説明

一成分系クリア塗料および二成分系クリア塗料のための汎用スポットブレンダー

本発明は、少なくとも1つのイソシアネート化合物を含有する一成分系クリア塗料および二成分系クリア塗料のための結合剤不含のスポットブレンダー組成物、その製造法および自動車補修塗装における該組成物の使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一成分系クリア塗料および二成分系クリア塗料のためのスポットブレンダーとしての組成物に関する。更に、本発明は、前記組成物を製造するための新規の方法に関する。更に、本発明は、自動車補修塗装におけるスポットブレンダーとしての前記組成物の使用に関する。
【0002】
自動車補修塗装では、大きな損傷部分の場合に通常は、このボディの損傷部分が取り除かれ、全面的に補修塗装される。まさに、新しいおよび/または特に価値の高い自動車の場合に極めて不愉快な小さな損傷、例えば鍵の引掻き傷または打撃(Rempler)(例えば駐車場境界で)の場合に、しかしこの手法は極めて費用がかかり、かつ損傷の大きさに適合していない。従って有利には、小規模損傷は、部分的な自動車小規模補修のための方法を用いて除かれる。この方法は、この専門業界によりポイント修理またはスポット補修とも呼ばれる。
【0003】
しかしながら、公知のスポット補修方法は、数々の欠点を有し、実施することが困難である。しばしば、当初の塗装上でのクリア塗料吹付けミストの流出区域(Auslaufzone)が余りに広いので、これは補修塗装および当初の塗装の光学的適合を困難にする。更に、当初の塗装上での補修クリア塗装の劣悪な付着のために、損傷部位の周囲の流出区域中で補修クリア塗装が破損するかまたは剥がれる可能性がある。それにより、旧塗膜のすぐ上に存在する補修クリア塗膜の周りを完全に取囲みうる明らかに目視可能なエッジが生じる。この際、補修塗装は、目視的に粗い移行区域のために全体として、"貼り付けプラスター(Pflaster)"のように作用する。
【0004】
流出区域中での剥離または割れおよび光学的性質の難しい適合の問題を、いわゆるスポットブレンダー(Spotblender)を、未硬化の補修クリア塗膜全体に塗布することによって解決することが試みられてきた。これにより特別に"軟質の"移行区域が生じ、補修クリア塗膜が当初の塗装に対する周辺区域中で剥離されることが妨げられる。
【0005】
ドイツ連邦共和国特許出願公開第10043810号明細書A1の記載から、サンダー仕上げ時間および/または艶出し時間を従来法と比較して50%を上廻るように減少させることができるスポット補修方法は、公知である。しかし、ドイツ連邦共和国特許出願公開第10043810号明細書A1から公知のスポット補修用結合剤組成物は、ヒドロキシル基含有結合剤を基礎とする二成分系クリア塗料にだけ適している。別のクリア塗料、殊に一成分系クリア塗料は、ドイツ連邦共和国特許出願公開第10043810号明細書A1のスポット補修方法により製造することができない。
【0006】
"UV−A−線で硬化可能な溶剤含有混合物、その製造法および該混合物の使用"の名称をもつドイツ連邦共和国特許出願公開第102005012589号明細書A1の記載から、次の成分:
(A)UVーA線で硬化可能な反応性の官能基少なくとも3個およびイソシアネート反応性の官能基少なくとも1個を含有するモノマー(a1)、および、UVーA線で硬化可能な反応性の官能基少なくとも2個を含有する、イソシアネート反応性の官能基を含有しないモノマー(a21)およびUVーA線で硬化可能な反応性の官能基少なくとも2個及びイソシアネート反応性の官能基少なくとも1個を含有するモノマー(a22)からなる混合物(a2)からなる群から選択されるUV−A線で硬化可能な少なくとも1つの成分1〜50質量%;
(B)少なくとも1つの吸収極大をλ=300〜400nmの波長範囲内に有する、少なくとも1つの無色または実質的に無色の光開始剤0.01〜10質量%;
(C)3〜10個の炭素原子をアルキル基中および/またはシクロアルキル基中に有する、少なくとも1つのアルキルアセテートおよび/またはシクロアルキルアセテート10〜70質量%;
(D)少なくとも1つのアルコキシアルキルアセテート、アルコキシシクロアルキルアセテート、シクロアルコキシアルキルアセテートおよび/またはシクロアルコキシシクロアルキルアセテート10〜70質量%;
(E)表面張力を減少させる少なくとも1つの成分0.001〜5質量%および
(F)1〜6個の炭素原子を分子中に有する少なくとも2個のアルキル基を有する、少なくとも1つのアルキル芳香族化合物0〜50質量%;および
(G)成分(A)〜(F)とは異なる少なくとも1つの添加剤0〜50質量%からなる組成物は、公知である。
【0007】
前記組成物の欠点は、ドイツ連邦共和国特許出願公開第10043810号明細書A1の記載から公知の組成物と同様に、前記組成物が一成分系クリア塗料および二成分系クリア塗料に全般的には同時に適しておらず、さらに、UV線の下での硬化後に依然として研磨縁部で簡単な縁部マークを生じることにある。
【0008】
それに応じて、本発明の課題は、スポットブレンダーとしてスポット補修方法で使用することができ、かつ一成分系クリア塗料および二成分系クリア塗料と組み合わせて、特に硬化可能な組成物の組成を変えることなしに使用することができる、硬化可能な組成物を提供することである。
【0009】
特に、硬化可能な組成物は、UV線で、および熱的に硬化可能であるはずであり、ならびに熱的だけで硬化可能であるはずである。
【0010】
