ロール状に巻かれた形状付きフィルム及びその製造方法
【課題】形状を転写したフィルムをロール状に巻かれたまま保管又は輸送する場合の、フィルムの巻き締まりによるフィルム表面の形状の変形を抑制し、フィルムの外観の悪化と光学特性の劣化を防止する。
【解決手段】フィルムの片面又は両面に凸部が形成されており、フィルムの少なくとも両端付近に片面粘着性のテープが貼り付けられている、ロール状に巻かれたフィルム。また、フィルム表面及び/又は裏面に凸部を形成した後、フィルムを巻き取る前に、フィルムの少なくとも両端付近に片面粘着性のテープを貼り付ける工程を行うロール状に巻かれたフィルムの製造方法。
【解決手段】フィルムの片面又は両面に凸部が形成されており、フィルムの少なくとも両端付近に片面粘着性のテープが貼り付けられている、ロール状に巻かれたフィルム。また、フィルム表面及び/又は裏面に凸部を形成した後、フィルムを巻き取る前に、フィルムの少なくとも両端付近に片面粘着性のテープを貼り付ける工程を行うロール状に巻かれたフィルムの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロール状に巻かれた形状付きフィルム、特に変形しやすい形状がフィルム表面に形成されているフィルムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、テレビ等の家電製品、乗用車、携帯電話等のモバイル機器等においては、小型化、軽量化、高機能化が強く要求されており、それらに用いられる各種フィルム部材にも同様に高付加価値が求められている。光学の分野では例えば反射防止のために多層膜を形成したり、光の偏向制御のために形状を形成したフィルムが実現されている。フィルムに形成する形状は、様々な機能を付加するために、形状の複雑化及び微細化が進んでいる。
【0003】
これらのフィルムは量産性に優れているロール状で取り扱われることがほとんどである。通常、フィルムの片面もしくは両面に保護シートを貼り、数百メートルから数千メートルの長さのフィルムをロール状に巻かれたものを、シート等で覆って埃等から保護した状態で、段ボール等に梱包して輸送及び保管される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
形状を転写したフィルムをロール状に巻かれたまま保管又は輸送する場合、フィルムの巻き締まりによって形状が変形してしまい、フィルムの外観が悪くなると共に光学特性が劣化するという問題が発生する場合がある。これは近年のフィルムの高機能化に伴い顕著に現れてきている問題であり、フィルムに形成される形状の複雑化及び微細化が進んだことと深く関係がある。形状の先端が鋭く尖っているものほど、また形状の単位構成要素の体積に対して変形部分の体積の割合が大きいもの(単位構成要素が微細な場合に多い)ほど、また、形状を形成している材料が柔らかいものほど、前述の問題が発生しやすい傾向にある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上記課題を解決するために、ロール状に巻かれた形状付きフィルムの少なくとも両端付近にスペーサーとして片面粘着性のテープを設けたものであり、以下のものに関する。
(1)フィルムの片面又は両面に凸部が形成されており、前記フィルムの少なくとも両端付近に片面粘着性のテープが貼り付けられている、ロール状に巻かれたフィルム。
(2)フィルムの少なくとも片面に保護フィルムが設けられ、前記保護フィルムの両端部に片面粘着性のテープが貼り付けられている(1)に記載のロール状に巻かれたフィルム。
(3)フィルムの片面又は両面に凸部が形成されており、前記フィルムの両端付近及びその他の1ヶ所以上に片面粘着性のテープが貼り付けられており、ロール状に巻かれた前記フィルムにおいて、前記フィルムと共に前記テープの中央付近を切断してスリット加工することで、スリット後の幅の狭い前記フィルムに於いても両端付近にテープが貼られているフィルム。
(4)フィルム表面及び/又は裏面に凸部を形成した後、前記フィルムを巻き取る前に、前記フィルムの少なくとも両端付近に片面粘着性のテープを貼り付ける工程を行うロール状に巻かれたフィルムの製造方法。
【発明の効果】
【0006】
本発明は、ロール状に巻かれた形状付きフィルムの少なくとも両端付近にスペーサーとして片面粘着性のテープが設けられているため、巻き締まりによってフィルム同士に強い外力が加わることなく、フィルム表面の形状の変形が抑えられるかもしくは無いため、フィルムの外観の悪化と光学特性の劣化を防止するものである。
【0007】
本発明は、特にフィルム表面に形状が形成されているフィルムに関するものであり、形状を転写したフィルムをロール状に巻いて保存又は輸送する場合、巻き締まりによって形状が変形し、フィルムの外観が悪くなると共に光学特性が劣化するという問題を解決するものである。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】面光源装置の一例を示す断面概略図である。
【図2】面光源装置に使用する導光板の一例を示す上面図である。
【図3】図2に示した導光板のA−A断面を示す図である。
【図4】面光源装置に使用する導光板の入射面の一例を示す図である。
【図5】面光源装置に使用する導光板の入射面の他の例を示す図である。
【図6】面光源装置に使用する導光板の入射面の他の例を示す図である。
【図7】面光源装置に使用する導光板の入射面の他の例を示す図である。
【図8】面光源装置に使用する導光板の反射素子の一例を示す図である。
【図9】面光源装置に使用する導光板の反射素子の他の例を示す図である。
【図10】面光源装置に使用する導光板内での光の伝播の一例を示す図である。
【図11】面光源装置に使用する導光板の他の例を示す図である。
【図12】面光源装置に使用する光学フィルムを示す図である。
【図13】図12に示した光学フィルムのB−B断面を示す図である。
【図14】図12に示した光学フィルムを用いた面光源装置を示す図である。
【図15】光学フィルムと導光板の配置の一例を示す図である。
【図16】光学フィルムと導光板の配置の他の例を示す図である。
【図17】導光板及び光学フィルム内での光の伝播の一例を示す図である。
【図18】光学フィルムの一例を示す図である。
【図19】図18に示した光学フィルムのC−C断面を示す図である。
【図20】光学フィルムの突起の一例を示す図である。
【図21】光学フィルムの突起の他の例を示す図である。
【図22】面光源装置の出射角度と輝度の関係の一例を示す図である。
【図23】光学フィルムの製造方法の一例を示す図(その1)である。
【図24】光学フィルムの製造方法の一例を示す図(その2)である。
【図25】光学フィルムの偏向素子の一例を示す断面図である。
【図26】本発明に係るフィルムの製造方法の一例を示す図である。
【図27】本発明に係るスペーサーの形成方法を説明する図である。
【図28】本発明に係るフィルムの製造方法の一例を示す図である。
【図29】本発明に係るフィルムの製造方法の一例を示す図である。
【図30】本発明に係るフィルムの製造方法の一例を示す図である。
【図31】本発明に係るスペーサーの形成方法を説明する図である。
【図32】本発明に係るスペーサーの形成方法を説明する図である。
【図33】本発明に係るフィルムのスリット方法を説明する図である。
【図34】ロール状に巻かれたフィルムの外観写真である。
【図35】ロール状に巻かれたフィルムの電子顕微鏡写真である。
【図36】本発明に係るロール状に巻かれたフィルムの外観写真である。
【図37】本発明に係るロール状に巻かれたフィルムの電子顕微鏡写真である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
次に、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、厚みと平面寸法との関係、各層の厚みの比率等は現実のものとは異なる場合がある。したがって、具体的な厚みや寸法は以下の説明を参酌して判断すべきものである。又、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれている。
【0010】
又、以下に示す実施の形態は、この発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、この発明の技術的思想は、構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記のものに特定するものでない。この発明の技術的思想は、特許請求の範囲において、種々の変更を加えることができる。
【0011】
本発明に係るフィルムは、片面又は両面に形状が形成されている。形状としては、突起、プリズムアレイ、梨地等があり、突起としては、半円状、錘状、柱状等があり、プリズムアレイとしては、稜線が直線、曲線、井の字、*の字に交わっているプリズム等がある。
【0012】
フィルム及びフィルムに形成される形状に用いられる材料は、熱可塑樹脂、熱硬化型樹脂、光硬化型樹脂等が利用でき、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリオレフィン(PO)、ポリカーボネート(PC)、アクリル、ウレタンアクリレート、オリゴエステルアクリレート、エポキシアクリレート、シリコンアクリレート、アクリルアクリレート、ポリエステルアクリレート等がある。
【0013】
フィルムに形状を形成する方法としては、熱による型転写、紫外線による光硬化型樹脂の型転写、インクジェット塗布等がある。
【0014】
また、本発明に係るフィルムは、少なくとも両端付近にスペーサーとして片面粘着性のテープが設けられ、ロール状に巻かれている。
【0015】
以下に、より具体的な実施例を示す。
(実施例)
本発明のフィルムとして、面光源装置に用いる光学フィルムを例に説明する。
面光源装置は、図1に示すように、光源10、導光板7、光学フィルム6、拡散フィルム8、リフレクタ9を備える。光源10は、導光板7の入射面に対向して配置される。導光板7は、複数の反射素子14が配置された反射面を有する。反射素子14は、光源10から入射した光を出射面12に向かうように反射する。
【0016】
光学フィルム6は、透光性を有し、ベースフィルム1、偏向素子層2、及び突起層4を備える。ベースフィルム1は、互いに対向する第1主面、及び第2主面を有する。偏向素子層2は、導光板7の出射面12に面するようにベースフィルム1の第1主面に配置される。偏向素子層2は、互いに隣接して一方向に延伸する複数の偏向素子3を有する。偏向素子3は、導光板7の出射面12から光学フィルムに入射する光を偏光し、光学フィルム6の第2主面からほぼ垂直に出射させる。突起層4は、ベースフィルム1の第2主面に配置される。突起層4は、複数の突起5を有する。
【0017】
拡散フィルム8は、光学フィルム6を挟んで導光板7の出射面12と対向する。拡散フィルム8は、所望の視野角特性となるように光学フィルム6から入射した光を拡散させる。リフレクタ9は、導光板7の反射面13に面して配置される。リフレクタ9は、導光板7の反射面から出射した光を導光板7に向かって反射させる。
【0018】
より詳細には、図2及び図3に示すように、導光板7は、略矩形状の一対の主面を有する略板状の形状である。光源10と対向する導光板7の端面を入射面11とする。入射面11に直交する導光板7の一対の主面をそれぞれ反射面13及び出射面12とする。反射面13に配置された複数の反射素子14は、光源10から入射面11を通して入射した光を出射面12に向かうように反射する。
【0019】
光源10として、複数の発光ダイオードが用いられる。図2では、4個の発光ダイオードを用いているが、発光ダイオードの個数は限定されない。また、光源10として、冷陰極管等の蛍光管も利用できるが、面光源装置の薄型化のためには発光面が短い発光ダイオードが望ましい。
【0020】
