説明

一方向間欠送りユニット

【課題】ラチェットが一定の送りピッチの仕様で製作・使用されている場合に、小さい送りピッチに仕様変更されたときにラチェット爪のピッチ角を変えることなく、従前のラチェットを使用できるようにして仕様変更コストを安くすること、併せて、部品の寸法公差、取付け位置の精度等に起因する不都合を解消すべく関係部品の取付け位置の調整を可能とすることにより、精度の高い送りができるようにすることである。
【解決手段】揺動アーム2a、2bによって駆動される駆動爪を複数設け、各駆動爪12a、12b相互の位相差を該ラチェット8の歯11のピッチ角αを駆動爪12a,12bの数で除した大きさα/2に設定し、前記揺動アーム2a,2bの揺動角を前記位相差α/2に相当する大きさに設定し、揺動アーム2a,2bの前進揺動限界位置を定めるストッパーを偏心軸29a,29bにより構成し、その偏心軸29a,29bの回転に伴う偏心量の変化により、揺動アーム2a、2bの前進揺動限界位置を調整するようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、インデックステーブル等の部品供給装置等における送りユニットとして使用される一方向間欠送りユニットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の一方向間欠送りユニットの使用例として、キャリアテープ等の部品搬送部材のカバーテープ巻取り装置を挙げることができる(特許文献1)。この場合の一方向間欠送りユニットは、ラチェットホイール62(符号は特許文献1に記載されたもの。以下同様)にストッパレバー74を係合させるとともに、回動板64に取付けたラチェット爪66を係合させた構成であり、これによってラチェットホイール62と一体のスプロケット58を駆動し、キャリアテープ18を一定方向に間欠送りするようになっている。キャリアテープ18に保持された電子部品14はスプロケット58の一時的な停止中に部品吸着ヘッド110により吸着される。なお、前記の回動板64は、軸84によりテープ駆動板82に回転自在に連結される。
【特許文献1】特開2000−332490号公報(段落0014、0015、0016、図2参照)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
前記の一方向間欠送りユニットは、キャリアテープ18に搭載された電子部品14の搭載ピッチを1ピッチとして間欠送りされるが、部品搭載の効率化のために搭載ピッチを従来の場合の2分の1ピッチに縮めたキャリアテープが使用される場合がある。このような場合、一方向間欠送りユニットにおいては、駆動側の揺動ピッチを2分の1に変更するだけでなく、ラチェットホイール62のラチェット爪66のピッチ角も2分の1に変更したものを使用する必要があり、仕様変更コストが高くつく問題がある。
【0004】
そこで、この発明の第一の課題は、一定の送りピッチを基準とした仕様で製作・使用されている場合に、その基準の送りピッチより小さい送りピッチに仕様変更されたときにラチェット爪のピッチ角を変えることなく、従前のものを使用できるようにして仕様変更コストを安くすることである。
【0005】
一方、前記一方向間欠送りユニットにおいては、間欠送りされるキャリアテープ18に保持された部品14が正確に部品吸着ヘッド110の直下で停止するように送りピッチを定める必要がある。しかし、前記のテープ駆動板82に作用する駆動ピッチをたとえ正確に設定したとしても、当該テープ駆動板82、これに連結された回動板64、その回動板64に取付けられたラチェット爪66、さらにそのラチェット爪66が係合するラチェットホイール62等の部品の寸法公差及び軸84の取付け精度等の影響を受けてキャリアテープ18の送り精度が低下し、部品14の停止位置が吸着ヘッド110直下からずれることがある。また、ラチェット爪66のラチェットホイール62に対する係合も不正確となってキャリアテープ18の送りに円滑性を欠くことがある。
【0006】
そこで、この発明の第2の課題は、前記のように複数の駆動爪を用いた一方向間欠送りユニットにおいて、その部品の寸法公差、取付け位置の精度等に起因する不都合を解消すべく関係部品の取付け位置の調整を可能とすることにより、精度が高く、かつ円滑な送りができるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記の第1の課題を解決するために、この発明は、逆止手段を有するラチェット、該ラチェットと一体回転する出力手段、前記ラチェットと出力手段と同軸に取付けられた揺動アーム、該揺動アームに回転自在に取付けた駆動爪、及び前記揺動アームに連結された入力手段としての駆動リンクからなり、前記駆動リンクの前後動による揺動アームの前進揺動時に前記駆動爪をラチェットの歯に係合させて該ラチェットを正回転させ、その後退揺動時に前記逆止手段により逆回転を防止しつつ駆動爪を後退させるという作動を繰り返すことにより前記出力手段を一方向に間欠送りするようにした一方向間欠送りユニットにおいて、前記駆動爪を前記単一の揺動アームに複数個取付け、各駆動爪相互のラチェットの歯に対する位相差を、該ラチェットの歯のピッチ角を駆動爪の数で除した大きさに設定し、前記揺動アームの揺動角を前記位相差に相当する大きさに設定した構成とした。
【0008】
