説明

ワクチンアジュバント

本発明は、新規のアジュバントおよびアジュバント単独を含む医薬組成物を提供する。本発明は、抗原および新規のアジュバントを含む新規のワクチン組成物も提供する。本発明による新規のアジュバントは、ファルネソイド-X-受容体(FXR)拮抗薬である。本発明は、様々な抗原用のアジュバントにも関する。該アジュバントは、組み込まれた抗原に特異的な抗体産生を改善する。アジュバントは、細胞仲介免疫応答も誘導する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、疾患特異的抗原(複数可)に対する哺乳動物の免疫系を刺激することができるアジュバントおよびその医薬組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
抗原特異的免疫応答は、非常に特徴的な様式での抗原/免疫原の認識および最終的処理と関係している。特異的免疫応答は、2種類のエフェクター機序を介して生じる。一方はリンパ球により産生される抗体により仲介され(体液性応答)、他方は特別に感作されたリンパ球そのものにより仲介される(細胞仲介免疫)。体液性応答は、主に疾患に対する予防の実現(予防ワクチン)に関与する。予防ワクチンは、ある疾患を見越して投与される。細胞仲介免疫応答は、抗原への曝露時の免疫細胞からのサイトカインの放出を特徴とする。細胞仲介免疫は、活性な疾患の管理に望ましい(治療ワクチン)。治療ワクチンは、活性な疾患の存在下で投与される。ワクチンは薬学的に許容される担体中に抗原(複数可)を含む。
【0003】
抗原には、免疫原、アレルゲンが含まれる。抗原は、病原体またはウイルス、細菌、真菌、寄生生物のような病原体由来の種々の物質であり得る。腫瘍細胞、哺乳動物細胞およびそれら由来の物質も抗原として使用することができる。細胞、及びウイルス、細菌のような生物は、完全な形態で、例えば、ポリオ、BCG、狂犬病等で使用される。抗原の化学的組成は、様々に変動的であり、ペプチド(単純なペプチド、ポリペプチド、リポペプチド等のような様々な種類のもの)、多糖類、多糖類複合体、脂質、糖脂質、炭水化物、タンパク質、核酸または核酸にコードされた抗原を含む。抗原は、種々の方法で分類される。それらの一部を以下に記載する。
【0004】
(I)免疫原 - 体内に導入されると免疫応答を誘発する物質。免疫原は、常に高分子(タンパク質、多糖類)である。免疫反応を刺激するその能力は、宿主に対するその共通性、分子サイズ、化学的組成および不均一性に依存している(例えば、タンパク質中のアミノ酸と類似している)。
アレルゲン - アレルゲンは、アレルギー性反応を引き起こす物質である。アレルゲンは、摂取、吸入、注射することができるか、または皮膚と接触する。
【0005】
(II)抗原は、その起源に従って分類することができる。
外因性抗原 - 外因性抗原は、例えば吸入、摂取、または注射により外部から身体に入り込んだ抗原である。
内因性抗原 - 内因性抗原は、正常な細胞代謝の結果として、またはウイルス性または細胞内細菌感染が原因で細胞内に生じた抗原である。次いで、各断片は、クラスI組織適合性分子を有する複合体中で細胞表面上に提示される。
【0006】
(III)抗原のタイプ
腫瘍抗原 - 腫瘍抗原は、腫瘍細胞の表面上に存在する抗原である。これらの抗原は、腫瘍細胞のみが提示し、正常細胞は決して提示しない場合がある。この場合、これらの抗原は、腫瘍特異的抗原と呼ばれ、一般には腫瘍特異的変異の結果として生じる。より一般的なのは、腫瘍細胞および正常細胞が提示する抗原であり、それらは腫瘍関連抗原と呼ばれる。これらの抗原を認識する細胞傷害性Tリンパ球は、腫瘍細胞が増殖または転移する前にそれらを破壊することができる。腫瘍抗原はまた、例えば、変異受容体の形態で腫瘍の表面上に存在することができ、その場合、それらはB細胞により認識される。
病原体関連抗原 - 抗原は、ウイルス、細菌、真菌、寄生生物のような病原体、例えば、狂犬病、B型肝炎、おたふくかぜ、麻疹、破傷風、ジフテリア等に由来する。
【0007】
抗原の産生
抗原は、組換え技術、抽出法、化学合成、発酵等により産生することができる。抗原は、化合物、または天然もしくは遺伝子組換えの生物、または天然もしくは遺伝子組換え生物の断片の形態であり得る。DNAワクチンのように、抗原として開発および同定される核酸が増加している。抗原は、裸の抗原の形態、またはカプセル化された被覆形態、アジュバントと複合体化、混合、結合および/または製剤化した形態で投与することができる。
【0008】
