説明

ロールストッカー及びこれを利用した液晶表示装置の製造方法

【課題】ロールストッカーを多段で構成すると共に、上段のロール保管部を左右に移動可能にして、下段のラビングロールを容易に取り出せるようにすることにより、空間の活用度を高めてロールを安定して保管できるロールストッカー及びこれを利用した液晶表示装置の製造方法を提供する。
【解決手段】ロールストッカーは、少なくとも2段で構成され、下段及び下段をベースにしてその上部に設置された上段と、上段及び下段に位置してラビングロールを保管する複数のロール保管部と、上段と下段との間に設置されて上段のロール保管部を移動させる移動手段とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロールストッカー(roll stocker)及びこれを利用した液晶表示装置の製造方法に関し、特に、多様なモデルの母基板に対応し、効率的なロール運用のために十分な数量のラビングロールを保管できるロールストッカー及びこれを利用した液晶表示装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、情報ディスプレイに関する関心が高まり、携帯が可能な情報媒体の利用への要求が高まるにつれて、既存の表示装置であるブラウン管(CRT)を代替する軽量、薄型のフラットパネルディスプレイ(FPD)に関する研究及び商業化が重点的に行われている。特に、このようなフラットパネルディスプレイのうち、液晶表示装置(LCD)は、液晶の光学的異方性を利用して画像を表現する装置であって、解像度、カラー表示、及び画質などに優れており、ノートブックパソコンやデスクトップパソコンのモニタなどに活発に適用されている。
【0003】
一般に、液晶表示装置は、マトリクス状に配列された液晶セルに画像情報によるデータ信号を個別に供給して、前記各液晶セルの光透過率を調節することにより、所望の画像を表示できるようにした表示装置である。
【0004】
以下、一般の液晶表示装置について図6を参照して説明する。
図6は一般の液晶表示装置の構造を概略的に示す分解斜視図である。
図6に示すように、一般の液晶表示装置は、第1基板であるカラーフィルタ基板5と、第2基板であるアレイ基板10と、カラーフィルタ基板5とアレイ基板10との間に形成された液晶層40とから構成される。
【0005】
カラーフィルタ基板5は、赤(R)、緑(G)、青(B)のサブカラーフィルタ7で構成されるカラーフィルタCと、サブカラーフィルタ7を区分し、液晶層40を透過する光を遮断するブラックマトリクス6と、液晶層40に電圧を印加する透明な共通電極8とからなる。
【0006】
アレイ基板10には、縦横に配列されて画素領域Pを定義するゲートライン16とデータライン17とが形成されている。また、ゲートライン16とデータライン17との交差領域には、スイッチング素子である薄膜トランジスタTが形成されており、各画素領域Pには画素電極18が形成されている。
【0007】
画素領域Pは、カラーフィルタ基板5の1つのサブカラーフィルタ7に対応するサブ画素であり、カラー画像は、赤、緑、青の3つのサブカラーフィルタ7が組み合わせられて得られる。すなわち、赤、緑、青の3つのサブ画素が1つの画素をなし、薄膜トランジスタTは、前記赤、緑、青のサブ画素にそれぞれ接続されている。
【0008】
このように構成されたカラーフィルタ基板5及びアレイ基板10には、液晶層40の液晶分子を配向するための配向膜(図示せず)が形成される。
【0009】
図7はロール印刷法を用いた配向膜形成方法を示す図である。
一般に、配向膜の形成においては、図7に示すように、複数のロールを利用した印刷法を用いる。すなわち、円筒状のアニロックスロール22及びドクターロール23が回転することによって、アニロックスロール22とドクターロール23との間に供給された配向液29が、アニロックスロール22全体にわたって均一に塗布される。ここで、配向液29の供給は、注射器型ディスペンサ1により行われる。
【0010】
アニロックスロール22は、表面の所定領域にゴム板25が取り付けられた印刷ロール24に当接して回転し、これにより、アニロックスロール22表面の配向液29がゴム板25に転写される。ゴム板25は、配向液29が塗布される基板26に対応し、基板26には、配向膜を選択的に印刷できるようにマスクパターンが形成されている。
【0011】