導光板7の材料としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリオレフィン(PO)、ポリカーボネート(PC)、アクリル等の透明材料が利用できる。また、上記以外の材料でも、上記のような一定の屈折率を有する透明な材料であれば利用できる。
【0021】
導光板7の入射面11に対向して略等間隔で直線状に配置された複数の光源10から出射した光は、入射面11から導光板7内に入射される。入射面11に光制御部として、導光板7の厚み方向に伸びる偏向素子を形成することで、入射面11付近の光を拡散させ、あるいは光の進行方向を制御することができる。特に、入射面11付近の明暗差による表示品質を改善することができる。入射面11の光制御部として、図4〜図7に示すように、断面形状が略三角形(図4)、略台形(図5)、略半楕円形(図6)、もしくはなめらかな波型形状(図7)の偏向素子が用いられる。また、図4〜図7に示した偏向素子の表面に微細な凹凸形状を形成したものは、作製が比較的簡単で光制御の効果を得やすい。
【0022】
光の進行方向を変えるための光制御部である溝状の反射素子14は、反射面13に形成される。反射素子14は断面略三角形であり、その稜線は入射面11と略平行方向に延伸する。反射素子14の稜線は、直線状である。反射素子14は、入射面11から入射面11と対向する面に連続して複数形成される。なお、反射素子14は、出射面12に形成してもよい。この場合、反射面13は平坦面となる。また、反射素子14の稜線は、曲線状であってもよい。
【0023】
隣り合う反射素子14同士の間隔は一定でもよく、あるいは入射面11からの距離によって変化させてもよい。隣り合う反射素子14同士の間隔が一定の場合、出射面12から出射する光のうち、入射面11付近から出射する光量に対して、入射面11と対向する面の付近から出射する光量が少なくなる虞がある。この場合、反射素子14同士の間隔を入射面11から遠ざかるに従って密にすることで、入射面11と対向する面の付近から出射する光量を増加させることができる。隣り合う反射素子14同士の間隔を調整することによって、導光板7から出射する光の強度の位置分布を調整することができ、面内で均一な出射特性を有する面光源装置を実現できる。
【0024】
図8に示すように、反射素子14は、厚さaの導光板7の反射面13に周期pで配置される。反射素子14は、入射面11側の第1傾斜面14aと、導光板7の入射面11と対向する面側の第2傾斜面14bとを有する。出射面12に対し、第1傾斜面14aは傾斜角度α1を、第2傾斜面14bは傾斜角度α2を有する。傾斜角度α1、α2は全ての反射素子14において一定でもよく、一部あるいは全ての反射素子14において異なってもよい。
【0025】
反射素子14の周期pは、例えば1μm〜1000μm、好ましくは5μm〜500μm、より好ましくは10μm〜200μm、更に好ましくは20μm〜150μm、更により好ましくは67μm〜81μmの範囲である。傾斜角度α1は、例えば0.01°〜5°、好ましくは0.05°〜2°、より好ましくは0.1°〜0.8°、更に好ましくは0.15°〜0.65°、更により好ましくは0.25°〜0.55°の範囲である。傾斜角度α2は、例えば70°〜90°、好ましくは75°〜85°、より好ましくは78°〜83°、更に好ましくは79.35°〜79.85°、更により好ましくは79.45°〜79.75°の範囲である。導光板7の厚さaは、例えば0.04mm〜5mm、好ましくは0.05mm〜3mm、より好ましくは0.1mm〜1mm、更に好ましくは0.15mm〜0.6mm、更により好ましくは0.2mm〜0.4mmの範囲である。
【0026】
また、図9に示すように、隣接する反射素子14の間に平坦部を設けてもよい。幅paの溝形状の反射素子14が、周期pbで配置される。平坦部を設けることにより、導光板7から出射する光の強度の位置分布を調整することができ、面内で均一な出射特性を有する面光源装置を実現できる。なお、反射素子14の溝の底面に平坦部を設けてもよい。
【0027】
図10に示すように、第1傾斜面14aは、反射素子14が形成されていない出射面12において、入射面11から出射面12の法線と角度ψ1で入射した光を、出射面12の法線に対して角度ψ2となるように反射する。即ち、出射面12の法線に対してある角度をなして進む光は、第1傾斜面14aで反射することで、出射面12の法線とのなす角度が減少する。第1傾斜面14aでの反射を繰り返すことで、出射面12の位置Xにおいて出射面12の法線となす角度が臨界角より小さくなった光が、出射面12から出射される。このように、図10に示すように、光源10から導光板7の入射面11に入射した光は、出射面12の法線となす角が臨界角に達するまでは出射面12と反射面13で全反射を繰り返しながら導光板7の内部を進む。
【0028】
上述のように溝形状の反射素子14を反射面13に形成した導光板7では、第1傾斜面14aの傾斜角度α1は、第2傾斜面14bの傾斜角度α2より小さい。したがって、反射素子14の大部分が光の反射に使用されるため、導光板7内に入射した光を出射面12方向に反射する効率が高く、光利用効率が高い。
【0029】
導光板7の出射面12に、図11に示すように、断面が略三角形で、稜線が入射面11から入射面11と対向する面に向かって互に平行に延伸する複数の異方性拡散パターン30を形成してもよい。隣り合う異方性拡散パターン30の間隔は、1μm〜1000μm、好ましくは5μm〜300μm、より好ましくは10μm〜200μm、更に好ましくは15μm〜100μm、更により好ましくは20μm〜81μmの範囲である。また、異方性拡散パターン30として、ホログラムパターンを用いてもよい。なお、反射素子14が出射面12に形成される場合は、異方性拡散パターン30は、反射面13に形成される。
【0030】
異方性拡散パターン30は、導光板7の出射面12内で均一な出射特性を得ることに効果がある。特に、導光板7の入射面11付近において、光源10付近、及び隣接する光源10との間付近における光の出射強度差を減少させることに効果があり、面内で均一な出射特性を有するとともに表示品質の高い面光源装置を実現できる。
【0031】
光学フィルム6aは、図12及び図13に示すように、ベースフィルム1、及び偏向素子層2を備える。偏向素子層2は、厚さh2のベース層と、ベース層上に形成されたプリズム状の複数の偏向素子3とを有する。偏向素子3は、互に隣接して一方向に延伸する。偏向素子3は高さh1、周期d1で配置される。偏向素子3の断面形状は、三角形で、稜線は直線状である。偏向素子3の延伸方向に直交する方向に切った断面において、頂点からの法線と偏向素子3の入射面11側の第1傾斜面3a及びその反対側の第2傾斜面3bとがなす角度をそれぞれβ1及びβ2とする。なお、偏向素子3は、断面形状が略楕円や略台形等でもよく、稜線は曲線状であってもよい。また、隣り合う偏向素子3は互いに離れていてもよい。しかし、偏向素子3を互に接して配置するほうが光をよく偏向することができ、面光源装置の輝度が高くなる。
【0032】
ベースフィルム1として、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリオレフィン(PO)、ポリカーボネート(PC)、アクリル等のような透明な材料の単体もしくは2種類以上の組み合わせが利用できる。偏向素子層2として、ウレタンアクリレート樹脂、オリゴエステルアクリレート樹脂、エポキシアクリレート樹脂、シリコンアクリレート樹脂、アクリルアクリレート樹脂、ポリエステルアクリレート樹脂等の透光性の光硬化型樹脂が用いられる。
【0033】
光学フィルム6aには、出射光の角度分布を狭く、出射光をほぼ垂直に狭い角度分布で出射すること、及び出射光の輝度を上げること等の出射特性が要求される。このような出射特性を実現するため、光学フィルム6aの成形に用いる金型の加工性を考慮して、偏向素子層2のベース層の厚さh2、偏向素子3の高さh1、周期d1、第1及び第2傾斜面の角度β1、β2等が決定される。
【0034】
例えば、偏向素子層2のベース層の厚さh2を略0μmにすれば、偏向素子層2に使用する材料を減らすことができるため、製造原価を抑えることが可能である。また、面光源装置の総厚を薄くすることができる。一方、厚さh2を0μmより厚くすれば、偏向素子3を形成するときの異物混入等による変形を抑えることができ、面光源装置の表示品質の低下を防ぐことができる。よって、厚さh2の大きさは、実用的には、異物混入等による偏向素子3の変形を抑えることができる最低の厚みにすることが望ましい。また、製造時の厚さばらつきがある場合には、ばらつきを考慮して厚さh2を厚くすることが望ましい。
【0035】
偏向素子層2のベース層の厚さh2は、例えば2μm〜20μm、好ましくは2.5μm〜16μm、より好ましくは3μm〜14μm、更に好ましくは4μm〜12μm、更により好ましくは5μm〜10μmの範囲である。
【0036】
また、偏向素子3の高さh1は、例えば3μm〜100μm、好ましくは3.5μm〜50μm、より好ましくは4μm〜20μm、更に好ましくは5μm〜10μm、更により好ましくは5.4μm〜6.4μmの範囲である。周期d1は、例えば3μm〜50μm、好ましくは3.5μm〜30μm、より好ましくは4.5μm〜15μm、更に好ましくは4.9μm〜10.1μm、更により好ましくは4.9μm〜5.1μmの範囲である。
【0037】
偏向素子3の第1傾斜面3aの角度β1は、例えば0°〜30°、好ましくは4°〜20°、より好ましくは6°〜16°、更に好ましくは8°〜12°、更により好ましくは9.8°〜10.8°の範囲である。第2傾斜面3bの角度β2は、例えば10°〜60°、好ましくは20°〜50°、より好ましくは30°〜40°、更に好ましくは34°〜38°、更により好ましくは35.5°〜36.5°の範囲である。
【0038】
また、偏向素子3として、例えば、断面が鋸歯形状で、各歯の先端をはさむ二辺の長さが10%以上異なり、夾角が60°以下の偏向素子を用いてもよい。偏向素子の光学材料の屈折率がnの場合、偏向素子は、溝の平均の深さhが、h=α×d/(n−1) (但し、0.4≦α≦1、dは偏向素子の平均周期)であることが望ましい。0.46μm≦λ1≦0.5μm、0.53μm≦λ2≦0.57μm、0.6μm≦λ3≦0.64μmの範囲にある3波長λ1、λ2、λ3の光を15°≦γ1≦70°の範囲内のある角度γ1で入射させた時、各波長の回折効率が最大となる回折角度が、−5°から+5°の範囲に含まれているように設計した場合、高輝度な面光源装置を得ることができる。
【0039】
また、偏向素子3として、例えば、ホログラムを構成する平均周期200μm以下の溝又は山からなる形状の偏向素子を用いてもよい。ホログラムは、入射角が30°±15°の白色光を光学フィルムの偏向素子が形成されてない面に垂直な方向に曲げる。偏向素子の光学材料の屈折率をnとした時、偏向素子は、平均周期が5.0±1.0μm、平均深さが(3.7±1.0)/(n−1)μmである鋸歯形状、又は、鋸歯形状の溝が深さの50%未満だけ埋まっている形状であることが望ましい。このように設計した場合、高輝度な面光源装置を得ることが出来る。
【0040】
図14に示すように、面光源装置において、光学フィルム6aは、偏向素子層2が導光板7の出射面12に面するように設置する。光学フィルム6aは、図15に示すように、偏向素子3の稜線が、導光板7に形成された反射素子14の稜線とほぼ平行に設置する。あるいは、図16に示すように、偏向素子3の稜線を、反射素子14の稜線に対して所定の角度で傾けてもよい。この場合、偏向素子3の第1傾斜面3aが入射面11側を向くように設置する。偏向素子3の稜線を反射素子14の稜線に対して所定の角度で傾けることにより、導光板7と光学フィルム6aとの間、あるいは光学フィルム6aと面光源装置の出射側に配置される液晶表示装置との間でモアレ干渉縞が発生しにくくなる。
【0041】
図17に示すように、導光板7の出射面12から出射する光の多くは、出射面12となす角度が小さい。出射面12となす角度γ1、γ2で出射する光L1,L2は、光学フィルム6a内に偏向素子3の第1傾斜面3aから入射する。入射した光L1、L2は、第2傾斜面3bで反射されて、光学フィルム6aの上面に対して垂直に近い角度に偏向される。したがって、光学フィルム6aの上面に対して垂直に近い角度γo1、γo2で偏向した光Lo1、Lo2が光学フィルム6aから出射する。その結果、光学フィルム6aは、面光源装置から出射する光の正面強度を向上させる。