更に、本発明により準備すべき組成物は、極めて短時間で研磨および/またはポリッシングすることが可能であり、光学的に当初の塗装からもはや際立って見えず、流出区域中で剥離または破損をもはや示さず、かつラインで当初の塗装の部分での自動車小規模補修にも使用されることもできる高い品質を有する補修塗装を有利に提供することができる。
【0011】
この課題は、一成分系クリア塗料および二成分系クリア塗料のための結合剤不含のスポットブレンダー組成物によって解決される。
【0012】
本発明による結合剤不含のスポットブレンダー組成物は、該組成物が少なくとも1つのイソシアネート化合物を含有することによって特徴付けられる。以下、本発明によるスポットブレンダー組成物は、"本発明による組成物"と呼称される。
【0013】
当該公知技術水準から公知のスポットブレンダー組成物は、一般に結合剤組成物を含有し、一方で、本発明によるスポットブレンダー組成物は、結合剤不含である。
【0014】
更に、少なくとも1つのイソシアネート化合物を場合によっては組成物の別の成分と混合し、生じる混合物を均質化する、本発明による組成物の製造する方法が提供される。
【0015】
更に、本発明は、本発明による方法により得られる組成物に関する。
【0016】
更に、本発明は、本発明による組成物の使用、またはスポットブレンダーとしてまたはスポット補修方法におけるスポットブレンダーの実質的な成分としての本発明による方法により製造される組成物の使用に関する。
【0017】
更に、本発明の対象は発明の詳細な説明の記載から明らかである。
【0018】
従来技術に鑑みて、本発明が基礎とする課題が、本発明による組成物、本発明による方法および本発明による使用によって解決されえたことは、驚異的なことであり、かつ当業者にとって予測不可能であった。
【0019】
殊に、本発明による組成物が本発明による使用において、一成分系クリア塗料ならびに二成分系クリア塗料が使用されるような、スポットブレンダーとして、またはスポット補修方法でのスポットブレンダーの実質的な成分として使用されうることは、驚異的なことであった。それによって、本発明による組成物は、幅広い使用目的を可能にし、公知技術水準とは異なり、それぞれのスポットブレンダー組成物を一成分系クリア塗料または二成分系クリア塗料に一致させることは、もはや不要である。
【0020】
本発明による混合物が、実質的な成分として補修クリア塗料に添加されることができ、その後に有利にスポットブレンダーとして使用されることができることは、特に驚異的なことであった。
【0021】
更に、本発明による組成物は、極めて短時間で研磨および/またはポリッシングすることが可能であり、光学的に当初の塗装からもはや際立って見えず、流出区域中で剥離または破損をもはや示さず、かつラインで当初の塗装の部分での自動車小規模補修にも使用されることもできる高い品質を有する補修塗装を提供することができる。
【0022】
従って、本発明による組成物は、並はずれて幅広く適用可能であり、本発明による使用は、塗装作業およびその顧客のための技術的な利点のために、著しい経済的利点を必然的に伴なう。
【0023】
特に、本発明による組成物は、本発明による方法を用いて、簡単に極めて良好に再現可能に経済的に製造されることができる。
【0024】
本発明による組成物は、UV−A線と熱線との組合せで硬化可能であるか、または熱線だけで硬化可能である。周知のように、UV−A線は、λ=300〜400nmの波長範囲のUV線である。UV−A線に適した光源は、常用されかつ公知であり、かつ例えば、ドイツ連邦共和国特許出願公開第10316890号明細書A1、第17頁、段落[0128]〜[0130]、または国際公開第94/11123号パンフレット、第2頁、第35行〜第3頁、第6行;第3頁第10〜15行;および第8頁、第1〜14行に記載されている。
【0025】
本発明による混合物は、イソシアネート化合物を含有する。適したイソシアネートのための典型的な例は、芳香族イソシアネート、例えば1,5−ナフチレンジイソシアネート、2,4−または4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、水素化MDI(H12MDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)、4,4′−ジフェニルジメチルメタンジイソシアネート、ジアルキレンジフェニルメタンジイソシアネートおよびテトラアルキレンジフェニルメタンジイソシアネート、4,4′−ジベンジルジイソシアネート、1,3−フェニレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、トルイレンジイソシアネート(TDI)の異性体;脂肪族ジイソシアネート、例えばテトラメトキシブタン−1,4−ジイソシアネート、ブタン−1,4−ジイソシアネート、ヘキサン−1,6−ジイソシアネート(HDI)、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート(CHDI)、エチレンジイソシアネート、フタル酸−ビス−イソシアナト−エチルエステル、1−メチル−2,4−ジイソシアナト−シクロヘキサン、1,6−ジイソシアナト−2,2,4−トリメチルヘキサン、1,6−ジイソシアナト−2,4,4−トリメチルヘキサン、1−イソシアナトメチル−3−イソシアナト−1,5,5−トリメチルシクロヘキサン(イソホロンジイソシアネート、IPDI);弗素化ジイソシアネート、塩素化ジイソシアネートおよび臭素化ジイソシアネート、燐含有ジイソシアネート、例えば4,4′−ジイソシアナトフェニルペルフルオロエタン、さらに反応能を有するハロゲン原子を有するジイソシアネート、例えば1−クロロメチルフェニル−2,4−ジイソシアネート、1−ブロモメチルフェニル−2,6−ジイソシアネート、3,3−ビス−クロロメチルエチル−4,4′−ジフェニルジイソシアネートである。
