ワイヤーハーネス
【課題】静電容量を持たせることが可能であると共に、曲げ加工がし易く、更に安価に提供可能なワイヤーハーネスを提供する。
【解決手段】複数の導体単位3が平面方向に配列された集合体からなる導体4と、前記導体4の周囲を覆う絶縁体5とからなるフラットケーブル2を、複数重ね合わせてワイヤーハーネス1を構成した。
【解決手段】複数の導体単位3が平面方向に配列された集合体からなる導体4と、前記導体4の周囲を覆う絶縁体5とからなるフラットケーブル2を、複数重ね合わせてワイヤーハーネス1を構成した。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワイヤーハーネスに関するものであり、特に自動車等に好適に使用されるワイヤーハーネスに関するものである。
【背景技術】
【0002】
自動車のバッテリーとインバーター間等の電力回路に用いられるワイヤーハーネスとして、例えば図11(a)に示すように太いサイズの導体101の周囲を絶縁体102で被覆した、太いサイズの丸線103を組み合わせたケーブル100が用いられていた。また、図11(b)に示すように、2枚の幅広形状の銅板111、111を、誘電体112を間に介し対向配置して絶縁樹脂113で被覆して、静電容量を持たせた電源ケーブル110が公知である(例えば特許文献1参照)。
【0003】
また、上記特許文献1には、図11(c)に示すように、上記の幅広銅板の代わりに細線の銅電線121を複数並列に配置して一つの導体とし、両導体間に誘電体122を介在させた構成が開示されている。この構成によれば、曲げ加工性が向上し、配線作業が容易になるとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平5−236611号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
図11(a)に示す上記従来の丸線を使用したワイヤーハーネスは、安価に供給可能であるものの、大電流用でサイズが大きくなると、曲げ加工がし難くなるという問題があった。また、大電流で使用されるとスイッチングノイズが大きいという問題があった。
【0006】
また上記特許文献1に記載の図11(b)に示す2枚の幅広の銅板を誘電体を挟んで重ねたワイヤーハーネスは、導体間に誘電体を挟んで積層するため、コストが上昇してしまうという問題があった。また、幅広の銅板を導体として使用していると、曲げ加工がし難いという問題があった。
【0007】
また図11(c)に示す細線を並列に配置した導体を使用するワイヤーハーネスは、幅広の銅板を使用したものと比較して、更にコストが上昇してしまうという問題があった。またこのワイヤーハーネスは、幅方向の曲げに対し、導線の配列が乱れ易いという問題があった。
【0008】
本発明の解決しようとする課題は、上記問題点を解決しようとするものであり、静電容量を持たせることが可能であると共に、曲げ加工がし易く、更に安価に提供可能なワイヤーハーネスを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために本発明のワイヤーハーネスは、複数のフラットケーブルが重ね合わせられたものであり、前記フラットケーブルは、複数の導体単位が平面方向に配列された集合体から構成されている導体と、前記導体の外周を被覆する絶縁体とからなることを要旨とするものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明のワイヤーハーネスは、導体と、前記導体の外周を被覆する絶縁体とからなる複数のフラットケーブルが重ね合わせられたものであり、導体間に存在する絶縁体により静電容量を持たせることが可能である。そのため、ワイヤーハーネスの製造に際し、特別な誘電体等を導体の間に配置せずに、静電容量を持たせることができる。更に、導体が複数の導体単位が平面方向に配列された集合体から構成されている為、柔軟性、屈曲性に優れている。その結果、ワイヤーハーネスの曲げ加工がし易い。更にワイヤーハーネスを製造する場合に、複数のフラットケーブルを重ね合わせるだけで良いので、生産性に優れ、ワイヤーハーネスを安価に提供可能である。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は本発明のワイヤーハーネスの第1実施例を示す斜視図である。
【図2】図2は図1のワイヤーハーネスのA−A断面図である。
【図3】図3は図1のワイヤーハーネスのB−B断面図である。
【図4】図4は本発明ワイヤーハーネスの第2実施例の幅方向断面図である。
【図5】図5は本発明ワイヤーハーネスの第3実施例の幅方向断面図である。
【図6】図6(a)は図1の導体を示す断面図であり、同図(b)は図4の導体を示す断面図であり、同図(c)は図5の導体を示す断面図である。
【図7】図7は本発明ワイヤーハーネスの第4実施例の幅方向断面図である。
【図8】図8は図1のワイヤーハーネスの周囲をテープで巻いた状態を示す幅方向断面図である。
【図9】図9は屈曲試験方法の説明図である。
【図10】図10は屈曲試験の結果を示すグラフである。