【0042】
なお、光学フィルム6aによる光の偏向については、次のような注意が必要である。光学フィルム6aの隣り合う偏向素子3同士の距離が充分大きい場合には、光の屈折・全反射現象をもとにして偏向素子3の形状や距離を設計すればよい。一方、光学フィルム6aの隣り合う偏向素子3同士の距離が10μm程度以下になると、光の回折・干渉現象を考慮して偏向素子3の形状や距離を設計する必要がある。(例えば、特開2006−58844号公報参照)。
【0043】
例えば、光学フィルム6aにおいて、光の回折現象を考慮して、図17に示した偏向素子3の周期d1を4.9μm〜5.1μmの範囲、角度β1を9.8°〜10.8°の範囲、かつ角度β2を35.5°〜36.5°の範囲とする。このように設計された光学フィルム6aを用いることにより、面光源装置の正面輝度を向上させることができる。
【0044】
光学フィルム6aと拡散フィルム8とは、実際には近接して配置される。光学フィルム6aの上面と拡散フィルム8の入射面が共に平滑の場合、光学フィルム6aと拡散フィルム8が部分的に密着する。そのため、ウェットアウトやニュートンリング等の表示欠陥が発生し、表示品質が悪くなる。
【0045】
光学フィルム6が他の部材と部分的に密着することを防止するために、光学フィルム6は、図18及び図19に示すように、偏向素子層2が形成されたベースフィルム1の反対側の面に突起層4を設けることができる。突起層4は、厚さHr2のベース層と、ベース層上に形成された高さHr1で、半値幅Drの複数の突起5を有する。突起5は、隣り合う突起5との距離Prで配列される。突起5は、光学フィルム6と拡散フィルム8との部分的な密着を防止することができる。なお、「半値幅」とは、突起5の高さHr1の半分の位置で突起5を切断した場合の切り口において最大となる径のことである。
【0046】
突起5は、円柱状、円錐状、三角柱状、三角錐状、四角柱状、四角錐状、あるいは半球状である。光学フィルム6と拡散フィルム8との部分的密着を防ぐためには、突起5の接触面積が少ないほうが望ましい。例えば、図20に示すような先端がなだらかな形状よりも、図21に示すような先端が尖った形状のほうが先端部の面積を少なくできる。したがって、突起5としては、柱状よりも半球状や錐状のほうが効果的である。また、微小な面積内に形成した複数の凹凸を、突起5としてもよい。また、突起の先端にくぼみを有する突起としてもよい。突起層4として、ウレタンアクリレート樹脂、オリゴエステルアクリレート樹脂、エポキシアクリレート樹脂、シリコンアクリレート樹脂、アクリルアクリレート樹脂、ポリエステルアクリレート樹脂等の透光性の光硬化型樹脂が用いられる。
【0047】
突起層4のベース層の厚さHr2は、例えば2μm〜20μm、好ましくは2.5μm〜16μm、より好ましくは3μm〜14μm、更に好ましくは4μm〜12μm、更により好ましくは5μm〜10μmの範囲である。例えば、厚さHr2を略0.1μmに薄くすれば、突起層4に使用する材料を減らすことができるため、製造原価を抑えることができる。また、面光源装置の総厚を薄くすることができる。一方、厚さHr2を略0.1μmより厚くすれば、突起層4を形成するときの異物混入等による変形を抑えることができるため、面光源装置の表示品質の低下を防ぐことができる。よって、厚さHr2の大きさは、実用的には、突起層4を形成するときの異物混入等による変形を抑えることが可能な最低の厚さ、例えば2μm以上にすることが望ましい。また、生産時の厚さのばらつきがある場合には、ばらつきを考慮して厚さHr2を、例えば5μm以上に厚くすることが望ましい。
【0048】
また、突起5の高さHr1は、例えば3μm〜30μm、好ましくは4μm〜20μm、より好ましくは5μm〜16μm、更に好ましくは7μm〜13μm、更により好ましくは9μm〜12μmの範囲である。突起5は、光学フィルム6と拡散フィルム8の間に隙間を作ることが目的である。しかし、面光源装置を薄くしたいため、突起5の高さHr1は30μmを越えて高くするのは好ましくない。また、突起5の高さHr1が3μmより低すぎると、隙間が狭くなり面光源装置を表面から軽く押しただけで光学フィルム6と拡散フィルム8が部分的に密着してしまう。
【0049】
突起5の半値幅Drは、例えば1μm〜60μm、好ましくは4μm〜40μm、より好ましくは5μm〜30μm、更に好ましくは6μm〜20μm、更により好ましくは10μm〜17μmの範囲である。半値幅Drが広い突起5においては、光学フィルム6と拡散フィルム8の接触面積が広くなりやすく、部分的な密着を起こしやすい。一方、高さHr1を変えず半値幅Drを狭くした突起5は形成することが難しく、また突起5の強度も弱くなり破壊しやすい。
【0050】
隣り合う突起5の距離Prは、例えば50μm〜3000μm、好ましくは75μm〜1000μm、より好ましくは100μm〜500μm、更に好ましくは240μm〜350μm、更により好ましくは285μm〜315μmの範囲である。突起5の距離Prが3000μmより大きすぎると、光学フィルム6もしくは拡散フィルム8がたわんで互いに接触し、部分的に密着しやすくなってしまう。距離Prが50μmより小さすぎると、突起5による光の散乱量が無視できなくなり、光学フィルム6が白濁したり、光学フィルム6からの出射光が暗くなったり、出射光の出射角度分布が変化してしまう。
【0051】
また、輝度を高くする光学フィルムが提案されている(例えば、特許第4265602号公報、特許第4240037号公報参照)。提案された光学フィルムには、透過型回折格子やホログラム光学素子が形成されている。透過型回折格子やホログラム光学素子が形成された面とは反対の面に複数の突起を形成することは、見栄えのよい高輝度な面光源装置を実現することに対し非常に有効である。
【0052】
しかし、特許第4240037号公報に記載の液晶ディスプレー装置の例においては、2枚の光学フィルムを使用している。それに対して、実施の形態に係る面光源装置では、光学フィルム6を1枚しか使用せずに高輝度を実現することができる。このように、実施の形態では、部材数の低減、及び面光源装置の薄型化に貢献することができる。
【0053】
また、特許第4240037号公報では、光学フィルムの出射面に拡散体を形成しており、モアレやニュートンリングや輝度むらを解消している。この場合、拡散体が形成されている光学フィルムから出射する光は、拡散体によって少なからず広がってしまう。一方、実施の形態に係る面光源装置の光学フィルム6から出射する光は、突起5によりほとんど拡散されないため、正面輝度を高くできる。
【0054】
図1に示したように、光学フィルム6は、偏向素子3が形成されている偏向素子層2が導光板7の出射面12に面する向きで設置する。偏向素子3の稜線は、図15あるいは図16に示したように、導光板7に形成された反射素子14の稜線とほぼ平行か、所定の角度傾ける。また、偏向素子3の第1傾斜面3a側(図19参照)が入射面11側を向くように設置する。反射素子14に対して偏向素子3の稜線を所定の角度傾けることによって、導光板7と光学フィルム6、あるいは光学フィルム6と液晶表示装置間でモアレ干渉縞が発生しにくくなり、全く発生しなくなる場合もある。
【0055】
本実施例では、光学フィルム6の上面に突起5が形成されている。そのため、拡散フィルム8の入射面が平滑の場合であっても、光学フィルム6と拡散フィルム8が部分的に密着することなく、表示品質を良好のまま保つことができる。
【0056】
突起5は規則的でもランダムでもよい。規則的に、周期的に配列する場合は特に、格子状の配列は設計が容易である。格子状に突起5を配列する場合、単位格子は正方形、長方形、平行四辺形等を用いることができる。また、突起5を配列する方向は、光学フィルム6の偏向素子3の稜線に対して平行に配置すると、設計が比較的容易である。突起5と偏向素子3、又は突起5と液晶表示装置が干渉して干渉縞を発生する場合は、突起5を配列する方向は光学フィルム6の偏向素子3の稜線に対して所定の角度傾けることで干渉を解消することができる。
【0057】
図22には、図1に示した面光源装置において、拡散フィルム8を取り除いて光出射角度分布を測定した結果を示している。比較として、図14に示した突起層(凹凸層)を形成しない光学フィルム6aを用いた面光源装置の光出射角度分布を合わせて示している。なお、偏向素子3は、光学フィルム6、6a共に、第2傾斜面3bの角度β2=36°、第1傾斜面3aの角度β1=10.3°、周期d1=10μmである。また、突起層4を形成した光学フィルム6においては、突起5は、半値幅Dr=13μm、距離Pr=290μm、高さHr1=10μmである。図22に示すように、突起5の有無によって、面光源装置からの出射光の光学特性が変わらないことがわかる。
【0058】
次に、光学フィルム6と拡散フィルム8の部分的密着を評価する方法について説明する。図1に示した構成において、光源10を点灯させない状態、及び点灯させた状態で、綿棒で30g重(0.29N)程度の力で拡散フィルム8を上方から押し付けながらこする。こすった部分で光学フィルム6と拡散フィルム8が密着すると、その部分が目視で暗くなったり着色したりして、こすっていない部分との輝度むらが確認できる。
【0059】
表1に、光学フィルム6と拡散フィルム8の部分的密着を評価した結果を示す。比較として、図14に示した突起なしの光学フィルム6aの評価結果も示している。表1において、○は部分的密着が解消されていることを示し、×は部分的密着が解消されていないことを示す。表1に示すように、突起なしでは、光源10の非点灯時及び点灯時ともに部分的密着は解消されない。突起5の高さが4μm〜4.8μmの範囲では、光源10の非点灯時に部分的密着が解消されるが、点灯時には部分的密着は解消されない。突起5の高さが9.3μm〜10.2μmの範囲では、光源10の非点灯時及び点灯時で部分的密着が解消されていることが分かる。このように、突起5の高さが4μm以上では光源10の非点灯時で、9μm以上で光源10の非点灯時及び点灯時で部分的密着が解消されることが確認されている。
【0060】
【表1】
【0061】
次に、実施の形態に係る面光源装置に用いる光学フィルム6の製造方法を、図23及び図24を用いて説明する。突起5及び偏向素子3は、転写用金型60a、60bを用いて転写工程により転写される。金型60aは、銅めっき等を施した円筒状の金属の表面にエッチング等により突起5に対応するくぼみが形成されている。銅めっきの場合、さびを防止するために、くぼみを形成後、クロムめっき等で表面保護層を形成する。金型60bは、ニッケルめっき等を施した円筒状の金属の表面にバイトで切削加工することにより偏向素子3の形状に対応する溝を形成する。あるいは、エッチング等により偏向素子3の形状に対応する溝を形成してもよい。また、金型60bに形成する溝の稜線方向は、金型60bの円周方向、あるいは長手方向でもよく、それらの方向から所定の角度傾けた方向でもよい。
【0062】
また、ベースフィルム1には、PETフィルム、例えば、東洋紡績株式会社製、商品名:コスモシャイン、品番:A4300、厚み:50μmが使用できる。他にも透明なフィルム、特に紫外線をよく透過するフィルムが使用可能である。
【0063】
図23に示すように、光学フィルム成形装置のフィルム供給部にローラ61a、転写部に金型60a、及びフィルム巻取り部にローラ61bを設置する。ローラ61aから供給されたベースフィルム1の面上にディスペンサ62から光硬化型樹脂63が滴下される。ベースフィルム1上の光硬化型樹脂63に金型60aにより突起5を転写して形成しながら、光照射装置64により紫外線等を照射して光硬化型樹脂63を硬化させて、ベースフィルム1に突起層4を一体に圧着する。金型60aから離型したベースフィルム1は、ローラ61bに巻き取られる。
