説明

ワーク表面加工装置および多連式ワーク表面加工装置

【課題】装置の小型化を阻害することなく、内蔵の加工具揺動機構の保守点検作業を効率良く行うことのできるレンズ研磨工装置を提案すること。
【解決手段】レンズ研磨装置1は、装置架台2に対して前方に引き出し可能な引き出し式架台3を備えている。引き出し式架台3には、研磨工具51を回転させる工具軸モータ53および研摩工具51を揺動させる加工具揺動機構6を含む引き出し側機構部5が搭載されている。引き出し式架台3を装置架台2から前方に引き出すと、引き出された引き出し式架台3に搭載されている引き出し側機構部5の周囲に作業用スペースを確保できる。よって、引き出し側機構部5の保全作業を効率良く行うことができ、レンズ研磨装置1の内部に作業用のスペースを確保しておく必要がないので、装置を小型化できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、研削工具、研磨工具などのワーク表面を加工するための加工具を加工対象のレンズ素材、ミラー素材などのワークに押し付け、この状態で加工具を揺動運動などの所定の運動を行わせて、ワークに対して研削加工、研磨加工を施すワーク表面加工装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ワーク表面加工装置、例えば、レンズに曲面加工を施すレンズ研削装置では、カム機構を用いて研削工具を加工対象のレンズ素材に対して揺動運動させるようにしている。カム機構を利用した球面研削装置は特許文献1(特公平7−61606号公報)に開示されている。
【0003】
ここに開示の研削装置は、円筒曲面状のカム面を有する基準カムと、基準カムの円筒曲面に沿って移動する2つのカムフォロアーと、カムフォロアーに支持される揺動体と、揺動体に支持される研磨皿を備えている。一方の駆動側のカムフォロアーを駆動装置によってカム面に沿って移動させ、他方のカムフォロアーを駆動側のカムフォロアーの動きに追従させてカム面に沿って移動させ、これにより、揺動体及び研磨皿をカム面の形状に対応した揺動軌跡に沿って揺動させるようにしている。
【0004】
カムを用いた揺動機構では、揺動体および研磨皿の揺動軌跡がカム面の形状に応じて決まるので、この軌跡を越える揺動角度、あるいは異なる揺動軌跡に沿って研磨皿を揺動させるためには、カム交換を行う必要がある。このような研削装置は、同一形状の加工を大量に行う場合には適している。
【0005】
しかしながら、小ロット、多品種の生産を行う場合には頻繁にカム交換を行わなければならないので、その段取り時間がロスとなって加工装置の運転効率が大きく低下する。また、各種の形状の曲面加工を行うためには、各形状に合わせた基準カムを用意しておく必要があるので、製造コストが高くなる。
【0006】
そこで、本願出願人は、特許文献2(特開2009−45686号公報)において、水平方向へスライド可能な一対のX軸スライド機構に、それぞれ上下方向にスライド可能なY軸スライド機構を搭載し、これらY軸スライド機構をリンクテーブルによって連結し、リンクテーブルに加工具を搭載した構成の加工具揺動機構を提案している。この加工具揺動機構を用いることにより、カム交換などの部品交換作業を行うことなく、各種の曲面加工を行うことのできるレンズ加工装置を実現できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特公平7−61606号公報
【特許文献2】特開2009−45686号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
近年、研磨加工装置においては作業効率を高めるために装置の設置スペース低減に対する要求が強く、設置スペースを少なくするために装置の小型化が図られている。しかしながら、装置を小型化すると、装置内部に保全作業のスペースを確保できず、装置の保守点検作業が困難になる場合がある。特に、NC装置などのような精密な機器を使用している場合には、一旦故障が発生すると長時間に亘って装置が停止状態となり、生産性が低下してしまう。
【0009】
本発明の課題は、この点に鑑みて、装置の小型化を阻害することなく、内蔵の加工具揺動機構などの保守点検作業を効率良く行うことのできるワーク表面加工装置を提案することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の課題を解決するために、本発明のワーク表面加工装置は、
