する、項目1に記載のコネクタアセンブリ。
(11)さらに、前記導管の1個を通る流れを選択的に遮断するように構築し配置したクランプを有する、項目1に記載のコネクタアセンブリ。
(12)前記クランプが、前記導管の長さに沿って定義される軸の回りに回転可能である、項目11に記載のコネクタアセンブリ。
(13)第一長の導管と第二長の導管の間で液体連絡を与えるコネクタアセンブリであって、該コネクタアセンブリは、第一長の導管に接続した第一要素;およびヒンジ蓋を開口する手段を有し第二長の導管に接続した第二要素を包含し、
該第一要素は、その上にストップを形成した少なくとも2個の柔軟性アームを有し、さらに、該ストップによりロックし閉鎖した位置に維持されるヒンジ蓋を有し、
ここで、該第一要素の該第二要素への接続により、該ヒンジ蓋が開き、該第一長の導管と該第二長の導管の間で液体連絡が提供される、コネクタアセンブリ。
(14)さらに、前記導管の1個を通る流れを選択的に防止しかつ開通させる遮断手段を有する、項目13に記載のコネクタアセンブリ。
(15)さらに、前記第一長の導管により定義された軸の回りに回転可能に遮断手段を有する、項目13に記載のコネクタアセンブリ。
(16)さらに、前記ヒンジ蓋を開放する手段に形成したベベル前端;および
該ヒンジ蓋を開放する手段に形成した開口タブを有する、項目13に記載のコネクタアセンブリ。
(17)さらに、前記ヒンジ蓋を開放する手段に形成したベベル前端を有する、項目13に記載のコネクタアセンブリであって、
該ベベル前端は、前記第一要素の少なくとも2個の柔軟性アームを広げるように構築し配置されている、コネクタアセンブリ。
(18)さらに、前記第一要素および前記第二要素の接続中に、前記開放手段にクリアランスを与えるために、該第二要素に形成したドーム部分を有する、項目13に記載のコネクタアセンブリ。
(19)前記第一要素および前記第二要素が、誤配列を防止するように構築され配置されている、項目13に記載のコネクタアセンブリ。
(20)患者に接続した第一長の導管と液体源に接続した第二長の導管の間で、液体連絡を与える方法であって、該方法は、以下の工程を包含する:
前記第一長の導管と液体連絡する開口部を有する第一要素を提供することであって、ここで、該第一要素は、蓋、および該蓋を分離可能にロックする一体的に形成した選択的に移動可能な手段を包含する;
前記第二長の導管と液体連絡する第二要素を提供することであって、ここで、該第二要素は、該蓋をアンロックする手段を有する;
該第一要素の開口部にて、この蓋を分離可能にロックすること;
該第二要素を該第一要素に結合することにより、該開口部をアンロックし、それにより、該蓋を開放して、該第一長の導管と該第二長の導管の間で液体連絡を提供すること。
(21)前記液体源が、透析物源である、項目20に記載の方法。
(22)医学操作用の液体接続を形成するコネクタアセンブリであって、該コネクタアセンブリは、第一長の導管と液体連絡する開口部を有する第一要素;および第二長の導管と液体連絡するインテリアを有する第二要素を包含し、
該第一要素は、該開口部を覆う一体的に形成した蓋、および該蓋を分離可能にロックする選択的に移動可能な手段を包含し、
該第二要素は、該蓋をアンロックする手段を包含し、ここで、該第一要素は、該第二要素のインテリアに挿入可能であり、それにより、該第一長の導管と該第二長の導管の間で液体連絡が提供される。
(23)前記第二長の導管が、医学用液体源に接続されている、項目22に記載のコネクタアセンブリ。
(24)前記第二長の導管が、透析物源に接続されている、項目22に記載のコネクタアセンブリ。
(25)さらに、以下を有する、項目22に記載のコネクタアセンブリ:
前記第二長の導管と液体連絡するY字セットコネクタ;
該Y字セットコネクタと液体連絡する透析物容器;
該Y字セットコネクタと液体連絡する第二の容器;および
前記第一長の導管と接続されたカテーテルであって、該カテーテルは、透析を行う患者に挿入可能である。
(発明の要旨)
本発明は、コネクタアセンブリ、および一対のコネクタを接続して第一長の導管と第二長の導管の間で液体連絡させる方法を提供する。このコネクタアセンブリは、ロッキングヒンジ蓋を包含し、この蓋は、アセンブリを密封しつつ分離する。コネクタを接続する際に、シーリングリングにより、密封接続がなされる。
【0011】