【図11】図11(a)〜(c)は、従来のワイヤーハーネスを示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施例について詳細に説明する。図1は本発明のワイヤーハーネスの第1実施例を示す斜視図である。図2は図1のワイヤーハーネスの幅方向であるA−A断面図である。図3は図1のワイヤーハーネスの長手方向であるB−B断面図である。図1〜図3に示すように、本実施例のワイヤーハーネス1は、二つのフラットケーブル2、2を、その厚み方向となる上下方向に重ね合わせたものである。更に各フラットケーブル2は、複数本の導体単位3、3、・・・が、フラットケーブル2の幅方向となる平面方向に配列され、前記導体単位3の集合体として、導体4が構成されている。フラットケーブル2の導体4は、幅方向の断面が、導体単位3が扁平な形状に集合した集合体として形成されている。更に各フラットケーブル2は、導体4の周囲が絶縁体5により被覆されている。
【0013】
図1に示す態様のワイヤーハーネス1は、二本のフラットケーブル2、2として、同一構造のフラットケーブル2を用いたものである。同一構造のフラットケーブル2を重ねるだけであれば、一種類のフラットケーブル2を製造するだけでワイヤーハーネス1を形成することができ、生産性に優れる。
【0014】
尚、図1では便宜上、下側のフラットケーブル2の右端の一つの導体単位3だけを被覆材である絶縁体5から露出させた状態を示した。図6(a)は、図1の導体を示す断面図である。図1に示すワイヤーハーネス1において、各フラットケーブル2の導体4は、7本の素線31を撚り合わせた撚線から構成されている。そして図1のワイヤーハーネス1は、この撚線からなる導体単位3を平面方向に並列に18本配列して一つの導体4を構成したものである。このように、導体4が複数の導体単位3が配列されて構成されている為、ワイヤーハーネス1は、厚み方向に曲げられた場合に、作用する応力を緩和することができ、屈曲性に優れたものとすることができる。
【0015】
本発明において、導体単位3は、複数の素線31により構成されていればよい。具体的な導体単位3の構成として、上記の複数の素線31を合わせた撚線以外に、素線31のみの単線、又は複数の素線31の集合線を用いてもよいが、撚線を用いることが好ましい。導体端子3に撚線を用いて導体4を構成した場合、ワイヤーハーネス1が幅方向に曲げられた際に、導体単位3の配列が乱れる虞が小さいという利点がある。撚線は、一般に撚りを解消するように伸張することができる。そのため伸張変形が容易である。導体単位3が、撚線により構成されていると、フラットケーブル1が厚み方向に曲げられた場合に、作用する応力を更に緩和することができ、屈曲性を更に優れたものとすることができる。
【0016】
素線31は、断面形状が特に限定されるものではないが、略円形状の丸線を用いるのが好ましい。
【0017】
素線31は、銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金などの金属線が用いられる。銅、銅合金としては、例えば、無酸素銅、タフピッチ銅、リン青銅などを例示することができる。素線31は、軟質のものでも良いし、硬質のものでも良い。また素線31には、スズやニッケルなどの金属めっきが施されていても良い。
【0018】
素線31の外径は、ワイヤーハーネス1の用途や、フラットケーブル2のサイズ等に応じて適宜選択することができるが、0.05〜0.60mmのものが好ましく用いられる。素線31の外径が0.6mm以下であると、応力低減効果に優れ、耐屈曲性に優れたワイヤーハーネス1が得られる。また素線の直径が0.05mm以上であると、製造時の取り扱いが容易であり、ワイヤーハーネス1の製造時や使用時に導体が断線する虞が小さくなる。素線31の外径の上限としては、より好ましくは、0.5mm以下、さらに好ましくは、0.4mm以下である。
【0019】
素線の外径と屈曲性との関係について実験を行った。その結果を表1及び図10のグラフに示す。尚、素線は丸線であり、外径は素線の直径である。表1に示すように、外径φ=1.00mm、0.80mm、0.45mm、0.35mm、0.20mmの5種類の素線について、下記方法に基づいて屈曲試験を行なった。尚、試験は各素線についてそれぞれ屈曲試験を3回ずつ行なった。その結果を表3および図10に示した。
【0020】
〔屈曲試験方法〕
図9は屈曲試験方法の説明図である。屈曲試験は、図9に示すように、長さ300mmの素線41の一端を回動アーム(図示せず)に固定し、その他端におもり42をつるし、素線41の長手方向中間部を一対の円柱状部材43、44(半径r=6mm)に挟みこんだ状態で、素線41が円柱状部材43、44の周面に沿うように、一方向に90度、他方向に90度、回動アームを回動させて、曲げ半径6mmで素線41を繰返し屈曲させることにより行なった。おもり42としては、素線41に対して25.5MPaの応力が作用するように調整したものを用いた。屈曲の繰返し速度は1分間に90往復とした。この際、屈曲試験によって素線41が断線に至るまでの屈曲回数(往復回数)をもって屈曲性を評価した。
【0021】
【表1】
【0022】
表1及び図10に示す結果から、素線の外径が小さくなるのに伴い、断線に至る屈曲回数が増加し、特に素線の外径が0.60mm以下となる範囲で、屈曲回数が急激に増加していることが確認できた。また、通常、断線に至る屈曲回数が70回(図10中に点線で示した)以上であると、実用上問題ない耐屈曲性が得られるところ、素線の外径が0.60mm以下では屈曲回数が70回を超えていることも確認できた。この結果は、複数本の素線の集合体である撚線および撚線を用いた導体単位3においても同様の結果が得られるものと推察できる。したがって、素線の外径は0.60mm以下であることが特に好ましいことが確認できた。
