説明

ワイヤレス通信システム内での通信セッション中の、アクセスネットワークの第1のシステムからアクセスネットワークの第2のシステムへの、アクセス端末のアプリケーション層ハンドオフ

実施形態は、ワイヤレス通信システム内での通信セッション中の、アクセスネットワークの第1のシステムからアクセスネットワークの第2のシステムへの、アクセス端末のアプリケーション層ハンドオフを対象とする。ある実施形態では、アクセス端末は、第1のシステム上で通信セッションをセットアップする。マルチメディアクライアントが、第1のシステムによってサポートされる通信セッション用のアプリケーション層パフォーマンスパラメータを測定し、アプリケーション層パフォーマンスパラメータに少なくとも部分的に基づいて、通信セッションを第2のシステムにハンドオフするかどうか判断する。マルチメディアクライアントが、通信セッションを第2のシステムにハンドオフすると判断した場合、マルチメディアクライアントは、ハンドオフを開始し、通信セッションは、第2のシステムに移される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、ワイヤレス通信システム内での通信セッション中の、アクセスネットワークの第1のシステムからアクセスネットワークの第2のシステムへの、アクセス端末のアプリケーション層ハンドオフを対象とする。
【背景技術】
【0002】
ワイヤレス通信システムは、第1世代アナログワイヤレス電話サービス(1G)、第2世代(2G)デジタルワイヤレス電話サービス(暫定の2.5Gおよび2.75Gネットワークを含む)、ならびに第3世代(3G)高速データ/インターネット対応ワイヤレスサービスを含む、様々な世代を通じて発展してきた。現在、セルラーシステムとパーソナルコミュニケーションズサービス(PCS)システムとを含む、多くの様々なタイプのワイヤレス通信システムが使用されている。知られているセルラーシステムの例には、セルラーAnalog Advanced Mobile Phone System(AMPS)、および符号分割多元接続(CDMA)、周波数分割多元接続(FDMA)、時分割多元接続(TDMA)、TDMAのGlobal System for Mobile接続(GSM(登録商標))変形に基づくデジタルセルラーシステム、およびTDMA技術とCDMA技術の両方を使用するより新しいハイブリッドデジタル通信システムがある。
【0003】
CDMAモバイル通信を提供するための方法は、本明細書ではIS-95と呼ぶ、「Mobile Station-Base Station Compatibility Standard for Dual-Mode Wideband Spread Spectrum Cellular System」と題するTIA/EIA/IS-95-Aにおいて、米国電気通信工業会/米国電子工業会によって米国で規格化された。複合AMPS&CDMAシステムはTIA/EIA規格IS-98に記載されている。他の通信システムは、広帯域CDMA(WCDMA)、CDMA2000(たとえば、CDMA2000 1xEV-DO規格など)またはTD-SCDMAと呼ばれるものをカバーする規格である、IMT-2000/UM、すなわちInternational Mobile Telecommunications System 2000/Universal Mobile Telecommunications Systemに記載されている。
【0004】
ワイヤレス通信システムでは、移動局、ハンドセット、またはアクセス端末(AT)が、基地局に隣接するかまたはこれを囲む特定の地理的領域内での通信リンクまたはサービスをサポートする、固定位置の基地局(セルサイトまたはセルとも呼ばれる)からの信号を受信する。基地局は、一般に、サービス品質(QoS)要件に基づいてトラフィックを区別するための方法をサポートする標準Internet Engineering Task Force(IETF)ベースのプロトコルを使用するパケットデータネットワークである、アクセスネットワーク(AN)/無線アクセスネットワーク(RAN)にエントリポイントを与える。したがって、基地局は、一般に、無線インターフェースによってATと対話し、インターネットプロトコル(IP)ネットワークデータパケットによってANと対話する。
【0005】
ワイヤレス電気通信システムでは、プッシュツートーク(PTT)機能がサービスセクタおよび消費者に普及している。PTTは、CDMA、FDMA、TDMA、GSM(登録商標)などのような標準商用ワイヤレスインフラストラクチャを介して動作する「ディスパッチ」ボイスサービスをサポートし得る。ディスパッチモデルでは、エンドポイント(AT)の間の通信は、仮想グループ内で起こり、1人の「話者」の声が、1人または複数の「受話者」に送信される。このタイプの通信の単一のインスタンスは、通常、ディスパッチ呼、または単にPTT呼と呼ばれる。PTT呼は、呼の特性を定義する、グループのインスタンシエーションである。グループは、本質的に、グループ名またはグループ識別情報など、メンバーリストおよび関連情報によって定義される。
【0006】
従来、ワイヤレス通信ネットワーク内のデータパケットは、単一の宛先またはアクセス端末に送信されるように構成された。単一の宛先へのデータの送信は「ユニキャスト」と呼ばれる。モバイル通信が増加するにつれて、所与のデータを複数のアクセス端末に同時に送信する能力がより重要になった。したがって、複数の宛先またはターゲットアクセス端末への同じパケットまたはメッセージの同時データ送信をサポートするためにプロトコルが採用された。「ブロードキャスト」は、(たとえば、所与のセル内にある、所与のサービスプロバイダによってサービスされるものなど)すべての宛先またはアクセス端末へのデータパケットの送信を指し、「マルチキャスト」は、宛先またはアクセス端末の所与のグループへのデータパケットの送信を指す。一例では、宛先の所与のグループまたは「マルチキャストグループ」は、(たとえば、所与のセル内にある、所与のサービスプロバイダによってサービスされるものなど)可能な宛先またはアクセス端末のうちの2つ以上およびすべてよりも少ない数を含むことができる。ただし、少なくともいくつかの状況においては、マルチキャストグループが、ユニキャストと同様に、ただ1つのアクセス端末を含むこと、あるいは代替的に、マルチキャストグループが、ブロードキャストと同様に、(たとえば、セルまたはセクタ内などの)すべてのアクセス端末を含むことが可能である。
【0007】
ブロードキャストおよび/またはマルチキャストは、マルチキャストグループに対応するために複数の連続ユニキャスト動作を実行する、複数のデータ送信を同時に処理するための一意のブロードキャスト/マルチキャストチャネル(BCH)を割り当てるなど、いくつかの方法でワイヤレス通信システム内で実行できる。プッシュツートーク通信のためのブロードキャストチャネルを使用する従来のシステムが、その内容の全体が参照により本明細書に組み込まれる、「Push-To-Talk Group Call System Using CDMA 1x-EVDO Cellular Network」と題する、2007年3月1日付けの米国特許出願公開第2007/0049314号に記載されている。公開第2007/0049314号に記載されているように、従来のシグナリング技法を使用するプッシュツートーク呼のためにブロードキャストチャネルを使用することができる。ブロードキャストチャネルの使用は従来のユニキャスト技法よりも帯域幅要件を改善することができるが、ブロードキャストチャネルの従来のシグナリングは、依然として追加のオーバヘッドおよび/または遅延を生じる可能性があり、システムパフォーマンスを劣化させることがある。
【0008】
3rd Generation Partnership Project 2(「3GPP2」)は、CDMA2000ネットワークにおけるマルチキャスト通信をサポートするためのブロードキャストマルチキャストサービス(BCMCS)規格を定義する。したがって、「CDMA2000 High Rate Broadcast-Multicast Packet Data Air Interface Specification」と題する、2006年2月14日付けの3GPP2のBCMCS規格のバージョンである、バージョン1.0 C.S0054-Aは、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0009】
実施形態は、ワイヤレス通信システム内での通信セッション中の、アクセスネットワークの第1のシステムからアクセスネットワークの第2のシステムへの、アクセス端末のアプリケーション層ハンドオフを対象とする。ある実施形態では、アクセス端末は、第1のシステム上で通信セッションをセットアップする。マルチメディアクライアントが、第1のシステムによってサポートされる、通信セッション用のアプリケーション層パフォーマンスパラメータを測定し、アプリケーション層パフォーマンスパラメータに少なくとも部分的に基づいて、通信セッションを第2のシステムにハンドオフするかどうか判断する。マルチメディアクライアントが、通信セッションを第2のシステムにハンドオフすると判断した場合、マルチメディアクライアントは、ハンドオフを開始し、通信セッションは、第2のシステムに移される。
【0010】
本発明の実施形態およびその付随する利点の多くのより完全な諒解は、以下の発明を実施するための形態を参照し、本発明を限定するためではなく単に例示するために提示する添付の図面とともに考察することによってより良く理解されれば、容易に得られるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の少なくとも1つの実施形態によるアクセス端末とアクセスネットワークとをサポートするワイヤレスネットワークアーキテクチャの図である。
【図2A】本発明の一実施形態による図1のコアネットワークを示す図である。
【図2B】図1のワイヤレス通信システムの一例をより詳細に示す図である。
【図3】本発明の少なくとも1つの実施形態によるアクセス端末の図である。
【図4】ワイヤレス通信セッションに参加している所与のアクセス端末の従来のシステム間ハンドオフを示す図である。
【図5】本発明の実施形態による、ワイヤレス通信セッションに参加している所与のアクセス端末のシステムハンドオフを示す図である。
【図6A】本発明の実施形態による、あるアプリケーション層パフォーマンスパラメータが、ワイヤレス通信システム内の所与のアクセス端末のロケーションに対応する、図5のシステムハンドオフプロセスを示す図である。
【図6B】本発明の実施形態による、あるアプリケーション層パフォーマンスパラメータが、ワイヤレス通信システム内の所与のアクセス端末の通信セッションに関するメディアエラーレート(MER)に対応する、図5のシステムハンドオフプロセスを示す図である。
【図6C】本発明の実施形態による、あるアプリケーション層パフォーマンスパラメータが、ワイヤレス通信システム内の所与のアクセス端末の通信セッションに関する停止持続時間に対応する、図5のシステムハンドオフプロセスを示す図である。
