説明

三元活性化合物組合せ

本発明は、(A)3,4−ジクロロ−N−(2−シアノフェニル)−5−イソチアゾールカルボキシアミドおよび(B)イミダクロプリドおよび(C)1種の、殺虫剤もしくは殺菌剤として活性な化合物を含む、特に殺菌剤または殺虫剤組成物の範囲内にある活性化合物の組合せに関する。さらに、本発明は、植物または作物の植物病原性菌類および/または微生物および/または有害生物を治癒的もしくは予防的に防除する方法に、植物繁殖の処理向けの本発明による組合せの使用に、種子の保護方法に、またとりわけ、処理された種子に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、(A)3,4−ジクロロ−N−(2−シアノフェニル)−5−イソチアゾールカルボキシアミド(一般名イソチアニル(Isotianil)、Cas番号224049−04−1)および(B)イミダクロプリド(imidacloprid)および(C)1種の、殺虫剤もしくは殺菌剤として活性な化合物を含む、特に殺菌剤または殺虫剤組成物の範囲内にある活性化合物の組合せに関する。さらに、本発明は、植物または作物の植物病原性菌類および/または微生物および/または有害生物を治癒的もしくは予防的に防除する方法、植物繁殖の処理向けの本発明による組合せの使用、種子の保護方法、またとりわけ、処理された種子に関する。
【背景技術】
【0002】
(A)3,4−ジクロロ−N−(2−シアノフェニル)−5−イソチアゾールカルボキシアミドが殺菌剤および殺虫剤性状を有することは既に知られている。さらに、イソチアゾールカルボン酸誘導体が、望ましくない植物病原性菌類および微生物による攻撃に対して植物を保護するため非常に適していることも見出されている(米国特許A第5240951号明細書および特開平6−009313号公報)。本発明による化合物(A)は、望ましくない植物病原性菌類および微生物による攻撃に対する植物の防御力を動員するのにも、また植物病原性菌類および微生物を直接防除する殺微生物剤としても適している。さらに、化合物(A)は、植物を傷つける有害生物に対しても活性がある(国際公開第99/24414号)。
【0003】
化合物(A)3,4−ジクロロ−N−(2−シアノフェニル)−5−イソチアゾールカルボキシアミドおよびその調製は、国際公開第99/24414号中に開示されている。この化合物の活性は良好である。しかし、低い施用量において時には不十分である。
【0004】
化合物(B)は、欧州特許出願公開第0192060号明細書中に記述されている殺虫剤活性化合物であるイミダクロプリドである。化合物(C)は、エチプロール(ethiprole)(DE−A19653417から知られている)、フィプロニル(fipronil)(欧州特許出願公開第00295117号明細書から知られている)、チアクロプリド(thiacloprid)(欧州特許出願公開第0235725号明細書から知られている)、スピノサド(spinosad)(欧州特許出願公開第0375316号明細書から知られている)、チフルザミド(thifluzamide)(欧州特許出願公開第0371950号明細書から知られている)、(S)−3−クロル−N−{2−メチル−4−[1,2,2,2−テトラフルオル−1−(トリフルオルメチル)エチル]フェニル}−N−(1−メチル−2−メチルスルホニルエチル)フタルアミド(欧州特許出願公開第1006107号明細書から知られている)およびN−[2−(1,3−ジメチルブチル)フェニル]−5−フルオル−1,3−ジメチル−1H−ピラゾール−4−カルボキシ−アミド(国際公開第03/010149号から知られている)からなる殺菌剤および殺虫剤として活性な化合物の群から選択される。
【0005】
化合物(B)と化合物(C)の1種の間の二元組合せは、次の参考文献に記載されている(国際公開第2005/122796号;欧州特許出願公開第0871362号明細書、国際公開第2005/036966号、国際公開第1999/060857号;国際公開第2007/101542号;国際公開第2006/114212号)。イソチアニルのネオニコチノイドとの組合せが、植物病原性菌類を防除するのに適していることも知られている(国際公開第2005/009131号)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許A第5240951号明細書
【特許文献2】特開平6−009313号公報
【特許文献3】国際公開第99/24414号
【特許文献4】欧州特許出願公開第0192060号明細書
【特許文献5】DE−A19653417
【特許文献6】欧州特許出願公開第00295117号明細書
【特許文献7】欧州特許出願公開第0235725号明細書
【特許文献8】欧州特許出願公開第0375316号明細書
【特許文献9】欧州特許出願公開第0371950号明細書
【特許文献10】欧州特許出願公開第1006107号明細書
【特許文献11】国際公開第03/010149号
【特許文献12】国際公開第2005/122796号
【特許文献13】欧州特許出願公開第0871362号明細書
【特許文献14】国際公開第2005/036966号
【特許文献15】国際公開第1999/060857号
【特許文献16】国際公開第2007/101542号
【特許文献17】国際公開第2006/114212号
【特許文献18】国際公開第2005/009131号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
さらに、現代の殺菌剤および殺虫剤に課せられた、例えば作用の範囲、毒性、選択性、施用量、残留物の生成および有利な調製能力に関する環境的および経済的要求条件が絶えず増大しているので、またさらに、例えば知られている活性化合物に広がっている耐性についての問題が存在し得るので、不変の課題はいくつかの領域で少なくともそれらの知られている相当物に優る利点を有する新たな殺菌剤および殺虫剤を開発することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、いくつかの態様において、いずれにせよ言及した目標を達成する活性化合物組合せ/組成物を提供する。
【0009】
驚くべきことに、本発明による組合せは、防除しようとする植物病原性菌類および/または微生物および/または有害生物に関連した作用の領域について、加成的促進をもたらすだけでなく、2つの方法で、化合物(A)、化合物(B)および化合物(C)の作用範囲を広げる相乗効果を達成することがここに見出されている。第一に、作用が同等で良好なままでありながら、化合物(A)、化合物(B)および化合物(C)の施用量が少なくなる。第二に、このような低い施用量領域で、個々の3種の化合物が完全に効果を無くすようになっている場合でも、この組合せは依然として高度な植物病原体の防除を達成する。このため、一方で、防除することができる植物病原体の範囲を実質的に広げ、他方で使用における安全性を高めることが可能になる。
【0010】
しかし、殺菌剤および殺虫剤としての活性に関する実際の相乗作用のほかに、本発明による農薬組合せは、より広い意味において相乗作用活性として記述することができる、さらに驚くべき有利な性状を有する。列挙できるこのような有利な性状の例は:他の植物病原性菌類および/もしくは微生物および/もしくは有害生物への、例えば耐性のある菌株への、殺菌剤および殺虫剤としての活性範囲の広がり;活性成分の施用量の低減;個々の化合物が完全に効果が無くなっている低い施用量においてさえも、本発明による組成物の助けによる十分な有害生物防除;製剤中のもしくは施用における、例えば粉砕、篩分け、乳化、溶解もしくは分取における有利な挙動;貯蔵安定性向上;改良された光への安定性;より有利な分解性;改良された毒性学的もしくは生態毒性学的挙動;有用な植物の改良された特性(出芽、収穫収量、より発達した地下部系統、分げつ力増加、植物の高さの増加、より大きい葉幅、より少ない枯れ根出葉、より強い株分け、より緑色の葉色、より少ない肥料必要量、より少ない種子必要量、より生産的な株分け、より早い開花、早い穀粒成熟性、より少ない植物倒伏、苗条生育増加、植物活力向上および早い発芽を含む);または当業者に身近な他の利点である。
【0011】
本発明による組合せは、使用される活性化合物に適合した体系性(systemicity)を提供することもできる。実際に、いくつかの使用した殺菌剤化合物が何らもしくは十分な体系性を有していなくても、本発明による組成物の中でこれらの化合物は、このような性質を呈することができる。
【0012】
同様な形で、本発明による組合せは、用いられている活性化合物の殺菌剤効力の持続性増加を可能にすることができる。
【0013】
さらに、化合物(A)、化合物(B)および化合物(C)の同時施用は、組合せもしくは個別いずれであっても、単一の化合物(A)、化合物(B)および化合物(C)単独、もしくは前述の二元混合物(国際公開第05/009131号)よりも効率的に植物病原性菌類および/もしくは微生物および/もしくは有害生物と闘うものであることが見出されている。
【0014】
本発明による組合せの他の利点は、効力増加が達成可能である点にかかっている。
【0015】
したがって、本発明は、
(A)3,4−ジクロロ−N−(2−シアノフェニル)−5−イソチアゾールカルボキシアミド
および
(B)イミダクロプリド
ならびに
(C)エチプロール、フィプロニル、チアクロプリド、スピノサド、チフルザミド、(S)−3−クロル−N−{2−メチル−4−[1,2,2,2−テトラフルオル−1−(トリフルオルメチル)エチル]フェニル}−N−(1−メチル−2−メチルスルホニルエチル)フタルアミド、およびN−[2−(1,3−ジメチルブチル)フェニル]−5−フルオル−1,3−ジメチル−1H−ピラゾール−4−カルボキシアミドからなる殺菌剤および殺虫剤として活性な化合物の群から選択される、1種のさらなる活性化合物
を含む組合せを提供する。
【0016】
化合物(B)および大部分の(C)群の化合物については、本発明者らはThe Pesticide Manual、第13版、2003を参照している。化合物(C)は、一般名により掲げる。本出願の優先権期日に一般名が入手可能でなかった場合、化合物(C)は、IUPAC−名により掲げる。
【0017】
好ましい組合せは、以下に掲げる:
化合物(A)3,4−ジクロロ−N−(2−シアノフェニル)−5−イソチアゾールカルボキシアミドおよび化合物(B)イミダクロプリドおよび化合物(C)エチプロール、
化合物(A)3,4−ジクロロ−N−(2−シアノフェニル)−5−イソチアゾールカルボキシアミドおよび化合物(B)イミダクロプリドおよび化合物(C)フィプロニル、
化合物(A)3,4−ジクロロ−N−(2−シアノフェニル)−5−イソチアゾールカルボキシアミドおよび化合物(B)イミダクロプリドおよび化合物(C)チアクロプリド、
化合物(A)3,4−ジクロロ−N−(2−シアノフェニル)−5−イソチアゾールカルボキシアミドおよび化合物(B)イミダクロプリドおよび化合物(C)スピノサド、
化合物(A)3,4−ジクロロ−N−(2−シアノフェニル)−5−イソチアゾールカルボキシアミドおよび化合物(B)イミダクロプリドおよび化合物(C)チフルザミド、
化合物(A)3,4−ジクロロ−N−(2−シアノフェニル)−5−イソチアゾールカルボキシアミドおよび化合物(B)イミダクロプリドおよび化合物(C)(S)−3−クロル−N−{2−メチル−4−[1,2,2,2−テトラフルオル−1−(トリフルオルメチル)エチル]フェニル}−N−(1−メチル−2−メチルスルホニルエチル)フタルアミド、
化合物(A)3,4−ジクロロ−N−(2−シアノフェニル)−5−イソチアゾールカルボキシアミドおよび化合物(B)イミダクロプリドおよび化合物(C)N−[2−(1,3−ジメチルブチル)フェニル]−5−フルオル−1,3−ジメチル−1H−ピラゾール−4−カルボキシアミド。
【0018】
活性成分化合物の重量比は、所望の、例えば相乗、作用をもたらすように選択される。一般に、重量比は、特定の活性化合物に応じて変動する。概して任意の2種の化合物間の重量比は、互いに独立に100:1から1:100、好ましくは75:1から1:75、より好ましくは50:1から1:50、また最も好ましくは25:1から1:25である。増加する順に優先性が与えられ本発明により使用することができる、任意の2種の化合物間のさらなる重量比は、互いに独立に250:1から1:250、200:1から1:200、150:1から1:150である。
【0019】
増加する順に優先性が与えられ本発明により使用することができる、任意の2種の化合物間のさらなる重量比は、互いに独立に90:1から1:90、80:1から1:80、70:1から1:70、60:1から1:60、40:1から1:40、30:1から1:30、10:1から1:10、5:1から1:5、4:1から1:4、3:1から1:3である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
化合物(A)、化合物(B)および化合物(C)が、互変異性形態で存在することができる場合、このような化合物は、上記の本明細書においてまた以下の本明細書において、適用可能な場合、それぞれの場合に具体的にこれらに言及されなくても、対応する互変異性形態をも含むものと理解される。
【0021】
少なくとも1つの塩基センターを有する化合物(A)、化合物(B)および化合物(C)は例えば、強無機酸、例えば鉱酸、例えば過塩素酸、硫酸、硝酸、亜硝酸、リン酸もしくはハロゲン化水素酸などとの酸付加塩;強有機カルボン酸、例えば、非置換のもしくは置換された、例えばハロ置換されたC−Cアルカンカルボン酸、例えば酢酸、飽和もしくは不飽和ジカルボン酸、例えばシュウ酸、マロン酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸およびフタル酸、ヒドロキシカルボン酸、例えばアスコルビン酸、乳酸、マール酸、酒石酸およびクエン酸もしくは安息香酸などとの酸付加塩;または有機スルホン酸、例えば非置換のもしくは置換された、例えばハロ置換されたC−Cアルカン−もしくはアリール−スルホン酸、例えばメタン−もしくはp−トルエン−スルホン酸などとの酸付加塩を形成することが可能である。少なくとも1つの酸基を有する化合物(A)、化合物(B)および化合物(C)は例えば、塩基との塩、例えば金属塩、例えばアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属塩、例えばナトリウム、カリウムもしくはマグネシウム塩、または、アンモニアとの塩もしくは有機アミンとの塩、例えばモルホリン、ピペリジン、ピロリジン、モノ−、ジ−もしくはトリ−低級アルキルアミン、例えばエチル−、ジエチル−、トリエチル−もしくはジメチル−プロピル−アミン、もしくはモノ−、ジ−もしくはトリ−ヒドロキシ−低級アルキルアミン、例えばモノ−、ジ−、もしくはトリエタノールアミンなどとの塩を形成することが可能である。さらに、対応する内部塩が、場合によって形成され得る。本発明の文脈において、農業化学物質として有利な塩が好ましい。遊離の形態におけるまたこれらの塩の形態における化合物(A)、化合物(B)および化合物(C)の間の密接な関係を考慮すると、上記の本明細書においてまた以下の本明細書において、遊離の化合物(A)、化合物(B)および化合物(C)もしくはこれらの塩への任意の参照は、適正な場合また好都合な場合、それぞれ対応する塩もしくは遊離の化合物(A)、化合物(B)および化合物(C)を含むものと理解されたい。同様なことが、化合物(A)、化合物(B)および化合物(C)の互変異性体およびこれらの塩にも当てはまる。
【0022】
本発明により、表現「組合せ(combination)」は、化合物(A)、化合物(B)および化合物(C)の種々の組合せ、例えば、単一の「混合済み(ready−mix)」形態におけるもの;「タンク混合物(tank−mix)」などの単一活性化合物の別々の製剤から構成された組合せ噴霧用混合物におけるもの;また、順次の形で、すなわち数時間もしくは数日などの、合理的な短期間に1つずつ施用される場合の、単一活性成分の組合せ使用におけるものを意味する。本発明が実施されるについては、化合物(A)、化合物(B)および化合物(C)の施用順序は不可欠ではないことが好ましい。
【0023】
本発明により、表現「病原体(pathogen)」は、植物または植物の任意の部分への被害の原因となる全ての生物体を意味する。
【0024】
本発明により、表現「菌類(fungi)」は、全ての菌類およびクロミスタ(chromista)生物体を意味する。
【0025】
本発明により、表現「植物病原性菌類(phytopathogenic fungi)」は、植物または植物の任意の部分への被害の原因となる全ての菌類およびクロミスタ生物体を意味する。菌類分類群の例は、子嚢菌類(アスコミコタ)(Ascomycota)、担子菌類(バシジオミコタ)(Basidiomycota)、キトリジオミコタ(Chytridiomycota)、デュテロミコタ(Deuteromycota)、グロメロミコタ(Glomeromycota)、微胞子虫(ミクロスポリジア)(Microsporidia)、接合菌(ジゴミコタ)(Zygomycota)およびアナモルフィック菌類である。クロミスタ(Chromista)の例はオーミコタ(Oomycota)である。
【0026】
本発明により、表現「微生物(microorganism)」は、全ての細菌および原生動物生物体を意味する。例は、ネコブカビ綱(Plasmodiophoromycetes)である。
【0027】
本発明により、表現「ウイルス」は、植物または植物の任意の部分への被害の原因となる全てのウイルスを意味する。例は、DNA−、RNA、ならびにDNAおよびRNA逆転写ウイルスならびに亜ウイルス因子である。
【0028】
本発明により、表現「有害生物(pests)」は、植物または植物の任意の部分への被害の原因となる全てのアシェルミンテス(袋形動物)(aschelminhes)およびパナルトロポダ(panarthropoda)生物体を意味する。例は、線虫類(Nematoda)、アルトポダ(Arthopoda)、六脚類(Hexapoda)およびクモ類(Arachnida)である。
【0029】
本発明による組成物の範囲内の活性化合物は、効力のある殺微生物剤、殺菌剤および殺虫剤活性を有し、作物保護において、材料保護において、獣医学分野において、家畜業において、また家庭用殺虫剤として、望ましくない植物病原性菌類および/または微生物および/または有害生物を防除するのに用いることができる。
【0030】
本発明による組成物の範囲内において、殺菌剤化合物は、作物保護において、例えばネコブカビ綱(Plasmodiophoromycetes)、オーミコタ(Oomycota)、キトリジオミコタ(Chytridiomycota)、接合菌(Zygomycota)、子嚢菌類(Ascomycota)、担子菌類(Basidiomycota)およびデュテロミコタ(Deuteromycota)などの植物病原性菌類および/または微生物および/または有害生物を防除するのに用いることができる。
【0031】
本発明による組成物の範囲内において、殺虫剤化合物は、作物保護において、例えば植物病原性有害生物を防除するのに用いることができる。
【0032】
本発明による組成物の範囲内において、殺細菌剤化合物は、作物保護において、例えばシュードモナス科(Pseudomonadaceae)、根生菌(リゾビウム)科(Rhizobiaceae)、腸内細菌科(Enterobacteriaceae)、コリネバクテリア科(Corynebacteriaceae)およびストレプトミセス科(Streptomycetaseae)の微生物を防除するのに用いることができる。
【0033】
