説明

ロボット装置及びロボット装置の制御方法、コンピューター・プログラム、並びにプログラム記憶媒体

【課題】カメラのレンズの汚れと傷、及び、ハンドの汚れと傷の違いを好適に検出することができる、優れたロボット装置を提供する。
【解決手段】ロボット装置100は、ハンドをカメラ305で撮像した画像をリファレンス画像として、汚れ又は傷が存在する部位を検出する。さらにハンドを移動させることで、検出された汚れや傷がカメラ305のレンズ又はハンドのいずれに起因するかを判定する。そして、ロボット装置100は、検出したのが汚れと仮定して、清掃作業を行なった後、汚れを除去できたかどうかで汚れと傷の違いを検出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に開示の技術は、例えば人の住環境で活動し、人とコミュニケーションをしたり、物体把持などの作業をしたりするロボット装置及びロボット装置の制御方法、コンピューター・プログラム、並びにプログラム記憶媒体に係り、特に、カメラのレンズの汚れと傷、及び、ハンドの汚れと傷の違いを検出するロボット装置及びロボット装置の制御方法、コンピューター・プログラム、並びにプログラム記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
急激な高齢化社会の到来により、高齢者ができる限り要介護状態とならず健康で活き活きと暮らせること、また、要介護状態となってもできる限り悪化を防ぎ、自立した生活を送ることができる社会としなければならない。今後、介護や家事手伝いのニーズが高まるにつれ、1人のユーザーに対して1人のヘルパーを付けると、ヘルパーの数が不足する。そこで、高齢者介護施設や高齢者を抱える家庭を中心として、人とコミュニケーションをとり、さらには物体把持などの作業をして家事や介護を人に代行することを目的としたロボットなどのメカトロ機器への要求が高まっている。
【0003】
この種のロボット装置の多くは、カメラを備え、カメラの撮影画像に基づいて作業空間内の物体を検出又は認識して、把持などの作業を行なう。このため、カメラのレンズに汚れや傷があると、物体の検出・認識性能に大きく影響し、作業効率の低下にもつながる。また、ハンドなどの物体の把持部に汚れがあると、把持した物体を汚してしまい、人に手渡す際に心的に悪い影響を与えてしまう。
【0004】
例えば、同一領域における複数の画像を比較し、同一領域における画像間の差異からカメラのレンズの汚れの有無を検出するロボット装置について提案がなされている(例えば、特許文献1を参照のこと)。しかしながら、このロボット装置は、同一領域における画像間の差異がカメラのレンズの汚れと傷のいずれに起因するものか、言い換えれば、カメラのレンズの汚れと傷の相違を検出することはできない。また、このロボット装置は、ハンドの汚れを検出したり、ハンドの汚れと傷の相違を検出したりすることもできない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−160635号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本明細書で開示する技術の目的は、カメラのレンズの汚れと傷、及び、ハンドの汚れと傷の違いを好適に検出することができる、優れたロボット装置及びロボット装置の制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願は、上記課題を参酌してなされたものであり、請求項1に記載の技術は、
カメラと、
ハンドと、
前記カメラで撮像した画像を処理するとともに、ハンドの動作を制御する制御部と、
を具備し、
前記制御部は、
前記ハンドを前記カメラに対して特定の位置に設定して前記ハンドを撮像したリファレンス画像を取得し、
汚れ検査時に前記ハンドを前記特定の位置に設定して前記ハンドを撮像した第1の検査画像を前記リファレンス画像と比較して、前記カメラのレンズ又は前記ハンドの汚れの有無を検出し、
前記カメラのレンズ又は前記ハンドの汚れを検出したときに、前記ハンドを前記特定の位置から移動して前記ハンドを撮像した第2の検査画像を前記第1の検査画像と比較して、前記カメラのレンズ又は前記ハンドのうちのいずれに汚れがあるかを判定する、
ロボット装置である。
【0008】
本願の請求項2に記載の技術によれば、請求項1に記載のロボット装置の制御部は、前記第1の検査画像と前記リファレンス画像が画像全体にわたって相関が高いときには前記カメラのレンズ及び前記ハンドのいずれにも汚れがないと判定し、画像上に相関の低い低相関部位があるときには前記低相関部位で前記カメラのレンズ又は前記ハンドの汚れを検出するように構成されている。
【0009】
本願の請求項3に記載の技術によれば、請求項2に記載のロボット装置の制御部は、前記第2の検査画像と前記第1の検査画像を比較したときに、画像上の前記低相関部位において相関が高いときには前記カメラのレンズに汚れがあると判定し、画像上の前記低相関部位において相関が低いときには前記ハンドに汚れがあると判定するように構成されている。