前記構成の一方向間欠送りユニットにおいては、駆動リンクの一定ストロークの前後動に応じて揺動アームが前進・後退を繰り返す揺動運動を行い、その揺動アームに取付けられた複数の駆動爪が前記の位相差を持って移動し、正回転時に順時各駆動爪が前記の位相差分だけラチェットを正回転させ、その位相差の角度だけ送り歯車等の出力手段を間欠駆動させる。揺動アームが前進揺動して送りをかける時は逆止手段がフリーとなって出力手段の回転を許容し、後退揺動時はロックして出力手段の逆転を防止しつつ送り作用を一時停止する。この一時停止中に部品搬送部材中の部品が部品吸着ヘッドにより外部に取り出される。出力手段の送りピッチの仕様変更に対する対処方法は、例えば、最大の送りピッチが要求されるときは、ラチェットはそのままで駆動爪を1個とし、揺動アームの揺動角をラチェットのピッチ角に合わせる。出力手段の送りピッチを最大送りピッチの2分の1、3分の1等に小さくする仕様変更があった場合は、駆動爪の数をその送りピッチに応じて2個、3個と増やし、それらの位相差をそれぞれラチェットの歯のピッチ角を駆動爪の数で除した大きさをもつように配置し、揺動アームの揺動角をその位相差に相当する大きさに変更する。
【0009】
次に、前記の第2の課題を解決するために、この発明においては、逆止手段を有するラチェット、該ラチェットと一体回転する出力手段、前記ラチェットと出力手段と同軸に取付けられた揺動アーム、該揺動アームに回転自在に取付けた駆動爪、及び前記揺動アームに連結された入力手段としての駆動リンクからなり、前記駆動リンクの前後動による揺動アームの前進揺動時に前記駆動爪をラチェットの歯に係合させて該ラチェットを正回転させ、その後退揺動時に前記逆止手段により逆回転を防止しつつ駆動爪を後退させるという作動を繰り返すことにより前記出力手段を一方向に間欠送りするようにした一方向間欠送りユニットにおいて、前記駆動爪、揺動アーム及び駆動リンクをそれぞれ複数の同数づつ設け、1個の揺動アームに1個の駆動爪を取付けるとともに各揺動アームにそれぞれ前記の駆動リンクを連結し、前記各駆動爪相互のラチェットの歯に対する位相差を該ラチェットの歯のピッチ角を駆動爪の数で除した大きさに設定し、前記各揺動アームの揺動角を前記位相差に相当する大きさに設定し、前記揺動アームごとにその揺動限界を定めるストッパーを設けるとともに該ストッパーに揺動限界位置の調整手段を設け、前記各駆動リンクを同期的に駆動させるように構成した。
【0010】
この構成は前記の場合と対比して、駆動爪を複数用いる点、各駆動爪相互のラチェットの歯に対する位相差を該ラチェットの歯のピッチ角を駆動爪の数で除した大きさに設定した点、前記各揺動アームの揺動角を前記位相差に相当する大きさに設定した点において構成上共通する。また、各駆動リンクが同期駆動されることにより、各揺動アームが同時に一定の揺動角で揺動し、その前進揺動時に順時各駆動爪がラチェットを正回転させる点でも共通する。また、出力手段の送りピッチの仕様変更に対しては駆動爪の数と揺動アームの揺動角の変更によって対処できる点においても共通する。相違する点は、各揺動アームと駆動リンクが複数の同数設けられる点、前記揺動アームの揺動限界を定めるストッパーに調整手段を設けた点であり、ストッパーの調整手段の操作により部品搬送部材の停止位置の調整を行うことができる。
【0011】
前記の各場合において、各揺動アームの後退揺動限界位置における当該揺動アームに取付けられた駆動爪と、次の前進揺動時に当該駆動爪と係合されるべきラチェットの歯との間に、その次に係合されるべき歯を超えない範囲の一定の間隔を置くように当該駆動爪の揺動アームに対する取付け位置の調整手段を駆動爪ごとに設けた構成をとることができる。このような調整手段を設けると、部品寸法の公差等の影響によって駆動爪とラチェットの歯との位置関係にバラツキが生じても、その調整手段の調整によって駆動爪の歯に対する位置関係が一定するので、一歯ごと確実に係合させることができる。
【0012】
駆動爪の歯に対する位置関係の調整は、揺動アームと駆動リンクの相対位置関係を調整する調整手段を設けることによっても行うことができる。この場合の調整手段としては、前記揺動アームと駆動リンクが相互に実質的に直交する揺動軌跡を有する位置関係に配置され、前記揺動アームと駆動リンクが偏心軸により連結され、その偏心軸の中心軸部と偏心軸部がそれぞれ前記の揺動軌跡上に配置された構成をとることができる。この構成においては、前記の偏心軸を操作するとその中心軸部と偏心軸部が前記の軌跡上を移動しながら回転するため、駆動リンクに対する揺動アームの相対位置関係が変化し、駆動爪の歯に対する位置関係を調整することができる。
【0013】
また、前記駆動リンクに対し駆動力を与える駆動源と、ばね力を与えるばねを関連せしめ、前記駆動源の駆動力により前記揺動アームを後退揺動させるとともに、前記ばね力により該揺動アームを前進揺動させるようにした構成をとることができる。揺動アームの揺動限界はストッパーの調整手段の操作によって調整されるが、その調整手段の操作によって生じる調整量は前記ばねによって吸収されるので、他に吸収手段を必要としない。逆に駆動源によって前進揺動させる構成をとった場合は、ストッパーの操作によって生じる調整量を駆動源自体で吸収することは一般に不可能であるので、その吸収のためにトルクリミッタ等の吸収手段を別途設ける必要がある。
【0014】
