説明

ワイヤレス通信システム内での専用チャネル(DCH)リソースの選択的な割振り

一実施形態において、UEは、メッセージ(たとえば、警告メッセージ、呼開始メッセージなど)を送信することを決定する。送信されるメッセージのタイプに基づいて、UEは、UEを専用チャネル状態(DCS)に移行させるようアクセスネットワークを促すように構成された補足データを選択的に送信する。別の実施形態では、UE間の通信セッションを調停するように構成されたアプリケーションサーバは、ターゲットUEに送信するためのメッセージを受信する。ターゲットUEに送信されるメッセージのタイプに基づいて、アプリケーションサーバは、ターゲットUEのサービングアクセスネットワークに、ターゲットUEをDCSに移行させるようサービングアクセスネットワークを促すように構成された補足データを選択的に送信する。別の実施形態では、アクセスネットワークは、ターゲットUEに送信するために、異なってサイズ設定されたメッセージがアクセスネットワークで受信されたかどうかに基づいて、ターゲットUEをDCSに選択的に移行させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
米国特許法第119条に基づく優先権の主張
本特許出願は、本出願の譲受人に譲渡され、参照により明白に本明細書に組み込まれる、2010年1月25日に出願された「SELECTIVE ALLOCATION OF DEDICATED CHANNEL(DCH) RESOURCES WITHIN A WIRELESS COMMUNICATIONS SYSTEM」という名称の仮出願第61/297,963号の優先権を主張する。
【0002】
同時係属特許出願の参照
本特許出願は、それぞれ本出願の譲受人に譲渡され、参照により本明細書に明確に組み込まれる、2010年2月5日に出願された「MANAGING DEDICATED CHANNEL RESOURCE ALLOCATION TO USER EQUIPMENT BASED ON RADIO BEARER TRAFFIC WITHIN A WIRELESS COMMUNICATIONS SYSTEM」という名称の同時係属米国出願第61/301,929号、および2010年5月17日に出願された「TRANSITIONING A USER EQUIPMENT(UE) TO A DEDICATED CHANNEL STATE DURING SETUP OF A COMMUNICATION SESSION DURING A WIRELESS COMMUNICATIONS SYSTEM」という名称の同時係属米国出願第12/781,666号に関する。
【0003】
本発明の実施形態は、ワイヤレス通信システム内での専用チャネル(DCH)リソースの選択的な割振りに関する。
【背景技術】
【0004】
ワイヤレス通信システムは、第1世代のアナログワイヤレス電話サービス(1G)、第2世代(2G)のデジタルワイヤレス電話サービス(中間の2.5Gおよび2.75Gのネットワークを含む)、および第3世代(3G)の高速データ/インターネット対応ワイヤレスサービスを含めて、様々な世代を通じて発展してきた。セルラーおよびパーソナル通信サービス(PCS)システムを含めて、現在、多くの異なるタイプのワイヤレス通信システムが使用されている。既知のセルラーシステムの例には、セルラー式のAnalog Advanced Mobile Phone System(AMPS)、および符号分割多元接続(CDMA)、周波数分割多元接続(FDMA)、時分割多元接続(TDMA)、TDMAの変形のGlobal System for Mobile(GSM(登録商標))接続に基づくデジタルセルラーシステム、ならびにTDMAとCDMAの両方の技術を使用したより新しいハイブリッドデジタル通信システムなどがある。
【0005】
CDMAモバイル通信を提供するための方法は、米国では、米国電気通信工業会/米国電子工業会によってTIA/EIA/IS-95-Aで「Mobile Station-Base Station Compatibility Standard for Dual-Mode Wideband Spread Spectrum Cellular System」という名称で標準化されており、これは本明細書ではIS-95と呼ぶ。複合のAMPSおよびCDMAシステムは、TIA/EIA規格IS-98に記載されている。他の通信システムは、広帯域CDMA(W-CDMA)、CDMA2000(たとえばCDMA2000 1xEV-DO標準など)またはTD-SCDMAと呼ばれるものを対象とする、IMT-2000/UM、または国際移動電気通信システム2000/ユニバーサルモバイル通信システムの規格に記載されている。
【0006】
W-CDMAワイヤレス通信システムにおいて、ユーザ機器(UE)は、基地局に隣接するまたは基地局の周囲の特定の地理的領域内の通信リンクまたはサービスをサポートする固定位置のノードB(セルサイトまたはセルとも呼ばれる)から信号を受信する。ノードBは、一般にサービス品質(QoS)要求に基づいてトラフィックを区別するための方法をサポートする標準Internet Engineering Task Force (IETF)ベースのプロトコルを使用したパケットデータネットワークであるアクセスネットワーク(AN)/無線アクセスネットワーク(RAN)にエントリーポイントを提供する。したがって、ノードBは、一般に、エアインターフェースを介してUEと、またインターネットプロトコル(IP)ネットワークデータパケットを介してRANと対話する。
【0007】
ワイヤレス通信システムにおいて、プッシュツートーク(PTT)機能は、サービスセクタおよび消費者に普及しつつある。PTTは、たとえばW-CDMA、CDMA、FDMA、TDMA、GSM(登録商標)など、標準的な商用のワイヤレスインフラストラクチャ上で動作する「ディスパッチ」ボイスサービスをサポートすることができる。ディスパッチモデルにおいて、エンドポイント(たとえばUE)間の通信は、仮想グループ内で行われ、そこで1人の「送話者」の音声が1人または複数人の「受話者」に送信される。このタイプの通信の単一のインスタンスは、通常、ディスパッチ呼(dispatch call)、または単にPTT呼と呼ばれる。PTT呼は、呼の特徴を定義するグループのインスタンス化である。グループは、本質的に、メンバーリスト、およびたとえばグループ名またはグループ識別情報などの関連する情報によって定義される。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
一実施形態において、UEは、メッセージ(たとえば、警告メッセージ、呼開始メッセージなど)を送信することを決定する。送信されるメッセージのタイプに基づいて、UEは、UEを専用チャネル状態(DCS)に移行させるようアクセスネットワークを促すように構成された補足データを選択的に送信する。別の実施形態では、UE間の通信セッションを調停するように構成されたアプリケーションサーバは、ターゲットUEに送信するためのメッセージを受信する。ターゲットUEに送信されるメッセージのタイプに基づいて、アプリケーションサーバは、ターゲットUEのサービングアクセスネットワークに、ターゲットUEをDCSに移行させるようサービングアクセスネットワークを促すように構成された補足データを選択的に送信する。別の実施形態では、アクセスネットワークは、ターゲットUEに送信するために、異なってサイズ設定されたメッセージがアクセスネットワークで受信されたかどうかに基づいて、ターゲットUEをDCSに選択的に移行させる。
【0009】
本発明の実施形態のより完全な理解、およびその付随する利点の多くは、以下の詳細な説明を添付の図面と併せ読んでよりよく理解すると、容易に得られる。添付の図面は、単に説明のために提示されているにすぎず、本発明を限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の少なくとも1つの実施形態による、ユーザ機器および無線アクセスネットワークをサポートするワイヤレスネットワークアーキテクチャを示す図である。
【図2A】本発明の一実施形態による図1のコアネットワークを示す図である。
【図2B】図1のワイヤレス通信システム100の一例をより詳細に示す図である。
【図3】本発明の少なくとも1つの実施形態によるユーザ機器の例を示す図である。
【図4A】発信側UEがCELL_DCH状態に移行し、呼要求メッセージをアプリケーションサーバに送ることを示す図である。
【図4B】発信側UEがCELL_DCH状態に移行し、警告メッセージを少なくとも1つのターゲットUEに送ることを示す図である。
【図4C】アプリケーションサーバがターゲットUEに送るデータを有するときのCELL_DCH状態へのターゲットUEの移行を示す図である。
【図4D】アプリケーションサーバがターゲットUEに送るデータを有するときのCELL_DCH状態へのターゲットUEの移行を示す図である。
【図5A】本発明の一実施形態によるデータを送信するプロセスを示す図である。
【図5B】本発明の一実施形態による図5Aのプロセス中に無線アクセスネットワーク(RAN)で行われるプロセスを示す図である。
【図5C】図5Aのプロセスを実行するネットワーク通信エンティティが、呼要求メッセージをアプリケーションサーバに送信しようと試みる発信側UEに対応する実施形態を示す図である。
【図5D】図5Aのプロセスを実行するネットワーク通信エンティティが、呼警告メッセージをアプリケーションサーバに送信しようと試みる発信側UEに対応する実施形態を示す図である。
【図5E】図5Aのプロセスを実行するネットワーク通信エンティティが、呼告知メッセージをターゲットUEに送信しようと試みるアプリケーションサーバに対応する実施形態を示す図である。
【図5F】図5Aのプロセスを実行するネットワーク通信エンティティが、呼警告メッセージをターゲットUEに送信しようと試みるアプリケーションサーバに対応する実施形態を示す図である。
【図6A】本発明の別の実施形態によるデータを送信するプロセスを示す図である。
【図6B】本発明の一実施形態による図6Aのプロセス中にRANで行われるプロセスを示す図である。
【図6C】図6Aのプロセスを実行するネットワーク通信エンティティが、呼要求メッセージをアプリケーションサーバに送信しようと試みる発信側UEに対応する実施形態を示す図である。
【図6D】図6Aのプロセスを実行するネットワーク通信エンティティが、呼警告メッセージをアプリケーションサーバに送信しようと試みる発信側UEに対応する実施形態を示す図である。
【図6E】図6Aのプロセスを実行するネットワーク通信エンティティが、呼告知メッセージをターゲットUEに送信しようと試みるアプリケーションサーバに対応する実施形態を示す図である。
【図6F】図6Aのプロセスを実行するネットワーク通信エンティティが、呼警告メッセージをターゲットUEに送信しようと試みるアプリケーションサーバに対応する実施形態を示す図である。
【図7A】本発明の一実施形態によるRANで行われるプロセスを示す図である。
【図7B】本発明の実施形態による図7Aのプロセスの実施の例を示す図である。
【図7C】本発明の実施形態による図7Aのプロセスの実施の他の例を示す図である。
【図7D】本発明の実施形態による図7Aのプロセスの実施の他の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の態様を、本発明の特定の実施形態を対象とする以下の説明および関連する図面に開示する。本発明の範囲から逸脱することなく、代替実施形態を考案することができる。さらに、本発明の重要な詳細を不明瞭にしないために、本発明の周知の要素については、詳しく説明しない、または省略する。
【0012】
「例示的」および/または「例」という語は、本明細書では、「例、実例、または例示としての役割を果たす」ことを意味するために使用される。「例示的」および/または「例」として本明細書で説明する任意の実施形態は、必ずしも、他の実施形態よりも好ましいまたは有利であると解釈されるわけではない。同様に、「本発明の実施形態」という用語は、本発明のすべての実施形態が論じられた特徴、利点、または動作モードを含むことを必要としない。
【0013】
さらに、多くの実施形態は、たとえば、コンピューティングデバイスの要素によって実行されるアクションのシーケンスに関して説明される。本明細書で説明する様々なアクションは、特定の回路(たとえば、特定用途向け集積回路(ASIC))によって、1つまたは複数のプロセッサによって実行されるプログラム命令によって、または両方の組合せによって実行することができることを認識されよう。さらに、本明細書で説明するこれらのアクションのシーケンスは、実行時に、本明細書で説明する機能を関連するプロセッサに実行させる対応する1組のコンピュータ命令を格納する任意の形態のコンピュータ可読記憶媒体内に完全に組み込まれると考えることができる。したがって、本発明の様々な態様は、いくつかの異なる形態で組み込むことができ、そのすべては、請求された主題の範囲内であると企図されている。さらに、本明細書で説明する実施形態のそれぞれについて、任意のそのような実施形態の対応する形態は、本明細書では、たとえば、記載のアクションを実行する「ように構成されたロジック」として説明され得る。
【0014】
本明細書ではユーザ機器(UE)と呼ばれる高データレート(HDR)加入者局は、モバイルでも固定でもよく、ノードBと呼ばれ得る1つまたは複数のアクセスポイント(AP)と通信することができる。UEは、ノードBのうちの1つまたは複数を介して、無線ネットワークコントローラ(RNC)との間でデータパケットを送受信する。ノードBおよびRNCは、無線アクセスネットワーク(RAN)と呼ばれるネットワークの部分である。無線アクセスネットワークは、複数のUE間に音声およびデータパケットをトランスポートすることができる。
【0015】
無線アクセスネットワークは、無線アクセスネットワークの外部の追加のネットワークにさらに接続されていてもよく、そのようなコアネットワークは、特定のキャリア関連のサーバおよびデバイス、ならびに企業内イントラネット、インターネット、公衆交換電話網(PSTN)、サービング汎用パケット無線サービス(GPRS)サポートノード(SGSN)、ゲートウェイGPRSサポートノード(GGSN)など他のネットワークへの接続を含んでおり、各UEとそのようなネットワークとの間で音声およびデータパケットをトランスポートすることができる。1つまたは複数のノードBとのアクティブなトラフィックチャネル接続を確立したUEは、アクティブなUEと呼ぶことができ、トラフィック状態であると呼ぶことができる。1つまたは複数のノードBとのアクティブなトラフィックチャネル(TCH)接続を確立する過程にあるUEは、接続セットアップ状態であると呼ぶことができる。UEは、ワイヤレスチャネルまたは有線のチャネルを介して通信する任意のデータデバイスとすることができる。UEは、さらに、限定はしないが、PCカード、コンパクトフラッシュ(登録商標)デバイス、外付けまたは内蔵のモデム、またはワイヤレスまたは有線の電話を含むいくつかのタイプのデバイスのうちの任意のものでもよい。UEが信号をノードBに送る通信リンクは、アップリンクチャネル(たとえば、逆方向トラフィックチャネル、制御チャネル、アクセスチャネルなど)と呼ばれる。ノードBが信号をUEに送る通信リンクは、ダウンリンクチャネル(たとえば、ページングチャネル、制御チャネル、ブロードキャストチャネル、順方向トラフィックチャネルなど)と呼ばれる。本明細書で使用する場合、トラフィックチャネル(TCH)という用語は、アップリンク/逆方向、またはダウンリンク/順方向トラフィックチャネルのいずれかを指し得る。
【0016】
