説明

ロータリダイカッタの打抜き屑除去装置及び刃物取付台

【課題】刃物取付台の取付け、取替え時に押出し棒の着脱作業を廃して作業効率を向上させると共に、打抜き屑を打抜き刃から除去する押出し棒の摩耗を低減する。
【解決手段】ナイフシリンダ10に穿設された複数の第1の貫通孔16に第1の押出し棒18を移動自在に装着し、刃物取付台12に穿設された第2の貫通孔34に第2の押出し棒36を移動自在に装着して第2の押出し棒36を第1の押出し棒18と突き合せ可能にし、第2の押出し棒36の外側端に打抜き屑aを押し出す押出しレバー30を取り付け、ナイフシリンダ10の内部に打抜き屑aの押出し時に第1の押出し棒18を押し出す偏芯シリンダ14を設け、第1の押出し棒18の外側端18aが常にナイフシリンダ外周面10aより外方に突出しないように移動ストロークを規制する。第1の押出し棒18及び第2の押出し棒36を好ましくは自己潤滑性樹脂又は耐摩耗性材料で構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、段ボール等の加工に使用されるロータリダイカッタで被加工シートを打抜き加工する場合に、刃物取付台のナイフシリンダへの取付け又は取外しに要する時間を短縮可能にした打抜き屑除去装置、及び該打抜き屑除去装置に用いられて好適な刃物取付台に関する。
【背景技術】
【0002】
段ボール箱を製造する場合、ロータリダイカッタによって、印刷済みの段ボールシートに所定形状の罫書きや打抜き加工を行なっている。ロータリダイカッタは、アンビルシリンダとナイフシリンダとが対設されており、打抜き加工を行なう場合、ナイフシリンダの外周面に打抜き刃を装着した円弧状のダイボードを被覆し、アンビルシリンダとナイフシリンダを逆方向に回転して、両シリンダに送り込まれる被加工シートを所定の形状に打抜くようにしている。
【0003】
打抜き加工では、打抜き屑が打抜き刃の間に挟持されて残留するが、打抜き後にこれを所定の位置で取り除き、飛散しないようにする必要がある。
特許文献1(特開2005−7543号公報)及び特許文献2(特開2000−158389号公報)には、ロータリダイカッタの打抜き屑除去装置が開示されている。以下、特許文献1に開示された構成を図6及び図7により説明する。
【0004】
図6及び図7において、ロータリダイカッタ100は、アンビルシリンダ102とナイフシリンダ104とで構成され、両シリンダは、図6の矢印方向に回転される。ナイフシリンダ104の外周面には、円弧状の刃物取付台106が取付けボルト等により着脱自在に被覆されている。刃物取付台106には、アンビルシリンダ102とナイフシリン104間に送り込まれる段ボールシート等の被加工シートSを所定の形状に打抜く打抜き刃108と、打抜き刃108の外周囲に、打抜き刃108の打抜きによって形成される打抜き屑aに刺通して打抜き屑aを保持する保持歯110が取り付けられている。
【0005】
刃物取付台106の外周面に、屑落しアーム112が支持ピン114を中心に揺動可能に設けられ、屑落しアーム112の先端部には、保持歯110が挿入可能な切欠部116が設けられている。屑落しアーム112の近くに、コイルばね118が設けられ、コイルばね118は支持ピン120に支持され、コイルばね118の押圧片122は屑落しアーム112の表面に当接して、屑落しアーム112を外側から押圧する方向に付勢している。
【0006】
ナイフシリンダ104及び刃物取付台106には、半径方向に多数の貫通孔126が穿設され、屑落しアーム112によって覆われた貫通孔126には押出し棒130が挿入されている。押出し棒130は、ナイフシリンダ104の内部に組み込まれている偏芯シリンダ132の外周面に当接している。偏芯シリンダ132は、ナイフシリンダ104の中心に対する偏芯位置に回転中心をもち、偏芯シリンダ132の回転によって押出し棒130が半径方向外方に押し出される。
【0007】
図6に示すように、アンビルシリンダ102とナイフシリンダ104とを図3の矢印方向に回転し、両シリンダ間に被加工シートSを送り込むと、刃物取付台106に装着された打抜き刃108によって被加工シートSに打抜き切断線が形成され、その打抜き切断線の内側に製品部が形成され、外側に打抜き屑aが形成される。製品部は、打抜き刃108の内側に設けられた図示省略の弾性部材の押圧によって打抜き刃108の内側から押し出される。一方、打抜き屑aは、保持歯110の刺通によって保持されてナイフシリンダ104の周方向に搬送される。
【0008】
打抜き屑aがナイフシリンダ104の下部まで搬送されると、偏芯シリンダ132の回転により押出し棒130が半径方向外方に移動し、屑落しアーム112を外方へ揺動させることにより、打抜き屑aを保持歯110から外して下方に落下させる。
押出し棒130の挿入又は取り外しは、屑落しアーム112を起立方向に揺動させて行なうが、このとき、屑落しアーム112に固着されたストッパ124がコイルばね118の押圧片122に当接して、屑落しアーム112のさらなる揺動を防止している。
