ロッドを受けるための受け部および骨固定装置
【課題】 ロッドを受け、このロッドを骨固定要素に連結するための受け部が提供される。
【解決手段】 受け部は、ロッドを受けるためのチャネル(12)を備えたロッド受け部分(9)を備えた受け部本体(5)と、骨固定要素の頭部(3)を収容するための頭部受け部分(16)とを含む。頭部受け部分(16)は開口端(17)を有し、可撓性があるため、頭部を差込んだりクランプしたりすることが可能となる。頭部受け部分は、第1の外面部分と、開口端(17)を通って延在するおよび中心軸(C)とを備える。受け部はまた、頭部受け部分(16)は囲むロックリング(8)を含む。ロックリングは、頭部(3)をクランプするために、第1の接触領域において外面部分に係合する第1の内面部分を備える。外面部分および内面部分のうち少なくとも一方は、円筒形の表面部分であり、他方は、円筒形の表面部分または輪状の隆起部分である。
【解決手段】 受け部は、ロッドを受けるためのチャネル(12)を備えたロッド受け部分(9)を備えた受け部本体(5)と、骨固定要素の頭部(3)を収容するための頭部受け部分(16)とを含む。頭部受け部分(16)は開口端(17)を有し、可撓性があるため、頭部を差込んだりクランプしたりすることが可能となる。頭部受け部分は、第1の外面部分と、開口端(17)を通って延在するおよび中心軸(C)とを備える。受け部はまた、頭部受け部分(16)は囲むロックリング(8)を含む。ロックリングは、頭部(3)をクランプするために、第1の接触領域において外面部分に係合する第1の内面部分を備える。外面部分および内面部分のうち少なくとも一方は、円筒形の表面部分であり、他方は、円筒形の表面部分または輪状の隆起部分である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロッドを受け、このロッドを骨固定要素に連結するための受け部と、このような受け部を備えた骨固定装置とに関する。骨固定要素の頭部は、頭部受け部分を横方向から囲むロックリングによって頭部受け部分を圧縮することによって受け部にロックされ得る。頭部受け部分は、外面部分を有し、ロックリングは、接触領域において外面部分に係合して頭部をクランプするための内面部分を有する。外面部分および内面部分のうち少なくとも一方は円筒形であり、他方は円筒形または輪状の隆起をなす。骨固定装置は、たとえば多軸骨ねじの形状で実現可能であり、これにより、頭部の回動運動と、頭部の所望の角度位置でのロックとが可能となる。
【背景技術】
【0002】
US5,733,285は、整形外科装置で用いられる、湾曲した頭部および連結要素を有するねじを含む多軸のコレット型ロック機構を開示している。連結要素は、内部チャンバを有する先細のコレット型部分を有し、初めに湾曲した頭部が多軸に配置される。ロックカラーが先細のコレット型部分のまわりに配置されており、このため、このロックカラーがテーパ部の拡大する方向に並進することにより、内部の体積が湾曲した頭部の上で収縮してそこにロックされる。ロックカラーの内面はまたテーパ部を含む。
【0003】
WO2007/038350A2は、コネクタ本体およびキャップを含み、骨アンカーを支持ロッドに接続するための装置を開示する。コネクタ本体は、支持ロッドを受け、この支持ロッドを骨アンカーに対して相対的に配置するためのチャネルを備える。スリーブは、コネクタ本体のソケット部分に嵌まって骨アンカーをソケットにロックする。コネクタ本体は、少なくとも部分的に球形の外面を備えた下方区域を有する。スリーブは円錐形の内面を有しており、ソケットの下方区域の外面上にわたって摺動可能であり、こうして、ソケットを圧縮して骨アンカーをコネクタ本体に対してロックする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】US5,733,285
【特許文献2】WO2007/038350A2
【特許文献3】US2008/0108992A1
【特許文献4】EP2204129A1
【特許文献5】EP2201903A1
【特許文献6】US6,355,040B1
【特許文献7】EP2191780A1
【特許文献8】US2008/0161859A1
【特許文献9】US2005/0096653A1
【特許文献10】US2006/0200128A1
【特許文献11】US2005/0277927A
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、ロッドを受け、このロッドを骨固定要素に連結するための受け部と、このような受け部を備え、使用時の安全性が改善された骨固定装置とを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的は請求項1に記載の骨固定装置によって解決される。さらなる展開例が従属請求項に記載される。
【0007】
骨固定装置の安全性が改善されているが、その理由は、当該骨固定装置が、頭部受け部分またはロックリングにおいて少なくとも1つのテーパ面部分を用いて頭部をクランプする骨固定装置と比べて、より大きなロック力を呈するからである。受け部とロックリングとの協働面同士が、ロックリング上での垂直運動中に受け部の中心軸に対して垂直なクランプ力を発生させるように構成されるために、より大きなロック力が達成される。
【0008】
骨固定装置を、特にこの骨固定装置の最大外径に対してコンパクトかつ薄型に設計することで、さらに強いロック力が実現される。さらに、骨固定装置は、容易に製造することのできる単純な機械的要素で構成される。骨固定装置はまた、プリロック機能を有していてもよい。このプリロック機能は、ロックリングが頭部を頭部受け部分に保持する際に、頭部が回動可能となるように、但し、頭部が頭部受け部から外れ得ないように保持することを特徴とする。
【0009】
加えて、頭部は、小さな前負荷を加えて頭部を摩擦によってクランプすることによって頭部受け部分に保持されてもよく、このため、頭部は、摩擦力よりも大きな力を加えることによってのみ回動可能となる。
【0010】
さらに、骨固定装置には、手術前に受け部に容易に取付けることのできるさまざまな骨アンカーを備えたモジュラーシステムが設けられる。
【0011】
本発明のさらなる特徴および利点は、添付の図面を用いた実施例の記載から明らかになるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】骨固定装置の第1の実施例を示す分解斜視図である。
【図2】図1の骨固定装置を組立てられた状態で示す斜視図である。
【図3】第1の実施例に従った骨固定装置の受け部本体を示す斜視図である。
【図4】図3の受け部本体を示す側面図である。
【図5】図3の受け部本体を示す底面図である。
【図6】第1の実施例の骨固定装置のロックリングを示す斜視図である。
【図7】図6のロックリングを示す側面図である。
【図8】図6および図7のロックリングを線A−Aに沿って示す断面図である。
【図9a)】頭部が受け部に差込み可能である使用の第1のステップにおける第1の実施例の骨固定装置を示す断面図である。
【図9b)】頭部が受け部に差込まれ、ロックリングがプリロック位置にある使用の第2のステップにおける第1の実施例の骨固定装置を示す断面図である。
【図9c)】ロッドが挿入され、ねじの角度位置がロックリングによってロック位置でロックされている骨固定装置を示す断面図である。
【図9d)】図9c)の拡大部分を示す図である。
【図10】第2の実施例に従った骨固定装置の断面図の拡大部分を示す図である。
【図11】第3の実施例に従った骨固定装置の断面図の拡大部分を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1および図2に図示のとおり、第1の実施例に従った骨固定装置は、ねじ軸2および球台形の頭部3を備え、球形の中心をMとする骨ねじの形状をした骨固定要素1を含む。頭部3は、ドライバとの係合用の凹部4を有する。骨固定装置は、さらに、ロッド6を受け、このロッドを骨固定要素1に接続するための受け部本体5を含む。さらに、内ねじまたは止めねじの形状をした閉鎖要素7が、ロッド6を受け部に固定するために設けられる。加えて、骨固定装置は、受け部本体5に頭部3をロックするためのロックリング8を含む。受け部本体5およびロックリングが受け部を形成する。