装置架台と、
前記装置架台に装着された装着位置から所定の引き出し方向に引き出し可能な引き出し式架台と、
前記装置架台に搭載されている装置側機構部と、
前記引き出し式架台に搭載されている引き出し側機構部とを有しており、
前記装置側機構部は、加工対象のワークを保持するワークホルダーと、このワークホルダーを移動させるホルダー移動機構とを備えており、
前記引き出し側機構部は、前記ワークホルダーに保持されたワークの表面を研磨加工あるいは研削加工するための加工具と、この加工具をその中心軸線回りに回転する加工具回転機構と、前記加工具を揺動させる加工具揺動機構とを備えていることを特徴としている。
【0011】
本発明のワーク表面加工装置においては、装置架台から、加工具揺動機構を含む引き出し側機構が搭載されている引き出し側架台を引き出すことができる。したがって、加工具揺動機構などの内部機構の保全作業においては、装置架台から外に引き出すことにより、作業スペースを確保できるので、これらの機構部分の保全作業を効率良く行うことができる。
【0012】
ここで、前記装置架台は前方に開口している前面開口部を備えており、前記引き出し式架台は、前記前面開口部から装置前方に引き出し可能であることが望ましい。装置前方には一般的に作業員の通路スペースなどのスペースがあるので、引き出し式架台を装置前方に引き出すようにすればよい。
【0013】
前記装置架台が、一定の間隔で装置前後方向に平行に延びる状態に配置された第1および第2垂直側板と、これら第1、第2垂直側板の間に架け渡した水平板とを備え、前記第1、第2垂直側板および前記水平板の間に前記前面開口部が形成されている場合には、前記引き出し式架台を、前記第1垂直側板の内側位置において、当該第1垂直側板によって装置前後方向にスライド可能な状態に支持されている垂直ベース板と、この垂直ベース板における装置前側の端部に取り付けたキャスター付き支持脚とを備え、前記引き出し側機構部を前記垂直ベース板に搭載した構成を採用することができる。
【0014】
また、スライド機構としては、水平ガイドレールおよびガイドローラーを用いることができる。この場合には、前記第1垂直側板および前記垂直ベース板の一方に、前記垂直ベース板を装置前後方向に水平にスライドさせるための水平ガイドレールを取り付け、他方に、前記水平ガイドレールに沿って当該水平ガイドレール上を装置前後方向に転動するガイドローラーを取り付ければよい。
【0015】
さらに、ワークホルダーおよび加工具を上下方向から対峙させる場合には、前記装置側機構部は上下方向に延びるホルダー軸を備え、このホルダー軸の下端に、前記ワークホルダーが下向き状態で取り付けられる。ホルダー軸は前記ホルダー移動機構によって上下方向に移動される。また、前記引き出し側機構部は工具スピンドルを備え、この工具スピンドルの上端に、前記加工具が上向き状態で取り付けられる。工具スピンドルは前記加工具回転機構によって、その中心軸線回りに回転させられ、前記加工具揺動機構によって揺動される。
【0016】
この場合には、前記装置架台の前記水平板の上面に前記装置側機構部が搭載され、当該水平板に形成した開口部を通って前記ワークホルダーが上下方向に移動可能とされる。また、前記装着位置にある前記引き出し式架台に搭載されている前記加工具は、前記開口部の下方に位置する。
【0017】
ここで、前記引き出し側機構部の前記加工具揺動機構は次の構成とすることができる。
【0018】
すなわち、装置前後方向に水平に延びるX軸方向に移動可能な状態で前記垂直ベース板に搭載されている第1X軸テーブルおよび第2X軸テーブルと、
前記第1X軸テーブルに、前記X軸に直交する垂直方向に延びるY軸方向に移動可能な状態で搭載されている第1Y軸テーブルと、
前記第2X軸テーブルに、前記Y軸方向に移動可能な状態で搭載されている第2Y軸テーブルと、
前記第1Y軸テーブルに対して前記X軸および前記Y軸に直交する装置幅方向に水平に延びる第1中心軸線回りに回転可能な状態で連結されている第1連結部、および、前記第2Y軸テーブルに対して前記第1中心軸線に平行に延びる第2中心軸線回りに回転可能な状態で連結されている第2連結部を備えたリンクテーブルと、