なお、打抜き屑aを決められた場所で押し出すようにしないと、打抜き屑aが周囲に散ばり、ロータリダイカッタの稼動に支障をきたす。また、打抜き屑が製品へ混入する懸念がある。
【0009】
特許文献2(特開2000−158389号公報)には、アンビルシリンダとナイフシリンダとからなるロータリダイカッタを、被加工シートの搬送方向に沿って2組配置し、上流側のロータリダイカッタで打抜き加工を行い、下流側のロータリダイカッタで打抜き刃に挟持された打抜き屑を除去するようにした打抜き屑除去手段が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2005−7543号公報
【特許文献2】特開2000−158389号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
特許文献1に開示された従来のロータリダイカッタの打抜き屑除去装置では、押出し棒挿入用の貫通孔は、ナイフシリンダ外周面の略全面に所定間隔で穿設されている。そして、刃物取付台の取付け時、刃物取付台の形状に合わせて、必要な場所にある貫通孔に押出し棒を挿入し、打抜き加工を行なった後、挿入した押出し棒を抜き出してから刃物取付台を取り外している。
【0012】
このように、刃物取付台の形状によって押出し棒が挿入される貫通孔の位置が一様でなく、刃物取付台の取付け毎に多数の押出し棒の着脱を頻繁に行なうため、押出し棒の着脱に時間を要し、作業効率が低下している。また、押出し棒の内側端が常に偏芯シリンダに接触している場合、偏芯量が大きくストローク量が大きい為に、摩耗が激しいという問題がある。
【0013】
また、特許文献2に開示されたロータリダイカッタの打抜き屑除去装置では、前記問題点に加えて、2組のロータリダイカッタが必要になり、設備コストが増大すると共に、広い設置スペースを要するという問題がある。
【0014】
本発明は、かかる従来技術の課題に鑑み、ロータリダイカッタの打抜き屑除去装置において、刃物取付台の取付け又は取替え時に多数の押出し棒の着脱作業を廃することにより、刃物取付台の取付け又は取替え時間を短縮して作業効率を向上させることを第1の目的とする。
また、偏芯シリンダ等の押出し装置に摺接する押出し棒の内側端の摩耗を低減可能にすることを第2の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
前記目的を達成するため、本発明のロータリダイカッタの打抜き屑除去装置は、
ナイフシリンダをアンビルシリンダに対設し、該ナイフシリンダの外周面に打抜き刃を装着した円弧状断面の刃物取付台を装着し、被加工シートをナイフシリンダとアンビルシリンダ間を通して打抜き加工を行い、
該打抜き刃に残留した打抜き屑を該打抜き刃の内側から外方へ押し出す押出し部材を備えたロータリダイカッタの打抜き屑除去装置において、
ナイフシリンダの外壁に穿設された複数の第1の貫通孔に夫々第1の押出し部材を移動自在に装着し、
前記刃物取付台の第1の貫通孔と対面する位置に穿設された第2の貫通孔に第2の押出し部材を移動自在に装着し、第2の押出し部材を第1の押出し部材と突き合せ可能にし、
ナイフシリンダの内部に打抜き屑の押出し時に第1の押出し部材を外方に押し出す押出し装置を設け、
該押出し装置で押し出される第2の押出し部材で前記打抜き屑を打抜き刃から押し出すようにし、
第1の押出し部材の外側端が常にナイフシリンダの外周面より外方に突出しないように、第1の押出し部材の移動ストロークを規制してなるものである。
【0016】
本発明装置では、第1の押出し部材をナイフシリンダに穿設された第1の貫通孔に予め装着すると共に、第2の押出し部材を刃物取付台に穿設された第1の貫通孔に予め装着しておくことができる。
その後、刃物取付台をナイフシリンダに装着後、第1の押出し部材と第2の押出し部材とが突き合わせ状態で配置され、前記押出し装置により第1の押出し部材を介して第2の押出し部材を外方へ押し出すことで、打抜き刃に挟持された打抜き屑を除去できる。
【0017】
そのため、第1及び第2の押出し部材を予めナイフシリンダに設けられた実質的に全部の第1及び第2の貫通孔に装着しておくことにより、刃物取付台の着脱時に第1及び第2の押出し部材の取り付け又は取り外しが不要になる。
従って、刃物取付台の着脱に要する時間の内、第1及び第2の押し出し部材の挿入及び取外し作業を削減でき、刃物取付台の着脱時間を大幅に低減できる。
【0018】
なお、該押出し装置は、例えば、ナイフシリンダと共に回転し、該ナイフシリンダの回転中心に対して偏芯した回転中心をもち外周面が円筒状の偏芯回転体か、又はナイフシリンダの回転中心にカム軸を有するカムで構成し、該偏芯回転体又はカムで第1の押出し部材をナイフシリンダ側に押し出すようにするとよい。
【0019】
また、本発明装置では、第1の押出し部材の外側端が常にナイフシリンダの外周面より外方に突出しないように、第1の押出し部材の移動ストロークを規制しているので、刃物取付台の着脱時に、第1の押出し部材が刃物取付台の内周面に当らないため、刃物取付台を着脱する作業のじゃまにならない。