図1は、本発明の少なくとも1つの実施形態によるワイヤレス通信システム100の例示的な一実施形態のブロック図を示す。システム100は、パケット交換データネットワーク(たとえばイントラネット、インターネット、および/またはコアネットワーク126)とUE102、108、110、112との間にデータ接続を提供するネットワーク機器にアクセス端末102を接続することができるアクセスネットワークまたは無線アクセスネットワーク(RAN)120と、エアインターフェース104を介して通信している携帯電話102などのUEを含むことができる。本明細書に示すように、UEは、携帯電話102、携帯情報端末108、ここでは双方向テキストページャ、さらにはワイヤレス通信ポータルを有する個別のコンピュータプラットフォーム112と示されるページャ110とすることができる。したがって、本発明の実施形態は、それだけには限定されないが、ワイヤレスモデム、PCMCIAカード、パーソナルコンピュータ、電話、またはそれらの任意の組合せまたは部分的組合せを含めて、ワイヤレス通信ポータルを含む、またはワイヤレス通信機能を有する任意の形態のアクセス端末において実現することができる。さらに、本明細書で使用するように、他の通信プロトコル(すなわちW-CDMA以外)における「UE」という用語は、互換的に「アクセス端末」、「AT」、「ワイヤレスデバイス」、「クライアントデバイス」、「モバイル端末」、「移動局」、およびそれらの変形と呼ばれ得る。
【0017】
再び図1を参照すると、ワイヤレス通信システム100の構成要素、および本発明の例示的な実施形態の要素の相互関係は、図示の構成に限定されない。システム100は、例にすぎず、ワイヤレスクライアントコンピューティングデバイス102、108、110、112などの遠隔UEが、無線で互いの間で、および/またはそれだけには限定されないが、コアネットワーク126、インターネット、PSTN、SGSN、GGSN、および/または他のリモートサーバを含めて、エアインターフェース104およびRAN120を介して接続される構成要素の間で通信することができる任意のシステムを含むことができる。
【0018】
RAN120は、RNC122に送られる(一般的にデータパケットとして送られる)メッセージを制御する。RNC122は、サービング汎用パケット無線サービス(GPRS)サポートノード(SGSN)とUE102/108/110/112との間のベアラチャネル(すなわち、データチャネル)のシグナリング、確立、およびティアダウンを行う役目を果たす。また、リンクレイヤ暗号化が可能な場合、RNC122は、エアインターフェース104を介してコンテンツを転送する前に、コンテンツを暗号化する。RNC122の機能は、当技術分野でよく知られており、簡潔のためにこれ以上は説明しない。コアネットワーク126は、ネットワーク、インターネット、および/または公衆交換電話網(PSTN)によってRNC122と通信することができる。代わりに、RNC122は、インターネットまたは外部ネットワークに直接接続することができる。一般的に、コアネットワーク126とRNC122との間のネットワークまたはインターネット接続は、データを転送し、PSTNは、ボイス情報を転送する。RNC122は、複数のノードB124に接続することができる。コアネットワーク126と同様の方法で、RNC122は、一般的に、データ転送および/またはボイス情報転送のために、ネットワーク、インターネット、および/またはPSTNによってノードB124に接続される。ノードB124は、データメッセージを、たとえば携帯電話102などのUEにワイヤレスでブロードキャストすることができる。当技術分野で知られているように、ノードB124、RNC122、および他の構成要素は、RAN120を形成することができる。しかし、代替構成が使用されてもよく、本発明は、図示の構成に限定されない。たとえば、別の実施形態では、RNC122、およびノードB124のうちの1つまたは複数の機能は、RNC122とノードB124の両方の機能を有する単一の「ハイブリッド」モジュールに縮小することができる。
【0019】
図2Aは、本発明の一実施形態によるコアネットワーク126を示す。特に、図2Aは、W-CDMAシステム内に実装される汎用パケット無線サービス(GPRS)コアネットワークの構成要素を示す。図2Aの実施形態では、コアネットワーク126は、サービングGPRSサポートノード(SGSN)160、ゲートウェイGPRSサポートノード(GGSN)165、およびインターネット175を含む。しかし、代替実施形態では、インターネット175および/または他の構成要素の部分がコアネットワークの外部に配置されていてもよいことを理解されたい。
【0020】
一般に、GPRSは、インターネットプロトコル(IP)パケットを送信するために、Global System for Mobile communications(GSM(登録商標))電話によって使用されるプロトコルである。GPRSコアネットワーク(たとえば、GGSN165および1つまたは複数のSGSN160)は、GPRSシステムの中央部であり、W-CDMAベースの3Gネットワークのサポートも提供する。GPRSコアネットワークは、GSM(登録商標)コアネットワークの一体部であり、GSM(登録商標)およびW-CDMAネットワークにおけるIPパケットサービスのモビリティ管理、セッション管理、およびトランスポートを提供する。
【0021】
GPRSトンネリングプロトコル(GTP)は、GPRSコアネットワークの限定的なIPプロトコルである。GTPは、GGSN165において、まるで1つの位置からインターネットに接続し続けながら、GSM(登録商標)またはW-CDMAネットワークのエンドユーザ(たとえば、アクセス端末)があちこちに移動することができるプロトコルである。これは、加入者のデータを加入者の現在のSSGN160から、加入者のセッションを処理しているGGSN165に転送することによって達成される。
【0022】
GTPの3つの形態、すなわち(i)GTP-U、(ii)GTP-C、および(iii)GTP'(GTP Prime)がGPRSコアネットワークによって使用される。GTP-Uは、パケットデータプロトコル(PDP)コンテキストごとに分離されたトンネルでのユーザデータの転送に使用される。GTP-Cは、制御シグナリング(たとえば、PDPコンテキストのセットアップおよび削除、GSN到達可能性の検証、加入者があるSGSNから別のSGSNに移動したときなどの更新または変更)に使用される。GTP'は、GSNから課金機能への課金データの転送のために使用される。
【0023】
図2Aを参照すると、GGSN165は、GPRSバックボーンネットワーク(図示せず)と外部パケットデータネットワーク175との間のインターフェースとして働く。GGSN165は、関連するパケットデータプロトコル(PDP)形式(たとえば、IPまたはPPP)のパケットデータを、SGSN160から来るGPRS着信パケットから抽出し、対応するパケットデータネットワーク上でパケットを発送する。他方の方向では、着信データパケットは、GGSN165によってSGSN160に向けられ、SGSN160は、RAN120によってサービスされる宛先のUEの無線アクセスベアラ(RAB)を管理し、制御する。それによって、GGSN165は、ターゲットUEの現在のSGSNアドレス、およびそのユーザのプロファイルをそのロケーションレジスタ(たとえば、PDPコンテキスト内)に格納する。GGSNは、IPアドレス割当ての役目を果たし、接続されたUEのデフォルトルータである。また、GGSNは、認証および課金機能を実行する。
【0024】
一例では、SGSN160は、コアネットワーク126内の多くのSGSNのうちの1つの代表である。各SGSNは、関連する地理的サービスエリア内で、UEからおよびUEにデータパケットを配信する役目を果たす。SGSN160のタスクには、パケットルーティングおよび転送、モビリティ管理(たとえば、接続/切断およびロケーション管理)、論理リンク管理、および認証および課金機能などがある。SGSNのロケーションレジスタは、位置情報(たとえば、現在のセル、現在のVLRなど)、および、たとえばユーザまたはUEごとに1つまたは複数のPDPコンテキスト内など、SGSN160に登録されたすべてのGPRSユーザのユーザプロファイル(たとえば、パケットデータネットワークで使用するIMSI、PDPアドレスなど)を格納する。したがって、SGSNは、(i)GGSN165からのダウンリンクGTPパケットの逆トンネリング、(ii)GGSN165方向のIPパケットのアップリンクトンネル、(iii)UEがSGSNサービスエリアの間を移動するときのモビリティ管理の実行、(iv)モバイル加入者の支払い請求の役目を果たす。当業者なら理解するように、(i)〜(iv)の他に、GSM/EDGEネットワークのために構成されたSGSNは、W-CDMAネットワークのために構成されたSGSNと比較して、わずかに異なる機能を有する。
【0025】
RAN120(またはユニバーサルモバイル通信システム(UMTS)システムアーキテクチャにおけるUTRANなど)は、フレームリレーまたはIPなどの送信プロトコルによって、Iuインターフェースを介してSGSN160と通信する。SGSN160は、SGSN160および他のSGSN(図示せず)と内部のGGSNとの間のIPベースのインターフェースであり、上記で定義されたGTPプロトコル(たとえば、GTP-U、GTP-C、GTP'など)を使用するGnインターフェースを介してGGSN165と通信する。図2Aには示されていないが、Gnインターフェースは、ドメインネームシステム(DNS)によっても使用される。GGSN165は、公衆データネットワーク(PDN)(図示せず)に、次にインターネット175に、IPプロトコルによるGiインターフェースを介して直接、またはワイヤレスアプリケーションプロトコル(WAP)ゲートウェイを介して接続される。
【0026】
PDPコンテキストは、UEがアクティブなGPRSセッションを有するとき、特定のUEの通信セッション情報を含む、SGSN160とGGSN165の両方に存在するデータ構造である。UEは、GPRS通信セッションを開始することを望むとき、まず、SGSN160に接続し、次いでGGSN165によりPDPコンテキストを起動させなければならない。これによって、加入者が現在訪問しているSGSN160、およびUEのアクセスポイントにサービスしているGGSN165において、PDPコンテキストデータ構造が割り振られる。
【0027】
図2Bは、図1のワイヤレス通信システム100の一例をより詳細に示す。特に、図2Bを参照すると、UE1…Nは、異なるパケットデータネットワークのエンドポイントによってサービスされる位置でRAN120に接続するものとして示されている。図2Bの例は、W-CDMAシステムおよび用語に固有のものであるが、1xEV-DOシステムに適合するために図2Bをどのように変更することができるかは理解されよう。したがって、UE1およびUE3は、第1のパケットデータネットワークエンドポイント162(たとえば、SGSN、GGSN、PDSN、ホームエージェント(HA)、外部エージェント(FA)などに対応し得る)によってサービスされる部分でRAN120に接続する。第1のパケットデータネットワークエンドポイント162は、次に、ルーティングユニット188を介して、インターネット175、および/または認証、認可、およびアカウンティング(AAA)サーバ182、プロビジョニングサーバ184、インターネットプロトコル(IP)マルチメディアサブシステム(IMS)/セッション開始プロトコル(SIP)登録サーバ186、および/またはアプリケーションサーバ170のうちの1つまたは複数に接続する。UE2およびUE5…Nは、第2のパケットデータネットワークエンドポイント164(たとえば、SGSN、GGSN、PDSN、FA、HAなどに対応し得る)によってサービスされる部分でRAN120に接続する。第1のパケットデータネットワークエンドポイント162と同様に、第2のパケットデータネットワークエンドポイント164は、次に、ルーティングユニット188を介して、インターネット175、および/またはAAAサーバ182、プロビジョニングサーバ184、IMS/SIP登録サーバ186、および/またはアプリケーションサーバ170のうちの1つまたは複数に接続する。UE4は、直接インターネット175に接続し、次いでインターネット175を介して、上記のシステム構成要素のうちのいずれかに接続することができる。
【0028】
図2Bを参照すると、UE1、UE3、およびUE5…Nは、ワイヤレス携帯電話として示され、UE2は、ワイヤレスタブレット型PCとして示され、UE4は、有線のデスクトップステーションとして示されている。しかし、他の実施形態では、ワイヤレス通信システム100が任意のタイプのUEに接続することができ、図2Bに示される例は、システム内に実装され得るUEのタイプを制限するものではない。また、AAA182、プロビジョニングサーバ184、IMS/SIP登録サーバ186、およびアプリケーションサーバ170はそれぞれ、構造的に別のサーバとして示されているが、本発明の少なくとも1つの実施形態において、これらのサーバのうちの1つまたは複数は、統合されていてもよい。
【0029】
さらに、図2Bを参照すると、アプリケーションサーバ170は、複数のメディア制御コンプレックス(MCC)1…N170B、および複数の地域ディスパッチャ1…N170Aを含むものとして示されている。一括して、地域ディスパッチャ170AおよびMCC170Bは、アプリケーションサーバ170内に含まれており、これは、少なくとも1つの実施形態において、ワイヤレス通信システム100内の通信セッション(たとえば、IPユニキャストおよび/またはIPマルチキャストプロトコルを介した半二重グループ通信セッション)を調停するように集合的に機能するサーバの分散ネットワークに対応し得る。たとえば、アプリケーションサーバ170によって調停される通信セッションは、理論上、システム100内のどこかに位置するUE間で行われ得るので、調停された通信セッションの待ち時間を減らすために(たとえば、北米のMCCが中国にあるセッション参加者間で媒体をあちこち中継しないように)、複数の地域ディスパッチャ170AおよびMCCが分散される。したがって、アプリケーションサーバ170を参照すると、関連する機能は、地域ディスパッチャ170Aのうちの1つまたは複数、および/またはMCC170Bのうちの1つまたは複数によって実施することができることを理解されよう。地域ディスパッチャ170Aは、全般的に、通信セッションを確立することに関連する任意の機能(たとえば、UE間のシグナリングメッセージの処理、告知メッセージのスケジューリングおよび/または送信など)を受け持ち、MCC170Bは、通話中シグナリング、調停された通信セッション中の媒体の実際の交換を行うことを含めて、呼インスタンスの間の通信セッションをホストする役目を果たす。
【0030】
図3を参照すると、たとえば携帯電話などのUE200(ここではワイヤレスデバイス)は、プラットフォーム202を有し、プラットフォーム202は、RAN120から送信され、最終的にはコアネットワーク126、インターネット、および/または他のリモートサーバおよびネットワークから来る可能性がある、ソフトウェアアプリケーション、データ、および/またはコマンドを受信し、実行することができる。プラットフォーム202は、特定用途向け集積回路(「ASIC」208)または他のプロセッサ、マイクロプロセッサ、論理回路、または他のデータ処理デバイスに動作可能に結合されたトランシーバ206を含むことができる。ASIC208または他のプロセッサは、ワイヤレスデバイスのメモリ212内の任意の常駐プログラムとインターフェースするアプリケーションプログラミングインターフェース(「API」)210層を実行する。メモリ212は、読取り専用またはランダムアクセスメモリ(RAMおよびROM)、EEPROM、フラッシュカード、またはコンピュータプラットフォームに共通の任意のメモリから構成することができる。プラットフォーム202は、メモリ212においてあまり使用されないアプリケーションを保持することができるローカルデータベース214も含み得る。ローカルデータベース214は、一般的に、フラッシュメモリセルであるが、たとえば磁気媒体、EEPROM、光学媒体、テープ、ソフトまたはハードディスクなど、当技術分野で知られている任意の二次記憶デバイスとすることができる。内部プラットフォーム202の構成要素は、当技術分野で知られているように、構成要素の中でも、アンテナ222、ディスプレイ224、プッシュツートークボタン228、およびキーパッド226などの外部デバイスに動作可能に結合されてもよい。
