説明

ロッドアンテナ取付具及び混合器付きロッドアンテナ取付具並びにロッドアンテナ装置

【課題】配線簡略化及び省スペース化を実現することができるロッドアンテナ取付具等を提供する。
【解決手段】ロッドアンテナ取付具30は、上底部31aと上底部の一片側から垂下する爪部31bとからなる一対のL型片31と、上底部の他片側から一対のL型片の爪部31bと略平行に対向して垂下した垂下面取付孔が形成された垂下面32と、垂下面32から続く一対のL型片31の爪部31b下端部より低い位置から上底部31aに向かって傾斜した傾斜面取付孔33aが形成された傾斜面33と、傾斜面取付孔33aから上底部31aに向かって抜脱不能に挿通される抜脱防止螺子34であって、パラボラアンテナAの周縁端部Bに係合し、パラボラアンテナAの周縁端部Bを上底部31aとの間で挟持する抜脱防止螺子34とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロッドアンテナ取付具及び混合器付きロッドアンテナ取付具並びにロッドアンテナ装置に関し、更に詳しくは、地上デジタル放送(UHF帯)の受信用アンテナを衛星放送(SHF帯)の受信用パラボラアンテナに取り付けることにより、地上デジタル放送用のアンテナ設置を効率的に実施するとともにその省スペース化を図る技術に関する。
【背景技術】
【0002】
アナログテレビは、アナログ電波を映像や音に変換してTVに映すものであり、TV放送開始以来、各家庭・各事業所に普及している。このアナログ波放送を受信してTV視聴するには、VHFアンテナ(又はUHFアンテナ)とアナログ受信機(アナログチューナーとアナログテレビ)が必要である。VHFアンテナは1ch〜12ch、すなわち、30MHz超〜300MHzまでの周波数帯域をカバーし、大都市圏のテレビ局のキー局や準キー局の多くはVHF帯の周波数を使用しているため、従来から各家庭・各事業所に設置されているTV放送波受信用アンテナもVHFアンテナが殆どである。
一方、UHFアンテナは13ch〜62ch、すなわち、300MHz超〜3000MHzまでの高周波数帯域をカバーするが、上記事情からUHFアンテナはそれほど普及していない。
【0003】
一方、2003年12月から地上デジタル放送が開始されている。これは、TV放送開始以来、全国に普及してきたアナログ波放送をデジタル化することによってこれまで使用していたアナログ電波を新たな用途に有効利用する取り組みによるものである。そして、2011年7月にはアナログ波放送が終了する。
地上デジタル波放送を受信してTV視聴するには、UHFアンテナとデジタル受信機(デジタルチューナーとデジタルテレビ)が必要である。従って、VHFアンテナしか設置していない各家庭・各事業所では地上デジタル放送を受信するために、UHFアンテナを取り付ける必要がある。
【0004】
そのため、UHFアンテナを各家庭・各事業所に取り付ける取り組みが進められている。例えば、非特許文献1に開示されているように、屋外(ベランダ)設置型のUHFアンテナや、各家庭の屋内設置型のUHFアンテナが知られている。また、特許文献1に開示されているように、UHF帯の地上デジタル放送を受信するUHFアンテナ装置をパラボラアンテナ上端部に取り付けた例が知られている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/joho_tsusin/dtv/flash/jyushin/2_4.html
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006−80883
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、非特許文献1に開示の屋外(ベランダ)設置型のUHFアンテナや、各家庭の屋内設置型のUHFアンテナでは、UHFアンテナ専用の設置スペースを要するという問題がある。また、取付け・設置工事が稍々大がかりになる。