前記第1X軸テーブルを前記X軸方向に移動させるための第1駆動手段と、
前記第1Y軸テーブルを前記Y軸方向に移動させるための第2駆動手段と、
前記第2X軸テーブルおよび前記第2Y軸テーブルの一方を、当該テーブルの移動可能な方向である前記X軸あるいは前記Y軸の方向に移動させるための第3駆動手段とを有しており、
前記リンクテーブルに前記工具スピンドルが回転自在の状態で取り付けられており、当該リンクテーブルに前記加工具回転機構が搭載されている。
【0019】
本発明による引き出し式ワーク表面加工装置は、前方に引き出し式架台を引き出して、そこに搭載されている加工具揺動機構などの保全作業を行うことができる。したがって、ワーク加工装置を小型化できる。特に、装置幅方向の寸法を小さくできるので、ワーク表面加工装置を幅方向に連結して、コンパクトな多連式ワーク表面加工装置を構築できる。
【発明の効果】
【0020】
本発明のワーク表面加工装置では、内部機構の保全作業時には、引き出し式架台を装置架台から引き出すことが可能である。引き出し式架台を引き出すことにより、そこに搭載されている加工具揺動機構などの引き出し側機構部の周囲に、それらの保全作業を行うためのスペースを確保できる。よって、装置内部に、作業者の手、保全作業用の工具を入れることのできる保全用スペースを確保する必要がないので、装置寸法の小型化に有利である。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】(a)は本発明を適用したレンズ研磨装置を示す斜視図であり、(b)は引き出し側機構部が搭載されている引き出し式架台を示す斜視図である。
【図2】図1のレンズ研磨装置の引き出し機構を示す説明図である。
【図3】図1のレンズ研磨装置の加工具揺動機構を示す斜視図である。
【図4】図1のレンズ研磨装置を連結した多連式レンズ研磨装置を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下に、図面を参照して、本発明を適用したワーク表面加工装置の実施の形態を説明する。
【0023】
図1(a)は本発明の実施の形態に係るレンズ研磨装置を示す斜視図である。レンズ研磨装置1は、装置架台2と、装置架台2の内部に装着された装着位置3Aから所定の引き出し方向に引き出し可能な引き出し式架台3と、装置架台2に搭載されている装置側機構部4と、引き出し式架台3に搭載されている引き出し側機構部5とを有している。
【0024】
装置架台2は、一定の間隔で装置前後方向に平行に延びる第1および第2垂直側板21、22と、これら第1、第2垂直側板21、22の上端の間に水平に架け渡した矩形の天板(水平板)23とを備えている。これら第1、第2垂直側板21、22と、天板23との間に、装置前方に開口している上下方向に長い矩形の前面開口部24が形成されている。
【0025】
引き出し式架台3は、装置架台2の前面開口部24から前方に引き出し可能となっている。引き出し式架台3は矩形の垂直ベース板31と、この垂直ベース板31の装置前側の下側の角部分から下方に垂直に延びている支持脚32と、この支持脚32の下端に取り付けたキャスター33とを備えている。垂直ベース板31は、第1垂直側板21の内側位置において、当該第1垂直側板21によって装置前後方向にスライド可能な状態に支持されている。また、垂直ベース板31に引き出し側機構部5が搭載されている。
【0026】
図1(b)は引き出し式架台3を示す斜視図であり、図2は、装置架台2の第1垂直側板21と引き出し式架台3を示す説明図である。これらの図を参照して説明すると、装置架台2の第1垂直側板21の内側表面21aにおける下側の部位には、装置前後方向に水平に延びる水平ガイドレール25が固定されている。引き出し式架台3の垂直ベース板31には3個のガイドローラー34が回転自在の状態で取り付けられている。ガイドローラー34は、垂直ベース板31における第1垂直側板21に対峙する側の側面の下端縁部分に沿って装置前後方向に等間隔で同一高さ位置に配置されており、水平ガイドレール25の上を、当該水平ガイドレール25に沿って転動自在となっている。
【0027】
水平ガイドレール25および3個のガイドローラー34からなるスライド機構によって、引き出し式架台3は装置架台2に装着されている装着位置3Aから前方に引き出すことができる。また、引き出し式架台3はキャスター付き支持脚32によって支持されているので、引き出し操作を簡単に行うことができる。
