説明

ワイヤレスネットワーク品質に基づいた登録タイマ調整

【課題】ワイヤレスネットワークの中で動作するワイヤレス通信デバイス(WCD)の登録期間をネットワーク品質に基づいて制限する。
【解決手段】WCDは、セッション開始プロトコル(SIP)などの信号方式プロトコルに応じてネットワークへの登録を行う。WCDは、ネットワーク品質を決定し(75)、決定したネットワーク品質に基づいて登録タイマを調整する(79)。例えば、ネットワーク品質が、低品質であるときは登録タイマの長さを短くする。ネットワーク品質が劣化しているときに、登録タイマを短く調整して登録する(81)ことにより、カバレージの外に移動したWCDの、古くなった登録をより速く期限切れさせ、より速くクリアすることができる。その結果、古い登録に対する所要リソース量は、低減されることとなる。WCDが、ネットワークカバレージを保持しようとする場合には、新たな登録要求を送信することにより維持することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ワイヤレス通信(wireless communication)に関し、そして、より詳細には、ワイヤレスネットワーク内のワイヤレス通信デバイス(wireless communication devices)(WCDs)の登録を管理するための技法に関する。
【背景技術】
【0002】
[背景]
セッション開始プロトコル(Session Initiation Protocol)(SIP)は、パケットベースのネットワークにおける、インターネットプロトコル(Internet Protocol)(IP)ベースの電話技術サービスの配信を確立すること、および管理することのためのアプリケーションレイヤ信号方式および制御のプロトコルである。SIPは、ユーザ認証サービス、リダイレクト(redirect)サービスおよび登録サービスを提供し、そしてオーディオまたはビデオの会議、テキストメッセージング、対話型ゲーミング(interactive gaming)、コール転送(call transfer)など、様々の電話技術サービスをサポートするために使用されることができる。SIPプロトコルは、2002年に公開されたコメントの要求(Request for Comment)(RFC)3261の中で説明され、インターネットエンジニアリングタスクフォース(Internet Engineering Task Force)(IETF)により作成される。
【0003】
SIPは、セッションのセットアップ、修正、および終了のためのいくつかの機能を提供する。それらの機能は、登録、機能ネゴシエーション(feature negotiation)、およびコール管理を含む。登録機能は、クライアントが、ネットワーク内におけるその現在のロケーションを発見することを可能にする。SIPレジストラ(SIP registrar)は、要求の中で指定されるクライアントについてのロケーション情報でロケーションサーバをアップデートする目的のために登録要求を処理する。そのレジストラは、そのクライアントに関連するユニバーサルリソース識別子(universal resource identifier)(URI)と、IPアドレスとの間のバインディング(binding)を書き込むことによりロケーションサーバをアップデートする。
【0004】
登録機能は、SIPネットワークがクライアントの所在を見出すことを可能にする。例えば、クライアントが、メッセージングアプリケーションを起動するときに、クライアントは、レジストラに対してレジスタメッセージ(register message)を送信する。レジスタメッセージは、クライアントについてのURIと、クライアントのIPアドレスと、登録タイマ(registration timer)と、を含む。レジストラは、登録タイマの存続期間にわたってURIとIPアドレスとの間のバインディングを記憶する。一般的に、登録は、あらかじめ決定された期間、例えば、3600秒にわたって有効である。クライアントが到達可能であることを保証するために、クライアントは、登録タイマの期限切れ(expiration)に先立って再登録する。
【発明の概要】
【0005】
一般に、本開示は、ワイヤレスネットワークの中で動作するワイヤレス通信デバイス(wireless communication devices)(WCD)についての登録を管理するための技法を対象としている。本技法は、セッションを生成すること、修正すること、および終了することのために、SIPなどの信号方式プロトコルに応じて登録をサポートするモバイルWCDにおいて実行されることができる。WCDは、WCDによって経験される(experienced)ネットワーク品質に基づいて登録タイマを適応するように調整する登録モジュールを含むことができる。ネットワーク品質が、低品質であるときには、例えば、WCDは、登録タイマの長さを減少させ、そしてその減少させられた長さの登録タイマをレジストラなどのネットワーク装置に対して通信する。
【0006】
ネットワーク品質は、ワイヤレスネットワーク内のWCDのロケーションの関数として変化する可能性がある。WCDが移動するにつれて、WCDと、ネットワーク装置との間の距離は、変化する可能性があり、そしてWCDは、異なる物理状態または環境状態、あるいは異なるネットワークトラフィックに、さらされる可能性があり、これらのおのおのは、ネットワーク品質における変化をもたらす可能性がある。低減させられた信号強度、増大させられたフェーディング(fading)、あるいは他の不利な信号特性は、ワイヤレス信号を信頼できるように受信し、かつ/または送信する、WCDの能力を損なう(undermine)可能性がある。低下させられたネットワーク品質は、WCDが、ネットワークカバレージ(network coverage)を失う危険があることを示す(indicate)可能性がある。
【0007】
ネットワーク品質が、劣化させられるときに、登録タイマの長さを減少させることにより、カバレージの外のWCDについての古い(stale)登録の数が、減少させられることができる。特に、短くされた登録タイマは、より速く(more quickly)期限切れすることになり、ネットワークが、カバレージの損失に続いてより速く登録をクリアする(clear)ことを可能にする。その結果、古い登録に専用のコール転送と、他のリソースとの量は、減少させられることができ、ワイヤレスネットワーク内のリソースのより効率のよい利用を可能にする。WCDが、ネットワークカバレージを保持する場合、それは、登録を更新するために、再登録要求を送信することにより、短くされた登録タイマにもかかわらず、登録を維持することができる。
【0008】
一実施形態においては、本開示は、ワイヤレスネットワーク上で動作するワイヤレス通信デバイス(WCD)についてのネットワーク品質を決定することと、ネットワーク品質に基づいてワイヤレスネットワーク上のWCDの登録に関連する登録タイマを調整することと、を備える方法を提供する。
【0009】
別の実施形態においては、本開示は、ワイヤレスネットワーク内のワイヤレス通信デバイス(WCD)についてのネットワーク品質を決定するネットワーク品質モジュールと、ネットワーク品質に基づいてワイヤレスネットワーク上のWCDの登録に関連する登録タイマを調整する登録モジュールと、を備えるデバイスを提供する。
【0010】
追加の一実施形態においては、本開示は、プロセッサに、ワイヤレスネットワーク上で動作するワイヤレス通信デバイス(WCD)についてのネットワーク品質を決定させ、そしてネットワーク品質に基づいてワイヤレスネットワーク上のWCDの登録に関連する登録タイマを調整させる、命令、を備える機械可読媒体(machine-readable medium)を提供する。
【0011】
本開示において説明される技法は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはそれらの任意の組合せの形でインプリメントされることができる。ソフトウェアの形でインプリメントされる場合、本技法は、実行されるときに、ここにおいて説明される1つまたは複数の方法を実行する命令を含むプログラムコードを備える機械可読媒体によって部分的に実現されることができる。本開示において説明される技法は、少なくとも部分的に回路の形でインプリメントされることができ、この回路は、WCDにおける組込みのために適したチップまたはチップセットによって実施されることができる。いくつかの実施形態においては、本開示は、そのような回路を組み込んでいるWCDを対象としている。
【0012】
本発明の1つまたは複数の実施形態についての詳細は、添付図面、および以下の説明の中で述べられる。本発明の他の特徴、目的、および利点は、説明および図面から、そして特許請求の範囲から、明らかであろう。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】図1は、SIPベースの電話技術サービスをサポートするワイヤレスネットワークを示すブロック図である。
【図2】図2は、WCDとの通信の管理のためのSIPインフラストラクチャ(SIP infrastructure)を示すブロック図である。
【図3】図3は、SIPに従ってWCDを登録するための例示のコールフローを示す図である。
【図4】図4は、本開示の一実施形態に従ってWCDの登録を管理するように装備された例示のWCDを示すブロック図である。
【図5】図5は、本開示の一実施形態に従って登録の管理を示す流れ図である。
【図6】図6は、図5に示されるような登録の管理をさらに詳細に示す流れ図である。
【詳細な説明】
【0014】
ネットワーク品質は、ワイヤレスネットワーク内のWCDのロケーションの関数として変化する可能性がある。WCDが移動するにつれて、例えば、WCDと、ネットワーク装置との間の距離は、増大する可能性があり、そしてWCDは、異なる物理状態または環境状態、あるいは異なるネットワークトラフィックに、さらされる可能性があり、これらのおのおのは、ネットワーク品質における変化をもたらす可能性がある。低減させられた信号強度、増大させられたフェーディング、あるいは他の信号特性は、ワイヤレス信号を信頼できるように受信し、かつ/または送信する、WCDの能力に悪影響を及ぼす可能性がある。低下させられたネットワーク品質は、WCDが、ネットワークカバレージを失う危険があることを示す可能性がある。
【0015】
ネットワーク品質は、様々な異なるパラメータ、測定値、またはメトリクス(metrics)のうちのどれかを使用して、様々なやり方のうちのどれかで決定されることができる。ネットワーク品質の低下は、WCDが、ネットワークカバレージを失う可能性があるという増大されたリスクを示す。SIPベースの通信の場合には、ネットワーク装置は、たとえモバイルWCDが、カバレージの外にあったとしても登録を維持することができる。登録は、一般に、WCDと、ネットワーク内におけるWCDのロケーションを可能にする情報との間の関連付けを意味することができる。例えば、いくつかの実施形態においては、登録は、クライアントに関連するユニバーサルリソース識別子(URI)と、IPアドレスとの間のバインディングを含むことができる。