【0026】
特に好ましいのは、本発明の範囲内で1−イソシアナトメチル−3−イソシアナト−1,5,5−トリメチルシクロヘキサン(イソホロンジイソシアネート、IPDI)の使用である。
【0027】
また、ポリイソシアネートは、本発明の範囲内で使用されてよい。適したポリイソシアネートの例は、ドイツ連邦共和国特許出願公開第10048670号明細書A1、第5頁、段落[0058]〜第6頁、段落[0064]、またはドイツ連邦共和国特許出願公開第10316890号明細書A1、第14頁、段落[0105]〜第15頁、段落[0106]、および第15頁、段落[0108]および[0109]に記載されている。
【0028】
また、例えばヘキサメチレンジイソシアネート2モルをチオジグリコールまたはジヒドロキシジヘキシルスルフィド1モルと反応させることによって得られる硫黄含有ポリイソシアネートが使用されてよい。更に、使用可能なジイソシアネートは、例えばトリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、1,4−ジイソシアナトブタン、1,12−ジイソシアナトドデカンおよび二量体脂肪酸ジイソシアネートである。更に、適しているのは、次のものである:テトラメチレン−、ヘキサメチレン−、ウンデカン−、ドデカメチレン−、2,2,4−トリメチルヘキサン−2,3,3−トリメチルヘキサメチレン−、1,3−シクロヘキサン−、1,4−シクロヘキサン−、1,3−または1,4−テトラメチルキシロール−、イソホロン−、4,4′−ジシクロヘキシルメタン−、テトラメチルキシリレン−(TMXDI)およびリシンエステルジイソシアネート。
【0029】
少なくとも三官能価のイソシアネートとしては、ジイソシアネートを三量体化またはオリゴマー化することによって生じるか、またはジイソシアネートを多官能価のヒドロキシル基含有またはアミノ基含有化合物と反応させることによって生じるポリイソシアネートが適している。芳香族ポリイソシアネートの群からは、例えばメチレントリフェニルトリイソシアネート(MIT)が適している。
【0030】
三量体の製造に適しているイソシアネートは、既に上記したジイソシアネートであり、この場合には、イソシアネートの三量体化生成物のHDI、MDIまたはIPDIが特に好ましい。
【0031】
本発明によれば、ジイソシアネートまたはポリイソシアネートとして、所謂カプセル化または界面活性化されたジイソシアネートまたはポリイソシアネート、即ち遅延された反応性を有するジイソシアネートまたはポリイソシアネートを使用することができる。カプセル化または界面活性化されたジイソシアネートまたはポリイソシアネートは、公知技術水準から当業者によく知られている。例えば、欧州特許出願公開第0204970号明細書A2または対応する米国特許第4888124号明細書、WO 99/58590A1を指摘することができるが、その開示内容が関連付けによって含められている欧州特許出願公開第0922720号明細書A1も指摘することができる。界面活性化は、例えば粉末状の固体イソシアネートを不活性化剤の溶液中に分散させること、低融点のイソシアネートの溶融液を非溶解性の液状分散剤中の不活性化剤の溶液中に搬入すること、または不活性化剤または不活性化剤の溶液を固体の微粒状のイソシアネートの分散液に添加することによって、或いは反対に添加することによって行なうことができる。不活性化剤としては、殊に親水性基、例えば殊にアミノ基またはヒドロキシル基を有する化合物が使用され、この化合物は、イソシアネートの遊離イソシアネート基と反応することができ、それによってイソシアネートを最初に不活性化する一種の表面スリーブをイソシアネート上に形成する(例えば、アミン、ジアミン、ポリアミン、アルコール、ジオール、ポリオールまたは相応するチオール化合物)。殊に、本発明の範囲内で不活性化剤の種類および量は、カプセル化または界面活性化が特に室温を上廻る温度、殊に60℃〜160℃の温度で開始されるように選択される。
【0032】
同様に、例えばジイソシアネートの蒸留の際に蒸留塔底部中で残留物として生じるようなポリマーのイソシアネートも使用に適している。この場合には、蒸留残留物からのMDIの蒸留の際に得られるようなポリマーのMDIが特に適している。
【0033】
本発明の好ましい実施態様の範囲内で、例えばDesmodur N 3300、Desmodur N 100、Desmodur XP 2565またはIPDI三量体のイソシアヌレートT 1890(製造業者:Bayer AG)が使用される。
【0034】
ポリイソシアネートを選択する場合には、少なくとも1つのポリイソシアネートのNCO基がイソシアネートと反応性の官能基を有する化合物に対して異なる反応性を有することに注意すべきである。これは、殊に異なる化学的環境内でNCO基を有するジイソシアネート、即ち非対称的なジイソシアネートに関して言えることである。
【0035】
好ましくは、少なくとも1つのイソシアネート化合物としてジイソシアネートの三量体化生成物が使用され、それというのもこの生成物は、僅かな粘度および僅かな毒性の危険性の潜在能力を有するからである。しかし、ウレトジオンが使用されてもよい。特に有利には、HDI三量体および/またはIPDI三量体が使用される。
【0036】
本発明による組成物中のイソシアネート化合物の濃度は、特に制限はない。しかし、本発明による組成物中のイソシアネート成分の濃度が、2〜30質量%、特に5〜25質量%、特に有利に10〜15質量%であることは、好ましいことが明らかになった。
【0037】
更に、本発明による組成物は、少なくとも1つの熱的に硬化可能な反応希釈剤および化学線で活性化可能な反応希釈剤を含有することができる。