【0028】
なお、引き出し式架台3は、不図示のねじなどの固定具によって、装置架台2に装着された装着位置3Aに固定されている。固定具を外すことにより、引き出し式架台3の引き出しが可能になる。遠隔操作式のロック機構を取り付けておき、ロック機構を解除することにより引き出し可能にすることも可能である。また、引き出し式架台3は、水平ガイドレール25から外れて装置架台2から完全に切り離された状態にしてもよいし、引き出し量を制限してもよい。例えば、水平ガイドレール25の前端から最も後のガイドローラー34が外れない位置を最大引き出し量とすることができる。
【0029】
次に、装置架台2に搭載されている装置側機構部4は、図1(a)に示すように、加工対象のレンズ(ワーク)Wを保持するワークホルダー41を備えており、このワークホルダー41は、上下方向に延びるホルダー軸42の下端に、下向きの状態で取り付けられている。ホルダー軸42はホルダー軸昇降機構43(ホルダー移動機構)によって昇降するようになっている。ホルダー軸昇降機構43は装置架台2の天板23の上面に搭載されており、天板23には、ワークホルダー41を昇降させるための矩形の開口部26が形成されている。
【0030】
一方、引き出し側機構部5は、図1(b)から分かるように、ワークホルダー41に保持されたレンズWの表面を研磨加工するための研磨工具51を備えており、この研磨工具51は、工具スピンドル52の上端に上向き状態で取り付けられている。工具スピンドル52はその中心軸線回りに工具軸モータ53(加工具回転機構)によって回転駆動される。また、工具スピンドル52は回転自在の状態でスピンドルハウジング54によって支持されており、このスピンドルハウジング54は加工具揺動機構6に搭載されている。スピンドルハウジング54には工具軸モータ53も搭載されている。引き出し式架台3が装着位置3Aにある状態では、研磨工具51は、開口部26の下方に位置するようになっている。
【0031】
次に、図3は加工具揺動機構6を示す説明図である。加工具揺動機構6は研磨工具51を所定の軌跡に沿って揺動運動させるための機構であり、次のように構成されている。
【0032】
加工具揺動機構6は、装置前後方向に水平に延びるX軸方向に移動可能な状態で垂直ベース板31に搭載されている第1X軸テーブル61および第2X軸テーブル62を備えている。第1X軸テーブル61および第2X軸テーブル62は一定の間隔を保持した状態で一体となってX軸方向に移動する。第1X軸テーブル61には、第1Y軸テーブル63がX軸に直交する垂直方向に延びるY軸方向に移動可能な状態で搭載されている。第2X軸テーブル62には、第2Y軸テーブル64がY軸方向に移動可能な状態で搭載されている。
【0033】
これら第1Y軸テーブル63および第2Y軸テーブル64は、リンクテーブル65によって相互に連結されている。すなわち、リンクテーブル65は第1連結部66において、第1Y軸テーブル63に対してX軸およびY軸に直交する装置幅方向に水平に延びる第1中心軸線66a回りに回転可能な状態で連結されている。また、リンクテーブル65は第2連結部67において、第2Y軸テーブル64に対して第1中心軸線66aに平行に延びる第2中心軸線67a回りに回転可能な状態で連結されている。このリンクテーブル65には、スピンドルハウジング54が搭載されている。
【0034】
第1X軸テーブル61は、X軸モータ68(第1駆動手段)によって、X軸方向に移動する。第1Y軸テーブル63は第1Y軸モータ69(第2駆動手段)によってY軸方向に移動し、第2Y軸テーブル64は第2Y軸モータ70(第3駆動手段)によってY軸方向に移動する。なお、第2Y軸テーブル64を第1Y軸テーブル63と一体となってY軸方向に移動するように連結し、第2X軸テーブル62を個別の駆動手段によってX軸方向に移動させるようにしてもよい。
【0035】
この構成の加工具揺動機構6では、例えばレンズ研磨装置1に搭載されているNC制御盤7によってX軸モータ68、第1Y軸モータ69、第2Y軸モータ70を駆動して、第2X軸テーブル62をX軸方向に移動させ、第1、第2Y軸テーブル63、64を個別にY方向に移動させることにより、工具スピンドル52の上端に取り付けた研磨工具51を所定の軌跡に従って揺動運動させることができる。例えば、研磨工具51の研磨面5aを揺動運動させてレンズWに球面研削加工を施すことができる。