基板26が搭載された印刷テーブル27が印刷ロール24に接触して移動することによって、ゴム板25に転写された配向液29が基板26上に再転写されて配向膜が形成される。
【0012】
次に、液晶が一定方向に配列されるように、基板26上に形成された配向膜をラビングすることにより、前記配向膜の表面に一定方向の溝を複数形成する。
【0013】
図8は一般のラビング工程を概略的に示す斜視図である。
図8に示すように、配向膜21の表面に溝36を形成するためにラビング処理を施すが、ラビング工程とは、ラビング布35をロール30に巻いてこれを利用して配向膜21の表面を一定方向にこすることをいう。
【0014】
配向膜21の表面をラビング処理することによって、配向膜21の表面は微細な溝36を有する形状になる。
【0015】
ラビング布35としては、柔らかい繊維の布を使用し、ロール30を含むラビング装置は比較的簡単である。
【0016】
ラビング工程条件の設定において最も基本となることは、適当な強さのラビング条件を設定することと、ラビングの強さを大面積にわたって均一にすることである。ラビングが均一でないと、液晶分子の整列が空間的に一定でないため、局所的に異なる光学特性を示す不良を起こす。
【0017】
また、このようなラビング工程は、ロールという物理的な手段を利用するため、工程の安定度において前記ロールの管理が占める比重が非常に大きい。そこで、十分な数量のラビングロールを確保することにより効率的なロール運用を可能にすることが重要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
しかし、従来は、ラビングロールを保管するための特別な手段がなく、少量のラビングロールを垂直に立てて保管していたため、ロール運用に制約があった。また、液晶表示パネルを製作するための母基板が大型化するにつれて前記ラビングロールの長さも長くなり、垂直に立てて保管するにはクリーンルームの高さに限界があった。
【0019】
本発明は、このような問題を解決するためになされたもので、多様なモデルの母基板に対応し、効率的なロール運用のために十分な数量のラビングロールを多段に保管できるロールストッカー及びこれを利用した液晶表示装置の製造方法を提供することを目的とする。
【0020】
本発明の他の目的は、上段のロール保管部を左右に移動可能にすることにより、下段のラビングロールを容易に取り出すことができるロールストッカー及びこれを利用した液晶表示装置の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0021】
このような目的を達成するために、本発明によるロールストッカーは、少なくとも2段で構成され、下段及び前記下段をベースにしてその上部に設置された上段と、前記上段及び前記下段に位置してラビングロールを保管する複数のロール保管部と、前記上段と前記下段との間に設置されて前記上段のロール保管部を移動させる移動手段とを含むことを特徴とする。
【0022】
また、本発明による液晶表示装置の製造方法は、複数のアレイ基板又は複数のカラーフィルタ基板が配置された母基板を提供する段階と、前記アレイ基板にアレイ工程を行い、前記カラーフィルタ基板にカラーフィルタ工程を行う段階と、前記母基板の表面に配向膜を形成する段階と、ラビング装置を利用して、前記配向膜が形成された母基板にラビングを行う段階と、ラビングロールの変更又は交換が必要になった場合、少なくとも2段で構成され、下段及び前記下段をベースにしてその上部に設置された上段、前記上段及び前記下段に位置してラビングロールを保管する複数のロール保管部、前記上段と前記下段との間に設置されて前記上段のロール保管部を移動させる移動手段を含むロールストッカーから必要なラビングロールを取り出して前記ラビングロールの変更又は交換を行った後、ラビング工程を続行する段階と、前記ラビング工程が終了した一対の母基板を貼り合わせる段階と、前記貼り合わせられた母基板を複数の単位液晶表示パネルに切断する段階とを含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0023】
本発明によるロールストッカー及びこれを利用した液晶表示装置の製造方法は、多様なタイプの十分な数量のラビングロールを保管することにより、効率的なロール運用を可能にし、工程の安定性に寄与できるという効果がある。
【0024】