【0014】
図3〜図6および図9a)〜図9c)にさらに示すように、受け部本体5は、第1の端部9aと反対側の第2の端部9bとを備えるロッド受け部分9を含む。ロッド受け部分9は実質的に円筒形であり、第1の端部9aから第2の端部9bにまで延在する同軸の第1のボア10と、中心軸Cとを有する。第1のボア10の直径は、骨固定要素1の頭部3の最大直径よりも小さい。ロッド受け部分9はさらに同軸の第2のボア11を含む。この同軸の第2のボア11は、第1の端部9aから始まり、第2の端部9bから距離を空けた位置まで延在する。第2のボア11の直径は、第1のボア10の直径よりも大きく、ロッド6の直径よりも大きい。U字型の凹部12がロッド受け部分9に設けられ、第1の端部9aから第2の端部9bの方向に延在する。U字型の凹部12はロッドのためのチャネルを形成している。このチャネルは、ロッド6をそこに配置し案内することができるような大きさである。U字型の凹部12によって、2つの自由な脚12a、12bが形成され、その上に雌ねじ13が設けられる。雌ねじは、メートルねじ、平ねじ、負角ねじ、鋸歯ねじまたは他のねじ形状であってもよい。好ましくは、平ねじまたは負角ねじなどのねじ形状を用いると、内ねじ7を捩じ込む際に脚12aおよび12bが広がるのが防止される。U字型の凹部12の深さは、脚12aと脚12bとの間にロッド6および内ねじ7を挿入することができるような深さである。
【0015】
チャンネル軸に沿った方向に見られるU字型の凹部12のどちらの端部においても、切欠き14が、第2の端部9bからU字型の凹部12の底部へと延在している。
【0016】
ロッド受け部分9のうち脚12a、12bの領域における外面に溝15が設けられる。この溝15は、円周方向に延在し、ロックリング8の一部と係合する役割を果たす。溝15は、ロックリング8を下方に移動させたときにロックリングと溝とを互いから解放できるように非対称になっている。この非対称の形状は、溝のうち下方向に傾斜した下方壁15aと実質的に垂直な上方壁15bとによって実現される。溝15と第2の端部との間では、ロッド受け部分9の直径がわずかに小さくなっていてもよい。
【0017】
受け部5は、第2の端部9bに隣接した頭部受け部分16を含む。この頭部受け部分16は、骨固定要素1の頭部3のための収容空間を備える。頭部受け部分16は、ロッド受け部分9の第2の端部9bとは反対側に自由端17を有する。頭部受け部分16の最大外径は、ロッド受け部分9の外径より小さく、このため、頭部受け部分16はロッド受け部分9よりも引っ込んだ位置にある。頭部受け部分16は、骨固定要素の頭部3の半径と合致する半径を有する球形の内部中空区域18を有する。内部中空区域18は自由端17に開口部19を有する。内部中空区域18は、中空区域18が頭部3のうち最大直径の領域を含む骨固定要素の頭部3を囲むような大きさである。頭部が内部中空区域18に差込まれると、その中心Mは実質的に中心軸上に位置する。
【0018】
スリット20は、頭部受け部分16に設けられ、自由端17に開いており、頭部受け部分の第2の端部9bから距離を開けた位置にまで延在する。スリット20は、少なくとも、内部中空区域18のうち最大内径の領域を含むような長さを有する。他のスリット21が、自由端17からロッド受け部分の第2の端部9bにまで延在する。頭部受け部分16におけるスリットにより、頭部受け部分16に可撓性が与えられる。このため、固定要素の頭部3は頭部受け部分を広げることによって挿入することができ、頭部受け部分を圧縮することによってクランプすることができる。
【0019】
図4から最もよく分かるように、頭部受け部分の外面は概して円筒形であり外径d1を有する。d1よりも大きな最大外径d2を有する輪状の隆起16aの形状をした外面部分が、ロッド受け部分の第2の端部9bから距離を隔てたところに設けられる。輪状の隆起16aは、内部中空区域18のうち最大内径を有する領域を含む。輪状の隆起16aの断面は円形の断面であってもよいが、しかしながら、他の形状であってもよく、たとえば、楕円の断面であってもよく、または軸方向に非対称であってもよい。自由端17に隣接して円筒形部分16bが形成される。この円筒形部分16bは、d1より大きくd2以下である外径d3を有する。こうして、輪状の隆起16aと円筒形部分16bとの間に溝16cが形成される。円筒形部分16bの上方端縁を面取りすることにより、以下に記載するロックリング8との係合が容易になり得る。
【0020】
ここで、図6および図9a)〜図9c)を参照してロックリングを説明する。ロックリング8は実質的に円筒形であり、上方端部8aおよび下方端部8bを有する。取付けられた状態では、上方端部8aが、ロッド受け部分9の第1の端部9aの方向に向けられ、下方端部8bが、頭部受け部分16の自由端17の方に向けられている。
【0021】
ロックリング8は、下方端部8bに隣接した第1の中空の円筒形部分81を有する。この第1の中空の円筒形部分81は、円筒形部分81と頭部受け部分の円筒形部分16bとが締りばめ接続に連動することができるように、頭部受け部分16の円筒形部分16bの外径よりもわずかに小さい内径を有する。第1の中空の円筒形部分81の高さは、この円筒形部分81が頭部受け部分の溝16cに係合し得るような高さである。第1の中空の円筒形部分81の次に第2の中空の円筒形部分82が提供される。この第2の中空の円筒形部分82は、図9a)に示されるロックリング8の第1の位置で、輪状の隆起16aがロックリングの第2の中空の円筒形部分82内へと延在することができ、かつ径方向に拡がるための空間を有するような程度の、頭部受け部分16の輪状の隆起16aの外径d2よりも大きい内径を有する。第2の中空の円筒形部分82の高さは、輪状の隆起16aの軸方向の高さにほぼ匹敵する。
【0022】
第2の中空の円筒形部分82の次に第3の中空の円筒形部分83が提供される。第3の中空の円筒形部分83の内径は、頭部受け部分の輪状の隆起16aの最大外径d2よりもわずかに小さく、このため、第3の円筒形部分83が輪状の隆起16aと協働すると、締りばめ接続が実現される。第3の中空の円筒形部分83の高さは、ロックリングが図9c)に示されるその最低位置にある場合に第3の中空の円筒形部分83が少なくとも輪状の隆起16aの最大外径の区域と接触するような高さである。
【0023】
ロックリング8はさらに、上方向に延在する可撓性のある壁部分83aを含む。これらの壁部分83aはスリット84によって互いから隔てられている。上方向に延在する壁部分83aは、ロックリングの内周肩部85の外周に配置され、ロックリングの上方領域に可撓性を与える。スリットの数および大きさ、ならびに壁部分83aの厚さは、所望の可撓性が得られるように構成される。壁部分83aは、その自由端に係合区域83bを含む。これらの係合区域83bは、ロッド受け部分9の外面上に設けられた溝15に係合するように形作られている。
【0024】
互いに直径方向に反対側に位置する2つの突起86が肩部85から延在する。突起86は、図9a)および図9b)に示されるように頭部がまだ固定されていない位置にロックリング8がある場合に、これら突起86が切欠き14を介してU字型の凹部12の底に突出るような高さを有する。突起86の自由端面86aは、たとえば、ロッド6の曲率に対応する曲率で湾曲していてもよい。ロックリング8は頭部受け部分16のまわりに配置され、突起86がU字型の凹部12の位置に配置される。これにより、突起86は、ロッドが挿入されていないときにロックリング8が回転するのを防ぐ。
【0025】
頭部受け部分16の可撓性と、開口端17における頭部受け部分の大きさとにより、ロックリングを自由端17から頭部受け部分16上に組付けることによってロックリングを取付けることが可能となる。ロックリング8の外径は、確実にコンパクトな形状にするためにロックリング8が受け部のロッド受け部分9を越えて実質的に突出ないように設計されてもよい。