【0038】
2種類の反応希釈剤は、本発明による組成物の残りの成分のための溶剤および/または希釈剤として使用されてもよい。
【0039】
適当な熱的に硬化可能な反応希釈剤の例は、異性体のジチルオクタンジオールまたはヒドロキシル基含有の超分枝鎖状化合物、またはドイツ連邦共和国特許出願公開第19809643号明細書A1、ドイツ連邦共和国特許出願公開第19840605号明細書A1またはドイツ連邦共和国特許出願公開第19805421号明細書A1に記載されているようなデンドリマーである。
【0040】
化学線で硬化可能な適当な反応希釈剤の例は、Roempp Lexikon Lacke und Druckfarben, Georg Thieme Verlag, Stuttgart, New York, 1998, 第491頁に見出し語"反応希釈剤(Reaktivverduenner)"に記載されている。更に、ビニル芳香族化合物、殊にスチレンもこれに該当する。
【0041】
更に、反応希釈剤として、本発明による組成物には、ヒドロキシル含有アクリレートが添加されてよい。この場合、好ましい適当な反応希釈剤は、約100のOH価を有するジペンタエリトリトールヘキサアクリレートである。
【0042】
本発明による組成物中の反応希釈剤の含量は、極めて幅広く変動可能であり、原則的には特に制限はない。特に、この反応希釈剤は、本発明による組成物中にそれぞれ本発明による組成物に対して1〜10質量%、有利に2〜5質量%の量で含有されている。 更に、本発明による組成物は、少なくとも1つの有機溶剤を含有することができる。適当な有機溶剤の選択は、特に制限はなく、原則的に全ての有機溶剤を使用することができる。本発明による組成物は、常用の溶剤、例えば芳香族、脂肪族、芳香族脂肪族または脂環式炭化水素、部分的または完全にハロゲン化された芳香族、脂肪族、芳香脂肪族または脂環式炭化水素、アルコール、例えばメタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、ベンジルアルコール、ジアセトンアルコール、エステル、例えば酢酸エチルエステル、酢酸プロピルエステル、酢酸n−ブチルエステル、酢酸イソブチルエステル、エーテルエステル、例えばメトキシプロピルアセテートまたはブチルグリコールアセテート、ケトン、例えばアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンまたはシクロヘキサノン、強極性溶剤、例えばジメチルホルムアミドおよび水ならびにその混合物を溶剤として有することができる。更に、溶剤としては、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテートまたはエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、1−メトキシプロピル−2−アセテート、3−メトキシ−n−ブチルアセテート、2−ブタノン、4−メチル−2−ペンタノン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、試験用ベンジン、例えばSolvent Naphtha、Solvesso(登録商標)(Deutsche Exxon, Koeln, DE)、Cypar(登録商標)(Shell, Eschborn, DE)、Cyclo Sol(登録商標)(Shell, Eschborn, DE)、Tolu Sol(登録商標)(Shell, Eschborn, DE)、Shellsol(登録商標)(Shell, Eschborn, DE)の商品名で市販されている、特に高度に置換された芳香族化合物を含有する混合物、炭酸エステル、例えばジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、1,2−エチレンカーボネートおよび1,2−プロピレンカーボネート、ラクトン、例えばβ−プロピオラクトン、γ−ブチロラクトン、ε−カプロラクトンおよびε−メチルカプロラクトンが適しているが、しかし、溶剤、例えばプロピレングリコールアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルエーテルアセテートおよびジエチレングリコールブチルエーテルアセテート、およびN−メチルカプロラクタムまたはこのような溶剤の任意の混合物も適している。
【0043】
特に有利には、n−ブチルアセテート、イソブチルアセテートおよび/またはキシレンが使用される。
【0044】
更に、本発明による組成物は、少なくとも1つの添加剤を含有することができる。適当な添加剤の選択は、特に制限はなく、原則的に全ての添加剤を使用することができる。
【0045】
適当な添加剤の例は、通常の公知の色を付与しおよび/または効果を付与する顔料、充填剤、ナノサイズ粒子、架橋剤、UV吸収剤、光安定剤、ラジカル捕捉剤、ラジカル重合のための開始剤、熱架橋のための触媒、スリップ剤、重合抑制剤、消泡剤、乳化剤、脱ガス剤、架橋剤および分散剤、付着助剤、流展剤、被膜形成助剤、レオロジー制御剤(増粘剤)、難燃剤、ドライヤー(Siccative)、乾燥剤、皮張り防止剤、耐蝕剤、ワックスおよび艶消剤であり、例えばこれは、教科書"Lackadditive", Johan Bieleman, Wiley-VCH, Weinheim, New York, 1998の記載から公知である。
【0046】
本発明による組成物中での添加剤の濃度は、特に制限はなく、1つの添加剤と別の添加剤とは異なることができる。しかし、本発明による組成物中での添加剤成分の濃度が、0.1〜6質量%、特に0.3〜1質量%であることは、有利であることが判明した。
【0047】