【0020】
本発明装置において、一端が刃物取付台の表面に回動可能に軸支され、他端が打抜き刃に穿設された開孔を介して打抜き刃の内部に挿入され該挿入端で打抜き屑を押出すように構成された押出しレバーを第2の押出し部材の外側端に固設し、該開孔の開口幅で第2の押出し部材の移動ストロークを規制するように構成するとよい。
これによって、押出し部材の構成を簡素化できると共に、押出しレバーの軸支点から挿入端までの距離と、該軸支点から第2の押出し部材の取付位置までの距離を調節することによって、第2の押出し部材によって押出しレバーに付加される押出力及び押出しレバー挿入端の押出しストロークを調節できる。
【0021】
また、本発明装置において、打抜き刃で囲まれる領域に打抜き屑を保持する保持刃を設け、該保持刃に穿設された開孔に挿入される鍔部を第2の押出し部材の外側端に取り付け、該開孔の開口幅で第2の押出し部材の移動ストロークを規制するように構成するとよい。
これによって、保持刃に設けた開孔の開口幅を利用して押出しレバー挿入端の突出位置を規制できるので、独立した規制手段を設ける必要がなく、押出し機構の構成を簡素化できる。
【0022】
また、本発明装置において、第1の押出し部材に対しナイフシリンダの中心側に弾性力を付勢するバネ部材を設け、常に第1の押出し部材を移動ストロークの内側端に保持するように構成するとよい。
これによって、第1の押出し部材の外側端がナイフシリンダの外周面より突出するのを確実に防止できる。また、第1の押出し部材を移動ストロークの内側端に保持することで、前記押出し装置の押出し力を第1の押出し部材に確実に伝達できる。
【0023】
また、本発明装置において、第1の押出し部材の前記押出し装置に接する内側端、又は互いに接する第1の押出し部材の外側端若しくは第2の押出し部材の内側端の少なくとも一方を無給油潤滑性の樹脂又は耐摩耗性材料で構成するとよい。これによって、第1の押出し部材の内側端若しくは外側端又は第2の押出し部材の内側端の摩耗を低減できる。
例えば、ポリエチレン、ポリアセタール、ポリアミド、ポリブチレンテレフタレート、キャストナイロン等のいわゆるエンジニアリングプラスチックと呼ばれる低摩擦係数をもつ自己潤滑性樹脂を用いるとよい。
【0024】
別の摩擦低減手段として、第1の押出し部材と前記押出し装置との間、又は互いに接する第1の押出し部材の外側端と第2の押出し部材の内側端との間に摩擦低減用回転体を介在させるとよい。
さらに、別の摩擦低減手段として、第1の押出し部材の内側端が前記押出し装置と接する面積を増大させることにより、該内側端に加わる単位面積当りの負荷を軽減し、該内側端の摩耗量を低減するように構成するとよい。
【0025】
さらに、別の摩擦低減手段として、前記押出し装置が前記偏芯回転体又はカム機構である場合、偏芯回転体のナイフシリンダ中心に対する偏心量又はカムによる押出し量を低減することにより、第1の押出し部材の偏芯回転体又はカムとの摺接面の摩耗量を低減するように構成してもよい。
さらに、別の摩擦低減手段として、第1の押出し部材の内側端又は外側端を球面形状又は円錐形状とすることによっても、該内側端又は外側端の磨耗を低減できる。
【0026】
また、本発明装置において、第1の押出し部材を第1の貫通孔に移動自在に保持する保持装置を設けるようにするとよい。
これによって、第1の押出し部材が刃物取付台から脱落するのを防止でき、刃物取付台の着脱をスムーズに行なうことができる。
【0027】
また、本発明のロータリダイカッタの刃物取付台は、
ナイフシリンダをアンビルシリンダに対設し、該ナイフシリンダの外周面に打抜き刃を装着した円弧状の刃物取付台を装着し、被加工シートをナイフシリンダとアンビルシリンダ間を通して打抜き加工を行い、
該打抜き刃に残留した打抜き屑に該打抜き刃の内側から外方へ押し出す押出し部材を備えたロータリダイカッタに用いられる前記刃物取付台において、
ナイフシリンダの外周面に装着された時ナイフシリンダの外壁に穿設された複数の第1の貫通孔と対面する位置に穿設された第2の貫通孔と、該第1の貫通孔に装着された第2の押出し部材と突き合わせ可能に該第2の貫通孔に装着された第2の押出し部材と、を備え、該第2の押出し部材で前記打抜き屑を打抜き刃から押し出すように構成したものである。
【0028】
本発明の刃物取付台は、刃物取付台に穿設された第2の貫通孔に予め第2の押出し部材が装着されているため、第2の押出し部材の挿入及び取外し作業を削減でき、刃物取付台の着脱時間を大幅に低減できる。
【0029】
本発明の刃物取付台において、一端が刃物取付台本体の表面に回動可能に軸支され、他端が前記打抜き刃に穿設された開孔を介して打抜き刃の内部に挿入され該挿入端で打抜き屑を押出すように構成された押出しレバーを第2の押出し部材の外側端に固設し、該開孔の開口幅で第2の押出し部材の移動ストロークを規制するように構成するとよい。