【0031】
したがって、本発明の一実施形態は、本明細書で説明した機能を実行する能力を含むUEを含むことができる。当業者ならば理解するように、様々な論理素子は、本明細書で開示する機能を行うために、個別の要素、プロセッサ上で実行されるソフトウェアモジュール、またはソフトウェアとハードウェアの任意の組合せに組み込むことができる。たとえば、ASIC208、メモリ212、API210、およびローカルデータベース214はすべて、本明細書で開示する様々な機能をロードし、格納し、実行するために協働的に使用することができ、したがって、これらの機能を実行するロジックは、様々な要素上に分散され得る。代わりに、機能を1つの個別部品に組み込むことができる。したがって、図3のUE200の特徴は、単に例示にすぎないものとみなされ、本発明は、示された特徴または構成に限定されない。
【0032】
UE102またはUE200とRAN120との間のワイヤレス通信は、たとえば符号分割多元接続(CDMA)、W-CDMA、時分割多元接続(TDMA)、周波数分割多元接続(FDMA)、直交周波数分割多元(OFDM)、Global System for Mobile Communications (GSM(登録商標))、またはワイヤレス通信ネットワークまたはデータ通信ネットワークで使用され得る他のプロトコルなど、異なる技術に基づき得る。たとえば、W-CDMAでは、データ通信は、一般的に、クライアントデバイス102、ノードB124、およびRNC122の間である。RNC122は、コアネットワーク126、PSTN、インターネット、仮想専用ネットワーク、SGSN、GGSNなど複数のデータネットワークに接続することができ、したがって、UE102またはUE200は、より広い通信ネットワークにアクセスすることができる。上記で説明し、当技術分野で知られているように、ボイス送信、および/またはデータは、様々なネットワークおよび構成を使用してRANからUEに送信することができる。したがって、本明細書で提供する例は、本発明の実施形態を限定するためのものではなく、単に本発明の実施形態の態様の説明を助けるためのものにすぎない。
【0033】
以下、本発明の実施形態は、全般的に、W-CDMAプロトコルおよび関連する用語に従って説明される(たとえば、移動局(MS)、モバイルユニット(MU)、アクセス端末(AT)などの代わりにUE、EV-DOでのBSCとは異なりRNC、EV-DOでのBSまたはMPT/BSとは異なりノードBなど)。しかし、W-CDMA以外のワイヤレス通信プロトコルに関連して本発明の実施形態をどのように適用することができるかは、当業者によって容易に理解されよう。
【0034】
従来のサーバ調停型通信セッション(たとえば、半二重プロトコル、全二重プロトコル、VoIP、グループ・セッション・オーバーIPユニキャスト、グループ・セッション・オーバーIPマルチキャスト、プッシュツートーク(PTT)セッション、プッシュツートランスファー(PTX)セッションなどを介する)では、セッションまたは呼発信者は、アプリケーションサーバ170に通信セッションを開始する旨の要求を送り、アプリケーションサーバ170は次いで、呼の1つまたは複数のターゲットに送信するために、呼告知メッセージをRAN120に転送する。
【0035】
ユーザ機器(UE)は、ユニバーサル移動通信サービス(UMTS)地上波無線アクセスネットワーク(UTRAN)(たとえば、RAN120)において、アイドルモードまたは無線リソース制御(RRC)接続モードのいずれかとすることができる。
【0036】
UEモビリティおよびアクティビティに基づいて、RRC接続モードである間、RAN120は、いくつかのRRC下位状態、すなわちCELL_PCH、URA_PCH、CELL_FACH、およびCELL_DCH状態の間で移行するようUEに指示することができ、これらは次のように特徴づけることができる。
・CELL_DCH状態では、アップリンクおよびダウンリンクにおいて、UEには専用物理チャネルが割り振られ、UEは、その現在のアクティブセットによってセルレベルで認識され、UEには専用トランスポートチャネル、ダウンリンクおよびアップリンク(TDD)共有トランスポートチャネルが割り当てられており、これらのトランスポートチャネルの組合せをUEによって使用することができる。
・CELL_FACH状態では、UEには専用物理チャネルは割り振られず、UEは、順方向アクセスチャネル(FACH)を連続的に監視し、UEは、アップリンクにおけるデフォルトの共通または共有トランスポートチャネル(たとえば、チャネルを取得し、送信電力を調整するための電力ランプアップ手順による競合ベースのチャネルであるランダムアクセスチャネル(RACH))が割り当てられ、UEはそのトランスポートチャネルのアクセス手順に従って送信することができ、UEの位置は、UEが前のセル更新を最後に行ったセルによってセルレベルでRAN120によって認識され、TDDモードでは、1つまたは複数のUSCHまたはDSCHトランスポートチャネルが確立されている可能性がある。
・CELL_PCH状態では、UEには専用物理チャネルは割り振られず、UEは、アルゴリズムでPCHを選択し、関連するPICHを介して選択されたPCHを、DRXを使用して監視し、アップリンクアクティビティは不可であり、UEの位置は、UEがCELL_FACH状態でセル更新を最後に行ったセルによってセルレベルでRAN120によって認識される。
・URA_PCH状態では、UEには専用物理チャネルは割り振られず、UEは、アルゴリズムでPCHを選択し、関連するPICHを介して選択されたPCHを、DRXを使用して監視し、アップリンクアクティビティは不可であり、UEの位置は、CELL_FACH状態で最後のURA更新中にUEに割り当てられたUTRAN登録エリア(URA)によって登録エリアレベルでRAN120に認識される。
【0037】
したがって、URA_PCH状態(またはCELL_PCH状態)は、UEが定期的に起動して、ページングインジケータチャネル(PICH)、および必要な場合、関連するダウンリンクページングチャネル(PCH)をチェックする休止状態に対応し、セル再選択、定期的なセル更新、アップリンクデータ送信、ページング応答、再度入ったサービスエリアのイベントについては、UEは、CELL_FACH状態に入ってセル更新メッセージを送ることができる。CELL_FACH状態では、UEは、ランダムアクセスチャネル(RACH)上でメッセージを送り、順方向アクセスチャネル(FACH)を監視することができる。FACHは、RAN120からのダウンリンク通信を運び、セカンダリ共通制御物理チャネル(S-CCPCH)にマップされる。CELL_FACH状態から、UEは、CELL_FACH状態でのメッセージングに基づいてトラフィックチャネル(TCH)が得られた後、CELL_DCH状態になり得る。無線リソース制御(RRC)接続モードでの従来の専用トラフィックチャネル(DTCH)からトランスポートチャネルへのマッピングを示す表が、次の通り、表1に示される。
【0038】
【表1】

【0039】
表記(rel. 8)および(rel. 7)は、関連する3GPPリリースを示し、監視またはアクセスのために、示されたチャネルが導入されている。
【0040】
アプリケーションサーバ170によって調停される通信セッションは、少なくとも1つの実施形態では、遅延敏感または高優先度のアプリケーションおよび/またはサービスに関連付けられ得る。たとえば、アプリケーションサーバ170は、少なくとも1つの実施形態ではPTTサーバに対応することができ、PTTセッションにおける重要な基準は、高速セッションセットアップ、およびセッションの全体にわたって所与のレベルのサービス品質(QoS)を維持することであることは理解されよう。
【0041】
上記で説明したように、RRC接続モードで、所与のUEは、RAN120とデータを交換するためにCELL_DCHまたはCELL_FACHのいずれかで動作することができ、それによって、所与のUEはアプリケーションサーバ170に達することができる。上記のように、CELL_DCH状態では、アップリンク/ダウンリンク無線ベアラは、専用物理チャネルリソース(たとえば、UL DCH、DL DCH、E-DCH、F-DPCH、HS-DPCCHなど)を消費する。これらのリソースの一部は、高速共有チャネル(すなわち、HSDPA)の操作のためにも消費される。CELL_FACH状態では、アップリンク/ダウンリンク無線ベアラは、共通トランスポートチャネル(RACH/FACH)にマップされる。それによって、CELL_FACH状態では、専用物理チャネルリソースの消費はない。
【0042】
従来、RAN120は、実質的にRAN120(たとえば、RAN120のサービングRNC122)で測定される、または1つまたは複数の測定報告で所与のUE自体から報告されるトラフィック量に基づいて、CELL_FACHとCELL_DCHとの間で所与のUEを移行させる。しかし、アプリケーションサーバ170に移動する、またはアプリケーションサーバ170から移動するかなりの量のトラフィックがいくつかのRAB(たとえば、VoIPまたはPTTでのRAB)にとって比較的重要(たとえば、遅延敏感、高QoSなど)なことは知られているので、RAN120は、(i)UE向けのアプリケーションサーバ170からの指定されたRAB(または対応するRB)についてのダウンリンク上での1つまたは複数のデータパケットを受信する、または(ii)アプリケーションサーバ170向けの指定されたRBについてのアップリンク上でのUEからの1つまたは複数のデータパケットを受信するときはいつでも、UEをCELL_DCH状態に自動的に移行させるように構成され得る。
【0043】
しかし、CELL_DCH状態への移行は、CELL_FACH状態よりも多くのオーバーヘッド(たとえば、セットアップ時間、消費されるリソースなど)に関連付けられる。UEとアプリケーションサーバ170との間でかなりの量のメッセージングが交換される場合、UEとアプリケーションサーバ170との間のトラフィックに応答して、UEをプリエンプティブにまたは自動的にCELL_DCH状態に移行させることによって、性能を向上させることはできるが、後で、CELL_DCH状態への移行をトリガするメッセージが単に「警告」メッセージ、または通信セッションの前兆ではない切り離されたメッセージであれば、オーバーヘッドは無駄となり得る。たとえば、これらのタイプの警告メッセージは、必ずしも送信側または発信側のUEからのその後のメッセージングをもたらすとは限らない一方向の1回限りの通信メッセージ(警告メッセージの再送信の可能性および警告メッセージに対するACKを除いて)とすることができる。
【0044】
アプリケーションサーバ170への/からのUEトラフィックに応答して、UEをCELL_DCH状態に自動的に移行させる例について、以下の図4A〜図4Dに関して説明する。
【0045】
所与のUEがサーバ調停型通信セッションを開始することができるプロセスについて、図4Aに関して説明する。特に、図4A(および/または図4Bから図7Dまで)は、システム100が広帯域符号分割多元接続(W-CDMA)を使用するユニバーサルモバイル通信システム(UMTS)に対応するサーバ調停型セッションセットアッププロセスを示す。しかし、図4A(および/または図4Bから図7Dまで)がどのようにW-CDMA以外のプロトコルによる通信セッションを対象とし得るかは、当業者であれば理解されよう。さらに、アプリケーションサーバ170がPTTサーバに対応する、本明細書で言及するいくつかのシグナリングメッセージについて説明する。しかし、他の実施形態がシステム100のUEにPTT以外のサービス(たとえば、プッシュツートランスファー(PTX)サービス、VoIPサービス、グループ-テキストセッションなど)を提供するサーバを対象とし得ることは理解されよう。
【0046】
図4Aを参照すると、400Aで所与のUE(「発信側UE」)がURA_PCHまたはCELL_PCH状態で動作しており、405Aおよび410Aで所与のUEがセル更新手順を実行し、それによって、セル更新手順415Aの後、CELL_FACH状態に移行すると仮定する。CELL_FACH状態である間、所与のUEは、(たとえば、所与のUEのユーザがPTTボタンを押すことに応答して)アプリケーションサーバ170によって調停すべき通信セッションを開始することを決定し、それによって、所与のUEは、420Aで、RAN120にRACH上で呼要求メッセージを送信する。RAN120は、所与のUEからRACH上で呼要求メッセージを受信し、425Aで、アプリケーションサーバ170に呼要求メッセージを転送する。
【0047】
また、RAN120は、(たとえば、関連するRB識別子(ID)をチェックすることによって)呼要求メッセージを評価し、430Aでパケットが高QoS(たとえば、低遅延および低ジッタ)を必要とするRBに関連付けられることを決定する。所与のUEが(アプリケーションサーバ170の機能に)RAB上でパケットを送っている旨のRAN120(たとえば、具体的には、RAN120のサービス側RNC)の決定によって、CELL_DCH状態への所与のUEの移行がトリガされる。したがって、435Aで、CELL_FACHからCELL_DCH状態への所与のUEの移行を促進するために、RAN120は、FACHを介して所与のUEにチャネル再構成メッセージを送信する。理解されるように、チャネル再構成メッセージは、一般に、無線ベアラ、トランスポートチャネル、または再構成すべき所与のUEの無線ベアラの物理チャネルに基づいて、無線ベアラ(RB)再構成メッセージ、トランスポートチャネル(TCH)再構成メッセージ、または物理チャネル(PhyCHまたはL1)再構成メッセージに対応する。
【0048】
435Aのチャネル再構成メッセージを受信すると、所与のUEは、440AでCELL_FACH状態からCELL_DCH状態に移行する。図4Aには示されていないが、440Aの移行は、チャネル再構成メッセージを復号すること、L1同期手順、セル更新確認応答メッセージ(たとえば、RB再構成完了メッセージなど)を送ることなどを含み得る。
【0049】
図4Aは、発信側UEがアプリケーションサーバ170との通信セッションをどのようにセットアップすることができるかを対象とするが、図4Bは、アプリケーションサーバ170が少なくとも1つのターゲットUEに警告メッセージを送ることを発信側UEがどのように要求することができるかの例を示す。上述したように、警告メッセージは、必ずしも通信セッションの前兆ではなく、むしろ、単に、少なくとも1つのターゲットUEの状況をチェックし、少なくとも1つのターゲットUEに応答を必要としないメッセージを送る(たとえば、通知または警告)ように構成され得るだけである。
【0050】
図4Bを参照すると、400Bで所与のUE(「発信側UE」)がURA_PCHまたはCELL_PCH状態で動作しており、405Bおよび410Bで所与のUEがセル更新手順を実行し、それによって、415BでCELL_FACH状態に移行すると仮定する。CELL_FACH状態である間、所与のUEは、警告メッセージが少なくとも1つのターゲットUEに送られることを要求することを決定し、それによって、所与のUEは、420Bで、RAN120にRACH上で警告メッセージ(または警告メッセージ要求メッセージ)を送信する。RAN120は、425Bで、所与のUEからRACH上で警告メッセージを受信し、アプリケーションサーバ170に警告メッセージを転送する。
【0051】