ワクチンの多くは、単独で適用した場合、十分な免疫刺激を生じない。ワクチンの特異的抗原に対する身体の免疫応答を増強するために、アジュバントがワクチン組成物中の抗原に添加される。アジュバント自体は、必ずしも免疫原性ではない。アジュバントは、抗原を投与部位の近くに局所的に保持して、免疫系の細胞に対する抗原の徐放性及び持続性の放出を容易にする貯蔵効果を生み出すことにより作用し得る。アジュバントは、免疫系の細胞を抗原貯蔵所に誘引し、そのような細胞を刺激して免疫応答を誘発することもできる。アジュバントは、抗原提示細胞を活性化することにより作用することもできる。
【0009】
アジュバントは、
・ 抗体応答の大きさまたは機能(例えば、結合力)の増大
・ 細胞仲介免疫応答
・ 抗原投与量の低減
・ 応答を開始する時間(より速い応答、持続的な応答等)
・ 粘膜免疫の誘発
・ セロコンバージョンおよび/またはセロプロテクション率の改善
に使用される。
【0010】
ヒトへの使用が承認されたアジュバントの1つはミョウバンである。ミョウバンのアジュバント活性は、最初に1926年にGlenny(Chemistry and Industry、1926年6月15日、J.Path.Bacteriol、34、267)により発見された。アルミニウム塩(ミョウバン)は、B型肝炎、ジフテリア、破傷風、トキソイド等のような一部のワクチンに有用であったが、狂犬病MMR、腸チフス等のような他のワクチンには有用ではなかった。アルミニウム塩(ミョウバン)は、細胞仲介免疫を誘導しない。水酸化アルミニウムおよびリン酸アルミニウムは、一般にまとめてミョウバンと呼ばれる。報告によって、ミョウバンが百日咳および腸チフスワクチンの有効性を改善せず、アデノウイルスワクチンに対してわずかな効果しか示さなかったことが示されている。
【0011】
幅広い他の物質も、抗原に対する強力な免疫応答を誘発するアジュバント活性を有することが知られている。これらとしては、
1. QS21のようなサポニン、ISCOMS
2. 膜タンパク質抗原と複合体を形成するサポニン(免疫刺激複合体)、
3. 鉱油を有するPluronicポリマー、
4. 鉱油中の死滅マイコバクテリア、油相中に死滅/乾燥マイコバクテリアを含有する鉱油中水エマルジョン、マイコバクテリアを含有しないより弱い製剤、
5. フロイント完全アジュバント、
6. フロイント不完全アジュバント、
7. 細菌産物、例えば、ムラミルジペプチド(MDP)およびリポ多糖類(LPS)、MPLならびにリピドAなど、
8. リポソーム、セッケンボク(Quillia saponaria)から抽出した膜活性グルコシド、非イオン性ブロックコポリマー界面活性剤、
9. タンパク質を細胞表面に結合させる傾向がある非代謝合成分子、ISCOMS、
10. 感染性粒子
11. 水中油エマルジョン-MF59
12. CpG(オリゴヌクレオチド)-TLR作動薬
13. イミキモドのような他のTLR作動薬
14. 免疫ペプチド
が挙げられるが、これらに限定されない。
【0012】
完全フロイントアジュバント(CFA)は、実験ベースで多くの抗原との使用が奏効してきた強力な免疫促進剤である。CFAは、3つの成分:鉱油、乳化剤、および死滅結核菌(Micobacterium tuberulosis)を含む。抗原水溶液は、油中水エマルジョンを作製するために、これらの成分と混合される。アジュバントとして効果的であっても、CFAは、重度の副作用、例えば、疼痛、膿瘍形成、発熱等を引き起こす。したがって、CFAは、市販のワクチンの調製には使用されない。
【0013】
不完全フロイントアジュバント(IFA)は、CFAと同様であるが、細菌成分を含まない。IFAは水中油エマルジョンである。しかし、IFAにおいて使用される油および乳化剤のいずれもがマウスにおいて腫瘍を引き起こす恐れがあることを示すエビデンスがある。ムラミルジペプチド(MDP)は、CFAについて観察されたアジュバント活性を生じるマイコバクテリア細胞壁複合体の最小単位であることが分かっている。例えば、Ellouzら、Biochem.Biophys.Res.Commun.(1974年)59:1317。
【0014】
幅広いアジュバント効力および副作用を示すMDPの複数の合成類似体が作製されている(Chedidら、Prog.Allergy(1978年)25:63)。代表的なMDPの類似体としては、MDPのトレオニル誘導体(Byarsら、Vaccine(1987年)5:223)、MDPのn-ブチル誘導体(Chedidら、Infect、lmrriun.35:417)、およびムラミルトリペプチドの親油性誘導体(Gislerら、Immunomodulations of Microbial Products and Related Synthetic Compounds(1981年)、Y.YamamuraおよびS.Kotani編集、Excerpta Medica、Amsterdam、167頁)が挙げられる。MDPの親油性誘導体の1つは、N-アセチルムラミル-L-アラニル-D-イソグルアトルニニル-L-アラニン-2-(1'-2'ジパルミトイル-sn-グリセロ-3-ヒドロキシホスホリルオキシ)-エチルアミン(MTP-PE)である。MTP-PEそのものは、乳化剤として作用して安定な水中油エマルジョンを生じることができる。MTP-PEは、物理的安定性が乏しいにもかかわらず、単純ヘルペスウイルスgD抗原を効果的に送達するために、MTP-PE-LO(低油)と呼ばれる、TWEEN80を有するスクアレンのエマルジョンにおいて使用されてきた(Sanchez-Pescadorら、J.Immunol.(1988年)141:1720〜1727)。