本発明による殺菌剤および殺虫剤としての組合せおよび/または組成物は、植物または作物の植物病原性菌類および/または微生物および/または有害生物を治癒的もしくは予防的に防除するのに使用することができる。したがって、本発明のさらなる態様により、種子、植物、またはその植物の果実、または植物が生長している、もしくは生長することが所望される土壌への施用による本発明による殺菌剤および殺虫剤組成物の使用を含む、植物または作物の植物病原性菌類および/または微生物および/または有害生物を治癒的もしくは予防的に防除する方法が提供されている。
【0034】
本発明によって、全ての植物および植物の部分は、処理することができる。植物とは、全ての植物、および、望ましいまた望ましくない野生植物、栽培品種(自生の栽培品種を含む)および植物変種(植物変種もしくは植物育種家の権利によって保護可能であるまたはないに拘らない)などの植物個体群を意味する。栽培品種および植物変種は、従来の繁殖および育種方法によって得られる植物とすることができ、これらの方法は、倍加半数体、原形質融合、無作為および定方向突然変異発、分子もしくは遺伝マーカーの使用による、またはトランスジェニック植物を含む生物工学および遺伝子工学によるなどの、1種または複数のバイオテクノロジー方法により支援もしくは補足することができる。
【0035】
植物の部分とは、植物の全ての地上および地下部分ならびに器官、例えば苗条、葉、花(flower)、花(blossom)および根などを指し、それにより例えば、葉、針葉、幹、枝、花、子実体、果実および種子、ならびに根、球茎および根茎が挙げられる。作物ならびに無性および生殖性繁殖材料、例えば挿し木、球茎、根茎、匍匐茎および種子も植物の部分に属する。
【0036】
本発明により、表現「植物繁殖材料(plant propagation material」は、植物の無性もしくは有性生殖のいずれかに使用することができる全ての植物材料を意味する。植物繁殖材料の例は、挿し木、球茎、根茎、匍匐茎、種子、果実、穀粒、豆果、子実体、塊茎および苗である。
【0037】
作物保護において植物病原性菌類および/もしくは微生物および/もしくは有害生物と闘うための本発明による組合せ/組成物は、有効なしかし植物毒性のない量の、本発明による活性化合物を含む。「有効なしかし植物毒性のない量(effective,but not phytotoxic amount)」は、一方で植物の菌類病害を十分にもしくは完全に無くするように防除するのに十分であり、また他方で何ら著しい植物毒性症状をもたらさない、本発明による組合せの量と定義される。有効な用量は、一般により大きい範囲で変動することができる。この用量は、いくつかの因子例えば、闘おうとする菌類、植物、気候条件に依存し、また本発明による組合せの活性化合物に依存している。
【0038】
本発明による方法によって保護することができる植物の中で、主な畑作物,例えばトウモロコシ、ダイズ、ワタ;アブラナ属(Brassica)オイルシード(oilseeds)、例えばブラシカ・ナプス(Brassica napus)(例えばアブラナ)、ブラシカ・ラパ(Brassica rapa)、B.ジュンセア(B.juncea)(例えばカラシナ)およびブラシカ・カリナタ(Brassica carinata)など、イネ、コムギ、サトウダイコン、サトウキビ、エンバク、ライムギ、オオムギ、アワ、ライコムギ、アマ、ブドウの木など;ならびに種々の植物学的分類群の種々の果実および野菜、例えば、ロサセアエ属種(Rosaceae sp.)(例えば、リンゴおよびセイヨウナシなどの種果、アンズ、サクランボ、アーモンドおよびモモなどの石果も、イチゴなどの液果も)、リベシオイダエ属種(Ribesioidae sp.)、ジュグランダセアエ属種(Juglandaceae sp.)、ベツラセアエ属種(Betulaceae sp.)、アナカルジアセアエ属種(Anacardiaceae sp.)、ファガセアエ属種(Fagaceae sp.)、モラセアエ属種(Moraceae sp.)、オレアセアエ属種(Oleaceae sp.)、アクチニダセアエ属種(Actinidaceae sp.)、ラウラセアエ属種(Lauraceae sp.)、ムサセアエ属種(Musaceae sp.)(例えば、バナナの木および栽植)、ルビアセアエ属種(Rubiaceae sp.)(例えばコーヒー)、テアセアエ属種(Theaceae sp.)、ステルクリセアエ属種(Sterculiceae sp.)、ルタセアエ属種(Rutaceae sp.)(例えばレモン、オレンジおよびグレープフルーツ);ソラナセアエ属種(Solanaceae sp.)(例えばトマト、ジャガイモ、コショウ、ナス、ナタネ)、リリアセアエ属種(Liliaceae sp.)、コンポジチアエ属種(Compositiae sp.)(例えば、レタス、アーティチョークおよびチコリ−ルートチコリ、エンダイブもしくはコモンチコリを含む)、ウンベリフェラエ属種(Umbelliferae sp.)(例えばニンジン、パセリ、セロリおよびセルリアック)、ククルビタセアエ属種(Cucurbitaceae sp.)(例えばキュウリ−ピクルス用キュウリ(pickling cucumber)、カボチャ、スイカ、ヒョウタンおよびメロンを含む)、アリアセアエ属種(Alliaceae sp.)(例えばタマネギおよびニラネギ)、クルシフェラエ属種(Cruciferae sp.)(例えば白キャベツ、赤キャベツ、ブロッコリ、カリフラワー、芽キャベツ、体菜、コールラビ(球茎カンラン)、ダイコン、ワサビダイコン、カラシナ、白菜)、レグミノサエ属種(Leguminosae sp.)(例えばラッカセイ、エンドウおよびビーンズビーンズ(beans beans)−つるマメおよびソラマメなど)、ケノポジアセアエ属種(Chenopodiaceae sp.)(例えばマンゴールド、フダンソウ、ホウレンソウ、ビートルート)、アステラセアエ属種(Asteraceae sp.)(例えばヒマワリ)、ブラシカセアエ属種(Brassicaceae sp.)(例えば白キャベツ、赤キャベツ、ブロッコリ、カリフラワー、芽キャベツ、体菜、コールラビ、ダイコンならびにアブラナ、ナタネ、ノハラガラシ、ワサビダイコン、カラシナ)、ファバカエ属種(Fabacae sp.)(例えばラッカセイおよびマメ)、パピリオナセアエ属種(Papilionaceae sp.)(例えばダイズ)、マルバセアエ属種(Malvaceae sp.)(例えばオクラ)、アスパラガセアエ属種(Asparagaceae sp.)(例えばアスパラガス)など;園芸および林野作物;観賞植物;ならびにこれらの作物の遺伝子操作された相同体(homologues)を列挙することができる。
【0039】
本発明による処理方法は、遺伝子操作(genetically modified)生物体(GMO)、例えば植物または種子、の処理において使用することができる。遺伝子操作植物(またはトランスジェニック植物)は、非相同遺伝子が安定的にゲノムに組み込まれている植物である。表現「非相同遺伝子(heterologous gene)」は、植物外で提供もしくは構築され、細胞核、葉緑体もしくはミトコンドリアゲノムに導入されると、植物中に存在する関連のタンパク質もしくはポリペプチドを発現することにより、または他の1つまたは複数の遺伝子を下方調節もしくは沈黙させることにより(例えば、アンチセンス技術、共抑制技術またはRNA干渉−RNAi−技術を使用して)、形質転換された植物に、新たなもしくは改良された農学的または他の性状をもたらす遺伝子を本質的に意味する。ゲノム内に位置する非相同遺伝子は、導入遺伝子(transgene)とも呼ばれる。植物ゲノム内のその特定の位置によって定義される導入遺伝子は、形質転換もしくはトランスジェニック事象と呼ばれる。
【0040】
植物種もしくは植物栽培品種、それらの位置および生長条件(土壌、気候、植物生長期間、養分)に応じて、本発明による処理は、超加成性(superadditive)(「相乗作用(synergistic)」)効果をもたらすこともできる。したがって、例えば、本発明により使用することができる活性化合物および組成物の、低減された施用量および/または活性範囲の拡大および/または活性の増加、より良好な植物生長、高もしくは低温への耐性増加、渇水へのもしくは水へのもしくは土壌塩含量への耐性増加、開花能力増大、より容易な収穫、成熟促進、より高い収穫収量、より大きい果実、より大きい植物の高さ、より緑色の葉色、より早い開花、収穫生産物のより高い品質および/またはより高い栄養価、果実内のより高い糖濃度、収穫生産物のより良好な貯蔵安定性および/または加工性が可能であり、これらは、実際に予測された効果を超えている。
【0041】
ある施用量において、本発明による活性化合物組合せは、植物における強化効果をも有することができる。したがって、本発明による活性化合物組合せは望ましくない植物病原性菌類および/または微生物および/またはウイルスによる攻撃に対する植物の防御系を動員するのにも適している。適正な場合これは、例えば菌類に対して本発明による組合せの活性が強化される理由の1つとすることができる。本文脈において、植物強化(抵抗性誘発)物質は、その後に望ましくない植物病原性菌類および/または微生物および/またはウイルスおよび/または有害生物を植え付けられた場合、処理した植物が、これらの望ましくない植物病原性菌類および/または微生物および/またはウイルスおよび/または有害生物への実質的度合の抵抗性を発揮するような形で、植物の防御系を刺激することが可能な物質もしくは物質の組合せを意味すると理解されたい。本件の場合に、望ましくない植物病原性菌類および/または微生物および/またはウイルスは、植物病原性菌類、細菌ならびにウイルスおよび/または有害生物を意味すると理解されたい。したがって、本発明による物質は、処理後ある時間的期間内の上述の病原体による攻撃に対して植物を保護するのに使用することができる。この保護が行われる時間的期間は、活性化合物による植物の処理後、一般に1から10日、好ましくは1から7日にわたる。
【0042】
本発明により処理されることが好ましい植物種および植物栽培品種には、これらの植物に特に有利な有用形質を賦与する遺伝的材料を有する(いずれにせよ育種および/またはバイオテクノロジー手段によって得られる)全ての植物が含まれる。
【0043】
やはり本発明により処理されることが好ましい植物種および植物栽培品種は、1種または複数の生物的ストレスに対し抵抗性がある。すなわち前記植物は、線虫、昆虫、ダニ、植物病原性菌類、細菌、ウイルスおよび/またはウィロイド(viroids)に対するなど、動物および微生物的有害生物に対してより良好な防御性を示す。
【0044】
本発明によりやはり処理することができる植物種および植物栽培品種は、1種または複数の非生物的ストレスに対し抵抗性がある植物である。非生物的ストレス条件には、例えば渇水、低温曝露、熱曝露、浸透圧ストレス、洪水、土壌塩分度の上昇、鉱物質曝露の増加、オゾン曝露、強い光曝露、窒素栄養素利用可能性の制約、リン栄養素利用可能性の制約、日陰除け(shade avoidance)が含まれ得る。
【0045】
本発明によりやはり処理することができる植物種および植物栽培品種は、収量強化特性により特徴付けられる植物である。前記植物における収量増加は、例えば、水利用効率、水保有効率、改善された窒素利用、炭素同化作用の強化、改善された光合成、発芽効率向上および成熟促進などの、植物生理学、生長および発現性改良の結果とすることができる。さらに収量は、早期開花、雑種生成のための開花管理、苗の活力、植物の大きさ、節間数および距離、根の生長、種子の大きさ、果実の大きさ、鞘の大きさ、鞘もしくは穂数、鞘もしくは穂当り種子数、種子質量、種子充填の強化、種子散乱の低減、鞘裂開の抑制および耐倒伏性を含むがこれらに限定されない、改良された植物構築性(ストレスおよび非ストレス条件下で)によって影響される可能性がある。さらなる収量形質には、炭水化物含量、タンパク質含量、油含量および組成などの種子組成、栄養価、抗栄養化合物の低減、加工性向上およびより良好な貯蔵安定性が含まれる。
【0046】
表Aにおいて、上述の形質を有する植物の例を非網羅的に掲げている。
【0047】
【表1】

【0048】
本発明により処理することができる植物は、一般的により高い収量、活力、生気、ならびに生物的および非生物的ストレスへの耐性をもたらす雑種強勢(heterosis)または雑種強勢(hybrid vigor)の特徴を既に発現している雑種植物である。このような植物は、同系繁殖雄性不稔親系統(雌性親)を、他の同系繁殖雄性稔性親系統(雄性親)と交雑させることにより典型的に作られる。雑種種子は、雄性不稔性植物から典型的に収穫され、栽培者に販売される。雄性不稔性植物は、時には(例えばトウモロコシでは)雄穂除去、すなわち雄生殖器(または雄花)の機械的除去によって生産されることができるが、より典型的には雄性不稔性は、植物ゲノムにおける遺伝的決定子(genetic determinants)による結果である。その場合、また特に種子が、雑種植物から収穫しようとする所望の生産物である場合、雑種植物における雄性稔性を確実に完全回復することが典型的に有用である。このことは、雄性不稔性の原因となる遺伝的決定子を有する雑種植物において、雄性稔性を回復することが可能である適正な稔性回復遺伝子を、雄性交配親が確実に有することによって達成することができる。雄性不稔性のための遺伝的決定子は、細胞質内に位置することができる。細胞質雄性不稔性(CMS)の例は、例えばアブラナ属種において記述された(国際公開第92/05251号、国際公開第95/09910号、国際公開第98/27806号、国際公開第05/002324号、国際公開第06/021972号および米国特許第6,229,072号明細書)。しかし、雄性不稔性のための遺伝的決定子は、細胞核ゲノム内にも位置することができる。雄性不稔性植物は、遺伝子工学などの植物バイオテクノロジー方法によっても、得ることができる。雄性不稔性植物を得る特に有用な手段が、国際公開第89/10396号において記述され、その中では、例えばバルナーゼなどのリボヌクレアーゼが、雄しべ内のタペート組織細胞中に選択的に発現される。したがって、稔性は、バルスターなどのリボヌクレアーゼ阻害剤の、タペート組織細胞中の発現により回復することができる(例えば、国際公開第91/02069号)。
【0049】
本発明により処理することができる植物および植物栽培品種(遺伝子工学などの植物バイオテクノロジー方法によって得られる)は、除草剤耐性植物、すなわち1種または複数の所与の除草剤に対し耐性としている植物である。このような植物は、遺伝的形質転換、またはこのような除草剤耐性を賦与する突然変異を含む植物の選択いずれかにより得ることができる。
【0050】
除草剤耐性植物は、例えばグリフォセート耐性植物、すなわち除草剤グリフォセートまたはその塩に耐性としている植物である。種々の手段により、植物はグリフォセートに耐性とすることができる。例えば、グリフォセート耐性植物は、酵素5−エノールピルビルシキメート−3−ホスフェートシンターゼ(EPSPS)をコード化した遺伝子により、植物を形質転換することによって得ることができる。このようなEPSPS遺伝子の例は、細菌サルモネラ・チフィムリウム(Salmonella typhimurium)のAroA遺伝子(突然変異株CT7)(Comaiら、1983、Science 221、370−371頁)、細菌アグロバクテリウム属種(Agrobacterium sp.)のCP4遺伝子(Barryら、1992、Curr.Topics Plant Physiol.7、139−145頁)、ペチュニアEPSPSをコード化している遺伝子(Shahら、1986、Science 233、478−481頁)、トマトEPSPSをコード化している遺伝子(Gasserら、1988、J.Biol.Chem.263、4280−4289頁)、またはエリューシン(Eleusine)EPSPSをコード化している遺伝子(国際公開第01/66704号)である。EPSPS遺伝子は、例えば欧州特許第0837944号明細書、国際公開第00/66746号、国際公開第00/66747号または国際公開第02/26995号中に記載された突然変異EPSPSとすることもできる。グリフォセート耐性植物は、米国特許第5,776,760号明細書および第5,463,175号明細書中に記載されたグリフォセートオキシドレダクターゼ酵素をコード化している遺伝子を発現させることにより得ることもできる。グリフォセート耐性植物は、例えば、国際公開第02/36782号、国際公開第03/092360号、国際公開第05/012515号および国際公開第07/024782号中に記載されたグリフォセートアセチルトランスフェラーゼ酵素をコード化している遺伝子を発現させることにより得ることもできる。グリフォセート耐性植物は、例えば、国際公開第01/024615号または国際公開第03/013226号中に記載された、上述遺伝子の天然産生突然変異体を含む植物を選択することにより得ることもできる。
【0051】
他の除草剤耐性植物は、例えば、ビアラホス、ホスフィノトリシンまたはグルフォシネートなどの酵素グルタミンシンターゼを阻害する除草剤に耐性としている植物である。このような植物は、除草剤を脱毒性化する酵素、または阻害に耐える突然変異グルタミンシンターゼ酵素を発現することにより、得ることができる。1つのこのような効率的な脱毒性化酵素は、ホスフィノトリシンアセチルトランスフェラーゼ(ストレプトマイセス属種(Streptomyces species)からの棒状(bar)もしくは小塊状(pat)タンパク質など)をコード化した酵素である。外因性ホスフィノトリシンアセチルトランスフェラーゼを発現する植物は、例えば米国特許第5,561,236号明細書、同第5,648,477号明細書、同第5,646,024号明細書、同第5,273,894号明細書、同第5,637,489号明細書、同第5,276,268号明細書、同第5,739,082号明細書、同第5,908,810号明細書および第7,112,665号明細書中に記載されている。
【0052】
さらなる除草剤耐性植物も、酵素ヒドロキシフェニルピルベートジオキシゲナーゼ(HPPD)を阻害する除草剤に耐性としている植物である。ヒドロキシフェニルピルベートジオキシゲナーゼは、パラ−ヒドロキシフェニルピルベート(HPP)をホモゲンチセートに変換する反応を触媒作用する酵素である。HPPD−阻害剤に耐性のある植物は、国際公開第96/38567号、国際公開第99/24585号および国際公開第99/24586号中に記載されている天然産生の耐性HPPD酵素をコード化している遺伝子により、または突然変異HPPD酵素をコード化している遺伝子により形質転換することができる。HPPD阻害剤への耐性は、HPPD阻害剤による自生HPPD酵素の阻害にも拘らずホモゲンチセートの生成を可能にするある酵素をコード化した遺伝子により植物を形質転換することによっても得ることができる。このような植物および遺伝子は、国際公開第99/34008号および国際公開第02/36787号中に記載されている。国際公開第2004/024928号中に記載されているように、HPPD阻害剤への植物の耐性は、HPPD耐性酵素をコード化した遺伝子に加えて、酵素プリフェネートデスヒドロゲナーゼをコード化した遺伝子により植物を形質転換することによっても改善することができる。
【0053】