これによって、第2の押出し部材の構成を簡素化できると共に、押出しレバーの軸支点から挿入端までの距離と、該軸支点から第2の押出し部材の取付位置までの距離を調節することによって、第2の押出し部材によって押出しレバーに付加される押出力及び押出しレバー挿入端の押出しストロークを調節できる。
【0030】
また、本発明の刃物取付台において、打抜き刃で囲まれる領域に打抜き屑を保持する保持刃を設け、該保持刃に穿設された開孔に挿入される鍔部を第2の押出し部材の外側端に固設し、該開孔の開口幅で第2の押出し部材の移動ストロークを規制するように構成するとよい。
これによって、保持刃に設けた開孔を利用して押出しレバー挿入端の突出位置を規制できるので、独立した規制手段を設ける必要がなく、押出し機構の構成を簡素化できる。
【発明の効果】
【0031】
本発明のロータリダイカッタの打抜き屑除去装置によれば、ナイフシリンダをアンビルシリンダに対設し、該ナイフシリンダの外周面に打抜き刃を装着した円弧状断面の刃物取付台を装着し、被加工シートをナイフシリンダとアンビルシリンダ間を通して打抜き加工を行い、該打抜き刃に残留した打抜き屑を該打抜き刃の内側から外方へ押し出す押出し部材を備えたロータリダイカッタの打抜き屑除去装置において、ナイフシリンダの外壁に穿設された複数の第1の貫通孔に夫々第1の押出し部材を移動自在に装着し、前記刃物取付台の第1の貫通孔と対面する位置に穿設された第2の貫通孔に第2の押出し部材を移動自在に装着し、第2の押出し部材を第1の押出し部材と突き合せ可能にし、ナイフシリンダの内部に打抜き屑の押出し時に第1の押出し部材を外方に押し出す押出し装置を設け、該押出し装置で押し出される第2の押出し部材で前記打抜き屑を打抜き刃から押し出すようにし、第1の押出し部材の外側端が常にナイフシリンダの外周面より外方に突出しないように、第1の押出し部材の移動ストロークを規制してなり、第1の押出し部材をナイフシリンダに穿設された第1の貫通孔に予め装着すると共に、第2の押出し部材を刃物取付台に穿設された第1の貫通孔に予め装着しておくことができるので、刃物取付台の着脱に要する時間の内、第1及び第2の押し出し部材の挿入及び取外し作業を削減でき、刃物取付台の着脱時間を大幅に低減できる。
【0032】
また、第1の押出し部材の外側端が常にナイフシリンダの外周面より外方に突出しないように、第1の押出し部材の移動ストロークを規制しているので、刃物取付台の着脱時に、第1の押出し部材が刃物取付台の内周面に当らないため、着脱作業のじゃまにならない。
【0033】
また、本発明の刃物取付台は、ナイフシリンダをアンビルシリンダに対設し、該ナイフシリンダの外周面に打抜き刃を装着した円弧状の刃物取付台を装着し、被加工シートをナイフシリンダとアンビルシリンダ間を通して打抜き加工を行い、該打抜き刃に残留した打抜き屑に該打抜き刃の内側から外方へ押し出す押出し部材を備えたロータリダイカッタに用いられる前記刃物取付台において、ナイフシリンダの外周面に装着された時ナイフシリンダの外壁に穿設された複数の第1の貫通孔と対面する位置に穿設された第2の貫通孔と、該第1の貫通孔に装着された第2の押出し部材と突き合わせ可能に該第2の貫通孔に装着された第2の押出し部材と、を備え、該第2の押出し部材で前記打抜き屑を打抜き刃から押し出すように構成したことにより、刃物取付台に穿設された第1の貫通孔に予め第2の押出し部材を装着しておくことができるため、第2の押出し部材の挿入及び取外し作業を削減でき、刃物取付台の着脱時間を大幅に低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明装置の第1実施形態の縦断正面図である。
【図2】本発明装置の第2実施形態の縦断正面図である。
【図3】本発明装置の第3実施形態の縦断正面図である。
【図4】本発明装置の第4実施形態の斜視図である。
【図5】本発明装置の第5実施形態の縦断正面図である。
【図6】従来のロータリダイカッタの横断側面図である。
【図7】図6のロータリダイカッタの一部拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下、本発明を図に示した実施形態を用いて詳細に説明する。但し、この実施形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは特に特定的な記載がない限り、この発明をそれのみに限定する趣旨ではない。
【0036】
(実施形態1)
本発明の第1の実施形態を図1に基づいて説明する。図1は、本実施形態のナイフシリンダの一部縦断面を示す。図1において、ナイフシリンダ10の外周面10aに、円弧状をなし木製の刃物取付台12が図示省略の取付けボルト等の手段で被覆されている。中空のナイフシリンダ10の内部には、ナイフシリンダ10の長手軸方向と平行に偏芯シリンダ14が配置されている。偏芯シリンダ14は、ナイフシリンダ10の回転中心に対して偏芯位置に回転中心をもち、ナイフシリンダ10の回転によって偏芯シリンダ14がナイフシリンダ10の半径方向へ押し出される。そして、偏芯シリンダ14によって後述する第1の押出し棒18が半径方向外方に押し出される。