【0015】
合成ポリマーは、アジュバントとして評価される。これらとしては、抗原を封入するミクロスフェアを生成するのに使用されてきた、乳酸およびグリコール酸のホモポリマーおよびコポリマーが挙げられる(Eldridgeら、MoI.Immunol.28:287〜294(1993年)を参照のこと)。
【0016】
非イオン性ブロックコポリマーは、評価されている別の合成アジュバントである。アジュバント効果は、油ベースのエマルジョン中の低分子量コポリマーおよび水性製剤中の高分子量コポリマーについて調査されている(Toddら、ワクチン15:564〜570(1997年))。
【0017】
昆虫細胞(S.フルギペルダ)のような全細胞を使用するアジュバント米国特許第6,224,882号が知られている。一部の昆虫ウイルス/感染性物質または任意の他のタイプの感染症に感染した昆虫または昆虫細胞は、いずれの昆虫/昆虫細胞が感染していて、いずれが感染していないかを同定することも依然として可能ではなく、それ故これらの使用は、産生の低下および疾患のヒトへの伝播という潜在的な脅威を生じる恐れがある(WHO報告書2005年1月)。
【0018】
Vaccine(1999年)17、2446〜2452で発表された論文において、マウスにおける狂犬病ワクチン接種に対するアジュバントとしてカルメット・ゲラン菌(BCG)が使用されている。実験結果は、単純なワクチンと比較して、アジュバントとしてBCGで免疫処置したマウスの群における血清中和抗体価の改善を示していない。
【0019】
米国特許第6,355,414号は、アジュバントとしてアクマンナン多糖類について記載している。米国特許第6,306,404号は、モノホスホリルリピドA、糖および場合によりアミンベースの界面活性剤のアジュバントおよびワクチン組成物について記載している。米国特許第6,231,859号は、アジュバントとしてサポニンの組合せについて記載している。サポニンアジュバントは、溶血のような高い全身毒性を有する。米国特許第6,060,068号は、インターロイキン-2(interleakin-2)をワクチンに対するアジュバントとして記載している。米国特許第6,355,256号は、アジュバントとしてQS-21およびIL-12について記載している。
【0020】
PCT出願WO/2006/114680は、医薬として許容される担体と一緒にしたアジュバントとしてのマイコバクテリウムwおよびその使用を開示している。米国特許第6,103,697号、同第6,228,373号および同第6,228,374号は、アジュバントとしてのペプチドについて記載している。JP11106351、JP9268130およびAU780054は、オイルアジュバントについて記載している。米国特許第6,383,498号は、ノイラミニダーゼおよびガラクトースオキシダーゼが共にワクチンアジュバントであるワクチン組成物を開示している。米国特許第7,579,009号は、細菌の全細胞を含む免疫調節組成物および/または医薬組成物を開示している。米国特許第6,375,945号は、サポニンアジュバントの混合物を含むアジュバント組成物ならびに予防および治療用途、特に癌ワクチンを含めたワクチンにおけるそれらの組成物の使用を開示している。米国特許第6,306,404号は、モノホスホリルリピドのアジュバントおよびワクチン組成物を開示している。米国特許第7,488,490号は、非メチル化CpGジヌクレオチド(CpG ODN)および非核酸アジュバントを開示している。しかし、これら全てのアジュバントは、多種多様な抗原および哺乳動物で実証されてはいない。
【0021】
上述のアジュバントは、開発の様々な段階にある。少ない抗原で、少ない頻度で、増加した免疫原性力を有する新規のワクチンを提供するために、新規のアジュバントを有する必要性が依然として存在する。現在入手可能なアジュバントは、アジュバント特性を有する潜在的な化合物を同定する方法が存在しない中での骨の折れる研究の結果である。上述の副作用がないアジュバントを提供することは、産業界で長年にわたって必要とされてきたことである。
【0022】
参考文献:
1. Essential Immunology, Eight Edition Ivan Roitt, Black well Scientific publication.
2. Vaccines, Third edition. S.Plotkein W. Orenstein, W.B.Saunder's company
3. Vaccines - Prospects & perspectives Harminder sigh, rajesh Bhatia, forward publishing company, Delhi
4. Immunotherapy of cancer Mary L. Disis, Humana press, Totowa, New Jersey, USA.
5. DNA vaccine Douglas B. Lowrie, Robert G. Whalen, Humana press, Totowa New Jersey, USA.
6. Handbook of cancer vaccines Micheal A. Morse, Timothy M.Clay, H.Kiva Lyerly. Humana press Totowa New Jersey, USA.
7. Cellular Microbiology Bian Henderson, Micheal Wilson, John wiley & sons.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0023】
本発明の主要な目的は、哺乳動物の免疫系を刺激して抗原(複数可)特異的免疫応答を達成することができるアジュバントを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0024】
本発明のさらに別の目的は、哺乳動物への投与用の、本発明による新規のアジュバントを含む組成物を提供することである。
本発明のさらに別の目的は、改善した効力を有するワクチン組成物を提供することである。
本発明のさらに別の目的は、ワクチンの効力を改善するためのアジュバントを提供することである。
【0025】
本発明のさらに別の目的は、ワクチンにより生じる免疫応答を早めるためのアジュバントを提供することである。
本発明のさらに別の目的は、ワクチンで持続的な免疫応答を生じるためのアジュバントを提供することである。
本発明のさらに別の目的は、細胞仲介免疫応答を生じるためのアジュバントを提供することである。
【0026】
本発明のさらに別の目的は、抗原特異的な中和抗体を生じるためのアジュバントを提供することである。
本発明のさらに別の目的は、最低限の回数の免疫処置により持続的なセロプロテクションを提供することである。
本発明のさらに別の目的は、最低限の免疫処置により持続的なセロプロテクションを提供することである。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明によるB型肝炎ワクチンによる免疫後の中和抗体価を示す図である。(抗体価の初期の上昇はセロプロテクションにつながる)
【図2】本発明によるrDNAコード化狂犬病ワクチンによる免疫後の中和抗体価を示す図である。(初期のより高く持続的な抗体価は、維持されるセロプロテクションにつながる)
【図3】本発明によるB型肝炎ワクチンによる免疫後の中和抗体価を示す図である。(セロプロテクションにつながるより良好で持続的な抗体価)
【図4】本発明によるB型肝炎ワクチンによる免疫後の中和抗体価を示す図である。(持続性のセロプロテクションにつながるより高く持続的な抗体応答)
【図5】不活化狂犬病ウイルスワクチンによる免疫後の中和抗体価を示す図である。より高い抗体応答によるセロコンバージョン)
【図6】本発明による癌ワクチンによる免疫後の細胞仲介免疫応答を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
ファルネソイドX受容体(FXR)は、肝臓および小腸に高レベルで発現し、胆汁酸恒常性を、これらの天然リガンドによる活性化時に調節する。したがって、FXRの役割は、その生合成を抑制しその排出を刺激することにより、胆汁酸の過重な負荷による有害作用から肝臓を保護することである。FXR拮抗薬の一部は、ググリピッド、ググルステロン、3β-アセトキシプレグナ-5,16-ジエン-20-オン(16-DPA)、4,16-ジエンプレグナ-3,20-ジオン、3β-アクトキシプレグナ-5-エン-20-オン、3β-ヒドロキシプレグナ-5-エン-20-オン、5,16-ジエン-プレグナン-3,20-ジオール、5,17(20)-ジエン-プレグナ-3,16-ジオール-ジアセテート、5,17(20)-ジエン-プレグナ-3,16-ジオール、3β-ヒドロキシプレグナ-5,16-ジエン-20-オン、7-(2-ヘキシルオキシ-3,5-ジイソプロピル-フェニル)-3-メチル-オクタ-2,4,6-トリエン酸、Z-ググルステロン、[4,17(20)-Cis-プレグナジエン-3,16-ジオン]、E-ググルステロン[4,17(2O)-Cis-プレグナジエン-3,16-ジオン]等である。これらの化合物の構造は下記の通りである。
【0029】
【化1】

【0030】
FXR拮抗薬は、脂血低下作用を有することが当技術分野において知られている。
驚くべきことに、本発明によると、FXR拮抗薬がワクチンアジュバントとして作用することが観察された。
【0031】
ワクチンは、FXR拮抗薬および抗原を混合することにより調製される。FXR拮抗薬は、一般に水不溶性である。本発明において、FXR拮抗薬は、抗原を含有する液体に懸濁し得る。FXR拮抗薬は、ワクチンへ組み込むためにエマルジョンとして製剤化し得る。FXR拮抗薬は、抗原と共にまたは抗原なしでリポソームに組み込むことができる。FXR拮抗薬は、粉末として組み込むことができる。したがって、本発明によるワクチンは、医薬組成物の要件に従って抗原、賦形剤、安定剤および薬学的担体と共に、良好なアジュバントとしてFXR拮抗薬を含有する。
【0032】
FXR拮抗薬は、天然源から得ることも、または合成化学物質の製造に使用される方法を通して、規定の出発原料から化学的に合成される合成アジュバントとして効率的および経済的に調製して、定性的および定量的なバッチ間の一貫性を示す既知組成の製品を得ることもできる。FXR拮抗薬は、製品品質管理の改善を含めた先例のない利益をもたらす。したがって、本発明は、製品の合成および品質管理の容易さに関してさらなる利点をもたらす。
【0033】
本発明によると、宿主における免疫応答を変化させるための、アジュバントを含む医薬組成物が開示される。
【0034】
化合物の免疫賦活性/アジュバント特性を測定するために、様々な免疫分析法を利用することができる。本発明のワクチンによる免疫応答の誘発の測定は、当業者は容易に熟知するであろう多数のよく知られている免疫検定法のいずれかにより確立し得る。そのような検定法としては、可溶性抗体;可溶性の伝達物質、例えば、サイトカイン、リンホカイン、ケモカインなど、免疫系の細胞の機能的または構造的特性の変化により測定する細胞活性化状態変化、例えば細胞増殖、運動性の変化、特殊な活性、例えば、特異的遺伝子発現または細胞溶解挙動などの誘発;表面抗原発現プロフィールの変化またはアポトーシスの発現(プログラムされた細胞死)を含めた免疫系の細胞による細胞分化のインビボまたはインビトロ測定が挙げられるが、これらに限定する必要はない。これらのおよび同様の検定法を実施するための手順は広く知られており、例えばLefkovits(Immunology Methods Manual:The Comprehensive Sourcebook of Techniques、1998年;Current Protocols in Immunologyも参照のこと;例えば、Weir、Handbook of Experimental Immunology、1986年Blackwell Scientific、Boston、Mass.も参照のこと;MishellおよびShigii(編)Selected Methods in Cellular Immunology、1979年Freeman Publishing、San Francisco、Calif.;Green and Reed、1998年Science281:1309および本明細書において引用した参考文献)に見られる。
【0035】
細胞免疫応答の検出は、様々な既知の技法により実現し得る。例えば、T細胞増殖は、DNA合成速度を測定することにより検出でき、抗原特異性は、候補抗原反応性の免疫細胞が曝露される刺激(例えば、特異的な所望の抗原または対照抗原でパルスした抗原提示細胞など)を制御することにより測定できる。免疫細胞増殖を検出する他の方法としては、インターフェロン-γ(IFN-g)産生細胞、Ca2+流入、または3-(4,5-ジメチルチアゾル-2-イル)-2,5-ジフェニル-テトラゾリウムなどの染料の取り込みの増加を測定することが挙げられる。あるいは、リンホカイン(インターフェロン-γなど)の合成を測定することができるか、または特定の抗原に応答することができる免疫細胞の相対数を定量し得る。
【0036】
抗原特異的抗体産生の検出は、例えば、インビトロ法、例えば、放射免疫検定法(RIA)、酵素結合免疫吸着検定法(ELISA)、平衡透析法またはウェスタンブロット法を含めた固相免疫ブロット法などを使用して、本発明によるワクチンで処理した宿主からの試料(例えば、免疫グロブリン含有試料、例えば、血清、血漿または血液など)を検定することにより実現し得る。好ましい実施形態において、ELISA検定法は、例えば、該検定法の感度を増強するために、抗原に特異的な固相モノクローナル抗体を有する標的抗原の抗原捕獲固定化をさらに含み得る。可溶性伝達物質(例えば、サイトカイン、ケモカイン、リンホカイン、プロスタグランジン等。)の産生も、酵素結合免疫吸着検定法(ELISA)により、例えば、市販元(例えば、Sigma、St.Louis、Mo.;R&D Systems 2006 Catalog、R&D Systems、Minneapolis、Minn.も参照のこと)から容易に入手できる方法、装置および試薬を使用して容易に測定することができる。免疫応答は、適切な動物モデルにおいて疾患からのインビボ保護を測定することにより検出し得る。
【0037】
本発明において、「抗原」という用語は、ワクチンにおいて使用することができ、ヒト病原体に対する免疫応答を誘発することができる任意の抗原または抗原組成物を意味することを意図している。
【0038】
本発明において、抗原または抗原組成物は、ペプチド、タンパク質、炭水化物抗原、細菌性、真菌性、原虫性、ウイルス抗原または寄生生物、ポリペプチド、細胞、細胞抽出物、多糖類、多糖類複合体、脂質、糖脂質、ウイルス、ウイルス抽出物、ウイルス様粒子、核物質または核酸にコードされた抗原から選択される。
本発明によるFXR拮抗薬は、生きた全生物、死滅または不活化した生物、スピルトワクチン、サブユニットワクチン、癌ワクチン等の様々なタイプの抗原/ワクチンに対するアジュバント効果をもたらす。
【0039】
本発明によると、哺乳動物は、アジュバントとしてのFXR拮抗薬と共に抗原を含有する医薬組成物を投与すると、FXR拮抗薬が使用されない場合と比較してより高く持続性である、抗体価のより速い上昇を生じる。
本発明によるFXR拮抗薬は、10nM〜1mMの範囲である。1μM〜100μMの範囲のFXR拮抗薬によってより良好な結果が得られる。
【0040】
3βヒドロキシ-5,16-プレグナジエン-20-オン(C2IH30O2)は強力なFXR拮抗薬(これ以後BBと呼ぶ)であり、FXR拮抗薬クラスの化合物の他のものと同様のアジュバント特性を有することが分かっている。BBは水不溶性である。3βヒドロキシ-5,16-プレグナジエン-20-オン(BB)の構造は、下記の通りである。
【0041】
【化2】

【0042】
ワクチン
本発明のワクチンは、疾患の予防または治療に使用し得る。さらに、免疫増強剤としてのアジュバントの効果が治療ワクチンおよび予防ワクチンについて観察される。本発明によるワクチン組成物は、同じアジュバンド、並びに、例えば生ホール(whole)ウイルスワクチン、死滅ホール(whole)ウイルスワクチン、精製または組換えウイルス抗原を含むサブユニットワクチン、組換えウイルスワクチン、抗イディオタイプ抗体、DNAワクチンなどの下位分類のワクチン/抗原を含有する。
【0043】
以下の組成物の実施例は本発明によるものであり、保存剤を含まない。多回投与単位を製造する必要があるならば、保存剤を添加することができる。組成物は、安定性を改善するために、必要であれば、乾燥粉末の形態でもよい。乾燥粉末は、アジュバントを添加する前または後に組成物の凍結乾燥および/または冷凍乾燥により得ることができる。抗原の性質により乾燥形態である必要がある場合、アジュバントは希釈剤中に添加し得る。
【0044】
実施例I
組成物各1.0mlは、以下のものを含有する。
組換えB型肝炎表面抗原 10μg
3βヒドロキシ-5,16-プレグナジエン-20-オン(C21H30O2) 5μM
腹腔内注射用の水 1.0mlまで十分量
【0045】
実施例II
組成物各1.0mlは、以下のものを含有する。
組換えB型肝炎表面抗原 10μg
3βヒドロキシ-5,16-プレグナジエン-20-オン(C21H30O2) 20μM
生理食塩水 1.0mlまで十分量
【0046】
実施例III
組成物各1.0mlは、以下のものを含有する。
組換えB型肝炎表面抗原 10μg
3βヒドロキシ-5,16-プレグナジエン-20-オン(C21H30O2) 50μM
腹腔内注射用の水 1.0mlまで十分量
【0047】
実施例IV
組成物各1.0mlは、以下のものを含有する。
組換えB型肝炎表面抗原 20μg
3β-アセトキシプレグナ-5,16-ジエン-20-オン(16-DPA) 10μM
生理食塩水 1.0mlまで十分量
【0048】
実施例V
組成物各1.0mlは、以下のものを含有する。
狂犬病抗原をコードするrDNA(rDNA coding Rabies antigen)100uG
3βヒドロキシ-5,16-プレグナジエン-20-オン(C21H30O2) 5μM
腹腔内注射用の水 1.0mlまで十分量
【0049】
実施例Vl
組成物各1.0mlは、以下のものを含有する。
狂犬病抗原をコードするrDNA(rDNA coding Rabies antigen)100uG
4,16-ジエンプレグナ-3,20-ジオン 15μM
腹腔内注射用の水 1.0mlまで十分量
【0050】
実施例VII
組成物各1.0mlは、以下のものを含有する。
不活化狂犬病ウイルス(Rabipur)抗原 2.5IU
3βヒドロキシ-5,16-プレグナジエン-20-オン(C21H30O2) 20μM
生理食塩水 1.0mlまで十分量
【0051】
実施例VIII
組成物各1.0mlは、以下のものを含有する。
不活化狂犬病ウイルス(Rabipur)抗原 2.5IU
3βヒドロキシ-5,16-プレグナジエン-20-オン(C21H30O2) 10μM
生理食塩水 1.0mlまで十分量
【0052】
実施例IX
組成物各1.0mlは、以下のものを含有する。
不活化狂犬病ウイルス(Rabipur)抗原 2.5IU
3β-ヒドロキシプレグナ-5,16-ジエン-20-オン 1μM
生理食塩水 1.0mlまで十分量
【0053】
実施例X
組成物各1.0mlは、以下のものを含有する。
癌細胞(Mia-Pa-Ca) 106
3β-ヒドロキシプレグナ-5,16-ジエン-20-オン 10μM
生理食塩水 1.0mlまで十分量
【0054】
実施例Xl
組成物各1.0mlは、以下のものを含有する。
癌細胞(SPO2) 105
5,17(20)-ジエン-プレグナ-3,16-ジオール-ジアセテート 20μM