先端にくぼみを有する突起を作製したい場合には、金型のくぼみに樹脂を埋め込むときに気泡が巻き込まれるようにすることによって得られる。
【0064】
図24に示すように、光学フィルム成形装置のフィルム供給部にローラ61b、転写部に金型60b、及びフィルム巻取り部にローラ61cを設置する。ローラ61bから供給されたベースフィルム1の、突起層4が圧着されていない面上にディスペンサ62から光硬化型樹脂63が滴下される。ベースフィルム1上の光硬化型樹脂63に金型60bにより偏向素子3を転写して形成しながら、光照射装置64により紫外線等を照射して光硬化型樹脂63を硬化させて、ベースフィルム1に偏向素子層2を一体に圧着する。金型60bから離型したベースフィルム1は、ローラ61cに巻き取られる。このようにして、光学フィルム6が製造される。
【0065】
光学フィルム6では、形状転写性のよい光硬化型樹脂63を用いて偏向素子層2及び突起層4を形成することが出来る。その場合、転写された偏向素子3は、図25に示すように、先端を鋭角に成形することができる。例えば、偏向素子3の高さを設計値の0.2μm以下のずれにすることができる。また、ベースフィルム1には、強度の高いPETフィルムが用いられるので、光学フィルム6の強度を確保することができる。
【0066】
なお、上記の説明では、突起層4を成形した後に偏向素子層2を成形しているが、成形順番は限定されない。始めに偏向素子層2を成形した後に突起層4を成形してもよい。
【0067】
また、図24では偏向素子3の稜線はフィルムのTD方向(フィルムの幅方向)のように記載してあるが、MD方向(フィルムの進行方向)でもよい。金型加工の容易さと、偏向素子3の形成時に気泡を巻き込みにくいという理由で、MD方向のほうが好ましい。
【0068】
また、光硬化型樹脂63に突起5あるいは偏向素子3を転写する転写工程において、光硬化型樹脂63が金型60a、あるいは金型60bから離型しにくいことがある。光硬化型樹脂63が金型60a、あるいは金型60bから離型しなかった場合、光学フィルム6に欠陥が発生し不良品となる。この不具合を防ぐために、金型60a及び金型60bに対して、離型剤(例えば、ダイキン工業株式会社製、製品名:デュラサーフ、品番:HD−2101Z)を用いて離型処理を行うとよい。離型処理により、光硬化型樹脂63の金型60a及び金型60bからの離型性を向上させることができ、光硬化型樹脂63が金型60a及び金型60bに残ることを防止することができる。その結果、光学フィルム6に欠陥が発生しにくくなる。
【0069】
本発明に係る、少なくとも両端付近にスペーサーとして片面粘着性のテープが設けられている、ロール状に巻かれた形状付きフィルムの製造方法の一例を図26に示す。図26では形状はフィルムの片面のみに形成されているが、フィルムの光学特性や物理特性(強度、重ねたときの貼り付き防止等)を向上させるためにフィルムの両面に何らかの形状が形成されていてもよい。図26では、光硬化型樹脂を用いた型転写方式で、稜線が直線のプリズムアレイである偏向素子3が形成される光学フィルム6について説明する。
【0070】
偏向素子3は、転写用金型60bを用いて転写工程により転写される。ベースフィルム1には、例えばPETフィルムが使用できる。
【0071】
図26に示すように、光学フィルム成形装置のフィルム供給部にローラ61b、転写部に金型60b、及びフィルム巻取り部にローラ61cを設置する。ローラ61bから供給されたベースフィルム1にディスペンサ62から光硬化型樹脂63が滴下される。ベースフィルム1上の光硬化型樹脂63に金型60bにより偏向素子3を転写して形成しながら、光照射装置64により紫外線等を照射して光硬化型樹脂63を硬化させて、ベースフィルム1に偏向素子層2を一体に圧着する。金型60bから離型したベースフィルム1は、光学フィルム6としてローラ61cに巻き取られる。そのとき同時にスペーサーテープ70を貼りつつ巻き取る。スペーサーテープ70が主にフィルム幅方向に位置ずれを起こさないため及びフィルムロールの取扱いがスペーサーテープ70のありなしで変更なきためには、スペーサーテープ70は片面粘着性のテープが好ましい。
【0072】
図27において、2本のスペーサーテープ70の間の部分の形状が保護されるため、スペーサーテープ70は光学フィルム6の両端付近に貼ることが好ましい。スペーサーテープ70を光学フィルム6の偏向素子3が形成されていない部分に貼る場合、スペーサーテープ70の厚みは、フィルムに形成されている形状の高さh1以上にする必要があり、例えば形状の高さh1が10μmの場合、スペーサーテープ70の厚みは25μmのものが使用できる。スペーサーテープ70を光学フィルム6の偏向素子3が形成されている部分に貼る場合は比較的薄くてもよいが、市販されている片面粘着性のテープとしては厚み25μm程度のものが入手が容易である。
【0073】
図28には、光学フィルム6に保護フィルム71を形成する場合のスペーサーテープ70の形成方法を示す。光学フィルム6はベースフィルム1上に偏向素子3を転写して形成した後、保護フィルム71aと71bを貼り合せローラ72にて貼り合わされ、その後スペーサーテープ70を貼った後に、ローラ61cにて巻き取られる。図28には光学フィルム6の両面に保護フィルム71を形成するように記載しているが、保護したい面が片面だけの場合等は、保護フィルム71を形成するのは片面だけでもよい。また保護フィルム71は粘着性があるか粘着性が全くないものを使用できる。粘着性がある場合、光学フィルム6表面へのごみの付着・侵入を防ぐことができる。また片面粘着性でかつ微粘着性の保護フィルム71を使用した場合は、ロール巻き状態の光学フィルム6から保護フィルム71付きのまま引き出しやすく、使用直前まで保護フィルム71を貼ったままに出来、使用時に容易に保護フィルム71を剥離できるため、取扱いの点で有利である。
【0074】
図27と図28に比べて、光学フィルム6の巻き取りの方向を逆にした場合を図29、図30に示す。この場合も前述の図27及び図28の場合と同様である。
【0075】
図31のように、スペーサーテープ70を3本以上形成することができる。幅が広いフィルムの場合、スペーサーテープ70を形成する部分が両端の2ヶ所だけでは、フィルム幅方向の中央部付近等はフィルム同士が接触しやすく、充分にスペーサーの機能を果たせないことがあり、そのようなときには図31のようにスペーサーテープ70を3本以上形成すると巻き締まりによってフィルム同士に強い外力が加わることがなくなる。また図32のようにフィルム幅方向に形状が断続的に形成されているような場合、形状が形成されていない部分にスペーサーテープ70を形成すると、形状を形成した部分を無駄に捨てることがなく経済的である。
【0076】
図33に、スペーサーテープ70を形成したフィルムのスリット工程を示す。点S1及び点S2において、カッターやスリッター等の刃物で、光学フィルム6を保護フィルム71とスペーサーテープ70ごとスリットすることで、スリット後の巻き取りロールにおいても両端にスペーサーテープ70を形成した光学フィルム6のロール品を得ることが出来る。このときスペーサーテープ70の幅方向の中央部付近でスリットすることで、より良好にスペーサーとして機能するスペーサーテープ付きロール状フィルムが得られる。
【0077】
高さ:5.5μm、周期:5μmのプリズム形状が片面に形成された、幅:430mm、長さ:20mのロール状に巻かれたフィルムについて、フィルムをロール状に巻いた後24時間後におけるスペーサーテープ70の効果を示す。スペーサーテープ70を全く形成しなかった場合の外観写真及び電子顕微鏡写真を図34及び図35に示す。外観写真ではムラが見え、電子顕微鏡写真ではプリズム頂角が変形していることがわかる。一方、図27のようにフィルム端から50mmの位置に厚み:25μmのスペーサーテープ70を形成した場合の外観写真及び電子顕微鏡写真を図36及び図37に示す。外観写真ではムラが全くなく、電子顕微鏡写真ではプリズム形状が全く変形していないことが分かる。
【0078】
次に、光硬化型樹脂63の作製方法について説明する。光硬化型樹脂63として、ウレタンアクリレート型光硬化型樹脂を例として説明する。
【0079】
攪拌機、温度計、冷却管及び空気ガス導入管を2Lの三口フラスコに取り付ける。三口フラスコに、空気ガスを導入した後、ポリテトラメチレングリコール(保土ヶ谷化学工業株式会社製、商品名:PTG850SN):520.80g、ジエチレングリコール:1.06g、不飽和脂肪酸ヒドロキシアルキレンエステル修飾ε−カプロラクトン(ダイセル化学工業株式会社製、商品名:FA2D):275.20g、重合禁止剤としてp−メトキシキノン:0.5g、触媒としてジブチル錫ジラウレート(東京ファインケミカル株式会社製、商品名:L101):0.3gを入れ、70℃に昇温する。昇温後、70〜75℃で攪拌しつつイソホロンジイソシアネート(住化バイエルウレタン株式会社製、商品名:デスモジュールI):222gを2時間かけて均一滴下し、反応を行う。滴下終了後、約5時間反応させてIR測定を行う。IR測定の結果、イソシアネートが消失したことを確認して反応を終了し、重量平均分子量が7,000のウレタンオリゴマーが得られる。
【0080】
ウレタンオリゴマーと、1,9−ノナンジオールジアクリレート(共栄社化学株式会社製)を、3:7ないし5:5の割合で混合して、光硬化型樹脂63を調整する。なお、上記の成分以外に、光開始剤として1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(BASF社製、商品名:イルガキュア184)が1質量部含まれる。
【0081】
(その他の実施の形態)
上記のように、本発明を本発明の実施の形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面は、本発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。したがって、本発明の技術的範囲は、上記の説明から妥当な特許請求の範囲に係わる発明特定事項によってのみ定められるものである。
【産業上の利用可能性】
【0082】
本発明のフィルム及びフィルムの製造方法及びフィルムのスリット加工方法は、形状が形成されているロール状のフィルムに利用できる。光を偏向させたり反射させるための形状が形成されているフィルムに利用できる。物理的に空間を保つ目的の突起等を有するフィルムに利用できる。携帯電話機、ゲーム機器、電子手帳、カーナビゲーション、ノートパソコン、テレビ等の液晶表示装置等に於けるバックライトの、光を偏向させるためのプリズムシート等に使用することができる。
【符号の説明】
【0083】
1…ベースフィルム
2…偏向素子層
3…偏向素子
3a…第1傾斜面
3b…第2傾斜面
4…突起層
5…突起
6…光学フィルム
7…導光板
8…拡散フィルム
9…リフレクタ
10…光源
11…入射面
12…出射面
13…反射面
14…反射素子
60a、60b…転写用金型
61a、61b、61c…ローラ
62…ディスペンサ
63…光硬化型樹脂
64…紫外線照射装置
70…スペーサーテープ
71…保護フィルム
72…貼り合せローラ
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロール状に巻かれた形状付きフィルム、特に変形しやすい形状がフィルム表面に形成されているフィルムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、テレビ等の家電製品、乗用車、携帯電話等のモバイル機器等においては、小型化、軽量化、高機能化が強く要求されており、それらに用いられる各種フィルム部材にも同様に高付加価値が求められている。光学の分野では例えば反射防止のために多層膜を形成したり、光の偏向制御のために形状を形成したフィルムが実現されている。フィルムに形成する形状は、様々な機能を付加するために、形状の複雑化及び微細化が進んでいる。
【0003】