一層さらなる除草剤耐性のある植物は、アセトラクテート合成(ALS)阻害剤に対し耐性としている植物である。知られているALS阻害剤には、例えばスルホニル尿素、イミダゾリノン、トリアゾロピリミジン、ピリミジニオキシ(チオ)ベンゾエートおよび/またはスルホニルアミノカルボニルトリアゾリノン除草剤が含まれる。例えばTranelおよびWright(2002、Weed Science 50:700−712頁)において記述されるだけでなく、米国特許第5,605,011号明細書、同第5,378,824号明細書、同第5,141,870号明細書および第5,013,659号明細書にも記載されているように、ALS酵素(アセトヒドロキシ酸合成酵素AHASとしても知られる)における種々の突然変異体は、種々の除草剤および除草剤群への耐性をもたらすことが知られている。スルホニル尿素耐性植物およびイミダゾリノン耐性植物の生産は、米国特許第5,605,011号明細書、同第5,013,659号明細書、同第5,141,870号明細書、同第5,767,361号明細書、同第5,731,180号明細書、同第5,304,732号明細書、同第4,761,373号明細書、同第5,331,107号明細書、同第5,928,937号明細書および第5,378,824号明細書ならびに国際公開WO第96/33270号に記載されている。他のイミダゾリノン耐性植物は、例えば国際公開第2004/040012号、国際公開第2004/106529号、国際公開第2005/020673号、国際公開第2005/093093号、国際公開第2006/007373号、国際公開第2006/015376号、国際公開第2006/024351号および国際公開第2006/060634号中にも記載されている。他のスルホニル尿素およびイミダゾリノン耐性植物は、例えば国際公開第07/024782号中にも記載されている。
【0054】
イミダゾリノンおよびスルホニル尿素に耐性のある他の植物は、例えばダイズについて米国特許第5,084,082号明細書に、コメについて国際公開第97/41218号に、サトウダイコンについて米国特許第5,773,702号明細書および国際公開第99/057965号に、レタスについて米国特許第5,198,599号明細書に、またはヒマワリについて国際公開第01/065922号に記述されているように、突然変異生成の誘発、除草剤の存在における細胞培養物の選択、または突然変異育種によって得ることができる。
【0055】
本発明によりやはり処理することができる植物または植物栽培品種(遺伝子工学などの植物バイオテクノロジー方法によって得られる)は、耐昆虫性トランスジェニック植物、すなわちいくつかの標的昆虫による攻撃に対して抵抗性があるようにした植物である。このような植物は、遺伝的形質転換またはこのような昆虫抵抗性を賦与する突然変異を含む植物の選択いずれかにより得ることができる。
【0056】
本明細書において使用している「昆虫抵抗性トランスジェニック植物(insect−resistant transgenic plant)」には:
1)Crickmoreら(1998、Microbiology and Molecular Biology Reviews、62:807−813頁)によってオンラインでhttp://www.lifesci.sussex.ac.uk/Home/Neil_Crickmore/Bt/に掲げられ、バチルス・ツリンギエンシス(Bacillus thuringiensis)毒素命名についてCrickmoreら(2005)により更新された、殺虫剤性結晶タンパク質もしくはその殺虫剤部分などの、バチルス・ツリンギエンシス(Bacillus thuringiensis)からの殺虫剤性結晶タンパク質もしくはその殺虫剤性部分、例えば、Cryタンパク質級のタンパク質Cry1Ab、Cry1Ac、Cry1F、Cry2Ab、Cry3AaもしくはCry3Bbもしくはその殺虫剤性部分;または
2)Cry34およびCry35結晶タンパク質から構成される二元性毒素(Moellenbeckら 2001、Nat.Biotechnol.19:668−72頁;Schnepfら 2006、Applied Environm.Microbiol.71:1765−1774頁)などの、第二の他のバチルス・ツリンギエンシス(Bacillus thuringiensis)からの結晶タンパク質もしくはその一部分の存在における、殺虫剤性であるバチルス・ツリンギエンシス(Bacillus thuringiensis)からの結晶タンパク質もしくはその一部分;または
3)上記1)のタンパク質の混成体もしくは上記2)のタンパク質の混成体、例えばトウモロコシ事象MON98034により産生されるCry1A.105などの、異なったバチルス・ツリンギエンシス(Bacillus thuringiensis)からの殺虫剤性結晶タンパク質の部分を含む混成殺虫剤性タンパク質;または
4)トウモロコシ事象MON863もしくはMON88017におけるCry3Bb1タンパク質、もしくはトウモロコシ事象MIR604におけるCry3Aタンパク質などの、いくつかの特に1から10個のアミノ酸が他のアミノ酸により置き換えられて、クローン化もしくは形質転換の間にコード化DNA中に導入される変化のために標的昆虫種へのより高い殺虫剤活性が得られる、および/もしくは影響される標的昆虫種の範囲が広がる、上記A1からA3のいずれか1種のタンパク質;
5)http://www.lifesci.sussex.ac.uk/home/Neil_Crickmore/Bt/vip.htmlに掲げられた無性殺虫剤性(VIP)タンパク質などのバチルス・ツリンギエンシス(Bacillus thuringiensis)またはバチルス・セレウス(Bacillus cereus)からの殺虫剤性分泌タンパク質もしくはその殺虫剤性部分、例えばVIP3Aaタンパク質級からのタンパク質;または
6)VIP1AおよびVIP2Aタンパク質から構成される二元性毒素(国際公開第94/21795号)などの、第二のバチルス・ツリンギエンシス(Bacillus thuringiensis)またはB.セレウス(B.cereus)からの分泌タンパク質の存在における、殺虫剤性であるバチルス・ツリンギエンシス(Bacillus thuringiensis)またはB.セレウス(B.cereus)からの分泌タンパク質;または
7)上記1)のタンパク質の混成体もしくは上記2)のタンパク質の混成体などの、異なったバチルス・ツリンギエンシス(Bacillus thuringiensis)またはB.セレウス(Bacillus.cereus)からの分泌タンパク質からの部分を含む混成殺虫剤性タンパク質;または
8)モメン事象COT102におけるVIP3Aaタンパク質などの、いくつかの特に1から10個のアミノ酸が他のアミノ酸により置き換えられて、クローン化もしくは形質転換の間に(殺虫剤性タンパク質をコード化している間に)コード化DNA中に導入される変化のために標的昆虫種へのより高い殺虫剤活性が得られ、および/もしくは影響される標的昆虫種の範囲が広がる、上記1)から3)のいずれか1種のタンパク質
をコード化しているコード化シーケンスを含む、少なくとも1種の導入遺伝子を含有する任意の植物が含まれる。
【0057】
もちろん、本明細書において使用している昆虫抵抗性トランスジェニック植物には、上記分類1から8のいずれか1種のタンパク質をコード化する遺伝子の組合せを含む任意の植物も含まれる。一実施形態において、昆虫抵抗性植物は、上記分類1から8のいずれか1種のタンパク質をコード化する2つ以上の導入遺伝子を含有して、種々の標的昆虫種を対象とする種々のタンパク質を使用した場合、影響される標的昆虫種の範囲を広げ、または、同一の標的昆虫種への殺虫性があるが、その昆虫における異なった受容体結合部位に結合するなど異なった作用方式を有する異なったタンパク質を使用することにより、植物における昆虫抵抗性の発現を長引かせる。
【0058】
本発明によりやはり処理することができる植物または植物栽培品種(遺伝子工学などの植物バイオテクノロジー方法によって得られる)は、生物的ストレスへの耐性を有する。このような植物は、遺伝的形質転換により、またはこのようなストレス抵抗性を賦与する突然変異を含む植物の選択により得ることができる。特に有用なストレス耐性植物には:
a.国際公開第00/04173号もしくは欧州特許第04077984.5号明細書もしくは欧州特許第06009836.5号明細書に記載された、植物細胞もしくは植物中のポリ(ADP−リボース)ポリメラーゼ(PARP)の発現および/または活性を低下させることが可能な導入遺伝子を含む植物、
b.例えば国際公開第2004/090140号に記載された、植物もしくは植物細胞のPARGコード化遺伝子の発現および/または活性を低下させることが可能なストレス耐性強化導入遺伝子を含む植物、
c.例えば欧州特許第04077624.7号明細書もしくは国際公開第2006/133827号もしくはPCT/EP07/002433に記載された、ニコチンアミダーゼ、ニコチネートホスホリボシルトランスフェラーゼ、ニコチン酸モノヌクレオチドアデニルトランスフェラーゼ、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドシンセターゼまたはニコチンアミドホスホリボシルトランスフェラーゼを含む、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド回収合成経路の植物機能性酵素をコード化する、ストレス耐性強化導入遺伝子を含む植物
が含まれる。
【0059】
本発明によりやはり処理することができる植物または植物栽培品種(遺伝子工学などの植物バイオテクノロジー方法によって得られる)は、
1)野生型植物細胞もしくは植物中において合成されたデンプンと比較して、その物理化学的性状において、特にアミロース含量もしくはアミロース/アミロペクチン比、分岐の度合、平均鎖長、側鎖分布、粘性挙動、ゲル化強度、デンプン粒径および/もしくはデンプン粒形態が変化し、そのためこれが特別な用途向けにより良好に適合している変性デンプンを合成するトランスジェニック植物。変性デンプンを合成する前記トランスジェニック植物は、例えば、欧州特許第0571427号明細書、国際公開第95/04826号、欧州特許第0719338号明細書、国際公開第96/15248号、国際公開第96/19581号、国際公開第96/27674号、国際公開第97/11188号、国際公開第97/26362号、国際公開第97/32985号、国際公開第97/42328号、国際公開第97/44472号、国際公開第97/45545号、国際公開第98/27212号、国際公開第98/40503号、国際公開第99/58688号、国際公開第99/58690号、国際公開第99/58654号、国際公開第00/08184号、国際公開第00/08185号、国際公開第00/08175号、国際公開第00/28052号、国際公開第00/77229号、国際公開第01/12782号、国際公開第01/12826号、国際公開第02/101059号、国際公開第03/071860号、国際公開第2004/056999号、国際公開第2005/030942号、国際公開第2005/030941号、国際公開第2005/095632号、国際公開第2005/095617号、国際公開第2005/095619号、国際公開第2005/095618号、国際公開第2005/123927号、国際公開第2006/018319号、国際公開第2006/103107号、国際公開第2006/108702号、国際公開第2007/009823号、国際公開第00/22140号、国際公開第2006/063862号、国際公開第2006/072603号、国際公開第02/034923号、欧州特許第06090134.5号明細書、欧州特許第06090228.5号明細書、欧州特許第06090227.7号明細書、欧州特許第07090007.1号明細書、欧州特許第07090009.7号明細書、国際公開第01/14569号、国際公開第02/79410号、国際公開第03/33540号、国際公開第2004/078983号、国際公開第01/19975号、国際公開第95/26407号、国際公開第96/34968号、国際公開第98/20145号、国際公開第99/12950号、国際公開第99/66050号、国際公開第99/53072号、米国特許第6734341号明細書、国際公開第00/11192号、国際公開第98/22604号、国際公開第98/32326号、国際公開第01/98509号、国際公開第01/98509号、国際公開第2005/002359号、米国特許第5824790号明細書、米国特許第6013861号明細書、国際公開第94/04693号、国際公開第94/09144号、国際公開第94/11520号、国際公開第95/35026号、国際公開第97/20936号中に開示されている;
2)遺伝子操作が行われない野生型植物と比較して、変化した性状を有する、非デンプン炭水化物ポリマーを合成するトランスジェニック植物。例は、欧州特許第0663956号明細書、国際公開第96/01904号、国際公開第96/21023号、国際公開第98/39460号および国際公開第99/24593号中に開示された、特にイヌリンおよびレバン(levan)型のポリフルクトースを産生する植物、国際公開第95/31553号、米国特許出願第2002031826号明細書、米国特許第6284479号明細書、米国特許第5712107号明細書、国際公開第97/47806号、国際公開第97/47807号、国際公開第97/47808号および国際公開第00/14249号中に開示されたアルファ1,4−グルカンを産生する植物、国際公開第00/73422号中に開示されたアルファ−1,6分岐アルファ1,4−グルカンを産生する植物、国際公開第00/47727号、欧州特許第06077301.7号明細書、米国特許第5908975号明細書および欧州特許第0728213号明細書中に開示されたアルターナン(alternan)を産生する植物である;
3)例えば、国際公開第2006/032538号、国際公開第2007/039314号、国際公開第2007/039315号、国際公開第2007/039316号、特開2006−304779号明細書および国際公開第2005/012529号中に開示されたヒアルロナンを産生するトランスジェニック植物
などの収穫生産物の量、品質および/もしくは貯蔵安定性の変化、ならびに/または収穫生産物の特定の成分の性状の変化を示す。
【0060】
本発明によりやはり処理することができる植物または植物栽培品種(遺伝子工学などの植物バイオテクノロジー方法によって得られる)は、変化した繊維特性を有するワタ植物などの植物である。このような植物は、遺伝的形質転換により、またはこのような変化した繊維特性を賦与する突然変異を含む植物の選択により得ることができ、
a)国際公開第98/00594号中に記載された、変化した形態のセルロース合成酵素遺伝子を含む植物、例えばワタ植物など、
b)国際公開第2004/053219号中に記載された、変化した形態のrsw2もしくはrsw3相同性核酸を含む植物、例えばワタ植物など、
c)国際公開第01/17333号中に記載された、スクロースホスフェート合成酵素の発現が増加している植物、例えばワタ植物など、
d)国際公開第02/45485号中に記載された、スクロース合成酵素の発現が増加している植物、例えばワタ植物など、
e)国際公開第2005/017157号中に記載された、例えば繊維選択性β1,3−グルカナーゼの下方調節によって、繊維細胞基底の原形質連絡ゲート開閉のタイミングが変更されている植物、例えばワタ植物など、
f)国際公開第2006/136351号中に記載された、例えば、結節Cを含むN−アセチルグルコサミントランスフェラーゼ遺伝子およびキチンシンターゼ遺伝子の発現により、反応性が変化した繊維を有する植物、例えばワタ植物など
が含まれる。
【0061】
本発明によりやはり処理することができる植物または植物栽培品種(遺伝子工学などの植物バイオテクノロジー方法によって得られる)は、変化した油プロフィル特性を有する、アブラナ(oilseed rape)もしくは関連のアブラナ属(Brassica)などの植物である。このような植物は、遺伝的形質転換により、またはこのような変化した繊維特性を賦与する突然変異を含む植物の選択により得ることができ、
a)例えば米国特許第5,969,169号明細書、米国特許第5,840,946号明細書もしくは米国特許第6,323,392号明細書もしくは米国特許第6,063,947号明細書中に記載された、高いオレイン酸含量を有する油を産生する植物、例えばアブラナ植物など、
b)米国特許第6,270,828号明細書、米国特許第6,169,190号明細書もしくは米国特許第5,965,755号明細書中に記載された、低いリノレン酸含量を有する油を産生する植物、例えばアブラナ植物など、
c)例えば米国特許第5,434,283号明細書中に記載された、低いレベルの飽和脂肪酸を有する油を産生する植物、例えばアブラナ植物など
が含まれる。
【0062】
特に有用な、本発明により処理することができるトランスジェニック植物は、形質転換事象、または形質転換事象の組合せを含む植物であり、これらの植物は、米国における、米国農務省(USDA)の動植物検疫局(APHIS)への非規制状態を求める請願(petitions for non−regulated status)の主題であり、このような請願は認可され、または未だ保留中である。何時でもこの情報は、APHIS(4700 River Road Riverdale、メリーランド州(MD)20737、米国)から、例えばそのインターネットサイト(URL http://www.aphis.usda.gov/brs/not_reg.html)で容易に入手可能である。本出願の出願期日に、APHISにより保留中でありもしくはAPHISにより認可された非規制状態を求める請願は、表Bに掲げたものであった。表Bは下記の情報を含んでいる:
−請願:請願の識別番号。形質転換事象の技術的記述は、個別の請願資料中に見出すことができ、これらの書類はこの識別番号を参照することによりAPHISから、例えばAPHISウエブサイト上で入手可能である。これらの記述は、参照により本明細書に組み込まれている。
【0063】
−請願の延長:延長が要請されている以前の請願への参照。
【0064】
−団体(institution):請願を提出している企業主体の名称。
【0065】
−規制されている物:当該の植物種。
【0066】
−トランスジェニック表現型(phnotype):形質転換事象により、その植物に賦与される形質。
【0067】
−形質転換事象または系統:非規制状態が要請されている1つまたは複数の事象(時には1つまたは複数の系統で示される)の名称。
【0068】
APHIS資料:請願に関してAPHISにより公表された、またAPHISに要求することができる種々の資料:
【0069】
【表2】





【0070】
さらなる特に有用な、単一形質転換事象または形質転換事象の組合せを含む植物は、例えば、種々の国立または地方規制機関からのデータベース中に掲げられている(例えば、http://gmoinfo.jrc.it/gmp_browse.aspexおよびhttp://www.agbios.com/dbase.phpを参照されたい)。
【0071】
さらに特定すれば、トランスジェニック植物には、表Cに掲げた、公開特許のいずれかに記載されている農業経済的に中間的もしくは有益な位置において導入遺伝子を含有する植物が含まれる。
【0072】
【表3】

【0073】
表Aにおいて、上述の形質を有する植物の例が、非網羅的に掲げる。
【0074】
【表4】


【0075】
本発明により処理することができる特に有用なトランスジェニック植物は、形質転換事象または形質転換事象の組合せを含む植物であり、例えば、種々の国立または地方規制機関からのデータベース中に掲げる(例えば、http://gmoinfo.jrc.it/gmp_browse.aspexおよびhttp://www.agbios.com/dbase.phpを参照されたい)。
【0076】
本発明により処理することができる特に有用なトランスジェニック植物は、それらの商標名と一緒に表Bに掲げる植物である。
【0077】
【表5】



【0078】
さらに特定すれば、イネのトランスジェニック植物には、表Cに掲げた、農業経済的に中間的もしくは有益な位置において少なくとも1種の導入遺伝子を含有する植物が含まれる。