【0026】
内ねじ7は、脚12aおよび12bに設けられる雌ねじ13に対応するねじを備える。脚が広がるのを防ぐねじ形状が用いられる場合、内ねじ7などの固定要素は1つで十分である。これにより、骨固定装置の径方向の大きさが低減される。
【0027】
受け部5、ロックリング8、内ねじ7および骨固定要素1は、生体適合性材料、たとえばチタンもしくはステンレス鋼、またはニチノールなどの生体適合性合金、または、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK:polyetheretherketone)などの生体適合性のあるプラスチック材料でできている。この部品はすべて、同じ材料または異なる材料で製造することもできる。
【0028】
ここで、図9a)〜図9c)を参照してロックリング8の機能を説明する。図9a)に図示のとおり、ロックリング8の第1の位置は挿入位置であり、ここでロックリング8が受け部5に対してラッチ固定される。このロックリング8の第1の位置は、第1の中空の円筒形部分81が頭部受け部分16の外面における溝16cに係合するように規定される。第1の中空の円筒形部分81の内径および第2の中空の円筒形部分82の内径が、それぞれ、溝16cの位置にある頭部受け部分16の外径および輪状の隆起16aの外径よりも大きいので、頭部が差込まれたときに頭部受け部分16が拡がることが可能となる。第1の位置では、ロックリング8は、さらに、クランプ力によって、ロッド受け部分9と、図9a)から分かるようにわずかに外側に曲がっている可撓性のある壁部分83aとの間に保持される。
【0029】
ロックリング8が第1の位置にある場合、頭部受け部分16は圧縮されない。この位置では、図9a)から分かるように、ねじ頭部3を差込むことが可能である。第1の位置では、ロックリング8がロッド受け部分の第1の端部9a)の方に向かってさらに上方に移動するのが防止される。というのも、ロックリング8の肩部85がロッド受け部分の第2の端部9bに当接するからである。溝15のうち傾斜した下方壁15aによって、ロックリング8が不用意に下方に移動するのが防止されるが、力を加えたときにロックリングが下方に移動することは可能にされる。
【0030】
頭部3を差込んだ後、ロックリング8は軸方向に下方に移動して第2の位置に到達し、ここで受け部に対してラッチ固定される。これは、図9b)に示されるプリロック位置である。第2の位置では、ロックリング8は、可撓性のある壁部分83aの係合部分83bがロッド受け部分9に設けられた溝15に弾力的に嵌まり込むまで、頭部受け部分16の自由端17に向かって動かされた。係合部分83bの自由な上方端縁が、溝15の上方壁15bに当接し、これにより、ロックリングがプリロック位置から外れて上方に移動するのが防止される。他方では、溝15のうち傾斜した下方壁15aは、ロックリングが自由端17に向かって不用意に下方に移動することを防ぐが、力を加えたときにロックリングがこのように下方に移動することは可能にする。
【0031】
第2の位置では、図9b)に図示のとおり、第1の中空の円筒形部分81は、頭部受け部分の円筒形部分16bを締りばめの態様でわずかに圧縮する。これにより、頭部3が中空の内部区域18から外れるのが防止される。第2の中空の円筒形部分82は、頭部受け部分16をわずかに圧縮するように輪状の隆起16aに係合し始める。これにより、頭部3が外れるのを防止するのにさらに寄与する。加えて、必要に応じて、係合部分の寸法は、第2の位置において、図9bに図示のとおり、頭部3が調整可能な角度位置において摩擦によって中空の内部区域18に保持されるように規定することもできる。これにより、摩擦力よりも大きな力を加えることによって依然として回動が可能となる。
【0032】
図9c)に示されるロック位置である第3の位置では、ロックリングはさらに軸方向に下方に動かされている。第3の位置は、ねじ頭部3が最終的に頭部受け部分16内にロックされる位置として規定される。第1の中空の円筒形部分81および第3の中空の円筒形部分83の内面は、締りばめの態様で円筒形部分16bおよび輪状の隆起16aに係合し、これにより、頭部3のまわりで頭部受け部分16が堅固に圧縮される。頭部3は2つの規定された円周区域において圧力をかけることによってロックされる。2つの規定された円周区域のうち一方は、輪状の隆起にあり、頭部3のうち最大直径を有する区域のわずか上方にある。2つの規定された円周区域のうち他方は、円筒形部分16bにあり、頭部3のうち最大直径を有する区域の下方にある。ロックリングが矢印Dによって示される方向に動かされるときに頭部受け部分に作用するクランプ力は、図9dにおいて矢印Fによって示されるように受け部の中心軸Cに対して垂直である。これにより、ロック位置において頭部に対して作用する力が、テーパ面部分を用いる装置と比べて高くなる。協働面の動きは、中心軸に対して同軸である垂直運動となる。したがって、力の流れが予測可能となる。協働面の形状は容易に製造できるものである。
【0033】
骨固定装置は以下のように予め組立てられてもよい。第1に、ロックリング8が自由端17から受け部の上に取付けられる。これは、たとえば製造業者が行なうこともできる。好ましくは、ロックリング8は挿入位置にある。その後、固定要素1の頭部3が、自由端から頭部受け部分16の中空の内部部分18に差込まれる。その後、ロックリングを下方に移動させてプリロック位置に到達させる。
【0034】
手術中、予め組立てられた骨固定装置を骨に捩じ込む。頭部3の凹部4は、第1のボア10を通ってドライバでアクセスすることができる。頭部3がプリロック位置において摩擦によって調整可能な角度位置に保持された場合、手動で、または機器を用いることによって、付加的な力を受け部に加えて、受け部をロッドに対して位置合わせする。ロッドが他の骨固定装置に対して正確な位置にくると、内ねじ7が締められる。ロッド6がロックリングの突起86に当接すると、ロックリング8が下方に移動してロック位置に到達する。最後に内ねじを締めることにより、ロッドと頭部とが同時にロックされる。
【0035】
骨固定装置の第2の実施例が図10に示される。
第2の実施例に従った骨固定装置は、頭部受け部分16の外面およびロックリング8の内面の設計についてのみ、第1の実施例に従った骨固定装置とは異なる。他のすべての部分は同じであり、同じ参照符号で示されているため、その説明は繰返さない。頭部受け部分16は、輪状の隆起16aではなく、円筒形の表面部分16a′を有する。この円筒形の表面部分16a′は、円筒形の頭部受け部分16の外径d1よりも大きい最大外径d2を有する。ロックリング8は、第3の中空の円筒形部分83ではなく、内側に突出た輪状の隆起83′を含む。この内側に突出た輪状の隆起83′の内径は、頭部受け部分16の円筒形部分16a′の外径よりもわずかに小さく、これにより、これらの2つの部分間での締りばめを可能にする。このように、協働する外面部分と内面部分とは、第1の実施例とは逆になっている。また、この実施例においては、頭部のロックは、頭部のうち最大直径を有する領域のまわり付近にあるかまたは頭部のうち最大直径を有する領域の上方および下方にある2つの接触区域において、頭部受け部分の係合する外面部分とロックリングの内面部分との間で締りばめによって達成される。また、この実施例においては、クランプ力Fは受け部の中心軸に対して垂直に向けられており、結果としてロック位置におけるロック力が大きくなる。
【0036】