特許文献1に開示のUHFアンテナ装置の場合には、UHFアンテナ自体が比較的嵩張るという問題がある。また、衛星放送と地上デジタル放送との混合器をどこに設定するかについては言及されていない。従って、特許文献1に記載のUHFアンテナを用いた場合には、配線如何によっては省スペースとはならない又は配線がすっきりしないという問題がある。
【0008】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、配線簡略化及び省スペース化を実現することができるロッドアンテナ取付具及び混合器付きロッドアンテナ取付具並びにロッドアンテナ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明に係るロッドアンテナ取付具は、
上底部と当該上底部一片側から垂下する爪部とからなる一対のL型片と、
当該上底部他片側から前記一対のL型片の爪部と略平行に対向して垂下した垂下面取付孔が形成された垂下面と、
当該垂下面から続く当該一対のL型片の爪部下端部より低い位置から当該上底部に向かって傾斜した傾斜面取付孔が形成された傾斜面と、
前記傾斜面取付孔から当該上底部に向かって抜脱不能に挿通される抜脱防止螺子であって、被取付けアンテナの周縁端部に係合する抜脱防止螺子及び/又は当該被取付けアンテナの周縁端部を前記上底部との間で挟持する抜脱防止螺子と、を備えたことを要旨とする。
【0010】
この場合に、前記被取付けアンテナはパラボラアンテナであり、
前記一対のL型片は互いに対向方向へ傾斜していることが望ましい。
【0011】
上記課題を解決するために、本発明に係る混合器付きロッドアンテナ取付具は、
本発明に係るロッドアンテナ取付具と、
当該ロッドアンテナに接続される第一端子と、前記被取付けアンテナに接続される第二端子と、前記第一端子及び前記第二端子を介して受信した電波を混合する混合部と、前記混合部に接続され混合された電波を出力する出力端子と、少なくとも当該混合部を収容する筐体に形成されるフランジ部取付孔を備えたフランジ部とを備えた電波混合手段と、を備えたことを要旨とする。
【0012】
上記課題を解決するために、本発明に係るロッドアンテナ装置は、本発明に係る混合器付きロッドアンテナ取付具にロッドアンテナが取り付けられたことを要旨とする。
【発明の効果】
【0013】
上記構成を備えた本発明に係るロッドアンテナ取付具によれば、
(1)垂下面取付孔のところに地上デジタル放送波と衛星放送波とを混合する電波混合器を取付け、
(2)一対のL型片が被取付けアンテナの表側に係合するように、また、傾斜面の先端が被取付けアンテナの裏側に当接するように調整しながら、
(3−1)傾斜面取付孔を介して抜脱防止螺子をその先端が当該被取付けアンテナの周縁端部に係合するように螺合する、及び/又は、
(3−2)傾斜面取付孔を介して抜脱防止螺子をその先端が前記上底部と当該被取付けアンテナの周縁端部を挟持するように螺合することにより、電波混合器が取り付けられたロッドアンテナ取付具が被取付けアンテナに取り付けられる。電波混合器が取り付けられるため配線簡略化が可能となり、また、被取付けアンテナに電波混合器が取り付けられたロッドアンテナ取付具が取り付けられるため、省スペース化が可能となるという効果がある。また、ロッドアンテナは第一端子に接続するだけでよい。
【0014】
上記構成を備えた本発明に係る混合器付きロッドアンテナ取付具によれば、
(1)一対のL型片が被取付けアンテナの表側に係合するように、また、傾斜面の先端が被取付けアンテナの裏側に当接するように調整しながら、
(2−1)傾斜面取付孔を介して抜脱防止螺子をその先端が当該被取付けアンテナの周縁端部に係合するように螺合する、及び/又は、
(2−2)傾斜面取付孔を介して抜脱防止螺子をその先端が前記上底部と当該被取付けアンテナの周縁端部を挟持するように螺合することにより、混合器付きロッドアンテナ取付具が被取付けアンテナに取り付けられる。混合器付きであるため、配線簡略化が可能となり、また、被取付けアンテナに混合器付きロッドアンテナ取付具が取り付けられるため、省スペース化が可能となるという効果がある。また、ロッドアンテナは第一端子に接続するだけでよい。
【0015】