これらのフィルムは量産性に優れているロール状で取り扱われることがほとんどである。通常、フィルムの片面もしくは両面に保護シートを貼り、数百メートルから数千メートルの長さのフィルムをロール状に巻かれたものを、シート等で覆って埃等から保護した状態で、段ボール等に梱包して輸送及び保管される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
形状を転写したフィルムをロール状に巻かれたまま保管又は輸送する場合、フィルムの巻き締まりによって形状が変形してしまい、フィルムの外観が悪くなると共に光学特性が劣化するという問題が発生する場合がある。これは近年のフィルムの高機能化に伴い顕著に現れてきている問題であり、フィルムに形成される形状の複雑化及び微細化が進んだことと深く関係がある。形状の先端が鋭く尖っているものほど、また形状の単位構成要素の体積に対して変形部分の体積の割合が大きいもの(単位構成要素が微細な場合に多い)ほど、また、形状を形成している材料が柔らかいものほど、前述の問題が発生しやすい傾向にある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上記課題を解決するために、ロール状に巻かれた形状付きフィルムの少なくとも両端付近にスペーサーとして片面粘着性のテープを設けたものであり、以下のものに関する。
(1)フィルムの片面又は両面に凸部が形成されており、前記フィルムの少なくとも両端付近に片面粘着性のテープが貼り付けられている、ロール状に巻かれたフィルム。
(2)フィルムの少なくとも片面に保護フィルムが設けられ、前記保護フィルムの両端部に片面粘着性のテープが貼り付けられている(1)に記載のロール状に巻かれたフィルム。
(3)フィルムの片面又は両面に凸部が形成されており、前記フィルムの両端付近及びその他の1ヶ所以上に片面粘着性のテープが貼り付けられており、ロール状に巻かれた前記フィルムにおいて、前記フィルムと共に前記テープの中央付近を切断してスリット加工することで、スリット後の幅の狭い前記フィルムに於いても両端付近にテープが貼られているフィルム。
(4)フィルム表面及び/又は裏面に凸部を形成した後、前記フィルムを巻き取る前に、前記フィルムの少なくとも両端付近に片面粘着性のテープを貼り付ける工程を行うロール状に巻かれたフィルムの製造方法。
【発明の効果】
【0006】
本発明は、ロール状に巻かれた形状付きフィルムの少なくとも両端付近にスペーサーとして片面粘着性のテープが設けられているため、巻き締まりによってフィルム同士に強い外力が加わることなく、フィルム表面の形状の変形が抑えられるかもしくは無いため、フィルムの外観の悪化と光学特性の劣化を防止するものである。
【0007】
本発明は、特にフィルム表面に形状が形成されているフィルムに関するものであり、形状を転写したフィルムをロール状に巻いて保存又は輸送する場合、巻き締まりによって形状が変形し、フィルムの外観が悪くなると共に光学特性が劣化するという問題を解決するものである。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】面光源装置の一例を示す断面概略図である。
【図2】面光源装置に使用する導光板の一例を示す上面図である。
【図3】図2に示した導光板のA−A断面を示す図である。
【図4】面光源装置に使用する導光板の入射面の一例を示す図である。
【図5】面光源装置に使用する導光板の入射面の他の例を示す図である。
【図6】面光源装置に使用する導光板の入射面の他の例を示す図である。
【図7】面光源装置に使用する導光板の入射面の他の例を示す図である。
【図8】面光源装置に使用する導光板の反射素子の一例を示す図である。
【図9】面光源装置に使用する導光板の反射素子の他の例を示す図である。
【図10】面光源装置に使用する導光板内での光の伝播の一例を示す図である。
【図11】面光源装置に使用する導光板の他の例を示す図である。
【図12】面光源装置に使用する光学フィルムを示す図である。
【図13】図12に示した光学フィルムのB−B断面を示す図である。
【図14】図12に示した光学フィルムを用いた面光源装置を示す図である。
【図15】光学フィルムと導光板の配置の一例を示す図である。
【図16】光学フィルムと導光板の配置の他の例を示す図である。
【図17】導光板及び光学フィルム内での光の伝播の一例を示す図である。
【図18】光学フィルムの一例を示す図である。
【図19】図18に示した光学フィルムのC−C断面を示す図である。
【図20】光学フィルムの突起の一例を示す図である。
【図21】光学フィルムの突起の他の例を示す図である。
【図22】面光源装置の出射角度と輝度の関係の一例を示す図である。
【図23】光学フィルムの製造方法の一例を示す図(その1)である。
【図24】光学フィルムの製造方法の一例を示す図(その2)である。
【図25】光学フィルムの偏向素子の一例を示す断面図である。
【図26】本発明に係るフィルムの製造方法の一例を示す図である。
【図27】本発明に係るスペーサーの形成方法を説明する図である。
【図28】本発明に係るフィルムの製造方法の一例を示す図である。
【図29】本発明に係るフィルムの製造方法の一例を示す図である。
【図30】本発明に係るフィルムの製造方法の一例を示す図である。
【図31】本発明に係るスペーサーの形成方法を説明する図である。
【図32】本発明に係るスペーサーの形成方法を説明する図である。
【図33】本発明に係るフィルムのスリット方法を説明する図である。
【図34】ロール状に巻かれたフィルムの外観写真である。
【図35】ロール状に巻かれたフィルムの電子顕微鏡写真である。
【図36】本発明に係るロール状に巻かれたフィルムの外観写真である。
【図37】本発明に係るロール状に巻かれたフィルムの電子顕微鏡写真である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
次に、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、厚みと平面寸法との関係、各層の厚みの比率等は現実のものとは異なる場合がある。したがって、具体的な厚みや寸法は以下の説明を参酌して判断すべきものである。又、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれている。
【0010】
又、以下に示す実施の形態は、この発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、この発明の技術的思想は、構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記のものに特定するものでない。この発明の技術的思想は、特許請求の範囲において、種々の変更を加えることができる。
【0011】
本発明に係るフィルムは、片面又は両面に形状が形成されている。形状としては、突起、プリズムアレイ、梨地等があり、突起としては、半円状、錘状、柱状等があり、プリズムアレイとしては、稜線が直線、曲線、井の字、*の字に交わっているプリズム等がある。
【0012】
フィルム及びフィルムに形成される形状に用いられる材料は、熱可塑樹脂、熱硬化型樹脂、光硬化型樹脂等が利用でき、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリオレフィン(PO)、ポリカーボネート(PC)、アクリル、ウレタンアクリレート、オリゴエステルアクリレート、エポキシアクリレート、シリコンアクリレート、アクリルアクリレート、ポリエステルアクリレート等がある。
【0013】
フィルムに形状を形成する方法としては、熱による型転写、紫外線による光硬化型樹脂の型転写、インクジェット塗布等がある。
【0014】
また、本発明に係るフィルムは、少なくとも両端付近にスペーサーとして片面粘着性のテープが設けられ、ロール状に巻かれている。
【0015】
以下に、より具体的な実施例を示す。
(実施例)
本発明のフィルムとして、面光源装置に用いる光学フィルムを例に説明する。
面光源装置は、図1に示すように、光源10、導光板7、光学フィルム6、拡散フィルム8、リフレクタ9を備える。光源10は、導光板7の入射面に対向して配置される。導光板7は、複数の反射素子14が配置された反射面を有する。反射素子14は、光源10から入射した光を出射面12に向かうように反射する。
【0016】
光学フィルム6は、透光性を有し、ベースフィルム1、偏向素子層2、及び突起層4を備える。ベースフィルム1は、互いに対向する第1主面、及び第2主面を有する。偏向素子層2は、導光板7の出射面12に面するようにベースフィルム1の第1主面に配置される。偏向素子層2は、互いに隣接して一方向に延伸する複数の偏向素子3を有する。偏向素子3は、導光板7の出射面12から光学フィルムに入射する光を偏光し、光学フィルム6の第2主面からほぼ垂直に出射させる。突起層4は、ベースフィルム1の第2主面に配置される。突起層4は、複数の突起5を有する。
【0017】
拡散フィルム8は、光学フィルム6を挟んで導光板7の出射面12と対向する。拡散フィルム8は、所望の視野角特性となるように光学フィルム6から入射した光を拡散させる。リフレクタ9は、導光板7の反射面13に面して配置される。リフレクタ9は、導光板7の反射面から出射した光を導光板7に向かって反射させる。
【0018】
より詳細には、図2及び図3に示すように、導光板7は、略矩形状の一対の主面を有する略板状の形状である。光源10と対向する導光板7の端面を入射面11とする。入射面11に直交する導光板7の一対の主面をそれぞれ反射面13及び出射面12とする。反射面13に配置された複数の反射素子14は、光源10から入射面11を通して入射した光を出射面12に向かうように反射する。
【0019】
光源10として、複数の発光ダイオードが用いられる。図2では、4個の発光ダイオードを用いているが、発光ダイオードの個数は限定されない。また、光源10として、冷陰極管等の蛍光管も利用できるが、面光源装置の薄型化のためには発光面が短い発光ダイオードが望ましい。
【0020】
導光板7の材料としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリオレフィン(PO)、ポリカーボネート(PC)、アクリル等の透明材料が利用できる。また、上記以外の材料でも、上記のような一定の屈折率を有する透明な材料であれば利用できる。
【0021】
導光板7の入射面11に対向して略等間隔で直線状に配置された複数の光源10から出射した光は、入射面11から導光板7内に入射される。入射面11に光制御部として、導光板7の厚み方向に伸びる偏向素子を形成することで、入射面11付近の光を拡散させ、あるいは光の進行方向を制御することができる。特に、入射面11付近の明暗差による表示品質を改善することができる。入射面11の光制御部として、図4〜図7に示すように、断面形状が略三角形(図4)、略台形(図5)、略半楕円形(図6)、もしくはなめらかな波型形状(図7)の偏向素子が用いられる。また、図4〜図7に示した偏向素子の表面に微細な凹凸形状を形成したものは、作製が比較的簡単で光制御の効果を得やすい。
【0022】
光の進行方向を変えるための光制御部である溝状の反射素子14は、反射面13に形成される。反射素子14は断面略三角形であり、その稜線は入射面11と略平行方向に延伸する。反射素子14の稜線は、直線状である。反射素子14は、入射面11から入射面11と対向する面に連続して複数形成される。なお、反射素子14は、出射面12に形成してもよい。この場合、反射面13は平坦面となる。また、反射素子14の稜線は、曲線状であってもよい。
【0023】
隣り合う反射素子14同士の間隔は一定でもよく、あるいは入射面11からの距離によって変化させてもよい。隣り合う反射素子14同士の間隔が一定の場合、出射面12から出射する光のうち、入射面11付近から出射する光量に対して、入射面11と対向する面の付近から出射する光量が少なくなる虞がある。この場合、反射素子14同士の間隔を入射面11から遠ざかるに従って密にすることで、入射面11と対向する面の付近から出射する光量を増加させることができる。隣り合う反射素子14同士の間隔を調整することによって、導光板7から出射する光の強度の位置分布を調整することができ、面内で均一な出射特性を有する面光源装置を実現できる。