【0016】
例証の目的のために、本開示は、一般に、SIP登録について言及することになる。登録は、普通には、登録するデバイス(registering device)によって指定される登録タイマに応じてレジストラによって維持される。それ故に、たとえWCDがカバレージの外にある可能性があったとしても、レジストラサーバへのその関連付けは、登録タイマが、期限切れするまで、アクティブであり続ける。カバレージの外のWCDについての登録は、「古い(stale)」登録と称されることができる。古い登録は、無効であり、カバレージの失われたことによってもはやアクセス可能でないデバイスに対する試みられたコール転送など、ネットワークリソースの非効率的な消費をもたらす可能性がある。
【0017】
一般に、本開示は、ワイヤレスネットワークの中で動作するワイヤレス通信デバイス(WCD)の登録を管理するための技法を対象としている。本技法は、セッションを生成すること、修正すること、および終了することのために、SIPなどの信号方式プロトコルに応じて登録をサポートするモバイルWCDにおいて実行されることができる。WCDは、WCDによって経験されるネットワーク品質に基づいて登録タイマを適応するように調整する登録モジュールを含むことができる。ネットワーク品質が、低品質であるときには、例えば、WCDは、登録タイマの長さを減少させ、そしてその減少させられた長さの登録タイマをレジストラなどのネットワーク装置に対して通信する。
【0018】
登録を開始するために、初期登録要求は、登録の時におけるネットワーク品質に基づいて調整されるデフォルト登録タイマまたは登録タイマを含むことができる。ネットワーク品質が変化するときに、WCDは、調整された登録タイマを有する再登録要求を送信することができる。登録タイマは、ネットワーク品質の関数として増大させられ、あるいは減少させられることができ、ネットワーク状態に適合した登録タイマを提供している。
【0019】
ネットワーク品質が、劣化させられるときに登録タイマの長さを減少させることにより、カバレージの外のWCDについての古い登録の数が、減少させられることができる。特に、短くされた登録タイマは、より速く期限切れすることになり、レジストラが、より速く登録をクリアすることを可能にする。その結果、古い登録に専用のコール転送と、他のリソースとの量は、減少させられることができ、ワイヤレスネットワーク内のリソースのより効率のよい利用を可能にする。WCDが、ネットワークカバレージを保持する場合、それは、登録を更新するために、再登録要求を送信することにより、短くされた登録タイマにもかかわらず、登録を維持することができる。
【0020】
図1は、SIPベースの電話技術サービスをサポートするワイヤレスネットワーク10を示すブロック図である。図1の例においては、WCD12は、オーディオ会議、ビデオ会議、テキストメッセージング、対話型ゲーミング、コール転送など、SIPベースの電話技術サービスを処理する(transact)ために、SIPネットワーク16と、IPネットワーク18とにアクセスするために、ワイヤレス基地局14と対話する。WCD12は、基地局14、SIPネットワーク16、およびIPネットワーク18を経由して、ワイヤレスデバイスまたは有線デバイスを含めて、他の電気通信デバイスと、通信することができる。WCD12が、移動するときに、それは、ワイヤレスカバレージを基地局14から他の基地局へと切り換えることができる。それ故に、WCD12が、SIPネットワーク16にアクセスするためのアクセスネットワークと、IPネットワーク18は、変化することができ、結果としてWCDのロケーションおよびIPアドレスにおける変化をもたらす。カバレージが変化するときに、WCD12は、既存のセッションの維持、または新しいセッションの開始を保証するために、新しいアクセスネットワークを経由して再登録する必要があることもある。同時に、以前の登録は、WCD12についてアクティブのままに留まることができ、結果として古い登録をもたらす。
【0021】
図2は、図1に示されるようなWCD12との通信の管理のためのSIPネットワーク16を示すブロック図である。SIPネットワーク16は、図1のIPネットワーク18など、パケットベースの通信ネットワークの中に埋め込まれ、あるいはそれ以外の方法でその通信ネットワークに結合される。図1の例においては、WCD12は、SIPネットワーク16によって管理されるSIPセッションを使用して電気通信デバイス(telecommunication device)20と通信する。多くの場合において、WCD12は、複数の電気通信デバイスと通信することができる。例証の簡単化のために、しかしながら、図2は、WCD12と、電気通信デバイス20との間の通信を示す。WCD12は、アクセスネットワーク22Aを経由して、例えば、図1に示されるような基地局14を経由してSIPネットワーク16に結合される。電気通信デバイス16は、別のアクセスネットワーク22Bを経由してSIPインフラストラクチャ10に結合され、この別のアクセスネットワークは、有線またはワイヤレス(wired or wireless)とすることができる。
【0022】
SIPネットワーク16は、プロキシサーバ(proxy server)26Aと、プロキシサーバ26Bと、レジストラサーバ(registrar server)28と、ロケーションサーバ(location server)30と、を含み、これらのすべては、一般にSIPネットワーク要素と称される。レジストラサーバ28と、ロケーションサーバ30とは、図2の例においては別々の要素として示されるが、それらは、互いに同じ場所に、例えば、共通のサーバ内に、位置することができる。様々なネットワーク要素は、WCD12と、電気通信デバイス20との間で、セッションを生成し、維持し、そして終了するためにSIPメッセージを交換する。SIPセッションの確立のすぐ後に、マルチメディアコンテンツは、リアルタイムトランスポートプロトコル(real-time transport protocol)(RTP)などのメディアトランスポートプロトコル(media transport protocol)に従ってWCD12と、デバイス20との間で交換されることができる。
【0023】
WCD12は、ワイヤレス通信能力を組み込んだモバイル無線電話や他の任意のデバイスなど、任意のワイヤレスデバイスとすることができる。電気通信デバイス20は、別のWCDなど有線またはワイヤレスの通信能力を組み込んだ任意のデバイスとすることができる。本開示においては、WCD12と、電気通信デバイス20とは、ボイスオーバーインターネットプロトコル(voice-over-Internet-protocol)(VoIP)のオーディオ会議、ビデオ会議、テキストメッセージング、オンラインゲーミング、および他のパケットベースの電話技術アプリケーションのためのSIPプロトコルまたは他の信号方式プロトコルをサポートするように構成されていることができる。
【0024】
WCD12は、GSM(登録商標)、CDMA、CDMA2000、WCDMA、CDMA 1xEV−DOなど、様々のワイヤレス無線アクセス技術(radio access technologies)(RATs)のうちのどれかに応じて、アクセスネットワーク22Aを経由して通信することができる。代わりに、または追加して、WCD12は、様々なIEEE801.11x規格によって定義されるプロトコルのうちのどれかなど、ワイヤレスローカルエリアネットワーク(wireless local area network)(WLAN)プロトコルに応じて通信するように装備されることができる。アクセスネットワーク22Aは、WCD12とワイヤレス信号を交換し、そしてインターネット、ワイドエリアネットワーク(wide area network)(WAN)、もしくはローカルエリアネットワーク(LAN)、および/または公衆交換電話網 (public switched telephone network)(PSTN)など、グローバルパケットベースのコアネットワークを経由して他のネットワーククライアントまたはサーバに対して接続を提供するワイヤレス基地局を含むことができる。
【0025】
SIPは、インターネット上でセッションを生成すること、修正すること、および終了することについての規則の体系(system)を定義するアプリケーションレイヤ要求−応答信号方式プロトコルを提供する。SIPは、HTTPのような要求および応答のトランザクションモデルに基づいている。各トランザクションは、特定の機能を呼び出す要求と、少なくとも1つの応答と、から成る。SIPは、基礎となるトランスポートプロトコルと、確立されているセッションのタイプと、から独立している。換言すれば、セッション内で交換されるデータの詳細、例えば、オーディオ/ビデオのメディアに関連した符号化は、SIPによって制御されることはない。その代わりに、SIPは、完全なサービスをエンドユーザに対して提供することができるマルチメディアアーキテクチャを構築する他のプロトコルと、互換性がある。
【0026】
SIPの重要な機能は、参加者がどこに位置しているかに関係なく、可能性のあるセッション参加者に対して招待状(invitations)を配信することである。それ故に、SIPは、発呼者(caller)と被呼者(called party)とが、様々なタイプの通信フローをセットアップし、修正し、そして終了するために互いに連絡を取ることを可能にする。その目的のためにSIPは、SIPセッションを完了するために、メッセージの内容および特性を定義する、セキュリティ保護されたデータグラムプロトコル(secure datagram protocol)(SDP)内に埋め込まれた多種多様なプロトコルを使用する。各プロトコルは、要件の異なる様相に明瞭に対処している。
【0027】
SIPによって提供される機能は、ネーム変換およびユーザロケーション(name translation and user location)と、機能ネゴシエーションと、コール参加者管理と、を含む。ネーム変換およびユーザロケーションの機能は、発呼者が、被呼者のロケーションを知らずに、その被呼者、すなわちエンドユーザの所在を見出すことを可能にする、SIPによってサポートされる登録プロセスによって実現される。被呼者のロケーションが識別されることを可能にするために、各エンドユーザは、そのエンドユーザが、ネットワークに登録するときはいつでも、その現在のロケーションをアップロードする。
【0028】
登録プロセスは、エンドユーザによって使用されるクライアントデバイスのネットワークアドレスまたはIPアドレスに、エンドユーザに割り当てられたユニバーサルリファレンス識別子(universal reference identifier)(URI)を関連づける。この関連付けは、バインディングと称され、そしてロケーションサーバ30に記憶される。URIは、ユーザ名と、ホスト名とを含めて電子メールアドレスに類似した形式を取ることができる。コールが開始されるときに、発呼者は、URIを知っているだけであり、そして他のパーティによって使用されるデバイスのIPアドレスを知らない。別のパーティとのコールを開始するために、被呼者に割り当てられたURIを含むバインディングは、ロケーションサーバ30から取り出され、そして関連するネットワークアドレスは、セッションをセットアップするために、SIPメッセージをネットワークアドレスに対して送信するために使用される。
【0029】
図2の例においては、SIPネットワーク16は、2つのプロキシサーバ26A、26Bと、単一のレジストラサーバ28と、単一のロケーションサーバ30と、2つのエンドポイントクライアント、すなわち、WCD12および電気通信デバイス20と、を含む。しかしながら、SIPインフラストラクチャは、任意の数のプロキシサーバ、レジストラ、およびロケーションサーバ、ならびに非常に多くのエンドポイントを含むことができる。本開示において説明される登録技法は、任意のSIPインフラストラクチャ上のWCDによって実行されることができる。したがって、図2に示されるようなSIPネットワーク16は、単に例示的なものにすぎず、本開示において広範に説明されるように本発明の限定であると考えられるべきではない。
【0030】
WCD12は、登録間隔または登録の寿命を指定する登録タイマを有する登録要求を送信することにより、レジストラサーバ28に登録する。レジストラサーバ28は、登録タイマを保持する。タイマの期限切れがあるとすぐに、レジストラサーバ28は、登録が、ロケーションサーバ30からクリアされることを可能にする。本開示に従って、WCD12は、WCDによって経験されるネットワーク品質に基づいて、登録要求に関連する登録タイマを調整する。ネットワーク品質が、低品質であるときには、例えば、WCDは、登録タイマの長さを減少させ、それによって登録がより速く期限切れすることを可能にし、古い登録の減少に寄与する。レジストラ28は、WCD12に関連するユーザについての連絡先情報でロケーションサーバ30をアップデートするために、WCD12からの登録要求を受け入れる。特に、レジストラ28は、レジストラサーバ28を経由してロケーションサーバに送信されるレジスタ要求に含まれるURIとIPアドレスとの間のバインディングを書き込む。ロケーションサーバ30は、バインディングのリストを含むデータベースを含んでいる。バインディングは、WCD12や電気通信デバイス20など、個々のクライアントデバイスに対してコールを転送するために使用され、これらのクライアントデバイスは、ネットワークを通して分散されることができる。
【0031】
図2において、WCD12と、電気通信デバイス20とは、異なるドメインの中に位置し、異なるエンドユーザによって動作させられることができる。例えば、「ボブ(Bob)」と名付けられたユーザは、WCD12にログインされた(logged into)「メルビン(Melvin)」と名付けられた別のユーザを呼び出すために、電気通信デバイス20上で実行するインスタントメッセージングアプリケーションと対話することができる。この場合にも、電気通信デバイス20は、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、固定電話など、別のWCD、あるいは様々の有線またはワイヤレスの通信デバイスのうちのどれかとすることができる。WCD12は、レジストラ28に対してREGISTER要求を送信することにより、ネットワークに登録する。同様に、電気通信デバイス20は、レジストラ28または別のレジストラのいずれかに対してREGISTER要求を送信することにより、ネットワークに登録する。
【0032】
WCD12からのREGISTER要求に応じて、レジストラ28は、メルビンに割り当てられたURI、例えば、Melvin@mpls.comと、WCD12のIPアドレスとの間のバインディングを書き込む。バインディングは、ロケーションサーバ30に記憶される。レジストラ28は、一般的にユーザのドメインの中に同じ場所に位置している。したがって、レジストラ28は、メルビンと同じドメイン内に位置することができるのに対して、異なるレジストラは、電気通信デバイス20と同じドメイン内に位置することができる。関連のあるレジストラは、WCD12または電気通信デバイス20についてのバインディングをロケーションサーバ30に記憶する。
【0033】
登録されたバインディングは、クライアントデバイス、例えば、WCD12によってレジストラ28に対してサブミットされたREGISTER要求の中で指定される有限な期間にわたってアクティブである。その有限な期間は、本開示において登録タイマと称されることもできるが、時に登録寿命または登録間隔とも称される。登録タイマは、普通は1時間、すなわち3600秒であるように選択される。しかしながら、本開示に従って、WCD12は、ネットワーク品質の関数として登録タイマを調整する。このようにして、WCD12は、ロケーションサーバ30に記憶された古い登録の数を減少させ、そしてそれによって古い登録、すなわち、WCD12によるネットワークカバレージの失われることに起因してもはや実現可能ではない接続についての登録、に対するネットワークリソースの専念を低減させることができる。
【0034】
ユーザが、インターネット上でメルビンに対するコールを出す(place)ために、電気通信デバイス14上で実行するSIPベースのアプリケーションと対話するとき、メルビンによって動作させられるWCD12のロケーションを決定することが必要である。一般に、電気通信デバイス14は、メルビンのロケーションを知らず、そしてメルビンのURIにアドレス指定された要求、例えば、INVITE要求を送信する。プロキシサーバ26Bおよび26Aは、SIPメッセージを交換することによりセッションの確立を容易にするために、電気通信デバイス20の代わりに動作する。当技術分野においてよく知られているように、セッションを確立するために使用されるSIPメッセージの例は、INVITE要求と、ACCEPT応答またはREJECT応答と、ACK応答と、BYEメッセージと、を含む。
【0035】
WCD12(メルビン)を見出すために、プロキシサーバ26Bは、メルビンのドメイン、すなわち、mpls.comをサーブする(serves)SIPサーバ(プロキシサーバ26A)を見出すために、ドメインネームサービス(domain name service)(DNS)(図示されず)に助言を求めることができる。次いで、プロキシサーバ26Aは、プロキシサーバ16BからSIPメッセージを受信することができ、そしてWCD12の現在のIPアドレス、すなわち、メルビンのロケーションを得るためにロケーションサーバ30に助言を求める。次いで、IPアドレスは、WCD12に対して要求を経路指定するために使用されることができ、そして電気通信デバイス20と、WCD12とが、互いに直接に接続することを可能にする。その結果、メディアフローは、電気通信デバイス20と、WCD12との間で、コール中に、1つのパーティが、そのコールを終了するように決定するまで、確立されることができる。
【0036】
図3は、WCD12などのデバイスを登録するためのSIPメッセージの例示の交換を示している。図3の例においては、WCD12は、本開示において説明されるように登録技法を実行する。特に、WCD12は、ネットワーク品質の関数として調整される登録タイマ、すなわち、登録寿命を有する登録要求を生成する。動作中に、WCD12は、IPネットワークに接続するときに、SIP登録機能を実行する。例えば、WCD12は、SIP登録を必要とするアプリケーションを起動するとすぐに、登録することができる。代わりに、WCD12は、それが、IPネットワークに結合された特定のワイヤレスアクセスネットワーク22Aのカバレージエリアの中に入るときに登録することもできる。
【0037】
登録するために、WCD12は、登録メッセージ(REGISTER)をレジストラサーバ28に対して送信する。その登録メッセージは、エンドユーザについてのURIと、対応するWCD12のIPアドレスと、登録がどれだけ長い間有効と考えられることができるかを示す登録タイマと、を含む。一般的に、上記に述べられるように、登録は、約1時間、すなわち、3600秒にわたって有効である。しかしながら、登録タイマは、異なるあらかじめ決定された時間間隔に設定されることができる。WCD12は、本開示において説明されるように、ネットワーク品質の関数として登録タイマを調整する。
【0038】
エンドユーザが到達可能であることを保証するために、WCD12は、登録タイマの期限切れに先立って再登録することができる。それ故に、WCD12は、普通は、IPネットワークに接続されるときに約1時間ごとに再登録することができる。WCD12が、IPアプリケーションを閉じ、シャットダウンし、あるいはそれ以外の方法でIPネットワークから切り離されるときに、メッセージは、ロケーションサーバ30の中の関連のある登録情報をクリアするためにレジストラ28に対して送信される。それ故に、コールが、ネットワークに登録されていないユーザに対して出される場合、ネットワークは、ユーザが見出されることができないことを示すメッセージを発呼者に対して戻すことができる。
【0039】
ユーザは、単一のデバイスからの登録だけには限定されない。例えば、ユーザは、家にあるSIP電話と、家を離れている間のWiFiハンドセットと、からネットワークに登録することができる。同様に、複数のユーザが、単一のデバイス上で登録されることができる。しかしながら、例証を容易にするために、本開示は、いくつかのデバイスの間で特定のユーザについての複数の登録の使用についての制限なしに、単一のユーザおよびデバイスに関しての登録機能について説明している。
【0040】
WCD12は、それが、ワイヤレスネットワーク内で移動するときに、ネットワーク品質における変化を経験する。例えば、WCD12は、与えられたカバレージ領域内で、そしてワイヤレスネットワーク内の異なるカバレージ領域の間で、移動することができる。ネットワーク品質は、WCD12が、サービスの喪失を経験することになる可能性に影響を及ぼす。ネットワーク品質は、ワイヤレスネットワーク内のWCD12のロケーションの関数として変化することができる。
【0041】
WCD12が、移動するにつれて、WCD12と、ネットワーク装置との間の距離は、変化することもあり、そしてWCD12は、異なる物理状態または環境状態、あるいは異なるネットワークトラフィックにさらされることもあり、これらのおのおのは、結果としてネットワーク品質における変化をもたらすこともある。低減させられた信号強度、増大させられたフェーディング、あるいは他の不利な信号特性は、ワイヤレス信号を信頼できるように受信し、かつ/または送信する、WCD12の能力を損なう可能性がある。
【0042】
低下させられたネットワーク品質は、WCD12が、ネットワークカバレージを失う危険があることを示す可能性がある。本開示に従って、WCD12は、例えば、受信された信号強度、エラーレート、または他のパラメータを測定することにより、ネットワーク品質を監視し、そしてそのネットワーク品質に基づいて登録タイマを調整する。例えば、WCD12が、最初に登録するときに、それは、登録が要求される時におけるネットワーク品質に基づいて、デフォルト登録タイマ、または登録タイマを選択することができる。追加して、または代わりに、ネットワーク品質が、劣化するときに、WCD12は、減少させられた登録タイマを有する追加の再登録要求を送信することができる。この場合においては、ロケーションサーバ30によって維持される登録は、損なわれないままに留まるが、新しい、減少させられた登録タイマを用いてリセットされ、その結果、登録は、WCD12が、ネットワークカバレージを失う場合にはより速く期限切れする。
【0043】
WCD12は、ネットワーク品質が、低品質であるときに、すなわち、WCD12が、カバレージを失う可能性がより高いときに、より頻繁に登録し、そしてネットワーク品質が、良好であるときに、すなわち、WCD12が、カバレージを失う可能性がより低いときに、より少ない頻度で登録することができる。おのおのの場合において、再登録の頻度は、登録タイマ長の関数(a function of the registration timer length)とすることができる。WCD12は、ネットワーク品質が、低品質であるときに、登録タイマをより短い長さに設定するが、WCD12は、WCDがカバレージの中に留まることを仮定すると、より頻繁に再登録することにより、登録を維持することができる。しかしながら、WCD12がカバレージからこぼれ落ちる(drops out of)ときに、登録タイマは、より速く期限切れし、結果として生じる古い登録が、SIPネットワーク16によってクリアされることを可能にする。
【0044】
図3は、SIPに従ってWCD12を登録するためのSIPメッセージの交換を示す図である。一般に、登録プロセスは、特定のドメインについてのロケーションサーバ30においてバインディングを生成し、そしてIPアドレスなどの連絡先アドレスにURIを関連づける。単一のURIは、個人的な移動性をサポートするために複数の連絡先アドレスに関連づけられることができる。しかしながら、例証の容易さのために、本開示は、単一の連絡先アドレスに関連づけられたURIについて言及している。
【0045】
図3において、登録プロセスは、WCD12についての連絡先情報をレジストラ28に対してアップロードする。レジストラ28は、WCD12の所在を見出す際におけるプロキシサーバ26Aおよび26Bによる使用のために、メルビンのURI(Melvin@mpls.com)と、WCD12のIPアドレスとの間の関連付けをロケーションサーバ30に対して書き込む。図3は、WCD12を登録するためのWCD12と、レジストラ28と、ロケーションサーバ30との間のメッセージの交換を示している。メッセージは、それらが生成され、そして処理される順序で、垂直に現れる。矢印の方向は、各メッセージの送信元と、受信側とを示す。
【0046】
図3に示されるトランザクションは、WCD22Bが、初期のREGISTER要求32をレジストラ28に対して送信すると共に開始される。REGISTER要求は、メルビンのURI、Melvin@mpls.comと、そのURIに対してアドレス指定されるSIP要求が転送されるべき連絡先アドレス、すなわちWCD12のIPアドレスと、登録タイマと、を含む。IPアドレス、例えば、17.25.2.4は、連絡先ヘッダフィールド(Contact header field)の中で搬送される。レジストラ30は、メルビンのURIと、IPアドレスとの間のバインディング34をロケーションサーバ30に対して書き込み、ここで、そのバインディングは、WCD12の所在を見出すためにプロキシサーバ22Aなど、mpls.comドメインの中のプロキシサーバによって使用されることができる。関連付けをロケーションサーバ26に対して書き込むとすぐに、レジストラ28は、登録プロセスが完了していることをWCD12に警告するためにOK応答35をWCD12に対して送信する。
【0047】
クライアントが、REGISTER要求を送信するとき、それは、登録がどれだけ長い間有効であるかを示す期限切れ間隔の形式で登録タイマを示唆することができる。図3の例においては、REGISTER要求32における登録タイマは、3600秒である。登録は、ソフトな状態であり、リフレッシュされない限り、期限切れするが、明示的に除去されることもできる。登録は、アプリケーションを閉じるとき、またはデバイスをシャットダウンするときに、明示的に除去されることができる。特に、バインディングは、REGISTER要求の中の連絡先アドレスについて「0」の期限切れ間隔を指定することにより、除去されることができる。
【0048】
クライアント、図3におけるWCD12は、期限切れヘッダフィールド(Expires header field)または「期限切れ」連絡先ヘッダパラメータを通して、バインディングについての期限切れ間隔を示唆することができる。後者は、複数のバインディングが、単一のREGISTER要求の中で与えられるときに、期限切れ間隔が、バインディングごとに基づいて示唆されることを可能にする。前者は、「期限切れ」パラメータを含まないすべての連絡先ヘッダフィールド値についての期限切れ間隔を示唆する。それ故に、登録タイマは、異なったやり方で設定されることができる。示唆された期限切れ時間を表現するためのどのようなメカニズムも、REGISTERメッセージの中に存在しない場合、サーバは、登録タイマをデフォルト値に設定することができる。
【0049】
RFC3261において指定されるように、レジストラ28は、要求された期限切れ間隔よりも短い期限切れを選択することができる。要求された期限切れ間隔が、ゼロよりも長く、1時間よりも短く、そしてレジストラにより構成された最小値よりも短い場合に、そしてその場合だけに、レジストラ28は、423(インターバルトウブリーフ(Interval Too Brief))応答を用いて登録を拒否することができる。この応答は、レジストラ28が、進んで支持する最小期限切れ間隔を提示する最小期限切れヘッダフィールド(Min-Expires header field)を含む必要がある。レジストラ28は、そのときには、任意の残りのステップをスキップする。
【0050】
レジストラ28が、登録間隔を設定することを可能にすることは、それが維持するために必要とする状態を制限しながら、そして登録が、古くなってしまう可能性を低下させながら、過剰に頻繁な登録リフレッシュからそれを保護する。登録の期限切れ間隔は、サービスの生成においてしばしば使用される。一例は、フォローミーサービス(follow-me service)であり、ここでは、ユーザは、短期間にわたって端末において使用可能とすることができるだけである。そのような場合には、レジストラは、簡単な登録を受け入れる。間隔が非常に短いので、リフレッシュがレジストラ性能を劣化させることになる場合に、要求は、拒否されるべきであるにすぎない。
【0051】
「期限切れ」パラメータは、登録がどれだけ長い間有効になるかを示す。値は、秒を示す数である。このパラメータが提供されない場合、期限切れヘッダフィールドの値が、その代わりに使用される。間違った形式の値は、3,600秒、すなわち、1時間に等しいものとして取り扱われるべきである。しかしながら、本開示において説明される登録技法に従って、本開示において言及される登録タイマによって示される期限切れ間隔は、WCDによって経験されるネットワーク品質に基づいてWCD12によって明示的に調整される。例えば、REGISTER要求32の中の登録タイマは、3600秒とは異なる値とすることができる。
【0052】
登録が開始されるときに、WCD12は、単に3600秒のデフォルト登録タイマを要求することができる。代わりに、WCD12は、登録が開始される時におけるネットワーク品質を決定することもでき、そしてそのネットワーク品質に基づいて登録タイマをより短い期間に調整する。いずれの場合にも、WCD12は、登録のコース中に、すなわち、登録がアクティブである間に、ネットワーク品質を監視することもでき、そしてネットワーク品質が、かなり変化する場合に登録タイマを調整する。例えば、ネットワーク品質が、劣化する場合に、WCD12は、短くされた登録タイマを有する、再登録要求と称されることができる別のREGISTER要求を送信することができる。例えば、図3に示されるように、WCD12は、別のREGISTER要求37をレジストラ28に対して送信し、そして登録タイマを1800秒の短くされた値に設定する。
【0053】
一般に、説明された登録技法は、WCD12についてのネットワーク品質を決定することと、そのネットワーク品質に基づいてREGISTER要求を用いて通信される登録タイマを調整することと、を必要とする。この場合にも、登録タイマは、初期の登録要求、および後続の再登録要求について、あるいは再登録要求だけについて調整されることができる。再登録要求は、現在の登録タイマの期限切れに先立つあらかじめ決定された時に、例えば、現在の登録をアクティブに保持するために送信されることができる。代わりに、または追加して、再登録は、ネットワーク品質のかなりの変化が検出されるときはいつでも送信されることができ、もしかすると連続する要求の間のあらかじめ決定されたロックアウト間隔の影響を受けやすい。
【0054】
ネットワーク品質を監視することは、例えば、受信信号を測定することと、より詳細には受信信号のパワーなど、受信信号のパラメータを測定することと、を備えることができる。受信信号のパワーは、普通はネットワークカバレージの良い表示(indication)、すなわち、WCDがネットワークとの接続を失うことになる可能性である。パワー測定の例は、受信信号強度インジケータ(received signal strength indicator)(RSSI)を含んでいる。それ故に、いくつかの実施形態においては、WCD12は、受信信号の測定されたパワーに応じて、例えば、RSSIに基づいて、登録タイマを調整することができる。RSSIは、パイロット信号、またはワイヤレスネットワーク上で受信される他の信号から決定されることができる。
【0055】
WCD12は、様々なアルゴリズムに応じて登録タイマを調整することができる。一例として、登録タイマは、測定されたパラメータ値が、あらかじめ決定されたしきい値よりも大きいときに、あらかじめ決定された値に調整され、そして測定されたパラメータ値が、あらかじめ決定されたしきい値よりも小さいときに、他のあらかじめ決定された値よりも小さい、異なるあらかじめ決定された値に調整されることができる。
【0056】
別の例においては、登録タイマは、測定値を複数のあらかじめ決定されたしきい値と比較することにより、同様に調整されることができる。この場合には、あらかじめ決定されたしきい値は、あらかじめ決定された分類(categorizations)、またはネットワークカバレージの品質に対応することができる。例えば、ネットワーク品質は、「低品質(poor)」、「良好(good)」、または「優秀(excellent)」として分類されることができ、これらは、受信信号強度の異なる範囲など、ネットワーク品質の異なる範囲に対応する。
【0057】
ネットワーク品質が、「低品質」であると決定されるときに、WCD12は、登録が、より速く期限切れするように、登録タイマをより短い時間に調整する。同時に、短くされた登録タイマは、WCD12が、ネットワーク品質が、「良好」または「優秀」であるときよりもより頻繁に再登録するように強制する。これに反して、ネットワーク品質が、「優秀」であると決定されるときには、登録タイマは、登録が、よりゆっくりと期限切れするように、より長い時間に調整されることができる。この場合には、WCD12は、ネットワーク品質が、良好または低品質であるときよりも少ない頻度で再登録する。
【0058】
上記の例においては、ネットワーク品質の各範囲(低品質、良好、優秀)は、WCD12が、不連続な(discrete)タイマ長の間で遷移するように、関連する登録タイマ長を有することができる。もちろん、ネットワーク品質は、おのおのが、異なるタイマ長を有する、より微細な1組の段階(gradations)に分割されることができる。おのおのの場合において、WCD12は、登録タイマを調整し、そしてネットワーク品質が、1つの範囲から別の範囲へと遷移する場合に、調整された登録タイマを有する再登録要求を送信するだけである。
【0059】
別の例においては、登録タイマは、受信信号の測定されたパワーに比例するようにWCD12によって調整されることができる。この場合には、受信信号のパワーと、登録タイマの長さとの間の数学的な関係が、確立され、そして非常に多いネットワーク品質値を対応する登録タイマ値に相互に関連づける式またはルックアップテーブルによって表現されることができる。登録タイマは、そのときには、受信信号の測定されたパワーの関数として調整されることができる。
【0060】
比例アプローチ(proportional approach)は、例えば、低品質な、良好な、そして優秀なネットワーク品質に関連する少数の不連続な登録タイマ値の使用とは対照的に、よりスムーズに変化する登録タイマを提供する。しかしながら、高いレートの再登録要求を回避するためには、連続するネットワーク品質レベルの間の差が、登録タイマに対する調整を保証するために、しきい値よりも上にあることを必要とすることが望ましい可能性がある。さらに、ヒステレシスの程度が、登録タイマ長の頻繁なトグリング(toggling)を防止するために望ましい可能性がある。
【0061】
いくつかの実施形態においては、登録タイマを調整することは、現在の登録に留まる時間を考慮に入れることもできる。例えば、ネットワーク品質が、劣化しているが、現在の登録タイマには、数分だけが残っている場合、現在のタイマの期限切れの直前の(just prior to)、例えば期限切れから5秒よりも短い、時に登録タイマを調整することが、望ましい可能性がある。再登録要求のタイミングは、ネットワーク品質レベルが、劣化しているか、あるいは改善しているかに依存する可能性がある。ネットワーク品質が、「良好」であり、そしてWCD12が、「低品質」のネットワークカバレージのエリアへと移動するときに、WCDは、現在の登録が、期限切れに近づくまで、調整された登録タイマを用いて再登録することを待つように構成されていることができる。しかしながら、ネットワーク品質が、低品質から優秀に遷移するときには、WCD12は、増大させられた登録タイマを用いて直ちに再登録するように構成されていることができる。
【0062】
図4は、本開示に説明されるように、適応登録技法(adaptive registration techniques)を実行するように構成されたWCD12のコンポーネントの例を示すブロック図である。WCD12は、SIPに従ってIPネットワーク14(図1)とワイヤレス信号を交換することができる。図4に示されるように、WCD12は、アクセスネットワーク16A(図2)と交換されるワイヤレス信号を受信し、そして送信する無線周波数アンテナ62を含んでいる。WCD12はまた、ワイヤレストランスミッタ/レシーバ(TX/RX)ユニット64と、ネットワーク品質モジュール66と、登録モジュール(registration module)68と、プロセッサ70と、SIP登録要求の中に組み込むための登録タイマ(registration timer)74を記憶するメモリ72と、を含む。
【0063】
図4に示される様々なコンポーネントは、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはそれらの組合せの形で実現されることができる。例えば、登録モジュール68やプロセッサ70など、いくつかのコンポーネントは、1つまたは複数のマイクロプロセッサまたはデジタル信号プロセッサ(digital signal processors)(DSPs)、1つまたは複数の特定用途向け集積回路(application specific integrated circuits)(ASICs)、1つまたは複数のフィールドプログラマブルゲートアレイ(field programmable gate arrays)(FPGAs)、あるいは他の等価的な集積化され、または個別の論理回路によって実行されるプロセスまたはモジュールとして実現されることができる。メモリ72は、例えば、シンクロナスダイナミックランダムアクセスメモリ(synchronous dynamic random access memory)(SDRAM)などのランダムアクセスメモリ(random access memory)(RAM)、読取り専用メモリ(read-only memory)(ROM)、不揮発性ランダムアクセスメモリ(non-volatile random access memory)(NVRAM)、電気的消去可能プログラマブル読取り専用メモリ(electrically erasable programmable read-only memory)(EEPROM)、フラッシュメモリ(FLASH memory)、磁気または光学のデータストレージ媒体など、あるいはそのようなデバイスの任意の組合せを備えることができる。
【0064】
図4に示される機能は、ハードウェアコンポーネントおよび/またはソフトウェアコンポーネントの適切な任意の組合せによって実現されることができる。ユニットまたはモジュールとしての異なる機能の図示は、WCD12の異なる機能の様相を強調するように意図され、そのようなユニットが、別個のハードウェアコンポーネントおよび/またはソフトウェアコンポーネントによって実現される必要があることを必ずしも意味するものではない。より正確に言えば、1つまたは複数のユニットに関連する機能は、共通のまたは別個の、ハードウェアコンポーネントおよび/またはソフトウェアコンポーネント内に一体化されることができる。したがって、本開示は、WCD12の例示の実施形態だけに限定されるべきではない。
【0065】
以上に説明されるように、WCD12は、モバイルワイヤレス無線電話など、ワイヤレスパケットベースの通信ネットワーク上で通信するように構成された任意のポータブル通信デバイスとすることができる。いくつかの実施形態においては、WCD12は、いわゆるSIP電話、ソフトフォン(soft phone)、携帯型個人情報端末(personal digital assistant)(PDA)、あるいはWiFiハンドセットまたはIP電話とすることができる。メモリ72は、本開示において説明される登録技法の様々な態様を実行するためにWCD12内のプロセッサによって実行されることができるコンピュータ可読命令(computer-readable instructions)を記憶する。WCD12は、電源(図示されず)も含んでいる。モバイルWCD12の場合においては、電源は、再充電可能なバッテリなどのバッテリを含むことができる。
【0066】
TX/RXユニット64は、ワイヤレス信号を送信し、受信し、そして、例えば、増幅器、フィルタ、周波数変換器、変調器、復調器、アナログデジタル変換回路、デジタルアナログ変換回路、デジタルモデム回路など、適切なアナログおよび/またはデジタルの回路コンポーネントを含んでいる。動作中に、アンテナ62は、WCD12によってサポートされる無線周波数帯域上でワイヤレス信号を送信し、そして受信する。TX/RXユニット64は、望ましい任意の無線アクセス技術(radio access technology)(RAT)をサポートするように構成されていることができる。
【0067】
プロセッサ70と、TX/RXユニット64とは、セッション管理のためのSIPまたは他の信号方式のプロトコルに従って、パケット通信をサポートする任意のアーキテクチャに一般的に準拠することができる。プロセッサ70は、ワイヤレス信号を送信するためにTX/RXユニット64を制御し、そしてマルチメディア電話技術、ならびに登録をサポートするためにTX/RXユニット64によって受信される信号を処理する。パケットベースの電話技術に加えて、WCD12は、従来のワイヤレス電話技術をサポートするように構成されていることができる。
【0068】
プロセッサ70は、SIPに従って他のデバイスとのセッションを、例えば、SIPメッセージを交換することにより、セットアップすることと、修正することと、終了することとのための役割を担うことができる。特に、プロセッサ70は、SIPの要求および応答を生成するためにユーザエージェントクライアント(user agent client)(UAC)プロセスと、ユーザエージェントサーバ(user agent server)(UAS)プロセスとを実行することができる。登録のために、プロセッサ70は、ネットワーク品質の関数として調整される登録タイマを有する登録要求を含めて、SIPメッセージを生成する。
【0069】
ネットワーク品質モジュール66は、ワイヤレスアクセスネットワーク16A(図2)内のWCD12についてのネットワーク品質を決定し、そしてネットワーク品質の表示を登録モジュール68に供給する。いくつかの実施形態においては、ネットワーク品質モジュール66は、内部に存在し、あるいはネットワーク品質を決定するためにTX/RXユニット64によって供給される信号を処理することができる。例えば、ネットワーク品質モジュール66は、TX/RXユニット64内で、またはTX/RXユニット64から得られるRSSI信号に基づいてネットワーク品質を決定することができる。他の実施形態においては、ネットワーク品質モジュール66は、ネットワーク品質を決定するために、プロセッサ70によって実行されるスタックの物理レイヤ、媒体アクセス制御(medium access control)(MAC)レイヤ、またはアプリケーションレイヤのいずれかにおいて他のネットワーク品質パラメータを監視することができる。
【0070】
登録モジュール68は、ネットワーク品質モジュール66によって決定されるネットワーク品質に基づいてWCD12の登録に関連する登録タイマ74を調整する。登録タイマ74は、メモリ72に記憶され、そしてネットワーク品質モジュール66によって行われるネットワーク品質の決定に基づいて登録モジュール68によって絶えず、あるいは定期的にアップデートされることができる。登録モジュール68は、プロセッサ内において実行するソフトウェアプロセスを形成することができ、そしてプロセッサ70と一体化され、あるいはその他の方法で対話することができる。
【0071】
動作中に、登録モジュール68は、ネットワーク品質モジュール66によって行われるネットワーク品質の決定を得る。ネットワーク品質に基づいて、登録モジュール68は、本開示において説明されるように登録タイマ74をアップデートする。例えば、登録モジュール68は、ネットワーク品質が、低下させられるときに、登録タイマ74の長さを減少させる。登録タイマ74は、登録要求と共に送信される登録タイマとして時間の長さを設定するために、時間の長さとして、あるいはプロセッサ70によって使用されるインデックス値としてメモリ72に記憶されることができる。
【0072】
SIP登録が、開始され、または期限切れしようとしているときに、プロセッサ70は、登録タイマ74を取り出し、そしてTX/RXユニット64と、アクセスネットワーク16A(図2)とを経由してレジストラ28(図2)に送信されるべき登録要求または再登録要求と共に、その登録タイマを含んでいる。
【0073】
さらに、登録モジュール68は、プロセッサ70に、ネットワーク品質が、かなり劣化させられるときはいつでも再登録要求を生成するようにさせる信号、コマンドまたは命令を生成することができる。このようにして、登録モジュール68は、ネットワーク品質が、カバレージが失われている可能性がより高いことを示すときに、登録タイマ74を調整し、そしてプロセッサ70に、WCD12についての登録の長さを短くするために再登録要求を送信するように指示することができる。同様に、いくつかの実施形態においては、登録モジュール68は、ネットワーク品質が、改善されるときに登録タイマ74の長さを増大させることができる。
【0074】
以上に述べられるように、登録モジュール68は、異なるしきい値に対するネットワーク品質の比較に基づいて、登録タイマ74を、例えば、低品質の、良好な、そして優秀なカバレージを示す、いくつかの不連続なレベルのうちの1つに調整することができる。代わりに、登録モジュール68は、ネットワーク品質に比例するレベルに、すなわち、ネットワーク品質の数学的関数として登録タイマ74を調整することができる。この場合にも、数学的関数は、異なる登録タイマ値を異なるネットワーク品質レベルと相互に関連づける数学的な式またはルックアップテーブルによって定義されることができる。
【0075】
ネットワーク品質モジュール66は、絶えず、または定期的間隔でネットワーク品質を監視することができる。同様に、登録モジュール68は、絶えず、または定期的間隔で、ネットワーク品質モジュール66によって提供されるネットワーク品質を処理することができる。いずれの場合においても、定期的間隔は、一般的に登録タイマ74のそのときの現在の長さよりも実質的には短いことになる。定期的間隔の長さは、一般には固定しており、あるいは登録タイマ74の現在の長さの関数として変化することができる。WCD12による登録要求または再登録要求の送信のすぐ後に、レジストラ28(図2)は、別の再登録要求が、期限切れに先立って受信されない限り、登録タイマ74の期限切れのすぐ後にWCDについての登録をクリアして除く。
【0076】
プロセッサ70は、WCD12が、電源投入され、インスタントメッセージングアプリケーションなどのIPアプリケーションを起動し、あるいはそれ以外の方法でIPネットワーク14(図1)に対して接続するときに、登録モジュール68によって受信される制御信号、コマンドまたは命令を生成することができる。それに応じて、登録モジュール68は、ネットワーク品質モジュール66からネットワーク品質表示を取得し、そして登録タイマ74をアップデートする。WCD12による登録要求の送信のすぐ後に、登録モジュール68は、登録タイマ74を追跡し、そして登録タイマが、期限切れに近づくときに、あるいはネットワーク品質が、かなり変化するときに、再登録要求を開始する。
【0077】
登録モジュール68は、WCD12が、IPネットワーク14に接続されないときに、3,600秒のデフォルト値を登録タイマ74として記憶することができる。この時間中に、登録モジュール68と、ネットワーク品質モジュール66とは、非アクティブとすることができ、そしてプロセッサ70は、WCD12によって提供される他の機能に関連した命令を実行することができる。登録モジュール68と、ネットワーク品質モジュール66とは、例えば、登録プロセスを開始するためにプロセッサ70からの制御信号を受信することに応じてアクティブ化することができる。
【0078】
WCD12をIPネットワーク14上で最初に登録するために、登録モジュール70は、ユーザのURIと、WCD12のIPアドレスと、登録タイマ74によって指定される期限切れ間隔を含むREGISTERメッセージを生成する。特に、登録モジュール70は、登録タイマ74に記憶される値を取り出し、そしてREGISTERメッセージの中の期限切れ間隔としてこの値を使用する。登録モジュール68は、REGISTERメッセージをプロセッサ70に対して出力し、このプロセッサは、SIPに従ってメッセージをレジストラ28に送信するようにTX/RXユニット64を駆動する。登録タイマ74の初期値は、デフォルト値とすることができ、あるいはSIP登録が、ネットワーク品質モジュール66によるネットワーク品質の解析に基づいて開始されるたびに決定されることができる。
【0079】
登録モジュール68は、WCD12についての登録情報をクリアするためにSIPメッセージを生成することもできる。登録モジュール68は、プロセッサ70からの制御信号を受信することに応じてこのプロセスを実行するために命令を実行することができる。プロセッサ70は、エンドユーザからのコマンドを受信することに応じて、あるいは非アクティブである期間の後に「スリープ」モードまたは「スタンバイ」モードに入るとすぐにこの制御信号を生成することができる。制御信号を受信するとすぐに、登録モジュール68は、ネットワーク上でレジストラ28に送信するためにTX/RXユニット64を駆動するためにSIPメッセージをプロセッサ70に対して出力することができる。登録モジュール68は、プロセッサ70から制御信号を受信することに応じて、登録タイマ74に記憶される値をデフォルト値、例えば、3,600秒にリセットすることもできる。
【0080】
注目すべきことに、本開示において説明される登録技法は、単にソフトウェアバージョンまたはアップグレードをWCD12にロードすることにより、WCD12の中でインプリメントされることができる。一般に、追加のハードウェアは、一般的に必要とされないことになる。例えば、ネットワーク品質モジュール66と、登録モジュール68とは、WCD12内のプロセッサのプログラマブルな機能とすることができる。SIP要素として動作するネットワークサーバ上で実行されるソフトウェアなど、ネットワーク側の上のソフトウェアは、影響を受けない。その結果として、本開示において説明される登録技法は、SIPプロトコルまたは等価なプロトコルを信号方式プロトコルとして使用してワイヤレス通信システムにおける古い登録の数を減少させるための費用効果の高いソリューションを提供する。
【0081】
WCD12の適応登録オペレーションの一例証として、WCD12が、最初に電源投入されることと、VoIPアプリケーションが、起動されることとが、仮定される。この場合においては、プロセッサ70は、初期の登録要求に含めるために登録モジュール68からの登録タイマ74を要求する。それに応じて、登録モジュール68は、ネットワーク品質モジュール66からネットワーク品質表示を取り出し、そしてそのネットワーク品質レベルに基づいて登録タイマ74を調整する。この例においては、ネットワーク品質は、良好であり、登録モジュール68は、初期登録タイマ74を1800秒、すなわち、30分に調整する。登録モジュール68は、プロセッサ70のためにSIP REGISTERメッセージを定式化する。次いで、プロセッサ70は、1800秒の登録タイマ、すなわち、期限切れ間隔を有するSIP REGISTERメッセージを送信するようにTX/RXユニット64を駆動する。
【0082】
登録が、アクティブになった後に、ネットワーク品質モジュール66は、ネットワーク品質を監視し続け、このネットワーク品質は、登録モジュール68に対して通信される。登録モジュール68が、良好から低品質へのネットワーク品質における遷移を検出する場合、登録モジュール68は、登録タイマを900秒、すなわち、15分に下方へと調整し、そしてTX/RXユニット64を経由して送信するためにプロセッサ70についての再登録要求を生成する。登録モジュール68が、低品質から優秀への遷移を検出するときには、登録モジュール68は、登録タイマを3600秒、すなわち、1時間へと上方へと調整する。
【0083】
このプロセスは、登録がアクティブである間、ずっと継続する形態で進行することができる。以上に述べられるように、登録タイマに対する変化は、変化の頻度を制限するロックアウト間隔、ネットワーク品質がかなり変化しているときだけ変化を許容するしきい値、変化のトグリングを防止するヒステレシス、登録タイマの期限切れが差し迫っているときに課されることができる様々な制限など、様々な規則および状態の影響を受けやすい可能性がある。一般に、調整された登録タイマを有する登録要求は、登録要求を反復することにより帯域幅の消費をほどほどにもしながら、古い登録の影響を低下させるように送信されることができる。
【0084】
図5は、本開示の一実施形態に従う登録の管理を示す流れ図である。図5に示されるように、ネットワーク品質モジュール66は、ネットワーク品質を決定する(75)。変化が検出される(77)場合、決定されたネットワーク品質に基づいて、登録モジュール68は、登録タイマを調整し(79)、そして調整された登録タイマを用いて登録要求を作成する。登録タイマは、ワイヤレスネットワーク上のWCD12についてのSIP登録に関連づけられ、そしてその登録は、登録タイマが、期限切れするときに終了される。
【0085】
WCD12は、新しい登録についての期限切れ間隔を設定するために、あるいは現在の登録についての期限切れ間隔を変更するために、調整された登録タイマを有する登録要求をレジストラ28(図2)に対して送信する(81)。プロセスは、ずっと継続する、あるいは定期的な形態で、進行し、その結果、登録タイマは、ネットワーク品質における変化に適応し、古い登録の影響が、SIPネットワーク16内で低下されることを可能にする。例えば、ネットワーク品質モジュール66は、登録タイマよりも実質的に短い間隔でネットワーク品質を定期的に監視することができる。新しい登録要求は、ネットワーク品質が、あらかじめ決定された量だけ変化するときに、送信されることができる。
【0086】
図6は、図5に示されるような例示の登録技法をさらに詳細に示す流れ図である。登録技法は、WCD12内で実行されることができる。動作中に、WCD12は、最初にSIPネットワーク16(図2)に登録する。例えば、WCD12が、スタンバイモードまたはスリープモードにある状態から電源投入されるときに、あるいはカバレージの外にある状態からカバレージの中に入るときに、この初期登録は、生ずることができる。いずれの場合においても、初期登録プロセスは、登録タイマと一緒にロケーション情報をレジストラに送信することを必要とする。登録タイマは、約1時間(3600秒)などのデフォルト値に設定されることができる。図5に示される流れ図は、WCD12が、最初にネットワークに登録されるときに、開始される。
【0087】
WCD12が、ネットワークに登録されるときに、ネットワーク品質モジュール66は、ネットワーク品質を決定する(76)ために、TX/RXユニット64によって受信されるワイヤレス信号を監視する。一例として、ネットワーク品質は、RSSIパラメータに基づいて決定されることができる。一例として、RSSIパラメータは、デシベルの観点からのネットワーク品質、あるいは信号対雑音比(signal-to-noise-ration)を表現することができる。しかしながら、他のパラメータが、ネットワーク品質を評価するために使用されることができる。ネットワーク品質は、定期的に決定されることができる。例えば、ネットワーク品質モジュール66は、約1秒より短い、約1〜3秒、約3〜5秒の間隔で、あるいは約5秒よりも長い間隔で、RSSIなど、1つまたは複数のネットワーク品質パラメータを監視することができる。
【0088】
図6に示されるように、登録モジュール68は、ネットワーク品質のかなりの変化を検出する(78)ために、決定されたネットワーク品質を使用する。例えば、登録モジュール68は、ネットワークカバレージが、劣化しているかどうかを決定する(76)ために、決定されたネットワーク品質を以前のネットワーク品質と、またはあらかじめ決定されたしきい値と、比較することができる。ネットワーク品質が、かなり劣化している場合、登録モジュール66は、登録タイマ74を短くする(77)。他方、ネットワークカバレージが、劣化していなかったが、登録モジュール80が、変化を検出した場合、ネットワークカバレージは、改善している。この場合においては、登録モジュール80は、いくつかの実施形態においては現在の登録タイマ64を維持し、あるいは図5の実施形態に示されるように登録タイマ64を長くすることができる(78)。登録タイマ74を短くすること、および長くすることは、以上に説明されるように、登録タイマを適切なあらかじめ決定された値に設定することを含むことができる。登録タイマ74を調整するとすぐに、WCD12は、再登録要求(80)を送信する。登録モジュール68と、プロセッサ70とは、WCD12を登録するために図3に一般的に示されるステップに従うことができる。
【0089】
登録モジュール68が、ネットワークカバレージの中の変化を検出しない(ステップ78のnoブランチ)場合、登録モジュール68は、登録タイマ74が、期限切れしようとしているかどうか(82)を決定することができる。登録タイマ74が、期限切れしようとしている、例えば、期限切れから5秒よりも短い場合、登録モジュール68は、ネットワーク上でWCD12を再登録する(90)ために登録要求を生成する。登録タイマ74が、期限切れしようとしていない場合には、登録モジュール70は、登録が終了されるべきかどうかを決定する(84)。
【0090】
登録は、いくつかの理由のために終了されることができる。例えば、ユーザが、電源遮断イベント中などにネットワークについてログオフし、ユーザが、アプリケーション、および関連するメディアフロー(media flow)をシャットダウンする場合に、あるいはユーザがネットワークの中の新しいサービスプロバイダへと移動するときなどに、登録情報が、変化する場合に、登録は、終了することができる。このようにして、登録モジュール68は、レジストラからの登録情報をクリアすることを必要とする任意のイベントが生じているかどうかを決定する。
【0091】
そのようなイベントが生ずる場合、WCD12は、ネットワーク品質を監視し続け(76)、そして図5に示されるフローチャートのステップを通してループする。しかしながら、WCD12が、ネットワークについてログオフし(logs off)、あるいは他のそのような任意のイベントを実行する場合、登録モジュール68は、登録をクリアする(clear)(86)ためにレジストラと通信し、そしてプロセスは、終了する。登録は、例えば、ゼロ秒のタイマを有する再登録要求を送信することにより、クリアされることができる(86)。登録情報をクリアするときに、登録モジュール68は、登録情報の一部分をクリアするだけとすることができる。一例として、ユーザに関連する1つのデバイスだけが、クリアされることができ、あるいは1つのIPアドレスが、ラップトップについての作業アドレスなど、単一のデバイスについてクリアされるが、ホームアドレスは、登録されたままに留まる。
【0092】
ここにおいて説明される技法は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはそれらの任意の組合せの形でインプリメントされることができる。モジュールまたはコンポーネントとして説明される任意の機能は、集積化された論理デバイスの中に一緒に、あるいは別個であるが相互運用可能な論理デバイスとして別々にインプリメントされることができる。ソフトウェアの形でインプリメントされる場合、本技法は、実行されるときに、上記に説明される1つまたは複数の方法を実行する命令を含むプログラムコードを備える、メモリなどのコンピュータ可読媒体によって部分的に実現されることができる。この場合においては、コンピュータ可読媒体は、シンクロナスダイナミックランダムアクセスメモリ(SDRAM)などのランダムアクセスメモリ(RAM)と、読取り専用メモリ(ROM)と、不揮発性ランダムアクセスメモリ(NVRAM)と、電気的消去可能プログラマブル読取り専用メモリ(EEPROM)と、フラッシュメモリと、磁気または光学のデータストレージ媒体などと、を備えることができる。
【0093】
プログラムコードは、1つまたは複数のデジタル信号プロセッサ(DSPs)、汎用マイクロプロセッサ、特定用途向け集積回路(ASICs)、フィールドプログラマブルロジックアレイ(field programmable logic arrays)(FPGAs)、他の等価な集積化され、または個別の論理回路など、1つまたは複数のプロセッサによって実行されることができる。それに応じて、ここにおいて使用されるような用語「プロセッサ」は、ここにおいて説明される技法のインプリメンテーションのために適した上記の構造または他の任意の構造のうちの任意のものを意味することができる。
【0094】
様々な実施形態が、説明されてきている。例えば、ネットワークカバレージが変化するときに、ワイヤレスパケットベースの通信ネットワークの中で動作するワイヤレス通信デバイスを登録するための技法である。本技法は、ネットワークカバレージに基づいて登録タイマを調整することを含み、その結果、有効な登録の存続時間は、ネットワークカバレージが、低品質であるときには、ネットワークカバレージが良好であるときよりも短い。ネットワークカバレージに基づいて登録タイマを調整することは、帯域幅の効率的な使用を提供しながら古い登録の数を減少させることができる。さらに、本技法は、古い登録が、レジストラの中に留まる時間も低減させる。本技法は、SIP登録の場合について説明されているが、ドメインネームサーバ(DNS)登録など、他の登録アプリケーションにも適用可能であり得る。これらおよび他の実施形態は、添付の特許請求の範囲内にある。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワイヤレスネットワーク上で動作するワイヤレス通信デバイス(WCD)についてのネットワーク品質を決定することと、
前記ネットワーク品質に基づいて前記ワイヤレスネットワーク上で前記WCDの登録に関連する登録タイマを調整することと、
を備える方法。
【請求項2】
前記登録は、前記登録タイマが期限切れするときに、終了される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
登録タイマを調整することは、前記WCDから前記登録タイマを保持するネットワークデバイスへと登録要求を送信すること、を備える、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記登録要求は、登録タイマ長を備え、そして登録タイマを調整することは、前記登録要求における前記登録タイマ長に基づいて前記ネットワークデバイスの中の前記登録タイマを調整すること、を備える、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
ネットワーク品質を決定することは、前記登録タイマよりも実質的に短い間隔でネットワーク品質を定期的に監視すること、を備え、そして、登録タイマを調整することは、前記ネットワーク品質があらかじめ決定された量だけ変化するときに、前記登録要求を送信すること、を備える、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
ネットワーク品質を決定することは、前記WCDによって受信されたワイヤレス信号のパラメータを測定すること、を備え、前記パラメータは、前記WCDについての前記ネットワーク品質を示しており、そして前記登録タイマを調整することは、前記測定されたパラメータに基づいて前記登録タイマを調整すること、を備える、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
パラメータは、受信されたワイヤレス信号の受信信号強度を示している、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記登録タイマを調整することは、
前記ネットワーク品質が第1の範囲内に存在するときに、前記登録タイマを第1の値に設定することと、
前記ネットワーク品質が第2の範囲内に存在するときに、前記登録タイマを第2の値に設定することと、
を備える、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記の前記登録タイマを調整することは、
前記ネットワーク品質がしきい値よりも上にあるときに、前記登録タイマの長さを増大させることと、
前記ネットワーク品質が前記しきい値よりも下にあるときに、前記登録タイマの前記長さを減少させることと、
を備える、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記登録タイマを調整することは、以前に決定されたネットワーク品質と現在決定されるネットワーク品質との間の差がしきい値をこえる場合に、前記登録タイマを調整すること、を備える、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
ワイヤレスネットワーク内のワイヤレス通信デバイス(WCD)についてのネットワーク品質を決定するネットワーク品質モジュールと、
前記ネットワーク品質に基づいてワイヤレスネットワーク上で前記WCDの登録に関連する登録タイマを調整する登録モジュールと、
を備えるデバイス。
【請求項12】
前記登録は、前記登録タイマが期限切れするときに、終了される、請求項1に記載のデバイス。
【請求項13】
前記登録モジュールは、前記登録タイマを調整するために前記WCDから前記登録タイマを保持するネットワークデバイスへと登録要求を送信するために、トランスミッタと対話するように構成されている、請求項11に記載のデバイス。
【請求項14】
前記登録要求は、登録タイマ長を備え、前記登録タイマは、前記登録要求の中の前記登録タイマ長に基づいて前記ネットワークデバイスの中で調整される、請求項13に記載のデバイス。
【請求項15】
前記登録モジュールは、前記登録タイマよりも実質的に短い間隔でネットワーク品質を定期的に監視し、そして前記ネットワーク品質があらかじめ決定された量だけ変化するときに、前記登録要求を送信するために、前記トランスミッタと対話する、請求項13に記載のデバイス。
【請求項16】
前記登録モジュールは、前記WCDによって受信されたワイヤレス信号の、前記WCDについての前記ネットワーク品質を示しているパラメータ、を測定し、そして前記測定されたパラメータに基づいて前記登録タイマを調整する、請求項11に記載のデバイス。
【請求項17】
前記パラメータは、前記受信されたワイヤレス信号の受信信号強度を示している、請求項16に記載のデバイス。
【請求項18】
前記登録モジュールは、前記ネットワーク品質が第1の範囲内に存在するときに、前記登録タイマを第1の値に設定し、そして前記ネットワーク品質が第2の範囲内に存在するときに、前記登録タイマを第2の値に設定する、請求項11に記載のデバイス。
【請求項19】
前記登録モジュールは、前記ネットワーク品質がしきい値よりも上にあるときに、前記登録タイマの長さを増大させ、そして前記ネットワーク品質が前記しきい値よりも下にあるときに、前記登録タイマの前記長さを減少させる、請求項11に記載のデバイス。
【請求項20】
前記登録モジュールは、以前に決定されたネットワーク品質と現在決定されるネットワーク品質との間の差がしきい値をこえる場合に、前記登録タイマを調整する、請求項11に記載のデバイス。
【請求項21】
前記デバイスは前記WCDであり、
前記デバイスは、
ワイヤレスネットワークを経由してワイヤレス信号を受信するワイヤレスレシーバと、 ワイヤレスネットワークを経由してワイヤレス信号を送信するワイヤレストランスミッタと、
をさらに備える、
請求項11に記載のデバイス。
【請求項22】
プロセッサに、
ワイヤレスネットワーク上で動作するワイヤレス通信デバイス(WCD)についてのネットワーク品質を決定させ、そして
前記ネットワーク品質に基づいて前記ワイヤレスネットワーク上で前記WCDの登録に関連する登録タイマを調整させる、
命令、
を備える機械可読媒体。
【請求項23】
前記登録は、前記登録タイマが期限切れするときに、終了される、請求項22に記載の機械可読媒体。
【請求項24】
前記プロセッサに、前記WCDから前記登録タイマを保持するネットワークデバイスへ登録要求を送信するためにトランスミッタを制御させる、命令、をさらに備える請求項22に記載の機械可読媒体。
【請求項25】
前記登録要求は、登録タイマ長を備え、そして前記ネットワークデバイスは、前記登録要求における前記登録タイマ長に基づいて前記ネットワークデバイスの中の前記登録タイマを調整する、請求項24に記載の機械可読媒体。
【請求項26】
前記プロセッサに、前記登録タイマよりも実質的に短い間隔でネットワーク品質を定期的に監視させ、そして前記ネットワーク品質があらかじめ決定された量だけ変化するときに、前記登録要求を送信するためにトランスミッタを制御させる、命令、をさらに備える請求項24に記載の機械可読媒体。
【請求項27】
前記プロセッサに、前記WCDによって受信されたワイヤレス信号の、前記WCDについての前記ネットワーク品質を示しているパラメータを測定させ、そして前記測定されたパラメータに基づいて前記登録タイマを調整させる、命令、をさらに備える請求項22に記載の機械可読媒体。
【請求項28】
パラメータは、受信されたワイヤレス信号の受信信号強度を示している、請求項22に記載の機械可読媒体。
【請求項29】
前記プロセッサに、
前記ネットワーク品質が、第1の範囲内に存在するときに、前記登録タイマを第1の値に設定させ、そして
前記ネットワーク品質が第2の範囲内に存在するときに、前記登録タイマを第2の値に設定させる、
命令、
をさらに備える請求項22に記載の機械可読媒体。
【請求項30】
前記プロセッサに、
前記ネットワーク品質がしきい値よりも上にあるときに、前記登録タイマの長さを増大させ、そして
前記ネットワーク品質が前記しきい値よりも下にあるときに、前記登録タイマの前記長さを減少させる、
命令、
をさらに備える請求項22に記載の機械可読媒体。
【請求項31】
前記プロセッサに、以前に決定されたネットワーク品質と現在決定されるネットワーク品質との間の差がしきい値をこえる場合に、前記登録タイマを調整させる、命令、をさらに備える請求項22に記載の機械可読媒体。
【請求項32】
ワイヤレスネットワークを経由してワイヤレス信号を受信するための手段と、
前記ワイヤレスネットワーク内の前記WCDについてのネットワーク品質を決定するための手段と、
前記ネットワーク品質に基づいて前記ワイヤレスネットワーク上で前記WCDの登録に関連する登録タイマを調整するための手段と、
を備えるワイヤレス通信デバイス(WCD)。
【請求項33】
前記登録は、前記登録タイマが期限切れするときに、終了される、請求項32に記載のデバイス。
【請求項34】
登録タイマを調整するための前記手段は、前記WCDから前記登録タイマを保持するネットワークデバイスへ登録要求を送信するための手段、を備える、請求項32に記載のデバイス。
【請求項35】
前記登録要求は、登録タイマ長を備え、そして登録タイマを調整するための前記手段は、前記登録要求における前記登録タイマ長に基づいて前記ネットワークデバイスの中の前記登録タイマを調整するための手段、を備える、請求項34に記載のデバイス。
【請求項36】
ネットワーク品質を決定するための前記手段は、前記登録タイマよりも実質的に短い間隔でネットワーク品質を定期的に監視するための手段、を備え、そして、登録タイマを調整するための手段は、前記ネットワーク品質があらかじめ決定された量だけ変化するときに、前記登録要求を送信すること、を備える、請求項34に記載のデバイス。
【請求項37】
ネットワーク品質を決定するための前記手段は、前記WCDによって受信されたワイヤレス信号のパラメータを測定するための手段、を備え、前記パラメータは、前記WCDについての前記ネットワーク品質を示しており、そして前記登録タイマを調整するための前記手段は、前記測定されたパラメータに基づいて前記登録タイマを調整するための手段、を備える、請求項32に記載のデバイス。
【請求項38】
パラメータは、受信されたワイヤレス信号の受信信号強度を示している、請求項32に記載のデバイス。
【請求項39】
前記登録タイマを調整するための前記手段は、
前記ネットワーク品質が第1の範囲内に存在するときに、前記登録タイマを第1の値に設定するための手段と、
前記ネットワーク品質が第2の範囲内に存在するときに、前記登録タイマを第2の値に設定するための手段と、
を備える、
請求項32に記載のデバイス。
【請求項40】
前記登録タイマを調整するための前記手段は、
前記ネットワーク品質がしきい値の上にあるときに、前記登録タイマの長さを増大させるための手段と、
前記ネットワーク品質が前記しきい値の下にあるときに、前記登録タイマの前記長さを減少させるための手段と、
を備える、
請求項32に記載のデバイス。
【請求項41】
前記登録タイマを調整するための前記手段は、以前に決定されたネットワーク品質と現在決定されるネットワーク品質との間の差がしきい値をこえる場合は、前記登録タイマを調整するための手段、を備える、請求項32に記載のデバイス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−59077(P2013−59077A)
【公開日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−236772(P2012−236772)
【出願日】平成24年10月26日(2012.10.26)
【分割の表示】特願2009−536463(P2009−536463)の分割
【原出願日】平成19年11月7日(2007.11.7)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.WCDMA
【出願人】(595020643)クゥアルコム・インコーポレイテッド (7,166)
【氏名又は名称原語表記】QUALCOMM INCORPORATED
【Fターム(参考)】