【0037】
ナイフシリンダ10には、その外周面10aの略全領域に設定された間隔で多数の第1の貫通孔16が穿設されている。そして実質的に全部の第1の貫通孔16に第1の押出し棒18が予め装着されている。第1の貫通孔16は、例えば50mm間隔で設けられ、各種形状の刃物取付台に対応可能になっている。第1の押出し棒18は、円筒形状をなし、上部の小径部20と下部の大径部22とで構成されている。大径部22は第1の貫通孔16に遊嵌され、第1の押出し棒18は第1の貫通孔16内を上下に移動自在である。なお、第1の押出し棒18は、前述の自己潤滑性樹脂(例えばキャストナイロン)で構成されている。
【0038】
第1の貫通孔16の外側開口端には、円筒形状のネジ止め24が設けられている。ネジ止め24は、中央に第1の押出し棒18の小径部20が移動自在な貫通孔24aが設けられ、ネジ止め24の外周面は段差26を有し、大径部はネジ切りされ、第1の貫通孔16に形成されたネジ孔に螺着している。ネジ止め24に大径部22を係止させることによって、第1の押出し棒18が第1の貫通孔16の外側開口から抜け出すのを防止している。
【0039】
刃物取付台12には、打抜き刃28が埋設されている。打抜き刃28は、囲い込み形状をなし、設定された打抜き領域rを形成している。打抜き刃28によって、図示省略のアンビルシリンダとナイフシリンダ10間に搬送されてきた段ボールシート等の被加工シートの打抜き加工を行なう。刃物取付台12の外周面12aには、押出しレバー30が設けられている。押出しレバー30は、外周面12aに取り付けられた支軸32に揺動可能に軸支されている。押出しレバー30の他端は、打抜き刃28に穿設された開孔28aから領域rに挿入され、外方に反った形状をなしている。
【0040】
刃物取付台12には、第1の貫通孔16の外側開口に対面する位置に半径方向に向けて多数の第2の貫通孔34が穿設されている。押出しレバー30の裏面には、第2の貫通孔34に挿入される第2の押出し棒36が固着されている。また、押出しレバー30の裏面には、コイルバネ38が取り付けられ、コイルバネ38は、刃物取付台12の外周面12aに刻設された円筒形状の凹部40に収容されている。コイルバネ38の弾性力によって、刃物取付台12の着脱時(無負荷時)に、押出しレバー30が開孔28aの上縁に当り、押出しレバー30の挿入端42が打抜き刃28の先端より若干上方に出るように構成されている。これによって、刃物取付台取付け時に第2の押出し棒36が邪魔にならないようにしている。
【0041】
偏芯シリンダ14は、例えば偏芯シリンダ14の中心軸をナイフシリンダ10の中心軸から上下方向に10mmずらすことにより、偏芯シリンダ14の偏芯ストロークを20mmにすることができる。第1の押出し棒18の内側端18bは常に偏芯シリンダ14の外周面に接し、第1の押出し棒18の外側端18aが、偏芯シリンダ14による押出しにもかかわらず常にナイフシリンダ10の外周面10aより外側に出ないように構成されている。
【0042】
かかる構成において、図1の(A)は刃物取付台12の着脱時を示し、(B)は打抜き加工時を示し、(C)は打抜き屑押出し時を示す。図1(B)に示すように、図示省略のアンビルシリンダとナイフシリンダ10によって被加工シートの打抜き加工が行なわれる。打抜き加工後、打抜き刃28の内側領域rに打抜き屑aが打抜き刃28に挟持された状態で残留する。コイルばね38の弾性力は、打抜き刃28に挟持された打抜き屑aが打抜き刃28から押し出されない程度とする。
【0043】
図1(C)に示すように、打抜き加工後、ナイフシリンダ10が回転して偏芯シリンダ14が外側へ押し出され、偏芯シリンダ14が第1の押出し棒18を上昇させる。そして、第1の押出し棒18の外側端18aが第2の押出し棒36の内側端36aに当接して、第2の押出し棒36が刃物取付台12の外側方向に押し出される。
これによって、押出しレバー30が刃物取付台12の外側方向に押し出され、挿入端42によって打抜き屑aが打抜き刃28から押し出される。
【0044】
本実施形態によれば、予め略全部の第1の貫通孔16に第1の押出し棒18が装着されており、また刃物取付台12に穿設された第2の貫通孔34にも第2の押出し棒36が予め装着されているので、刃物取付台12の着脱時にこれら第1及び第2の押出し棒18及び36の取付け又は取り外し作業を要しない。従って、刃物取付台12の着脱作業に要する時間を大幅に低減できる。
【0045】
また、第1の押出し棒18の外側端18aが常にナイフシリンダ10の外周面10aより外方へ突出しないようにしてあるので、刃物取付台12の着脱時に邪魔にならない。
また、押出しレバー30を用い、かつ押出しレバー30の挿入端42の位置を打抜き刃28に穿設された開孔28aの開口幅で規制しているので、打抜き屑押出機構の構成を簡素化できる。