【0024】
図8に示すように、反射素子14は、厚さaの導光板7の反射面13に周期pで配置される。反射素子14は、入射面11側の第1傾斜面14aと、導光板7の入射面11と対向する面側の第2傾斜面14bとを有する。出射面12に対し、第1傾斜面14aは傾斜角度α1を、第2傾斜面14bは傾斜角度α2を有する。傾斜角度α1、α2は全ての反射素子14において一定でもよく、一部あるいは全ての反射素子14において異なってもよい。
【0025】
反射素子14の周期pは、例えば1μm〜1000μm、好ましくは5μm〜500μm、より好ましくは10μm〜200μm、更に好ましくは20μm〜150μm、更により好ましくは67μm〜81μmの範囲である。傾斜角度α1は、例えば0.01°〜5°、好ましくは0.05°〜2°、より好ましくは0.1°〜0.8°、更に好ましくは0.15°〜0.65°、更により好ましくは0.25°〜0.55°の範囲である。傾斜角度α2は、例えば70°〜90°、好ましくは75°〜85°、より好ましくは78°〜83°、更に好ましくは79.35°〜79.85°、更により好ましくは79.45°〜79.75°の範囲である。導光板7の厚さaは、例えば0.04mm〜5mm、好ましくは0.05mm〜3mm、より好ましくは0.1mm〜1mm、更に好ましくは0.15mm〜0.6mm、更により好ましくは0.2mm〜0.4mmの範囲である。
【0026】
また、図9に示すように、隣接する反射素子14の間に平坦部を設けてもよい。幅paの溝形状の反射素子14が、周期pbで配置される。平坦部を設けることにより、導光板7から出射する光の強度の位置分布を調整することができ、面内で均一な出射特性を有する面光源装置を実現できる。なお、反射素子14の溝の底面に平坦部を設けてもよい。
【0027】
図10に示すように、第1傾斜面14aは、反射素子14が形成されていない出射面12において、入射面11から出射面12の法線と角度ψ1で入射した光を、出射面12の法線に対して角度ψ2となるように反射する。即ち、出射面12の法線に対してある角度をなして進む光は、第1傾斜面14aで反射することで、出射面12の法線とのなす角度が減少する。第1傾斜面14aでの反射を繰り返すことで、出射面12の位置Xにおいて出射面12の法線となす角度が臨界角より小さくなった光が、出射面12から出射される。このように、図10に示すように、光源10から導光板7の入射面11に入射した光は、出射面12の法線となす角が臨界角に達するまでは出射面12と反射面13で全反射を繰り返しながら導光板7の内部を進む。
【0028】
上述のように溝形状の反射素子14を反射面13に形成した導光板7では、第1傾斜面14aの傾斜角度α1は、第2傾斜面14bの傾斜角度α2より小さい。したがって、反射素子14の大部分が光の反射に使用されるため、導光板7内に入射した光を出射面12方向に反射する効率が高く、光利用効率が高い。
【0029】
導光板7の出射面12に、図11に示すように、断面が略三角形で、稜線が入射面11から入射面11と対向する面に向かって互に平行に延伸する複数の異方性拡散パターン30を形成してもよい。隣り合う異方性拡散パターン30の間隔は、1μm〜1000μm、好ましくは5μm〜300μm、より好ましくは10μm〜200μm、更に好ましくは15μm〜100μm、更により好ましくは20μm〜81μmの範囲である。また、異方性拡散パターン30として、ホログラムパターンを用いてもよい。なお、反射素子14が出射面12に形成される場合は、異方性拡散パターン30は、反射面13に形成される。
【0030】
異方性拡散パターン30は、導光板7の出射面12内で均一な出射特性を得ることに効果がある。特に、導光板7の入射面11付近において、光源10付近、及び隣接する光源10との間付近における光の出射強度差を減少させることに効果があり、面内で均一な出射特性を有するとともに表示品質の高い面光源装置を実現できる。
【0031】
光学フィルム6aは、図12及び図13に示すように、ベースフィルム1、及び偏向素子層2を備える。偏向素子層2は、厚さh2のベース層と、ベース層上に形成されたプリズム状の複数の偏向素子3とを有する。偏向素子3は、互に隣接して一方向に延伸する。偏向素子3は高さh1、周期d1で配置される。偏向素子3の断面形状は、三角形で、稜線は直線状である。偏向素子3の延伸方向に直交する方向に切った断面において、頂点からの法線と偏向素子3の入射面11側の第1傾斜面3a及びその反対側の第2傾斜面3bとがなす角度をそれぞれβ1及びβ2とする。なお、偏向素子3は、断面形状が略楕円や略台形等でもよく、稜線は曲線状であってもよい。また、隣り合う偏向素子3は互いに離れていてもよい。しかし、偏向素子3を互に接して配置するほうが光をよく偏向することができ、面光源装置の輝度が高くなる。
【0032】
ベースフィルム1として、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリオレフィン(PO)、ポリカーボネート(PC)、アクリル等のような透明な材料の単体もしくは2種類以上の組み合わせが利用できる。偏向素子層2として、ウレタンアクリレート樹脂、オリゴエステルアクリレート樹脂、エポキシアクリレート樹脂、シリコンアクリレート樹脂、アクリルアクリレート樹脂、ポリエステルアクリレート樹脂等の透光性の光硬化型樹脂が用いられる。
【0033】
光学フィルム6aには、出射光の角度分布を狭く、出射光をほぼ垂直に狭い角度分布で出射すること、及び出射光の輝度を上げること等の出射特性が要求される。このような出射特性を実現するため、光学フィルム6aの成形に用いる金型の加工性を考慮して、偏向素子層2のベース層の厚さh2、偏向素子3の高さh1、周期d1、第1及び第2傾斜面の角度β1、β2等が決定される。
【0034】
例えば、偏向素子層2のベース層の厚さh2を略0μmにすれば、偏向素子層2に使用する材料を減らすことができるため、製造原価を抑えることが可能である。また、面光源装置の総厚を薄くすることができる。一方、厚さh2を0μmより厚くすれば、偏向素子3を形成するときの異物混入等による変形を抑えることができ、面光源装置の表示品質の低下を防ぐことができる。よって、厚さh2の大きさは、実用的には、異物混入等による偏向素子3の変形を抑えることができる最低の厚みにすることが望ましい。また、製造時の厚さばらつきがある場合には、ばらつきを考慮して厚さh2を厚くすることが望ましい。
【0035】
偏向素子層2のベース層の厚さh2は、例えば2μm〜20μm、好ましくは2.5μm〜16μm、より好ましくは3μm〜14μm、更に好ましくは4μm〜12μm、更により好ましくは5μm〜10μmの範囲である。
【0036】
また、偏向素子3の高さh1は、例えば3μm〜100μm、好ましくは3.5μm〜50μm、より好ましくは4μm〜20μm、更に好ましくは5μm〜10μm、更により好ましくは5.4μm〜6.4μmの範囲である。周期d1は、例えば3μm〜50μm、好ましくは3.5μm〜30μm、より好ましくは4.5μm〜15μm、更に好ましくは4.9μm〜10.1μm、更により好ましくは4.9μm〜5.1μmの範囲である。
【0037】
偏向素子3の第1傾斜面3aの角度β1は、例えば0°〜30°、好ましくは4°〜20°、より好ましくは6°〜16°、更に好ましくは8°〜12°、更により好ましくは9.8°〜10.8°の範囲である。第2傾斜面3bの角度β2は、例えば10°〜60°、好ましくは20°〜50°、より好ましくは30°〜40°、更に好ましくは34°〜38°、更により好ましくは35.5°〜36.5°の範囲である。
【0038】
また、偏向素子3として、例えば、断面が鋸歯形状で、各歯の先端をはさむ二辺の長さが10%以上異なり、夾角が60°以下の偏向素子を用いてもよい。偏向素子の光学材料の屈折率がnの場合、偏向素子は、溝の平均の深さhが、h=α×d/(n−1) (但し、0.4≦α≦1、dは偏向素子の平均周期)であることが望ましい。0.46μm≦λ1≦0.5μm、0.53μm≦λ2≦0.57μm、0.6μm≦λ3≦0.64μmの範囲にある3波長λ1、λ2、λ3の光を15°≦γ1≦70°の範囲内のある角度γ1で入射させた時、各波長の回折効率が最大となる回折角度が、−5°から+5°の範囲に含まれているように設計した場合、高輝度な面光源装置を得ることができる。
【0039】
また、偏向素子3として、例えば、ホログラムを構成する平均周期200μm以下の溝又は山からなる形状の偏向素子を用いてもよい。ホログラムは、入射角が30°±15°の白色光を光学フィルムの偏向素子が形成されてない面に垂直な方向に曲げる。偏向素子の光学材料の屈折率をnとした時、偏向素子は、平均周期が5.0±1.0μm、平均深さが(3.7±1.0)/(n−1)μmである鋸歯形状、又は、鋸歯形状の溝が深さの50%未満だけ埋まっている形状であることが望ましい。このように設計した場合、高輝度な面光源装置を得ることが出来る。
【0040】
図14に示すように、面光源装置において、光学フィルム6aは、偏向素子層2が導光板7の出射面12に面するように設置する。光学フィルム6aは、図15に示すように、偏向素子3の稜線が、導光板7に形成された反射素子14の稜線とほぼ平行に設置する。あるいは、図16に示すように、偏向素子3の稜線を、反射素子14の稜線に対して所定の角度で傾けてもよい。この場合、偏向素子3の第1傾斜面3aが入射面11側を向くように設置する。偏向素子3の稜線を反射素子14の稜線に対して所定の角度で傾けることにより、導光板7と光学フィルム6aとの間、あるいは光学フィルム6aと面光源装置の出射側に配置される液晶表示装置との間でモアレ干渉縞が発生しにくくなる。
【0041】
図17に示すように、導光板7の出射面12から出射する光の多くは、出射面12となす角度が小さい。出射面12となす角度γ1、γ2で出射する光L1,L2は、光学フィルム6a内に偏向素子3の第1傾斜面3aから入射する。入射した光L1、L2は、第2傾斜面3bで反射されて、光学フィルム6aの上面に対して垂直に近い角度に偏向される。したがって、光学フィルム6aの上面に対して垂直に近い角度γo1、γo2で偏向した光Lo1、Lo2が光学フィルム6aから出射する。その結果、光学フィルム6aは、面光源装置から出射する光の正面強度を向上させる。
【0042】
なお、光学フィルム6aによる光の偏向については、次のような注意が必要である。光学フィルム6aの隣り合う偏向素子3同士の距離が充分大きい場合には、光の屈折・全反射現象をもとにして偏向素子3の形状や距離を設計すればよい。一方、光学フィルム6aの隣り合う偏向素子3同士の距離が10μm程度以下になると、光の回折・干渉現象を考慮して偏向素子3の形状や距離を設計する必要がある。(例えば、特開2006−58844号公報参照)。
【0043】
例えば、光学フィルム6aにおいて、光の回折現象を考慮して、図17に示した偏向素子3の周期d1を4.9μm〜5.1μmの範囲、角度β1を9.8°〜10.8°の範囲、かつ角度β2を35.5°〜36.5°の範囲とする。このように設計された光学フィルム6aを用いることにより、面光源装置の正面輝度を向上させることができる。
【0044】
光学フィルム6aと拡散フィルム8とは、実際には近接して配置される。光学フィルム6aの上面と拡散フィルム8の入射面が共に平滑の場合、光学フィルム6aと拡散フィルム8が部分的に密着する。そのため、ウェットアウトやニュートンリング等の表示欠陥が発生し、表示品質が悪くなる。
【0045】
光学フィルム6が他の部材と部分的に密着することを防止するために、光学フィルム6は、図18及び図19に示すように、偏向素子層2が形成されたベースフィルム1の反対側の面に突起層4を設けることができる。突起層4は、厚さHr2のベース層と、ベース層上に形成された高さHr1で、半値幅Drの複数の突起5を有する。突起5は、隣り合う突起5との距離Prで配列される。突起5は、光学フィルム6と拡散フィルム8との部分的な密着を防止することができる。なお、「半値幅」とは、突起5の高さHr1の半分の位置で突起5を切断した場合の切り口において最大となる径のことである。