【0010】
本願の請求項4に記載の技術によれば、請求項1に記載のロボット装置の制御部は、前記カメラのレンズに汚れがあると判定したときには、前記カメラのレンズの汚れ部分を拭いた後、前記ハンドを前記特定の位置に設定して前記ハンドを撮像した第3の検査画像を前記リファレンス画像と比較して、前記カメラのレンズの傷の有無を検出するように構成されている。
【0011】
本願の請求項5に記載の技術によれば、請求項1に記載のロボット装置の制御部は、前記ハンドに汚れがあると判定したときには、前記ハンドの汚れ部分を拭いた後、前記ハンドを前記特定の位置に設定して前記ハンドを撮像した第4の検査画像を前記リファレンス画像と比較して、前記ハンドの傷の有無を検出するように構成されている。
【0012】
また、本願の請求項6に記載の技術は、
ハンドをロボットのカメラに対して特定の位置に設定して前記ハンドを撮像してリファレンス画像を取得するステップと、
汚れ検査時において、前記ハンドを前記特定の位置に設定して前記ハンドを撮像した第1の検査画像を前記リファレンス画像と比較して、前記カメラのレンズ又は前記ハンドの汚れの有無を検出する汚れ検出ステップと、
前記汚れ検出ステップにおいて前記カメラのレンズ又は前記ハンドの汚れを検出したときに、前記ハンドを前記特定の位置から移動して前記ハンドを撮像した第2の検査画像を前記第1の検査画像と比較して、前記カメラのレンズ又は前記ハンドのうちのいずれに汚れがあるかを判定する判定ステップと、
を有するロボット装置の制御方法である。
【0013】
また、本願の請求項7に記載の技術は、
ハンドをロボットのカメラに対して特定の位置に設定して前記ハンドを撮像してリファレンス画像を取得するステップと、
汚れ検査時において、前記ハンドを前記特定の位置に設定して前記ハンドを撮像した第1の検査画像を前記リファレンス画像と比較して、前記カメラのレンズ又は前記ハンドの汚れの有無を検出する汚れ検出ステップと、
前記汚れ検出ステップにおいて前記カメラのレンズ又は前記ハンドの汚れを検出したときに、前記ハンドを前記特定の位置から移動して前記ハンドを撮像した第2の検査画像を前記第1の検査画像と比較して、前記カメラのレンズ又は前記ハンドのうちのいずれに汚れがあるかを判定する判定ステップと、
をコンピューターに実行させる、ロボット装置を制御するためのコンピューター・プログラムである。
【0014】
本願の請求項7に係るコンピューター・プログラムは、コンピューター上で所定の処理を実現するようにコンピューター可読形式で記述されたコンピューター・プログラムを定義したものである。換言すれば、本願の請求項7に係るコンピューター・プログラムをコンピューターにインストールすることによって、コンピューター上では協働的作用が発揮され、本願の請求項6に係るロボット装置の制御方法と同様の作用効果を得ることができる。
【0015】
また、本願の請求項8に記載の技術は、
ハンドをロボットのカメラに対して特定の位置に設定して前記ハンドを撮像してリファレンス画像を取得するステップと、
汚れ検査時において、前記ハンドを前記特定の位置に設定して前記ハンドを撮像した第1の検査画像を前記リファレンス画像と比較して、前記カメラのレンズ又は前記ハンドの汚れの有無を検出する汚れ検出ステップと、
前記汚れ検出ステップにおいて前記カメラのレンズ又は前記ハンドの汚れを検出したときに、前記ハンドを前記特定の位置から移動して前記ハンドを撮像した第2の検査画像を前記第1の検査画像と比較して、前記カメラのレンズ又は前記ハンドのうちのいずれに汚れがあるかを判定する判定ステップと、
をコンピューターに実行させるロボット装置の制御プログラムを格納するプログラム記憶媒体である。
【発明の効果】
【0016】
本明細書に開示の技術によれば、カメラのレンズの汚れと傷、及び、ハンドの汚れと傷の違いを好適に検出することができる、優れたロボット装置及びロボット装置の制御方法、コンピューター・プログラム、並びにプログラム記憶媒体を提供することができる。
【0017】
本明細書に開示の技術のさらに他の目的、特徴や利点は、後述する実施形態や添付する図面に基づくより詳細な説明によって明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】図1は、本明細書で開示する技術を適用可能なロボット装置100の外観を示した図である。
【図2】図2は、本明細書で開示する技術を適用可能なロボット装置100の関節自由度構成を模式的に示した図である。
【図3】図3は、本明細書で開示する技術を適用可能なロボット装置100の機能的構成を模式的に示した図である。
【図4】図4は、制御ユニット320の構成を示した図である。
【図5】図5は、ロボット装置100がカメラのレンズの汚れと傷、及び、ハンドの汚れと傷の違いを検出するための処理手順を示したフローチャートである。
【図6】図6は、頭部のステレオ・カメラ・レンズにハンドを近接させて、ハンド画像Aを取得する様子を示した図である。