また、本発明によるロールストッカー及びこれを利用した液晶表示装置の製造方法は、ロールストッカーを多段で構成することにより、クリーンルームの空間を効率的に運営できるという効果がある。
【0025】
さらに、前記ロールストッカーは、上段のロール保管部を左右に移動可能にして、下段のラビングロールを容易に取り出せるようにすることにより、作業者にとってのロールの変更及び交換を容易にするという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の実施形態によるロールストッカーを概略的に示す正面図である。
【図2】本発明の実施形態によるロールストッカーを概略的に示す側面図である。
【図3】本発明による液晶表示パネルの製造方法を順次示すフローチャートである。
【図4】本発明による液晶表示パネルの他の製造方法を順次示すフローチャートである。
【図5】図3及び図4に示す液晶表示パネルの製造方法において、本発明の実施形態による配向膜形成方法を具体的に示すフローチャートである。
【図6】一般の液晶表示装置の構造を概略的に示す分解斜視図である。
【図7】ロール印刷法を用いた配向膜形成方法を示す図である。
【図8】一般のラビング工程を概略的に示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、添付した図面を参照して、本発明によるロールストッカー及びこれを利用した液晶表示装置の製造方法の好ましい実施形態を説明する。
【0028】
図1は本発明の実施形態によるロールストッカーを概略的に示す正面図であり、図2は本発明の実施形態によるロールストッカーを概略的に示す側面図である。
【0029】
図1及び図2に示すように、本発明によるロールストッカー140は、同一空間に多くの数量のラビングロール150を保管するために、複数の上段145Aと複数の下段145Bとの2段で構成される。しかし、本発明は、これに限定されるものではなく、本発明によるロールストッカー140は、3段以上の多段で構成することもできる。
【0030】
ラビングロール150は、上段145A及び下段145Bのロール保管部142に水平に保管され、ロール保管部142内の下部には回転が可能なローラ141が設置されて、保管されたラビングロール150が撓むことを防止する。すなわち、ラビングロール150は、両端部がそれぞれ一対のローラ141の上面にかけられるように保管されるが、これらローラ141を周期的に回転させることにより、保管されたラビングロール150の中心部が下方に撓むことを防止する。
【0031】
前述のように、ラビングロール150が大型化するにつれて、ラビングロール150管理の重要性が高まり、十分な数量のラビングロール150の確保は工程の安定性に寄与するところが非常に大きい。また、他のモデルの液晶表示パネルを製作するための母基板がラビングラインに投入された場合は、前記他のモデルの液晶表示パネルに対応するラビングロール150への交換が必要であり、これにより、多様なモデルに対応する十分な数量のラビングロール150の確保はラビング工程に必須の要件である。
【0032】
従って、本実施形態のように、多段のロール保管部142に多様なタイプの十分な数量のラビングロール150を保管することにより、効率的なロール運用を可能にし、工程の安定性に大きく寄与できる。
【0033】
本実施形態のロールストッカー140は、下段145Bのロール保管部142をベースにして上段145Aを設置することにより、同一空間のクリーンルームをより効果的に使用できると共に、その重さが相対的に軽いため、ラビングロール150のサイズが増加してもロールストッカー140自体の移動が容易であるという利点がある。
【0034】
このように構成されたロールストッカー140において、作業者Wは、ラビングに必要な所定のラビングロール150を、ラビングロール150が保管されたロール保管部142から垂直方向に取り出す。例えば、2人の作業者Wが所定のラビングロール150が保管されたロール保管部142に移動し、所定のラビングロール150の両端部を把持して垂直方向に持ち上げる方式で取り出す。
【0035】
ここで、必要な所定のラビングロール150が下段145Bのロール保管部142に保管されている場合は、所定のラビングロール150を取り出すために、所定のラビングロール150の上部に位置する上段145Aのロール保管部142を移動させなければならない。
【0036】
本実施形態のロールストッカー140においては、下段145Bのロール保管部142の上部にレール143などの移動手段を設置し、上段145Aはロール保管部142が位置しない空いた空間を有するように構成して、上段145Aのロール保管部142を左右の所定領域に移動可能にすることにより、上段145Aのロール保管部142を左右の空いた空間に移動させた後、取り出そうとする下段145Bのラビングロール150を上方に取り出す。
【0037】
以下、このように構成されたロールストッカーを利用した液晶表示装置の製造方法について図3及び図4を参照して説明する。
【0038】
図3は本発明による液晶表示パネルの製造方法を順次示すフローチャートであり、図4は本発明による液晶表示パネルの他の製造方法を順次示すフローチャートであって、図3は液晶注入方式で液晶層を形成する場合の液晶表示パネルの製造方法を示し、図4は液晶滴下方式で液晶層を形成する場合の液晶表示パネルの製造方法を示す。
【0039】
液晶表示装置の製造工程は、下部のアレイ基板に駆動素子を形成するアレイ工程と、上部のカラーフィルタ基板にカラーフィルタを形成するカラーフィルタ工程と、セル工程とに分けられる。
【0040】
まず、アレイ工程により、下部基板に配列されて画素領域を定義する複数のゲートライン及びデータラインを形成し、前記画素領域のそれぞれに前記ゲートライン及びデータラインに接続される駆動素子である薄膜トランジスタを形成する(S101)。また、前記アレイ工程により、前記薄膜トランジスタに接続されて、前記薄膜トランジスタを介して信号が供給されることによって液晶層を駆動する画素電極を形成する。
【0041】
また、カラーフィルタ工程により、上部基板に、カラーを実現する赤、緑、青のサブカラーフィルタで構成されるカラーフィルタ層及び共通電極を形成する(S103)。
【0042】
次に、前記上部基板及び前記下部基板にそれぞれ配向膜を印刷した後、前記上部基板と前記下部基板との間に形成される液晶層の液晶分子に配向規制力又は表面固定力(すなわち、プレチルト角と配向方向)を提供するために、前記配向膜を配向処理する(S102、S104)。ここで、前記配向処理方法としては、ラビング又は光配向の方法を適用できる。
【0043】
液晶表示パネルのモデルが変更されて他のタイプのラビングロールへの変更が必要であるか、又はラビングロールの摩耗などにより新しいラビングロールへの交換が必要な場合は、前述したロールストッカーに保管された必要なラビングロールを取り出してラビングロールの変更又は交換を行った後にラビング工程を続行するが、これについて図5を参照して説明する。
【0044】
図5は図3及び図4に示す液晶表示パネルの製造方法において、本発明の実施形態による配向膜形成方法を具体的に示すフローチャートである。
【0045】
液晶表示パネルは、液晶の電気光学効果を利用するものであり、この電気光学効果は液晶自体の異方性と液晶の分子配列状態によって決定されるので、液晶の分子配列の制御は液晶表示パネルの表示品質の安定化に大きな影響を及ぼす。
【0046】
従って、液晶分子をより効果的に配向させるための配向膜形成工程は、液晶セル工程において画質特性に関連して非常に重要である。
【0047】
まず、前記カラーフィルタ工程により製作された上部基板、及び前記アレイ工程により製作された下部基板にそれぞれ配向膜を印刷した後、前記上部基板と前記下部基板との間に形成される液晶層の液晶分子に配向規制力又は表面固定力を提供するために、前記配向膜をラビング処理する(S201、S202)。
【0048】
ここで、ラビング工程とは、液晶が一定方向に配列されるように、ラビング布により配向膜を一定方向に配列する工程をいう。
【0049】
前記配向膜の表面をラビング処理することによって、前記配向膜の表面は微細な溝を有する形状になる。
【0050】
前記ラビング布としては、柔らかい繊維の布を使用し、ラビング工程条件の設定において最も基本となることは、適当な強さのラビング条件を設定することと、ラビングの強さを大面積にわたって均一にすることである。
【0051】
ここで、縦糸と横糸が細かく交差して形成される前記ラビング布の表面には、多数の基板の表面をラビング処理している間に、これら基板に形成されているパターンや異物により不良が発生することがある。
【0052】
前記ラビング布の表面に不良が発生してラビングが均一でなくなると、液晶分子の整列が空間的に一定でないため、局所的に異なる光学特性を示す不良を起こす。
【0053】