【0023】
複数の素線31を組み合わせた撚線から導体単位3を構成する場合、各素線31は、同一のサイズを用いても良いし、複数のサイズを組み合わせて用いても、いずれでも良い。例えば、導体単位3が図6(a)に示すような撚線の場合には、中心の素線31の直径が、その周囲に配置される素線31の直径より大きい構成であっても良い。
【0024】
導体単位3が素線31の撚線から構成される場合、各々の素線31は圧縮加工なしで円形状に形成しても良いし、撚り合わされた状態でさらに撚線全体の断面形状が円形状となるように、撚線が円形圧縮加工されていても良い。撚線が円形圧縮加工されていると、撚線の素線同士の間の空隙を小さくできる。そのため同じ断面積であっても、導体厚や導体幅をより小さくできる。その結果、フラットケーブル2を小さく形成でき、ワイヤーハーネス1の配索性を高めることができる。
【0025】
また導体単位3が素線31の撚線から構成される場合、各々の素線31が圧縮加工されていない場合には、各素線31は互いに独立に動きやすいため、応力の低減効果に優れ、柔軟性、屈曲性に優れるワイヤーハーネス1が得られる。
【0026】
また導体単位3として撚線を用いた場合、撚りピッチが異なると、伸張変形することが可能な量も異なることになる。導体単位3を撚線から構成した場合、撚りピッチの大きさが異なる撚線を配列して導体4を構成してもよい。
【0027】
絶縁体5は、導体4の外周を覆っていればよく、その形状は特に限定されるものではない。絶縁体5の形状は、幅方向の断面が角を有する方形状であっても良いし、幅方向の断面が角を有しない楕円形状(図1及び図2に示す態様)などであっても良い。絶縁体5は、例えばポリオレフィン系樹脂や塩化ビニル樹脂等の絶縁性の材料が用いられる。絶縁体5は、静電容量を確実に確保するという点から、誘電率が2〜5の範囲内であることが好ましい。
【0028】
図2に示すように、ワイヤーハーネス1は、各フラットケーブル2、2の導体4、4間に存在する絶縁体5が誘電体となって、静電容量を確保してインダクタンスを低減できる。例えばワイヤーハーネス1がホイール間にモータを設けた構成の電気自動車のバッテリーとインバーター間の配線に用いた場合、大電流が配線に流れるため、インバーターに内蔵されるスイッチング素子により発生するスイッチングノイズが大きくなる。これに対し、ワイヤーハーネス1に静電容量が確保されることで、発生するスイッチングノイズが、配線に対し誘起されにくくなる。
【0029】
各フラットケーブル2の導体4の断面積(各導体単位3の断面積の合計)は、特に限定されるものではないが、10mm2以上であるのが好ましい。導体4を一つの丸線や平角導体等から構成した場合、断面積が大きくなると曲げ難くなる傾向がある。本発明は、このように導体4の断面積が大きくなった場合に、導体4が複数の導体単位3の集合体として形成されているので、柔軟性や屈曲性の効果をより発揮できる。特に導体4の断面積が10mm2以上の場合に、柔軟性および屈曲性が顕著に優れるワイヤーハーネス1が得られる。
【0030】
本発明のワイヤーハーネス1は、柔軟性、屈曲性を確保しつつ、導体4の断面積を大きくすることができるから、例えば電力ケーブル等に用いるのが好適である。ワイヤーハーネスとして、例えば2本又は3本のフラットケーブル2を重ね合わせて、導体4の数が2本又は3本として構成した場合には、ワイヤーハーネス1を単相又は三相の電力ケーブルとして用いることができる。
【0031】
図2に示すように各フラットケーブル2、2の各導体4、4間の間隔Dは、0.1〜5.0mmであるのが好ましい。この各導体4、4間の間隔Dが、0.1mm以上であれば、各導体4、4間の被覆材を誘電体として十分な静電容量を確保することができ、必要な絶縁性能も確保することができる。また、各導体4、4間の間隔Dが5.0mm以下であれば、ワイヤーハーネスの柔軟性が必要以上に低下する虞がない。
【0032】
図2に示すように各フラットケーブル2の導体厚Eは、柔軟性および屈曲性に優れるなどの観点から、5mm以下であることが好ましい。より好ましくは、4mm以下である。
【0033】
またフラットケーブル2は、導体4が導体単位の扁平な集合体として形成されているが、この扁平さを表す導体4の導体厚Eと導体幅W(図2参照)の比S(=W/E)が、3以上であるのが好ましく、更に好ましくは5以上である。
【0034】
図4は本発明ワイヤーハーネスの第2実施例を示す幅方向断面図である。第2実施例のワイヤーハーネス1は、導体単位3として、第1の態様の導体単位3を上下に2段重ねとして導体4としたフラットケーブル2を二つ重ねて構成したものである。図6(b)は図4の導体4を示す断面図である。図6(b)に示すように、第2実施例の導体4は、7本の素線31を縒り合わせた撚線を上下に重ねたものを導体単位3として、平面方向に並列に18組配列して、一つの導体4を構成したものである。
【0035】
図5は本発明ワイヤーハーネスの第3実施例を示す幅方向断面図である。第3実施例のワイヤーハーネス1は、素線を上下に重ねたものを導体単位3として、この導体単位3を平面方向に多数配列して導体4としたフラットケーブル2を、厚み方向に2本重ねて構成したものである。図6(c)は図5の導体4を示す断面図である。図6(c)に示すように、第2実施例の導体4は、導体単位3として、6本の素線31を下に重ねたものを、平面方向に並列に54組配列して、一つの導体4を構成したものである。