第3の実施例が図11に示される。第1の実施例および第2の実施例と同じ部分は同じ参照番号で示されており、その説明は繰返さない。第3の実施例の骨固定装置は、頭部受け部分16の外面およびロックリング8の内面の形状が、第1および第2の実施例の骨固定装置とは異なる。円筒形の表面と輪状の隆起との間ではなく、第1の円筒形表面と第2の円筒形表面との間に係合がもたらされる。頭部受け部分16は円筒形の表面部分16a′′を有する。この円筒形の表面部分16a′′の外径d2は、溝16c′′における円筒形部分の外径よりも大きい。円筒形部分16a′′は、頭部3のうち最大外径を有する領域を含む区域にわたって軸方向に延在する。ロックリング8は第3の円筒形部分83′′を有する。この第3の円筒形部分83′′の内径は、円筒形部分16a′′の外径よりもわずかに小さく、これにより、部分16a′′と部分83′′との間での締りばめが可能となる。第3の中空の円筒形部分83′′の軸方向の長さは、頭部3のうち最大外径を有する領域を含む実質的な区域にわたって円筒形部分16a′′と係合し得るような長さである。第3の実施例における頭部のロックは、円筒表面の締りばめによって頭部受け部分16に力Fをかけることによって達成される。この実施例においても、クランプ力は中心軸Cに対して垂直である。このため、実現可能なロック力は、先細の部分を含む係合面で実現することのできるロック力よりも大きい。
【0037】
実施例の変更例も実現可能である。たとえば、頭部受け部分の自由端17におけるロックリングとの下方係合面は省いてもよい。これは、頭部をロックするのに、係合面を1つの円周区域のみに設けるだけで十分であることを意味している。この場合、係合面は、頭部のうち最大直径の領域をカバーするはずである。プリロック機能は、他の場合には、ロックリングの部分を受け部の他の部分と係合させることによって実現することができる。輪状の隆起部分はまた、円周方向に途切れていてもよい。
【0038】
受け部本体の形状は図示される実施例に限定されない。たとえば、ロッド受け部にもスリットが設けられてもよい。
【0039】
骨固定要素の頭部は、たとえば円筒形などの他の如何なる形状であってもよく、これにより単軸骨ねじが設けられる。この単軸骨ねじにより、受け部に対して単軸を中心にしてねじ要素を回転させることが可能となる。
【0040】
ロッドに係合するロックリングの突起は別の形状であってもよく、たとえば、突起の自由端の表面は平坦であってもよく、または他の形状であってもよい。突起は省くこともできる。
【0041】
頭部受け部分は、傾斜した開口端を有し得るか、または、他の場合には、頭部を一方向により大きく角形成することを可能にするよう非対称であってもよい。
【0042】
円筒形の表面部分16bおよび第1の中空の円筒形部分81はまた、輪状の隆起と置換ることもできる。
【0043】
骨固定要素については、すべての種類の固定要素を用いることができ、受け部と組合せることができる。これらの固定要素は、たとえば、長さや直径の異なるねじ、管状のねじ(cannulated screws)、さまざまなねじ形状を有するねじ、釘などである。ねじおよび軸の頭部はまた、互いに接続可能な別個の部品であってもよい。
【0044】
ロッドのためのチャネルは、ロッド受け部分の第1の端部上で閉じることができる。閉鎖要素については、外側ナットまたは他の閉鎖要素などの他の種類の要素が使用可能である。
【符号の説明】
【0045】
1 骨固定要素、2 ねじ軸、3 頭部、4 凹部、5 受け部本体、6 ロッド、7 閉鎖要素、8 ロックリング。
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロッドを受け、このロッドを骨固定要素に連結するための受け部と、このような受け部を備えた骨固定装置とに関する。骨固定要素の頭部は、頭部受け部分を横方向から囲むロックリングによって頭部受け部分を圧縮することによって受け部にロックされ得る。頭部受け部分は、外面部分を有し、ロックリングは、接触領域において外面部分に係合して頭部をクランプするための内面部分を有する。外面部分および内面部分のうち少なくとも一方は円筒形であり、他方は円筒形または輪状の隆起をなす。骨固定装置は、たとえば多軸骨ねじの形状で実現可能であり、これにより、頭部の回動運動と、頭部の所望の角度位置でのロックとが可能となる。
【背景技術】
【0002】
US5,733,285は、整形外科装置で用いられる、湾曲した頭部および連結要素を有するねじを含む多軸のコレット型ロック機構を開示している。連結要素は、内部チャンバを有する先細のコレット型部分を有し、初めに湾曲した頭部が多軸に配置される。ロックカラーが先細のコレット型部分のまわりに配置されており、このため、このロックカラーがテーパ部の拡大する方向に並進することにより、内部の体積が湾曲した頭部の上で収縮してそこにロックされる。ロックカラーの内面はまたテーパ部を含む。
【0003】
WO2007/038350A2は、コネクタ本体およびキャップを含み、骨アンカーを支持ロッドに接続するための装置を開示する。コネクタ本体は、支持ロッドを受け、この支持ロッドを骨アンカーに対して相対的に配置するためのチャネルを備える。スリーブは、コネクタ本体のソケット部分に嵌まって骨アンカーをソケットにロックする。コネクタ本体は、少なくとも部分的に球形の外面を備えた下方区域を有する。スリーブは円錐形の内面を有しており、ソケットの下方区域の外面上にわたって摺動可能であり、こうして、ソケットを圧縮して骨アンカーをコネクタ本体に対してロックする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】US5,733,285
【特許文献2】WO2007/038350A2
【特許文献3】US2008/0108992A1
【特許文献4】EP2204129A1
【特許文献5】EP2201903A1
【特許文献6】US6,355,040B1
【特許文献7】EP2191780A1
【特許文献8】US2008/0161859A1
【特許文献9】US2005/0096653A1
【特許文献10】US2006/0200128A1
【特許文献11】US2005/0277927A
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、ロッドを受け、このロッドを骨固定要素に連結するための受け部と、このような受け部を備え、使用時の安全性が改善された骨固定装置とを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的は請求項1に記載の骨固定装置によって解決される。さらなる展開例が従属請求項に記載される。
【0007】
骨固定装置の安全性が改善されているが、その理由は、当該骨固定装置が、頭部受け部分またはロックリングにおいて少なくとも1つのテーパ面部分を用いて頭部をクランプする骨固定装置と比べて、より大きなロック力を呈するからである。受け部とロックリングとの協働面同士が、ロックリング上での垂直運動中に受け部の中心軸に対して垂直なクランプ力を発生させるように構成されるために、より大きなロック力が達成される。
【0008】
骨固定装置を、特にこの骨固定装置の最大外径に対してコンパクトかつ薄型に設計することで、さらに強いロック力が実現される。さらに、骨固定装置は、容易に製造することのできる単純な機械的要素で構成される。骨固定装置はまた、プリロック機能を有していてもよい。このプリロック機能は、ロックリングが頭部を頭部受け部分に保持する際に、頭部が回動可能となるように、但し、頭部が頭部受け部から外れ得ないように保持することを特徴とする。
【0009】
加えて、頭部は、小さな前負荷を加えて頭部を摩擦によってクランプすることによって頭部受け部分に保持されてもよく、このため、頭部は、摩擦力よりも大きな力を加えることによってのみ回動可能となる。
【0010】
さらに、骨固定装置には、手術前に受け部に容易に取付けることのできるさまざまな骨アンカーを備えたモジュラーシステムが設けられる。
【0011】
本発明のさらなる特徴および利点は、添付の図面を用いた実施例の記載から明らかになるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】骨固定装置の第1の実施例を示す分解斜視図である。
【図2】図1の骨固定装置を組立てられた状態で示す斜視図である。
【図3】第1の実施例に従った骨固定装置の受け部本体を示す斜視図である。
【図4】図3の受け部本体を示す側面図である。
【図5】図3の受け部本体を示す底面図である。