上記いずれの構成においても、一対のL型片が互いに対向方向へ傾斜している場合には、一対のL型片の装着状態がパラボラアンテナの周縁形状に合い、取り付けたロッドアンテナ装置のガタツキや抜け落ちがなくなるという効果がある。
上記構成を備えた本発明に係るロッドアンテナ装置は、本発明に係るロッドアンテナ取付具、混合器付きロッドアンテナ取付具と同様の構成を備えるため、これらの発明と同様の効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の一実施の形態に係るロッドアンテナ装置10をパラボラアンテナAに取り付けた状態を示した図である。
【図2】本発明の一実施の形態に係るロッドアンテナ装置10をパラボラアンテナAに取り付けた状態を示した図である。
【図3】電波混合器20の回路図である。
【図4】電波混合器20の外観図である。
【図5】ロッドアンテナ取付具30の外観斜視図である。
【図6】ロッドアンテナ取付具30の外観図である。
【符号の説明】
【0017】
A パラボラアンテナ
B 周縁端部
10 ロッドアンテナ装置
11 ロッドアンテナ
12 アンテナロッド
13 絶縁体
14 F型接栓部
20 電波混合器(電波混合手段)
21 UHF端子(第一端子)
22 BS/CS端子(第二端子)
23 混合部
23a チョークコイル
23b 高周波コイル
23c,23d コンデンサ
24 出力端子
25 筐体本体
26,27 フランジ部
26a,27a フランジ部取付孔
28 アース端子
30 ロッドアンテナ取付具
31 L型片
31a 上底部
31b 爪部
32 垂下面
32a 垂下面取付孔
33 傾斜面
33a 傾斜面取付孔
34 抜脱防止螺子
35 混合器取付螺子
【発明を実施するための形態】
【0018】
(構成概要)
図1及び図2はロッドアンテナ装置10をパラボラアンテナAに取り付けた状態を示した図である(だたし、図1では混合器取付螺子35(ステンレス製)は省略している)。これらの図に示したようにロッドアンテナ装置10は、ロッドアンテナ11と、電波混合器20と、ロッドアンテナ取付具30からなる。ロッドアンテナ装置10は、電波混合器20にロッドアンテナ取付具30を取り付けた状態で、周縁端部Bを一対のL型片31,31と垂下面32とで挟持させ、傾斜面取付孔33a,33aから抜脱防止螺子34,34を挿入して螺合し、抜脱防止螺子34,34の端部を周縁端部Bに係合及び/又は当接させて押さえ込めばパラボラアンテナAに取付ができる。従って、取り付け工事も短時間で効率的に実施することができる。
【0019】
(ロッドアンテナ11)
図1及び図2に示すように、ロッドアンテナ11は、アンテナロッド12と、絶縁体13と、プラグ14(F型接栓部)とから構成される棒状のステンレス製のアンテナである。ロッドアンテナ11は、UHF帯域(13ch〜62ch、すなわち、300MHz超〜3000MHzまでの高周波数帯域)をカバーし、地上デジタル放送を受信するためのアンテナである。一方、パラボラアンテナAは、衛星放送(CS放送、BS放送)を受信するためのアンテナである。
【0020】
従って、ロッドアンテナ装置10をパラボラアンテナAに取り付けることにより、地上デジタル放送と衛星放送とを地上デジタル放送用のアンテナスペースを別途設けることなく、また、配線をシンプルにした状態で受信することができる。尚、F型接栓部14の形状が同一である限り、ロッドアンテナ11に代えて他のUHFアンテナを用いてもよい。
【0021】
(電波混合器20)
図3は電波混合器20の回路図、図4は電波混合器20の外観図((a)正面図、(b)上面図、(c)底面図、(d)右側面図、(e)左側面図である。尚、図4における方向は、パラボラアンテナAに取り付けたときに、パラボラアンテナAの裏面側からみたものを正面といい、ロッドアンテナ11の先端側からみたものを上面としている。これらの図に示す電波混合器20は、アルミダイキャスト製であり、ロッドアンテナ11に接続される地上デジタル波を入力するUHF端子21(F型接栓部:レセプタクル)と、パラボラアンテナAに接続される衛星放送波を入力するBS/CS端子22と、当該UHF端子21及びBS/CS端子22を介して受信した電波を混合する混合部23と、混合部23に接続され、地上デジタル波(ロッドアンテナ11で受信)と衛星放送用電波(パラボラアンテナAで受信)とを混合した電波を出力する出力端子24とを備える。
【0022】
混合部23は、チョークコイル23aと高周波コイル23bとから構成され、チョークコイル23aは一端がBS/CS端子22に他端が出力端子24に接続される。混合部23は、パラボラアンテナのコンバータ部にチューナー又はテレビセットを経由して直流電源を供給する。コイルのインピーダンスωLは2πfLなので周波数が高くなるにつれ高くなる。直流は、f=0であるため抵抗無く通過する。一方、BS/CS信号は、高抵抗となって通過できなくなるためコンデンサ23c,23dを経由して高周波コイル23bに入っていく。
【0023】
高周波コイル23bは、(1)BS/CS端子22にコンデンサ23cを介して接続されたコイルを磁芯上部に巻回し、(2)UHF端子21に接続されたコイルを磁芯下部に巻回し、(3)出力端子24にコンデンサ23dを介して接続されたコイルを磁芯中央部に巻回したものからなる。高周波コイル23bは、UHF信号をトランスの働きで出力端子24側に出力し、同時にBS/CS信号も同様に出力端子24側に出力する。
以上により、出力端子24側でUHF信号とBS/CS信号とが混合され、混合信号として出力端子24から出力される。
UHF端子21に接続されたコイルの他端、及び、出力端子24にコンデンサ23dを介して接続されたコイルの他端は、いずれもアース接続される。
【0024】
図1及び図4に示すように、電波混合器20は略直方体形状の筐体本体25を備え、筐体本体25に混合部23が収容され、筐体本体25の一端面にUHF端子21が設けられるとともにその他端面にBS/CS端子22及び出力端子24が設けられる。更に、筐体本体25の両側端面の角部にはフランジ部取付孔26a,27aを備えたフランジ部26,27が形成される。フランジ部26,27は上面視で略台形形状をしており、それぞれ、略円柱状のフランジ部取付孔26a、角部R型四角柱状のフランジ部取付孔27aが形成されている。フランジ部取付孔26a,27aと垂下面取付孔32a,32aとを重ねた状態で、混合器取付螺子35,35は孔26a→孔32a,孔27a→孔32aという貫通位置及び方向で挿通螺合される。これにより、電波混合器20がロッドアンテナ取付具30に取付けられる。フランジ部取付孔27aが角部R型四角柱状である理由は上記挿通螺合のための微調整を可能とするためである。尚、符号28はアース端子を示す。
【0025】
電波混合器20のUHF端子21にはロッドアンテナ11が取り付けられ、上記のように電波混合器20はロッドアンテナ取付具30に取り付けられ、これがパラボラアンテナAに取り付けられるため、ロッドアンテナ11の設置スペースは特別に設ける必要がない。また、電波混合器20も併せてパラボラアンテナAに取付けた状態となるため、電波混合器20の設置スペースも特別に設ける必要がない。更に、電波混合器20のところで地上デジタル波の受信配線と衛星放送波の受信配線とが纏められ一本の出力配線として屋内へ配線されるため、余計な配線が出ることもなく配線簡略化がなされる。
【0026】
(ロッドアンテナ取付具30)
図5はパラボラアンテナAの周縁端部Bに取り付けられるロッドアンテナ取付具30の外観斜視図であり、図6はその外観図((a)正面図、(b)上面図、(c)底面図、(d)右側面図、(e)左側面図)である。尚、図6における方向は、パラボラアンテナAに取り付けたときに、パラボラアンテナAの裏面側からみたものを正面といい、ロッドアンテナ11の先端側からみたものを上面としている。
【0027】
これらの図に示すようにロッドアンテナ取付具30は、ステンレスその他の金属製であり、防錆皮膜が施されていてもよい。ロッドアンテナ取付具30は、例えば、ステンレス又は金属に溶融亜鉛メッキを施したものが好適である。