【図6D】本発明の実施形態による、あるアプリケーション層パフォーマンスパラメータが、ワイヤレス通信システム内の所与のアクセス端末の通信セッションに関連したサービスに対して、所与のアクセス端末を使っている加入者が課金される現在のレートに対応する、図5のシステムハンドオフプロセスを示す図である。
【図6E】本発明の実施形態による、ワイヤレス通信システム内の所与のアクセス端末の通信セッション中に第1のシステムから複数の他の可能システムの1つへの、所与のアクセス端末の起こり得るハンドオフ中に1つまたは複数のアプリケーション層パフォーマンスパラメータが考慮される、図5のシステムハンドオフプロセスを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の特定の実施形態を対象とする以下の説明および関連する図面で本発明の態様を開示する。本発明の範囲から逸脱することなく代替実施形態を考案することができる。さらに、本発明の関連する詳細を不明瞭にしないように、本発明のよく知られている要素については詳細に説明しないか、または省略する。
【0013】
「例示的」および/または「例」という用語は、本明細書では「例、事例、または例示として機能すること」を意味するために使用される。本明細書で「例示的」および/または「例」として説明するいかなる実施形態も、必ずしも他の実施形態よりも好ましいまたは有利であると解釈すべきではない。同様に、「本発明の実施形態」という用語は、本発明のすべての実施形態が論じられた特徴、利点または動作モードを含むことを必要としない。
【0014】
さらに、多くの実施形態については、たとえば、コンピューティングデバイスの要素によって実行すべき一連のアクションに関して説明する。本明細書で説明する様々なアクションは、特定の回路(たとえば、特定用途向け集積回路(ASIC))によって、1つまたは複数のプロセッサによって実行されるプログラム命令によって、あるいは両方の組合せによって実行できることを認識されよう。さらに、本明細書で説明するこれらの一連のアクションは、実行時に、関連するプロセッサに本明細書で説明する機能を実行させるコンピュータ命令の対応するセットを記憶した任意の形式のコンピュータ可読記憶媒体内で全体として実施すべきものと見なすことができる。したがって、本発明の様々な態様は、すべてが請求する主題の範囲内に入ることが企図されているいくつかの異なる形式で実施できる。さらに、本明細書で説明する実施形態ごとに、そのような実施形態の対応する形式を、たとえば、記載のアクションを実行する「ように構成されたロジック(論理)」として本明細書で説明することがある。
【0015】
本明細書でアクセス端末(AT)と呼ぶ高データレート(HDR)加入者局は、移動でも固定でもよく、本明細書でモデムプールトランシーバ(MPT)または基地局(BS)と呼ぶ1つまたは複数のHDR基地局と通信することができる。アクセス端末は、1つまたは複数のモデムプールトランシーバを介して、モデムプールコントローラ(MPC)、基地局コントローラ(BSC)および/またはパケット制御機能(PCF)と呼ばれるHDR基地局コントローラとの間でデータパケットを送信および受信する。モデムプールトランシーバおよびモデムプールコントローラは、アクセスネットワークと呼ばれるネットワークの一部である。アクセスネットワークは複数のアクセス端末間でデータパケットをトランスポートする。
【0016】
アクセスネットワークは、企業イントラネットまたはインターネットなど、アクセスネットワークの外部の追加のネットワークにさらに接続され得、各アクセス端末とそのような外部のネットワークとの間でデータパケットをトランスポートし得る。1つまたは複数のモデムプールトランシーバとのアクティブトラフィックチャネル接続を確立したアクセス端末は、アクティブアクセス端末と呼ばれ、トラフィック状態にあると言われる。1つまたは複数のモデムプールトランシーバとのアクティブトラフィックチャネル接続を確立中であるアクセス端末は、接続セットアップ状態にあると言われる。アクセス端末は、ワイヤレスチャネルを介して、または、たとえば、光ファイバまたは同軸ケーブルを使用するワイヤードチャネルを介して通信する任意のデータデバイスであり得る。アクセス端末はさらに、限定はしないが、PCカード、コンパクトフラッシュ(登録商標)、外部または内部モデム、あるいはワイヤレス電話または有線電話を含む、いくつかのタイプのデバイスのいずれかであり得る。アクセス端末が信号をモデムプールトランシーバに送信するための通信リンクは、逆方向リンクまたは逆方向トラフィックチャネルと呼ばれる。モデムプールトランシーバが信号をアクセス端末に送信するための通信リンクは、順方向リンクまたは順方向トラフィックチャネルと呼ばれる。本明細書で使用するトラフィックチャネルという用語は、順方向トラフィックチャネルまたは逆方向トラフィックチャネルのいずれかを指すことができる。
【0017】
図1に、本発明の少なくとも1つの実施形態によるワイヤレスシステム100の例示的な一実施形態のブロック図を示す。システム100は、アクセス端末102をネットワーク機器に接続して、パケット交換データネットワーク(たとえば、イントラネット、インターネット、および/またはキャリアネットワーク126)とアクセス端末102、108、110、112との間にデータ接続性を与えることができるエアインターフェース104を介してアクセスネットワークまたは無線アクセスネットワーク(RAN)120と通信している、セルラー電話102などのアクセス端末を含むことができる。本明細書に示すように、アクセス端末は、セルラー電話102、携帯情報端末108、本明細書に双方向テキストページャとして示すページャ110、さらにはワイヤレス通信ポータルを有する別個のコンピュータプラットフォーム112であり得る。したがって、本発明の実施形態は、ワイヤレスモデム、PCMCIAカード、パーソナルコンピュータ、電話、またはそれらの任意の組合せもしくは部分的な組合せを限定なしに含む、ワイヤレス通信ポータルを含むか、またはワイヤレス通信機能を有する任意の形態のアクセス端末上で実現され得る。さらに、本明細書で使用する「アクセス端末」、「ワイヤレスデバイス」、「クライアントデバイス」、「モバイル端末」という用語およびそれらの変形体は、互換的に使用され得る。
【0018】
再び図1を参照すると、ワイヤレスネットワーク100の構成要素および本発明の例示的な実施形態の要素の相互関係は、図示の構成に限定されない。システム100は、例示的なものにすぎず、ワイヤレスクライアントコンピューティングデバイス102、108、110、112などのリモートアクセス端末が、互いに、および/またはキャリアネットワーク126、インターネットおよび/または他のリモートサーバを限定なしに含む、エアインターフェース104およびRAN120を介して接続された構成要素との間で無線で通信することを可能にする任意のシステムを含むことができる。
【0019】
RAN120は、基地局コントローラ/パケット制御機能(BSC/PCF)122に送信される(一般に、データパケットとして送信される)メッセージを制御する。BSC/PCF122は、パケットデータサービスノード100(「PDSN」)とアクセス端末102/108/110/112の間のベアラチャネル(すなわちデータチャネル)のシグナリング、確立およびティアダウンを担う。リンク層の暗号化が可能な場合、BSC/PCF122もまた、エアインターフェース104によって転送する前に、コンテンツを暗号化する。BSC/PCF122の機能は、当技術分野でよく知られており、簡潔であるために、さらに論じることはない。キャリアネットワーク126は、ネットワーク、インターネットおよび/または公衆交換電話網(PSTN)によって、BSC/PCF122と通信してもよい。代わりに、BSC/PCF122は、インターネットまたは外部ネットワークに直接接続してもよい。典型的には、キャリアネットワーク126とBSC/PCF122の間のネットワークまたはインターネット接続はデータを転送し、PSTNは音声情報を転送する。BSC/PCF122は、多数の基地局(BS)またはモデムプールトランシーバ(MPT)124に接続することができる。BSC/PCF122は典型的に、キャリアネットワークと同様の方法で、データ転送および/または音声情報のためのネットワーク、インターネットおよび/またPSTNによって、MPT/BS124に接続される。MPT/BS124は、セルラー電話102などのアクセス端末に、ワイヤレスでデータメッセージをブロードキャストすることができる。当技術分野で知られているように、MPT/BS124、BSC/PCF122およびその他の構成要素はRAN120を形成する。しかしながら、代替構成もまた使用されてよく、本発明が図示の構成に限定されることはない。たとえば、別の実施形態では、BSC/PCF122および1つまたは複数のMPT/BS124の機能は、BSC/PCF122とMPT/BS124の両方の機能を有する単一の「ハイブリッド」モジュールに縮小されてもよい。
【0020】
図2Aに、本発明の一実施形態によるキャリアネットワーク126を示す。図2Aの実施形態では、キャリアネットワーク126は、パケットデータサービングノード(PDSN)160と、ブロードキャストサービングノード(BSN)165と、アプリケーションサーバ170と、インターネット175とを含む。ただし、代替実施形態では、アプリケーションサーバ170および他の構成要素はキャリアネットワークの外部に位置することがある。PDSN160は、たとえば、cdma2000の無線アクセスネットワーク(RAN)(たとえば、図1のRAN120)を利用して、インターネット175、イントラネットおよび/またはリモートサーバ(たとえば、アプリケーションサーバ170)へのアクセスを移動局(たとえば、図1の102、108、110、112などのアクセス端末)に与える。アクセスゲートウェイとして働くので、PDSN160は、単純IPおよびモバイルIPアクセス、外部エージェントサポート、およびパケットトランスポートを与えることができる。PDSN160は、認証、認可、および課金(AAA)サーバおよび他のサポートインフラストラクチャのクライアントとして働くことができ、当技術分野で知られているように、IPネットワークへのゲートウェイを移動局に与える。図2Aに示すように、PDSN160は、従来のA10接続を介してRAN120(たとえば、BSC/PCF122)と通信し得る。A10接続は当技術分野でよく知られており、簡潔のためにさらに説明しない。
【0021】
図2Aを参照すると、ブロードキャストサービングノード(BSN)165は、マルチキャストおよびブロードキャストサービスをサポートするように構成され得る。BSN165について、以下でより詳細に説明する。BSN165は、ブロードキャスト(BC)A10接続を介してRAN120(たとえば、BSC/PCF122)と通信し、インターネット175を介してアプリケーションサーバ170と通信する。BCA10接続は、マルチキャストおよび/またはブロードキャストメッセージングを転送するために使用される。したがって、アプリケーションサーバ170は、インターネット175を介してユニキャストメッセージングをPDSN160に送信し、インターネット175を介してマルチキャストメッセージングをBSN165に送信する。