【0079】
【表6】

【0080】
非常に特定的な実施形態において、遺伝子操作植物の種子(植物繁殖材料)、植物、もしくはその果実への施用による((A)および(B))または((A)および(B)および(C))の組合せの使用を含む、植物もしくは作物の植物病原性菌類および/または微生物および/または有害生物を治癒的もしくは予防的に防除する方法が記述され、この場合、遺伝子操作植物により発現される活性成分は、表A、BまたはCの行(line)に対応している。
【0081】
非常に特定的な実施形態において、遺伝子操作植物の種子(植物繁殖材料)、植物、もしくはその果実への施用による((A)および(B))または((A)および(B)および(C))の組合せの使用を含む、植物もしくは作物の植物病原性菌類および/または微生物および/または有害生物を治癒的もしくは予防的に防除する方法が記述され、この場合、遺伝子操作植物により発現される活性成分は、表A、BまたはCいずれかの行に対応している。
【0082】
さらなる態様において、本発明による組合せを含む組成物を提供している。この殺菌剤および殺虫剤としての組成物は、農業的に許容可能な添加剤、溶媒、担体、界面活性剤または増量剤を含むことが好ましい。
【0083】
本発明により、用語「担体(carrier)」は、活性な化合物(A)、化合物(B)および化合物(C)を結合または会合させて、特に植物の部分へと、より施用され易くする、天然もしくは合成の有機もしくは無機化合物を指す。したがって、この担体は不活性であることが好ましく、少なくとも農業的に許容可能であるべきである。この担体は固体または液体とすることができる。
【0084】
適切な固体担体は、下記の:
例えば、アンモニウム塩および天然の岩石粉末、例えばカオリン、粘土、タルク、チョーク、石英、アタパルジャイト、モンモリロナイトもしくは珪藻土など、および合成岩石粉末、例えば高分散性シリカ、酸化アルミニウムおよびケイ酸塩など、油ワックス、固体肥料、水、アルコール好ましくはブタノール、有機溶媒、鉱物および植物油、ならびにこれらの誘導体;
顆粒に適した固体担体は:例えば破砕および分別された天然岩石、例えば方解石、大理石、軽石、セピオライト、ドロマイトなど、ならびに無機および有機粉末の合成顆粒、ならびに有機材料の顆粒、例えば紙、鋸屑、ココナツ殻、トウモロコシ茎およびタバコ茎など
である。
【0085】
液化ガス状希釈剤もしくは担体(support)とは、常温および常圧下でガス状であるような液体、例えば、ハロ炭化水素などのエーロゾル噴射剤ならびにブタン、プロパン、窒素および二酸化炭素を言う。
【0086】
製剤中に、カルボキシメチルセルロースなどの接着剤;天然および合成粉末状、顆粒状もしくはラテックス様ポリマー、例えばアラビアゴム、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセテートなど、ならびに天然リン脂質、例えばセファリンおよびレシチンなど、および合成リン脂質を使用することが可能である。さらなる添加剤は、場合によって改変された鉱物または植物の油およびワックスであることができる。
【0087】
適切な増量剤は、例えば、水、極性および非極性有機化学的液体、例えば芳香族および非芳香族炭化水素(パラフィン、アルキルベンゼン、アルキルナフタレン、クロロベンゼン)、アルコールおよびポリオール(適正な場合に置換、エーテル化、および/またはエステル化もできるもの)、ケトン(アセトン、シクロヘキサンなど)、エステル(脂肪および油を含む)および(ポリ)エーテル、非置換のおよび置換されたアミン、アミド、ラクタム(N−アルキルピロリドンなど)およびラクトン、スルホンおよびスルホキシド(ジメチルスルホキシドなど)の種類からのものである。
【0088】
使用される増量剤が水である場合、例えば、補助溶媒として有機溶媒を使用することも可能である。本質的に、適切な液体溶媒は:芳香族化合物、例えばキシレン、トルエンまたはアルキルナフタレンなど;塩素化芳香族化合物および塩素化脂肪族炭化水素、例えばクロロベンゼン、クロロエチレンもしくは塩化メチレンなど;シクロヘキサンもしくはパラフィン(例えば石油留分)などの脂肪族炭化水素;鉱物および植物油;アルコール、例えばブタノールもしくはグリコールなど、ならびにまたこれらのエーテルおよびエステル;ケトン、例えばアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンまたはシクロヘキサノン;強極性溶媒、例えばジメチルスルホキシドなど、およびまた水である。
【0089】
本発明による組成物は、追加的化合物を含むこともできる。特に、本組成物は界面活性剤をさらに含むことができる。界面活性剤は、イオンもしくは非イオン型の乳化剤、分散剤もしくは湿潤剤またはこのような界面活性剤の混合物とすることができる。例えば、言及できるのは、ポリアクリル酸塩、リグノスルホン酸塩、フェノールスルホン酸もしくはナフタレンスルホン酸塩;脂肪族アルコールとのもしくは脂肪酸とのもしくは脂肪族アミンとのエチレンオキシドの重縮合体;置換されたフェノール(特にアルキルフェノールまたはアリールフェノール)、スルホコハク酸エステル、タウリン誘導体(特にアルキルタウレート)、ポリオキシエチル化アルコールもしくはフェノールのリン酸エステル、ポリオールの脂肪酸エステルの塩;ならびに硫酸塩、スルホン酸塩およびリン酸塩官能基を含有する本化合物の誘導体、例えばアルキルアリールポリグリコールエーテル、アルキルスルホン酸塩、アルキル硫酸塩、アリールスルホン酸塩、タンパク質加水分解物、リグノ亜硫酸パルプ廃液、およびメチルセルロースである。活性化合物および/または不活性担体が水に不溶でありまた施用のための媒介剤が水である場合、少なくとも1種の界面活性剤の存在が一般に不可欠である。界面活性剤含量が、組成物の5重量%から40重量%を構成できるのが好ましい。
【0090】
適切な乳化剤および/または気泡形成剤は:例えば、非イオン性およびアニオン性乳化剤、例えばポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪族アルコールエーテルなど;適切な分散剤は、非イオン性および/またはイオン性物質、例えば、アルコールPOEおよび/もしくはPOPエーテル、酸および/またはPOPもしくはPOEエステル、アルキル−アリールおよび/またはPOPもしくはPOEエ−テル、脂肪族および/またはPOP−POE付加物、POEおよび/もしくはPOPポリオール誘導体、POEおよび/もしくはPOP/ソルビタンもしくは糖付加物、アルキルもしくはアリール硫酸塩、スルホン酸塩およびリン酸塩または対応するPOエーテル付加物を含む種類からのものである。さらに、適切なオリゴマーもしくはポリマー、例えばビニルモノマー、アクリル酸、EOおよび/もしくはPO単独もしくは例えば(ポリ)アルコールまたは(ポリ)アミンと組み合わせたものに基づくもの。リグニンおよびそのスルホン酸誘導体、単純および変性セルロース、芳香族および/または脂肪族スルホン酸およびホルムアルデヒドとのその付加物についても使用することができる。分散剤として適切なのは、例えばリグノ亜硫酸パルプ廃液、およびメチルセルロースである。
【0091】
着色剤、例えば無機顔料、例えば酸化鉄、酸化チタン、フェロシアンブルーならびに有機顔料、例えばアリザリン、アゾおよびメタロフタロシアニン染料など、ならびに微量元素、例えば鉄、マンガン、ホウ素、銅、コバルト、モリブデンおよび亜鉛塩などが、使用し得るものである。
【0092】
場合によって、他の追加的化合物、例えば保護コロイド、接着剤、増粘剤、チクソトロピー剤、浸透剤、安定剤、金属イオン封鎖剤を含むこともできる。より一般的には、本活性化合物は、通常の製剤技術に従う任意の固体もしくは液体添加剤と組み合わせることができる。
【0093】
一般に、本発明による組成物は、0.05から99重量%、好ましくは1から70重量%、最も好ましくは10から50重量%の活性化合物を含有することができる。
【0094】
したがって、本発明による組合せもしくは組成物は、それらの製剤の形において、またはこれらの製剤から調製した使用形態、例えばエーロゾルディスペンサー、カプセル剤懸濁液、冷霧化濃縮液、熱霧化濃縮液、カプセル封入顆粒、微細顆粒、種子処理用流動性濃縮液、すぐ使用できる溶液、散粉可能な粉剤、乳化可能な濃縮液、水中油型エマルション、油中水型エマルション、大粒顆粒、微小顆粒、油分散可能な粉剤、油混和可能な流動性濃縮液、油混和可能な液剤、泡剤、糊剤、殺虫剤で被覆した種子、懸濁液濃縮物(流動性濃縮物)、懸濁液−エマルション−濃縮物、可溶性濃縮物、懸濁液、可溶性粉剤、顆粒、水溶性顆粒もしくは錠剤、種子処理用水溶性粉剤、湿潤性粉剤、活性化合物を含浸した天然および合成材料、ポリマー材料および外被内における種子用微小カプセル封入物、ならびにULV−冷および熱霧化製剤、ガス剤(加圧下)、ガス発生製品、植物用棒状剤(plant rodlet)、乾燥種子処理用粉剤、種子処理用溶液、極微量(ULV)液剤、極微量(ULV)懸濁液、水分散性の顆粒もしくは錠剤、スラリー処理用の水分散性粉剤などとして使用することができる。
【0095】
これらの製剤は、活性化合物もしくは活性化合物組合せを、慣例的な添加剤、例えば、慣例的な増量剤、およびまた溶媒もしくは希釈剤、乳化剤、分散剤、および/または結合もしくは固定剤、湿潤剤、撥水剤、適正な場合に乾燥剤およびUV安定剤、着色剤、顔料、脱泡剤、防腐剤、二次増粘剤、接着剤、ジベレリンならびに水、加えてさらなる処理補助剤などと混合するステップによって、知られている方法で調製される。
【0096】
これらの組成物には、噴霧もしくは散粉装置などの適切な装置によって、処理しようとする植物もしくは種子へ即時施用可能な組成物だけでなく、作物への施用前に希釈しなければならない濃縮した市販組成物も含まれる。
【0097】
出芽後植物に被害を与える植物病原性菌類および/または微生物および/または有害生物の防除は、先ず、作物保護薬剤により土壌および植物の地上部分を処理することにより行われる。環境ならびにヒトおよび動物の健康への、作物保護薬剤の可能性のある影響に関する懸念のため、施用される活性化合物の量を減らす努力が存在する。
【0098】
本発明による活性化合物組合せは、その市販製剤において、またこれらの製剤から調製された使用形態において、他の活性化合物、例えば、殺虫剤、誘引物質、滅菌剤、殺細菌剤、殺ダニ剤、殺線虫剤、殺カビ剤、生長調節物質、除草剤、毒性緩和剤、肥料または情報化学物質などとの混合物として使用することができる。
【0099】
本発明による活性化合物組合せによる植物および植物の部分の処理は、直接にまたは通常の処理方法によるそれらの環境、生育地もしくは貯蔵区域への働きかけ、例えば潅水(潅注)、滴下潅注、噴霧、気化、霧化、全面散布、散粉、泡立て、上面撒布により、また乾燥種子処理用粉剤、種子処理用溶液、種子処理用水溶性粉剤、スラリー処理用水溶性粉剤として、または繁殖材料の場合、特に種子の場合外皮形成(encrusting)により、その上さらに乾燥処理、スラリー処理、液体処理、一層もしくは多層コーティングによって行われる。さらに、極微量方法によって活性化合物を施用するステップ、または活性化合物調製物もしくは活性化合物それ自体を土壌に注入するステップが可能である。
【0100】
本組合せ剤の施用量は、例えば、使用の型、作物の型、組合せ剤中の特定の活性化合物、植物繁殖材料の型によって変わるが(適正な場合)、組合せ中の活性化合物が、所望の強化作用をもたらす(病害もしくは有害生物防除など)のに有効な量であるような、また試行により決定することができるようなものである。
【0101】
本発明による処理の方法は、同時、個別もしくは順次的な形における化合物(A)および(B)の使用をも提供する。
【0102】
本発明による処理の方法において通常施用される活性化合物の用量/施用量は一般に、
−茎葉処理について:化合物(A)0.1から10,000g/ha、好ましくは10から1,000g/ha、より好ましくは50から300g/ha;化合物(B)0.1から10,000g/ha、好ましくは10から1,000g/ha、より好ましくは50から300g/ha;化合物(C)0.1から10,000g/ha、好ましくは10から1,000g/ha、より好ましくは50から300g/ha;潅注もしくは滴下施用の場合、特に岩綿またはパーライトなどの不活性物質を使用すると、用量を低減させることもできる;
−種子処理について:化合物(A)種子100キログラム当り2から200g、好ましくは種子100キログラム当り3から150g;化合物(B)種子100キログラム当り2から200g、好ましくは種子100キログラム当り3から150g;化合物(C)種子100キログラム当り2から200g、好ましくは種子100キログラム当り3から150g;
−土壌処理について:化合物(A)0.1から10,000g/ha、好ましくは1から5,000g/ha;化合物(B)0.1から10,000g/ha、好ましくは1から5,000g/ha;化合物(C)0.1から10,000g/ha、好ましくは1から5,000g/ha
が有利である。
【0103】
本明細書において示される用量は、本発明による方法の例証的例として示される。当業者には、特に処理しようとする植物または作物の特性により、どのように施用用量を適応させるかが分かる。
【0104】
本発明による組合せは、有害生物に対して、および/または植物病原性菌類および/もしくは微生物および/もしくは有害生物に対して処理した後、ある時間範囲内に植物を保護するために使用することができる。保護が行われる時間範囲は、本組合せで植物を処理した後一般に1から28日、好ましくは1から14日、または植物繁殖材料を処理した後200日までである。
【0105】
本発明による処理の方法は、繁殖材料、例えば塊茎または根茎など、それだけでなく種子、苗もしくは苗移植物および植物もしくは植物移植物を処理するのにも役立たせることができる。この処理の方法は、根を処理するのにも役立たせることができる。本発明による処理の方法は、植物の地上部分、例えば幹、茎もしくは柄、葉、花などおよび当該植物の果実を処理するのに役立たせることもできる。
【0106】
本発明のさらなる態様は、自然の生活環から採取した植物もしくは動物起源の天然物質またはそれらの加工形態に、相乗作用的有効量における化合物(A)、化合物(B)および化合物(C)の組合せを施用するステップを含む、前記植物もしくは動物起源の天然物質またはそれらの加工形態を保護する方法である。
【0107】
好ましい実施形態は、自然の生活環から採取した植物起源の天然物質またはそれらの加工形態に、相乗作用的有効量における化合物(A)、化合物(B)および化合物(C)の組合せを施用するステップを含む、前記植物起源の天然物質またはそれらの加工形態を保護する方法である。
【0108】
さらに好ましい実施形態は、自然の生活環から採取した植物起源の天然物質またはそれらの加工形態に、相乗作用的有効量における化合物(A)、化合物(B)および化合物(C)の組合せを施用するステップを含む、果実好ましくは仁果、石果、軟果およびカンキツ類果実またはそれらの加工形態を保護する方法である。
【0109】
本発明は、化合物(A)、化合物(B)および化合物(C)により同時に種子が処理される手順を含む。本発明は、化合物(A)、化合物(B)および化合物(C)により別々に種子が処理される方法をさらに含む。
【0110】
本発明は、化合物(A)、化合物(B)および化合物(C)により同時に処理されている種子をも含む。本発明は、化合物(A)、化合物(B)および化合物(C)により別々に処理されている種子をも含む。後者の種子については、活性成分は、別々の層として施用することができる。これらの層は、活性成分を含有してもよい、もしくは含有しなくてもよいさらなる層により、場合によって分けることができる。
【0111】
本発明の組合せおよび/または組成物は、特に種子の処理に適している。栽培品種への、有害生物に起因する、また/もしくは植物病原性の菌類および/もしくは微生物および/もしくは有害生物に起因する被害の大部分は、植物の貯蔵中、地中への播種、ならびに種子の発芽中および発芽後において、種子が害されることによって生じるものである。この局面は、生長する植物の根および苗条が特に敏感であって、ほんの僅かな量の被害さえもが植物全体の萎れにつながる恐れがあるので、特に重要である。したがって、適切な薬剤の使用によって種子および発芽する植物を保護することにかなりの関心が存在している。
【0112】
植物の種子の処理による、有害生物および/または植物病原性の菌類および/もしくは微生物および/もしくは有害生物の防除は、相当の期間知られており、絶えざる改良の目標となっている。しかし、必ずしも十分に解決することができない、種子の処理におけるいくつかの問題が存在している。したがって、播種後または植物の発芽後における植物保護剤のさらなる施用を不必要とする、種子および発芽する植物の保護方法を開発するだけの価値がある。さらに、施用される活性化合物によって植物それ自体が被害を受けずに、有害生物により、また/もしくは植物病原性の菌類および/もしくは微生物および/もしくは有害生物により害が加えられることに対して、可能な限り最良に種子および発芽する植物が保護されるように、施用される活性材料の量を最適化するだけの価値がある。特に、種子処理方法は、最小の植物保護剤消費量で最適な種子および発芽する植物の保護を達成するために、トランスジェニック植物に本来備わっている殺菌剤および殺虫剤的ならびに殺虫剤的性質をも考慮すべきである。
【0113】
したがって、本発明は、本発明の組合せ/組成物で種子が処理されるという点における、特に、有害生物により、また/もしくは植物病原性の菌類および/もしくは微生物および/もしくは有害生物により害が加えられることから種子および発芽する植物を保護する方法に関する。さらに本発明は、有害生物および/または植物病原性の菌類および/もしくは微生物および/もしくは有害生物から種子および発芽する植物を保護するための種子の処理についての、本発明の組合せ/組成物の使用にも関する。さらに、本発明は、有害生物および/または植物病原性の菌類および/もしくは微生物および/もしくは有害生物から保護するために、本発明の組合せ/組成物で処理された種子にも関する。
【0114】
本発明の利点の1つは、本発明の組合せ/組成物が有害生物および/または植物病原性の菌類および/もしくは微生物および/もしくは有害生物から種子それ自体を保護するだけでなく、発芽した後に出芽する植物をも保護するという本発明の組合せ/組成物の処理の特別な体系的(systemic)性質のためである。こうして、播種の時点またはその直後における培地の直接処理は、省略することができる。
【0115】
さらなる利点は、それぞれの個々の活性化合物と比較した本発明の組合せ/組成物の殺菌剤および殺虫剤としての活性における相乗作用的増加であり、この相乗作用的増加は、個別に施用された両活性化合物の合計した活性を超えて伸びている。こうして、施用される活性化合物の量の最適化を可能にしている。
【0116】
本発明の混合物が、特にトランスジェニック種子にも使用することができ、それによって、この種子から出芽する植物が、有害生物および植物病原性の菌類および/もしくは微生物および/もしくは有害生物に対抗するタンパク質を発現することが可能である点も、有利とみなされる。本発明の薬剤でこのような種子を処理することによって、例えば殺虫剤性タンパク質の発現により、ある種の有害生物および植物病原性の菌類および/もしくは微生物および/もしくは有害生物が既に防除されている可能性があり、また本発明の薬剤により相乗作用的な活性補足が起こり、さらに、それが有害生物の害から保護する有効性をさらに一層改善することは驚くべきことである。
【0117】