このように、前記ラビング工程中にラビングロールの摩耗などにより新しいラビングロールへの交換が必要であるか、又は液晶表示パネルのモデルが変更されて他のタイプのラビングロールへの変更が必要な場合は、本発明によるロールストッカーから必要なラビングロールを取り出してラビングロールの交換又は変更を行った後、ラビング工程を続行する(S206)。
【0054】
前述のように、前記ロールストッカーから必要な所定のラビングロールを取り出すに際して、前記所定のラビングロールが前記ロールストッカーの上段に位置すると、作業者は前記所定のラビングロールが保管されたロール保管部に移動し、前記所定のラビングロールの両端部を把持して垂直方向に持ち上げて取り出し(S203)、前記所定のラビングロールが前記ロールストッカーの下段に位置すると、作業者は前記所定のラビングロールの上部に位置する上段のロール保管部を左右の空いた空間に移動させた後、取り出そうとする下段のラビングロールを上方に持ち上げて取り出す(S204、S205)。
【0055】
このような方式でラビング工程を終了した上部基板及び下部基板は、図3及び図4に示すように、配向膜検査装置により配向膜不良の有無を検査する(S105)。
【0056】
ここで、前記配向膜検査装置としてスチーム検査器を使用できるが、以下、前記スチーム検査器について説明する。
【0057】
本実施形態のスチーム検査器は、その内部に水蒸気発生装置を備えており、前記水蒸気発生装置に母基板の配向膜が形成されている面を露出させて水蒸気を結露させた後、観測装置により色変化、明暗差、又は水滴の発生などのバラツキを観察することにより、配向膜の均一性を検査する。このように、本実施形態のスチーム検査器は、検査工程が簡単で検査が行われる基板を損傷せず、工程効率を向上させる。
【0058】
前記スチーム検査器を利用した配向膜検査は次のような順序で行われる。
【0059】
まず、配向膜が形成された母基板を水蒸気発生装置上に位置させる。このとき、前記母基板は、水蒸気の結露及びその観察を容易にするために、前記水蒸気発生装置に向かって所定の角度、例えば、約40〜50°の角度で傾斜して設置する。
【0060】
次に、前記水蒸気発生装置で蒸留水を所定の温度、例えば、約80〜100℃の温度に加熱して水蒸気を発生させて、前記母基板の配向膜に水蒸気を結露させる。
【0061】
このように、前記水蒸気が結露した配向膜の反対側で肉眼や観測装置、例えば、カメラ装置などで、前記配向膜の色変化、明暗差、又は水滴の発生などのバラツキを観察することにより、配向膜の均一性を検査する。
【0062】
前記配向膜検査では配向膜の微細な欠陥や不純物による汚染も検査することができ、前記配向膜検査は、前述のようにラビング工程後に行うこともでき、ラビング工程前に行うこともできる。
【0063】
このような配向膜検査を終了した前記下部基板に、図3に示すように、セルギャップを一定に維持するためのスペーサを形成し、前記上部基板の外郭部に、シール材を塗布した後、前記下部基板と前記上部基板とを加圧して貼り合わせる(S106、S107、S108)。ここで、前記スペーサは、散布方式による球状スペーサであってもよく、パターニングによる柱状スペーサであってもよい。
【0064】
一方、前記下部基板及び前記上部基板は、大面積の母基板からなる。つまり、大面積の母基板に複数のパネル領域が形成され、前記パネル領域のそれぞれに駆動素子である薄膜トランジスタ及びカラーフィルタ層が形成されるため、個々の液晶表示パネルを製作するためには、前記母基板を切断、加工しなければならない(S109)。その後、前記加工された個々の液晶表示パネルに液晶注入口から液晶を注入し、前記液晶注入口を封止して液晶層を形成した後、それぞれの液晶表示パネルを検査することにより、液晶表示パネルを製作する(S110、S111)。
【0065】
ここで、前記液晶の注入のためには、圧力差を利用した真空注入方式を用いるが、前記真空注入方式は、所定の真空に設定されたチャンバ内で、大面積の母基板から分離された単位液晶表示パネルの液晶注入口を液晶が充填された容器に浸液した後、真空度を変化させることにより、前記液晶表示パネルの内部と外部との圧力差により前記液晶表示パネルの内部に液晶を注入する方式であり、このように液晶が液晶表示パネルの内部に充填されると、液晶注入口を密封して液晶表示パネルの液晶層を形成する。従って、前記液晶表示パネルに真空注入方式により液晶層を形成する場合は、シールパターンの一部が開放されるように形成して、液晶注入口の機能を持たせる。