【0036】
図7は本発明ワイヤーハーネスの第4実施例を示す幅方向断面図である。第4実施例のワイヤーハーネス1は、第1実施例で用いたフラットケーブル2を3本、厚み方向である上下に重ねて構成したものである。
【0037】
本発明のワイヤーハーネス1は、複数のフラットケーブル2を重ね合わせるだけで製造することができる。また各フラットケーブル2は、例えば、複数本の導体単位3を幅方向、厚み方向に配置して導体単位の集合体よりなる導体4を形成し、導体4の外周を覆うように絶縁体5により被覆することで得られる。導体4を絶縁体5で被覆するには、導体4の外周に樹脂等の絶縁材料を押出成形することや、導体4を一対の絶縁性フィルム間で挟む方法等を用いることができる。これらの絶縁体5による導体4の被覆方法は、公知のフラットケーブルの製造方法が利用できる。
【0038】
図8は図1のワイヤーハーネスの周囲をテープで巻いた状態を示す断面図である。図8に示すように、ワイヤーハーネス1は、重ね合わせたフラットケーブル2、2の外周にテープ6を巻いて、テープ巻き等によりフラットケーブル2同士を一体化するのが好ましい。テープ巻きは、複数のフラットケーブル2の長手方向に対し全体をテープ巻きしても良いし、また長手方向の一定間隔毎にテープ巻きしてもいずれでもよい。テープ巻きのテープの材料としては、耐熱性を有するテープが好ましく、例えばポリイミド製テープ、架橋PVC製テープ等が挙げられる。
【0039】
また、複数のフラットケーブル2を重ね合わせて一体化する手段としては、重ね合わせたフラットケーブルの外周をコルゲート等で覆ってもよい。また、フラットケーブル2、2の接触面を粘着剤や接着剤等を用いて貼り合わせても良いが、複数のフラットケーブル2は、完全に接着させずに、固定させない状態に形成するのが好ましい。
【0040】
尚、上記実施例では、導体4として、一つのフラットケーブル2には一つの導体4が配置されて構成されているが、フラットケーブル2は、幅方向に複数の導体4を並列に配置して構成してもよい。フラットケーブル2において、複数の導体4が配列される場合には、導体4同士は、互いに離間されて平行に配置され、複数の導体4の幅方向の間にも絶縁体が存在するように形成される。
【0041】
本発明のワイヤーハーネスは、自動車用ワイヤーハーネスとして用いることができ、特にバッテリーとインバーターを接続するワイヤーハーネスのような電力線等に好適に用いることができる。
【符号の説明】
【0042】
1 ワイヤーハーネス
2 フラットケーブル
3 導体単位
4 導体
5 絶縁体(被覆材)
31 素線
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワイヤーハーネスに関するものであり、特に自動車等に好適に使用されるワイヤーハーネスに関するものである。
【背景技術】
【0002】
自動車のバッテリーとインバーター間等の電力回路に用いられるワイヤーハーネスとして、例えば図11(a)に示すように太いサイズの導体101の周囲を絶縁体102で被覆した、太いサイズの丸線103を組み合わせたケーブル100が用いられていた。また、図11(b)に示すように、2枚の幅広形状の銅板111、111を、誘電体112を間に介し対向配置して絶縁樹脂113で被覆して、静電容量を持たせた電源ケーブル110が公知である(例えば特許文献1参照)。
【0003】
また、上記特許文献1には、図11(c)に示すように、上記の幅広銅板の代わりに細線の銅電線121を複数並列に配置して一つの導体とし、両導体間に誘電体122を介在させた構成が開示されている。この構成によれば、曲げ加工性が向上し、配線作業が容易になるとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平5−236611号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
図11(a)に示す上記従来の丸線を使用したワイヤーハーネスは、安価に供給可能であるものの、大電流用でサイズが大きくなると、曲げ加工がし難くなるという問題があった。また、大電流で使用されるとスイッチングノイズが大きいという問題があった。
【0006】
また上記特許文献1に記載の図11(b)に示す2枚の幅広の銅板を誘電体を挟んで重ねたワイヤーハーネスは、導体間に誘電体を挟んで積層するため、コストが上昇してしまうという問題があった。また、幅広の銅板を導体として使用していると、曲げ加工がし難いという問題があった。
【0007】
また図11(c)に示す細線を並列に配置した導体を使用するワイヤーハーネスは、幅広の銅板を使用したものと比較して、更にコストが上昇してしまうという問題があった。またこのワイヤーハーネスは、幅方向の曲げに対し、導線の配列が乱れ易いという問題があった。
【0008】