また、第1の貫通孔16の外側開口にネジ止め24を設け、ネジ止め24によって第1の押出し棒18の大径部22を係止可能に構成しているので、第1の押出し棒18の抜けを確実に防止できる。
【0046】
また、第1の押出し棒18の内側端18bを大径部22としているので、偏芯シリンダ14から受ける単位面積当りの荷重を低減でき、そのため、該内側端18bの摩耗を低減できる。さらに、第1の押出し棒18を自己潤滑性樹脂で構成しているので、第1の押出し棒18の内側端18b及び外側端18aの摩耗を従来と比べて大幅に低減できる。
【0047】
なお、偏芯シリンダ14のナイフシリンダ10の回転中心に対する偏芯量を低減することにより、第1の押出し棒18の内側端18bの摩耗を低減するようにしてもよい。
【0048】
(実施形態2)
次に、本発明の第2実施形態を図2により説明する。本実施形態は前記第1実施形態の変形例である。図2において、図1と同一符号を付している部材又は機器は同一構成を有するので、ここでは説明を省略する。図中、第1の押出し棒18は中央部に他の円筒部分より拡径された円筒断面をなす鍔部44が形成されている。一方、第1の貫通孔16の内側開口に縮径部46が形成され、鍔部44が下降すると、縮径部46で係止する。この係止位置で第1の押出し棒18の移動ストロークの内側端が規制されている。
【0049】
そして、ネジ止め26の下端部と鍔部44間に第1の押出し棒18を囲むようにコイルバネ48が配設されている。コイルバネ48は、鍔部44を偏芯シリンダ14側へ押圧する弾性力を付与している。従って、偏芯シリンダ14による打抜き屑aの押し出し時以外は、第1の押出し棒18は縮径部46に係止している。
本実施形態に係る打抜き屑除去装置の作動手順は、図1(A)〜(C)に示す前記第1実施形態と同一である。
【0050】
本実施形態によれば、前記第1実施形態が得られる作用効果に加えて、コイルバネ48の弾性力によって、打抜き屑aの押出し時以外は、鍔部44を常に縮径部46に押し当てているので、偏芯シリンダ14の動きを確実に押出しレバー30に伝達できる。
【0051】
(実施形態3)
次に、本発明の第3実施形態を図3に基づいて説明する。図3において、図1と同一構成及び機能の部材又は機器には同一符号を付しており、これらの説明を省略する。図中、打抜き刃28の内側領域rに、打抜き加工後残留した打抜き屑aを保持するための保持刃50が設けられている。また、第2の押出し棒36の外側端には、下部に拡径された鍔部52aが一体形成された帽子形状の押出し体52が固着されている。保持刃50には、開孔50aが穿設され、鍔部52aが開孔50aの内部に挿入されている。
【0052】
第2の貫通孔34は、外側の大径部と内側の小径部からなり、中央に段差部54が形成されている。そして、段差部54と押出し体52の下面間に挿入され第2の押出し棒36を巻回するコイルバネ56が装着されている。本実施形態では、刃物取付台12の着脱時に、第1の押出し棒18の外側端18aがナイフシリンダ10の外周面10aから常に外方へ突出しないように、小径部20及び大径部22の軸方向長さが調整されている。
本実施形態では、押出し体52、コイルバネ56及び保持刃50を設ける代わりに、第1実施形態の押出しレバー30、コイルばね38をなくしている。本実施形態において、その他の構成は第1実施形態と同一である。
【0053】
かかる構成において、図3の(A)は刃物取付台12の着脱時を示し、(B)は打抜き加工時を示し、(C)は打抜き屑押出し時を示す。
打抜き屑aの押出し時に、偏芯シリンダ14の動きにより、第1の押出し棒18及び第2の押出し棒36を介して押出し体52が外側に押し出される。押出し体52の上昇により保持刃50による保持力に抗して、打抜き屑aを保持刃50から押し出す。押出し体52は、鍔部52aが開孔50aの上縁に当ることによって移動ストロークが規制されている。
【0054】
本実施形態によれば、保持刃50を設けて、打抜き屑aの保持力を増大させることができると共に、打抜き刃28の内部に残留した打抜き屑aを押し出す押出し体52の移動ストロークを保持刃50に穿設された開孔50aの開口幅で規制するようにしているので、打抜き屑aの押出装置を簡素化できる。
また、刃物取付台12の着脱時に、第1の押出し棒18の外側端18aがナイフシリンダ10の外周面10aから外方へ突出しないので、刃物取付台12の着脱作業の邪魔にならない。
【0055】
また、第1実施形態と同様に、刃物取付台12の着脱作業時に第1押出し棒18及び第2の押出し棒36の着脱作業を要しないので、刃物取付台12の着脱時間を大幅に節減できると共に、第1の押出し棒18の内側端18b及び外側端18a並びに第2の押出し棒36の内側端36aの摩耗を低減できる。
なお、本実施形態の変形例として、図2に示す変形例を適用できる。
【0056】
(実施形態4)