更に、本発明による組成物が極めて高い固体含量で製造されうることは、本発明による組成物の利点である。それによって、低いVOC含量を有する組成物の製造が可能になる。本発明による組成物は、5〜100質量%、有利に40〜60質量%の固体含量を有することができる。
【0048】
有利には、本発明による混合物は、本発明による方法を用いて製造される。本発明による方法の場合、前記の成分は、存在する場合には、生じる混合物が均質化されるように互いに混合される。この場合、好ましくは、常用の公知の混合方法および装置、例えば撹拌槽、撹拌ミル、押出機、混練機、ウルトラターラックス(Ultraturrax)、インラインディソルバー、固定ミキサー、マイクロミキサー、歯車分散機(Zahnkranzdispergator)、圧力除去ノズルおよび/またはマイクロフリューダイザー(Microfluidizer)が、有利には化学線の遮断下で使用される。
【0049】
本発明による混合物は、それ自体として数々の適用目的のために使用されることができる。特にこの混合物は、本発明による使用の枠内で、スポットブレンダーとしてスポット補修方法において、又はこのようなスポットブレンダーの製造のために使用される。
【0050】
本発明によるスポット補修方法は、次の方法工程を含む;
(1)損傷部位およびその周辺の清掃、
(2)損傷部位の研磨および新たな清掃、
(3)場合により、損傷部位のフィリング、研磨および清掃、
(4)サーフェーサーの適用および生じるサーフェーサー層のフラッシュオフまたはサーフェーサー層の代替的な硬化および生じるサーフェーサー塗装の研磨および清掃、
(5)サーフェーサー層またはサーフェーサー塗装上へのベース塗料の適用、この生じるベース塗装層のフラッシュオフおよび場合によりオーバースプレーの除去、
(6)ベース塗料層上へのクリア塗料の湿式適用、
(7)本発明によるスポットブレンダー組成物の適用および
(8)適用された層の硬化。
【0051】
本発明によるスポット補修方法にとっては、ベース塗料を空気圧適用によりスプレーガンを用いて、外側から、即ち当初の塗装の側から、内側に、即ち損傷部位の中心へと向かってカバーするように設けることが有利である。更に、スポットブレンダーとして上で詳説した本発明による混合物を使用することが重要である。
【0052】
コーティング物質の空気圧適用のために、それ自体で常用および公知のスプレーガンが使用されることができる。本発明によれば、この場合、小型のスプレーガンを常用および公知のスプレーガンとして使用することは、有利である。このような小型寸法のスプレーガンは、SATA(Kornwestheim)社から商品名SATA minijet 2 HVLP SR(Spot-Repair)として入手可能である。
【0053】
清掃および研磨のためには、例えば、通常、自動車補修塗装に使用されるような、清掃装置および清掃液ならびに研磨装置および/またはポリッシング装置が使用されることができる。
【0054】
フィリングのためには、常用および公知のフィラー、殊にUV線で硬化可能なフィラー、例えばBASF Coatings AG社のフィラーを適用することができる。
【0055】
サーフェーサーとして、常用かつ公知の水性のサーフェーサーおよび従来のサーフェーサーが考慮され、例えばこれらは、特許文献および特許出願US 4,537,926 A, EP 0 529 335 A 1, EP 0 595 186 A 1, EP 0 639 660 A 1, DE 44 38 504 A 1, DE 43 37 961 A 1, WO 89/10387, US 4,450,200 A, US 4,614,683 AまたはWO 94/26827中に記載されている。UV線硬化可能なサーフェーサーを使用することもできる。
【0056】
サーフェーサーは、市販の製品であり、例えばBASF Coatings AG社から、商標名Glasurit(登録商標)1 K-Grundfueller 76-71で販売されている。
【0057】
適した従来または水性のベース塗料は、特許出願EP 0 089 497 A 1, EP 0 256 540 A 1, EP 0 260 447 A 1, EP 0 297 576 A 1, WO 96/12747, EP 0 523 610 A 1, EP 0 228 003 A 1, EP 0 397 806 A 1, EP O574 417 A 1, EP 0 531 510 A 1, EP 0 581 211 A 1, EP 0 708 788 A 1, EP 0 593 454 A 1, DE-A-43 28 092 A 1, EP 0 299 148 A 1, EP 0 394 737 A 1, EP 0 590 484 A 1, EP 0 234 362 A 1, EP 0 234 361 A 1, EP 0 543 817 A 1, WO 95/14721, EP 0 521 928 A 1, EP 0 522 420 A 1, EP 0 522 419 A 1, EP 0 649 865 A 1, EP 0 536 712 A 1, EP 0 596460 A 1, EP 0 596 461 A 1, EP 0 584 818 A 1, EP 0 669 356 A 1, EP 0 634 431 A 1,EP 0 678 536 A 1, EP 0 354 261 A 1, EP 0 424 705 A 1, WO 97/49745, WO 97/49747,EP 0 401 565 A 1またはEP 0 817 684、第5欄、第31〜45行の記載から公知である。欧州特許出願公開(EP-A1)第0578645号明細書に記載された混合系を基礎とするベースコート材料も使用されることができる。