【図7】図7は、頭部の魚眼カメラ・レンズにハンドを近接させて、ハンド画像Aを取得する様子を示した図である。
【図8】図8は、リファレンス画像として取得したハンド画像Aの一例を示した図である。
【図9】図9は、ハンド画像Aと、部位Xを含むハンド画像Bを並べて示した図である。
【図10】図10は、カメラのレンズの汚れ又は傷があるために、ハンド画像B及びハンド画像Cの両画像上の部位Xで相関が高くなる様子を示した図である。
【図11】図11は、ハンドの表面のレンズの汚れ又は傷があるために、ハンドの移動とともに汚れ又は傷が移動して、ハンド画像B及びハンド画像Cの両画像上の部位Xで相関が低くなる様子を示した図である。
【図12】図12は、ロボット装置100が頭部の魚眼カメラ・レンズの汚れを拭き取っている様子を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照しながら本明細書に開示の技術の実施形態について詳細に説明する。
【0020】
図1には、本明細書で開示する技術を適用可能なロボット装置100の外観を示している。ロボット装置100は、複数のリンクを関節で接続されたリンク構造帯であり、各関節はアクチュエーターによって動作する。図2には、このロボット装置100の関節自由度構成を模式的に示している。図示のロボット装置100は、主に家庭環境に設置されて家事や介護などを行なうが、産業用などさまざまな用途で使用することも可能である。
【0021】
図示のロボット装置100は、移動手段として、ベース部に対向する2輪の駆動輪101R及び101Lを備えている。各駆動輪101R及び101Lは、それぞれピッチ回りに回転する駆動輪用アクチュエーター102R及び102Lによって駆動する。なお、図2中において、参照番号151、152、153は、実在しない劣駆動関節であり、ロボット装置100の床面に対するX方向(前後方向)の並進自由度、Y方向(左右方向)の並進自由度、並びに、ヨー回りの回転自由度にそれぞれ相当し、ロボット装置100が仮想世界を動き回ることを表現したものである。
【0022】
移動手段は、股関節を介して上体に接続される。腰関節は、ピッチ回りに回転する腰関節ピッチ軸アクチュエーター103によって駆動する。上体は、左右2肢の腕部と、首関節を介して接続される頭部で構成される。左右の腕部は、それぞれ肩関節3自由度、肘関節2自由度、手首関節2自由度の、計7自由度とする。肩関節3自由度は、肩関節ピッチ軸アクチュエーター104R/L、肩関節ロール軸アクチュエーター105R/L、肩関節ヨー軸アクチュエーター106R/Lによって駆動する。肘関節2自由度は、肘関節ピッチ軸アクチュエーター107R/L、肘関節ヨー軸アクチュエーター108R/Lによって駆動する。手首関節2自由度は、手首関節ロール軸アクチュエーター109R/L、手首関節ピッチ軸アクチュエーター110R/Lによって駆動する。また、首関節2自由度は、首関節ピッチ軸アクチュエーター111、首関節ヨー軸アクチュエーター112によって駆動する。また、手関節1自由度は、手関節ロール軸アクチュエーター113R/Lによって駆動する。
【0023】
なお、図示のロボット装置100は、対向2輪式の移動手段を備えているが、本明細書で開示する技術の要旨は、対向2輪式の移動手段に限定されるものではない。例えば、脚式の移動手段を備えたロボット装置100であっても、同様に本明細書で開示する技術を適用することができる。
【0024】
図3には、ロボット装置100の機能的構成を模式的に示している。ロボット装置100は、全体の動作の統括的制御やその他のデータ処理を行なう制御ユニット320と、入出力部340と、駆動部350と、電源部360とで構成される。以下、各部について説明する。
【0025】
入出力部340は、入力部として、ロボット装置100の目に相当するカメラ305、耳に相当するマイクロフォン306、頭部や背中などの部位に配設されてユーザーの接触を感知する感圧センサー308などを含む。また、出力部として、口に相当するスピーカー307、点滅の組み合わせや点灯のタイミングにより顔の表情を形成するLEDインジケーター(目ランプ)309などを装備している。なお、カメラ305は、左右の眼に相当するステレオ・カメラの他に、頭部のほぼ中央の魚眼レンズ付きカメラを含んでいてもよい。
【0026】
駆動部350は、ロボット装置100の各関節における自由度を実現するための機能モジュールであり、それぞれの関節におけるロール、ピッチ、ヨーなど軸毎に設けられた複数の駆動ユニットで構成される。各駆動ユニットは、所定軸回りの回転動作を行うモーター351と、モーター351の回転位置を検出するエンコーダー352と、エンコーダー352の出力に基づいてモーター351の回転位置や回転速度を適応的に制御するドライバー353の組み合わせで構成される。
【0027】
電源部360は、ロボット装置100内の各電気回路などに対して給電を行なう機能モジュールであり、充電バッテリー361と、充電バッテリー361の充放電状態を管理する充放電制御部362とで構成される。