図4Aの430Aと同様、430Bで、RAN120は、(たとえば、警告メッセージのRB-IDをチェックすることによって)警告メッセージを評価し、パケットが高QoS(すなわち、低遅延および低ジッタ)を必要とするRBに関連付けられていることを決定する。この決定に基づいて、RAN120は、435Bで、CELL_DCH状態への所与のUEの移行をトリガするために、所与のUE機能にチャネル再構成(たとえば、RB再構成メッセージ)を送る。435Bのセル更新確認メッセージを受信すると、所与のUEは、(440Aの場合のように)404BでCELL_FACH状態からCELL_DCH状態に移行する。図4Bには示されていないが、440Bの移行は、チャネル再構成メッセージを復号すること、L1同期手順、セル更新確認応答メッセージ(たとえば、RB再構成完了メッセージなど)を送ることなどを含むことができる。
【0052】
図4Aおよび図4Bは、発信側UEとアプリケーションサーバ170との間のトラフィックに応答したCELL_DCH状態への発信側UEの移行に関連するが、図4Cおよび図4Dは、アプリケーションサーバ170がターゲットUEに送るべきデータを有するときのCELL_DCH状態へのターゲットUEの移行を対象とする。
【0053】
図4Cを参照すると、アプリケーションサーバ170が所与のUE(「ターゲットUE」)への通信セッションを開始するよう要求され、400Cで、ターゲットUEがURA_PCH状態またはCELL_PCH状態で動作していると仮定する。したがって、405Cで、アプリケーションサーバ170は、ターゲットUEに送信するための呼告知メッセージをRAN120に送り、410Cで、RAN120は、ターゲットUEをページングする。次に、415Cで、ターゲットUEはCELL_FACH状態に移行し、420Cで、ターゲットUEは、RACHを介してRAN120にセル更新メッセージを送る。
【0054】
RAN120は、呼告知メッセージを評価し、425Cで、パケットが高QoS(すなわち、低遅延および低ジッタ)を必要とするRBに関連付けられていることを決定する。RAN120(たとえば、具体的には、RAN120のサービングRNC)のこの決定は、セル更新確認メッセージに示される無線ベアラ、トランスポートチャネル、または物理チャネルを再構成することによって、CELL_DCH状態へのターゲットUEの移行をトリガする。したがって、RAN120は、ターゲットUEをCELL_DCH状態に移行するために、430Cで、FACHを介してターゲットUEにセル更新確認メッセージを送信する。
【0055】
430Cのセル更新確認メッセージを受信すると、ターゲットUEは、435CでCELL_FACH状態からCELL_DCH状態に移行する。435CでCELL_DCH状態に移行すると、ターゲットUEは、440Cで、逆方向リンクDCHまたはE-DCH上で、セル更新確認応答メッセージ(たとえば、無線ベアラ再構成完了メッセージ、トランスポートチャネル再構成完了メッセージ、および物理チャネル再構成完了メッセージ)を送信し、その後、RAN120は、445Cで、(たとえば、セル更新確認メッセージでどちらが割り振られようと)DCHまたはHS-DSCHを介して、呼告知メッセージをターゲットUEに送信する。
【0056】
図4Cは、アプリケーションサーバ170がどのようにターゲットUEとの通信セッションをセットアップできるかを対象とするが、図4Dは、アプリケーションサーバ170がどのようにターゲットUEに警告メッセージを送ることができるかの一例を示す。上述したように、警告メッセージは、必ずしも通信セッションの前兆ではなく、むしろ、単に、少なくとも1つのターゲットUEの状況をチェックし、少なくとも1つのターゲットUEに応答を必要としないメッセージを送る(たとえば、通知または警告)ように構成され得るだけである。
【0057】
図4Dを参照すると、アプリケーションサーバ170が所与のUE(「ターゲットUE」)に警告メッセージを送るよう要求され、400Dで、ターゲットUEがURA_PCH状態またはCELL_PCH状態で動作していると仮定する。したがって、アプリケーションサーバ170は、405Dで、ターゲットUEに送信するための警告メッセージをRAN120に送り、410Dで、RAN120は、ターゲットUEをページングする。次に、415Dで、ターゲットUEはCELL_FACH状態に移行し、420Dで、ターゲットUEは、RACHを介してRAN120にセル更新メッセージを送る。
【0058】
また、RAN120は、警告メッセージを評価し、425Dで、パケット(すなわち、警告メッセージ)が高QoS(すなわち、低遅延および低ジッタ)を必要とするRBに関連付けられていることを決定する。RAN120の決定(たとえば、具体的には、RAN120のサービングRNC)は、セル更新確認メッセージに示される無線ベアラ、トランスポートチャネル、または物理チャネルを再構成することによって、CELL_DCH状態へのターゲットUEの移行をトリガする。したがって、430Dで、CELL_FACHからCELL_DCH状態へのターゲットUEの移行を促進するために、RAN120は、FACHを介してターゲットUEにセル更新確認メッセージ(たとえば、RB再構成メッセージ)を送信する。
【0059】
430Dのセル更新確認メッセージを受信すると、ターゲットUEは、(435Cの場合のように)435DでCELL_FACH状態からCELL_DCH状態に移行する。435DでCELL_DCH状態に移行すると、ターゲットUE送信は、440Dで、逆方向リンクDCHまたはE-DCH上で、セル更新確認応答メッセージ(たとえば、無線ベアラ再構成完了メッセージ、トランスポートチャネル再構成完了メッセージ、および物理チャネル再構成完了メッセージ)を送信し、その後、RAN120は、445Dで、(たとえば、セル更新確認メッセージでどちらが割り振られようと)DCHまたはHS-DSCHを介して、呼警告メッセージをターゲットUEに送信する。
【0060】
図4Cおよび図4Dは、ターゲットUEが最初にURA_PCHまたはCELL_PCH状態である例を対象とするが、RAN120がターゲットUEにデータ(たとえば、図4Cの呼告知メッセージ、または図4Dの警告メッセージ)を送信する旨のアプリケーションサーバ170の要求を受信するとき、ターゲットUEは、CELL_FACH状態であってもよいことを理解されよう。ターゲットUEがすでにCELL_FACH状態である場合、ページおよびセル更新メッセージは必要でなく(たとえば、図4Cの410Cから420Cまで、または図4Dの410Dから420Dまでは省略することができる)、RAN120は、図4Cの430C、または図4Dの430Dの場合のように、チャネル再構成メッセージ(たとえば、無線ベアラ再構成、トランスポートチャネル再構成、または物理チャネル再構成メッセージ)を送ることによって、簡単にUEをCELL_DCHに移行させることができる。
【0061】
当業者なら理解するように、所与のUEとアプリケーションサーバ170との間の任意のトラフィックに応答したCELL_DCH状態への所与のUEのプリエンプティブな移行は、いくつかのシナリオにおいて有益であり得るにもかかわらず、警告メッセージの場合、オーバーヘッドによってシステムの性能の低下および/またはシステムリソースの不必要な浪費が生じる可能性がある。したがって、本発明の実施形態は、通信セッションに関連付けられたトラフィックがCELL_DCH状態への所与のUEの移行を促すことを依然として確実にしながら、アプリケーションサーバ170と通信している所与のUEをCELL_DCH状態に選択的に移行することを対象とする。
【0062】
図5Aは、本発明の一実施形態によるデータを送信するプロセスを示す。図5Aのプロセスは、UE(たとえば、発信側UEまたはターゲットUE)またはアプリケーションサーバ170で行われ、したがって、図5Aは、以下、これらのネットワーク要素のうちの任意の1つに対応するものと広くみなすことができる「ネットワーク通信エンティティ」で実行されるものとして説明する。
【0063】
図5Aを参照すると、ネットワーク通信エンティティは、500Aで、データを別のネットワーク通信エンティティに送信すべきかどうかを決定する。たとえば、500Aの決定は、発信側UEが、少なくとも1つのターゲットUEとの通信セッションを開始するために、呼要求メッセージをアプリケーションサーバ170に送るべきかどうかを決定することに対応し得る。別の例では、500Aの決定は、アプリケーションサーバ170が、少なくとも1つのターゲットUEに、通信セッションを告知する呼告知メッセージなどのデータを送るべきかどうかを決定することに対応し得る。さらに別の例では、500Aの決定は、告知メッセージの受信の後、ターゲットUEがアプリケーションサーバ170にデータ(たとえば、告知ACK)を戻すことに対応し得る。当然、他の実施形態では、500Aの決定は、送信するための他のタイプのデータに対応し得る。
【0064】
ネットワーク通信エンティティが500Aでデータを送らないことを決定する場合、データは送信されない。あるいは、ネットワーク通信エンティティが500Aでデータを送ることを決定する場合、505Aでデータが送信される。次に、ネットワーク通信エンティティは、510Aで、UEをCELL_DCH状態に移行することによって、データ送信に関連付けられた所与のUEのためにDCHをセットアップするかどうかを決定する。たとえば、図5Aのプロセスを実行するネットワーク通信エンティティが発信側UEまたはターゲットUEである場合、所与のUEは、図5Aのプロセスを実行するUEに対応し、したがって、510Aは、ネットワーク通信エンティティ自体がCELL_DCH状態に移行すべきかどうかの決定に対応する。別の例では、図5Aのプロセスを実行するネットワーク通信エンティティがアプリケーションサーバ170である場合、所与のUEは、505Aのデータ送信が向けられるターゲットUEに対応し、したがって、510Aは、ターゲットUEをCELL_DCH状態に移行するかどうかの決定に対応する。
【0065】
ネットワーク通信エンティティが510Aで所与のUEをCELL_DCH状態に移行しないことを決定する場合、図5Aのプロセスは500Aに戻り、ネットワーク通信エンティティからその後のデータ送信を待つ。あるいは、ネットワーク通信エンティティが510Aで所与のUEをCELL_DCH状態に移行することを決定する場合、ネットワーク通信エンティティは、515Aで、所与のUEをCELL_DCH状態に移行するようRAN120を促すことが予想される所与のサイズの閾値以上のサイズ(たとえば、データペイロード)を有するダミーパケットを送信することを決定する。ネットワーク通信エンティティがUEである場合、515Aの決定によって、UEは、ダミーパケットのトラフィック量を示す測定報告を送り、UEをCELL_DCH状態に移行するようRAN120を促す。ネットワーク通信エンティティがアプリケーションサーバである場合、UEにダミーパケットを送ることによって、RAN120は、CELL_DCHへのRRC状態移行閾値よりも大きいサイズのパケットを検出し、これによって、次いでRAN120は、UEをCELL_DCH状態に移行させる。
【0066】
たとえば、所与のサイズの閾値は、CELL_DCH状態の移行を決定するためにRAN120によって使用されるEvent 4a Traffic Volume Measurement(TVM)の閾値に対応し得る。言い換えれば、RAN120は、トラフィック量がEvent 4aの閾値よりも大きいことを述べる測定報告メッセージを受信すると、データパケットを送信している、または受信しているUEをCELL_DCH状態に移行させる。したがって、図5Aの実施形態では、ネットワーク通信エンティティは、ダミーパケットを使用して、CELL_DCHの移行を選択的にトリガすることができる。代わりに、515Aのダミーパケットは、データ送信のターゲットUEをCELL_DCH状態に移行するようRAN120をトリガするために、アプリケーションサーバ170によって送信することができる。以下でより詳細に説明するさらなる一例では、515Aで「偽の」測定報告を送ることができ、したがって、ダミーパケットが実際に送信されることなく、Event 4a TVM閾値を上回るトラフィック量を示す測定報告がRAN120に送られる。
【0067】
図5Bは、本発明の一実施形態による図5Aのプロセス中にRAN120で行われるプロセスを示す。図5Bを参照すると、RAN120は、500Bで、所与のUEに関連したトラフィック(たとえば、1つまたは複数のデータパケット)または測定報告メッセージを受信する。RAN120で500Bにおいて受信されるトラフィックまたはトラフィック量の報告は、図5Aの515Aでのダミーパケット送信、図5Aの515Aでのダミーパケットによってトリガされる測定報告、および/または図5Aの515Aでの高トラフィック量を送信する実際の意図なしに、高トラフィック量を示す「偽の」測定報告の受信に対応し得る。RAN120は、505Bで受信される、トラフィック量報告に示されるトラフィックのサイズまたはトラフィック量を、500Bで、所与のサイズの閾値と比較する。サイズが所与のサイズの閾値を上回ることを比較が示す場合、RAN120は、510Bで、トラフィックが向けられる、またはそこから送られる所与のUEをCELL_DCH状態に移行させる。しかし、サイズが所与のサイズの閾値を上回らないことを比較が示す場合、515Bで、RAN120は、所与のUEのCELL_DCHの移行を行わない。理解されるように、515Aのダミーパケット送信(または測定報告)は、505BでのRAN120の比較が510BでCELL_DCH移行をトリガすることを確実にする。
【0068】
図5Cから図5Fまでは、図5Aおよび図5Bのプロセスのより詳細な実装例を示す。特に、図5Cおよび図5Dは、図5Aのプロセスを実行するネットワーク通信エンティティが発信側UEに対応する例をカバーし、図5Eおよび図5Fは、図5Aのプロセスを実行するネットワーク通信エンティティがアプリケーションサーバ170に対応する例をカバーする。
【0069】
図5Cを参照すると、500Cで、所与のUE(「発信側UE」)がCELL_FACH状態で動作していると仮定する。CELL_FACH状態である間、所与のUEは、505Cで、(たとえば、所与のUEのユーザがPTTボタンを押すことに応答して)アプリケーションサーバ170によって調停すべき通信セッションを開始することを決定し、それによって、所与のUEは、510Cで、RAN120にRACH上で呼要求メッセージを送信する。RAN120は、所与のUEからRACH上で呼要求メッセージを受信し、515Cで、アプリケーションサーバ170に呼要求メッセージを転送する。
【0070】
図5Cの実施形態において、505Cでの通信セッションを開始する旨の所与のUEによる決定は、図5Aの500Aの場合のように、データを送信すること、および図5Aの510Aの場合のように、それ自体をCELL_DCH状態に移行する旨の所与のUEによる決定に対応する。したがって、所与のUEは、所与のサイズの閾値よりも大きいサイズを有するダミーパケットを送信することをさらに決定し、これによって、520Cで、Event 4aを報告する測定報告メッセージを生成するようUEをトリガする。RAN120は、(たとえば、図5Bの500Bの場合のように)測定報告メッセージを受信し、(たとえば、図5Bの505Bの場合のように)525Cで、アップリンクトラフィック、または、この場合、送信のための所与のUEのトラフィック量が所与のサイズの閾値を上回ることを示す測定報告メッセージに基づいて、所与のUEをCELL_DCH状態に移行することを決定する。したがって、RAN120は、(たとえば、図5Bの510Bの場合のように)530Cで、CELL_FACHからCELL_DCH状態への所与のUEの移行を促進するために、FACH上でチャネル再構成メッセージ(たとえば、RB再構成メッセージ)を送信する。530Cのセル更新確認メッセージを受信すると、所与のUEは、535CでCELL_FACH状態からCELL_DCH状態に移行する。図5Cには図示されていないが、535Cの移行は、チャネル再構成メッセージを復号すること、L1同期手順などを含むことができる。UE送信は、540Cで、チャネル再構成完了メッセージ(たとえば、RB再構成完了メッセージなど)を送り、545Cでダミーパケットを送る。
【0071】