次に、本発明の別な実施形態を図4により説明する。本実施形態は第1の押出し棒18の変形例である。図4(a)は、円筒状の第1の押出し棒60の外側端を球面形状60aとしたものであり、これによって第1の押出し部材との接触時に引っ掛かりを無くし、第2の押出し棒36との突き合わせ時の摩耗を低減できるようにしたものである。
図4(b)は、別な変形例であり、第1の押出し棒62の先端にテーパ状(円錐状)の面取り部62aを形成することにより、第1の押出し部材との引っ掛かりを無くすようにしたものであり、第1の押出し部材との突き合わせ時の摩耗を低減できるようにしたものである。
【0057】
図4(c)は、さらに別な変形例であり、第1の押出し棒64の外側端をテーパ状の面取り部64aを形成し、さらに面取り部64aの先端に凹部を形成し、該凹部に球状の対摩耗性材料からなるボール66を回転可能に嵌合させたものである。これによって、第1の押出し棒64と第2の押出し棒36との突き合わせ時に、ボール66が回転することによって、第1の押出し棒64と第2の押出し部材との引っ掛かりを無くし、かつ第1の押出し棒64の外側端の摩擦を低減できる。
なお、第1の押出し棒18の内側端又は第2の押出し部材の外側端に図4(a)〜(c)の各変形例を適用することによって、第1の押出し棒18の内側端又は第2の押出し部材の外側端の摩耗を低減できる。
【0058】
(実施形態5)
図5は、第1の貫通孔16に挿入された第1の押出し棒68の別な抜け止め防止手段を示す。図5において、第1の貫通孔16の外側開口に縮径部70を設ける。一方、円筒形状の第1の押出し棒68の下端部付近に、第1の押出し棒68の外径より小さい内径をもつゴムリング72を拡径させた状態で嵌合させる。ゴムリング72はそれ自体の弾性力によって円筒状の第1の押出し棒68に固く締め付け固定される。
ゴムリング72の外径は第1の貫通孔16の内径より小さく、第1の押出し棒68は第1の貫通孔16の内部で移動自在である。また、ゴムリング72の外径は縮径部70の開口より大であるので、第2の押出し棒68が縮径部70から外部に抜け出ることはない。このように、第1の押出し棒68の抜け止めを簡単な手段で防止できる。
【0059】
なお、図1〜図3に示す第1〜第3実施形態では、第1の押出し棒16及び第2の押出し部材36を自己潤滑性樹脂で構成することにより、その摩耗を低減しているが、これらを他の耐摩耗性材料で構成してもよい。
例えば、キャストナイロン(三ッ星ベルト株式会社商品名)等のナイロン樹脂、ジュラコン(ポリプラスチック株式会社商品名)等の耐摩耗性樹脂、りん青銅合金鋳物等の銅合金、炭素系材料、鋳鉄等の鉄系材料等を使用できる。
【産業上の利用可能性】
【0060】
本発明によれば、ロータリダイカッタの打抜き加工に用いられる刃物取付台の着脱時間を大幅に低減できると共に、押出し装置の押し出し動作により打抜き屑を除去する押出し部材の摩耗を低減できる。
【符号の説明】
【0061】
10 ナイフシリンダ
10a ナイフシリンダ外周面
12 刃物取付台
12a 刃物取付台外周面
14 偏芯シリンダ(押出し装置)
16 第1の貫通孔
18,60,62,64,68 第1の押出し棒
18a 外側端
18b 内側端
28 打抜き刃
28a 打抜き刃開孔
30 押出しレバー
34 第2の貫通孔
36 第2の押出し棒
36a 内側端
38,48、56 コイルバネ
42 挿入端
44 鍔部
46,70 縮径部
50 保持刃
50a 保持刃開孔
52 押出し体
60a 球面形状
62a 面取り部(円錐形状)
66 ボール(摩擦低減用回転体)
72 ゴムリング(保持装置)
100 ロータリダイカッタ
102 アンビルシリンダ
S 被加工シート
a 打抜き屑

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ナイフシリンダをアンビルシリンダに対設し、該ナイフシリンダの外周面に打抜き刃を装着した円弧状断面の刃物取付台を装着し、被加工シートをナイフシリンダとアンビルシリンダ間を通して打抜き加工を行い、
該打抜き刃に残留した打抜き屑を該打抜き刃の内側から外方へ押し出す押出し部材を備えたロータリダイカッタの打抜き屑除去装置において、
ナイフシリンダの外壁に穿設された複数の第1の貫通孔に夫々第1の押出し部材を移動自在に装着し、
前記刃物取付台の第1の貫通孔と対面する位置に穿設された第2の貫通孔に第2の押出し部材を移動自在に装着し、第2の押出し部材を第1の押出し部材と突き合せ可能にし、
ナイフシリンダの内部に打抜き屑の押出し時に第1の押出し部材を外方に押し出す押出し装置を設け、
該押出し装置で押し出される第2の押出し部材で前記打抜き屑を打抜き刃から押し出すようにし、
第1の押出し部材の外側端が常にナイフシリンダの外周面より外方に突出しないように、第1の押出し部材の移動ストロークを規制してなることを特徴とするロータリダイカッタの打抜き屑除去装置。
【請求項2】
一端が刃物取付台の表面に回動可能に軸支され、他端が打抜き刃に穿設された開孔を介して打抜き刃の内部に挿入され該挿入端で打抜き屑を押出すように構成された押出しレバーを第2の押出し部材の外側端に固設し、