【0022】
一般に、以下でより詳細に説明するように、RAN120は、BCA10接続を介してBSN165から受信されたマルチキャストメッセージを、エアインターフェース104のブロードキャストチャネル(BCH)を介して1つまたは複数のアクセス端末200に送信する。
【0023】
図2Bに、図1のワイヤレス通信の例100をより詳細に示す。特に、図2Bを参照すると、AT1〜Nは、異なるパケットデータネットワークエンドポイントによってサービスされるロケーションにおいてRAN120に接続するものとして示されている。したがって、AT1およびAT3は、(たとえば、PDSN160、BSN165、ホームエージェント(HA)、外部エージェント(FA)などに対応し得る)第1のパケットデータネットワークエンドポイント162によってサービスされる部分においてRAN120に接続する。第1のパケットデータネットワークエンドポイント162は、今度はルーティングユニット188を介して、インターネット175に、ならびに/あるいは認証、認可および課金(AAA)サーバ182、プロビジョニングサーバ184、インターネットプロトコル(IP)マルチメディアサブシステム(IMS)/セッション開始プロトコル(SIP)登録サーバ186および/またはアプリケーションサーバ170のうちの1つまたは複数に接続する。AT2およびAT5〜Nは、(たとえば、PDSN160、BSN165、HA、FAなどに対応し得る)第2のパケットデータネットワークエンドポイント164によってサービスされる部分においてRAN120に接続する。第1のパケットデータネットワークエンドポイント162と同様に、第2のパケットデータネットワークエンドポイント164は、今度はルーティングユニット188を介して、インターネット175に、ならびに/あるいはAAAサーバ182、プロビジョニングサーバ184、IMS/SIP登録サーバ186および/またはアプリケーションサーバ170のうちの1つまたは複数に接続する。AT4は、インターネット175に直接接続し、次いで、インターネット175を通して、上記で説明したシステム構成要素のうちのいずれかに接続することができる。
【0024】
図2Bを参照すると、AT1、AT3およびAT5〜Nはワイヤレスセルフォンとして示され、AT2はワイヤレスタブレットPCとして示され、AT4はワイヤードデスクトップ局として示されている。ただし、他の実施形態では、ワイヤレス通信システム100は任意のタイプのATに接続することができ、図2Bに示す例は、システム内に実装され得るATのタイプを限定するものではないことが諒解されよう。また、AAA182、プロビジョニングサーバ184、IMS/SIP登録サーバ186およびアプリケーションサーバ170は、それぞれ構造的に個別のサーバとして示されているが、これらのサーバのうちの1つまたは複数は、本発明の少なくとも1つの実施形態に統合され得る。
【0025】
さらに、図2Bを参照すると、アプリケーションサーバ170は、複数のメディア制御コンプレックス(MCC)1〜N170Bと複数の地域ディスパッチャ1〜N170Aとを含むものとして示されている。集合的に、地域ディスパッチャ170AおよびMCC170Bは、少なくとも1つの実施形態では、ワイヤレス通信システム100内の通信セッション(たとえば、IPユニキャストプロトコルおよび/またはIPマルチキャストプロトコルを介した半二重グループ通信セッション)を調停するように集合的に機能するサーバの分散型ネットワークに対応することができるアプリケーションサーバ170内に含まれる。たとえば、アプリケーションサーバ170によって調停される通信セッションは、理論的には、システム100内のどこかに位置するAT間で行われ得るので、調停される通信セッションのレイテンシを低減するために(たとえば、北米のMCCが、中国にいるセッション参加者間でメディアをあちこちに中継していないように)複数の地域ディスパッチャ170AおよびMCCが分散される。したがって、アプリケーションサーバ170に言及する場合、関連する機能が地域ディスパッチャ170Aのうちの1つまたは複数ならびに/あるいはMCC170Bのうちの1つまたは複数によって執行され得ることを諒解されよう。地域ディスパッチャ170Aは、概して、(たとえば、AT間のシグナリングメッセージを処理すること、告知メッセージをスケジュールおよび/または送信することなど)通信セッションを確立することに関係する機能を担当し、MCC170Bは、調停された通信セッション中に呼中シグナリングおよびメディアの実際の交換を行うことを含む、呼インスタンスの持続時間の間に通信セッションをホスティングすることを担当する。
【0026】
図3を参照すると、セルラー電話などのアクセス端末200(本明細書ではワイヤレスデバイス)は、キャリアネットワーク126、インターネットおよび/または他のリモートサーバおよびネットワークから最終的に発生することがある、RAN120から送信されたソフトウェアアプリケーション、データおよび/またはコマンドを受信および実行することができるプラットフォーム202を有する。プラットフォーム202は、特定用途向け集積回路(「ASIC」208)または他のプロセッサ、マイクロプロセッサ、論理回路、もしくは他のデータ処理デバイスに動作可能に結合されたトランシーバ206を含むことができる。ASIC208または他のプロセッサは、ワイヤレスデバイスのメモリ212内の任意の常駐プログラムとインターフェースするアプリケーションプログラミングインターフェース(「API」)210層を実行する。メモリ212は、読取り専用またはランダムアクセスメモリ(RAMおよびROM)、EEPROM、フラッシュカード、またはコンピュータプラットフォームに共通の任意のメモリから構成することができる。プラットフォーム202は、メモリ212においてあまり使用されないアプリケーションを保持することができるローカルデータベース214も含み得る。ローカルデータベース214は、一般的に、フラッシュメモリセルであるが、たとえば磁気媒体、EEPROM、光学媒体、テープ、ソフトまたはハードディスクなど、当技術分野で知られている任意の二次記憶デバイスとすることができる。内部プラットフォーム202の構成要素は、当技術分野で知られているように、構成要素の中でも、アンテナ222、ディスプレイ224、プッシュツートークボタン228、およびキーパッド226などの外部デバイスに動作可能に結合されてもよい。
【0027】
したがって、本発明の一実施形態は、本明細書で説明する機能を実行するための能力を含むアクセス端末を含むことができる。当業者なら諒解するように、本明細書で開示する機能を達成するために、様々な論理要素を、個別要素、プロセッサ上で実行されるソフトウェアモジュール、またはソフトウェアとハードウェアとの任意の組合せで実施することができる。たとえば、ASIC208、メモリ212、API210およびローカルデータベース214をすべて協働的に使用して、本明細書で開示する様々な機能をロード、記憶および実行することができ、したがってこれらの機能を実行する論理を様々な要素に分散することができる。代替的に、機能を1つの個別構成要素に組み込むことができる。したがって、図3中のアクセス端末の特徴は例示的なものにすぎないと見なすべきであり、本発明は図示の特徴または構成に限定されない。
【0028】
アクセス端末102とRAN120との間のワイヤレス通信は、符号分割多元接続(CDMA)、WCDMA、時分割多元接続(TDMA)、周波数分割多元接続(FDMA)、直交周波数分割多重(OFDM)、Global System for Mobile Communications(GSM(登録商標))、またはワイヤレス通信ネットワークまたはデータ通信ネットワークにおいて使用できる他のプロトコルなど、様々な技術に基づくことができる。データ通信は、一般に、クライアントデバイス102とMPT/BS124とBSC/PCF122との間で行われる。BSC/PCF122は、キャリアネットワーク126、PSTN、インターネット、バーチャルプライベートネットワークなどの複数のデータネットワークに接続でき、したがって、アクセス端末102はより広範囲の通信ネットワークにアクセスできるようになる。前述のように、および当技術分野で知られているように、様々なネットワークおよび構成を使用して、ボイス送信および/またはデータをRANからアクセス端末に送信することができる。したがって、本明細書で提供する例は、本発明の実施形態を限定するものではなく、本発明の実施形態の態様の説明を助けるものにすぎない。
【0029】
アクセス端末は、アプリケーションサーバ170などのサーバに、複数のシステムまたはネットワークの1つを通して接続するように構成され得る。たとえば、所与のアクセス端末が、WiFiシステム(たとえば、802.11a/bなど)、CDMA2000 1xシステム、広帯域CDMA(WCDMA)システム、FDMAシステム、TDMAシステム、OFDMシステム、ロングタームエボリューション(LTE)システム、RAN120がブロードキャストチャネル(BCH)などの共有ダウンリンクチャネル上で所与のセクタ内の複数のATにメッセージを送信するためのBCMCSシステム、マルチメディアブロードキャスト/マルチキャストサービス(MBMS)システムおよび/またはRAN120がダウンリンク専用チャネル(DCH)もしくはユニキャストチャネル上で単一のATにメッセージを送信するためのユニキャスト1x EV-DOシステムを介してアプリケーションサーバ170に接続し得る。したがって、RAN120を通してアクセス端末にサービスを提供するというコンテキストにおいて本明細書で使用する「システム」という用語は、アクセス端末が、アプリケーションサーバ170など、他のネットワーク構成要素へのリンクを確立できるようにするためのどのタイプのワイヤレス技術にも対応する。
【0030】
アクセス端末は、第1のシステム上で通信セッション(たとえば、プッシュツートーク(PTT)セッション、VoIPセッション、半二重セッション、全二重セッションなど)をセットアップすることができ、後で、通信セッションを終了させずに第1のシステムから第2のシステムに切り換えることができる。このタイプの切換えは、システム間ハンドオーバまたはハンドオフと呼ぶことができる。システム(たとえば、EV-DO、1x、BCMCS、cdma2000 1Xなど)の間でのアクセス端末のシステム間ハンドオフは、あるサービングエリア(たとえば、セル、セクタ、サブネットなど)から別のサービングエリアへの、アクセス端末のハンドオフと混同されるべきでない。言い換えると、アクセス端末は、サービスを提供するあるタイプのシステムから別のタイプのシステムにハンドオフすることができ、アクセス端末は、ある特定のシステム向けのあるサービスエリアから、同じシステム向けの別のサービスエリアに(別個に)ハンドオフすることもできる。本発明の実施形態は概して、システム間ハンドオフを対象とするが、このことは、本明細書で説明する実施形態とともに、サービングエリアハンドオフが起こるのを妨げるものではない。