本発明の解決しようとする課題は、上記問題点を解決しようとするものであり、静電容量を持たせることが可能であると共に、曲げ加工がし易く、更に安価に提供可能なワイヤーハーネスを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために本発明のワイヤーハーネスは、複数のフラットケーブルが重ね合わせられたものであり、前記フラットケーブルは、複数の導体単位が平面方向に配列された集合体から構成されている導体と、前記導体の外周を被覆する絶縁体とからなることを要旨とするものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明のワイヤーハーネスは、導体と、前記導体の外周を被覆する絶縁体とからなる複数のフラットケーブルが重ね合わせられたものであり、導体間に存在する絶縁体により静電容量を持たせることが可能である。そのため、ワイヤーハーネスの製造に際し、特別な誘電体等を導体の間に配置せずに、静電容量を持たせることができる。更に、導体が複数の導体単位が平面方向に配列された集合体から構成されている為、柔軟性、屈曲性に優れている。その結果、ワイヤーハーネスの曲げ加工がし易い。更にワイヤーハーネスを製造する場合に、複数のフラットケーブルを重ね合わせるだけで良いので、生産性に優れ、ワイヤーハーネスを安価に提供可能である。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は本発明のワイヤーハーネスの第1実施例を示す斜視図である。
【図2】図2は図1のワイヤーハーネスのA−A断面図である。
【図3】図3は図1のワイヤーハーネスのB−B断面図である。
【図4】図4は本発明ワイヤーハーネスの第2実施例の幅方向断面図である。
【図5】図5は本発明ワイヤーハーネスの第3実施例の幅方向断面図である。
【図6】図6(a)は図1の導体を示す断面図であり、同図(b)は図4の導体を示す断面図であり、同図(c)は図5の導体を示す断面図である。
【図7】図7は本発明ワイヤーハーネスの第4実施例の幅方向断面図である。
【図8】図8は図1のワイヤーハーネスの周囲をテープで巻いた状態を示す幅方向断面図である。
【図9】図9は屈曲試験方法の説明図である。
【図10】図10は屈曲試験の結果を示すグラフである。
【図11】図11(a)〜(c)は、従来のワイヤーハーネスを示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施例について詳細に説明する。図1は本発明のワイヤーハーネスの第1実施例を示す斜視図である。図2は図1のワイヤーハーネスの幅方向であるA−A断面図である。図3は図1のワイヤーハーネスの長手方向であるB−B断面図である。図1〜図3に示すように、本実施例のワイヤーハーネス1は、二つのフラットケーブル2、2を、その厚み方向となる上下方向に重ね合わせたものである。更に各フラットケーブル2は、複数本の導体単位3、3、・・・が、フラットケーブル2の幅方向となる平面方向に配列され、前記導体単位3の集合体として、導体4が構成されている。フラットケーブル2の導体4は、幅方向の断面が、導体単位3が扁平な形状に集合した集合体として形成されている。更に各フラットケーブル2は、導体4の周囲が絶縁体5により被覆されている。
【0013】
図1に示す態様のワイヤーハーネス1は、二本のフラットケーブル2、2として、同一構造のフラットケーブル2を用いたものである。同一構造のフラットケーブル2を重ねるだけであれば、一種類のフラットケーブル2を製造するだけでワイヤーハーネス1を形成することができ、生産性に優れる。
【0014】
尚、図1では便宜上、下側のフラットケーブル2の右端の一つの導体単位3だけを被覆材である絶縁体5から露出させた状態を示した。図6(a)は、図1の導体を示す断面図である。図1に示すワイヤーハーネス1において、各フラットケーブル2の導体4は、7本の素線31を撚り合わせた撚線から構成されている。そして図1のワイヤーハーネス1は、この撚線からなる導体単位3を平面方向に並列に18本配列して一つの導体4を構成したものである。このように、導体4が複数の導体単位3が配列されて構成されている為、ワイヤーハーネス1は、厚み方向に曲げられた場合に、作用する応力を緩和することができ、屈曲性に優れたものとすることができる。
【0015】
本発明において、導体単位3は、複数の素線31により構成されていればよい。具体的な導体単位3の構成として、上記の複数の素線31を合わせた撚線以外に、素線31のみの単線、又は複数の素線31の集合線を用いてもよいが、撚線を用いることが好ましい。導体端子3に撚線を用いて導体4を構成した場合、ワイヤーハーネス1が幅方向に曲げられた際に、導体単位3の配列が乱れる虞が小さいという利点がある。撚線は、一般に撚りを解消するように伸張することができる。そのため伸張変形が容易である。導体単位3が、撚線により構成されていると、フラットケーブル1が厚み方向に曲げられた場合に、作用する応力を更に緩和することができ、屈曲性を更に優れたものとすることができる。
【0016】
素線31は、断面形状が特に限定されるものではないが、略円形状の丸線を用いるのが好ましい。
【0017】
素線31は、銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金などの金属線が用いられる。銅、銅合金としては、例えば、無酸素銅、タフピッチ銅、リン青銅などを例示することができる。素線31は、軟質のものでも良いし、硬質のものでも良い。また素線31には、スズやニッケルなどの金属めっきが施されていても良い。
【0018】