【0046】
突起5は、円柱状、円錐状、三角柱状、三角錐状、四角柱状、四角錐状、あるいは半球状である。光学フィルム6と拡散フィルム8との部分的密着を防ぐためには、突起5の接触面積が少ないほうが望ましい。例えば、図20に示すような先端がなだらかな形状よりも、図21に示すような先端が尖った形状のほうが先端部の面積を少なくできる。したがって、突起5としては、柱状よりも半球状や錐状のほうが効果的である。また、微小な面積内に形成した複数の凹凸を、突起5としてもよい。また、突起の先端にくぼみを有する突起としてもよい。突起層4として、ウレタンアクリレート樹脂、オリゴエステルアクリレート樹脂、エポキシアクリレート樹脂、シリコンアクリレート樹脂、アクリルアクリレート樹脂、ポリエステルアクリレート樹脂等の透光性の光硬化型樹脂が用いられる。
【0047】
突起層4のベース層の厚さHr2は、例えば2μm〜20μm、好ましくは2.5μm〜16μm、より好ましくは3μm〜14μm、更に好ましくは4μm〜12μm、更により好ましくは5μm〜10μmの範囲である。例えば、厚さHr2を略0.1μmに薄くすれば、突起層4に使用する材料を減らすことができるため、製造原価を抑えることができる。また、面光源装置の総厚を薄くすることができる。一方、厚さHr2を略0.1μmより厚くすれば、突起層4を形成するときの異物混入等による変形を抑えることができるため、面光源装置の表示品質の低下を防ぐことができる。よって、厚さHr2の大きさは、実用的には、突起層4を形成するときの異物混入等による変形を抑えることが可能な最低の厚さ、例えば2μm以上にすることが望ましい。また、生産時の厚さのばらつきがある場合には、ばらつきを考慮して厚さHr2を、例えば5μm以上に厚くすることが望ましい。
【0048】
また、突起5の高さHr1は、例えば3μm〜30μm、好ましくは4μm〜20μm、より好ましくは5μm〜16μm、更に好ましくは7μm〜13μm、更により好ましくは9μm〜12μmの範囲である。突起5は、光学フィルム6と拡散フィルム8の間に隙間を作ることが目的である。しかし、面光源装置を薄くしたいため、突起5の高さHr1は30μmを越えて高くするのは好ましくない。また、突起5の高さHr1が3μmより低すぎると、隙間が狭くなり面光源装置を表面から軽く押しただけで光学フィルム6と拡散フィルム8が部分的に密着してしまう。
【0049】
突起5の半値幅Drは、例えば1μm〜60μm、好ましくは4μm〜40μm、より好ましくは5μm〜30μm、更に好ましくは6μm〜20μm、更により好ましくは10μm〜17μmの範囲である。半値幅Drが広い突起5においては、光学フィルム6と拡散フィルム8の接触面積が広くなりやすく、部分的な密着を起こしやすい。一方、高さHr1を変えず半値幅Drを狭くした突起5は形成することが難しく、また突起5の強度も弱くなり破壊しやすい。
【0050】
隣り合う突起5の距離Prは、例えば50μm〜3000μm、好ましくは75μm〜1000μm、より好ましくは100μm〜500μm、更に好ましくは240μm〜350μm、更により好ましくは285μm〜315μmの範囲である。突起5の距離Prが3000μmより大きすぎると、光学フィルム6もしくは拡散フィルム8がたわんで互いに接触し、部分的に密着しやすくなってしまう。距離Prが50μmより小さすぎると、突起5による光の散乱量が無視できなくなり、光学フィルム6が白濁したり、光学フィルム6からの出射光が暗くなったり、出射光の出射角度分布が変化してしまう。
【0051】
また、輝度を高くする光学フィルムが提案されている(例えば、特許第4265602号公報、特許第4240037号公報参照)。提案された光学フィルムには、透過型回折格子やホログラム光学素子が形成されている。透過型回折格子やホログラム光学素子が形成された面とは反対の面に複数の突起を形成することは、見栄えのよい高輝度な面光源装置を実現することに対し非常に有効である。
【0052】
しかし、特許第4240037号公報に記載の液晶ディスプレー装置の例においては、2枚の光学フィルムを使用している。それに対して、実施の形態に係る面光源装置では、光学フィルム6を1枚しか使用せずに高輝度を実現することができる。このように、実施の形態では、部材数の低減、及び面光源装置の薄型化に貢献することができる。
【0053】
また、特許第4240037号公報では、光学フィルムの出射面に拡散体を形成しており、モアレやニュートンリングや輝度むらを解消している。この場合、拡散体が形成されている光学フィルムから出射する光は、拡散体によって少なからず広がってしまう。一方、実施の形態に係る面光源装置の光学フィルム6から出射する光は、突起5によりほとんど拡散されないため、正面輝度を高くできる。
【0054】
図1に示したように、光学フィルム6は、偏向素子3が形成されている偏向素子層2が導光板7の出射面12に面する向きで設置する。偏向素子3の稜線は、図15あるいは図16に示したように、導光板7に形成された反射素子14の稜線とほぼ平行か、所定の角度傾ける。また、偏向素子3の第1傾斜面3a側(図19参照)が入射面11側を向くように設置する。反射素子14に対して偏向素子3の稜線を所定の角度傾けることによって、導光板7と光学フィルム6、あるいは光学フィルム6と液晶表示装置間でモアレ干渉縞が発生しにくくなり、全く発生しなくなる場合もある。
【0055】
本実施例では、光学フィルム6の上面に突起5が形成されている。そのため、拡散フィルム8の入射面が平滑の場合であっても、光学フィルム6と拡散フィルム8が部分的に密着することなく、表示品質を良好のまま保つことができる。
【0056】
突起5は規則的でもランダムでもよい。規則的に、周期的に配列する場合は特に、格子状の配列は設計が容易である。格子状に突起5を配列する場合、単位格子は正方形、長方形、平行四辺形等を用いることができる。また、突起5を配列する方向は、光学フィルム6の偏向素子3の稜線に対して平行に配置すると、設計が比較的容易である。突起5と偏向素子3、又は突起5と液晶表示装置が干渉して干渉縞を発生する場合は、突起5を配列する方向は光学フィルム6の偏向素子3の稜線に対して所定の角度傾けることで干渉を解消することができる。
【0057】
図22には、図1に示した面光源装置において、拡散フィルム8を取り除いて光出射角度分布を測定した結果を示している。比較として、図14に示した突起層(凹凸層)を形成しない光学フィルム6aを用いた面光源装置の光出射角度分布を合わせて示している。なお、偏向素子3は、光学フィルム6、6a共に、第2傾斜面3bの角度β2=36°、第1傾斜面3aの角度β1=10.3°、周期d1=10μmである。また、突起層4を形成した光学フィルム6においては、突起5は、半値幅Dr=13μm、距離Pr=290μm、高さHr1=10μmである。図22に示すように、突起5の有無によって、面光源装置からの出射光の光学特性が変わらないことがわかる。
【0058】
次に、光学フィルム6と拡散フィルム8の部分的密着を評価する方法について説明する。図1に示した構成において、光源10を点灯させない状態、及び点灯させた状態で、綿棒で30g重(0.29N)程度の力で拡散フィルム8を上方から押し付けながらこする。こすった部分で光学フィルム6と拡散フィルム8が密着すると、その部分が目視で暗くなったり着色したりして、こすっていない部分との輝度むらが確認できる。
【0059】
表1に、光学フィルム6と拡散フィルム8の部分的密着を評価した結果を示す。比較として、図14に示した突起なしの光学フィルム6aの評価結果も示している。表1において、○は部分的密着が解消されていることを示し、×は部分的密着が解消されていないことを示す。表1に示すように、突起なしでは、光源10の非点灯時及び点灯時ともに部分的密着は解消されない。突起5の高さが4μm〜4.8μmの範囲では、光源10の非点灯時に部分的密着が解消されるが、点灯時には部分的密着は解消されない。突起5の高さが9.3μm〜10.2μmの範囲では、光源10の非点灯時及び点灯時で部分的密着が解消されていることが分かる。このように、突起5の高さが4μm以上では光源10の非点灯時で、9μm以上で光源10の非点灯時及び点灯時で部分的密着が解消されることが確認されている。
【0060】
【表1】
【0061】
次に、実施の形態に係る面光源装置に用いる光学フィルム6の製造方法を、図23及び図24を用いて説明する。突起5及び偏向素子3は、転写用金型60a、60bを用いて転写工程により転写される。金型60aは、銅めっき等を施した円筒状の金属の表面にエッチング等により突起5に対応するくぼみが形成されている。銅めっきの場合、さびを防止するために、くぼみを形成後、クロムめっき等で表面保護層を形成する。金型60bは、ニッケルめっき等を施した円筒状の金属の表面にバイトで切削加工することにより偏向素子3の形状に対応する溝を形成する。あるいは、エッチング等により偏向素子3の形状に対応する溝を形成してもよい。また、金型60bに形成する溝の稜線方向は、金型60bの円周方向、あるいは長手方向でもよく、それらの方向から所定の角度傾けた方向でもよい。
【0062】
また、ベースフィルム1には、PETフィルム、例えば、東洋紡績株式会社製、商品名:コスモシャイン、品番:A4300、厚み:50μmが使用できる。他にも透明なフィルム、特に紫外線をよく透過するフィルムが使用可能である。
【0063】
図23に示すように、光学フィルム成形装置のフィルム供給部にローラ61a、転写部に金型60a、及びフィルム巻取り部にローラ61bを設置する。ローラ61aから供給されたベースフィルム1の面上にディスペンサ62から光硬化型樹脂63が滴下される。ベースフィルム1上の光硬化型樹脂63に金型60aにより突起5を転写して形成しながら、光照射装置64により紫外線等を照射して光硬化型樹脂63を硬化させて、ベースフィルム1に突起層4を一体に圧着する。金型60aから離型したベースフィルム1は、ローラ61bに巻き取られる。
先端にくぼみを有する突起を作製したい場合には、金型のくぼみに樹脂を埋め込むときに気泡が巻き込まれるようにすることによって得られる。
【0064】
図24に示すように、光学フィルム成形装置のフィルム供給部にローラ61b、転写部に金型60b、及びフィルム巻取り部にローラ61cを設置する。ローラ61bから供給されたベースフィルム1の、突起層4が圧着されていない面上にディスペンサ62から光硬化型樹脂63が滴下される。ベースフィルム1上の光硬化型樹脂63に金型60bにより偏向素子3を転写して形成しながら、光照射装置64により紫外線等を照射して光硬化型樹脂63を硬化させて、ベースフィルム1に偏向素子層2を一体に圧着する。金型60bから離型したベースフィルム1は、ローラ61cに巻き取られる。このようにして、光学フィルム6が製造される。
【0065】
光学フィルム6では、形状転写性のよい光硬化型樹脂63を用いて偏向素子層2及び突起層4を形成することが出来る。その場合、転写された偏向素子3は、図25に示すように、先端を鋭角に成形することができる。例えば、偏向素子3の高さを設計値の0.2μm以下のずれにすることができる。また、ベースフィルム1には、強度の高いPETフィルムが用いられるので、光学フィルム6の強度を確保することができる。
【0066】
なお、上記の説明では、突起層4を成形した後に偏向素子層2を成形しているが、成形順番は限定されない。始めに偏向素子層2を成形した後に突起層4を成形してもよい。
【0067】
また、図24では偏向素子3の稜線はフィルムのTD方向(フィルムの幅方向)のように記載してあるが、MD方向(フィルムの進行方向)でもよい。金型加工の容易さと、偏向素子3の形成時に気泡を巻き込みにくいという理由で、MD方向のほうが好ましい。
【0068】