なお、前記逆止手段は逆止爪をラチェットに係合させる通常の手段でもよいが、一方向クラッチ型のトルクリミッタを使用してもよい。この場合は該トルクリミッタが所定の空転トルクを有して空転する方向を前記ラチェットの正回転方向に一致させた構成をとると、部品搬送部材の送り出しの際に該トルクリミッタにより一定のトルクを付加することができるため、部品搬送部材に作用する慣性の影響を排除することができる。
【発明の効果】
【0015】
以上のように、この発明は駆動爪を単一の揺動アームに複数個取付け、各駆動爪相互のラチェットの歯に対する位相差を、該ラチェットの歯のピッチ角を駆動爪の数で除した大きさに設定し、前記揺動アームの揺動角を前記位相差に相当する大きさに設定する構成や、同期駆動される複数の揺動アームにそれぞれ1個の駆動爪を取付けるとともに各駆動爪相互のラチェットの歯に対する位相差を該ラチェットの歯のピッチ角を駆動爪の数で除した大きさに設定し、前記各揺動アームの揺動角を前記位相差に相当する大きさに設定する構成をとったことにより、駆動爪の数を変えることによりラチェットを変えることなく出力手段の送りピッチを段階的に変えることができ、送りピッチの仕様変更に容易にかつ低コストで対処することができる。
【0016】
また、揺動アームの揺動限界を定めるストッパーの調整手段を適宜操作することにより、部品の寸法公差や取付け精度の影響を排除して部品搬送手段の停止位置の精度を上げることができる。また、駆動爪の揺動アームに対する取付け位置の調整手段を設け、これにより駆動爪の後退揺動限界位置における該駆動爪と次に当該駆動爪と係合されるべきラチェットの歯との間に一定の間隔を置くように調整することができるので、部品の寸法公差や取付け精度の影響を排除して、駆動爪によるラチェットの送り作用を確実に行わせることができる。なお、上記の各調整手段として偏心軸を用いることにより、調整作業を容易に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、添付図面に基づいてこの発明を実施するための最良の形態を説明する。
【実施例1】
【0018】
図1から図3に示した実施例1の一方向間欠送りユニットは、一方向間欠送り手段1、揺動アーム2、出力手段としての送り歯車3が同軸状態に一体に組み合わされ、ボルト4a、ナット4b(図2参照)によりフレーム5の片面に設けられた凹部10に取付けられる。前記揺動アーム2の先端に軸6を介して入力手段としての駆動リンク7が回動自在に連結される。
【0019】
図1に示したように、一方向間欠送り手段1は、外歯形式のラチェット8、これと一体に設けられた一方向クラッチ型のトルクリミッタ9、及びそのラチェット8の歯11に係脱自在となる一対の駆動爪12a、12bとからなる。一方の駆動爪12aは揺動アーム2に軸23aにより回転自在に取付けられる。他方の駆動爪12bは揺動アーム2のボス板19から約90度の角度で該揺動アーム2と同一面内で突き出した補助アーム2cに軸23bにより揺動自在に取付けられる。各駆動爪12a、12bはそれぞればね24a、24bにより揺動アーム2、補助アーム2cに引き寄せる方向に付勢される。ラチェット8の歯11は、送り方向の回転方向A(以下、正回転方向Aと称する。)に対向するように傾斜し、半径方向の歯面11aと円弧状の歯面11bを有する。
【0020】
図2に示したように、前記ラチェット8のフレーム5側外周面に前記の送り歯車3が一体に設けられる。送り歯車3はラチェット8より大径に形成され、キャリアテープ等の部品搬送部材50の送り穴51に係合される。ラチェット8と送り歯車3の共通のボス部は同時にトルクリミッタ9の外輪13をなし、その外輪13は前記ボルト4aに螺合されたスリーブ状の支軸15の周りに回転自在に挿通される。
【0021】
前記外輪13の内周面には等間隔をおいて複数箇所にポケット16が設けられる。各ポケット16の底面に前記支軸15との間で正回転方向Aに狭小となるくさび角θ(図1参照)が形成され、そのポケット16にローラ17と付勢ばね18が収納される。該付勢ばね18によりローラ17をくさび角θの方向に付勢する。この付勢ばね18の付勢力は、外輪13が正回転方向Aへの空転時に通常の一方向クラッチの空転トルク値(0.1kgf・cm)に比べて大きい空転トルク値(1〜5kgf・cm)が得られるように設定されている。なお、ポケット16相互間の外輪13内径面は支軸15に摺接し軸受20を形成する。
【0022】
前記揺動アーム2の円板形のボス板19がボルト4aの周りに揺動自在に嵌合され、トルクリミッタ9の外面を閉塞する。ボス板19はワッシャ21を介してボルト4aの頭部22により揺動自在に取付けられる。
【0023】
前記の一対の駆動爪12a、12bは、図1に示したように、揺動アーム2が垂下状態にあり、かつ正回転方向Aの方向に見て前位の駆動爪12aが1つの歯11の歯面11aに係合した状態を基準位置とすると(図1Aの位置符号U参照)、このとき他方の駆動爪12bは他の歯11の円弧歯面11bの中間に接触する(同じく位置符号V参照)。即ち、歯11間のピッチ角(前記U―U間、又はV−V間の中心角)を角度αで示すと、駆動爪12aに対する駆動爪12bの位相差は図1Aに示したようにα/2となる。なお、前記のピッチ角αは歯11の1ピッチPに一致する。
【0024】
駆動リンク7は揺動アーム2の下端において軸6により揺動自在に連結され、図示省略の駆動源により前後動して揺動アーム2を前記の位相差α/2に相当する揺動角をもって揺動させる。
【0025】