(1)上底部31a,31aと当該上底部31a,31aの一片側から垂下する爪部31b,31bとからなる一対のL型片31,31と、(2)上底部31a,31aの他片側から一対のL型片31,31の爪部31b,31bと略平行に対向して垂下した垂下面取付孔32a,32aが形成された垂下面32と、(3)垂下面32から続く一対のL型片31,31の爪部下端部より低い位置から上底部31a,31aに向かって傾斜した傾斜面取付孔33a,33aが形成された傾斜面33と、(4)傾斜面取付孔33a,33aから上底部31a,31aに向かって抜脱不能に挿通される抜脱防止螺子34,34であって、パラボラアンテナAの周縁端部Bに係合し、パラボラアンテナAの周縁端部Bを上底部31a,31aとの間で挟持する抜脱防止螺子34,34とを備える。
【0028】
一対のL型片31,31は、それぞれ、上底部31a,31aと当該上底部31a,31aの一片側から垂下する爪部31b,31bとからなる。上底部31a,31aは、図1及び図2に示すようにロッドアンテナ取付具30をパラボラアンテナAに装着すると上側に位置する部分である。爪部31b,31bはパラボラアンテナAの表側に係合し、これによりロッドアンテナ取付具30が周縁端部Bに係止される。
【0029】
一対のL型片31,31はパラボラアンテナAが円形状であるためその形状・サイズに合わせて互いに対向方向へ傾斜させる。本実施形態においては図6の角度α(αは90°以上180°未満、本実施形態においてはα=96°)に示す角度が施される。この構成によれば、一対のL型片31,31はパラボラアンテナAの周縁形状に合い、取り付けたロッドアンテナ取付具30のガタツキや抜け落ちがなくなるという効果がある。取り付ける対象がパラボラアンテナA以外のアンテナその他の建造設備(塀やベランダ、柱、壁、フェンス、屋根等)である場合には、その形状に応じて、例えば、90°としてもよい。
【0030】
垂下面32は、図1及び図2に示すように電波混合器20が取り付けられる部分であり、フランジ部26,27に密着させる部分である。垂下面32は当該上底部31a,31aの他片側から一対のL型片31,31の爪部31b,31bと略平行に対向して垂下し、垂下面取付孔32a,32aが形成される。垂下面取付孔32a,32aは、フランジ部取付孔26a,27aと重ね合わせた状態で混合器取付螺子35,35により螺合される。これにより、電波混合器20が垂下面32に取り付けられる。すなわち、垂下面取付孔32a,32a及びフランジ部取付孔26a,27aを介して電波混合器20がロッドアンテナ取付具30に取り付けられる。
【0031】
傾斜面33は、垂下面32から続く一対のL型片31,31の爪部下端部より低い位置から上底部31a,31aに向かって傾斜した斜面であり(垂下面32に対して傾斜面33は図6の角度β(βは0°超180°未満、本実施形態においてはβ=105°)、傾斜面取付孔33a,33aが形成されている。抜脱防止螺子34,34は、傾斜面取付孔33a,33aから上底部31a,31aに向かって抜脱不能に螺合されながら挿通され、パラボラアンテナAの周縁端部Bに係合し、パラボラアンテナAの周縁端部Bを上底部31a,31aとの間で挟持する。従って、傾斜面33の傾斜は抜脱防止螺子34,34がその周縁端部Bに係合し、その周縁端部Bを上底部31a,31aとの間で挟持する角度に調整される。尚、抜脱防止螺子34はステンレス製である。
【0032】
(ロッドアンテナ装置10の取付方法)
以上説明した構成を備えたロッドアンテナ装置10のパラボラアンテナAへの取付方法は次の通りである。
(1)垂下面取付孔32a,32aとフランジ部取付孔26a,27aとを重ね合わせてフランジ部取付孔26a,27a側から混合器取付螺子35,35を挿入して螺合する。これにより、電波混合器20がロッドアンテナ取付具30に密着固定され取り付けられる。密着固定具合の微調整は角部R型四角柱状のフランジ部取付孔27aのどの部分にどの角度で混合器取付螺子35を螺合で行う。
【0033】
(2)一対のL型片31,31がパラボラアンテナAの表側に係合するように、また、傾斜面33の先端がパラボラアンテナAの裏側に当接するように調整(手作業で抑える等)する。
【0034】