【0031】
あるシステム(たとえば、BCMCS)から別のシステム(たとえば、1x、ユニキャストEV-DOなど)へのアクセス端末のハンドオフは従来、物理層などの下位層で動作するソフトウェアを有するATにおいて制御される。このソフトウェア構成物は、下位層コントローラと呼ぶことができ、メモリ212に記憶され、ASIC208によって実行され得る。ある例では、下位層コントローラは、ハンドオフ決定を、フレームエラーレート(FER)、パイロット信号強度、新規システムの検出などのような物理層パラメータに基づかせ得る。概して、このことは、実データの上位レベルまたはアプリケーション層使用を考慮せずに、データを含むパケットが、パケット単位または物理フレーム単位でどれだけ問題なく交換されるかを、下位層コントローラが評価することを意味する。さらに、システム間ハンドオフは概して、関連測定を指令し、その結果を報告し、ハンドオフコマンドをシームレスに送信するために、ATとRAN120との間の複雑なシグナリング交換を必要とする。
【0032】
図4は、ワイヤレス通信セッションに参加している所与のアクセス端末(「AT1」)の従来のシステム間ハンドオフを示す図である。図4を参照すると、AT1は、第1のシステムまたは第2のシステムどちらかにおいてRAN120に接続するように構成されると考える。説明の便宜上、第1のシステムは概してEV-DOに対応し、第2のシステムはBCMCSに対応すると考える。
【0033】
図4を参照すると、400で、AT1は、第1のシステム上で通信セッションをセットアップする。たとえば、通信セッションが、AT1によって発信されたPTTセッションに対応する場合、アプリケーション層でのAT1のPTTセッションの管理を担うマルチメディアクライアント210Aは、AT1のユーザがPTTボタンを押したという指示を受け取る。マルチメディアクライアント210Aは次いで、呼メッセージをアプリケーションサーバ170にスケジュールし、送るよう、下位層コントローラに要求する。必要な呼リソースを取得し、または待った後、下位層コントローラは、(たとえば、逆方向リンクアクセスチャネルまたはR-TCH上で)RAN120に呼メッセージを送り、このメッセージはアプリケーションサーバ170に転送され、サーバ170は、1つまたは複数の目標ATにセッションを告知し、次いで、少なくとも1つの目標ATが告知セッションを受諾した後でAT1にフロアグラントを送る。
【0034】
第1のシステム上で通信セッションが行われる間、405で、下位層コントローラは、通信セッションに関連付けられた1つまたは複数の下位層パフォーマンスパラメータを監視する。たとえば、1つまたは複数の下位層パフォーマンスパラメータは、通信セッションに関連付けられたパケットに関するフレームエラーレート(FER)を含み得る。代替または追加として、下位層コントローラは、第1のシステムのパイロット信号強度を監視することができる。
【0035】
監視される1つまたは複数の下位層パフォーマンスパラメータに基づいて、410で、下位層コントローラは、第1のシステムから第2のシステムへの、AT1のハンドオフをトリガするかどうか判断する。たとえば、下位層コントローラが、FERに基づいて、AT1に対するシステムの間のハンドオフ決定を行うように構成される場合、410の決定は、第1のシステム上でのAT1の通信セッションに関する現在のFERまたは移動平均FERを、閾値FERと比較し、次いで、現在または移動平均FERが閾値FERよりも高い場合はハンドオフを選択的にトリガすることに対応し得る。
【0036】
AT1の下位層コントローラが、410で、第2のシステムにハンドオフしないと判断した場合、プロセスは405に戻り、AT1は、通信セッションが第1のシステム上で続く間、1つまたは複数の下位層パフォーマンスパラメータを監視し続ける。そうではなく、AT1の下位層コントローラが、410で、第2のシステムにハンドオフすると判断した場合、下位層コントローラは、415で、当技術分野で知られているように、第1のシステムから第2のシステムへの、AT1のハンドオフを開始し、またはトリガする。たとえば、第1のシステムがBCMCSであり、第2のシステムがユニキャストEV-DOである場合、第2のシステムへのハンドオフは、ユニキャストTCHを要求し、BCMCSによるマルチキャストサポートをRAN120から登録解除することを含み得る。415で、ハンドオフを容易にするために起こる特定のシグナリングは、RAN120の異なるシステムの間のハンドオフ(たとえば、EV-DOから1x、BCMCSからユニキャストEV-DO、ユニキャストEV-DOからWiFi、など)ごとに異なり得るので、このシグナリングについては示していない。415で開始されたハンドオフを完了した後、AT1は、可能な場合、420で、第2のシステム上で通信セッションを続ける。
【0037】
多くのシステムは、システム間下位層シグナリングをサポートしないことに留意されたい。このようなシステムがサポートを行う場合であっても、システム間ハンドオフは従来、限られた1組のシステムに限定され、またはそのようなシステムに対しては制約される。これらの理由により、下位層でのシステム間ハンドオフをサポートすることは、既存のシステムの大幅な改善を必要とし得る。一方、アプリケーションによって開始されるシステム間ハンドオフは、いかなるシステム改善も必要とせずに、既存の層信号メッセージを使って実装することができる。アプリケーション層においてシステム間ハンドオフを開始するための具体的な機構については、後で詳述する。
【0038】
当業者には諒解されるように、図4のプロセスは、現在のシステム上での物理層パフォーマンスが劣化した場合、AT1を、物理層パフォーマンス特性が優れている別のシステムにハンドオフさせる可能性があり得る。下位層サポートがない場合、アプリケーションレベルでの通信セッションに関連した劣化パフォーマンス、および代替システムの存在により、アプリケーション駆動システム間ハンドオフがトリガされ得ることが可能である。たとえば、通信セッションは、アプリケーションレベルで起こる、比較的高いメディアエラーレート(MER)および/または停止持続時間(OD)を受ける場合がある。アプリケーションが、代替/第2のシステムが利用可能であることを見つけた場合、アプリケーションは、第2のシステムにハンドオフすることを試みてよい。別の例では、アクセス端末が、別の利用可能システムよりも課金レートが高いシステムによってサポートされる場合(たとえば、ATが、セルラーネットワークに接続され、ローミングサービスエリアにハンドオフし、ユーザに使用時間(分)に応じて払わせるネットワーク内セルラーシステムにATが接続されている間、無料WiFi接続が利用可能になる、など)、そのシステムのユーザは、安い方のシステムにハンドオフすることを望み得る。したがって、本発明の実施形態は概して、図4でのように下位層(たとえば、物理層)を考慮する代わりに、またはそれに加えて、1つまたは複数のアプリケーション層基準に基づいてシステムハンドオフ決定を行うことを対象とする。
【0039】
図5は、本発明の実施形態による、ワイヤレス通信セッションに参加している所与のアクセス端末(「AT1」)のシステムハンドオフを示す図である。具体的には、図5は、比較的高いレベルでの、本発明のシステム間ハンドオフプロセスを、図6A〜図6Eを参照して後で挙げるより詳細な実装形態の例とともに示す。図5を参照すると、AT1は、少なくとも2つのシステムまたはワイヤレス接続技術(たとえば、EV-DO、BCMCS、1x、WiFi、ブルートゥースなど)に基づくRAN120に接続するように構成されると考える。
【0040】
図5を参照すると、500で、AT1は、第1のシステム上で通信セッションをセットアップする。たとえば、通信セッションが、AT1によって発信されたPTTセッションに対応する場合、アプリケーション層でのAT1のPTTセッションの管理を担うマルチメディアクライアント210Aは、AT1のユーザがPTTボタンを押したという指示を受け取る。マルチメディアクライアント210Aは次いで、呼メッセージをアプリケーションサーバ170にスケジュールし、送るよう、下位層コントローラに要求する。必要な呼リソースを取得し、または待った後、下位層コントローラは、(たとえば、逆方向リンクアクセスチャネルまたはR-TCH上で)RAN120に呼メッセージを送り、このメッセージはアプリケーションサーバ170に転送され、サーバ170は、1つまたは複数の目標ATにセッションを告知し、次いで、少なくとも1つの目標ATが告知セッションを受諾した後でAT1にフロアグラントを送る。
【0041】
図5には示していないが、第1のシステム上で通信セッションが行われる間、下位層コントローラは、図4でのように、通信セッションに関連付けられた1つまたは複数の下位層パフォーマンスパラメータを監視することができ、下位層コントローラは、異なるシステムの下位層または物理層パフォーマンスに基づいてハンドオフを開始することができる。ただし、図5では、物理層でのパフォーマンスは、あるシステムから別のシステムにハンドオフするかどうか判定する際に考慮される唯一のタイプのパフォーマンスである必要はない。
【0042】
したがって、マルチメディアクライアント210Aは、505で、RAN120の第1のシステムによってサポートされている通信システムに関する1つまたは複数のアプリケーション層パフォーマンスパラメータを測定する。たとえば、1つまたは複数のアプリケーション層パフォーマンスパラメータは、(i)通信セッションの、(たとえば、通信セッションが音声セッションである場合は音声フレームの成功率に基づき、通信セッションがテレビ会議である場合はビデオおよび/もしくは音声フレームの成功率に基づく)メディアエラーレート(MER)、(ii)通信セッションの停止持続時間(OD)(たとえば、通信セッションにおける連続メディアエラーに起因するダウンリンク不活動期間)、(iii)第1のシステムが現在、通信セッションに関連した使用に対してAT1のユーザに課金しているレート、(iv)通信が半二重PTTセッションに対応する場合、フロア保持者もしくはリスナとしてのマルチメディアクライアント210Aの状況、(v)AT1のユーザの優先権(たとえば、AT1のユーザの優先権が評価され、ユーザの優先権が、現在のアプリケーション用に目標システムを使うことを許可するのに十分な場合、アプリケーション層パフォーマンスが優れているシステムへのハンドオフのみが実施されるように)、ならびに/または(vi)そのどの組合せも含み得る。
【0043】
監視される1つまたは複数のアプリケーション層パフォーマンスパラメータに基づいて、マルチメディアクライアント210Aは、510で、第1のシステムから第2のシステムへの、AT1のハンドオフをトリガするかどうか判断する。510の判定は、第1のシステム上での通信セッションに関するアプリケーション層パフォーマンスパラメータのみに基づかなくてよく、1つまたは複数の他のシステムの可用性、任意の利用可能システムの予想アプリケーション層パフォーマンスなどにも基づいてよい。510のアプリケーション層システムハンドオフ決定ブロックの例を、図6A〜図6Eを参照して以下に挙げる。