本発明の薬剤は、農業において、温室において、林業において、うね間処理において、園芸においてまたはブドウ園において使用されている、既に記述した全ての型の植物変種の種子を保護するのに適している。特に、これは、穀物(コムギ、オオムギ、ライムギ、ライコムギ、アワ、エンバク、イネなど)、トウモロコシ、ワタ、ダイズ、ジャガイモ、ヒマワリ、マメ、コーヒー、ビート(例えばサトウダイコン、マンゴールドおよび飼料ビート)、ラッカセイ、アブラナ、ナタネ、ケシ、オリーブ、ココヤシ、カカオ、サトウキビまたはタバコの種子に係わっている。本発明の組合せ/組成物は、前述した果実植物および野菜(トマト、キュウリ、タマネギおよびレタスなど)、芝生、芝地ならびに観賞植物の種子の処理にも適している。特に、コムギ、オオムギ、ライムギ、ライコムギ、エンバク、トウモロコシ、イネ、ダイズ、ワタ、アブラナ、ナタネの種子の処理に重要性が付与されている。
【0118】
既述のように、本発明の組合せ/組成物によるトランスジェニック種子の処理は、特に重要である。これは、特別な殺虫剤性状を有するポリペプチドの発現を抑制する少なくとも1種の非相同遺伝子を一般に含有する植物の種子に関連している。トランスジェニック種子中のこの非相同遺伝子は、バチルス属(Bacillus)、リゾビウム属(Rhizobium)、シュードモナス属(Pseudomonas)、セラチア属(Seratia)、トリコデルマ属(Trichoderma)、クラビバクター(Clavibacter)、グロムス(Glomus)またはグリオクラジウム(Gliocladium)などの微生物から生じることができる。本発明は特に、バチルス属種(Bacillus sp.)から生じる少なくとも1種の非相同遺伝子を含有するトランスジェニック種子の処理に適しており、その遺伝子産生物は、アワノメイガ(European cornborer)および/またはウエスタンコーンルートワーム(Western corn rootworm)に対する活性を示す。特に好ましいのはバチルス・ツリンギエンシス(Bacillus thuringiensis)から生じる非相同遺伝子である。
【0119】
本発明の文脈内において、本発明の組合せ/組成物は、単独でまたは適切な製剤として種子に施用される。種子は、非常に安定な、そのため処理中に被害が生じない状態で取り扱われることが好ましい。一般に種子の処理は、収穫と播種の間の任意の時期に行うことができる。普通は、その植物から分離した、肉穂花序、包被、柄、鞘、めん毛または果肉から離れた状態の種子が使用される。収穫し,清浄にし、15重量/重量%未満の水分含量まで乾燥した種子を使用されたい。別法として、乾燥後水で処理し次いで再び乾燥した種子を使用することもできる。
【0120】
一般に、種子を処理している間、種子に施用される本発明の組合せ/組成物および/またはさらなる添加剤の量が、種子の発芽が損なわれず、出芽する植物が被害を受けないように選択される点に留意しなければならない。とりわけ、ある量で施用された場合に植物毒性効果を示すことができる活性化合物について、この点に注意されたい。
【0121】
本発明の組合せ/組成物は直接、すなわち、さらなる化合物を含有せず、また希釈せずに施用することができる。普通、この組合せ/組成物は、適切な製剤の形で種子に施用することが好ましい。適切な製剤および種子処理方法は、当業者に知られ、例えば次の資料中に記載されている:米国特許第4,272,417A号明細書、米国特許第4,245,432A号明細書、米国特許第4,808,430A号明細書、米国特許第5,876,739A号明細書、米国特許出願公開第2003/0176428A1号明細書、国際公開第2002/080675A1号、国際公開第2002/028186A2号。
【0122】
本発明により使用することができる活性化合物組合せおよび組成物は、慣例的な種子粉衣製剤、例えば溶液、エマルション、懸濁液、粉剤、泡剤、スラリー剤もしくは他の種子用被覆材料など、およびまたULV製剤に変換することができる。
【0123】
これらの製剤は、活性化合物もしくは活性化合物組合せを、慣例的な添加剤、例えば、慣例的な増量剤、およびまた溶媒もしくは希釈剤、着色剤、湿潤剤、分散剤、乳化剤、脱泡剤、防腐剤、二次増粘剤、接着剤、ジベレリン、ならびに場合によってさらに水などと混合するステップによって、知られている方法で調製される。
【0124】
本発明の種子粉衣製剤中に存在できる適切な着色剤には、このような目的のため慣例的な全ての着色剤が含まれる。水に難溶性の顔料および水に可溶性の染料の両方が使用できる。列挙できる例には、ローダミンB、C.I.ピグメントレッド112およびC.I.ソルベントレッド1の呼称のもとに知られている着色剤が含まれる。
【0125】
本発明の種子粉衣製剤中に存在できる適切な湿潤剤には、濡れを促進し、活性な農業用化学物質の製剤において慣例的である全ての物質が含まれる。ジイソプロピル−もしくはジイソブチルナフタレン−スルホネートなどのアルキルナフタレン−スルホネートの使用が可能であることが好ましい。
【0126】
本発明の種子粉衣製剤中に存在できる適切な分散剤および/または乳化剤には、上記において概説した活性な農業用化学物質の製剤において慣例的である全ての非イオン性、アニオン性およびカチオン性分散剤が含まれる。
【0127】
本発明の種子粉衣製剤中に存在できる適切な脱泡剤には、活性な農業用化学物質の製剤において慣例的である全ての発泡抑制物質が含まれる。シリコーン脱泡剤およびステアリン酸マグネシウムの使用が可能であることが好ましい。
【0128】
本発明の種子粉衣製剤中に存在できる適切な防腐剤には、農業用化学組成物においてこのような目的に使用することができる全ての物質が含まれる。例として、ジクロロフェンおよびベンジルアルコールヘミホルマール(hemiformal)を挙げることができる。
【0129】
本発明の種子粉衣製剤中に存在できる適切な二次増粘剤には、農業用化学組成物においてこのような目的に使用することができる全ての物質が含まれる。好ましい適合性は、セルロース誘導体、アクリル酸誘導体、キサンタン、改質粘土および高分散性シリカが有している。
【0130】
本発明の種子粉衣製剤中に存在できる適切な接着剤には、種子粉衣において使用することができる全ての慣例的バインダーが含まれる。ポリビニルピロリドン、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコールおよびチロース(tylose)を好ましく挙げることができる。
【0131】
本発明の種子粉衣製剤中に存在できる適切なジベレリンには、ジベレリンA1、A3(=ジベレリン酸)、A4およびA7が好ましく含まれ、ジベレリンA3(=ジベレリン酸)が特に好ましい。式(II)のジベレリンが知られており、ジベレリンの命名法は、以下に挙げた参考文献に見出すことができる(R.Wegler「Chemie der Pflanzenschutz− and Schaedlingsbekaempfungsmittel」、第2巻、Springer Verlag、Berlin−Heidelberg−New York、1970、401−412頁を参照)。
【0132】
本発明により使用しようとする種子粉衣製剤により、またはそれらの製剤から水の添加によって調製した調製物により種子を処理するのに適した混合設備には、粉衣するために普通使用することができる全ての混合設備が含まれる。粉衣する場合に採用される特定の手順は、ミキサー中に種子を導入するステップ、特に望ましい量の種子粉衣製剤を、そのままでまたは前もって水で希釈した後で添加するステップ、および種子上に製剤が均一に分布されるまで混合を行うステップを含む。場合によって、乾燥操作がそれに続く。
【0133】
材料保護において、本発明の物質は、望ましくない菌類および/または微生物による害および破壊に対して技術材料を保護するのに使用することができる。
【0134】
技術材料は、現文脈において、工学において使用するために調製された非生物材料であるとして理解される。例えば、本発明の活性材料によって微生物学的変化もしくは破壊に対して保護しようとする技術材料は、微生物によって害されるもしくは破壊される恐れがある接着剤、膠、紙およびボール紙、布地、じゅうたん、皮革、木材、ペイントおよびプラスチック物品、冷却用潤滑剤および他の材料とすることができる。保護しようとする材料の文脈内には、菌類および/または微生物の繁殖によって悪影響を受ける恐れのある生産プラントの部品、例えば冷却回路、冷却および加熱系、空調および通気系も存在する。本発明の文脈内において技術材料として好ましく挙げられるものは、接着剤、膠、紙およびボール紙、皮革、木材、ペイント、冷却用潤滑剤および熱交換器液であり、特に好ましいのは木材である。
【0135】
本発明による組合せは、腐朽(decaying)、変色および脱色または黴生成(molding)などの不利な影響を予防することができる。
【0136】
本発明による処理の方法は、菌類および微生物の攻撃に対して貯蔵物品を保護する分野において使用することもできる。本発明により、用語「貯蔵物品(storage good)」は、自然の生活環から採取されており、長期間の保護が所望されている植物もしくは動物起源の天然物質およびそれらの加工形態を示すものと理解される。植物起源の貯蔵物品、例えば植物もしくはその部分、例えば柄、葉、塊茎、種子、果実または穀粒などは、新鮮な収穫状態で、または加工された形態、例えば前乾燥、加湿、粉砕、摩砕、加圧もしくは蒸焼きなどで保護することができる。やはり貯蔵物品の定義に入るものは、天然のままの材木、例えば建築用材木、電力用塔および隔壁などの形態における、または仕上げ物品、例えば木製の家具もしくはオブジェなどの形態における材木である。動物起源の貯蔵物品は、皮、なめし革、毛皮、毛髪などである。本発明による組合せは、腐朽、変色または黴などの不利な影響を予防することができる。「貯蔵物品」は、植物起源の天然物質およびそれらの加工形態、より好ましくは、果実およびこれらの加工形態、例えば仁果、石果、軟果およびカンキツ類果実などおよびこれらの加工形態を示すものと理解されることが好ましい。
【0137】
本発明の他の好ましい実施形態において、「貯蔵物品」は木材を示すものと理解される。
【0138】
本発明による殺菌剤組成物は、材木の表面または内部で発生するであろう菌類病に対しても使用することができる。用語「材木(timber)」は、全ての種の木、そのような木を建築用に加工した全てのタイプのもの、例えば、ソリッドウッド、高密度木材、積層木材および合板などを意味する。本発明による材木の処理方法は、主に、本発明による1種もしくは複数の化合物または本発明による組成物を接触させることにより行う。これには、例えば、直接的な塗布、噴霧、浸漬、注入、または、別の適切な任意の手段が包含される。
【0139】
本発明による方法で防除可能な植物または作物の病害の中で、以下のものを挙げることができる:
うどんこ病(powdery mildew disease)、例えば、
ブルメリア(Blumeria)病、例えば、ブルメリア・グラミニス(Blumeria graminis)に起因するもの;
ポドスファエラ(Podosphaera)病、例えば、ポドスファエラ・レウコトリカ(Podosphaera leucotricha)に起因するもの;
スファエロテカ(Sphaerotheca)病、例えば、スファエロテカ・フリギネア(Sphaerotheca fuliginea)に起因するもの;
ウンシヌラ(Uncinula)病、例えば、ウンシヌラ・ネカトル(Uncinula necator)に起因するもの;
さび病(rust disease)、例えば、
ギムノスポランギウム(Gymnosporangium)病、例えば、ギムノスポランギウム・サビナエ(Gymnosporangium sabinae)に起因するもの;
ヘミレイア(Hemileia)病、例えば、ヘミレイア・バスタトリクス(Hemileia vastatrix)に起因するもの;
ファコプソラ(Phakopsora)病、例えば、ファコプソラ・パキリジ(Phakopsora pachyrhizi)およびファコプソラ・メイボミアエ(Phakopsora meibomiae)に起因するもの;
プッシニア(Puccinia)病、例えば、プッシニア・レコンジテ(Puccinia recondite)およびプッシニア・トリチシナ(Puccinia triticina)に起因するもの;
ウロミセス(Uromyces)病、例えば、ウロミセス・アペンジクラツス(Uromyces appendiculatus)に起因するもの;
卵菌類による病害(Oomycete disease)、例えば、
ブレミア(Bremia)病、例えば、ブレミア・ラクツカエ(Bremia lactucae)に起因するもの;
ペロノスポラ(Peronospora)病、例えば、ペロノスポラ・ピシ(Peronospora pisi)およびペロノスポラ・ブラシカエ(Peronospora brassicae)に起因するもの;
フィトフトラ(Phytophthora)病、例えば、フィトフトラ・インフェスタンス(Phytophthora infestans)に起因するもの;
プラスモパラ(Plasmopara)病、例えば、プラスモパラ・ビチコラ(Plasmopara viticola)に起因するもの;
プセウドペロノスポラ(Pseudoperonospora)病、例えば、プセウドペロノスポラ・フムリ(Pseudoperonospora humuli)およびプセウドペロノスポラ・クベンシス(Pseudoperonospora cubensis)に起因するもの;
ピシウム(Pythium)病、例えば、ピシウム・ウルチムム(Pythium ultimum)に起因するもの;
葉斑点性、葉汚斑性および葉枯れ性の病害(leaf spot,leaf blotch and leaf blight disease)、例えば、
アルテルナリア(Alternaria)病、例えば、アルテルナリア・ソラニ(Alternaria solani)に起因するもの;
セルコスポラ(Cercospora)病、例えば、セルコスポラ・ベチコラ(Cercospora beticola)に起因するもの;
クラジオスポリウム(Cladiosporium)病、例えば、クラジオスポリウム・ククメリヌム(Cladiosporium cucumerinum)に起因するもの;
コクリオボルス(Cochliobolus)病、例えば、コクリオボルス・サチブス(Cochliobolus sativus)(分生子形態:ドレクスレラ(Drechslera)、異名:ヘルミントスポリウム(Helminthosporium))に起因するもの;
コレトトリクム(Colletotrichum)病、例えば、コレトトリクム・リンデムチアヌム(Colletotrichum lindemuthianum)に起因するもの;
シクロコニウム(Cycloconium)病、例えば、シクロコニウム・オレアギヌム(Cycloconium oleaginum)に起因するもの;
ジアポルテ(Diaporthe)病、例えば、ジアポルテ・シトリ(Diaporthe citri)に起因するもの;
エルシノエ(Elsinoe)病、例えば、エルシノエ・ファウセッチイ(Elsinoe fawcettii)に起因するもの;
グロエオスポリウム(Gloeosporium)病、例えば、グロエオスポリウム・ラエチコロル(Gloeosporium laeticolor)に起因するもの;
グロメレラ(Glomerella)病、例えば、グロメレラ・シングラタ(Glomerella cingulata)に起因するもの;
グイグナルジア(Guignardia)病、例えば、グイグナルジア・ビドウェリイ(Guignardia bidwellii)に起因するもの;
レプトスファエリア(Leptosphaeria)病、例えば、レプトスファエリア・マクランス(Leptosphaeria maculans)に起因するもの;
マグナポルテ(Magnaporthe)病、例えば、マグナポルテ・グリセア(Magnaporthe grisea)に起因するもの;
ミコスファエレラ(Mycosphaerella)病、例えば、ミコスファエレラ・グラミニコラ(Mycosphaerella graminicola)およびミコスファエレラ・フィジエンシス(Mycosphaerella fijiensis)に起因するもの;
ファエオスファエリア(Phaeosphaeria)病、例えば、ファエオスファエリア・ノドルム(Phaeosphaeria nodorum)に起因するもの;
ピレノホラ(Pyrenophora)病、例えば、ピレノホラ・テレス(Pyrenophora teres)に起因するもの;
ラムラリア(Ramularia)病、例えば、ラムラリア・コロ−シグニ(Ramularia collo−cygni)に起因するもの;
リンコスポリウム(Rhynchosporium)病、例えば、リンコスポリウム・セカリス(Rhynchosporium secalis)に起因するもの;
セプトリア(Septoria)病、例えば、セプトリア・アピイ(Septoria apii)に起因するもの;
チフラ(Typhula)病、例えば、チフラ・インカルナタ(Typhula incarnata)に起因するもの;
ベンツリア(Venturia)病、例えば、ベンツリア・イナエクアリス(Venturia inaequalis)に起因するもの;
根および茎の病害(root−,and stem disease)、例えば、
コルチシウム(Corticium)病、例えば、コルチシウム・グラミネアルム(Corticium graminearum)に起因するもの;
フサリウム(Fusarium)病、例えば、フサリウム・オキシスポルム(Fusarium oxysporum)に起因するもの;
ガエウマンノミセス(Gaeumannomyces)病、例えば、ガエウマンノミセス・グラミニス(Gaeumannomyces graminis)に起因するもの;
リゾクトニア(Rhizoctonia)病、例えば、リゾクトニア・ソラニ(Rhizoctonia solani)に起因するもの;
オクリマクラ(Oculimacula)(タペシア(Tapesia))病、例えば、オクリマクラ・タペシア・アクホルミス(Oculimacula Tapesia acuformis)に起因するもの;
チエラビオプシス(Thielaviopsis)病、例えば、チエラビオプシス・バシコラ(Thielaviopsis basicola)に起因するもの;
トウモロコシ穂軸を含む穂の病害(ear and panicle disease)、例えば、
アルテルナリア(Alternaria)病、例えば、アルテルナリア属種(Alternaria spp.)に起因するもの;
アスペルギルス(Aspergillus)病、例えば、アスペルギルス・フラブス(Aspergillus flavus)に起因するもの;
クラドスポリウム(Cladosporium)病、例えば、クラジオスポリウム・クラドスポリオイデス(Cladiosporium cladosporioides)に起因するもの;
クラビセプス(Claviceps)病、例えば、クラビセプス・プルプレア(Claviceps purpurea)に起因するもの;
フサリウム(Fusarium)病、例えば、フサリウム・クルモルム(Fusarium culmorum)に起因するもの;
ジベレラ(Gibberella)病、例えば、ジベレラ・ゼアエ(Gibberella zeae)に起因するもの;
モノグラフェラ(Monographella)病、例えば、モノグラフェラ・ニバリス(Monographella nivalis)に起因するもの;
黒穂病(smut− and bunt disease)、例えば、
スファセロテカ(Sphacelotheca)病、例えば、スファセロテカ・レイリアナ(Sphacelotheca reiliana)に起因するもの;
チレチア(Tilletia)病、例えば、チレチア・カリエス(Tilletia caries)に起因するもの;