その他、図1において、25は部品搬送部材50上に設置された部品吸着ヘッド、27は部品搬送部材50に一定間隔で付着された部品、52はフレーム5の上端縁に設けられたガイド溝である。
【0026】
実施例1の一方向間欠送りユニットは以上のような構成であり、図1に示した状態から、適宜な駆動源により駆動リンク7を介して揺動アーム2を揺動角α/2だけ後退揺動(図1の矢印b参照)させる。このとき各駆動爪12a、12bはラチェット8の歯11上を後退するため送り作用は行わない。後退揺動限で駆動爪12bが歯面11aに係合し、他方の駆動爪12aが歯面11b上に乗る(図1(A)の一点鎖線参照)。このとき、トルクリミッタ9はロック状態となり、送り歯車3は停止状態に保持される。
【0027】
次に、駆動リンク7を介して揺動アーム2が図示省略のばねによって前進揺動(図1の矢印a参照)すると、駆動爪12bが歯11に係合してα/2の送り作用を行う。これによりラチェット8は半ピッチ分回転され、同時に送り歯車3が図1の矢印Aで示した正回転方向にラチェット8の半ピッチ分だけ回転される。また、これと同時に送り歯車3に係合した部品搬送部材50に上記の半ピッチ分の送りが掛けられる。このとき、トルクリミッタ9は空転状態となるが、前述のように空転状態においても比較的大きい空転トルクを発生するため、部品搬送部材50に対して所要の制動が掛けられる。このため、送り速度が大きくなっても部品搬送部材50に慣性が作用し難くなる。また、段取り作業等において部品搬送部材50が勝手に長く引き出されるような不都合も避けられる。結局、揺動アーム2の1往復によって、ラチェット8の半ピッチ分の送りが掛けられることになる。
【0028】
なお、送りピッチを1/3ピッチにする場合は、駆動爪を3個取付け、それぞれの位相差及び揺動アーム2の揺動角をα/3とする。逆に、部品搬送部材50の送りピッチの仕様が1ピッチである場合は、同じラチェット8を用い、1個の駆動爪12aを単一の揺動アーム2に取付け、揺動角αで揺動させる。
【0029】
以上のように、実施例1は通常1ピッチの送りに使用されるラチェット8を用い、送りピッチがそれより小さいピッチに仕様変更された場合に、駆動爪の数、その位相差、揺動角の大きさを変えることで対処できる便利さがある。
【実施例2】
【0030】
図4から図7に示した実施例2は、基本的に前記の実施例1のものと共通した構造をもっている。即ち、2個の駆動爪12a、12bを有するとともに、これらが相互にα/2の位相差を有し、揺動アーム2がα/2の揺動角を持ち、その揺動アーム2の揺動によって駆動爪12a、12bがラチェット8に対し半ピッチの送りを掛ける点は実施例1の場合と同様である。
【0031】
実施例1と相違する点は、図6で分かるように、揺動アームと駆動リンクが駆動爪12a、12bと同数の2本、即ち、2本の揺動アーム2a、2b、2本の駆動リンク7a、7bが設けられ、駆動リンク7a、7bが図示省略の駆動源とばねにより同期的に前後動される点、さらに、各揺動アーム2a、2bの前進揺動限を定めるストッパーを偏心軸29a、29bで形成した点である。
【0032】
一方の駆動リンク7aと揺動アーム2aが軸6aにより連結され、その揺動アーム2aに駆動爪12aが軸23aにより取付けられる。揺動アーム2aはボス板19aを有する。他方、駆動リンク7bと揺動アーム2bが軸6bにより連結される。揺動アーム2bはボス板19bを有し、そのボス板19bから90度強の角度で突き出して補助アーム2cが設けられ、その補助アーム2cに前記の駆動爪12bが軸23bにより取付けられる。
【0033】
前記揺動アーム2a、2bの前進揺動の限界位置を規制するストッパーとしての偏心軸29a、29bがフレーム5に設けられる(図4参照)。偏心軸29aは揺動アーム2aの前進揺動側の側辺に当接する位置に設けられる。偏心軸29bも揺動アーム2bの前進揺動側の側辺に当接する位置に設けられるが、前記の偏心軸29aとの干渉を避けるために揺動アーム2bの前記側辺に凹部34と凸部34’を設け、その凸部34’に当接する位置に前記の偏心軸29bが設けられる。
【0034】
前記の揺動アーム2a、2bは図4に示した垂下状態が原位置であり、前後に重なった状態にある。駆動リンク7a、7bも前後に重なった状態にあるが、それぞれ図示省略の独立した駆動源により同期的に矢印b方向に駆動され、また図示省略の独立したばねにより同期的に矢印a方向に引戻される。
【0035】
実施例2は以上のようなものであり、駆動リンク7a、7b及び揺動アーム2a、2b、駆動爪12a、12bが図4に示した原位置にあるとき、適宜な駆動源の同期的な作動により駆動リンク7a、7bを矢印b方向に駆動させ揺動アーム2a、2bを揺動角α/2だけ後退揺動させる。このとき各駆動爪12a、12bはラチェット8の歯11上を後退するため送り作用は行わない。後退揺動限で駆動爪12bが歯面11aに係合し、他方の駆動爪12aが歯面11b上に乗る。このとき、トルクリミッタ9はロック状態となり、送り歯車3は停止状態に保持される。
【0036】
次に、駆動リンク7a、7bが図示省略のばねによって同期的に矢印a方向に引戻されると揺動アーム2a、2bが前進揺動するので、揺動アーム2bに取付けられた駆動爪12bが歯11に係合してα/2の送り作用を行う。これによりラチェット8は半ピッチ分回転され、同時に送り歯車3が矢印Aで示した正回転方向にラチェット8の半ピッチ分回転される。同時にそれに係合した部品搬送部材50に上記の半ピッチ分の送りが掛けられる。