【0044】
AT1のマルチメディアクライアント210Aが、510で、第2のシステムにハンドオフしないと判断した場合、プロセスは505に戻り、AT1は、通信セッションが第1のシステム上で続く間、1つまたは複数の下位層パフォーマンスパラメータを監視し続ける。そうではなく、AT1のマルチメディアクライアント210Aが、510で、第2のシステムにハンドオフすると判断した場合、マルチメディアクライアント210Aは、515で、当技術分野で知られているように、第1のシステムから第2のシステムへの、AT1のハンドオフを開始し、またはトリガする。概して、515で、ハンドオフを容易にするために起こるシグナリングは、第1のシステムとの接続を解放し、第2のシステムとの接続を確立することを含む。これについては、図5に明示的には示していない。というのは、このシグナリングは、RAN120の異なるシステム(たとえば、EV-DOから1x、BCMCSからユニキャストEV-DO、ユニキャストEV-DOからWiFiなど)ごとに異なり得るからである。515で開始されたハンドオフを完了した後、AT1は、可能な場合、520で、第2のシステム上で通信セッションを続ける。
【0045】
図5を検討すると、マルチメディアクライアント210Aは、下位層コントローラと比較して、通信セッションに関する上位レベル情報へのアクセスを有することが当業者には諒解されよう。したがって、マルチメディアクライアント210Aは、物理層だけではなくアプリケーション層での通信セッションのパフォーマンスを考慮に入れることによって、システムハンドオフが求められるかどうか評価するのに、より良い状況にある可能性があり得る。図5のプロセスのより詳細な実装例についてここで、図6A〜図6Eを参照して記載する。
【0046】
図6Aは、本発明の実施形態による、あるアプリケーション層パフォーマンスパラメータが、ワイヤレス通信システム100内のAT1のロケーションに対応する、図5のシステムハンドオフプロセスを示す図である。
【0047】
図6Aを参照すると、AT1は、600Aで、図5の500を参照して上述したように、第1のシステム上で通信セッションをセットアップする。605Aで、マルチメディアクライアント210Aは、AT1に関連付けられたロケーション情報を判定する。ロケーション情報は、AT1を現在サービングしている基地局、AT1の地理座標(たとえば、GPS座標)、および/またはAT1のロケーションの他のどの識別法にも対応し得る。610Aで、マルチメディアクライアント210Aは、AT1のロケーション情報を、システム100の確定ロケーション領域と比較する。ある例では、確定ロケーション領域は、セクタのリストに対応し、その結果、605AからのAT1の現在のセクタがセクタのリストにある場合、マルチメディアクライアント210Aは、ある特定のシステム(たとえば、ユニキャストEV-DO、BCMCSなど)がAT1によって利用可能であり、かつ/またはAT1による使用を許可されるかどうか推論することができる。ロケーション情報を判定する確定ロケーション領域および方法は、2009年3月26日に出願され、本出願の同一譲受人に譲渡され、参照によりその全体が本明細書に組み込まれている、「REGULATING THE SCOPE OF SERVICE GEOGRAPHICALLY IN WIRELESS NETWORKS」と題する、同時係属中の米国仮特許出願第61/163,834号により詳しく記載されている。
【0048】
したがって、図6Aの例では、1つまたは複数の測定されたアプリケーション層パフォーマンスパラメータは、AT1に関連付けられた何らかのタイプのロケーション情報を含む。610Aのロケーション比較が、AT1が確定ロケーション領域の内側または外側にあることを示す場合、マルチメディアクライアント210Aは、別のシステムへのハンドオフを試みるかどうか判断することができる。たとえば、AT1がここで、AT1が確定ロケーション領域の外側にあると判断した場合、別のシステムへのハンドオフが行われる必要があることがマルチメディアクライアント210Aにとってわかるように、確定ロケーション領域は、第1のシステム上でのAT1の通信セッションをサポートするように構成されたセクタを示すことができ、そうでなければ、通信セッションは途切れることになる。別の例では、確定ロケーション領域は、第1のシステムよりも望ましいシステム(「第2のシステム」)が、AT1の通信セッションをサポートするために利用可能であるセクタを示し得る。さらに別の例では、第1のシステムは、RAN120のEV-DOネットワーク内でIPマルチキャストプロトコルによりグループ通信セッションをサポートするためのBCMCSに対応してよく、第2のシステムは、RAN120のEV-DOネットワーク内でIPユニキャストプロトコルによりグループ通信セッションをサポートするためのユニキャストEV-DOに対応してよい(またはその逆も同様)。
【0049】
605AからのAT1のロケーション情報と確定ロケーション領域との間の関係に基づいて、マルチメディアクライアント210Aは、第1のシステム上での通信セッション中にAT1のロケーションを監視し続け、605Aに戻るか、そうでなければ615Aに進む。615Aで、AT1は、第2のシステムが、第1のシステムよりも高いと予想されるアプリケーション層パフォーマンスレベルでAT1の通信セッションをサポートするために利用可能かどうか判定する。ある例では、第2のシステムの存在は、確定ロケーション領域とのAT1の関係から推論することができる。615Aで、第2のシステムが、AT1の通信セッションをサポートするために利用可能であるとは判断されない場合、プロセスは605Aに戻り、AT1は、第1のシステム上での通信セッション中にAT1のロケーションを監視し続ける。そうではなく、615Aで、より高い予想アプリケーション層パフォーマンスレベルに関連付けられた第2のシステムが利用可能であると判断された場合、マルチメディアクライアント210Aは、620Aで、当技術分野で知られているように、第1のシステムから第2のシステムへの、AT1のハンドオフを開始し、またはトリガする。620Aで開始されたハンドオフを完了した後、AT1は、可能な場合、625Aで、第2のシステム上で通信セッションを続ける。したがって、図6Aの実施形態は、アクセス端末のロケーションを使って、アクセス端末のシステム間ハンドオフをいつ実施するか判断できるようにするための一方法を示す。
【0050】
図6Aを参照すると、AT1が605AでAT1のロケーションを判定し直す度に、ブロック610A、615Aに関連付けられた決定論理では、AT1の新規獲得ロケーションを使って、システム間ハンドオフを実施するかどうか判断することができる。ある例では、AT1による、AT1のロケーションの判定の各反復は、タイマベース(すなわち、所与の周期で実施される)、もしくはイベントベース、またはその組合せでよい。ある例では、AT1がそのロケーションを判定することをトリガし得るイベントは、AT1が新規セルまたはセクタにハンドオフしたとき(たとえば、所望のブロードキャストマルチキャストサービス(BCMCS)フローをブロードキャストしないセクタにATが入った際に、AT1によって報告されるBCMCSフロー状況が利用不可能になったときなど)、現在のシステム上での通信セッションに関するメディアエラーレート(MER)が閾値よりも高くなること、ならびに/またはシステムパフォーマンスおよび/もしくは可用性に影響を与える可能性がある他のどの起こり得るイベントも含み得る。
【0051】
図6Bは、本発明の実施形態による、あるアプリケーション層パフォーマンスパラメータが、ワイヤレス通信システム100内のAT1の通信セッションに関するメディアエラーレート(MER)に対応する、図5のシステムハンドオフプロセスを示す図である。
【0052】
図6Bを参照すると、AT1は、600Bで、図5の500を参照して上述したように、第1のシステム上で通信セッションをセットアップする。605Bで、マルチメディアクライアント210Aは、第1のシステム上での通信セッションに関するMERを監視する。たとえば、監視されるMERは、マルチメディアクライアント210Aが経験するエラーの数の時間平均指示に対応し得る。当業者には諒解されるように、FERは物理層において測定され、MERはアプリケーション層において測定されるので、MERはFERとは異なる。したがって、たとえば、MERは、AT1上でマルチメディアクライアント210Aによって再生される実際のメディアにおいてエラーを経験するかどうかに基づき、FERは、個々の移送パケットのフレーム復号エラーに基づく。
【0053】
605Bで、第1のシステム上での通信セッションに関するMERを判定した後、マルチメディアクライアント210Aは、610Bで、AT1のMERをMER閾値と比較する。610Bで、AT1のMERがMER閾値よりも低いと判定された場合、プロセスは605Bに戻り、マルチメディアクライアント210Aは、第1のシステム上での通信セッション中のMERを監視し続ける。そうではなく、610Bで、AT1のMERが、MER閾値以上と判定された場合、AT1は、615Bで、第2のシステムが、第1のシステムよりも高いと予想されるアプリケーション層パフォーマンスレベルでAT1の通信セッションをサポートするために利用可能かどうか判断する。図6Bの例では、このことは、システムが、MER閾値よりも低い、または少なくとも、AT1の通信セッション用の第1のシステムに関連付けられたMERよりも低いMERを提供すると予想されることを意味する。
【0054】
615Bで、第2のシステムが、AT1の通信セッションをサポートするために利用可能であるとは判断されない場合、プロセスは605Bに戻り、AT1は、第1のシステム上での通信セッション中にMERを監視し続ける。そうではなく、615Bで、より高い予想アプリケーション層パフォーマンスレベルに関連付けられた第2のシステムが利用可能であると判断された場合、マルチメディアクライアント210Aは、620Bで、当技術分野で知られているように、第1のシステムから第2のシステムへの、AT1のハンドオフを開始し、またはトリガする。620Bで開始されたハンドオフを完了した後、AT1は、可能な場合、625Bで、第2のシステム上で通信セッションを続ける。したがって、図6Bの実施形態は、MERを使って、アクセス端末のシステム間ハンドオフをいつ実施するか判断できるようにするための一方法を示す。
【0055】
図6Cは、本発明の実施形態による、あるアプリケーション層パフォーマンスパラメータが、ワイヤレス通信システム100内のAT1の通信セッションに関する停止持続時間に対応する、図5のシステムハンドオフプロセスを示す図である。
【0056】
図6Cを参照すると、AT1は、600Cで、図5の500を参照して上述したように、第1のシステム上で通信セッションをセットアップする。605Cで、マルチメディアクライアント210Aは、第1のシステム上での通信セッションに関するODを監視する。たとえば、監視されるODは、RAN120の第1のシステムから、通信セッションに関連付けられたメディアが受信されない期間に対応し得る。さらに別の例では、ODは、マルチメディアクライアント210Aによって各成功アプリケーション層メディアフレーム(たとえば、ビデオフレーム、音声フレームなど)が出力された後でリセットされるタイマに対応し得る。