【0058】
ベース塗料は、市販の製品であり、これは例えば、欧州特許出願公開第0578645号明細書A1に記載された、BASF Coatings AG社により次の商標名Glasurit(登録商標)Einstellenzusatz 352-91を有するGlasurit(登録商標)Decklack(上塗塗料)系列 55またはGlasurit(登録商標)Einstellenzusatz(調節添加剤)93-E 3を有するGlasurit(登録商標)Decklack系列 90およびGlasurit(登録商標)Beispritzlack 90-M5で販売されている。
【0059】
本発明による混合物および該混合物の本発明による使用の特別な利点は、本発明によるスポット修復方法の範囲内において、
−物理的に硬化可能な、
−熱により硬化可能な、
−化学線で、有利にはUV線で、殊にUV−A線で硬化可能な、または
−デュアルキュア硬化可能な補修クリア塗料、
特にUV−A線でまたは熱によりおよびUV−A線(デュアルキュア)で硬化可能な補修クリア塗料を使用することができることである。
【0060】
本発明の範囲内で、概念"物理的硬化"とは、補修クリア塗料からの層の皮膜形成による硬化を意味し、この場合この結合は、層内で、存在する結合剤のポリマー分子のループ形成により行なわれる。さもなければ、皮膜形成は、結合剤粒子の凝集により行なわれる(Roempp Lexikon Lacke und Druckfarben, Georg Thieme Verlag, Stuttgart, New York, 1998, ≫Haertung≪,第274頁および第275頁を参照のこと)。従って、物理的な硬化は、場合によっては、補修クリア塗料の硬化を熱によりまたは化学線での照射により補助することもできる。
【0061】
熱により硬化可能な補修クリア塗料は、自己架橋性および/または異質架橋性であってよい。
【0062】
本発明の範囲内で、概念"自己架橋性"(この概念に関しては、Roempp Lexikon Lacke und Druckfarben, Georg Thieme Verlag, Stuttgart, New York, 1998, "Bindemittel", 73及び74頁を参照のこと)とは、自己で架橋反応する、補修クリア塗料中に存在する結合剤の性質を指す。このための前提条件は、この結合剤中に既に、架橋のために必要である相補的な反応性官能基の両方の種類、または、"自己"で反応する反応性官能基が含有されているということである。
【0063】
これに対して、異質架橋性とは、相補的な反応性官能基の1種類が存在する結合剤中に、そして別の種類が存在する硬化剤または架橋剤中に存在する本発明による補修クリア塗料を指す。補足的にこれに関して、Roempp Lexikon Lacke und Druckfarben, Georg Thieme Verlag, Stuttgart, New York, 1998, ≫Haertung≪、274〜276頁、特に275頁以降が参照される。適した相補的な反応性官能基の例は、特許出願DE 100 42 152 A1、第7頁、段落[0078]〜9頁、段落[0081]の記載から公知である。
【0064】
また、補修クリア塗料は、化学線によってのみ硬化可能であってもよい。ここで硬化は、化学線によって活性化可能である結合を含有する前記の基により行なわれる。
【0065】
補修クリア塗料は、特に熱的におよび化学線により硬化可能である。
【0066】
UV線で硬化可能な適した補修クリア塗料の例は、ドイツ連邦共和国特許第19709467号明細書C1の記載から公知である。
【0067】
有利には、デュアルキュア硬化可能な補修クリア塗料は、ポリイソシアネートを硬化剤として含有する多成分系、特に二成分系から製造される。デュアルキュア硬化可能な適した補修クリア塗料の例は、ドイツ国特許出願DE 103 16 890 A1, DE 103 00 798 A1, DE 102 02 565 A1, DE 100 42 152 A1, DE 102 04 114 A1, DE 100 48 847 A1, DE 100 48 849 A1, DE 100 48 275 A1またはDE 100 48 670 A1の記載から公知である。特に好適なデュアルキュア硬化可能な補修クリア塗料のための例は、2K UVA Klarlack(クリア塗料)、Glasurit(登録商標)VOC Decklack-Haerter(VOC上塗硬化剤)コード 929-3およびGlasurit(登録商標)Einstellzusatz 352-91を含む、BASF Coatings AG社により販売されている多成分系から製造される補修クリア塗料である。
【0068】
本発明による混合物および該混合物の本発明による使用のさらにとりわけ有利な利点は、本発明によるスポット補修方法の範囲内で、本発明による混合物がそのつど使用される補修クリア塗料に添加されることができ、その後に生じる混合物が再度スポットブレンダーとして使用されることができることにある。これにより、補修塗装および当初の塗装上でのスポットブレンダーの卓越した付着が生じる。
【0069】
本発明によるスポット補修方法の際に適用されるコーティング物質および適用される本発明による混合物の熱による硬化は、特殊性を示さず、通常かつ公知の装置、例えばファンヒーターならびに輻射加熱器を用いて行われ、前記装置は、近赤外線および遠赤外線を放射する。適用される温度および加熱時間は、個々の場合の要求に応じて、特に熱的に硬化可能な成分の反応性に応じて適合され、かつ当業者によって簡単に、その一般的な専門知識およびその手作業での可能性に基づいて選択かつ調整されることができる。