また、光硬化型樹脂63に突起5あるいは偏向素子3を転写する転写工程において、光硬化型樹脂63が金型60a、あるいは金型60bから離型しにくいことがある。光硬化型樹脂63が金型60a、あるいは金型60bから離型しなかった場合、光学フィルム6に欠陥が発生し不良品となる。この不具合を防ぐために、金型60a及び金型60bに対して、離型剤(例えば、ダイキン工業株式会社製、製品名:デュラサーフ、品番:HD−2101Z)を用いて離型処理を行うとよい。離型処理により、光硬化型樹脂63の金型60a及び金型60bからの離型性を向上させることができ、光硬化型樹脂63が金型60a及び金型60bに残ることを防止することができる。その結果、光学フィルム6に欠陥が発生しにくくなる。
【0069】
本発明に係る、少なくとも両端付近にスペーサーとして片面粘着性のテープが設けられている、ロール状に巻かれた形状付きフィルムの製造方法の一例を図26に示す。図26では形状はフィルムの片面のみに形成されているが、フィルムの光学特性や物理特性(強度、重ねたときの貼り付き防止等)を向上させるためにフィルムの両面に何らかの形状が形成されていてもよい。図26では、光硬化型樹脂を用いた型転写方式で、稜線が直線のプリズムアレイである偏向素子3が形成される光学フィルム6について説明する。
【0070】
偏向素子3は、転写用金型60bを用いて転写工程により転写される。ベースフィルム1には、例えばPETフィルムが使用できる。
【0071】
図26に示すように、光学フィルム成形装置のフィルム供給部にローラ61b、転写部に金型60b、及びフィルム巻取り部にローラ61cを設置する。ローラ61bから供給されたベースフィルム1にディスペンサ62から光硬化型樹脂63が滴下される。ベースフィルム1上の光硬化型樹脂63に金型60bにより偏向素子3を転写して形成しながら、光照射装置64により紫外線等を照射して光硬化型樹脂63を硬化させて、ベースフィルム1に偏向素子層2を一体に圧着する。金型60bから離型したベースフィルム1は、光学フィルム6としてローラ61cに巻き取られる。そのとき同時にスペーサーテープ70を貼りつつ巻き取る。スペーサーテープ70が主にフィルム幅方向に位置ずれを起こさないため及びフィルムロールの取扱いがスペーサーテープ70のありなしで変更なきためには、スペーサーテープ70は片面粘着性のテープが好ましい。
【0072】
図27において、2本のスペーサーテープ70の間の部分の形状が保護されるため、スペーサーテープ70は光学フィルム6の両端付近に貼ることが好ましい。スペーサーテープ70を光学フィルム6の偏向素子3が形成されていない部分に貼る場合、スペーサーテープ70の厚みは、フィルムに形成されている形状の高さh1以上にする必要があり、例えば形状の高さh1が10μmの場合、スペーサーテープ70の厚みは25μmのものが使用できる。スペーサーテープ70を光学フィルム6の偏向素子3が形成されている部分に貼る場合は比較的薄くてもよいが、市販されている片面粘着性のテープとしては厚み25μm程度のものが入手が容易である。
【0073】
図28には、光学フィルム6に保護フィルム71を形成する場合のスペーサーテープ70の形成方法を示す。光学フィルム6はベースフィルム1上に偏向素子3を転写して形成した後、保護フィルム71aと71bを貼り合せローラ72にて貼り合わされ、その後スペーサーテープ70を貼った後に、ローラ61cにて巻き取られる。図28には光学フィルム6の両面に保護フィルム71を形成するように記載しているが、保護したい面が片面だけの場合等は、保護フィルム71を形成するのは片面だけでもよい。また保護フィルム71は粘着性があるか粘着性が全くないものを使用できる。粘着性がある場合、光学フィルム6表面へのごみの付着・侵入を防ぐことができる。また片面粘着性でかつ微粘着性の保護フィルム71を使用した場合は、ロール巻き状態の光学フィルム6から保護フィルム71付きのまま引き出しやすく、使用直前まで保護フィルム71を貼ったままに出来、使用時に容易に保護フィルム71を剥離できるため、取扱いの点で有利である。
【0074】
図27と図28に比べて、光学フィルム6の巻き取りの方向を逆にした場合を図29、図30に示す。この場合も前述の図27及び図28の場合と同様である。
【0075】
図31のように、スペーサーテープ70を3本以上形成することができる。幅が広いフィルムの場合、スペーサーテープ70を形成する部分が両端の2ヶ所だけでは、フィルム幅方向の中央部付近等はフィルム同士が接触しやすく、充分にスペーサーの機能を果たせないことがあり、そのようなときには図31のようにスペーサーテープ70を3本以上形成すると巻き締まりによってフィルム同士に強い外力が加わることがなくなる。また図32のようにフィルム幅方向に形状が断続的に形成されているような場合、形状が形成されていない部分にスペーサーテープ70を形成すると、形状を形成した部分を無駄に捨てることがなく経済的である。
【0076】
図33に、スペーサーテープ70を形成したフィルムのスリット工程を示す。点S1及び点S2において、カッターやスリッター等の刃物で、光学フィルム6を保護フィルム71とスペーサーテープ70ごとスリットすることで、スリット後の巻き取りロールにおいても両端にスペーサーテープ70を形成した光学フィルム6のロール品を得ることが出来る。このときスペーサーテープ70の幅方向の中央部付近でスリットすることで、より良好にスペーサーとして機能するスペーサーテープ付きロール状フィルムが得られる。
【0077】
高さ:5.5μm、周期:5μmのプリズム形状が片面に形成された、幅:430mm、長さ:20mのロール状に巻かれたフィルムについて、フィルムをロール状に巻いた後24時間後におけるスペーサーテープ70の効果を示す。スペーサーテープ70を全く形成しなかった場合の外観写真及び電子顕微鏡写真を図34及び図35に示す。外観写真ではムラが見え、電子顕微鏡写真ではプリズム頂角が変形していることがわかる。一方、図27のようにフィルム端から50mmの位置に厚み:25μmのスペーサーテープ70を形成した場合の外観写真及び電子顕微鏡写真を図36及び図37に示す。外観写真ではムラが全くなく、電子顕微鏡写真ではプリズム形状が全く変形していないことが分かる。
【0078】
次に、光硬化型樹脂63の作製方法について説明する。光硬化型樹脂63として、ウレタンアクリレート型光硬化型樹脂を例として説明する。
【0079】
攪拌機、温度計、冷却管及び空気ガス導入管を2Lの三口フラスコに取り付ける。三口フラスコに、空気ガスを導入した後、ポリテトラメチレングリコール(保土ヶ谷化学工業株式会社製、商品名:PTG850SN):520.80g、ジエチレングリコール:1.06g、不飽和脂肪酸ヒドロキシアルキレンエステル修飾ε−カプロラクトン(ダイセル化学工業株式会社製、商品名:FA2D):275.20g、重合禁止剤としてp−メトキシキノン:0.5g、触媒としてジブチル錫ジラウレート(東京ファインケミカル株式会社製、商品名:L101):0.3gを入れ、70℃に昇温する。昇温後、70〜75℃で攪拌しつつイソホロンジイソシアネート(住化バイエルウレタン株式会社製、商品名:デスモジュールI):222gを2時間かけて均一滴下し、反応を行う。滴下終了後、約5時間反応させてIR測定を行う。IR測定の結果、イソシアネートが消失したことを確認して反応を終了し、重量平均分子量が7,000のウレタンオリゴマーが得られる。
【0080】
ウレタンオリゴマーと、1,9−ノナンジオールジアクリレート(共栄社化学株式会社製)を、3:7ないし5:5の割合で混合して、光硬化型樹脂63を調整する。なお、上記の成分以外に、光開始剤として1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(BASF社製、商品名:イルガキュア184)が1質量部含まれる。
【0081】
(その他の実施の形態)
上記のように、本発明を本発明の実施の形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面は、本発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。したがって、本発明の技術的範囲は、上記の説明から妥当な特許請求の範囲に係わる発明特定事項によってのみ定められるものである。
【産業上の利用可能性】
【0082】
本発明のフィルム及びフィルムの製造方法及びフィルムのスリット加工方法は、形状が形成されているロール状のフィルムに利用できる。光を偏向させたり反射させるための形状が形成されているフィルムに利用できる。物理的に空間を保つ目的の突起等を有するフィルムに利用できる。携帯電話機、ゲーム機器、電子手帳、カーナビゲーション、ノートパソコン、テレビ等の液晶表示装置等に於けるバックライトの、光を偏向させるためのプリズムシート等に使用することができる。
【符号の説明】
【0083】
1…ベースフィルム
2…偏向素子層
3…偏向素子
3a…第1傾斜面
3b…第2傾斜面
4…突起層
5…突起
6…光学フィルム
7…導光板
8…拡散フィルム
9…リフレクタ
10…光源
11…入射面
12…出射面
13…反射面
14…反射素子
60a、60b…転写用金型
61a、61b、61c…ローラ
62…ディスペンサ
63…光硬化型樹脂
64…紫外線照射装置
70…スペーサーテープ
71…保護フィルム
72…貼り合せローラ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フィルムの片面又は両面に凸部が形成されており、前記フィルムの少なくとも両端付近に片面粘着性のテープが貼り付けられている、ロール状に巻かれたフィルム。
【請求項2】
フィルムの少なくとも片面に保護フィルムが設けられ、前記保護フィルムの両端部に片面粘着性のテープが貼り付けられている請求項1に記載のロール状に巻かれたフィルム。
【請求項3】
フィルムの片面又は両面に凸部が形成されており、前記フィルムの両端付近及びその他の1ヶ所以上に片面粘着性のテープが貼り付けられており、ロール状に巻かれた前記フィルムにおいて、前記フィルムと共に前記テープの中央付近を切断してスリット加工することで、スリット後の前記フィルムの両端付近に片面粘着性のテープが貼られているフィルム。
【請求項4】
フィルム表面及び/又は裏面に凸部を形成した後、前記フィルムを巻き取る前に、前記フィルムの少なくとも両端付近に片面粘着性のテープを貼り付ける工程を行うロール状に巻かれたフィルムの製造方法。
【請求項1】
フィルムの片面又は両面に凸部が形成されており、前記フィルムの少なくとも両端付近に片面粘着性のテープが貼り付けられている、ロール状に巻かれたフィルム。
【請求項2】
フィルムの少なくとも片面に保護フィルムが設けられ、前記保護フィルムの両端部に片面粘着性のテープが貼り付けられている請求項1に記載のロール状に巻かれたフィルム。
【請求項3】
フィルムの片面又は両面に凸部が形成されており、前記フィルムの両端付近及びその他の1ヶ所以上に片面粘着性のテープが貼り付けられており、ロール状に巻かれた前記フィルムにおいて、前記フィルムと共に前記テープの中央付近を切断してスリット加工することで、スリット後の前記フィルムの両端付近に片面粘着性のテープが貼られているフィルム。
【請求項4】
フィルム表面及び/又は裏面に凸部を形成した後、前記フィルムを巻き取る前に、前記フィルムの少なくとも両端付近に片面粘着性のテープを貼り付ける工程を行うロール状に巻かれたフィルムの製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【公開番号】特開2013−10901(P2013−10901A)
【公開日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−145668(P2011−145668)
【出願日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【出願人】(000004455)日立化成工業株式会社 (4,649)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【出願人】(000004455)日立化成工業株式会社 (4,649)
【Fターム(参考)】
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