【0057】
605Cで、第1のシステム上での通信セッションに関するODを判定した後、マルチメディアクライアント210Aは、610Cで、AT1のODをOD閾値と比較する。610Cで、AT1のODがOD閾値よりも低いと判定された場合、プロセスは605Cに戻り、マルチメディアクライアント210Aは、第1のシステム上での通信セッション中のODを監視し続ける。そうではなく、610Cで、AT1のODが、OD閾値以上と判定された場合、AT1は、615Cで、第2のシステムが、第1のシステムよりも高いと予想されるアプリケーション層パフォーマンスレベルでAT1の通信セッションをサポートするために利用可能かどうか判断する。図6Cの例では、このことは、システムが、OD閾値よりも低い、または少なくとも、AT1の通信セッション用の第1のシステムに関連付けられたODよりも低いODを与えると予想されることを意味する。
【0058】
615Cで、第2のシステムが、AT1の通信セッションをサポートするために利用可能であるとは判断されない場合、プロセスは605Cに戻り、AT1は、第1のシステム上での通信セッション中にODを監視し続ける。そうではなく、615Cで、より高い予想アプリケーション層パフォーマンスレベルに関連付けられた第2のシステムが利用可能であると判断された場合、マルチメディアクライアント210Aは、620Cで、当技術分野で知られているように、第1のシステムから第2のシステムへの、AT1のハンドオフを開始し、またはトリガする。620Cで開始されたハンドオフを完了した後、AT1は、可能な場合、625Cで、第2のシステム上で通信セッションを続ける。したがって、図6Cの実施形態は、ODを使って、アクセス端末のシステム間ハンドオフをいつ実施するか判断できるようにするための一方法を示す。
【0059】
図6Dは、本発明の実施形態による、あるアプリケーション層パフォーマンスパラメータが、ワイヤレス通信システム100内のAT1の通信セッションに関連したサービスに対して、AT1を使っている加入者が課金される現在のレートに対応する、図5のシステムハンドオフプロセスを示す図である。
【0060】
図6Dを参照すると、AT1は、600Dで、図5の500を参照して上述したように、第1のシステム上で通信セッションをセットアップする。605Dで、マルチメディアクライアント210Aは、AT1を使っている加入者が、第1のシステム上での通信セッション関連したサービスに対して課金されている現在のレートを監視する。たとえば、第1のシステムが、固定レートでの無制限サービスを提供するように構成された、加入者のホームWiFiネットワークに対応する場合、第1のシステム上でのAT1の通信セッションに対する課金レートは、ゼロと解釈され得る。別の例では、第1のシステムが、一定の数分間を与えるように構成された、加入者の1xセルラープロバイダに対応し、その後で1分あたりの使用料金を課金する場合、第1のシステム上でのAT1の通信セッションに対する課金レートは、どれだけの使用を加入者が負っているかに依存して、1分間の使用に金額的に等価なもの、すなわち1分あたりの料金と解釈され得る。諒解されるように、システム接続性に関連付けられた異なる料金プランは、605Dの監視される課金レートが、サービスに対して加入者に課金するための様々な方法のいずれにも対応し得ることを意味する。
【0061】
605Dで、第1のシステム上での通信セッションに関する課金レートを判定した後、マルチメディアクライアント210Aは、610Dで、AT1の課金レートを課金レート閾値と比較する。610Dで、AT1の課金レートが課金レート閾値よりも低いと判定された場合、プロセスは605Dに戻り、マルチメディアクライアント210Aは、第1のシステム上での通信セッション中の課金レートを監視し続ける。そうではなく、610Dで、AT1の課金レートが、課金レート閾値以上と判定された場合、AT1は、615Dで、第2のシステムが、第1のシステムよりも高いと予想されるアプリケーション層パフォーマンスレベルでAT1の通信セッションをサポートするために利用可能かどうか判断する。図6Dの例では、このことは、システムが、課金レート閾値よりも低い、または少なくとも、AT1の通信セッション用の第1のシステムに関連付けられた課金レートよりも低い課金レートを提供すると予想されることを意味する。たとえば、第2のシステムが、ATが専用チャネルを使う第1のシステム内(たとえば、EV-DOや1x内)で監視していたある特定のマルチキャストセッションをブロードキャストしているBCMCSシステムである場合、第2のシステムの課金レートは、より安くなる。ある例では、課金レート閾値は、実際に使われる必要はなく、図6Dのプロセスはむしろ、直接図6Dに進んでよく、ここでAT1の現在の課金レートは単に、1つまたは複数の他の利用可能システムの課金レートと比較される。
【0062】
615Dで、第2のシステムが、AT1の通信セッションをサポートするために利用可能であるとは判断されない場合、プロセスは605Dに戻り、AT1は、第1のシステム上での通信セッション中に課金レートを監視し続ける。そうではなく、615Dで、より高い予想アプリケーション層パフォーマンスレベルに関連付けられた第2のシステムが利用可能であると判断された場合、マルチメディアクライアント210Aは、620Dで、当技術分野で知られているように、第1のシステムから第2のシステムへの、AT1のハンドオフを開始し、またはトリガする。620Dで開始されたハンドオフを完了した後、AT1は、可能な場合、625Dで、第2のシステム上で通信セッションを続ける。したがって、図6Dの実施形態は、課金レートを使って、アクセス端末のシステム間ハンドオフをいつ実施するか判断できるようにするための一方法を示す。
【0063】
図6A〜図6Dの実施形態では、第1のシステムと第2のシステムとの間のハンドオフを、異なるアプリケーション層パフォーマンスパラメータに基づくものとして記載している。図6A〜図6Dはそれぞれ、ある特定のアプリケーション層パフォーマンスパラメータに関して記載されているが、AT1でのどのシステムハンドオフ決定に関しても、複数のアプリケーション層パフォーマンスパラメータを考慮してよいことが諒解されよう。たとえば、OD、MER、ロケーションおよび/または現在の課金レートの2つ以上を、別のシステムにハンドオフするかどうかの決定において考慮してよく、AT1のネットワークオペレータまたはユーザが、どのアプリケーション層パフォーマンスパラメータが他のパラメータよりも優先されるかを設定する。したがって、指定されたアプリケーション層パフォーマンスパラメータのいずれかが、AT1の通信セッション中に劣化した場合、少なくとも劣化パラメータ(たとえば、少なくとも、劣化パラメータと優先度が等しいか、それよりも高い他の各パラメータに対して予想される閾値パフォーマンス量をもつ)に関して優れたパフォーマンスが予想される限り、別のシステムへのハンドオフがトリガされる可能性があり得る。
【0064】
さらに、図6A〜図6Dはそれぞれ、起こり得るハンドオフに対して考慮される、2つの特定のシステム、すなわち、AT1の現在のシステム(「第1のシステム」)および予期されるシステム(「第2のシステム」)に関して記載されている。ただし、複数のシステムが、第1のシステムからのハンドオフに利用可能であることが可能である。この場合、各利用可能システムは、図6Eを参照して後で説明するように、ハンドオフ決定中に評価され得る。
【0065】
図6Eは、本発明の実施形態による、ワイヤレス通信システム100内のAT1の通信セッション中の、第1のシステム(たとえば、システム1)から複数の他の可能システム(たとえば、システム2〜Nであり、N>2)の1つへの、AT1の起こり得るハンドオフ中に1つまたは複数のアプリケーション層パフォーマンスパラメータが考慮される、図5のシステムハンドオフプロセスを示す。
【0066】
図6Eを参照すると、AT1は、600Eで、図5の500を参照して上述したように、第1のシステム上で通信セッションをセットアップする。605Eで、マルチメディアクライアント210Aは、第1のシステム上でのAT1の通信セッション用の1つまたは複数のアプリケーション層パフォーマンスパラメータ(たとえば、OD、MER、課金レート、ロケーション、そのあらゆる組合せなど)を監視する。第1のシステム上での、AT1の通信セッション用の1つまたは複数のアプリケーション層パフォーマンスパラメータを判定し、または測定した後、マルチメディアクライアント210Aは、610Eで、判定されたパラメータが、第1のシステムにおけるパフォーマンスがAT1の通信セッション用に十分であることを示すかどうか判断する。第1のシステムが、マルチメディアクライアント210Aによって、適切なパフォーマンスを提供すると判断された場合、プロセスは605Eに戻り、AT1は、第1のシステムにおいて通信セッションが続く間、アプリケーション層パフォーマンスパラメータを監視し続ける。そうではなく、第1のシステムが、マルチメディアクライアント210Aによって、適切なパフォーマンスを提供しないと判断された場合、マルチメディアクライアント210Aは、615Eで、複数のシステム2〜Nそれぞれにおける、AT1の通信セッションに対するパフォーマンスの期待値を判定する。たとえば、アプリケーション層パフォーマンスパラメータが、通信セッションに対する課金レートを含む場合、マルチメディアクライアント210Aは、AT1を使っている加入者が、システム2〜Nそれぞれにおいてどれだけ課金されることになるか判断することができる。別の例では、アプリケーション層パフォーマンスパラメータがAT1のロケーションを含む場合、マルチメディアクライアント210Aは、AT1のロケーションに基づいて、システム2〜Nのどれが利用可能であるか、および/またはパフォーマンスの程度を判定するなどのことができる。
【0067】
620Eで、マルチメディアクライアント210Aは、システム2〜Nの中で、最も高いパフォーマンス期待値に関連付けられたシステムを判定する。ある例では、システム2〜Nの中の所与のシステムが、あるパラメータに対してはより高いパフォーマンス期待値、および別のパラメータに対してはより低いパフォーマンス期待値をもつ場合がある。この場合、各パフォーマンスパラメータに(たとえば、目的関数でのように)重みを割り当てることができ、複合パフォーマンス評価を計算することができ、最も高い複合パフォーマンス評価は、全体として、最高レベルのパフォーマンスを与えると予想されるシステムに対応する
【0068】