【0070】
本発明によるスポット補修方法の際に適用されるデュアルキュア硬化可能な補修クリア塗料および適用された本発明による混合物のUV−A線を用いた硬化は、同様に、特殊性を示さず、通常かつ公知の光源、例えば上記した光源を用いて行なわれる。この場合、影の区域は、ミラーまたはリフレクターとしてのアルミニウムシートを用いて照射されることができる。照射時間および照射される線量は、個々の場合の要求に応じて、特にUV−A線で硬化可能な成分の反応性に応じて適合され、かつ当業者によって簡単に、その一般的な専門知識およびその手作業での可能性に基づいて選択かつ調整されることができる。
【0071】
UV−A光源は、通常かつ公知の方法で、フィルターを備えていてよく、したがって適用されたデュアルキュア硬化した補修クリア塗料の硬化は、交互に、IR線で、即ち熱的に、およびUV−A線で行なわれることができる。
【0072】
本発明によるスポット補修法は、直径4〜5cmまでの損傷のスポット補修に特に適している。この損傷個所は、変形、例えば、凹凸、引掻き傷または石ころの衝撃なしであることが望ましい。特に推奨されるのは、垂直面でのスポット補修である。水平面の場合に、スポット補修法は有利には、エッジ(15cmまでの距離)の近接範囲内で使用される。
【0073】
本発明による使用および本発明によるスポット補修法は、極めて短い時間で研磨および/またはポリッシングすることができ、視覚的にもはや旧塗膜から浮き出ず、流出区域中での割れまたは剥離をもはや示さず、かつ前記使用および方法がラインでの旧塗膜の部分での自動車の小補修にも使用されることができるほど高品質である補修塗装を提供する。
【0074】
この場合、全く意外なことは、本発明による使用および本発明によるスポット補修方法により、小平板形のアルミニウム効果顔料を含有する補修ベース塗装の艶消しおよび類似の塗料損傷が完全に回避されることができるという結果である。
【0075】
本発明は、次の実施例につき詳説されるが、しかし、この実施例により本発明は制限されるものではない。
【実施例】
【0076】
実施例1
本発明による組成物の製造
適当な攪拌容器中で化学線の遮断下に、キシレン18質量部、イソブチルアセテート23質量部、n−ブチルアセテート43.5質量部、三量体イソホロンジイソシアネート12.0質量部、1−メトキシ−2−プロピルアセテート3質量部、ジブチル錫ジラウレート0.2質量部、BYK(登録商標)−358N 0.2質量部(アクリレートコポリマー)およびBYK(登録商標)−340 0.1質量部(ポリマーフルオロ界面活性剤)を互いに混合し、生じる混合物を均質化した。この生じる混合物1を、化学線の排除下で問題なしに貯蔵かつ使用者にまで輸送することができた。この混合物は、多種多様な補修クリア塗料が適用されるスポット補修方法のためのスポットブレンダーとして卓越して適していた。
【0077】
実施例2
一部分での自動車の小規模補修(スポット補修)
塗膜の損傷:
補修すべき損傷個所は、シルバーメタリック塗装された乗用車のドアの4〜5cmの長さの引掻き傷であり、これは鍵によって引き起こされたものであり、かつ一部分はその下方の下地まで達していた。
【0078】
処置:
次に挙げる装置、物質および処理工程を次に挙げる順序で使用した。
清掃:
1.Teroson(登録商標)強力ディスク用クリーナーを有する噴霧ノズル
2.3M社のFinish-Kontrollspray 55535
3.Akzo社のNitroverduennung M600を有するスプレーボトル
4.Kimberley Clark Classic(登録商標)のクリーニングクロス
研磨:
Lackpfeile(登録商標)
3M社のSchleifbluete(登録商標) P 1500研磨パッド
フィリング:
BASF Coatings AG社のへら付きフィラー
フラッシュオフ時間:10分/20℃
研磨:3M社のSchleifbluete(登録商標) P 1000研磨パッドを有する湿式(スプレーボトル)
マスキング:
紙および3M社のマスキングテープ
ベース塗料:
BASF Coatings AG社のシルバーメタリック効果を有するGlasurit(登録商標)Zweischicht Decklack (二層上塗塗料)90系列
スプレーガン:SATAミニジェット2 HVLP SR;吹付け圧:1.5バール
損傷個所を外側から中心へ向かって噴霧すると、2回の噴霧操作で広範囲に亘って周囲領域に流出する。
フラッシュオフ:それぞれの噴霧工程から2〜3分後。
タックラグを用いての拭き取り。
UV−A線で硬化可能なクリア塗料:
Glasurit(登録商標)2K UVA Klarlack およびGlasurit(登録商標)VOC Decklack-Haerter コード929-31、2:1の比で、+10% Glasurit(登録商標)Einstellenzusatz 352-91
スプレーガン:SATAミニジェット2 HVLP SR;吹付け圧:1.5バール
損傷個所を外側から中心へ向かって噴霧すると、2回の噴霧操作で広範囲に亘って周囲領域に流出する。
フラッシュオフ:それぞれの噴霧工程から2〜3分後。
UV−A線で硬化可能なスポットブレンダー:
実施例1による混合物1
スプレーガン:SATAミニジェット2 HVLP SR;吹付け圧:1.5バール
スポットブレンダーを、クリア塗料の流出区域上に吹き付ける
硬化:
連続して:
1.UVA灯Panacol 900(距離:20cm;時間:約90秒)、5分間のIR線、引続き約4000mJ/cm2のUVA線。
2.組合せた灯:Panacol 900またはINP(距離:20cm;時間:5分)、5分間のIR線、その間、最後の90秒間UVA線(約4000mJ/cm2)。