【0037】
このとき、トルクリミッタ9は空転状態となるが、前述のように空転状態においても比較的大きい空転トルクを発生するため、部品搬送部材50に対して所要の制動が掛けられる。このため、送り速度が大きくなっても部品搬送部材50に慣性が作用し難くなる。また、段取り作業等において部品搬送部材50が勝手に長く引き出されるような不都合も避けられる。
【0038】
以上の間欠送り作用は前記の実施例1の場合と同様である。また、通常1ピッチの送りに使用されるラチェット8を用い、送りピッチがそれより小さいピッチに仕様変更された場合に、駆動爪の数の変化に応じて揺動アーム、駆動リンクの数等をその数に合わせることにより対処できる点でも同様である。
【0039】
実施例1には設けられておらず、実施例2に特有の構成は、揺動アーム2a、2bの前進揺動の限界位置を規制するストッパーとしての偏心軸29a、29bをフレーム5に設けた点である。この構成に関する作用について次に説明する。
【0040】
部品吸着ヘッド25によって部品を確実に吸着するには、部品搬送部材50の停止位置の精度が良好であることが必要であるが、その停止位置の調整を偏心軸29a、29bを操作することにより行う。
【0041】
いま、図7に示したように、揺動アーム2aの前進方向の揺動限界が実線で示す位置である場合に、ナット30aを緩め偏心軸29aをドライバー等で操作して偏心回転させる。これによって揺動アーム2aの前進揺動限界位置が変るため(同図の一点鎖線参照)、送り歯車3とともに部品搬送部材50の停止位置が調整される(同図の調整量x参照)。なお、揺動アーム2bについても偏心軸29bの操作により同様に揺動限界位置が調整される。
【実施例3】
【0042】
図8から図10に示した実施例3の一方向間欠送りユニットは、トルクリミッタ9の外輪13がラチェット8及び送り歯車3とは別体に形成されたものである。ラチェット8と送り歯車3は一体であり、これらの共通のボス31がフレーム5側に突き出して形成される。トルクリミッタ9の外輪13は、D形カット面32を有し(図10参照)、これに合致するD形カット面33を有するフレーム5の凹部10に嵌合固定される。
【0043】
前記のボス31はトルクリミッタ9の内径側に回転自在に挿通され、その外輪13内周面に前記の実施例1及び2の場合と同様の複数のポケット16が形成され、各ポケット16にローラ17及び付勢ばね18が収納される。ただし、実施例1及び2の場合と異なりポケット16のくさび角θ(図5参照)の方向は、正回転方向Aと逆方向である。これは、トルクリミッタ9に対する駆動力が、外輪13側からではなくボス31側から入力されることによる。ポケット16相互間に軸受20が形成されることは同様である。
【0044】
なお、外輪13及び凹部10にD形カット面32、33を設けた構成としたのは、フレーム5の高さをできるだけ低く構成するためである。
【0045】
駆動リンク7a、7b、揺動アーム2a、2b、駆動爪12a、12bを2個ずつ設け、駆動爪12a、12b相互間の位相差をα/2、揺動アーム2a、2bの揺動角をα/2とすることは前記実施例2の場合と同様である。また、揺動アーム2a、2bの前進方向揺動限界位置を偏心軸29a、29bによって調整することにより部品搬送部材50の停止位置の精度を高めることも、前記の実施例2の場合と同様である。
【実施例4】
【0046】
図11から図14に示した実施例4の一方向間欠送りユニットは、ラチェット8が内歯形式のものであり、三角形の歯11が内径面に形成される。そのラチェット8の内側外径面に前記各実施例と同様の送り歯車3が一体に設けられる。ラチェット8のボスがトルクリミッタ9の外輪13を兼用し、その外輪13がフレーム5の凹部10に回転自在に嵌合される。また、その凹部10の中心に固定軸35がそれ自身に設けられたねじ軸38をフレーム5に貫通しナット39で締結固定される(図13参照)。
【0047】
トルクリミッタ9の外輪13は、図11に示したように、その内周面に所要数のポケット16が設けられ、前記固定軸35との間で正回転方向Aに狭小となるくさび角θを有し、ローラ17及び付勢ばね18が収納される。また、駆動リンク7a、7b、揺動アーム2a、2b、駆動爪12a、12bが2個ずつ設けられる。揺動アーム2a、2bは駆動リンク7a、7bを介して同期駆動される。
【0048】
ラチェット8の歯11は、前述のように三角形であるから、駆動爪12a、12bとラチェット8の歯11との関係は、図11Aに示したように、ピッチ角α(=ピッチP)は歯11の谷(位置U)から山(位置V)までの中心角であり、山(位置V)から谷(位置U)までの範囲Qは駆動爪12a、12bがばね24a、24bによって引き込まれる部分であり、範囲Qにおける駆動爪12a、12bの移動は、揺動アーム2a、2bの作用とは無関係に行われる。
【0049】
図11に示した状態から、適宜な駆動源により駆動リンク7a、7bを介して揺動アーム2a、2bを同期状態を保持して揺動角α/2だけ後退揺動(図11の矢印b参照)させる。このとき各駆動爪12a、12bはラチェット8の歯11上を後退するため送り作用は行わない。後退揺動限で駆動爪12bが歯面11aに係合し、他方の駆動爪12aが歯面11b上に乗る(図11Aの一点鎖線参照)。このとき、トルクリミッタ9はロック状態となり、送り歯車3は停止状態に保持される。