最後に、一実施態様では、本発明は、第一長の導管と液体連絡する開口部を有する第一要素;および第二長の導管と液体連絡するインテリアを有する第二要素を包含し、第一要素は、開口部を覆う一体的に形成した蓋、および蓋を分離可能にロックする選択的に移動可能な手段を包含し、第二要素は、蓋をアンロックする手段を包含し、ここで、第一要素は、第二要素のインテリアに挿入可能であり、それにより、第一長の導管と第二長の導管の間で液体連絡が提供される。
【0012】
一実施態様では、蓋をロックする手段は少なくとも1個の弾性アームを有する。
【0013】
一実施態様では、蓋をロックする手段は蓋をロックできる少なくとも1個のストップを有する。
【0014】
一実施態様では、コネクタアセンブリは蓋の密封性を維持するためのOリングを有する。
【0015】
一実施態様では、蓋をアンロックする手段は弾性キーを有する。
【0016】
一実施態様では、コネクタアセンブリはキー上に形成したベベル前面を有する。
【0017】
一実施態様では、コネクタアセンブリは、さらに、要素の接合中に、キーの移動を可能にするために、第二要素に形成したドーム部分を有する。
【0018】
一実施態様では、コネクタアセンブリは、さらに、第二要素のインテリア内に管状部材を包含し、管状部材は、第二要素が第一要素と接合するとき、第一要素の開口部が管状部材と液体連絡するように、伸長している。
【0019】
一実施態様では、コネクタアセンブリは、第二要素のインテリアにおいてOリングを有する。
【0020】
他の実施態様では、コネクタアセンブリは、さらに、導管を通る流れを選択的に遮断するように構築し配置したクランプを有する。クランプは、導管の長さに沿って定義される軸の回りに回転可能であってもよい。
【0021】
本発明の他の実施態様では、第一長の導管と第二長の導管の間で液体連絡を与えるコネクタアセンブリが提供される。コネクタアセンブリは、第一長の導管に接続した第一要素;ヒンジ蓋を開口する手段を有し第二長の導管に接続した第二要素を包含し、第一要素は、その上にストップを形成した少なくとも2個の柔軟性アームを有し、さらに、ストップによりロックし閉鎖した位置に維持されるヒンジ蓋を有し、ここで、第一要素の第二要素への接続により、ヒンジ蓋が開き、第一長の導管と第二長の導管の間で液体連絡が提供される。
【0022】
一実施態様では、コネクタアセンブリは、さらに、一定長の導管の1個を通る流れを選択的に防止しかつ開通させる遮断手段を有する。遮断手段は、一定長の導管により定義された軸の回りに回転可能であってもよい。
【0023】
一実施態様では、コネクタアセンブリは、さらに、ヒンジ蓋を開放する手段に形成したベベル前端;および蓋を開放する手段に形成した開口タブを有する。
【0024】
一実施態様では、コネクタアセンブリは、さらに、蓋を開放する手段にて形成したベベル前端を包含し、ベベル前端は、第一要素の柔軟性アームを広げるように構築し配置されている。
【0025】
一実施態様では、コネクタアセンブリは、さらに、第一要素および第二要素の接続中に、開放手段にクリアランスを与えるために、第二要素に形成したドーム部分を包含し、この間、ドーム部分は、この空間を覆って誤使用の可能性を減らす。
【0026】
一実施態様では、第一要素および第二要素は、誤配列を防止するように構築され配置されている。
【0027】
本発明の他の実施態様では、患者に接続した第一長の導管と液体源に接続した第二長の導管の間で、液体連絡を与える方法が提供される。この方法は、以下の工程を有する:この第一長の導管と液体連絡する開口部を有する第一要素を提供することであって、ここで、第一要素は、蓋、および蓋を分離可能にロックする一体的に形成した選択的に移動可能な手段を有する;第二長の導管と液体連絡する第二要素を提供することであって、ここで、第二要素は、蓋をロックする手段を有する;第一要素の開口部にて、蓋を分離可能にロックすること;第二要素を第一要素に結合することにより、開口部をアンロックし、それにより、蓋を開放して、第一長の導管と第二長の導管の間で液体連絡を提供すること。
【0028】
他の実施態様では、液体源は透析物源である。
【0029】