素線31の外径は、ワイヤーハーネス1の用途や、フラットケーブル2のサイズ等に応じて適宜選択することができるが、0.05〜0.60mmのものが好ましく用いられる。素線31の外径が0.6mm以下であると、応力低減効果に優れ、耐屈曲性に優れたワイヤーハーネス1が得られる。また素線の直径が0.05mm以上であると、製造時の取り扱いが容易であり、ワイヤーハーネス1の製造時や使用時に導体が断線する虞が小さくなる。素線31の外径の上限としては、より好ましくは、0.5mm以下、さらに好ましくは、0.4mm以下である。
【0019】
素線の外径と屈曲性との関係について実験を行った。その結果を表1及び図10のグラフに示す。尚、素線は丸線であり、外径は素線の直径である。表1に示すように、外径φ=1.00mm、0.80mm、0.45mm、0.35mm、0.20mmの5種類の素線について、下記方法に基づいて屈曲試験を行なった。尚、試験は各素線についてそれぞれ屈曲試験を3回ずつ行なった。その結果を表3および図10に示した。
【0020】
〔屈曲試験方法〕
図9は屈曲試験方法の説明図である。屈曲試験は、図9に示すように、長さ300mmの素線41の一端を回動アーム(図示せず)に固定し、その他端におもり42をつるし、素線41の長手方向中間部を一対の円柱状部材43、44(半径r=6mm)に挟みこんだ状態で、素線41が円柱状部材43、44の周面に沿うように、一方向に90度、他方向に90度、回動アームを回動させて、曲げ半径6mmで素線41を繰返し屈曲させることにより行なった。おもり42としては、素線41に対して25.5MPaの応力が作用するように調整したものを用いた。屈曲の繰返し速度は1分間に90往復とした。この際、屈曲試験によって素線41が断線に至るまでの屈曲回数(往復回数)をもって屈曲性を評価した。
【0021】
【表1】
【0022】
表1及び図10に示す結果から、素線の外径が小さくなるのに伴い、断線に至る屈曲回数が増加し、特に素線の外径が0.60mm以下となる範囲で、屈曲回数が急激に増加していることが確認できた。また、通常、断線に至る屈曲回数が70回(図10中に点線で示した)以上であると、実用上問題ない耐屈曲性が得られるところ、素線の外径が0.60mm以下では屈曲回数が70回を超えていることも確認できた。この結果は、複数本の素線の集合体である撚線および撚線を用いた導体単位3においても同様の結果が得られるものと推察できる。したがって、素線の外径は0.60mm以下であることが特に好ましいことが確認できた。
【0023】
複数の素線31を組み合わせた撚線から導体単位3を構成する場合、各素線31は、同一のサイズを用いても良いし、複数のサイズを組み合わせて用いても、いずれでも良い。例えば、導体単位3が図6(a)に示すような撚線の場合には、中心の素線31の直径が、その周囲に配置される素線31の直径より大きい構成であっても良い。
【0024】
導体単位3が素線31の撚線から構成される場合、各々の素線31は圧縮加工なしで円形状に形成しても良いし、撚り合わされた状態でさらに撚線全体の断面形状が円形状となるように、撚線が円形圧縮加工されていても良い。撚線が円形圧縮加工されていると、撚線の素線同士の間の空隙を小さくできる。そのため同じ断面積であっても、導体厚や導体幅をより小さくできる。その結果、フラットケーブル2を小さく形成でき、ワイヤーハーネス1の配索性を高めることができる。
【0025】
また導体単位3が素線31の撚線から構成される場合、各々の素線31が圧縮加工されていない場合には、各素線31は互いに独立に動きやすいため、応力の低減効果に優れ、柔軟性、屈曲性に優れるワイヤーハーネス1が得られる。
【0026】
また導体単位3として撚線を用いた場合、撚りピッチが異なると、伸張変形することが可能な量も異なることになる。導体単位3を撚線から構成した場合、撚りピッチの大きさが異なる撚線を配列して導体4を構成してもよい。
【0027】
絶縁体5は、導体4の外周を覆っていればよく、その形状は特に限定されるものではない。絶縁体5の形状は、幅方向の断面が角を有する方形状であっても良いし、幅方向の断面が角を有しない楕円形状(図1及び図2に示す態様)などであっても良い。絶縁体5は、例えばポリオレフィン系樹脂や塩化ビニル樹脂等の絶縁性の材料が用いられる。絶縁体5は、静電容量を確実に確保するという点から、誘電率が2〜5の範囲内であることが好ましい。
【0028】
図2に示すように、ワイヤーハーネス1は、各フラットケーブル2、2の導体4、4間に存在する絶縁体5が誘電体となって、静電容量を確保してインダクタンスを低減できる。例えばワイヤーハーネス1がホイール間にモータを設けた構成の電気自動車のバッテリーとインバーター間の配線に用いた場合、大電流が配線に流れるため、インバーターに内蔵されるスイッチング素子により発生するスイッチングノイズが大きくなる。これに対し、ワイヤーハーネス1に静電容量が確保されることで、発生するスイッチングノイズが、配線に対し誘起されにくくなる。
【0029】
各フラットケーブル2の導体4の断面積(各導体単位3の断面積の合計)は、特に限定されるものではないが、10mm2以上であるのが好ましい。導体4を一つの丸線や平角導体等から構成した場合、断面積が大きくなると曲げ難くなる傾向がある。本発明は、このように導体4の断面積が大きくなった場合に、導体4が複数の導体単位3の集合体として形成されているので、柔軟性や屈曲性の効果をより発揮できる。特に導体4の断面積が10mm2以上の場合に、柔軟性および屈曲性が顕著に優れるワイヤーハーネス1が得られる。