【0028】
また、図4には、制御ユニット320の構成をさらに詳細に図解している。同図に示すように、制御ユニット320は、メイン・コントローラーとしてのCPU(Central Processing Unit)401が、メモリーやその他の各回路コンポーネントや周辺機器とバス接続された構成となっている。CPU401は、アドレスを指定することによってバス408上の各装置と通信することができる。
【0029】
RAM(Random Access Memory)402は、CPU401が実行するプログラム・コードをロードしたり、実行プログラムによる作業データの一時的な保存したりするために使用される。ROM(Read Only Memory)403は、電源投入時に実行する自己診断テスト・プログラムや、ロボット装置100の動作を規定する制御プログラムなどを恒久的に格納している。不揮発性メモリー404は、例えばEEPROM(Electrically Erasable and ProgrammableROM)のように電気的に消去再書き込みが可能なメモリー素子で構成され、暗号鍵やその他のセキュリティ情報、出荷後にインストールすべき制御プログラムなどの逐次更新すべきデータを不揮発的に保持するために使用される。
【0030】
ロボット装置100の制御プログラムには、カメラ305やマイクロフォン306、感圧センサー308などのセンサー入力を処理して認識する認識処理プログラムや、各関節モーター351の駆動やスピーカー307の音声出力などの動作を制御する制御プログラムなどが含まれる。
【0031】
インターフェース405は、制御ユニット320外の機器と相互接続し、データ交換を可能にするための装置である。インターフェース405は、例えば、カメラ305やマイクロフォン306、スピーカー307との間でデータ入出力を行なう。また、インターフェース405は、駆動部350内の各ドライバー353−1…との間でデータやコマンドの入出力を行なう。インターフェース25は、IEEE1394などのパラレル・インターフェース、USB(Universal Serial Bus)インターフェース、メモリーカード・インターフェース(カード・スロット)などのような、コンピューターの周辺機器接続用の汎用インターフェースを備え、ローカル接続された外部機器との間でプログラムやデータの移動を行なうようにしてもよい。
【0032】
さらに、制御ユニット320は、無線通信インターフェース406やネットワーク・インターフェース・カード(NIC)407などを含み、Bluetoothのような近接無線データ通信や、IEEE802.11のような無線ネットワーク、あるいはインターネットなどの広域ネットワークを経由して、外部のさまざまなホスト・コンピューターとデータ通信を行なうことができる。
【0033】
本実施形態に係るロボット装置100は、自律動作により、カメラ305のレンズの汚れと傷を検出する機能を備えているが、ハンドなどロボット装置100の特定の部位をカメラ305で撮像した画像をリファレンス画像として、カメラ305のレンズの汚れと傷を検出する点に主な特徴がある。ここで、ハンドをカメラ305で撮像した画像をリファレンス画像として用いる場合、検出時において、検出された汚れや傷がカメラ305レンズ又はハンドの双方に起因する可能性があるが、本実施形態に係るロボット装置100は、後述するように、カメラ305レンズ又はハンドのうちいずれに起因するものか、並びに、汚れと傷の違いを検出することができる。
【0034】
ハンドなどの物体の把持部に汚れがあると、把持した物体を汚してしまい、人に手渡す際に心的に悪い影響を与えてしまう。これに対し、本実施形態に係るロボット装置100は、ハンドの汚れを検出し、さらには自律的な清掃動作などにより汚れを除去することができるので、ユーザーに心的に悪い影響を与えなくて済む。
【0035】
図5には、ロボット装置100がカメラのレンズの汚れと傷、及び、ハンドの汚れと傷の違いを検出するための処理手順をフローチャートの形式で示している。
【0036】
この処理手順を開始する前提として、リファレンス画像を事前に取得しておく。上述したようにハンドを撮影した画像をリファレンス画像に用いる場合、カメラ305に対してハンドを特定の位置に設定して撮像したハンド画像をリファレンス画像として登録する。リファレンス画像に用いるハンド画像を、以下では「ハンド画像A」と呼ぶことにする。
【0037】
カメラ305が、左右の眼に相当するステレオ・カメラの他に、頭部のほぼ中央の魚眼レンズ付きカメラを含んでいる場合、ステレオ・カメラ・レンズ、及び、魚眼カメラ・レンズの双方について、ハンド画像Aを取得し、登録しておく。図6には、頭部のステレオ・カメラ・レンズにハンドを近接させて、ハンド画像Aを取得する様子を示している。また、図7には、頭部の魚眼カメラ・レンズにハンドを近接させて、ハンド画像Aを取得する様子を示している。また、図8には、リファレンス画像として取得したハンド画像Aの一例(同図中、点線で囲んだ領域がハンド画像Aに相当)を示している。
【0038】