次に、625Eで、マルチメディアクライアント210Aは、620Eからの最高レートのシステムが、AT1がその通信セッションのサポートのために現在使っている第1のシステムよりも優れたパフォーマンス提供すると予想されるかどうか判断する。システム2〜Nの中の最高レートのシステムが、第1のシステムよりも優れたパフォーマンスを提供すると予想されない場合、プロセスは605Eに戻り、AT1は、第1のシステムにおいて通信セッションが続く間、アプリケーション層パフォーマンスパラメータを監視し続ける。そうではなく、システム2〜Nの中の最高レートのシステムが、第1のシステムよりも優れたパフォーマンスを提供すると予想される場合、マルチメディアクライアント210Aは、630Eで、当技術分野で知られているように、第1のシステムから、システム2〜Nの中の最高レートのシステムへの、AT1のハンドオフを開始し、またはトリガする。630Eで開始されたハンドオフを完了した後、AT1は、可能な場合、635Eで、その新規システム上で通信セッションを続ける。
【0069】
情報および信号は、多種多様な技術および技法のいずれかを使用して表すことができることを当業者は諒解されよう。たとえば、上記の説明全体にわたって言及され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、およびチップは、電圧、電流、電磁波、磁界または磁性粒子、光場または光学粒子、あるいはそれらの任意の組合せによって表され得る。
【0070】
さらに、本明細書で開示した実施形態に関連して説明した様々な例示的な論理ブロック、モジュール、回路、およびアルゴリズムステップは、電子ハードウェア、コンピュータソフトウェア、または両方の組合せとして実装できることを、当業者は諒解されよう。ハードウェアとソフトウェアのこの互換性を明確に示すために、様々な例示的な構成要素、ブロック、モジュール、回路、およびステップを、上記では概してそれらの機能に関して説明した。そのような機能をハードウェアとして実装するか、ソフトウェアとして実装するかは、特定の適用例および全体的なシステムに課される設計制約に依存する。当業者は、説明した機能を特定の適用例ごとに様々な方法で実装することができるが、そのような実装の決定は、本発明の範囲からの逸脱を生じるものと解釈すべきではない。
【0071】
本明細書で開示する実施形態に関して説明する様々な例示的な論理ブロック、モジュール、および回路は、汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)または他のプログラマブル論理デバイス、個別ゲートまたはトランジスタ論理、個別ハードウェア構成要素、または本明細書で説明する機能を実行するように設計されたそれらの任意の組合せで実装または実行することができる。汎用プロセッサはマイクロプロセッサであり得るが、代替として、プロセッサは、任意の従来のプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、または状態機械であり得る。プロセッサはまた、コンピューティングデバイスの組合せ、たとえば、DSPとマイクロプロセッサとの組合せ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと連携する1つまたは複数のマイクロプロセッサ、あるいは任意の他のそのような構成として実装され得る。
【0072】
本明細書で開示した実施形態と関連して説明した方法、シーケンス、および/またはアルゴリズムは、ハードウェアで、プロセッサによって実行されるソフトウェアモジュールで、またはその2つの組合せで直接実施され得る。ソフトウェアモジュールは、RAMメモリ、フラッシュメモリ、ROMメモリ、EPROMメモリ、EEPROMメモリ、レジスタ、ハードディスク、リムーバブルディスク、CD-ROM、または当技術分野で知られている任意の他の形態の記憶媒体中に常駐することができる。例示的な記憶媒体は、プロセッサが記憶媒体から情報を読み取り、記憶媒体に情報を書き込むことができるように、プロセッサに結合される。代替として、記憶媒体はプロセッサと一体であり得る。プロセッサおよび記憶媒体はASIC中に常駐することができる。ASICはユーザ端末(たとえば、アクセス端末)中に常駐し得る。代替として、プロセッサおよび記憶媒体は、ユーザ端末中に個別構成要素として常駐し得る。
【0073】
1つまたは複数の例示的な実施形態では、説明した機能はハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはそれらの任意の組合せで実装され得る。ソフトウェアで実装する場合、機能は、1つまたは複数の命令またはコードとしてコンピュータ可読媒体上に記憶されるか、あるいはコンピュータ可読媒体を介して送信され得る。コンピュータ可読媒体は、ある場所から別の場所へのコンピュータプログラムの転送を可能にする任意の媒体を含む、コンピュータ記憶媒体とコンピュータ通信媒体の両方を含む。記憶媒体は、コンピュータによってアクセスされ得る任意の利用可能な媒体であり得る。限定ではなく例として、そのようなコンピュータ可読媒体は、RAM、ROM、EEPROM、CD-ROMまたは他の光ディスクストレージ、磁気ディスクストレージまたは他の磁気ストレージデバイス、あるいは命令またはデータ構造の形態の所望のプログラムコードを搬送または記憶するために使用でき、コンピュータによってアクセスできる、任意の他の媒体を含むことができる。また、いかなる接続もコンピュータ可読媒体と適切に呼ばれる。たとえば、ソフトウェアが同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、デジタル加入者回線(DSL)、またはワイヤレス技術、たとえば赤外線、無線、およびマイクロ波を使用してウェブサイト、サーバ、または他のリモートソースから送信される場合、赤外線、無線、およびマイクロ波などの同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、DSL、またはワイヤレス技術は媒体の定義内に含まれる。本明細書で使用する場合、ディスク(disk)およびディスク(disc)は、コンパクトディスク(CD)、レーザディスク、光ディスク、デジタル多用途ディスク(DVD)、フレキシブルディスク、およびブルーレイディスクを含み、ディスク(disk)は、通常、磁気的にデータを再生し、ディスク(disc)は、レーザで光学的にデータを再生する。上記の組合せもコンピュータ可読媒体の範囲内に含まれるものとする。
【0074】
上記の開示は本発明の例示的な実施形態を示すが、添付の特許請求の範囲によって規定される本発明の範囲から逸脱することなく本明細書において様々な変更および修正を行うことができることに留意されたい。本明細書で説明した本発明の実施形態による方法クレームの機能、ステップおよび/またはアクションを特定の順序で実行しなくてもよい。さらに、本発明の要素は、単数形で説明または請求されていることがあるが、単数形に限定することが明示的に述べられていない限り、複数形が企図される。
【符号の説明】
【0075】
100 ワイヤレスシステム、システム、ワイヤレス通信システム
102 アクセス端末、セルラー電話、ワイヤレスクライアントコンピューティングデバイス
104 エアインターフェース
108 アクセス端末、携帯情報端末、ワイヤレスクライアントコンピューティングデバイス
110 アクセス端末、ページャ、ワイヤレスクライアントコンピューティングデバイス
112 アクセス端末、コンピュータプラットフォーム、ワイヤレスクライアントコンピューティングデバイス
126 キャリアネットワーク
120 無線アクセスネットワーク(RAN)
122 基地局コントローラ/パケット制御機能(BSC/PCF)
124 モデムプールトランシーバ(MPT)
160 パケットデータサービングノード(PDSN)
162 第1のパケットデータネットワークエンドポイント
164 第2のパケットデータネットワークエンドポイント
165 ブロードキャストサービングノード(BSN)
170 アプリケーションサーバ
170A 地域ディスパッチャ
170B メディア制御コンプレックス(MCC)
175 インターネット
182 認証、認可および課金(AAA)サーバ
184 プロビジョニングサーバ
186 インターネットプロトコル(IP)マルチメディアサブシステム(IMS)/セッション開始プロトコル(SIP)登録サーバ
188 ルーティングユニット
200 アクセス端末
202 プラットフォーム
206 トランシーバ
208 特定用途向け集積回路(ASIC)
210 アプリケーションプログラミングインターフェース(API)
210A マルチメディアクライアント
212 メモリ
214 ローカルデータベース
222 アンテナ
224 ディスプレイ
228 プッシュツートークボタン
226 キーパッド

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信システム内の通信セッションに参加する方法であって、
第1の物理層に関連付けられた第1のシステムを介してサポートされる通信セッションに参加するステップと、
前記通信セッションに関連付けられた1つまたは複数のアプリケーション層パフォーマンスパラメータを監視するステップと、
前記監視するステップに少なくとも部分的に基づいて、前記通信セッションを、前記第1のシステムから、第2の物理層に関連付けられた第2のシステムにハンドオフするかどうか判断するステップと、
前記判断するステップに基づいて、前記通信セッションを、前記第1のシステムから前記第2のシステムに選択的にハンドオフするステップとを含む方法。
【請求項2】
前記第1のシステムおよび/または前記第2のシステムが、WiFiシステム、CDMA2000 1xシステム、広帯域CDMA(WCDMA)システム、周波数分割多元接続(FDMA)システム、時分割多元接続(TDMA)システム、直交周波数分割多重(OFDM)システム、ロングタームエボリューション(LTE)システム、ブロードキャストおよびマルチキャストサービス(BCMCS)システムならびに/またはマルチメディアブロードキャスト/マルチキャストサービス(MBMS)システムの1つまたは複数に対応する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記1つまたは複数のアプリケーション層パフォーマンスパラメータが、アクセス端末(AT)のロケーションが、確定ロケーション領域に対する所与の関係を満足するかどうか、前記第1のシステムを介してサポートされる前記通信セッションのメディアエラーレート(MER)、前記第1のシステムを介してサポートされる前記通信セッションの停止持続時間(OD)および/または前記第1のシステムを介してサポートされる前記通信セッションに関連付けられた課金レートを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記判断するステップが、前記監視するステップに部分的に基づいて、また、ハンドオフが起きた場合は前記第2のシステムの可用性および/またはアプリケーション層パフォーマンス期待値に部分的に基づいて、前記通信セッションを前記第1のシステムから前記第2のシステムにハンドオフすると判断する、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記通信セッションをサポートする前記第1および/または第2のシステムが、前記通信セッションに参加するアクセス端末(AT)が、前記ATと少なくとも1つの他のATとの間の前記通信セッションを調停しているアプリケーションサーバと通信する際に経由するアクセスネットワークの異なる接続機構に対応する、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記1つまたは複数のアプリケーション層パフォーマンスパラメータが、アクセス端末(AT)のロケーションが、確定ロケーション領域に対する所与の関係を満足するかどうかを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記監視するステップが、