ウロシスチス(Urocystis)病、例えば、ウロシスチス・オクルタ(Urocystis occulta)に起因するもの;
ウスチラゴ(Ustilago)病、例えば、ウスチラゴ・ヌダ(Ustilago nuda)に起因するもの;
果実の腐敗性および黴性の病害(fruit rot and mould disease)、例えば、
アスペルギルス(Aspergillus)病、例えば、アスペルギルス・フラブス(Aspergillus flavus)に起因するもの;
ボトリチス(Botrytis)病、例えば、ボトリチス・シネレア(Botrytis cinerea)に起因するもの;
ペニシリウム(Penicillium)病、例えば、ペニシリウム・エクスパンスム(Penicillium expansum)およびペニシリウム・プルプロゲヌム(Penicillium purpurogenum)に起因するもの;
スクレロチニア(Sclerotinia)病、例えば、スクレロチニア・スクレロチオルム(Sclerotinia sclerotiorum)に起因するもの;
ベルチシリウム(Verticillium)病、例えば、ベルチシリウム・アルボアトルム(Verticillium alboatrum)に起因するもの;
種子および土壌が媒介する腐朽性、黴性、萎凋性、腐敗性および苗立ち枯れ性の病害(seed− and soilborne decay,mould,wilt,rot and damping−off disease)
アルテルナリア(Alternaria)病、例えば、アルテルナリア・ブラシキコラ(Alternaria brassicicola)に起因するもの;
アファノミセス(Aphanomyces)病、例えば、アファノミセス・ユーテイケス(Aphanomyces euteiches)に起因するもの;
アスコチタ(Ascochyta)病、例えば、アスコチタ・レンチス(Ascochyta lentis)に起因するもの;
アスペルギルス(Aspergillus)病、例えば、アスペルギルス・フラブス(Aspergillus flavus)に起因するもの;
クラドスポリウム(Cladosporium)病、例えば、クラドスポリウム・ヘルバルム(Cladosporium herbarum)に起因するもの;
コクリオボルス(Cochliobolus)病、例えば、コクリオボルス・サチブス(Cochliobolus sativus)に起因するもの;
(分生子形態:ドレックスレラ(Drechslera)、ビポラリス(Bipolaris)別名:ヘルミントスポリウム(Helminthosporium))
コレトトリクム病(Colletotrichum)、例えば、コレトトリクム・コッコデス(Colletotrichum coccodes)に起因するもの;
フサリウム(Fusarium)病、例えば、フサリウム・クルモルム(Fusarium culmorum)に起因するもの;
ギベレラ(Gibberella)病、例えば、ギベレラ・ゼアエ(Gibberella zeae)に起因するもの;
マクロフォミナ(Macrophomina)病、例えばマクロフォミナ・ファセオリナ(Macrophomina phaseolina)に起因するもの;
モノグラフェラ(Monographella)病、例えば、モノグラフェラ・ニバリス(Monographella nivalis)に起因するもの;
ペニシリウム(ペニシリウム)病、例えば、ペニシリウム・エクスパンスム(Penicillium expansum)に起因するもの;
フォマ(Phoma)病、例えば、フォマ・リンガム(Phoma lingam)に起因するもの;
フォモプシス(Phomopsis)病、例えば、フォモプシス・ソジェ(Phomopsis sojae)に起因するもの;
フィトフトラ(Phytophthora)病、例えば、フィトフトラ・カクトルム(Phytophthora cactorum)に起因するもの;
ピレノホラ(Pyrenophora)病、例えば、ピレノホラ・グラミネア(Pyrenophora graminea)に起因するもの;
ピリクラリア(Pyricularia)病、例えば、ピリクラリア・オリゼ(Pyricularia oryzae)に起因するもの;
ピチウム(Pythium)病、例えば、ピチウム・ウルチマム(Pythium ultimum)に起因するもの;
リゾクトニア(Rhizoctonia)病、例えば、リゾクトニア・ソラニ(Rhizoctonia solani)に起因するもの;
リゾプス(Rhizopus)病、例えば、リゾプス・オリゼ(Rhizopus oryzae)に起因するもの;
スクレロチウム(Sclerotium)病、例えば、スクレロチウム・ロルフシイ(Sclerotium rolfsii)に起因するもの;
セプトリア(Septoria)病、例えばセプトリア・ノドルム(Septoria nodorum)に起因するもの;
チフラ(Typhula)病、例えば、チフラ・インカルナタ(Typhula incarnata)に起因するもの;
ベルチシリウム(Verticillium)病、例えば、ベルチシリウム・ダリエ(Verticillium dahliae)に起因するもの;
潰瘍病、てんぐ巣病および枝枯れ病、例えば、
ネクトリア(Nectria)病、例えば、ネクトリア・ガリゲナ(Nectria galligena)に起因するもの;
胴枯れ病、例えば、
モニリニア病、例えば、モニリニア・ラキサ(Monilinia laxa)に起因するもの;
花および果実の奇形を含めた葉ぶくれ病または葉巻病、例えば、
エキソバシジウム(Exobasidium)病、例えば、***に起因するもの;
タフリナ(Taphrina)病、例えば、タフリナ・デフォルマンス(Taphrina deformans)に起因するもの;
木質植物の衰退病(decline disease)、例えば、
エスカ病(Esca disease)、例えば、フェオモニエラ・クラミドスポラ(Phaeomoniella clamydospora)、フェオアクレモニウム・アレオフィルム(Phaeoacremonium aleophilum)およびファミチポリア・メディテラネア(Fomitiporia mediterranea)に起因するもの;
花および種子の病気、例えば、
ボトリチス(Botrytis)病、例えば、ボトリチス・シネレア(Botrytis cinerea)に起因するもの;
塊茎の病気、例えば、
リゾクトニア病、例えば、リゾクトニア・ソラニ(Rhizoctonia solani)に起因するもの;
ヘルミントスポリウム病、例えば、ヘルミントスポリウム・ソラニ(Helminthosporium solani)に起因するもの;
細菌性生物に起因する病気、例えば、
ザントモナス(Xanthomonas)属種、例えば、ザントモナス・キャンペストリス・パソバー・オリゼ(Xanthomonas campestris pv.oryzae);
シュードモナス(Pseudomonas)属種、例えば、シュードモナス・シリンガエ・パソバー・ラクリマンス(Pseudomonas syringae pv.lachrymans);
エルウィニア(Erwinia)属種、例えば、エルウィニア・アミロボーラ(Erwinia amylovora)。
【0140】
本発明に関する化合物は、下記のダイズ病害を防除するのに使用されることが好ましい:
葉、茎上部、莢および種子の菌類病、例えば
黒斑病(アルテルナリア属種アトランス・テヌイシマ(Alternaria spec.atrans tenuissima))、炭疽病(コレトトリクム・グロエオスポロイデス・デマチウム変種トルンカツム(Colletotrichum gloeosporoides dematium var.truncatum))、褐紋病(セプトリア・グリシネス(Septoria glycines))、紫班病(cercospora leaf spot and blight)(セルコスポラ・キクチイ(Cercospora kikuchii))、コアネホラ葉枯病(choanephora leaf blight)(コアネホラ・インフンジブリフェラ・トリスポラ(Choanephora infundibulifera trispora(異名)))、黒砂病(ダクツリオホラ・グリシネス(Dactuliophora glycines))、べと病(ペロノスポラ・マンシュリカ(Peronospora manshurica))、ドレクスレラ胴枯病(drechslera blight)(ドレクスレラ・グリシニ(Drechslera glycini))、斑点病(セルコスポラ・ソジナ(Cercospora sojina))、そばかす病(レプトスファエルリナ・トリフォリイ(Leptosphaerulina trifolii))、暗色褐斑病(フィルロスチクタ・ソジャエコラ(Phyllosticta sojaecola))、黒点病(フォモプシス・ソジャエ(Phomopsis sojae))、うどんこ病(ミクロスファエラ・ジフサ(Microsphaera diffusa))、ピレノカエタ斑点病(pyrenochaeta leaf spot)(ピレノカエタ・グリシネス(Pyrenochaeta glycines))、葉腐病、浸潤性褐斑病および蜘蛛の巣病(リゾクトニア・ソラニ(Rhizoctonia solani))、さび病(ファコプソラ・パチリジ(Phakopsora pachyrhizi)、ファコプソラ・メイボミアエ(Phakopsora meibomiae))、黒星病(スファセロマ・グリシネス(Sphaceloma glycines))、輪紋病(ステムフィリウム・ボトリオスム(Stemphylium botryosum))、褐色輪紋病(コリネスポラ・カシコラ(Corynespora cassiicola))
例えば、以下のものなどに起因する、根および茎基部の菌類病
黒色根腐病(カロネクトリア・クロタラリアエ(Calonectria crotalariae))、炭腐病(マクロフォミナ・ファゼオリナ(Macrophomina phaseolina))、赤カビ病または萎凋病、根腐病ならびに莢腐病および葉節褐腐病(フザリウム・オキシスポルム(Fusarium oxysporum)、フサリウム・オルトセラス(Fusarium orthoceras)、フサリウム・セミテクツム(Fusarium semitectum)、フサリウム・エキセチ(Fusarium equiseti))、ミコレプトジスクス根腐病(mycoleptodiscus root rot)(ミコレプトジスクス・テレストリス(Mycoleptodiscus terrestris))、根腐病(ネオコスモスポラ・バシンフェクタ(Neocosmospora vasinfecta))、黒点病(ジアポルテ・ファゼオロルム(Diaporthe phaseolorum))、茎枯病(ジアポルテ・ファゼオロルム変種カウリボラ(Diaporthe phaseolorum var.caulivora))、疫病(フィトフトラ・メガスペルマ(Phytophthora megasperma))、落葉病(フィアロホラ・グレガタ(Phialophora gregata))、腐敗病(ピチウム・アファニデルマツム(Pythium aphanidermatum)、ピチウム・イレグラレ(Pythium irregulare)、ピチウム・デバリアヌム(Pythium debaryanum)、ピチウム・ミリオチルム(Pythium myriotylum)、ピチウム・ウルチムム(Pythium ultimum))、リゾクトニア根腐病、茎腐病および立枯病(リゾクトニア・ソラニ(Rhizoctonia solani))、スクレロチニア茎腐病(sclerotinia stem decay)(スクレロチニア・スクレロチオルム(Sclerotinia sclerotiorum))、スクレロチニア白絹病(Sclerotinia southern blight)(スクレロチニア・ロルフシイ(Sclerotinia rolfsii))、チエラビオプシス根腐病(thielaviopsis root rot)(チエラビオプシス・バシコラ(Thielaviopsis basicola))。
【0141】
本発明による活性化合物の組合せ/組成物は、菌類性疾患、例えば真菌症、皮膚疾患、白癬菌性疾患およびカンジダ症またはアスペルギルス属種、例えばアスペルギルス・フミガツス(Aspergillus fumigatus)に起因する疾患に対するヒトまたは動物の治癒的または予防的処理に有用な組成物を調製するために使用することもできる。
【0142】
本発明の活性化合物の組合せ/組成物は、植物が良好な耐性を示すことおよび温血動物に対する毒性が望ましい程度であることおよび環境が良好な耐性を示すことと相まって、植物および植物の器官を保護するのに適しており、収穫高を増大させるのに適しており、収穫物の質を向上させるのに適しており、ならびに、農業において、園芸において、畜産業において、森林で、庭園やレジャー施設で、貯蔵生産物や材料物質(material)の保護において、および、衛生学の分野において遭遇する有害動物(animal pest)、特に、昆虫類、クモ形類動物、蠕虫類、線虫類および軟体動物を防除するのに適している。これらは、好ましくは、植物保護剤として使用することができる。これらは、通常の感受性種および抵抗性種に対して有効であり、さらに、全ての発育段階または一部の発育段階に対して活性を示す。上記有害生物としては、以下のものを挙げることができる:
シラミ目(Anoplura)(フチラプテラ(Phthiraptera))の、例えば、ダマリニア属種(Damalinia spp.)、ハエマトピヌス属種(Haematopinus spp.)、リノグナツス属種(Linognathus spp.)、ペジクルス属種(Pediculus spp.)、トリコデクテス属種(Trichodectes spp.);
クモ綱(Arachnida)の、例えば、アカルス・シロ(Acarus siro)、アセリア・シェルドニ(Aceria sheldoni)、アクロプス属種(Aculops spp.)、アクルス属種(Aculus spp.)、アンブリオンマ属種(Amblyomma spp.)、アルガス属種(Argas spp.)、ボオフィルス属種(Boophilus spp.)、ブレビパルプス属種(Brevipalpus spp.)、ブリオビア・プラエチオサ(Bryobia praetiosa)、コリオプテス属種(Chorioptes spp.)、デルマニスス・ガリナエ(Dermanyssus gallinae)、エオテトラニクス属種(Eotetranychus spp.)、エピトリメルス・ピリ(Epitrimerus pyri)、エウテトラニクス属種(Eutetranychus spp.)、エリオフィエス属種(Eriophyes spp.)、ヘミタルソネムス属種(Hemitarsonemus spp.)、ヒアロンマ属種(Hyalomma spp.)、イクソデス属種(Ixodes spp.)、ラトロデクツス・マクタンス(Latrodectus mactans)、メタテトラニクス属種(Metatetranychus spp.)、オリゴニクス属種(Oligonychus spp.)、オルニトドロス属種(Ornithodoros spp.)、パノニクス属種(Panonychus spp.)、フィロコプトルタ・オレイボラ(Phyllocoptruta oleivora)、ポリファゴタルソネムス・ラツス(Polyphagotarsonemus latus)、プソロプテス属種(Psoroptes spp.)、リピセファルス属種(Rhipicephalus spp.)、リゾグリフス属種(Rhizoglyphus spp.)、サルコプテス属種(Sarcoptes spp.)、スコルピオ・マウルス(Scorpio maurus)、ステノタルソネムス属種(Stenotarsonemus spp.)、タルソネムス属種(Tarsonemus spp.)、テトラニクス属種(tetranychus spp.)、バサテス・リコペルシシ(Vasates lycopersici);
ニマイガイ綱(Bivalva)の、例えば、ドレイセナ属種(Dreissena spp.);
キロポーダ目(Chilopoda)の、例えば、ゲオフィルス属種(Geophilus spp.)、スクチゲラ属種(Scutigera spp.);
コウチュウ目(Coleoptera)の、例えば、アカントセリデス・オブテクツス(Acanthoscelides obtectus)、アドレツス属種(Adoretus spp.)、アゲラスチカ・アルニ(Agelastica alni)、アグリオテス属種(Agriotes spp.)、アンフィマロン・ソルスチチアリス(Amphimallon solstitialis)、アノビウム・プンクタツム(Anobium punctatum)、アノプロフォラ属種(Anoplophora spp.)、アントノムス属種(Anthonomus spp.)、アントレヌス属種(Anthrenus spp.)、アポゴニア属種(Apogonia spp.)、アトマリア属種(Atomaria spp.)、アタゲヌス属種(Attagenus spp.)、ブルキジウス・オブテクツス(Bruchidius obtectus)、ブルクス属種(Bruchus spp.)、セウトリンクス属種(Ceuthorhynchus spp.)、クレオヌス・メンジクス(Cleonus mendicus)、コノデルス属種(Conoderus spp.)、コスモポリテス属種(Cosmopolites spp.)、コステリトラ・ゼアランジカ(Costelytra zealandica)、クルクリオ属種(Curculio spp.)、クリプトリンクス・ラパチ(Cryptorhynchus lapathi)、デルメステス属種(Dermestes spp.)、ジアブロチカ属種(Diabrotica spp.)、エピラクナ属種(Epilachna spp.)、ファウスチヌス・クバエ(Faustinus cubae)、ジビウム・プシロイデス(Gibbium psylloides)、ヘテロニクス・アラトル(Heteronychus arator)、ヒラモルファ・エレガンス(Hylamorpha elegans)、ヒロトルペス・バジュルス(Hylotrupes bajulus)、ヒペラ・ポスチカ(Hypera postica)、ヒポテネムス属種(Hypothenemus spp.)、ラクノステルナ・コンサングイネア(Lachnosterna consanguinea)、レプチノタルサ・デセムリネアタ(Leptinotarsa decemlineata)、リソロプトルス・オリゾフィルス(Lissorhoptrus oryzophilus)、リキスス属種(Lixus spp.)、リクツス属種(Lyctus spp.)、メリゲテス・アエネウス(Meligethes aeneus)、メロロンタ・メロロンタ(Melolontha melolontha)、ミグドルス属種(Migdolus spp.)、モノカムス属種(Monochamus spp.)、ナウパクツス・キサントグラフス(Naupactus xanthographus)、ニプツス・ホロレウクス(Niptus hololeucus)、オリクテス・リノセロス(Oryctes rhinoceros)、オリザエフィルス・スリナメンシス(Oryzaephilus surinamensis)、オチオリンクス・スルカツス(Otiorrhynchus sulcatus)、オキシセトニア・ジュクンダ(Oxycetonia jucunda)、ファエドン・コクレアリアエ(Phaedon cochleariae)、フィロファガ属種(Phyllophaga spp.)、ポリア・ジャポニカ(Popillia japonica)、プレムノトリペス属種(Premnotrypes spp.)、プシリオデス・クリソセファラ(Psylliodes chrysocephala)、プチヌス属種(Ptinus spp.)、リゾビウス・ベントラリス(Rhizobius ventralis)、リゾペルタ・ドミニカ(Rhizopertha dominica)、シトフィルス属種(Sitophilus spp.)、スフェノホルス属種(Sphenophorus spp.)、ステルネクス属種(Sternechus spp.)、シンフィレテス属種(Symphyletes spp.)、テネブリオ・モリトル(Tenebrio molitor)、トリボリウム属種(Tribolium spp.)、トロゴデルマ属種(Trogoderma spp.)、チキウス属種(Tychius spp.)、キシロトレクス属種(Xylotrechus spp.)、ザブルス属種(Zabrus spp.);
トビムシ目(Collembola)の、例えば、オニキウルス・アルマツス(Onychiurus armatus);
ハサミムシ目(Dermaptera)の、例えば、フォルフィクラ・アウリクラリア(Forficula auricularia);
ジプロポーダ目(Diplopoda)の、例えば、ブラニウルス・グツラツス(Blaniulus guttulatus);
ハエ目(Diptera)の、例えば、アエデス属種(Aedes spp.)、アノフェレス属種(Anopheles spp.)、ビビオ・ホルツラヌス(Bibio hortulanus)、カリフォラ・エリトロセファラ(Calliphora erythrocephala)、セラチチス・カピタタ(Ceratitis capitata)、クリソミイア属種(Chrysomyia spp.)、コクリオミイア属種(Cochliomyia spp.)、コルジオビア・アントロポファガ(Cordylobia anthropophaga)、クレクス属種(Culex spp.)、クテレブラ属種(Cuterebra spp.)、ダクス・オレアエ(Dacus oleae)、デルマトビア・ホミニス(Dermatobia hominis)、ドロソフィラ属種(Drosophila spp.)、ファンニア属種(Fannia spp.)、ガストロフィルス属種(Gastrophilus spp.)、ヒレミイア属種(Hylemyia spp.)、ヒポボスカ属種(Hyppobosca spp.)、ヒポデルマ属種(Hypoderma spp.)、リリロミザ属種(Liriomyza spp.)、ルシリア属種(Lucilia spp.)、ムスカ属種(Musca spp.)、ネザラ属種(Nezara spp.)、オエストルス属種(Oestrus spp.)、オシネラ・フリト(Oscinella frit)、ペゴミイア・ヒオシアミ(Pegomyia hyoscyami)、ホルビア属種(Phorbia spp.)、ストモキス属種(Stomoxys spp.)、タバヌス属種(Tabanus spp.)、タンニア属種(Tannia spp.)、チプラ・パルドサ(Tipula paludosa)、ウォルファルチア属種(Wohlfahrtia spp.);
マキガイ綱(Gastropoda)の、例えば、アリオン属種(Arion spp.)、ビオムファラリア属種(Biomphalaria spp.)、ブリヌス属種(Bulinus spp.)、デロセラス属種(Deroceras spp.)、ガルバ属種(Galba spp.)、リムナエア属種(Lymnaea spp.)、オンコメラニア属種(Oncomelania spp.)、スクシネア属種(Succinea spp.);
ゼンチュウ綱(Helminths)の、例えば、アンシロストマ・ズオデナレ(Ancylostoma duodenale)、アンシロストマ・セイラニクム(Ancylostoma ceylanicum)、アシロストマ・ブラジリエンシス(Acylostoma braziliensis)、アンシロストマ属種(Ancylostoma spp.)、アスカリス・ルブリコイデス(Ascaris lubricoides)、アスカリス属種(Ascaris spp.)、ブルギア・マライ(Brugia malayi)、ブルギア・チモリ(Brugia timori)、ブノストムム属種(Bunostomum spp.)、カベルチア属種(Chabertia spp.)、クロノルキス属種(Clonorchis spp.)、コオペリア属種(Cooperia spp.)、ジクロコエリウム属種(Dicrocoelium spp)、ジクチオカウルス・フィラリア(Dictyocaulus filaria)、ジフィロボトリウム・ラツム(Diphyllobothrium latum)、ドラクンクルス・メジネンシス(Dracunculus medinensis)、エキノコックス・グラヌロスス(Echinococcus granulosus)、エキノコックス・ムルチロクラリス(Echinococcus multilocularis)、エンテロビウス・ベルミクラリス(Enterobius vermicularis)、ファシオラ属種(Faciola spp.)、ハエモンクス属種(Haemonchus spp.)、ヘテラキス属種(Heterakis spp.)、ヒメノレピス・ナナ(Hymenolepis nana)、ヒオストロングルス属種(Hyostrongulus spp.)、ロア・ロア(Loa Loa)、ネマトジルス属種(Nematodirus spp.)、オエソファゴストムム属種(Oesophagostomum spp.)、オピストルキス属種(Opisthorchis spp.)、オンコセルカ・ボルブルス(Onchocerca volvulus)、オステルタギア属種(Ostertagia spp.)、パラゴニムス属種(Paragonimus spp.)、シストソメン属種(Schistosomen spp.)、ストロンギロイデス・フエレボルニ(Strongyloides fuelleborni)、ストロンギロイデス・ステルコラリス(Strongyloides stercoralis)、ストロニロイデス属種(Stronyloides spp.)、タエニア・サギナタ(Taenia saginata)、タエニア・ソリウム(Taenia solium)、トリキネラ・スピラリス(Trichinella spiralis)、トリキネラ・ナチバ(Trichinella nativa)、トリキネラ・ブリトビ(Trichinella britovi)、トリキネラ・ネルソニ(Trichinella nelsoni)、トリキネラ・プセウドプシラリス(Trichinella pseudopsiralis)、トリコストロングルス属種(Trichostrongulus spp.)、トリクリス・トリクリア(Trichuris trichuria)、ウケレリア・バンクロフチ(Wuchereria bancrofti)。
【0143】
さらにまた、エイメリア(Eimeria)などの原生動物も防除することができる。
ヘテロプテラ目(Heteroptera)の、例えば、アナサ・トリスチス(Anasa tristis)、アンテスチオプシス属種(Antestiopsis spp.)、ブリスス属種(Blissus spp.)、カロコリス属種(Calocoris spp.)、カムピロンマ・リビダ(Campylomma livida)、カベレリウス属種(Cavelerius spp.)、シメクス属種(Cimex spp.)、クレオンチアデス・ジルツス(Creontiades dilutus)、ダシヌス・ピペリス(Dasynus piperis)、ジケロプス・フルカツス(Dichelops furcatus)、ジコノコリス・ヘウェチ(Diconocoris hewetti)、ジスデルクス属種(Dysdercus spp.)、エウシスツス属種(Euschistus spp.)、エウリガステル属種(Eurygaster spp.)、ヘリオペルチス属種(Heliopeltis spp.)、ホルシアス・ノビレルス(Horcias nobilellus)、レプトコリサ属種(Leptocorisa spp.)、レプトグロスス・フィロプス(Leptoglossus phyllopus)、リグス属種(Lygus spp.)、マクロペス・イクスカバツス(Macropes excavatus)、ミリダエ(Miridae)、ネザラ属種(Nezara spp.)、オエバルス属種(Oebalus spp.)、ペントミダエ(Pentomidae)、ピエスマ・クワドラタ(Piesma quadrata)、ピエゾドルス属種(Piezodorus spp.)、プサルス・セリアツス(Psallus seriatus)、プセウダシスタ・ペルセア(Pseudacysta persea)、ロドニウス属種(Rhodnius spp.)、サールベルゲラ・シングラリス(Sahlbergella singularis)、スコチノホラ属種(Scotinophora spp.)、ステファニチス・ナシ(Stephanitis nashi)、チブラカ属種(Tibraca spp.)、トリアトマ属種(Triatoma spp.);
ホモプテラ目(Homoptera)の、例えば、アシルトシポン属種(Acyrthosipon spp.)、アエネオラミア属種(Aeneolamia spp.)、アゴノセナ属種(Agonoscena spp.)、アレウロデス属種(Aleurodes spp.)、アレウロロブス・バロデンシス(Aleurolobus barodensis)、アレウロトリクスス属種(Aleurothrixus spp.)、アムラスカ属種(Amrasca spp.)、アヌラフィス・カルズイ(Anuraphis cardui)、アオニジエラ属種(Aonidiella spp.)、アファノスチグマ・ピリ(Aphanostigma piri)、アフィス属種(Aphis spp.)、アルボリジア・アピカリス(Arboridia apicalis)、アスピジエラ属種(Aspidiella spp.)、アスピジオツス属種(Aspidiotus spp.)、アタヌス属種(Atanus spp.)、アウラコルツム・ソラニ(Aulacorthum solani)、ベミシア属種(Bemisia spp.)、ブラキカウズス・ヘリクリシイ(Brachycaudus helichrysii)、ブラキコルス属種(Brachycolus spp.)、ブレビコリネ・ブラシカエ(Brevicoryne brassicae)、カリジポナ・マルギナタ(Calligypona marginata)、カルネオセファラ・フルギダ(Carneocephala fulgida)、セラトバクナ・ラニゲラ(Ceratovacuna lanigera)、セルコピダエ(Cercopidae)、セロプラステス属種(Ceroplastes spp.)、カエトシフォン・フラガエホリイ(Chaetosiphon fragaefolii)、キオナスピス・テガレンシス(Chionaspis tegalensis)、クロリタ・オヌキイ(Chlorita onukii)、クロマフィス・ジュグランジコラ(Chromaphis juglandicola)、クリソムファルス・フィクス(Chrysomphalus ficus)、シカズリナ・ムビラ(Cicadulina mbila)、コッコミチルス・ハリ(Coccomytilus halli)、コックス属種(Coccus spp.)、クリプトミズス・リビス(Cryptomyzus ribis)、ダルブルス属種(Dalbulus spp.)、ジアレウロデス属種(Dialeurodes spp.)、ジアホリナ属種(Diaphorina spp.)、ジアスピス属種(Diaspis spp.)、ドラリス属種(Doralis spp.)、ドロシカ属種(Drosicha spp.)、ジサフィス属種(Dysaphis spp.)、ジスミコックス属種(Dysmicoccus spp.)、エンポアスカ属種(Empoasca spp.)、エリオソマ属種(Eriosoma spp.)、エリトロネウラ属種(Erythroneura spp.)、エウセリス・ビロバツス(Euscelis bilobatus)、ゲオコックス・コフェアエ(Geococcus coffeae)、ホマロジスカ・コアグラタ(Homalodisca coagulata)、ヒアロプテルス・アルンジニス(Hyalopterus arundinis)、イセリア属種(Icerya spp.)、イジオセルス属種(Idiocerus spp.)、イジオスコプス属種(Idioscopus spp.)、ラオデルファクス・ストリアテルス(Laodelphax striatellus)、レカニウム属種(Lecanium spp.)、レピドサフェス属種(Lepidosaphes spp.)、リパフィス・エリシミ(Lipaphis erysimi)、マクロシフム属種(Macrosiphum spp.)、マハナルバ・フィムブリオラタ(Mahanarva fimbriolata)、メラナフィス・サッカリ(Melanaphis sacchari)、メトカルフィエラ属種(Metcalfiella spp.)、メトポロフィウム・ジロズム(Metopolophium dirhodum)、モネリア・コスタリス(Monellia costalis)、モネリオプシス・ペカニス(Monelliopsis pecanis)、ミズス属種(Myzus spp.)、ナソノビア・リビスニグリ(Nasonovia ribisnigri)、ネホテチキス属種(Nephotettix spp.)、ニラパルバタ・ルゲンス(Nilaparvata lugens)、オンコメトピア属種(Oncometopia spp.)、オルテジア・プラエロンガ(Orthezia praelonga)、パラベムシア・ミリカエ(Parabemisia myricae)、パラトリオザ属種(Paratrioza spp.)、パルラトリア属種(Parlatoria spp.)、ペムフィグス属種(Pemphigus spp.)、ペレグリヌス・マイジス(Peregrinus maidis)、フェナコックス属種(Phenacoccus spp.)、フロエオミズス・パセリニイ(Phloeomyzus passerinii)、ホロドン・フムリ(Phorodon humuli)、フィロキセラ属種(Phylloxera spp.)、ピンナスピス・アスピジストラエ(Pinnaspis aspidistrae)、プラノコックス属種(Planococcus spp.)、プロトプルブナリア・ピリホルミス(Protopulvinaria pyriformis)、プセウダウラカスピス・ペンタゴナ(Pseudaulacaspis pentagona)、プセウドコックス属種(Pseudococcus spp.)、プシラ属種(Psylla spp.)、プテロマルス属種(Pteromalus spp.)、ピリラ属種(Pyrilla spp.)、クアドラスピジオツス属種(Quadraspidiotus spp.)、クエサダ・ギガス(Quesada gigas)、ラストロコックス属種(Rastrococcus spp.)、ロパロシフム属種(Rhopalosiphum spp.)、サイセチア属種(Saissetia spp.)、スカフォイデス・チタヌス(Scaphoides titanus)、シザフィス・グラミヌム(Schizaphis graminum)、セレナスピズス・アルチクラツス(Selenaspidus articulatus)、ソガタ属種(Sogata spp.)、ソガテラ・フルシフェラ(Sogatella furcifera)、ソガトデス属種(Sogatodes spp.)、スチクトセファラ・フェスチナ(Stictocephala festina)、テナラファラ・マラエンシス(Tenalaphara malayensis)、チノカリス・カリアエフォリアエ(Tinocallis caryaefoliae)、トマスピス属種(Tomaspis spp.)、トキソプテラ属種(Toxoptera spp.)、トリアレウロデス・バポラリオルム(Trialeurodes vaporariorum)、トリオザ属種(Trioza spp.)、チフロシバ属種(Typhlocyba spp.)、ウナスピス属種(Unaspis spp.)、ビテウス・ビチホリイ(Viteus vitifolii);
ハチ目(Hymenoptera)の、例えば、ジプリオン属種(Diprion spp.)、ホプロカンパ属種(Hoplocampa spp.)、ラシウス属種(Lasius spp.)、モノモリウム・ファラオニス(Monomorium pharaonis)、ベスパ属種(Vespa spp.);
ワラジムシ目(Isopoda)の、例えば、アルマジリジウム・ブルガレ(Armadillidium vulgare)、オニスクス・アセルス(Oniscus asellus)、ポルセリオ・スカベル(Porcellio scaber);
シロアリ目(Isoptera)の、例えば、レチクリテルメス属種(Reticulitermes spp.)、オドントテルメス属種(Odontotermes spp.);
チョウ目(Lepidoptera)の、例えば、アクロニクタ・マジョル(Acronicta major)、アエジア・レウコメラス(Aedia leucomelas)、アグロチス属種(Agrotis spp.)、アラバマ・アルギラセア(Alabama argillacea)、アンチカルシア属種(Anticarsia spp.)、バラトラ・ブラシカエ(Barathra brassicae)、ブックラトリクス・ツルベリエラ(Bucculatrix thurberiella)、ブパルス・ピニアリウス(Bupalus piniarius)、カコエシア・ポダナ(Cacoecia podana)、カプア・レチクラナ(Capua reticulana)、カルポカプサ・ポモネラ(Carpocapsa pomonella)、ケイマトビア・ブルマタ(Cheimatobia brumata)、キロ属種(Chilo spp.)、コリストネウラ・フミフェラナ(Choristoneura fumiferana)、クリシア・アンビグエラ(Clysia ambiguella)、クナファロセルス属種(Cnaphalocerus spp.)、エアリアス・インスラナ(Earias insulana)、エフェスチア・クエフニエラ(Ephestia kuehniella)、エウプロクチス・クリソルホエア(Euproctis chrysorrhoea)、エウキソア属種(Euxoa spp.)、フェルチア属種(Feltia spp.)、ガレリア・メロネラ(Galleria mellonella)、ヘリコベルパ属種(Helicoverpa spp.)、ヘリオチス属種(Heliothis spp.)、ホフマノフィラ・プセウドスプレテラ(Hofmannophila pseudospretella)、ホモナ・マグナニマ(Homona magnanima)、ヒポノメウタ・パデラ(Hyponomeuta padella)、ラフィグマ属種(Laphygma spp.)、リトコレチス・ブランカルデラ(Lithocolletis blancardella)、リトファネ・アンテナタ(Lithophane antennata)、ロキサグロチス・アルビコスタ(Loxagrotis albicosta)、リマントリア属種(Lymantria spp.)、マラコソマ・ネウストリア(Malacosoma neustria)、マメストラ・ブラシカエ(Mamestra brassicae)、モシス・レパンダ(Mocis repanda)、ミチムナ・セパラタ(Mythimna separata)、オリア属種(Oria spp.)、オウレマ・オリザエ(Oulema oryzae)、パノリス・フラメア(Panolis flammea)、ペクチノホラ・ゴシピエラ(Pectinophora gossypiella)、フィロクニスチス・シトレラ(Phyllocnistis citrella)、ピエリス属種(Pieris spp.)、プルテラ・キシロステラ(Plutella xylostella)、プロデニア属種(Prodenia spp.)、プセウダレチア属種(Pseudaletia spp.)、プセウドプルシア・インクルデンス(Pseudoplusia includens)、ピラウスタ・ヌビラリス(Pyrausta nubilalis)、スポドプテラ属種(Spodoptera spp.)、テルメシア・ゲマタリス(Thermesia gemmatalis)、チネア・ペリオネラ(Tinea pellionella)、チネオラ・ビセリエラ(Tineola bisselliella)、トルトリクス・ビリダナ(Tortrix viridana)、トリコプルシア属種(Trichoplusia spp.);