検出処理では、まず、検出画像を取得する(ステップS501)。検出画像の取得は、図6並びに図7に示したような、リファレンス画像を取得するときと同じ姿勢をとり、頭部のステレオ・カメラ、並びに、頭部の魚眼レンズ付きカメラの各々で、ハンドの撮影を行なう。検出画像として取得したハンド画像を、以下では「ハンド画像B」と呼ぶことにする。
【0039】
次いで、ハンド画像Aとハンド画像Bの相関をとる(ステップS502)。カメラのレンズ、及び、ハンドの表面のいずれにも、汚れも傷もなければ、ハンド画像Aとハンド画像Bは、画像全体にわたって相関が高いはずである。したがって、ステップS502で画像間の相関をとった結果、画像全体にわたって相関が高いときには、カメラのレンズ、及び、ハンドの表面のいずれにも、汚れも傷もないと判定して(ステップS503)、本処理ルーチンを終了する。
【0040】
他方、ハンド画像Aを取得した後、カメラのレンズが汚れ、又は傷が入った場合、並びに、ハンドの表面が汚れ、又は傷が入った場合には、汚れ又は傷がある部位で画像間の相関が低くなる。そこで、ステップS502で画像間の相関をとった結果、相関の低い部位が検出されたときには、カメラのレンズ又はハンドの表面のうち少なくとも一方に、汚れや傷があると判定して、後続の処理を実行する。ここで、画像間の相関の低い部位を、以下では「部位X」と呼ぶことにする。図9には、ハンド画像Aと、部位Xを含むハンド画像Bを並べて示している(同図中、点線で囲んだ領域がそれぞれハンド画像A、ハンド画像Bに相当)。同図から、部位Xにおいて画像間の相関が低くなることを理解できよう。
【0041】
ステップS502で、カメラのレンズ又はハンドの表面のうち少なくとも一方に、汚れや傷があると判定した場合、続いて、部位Xにおいて相関が低くなった原因がカメラのレンズ又はハンドの表面のいずれであるかを特定するための処理を実施する。
【0042】
まず、図6並びに図7に示したような、リファレンス画像を取得するときと同様の姿勢で、ハンドをカメラに対して移動させて、ハンドの別の位置を撮像する(ステップS504)。このときの取得画像を、以下では「ハンド画像C」とする。そして、ハンド画像Bとハンド画像Cの相関をとる(ステップS505)。
【0043】
ハンド画像Aとハンド画像Bの相関をとった際に、相関が低かった部位Xが、カメラのレンズの汚れ又は傷に起因するものであれば、ハンドを移動させても、画像上の部位Xの相関は高いままである。したがって、ステップS505において、ハンド画像B及びハンド画像C間で相関をとり、画像上の部位Xの相関が依然として高いときには、カメラのレンズに汚れ又は傷があると判定する(ステップS506)。図10には、カメラのレンズの汚れ又は傷があるために、ハンド画像B及びハンド画像Cの両画像上の部位Xで相関が高くなる様子を示している(同図中、点線で囲んだ領域がそれぞれハンド画像B、ハンド画像Cに相当)。
【0044】
他方、ハンド画像Bの部位Xがハンドの表面の汚れ又は傷に起因するものであれば、ハンドを移動させたときのハンド画像上ではその部位も移動する。したがって、ハンド画像Bとハンド画像Cの相関をとり、画像上の部位Xの相関は低くなったときには、ハンドの表面に汚れ又は傷があると判定する(ステップS507)。図11には、ハンドの表面のレンズの汚れ又は傷があるために、ハンドの移動とともに汚れ又は傷が移動して、ハンド画像B及びハンド画像Cの両画像上の部位Xで相関が低くなる様子を示している(同図中、点線で囲んだ領域がそれぞれハンド画像B、ハンド画像Cに相当)。
【0045】
カメラのレンズに汚れ又は傷があると判定した場合、まず汚れであると仮定して、部位Xに相当するレンズの汚れの部分を清掃する(ステップS508)。レンズの清掃作業は、ユーザーが手作業で行ってもよいが、本実施形態では、ロボット装置100がハンドを用い、レンズ・クリーナーなどで汚れを拭取るという自律的な作業とする。図12には、ロボット装置100が頭部の魚眼カメラ・レンズの汚れを拭き取っている様子を示している。
【0046】
レンズの汚れを拭き取った後、再度、図6並びに図7に示したような、リファレンス画像を取得するときと同じ姿勢をとり、頭部のステレオ・カメラ、並びに、頭部の魚眼レンズ付きカメラの各々で、ハンドの撮影を行なう(ステップS509)。拭き取り後に取得したハンド画像を、以下では「ハンド画像B´」と呼ぶことにする。そして、ハンド画像Aとハンド画像B´の相関を改めてとる(ステップS510)。
【0047】
カメラのレンズの汚れであれば、清掃により部位Xにおけるレンズの汚れが除去され、ハンド画像B´はリファレンス画像であるハンド画像Aに近づく。ハンド画像Aとハンド画像B´の相関をとった結果、画像全体にわたって相関が高いときには、カメラのレンズの清掃が終了したとして(ステップS512)、本処理ルーチンを終了する。
【0048】