【0030】
本発明のワイヤーハーネス1は、柔軟性、屈曲性を確保しつつ、導体4の断面積を大きくすることができるから、例えば電力ケーブル等に用いるのが好適である。ワイヤーハーネスとして、例えば2本又は3本のフラットケーブル2を重ね合わせて、導体4の数が2本又は3本として構成した場合には、ワイヤーハーネス1を単相又は三相の電力ケーブルとして用いることができる。
【0031】
図2に示すように各フラットケーブル2、2の各導体4、4間の間隔Dは、0.1〜5.0mmであるのが好ましい。この各導体4、4間の間隔Dが、0.1mm以上であれば、各導体4、4間の被覆材を誘電体として十分な静電容量を確保することができ、必要な絶縁性能も確保することができる。また、各導体4、4間の間隔Dが5.0mm以下であれば、ワイヤーハーネスの柔軟性が必要以上に低下する虞がない。
【0032】
図2に示すように各フラットケーブル2の導体厚Eは、柔軟性および屈曲性に優れるなどの観点から、5mm以下であることが好ましい。より好ましくは、4mm以下である。
【0033】
またフラットケーブル2は、導体4が導体単位の扁平な集合体として形成されているが、この扁平さを表す導体4の導体厚Eと導体幅W(図2参照)の比S(=W/E)が、3以上であるのが好ましく、更に好ましくは5以上である。
【0034】
図4は本発明ワイヤーハーネスの第2実施例を示す幅方向断面図である。第2実施例のワイヤーハーネス1は、導体単位3として、第1の態様の導体単位3を上下に2段重ねとして導体4としたフラットケーブル2を二つ重ねて構成したものである。図6(b)は図4の導体4を示す断面図である。図6(b)に示すように、第2実施例の導体4は、7本の素線31を縒り合わせた撚線を上下に重ねたものを導体単位3として、平面方向に並列に18組配列して、一つの導体4を構成したものである。
【0035】
図5は本発明ワイヤーハーネスの第3実施例を示す幅方向断面図である。第3実施例のワイヤーハーネス1は、素線を上下に重ねたものを導体単位3として、この導体単位3を平面方向に多数配列して導体4としたフラットケーブル2を、厚み方向に2本重ねて構成したものである。図6(c)は図5の導体4を示す断面図である。図6(c)に示すように、第2実施例の導体4は、導体単位3として、6本の素線31を下に重ねたものを、平面方向に並列に54組配列して、一つの導体4を構成したものである。
【0036】
図7は本発明ワイヤーハーネスの第4実施例を示す幅方向断面図である。第4実施例のワイヤーハーネス1は、第1実施例で用いたフラットケーブル2を3本、厚み方向である上下に重ねて構成したものである。
【0037】
本発明のワイヤーハーネス1は、複数のフラットケーブル2を重ね合わせるだけで製造することができる。また各フラットケーブル2は、例えば、複数本の導体単位3を幅方向、厚み方向に配置して導体単位の集合体よりなる導体4を形成し、導体4の外周を覆うように絶縁体5により被覆することで得られる。導体4を絶縁体5で被覆するには、導体4の外周に樹脂等の絶縁材料を押出成形することや、導体4を一対の絶縁性フィルム間で挟む方法等を用いることができる。これらの絶縁体5による導体4の被覆方法は、公知のフラットケーブルの製造方法が利用できる。
【0038】
図8は図1のワイヤーハーネスの周囲をテープで巻いた状態を示す断面図である。図8に示すように、ワイヤーハーネス1は、重ね合わせたフラットケーブル2、2の外周にテープ6を巻いて、テープ巻き等によりフラットケーブル2同士を一体化するのが好ましい。テープ巻きは、複数のフラットケーブル2の長手方向に対し全体をテープ巻きしても良いし、また長手方向の一定間隔毎にテープ巻きしてもいずれでもよい。テープ巻きのテープの材料としては、耐熱性を有するテープが好ましく、例えばポリイミド製テープ、架橋PVC製テープ等が挙げられる。
【0039】
また、複数のフラットケーブル2を重ね合わせて一体化する手段としては、重ね合わせたフラットケーブルの外周をコルゲート等で覆ってもよい。また、フラットケーブル2、2の接触面を粘着剤や接着剤等を用いて貼り合わせても良いが、複数のフラットケーブル2は、完全に接着させずに、固定させない状態に形成するのが好ましい。
【0040】
尚、上記実施例では、導体4として、一つのフラットケーブル2には一つの導体4が配置されて構成されているが、フラットケーブル2は、幅方向に複数の導体4を並列に配置して構成してもよい。フラットケーブル2において、複数の導体4が配列される場合には、導体4同士は、互いに離間されて平行に配置され、複数の導体4の幅方向の間にも絶縁体が存在するように形成される。
【0041】
本発明のワイヤーハーネスは、自動車用ワイヤーハーネスとして用いることができ、特にバッテリーとインバーターを接続するワイヤーハーネスのような電力線等に好適に用いることができる。
【符号の説明】
【0042】
1 ワイヤーハーネス
2 フラットケーブル
3 導体単位
4 導体
5 絶縁体(被覆材)
31 素線
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のフラットケーブルが重ね合わせられたものであり、前記フラットケーブルは、複数の導体単位が平面方向に配列された集合体から構成されている導体と、前記導体の外周を被覆する絶縁体とからなることを特徴とするワイヤーハーネス。