【0050】
次に、駆動リンク7a、7bを介して揺動アーム2a、2bが図示省略のばねによって前進揺動(図11の矢印a参照)すると、駆動爪12bが歯11に係合してα/2の送り作用を行う。これによりラチェット8は半ピッチ分回転され、同時に送り歯車3が図11の矢印Aで示した正回転方向にラチェット8の半ピッチ分回転される。また、これと同時に送り歯車3に係合した部品搬送部材50に前記の半ピッチ分の送りが掛けられる。このとき、トルクリミッタ9は空転状態となるが、前述のように空転状態においても比較的大きい空転トルクを発生するため、部品搬送部材50に対して所要の制動が掛けられる。このため、送り速度が大きくなっても部品搬送部材50に慣性が作用し難くなる。また、段取り作業等において部品搬送部材50が勝手に長く引き出されるような不都合も避けられる。結局、揺動アーム2の1往復によって、ラチェット8の半ピッチの送りが掛けられることになる。
【0051】
なお、送りピッチを1/3ピッチにする場合は、駆動爪を3個取付け、それぞれの位相差及び揺動アーム2の揺動角をα/3とする等のことは実施例1の場合と同様である。
【0052】
また、揺動アーム2a、2bの前進方向揺動限界位置を偏心軸29a、29bによって調整することにより部品搬送部材50の停止位置の精度を高めることも、前記の実施例2の場合と同様である。揺動アーム2a、2bの各ボス板19a、19bはそれぞれ前記内歯形式のラチェット8をカバーする大きさに形成され(図12および図14参照)、各ボス板19a、19b間にワッシャ40が介在される。また、前記のボス板19a、19bには、駆動爪12b等との干渉を避けるための切欠き部56a、56bが設けられる。
【0053】
以上述べた実施例1から4は、いずれも揺動アーム2、2a、2bの前進揺動(矢印a参照)を駆動リンク7、7a、7bに関連されたばね力で行い、後退揺動を電磁ソレノイド等の駆動力によって作動させることを前提にして説明している。
この場合において揺動アーム2a、2bの前進揺動限界位置を偏心軸29a、29bによって調整したときのストロークの調整量の吸収は、ばねの伸縮によって行うことができる。前記と逆に前進揺動を駆動力で、また後退揺動をばね力で行うようにした場合は、揺動アーム2a、2bの前進揺動限界位置の調整によるストロークの調整量は、これを駆動源において吸収することは困難であるので、トルクリミッタ等の部品を介在して吸収する必要がある。
【0054】
その他の変形例として、揺動アーム2a、2bの揺動限界を定めるストッパーを後退揺動限界側に設け、そのストッパーを前記と同様の偏心軸29a、29bで形成するようにしてもよい。また、ラチェット8の逆回転防止手段として一方向クラッチ型トルクリミッタ9に代えて、単なる逆止爪を歯11に係合させた構成をとる場合もある。
【0055】
また、図15に示したように、揺動アーム2a、2bの揺動限界を定めるストッパー(偏心軸29a、29b)は、揺動アーム2a、2bと一体のボス板19a、19bの周縁から径方向外向きに設けた突起53a、53bにより構成し、これに揺動アーム2a、2bを当接させるようにしてもよい。
【実施例5】
【0056】
以上述べた実施例2から4においては、部品搬送部材50の送り精度の調整のために、揺動アーム2a、2bの揺動限界位置を偏心軸29a、29bによって調整する手段について述べたが、一方向間欠送りユニットの作動の精度を左右する要素として、駆動爪12a、12bとラチェット8の歯11の係合精度がある。即ち、揺動アーム2a、2bの揺動を確実に送り歯車3に伝達するためには、駆動爪12a、12bが確実にラチェット8の歯11に係合する必要がある。しかし、実際の製品においては部品の公差、取付け位置の精度、部品の摩耗等により、歯11に対する駆動爪12a、12bの位置関係にバラツキが生じ、その係合作用が不正確になる場合がある。
【0057】
そこで、図16から図19に示した実施例5は、駆動爪12a、12bの取付け軸を偏心軸41a、41bとナット42a、42bでそれぞれ揺動アーム2a、2bに取付けた構成としたものである。図18に示したように、駆動爪12aの基部は揺動アーム2aの裏面に添って配置され、これに偏心軸41aの偏心軸部41cが挿通される。また小径の中心軸部41dが揺動アーム2aに貫通され、中心軸部41dの先端のねじ部にナット42aが螺合される。
【0058】
駆動爪12aの揺動アーム2aに対する取付け位置を調整する際は、図17(a)に示したように、揺動アーム2aを後退揺動限界位置において停止させ、そのときの駆動爪12aの先端と、次の前進揺動時にその駆動爪12aが係合されるべき前位の歯11Aとの間に一定の間隔yを置くように調整する。その調整は偏心軸41aをドライバー等で回転操作し、偏心軸部41cを偏心回転させることにより行う。前記の間隔yの最小値は、部品の公差、取付け精度、部品の摩耗等の影響によってもゼロとなることがない所定の大きさに設定される。また、その最大値は、部品の寸法公差等の影響によってもその次に係合されるべき後位の歯11Bを越えない範囲に設定される。
【0059】
このような間隔yが存在するように駆動爪12aの取付け位置を調整することにより、駆動爪12aは確実に次の歯11Aに係合することができ、正確で円滑な爪送りを行うことができる。間隔yがゼロ又はゼロに近い大きさであると、揺動アーム2aの後退揺動限界位置において、部品の寸法公差等の影響により、前位の歯11Aの後方に落ち込まず、当該歯11A上に残ったままとなる事態が生じ、正確な送り作用が阻害される。