代わりに、発信側UEは、ダミーパケットを実際に送ることなく、「偽の」測定報告メッセージを生成することができる。この代替的実施形態において、500Cから540Cまでは、図5Cに示すように実行されるが、そのとき、545Cのダミーパケット送信は省略される。したがって、ダミーパケットは主に測定報告メッセージの生成に有用なので、ダミーパケットを送信するための無線リソースの消費を回避することによって、図5Cのプロセスの効率を高めることができる。この場合、偽の測定報告が生成されるとき、トラフィック量の量は、Event 4aの閾値よりも大きくない。しかし、UEは、CELL_DCH状態へのそれ自体の移行を要求するように機能するトラフィック量の誤った指示を含むための偽の測定報告メッセージを生成する。
【0072】
さらに、図5Cには明示的に図示されていないが、アプリケーションサーバ170は、発信側UEにダミーパケットを送り返すことによって、CELL_DCH状態への発信側UEの移行をトリガすることもできる。たとえば、呼要求メッセージを受信すると、アプリケーションサーバ170は、要求されたセッションを受け付け、発信側UEをCELL_DCH状態に移行するようRAN120をトリガするために、ダミーパケットを発信側UEに送り返すことを決定することができる。
【0073】
図5Dを参照すると、500Dで、所与のUE(「発信側UE」)がCELL_FACH状態で動作していると仮定する。CELL_FACH状態である間、所与のUEは、505Dで、警告メッセージが少なくとも1つのターゲットUEに送られることを要求することを決定し、それによって、所与のUEは、510Dで、RAN120にRACH上で警告メッセージ(または警告メッセージ要求メッセージ)を送信する。RAN120は、所与のUEからRACH上で警告メッセージを受信し、515Dで、アプリケーションサーバ170に警告メッセージを転送する。
【0074】
図5Dの実施形態において、505Dでの警告メッセージを送る旨の所与のUEによる決定は、図5Aの510Aの場合のように、それ自体をCELL_DCH状態に移行することなしに、図5Aの500Aの場合のように、データを送信する旨の所与のUEによる決定に対応する。したがって、ダミーパケットもEvent 4a状態を示す測定報告メッセージも所与のUEによって送信されず、それによってRAN120は、(たとえば、図5Bの505Bの場合のように)520Dで、それ自体による警告メッセージは、所与のサイズの閾値を上回らず、Event 4aを報告する測定報告メッセージは送られないので、アップリンクトラフィックに基づいて、所与のUEをCELL_DCH状態に移行しないことを決定する。したがって、所与のUEは、525Dで、CELL_FACH状態からCELL_DCH状態に移行されない。
【0075】
図5Eを参照すると、アプリケーションサーバ170が所与のUE(「ターゲットUE」)への通信セッションを開始するよう要求されており、500Eで、所与のUEがURA_PCH状態またはCELL_PCH状態で動作していると仮定する。したがって、アプリケーションサーバ170は、呼告知メッセージを所与のUEに送り、505Eで、所与のUEをCELL_DCH状態に移行することを決定する。理解されるように、図5Aの500Aの場合のように、データを送信し、さらに、図5Aの510Aの場合のように、所与のUE(この場合、ターゲットUE)をCELL_DCH状態に移行することを決定することに対応する。
【0076】
したがって、510Eで、アプリケーションサーバ170は、ターゲットUEに送信するための呼告知メッセージをRAN120に送り、515Eで、RAN120は、ターゲットUEをページングする。アプリケーションサーバ170は、520Eで、(たとえば、図5Aの515Aの場合のように)所与のサイズの閾値よりも大きいサイズを有するダミーパケットをさらに送信する。515Eからのページメッセージを受信し、復号すると、525Eで、ターゲットUEはCELL_FACH状態に移行し、530Eで、RACH上でセル更新メッセージをRAN120に送信する。
【0077】
535Eで、RAN120は、(たとえば、図5Bの500Bの場合のように)ダミーパケットを受信した後、この場合、所与のサイズの閾値を上回る、ダウンリンクトラフィックまたはダミーパケットに基づいて、所与のUEをCELL_DCH状態に移行することを決定する。この場合、535Eの決定は、ダミーパケットの受信に応答して送られるUEからの測定報告、またはダミーパケットを送信することの決定ではなく、ダミーパケットのサイズのRAN120による分析に応答する。したがって、RAN120は、(たとえば、図5Bの510Bの場合のように)540Eで、CELL_FACHからCELL_DCH状態への所与のUEの移行を促進するために、FACH上でセル更新確認メッセージ(たとえば、RB再構成メッセージ)を送信する。540Eのセル更新確認メッセージを受信すると、545Eで、所与のUEはCELL_FACH状態からCELL_DCH状態に移行し、その後、ターゲットUEは、550Eで、DCHまたはE-DCH上でセル更新確認応答メッセージをRAN120に送り、RAN120は、555Eおよび560Eで、ダウンリンクDCHまたはHS-DSCH上で呼告知メッセージおよびダミーパケットをターゲットUEに送る。
【0078】
図5Fを参照すると、アプリケーションサーバ170が所与のUE(「ターゲットUE」)に警告メッセージを送るよう要求されており、500Fで、所与のUEがURA_PCH状態またはCELL_PCH状態で動作していると仮定する。したがって、アプリケーションサーバ170は、505Fで、所与のUEに警告メッセージを送ることを決定する。理解されるように、アプリケーションサーバ170が所与のUEに送るための警告メッセージのみを有する場合、DCHは望ましくないので、505Fの決定は、図5Aの510Aの場合のように、所与のUE(すなわち、この場合ターゲットUE)をCELL_DCH状態に移行することなく、図5Aの500Aの場合のように、データを送信することの決定に対応する。
【0079】
したがって、アプリケーションサーバ170は、510Fで、ターゲットUEに送信するための警告メッセージをRAN120に送り、515Fで、RAN120は、ターゲットUEをページングする。515Fからのページメッセージを受信し、復号すると、520Fで、ターゲットUEはCELL_FACH状態に移行し、525Fで、RACH上でセル更新メッセージをRAN120に送信する。
【0080】
理解されるように、ダミーパケットは、アプリケーションサーバ170によって送信されず、RAN120は、(たとえば、図5Bの505Bの場合のように)530Fで、警告メッセージはそれ自体で所与のサイズの閾値を上回らないので、ダウンリンクトラフィックに基づいて、所与のUEをCELL_DCH状態に移行しないことを決定する。したがって、所与のUEは、CELL_FACH状態からCELL_DCH状態に移行されない。したがって、RAN120は、535Fで、CELL_DCH状態へのターゲットUEの移行をトリガするように構成されていないセル更新確認メッセージをFACH上で送信し(すなわち、RRC状態:CELL_FACH)、ターゲットUEは、540FでCELL_FACH状態のままである。ターゲットUEは、545Fで、RACH上でセル更新確認応答メッセージを送信し、次いで550Fで、警告メッセージがFACH上でターゲットUEに送られる。
【0081】
図5Eおよび図5Fは、ターゲットUEが最初にURA_PCHまたはCELL_PCH状態である例を対象とするが、RAN120がターゲットUEにデータ(たとえば、図5Eの呼告知メッセージ、または図5Fの警告メッセージ)を送信する旨のアプリケーションサーバ170の要求を受信するとき、ターゲットUEは、CELL_FACH状態であってもよいことを理解されよう。ターゲットUEがすでにCELL_FACH状態である場合、図5Eのブロック515Eおよび525Eから530Eまで、および/または図5Fのブロック515Fから525Fまでを省略することができることを理解されよう。
【0082】
さらに、図5Cから図5Fまでには明示的に図示されていないが、ターゲットUEは、それ自体のダミーパケットを送信することによってCELL_DCH状態へのそれ自体の移行をトリガすることもできる。たとえば、呼告知メッセージを受信すると、ターゲットUEは、告知されたセッションを受け付け、告知ACKを送ることを決定することができる。告知ACKは、一般的に、所与のサイズの閾値を下回り、したがって、ターゲットUEは、CELL_DCH状態へのその移行を促進するために、ダミーパケットをさらに送ることができる(たとえば、Event 4a閾値を上回るサイズを有するダミーパケットが測定報告のUEの送信をトリガし、結果的にRAN120がUEをCELL_DCH状態に移行させるので)。
【0083】
さらに、図5Cから図5Fまでには明示的に図示されていないが、ターゲットUEは、「偽の」測定メッセージを送信することによって、CELL_DCH状態へのそれ自体の移行をトリガすることもできる。たとえば、呼告知メッセージを受信すると、ターゲットUEは、告知されたセッションを受け付け、告知ACKを送ることを決定することができる。告知ACKは、一般的に、所与のサイズの閾値を下回り、したがって、ターゲットUEは、偽の測定報告メッセージをさらに生成し、CELL_DCH状態へのその移行を促進するために、それをRANに送ることができる。したがって、ダミーパケットが実際に送られないときでも、UEは、CELL_DCH状態へのそれ自体の移行を促すために送るべきダミーパケットサイズのデータ量を有することを示す測定報告を送ることができる。
【0084】
図6Aは、本発明の一実施形態によるデータを送信するプロセスを示す。図6Aのプロセスは、UE(たとえば、発信側UEまたはターゲットUE)またはアプリケーションサーバ170で行われ、したがって、図6Aは、以下、これらのネットワーク要素のうちの任意の1つに対応するものと広くみなすことができる「ネットワーク通信エンティティ」で実行されるものとして説明する。
【0085】
図6Aを参照すると、ネットワーク通信エンティティは、600Aで、データを別のネットワーク通信エンティティに送信すべきかどうかを決定する。たとえば、600Aの決定は、発信側UEが、少なくとも1つのターゲットUEとの通信セッションを開始するために、呼要求メッセージをアプリケーションサーバ170に送るべきかどうかを決定することに対応し得る。別の例では、600Aの決定は、アプリケーションサーバ170が、少なくとも1つのターゲットUEに、通信セッションを告知する呼告知メッセージなどのデータを送るべきかどうかを決定することに対応し得る。さらに別の例では、600Aの決定は、告知メッセージの受信の後、ターゲットUEがアプリケーションサーバ170にデータ(たとえば、告知ACK)を戻すことに対応し得る。当然、他の実施形態では、600Aの決定は、送信するための他のタイプのデータに対応し得る。
【0086】
ネットワーク通信エンティティが600Aでデータを送らないことを決定する場合、データは送信されない。代わりに、ネットワーク通信エンティティは、600Aで、データを送ることを決定する場合、ネットワーク通信エンティティは、605Aで、UEをCELL_DCH状態に移行させることによって、データ送信に関連付けられた所与のUEのためにDCHをセットアップするかどうかを決定する。たとえば、図6Aのプロセスを実行するネットワーク通信エンティティが発信側UEまたはターゲットUEである場合、所与のUEは、図6Aのプロセスを実行するUEに対応し、したがって、605Aは、ネットワーク通信エンティティ自体がCELL_DCH状態に移行すべきかどうかの決定に対応する。別の例では、図6Aのプロセスを実行するネットワーク通信エンティティがアプリケーションサーバ170である場合、所与のUEは、データ送信が向けられるターゲットUEに対応し、したがって、605Aは、ターゲットUEをCELL_DCH状態に移行するかどうかの決定に対応する。
【0087】
ネットワーク通信エンティティが605Aで所与のUEをCELL_DCH状態に移行しないことを決定する場合、図6Aのプロセスは615Aに進み、データがネットワーク通信エンティティから送信される。代わりに、ネットワーク通信エンティティが605Aで所与のUEをCELL_DCH状態に移行することを決定する場合、ネットワーク通信エンティティは、610Aで、データ送信のヘッダ部分をCELL_DCH状態への所与のUEの移行を要求するように構成する。ヘッダ部分は、RANが読み込むように構成された任意の層のものとすることができる。一例では、610Aの構成は、IPパケットのヘッダ部分内のディフサーブコードポイント(DSCP)値を、所与のUEをCELL_DCHに移行させるようRAN120に要求するように機能する所定のビット設定値に設定することに対応し得る。言い換えれば、RAN120は、所定のビット設定値に設定されたDSCP値のデータパケットを受信すると、データパケットを送信しているまたは受信しているUEをCELL_DCH状態に移行させる。したがって、図6Aの実施形態では、ネットワーク通信エンティティは、パケットヘッダ内のDSCPフィールドを使用して、CELL_DCHの移行を選択的にトリガすることができる。したがって、610Aの構成の後、ネットワーク通信エンティティは、615Aで構成されたデータを送信する。
【0088】
図6Bは、本発明の一実施形態による図6Aのプロセス中にRAN120で行われるプロセスを示す。図6Bを参照すると、RAN120は、600Bで、所与のUEに関連したトラフィック(たとえば、1つまたは複数のデータパケット)を受信する。たとえば、RAN120で600Bで受信されるトラフィックは、図6Aの615Aのデータ送信の受信に対応し得る。RAN120は、605Bで所与のUEをCELL_DCH状態に移行するかどうかを決定するために、600Bから受信されたトラフィックの中の1つまたは複数のデータパケットのヘッダを評価する。605Bからの評価に基づいて、RAN120は、610Bで、所与のUEをCELL_DCH状態に移行すべきかどうかを決定する。所与のUEをCELL_DCH状態に移行すべきことを評価が示す場合、RAN120は、615Bで、トラフィックが向けられる、またはそこから送られる所与のUEをCELL_DCH状態に移行させる。しかし、所与のUEをCELL_DCH状態に移行すべきことを評価が示さない場合、620Bで、RAN120は、所与のUEのCELL_DCHの移行を行わない。理解されるように、図6Aからの610Aのヘッダ部分の構成(たとえば、所与のDCHトリガ設定値に設定されるDSCPフィールドまたは値)は、605B/610BのRAN120の評価が図6Bの615BでCELL_DCHの移行をトリガすることを確実にする。
【0089】
図6Cから図6Fまでは、図6Aおよび図6Bのプロセスのより詳細な実装例を示す。特に、図6Cおよび図6Dは、図6Aのプロセスを実行するネットワーク通信エンティティが発信側UEに対応する例をカバーし、図6Eおよび図6Fは、図6Aのプロセスを実行するネットワーク通信エンティティがアプリケーションサーバ170に対応する例をカバーする。
【0090】
図6Cを参照すると、600Cで、所与のUE(「発信側UE」)がCELL_FACH状態で動作していると仮定する。CELL_FACH状態である間、所与のUEは、605Cで、(たとえば、所与のUEのユーザがPTTボタンを押すことに応答して)アプリケーションサーバ170によって調停すべき通信セッションを開始することを決定する。図6Cの実施形態において、605Cでの通信セッションを開始する旨の所与のUEによる決定は、図6Aの600Aの場合のように、データを送信すること、および図6Aの605Aの場合のように、それ自体をCELL_DCH状態に移行する旨の所与のUEによる決定に対応する。それによって、所与のUEは、610Cで、所与のUEをCELL_DCH状態に移行するようRAN120を促すように、呼要求メッセージのヘッダ層部分(たとえば、DSCPフィールドまたは値)を構成する。したがって、所与のUEは、615Cで、RACH上でRAN120に構成された呼要求メッセージを送信する。RAN120は、RACH上で所与のUEから構成された呼要求メッセージを受信し、620Cで、(たとえば、同じ「構成された」ヘッダ部分または異なるように構成されたヘッダ部分を含む)呼要求メッセージをアプリケーションサーバ170に転送する。