【図6】第1の実施例の骨固定装置のロックリングを示す斜視図である。
【図7】図6のロックリングを示す側面図である。
【図8】図6および図7のロックリングを線A−Aに沿って示す断面図である。
【図9a)】頭部が受け部に差込み可能である使用の第1のステップにおける第1の実施例の骨固定装置を示す断面図である。
【図9b)】頭部が受け部に差込まれ、ロックリングがプリロック位置にある使用の第2のステップにおける第1の実施例の骨固定装置を示す断面図である。
【図9c)】ロッドが挿入され、ねじの角度位置がロックリングによってロック位置でロックされている骨固定装置を示す断面図である。
【図9d)】図9c)の拡大部分を示す図である。
【図10】第2の実施例に従った骨固定装置の断面図の拡大部分を示す図である。
【図11】第3の実施例に従った骨固定装置の断面図の拡大部分を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1および図2に図示のとおり、第1の実施例に従った骨固定装置は、ねじ軸2および球台形の頭部3を備え、球形の中心をMとする骨ねじの形状をした骨固定要素1を含む。頭部3は、ドライバとの係合用の凹部4を有する。骨固定装置は、さらに、ロッド6を受け、このロッドを骨固定要素1に接続するための受け部本体5を含む。さらに、内ねじまたは止めねじの形状をした閉鎖要素7が、ロッド6を受け部に固定するために設けられる。加えて、骨固定装置は、受け部本体5に頭部3をロックするためのロックリング8を含む。受け部本体5およびロックリングが受け部を形成する。
【0014】
図3〜図6および図9a)〜図9c)にさらに示すように、受け部本体5は、第1の端部9aと反対側の第2の端部9bとを備えるロッド受け部分9を含む。ロッド受け部分9は実質的に円筒形であり、第1の端部9aから第2の端部9bにまで延在する同軸の第1のボア10と、中心軸Cとを有する。第1のボア10の直径は、骨固定要素1の頭部3の最大直径よりも小さい。ロッド受け部分9はさらに同軸の第2のボア11を含む。この同軸の第2のボア11は、第1の端部9aから始まり、第2の端部9bから距離を空けた位置まで延在する。第2のボア11の直径は、第1のボア10の直径よりも大きく、ロッド6の直径よりも大きい。U字型の凹部12がロッド受け部分9に設けられ、第1の端部9aから第2の端部9bの方向に延在する。U字型の凹部12はロッドのためのチャネルを形成している。このチャネルは、ロッド6をそこに配置し案内することができるような大きさである。U字型の凹部12によって、2つの自由な脚12a、12bが形成され、その上に雌ねじ13が設けられる。雌ねじは、メートルねじ、平ねじ、負角ねじ、鋸歯ねじまたは他のねじ形状であってもよい。好ましくは、平ねじまたは負角ねじなどのねじ形状を用いると、内ねじ7を捩じ込む際に脚12aおよび12bが広がるのが防止される。U字型の凹部12の深さは、脚12aと脚12bとの間にロッド6および内ねじ7を挿入することができるような深さである。
【0015】
チャンネル軸に沿った方向に見られるU字型の凹部12のどちらの端部においても、切欠き14が、第2の端部9bからU字型の凹部12の底部へと延在している。
【0016】
ロッド受け部分9のうち脚12a、12bの領域における外面に溝15が設けられる。この溝15は、円周方向に延在し、ロックリング8の一部と係合する役割を果たす。溝15は、ロックリング8を下方に移動させたときにロックリングと溝とを互いから解放できるように非対称になっている。この非対称の形状は、溝のうち下方向に傾斜した下方壁15aと実質的に垂直な上方壁15bとによって実現される。溝15と第2の端部との間では、ロッド受け部分9の直径がわずかに小さくなっていてもよい。
【0017】
受け部5は、第2の端部9bに隣接した頭部受け部分16を含む。この頭部受け部分16は、骨固定要素1の頭部3のための収容空間を備える。頭部受け部分16は、ロッド受け部分9の第2の端部9bとは反対側に自由端17を有する。頭部受け部分16の最大外径は、ロッド受け部分9の外径より小さく、このため、頭部受け部分16はロッド受け部分9よりも引っ込んだ位置にある。頭部受け部分16は、骨固定要素の頭部3の半径と合致する半径を有する球形の内部中空区域18を有する。内部中空区域18は自由端17に開口部19を有する。内部中空区域18は、中空区域18が頭部3のうち最大直径の領域を含む骨固定要素の頭部3を囲むような大きさである。頭部が内部中空区域18に差込まれると、その中心Mは実質的に中心軸上に位置する。
【0018】
スリット20は、頭部受け部分16に設けられ、自由端17に開いており、頭部受け部分の第2の端部9bから距離を開けた位置にまで延在する。スリット20は、少なくとも、内部中空区域18のうち最大内径の領域を含むような長さを有する。他のスリット21が、自由端17からロッド受け部分の第2の端部9bにまで延在する。頭部受け部分16におけるスリットにより、頭部受け部分16に可撓性が与えられる。このため、固定要素の頭部3は頭部受け部分を広げることによって挿入することができ、頭部受け部分を圧縮することによってクランプすることができる。
【0019】
図4から最もよく分かるように、頭部受け部分の外面は概して円筒形であり外径d1を有する。d1よりも大きな最大外径d2を有する輪状の隆起16aの形状をした外面部分が、ロッド受け部分の第2の端部9bから距離を隔てたところに設けられる。輪状の隆起16aは、内部中空区域18のうち最大内径を有する領域を含む。輪状の隆起16aの断面は円形の断面であってもよいが、しかしながら、他の形状であってもよく、たとえば、楕円の断面であってもよく、または軸方向に非対称であってもよい。自由端17に隣接して円筒形部分16bが形成される。この円筒形部分16bは、d1より大きくd2以下である外径d3を有する。こうして、輪状の隆起16aと円筒形部分16bとの間に溝16cが形成される。円筒形部分16bの上方端縁を面取りすることにより、以下に記載するロックリング8との係合が容易になり得る。
【0020】
ここで、図6および図9a)〜図9c)を参照してロックリングを説明する。ロックリング8は実質的に円筒形であり、上方端部8aおよび下方端部8bを有する。取付けられた状態では、上方端部8aが、ロッド受け部分9の第1の端部9aの方向に向けられ、下方端部8bが、頭部受け部分16の自由端17の方に向けられている。
【0021】
ロックリング8は、下方端部8bに隣接した第1の中空の円筒形部分81を有する。この第1の中空の円筒形部分81は、円筒形部分81と頭部受け部分の円筒形部分16bとが締りばめ接続に連動することができるように、頭部受け部分16の円筒形部分16bの外径よりもわずかに小さい内径を有する。第1の中空の円筒形部分81の高さは、この円筒形部分81が頭部受け部分の溝16cに係合し得るような高さである。第1の中空の円筒形部分81の次に第2の中空の円筒形部分82が提供される。この第2の中空の円筒形部分82は、図9a)に示されるロックリング8の第1の位置で、輪状の隆起16aがロックリングの第2の中空の円筒形部分82内へと延在することができ、かつ径方向に拡がるための空間を有するような程度の、頭部受け部分16の輪状の隆起16aの外径d2よりも大きい内径を有する。第2の中空の円筒形部分82の高さは、輪状の隆起16aの軸方向の高さにほぼ匹敵する。
【0022】
第2の中空の円筒形部分82の次に第3の中空の円筒形部分83が提供される。第3の中空の円筒形部分83の内径は、頭部受け部分の輪状の隆起16aの最大外径d2よりもわずかに小さく、このため、第3の円筒形部分83が輪状の隆起16aと協働すると、締りばめ接続が実現される。第3の中空の円筒形部分83の高さは、ロックリングが図9c)に示されるその最低位置にある場合に第3の中空の円筒形部分83が少なくとも輪状の隆起16aの最大外径の区域と接触するような高さである。
【0023】