他方、カメラのレンズの傷であれば、清掃しても除去されないので、ハンド画像B´は部位Xにおいてハンド画像Aとの相関が低いままである。ハンド画像Aとハンド画像B´の相関をとった結果、相関の低い部位が検出されたときには、カメラのレンズの傷であると判定する(ステップS511)。カメラのレンズに傷がある場合、ロボット装置100は、ユーザーにレンズの交換要求を行なってから(ステップS513)、本処理ルーチンを終了するようにしてもよい。
【0049】
また、ハンドの表面に汚れ又は傷があると判定した場合、まず汚れであると仮定して、部位Xに相当するハンドの表面の汚れの部分を清掃する(ステップS514)。ハンドの清掃作業は、ユーザーが手作業で行ってもよいが、本実施形態では、ロボット装置100の自律的な作業とする。
【0050】
ハンドの表面の汚れを拭き取った後、再度、図6並びに図7に示したような、リファレンス画像を取得するときと同じ姿勢をとり、頭部のステレオ・カメラ、並びに、頭部の魚眼レンズ付きカメラの各々で、ハンドの撮影を行ない(ステップS515)、ハンド画像B´を取得する。そして、ハンド画像Aとハンド画像B´の相関を改めてとる(ステップS516)。
【0051】
ハンドの表面のレンズの汚れであれば、清掃により部位Xにおけるハンドの表面の汚れが除去され、ハンド画像B´はリファレンス画像であるハンド画像Aに近づく。ハンド画像Aとハンド画像B´の相関をとった結果、画像全体にわたって相関が高いときには、ハンドの表面のレンズの清掃が終了したとして(ステップS518)、本処理ルーチンを終了する。
【0052】
他方、ハンドの表面の傷であれば、清掃しても除去されないので、ハンド画像B´は部位Xにおいてハンド画像Aとの相関が低いままである。ハンド画像Aとハンド画像B´の相関をとった結果、相関の低い部位が検出されたときには、ハンドの表面の傷であると判定する(ステップS517)。ハンドの表面に傷がある場合、ロボット装置100は、ユーザーにハンドの交換要求を行なってから(ステップS519)、本処理ルーチンを終了するようにしてもよい。
【0053】
なお、図5には図示しなかったが、ステップS511におけるカメラのレンズの清掃終了後や、ステップS516におけるハンドの表面の清掃終了後に、ロボット装置100は、図6並びに図7に示したような姿勢を取ってハンドを撮像し、リファレンス画像を更新するようにしてもよい。
【0054】
上述したように、本実施形態に係るロボット装置100は、カメラのレンズの汚れを自動的に検出し、清掃することができる。また、カメラのレンズの汚れを自動で検出し、清掃することによって、画像の誤検出を軽減することができる。さらに、ロボット装置100は、カメラのレンズの傷を自動で検出し、ユーザーに交換を要求することができる。
【0055】
また、本実施形態に係るロボット装置100は、ハンドの表面の汚れを自動的に検出し、清掃することができる。また、ハンドの表面の汚れを自動で検出し、清掃することによって、ハンドで把持した物体を清潔に保つことができる。さらに、ロボット装置100は、ハンドの表面の傷を自動で検出し、ユーザーに交換を要求することができる。
【0056】
なお、本明細書の開示の技術は、以下のような構成をとることも可能である。
(1)カメラと、ハンドと、前記カメラで撮像した画像を処理するとともに、ハンドの動作を制御する制御部を具備し、
前記制御部は、
前記ハンドを前記カメラに対して特定の位置に設定して前記ハンドを撮像したリファレンス画像を取得し、
汚れ検査時に前記ハンドを前記特定の位置に設定して前記ハンドを撮像した第1の検査画像を前記リファレンス画像と比較して、前記カメラのレンズ又は前記ハンドの汚れの有無を検出し、
前記カメラのレンズ又は前記ハンドの汚れを検出したときに、前記ハンドを前記特定の位置から移動して前記ハンドを撮像した第2の検査画像を前記第1の検査画像と比較して、前記カメラのレンズ又は前記ハンドのうちのいずれに汚れがあるかを判定する、
ロボット装置。
(2)前記制御部は、前記第1の検査画像と前記リファレンス画像が画像全体にわたって相関が高いときには前記カメラのレンズ及び前記ハンドのいずれにも汚れがないと判定し、画像上に相関の低い低相関部位があるときには前記低相関部位で前記カメラのレンズ又は前記ハンドの汚れを検出する、(1)に記載のロボット装置。
(3)前記制御部は、前記第2の検査画像と前記第1の検査画像を比較したときに、画像上の前記低相関部位において相関が高いときには前記カメラのレンズに汚れがあると判定し、画像上の前記低相関部位において相関が低いときには前記ハンドに汚れがあると判定する、(2)に記載のロボット装置。
(4)前記制御部は、前記カメラのレンズに汚れがあると判定したときには、前記カメラのレンズの汚れ部分を拭いた後、前記ハンドを前記特定の位置に設定して前記ハンドを撮像した第3の検査画像を前記リファレンス画像と比較して、前記カメラのレンズの傷の有無を検出する、(1)に記載のロボット装置。
(5)前記制御部は、前記ハンドに汚れがあると判定したときには、前記ハンドの汚れ部分を拭いた後、前記ハンドを前記特定の位置に設定して前記ハンドを撮像した第4の検査画像を前記リファレンス画像と比較して、前記ハンドの傷の有無を検出する、(1)に記載のロボット装置。