【0091】
また、RAN120は、(たとえば、図6Bの605Bの場合のように)構成された呼要求メッセージのヘッダ部分(たとえば、DSCPフィールド)を評価し、(たとえば、図6Bの610Bの場合のように)625Cで移行をトリガするように構成されたヘッダ部分を有するデータパケットまたはアップリンクトラフィックに基づいて、所与のUEをCELL_DCH状態に移行することを決定する。したがって、RAN120は、(たとえば、図6Bの615Bの場合のように)630Cで、CELL_FACHからCELL_DCH状態への所与のUEの移行を促進するために、FACH上でチャネル再構成メッセージ(たとえば、RB再構成メッセージ)を送信する。630Cのセル更新確認メッセージを受信すると、所与のUEは、635CでCELL_FACH状態からCELL_DCH状態に移行する。図6Cには図示されていないが、635Cの移行は、セル更新確認メッセージを復号すること、L1同期手順などを含むことができる。635CでCELL_DCH状態に移行すると、所与のUEは、640Cで、逆方向リンクDCHまたはE-DCH上でセル更新確認応答メッセージ(たとえば、RB再構成完了メッセージなど)をRAN120に送る。
【0092】
図6Dを参照すると、600Dで、所与のUE(「発信側UE」)がCELL_FACH状態で動作していると仮定する。CELL_FACH状態である間、所与のUEは、605Dで、警告メッセージが少なくとも1つのターゲットUEに送られることを要求することを決定する。図6Dの実施形態において、605Dでの警告メッセージを送る旨の所与のUEによる決定は、図6Aの605Aの場合のように、それ自体をCELL_DCH状態に移行することなしに、図6Aの600Aの場合のように、データを送信する旨の所与のUEによる決定に対応する。
【0093】
それによって、所与のUEは、610Dで、所与のUEをCELL_DCH状態に移行するようRAN120を促すように、警告メッセージのヘッダ層部分(たとえば、DSCPフィールドまたは値)を構成しない。したがって、所与のUEは、615Dで、RACH上でRAN120に未構成の警告メッセージを送信する。RAN120は、RACH上で所与のUEから未構成の警告メッセージを受信し、620Dで、アプリケーションサーバ170に警告メッセージを転送する。
【0094】
また、RAN120は、(たとえば、図6Bの605Bの場合のように)警告メッセージのヘッダ部分(たとえば、DSCPフィールド)を評価し、(たとえば、図6Bの610Bの場合のように)625Dで移行をトリガするように構成されていないヘッダ部分を有するデータパケットまたはアップリンクトラフィックに基づいて、所与のUEをCELL_DCH状態に移行しないことを決定する。したがって、所与のUEは、630Dで、CELL_FACH状態からCELL_DCH状態に移行されない。
【0095】
図6Eを参照すると、アプリケーションサーバ170が所与のUE(「ターゲットUE」)への通信セッションを開始するよう要求されており、600Eで、所与のUEがURA_PCH状態またはCELL_PCH状態で動作していると仮定する。したがって、アプリケーションサーバ170は、呼告知メッセージを所与のUEに送り、605Eで、所与のUEをCELL_DCH状態に移行することを決定する。理解されるように、605Eの決定は、図6Aの600Aの場合のように、データを送信し、さらに、図6Aの605Aの場合のように、所与のUE(すなわち、この場合、ターゲットUE)をCELL_DCH状態に移行することを決定することに対応する。
【0096】
それによって、アプリケーションサーバ170は、610Eで、所与のUEをCELL_DCH状態に移行するようRAN120を促すように、呼告知のヘッダ部分(たとえば、DSCPフィールドまたは値)を構成する。したがって、615Eで、アプリケーションサーバ170が構成された呼告知メッセージをRAN120に送信し、620Eで、RAN120は、ターゲットUEをページングする。ターゲットUEは、ページメッセージを受信し、復号し、625Eで、CELL_FACH状態に移行し、630Eで、RACH上でセル更新メッセージをRAN120に送信する。
【0097】
また、RAN120は、(たとえば、図6Bの605Bの場合のように)構成された呼告知メッセージのヘッダ部分(たとえば、DSCPフィールド)を評価し、(たとえば、図6Bの610Bの場合のように)635Eで移行をトリガするように構成されたヘッダ部分を有するデータパケットまたはダウンリンクトラフィックに基づいて、所与のUEをCELL_DCH状態に移行することを決定する。したがって、RAN120は、(たとえば、図6Bの615Bの場合のように)640Eで、CELL_FACHからCELL_DCH状態への所与のUEの移行を促進するために、FACH上でセル更新確認メッセージ(たとえば、RB再構成メッセージ)を送信する。640Eでセル更新確認メッセージを受信すると、所与のUEは、645EでCELL_FACH状態からCELL_DCH状態に移行する。図6Eには図示されていないが、645Eの移行は、セル更新確認メッセージを復号すること、L1同期手順などを含むことができる。645EでCELL_DCH状態に移行すると、ターゲットUEは、650Eで、DCHまたはE-DCH上でセル更新確認メッセージ(たとえば、RB再構成完了メッセージ)を送り、その後、RAN120は、655Eで、ダウンリンクDCHまたはHS-DSCH上で呼告知メッセージをターゲットUEに送信する。
【0098】
図6Fを参照すると、アプリケーションサーバ170が所与のUE(「ターゲットUE」)に警告メッセージを送るよう要求されており、600Fで、所与のUEがURA_PCH状態またはCELL_PCH状態で動作していると仮定する。図6Fの実施形態において、605Fでの警告メッセージを送る旨のアプリケーションサーバ170による決定は、図6Aの605Aの場合のように、ターゲットUEをCELL_DCH状態に移行することなしに、図6Aの600Aの場合のように、データを送信する旨のアプリケーションサーバ170による決定に対応する。
【0099】
それによって、アプリケーションサーバ170は、610Fで、所与のUEをCELL_DCH状態に移行するようRAN120を促すように、警告メッセージのヘッダ層部分(たとえば、DSCPフィールドまたは値)を構成しない。したがって、615Fで、アプリケーションサーバ170が未構成の警告メッセージをRAN120に送り、620Fで、RAN120は、ターゲットUEをページングする。ターゲットUEは、620Fからのページメッセージを復号し、625Fで、CELL_FACH状態に移行し、630Fで、RACH上でセル更新メッセージをRAN120に送る。
【0100】
また、RAN120は、(たとえば、図6Bの605Bの場合のように)警告メッセージのヘッダ部分(たとえば、DSCPフィールド)を評価し、(たとえば、図6Bの610Bの場合のように)635Fで移行をトリガするように構成されていないヘッダ部分を有するデータパケットまたはダウンリンクトラフィックに基づいて、所与のUEをCELL_DCH状態に移行しないことを決定する。したがって、所与のUEは、(たとえば、図6Bの620Bの場合のように)CELL_FACH状態からCELL_DCH状態に移行されない。代わりに、RAN120は、640Fで、CELL_DCH状態へのターゲットUEの移行をトリガすることなく、FACH上でセル更新確認メッセージをターゲットUEに送信し(すなわち、RRC状態:CELL_FACH)、ターゲットUEは、645FでCELL_FACH状態のままである。ターゲットUEは、650Fで、RACH上でセル更新応答確認メッセージをRAN120に送り返し、655Fで、RAN120は、警告メッセージをFACH上でターゲットUEに送信する。
【0101】
図6Eおよび図6Fは、ターゲットUEが最初にURA_PCHまたはCELL_PCH状態である例を対象とするが、RAN120がターゲットUEにデータ(たとえば、図6Eの呼告知メッセージ、または図6Fの警告メッセージ)を送信する旨のアプリケーションサーバ170の要求を受信するとき、ターゲットUEは、CELL_FACH状態であってもよいことを理解されよう。ターゲットUEがすでにCELL_FACH状態である場合、図6Eのブロック615Eから630Eまで、および/または図6Fのブロック620Fから630Fまでを省略することができることを理解されよう。
【0102】
図5Aから図6Fまでに関して上述した本発明の実施形態は、アプリケーションサーバ170、RAN120、および/または発信側またはターゲットUEでの挙動の変化に関係する。図7Aから図7Dまでは、挙動の変化がもっぱらRAN120で行われる別の本発明の実施形態を対象とし、したがって、RAN120は、所与のUEとアプリケーションサーバ170との間で交換される通常トラフィックの評価に基づいて、所与のUEをCELL_DCH状態に移行させるかどうかに関して決定を行う。
【0103】
図7Aは、本発明の一実施形態によるRAN120で行われるプロセスを示す。図7Aを参照すると、RAN120は、700Aで、アプリケーションサーバ170によって所与のUEに提供されるサービスに関連するメッセージ(たとえば、データパケット)を受信する。一例では、700Aで受信されるメッセージまたはデータパケットは、発信側UEによって送られる呼要求メッセージ、アプリケーションサーバ170によって送られる、ターゲットUE向けの呼告知メッセージ、告知メッセージに応答してターゲットUEによって送られる告知ACK(受諾)メッセージ、および/またはUEとアプリケーションサーバ170との間で交換される任意の他のメッセージに対応し得る。
【0104】
RAN120でメッセージを受信すると、RAN120は、705Aで、受信されたメッセージのサイズを決定し、受信されたメッセージの決定されたサイズをRAN120に格納する。たとえば、705Aでの受信されたメッセージの決定されたサイズは、700Aで受信されたメッセージのデータペイロード部分にどれくらいのビットまたはバイトが含まれるかに対応し得る。710Aで、RAN120は、700Aで受信されたメッセージに関連付けられた所与のUEについての所与の満了期間を有するタイマーを開始する。一例では、700Aで受信されたメッセージが所与のUEの通信セッションに関連付けられていれば、所与の満了期間を、異なるサイズの少なくとも1つの追加のメッセージが予想される期間に設定することができる(たとえば、500ミリ秒(ms)、5秒など)。
【0105】
RAN120は、次に、715Aで、710Aで開始したタイマーが満了する前に、(アプリケーションサーバ170によって所与のUEに提供されるサービスについて)高QoSのRBに関連する任意のその後のメッセージが受信されるかどうかを決定する。任意の他の関連するメッセージが受信される前にタイマーが満了したことをRAN120が決定した場合、RAN120は、720Aで、所与のUEをCELL_DCH状態に移行しない。そうではなく、710Aで開始したタイマーが完了する前に、高QoSのRBに関連する1つまたは複数のその後のメッセージが受信されるとRAN120が決定した場合、RAN120は、725Aで、次のメッセージのサイズを決定し、次のメッセージの決定されたサイズをRAN120に格納する。
【0106】
730Aで、RAN120は、700Aで受信されたメッセージの決定されたサイズを次のメッセージの決定されたサイズと比較する。700Aのメッセージと次のメッセージのサイズが同じであるとRAN120が決定した場合、RAN120は、所与のUEをCELL_DCH状態に移行せず、735Aで、タイマーのリセットも行い、その後、プロセスは715Aに戻り、RAN120は、タイマーの満了の前に別の次の関連するメッセージを受信するために待つ。たとえば、同じサイズのメッセージが受信されるときに、UEをCELL_DCH状態に移行することを控えることによって、警告メッセージの再送信のためのCELL_DCH状態への移行の発生を低減することができる。
【0107】
そうではなく、700Aのメッセージと次のメッセージのサイズが同じではないことをRAN120が決定した場合、RAN120は、所与のUEがアプリケーションサーバ170とのいくつかのタイプの通信セッションに参加していると推論し、それによって、740Aで、(たとえば、一例では、RB再構成メッセージなど、セル更新確認メッセージを送ることによって)CELL_DCH状態への所与のUEの移行を開始する。
【0108】
図7Bから図7Dまでは、図7Aのプロセスのより詳細な実装例を示す。特に、図7Bから図7Dまでは、RAN120によって受信されるメッセージがターゲットUEに関連する例をカバーする。しかし、他の実施形態は発信側UEに関連するメッセージングを対象とし得ることを理解されよう。
【0109】
図7Bを参照すると、アプリケーションサーバ170が所与のUE(「ターゲットUE」)に呼告知メッセージを送るよう要求されており、700Bで、所与のUEがURA_PCH状態またはCELL_PCH状態で動作していると仮定する。したがって、705Bで、アプリケーションサーバ170は、呼告知メッセージをRAN120に送り、710Bで、RAN120は、ターゲットUEをページングする。図7Bの実施形態では、呼告知メッセージが第1のサイズを有すると仮定する。したがって、RAN120は、呼告知メッセージのサイズ(たとえば、第1のサイズ)を決定し、ターゲットUEに関連する記録に関連する第1のサイズを格納し、(たとえば、図7Aの705Aおよび710Aの場合のように)715Bで、所与の満了期間を有するタイマーを開始する。710Bで、ページメッセージを受信すると、ターゲットUEは、720BでCELL_FACH状態に移行し、725Bで、セル更新メッセージをRACH上で送ることによってページメッセージに応答し、RAN120は、730Bで、セル更新確認メッセージをターゲットUEに送る。この時点で、2つ以上の異なるサイズのメッセージがタイマー期間内にまだ受信されていないので、730Bのセル更新確認メッセージは、CELL_DCH状態に移行するようターゲットUEに指示しない。ターゲットUEは、それによってCELL_FACH状態のままであり、735Bで、RACH上でセル更新確認応答メッセージを送り、RAN120は、次いで740Bで、FACH上で呼告知メッセージをターゲットUEに送る。
【0110】
ターゲットUEが740Bで呼告知メッセージを受信し、復号するとき、ターゲットUEは、745Bで、告知された通信セッションを受け付け、それによって告知ACK(受諾)メッセージをアプリケーションサーバ170に送り返す。告知された通信セッションの第1の応答側から呼受諾を受信すると、アプリケーションサーバ170は、750Bで、セッションを確立するための残りのステップに関連する情報を含む少なくとも1つの次のメッセージをセッション参加者(ターゲットUEを含む)ごとにRAN120に送る。図7Bの実施形態では、715Bで開始するタイマーが満了する前に750Bの次のメッセージが送られ、次のメッセージは、呼告知メッセージの第1のサイズとは異なる第2のサイズを有すると仮定する。RAN120は、705Bからの呼告知メッセージと750Bからの次のメッセージとのサイズが異なることを決定し、それによって、(たとえば、図7Aの730Aおよび740Aの場合のように)755Bで、ターゲットUEをCELL_FACH状態からCELL_DCH状態に移行することを決定する。
【0111】
RAN120は、それによって、760Bで、CELL_DCH状態に移行するようターゲットUEに指示する。図7Bには明示的に図示されていないが、CELL_DCHの移行は、CELL_FACHからCELL_DCH状態へのターゲットUEの移行を促進するために、FACH上で送信されるセル更新確認メッセージ(たとえば、RB再構成メッセージ)によって促すことができる。