【0066】
しかし、このような真空注入方式には次のような問題があった。
【0067】
第1に、液晶表示パネルへの液晶の充填時間が非常に長い。一般に、貼り合わせられた液晶表示パネルは、数百cmの面積に数μm程度のギャップを有するため、圧力差を利用した真空注入方式を適用しても、単位時間当たりの液晶の注入量は非常に少ない。例えば、約15インチの液晶表示パネルを製作する場合、液晶の充填時間が約8時間かかることによって、液晶表示パネルの製作に多くの時間が必要となり、生産性が低下するという問題があった。また、液晶表示パネルが大型化するほど、液晶の充填時間がさらに長くなり、液晶の充填不良が発生して、結果的に液晶表示パネルの大型化に対応できないという問題があった。
【0068】
第2に、液晶の消耗が大きい。一般に、容器に充填された液晶量に比べて実際に液晶表示パネルに注入される液晶量は非常に少なく、液晶が大気や特定ガスに露出するとガスと反応して劣化する。よって、容器に充填された液晶が複数の液晶表示パネルに充填されるとしても、充填後に残留する多量の液晶を廃棄しなければならず、このように高価な液晶が廃棄されることによって、結果的に液晶表示パネルのコストが上昇して、製品の価格競争力を低下させる要因となる。
【0069】
このような真空注入方式の問題を克服するために滴下方式を適用できる。
【0070】
図4に示すように、滴下方式を用いた場合は、配向膜検査(S105)を終了した後、前記カラーフィルタ基板にシール材で所定のシールパターンを形成すると共に、前記アレイ基板に液晶を滴下して液晶層を形成する(S106′、S107′)。
【0071】
前記滴下方式は、ディスペンサを利用して、複数のアレイ基板が配置された大面積の第1母基板、又は複数のカラーフィルタ基板が配置された第2母基板の画像表示領域に液晶を滴下及び分配し、前記第1母基板と前記第2母基板とを貼り合わせる圧力により前記画像表示領域全体に液晶を均一に分布させて液晶層を形成する方式である。
【0072】
従って、前記液晶表示パネルに滴下方式により液晶層を形成する場合は、液晶が画像表示領域の外部に漏洩することを防止できるように、シールパターンを前記画像表示領域の外郭を取り囲む閉鎖された形状に形成する。
【0073】
前記滴下方式は、前記真空注入方式に比べて短い時間に液晶を滴下することができ、前記液晶表示パネルが大型化する場合も液晶層を非常に迅速に形成することができる。
【0074】
また、基板上に必要量の液晶のみ滴下するため、前記真空注入方式のような高価な液晶の廃棄による液晶表示パネルのコスト上昇を防止し、製品の価格競争力を向上させる。
【0075】
その後、前述のように、前記液晶が滴下された下部基板と前記シール材が塗布された上部基板とを整列した状態で加圧して、前記シール材により前記下部基板と前記上部基板とを貼り合わせると共に、滴下された液晶がパネル全体にわたって均一に広がるようにする(S108´)。このような工程により、大面積の母基板(下部基板及び上部基板)には、液晶層が形成された複数の液晶表示パネルが形成され、前記母基板を加工、切断して複数の液晶表示パネルに分離し、それぞれの液晶表示パネルを検査することにより、液晶表示パネルを製作する(S109´、S110´)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも2段で構成され、下段及び前記下段をベースにしてその上部に設置された上段と、
前記上段及び前記下段に位置してラビングロールを保管する複数のロール保管部と、
前記上段と前記下段との間に設置されて前記上段のロール保管部を移動させる移動手段と、
を含むことを特徴とするロールストッカー。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−66941(P2012−66941A)
【公開日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−3156(P2012−3156)
【出願日】平成24年1月11日(2012.1.11)
【分割の表示】特願2006−173493(P2006−173493)の分割
【原出願日】平成18年6月23日(2006.6.23)
【出願人】(501426046)エルジー ディスプレイ カンパニー リミテッド (732)
【Fターム(参考)】