(6)ハンドをロボットのカメラに対して特定の位置に設定して前記ハンドを撮像してリファレンス画像を取得するステップと、
汚れ検査時において、前記ハンドを前記特定の位置に設定して前記ハンドを撮像した第1の検査画像を前記リファレンス画像と比較して、前記カメラのレンズ又は前記ハンドの汚れの有無を検出する汚れ検出ステップと、
前記汚れ検出ステップにおいて前記カメラのレンズ又は前記ハンドの汚れを検出したときに、前記ハンドを前記特定の位置から移動して前記ハンドを撮像した第2の検査画像を前記第1の検査画像と比較して、前記カメラのレンズ又は前記ハンドのうちのいずれに汚れがあるかを判定する判定ステップと、
を有するロボット装置の制御方法。
(7)ハンドをロボットのカメラに対して特定の位置に設定して前記ハンドを撮像してリファレンス画像を取得するステップと、汚れ検査時において、前記ハンドを前記特定の位置に設定して前記ハンドを撮像した第1の検査画像を前記リファレンス画像と比較して、前記カメラのレンズ又は前記ハンドの汚れの有無を検出する汚れ検出ステップと、前記汚れ検出ステップにおいて前記カメラのレンズ又は前記ハンドの汚れを検出したときに、前記ハンドを前記特定の位置から移動して前記ハンドを撮像した第2の検査画像を前記第1の検査画像と比較して、前記カメラのレンズ又は前記ハンドのうちのいずれに汚れがあるかを判定する判定ステップと、をコンピューターに実行させる、ロボット装置を制御するためのコンピューター・プログラム。
(8)ハンドをロボットのカメラに対して特定の位置に設定して前記ハンドを撮像してリファレンス画像を取得するステップと、汚れ検査時において、前記ハンドを前記特定の位置に設定して前記ハンドを撮像した第1の検査画像を前記リファレンス画像と比較して、前記カメラのレンズ又は前記ハンドの汚れの有無を検出する汚れ検出ステップと、前記汚れ検出ステップにおいて前記カメラのレンズ又は前記ハンドの汚れを検出したときに、前記ハンドを前記特定の位置から移動して前記ハンドを撮像した第2の検査画像を前記第1の検査画像と比較して、前記カメラのレンズ又は前記ハンドのうちのいずれに汚れがあるかを判定する判定ステップと、をコンピューターに実行させるロボット装置の制御プログラムを格納するプログラム記憶媒体
【産業上の利用可能性】
【0057】
以上、特定の実施形態を参照しながら、本明細書で開示する技術について詳細に説明してきた。しかしながら、本明細書に開示の技術の要旨を逸脱しない範囲で当業者が該実施形態の修正や代用を成し得ることは自明である。
【0058】
本明細書では、対向2輪型のロボット装置に適用した実施形態を中心に説明してきたが、本明細書で開示する技術の要旨はこれに限定されるものではない。他の移動手段を備え、あるいは移動手段を備えていなくても、カメラ並びにハンドを備えたロボット装置であれば、同様に本技術を適用することができる。
【0059】
また、本明細書では、ロボット装置のハンドを撮像した画像をリファレンス画像に用いているが、ハンド以外のロボット装置の他の部位を撮像した画像をリファレンス画像に用いることもできる。
【0060】
また、本明細書では、家庭用ロボットに関する実施形態を中心に説明してきたが、勿論、産業用ロボットを始めさまざまな用途のロボット装置に対しても、同様に本技術を適用することができる。
【0061】
要するに、例示という形態で本技術を開示してきたのであり、本明細書の記載内容を限定的に解釈するべきではない。本技術の要旨を判断するためには、特許請求の範囲を参酌すべきである。
【符号の説明】
【0062】
100…ロボット装置
101…駆動輪
102…駆動輪用アクチュエーター
103…腰関節ピッチ軸アクチュエーター
104…肩関節ピッチ軸アクチュエーター
105…肩関節ロール軸アクチュエーター
106…肩関節ヨー軸アクチュエーター
107…肘関節ピッチ軸アクチュエーター
108…肘関節ヨー軸アクチュエーター
109…手首関節ロール軸アクチュエーター
110…首関節ピッチ軸アクチュエーター
111…首関節ピッチ軸アクチュエーター
113…手関節ロール軸アクチュエーター
151、152、153…劣駆動関節
305…カメラ
306…マイクロフォン
307…スピーカー
308…感圧センサー
309…LEDインジケーター
320…制御ユニット
340…入出力部
350…駆動部
351…モーター
352…エンコーダー
353…ドライバー
360…電源部
361…充電バッテリー
362…充放電制御部
401…CPU
402…RAM
403…ROM
404…不揮発性メモリー
405…インターフェース
406…無線通信インターフェース
407…ネットワーク・インターフェース・カード
408…バス


【特許請求の範囲】
【請求項1】
カメラと、
ハンドと、
前記カメラで撮像した画像を処理するとともに、ハンドの動作を制御する制御部と、
を具備し、
前記制御部は、
前記ハンドを前記カメラに対して特定の位置に設定して前記ハンドを撮像したリファレンス画像を取得し、