他の実施態様では、医学操作用の液体接続を形成するコネクタアセンブリが提供される。医学操作用の液体接続を形成するコネクタアセンブリは、以下を有する:第一長の導管と液体連絡する開口部を有する第一要素;および第二長の導管と液体連絡するインテリアを有する第二要素を包含し、第一要素は、開口部を覆う一体的に形成した蓋、および蓋を分離可能にロックする選択的に移動可能な手段を包含し、第二要素は、蓋をアンロックする手段を包含し、ここで、第一要素は、第二要素のインテリアに挿入可能であり、それにより第一長の導管と第二長の導管の間で液体連絡が提供される。
【0030】
一実施態様では、第二長の導管は医学用液体源に接続されている。
【0031】
一実施態様では、第二長の導管は透析物源に接続されている。
【0032】
一実施態様では、コネクタアセンブリは、さらに、以下を有する:第二長の導管と液体連絡するY字セットコネクタ;Y字セットコネクタと液体連絡する透析物容器;Y字セットコネクタと液体連絡する第二の容器;および第一長の導管と接続されたカテーテルであって、カテーテルは透析を行う患者に挿入可能である。
【0033】
従って、本発明の利点は、ソース(source)と患者の間で液体連絡を与えるアセンブリを接続し分離する系および方法を提供することにある。
【0034】
本発明の他の利点は、ソース(source)と患者の間で液体連絡を与えるアセンブリを繰り返し接続しかつ分離する系および方法を提供することにある。
【0035】
本発明のさらに他の利点は、密封様式にて、第二長の導管から第一長の導管を容易に接続し分離できる簡単なコネクタを提供することにある。
【0036】
本発明のさらに他の目的は、2個の長さの導管の間でコネクタを接続しかつ分離する系および方法を提供することにあり、これは患者または他の管理者のいずれかにより容易に行うことができる。
【0037】
さらに、本発明の利点は、2個の長さの導管の間でコネクタを接続しかつ分離する系および方法を提供することにあり、これは、ほとんど工程を必要としない。
【0038】
本発明の他の利点は、2個の長さの導管の間でコネクタを接続し分離する小型で労働効率の良い系を提供することにある。
【0039】
本発明のさらに他の特徴および利点は、現在好ましい実施態様の詳細な記述および図面に記載されているか、それらから明らかになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0040】
発明の詳細な説明
本発明は、2個の長さの導管を選択的に接続しかつ分離するための2個の長さの導管または他の導管の間のコネクタを提供する。接続したとき、液体源と患者の間で、液体連絡が与えられる。しかしながら、液体は、コネクタにつないだ遮断機を使用して接続すると、その流れが遮断できる。
【0041】
コネクタは、医学分野での操作(さらに特定すると、透析操作)に使用するために、特に設計されているものの、他の分野および他の用途に使用できることにも注目すべきである。
【0042】
図面を参照すると、図1は、本発明のコネクタを使用する系の周囲図を例示する。コネクタは、一般に、1で示され、蓋ロック要素10およびキー要素12を有する。図1に例示するように、本発明の好ましい実施態様では、蓋ロック要素10は導管14に接続されている。使用時には、導管14は、患者のカテーテル15を介して結合してもよい。該導管14は、一端にねじれクランプ16および他端にカテーテルコネクタ17を有する。カテーテル15は、好ましい実施態様では、チタンアダプタ18を介して、カテーテルコネクタ17に接続してもよい。
【0043】
他方、好ましい実施態様では、該キー要素12は、一般に、19で示されるY字セットと接続していてもよい。該Y字セット19は、2個の柔軟性容器20a、20bを有する。典型的には、腹膜透析には、柔軟性容器の1個(例えば、柔軟性容器20a)には、透析物が充填され、他の柔軟性容器20bは空であり、排液バッグとして使用される。本発明のコネクタ1は、例えば、腹膜透析およびCAPDに容易に使用できる。コネクタの他の用途も、もちろん可能である。
【0044】
好ましい実施態様では、充填系23は、柔軟性容器20aと接続され、排液系24は、柔軟性容器20bと接続される。両者の末端とは反対側にて、該充填系23および排液系24は、それぞれY接合部21に接続されている。それゆえ、柔軟性容器20aおよび20bは、Y接合部21を通って、キー要素12に結合されており、一定長の導管22はY字セット19の一部を形成する。
【0045】