【0036】
本例の加工具揺動機構6は、垂直ベース板31の表面に、第1、第2X軸テーブル61、62を積層し、これら第1、第2X軸テーブル61、62に第1、第2Y軸テーブル63、64を積層し、これら第1、第2Y軸テーブル63、64にリンクテーブル65を積層した構造となっている。したがって、偏平な揺動機構、すなわち、テーブル積層方向である装置幅方向の寸法が小さい揺動機構を構築できる。
【0037】
以上説明したように、レンズ研磨装置1では、前方に引き出し可能な引き出し式架台3に加工具揺動機構6などを含む引き出し側機構部5を搭載してある。装置架台2の側の装置側機構部4は装置架台2の天板23の上面に搭載されているので、装置側機構部4の保全作業は容易である。また、引き出し式架台3を装置架台2から前方に引き出すと、引き出された引き出し式架台3に搭載されている引き出し側機構部5の周囲に作業用スペースを確保できる。よって、引き出し側機構部5の保全作業を効率良く行うことができ、レンズ研磨装置1の内部に作業用のスペースを確保しておく必要がないので、装置を小型化できる。特に、本例では幅方向に偏平な加工具揺動機構6が備わっているので、装置幅寸法を小さくできる。
【0038】
このため、レンズ研磨装置1を幅方向に連結した多連式レンズ研磨装置をコンパクトに構成することができる。たとえば、図4に示すような4連式レンズ研磨装置10を構築できる。4連式レンズ研磨装置10の各レンズ研磨装置11〜14は上記のレンズ研磨装置1と同一構成であるが、隣接するレンズ研磨装置の間においては一方の第1垂直側板21を他方の第2垂直側板22と兼用している点と、天板として共通の天板23が使用されている点が相違している。
【符号の説明】
【0039】
1、11〜14 レンズ研磨装置(ワーク表面加工装置)
2 装置架台
3 引き出し式架台
3A 装着位置
4 装置側機構部
5 引き出し側機構部
6 加工具揺動機構
10 4連式レンズ研磨装置(多連式ワーク表面加工装置)
21 第1垂直側板
22 第2垂直側板
23 天板(水平板)
24 前面開口部
25 水平ガイドレール
26 開口部
31 垂直ベース板
32 支持脚
33 キャスター
34 ガイドローラー
41 ワークホルダー
42 ホルダー軸
43 ホルダー軸昇降機構(ホルダー移動機構)
51 研磨工具(加工具)
52 工具スピンドル
53 工具軸モータ(加工具回転機構)
54 スピンドルハウジング
61 第1X軸テーブル
62 第2X軸テーブル
63 第1Y軸テーブル
64 第2Y軸テーブル
65 リンクテーブル
66 第1連結部
66a 第1中心軸線
67 第2連結部
67a 第2中心軸線
68 X軸モータ(第1駆動手段)
69 第1Y軸モータ(第2駆動手段)
70 第2Y軸モータ(第3駆動手段)
W レンズ(ワーク)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置架台(2)と、
前記装置架台(2)に装着された装着位置(3A)から所定の引き出し方向に引き出し可能な引き出し式架台(3)と、
前記装置架台(2)に搭載されている装置側機構部(4)と、
前記引き出し式架台(3)に搭載されている引き出し側機構部(5)とを有しており、
前記装置側機構部(4)は、加工対象のワーク(W)を保持するワークホルダー(41)と、このワークホルダー(41)を移動させるホルダー移動機構(43)とを備えており、
前記引き出し側機構部(5)は、前記ワークホルダー(41)に保持されたワーク(W)の表面を研磨加工あるいは研削加工するための加工具(51)と、この加工具(51)をその中心軸線回りに回転する加工具回転機構(53)と、前記加工具(51)を揺動させる加工具揺動機構(6)とを備えていることを特徴とするワーク表面加工装置(1)。
【請求項2】
前記装置架台(2)は前方に開口している前面開口部(24)を備えており、
前記引き出し式架台(3)は、前記前面開口部(24)から装置前方に引き出し可能であることを特徴とする請求項1に記載のワーク表面加工装置(1)。
【請求項3】