生理食塩水 1.0mlまで十分量
【0055】
実施例XII
組成物各1.0mlは、以下のものを含有する。
癌細胞(Panc-1)107
4,16-ジエンプレグナ-3,20-ジオン 5μM
生理食塩水 1.0mlまで十分量
【0056】
実施例XIII
組成物各1.0mlは、以下のものを含有する。
不活化A型肝炎ウイルス 105
5,17(20)-ジエン-プレグナ-3,16-ジオール-ジアセテート 20μM
生理食塩水 1.0mlまで十分量
【0057】
実施例XIV
組成物各1.0mlは、以下のものを含有する。
百日咳菌 4000m org
ジプセリアトキソイド 50Lf
破傷風トキソイド 10Lf
5,17(20)-ジエン-プレグナ-3,16-ジオール 15μM
生理食塩水 1.0mlまで十分量
【0058】
実施例XV
組成物各1.0mlは、以下のものを含有する。
Hインフルエンザ菌の糖類 10μg
[4,17(20)-Cis-プレグナジエン-3,16-ジオン] 15μM
生理食塩水 1.0mlまで十分量
【0059】
実施例XVI
季節性インフルエンザ組成物各1.0mlは、以下のものを含有する。
H1N1流行株[Ca/04] 15μgのHA
H1N1ウイルス[Br/59] 15μgのHA
H3N2ウイルス[Br/10] 15μgのHA
Z-ググルステロン 5μM
生理食塩水 1.0mlまで十分量
【0060】
実施例XVII
組成物各1.0mlは、以下のものを含有する。
S.TYphiの精製VI莢膜多糖類 2.5μg
4,16-ジエンプレグナ-3,20-ジオン 10μM
生理食塩水 1.0mlまで十分量
【0061】
上記の製剤は、必要な投与容量および濃度でFXR拮抗薬をアジュバントとして含む様々な抗原について製造することができる。以下の実施例は、本発明のアジュバントを様々な抗原に組み込む一般的スキームを示す。
【0062】
実施例XVII
アジュバントとしてFXR拮抗薬を有する組換えB型肝炎表面抗原10μg:
【0063】
【表1】

【0064】
実施例XVIII
アジュバントとしてFXR拮抗薬を有する組換えB型肝炎表面抗原20μg:
【0065】
【表2】

【0066】
実施例XIX
アジュバントとしてFXR拮抗薬を有する不活化狂犬病ウイルス(Rabipur)抗原2.5IU:
【0067】
【表3】

【0068】
実施例XX
アジュバントとしてFXR拮抗薬を有する癌細胞(Mia-paca2)抗原107:
【0069】
【表4】

【0070】
実施例XXI
アジュバントとしてFXR拮抗薬を有する癌細胞(Mia-paca2)抗原106:
【0071】
【表5】

【0072】
実施例XXII
アジュバントとしてFXR拮抗薬を有する癌細胞(Mia-paca2)抗原105:
【0073】
【表6】

【0074】
実施例XXIII
アジュバントとしてFXR拮抗薬を有するrDNA(狂犬病抗原をコードする)抗原100uG:
【0075】
【表7】

【0076】
本発明のアジュバント特性は、関連する抗原に対する抗体応答ならびに細胞仲介免疫応答を評価することにより分析する。以下の実施例は、抗原と共にアジュバントとしてFXR拮抗薬を使用した免疫応答の増強について記載している。これらの一部は、本明細書において本発明の概要を示すために以下に記載しているが、本発明の範囲を制限するものではない。
【0077】
実施例1
ウィスターラット/1群当たり3匹を、5μMおよび20μMのBBと混合したrHBsAg抗原で免疫処置した。各ラットに0日目に10μg筋肉注射した。14日間の間隔毎に個々のラットの血清で抗HBsAg抗体を検出した。BB-50uM BB-5uMが誘導アジュバントである。この研究の結果は、図1に示している。
【0078】
実施例2
1群当たり5匹のスイスアルビノマウスを無作為化し、0日目および14日目に100uGの狂犬病抗原をコードするrDNA(rDNA coding Rabies antigen)で免疫処置した。5μMおよび10μMのBBを有するrDNAは、1回目のワクチンの投与後、28日目に感染防御抗体価を示す。抗体価は、約100日間感染防御に十分なままであった。この研究の結果は、図2に示している。
【0079】
実施例3
1群当たり3匹のウィスターラットを無作為化し、アジュバントとしてBB50uMを有するHBsAg 10マイクログラムの単回注射で免疫処置した。各ラットを免疫後14日目に採血し、抗体価をELISAにより分析した。この研究の結果は、図3に示している。
【0080】
実施例4
ウィスターラット/1群当たり3匹を、20μMおよび50μMのBBと混合したrHBsAg抗原で免疫処置した。各ラットに0日目に10μg筋肉注射した。14日間の間隔毎に個々のラットの血清で抗HBsAg抗体を検出した。BB-50uM BB-5uMが誘導アジュバントである。この研究の結果は、図4に示している。
【0081】
実施例5
各群5匹のマウスを、アジュバントとしてのBBと共に/BBなしでアジュバント化した不活化狂犬病ウイルス(Rabipur)で免疫処置し、第3の群を対照としてPBSで免疫処置した。単回免疫を1日目に実施した。マウスを0、7、および14日目に採血し、BioRAD製のELISAキットを使用して抗体を測定した。