透析物の流れを適当に制御するために、充填系23の長さに沿って、いずれかの位置でクランプ25を設けてもよい。クランプ25はまた、望ましいなら、腹膜透析中にて排液系24と接続できる。他の実施態様では、コネクタ1の蓋ロック要素12には、液体の流れを遮断するために、ねじれクランプ16を接続してもよい。
【0046】
図2、3および4を参照して、コネクタ1を例示する。例えば、図2は、接続前における蓋ロック要素10およびキー要素12の斜視図を示す。該蓋ロック要素10は、滑り連結で、キー要素12の開口部26内に適合するように設計した外形寸法を有する。さらに、蓋ロック要素10の外部は、蓋ロック要素10を一方向からだけ、キー要素12の開口部26内に入れることができるように設計されている。
【0047】
この末端には、蓋ロック要素10の対向する側面において、縦ガイド溝27が形成されている。該縦ガイド溝27は、キー要素12の開口部26内に、蓋ロック要素10を正確に案内し配向させるために、キー要素12に形成した付随ガイドレール28と協同して接合する。それゆえ、この協同するガイド溝27およびガイドレール28のために、コネクタ1は1つの適当な操作方向だけが可能である。
【0048】
一実施態様では、蓋ロック要素10は、さらに、導管14の回りに軸回転できるねじれクランプ16を有する。図2に示した位置にて、導管14(図1を参照)は、ねじれクランプ16内の一対のアクチュエータ(示されていない)により、締められ閉じられる。使用者が、ねじれクランプ16を回し易くするためだけでなく、ねじれクランプ16のロックまたはアンロック状態を視覚的に示すために、ねじれクランプ16上にはタブ30が設けられる。
【0049】
図2はまた、蓋ロック要素10の種々の特徴を示している。例えば、チャネル33を有し一体的にストップ32(図4を参照)を形成した一対の柔軟性アーム31が示されている。側面チャネル36もまた設けられ、これは、コネクタ1の要素10、12の接続中にてアーム31の移動を可能にする。
【0050】
図2に示したコネクタ1のキー要素12を参照すると、該キーコネクタ12は、ベベル前端面35を有する柔軟性縦キー34を有する。キー要素12はまた、本発明のコネクタ1の接続中および特に分離中(図6に例示のように)に、柔軟性縦キー34の移動を可能にするためにドーム38も有する。
【0051】
図3は、接続位置における本発明のコネクタ1を例示する。また、ねじれクランプ16上のタブ30は、図2に示した位置から、90°回転させて示されている。このことは、使用者に対して、コネクタ1が、このねじれクランプ16のポート40によって、そこを通って液体を流すことができる状態にあることを示している。
【0052】
図4を参照すると、断面で表わしたキー要素12は、開口部26内に伸びている縦キー34、および開口部26内の縦キー34と実質的に平行に伸びている管状部材44を有するように示されている。
【0053】
図4に示した蓋ロック要素10はまた、軸52の回りに回転可能なロッキングヒンジドア50を有する。軸52は、ロックした閉鎖位置にある図4に示したドア50を、およそ90°回転させて図8に示した開放位置にする。
【0054】
さらに、管状部材44は、例えば、導管22を接続させるために、キー要素12の外側に伸びたニップル46を有する。縦キー34は、キー要素12の蓋ロック要素10への接続中に、以下に記述のように、軸52の回りにドア50を強制的に回転させる。
【0055】
図4をさらに参照すると、ドア50は、本発明の一実施態様において、管状チャネル58を面56に対して密封するための密封面54を有する。管状チャネル58は、好ましくは、反対側の末端において、例えば、それに導管14を確実に接続するために、鉤状ニップル60を有する。ドア50はまた、内壁63を密封するOリング62を提供することにより管状チャネル58を密封する。蓋ロック要素10はまた、ねじれクランプ16を中間接続するアダプタ64を有する。
【0056】
図4および8を参照すると、コネクタ1は、蓋ロック要素10をキー要素12に接続する直前(図4)およびそれらを接続した後(図8)の状態で示している。蓋ロック要素10およびキー要素12の接続と分離の間の相違は、ドア50の位置から極めて明白である。
【0057】
図4に示した閉鎖位置では、ドア50は、蓋ロック要素10の端面に実質的に平行であり、管状チャネル58を密封して覆っており、管状チャネル58には、ドア50を90°回転させた後、図8に示すように、管状部材44が、液体連絡させて連続的に接続されている。キー要素12を蓋ロック要素10と接続するのが望ましいとき、キー要素12は、蓋ロック要素10の回りに滑り連絡されて、縦キー34がストップ32でロックされたドア50をアンロックし、ドア50を軸52の回りに強制的に回転させる。