前記ATの前記ロケーションを判定するステップと、
前記ATの前記判定されたロケーションを前記確定ロケーション領域と比較するステップであって、前記確定ロケーション領域が、前記第1のシステムが前記通信セッションをサポートし得るエリアを確定するステップと、
前記ATの前記判定されたロケーションが、前記第1のシステムが前記通信セッションをサポートし得るエリアにないことを前記比較が示す場合、前記第1のシステムから前記第2のシステムへの、前記通信セッションのハンドオフを試みるステップとを含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記第2のシステムがハンドオフ用に利用可能であると判断された場合にのみ、前記試みるステップが実施される、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記第2のシステムのアプリケーション層パフォーマンス期待値がパフォーマンス閾値を上回る場合にのみ、前記試みるステップが実施される、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記アクセス端末(AT)のユーザの優先権が、前記通信セッションに前記第2のシステムを使うことを許可するのに十分である場合にのみ、前記試みるステップが実施される、請求項7に記載の方法。
【請求項11】
前記1つまたは複数のアプリケーション層パフォーマンスパラメータが、前記第1のシステムを介してサポートされる前記通信セッションのメディアエラーレート(MER)を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記監視するステップが、
前記第1のシステムを介してサポートされる前記通信セッションの少なくとも一部分の間に前記MERを判定するステップと、
前記判定されたMERをMER閾値と比較するステップと、
前記比較が、前記判定されたMERが前記MER閾値を上回ることを示す場合、前記第1のシステムから前記第2のシステムへの、前記通信セッションのハンドオフを試みるステップとを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記第2のシステムがハンドオフ用に利用可能であると判断された場合にのみ、前記試みるステップが実施される、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記第2のシステムのアプリケーション層パフォーマンス期待値がパフォーマンス閾値を上回る場合にのみ、前記試みるステップが実施される、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記アクセス端末(AT)のユーザの優先権が、前記通信セッションに前記第2のシステムを使うことを許可するのに十分である場合にのみ、前記試みるステップが実施される、請求項11に記載の方法。
【請求項16】
前記1つまたは複数のアプリケーション層パフォーマンスパラメータが、前記第1のシステムを介してサポートされる前記通信セッションの停止持続時間(OD)を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
前記監視するステップが、
前記第1のシステムを介してサポートされる前記通信セッションの少なくとも一部分の間に前記ODを判定するステップと、
前記判定されたODをOD閾値と比較するステップと、
前記比較が、前記判定されたODが前記OD閾値を上回ることを示す場合、前記第1のシステムから前記第2のシステムへの、前記通信セッションのハンドオフを試みるステップとを含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記第2のシステムがハンドオフ用に利用可能であると判断された場合にのみ、前記試みるステップが実施される、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記第2のシステムのアプリケーション層パフォーマンス期待値がパフォーマンス閾値を上回る場合にのみ、前記試みるステップが実施される、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記アクセス端末(AT)のユーザの優先権が、前記通信セッションに前記第2のシステムを使うことを許可するのに十分である場合にのみ、前記試みるステップが実施される、請求項17に記載の方法。
【請求項21】
前記1つまたは複数のアプリケーション層パフォーマンスパラメータが、前記第1のシステムを介してサポートされる前記通信セッションの課金レートを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項22】
前記監視するステップが、
前記第1のシステムを介してサポートされる前記通信セッションの少なくとも一部分の間に前記課金レートを判定するステップと、
前記判定された課金レートを課金レート閾値と比較するステップと、
前記比較が、前記判定された課金レートが前記課金レート閾値を上回ることを示す場合、前記第1のシステムから前記第2のシステムへの、前記通信セッションのハンドオフを試みるステップとを含む、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記第2のシステムがハンドオフ用に利用可能であると判断された場合にのみ、前記試みるステップが実施される、請求項21に記載の方法。
【請求項24】
前記課金レート閾値が、前記第2のシステムを介しての前記通信セッションの実施に関連付けられた課金レートに対応する、請求項22に記載の方法。
【請求項25】
前記アクセス端末(AT)のユーザの優先権が、前記通信セッションに前記第2のシステムを使うことを許可するのに十分である場合にのみ、前記試みるステップが実施される、請求項21に記載の方法。
【請求項26】
前記判断するステップが、
前記監視するステップが、前記1つまたは複数のアプリケーション層パフォーマンスパラメータが十分でないことを示す場合、前記第1のシステム以外の複数のシステムそれぞれにおける前記通信セッションの実施に関連付けられたアプリケーション層パフォーマンス期待値を評価するステップと、
前記評価するステップが、前記複数のシステムの少なくとも1つが前記第1のシステムよりも優れたアプリケーション層パフォーマンスを提供すると予想されることを示す場合、前記複数のシステムの1つを前記第2のシステムとして選択するステップとを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項27】
前記選択されたシステムが、前記複数のシステムの中で、アプリケーション層パフォーマンス期待値が最も高い所与のシステムに対応する、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
通信システム内の通信セッションに参加するように構成されたアクセス端末であって、
第1の物理層に関連付けられた第1のシステムを介してサポートされる通信セッションに参加するための手段と、
前記通信セッションに関連付けられた1つまたは複数のアプリケーション層パフォーマンスパラメータを監視するための手段と、
前記監視することに少なくとも部分的に基づいて、前記通信セッションを、前記第1のシステムから、第2の物理層に関連付けられた第2のシステムにハンドオフするかどうか判断するための手段と、
前記判断に基づいて、前記通信セッションを、前記第1のシステムから前記第2のシステムに選択的にハンドオフするための手段とを含むアクセス端末。
【請求項29】
通信システム内の通信セッションに参加するように構成されたアクセス端末であって、
第1の物理層に関連付けられた第1のシステムを介してサポートされる通信セッションに参加するように構成されたロジックと、
前記通信セッションに関連付けられた1つまたは複数のアプリケーション層パフォーマンスパラメータを監視するように構成されたロジックと、
前記監視することに少なくとも部分的に基づいて、前記通信セッションを、前記第1のシステムから、第2の物理層に関連付けられた第2のシステムにハンドオフするかどうか判断するように構成されたロジックと、
前記判断に基づいて、前記通信セッションを、前記第1のシステムから前記第2のシステムに選択的にハンドオフするように構成されたロジックと、を含むアクセス端末。
【請求項30】
通信システム内の通信セッションに参加するように構成されたアクセス端末によって実行されると、前記アクセス端末に動作を実施させるプログラムコードを記録するコンピュータ可読記録媒体であって、前記プログラムコードが、
第1の物理層に関連付けられた第1のシステムを介してサポートされる通信セッションに参加するためのプログラムコードと、
前記通信セッションに関連付けられた1つまたは複数のアプリケーション層パフォーマンスパラメータを監視するためのプログラムコードと、
前記監視することに少なくとも部分的に基づいて、前記通信セッションを、前記第1のシステムから、第2の物理層に関連付けられた第2のシステムにハンドオフするかどうか判断するためのプログラムコードと、
前記判断に基づいて、前記通信セッションを、前記第1のシステムから前記第2のシステムに選択的にハンドオフするためのプログラムコードと、を含むコンピュータ可読記録媒体。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図6D】
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【図6E】
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【公表番号】特表2013−518469(P2013−518469A)
【公表日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−550142(P2012−550142)
【出願日】平成23年1月21日(2011.1.21)
【国際出願番号】PCT/US2011/022007
【国際公開番号】WO2011/091227
【国際公開日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.WCDMA
2.LTE
【出願人】(507364838)クアルコム,インコーポレイテッド (446)
【Fターム(参考)】