狂犬病ワクチンと共にアジュバントとしてBBで免疫処置したマウスは、より速くより強い応答を示した。抗体価は、14日目に感染防御を示した。この研究の結果は、図5に示している。
【0082】
実施例6
5μMのBBと混合したE型肝炎ウイルスの組換えNEタンパク質(1μg)を筋肉内投与した。1回目の注射後14日目に60%セロコンバージョンが見られ、2週間後の2回目の注射後に100%セロコンバージョンが見られた。
【0083】
実施例7
各群5匹のマウスを、アジュバントとしてのBBと共に/BBなしで癌細胞(Mia-paca2)で免疫処置し、第3の群を対照としてPBSで免疫処置した。2種の免疫投与量を1および21日目に投与した。マウスを28日目に屠殺し、脾細胞を除去し、インターフェロンγ(IFN-g)ELISPOTを実施した。
【0084】
癌細胞と共にアジュバントとしてBBで免疫処置したマウスは、マイコバクテリウムでアジュバント化した群より3倍強い応答を示した。この研究の結果は、図6に示している。生じたタイプの免疫応答は、結果として腫瘍の大きさを低減することが分かっている。
【0085】
本発明は、アジュバントとしてのFXR拮抗薬および抗原と共にFXR拮抗薬を含有する医薬組成物を提供する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ファルネソイド-X-受容体(FXR)拮抗薬(複数可)、その誘導体または異性体を含むアジュバント組成物。
【請求項2】
アジュバントとしてのファルネソイド-X-受容体(FXR)拮抗薬(複数可)および抗原(複数可)を含むワクチン組成物。
【請求項3】
請求項1または2に記載のアジュバントとしてのファルネソイド-X-受容体(FXR)拮抗薬、抗原、および薬学的に許容される担体を含む医薬組成物。
【請求項4】
ファルネソイド-X-受容体(FXR)拮抗薬が:
a.3βヒドロキシ-5,16-プレグナジエン-20-オン、
b.ググリピッド、
c.ググルステロン、
d.3β-アセトキシプレグナ-5,16-ジエン-20-オン(16-DPA)、
e.4,16-ジエンプレグナ-3,20-ジオン、
f.3β-アクトキシプレグナ-5-エン-20-オン、
g.3β-ヒドロキシプレグナ-5-エン-20-オン、
h.5,16-ジエン-プレグナン-3,20-ジオール、
i.5,17(20)-ジエン-プレグナ-3,16-ジオール-ジアセテート、
j.5,17(20)-ジエン-プレグナ-3,16-ジオール、
k.3β-ヒドロキシプレグナ-5,16-ジエン-20-オン、
l.7-(2-ヘキシルオキシ-3,5-ジイソプロピル-フェニル)-3-メチル-オクタ-2,4,6-トリエン酸、
m.Z-ググルステロン、
n.[4,17(20)-Cis-プレグナジエン-3,16-ジオン]、
o.E-ググルステロンまたは
p.[4,17-(20)-Trans-プレグナジエン-3,16-ジオン]
のいずれかから選択される、請求項1、2または3に記載の組成物。
【請求項5】
請求項1、2または3に記載の医薬組成物を投与することにより哺乳動物において免疫応答を調節する方法。
【請求項6】
請求項1、2または3に記載の医薬組成物を投与することにより抗原(複数可)に対する免疫応答を増強する方法。
【請求項7】
抗原(複数可)がペプチド、タンパク質、炭水化物抗原、細菌性、真菌性、原虫性、ウイルス抗原または寄生生物、アレルゲン、ポリペプチド、細胞、細胞抽出物、多糖類、多糖類複合体、脂質、糖脂質、ウイルス、ウイルス抽出物、ウイルス様粒子、核物質または核酸にコードされた抗原から選択される、請求項2または3に記載の組成物。
【請求項8】
抗原(複数可)が腫瘍関連または腫瘍特異的抗原である、請求項2および3に記載の組成物。
【請求項9】
FXR拮抗薬の濃度が10nM〜1mM、好ましくは1μM〜100μM、最も好ましくは1μM〜50μMの範囲である、請求項1、2または3に記載の組成物。
【請求項10】
抗体応答および/または細胞仲介抗体応答を誘導するための請求項1、2または3に記載の組成物。
【請求項11】
改善された予防および/または治療ワクチンのための請求項1、2または3に記載の組成物。
【請求項12】
より速い、より高いおよび/または持続的な免疫応答を生じるための請求項1、2または3に記載の組成物。
【請求項13】
より良好なセロプロテクションのための請求項1、2または3に記載の組成物。
【請求項14】
改善されたセロコンバージョンのための請求項1、2または3に記載の組成物。
【請求項15】
請求項1から14および明細書に記載の、哺乳動物において免疫応答を増加させる方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2012−504118(P2012−504118A)
【公表日】平成24年2月16日(2012.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−528444(P2011−528444)
【出願日】平成21年9月26日(2009.9.26)
【国際出願番号】PCT/IB2009/006950
【国際公開番号】WO2010/035119
【国際公開日】平成22年4月1日(2010.4.1)
【出願人】(507421393)カディラ ファーマシューティカルズ リミテッド (7)
【Fターム(参考)】