該開孔の開口幅で第2の押出し部材の移動ストロークを規制するように構成したことを特徴とする請求項1に記載のロータリダイカッタの打抜き屑除去装置。
【請求項3】
前記打抜き刃で囲まれる領域に打抜き屑を保持する保持刃を設け、該保持刃に穿設された開孔に挿入される鍔部を第2の押出し部材の外側端に取り付け、
該開孔の開口幅で第2の押出し部材の移動ストロークを規制するように構成したことを特徴とする請求項1に記載のロータリダイカッタの打抜き屑除去装置。
【請求項4】
前記第1の押出し部材に対しナイフシリンダの中心側に弾性力を付勢するバネ部材を設け、常に第1の押出し部材を移動ストロークの内側端に保持するように構成したことを特徴とする請求項1〜3のいずれかの項に記載のロータリダイカッタの打抜き屑除去装置。
【請求項5】
第1の押出し部材の前記押出し装置に接する内側端、又は互いに接する第1の押出し部材の外側端若しくは第2の押出し部材の内側端の少なくとも一方を無給油潤滑性の樹脂又は耐摩耗性材料で構成したことを特徴とする請求項1〜3のいずれかの項に記載のロータリダイカッタの打抜き屑除去装置。
【請求項6】
第1の押出し部材と前記押出し装置との間、又は互いに接する第1の押出し部材の外側端と第2の押出し部材の内側端との間に摩擦低減用回転体を介在させたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかの項に記載のロータリダイカッタの打抜き屑除去装置。
【請求項7】
第1の押出し部材の内側端が前記押出し装置と接する面積を増大させることにより、該内側端に加わる単位面積当りの負荷を軽減し、該内側端の摩耗量を低減するように構成したことを特徴とする請求項1〜3のいずれかの項に記載のロータリダイカッタの打抜き屑除去装置。
【請求項8】
前記押出し装置が、前記ナイフシリンダと共に回転し、該ナイフシリンダの回転中心に対して偏芯した回転中心をもち外周面が円筒状の偏芯回転体であるか、又はナイフシリンダの回転中心にカム軸を有するカムであり、該偏芯回転体又はカムで第1の押出し部材をナイフシリンダ側に押し出すように構成し、
該偏芯回転体のナイフシリンダ中心に対する偏心量又は該カムによる押出し量を低減することにより、第1の押出し部材の内側端の摩耗を低減するように構成したことを特徴とする請求項1〜3のいずれかの項に記載のロータリダイカッタの打抜き屑除去装置。
【請求項9】
第1の押出し部材の内側端又は外側端を球面形状又は円錐形状としたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかの項に記載のロータリダイカッタの打抜き屑除去装置。
【請求項10】
第1の押出し部材を第1の貫通孔に移動自在に保持する保持装置を設けたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかの項に記載のロータリダイカッタの打抜き屑除去装置。
【請求項11】
ナイフシリンダをアンビルシリンダに対設し、該ナイフシリンダの外周面に打抜き刃を装着した円弧状の刃物取付台を装着し、被加工シートをナイフシリンダとアンビルシリンダ間を通して打抜き加工を行い、
該打抜き刃に残留した打抜き屑に該打抜き刃の内側から外方へ押し出す押出し部材を備えたロータリダイカッタに用いられる前記刃物取付台において、
ナイフシリンダの外周面に装着された時ナイフシリンダの外壁に穿設された複数の第1の貫通孔と対面する位置に穿設された第2の貫通孔と、該第1の貫通孔に装着された第2の押出し部材と突き合わせ可能に該第2の貫通孔に装着された第2の押出し部材と、を備え、該第2の押出し部材で前記打抜き屑を打抜き刃から押し出すように構成したことを特徴とするロータリダイカッタの刃物取付台。
【請求項12】
一端が刃物取付台本体の表面に回動可能に軸支され、他端が前記打抜き刃に穿設された開孔を介して打抜き刃の内部に挿入され該挿入端で打抜き屑を押出すように構成された押出しレバーを第2の押出し部材の外側端に固設し、
該開孔の開口幅で第2の押出し部材の移動ストロークを規制するように構成したことを特徴とする請求項11に記載のロータリダイカッタの刃物取付台。
【請求項13】
前記打抜き刃で囲まれる領域に打抜き屑を保持する保持刃を設け、該保持刃に穿設された開孔に挿入される鍔部を第2の押出し部材の外側端に固設し、
該開孔の開口幅で第2の押出し部材の移動ストロークを規制するように構成したことを特徴とする請求項11に記載のロータリダイカッタの刃物取付台。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2011−5602(P2011−5602A)
【公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−152488(P2009−152488)
【出願日】平成21年6月26日(2009.6.26)
【出願人】(310016522)三菱重工印刷紙工機械株式会社 (75)
【Fターム(参考)】