【0060】
揺動アーム2aの前進揺動限界位置の偏心軸29aによる調整構造は前記の場合と同様である(図17(b)参照)。
【0061】
なお、駆動爪12bの偏心軸41bによる位置調整、揺動アーム2bの偏心軸29bによる前進揺動限界位置の調整も前記と同様であるから説明を省略する。
【0062】
上述した実施例5の駆動爪12a、12bの歯11に対する偏心軸41a、41bによる位置調整の構造は、前記の実施例1から3に示した外歯形式のラチェットの場合において適用することができる。内歯形式の場合は図19に示したように、駆動爪12aの基部を偏心軸41aにより揺動アーム2aのボス板19aに取付ける。この場合も同様に駆動爪12aの歯11に対する位置調整が行われる(図19(a)の調整量y参照)。揺動アーム2aの前進揺動限界位置の偏心軸29aによる調整構造は前記の場合と同様である(図19(b)参照)。
【0063】
以上のように駆動爪12a、12bの歯11に対する位置調整を行った場合、前述の図1A、図11Aで示した駆動爪12a、12bと歯11との位置関係は、これらの図示の位置関係からそれぞれ調整量yだけ全体にずれた関係となる。
【実施例6】
【0064】
次に、図20から図23に示した実施例6について説明する。この場合は、駆動爪12a、12bは揺動アーム2a、2bに対して軸23a、23bにより揺動自在であるが調整不可能な状態に取付けられる。また、揺動アーム2a、2bの前進揺動限界位置が偏心軸29a、29bにより調整できるようになっている。
【0065】
また、揺動アーム2a、2bと駆動リンク7a、7bが偏心軸54a、54bにより連結され、駆動リンク7a、7bに対する揺動アーム2a、2bの連結位置の調整ができるようになっている。偏心軸54a、54bは、大径の偏心軸部54cと、ねじ部を有する中心軸部54dを有する。
【0066】
各駆動リンク7a、7bの前端部は揺動アーム2a、2bの下端部に接して配置される。また、前記の中心軸部54dが駆動リンク7a、7bの先端部に挿通され、偏心軸部54cが揺動アーム2a、2bに挿通され、揺動アーム2a、2bから突き出したに中心軸部54dのねじ部にナット55a、55bが螺合される。軸頭部54eが揺動アーム2a、2bに係合される。
【0067】
図23(a)に示したように、偏心軸54aにおける偏心軸部54cの中心をMで示し、中心軸部54dの中心をNで示す。また、中心Mの揺動軌跡をα、中心Nの揺動軌跡をβで示す。揺動アーム2aはボルト4a(図20参照)を中心として揺動し、駆動リンク7aは駆動側のピン(図示省略)を中心として揺動するが、いずれも十分大きい揺動半径を有するので、前記の揺動軌跡αとβは実質上直交する関係にある。
【0068】
図23(a)において、駆動爪12aの歯11に対する位置調整の方法を説明する。いま、駆動爪12aが歯11に接触した実線の状態にある場合において、一定の間隔yが存在するように調整するときは、偏心軸54aを右回転させると、前記の中心Mは軌跡α上を移動してM’の位置に移動し、中心Nは軌跡β上を移動してN’の位置に移動する。即ち、揺動アーム2aと駆動リンク7aの連結位置が実質上の直交線上でM、NからM’、N’へ移動したことになる。
【0069】
上記のように連結点が移動する結果、揺動アーム2aと駆動リンク7aが実線の状態から一点鎖線の状態に相対的に移動し、同時に駆動爪12aも歯11に対して一点鎖線の状態に移動し所定の間隔yを生じさせることができる。
【0070】
なお、偏心軸29aによる揺動アーム2aの前進揺動限界位置の調整は前記した他の実施例の場合と同様に行われる(図23(b)参照)。
【0071】
以上は揺動アーム2aと駆動リンク7aの連結点の移動により駆動爪12aの歯11に対する位置調整及び偏心軸29aによる揺動アーム2aの前進揺動限界位置の調整について述べたが、揺動アーム2bと駆動リンク7bの連結点の移動により駆動爪12bの歯11に対する位置調整及び偏心軸29bによる揺動アーム2bの前進揺動限界位置調整も同様に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】実施例1の縦断正面図
【図1A】同上のラチェットと駆動爪との係合状態の説明図
【図2】図1のX−X線の断面図
【図3】同上の分解斜視図
【図4】実施例2の縦断正面図
【図5】同上の一部縦断側面図
【図6】同上の分解斜視図
【図7】同上の調整時の説明図
【図8】実施例3の縦断正面図
【図9】同上の一部縦断側面図
【図10】同上の分解斜視図
【図11】実施例4の縦断正面図
【図11A】同上のラチェットと駆動爪との係合状態の説明図
【図12】同上の一部縦断正面図
【図13】同上の一部縦断側面図
【図14】同上の分解斜視図
【図15】同上の変形例の一部縦断正面図
【図16】実施例5の一部縦断正面図
【図17】(a)(b)同上の作用の説明図
【図18】同上の一部縦断側面図
【図19】(a)(b)同上の作用の説明図
【図20】実施例6の縦断正面図
【図21】同上の一部縦断側面図
【図22】同上の一部の正面図
【図23】(a)(b)同上の作用の説明図
【符号の説明】
【0073】
1 一方向間欠送り手段
2、2a、2b 揺動アーム
2c 補助アーム
3 送り歯車
4a ボルト
4b ナット
5 フレーム
6、6a、6b 軸