ロックリング8はさらに、上方向に延在する可撓性のある壁部分83aを含む。これらの壁部分83aはスリット84によって互いから隔てられている。上方向に延在する壁部分83aは、ロックリングの内周肩部85の外周に配置され、ロックリングの上方領域に可撓性を与える。スリットの数および大きさ、ならびに壁部分83aの厚さは、所望の可撓性が得られるように構成される。壁部分83aは、その自由端に係合区域83bを含む。これらの係合区域83bは、ロッド受け部分9の外面上に設けられた溝15に係合するように形作られている。
【0024】
互いに直径方向に反対側に位置する2つの突起86が肩部85から延在する。突起86は、図9a)および図9b)に示されるように頭部がまだ固定されていない位置にロックリング8がある場合に、これら突起86が切欠き14を介してU字型の凹部12の底に突出るような高さを有する。突起86の自由端面86aは、たとえば、ロッド6の曲率に対応する曲率で湾曲していてもよい。ロックリング8は頭部受け部分16のまわりに配置され、突起86がU字型の凹部12の位置に配置される。これにより、突起86は、ロッドが挿入されていないときにロックリング8が回転するのを防ぐ。
【0025】
頭部受け部分16の可撓性と、開口端17における頭部受け部分の大きさとにより、ロックリングを自由端17から頭部受け部分16上に組付けることによってロックリングを取付けることが可能となる。ロックリング8の外径は、確実にコンパクトな形状にするためにロックリング8が受け部のロッド受け部分9を越えて実質的に突出ないように設計されてもよい。
【0026】
内ねじ7は、脚12aおよび12bに設けられる雌ねじ13に対応するねじを備える。脚が広がるのを防ぐねじ形状が用いられる場合、内ねじ7などの固定要素は1つで十分である。これにより、骨固定装置の径方向の大きさが低減される。
【0027】
受け部5、ロックリング8、内ねじ7および骨固定要素1は、生体適合性材料、たとえばチタンもしくはステンレス鋼、またはニチノールなどの生体適合性合金、または、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK:polyetheretherketone)などの生体適合性のあるプラスチック材料でできている。この部品はすべて、同じ材料または異なる材料で製造することもできる。
【0028】
ここで、図9a)〜図9c)を参照してロックリング8の機能を説明する。図9a)に図示のとおり、ロックリング8の第1の位置は挿入位置であり、ここでロックリング8が受け部5に対してラッチ固定される。このロックリング8の第1の位置は、第1の中空の円筒形部分81が頭部受け部分16の外面における溝16cに係合するように規定される。第1の中空の円筒形部分81の内径および第2の中空の円筒形部分82の内径が、それぞれ、溝16cの位置にある頭部受け部分16の外径および輪状の隆起16aの外径よりも大きいので、頭部が差込まれたときに頭部受け部分16が拡がることが可能となる。第1の位置では、ロックリング8は、さらに、クランプ力によって、ロッド受け部分9と、図9a)から分かるようにわずかに外側に曲がっている可撓性のある壁部分83aとの間に保持される。
【0029】
ロックリング8が第1の位置にある場合、頭部受け部分16は圧縮されない。この位置では、図9a)から分かるように、ねじ頭部3を差込むことが可能である。第1の位置では、ロックリング8がロッド受け部分の第1の端部9a)の方に向かってさらに上方に移動するのが防止される。というのも、ロックリング8の肩部85がロッド受け部分の第2の端部9bに当接するからである。溝15のうち傾斜した下方壁15aによって、ロックリング8が不用意に下方に移動するのが防止されるが、力を加えたときにロックリングが下方に移動することは可能にされる。
【0030】
頭部3を差込んだ後、ロックリング8は軸方向に下方に移動して第2の位置に到達し、ここで受け部に対してラッチ固定される。これは、図9b)に示されるプリロック位置である。第2の位置では、ロックリング8は、可撓性のある壁部分83aの係合部分83bがロッド受け部分9に設けられた溝15に弾力的に嵌まり込むまで、頭部受け部分16の自由端17に向かって動かされた。係合部分83bの自由な上方端縁が、溝15の上方壁15bに当接し、これにより、ロックリングがプリロック位置から外れて上方に移動するのが防止される。他方では、溝15のうち傾斜した下方壁15aは、ロックリングが自由端17に向かって不用意に下方に移動することを防ぐが、力を加えたときにロックリングがこのように下方に移動することは可能にする。
【0031】
第2の位置では、図9b)に図示のとおり、第1の中空の円筒形部分81は、頭部受け部分の円筒形部分16bを締りばめの態様でわずかに圧縮する。これにより、頭部3が中空の内部区域18から外れるのが防止される。第2の中空の円筒形部分82は、頭部受け部分16をわずかに圧縮するように輪状の隆起16aに係合し始める。これにより、頭部3が外れるのを防止するのにさらに寄与する。加えて、必要に応じて、係合部分の寸法は、第2の位置において、図9bに図示のとおり、頭部3が調整可能な角度位置において摩擦によって中空の内部区域18に保持されるように規定することもできる。これにより、摩擦力よりも大きな力を加えることによって依然として回動が可能となる。
【0032】
図9c)に示されるロック位置である第3の位置では、ロックリングはさらに軸方向に下方に動かされている。第3の位置は、ねじ頭部3が最終的に頭部受け部分16内にロックされる位置として規定される。第1の中空の円筒形部分81および第3の中空の円筒形部分83の内面は、締りばめの態様で円筒形部分16bおよび輪状の隆起16aに係合し、これにより、頭部3のまわりで頭部受け部分16が堅固に圧縮される。頭部3は2つの規定された円周区域において圧力をかけることによってロックされる。2つの規定された円周区域のうち一方は、輪状の隆起にあり、頭部3のうち最大直径を有する区域のわずか上方にある。2つの規定された円周区域のうち他方は、円筒形部分16bにあり、頭部3のうち最大直径を有する区域の下方にある。ロックリングが矢印Dによって示される方向に動かされるときに頭部受け部分に作用するクランプ力は、図9dにおいて矢印Fによって示されるように受け部の中心軸Cに対して垂直である。これにより、ロック位置において頭部に対して作用する力が、テーパ面部分を用いる装置と比べて高くなる。協働面の動きは、中心軸に対して同軸である垂直運動となる。したがって、力の流れが予測可能となる。協働面の形状は容易に製造できるものである。
【0033】
骨固定装置は以下のように予め組立てられてもよい。第1に、ロックリング8が自由端17から受け部の上に取付けられる。これは、たとえば製造業者が行なうこともできる。好ましくは、ロックリング8は挿入位置にある。その後、固定要素1の頭部3が、自由端から頭部受け部分16の中空の内部部分18に差込まれる。その後、ロックリングを下方に移動させてプリロック位置に到達させる。
【0034】
手術中、予め組立てられた骨固定装置を骨に捩じ込む。頭部3の凹部4は、第1のボア10を通ってドライバでアクセスすることができる。頭部3がプリロック位置において摩擦によって調整可能な角度位置に保持された場合、手動で、または機器を用いることによって、付加的な力を受け部に加えて、受け部をロッドに対して位置合わせする。ロッドが他の骨固定装置に対して正確な位置にくると、内ねじ7が締められる。ロッド6がロックリングの突起86に当接すると、ロックリング8が下方に移動してロック位置に到達する。最後に内ねじを締めることにより、ロッドと頭部とが同時にロックされる。
【0035】
骨固定装置の第2の実施例が図10に示される。
第2の実施例に従った骨固定装置は、頭部受け部分16の外面およびロックリング8の内面の設計についてのみ、第1の実施例に従った骨固定装置とは異なる。他のすべての部分は同じであり、同じ参照符号で示されているため、その説明は繰返さない。頭部受け部分16は、輪状の隆起16aではなく、円筒形の表面部分16a′を有する。この円筒形の表面部分16a′は、円筒形の頭部受け部分16の外径d1よりも大きい最大外径d2を有する。ロックリング8は、第3の中空の円筒形部分83ではなく、内側に突出た輪状の隆起83′を含む。この内側に突出た輪状の隆起83′の内径は、頭部受け部分16の円筒形部分16a′の外径よりもわずかに小さく、これにより、これらの2つの部分間での締りばめを可能にする。このように、協働する外面部分と内面部分とは、第1の実施例とは逆になっている。また、この実施例においては、頭部のロックは、頭部のうち最大直径を有する領域のまわり付近にあるかまたは頭部のうち最大直径を有する領域の上方および下方にある2つの接触区域において、頭部受け部分の係合する外面部分とロックリングの内面部分との間で締りばめによって達成される。また、この実施例においては、クランプ力Fは受け部の中心軸に対して垂直に向けられており、結果としてロック位置におけるロック力が大きくなる。
【0036】
第3の実施例が図11に示される。第1の実施例および第2の実施例と同じ部分は同じ参照番号で示されており、その説明は繰返さない。第3の実施例の骨固定装置は、頭部受け部分16の外面およびロックリング8の内面の形状が、第1および第2の実施例の骨固定装置とは異なる。円筒形の表面と輪状の隆起との間ではなく、第1の円筒形表面と第2の円筒形表面との間に係合がもたらされる。頭部受け部分16は円筒形の表面部分16a′′を有する。この円筒形の表面部分16a′′の外径d2は、溝16c′′における円筒形部分の外径よりも大きい。円筒形部分16a′′は、頭部3のうち最大外径を有する領域を含む区域にわたって軸方向に延在する。ロックリング8は第3の円筒形部分83′′を有する。この第3の円筒形部分83′′の内径は、円筒形部分16a′′の外径よりもわずかに小さく、これにより、部分16a′′と部分83′′との間での締りばめが可能となる。第3の中空の円筒形部分83′′の軸方向の長さは、頭部3のうち最大外径を有する領域を含む実質的な区域にわたって円筒形部分16a′′と係合し得るような長さである。第3の実施例における頭部のロックは、円筒表面の締りばめによって頭部受け部分16に力Fをかけることによって達成される。この実施例においても、クランプ力は中心軸Cに対して垂直である。このため、実現可能なロック力は、先細の部分を含む係合面で実現することのできるロック力よりも大きい。
【0037】
実施例の変更例も実現可能である。たとえば、頭部受け部分の自由端17におけるロックリングとの下方係合面は省いてもよい。これは、頭部をロックするのに、係合面を1つの円周区域のみに設けるだけで十分であることを意味している。この場合、係合面は、頭部のうち最大直径の領域をカバーするはずである。プリロック機能は、他の場合には、ロックリングの部分を受け部の他の部分と係合させることによって実現することができる。輪状の隆起部分はまた、円周方向に途切れていてもよい。
【0038】
受け部本体の形状は図示される実施例に限定されない。たとえば、ロッド受け部にもスリットが設けられてもよい。
【0039】
骨固定要素の頭部は、たとえば円筒形などの他の如何なる形状であってもよく、これにより単軸骨ねじが設けられる。この単軸骨ねじにより、受け部に対して単軸を中心にしてねじ要素を回転させることが可能となる。
【0040】
ロッドに係合するロックリングの突起は別の形状であってもよく、たとえば、突起の自由端の表面は平坦であってもよく、または他の形状であってもよい。突起は省くこともできる。
【0041】
頭部受け部分は、傾斜した開口端を有し得るか、または、他の場合には、頭部を一方向により大きく角形成することを可能にするよう非対称であってもよい。
【0042】
円筒形の表面部分16bおよび第1の中空の円筒形部分81はまた、輪状の隆起と置換ることもできる。
【0043】
骨固定要素については、すべての種類の固定要素を用いることができ、受け部と組合せることができる。これらの固定要素は、たとえば、長さや直径の異なるねじ、管状のねじ(cannulated screws)、さまざまなねじ形状を有するねじ、釘などである。ねじおよび軸の頭部はまた、互いに接続可能な別個の部品であってもよい。
【0044】
ロッドのためのチャネルは、ロッド受け部分の第1の端部上で閉じることができる。閉鎖要素については、外側ナットまたは他の閉鎖要素などの他の種類の要素が使用可能である。
【符号の説明】
【0045】
1 骨固定要素、2 ねじ軸、3 頭部、4 凹部、5 受け部本体、6 ロッド、7 閉鎖要素、8 ロックリング。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロッドを受け、前記ロッドを骨固定要素に連結するための受け部であって、
受け部本体(5)と、
受け部本体(5)に設けられ、ロッドを受けるためのチャネル(12)を備えたロッド受け部分(9)と、
骨固定要素の頭部(3)を収容するための頭部受け部分(16)とを備え、頭部受け部分は開口端(17)を有し、可撓性があり、これにより、頭部を差込んでクランプすることが可能となり、頭部受け部分は、第1の外面部分(16a,16a′,16a′′)と、開口端(17)を通って延在する中心軸(C)とを有し、前記受け部はさらに、
頭部受け部分(16)を囲むロックリング(8)を備え、ロックリングは、頭部(3)をクランプするために、第1の接触領域において第1の外面部分(16a,16a′,16a′′)に係合する第1の内面部分(83,83′,83′′)を有し、
外面部分および内面部分のうち少なくとも一方は、円筒形の表面部分(83,16a′′)であり、他方は、円筒形の表面部分(83′′,16a′′)または輪状の隆起部分(16a,83′)である、受け部。
【請求項2】
第1の接触領域における第1の内面部分(83,83′,83′′)の内径は、締りばめ接続を実現するために、第1の接触領域における第1の外面部分(16a,16a′,16a′′)の外径よりも小さい、請求項1に記載の受け部。
【請求項3】
頭部受け部分(16)は、第1の外面部分(16a,16a′16a′′)から軸方向に隔てられている第2の外面部分(16b)を有し、第2の接触領域を形成するために、第1の内面部分(83,83′,83′′)から軸方向に隔てられているロックリングの第2の内面部分(81)に係合する、請求項1または2に記載の受け部。
【請求項4】
第2の外面部分は円筒形の表面部分(16b)である、請求項3に記載の受け部。
【請求項5】
第2の内面部分は円筒形の表面部分(81)である、請求項3または4に記載の受け部。
【請求項6】
第2の接触領域は、第1の接触領域よりも径方向に中心軸(C)に近い、請求項3から5のいずれかに記載の受け部。
【請求項7】
第2の接触領域は、中心軸(C)からの距離が第1の接触領域と同じである、請求項3から5のいずれかに記載の受け部。
【請求項8】
第2の接触領域は開口端(17)に隣接している、請求項3から7のいずれかに記載の受け部。
【請求項9】
第1の外面部分(16a′′)および第2の外面部分(83′′)はともに円筒形の表面部分である、請求項1から8のいずれかに記載の受け部。
【請求項10】
第1の外面部分(16a)は輪状の隆起部分であり、第1の内面部分(83)は円筒形の表面部分である、請求項1から8のいずれかに記載の受け部。
【請求項11】
第1の外面部分(16a′′)は円筒形の表面部分であり、第1の内面部分(83′)は輪状の隆起部分である、請求項1から8のいずれかに記載の受け部。
【請求項12】
溝(16c)は、第1の外面部分(16a,16a′,16a′′)と第2の外面部分(83,83′,83′′)との間に設けられ、ロックリングは、挿入位置にある場合に前記溝に係合可能であり、前記挿入位置では、頭部が頭部受け部分(16)に挿入可能であり、頭部受け部分(16)から取外し可能である、請求項3から11のいずれかに記載の受け部。
【請求項13】
ロックリング(8)はプリロック位置を取ることができ、この位置では、頭部は頭部受け部分において回動可能であるが、頭部受け部分から取外し可能ではない、請求項1から12のいずれかに記載の受け部。
【請求項14】
ロックリング(8)はロック位置を取ることができ、この位置では、第1の外面部分(16a、16′,16a′′)が第1の内面部分(83,83′,83′′)に接触する、請求項1から13のいずれかに記載の受け部。
【請求項15】
ロックリング(8)は、ロッド(6)を介して圧力がかけられると、開口端(17)の方に移動可能である、請求項1から14のいずれかに記載の受け部。
【請求項16】
ロッド受け部分(9)は、第1の端部(9a)、第2の端部(9b)、および第1の端部から第2の端部の方向に延在する凹部(12)を備え、ロッドのためのチャネルを形成する、請求項1から15のいずれかに記載の受け部。
【請求項17】
ロッド受け部分(9)は第1の端部(9a)および第2の端部(9b)を備え、頭部受け部分(16)は第2の端部(9b)の側に配置され、頭部受け部分(16)のうち第2の端部(9b)側にある外径は、第2の端部(9b)におけるロッド受け部分(9)の直径よりも小さい、請求項1から16のいずれかに記載の受け部。
【請求項18】
請求項1から17のいずれかに記載の受け部と、骨および頭部(3)に固定するための軸(2)を備える骨固定要素(1)とを含む骨固定装置であって、頭部(3)は、好ましくは、球状に形作られた外側の外面部分を有する、骨固定装置。
【請求項19】
閉鎖要素(7)、好ましくは内ねじ、がロッド(6)を凹部(12)に固定するために設けられる、請求項18に記載の骨固定装置。
【請求項1】
ロッドを受け、前記ロッドを骨固定要素に連結するための受け部であって、
受け部本体(5)と、
受け部本体(5)に設けられ、ロッドを受けるためのチャネル(12)を備えたロッド受け部分(9)と、
骨固定要素の頭部(3)を収容するための頭部受け部分(16)とを備え、頭部受け部分は開口端(17)を有し、可撓性があり、これにより、頭部を差込んでクランプすることが可能となり、頭部受け部分は、第1の外面部分(16a,16a′,16a′′)と、開口端(17)を通って延在する中心軸(C)とを有し、前記受け部はさらに、
頭部受け部分(16)を囲むロックリング(8)を備え、ロックリングは、頭部(3)をクランプするために、第1の接触領域において第1の外面部分(16a,16a′,16a′′)に係合する第1の内面部分(83,83′,83′′)を有し、
外面部分および内面部分のうち少なくとも一方は、円筒形の表面部分(83,16a′′)であり、他方は、円筒形の表面部分(83′′,16a′′)または輪状の隆起部分(16a,83′)である、受け部。
【請求項2】
第1の接触領域における第1の内面部分(83,83′,83′′)の内径は、締りばめ接続を実現するために、第1の接触領域における第1の外面部分(16a,16a′,16a′′)の外径よりも小さい、請求項1に記載の受け部。
【請求項3】
頭部受け部分(16)は、第1の外面部分(16a,16a′16a′′)から軸方向に隔てられている第2の外面部分(16b)を有し、第2の接触領域を形成するために、第1の内面部分(83,83′,83′′)から軸方向に隔てられているロックリングの第2の内面部分(81)に係合する、請求項1または2に記載の受け部。
【請求項4】
第2の外面部分は円筒形の表面部分(16b)である、請求項3に記載の受け部。
【請求項5】
第2の内面部分は円筒形の表面部分(81)である、請求項3または4に記載の受け部。
【請求項6】
第2の接触領域は、第1の接触領域よりも径方向に中心軸(C)に近い、請求項3から5のいずれかに記載の受け部。
【請求項7】
第2の接触領域は、中心軸(C)からの距離が第1の接触領域と同じである、請求項3から5のいずれかに記載の受け部。
【請求項8】
第2の接触領域は開口端(17)に隣接している、請求項3から7のいずれかに記載の受け部。
【請求項9】
第1の外面部分(16a′′)および第2の外面部分(83′′)はともに円筒形の表面部分である、請求項1から8のいずれかに記載の受け部。
【請求項10】
第1の外面部分(16a)は輪状の隆起部分であり、第1の内面部分(83)は円筒形の表面部分である、請求項1から8のいずれかに記載の受け部。
【請求項11】
第1の外面部分(16a′′)は円筒形の表面部分であり、第1の内面部分(83′)は輪状の隆起部分である、請求項1から8のいずれかに記載の受け部。
【請求項12】
溝(16c)は、第1の外面部分(16a,16a′,16a′′)と第2の外面部分(83,83′,83′′)との間に設けられ、ロックリングは、挿入位置にある場合に前記溝に係合可能であり、前記挿入位置では、頭部が頭部受け部分(16)に挿入可能であり、頭部受け部分(16)から取外し可能である、請求項3から11のいずれかに記載の受け部。
【請求項13】
ロックリング(8)はプリロック位置を取ることができ、この位置では、頭部は頭部受け部分において回動可能であるが、頭部受け部分から取外し可能ではない、請求項1から12のいずれかに記載の受け部。
【請求項14】
ロックリング(8)はロック位置を取ることができ、この位置では、第1の外面部分(16a、16′,16a′′)が第1の内面部分(83,83′,83′′)に接触する、請求項1から13のいずれかに記載の受け部。
【請求項15】
ロックリング(8)は、ロッド(6)を介して圧力がかけられると、開口端(17)の方に移動可能である、請求項1から14のいずれかに記載の受け部。
【請求項16】
ロッド受け部分(9)は、第1の端部(9a)、第2の端部(9b)、および第1の端部から第2の端部の方向に延在する凹部(12)を備え、ロッドのためのチャネルを形成する、請求項1から15のいずれかに記載の受け部。
【請求項17】
ロッド受け部分(9)は第1の端部(9a)および第2の端部(9b)を備え、頭部受け部分(16)は第2の端部(9b)の側に配置され、頭部受け部分(16)のうち第2の端部(9b)側にある外径は、第2の端部(9b)におけるロッド受け部分(9)の直径よりも小さい、請求項1から16のいずれかに記載の受け部。
【請求項18】
請求項1から17のいずれかに記載の受け部と、骨および頭部(3)に固定するための軸(2)を備える骨固定要素(1)とを含む骨固定装置であって、頭部(3)は、好ましくは、球状に形作られた外側の外面部分を有する、骨固定装置。
【請求項19】
閉鎖要素(7)、好ましくは内ねじ、がロッド(6)を凹部(12)に固定するために設けられる、請求項18に記載の骨固定装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9a)】
【図9b)】
【図9c)】
【図9d)】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9a)】
【図9b)】
【図9c)】
【図9d)】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−125563(P2012−125563A)
【公開日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−266669(P2011−266669)
【出願日】平成23年12月6日(2011.12.6)
【出願人】(511211737)ビーダーマン・テクノロジーズ・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング・ウント・コンパニー・コマンディートゲゼルシャフト (30)
【氏名又は名称原語表記】BIEDERMANN TECHNOLOGIES GMBH & CO. KG
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年12月6日(2011.12.6)
【出願人】(511211737)ビーダーマン・テクノロジーズ・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング・ウント・コンパニー・コマンディートゲゼルシャフト (30)
【氏名又は名称原語表記】BIEDERMANN TECHNOLOGIES GMBH & CO. KG
【Fターム(参考)】
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