前記装置架台(2)は、一定の間隔で装置前後方向に平行に延びる状態に配置された第1および第2垂直側板(21、22)と、これら第1、第2垂直側板(21、22)の間に架け渡した水平板(23)とを備え、前記第1、第2垂直側板(21、22)および前記水平板(23)の間に前記前面開口部(24)が形成されており、
前記引き出し式架台(3)は、前記第1垂直側板(21)の内側位置において、当該第1垂直側板(21)によって装置前後方向にスライド可能な状態に支持されている垂直ベース板(31)と、この垂直ベース板(31)における装置前側の端部に取り付けたキャスター付き支持脚(32)とを備えており、
前記引き出し側機構部(5)は前記垂直ベース板(31)に搭載されていることを特徴とする請求項2に記載のワーク表面加工装置(1)。
【請求項4】
前記第1垂直側板(21)および前記垂直ベース板(31)の一方には、前記垂直ベース板(31)を装置前後方向に水平にスライドさせるための水平ガイドレール(25)が取り付けられており、
前記第1垂直側板(21)および前記垂直ベース板(31)の他方には、前記水平ガイドレール(25)に沿って当該水平ガイドレール上を装置前後方向に転動するガイドローラー(34)が取り付けられていることを特徴とする請求項3に記載のワーク表面加工装置(1)。
【請求項5】
前記装置側機構部(4)は、上下方向に延びるホルダー軸(42)を備え、このホルダー軸(42)の下端に、前記ワークホルダー(41)が下向き状態で取り付けられており、前記ホルダー移動機構(43)は、前記ホルダー軸(42)を上下方向に移動させる機構であり、
前記引き出し側機構部(5)は、工具スピンドル(52)を備え、この工具スピンドル(52)の上端に、前記加工具(51)が上向き状態で取り付けられており、前記加工具回転機構(53)は前記工具スピンドル(52)をその中心軸線回りに回転する機構であり、前記加工具揺動機構(6)は前記工具スピンドル(52)を揺動する機構であり、
前記装置架台(2)の前記水平板(23)の上面に前記装置側機構部(4)が搭載され、当該水平板(23)に形成した開口部(26)を通って前記ワークホルダー(41)が上下方向に移動可能となっており、
前記装着位置(3A)にある前記引き出し式架台(3)に搭載されている前記加工具(51)は、前記開口部(26)の下方に位置していることを特徴とする請求項4に記載のワーク表面加工装置(1)。
【請求項6】
前記引き出し側機構部(5)の前記加工具揺動機構(6)は、
装置前後方向に水平に延びるX軸方向に移動可能な状態で前記垂直ベース板(31)に搭載されている第1X軸テーブル(61)および第2X軸テーブル(62)と、
前記第1X軸テーブル(61)に、前記X軸に直交する垂直方向に延びるY軸方向に移動可能な状態で搭載されている第1Y軸テーブル(63)と、
前記第2X軸テーブル(62)に、前記Y軸方向に移動可能な状態で搭載されている第2Y軸テーブル(64)と、
前記第1Y軸テーブル(63)に対して前記X軸および前記Y軸に直交する装置幅方向に水平に延びる第1中心軸線(66a)回りに回転可能な状態で連結されている第1連結部(66)、および、前記第2Y軸テーブル(64)に対して前記第1中心軸線(66a)に平行に延びる第2中心軸線(67a)回りに回転可能な状態で連結されている第2連結部(67)を備えたリンクテーブル(65)と、
前記第1X軸テーブル(61)を前記X軸方向に移動させるための第1駆動手段(68)と、
前記第1Y軸テーブル(63)を前記Y軸方向に移動させるための第2駆動手段(69)と、
前記第2X軸テーブル(62)および前記第2Y軸テーブル(64)の一方を、当該テーブルの移動可能な方向である前記X軸あるいは前記Y軸の方向に移動させるための第3駆動手段(70)とを有しており、
前記リンクテーブル(65)に、前記工具スピンドル(52)が回転自在の状態で取り付けられていると共に前記加工具回転機構(53)が搭載されていることを特徴とする請求項5に記載のワーク表面加工装置(1)。
【請求項7】
請求項2ないし6のうちのいずれかの項に記載のワーク表面加工装置が装置幅方向に複数台連結されており、
隣接する前記ワーク表面加工装置(11〜14)においては、一方の前記第1垂直側板(21)が他方の前記第2垂直側板(22)に兼用されていることを特徴とする多連式ワーク表面加工装置(10)。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate