説明

一般照明用のランプ

本発明は、光放出開口部(12)を有しているランプケーシング(1)と、ランプケーシング(1)内に配置されている第1の種類の光源(2)と、ランプケーシング(1)に固定されている保持部(4)と、保持部(4)に固定されている、少なくとも一つの第2の種類の光源(3)とを備えており、少なくとも一つの第2の種類の光源(3)が有機発光ダイオードを含んでおり、少なくとも一つの第2の種類の光源(3)が、放射方向(R)において光放出開口部(12)の後方に配置されているランプに関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はランプに関する。ランプは有利には一般照明に適している。例えば、ランプは空間照明又はデスクランプとして適している。ランプは天井に吊し下げることに適しているが、自立式に使用することもできる。ランプは光束が少なくとも100lm、有利には少なくとも500lm、例えば1000lmと高い点で優れている。ランプは冷白色、自然白色又は温白色の光の放射もしくはカラー光の放射に適しており、また平均演色評価数Ra>90を有することができる。ランプから放出される光の色又は色度座標及び/又は色温度を調整することができる。
【0002】
ランプの少なくとも一つの実施の形態によれば、ランプは光放出開口部を有しているケーシングを含んでいる。ランプケーシングは例えば、ランプの光源を制御するための制御装置を収容するために使用される。更には、ランプケーシングをランプの光源の一部を収容するために使用することもできる。従って、ランプケーシングは、このランプケーシング内で形成された光をランプケーシングから放出することができる光放出開口部を有している。ランプケーシング内に配置されている光源はランプケーシングによって覆われており、光源によって形成された光はその光放出開口部を介してのみランプケーシングから放出することができる。
【0003】
ランプの少なくとも一つの実施の形態によれば、ランプは、ランプケーシング内に配置されている第1の種類の光源を含んでいる。第1の種類の光源としては例えば、一つ又は複数の発光ダイオードチップ、有利には有機発光ダイオードチップを含んでいる光源が考えられる。光源を少なくとも一つのケーシングされていない発光ダイオードチップから構成することができる。更に第1の種類の光源には、代替的又は付加的に、放電ランプ及び/又は白熱電球及び/又は省エネルギーランプを含めることができる。第1の種類の光源は更に少なくとも一つの光学素子、例えばリフレクタ又はレンズを含むことができる。光学素子を放射される光の放射成形に使用することができる。即ち、第1の種類の光源として発光モジュールが考えられる。第1の種類の光源はランプケーシング内に配置されている。ランプの動作時に第1の種類の光源によって形成される光はランプケーシングの光放出開口部を介してランプケーシングから放出される。
【0004】
ランプの少なくとも一つの実施の形態によれば、ランプは、ランプケーシングに固定されている保持部を含んでいる。保持部をワンピース又はマルチピースで、即ち一つの部品又は複数の部品から構成することができる。例えば、保持部は少なくとも二つの支柱を含んでおり、それらの支柱がランプケーシングに機械的に固定されている。例えば、保持部をランプケーシングに溶接、熱かしめ、又は、ネジ止めすることができる。保持部は有利には、ランプケーシングの光放出開口部から放出される光の放射方向に沿って延在している。即ち、保持部は少なくとも部分的に、放射方向において光放出開口部の後方に配置されている。
【0005】
ランプの少なくとも一つの実施の形態によれば、ランプは、保持部に固定されている少なくとも一つの第2の種類の光源を含んでいる。第2の種類の光源は第1の種類の光源とは異なる。即ち、有利には、第1の種類の光源と第2の種類の光源に対して異なる種類の光源が使用される。有利には、第2の種類の光源は、少なくとも1cm2、有利には少なくとも4.5cm2、例えば4.9cm2又は10cm2の放出面を有している面状光源である。
【0006】
第2の種類の光源の光を、放出面から相互に反対の二つの方向に放射することができる。即ち、光を放出面の前面及び背面から放射することができる。
【0007】
ランプの少なくとも一つの実施の形態によれば、第2の種類の光源は有機発光ダイオードを含んでいる。第2の種類の光源を例えば有機発光ダイオードから構成することができる。有機発光ダイオードは例えば白色光を放出するために設けられている。従って、例えば、第2の種類の光源はランプの動作時に2500Kから3000Kの色温度、例えば2800Kの色温度の白色光を放出する。
【0008】
ランプの少なくとも一つの実施の形態によれば、少なくとも一つの第2の種類の光源は、放射方向において、ランプケーシングの光放出開口部の後方に配置されている。ランプケーシングの光放出開口部からは、ランプの動作時に第1の種類の光源の光が放出される。第1の種類の光源はランプの一次光源である。放出される光の方向は放射方向を表している。第2の種類の光源は放射方向において光放出開口部の後方に配置されている。例えば、第2の種類の光源は主放射方向において光放出開口部の後方に配置されている。ここで、主放射方向とは、放出された光が輝度最大値を有している放射方向を意味している。例えば、主放射方向は、光放出開口部を覆う仮想平面に対して垂直である。
【0009】
ランプの少なくとも一つの実施の形態によれば、ランプは光放出開口部を有しているランプケーシングを含んでいる。更に、ランプは、ランプケーシング内に配置されている第1の種類の光源を含んでいる。ランプはランプケーシングに固定されている別の保持部を含んでいる。ランプは更に、保持部に固定されている第2の種類の光源を含んでいる。第2の種類の光源は有機発光ダイオード又は他の光源を含んでおり、且つ、放射方向において光放出開口部の後方に配置されている。有利には、ランプは少なくとも二つの第2の種類の光源を含んでいる。有利には、ランプの全ての第2の種類の光源は放射方向、例えば主放射方向において光放出開口部の後方に配置されている。
【0010】
ランプの少なくとも一つの実施の形態によれば、少なくとも一つの第2の種類の光源の内の少なくとも一つは少なくとも部分的に反射性に構成されている。例えば、この第2の種類の光源の、放出面とは反対側の背面を、反射性に構成することができる。更には、第2の種類の光源の放出面も反射性に構成することができる。この場合には、この第2の種類の光源として、例えば、反射性に構成されている有機発光ダイオードが考えられる。第2の種類の光源の反射性に構成されている面は、有利には、可視光に対して少なくとも50%、有利には少なくとも70%、例えば80%の反射率を有している。
【0011】
反射性に構成されている第2の種類の光源は、第1の種類の光源の動作時に、ランプケーシングの光放出開口部を介して放出される光によって照射される。この光は第2の種類の光源に入射し、第2の種類の光源の反射性に構成されている面に入射した場合には反射される。換言すれば、少なくとも部分的に反射性に構成されている第2の種類の光源は光を能動的に放射するだけでなく、第1の光源に由来する、ランプケーシングの光放出開口部を介して放出された光も反射する。第1の種類の光源はランプケーシングによって覆われており、従って第1の種類の光源は外部からは見えないので、観察者にとっては、第2の種類の光源が実際よりも多くの光を放射しているように見える。このようにして、比較的光の弱い有機発光ダイオードが使用されるにも拘らず、高い光束を有するランプを達成することができる。
【0012】
第2の種類の光源の内の一つだけ、又は、幾つかの光源、又は、全ての光源を少なくとも部分的に反射性に構成することができる。
【0013】
ランプの少なくとも一つの実施の形態によれば、少なくとも一つの第2の種類の光源の内の少なくとも一つは少なくとも部分的に放射透過性に構成されている。第1の種類の光源の動作時に放射される光はこの第2の種類の光源に入射し、この第2の種類の光源を通過することができる。この場合には、放射透過性に構成されている第2の種類の光源として、放射透過性の有機発光ダイオードが考えられる。第2の種類の光源を通過する第1の光源の光を、第2の種類の光源の光と混合させることができるので、全体として混合光を放射することができる。放射透過性の第2の種類の光源についても、その第2の種類の光源を外部から観察する者には、第1の種類の光源の光を通過させない場合よりも明るく見える。
【0014】
第2の種類の全ての光源、幾つかの光源、唯一つの光源が放射透過性に構成されているか、又は、第2の種類の光源のいずれも放射透過性に構成されていないことが考えられる。即ち、ランプは複数の第2の種類の光源から成る混合部を含むことができ、その場合に、光源の一部が反射性に構成されており、その他の光源が放射透過性に構成されている。更には、ランプが反射透過性に構成されている第2の種類の光源のみを含んでいるか、又は、放射透過性に構成されている第2の光源のみを含んでいることが考えられる。
【0015】
ランプの少なくとも一つの実施の形態によれば、ランプケーシングが第1の中空部を有しており、この第1の中空部内には第1の種類の光源が配置されており、第1の中空部の、第1の種類の光源に対向している内面は反射性に構成されている。第1の種類の光源の動作時に形成される光は中空部の内面において反射される。有利には、光は少なくとも部分的に、ランプケーシングの光放出開口部に到達するよう反射される。このために、反射性に構成されている中空部の内面は、光放出開口部の方向への反射を支援する形状を有することができる。例えば、内面を少なくとも部分的に、複合放物面集光器、複合楕円集光器又は複合双曲線集光器のように構成することができる。更には、第1の中空部は少なくとも部分的に、反射性の内面を備えている角錐台又は円錐台として構成することができる。
【0016】
ランプケーシングの光放出開口部への反射の他に、第1の種類の光源によって形成された光を光放出開口部から放出される前に混合させるためにも、中空部の反射性の内面を使用することができる。このようにして、第1の種類の光源自体が色的に不均一に構成されている場合であっても、光放出開口部を介して非常に均一な光(例えば白色光)を放射することができる。第1の種類の光源は例えば種々の色の発光ダイオードチップを含むことができ、それらの発光ダイオードチップの光が中空部内で白色光へと混合される。この場合には、付加的な散光器を省略することができる。
【0017】
ランプの少なくとも一つの実施の形態によれば、ランプケーシングが、部分的に楕円のように、有利には回転楕円のように構成されている第1の中空部を含んでいる。「楕円のように」とは、第1の中空部の内面が、最大で15%、有利には10%の偏差で楕円の形状に従うことを意味する。製造公差の枠内で、内面は少なくとも部分的に楕円の経過に従うことができる。「部分的に」とは中空部が複数の領域において楕円として構成されていなくても良いことを意味している。例えば、中空部は、焦点面の領域において焦点面に沿って切り取られている楕円のように構成されている。
【0018】
ランプの第1の種類の光源は、有利には、ランプケーシングの光放出開口部とは反対側にある、楕円の焦点の周辺に配置されている。楕円は焦点の領域において、例えば焦点面に沿って、切り取られている。光源はこの場合、有利には、焦点が光源の光放出開口部もある平面内にあるように配置されている。即ち、光源を回転楕円の焦点内に配置することができる。
【0019】
更に有利には、光放出開口部が楕円の別の焦点の周辺に配置されている。例えば、中空部は別の焦点の領域内では開かれており、そこにおいて光放出開口部を有している。この場合には、光放出開口部が終端している平面内に別の焦点を配置することができる。
【0020】
総じて、このようにして、第1の種類の光源によって形成された光の非常に多くの部分をランプケーシングの光放出開口部から出力することができる。第1の中空部の内面は有利には、反射性に構成されており、この内面に入射する光を有利には配向させて反射させ、且つ散光性ではない。中空部の内面における反射によって光の混合も行われる。中空部が楕円として、有利には回転楕円として構成されている場合には、付加的に光放出開口部を比較的小さく選定することができる。
【0021】
例えば、光放出開口部の最大直径は、光源の光放出開口部の直径の最大で2倍である。このようにして、第1の種類の光源がランプケーシングの外側からは殆どの観察角度において全く見えない、又は殆ど見えないことを保証することができる。これによって、ランプから放出される全体の光が第2の種類の光源によって放出されているという印象が強まる。光源が例えば複数の無機発光ダイオードチップを含んでいる場合、光源の光放出開口部の直径は例えば発光ダイオードチップの放射放出面全体の直径である。
【0022】
ランプの少なくとも一つの実施の形態によれば、ランプケーシングが第2の中空部を有しており、この第2の中空部は、第1の中空物の光放出開口部とは反対側に配置されている。第2の中空部内には、例えば、第1の種類の光源及び第2の種類の光源のための制御装置を配置することができる。制御装置として、例えば、光源の内の少なくとも一つを調光することができるパルス幅変調回路が考えられる。制御装置は更にメモリ装置を有することができ、このメモリ装置にランプのライティング機能を記憶することができる。ライティング機能をユーザによってランプの外側から呼び出すことができる。例えば、ランプを種々の色温度及び/又は種々の色度座標で動作させることができる。
【0023】
ランプの少なくとも一つの実施の形態によれば、ランプケーシングが、少なくとも部分的に円錐台又は角錐台又は円筒のように構成されている基体を有している。ランプケーシングが円錐台又は角錐台のように構成されている場合には、ランプケーシングは有利には、ランプケーシングの光放出開口部から離れる方向に延びる方向において先細りされている。ランプケーシングをマルチピースで、即ち複数の部品から構成することもできる。例えば、ランプケーシングは、光放出開口部から離れる方向に配向されて先細りされている角錐台のように構成されている第1の区間を有することができる。更にこの場合には、ランプケーシングは、例えば円筒として構成されている第2の区間を有することができる。第2の区間は、第1の区間の光放出開口部とは反対側の面において第1の区間と接している。
【0024】
ランプの少なくとも一つの実施の形態によれば、ランプケーシングが基体及び少なくとも二つの冷却ディスクを有しており、それら二つの冷却ディスクは相互に間隔を空けて基体に固定されている。例えば、冷却ディスクは垂直方向において相互に間隔を空けて基体に固定されている。冷却ディスクを例えば円筒状に構成することができる。冷却ディスクは基体を有利には側方において包囲しており、例えば側方において完全に包囲している。従って、冷却ディスクはランプケーシングの外面を拡大し、駆動時に第1の種類の光源から生じる熱のより良好な熱排出をもたらす。例えば、ランプは少なくとも五つ、例えば十一個の冷却ディスクを含んでいる。冷却ディスクを基体とワンピースで構成することができるか、又は、基体と機械的に、例えば溶接によって接続することができる。冷却ディスク及び基体を金属又はセラミック材料でもって形成することができる。
【0025】
ランプの少なくとも一つの実施の形態によれば、光放出開口部を包囲する、ランプケーシングの外面は、少なくとも部分的に反射性に構成されている。即ち、例えば光放出開口部を側面において包囲している基体の外面は、光源によって形成された光に対して反射性に構成されているので、この外面を介する第2の種類の光源の方向への反射が付加的に行われる。
【0026】
ランプの少なくとも一つの実施の形態によれば、ランプケーシングに固定されているランプの保持部は第2の種類の少なくとも一つの光源との電気的な接続のために設けられている。このために、保持部自体を導電性に構成することができ、また、保持部を介して第2の種類のランプの電気的な接触部へと電流を流すことができる。更には、給電線を保持部から絶縁して保持部内に敷設し、この給電線を第2の種類の光源に接続するために使用することができる。
【0027】
ランプの少なくとも一つの実施の形態によれば、第2の種類の光源の内の少なくとも一つが回転可能に支承されている。例えば、全ての第2の種類の光源が回転可能に支承されている。例えば光源をこのために、保持部、例えば少なくとも一つの支柱に固定することができる。このようにして、第2の種類の光源をユーザの要求に応じて整列させることができる。第2の種類の光源が例えば部分的に反射性に構成されている場合には、ユーザは第2の種類の光源の回転に基づき、例えば反射される光ならびに直接的に放出される光の割合及び方向を規定することができる。第2の種類の光源が例えば放射透過性に構成されている場合には、ユーザは第2の種類の光源を回転させることによって、第2の種類の光源を通過する、第1の種類の光源の光の割合を規定することができ、これと共に例えば、放出される全体の光の色温度及び/又は色度座標を調整することができる。
【0028】
ランプの少なくとも一つの実施の形態によれば、保持部は少なくとも二つの支柱を含んでいる。支柱は直線的に構成する必要は無く、支柱は折れ目及び/又は湾曲部を有することができる。この場合、第2の種類の光源は有利には、保持部の少なくとも二つの支柱の間に回転可能に支承されている。このようにして、第2の種類の光源をユーザの要求に応じて整列させることができる。第2の種類の光源が例えば部分的に反射性に構成されている場合には、ユーザは第2の種類の光源の回転に基づき、例えば反射される光ならびに直接的に放出される光の割合及び方向を規定することができる。第2の種類の光源が例えば放射透過性に構成されている場合には、ユーザは第2の種類の光源を回転させることによって、第2の種類の光源を通過する、第1の種類の光源の光の割合を規定することができ、これと共に例えば、放出される全体の光の色温度及び/又は色度座標を調整することができる。
【0029】
ランプの少なくとも一つの実施の形態によれば、保持部は少なくとも一つの支柱を含んでおり、この支柱は少なくとも部分的に正弦関数又は余弦関数のような経過を有するように構成されている。「ような」とは、支柱が最大で15%、有利には最大で10%、前述の関数の経過から偏差してることを意味している。つまり、正弦関数又は余弦関数の「ような」とは螺旋状の支柱の経過も含む。即ち、保持部の支柱の内の少なくとも一つ、例えば保持部の全ての支柱を螺旋として構成することができる。支柱として、螺旋、円筒状の渦巻き又は巻線が考えられる。
【0030】
ランプの少なくとも一つの実施の形態によれば、保持部は少なくとも二つの支柱を含んでおり、第2の支柱の経過は第1の支柱の経過及び第1の支柱の主延在軸についての回転から生じる。第1の支柱の主延在軸は、支柱が最長の延在区間を有している方向に並行に延びる軸である。この実施の形態においては、保持部の支柱を幾何学的に相互に同様に構成することができるが、ランプケーシングに固定されている配向のみが異なっている。例えば、第2の支柱の経過は、主延在軸について第1の支柱を180°回転させた第1の支柱の経過から生じる。支柱を相互にずらすことができる。即ち、支柱を異なる位置でランプケーシングに固定することができる。
【0031】
特に、保持部を二重螺旋のように構成することもでき、この場合には保持部がそれぞれ螺旋として構成されている二つの支柱を含んでいる。即ち、保持部は二重螺旋を形成する。二つの螺旋間には第2の種類の光源が配置されている。第2の種類の光源を二つの螺旋間において回転可能に支承させることができる。
【0032】
第2の種類の光源のための固定手段としての二つの螺旋を有している保持部が本発明では特に有利であることが証明された。何故ならば、このようにして、光放出開口部から放出された光の非常に多くの部分を第2の種類の光源に入射させ、それら第2の種類の光源によって反射させることができるか、又はそれら第2の種類の光源を通過させることができるからである。即ち、第2の種類の光源が間に配置されている二つの螺旋を備えている保持部の構成によって、第2の種類の光源を空間的に非常に効果的に分散させることができる。光放出開口部は有利には二つの支柱間に配置されており、例えば第1の種類の光源の光放出面に対して垂直である光放出開口部を通る長手中心軸は保持部の支柱と交差しないが、各第2の種類の光源を貫通することができるように配置されている。第2の種類の光源を、二つの螺旋を含んでいる保持部における固定に基づき、第1の種類の光源の光が第2の種類の光源のいずれによっても全く覆われず、各第2の種類の光源に第1の種類の光源の光の一部を照射することができるように配向することができる。
【0033】
以下では、本発明によるランプを実施例及び対応する図面に基づき詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1A】本発明によるランプの実施例のランプケーシングの概略図を示す。
【図1B】本発明によるランプの実施例のランプケーシングの概略図を示す。
【図1C】本発明によるランプの実施例のランプケーシングの概略図を示す。
【図2A】本発明によるランプの実施例に関する第1の種類の光源の詳細図を示す。
【図2B】本発明によるランプの実施例に関する第1の種類の光源の詳細図を示す。
【図2C】本発明によるランプの実施例に関する光源のスペクトルを示す。
【図2D】本発明によるランプの実施例に関する光源のスペクトルを示す。
【図2E】本発明によるランプの実施例に関する光源のスペクトルを示す。
【図2F】本発明によるランプの実施例に関する光源のスペクトルを示す。
【図3】本発明によるランプの実施例に関する保持部の詳細図を示す。
【図4A】本発明によるランプの実施例の詳細図を示す。
【図4B】本発明によるランプの実施例の詳細図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0035】
図面において、同一、同様または同機能の構成要素には同一の参照符号を付している。図面及び図面に示した構成要素相互の比率は縮尺通りでないことに注意されたい。むしろ、より見やすくするため、及び/又は、より良い理解のために、個々の構成要素が過度に大きく示されている場合もある。
【0036】
図1Aは、本発明のランプの実施例に関するランプケーシングの概略的な断面図を示す。ランプケーシング1は基体11を含んでいる。基体11は例えば金属でもって形成されている。基体11は第1の区間において円錐台のように構成されており、第2の区間において円筒のように構成されている。
【0037】
基体11は冷却ディスク14aを含んでおり、それらの冷却ディスク14aは円筒状であり、また垂直方向において相互に間隔を空けて基体に固定されている。例えば、冷却ディスク14aは基体11と共にワンピースで構成されている。冷却ディスク14aは基体11の外面、つまりランプケーシング1を拡大させ、従ってランプの動作時に生じる熱の排出に使用される。冷却ディスク14aはそれぞれリングとして基体11を側方において完全に包囲している。
【0038】
図1Aに示されている実施例とは異なり、冷却リブ14bが半径方向に間隔を空けて基体11に固定されており、垂直方向に延在していることも考えられる(図1Cの概略的な斜視図も参照されたい)。冷却リブ14bを例えばそれぞれ矩形に構成することができる。冷却リブ14bと冷却ディスク14aを組み合わせることも可能である。
【0039】
基体11は更に第1の中空部13を含んでいる。第1の中空部13は内壁131を有しており、この内壁131は可視光に対して反射性に構成されている。第1の中空体13の内壁131は少なくとも部分的に回転楕円の形状に構成されている。回転楕円は第1の焦点132並びに第2の焦点133を有している。中空体13は長手側において、即ち焦点132,133の領域において開かれている。第1の焦点132には第1の種類の光源2が配置されている。例えば、光源2の光放出開口部は第1の焦点132と同一平面内に位置している。
【0040】
第2の焦点133には光放出開口部12が設けられており、この光放出開口部12は例えば基体11内の開口部によって形成されている。この光放出開口部12をガラスプレートによって覆うことができる。光放出開口部12が終端している平面は例えば第2の焦点133も含んでいる。
【0041】
光放出開口部12は、例えば光放出開口部の最大直径である直径dを有している。直径dは例えば25mmから35mmの範囲であり、この実施例では30mmである。
【0042】
光源2はヒートシンク21並びに発光ダイオードチップ22,23(図2Aから図2Fを参照されたい)を含んでいる。動作時に第1の種類の光源2によって形成される電磁放射は、第1の中空部13の内壁131において光放出開口部12の方向へと反射され、この光放出開口部12から外方に向かって放出される。
【0043】
これとは異なり、内壁131が非反射性に構成されていることも考えられる。第1の種類の光源2として、例えばそれ自体が放射成形及び/又は放射案内のための光学素子を含んでいる発光モジュールが考えられる。この場合、第1の中空部13は発光モジュールを収容する容器である。
【0044】
光放出開口部12を包囲する、基体11の外面16を反射性に構成することができる。ランプケーシングの幅Bは例えば、110mmから130mmであり、この実施例では120mmである。ランプケーシング1の高さH1、即ち、外面16とこの外面16とは反対側のランプケーシング1の面との距離は例えば250mmから270mmであり、この実施例では260mmである。
【0045】
ランプケーシング1の基体11は第2の中空部15を有している。第2の中空部15内には、例えば、ランプの光源の電気的な動作及び制御のための制御装置5を設けることができる。
【0046】
図1Bの概略的な断面図と関連させて、本発明によるランプの別の実施例に関するランプケーシング1を詳細に説明する。この実施例においては、基体11全体が、光放出開口部12から離れる方向において先細りされている円錐台として構成されている。図1Bと関連させて、回転楕円としての第1の中空部13の構成も詳細に説明する。回転楕円は軸a,bを有しており、それらの軸は例えば2:1の比率で選定されている。この場合、短い軸bに対する焦点距離fの比率は約1.73:1である。この場合、回転楕円の偏心率はe=0.866である。
【0047】
反射性に構成されている内壁131を備えている中空部13を楕円に選定することによって、光源2の光が光放出開口部を介して放出される前に殊に良好な光の混合が行われる。更には、第2の焦点132の領域に配置されている光放出開口部12を比較的小さく選定することができる。例えば、光放出開口部12の最大直径dは、第1の種類の光源2の光放出面の最大直径d2の最大で2倍である。
【0048】
図2Aには、本発明によるランプの実施例に使用されるような、第1の種類の光源2が概略的な平面図で示されている。光源2は四つの第1の発光ダイオードチップ22及び三つの第2の発光ダイオードチップ23を含んでいる。
【0049】
図2Bの概略的な平面図においては、それぞれ四つの第1の発光ダイオードチップ22及び第2の発光ダイオードチップ23を備えている代替的な光源2が示されている。例えば、第1の種類の光源2は八つの発光ダイオードチップを含んでおり、例えば、赤色光を放射する四つの発光ダイオードチップ23と緑色光を放射する四つの発光ダイオードチップ22とを含んでいる。第1の種類の光源2が七つの発光ダイオードチップを含み、例えば、赤色光を放射する二つの発光ダイオードチップと、琥珀色光を放射する二つの発光ダイオードチップと、青緑色光を放射する三つの発光ダイオードチップとを含んでいることも考えられる。
【0050】
第1の種類の光源2は例えば700mAの電流で動作し、少なくとも10W、例えば約15Wの廃熱を形成する。ランプケーシング1は例えば、基体15における冷却リング14に基づき、この廃熱の排出に適している。
【0051】
図2Cから図2Fのグラフにはスペクトルがそれぞれプロットされており、単位nmで表されている波長に対して輝度Iが任意の単位でプロットされている。
【0052】
図2Cのグラフには、赤色光の範囲にピーク波長λpを有している第2の発光ダイオードチップ23のスペクトルがプロットされている。図2D及び図2Eは、それぞれ青色光λp1及び緑色光λp2の範囲にピーク波長を有している第1の発光ダイオード22に関する二つの可能性を示している。図2Fには、図2Bに示されているように配置されており、また図2C及び図2Dのスペクトルを有している発光ダイオードチップ22,23を組み合わせた場合の合成スペクトルが示されている。そのような第1の種類の光源2の平均演色評価数Raは約86である。有利には、第1の種類の光源2から放出される光は少なくとも80の平均演色評価数Raを有している。第1の種類の光源2から放出される光の色温度は例えば少なくとも2700Kであり、ここでは約2950Kである。
【0053】
図2Fのスペクトルにおいては、2種類の発光ダイオードチップ22,23のピーク波長λp1,λp2,λpが見て取れる。
【0054】
しかしながら、ランプから放射される光の所望の色度座標及び/又は所望の色温度を達成するために、前述の発光ダイオード及び第1の種類の光源とは異なる発光ダイオード及び第1の種類の光源を使用することもできる。
【0055】
図3と関連させて、概略的な斜視図に基づき、本発明によるランプの実施例に関する保持部を詳細に説明する。図3は、主延在軸zに沿って延在している二つの支柱41,42を含む保持部4を示す。二つの支柱41,42はそれぞれ螺旋として構成されている。支柱42の経過は例えば、支柱41の経過を主延在軸zについて180°回転させることによって生じる。支柱41の経過は例えば、x=sin(t),y=cos(t),z=tのような関数で表すことができる総じて、保持部4は二つの螺旋41,42によって構成されている二重螺旋を形成する。
【0056】
図4Aの概略的な斜視図と関連させて、保持部4がランプケーシング1に固定されていることが示されている。支柱41,42は、それらの支柱41,42の主延在軸zに対して並行に延びる、第1の種類の光源2の主放射方向Rの周りに巻きつけられている。
【0057】
図4Bの概略的な斜視図と関連させて、本発明によるランプの実施例を詳細に説明する。ランプは、光放出開口部12を備えているランプケーシング1を含んでいる。ランプケーシング1には、二重螺旋として構成されている保持部4が機械的に固定されている。保持部4の支柱41,42は第2の種類の光源3のための給電部として使用される。
【0058】
ランプは例えば六つの第2の種類の光源を含んでおり、それらの第2の種類の光源はそれぞれ有機発光ダイオードによって形成されている。この実施例では、第2の種類の光源3は放出面31を含んでおり、この放出面31から、第2の種類の光源3によって形成される能動的な電磁放射が放出される。例えば、第2の種類の光源3は、2700Kから2900K、ここでは2800Kの色温度の白色光を放出する。第2の種類の光源3は更に、放出面とは反対側の背面32を含んでおり、この背面32はこの実施例では反射性に構成されている。放出面31も反射性に構成することができるので、第2の種類の光源3は、ランプケーシング1の光放出開口部12を通過して放出される第1の種類の光源2の光を反射する。
【0059】
第2の種類の光源3は回転軸6について回転可能に支承されており、且つ、保持部4の二つの支柱41,42に固定されている。保持部4が二重螺旋として構成されていることに基づき、第2の種類の光源3が適切に配置されてれば、第1の種類の光源2からの光は各第2の種類の光源3に到達することができる。
【0060】
保持部の高さH2はここでは少なくとも200mm、例えば920mmである。保持部4の支柱41,42間の第2の種類の光源3の配置は、保持部4の機械的な安定も生じさせる。第2の種類の光源3の回転軸6についての回転によって、ランプの放射特性を比較的自由に調整することができる。第2の種類の光源3並びに第1の種類の光源2の制御によって、放射される光の色温度及び/又は色度座標も調整することができる。例えば、このようにして温白色及び冷白色の範囲にある白色光をランプによって形成することができる。
【0061】
第1の種類の光源2の光を含んでいる第2の種類の光源3の放射に基づき、第2の種類の光源3は総じてより明るく見える。ランプから放出される全ての光が第2の種類の光源3に由来しているという印象がもたらされる。
【0062】
第2の種類の光源3が少なくとも部分的に反射性に構成されている図4Bに示した実施例の他に、第2の種類の光源3が放射透過性に構成されており、且つ、前面31からの電磁放射も背面32からの電磁放射も放出することも考えられる。第1の種類の光源2の光は第2の種類の光源3を通過する。つまり、動作時にランプによって形成される光は第2の種類の光源3に由来しているという印象が生じる。
【0063】
本願は、ドイツ連邦共和国特許出願第102009038864.8号の優先権を主張するものであり、その開示内容は参照により本願に取り入れられる。
【0064】
本発明は実施例に基づく上記の説明によってそれらの実施例に限定されるものではない。むしろ本発明はあらゆる新規の特徴ならびにそれらの特徴のあらゆる組み合わせを含むものであり、これには殊に特許請求の範囲に記載した特徴の組み合わせ各々が含まれ、このことはそのような組み合わせ自体が特許請求の範囲あるいは実施例に明示的には記載されていないにしても当てはまる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光放出開口部(12)を有しているランプケーシング(1)と、
前記ランプケーシング(1)内に配置されている第1の種類の光源(2)と、
前記ランプケーシング(1)に固定されている保持部(4)と、
前記保持部(4)に固定されている、少なくとも一つの第2の種類の光源(3)とを備えており、
前記少なくとも一つの第2の種類の光源(3)は有機発光ダイオードを含んでおり、
前記少なくとも一つの第2の種類の光源(3)は、放射方向(R)において前記光放出開口部(12)の後方に配置されていることを特徴とする、ランプ。
【請求項2】
前記少なくとも一つの第2の種類の光源(3)の内の少なくとも一つは少なくとも部分的に反射性に構成されており、
前記第1の種類の光源(2)の動作時に放出された光が前記第2の種類の光源(3)に入射し、該第2の種類の光源(3)によって反射される、請求項1記載のランプ。
【請求項3】
前記少なくとも一つの第2の種類の光源(3)の内の少なくとも一つは少なくとも部分的に放射透過性に構成されており、
前記第1の種類の光源(2)の動作時に放出された光が前記第2の種類の光源(3)に入射し、該第2の種類の光源(3)を通過する、請求項1又は2に記載のランプ。
【請求項4】
前記ランプケーシング(1)は第1の中空部(13)を有しており、該第1の中空部(13)内には前記第1の種類の光源(2)が配置されており、前記第1の中空部の、前記第1の種類の光源(2)に対向している内面(131)は反射性に構成されている、請求項1乃至3のいずれか一項に記載のランプ。
【請求項5】
前記ランプケーシング(1)は第1の中空部(13)を有しており、該第1の中空部(13)は部分的に回転楕円のように構成されており、
前記第1の種類の光源(2)は、前記回転楕円の焦点(132)の周辺に配置されており、前記焦点(132)は前記光放出開口部(12)とは反対側に位置しており、
前記光放出開口部(12)は、前記回転楕円の別の焦点(133)の周辺に配置されている、請求項1乃至4のいずれか一項に記載のランプ。
【請求項6】
前記ランプケーシング(1)は第2の中空部(15)を有しており、該第2の中空部(15)は、前記第1の中空部(13)の前記光放出開口部(12)側とは反対側に配置されており、
前記第2の中空部(15)内には前記両光源(2,3)のための制御装置(5)が配置されている、請求項1乃至5のいずれか一項に記載のランプ。
【請求項7】
前記ランプケーシング(1)は、少なくとも部分的に円錐台又は角錐台のように構成されている基体(11)を有しており、
前記円錐台又は前記角錐台は、前記光放出開口部(12)から離れる方向に配向されている方向において先細りされている、請求項1乃至6のいずれか一項に記載のランプ。
【請求項8】
前記ランプケーシング(1)は基体(11)と、少なくとも二つの冷却ディスク(14a)及び/又は冷却リブ(14b)とを有しており、
前記冷却ディスク(14a)及び/又は前記冷却リブ(14b)は間隔を空けて前記基体(11)に固定されており、且つ、前記基体(11)を側方において包囲している、請求項1乃至7のいずれか一項に記載のランプ。
【請求項9】
前記光放出開口部(12)を包囲する、前記ランプケーシング(1)の外面(16)は、少なくとも部分的に反射性に構成されている、請求項1乃至8のいずれか一項に記載のランプ。
【請求項10】
前記保持部(4)は前記少なくとも一つの第2の種類の光源(3)の電気的な接続に使用される、請求項1乃至9のいずれか一項に記載のランプ。
【請求項11】
前記少なくとも一つの第2の種類の光源(3)は回転可能に支承されている、請求項1乃至10のいずれか一項に記載のランプ。
【請求項12】
前記保持部(4)は少なくとも二つの支柱(41,42)を含んでおり、該二つの支柱(41,42)の間に前記少なくとも一つの第2の種類の光源(3)が回転可能に支承されている、請求項1乃至11のいずれか一項に記載のランプ。
【請求項13】
前記保持部(4)は少なくとも一つの支柱(41,42)を含んでおり、該支柱(41,42)は少なくとも部分的に正弦関数及び/又は余弦関数のように構成されている、請求項1乃至11のいずれか一項に記載のランプ。
【請求項14】
前記保持部(4)は少なくとも二つの支柱(41,42)を含んでおり、第2の支柱(42)の経過は第1の支柱(41)の経過及び該第1の支柱(41)の主延在軸についての回転から生じる、請求項1乃至13のいずれか一項に記載のランプ。
【請求項15】
前記保持部(4)は二重螺旋のように構成されており、前記保持部(4)は、それぞれが螺旋として構成されている二つの支柱(41,42)を含んでいる、請求項1乃至14のいずれか一項に記載のランプ。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図2D】
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【図2E】
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【図2F】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【公表番号】特表2013−503421(P2013−503421A)
【公表日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−525991(P2012−525991)
【出願日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【国際出願番号】PCT/EP2010/061785
【国際公開番号】WO2011/023569
【国際公開日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【出願人】(599133716)オスラム オプト セミコンダクターズ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (586)
【氏名又は名称原語表記】Osram Opto Semiconductors GmbH
【住所又は居所原語表記】Leibnizstrasse 4, D−93055 Regensburg, Germany
【Fターム(参考)】