【請求項2】
前記導体単位が、複数の素線からなることを特徴とする請求項1記載のワイヤーハーネス。
【請求項3】
前記導体単位が、複数の素線を撚合せた撚線であることを特徴とする請求項2記載のワイヤーハーネス。
【請求項4】
前記素線が丸線であることを特長とする請求項2又は3記載のワイヤーハーネス。
【請求項5】
前記素線の外径が、0.05〜0.60mmであることを特徴とする請求項2〜4のいずれか1項に記載のワイヤーハーネス。
【請求項6】
前記複数のフラットケーブルが同一構造のものであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のワイヤーハーネス。
【請求項7】
重ね合わされた前記フラットケーブルの各導体間の間隔が、0.1〜5.0mmであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のワイヤーハーネス。
【請求項8】
前記フラットケーブルの各導体の断面積が、10mm2以上であることを特長とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のワイヤーハーネス。
【請求項9】
前記フラットケーブルが2本又は3本重ね合わされたものであることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載のワイヤーハーネス。
【請求項10】
前記絶縁体の誘電率が2〜5であることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載のワイヤーハーネス。
【請求項11】
重ね合わせた前記複数のフラットケーブルの周囲が、テープ巻きされていることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載のワイヤーハーネス。
【請求項1】
複数のフラットケーブルが重ね合わせられたものであり、前記フラットケーブルは、複数の導体単位が平面方向に配列された集合体から構成されている導体と、前記導体の外周を被覆する絶縁体とからなることを特徴とするワイヤーハーネス。
【請求項2】
前記導体単位が、複数の素線からなることを特徴とする請求項1記載のワイヤーハーネス。
【請求項3】
前記導体単位が、複数の素線を撚合せた撚線であることを特徴とする請求項2記載のワイヤーハーネス。
【請求項4】
前記素線が丸線であることを特長とする請求項2又は3記載のワイヤーハーネス。
【請求項5】
前記素線の外径が、0.05〜0.60mmであることを特徴とする請求項2〜4のいずれか1項に記載のワイヤーハーネス。
【請求項6】
前記複数のフラットケーブルが同一構造のものであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のワイヤーハーネス。
【請求項7】
重ね合わされた前記フラットケーブルの各導体間の間隔が、0.1〜5.0mmであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のワイヤーハーネス。
【請求項8】
前記フラットケーブルの各導体の断面積が、10mm2以上であることを特長とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のワイヤーハーネス。
【請求項9】
前記フラットケーブルが2本又は3本重ね合わされたものであることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載のワイヤーハーネス。
【請求項10】
前記絶縁体の誘電率が2〜5であることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載のワイヤーハーネス。
【請求項11】
重ね合わせた前記複数のフラットケーブルの周囲が、テープ巻きされていることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載のワイヤーハーネス。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2010−282748(P2010−282748A)
【公開日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−133105(P2009−133105)
【出願日】平成21年6月2日(2009.6.2)
【出願人】(395011665)株式会社オートネットワーク技術研究所 (2,668)
【出願人】(000183406)住友電装株式会社 (6,135)
【出願人】(000002130)住友電気工業株式会社 (12,747)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年6月2日(2009.6.2)
【出願人】(395011665)株式会社オートネットワーク技術研究所 (2,668)
【出願人】(000183406)住友電装株式会社 (6,135)
【出願人】(000002130)住友電気工業株式会社 (12,747)
【Fターム(参考)】
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