7、7a、7b 駆動リンク
8 ラチェット
9 トルクリミッタ
10 凹部
11 歯
11a、11b 歯面
12a、12b 駆動爪
13 外輪
15 支軸
16 ポケット
17 ローラ
18 付勢ばね
19、19a、19b ボス板
20 軸受
21,21a、21b ワッシャ
22 頭部
23a、23b 軸
24a、24b ばね
25 部品吸着ヘッド
27 部品
29a、29b 偏心軸
30a、30b ナット
31 ボス
32、33 D形カット面
34 凹部
34’ 凸部
35 固定軸
36 駆動爪取付け軸
37 ビス
38 ねじ軸
39 ナット
40 ワッシャ
41a、41b 偏心軸
41c 偏心軸部
41d 中心軸部
42a、42b ナット
50 部品搬送部材
51 送り穴
52 ガイド溝
53a、53b 突起
54a、54b 偏心軸
54c 偏心軸部
54d 中心軸部
54e 軸頭部
55a、55b ナット
56a、56b 切欠き部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
逆止手段を有するラチェット、該ラチェットと一体回転する出力手段、前記ラチェットと出力手段と同軸に取付けられた揺動アーム、該揺動アームに回転自在に取付けた駆動爪、及び前記揺動アームに連結された入力手段としての駆動リンクからなり、前記駆動リンクの前後動による揺動アームの前進揺動時に前記駆動爪をラチェットの歯に係合させて該ラチェットを正回転させ、その後退揺動時に前記逆止手段により逆回転を防止しつつ駆動爪を後退させるという作動を繰り返すことにより前記出力手段を一方向に間欠送りするようにした一方向間欠送りユニットにおいて、前記駆動爪を前記単一の揺動アームに複数個取付け、各駆動爪相互のラチェットの歯に対する位相差を、該ラチェットの歯のピッチ角を駆動爪の数で除した大きさに設定し、前記揺動アームの揺動角を前記位相差に相当する大きさに設定したことを特徴とする一方向間欠送りユニット。
【請求項2】
逆止手段を有するラチェット、該ラチェットと一体回転する出力手段、前記ラチェットと出力手段と同軸に取付けられた揺動アーム、該揺動アームに回転自在に取付けた駆動爪、及び前記揺動アームに連結された入力手段としての駆動リンクからなり、前記駆動リンクの前後動による揺動アームの前進揺動時に前記駆動爪をラチェットの歯に係合させて該ラチェットを正回転させ、その後退揺動時に前記逆止手段により逆回転を防止しつつ駆動爪を後退させるという作動を繰り返すことにより前記出力手段を一方向に間欠送りするようにした一方向間欠送りユニットにおいて、前記駆動爪、揺動アーム及び駆動リンクをそれぞれ複数の同数づつ設け、1個の揺動アームに1個の駆動爪を取付けるとともに各揺動アームにそれぞれ前記の駆動リンクを連結し、前記各駆動爪相互のラチェットの歯に対する位相差を該ラチェットの歯のピッチ角を駆動爪の数で除した大きさに設定し、前記各揺動アームの揺動角を前記位相差に相当する大きさに設定し、前記揺動アームごとにその揺動限界を定めるストッパーを設けるとともに該ストッパーに揺動限界位置の調整手段を設け、前記各駆動リンクを同期的に駆動させることを特徴とする一方向間欠送りユニット。
【請求項3】
前記各揺動アームの後退揺動限界位置における当該揺動アームに取付けられた駆動爪と、次の前進揺動時に当該駆動爪と係合されるべきラチェットの歯との間に、その次に係合されるべき歯を超えない範囲の一定の間隔を置くように当該駆動爪の揺動アームに対する取付け位置の調整手段を駆動爪ごとに設けたことを特徴とする請求項1又は2に記載の一方向間欠送りユニット。
【請求項4】
前記各揺動アームの後退揺動限界位置における当該揺動アームに取付けられた駆動爪と、次の前進揺動時に当該駆動爪と係合されるべきラチェットの歯との間に、その次に係合されるべき歯を超えない範囲の一定の間隔を置くように前記揺動アームとそれに連結された駆動リンクの連結位置の調整手段を設けたことを特徴とする請求項1又は2に記載の一方向間欠送りユニット。
【請求項5】
前記の調整手段が偏心軸により形成されたことを特徴とする請求項2から4のいずれかに記載の一方向間欠送りユニット。
【請求項6】
前記駆動リンクに対し駆動力を与える駆動源と、ばね力を与えるばねを関連せしめ、前記駆動源の駆動力により前記揺動アームを後退揺動させるとともに、前記ばね力により該揺動アームを前進揺動させるようにしたことを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の一方向間欠送りユニット。
【請求項7】
前記逆止手段が、一方向クラッチ型のトルクリミッタにより形成され、該トルクリミッタが所定の空転トルクを有して空転する方向を前記ラチェットの正回転方向に一致させたことを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の一方向間欠送りユニット。

【図1】
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【図1A】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図11A】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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