【0058】
図5〜7を参照して、キー要素12の縦キー34を用いることにより、蓋ロックコネクタ10のドア50を開放する際に関与する工程を以下に説明する。図5を特に参照すると、ロックされ閉鎖したドア50は、軸52の回りに回転可能である。ロックされ閉鎖したドア50は、ロッキングタブ74を有し、これは縦キー34がドア50を開放するのに使用されるまで、ドア50をロックされた位置に保持するストップ32に隣接している。
【0059】
また、図5に示すように、縦キー34は、開口タブ76を有し、これは前面78を有している。縦キー34はまた、角度面79を有し、これは、コネクタ1の分離中に、開口タブ76にクリアランスを与える凹部80に至る。縦キー34はまた、頂面82およびフレックスノッチ84を有し、縦キー34を図6に示した矢印xで指示される方向に後退させたとき、縦キー34に高い柔軟性を与える。図6は、コネクタ1の分離がどのように行われるかを例示する。縦キー34は、蓋50のロッキングタブ74が凹部80内に位置するまで、矢印xの方向に後退する。縦キー34がさらに後退するにつれて、角度面79は、ロッキングタブ74に突き当たる。それゆえ、縦キー34が引き続き後退すると、角度面79を、ロッキングタブ74の頂部に引き上げる。しかしながら、この作用が起こるためには、縦キー34は柔軟でなければならない。それゆえ、この角度面79がロッキングタブ74の上に登るにつれて、縦キー34が上がるように、フレックスノッチ84が設けられている。また、図8に示すドーム38は、縦キー34が後退中に上昇するにつれて、それにクリアランスを与える。さらに、接続中には縦キー34の屈曲量を少なくすることができる。
【0060】
さらに、図5を参照して例示するように、縦キー34のベベル端面35は、蓋ロック要素10のアーム31を接触させて、それを広げる。縦キー34は柔軟性であるものの、それは圧縮したとき、チャネル33を開けるようにアーム31を広げる程度に充分な剛性を有する。図7の上面図に示すように、縦キー34は、アーム31を矢印Aに示す外側方向に充分に広げて、それにより、チャネル33を広げるまで、チャネル33を通って進む。次いで、縦キー34の開口タブ76の前面は、広げたチャネル33を通って蓋50のロッキングタブ74を押さえる。それゆえ、縦キー34は、ロッキングタブ74が、アーム31に形成したストップ32を通り抜けられる程度に充分に、アーム31を開放する。アンロックした蓋50のロッキングタブ74は、次いで、広げたアーム31を通ることができる。
【0061】
キー要素12を、図8に示すように蓋ロック要素10に接続するとき、ドア50は、その端面に垂直方向に配置される。開口部26およびドーム38は、図8に示すように、ドア50が振れるクリアランスが得られるように構築され配置されている。該キー要素12を蓋ロック要素10に接続した後、Y字セット19と患者の間の液体連絡が達成できる。
【0062】
上で述べたように、蓋ロック要素10は、さらに蓋ロック要素10と患者の間の導管14の長さに平行な軸の回りに、部分的に回転可能なねじれクランプ16を有する。上で述べたように、ねじれクランプ16内には、一対のアクチュエータ(示されていない)がある。ねじれクランプ16は、この軸の回りに回転し、それにより、アクチュエータの位置を導管圧縮位置および流れ位置に屈折させる。
【0063】
コネクタ1の操作は、蓋ロック要素10をキー要素12に挿入することを包含し、ここで、縦キー34は、アーム31を広げて、ドア50をロックするストップ32に作用し、それによりドア50が開放される。
【0064】
それゆえ、管状部材44は、蓋ロック要素10の管状チャネル58と協同的に結合する。管状部材44は、蓋ロック要素10の開口部(図8を参照)に隣接して案内され、キー要素12および蓋ロック要素10を通って液体連絡が与えられる。
【0065】
蓋ロック要素10およびキー要素12がドア50のアンロックおよび開放に続いて、さらに連結されるにつれて、キー要素12の管状部材44は、蓋ロック要素10の管状チャネル58に密封して連結される。その末端には、それらの密封連結を促進するために、管状部材44は、導入用のテーパ86を有していてもよい。他の実施態様では、管状部材44は、それらの間の密封を維持するためにOリング88を有し得る。
【0066】
ここで記述の現在好ましい実施態様に種々の変更および改良を加えることは、当業者に明らかであることを理解すべきである。このような変更および改良は、本発明の精神および範囲を逸脱することなく、かつそれに付随した利点を減じることなく行うことができる。従って、このような変更および改良は添付の請求の範囲に含まれることを意図している。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】図1は、液体源と、一端では排出バッグ系そして他端では患者に挿入すべきカテーテルとの間で、分離した状態における、本発明のコネクタの一実施態様の周囲図を例示する。
【図2】図2は、分離した位置における、本発明のコネクタ要素の一実施態様の分解斜視図を例示する。
【図3】図3は、接続した位置における、本発明のコネクタ要素の一実施態様の分解斜視図を例示する。
【図4】図4は、分離した位置における、本発明のコネクタのキー要素の一実施態様の断面図および蓋ロック要素の一実施態様の部分的に外面をカットした断面図を示す。
【図5】図5は、コネクタアセンブリの一部の実施態様の詳細図を例示し、これは、その連続的な接続工程、およびキー要素と蓋ロック要素との関係を示す。
【図6】図6は、コネクタアセンブリの一部の実施態様の詳細図を例示し、これは、その連続的な接続工程、およびキー要素と蓋ロック要素との関係を示す。
【図7】図7は、コネクタアセンブリの一部の実施態様の詳細図を例示し、これは、その連続的な接続工程、およびキー要素と蓋ロック要素との関係を示す。
【図8】図8は、接続した位置における、本発明のコネクタアセンブリの一実施態様の部分的に外面をカットした断面図を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一の導管(14)と第二の導管(22)との間の流体連絡を提供する方法であって、該第二の導管(22)は、液体源に接続され、該方法は、以下の工程:
該第一の導管(14)と流体連絡する開口部(58)を有する第一要素(10)を提供する工程であって、該第一要素(10)は、蓋(50)および該蓋(50)を可逆的にロックするための一体的に形成した移動可能な手段(31,32)を有する、工程;
第二の導管(22)と流体連絡するインテリア(26)、該インテリア(26)内に管状部材(44)を有する第二要素(12)を提供する工程であって、ここで、該ヒンジ蓋をアンロックするアンロック手段(34)を、該第二要素が有し、該第一要素(10)が、該第二要素(12)に挿入されると、アンロック手段(34)が該移動可能手段(31)を押し広げることで、該ヒンジ蓋(50)をロックしている該移動可能手段(32)に対して作用し、それによって、該ヒンジ蓋(50)を開き、該第二要素の管状部材(44)が、該第一要素の開口部(58)に協同的に嵌合し、該第一要素および該第二要素を介して、第一の導管と第二の導管との間の流体連絡を提供することを特徴とする、工程;
該第一要素における該開口部(58)上の該蓋(50)を可逆的にロックする工程
を包含し;
該第二要素(12)のインテリアに該第一要素(10)を挿入することによって、該開口部(50)上の蓋(58)をアンロックし、それによって、該蓋(50)を開放して該第一の導管(14)と該第二の導管(22)との間の流体連絡を提供することによって、特徴付けられ、該液体源は、ヒト身体に含まれない、方法。
【請求項2】
前記液体源が透析物源(20a)である、請求項1に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−255435(P2006−255435A)
【公開日】平成18年9月28日(2006.9.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−133140(P2006−133140)
【出願日】平成18年5月11日(2006.5.11)
【分割の表示】特願平9−508443の分割
【原出願日】平成8年7月17日(1996.7.17)
【出願人】(591013229)バクスター・インターナショナル・インコーポレイテッド (448)
【氏名又は名称原語表記】BAXTER INTERNATIONAL INCORP0RATED
【Fターム(参考)】