【0079】
生じる補修塗装は、直ちに研磨可能であり、極めて容易に研磨可能であり、目視的および機械的に卓越して当初の塗装に適合されていた。艶消しまたは別の塗膜損傷を観察することはなかった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一成分系クリア塗料および二成分系クリア塗料のための結合剤不含のスポットブレンダー組成物において、該組成物が少なくとも1つのイソシアネート化合物を含有することを特徴とする、一成分系クリア塗料および二成分系クリア塗料のための結合剤不含のスポットブレンダー組成物。
【請求項2】
イソシアネート化合物が、例えば1,5−ナフチレンジイソシアネート、2,4−または4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、水素化MDI(H12MDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)、4,4′−ジフェニルジメチルメタンジイソシアネート、ジアルキレンジフェニルメタンジイソシアネートおよびテトラアルキレンジフェニルメタンジイソシアネート、4,4′−ジベンジルジイソシアネート、1,3−フェニレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネートおよびトルイレンジイソシアネート(TDI)の異性体からなる群から選択された芳香族イソシアネートである、請求項1記載の組成物。
【請求項3】
イソシアネート化合物が、テトラメトキシブタン−1,4−ジイソシアネート、ブタン−1,4−ジイソシアネート、ヘキサン−1,6−ジイソシアネート(HDI)、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート(CHDI)、エチレンジイソシアネート、フタル酸−ビス−イソシアナト−エチルエステル、1−メチル−2,4−ジイソシアナト−シクロヘキサン、1,6−ジイソシアナト−2,2,4−トリメチルヘキサン、1,6−ジイソシアナト−2,4,4−トリメチルヘキサン、1−イソシアナトメチル−3−イソシアナト−1,5,5−トリメチルシクロヘキサン(イソホロンジイソシアネート、IPDI)からなる群から選択された脂肪族イソシアネート;弗素化ジイソシアネート、塩素化ジイソシアネートおよび臭素化ジイソシアネート、燐含有ジイソシアネート、例えば4,4′−ジイソシアナトフェニルペルフルオロエタン、および反応能を有するハロゲン原子を有するジイソシアネート、例えば1−クロロメチルフェニル−2,4−ジイソシアネート、1−ブロモメチルフェニル−2,6−ジイソシアネートおよび3,3−ビス−クロロメチルエチル−4,4′−ジフェニルジイソシアネートである、請求項1または2記載の組成物。
【請求項4】
イソシアネート化合物がジイソシアネートの三量体化生成物である、請求項1から3までのいずれか1項記載の組成物。
【請求項5】
イソシアネート化合物がHDI三量体および/またはIPDI三量体である、請求項4記載の組成物。
【請求項6】
前記組成物中のイソシアネート成分の濃度が2〜30質量%である、請求項1から5までのいずれか1項記載の組成物。
【請求項7】
前記組成物が少なくとも1つの有機溶剤を含有する、請求項1から6までのいずれか1項に記載の組成物。
【請求項8】
溶剤がn−ブチルアセテート、イソブチルアセテートおよびキシレンから選択されたものである、請求項7記載の組成物。
【請求項9】
前記組成物が熱的に硬化可能な反応希釈剤および/または化学線で活性化可能な反応希釈剤を含有する、請求項1から8までのいずれか1項記載の組成物。
【請求項10】
反応希釈剤がヒドロキシ官能性アクリレートである、請求項9記載の組成物。
【請求項11】
反応希釈剤がジペンタエリトリトールヘキサアクリレートである、請求項10記載の組成物。
【請求項12】
反応希釈剤が1〜10質量%の量で含有されている、請求項9から11までのいずれか1項記載の組成物。
【請求項13】
前記組成物が5〜100質量%の固体含量を有する、請求項1から12までのいずれか1項記載の組成物。
【請求項14】
請求項1から13までのいずれか1項に記載の組成物を製造するための方法において、前記組成物の成分を互いに混合し、生じる混合物を均質化することを特徴とする、請求項1から13までのいずれか1項に記載の組成物を製造するための方法。
【請求項15】
自動車補修塗装、殊に一部分での自動車の小規模補修(スポット補修)におけるスポットブレンダーとしての請求項1から13までのいずれか1項に記載の組成物の使用。
【請求項16】
UV−A線で硬化可能な溶剤含有混合物がそのつど使用される補修クリア塗料に添加され、その後に生じる混合物がスポットブレンダーとして使用される、請求項15記載の使用。

【公表番号】特表2010−532424(P2010−532424A)
【公表日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−515390(P2010−515390)
【出願日】平成20年7月4日(2008.7.4)
【国際出願番号】PCT/EP2008/005477
【国際公開番号】WO2009/007063
【国際公開日】平成21年1月15日(2009.1.15)
【出願人】(390008981)ビーエーエスエフ コーティングス ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (155)
【氏名又は名称原語表記】BASF Coatings AG
【住所又は居所原語表記】Glasuritstrasse 1, D−48165 Muenster,Germany
【Fターム(参考)】