【0112】
図7Cを参照すると、アプリケーションサーバ170が所与のUE(「ターゲットUE」)に警告メッセージを送るよう要求されており、700Cで、所与のUEがURA_PCH状態またはCELL_PCH状態で動作していると仮定する。したがって、705Cで、アプリケーションサーバ170は、警告メッセージをRAN120に送り、710Cで、RAN120は、ターゲットUEをページングする。図7Cの実施形態では、警告メッセージが第3のサイズ(たとえば、図7Bの705Bおよび750Bのメッセージのサイズとは異なる)を有すると仮定する。したがって、RAN120は、呼警告メッセージのサイズ(たとえば、第3のサイズ)を決定し、ターゲットUEに関連する記録に関連する第3のサイズを格納し、(たとえば、図7Aの705Aおよび710Aの場合のように)715Cで、所与の満了期間を有するタイマーを開始する。ページメッセージを受信し、復号すると、720Cで、ターゲットUEはCELL_FACH状態に移行し、725Cで、RACH上でセル更新メッセージを送る。RAN120は、セル更新メッセージを受信し、730Cで、セル更新確認メッセージをFACH上で送り、ターゲットUEは、セル更新確認メッセージに対して、735Cで、RACH上でセル更新確認応答メッセージで応答する。次いで、RAN120は、740Cで、FACH上でターゲットUEに警告メッセージを送信する。
【0113】
警告メッセージは、ターゲットUEとアプリケーションサーバ170との間のかなりの量の追加のトラフィックをもたらさない通知タイプのメッセージであることが多いので、図7Cの実施形態では、タイマーの満了前に、アプリケーションサーバ170とターゲットUEとの間で追加のメッセージが交換されないと仮定する。したがって、RAN120は、(たとえば、図7Aの715Aの場合のように)タイマーの満了前に次の関連するメッセージが受信されなかったと決定し、それによって、(たとえば、図7Aの720Aの場合のように)745Cで、CELL_FACH状態からCELL_DCH状態に移行しないことを決定する。したがって、ターゲットUEは、750Cで、CELL_FACH状態からCELL_DCH状態に移行されない。
【0114】
図7Dを参照すると、700Dから740Dまではそれぞれ、図7Cの700Cから740Cまでに対応し、したがって、簡潔のためにこれ以上は説明しない。705Dでの最初の警告メッセージの送信後、および715Dでのタイマーの満了前のある時点において、アプリケーションサーバ170が同じ警告メッセージを再送信することを決定すると仮定する。たとえば、アプリケーションサーバ170は、ターゲットUEが警告メッセージにACKを送らない場合、再送信することを決定することができる。したがって、アプリケーションサーバ170は、745Dで警告メッセージを再送信し、RAN120は、750Dで、FACH上で警告メッセージをターゲットUEに再送信する。
【0115】
図7Dの実施形態では、745Dの警告メッセージは、単に705Dからの警告メッセージの再送信であるので、両方の警告メッセージは、同じサイズ(たとえば、第3のサイズ)を有する。それによって、RAN120は、705Dからの警告メッセージと745Dからの再送信された警告メッセージのサイズが同じになることを決定し、(たとえば、図7Aの730Aおよび735Aの場合のように)755Dで、ターゲットUEをCELL_FACH状態からCELL_DCH状態に移行させないことをさらに決定する。したがって、RAN120は、755Dで、再送信された警告メッセージの第3のサイズを格納し、タイマーをリセットし、760Dで、ターゲットUEはCELL_FACH状態からCELL_DCH状態に移行されない。
【0116】
本発明の上記で説明した実施形態における参照は、全体的に、「呼」および「セッション」の用語を互換的に使用しているが、任意の呼および/またはセッションは、異なる当事者間の実際の呼を含むものとして、または技術的に「呼」とみなされない可能性があるデータトランスポートセッションの代わりとして解釈されるものとすることを理解されよう。また、上記実施形態は、全体的に、PTTセッションに関して説明されているが、他の実施形態は、たとえばプッシュツートランスファー(PTX)セッション、緊急VoIP呼など、任意のタイプの通信セッションを対象としてもよい。
【0117】
情報および信号は、多種多様な技術および技法のうちのいずれかを使用して表すことができることを当業者であれば理解されよう。たとえば、上記説明の全体にわたって参照され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、およびチップは、電圧、電流、電磁波、磁界または磁性粒子、光場または光学粒子、またはそれらの任意の組合せによって表すことができる。
【0118】
さらに、本明細書で開示する実施形態に関して説明する様々な例示的な論理ブロック、モジュール、回路、およびアルゴリズムステップが電子ハードウェア、コンピュータソフトウェア、または両方の組合せとして実装され得ることを、当業者であれば理解されよう。ハードウェアおよびソフトウェアのこの互換性を明確に示すために、様々な例示的な構成要素、ブロック、モジュール、回路、およびステップについて、それらの機能に関して概括的に上記で説明してきた。こうした機能がハードウェアとして実装されるか、ソフトウェアとして実装されるかは、特定の適用例、およびシステム全体に課せられる設計制約に依存する。当業者は説明した機能を特定の適用例ごとに様々な方法で実装することができるが、こうした実装の決定は、本発明の範囲からの逸脱をもたらすものと解釈されないものとする。
【0119】
本明細書で開示する実施形態に関して説明する様々な例示的な論理ブロック、モジュール、および回路は、汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)または他のプログラマブル論理デバイス、個別ゲートまたはトランジスタ論理、個別ハードウェア構成要素、または本明細書で説明する機能を実行するように設計されたそれらの任意の組合せで実装または実行することができる。汎用プロセッサは、マイクロプロセッサでもよいが、代替として、プロセッサは、任意の従来のプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、またはステートマシンでもよい。プロセッサは、たとえばDSPとマイクロプロセッサとの組合せ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと連動する1つまたは複数のマイクロプロセッサ、または任意の他のそのような構成など、コンピューティングデバイスの組合せとして実装することもできる。
【0120】
本明細書で開示する実施形態に関して説明する方法、シーケンス、および/またはアルゴリズムは、直接ハードウェアにおいて、プロセッサによって実行されるソフトウェアモジュールにおいて、または2つの組合せにおいて具現化することができる。ソフトウェアモジュールは、RAMメモリ、フラッシュメモリ、ROMメモリ、EPROMメモリ、EEPROMメモリ、レジスタ、ハードディスク、取外し可能ディスク、CD-ROM、または当技術分野で知られている任意の他の形態の記憶媒体に常駐していてもよい。例示的な記憶媒体は、プロセッサが記憶媒体から情報を読み取ることができ、情報を書き込むことができるようにプロセッサに結合される。代替として、記憶媒体は、プロセッサに一体化されていてもよい。プロセッサおよび記憶媒体は、ASICに常駐していてもよい。ASICは、ユーザ端末(たとえば、アクセス端末)に常駐していてもよい。代替として、プロセッサおよび記憶媒体は、ユーザ端末の個別構成要素として常駐していてもよい。
【0121】
1つまたは複数の例示的な実施形態では、説明した機能は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはそれらの任意の組合せで実装できる。ソフトウェアで実装した場合、これらの機能を機械可読媒体上の1つまたは複数の命令もしくはコードに格納し、またはそれを介して送信することができる。コンピュータ可読媒体は、コンピュータ記憶媒体と通信媒体の両方を含み、ある位置から別の位置へのコンピュータプログラムの転送を容易にするあらゆる媒体を含む。記憶媒体は、コンピュータによってアクセスされ得る任意の使用可能な媒体とすることができる。限定ではなく、例として、そのようなコンピュータ可読媒体は、RAM、ROM、EEPROM、CD-ROM、または他の光ディスク記憶装置、磁気ディスク記憶装置もしくは他の磁気記憶デバイス、または命令もしくはデータ構造の形式で所望のプログラムコードを運び、または記憶するために使用でき、コンピュータによってアクセスされ得る任意の他の媒体を含むことができる。また、任意の接続は、厳密には、コンピュータ可読媒体と呼ばれる。たとえば、ソフトウェアが同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、デジタル加入者回線(DSL)、またはたとえば赤外線、無線、およびマイクロ波などのワイヤレス技術を使用してウェブサイト、サーバ、または他のリモートソースから送信される場合、同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、DSL、または赤外線、無線、およびマイクロ波などのワイヤレス技術は媒体の定義内に含まれる。本明細書で使用する場合、ディスク(disk)およびディスク(disc)は、コンパクトディスク(CD)、レーザディスク、光ディスク、デジタル多用途ディスク(DVD)、フレキシブルディスク、およびブルーレイディスクを含み、ディスク(disk)は、通常、磁気的にデータを再生し、ディスク(disc)は、レーザで光学的にデータを再生する。上記の組合せもコンピュータ可読媒体の範囲内に含まれるものとする。
【0122】
上記の開示は本発明の例示的な実施形態を示すが、添付の特許請求の範囲によって定義された本発明の範囲から逸脱することなく、様々な変更および修正を本明細書において加えることができることを留意されたい。本明細書で説明する本発明の実施形態による機能、ステップ、および/または方法クレームのアクションが任意の特定の順序で実行される必要はない。さらに、本発明の要素は、単数で記載され、または請求されているが、単数への制限が明示的に述べられない限り、複数は企図される。
【符号の説明】
【0123】
100 ワイヤレス通信システム
102 携帯電話
104 エアインターフェース
108 携帯情報端末
110 ページャ
112 コンピュータプラットフォーム
120 無線アクセスネットワーク
122 RNC
124 ノードB
126 コアネットワーク
160 サービングGPRSサポートノード
162 第1のパケットデータネットワークエンドポイント
164 第2のパケットデータネットワークエンドポイント
165 ゲートウェイGPRSサポートノード
170 アプリケーションサーバ
170A 地域ディスパッチャ
170B メディア制御コンプレックス
175 インターネット
182 認証、認可、およびアカウンティング(AAA)サーバ
184 プロビジョニングサーバ
186 インターネットプロトコル(IP)マルチメディアサブシステム(IMS)/セッション開始プロトコル(SIP)登録サーバ
188 ルーティングユニット
200 UE
202 プラットフォーム
206 トランシーバ
208 ASIC
210 API
212 メモリ
214 ローカルデータベース
222 アンテナ
224 ディスプレイ
226 キーパッド
228 プッシュツートークボタン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所与のワイヤレス通信プロトコルに従って動作するワイヤレス通信システム内でユーザ機器(UE)を動作させる方法であって、
前記UEが専用チャネル状態ではない間、所与のタイプのメッセージをアクセスネットワークに送信することを決定するステップと、
前記所与のタイプの前記メッセージに基づいて、前記専用チャネル状態への前記UEの移行を促進するかどうかを決定するステップと、
前記UEが前記専用チャネル状態に移行することを決定した場合、
前記専用チャネル状態に前記UEを移行するよう前記アクセスネットワークを促すように補足データを構成するステップと、
前記構成された補足データを前記メッセージとともに前記アクセスネットワークに送信するステップと、
前記UEが前記専用チャネル状態に移行しないことを決定した場合、
前記構成された補足データなしに、前記メッセージを前記アクセスネットワークに送信するステップと
を含む方法。
【請求項2】
前記構成された補足データが、前記所与のUEからの逆方向リンクトラフィック量がEvent 4a Traffic Volume Measurement(TVM)閾値よりも大きいことを報告するように構成された測定報告に対応する請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記構成された補足データが、前記メッセージを含むインターネットプロトコル(IP)パケットのヘッダ部分内に含まれ、
前記構成された補足データが、前記専用チャネル状態に前記UEを移行するよう前記アクセスネットワークに要求するように機能する
請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記構成された補足データが、前記IPパケットの前記ヘッダ部分内のディフサーブコードポイント(DSCP)値の所与のビット設定値に対応する
請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記UEが、少なくとも1つのターゲットUEとの通信セッションの発信者に対応する請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記所与のタイプの前記メッセージが、遅延敏感および/または低データレートの通信セッションに直接関連付けられていない警告メッセージに対応し、
前記警告メッセージに対応する前記所与のタイプの前記メッセージが、前記専用チャネル状態への前記UEの前記移行を促進しないよう前記UEを促す
請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記所与のタイプの前記メッセージが、遅延敏感および/または低データレートの通信セッションに直接関連付けられたセッションメッセージに対応し、
前記セッションメッセージに対応する前記所与のタイプの前記メッセージが、前記専用チャネル状態への前記UEの前記移行を促進するよう前記UEを促す
請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記セッションメッセージが、前記通信セッションを開始するように構成された呼要求メッセージに対応する請求項7に記載の方法。
【請求項9】
所与のワイヤレス通信プロトコルに従って動作するワイヤレス通信システム内でアプリケーションサーバを動作させる方法であって、
ターゲットユーザ機器(UE)への送信のために、前記アプリケーションサーバで所与のタイプのメッセージを受信するステップと、
前記所与のタイプの前記メッセージに基づいて、専用チャネル状態への前記ターゲットUEの移行を促進するかどうかを決定するステップと、
前記ターゲットUEが前記専用チャネル状態に移行することを前記アプリケーションサーバが決定した場合、
前記専用チャネル状態に前記UEを移行するようアクセスネットワークを促すように、補足データを構成するステップと、
前記ターゲットUEに送信するために、前記構成された補足データを前記メッセージとともに前記アクセスネットワークに送信するステップと、
前記ターゲットUEが前記専用チャネル状態に移行しないことを前記アプリケーションサーバが決定した場合、
前記構成された補足データなしに、前記ターゲットUEに送信するために、前記メッセージを前記アクセスネットワークに送信するステップと
を含む方法。
【請求項10】