(3−1)上記(2)の状態で、傾斜面取付孔33a,33aを介して抜脱防止螺子34,34をその先端がパラボラアンテナAの周縁端部Bに係合するように螺合する、且つ/又は、
(3−2)傾斜面取付孔33a,33aを介して抜脱防止螺子34,34をその先端が上底部31a,31aとパラボラアンテナAの周縁端部Bを挟持するように螺合する。これにより、電波混合器20が取り付けられたロッドアンテナ取付具30がパラボラアンテナAに取り付けられる。
【0035】
(4)最後にロッドアンテナ11をUHF端子21に接続する。これにより、ロッドアンテナ装置10のパラボラアンテナAへの取付作業が完了する。電波混合器20が取り付けられるため配線簡略化が可能となり、また、パラボラアンテナAには、電波混合器20及びロッドアンテナ11が取り付けられたロッドアンテナ取付具30が取り付けられるため、省スペース化が可能である。作業自体も簡単であるため短時間で実施することができる。ロッドアンテナ装置10は小型装置であるため、作業が簡単であるためコストを抑えることもできる。
【0036】
以上本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、種々の改変が可能である。本発明に係るロッドアンテナ取付具30はパラボラアンテナA以外のアンテナその他の建造設備(塀やベランダ、柱、壁、フェンス、屋根等)に取り付けてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0037】
本発明に係るロッドアンテナ取付具及び混合器付きロッドアンテナ取付具並びにロッドアンテナ装置は、パラボラアンテナに取り付けることができるためUHFアンテナ用の特別の設置スペースを必要とせず電波混合器によりすっきりとした配線が実現され、更に、小型設備・簡単な取付作業との観点からコスト削減も実現される。従って、地上デジタル放送の普及を促し、産業上有益である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上底部と当該上底部一片側から垂下する爪部とからなる一対のL型片と、
当該上底部他片側から前記一対のL型片の爪部と略平行に対向して垂下した垂下面取付孔が形成された垂下面と、
当該垂下面から続く当該一対のL型片の爪部下端部より低い位置から当該上底部に向かって傾斜した傾斜面取付孔が形成された傾斜面と、
前記傾斜面取付孔から当該上底部に向かって抜脱不能に挿通される抜脱防止螺子であって、被取付けアンテナの周縁端部に係合する抜脱防止螺子及び/又は当該被取付けアンテナの周縁端部を前記上底部との間で挟持する抜脱防止螺子と、を備えたことを特徴とするロッドアンテナ取付具。
【請求項2】
前記被取付けアンテナはパラボラアンテナであり、
前記一対のL型片は互いに対向方向へ傾斜していることを特徴とする請求項1に記載のロッドアンテナ取付具。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のロッドアンテナ取付具と、
当該ロッドアンテナに接続される第一端子と、前記被取付けアンテナに接続される第二端子と、前記第一端子及び前記第二端子を介して受信した電波を混合する混合部と、前記混合部に接続され混合された電波を出力する出力端子と、少なくとも当該混合部を収容する筐体に形成されるフランジ部取付孔を備えたフランジ部とを備えた電波混合手段と、を備えたことを特徴とし、
前記垂下面取付孔及び前記フランジ部取付孔を介して前記電波混合手段が当該ロッドアンテナ取付具に取り付けられている混合器付きロッドアンテナ取付具。
【請求項4】
請求項3に記載の混合器付きロッドアンテナ取付具にロッドアンテナが取り付けられたロッドアンテナ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−65215(P2012−65215A)
【公開日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−208779(P2010−208779)
【出願日】平成22年9月17日(2010.9.17)
【出願人】(391007910)株式会社デザインエミ (1)
【Fターム(参考)】