汚れ検査時に前記ハンドを前記特定の位置に設定して前記ハンドを撮像した第1の検査画像を前記リファレンス画像と比較して、前記カメラのレンズ又は前記ハンドの汚れの有無を検出し、
前記カメラのレンズ又は前記ハンドの汚れを検出したときに、前記ハンドを前記特定の位置から移動して前記ハンドを撮像した第2の検査画像を前記第1の検査画像と比較して、前記カメラのレンズ又は前記ハンドのうちのいずれに汚れがあるかを判定する、
ロボット装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記第1の検査画像と前記リファレンス画像が画像全体にわたって相関が高いときには前記カメラのレンズ及び前記ハンドのいずれにも汚れがないと判定し、画像上に相関の低い低相関部位があるときには前記低相関部位で前記カメラのレンズ又は前記ハンドの汚れを検出する、
請求項1に記載のロボット装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記第2の検査画像と前記第1の検査画像を比較したときに、画像上の前記低相関部位において相関が高いときには前記カメラのレンズに汚れがあると判定し、画像上の前記低相関部位において相関が低いときには前記ハンドに汚れがあると判定する、
請求項2に記載のロボット装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記カメラのレンズに汚れがあると判定したときには、前記カメラのレンズの汚れ部分を拭いた後、前記ハンドを前記特定の位置に設定して前記ハンドを撮像した第3の検査画像を前記リファレンス画像と比較して、前記カメラのレンズの傷の有無を検出する、
請求項1に記載のロボット装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記ハンドに汚れがあると判定したときには、前記ハンドの汚れ部分を拭いた後、前記ハンドを前記特定の位置に設定して前記ハンドを撮像した第4の検査画像を前記リファレンス画像と比較して、前記ハンドの傷の有無を検出する、
請求項1に記載のロボット装置。
【請求項6】
ハンドをロボットのカメラに対して特定の位置に設定して前記ハンドを撮像してリファレンス画像を取得するステップと、
汚れ検査時において、前記ハンドを前記特定の位置に設定して前記ハンドを撮像した第1の検査画像を前記リファレンス画像と比較して、前記カメラのレンズ又は前記ハンドの汚れの有無を検出する汚れ検出ステップと、
前記汚れ検出ステップにおいて前記カメラのレンズ又は前記ハンドの汚れを検出したときに、前記ハンドを前記特定の位置から移動して前記ハンドを撮像した第2の検査画像を前記第1の検査画像と比較して、前記カメラのレンズ又は前記ハンドのうちのいずれに汚れがあるかを判定する判定ステップと、
を有するロボット装置の制御方法。
【請求項7】
ハンドをロボットのカメラに対して特定の位置に設定して前記ハンドを撮像してリファレンス画像を取得するステップと、
汚れ検査時において、前記ハンドを前記特定の位置に設定して前記ハンドを撮像した第1の検査画像を前記リファレンス画像と比較して、前記カメラのレンズ又は前記ハンドの汚れの有無を検出する汚れ検出ステップと、
前記汚れ検出ステップにおいて前記カメラのレンズ又は前記ハンドの汚れを検出したときに、前記ハンドを前記特定の位置から移動して前記ハンドを撮像した第2の検査画像を前記第1の検査画像と比較して、前記カメラのレンズ又は前記ハンドのうちのいずれに汚れがあるかを判定する判定ステップと、
をコンピューターに実行させる、ロボット装置を制御するためのコンピューター・プログラム。
【請求項8】
ハンドをロボットのカメラに対して特定の位置に設定して前記ハンドを撮像してリファレンス画像を取得するステップと、
汚れ検査時において、前記ハンドを前記特定の位置に設定して前記ハンドを撮像した第1の検査画像を前記リファレンス画像と比較して、前記カメラのレンズ又は前記ハンドの汚れの有無を検出する汚れ検出ステップと、
前記汚れ検出ステップにおいて前記カメラのレンズ又は前記ハンドの汚れを検出したときに、前記ハンドを前記特定の位置から移動して前記ハンドを撮像した第2の検査画像を前記第1の検査画像と比較して、前記カメラのレンズ又は前記ハンドのうちのいずれに汚れがあるかを判定する判定ステップと、
をコンピューターに実行させるロボット装置の制御プログラムを格納するプログラム記憶媒体。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図12】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−245570(P2012−245570A)
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−117111(P2011−117111)
【出願日】平成23年5月25日(2011.5.25)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】