前記構成された補足データが、所与のサイズの閾値に少なくとも等しいサイズを有するダミーデータに対応する請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記所与のサイズの閾値が、そのUEの専用チャネル状態の移行を決定するために前記アクセスネットワークによって使用されるEvent 4a Traffic Volume Measurement(TVM)の閾値に対応する請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記構成された補足データが、前記メッセージを含むインターネットプロトコル(IP)パケットのヘッダ部分内に含まれ、
前記構成された補足データが、前記専用チャネル状態に前記UEを移行するよう前記アクセスネットワークに要求するように機能する
請求項9に記載の方法。
【請求項13】
前記構成された補足データが、前記IPパケットの前記ヘッダ部分内のディフサーブコードポイント(DSCP)値の所与のビット設定値に対応する
請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記ターゲットUEが、別のUEによって開始された通信セッションのターゲットに対応する
請求項9に記載の方法。
【請求項15】
前記所与のタイプの前記メッセージが、遅延敏感および/または低データレートの通信セッションに直接関連付けられていない警告メッセージに対応し、
前記警告メッセージに対応する前記所与のタイプの前記メッセージが、前記専用チャネル状態への前記ターゲットUEの前記移行を促進しないよう前記アプリケーションサーバを促す
請求項9に記載の方法。
【請求項16】
前記所与のタイプの前記メッセージが、遅延敏感および/または低データレートの通信セッションに直接関連付けられたセッションメッセージに対応し、
前記セッションメッセージに対応する前記所与のタイプの前記メッセージが、前記専用チャネル状態への前記ターゲットUEの前記移行を促進するよう前記アプリケーションサーバを促す
請求項9に記載の方法。
【請求項17】
前記セッションメッセージが、前記ターゲットUEに前記通信セッションを告知するように構成された告知メッセージに対応する請求項16に記載の方法。
【請求項18】
所与のワイヤレス通信プロトコルに従って動作するワイヤレス通信システム内でアクセスネットワークを動作させる方法であって、
前記アクセスネットワークで、専用チャネル状態ではないターゲットユーザ機器(UE)に対して送信するための所与のサイズを有する所与のメッセージを受信するステップと、
前記所与のメッセージが受信された後、閾値期間内に、前記ターゲットUEに送信するために、異なるサイズを有する少なくとも1つのメッセージが前記アクセスネットワークで受信されるかどうかに基づいて、前記ターゲットUEを前記専用チャネル状態に選択的に移行するステップと、
を含む方法。
【請求項19】
前記所与のメッセージの受信に応答して前記アクセスネットワークでタイマーを開始するステップであり、
前記タイマーの満了期間が前記閾値期間に対応する、ステップ
をさらに含む請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記タイマー満了の前に、前記ターゲットUEに送信するために、前記アクセスネットワークで別のメッセージを受信するステップをさらに含み、
前記選択的に移行するステップが、
前記所与のサイズの前記所与のメッセージが前記別のメッセージのサイズとは異なることを決定するステップと、
前記決定に基づいて、前記ターゲットUEを前記専用チャネル状態に移行するステップと
を含む
請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記所与のおよび前記別のメッセージがそれぞれ、前記ターゲットUEの遅延敏感および/または低データレートの通信セッションに直接関連付けられる請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記所与のメッセージが、前記ターゲットUEに遅延敏感および/または低データレートの通信セッションを告知する呼告知メッセージに対応する請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記タイマー満了の前に、前記ターゲットUEに送信するために、前記アクセスネットワークで別のメッセージを受信するステップをさらに含み、
前記選択的に移行するステップが、
前記所与のサイズの前記所与のメッセージが前記別のメッセージのサイズと同じであることを決定するステップと、
前記決定に基づいて、前記ターゲットUEを前記専用チャネル状態に移行することを控えるステップと
を含む
請求項19に記載の方法。
【請求項24】
前記別のメッセージが、前記所与のメッセージの再送信に対応する請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記ターゲットUEに送信するために、前記所与のサイズの前記所与のメッセージとは異なるサイズを有する任意のメッセージが前記アクセスネットワークに到着する前に、前記タイマーが満了することを決定するステップをさらに含み、
前記選択的に移行するステップが、前記決定に基づいて、前記ターゲットUEを前記専用チャネル状態に移行することを控えるステップを含む
請求項19に記載の方法。
【請求項26】
前記所与のメッセージが、前記ターゲットUEの遅延敏感および/または低データレートの通信セッションに直接関連付けられていない分離されたデータ交換に対応する請求項25に記載の方法。
【請求項27】
所与のワイヤレス通信プロトコルに従って動作するワイヤレス通信システム内のユーザ機器(UE)であって、
前記UEが専用チャネル状態ではない間、所与のタイプのメッセージをアクセスネットワークに送信することを決定するための手段と、
前記所与のタイプの前記メッセージに基づいて、前記専用チャネル状態への前記UEの移行を促進するかどうかを決定するための手段と、
前記UEが前記専用チャネル状態に移行することを決定した場合、前記UEを前記専用チャネル状態に移行するよう前記アクセスネットワークを促すように補足データを構成するための手段と、前記構成された補足データを前記メッセージとともに前記アクセスネットワークに送信するための手段と、
前記UEが前記専用チャネル状態に移行しないことを決定した場合、前記構成された補足データなしに、前記アクセスネットワークに前記メッセージを送信するための手段と
を含むユーザ機器。
【請求項28】
所与のワイヤレス通信プロトコルに従って動作するワイヤレス通信システム内のアプリケーションサーバであって、
ターゲットユーザ機器(UE)に送信するための所与のタイプのメッセージを受信するための手段と、
前記所与のタイプの前記メッセージに基づいて、専用チャネル状態への前記ターゲットUEの移行を促進するかどうかを決定するための手段と、
前記アプリケーションサーバが前記ターゲットUEを前記専用チャネル状態に移行させることを決定した場合、前記UEを前記専用チャネル状態に移行するようアクセスネットワークを促すように補足データを構成するための手段と、前記構成された補足データを、前記ターゲットUEに送信するために、前記メッセージとともに前記アクセスネットワークに送信するための手段と、
前記アプリケーションサーバが前記ターゲットUEを前記専用チャネル状態に移行させないことを決定した場合、前記構成された補足データなしに、前記ターゲットUEに送信するために、前記アクセスネットワークに前記メッセージを送信するための手段と
を含むアプリケーションサーバ。
【請求項29】
所与のワイヤレス通信プロトコルに従って動作するワイヤレス通信システム内のアクセスネットワークであって、
専用チャネル状態ではないターゲットユーザ機器(UE)に送信するための所与のサイズを有する所与のメッセージを受信するための手段と、
前記所与のメッセージが受信された後、閾値期間内に、前記ターゲットUEに送信するために、異なるサイズを有する少なくとも1つのメッセージが前記アクセスネットワークで受信されるかどうかに基づいて、前記ターゲットUEを前記専用チャネル状態に選択的に移行するための手段と、
を含むアクセスネットワーク。
【請求項30】
所与のワイヤレス通信プロトコルに従って動作するワイヤレス通信システム内のユーザ機器(UE)であって、
前記UEが専用チャネル状態ではない間、所与のタイプのメッセージをアクセスネットワークに送信することを決定するように構成されたロジックと、
前記所与のタイプの前記メッセージに基づいて、前記専用チャネル状態への前記UEの移行を促進するかどうかを決定するように構成されたロジックと、
前記UEが前記専用チャネル状態に移行することを決定した場合、前記UEを前記専用チャネル状態に移行するよう前記アクセスネットワークを促すように補足データを構成するように構成されたロジックと、前記構成された補足データを前記メッセージとともに前記アクセスネットワークに送信するように構成されたロジックと、
前記UEが前記専用チャネル状態に移行しないことを決定した場合、前記構成された補足データなしに、前記アクセスネットワークに前記メッセージを送信するように構成されたロジックと
を含むユーザ機器。
【請求項31】
所与のワイヤレス通信プロトコルに従って動作するワイヤレス通信システム内のアプリケーションサーバであって、
ターゲットユーザ機器(UE)に送信するための所与のタイプのメッセージを受信するように構成されたロジックと、
前記所与のタイプの前記メッセージに基づいて、専用チャネル状態への前記ターゲットUEの移行を促進するかどうかを決定するように構成されたロジックと、
前記アプリケーションサーバが前記ターゲットUEを前記専用チャネル状態に移行させることを決定した場合、前記UEを前記専用チャネル状態に移行するようアクセスネットワークを促すように補足データを構成するように構成されたロジックと、前記構成された補足データを、前記ターゲットUEに送信するために、前記メッセージとともに前記アクセスネットワークに送信するように構成されたロジックと、
前記アプリケーションサーバが前記ターゲットUEを前記専用チャネル状態に移行させないことを決定した場合、前記構成された補足データなしに、前記ターゲットUEに送信するために、前記アクセスネットワークに前記メッセージを送信するように構成されたロジックと
を含むアプリケーションサーバ。
【請求項32】
所与のワイヤレス通信プロトコルに従って動作するワイヤレス通信システム内のアクセスネットワークであって、
専用チャネル状態ではないターゲットユーザ機器(UE)に送信するための所与のサイズを有する所与のメッセージを受信するように構成されたロジックと、
前記所与のメッセージが受信された後、閾値期間内に、前記ターゲットUEに送信するために、異なるサイズを有する少なくとも1つのメッセージが前記アクセスネットワークで受信されるかどうかに基づいて、前記ターゲットUEを前記専用チャネル状態に選択的に移行するように構成されたロジックと、
を含むアクセスネットワーク。
【請求項33】
所与のワイヤレス通信プロトコルに従って動作するワイヤレス通信システム内でユーザ機器(UE)によって実行されると、前記UEにアクションを実行させる命令を記録するコンピュータ可読記録媒体であって、前記命令が、
前記UEが専用チャネル状態ではない間、所与のタイプのメッセージをアクセスネットワークに送信することを決定するためのプログラムコードと、
前記所与のタイプの前記メッセージに基づいて、前記専用チャネル状態への前記UEの移行を促進するかどうかを決定するためのプログラムコードと、
前記UEが前記専用チャネル状態に移行することを決定した場合、前記UEを前記専用チャネル状態に移行するよう前記アクセスネットワークを促すように補足データを構成するためのプログラムコードと、前記構成された補足データを前記メッセージとともに前記アクセスネットワークに送信するためのプログラムコードと、
前記UEが前記専用チャネル状態に移行しないことを決定した場合、前記構成された補足データなしに、前記アクセスネットワークに前記メッセージを送信するプログラムコードと
を含むコンピュータ可読記録媒体。
【請求項34】
所与のワイヤレス通信プロトコルに従って動作するワイヤレス通信システム内でアプリケーションサーバによって実行されると、前記アプリケーションサーバにアクションを実行させる命令を記録するコンピュータ可読記録媒体であって、前記命令が、
ターゲットユーザ機器(UE)に送信するための所与のタイプのメッセージを受信するためのプログラムコードと、
前記所与のタイプの前記メッセージに基づいて、前記専用チャネル状態への前記ターゲットUEの移行を促進するかどうかを決定するためのプログラムコードと、
前記アプリケーションサーバが前記ターゲットUEを前記専用チャネル状態に移行させることを決定した場合、前記UEを前記専用チャネル状態に移行するようアクセスネットワークを促すように補足データを構成するためのプログラムコードと、前記構成された補足データを、前記ターゲットUEに送信するために、前記メッセージとともに前記アクセスネットワークに送信するためのプログラムコードと、
前記アプリケーションサーバが前記ターゲットUEを前記専用チャネル状態に移行させないことを決定した場合、前記構成された補足データなしに、前記ターゲットUEに送信するために、前記アクセスネットワークに前記メッセージを送信するためのプログラムコードと
を含むコンピュータ可読記録媒体。
【請求項35】
所与のワイヤレス通信プロトコルに従って動作するワイヤレス通信システム内でアクセスネットワークによって実行されると、前記アクセスネットワークにアクションを実行させる命令を記録するコンピュータ可読記録媒体であって、前記命令が、
専用チャネル状態ではないターゲットユーザ機器(UE)に送信するための所与のサイズを有する所与のメッセージを受信するためのプログラムコードと、
前記所与のメッセージが受信された後、閾値期間内に、前記ターゲットUEに送信するために、異なるサイズを有する少なくとも1つのメッセージが前記アクセスネットワークで受信されるかどうかに基づいて、前記ターゲットUEを前記専用チャネル状態に選択的に移行するためのプログラムコードと、
を含むコンピュータ可読記録媒体。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図4D】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図5D】
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【図5E】
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【図5F】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図6D】
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【図6E】
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【図6F】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【図7D】
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【公表番号】特表2013−518476(P2013−518476A)
【公表日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−550212(P2012−550212)
【出願日】平成23年1月25日(2011.1.25)
【国際出願番号】PCT/US2011/022447
【国際公開番号】WO2011/091433
【国際公開日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【出願人】(507364838)クアルコム,インコーポレイテッド (446)
【Fターム(参考)】