バッタ目(Orthoptera)の、例えば、アケタ・ドメスチクス(Acheta domesticus)、ブラッタ・オリエンタリス(Blatta orientalis)、ブラッテラ・ゲルマニカ(Blattella germanica)、グリロタルパ属種(Gryllotalpa spp.)、レウコファエア・マデラエ(Leucophaea maderae)、ロクスタ属種(Locusta spp.)、メラノプルス属種(Melanoplus spp.)、ペリプラネタ・アメリカナ(Periplaneta americana)、シストセルカ・グレガリア(Schistocerca gregaria);
ノミ目(Siphonaptera)の、例えば、セラトフィルス属種(Ceratophyllus spp.)、キセノプシラ・ケオピス(Xenopsylla cheopis);
コムカデ目(Symphyla)の、例えば、スクチゲレラ・イマクラタ(Scutigerella immaculata);
アザミウマ目(Thysanoptera)の、例えば、バリオトリプス・ビフォルミス(Baliothrips biformis)、エネオトリプス・フラベンス(Enneothrips flavens)、フランクリニエラ属種(Frankliniella spp.)、ヘリオトリプス属種(Heliothrips spp.)、ヘルシノトリプス・フェモラリス(Hercinothrips femoralis)、カコトリプス属種(Kakothrips spp.)、リピフォロトリプス・クルエンタツス(Rhipiphorothrips cruentatus)、シロトトリプス属種(Scirtothrips spp.)、タエニオトリプス・カルダモニ(Taeniothrips cardamoni)、トリプス属種(Thrips spp.);
シミ目(Thysanura)の、例えば、レピスマ・サッカリナ(Lepisma saccharina)。
【0144】
植物寄生性線虫としては、例えば、以下のものを挙げることができる:アングイナ属種(Anguina spp.)、アフェレンコイデス属種(Aphelenchoides spp.)、ベロノアイムス属種(Belonoaimus spp.)、ブルサフェレンクス属種(Bursaphelenchus spp.)、ジチレンクス・ジプサシ(Ditylenchus dipsaci)、グロボデラ属種(Globodera spp.)、ヘリオコチレンクス属種(Heliocotylenchus spp.)、ヘテロデラ属種(Heterodera spp.)、ロンギドルス属種(Longidorus spp.)、メロイドギネ属種(Meloidogyne spp.)、プラチレンクス属種(Pratylenchus spp.)、ラドホルス・シミリス(Radopholus similis)、ロチレンクス属種(Rotylenchus spp.)、トリコドルス属種(Trichodorus spp.)、チレンコリンクス属種(Tylenchorhynchus spp.)、チレンクルス属種(Tylenchulus spp.)、チレンクルス・セミペネトランス(Tylenchulus semipenetrans)、キシフィネマ属種(Xiphinema spp.)。
【0145】
本発明の活性化合物の組合せは、植物、衛生および貯蔵生産物の有害生物に対してのみではなく、マダニ類(hard ticks)、ヒメダニ類(soft ticks)、疥癬ダニ類(mange mites)、ハダニ類(leaf mites)、ハエ類(刺咬性(biting)および舐性(licking))、寄生性のハエ幼虫、シラミ類、ケジラミ類(hair lice)、ハネジラミ類(feather lice)およびノミ類などの獣医学の分野における動物性寄生虫(外部寄生虫および内部寄生虫)に対しても有効である。これらの寄生虫としては、以下のものを挙げることができる:
アノプルリダ目(Anoplurida)の、例えば、ハエマトピヌス属種(Haematopinus spp.)、リノグナツス属種(Linognathus spp.)、ペジクルス属種(Pediculus spp.)、フチルス属種(Phtirus spp.)、ソレノポテス属種(Solenopotes spp.);
マロファギダ目(Mallophagida)ならびにアンブリセリナ亜目(Amblycerina)およびイスクノセリナ亜目(Ischnocerina)の、例えば、トリメノポン属種(Trimenopon spp.)、メノポン属種(Menopon spp.)、トリノトン属種(Trinoton spp.)、ボビコラ属種(Bovicola spp.)、ウェルネキエラ属種(Werneckiella spp.)、レピケントロン属種(Lepikentron spp.)、ダマリナ属種(Damalina spp.)、トリコデクテス属種(Trichodectes spp.)、フェリコラ属種(Felicola spp.);
ハエ目(Diptera)ならびにネマトセリナ亜目(Nematocerina)およびブラキセリナ亜目(Brachycerina)の、例えば、アエデス属種(Aedes spp.)、アノフェレス属種(Anopheles spp.)、クレクス属種(Culex spp.)、シムリウム属種(Simulium spp.)、エウシムリウム属種(Eusimulium spp.)、フレボトムス属種(Phlebotomus spp.)、ルトゾミイヤ属種(Lutzomyia spp.)、クリコイデス属種(Culicoides spp.)、クリソプス属種(Chrysops spp.)、ヒボミトラ属種(Hybomitra spp.)、アチロツス属種(Atylotus spp.)、タバヌス属種(Tabanus spp.)、ハエマトポタ属種(Haematopota spp.)、フィリポミイア属種(Philipomyia spp.)、ブラウラ属種(Braula spp.)、ムスカ属種(Musca spp.)、ヒドロタエア属種(Hydrotaea spp.)、ストモキシス属種(Stomoxys spp.)、ハエマトビア属種(Haematobia spp.)、モレリア属種(Morellia spp.)、ファンニア属種(Fannia spp.)、グロシナ属種(Glossina spp.)、カリフォラ属種(Calliphora spp.)、ルシリア属種(Lucilia spp.)、クリソミイア属種(Chrysomyia spp.)、ウォルファルチア属種(Wohlfahrtia spp.)、サルコファガ属種(Sarcophaga spp.)、オエストルス属種(Oestrus spp.)、ヒポデルマ属種(Hypoderma spp.)、ガステロフィルス属種(Gasterophilus spp.)、ヒポボスカ属種(Hippobosca spp.)、リポプテナ属種(Lipoptena spp.)、メロファグス属種(Melophagus spp.);
シフォナプテリダ目(Siphonapterida)の、例えば、プレクス属種(Pulex spp.)、クテノセファリデス属種(Ctenocephalides spp.)、キセノプシラ属種(Xenopsylla spp.)、セラトフィルス属種(Ceratophyllus spp.);
ヘテロプテリダ目(Heteropterida)の、例えば、シメクス属種(Cimex spp.)、トリアトマ属種(Triatoma spp.)、ロドニウス属種(Rhodnius spp.)、パンストロンギルス属種(Panstrongylus spp.);
ブラッタリダ目(Blattarida)の、例えば、ブラッタ・オリエンタリス(Blatta orientalis)、ペリプラネタ・アメリカナ(Periplaneta americana)、ブラッテラ・ゲルマニカ(Blattela germanica)、スペラ属種(Supella spp.);
アカリ亜綱(Acari(Acarina))ならびにメタスチグマタ目(Metastigmata)およびメソスチグマタ目(Mesostigmata)の、例えば、アルガス属種(Argas spp.)、オルニトドロス属種(Ornithodorus spp.)、オトビウス属種(Otobius spp.)、イクソデス属種(Ixodes spp.)、アンブリオマ属種(Amblyomma spp.)、ボオフィルス属種(Boophilus spp.)、デルマセントル属種(Dermacentor spp.)、ハエモフィサリス属種(Haemophysalis spp.)、ヒアロマ属種(Hyalomma spp.)、リピセファルス属種(Rhipicephalus spp.)、デルマニスス属種(Dermanyssus spp.)、ライリエチア属種(Raillietia spp.)、プネウモニスス属種(Pneumonyssus spp.)、ステルノストマ属種(Sternostoma spp.)、バロア属種(Varroa spp.);
アクチネジダ目(Actinedida(プロスティグマタ(Prostigmata))およびアカリジダ目(Acaridida(アスティグマタ(Astigmata))の、例えば、アカラピス属種(Acarapis spp.)、ケイレチエラ属種(Cheyletiella spp.)、オルニトケイレチア属種(Ornithocheyletia spp.)、ミオビア属種(Myobia spp.)、プソレルガテス属種(Psorergates spp.)、デモデクス属種(Demodex spp.)、トロムビクラ属種(Trombicula spp.)、リストロホルス属種(Listrophorus spp.)、アカルス属種(Acarus spp.)、チロファグス属種(Tyrophagus spp.)、カログリフス属種(Caloglyphus spp.)、ヒポデクテス属種(Hypodectes spp.)、プテロリクス属種(Pterolichus spp.)、プソロプテス属種(Psoroptes spp.)、コリオプテス属種(Chorioptes spp.)、オトデクテス属種(Otodectes spp.)、サルコプテス属種(Sarcoptes spp.)、ノトエドレス属種(Notoedres spp.)、クネミドコプテス属種(Knemidocoptes spp.)、シトジテス属種(Cytodites spp.)、ラミノシオプテス属種(Laminosioptes spp.)。
【0146】
本発明の活性化合物の組合せ/組成物は、さらにまた、ウシ、ヒツジ、ヤギ、ウマ、ブタ、ロバ、ラクダ、スイギュウ、ウサギ、ニワトリ、シチメンチョウ、アヒル、ガチョウおよびミツバチなどの農業生産性家畜に寄生する節足動物、イヌ、ネコ、籠のトリおよび水槽のサカナなどの他のペット類に寄生する節足動物、ならびに、ハムスター、モルモット、ラットおよびマウスなどのいわゆる実験動物に寄生する節足動物を防除するのにも適している。これらの節足動物を防除することにより、上記動物の死亡事例が低減し、また、生産性(肉、ミルク、羊毛、皮革、卵、蜂蜜などにおける生産性)の低下が軽減される。したがって、本発明の活性化合物を使用することにより、より経済的で且つより容易な畜産業が可能となる。
【0147】
本発明の活性化合物の組合せ/組成物は、獣医学の分野において、また、畜産業において、既知方法で、例えば、錠剤、カプセル剤、頓服水剤(potion)、水薬(drench)、顆粒剤、ペースト剤、大型丸薬、フィードスルー法および坐剤などの形態で腸内投与することにより、ならびに、例えば、注射(筋肉内注射、皮下注射、静脈内注射、腹腔内注射など)およびインプラントなどにより非経口投与することにより、ならびに、鼻内投与することにより、ならびに、例えば、浸漬(dipping)または薬浴(bathing)、スプレー、ポアオンおよびスポットオン、洗浄および散粉(powdering)の形態で経皮使用することにより、ならびに、当該活性化合物を含有する成形品、例えば、首輪、耳標、尾標、肢バンド(limb bands)、端綱、マーキング装置などを用いて、使用する。
【0148】
家畜、家禽およびペットなどに使用する場合、活性化合物の組合せは、1から80重量%の量の該活性化合物を含有する製剤(例えば、粉末剤、エマルション剤、易流動性組成物など)として、直接的に使用することができるか、または、100倍から10000倍に希釈した後に使用することができるか、または、それらは、薬浴として使用することができる。
【0149】
さらに、本発明の活性化合物の組合せは、工業材料を破壊する昆虫に対しても強い殺虫作用を示すことが見いだされた。
【0150】
以下に示す昆虫を、例として、および、好ましいものとして挙げることができるが、何ら限定するものではない:
甲虫類(beetles)、例えば、ヒロトルペス・バジュルス(Hylotrupes bajulus)、クロロホルス・ピロシス(Chlorophorus pilosis)、アノビウム・プンクタツム(Anobium punctatum)、キセストビウム・ルフォビロスム(Xestobium rufovillosum)、プチリヌス・ペクチコルニス(Ptilinus pecticornis)、デンドロビウム・ペルチネキス(Dendrobium pertinex)、エルノビウス・モリス(Ernobius mollis)、プリオビウム・カルピニ(Priobium carpini)、リクツス・ブルネウス(Lyctus brunneus)、リクツス・アフリカヌス(Lyctus africanus)、リクツス・プラニコリス(Lyctus planicollis)、リクツス・リネアリス(Lyctus linearis)、リクツス・プベセンス(Lyctus pubescens)、トロゴキシロン・アエクアレ(Trogoxylon aequale)、ミンテス・ルギコリス(Minthes rugicollis)、キシレボルス属種(Xyleborus spec.)、トリポトデンドロン属種(Tryptodendron spec.)、アパテ・モナクス(Apate monachus)、ボストリクス・カプシンス(Bostrychus capucins)、ヘテロボストリクス・ブルネウス(Heterobostrychus brunneus)、シノキシロン属種(Sinoxylon spec.)、ジノデルス・ミヌツス(Dinoderus minutus);
膜翅類(hymenopterons)、例えば、シレクス・ジュベンクス(Sirex juvencus)、ウロセルス・ギガス(Urocerus gigas)、ウロセルス・ギガス・タイグヌス(Urocerus gigas taignus)、ウロセルス・アウグル(Urocerus augur);
シロアリ類(termite)、例えば、カロテルメス・フラビコリス(Kalotermes flavicollis)、クリプトテルメス・ブレビス(Cryptotermes brevis)、ヘテロテルメス・インジコラ(Heterotermes indicola)、レチクリテルメス・フラビペス(Reticulitermes flavipes)、レチクリテルメス・サントネンシス(Reticulitermes santonensis)、レチクリテルメス・ルシフグス(Reticulitermes lucifugus)、マストテルメス・ダルウィニエンシス(Mastotermes darwiniensis)、ズーテルモプシス・ネバデンシス(Zootermopsis nevadensis)、コプトテルメス・フォルモサヌス(Coptotermes formosanus);
シミ類(bristletails)、例えば、レピスマ・サッカリナ(Lepisma saccharina)。
【0151】
本発明に関連して、工業材料は、例えば、好ましくは、プラスチック、接着剤、サイズ、紙および厚紙、皮革、木材および加工木材製品、ならびに、塗料などの、非生物材料を意味するものと理解される。
【0152】
即時使用可能な組成物(ready−to−use composition)には、適切な場合には、別の殺虫剤も含ませることができ、また、適切な場合には、1種類以上の殺菌剤も含ませることができる。
【0153】
可能な付加的な添加剤に関しては、上記で挙げた殺虫剤および殺菌剤を参照することができる。
【0154】
本発明の活性化合物の組合せ/組成物は、さらに、海水または淡海水と接触するもの、例えば、船体、スクリーン、網、建造物、係船設備および信号システムなどを、付着物から保護するために使用することもできる。
【0155】
さらに、本発明の活性化合物の組合せ/組成物は、単独で、または、別の活性化合物と組み合わせて、汚れ止め剤として用いることができる。
【0156】
活性化合物の組合せ/組成物は、家庭において、衛生において、および、貯蔵生産物の保護において、有害動物を防除するのにも適しており、特に、住居、工場の通路、オフィスおよび車両の客室などの密閉空間で見られる昆虫類、クモ形類動物およびダニ類を防除するのにも適している。それらは、単独で使用することもできるし、または、上記有害生物を防除するための家庭用殺虫剤製品中において、別の活性化合物および補助剤と組み合わせて使用することもできる。それらは、感受性種および抵抗性種に対して有効であり、さらに、全ての成育段階に対して有効である。これらの有害生物としては、以下のものを挙げることができる:
スコルピオニデア目(Scorpionidea)の、例えば、ブツス・オッシタヌス(Buthus occitanus);
ダニ目(Acarina)の、例えば、アルガス・ペルシクス(Argas persicus)、アルガス・レフレクスス(Argas reflexus)、ブリオビア属種(Bryobia ssp.)、デルマニスス・ガリナエ(Dermanyssus gallinae)、グリシファグス・ドメスチクス(Glyciphagus domesticus)、オルニトドルス・モウバト(Ornithodorus moubat)、リピセファルス・サングイネウス(Rhipicephalus sanguineus)、トロムビクラ・アルフレズゲシ(Trombicula alfreddugesi)、ネウトロムビクラ・アウツムナリス(Neutrombicula autumnalis)、デルマトファゴイデス・プテロニシムス(Dermatophagoides pteronissimus)、デルマトファゴイデス・フォリナエ(Dermatophagoides forinae);
クモ目(Araneae)の、例えば、アビクラリイダエ(Aviculariidae)、アラネイダエ(Araneidae);
ザトウムシ目(Opiliones)の、例えば、プセウドスコルピオネス・ケリフェル(Pseudoscorpiones chelifer)、プセウドスコルピオネス・ケイリジウム(Pseudoscorpiones cheiridium)、オピリオネス・ファランギウム(Opiliones phalangium);
等脚目(Isopoda)の、例えば、オニスクス・アセルス(Oniscus asellus)、ポルセリオ・スカベル(Porcellio scaber);
倍脚目(Diplopoda)の、例えば、ブラニウルス・グツラツス(Blaniulus guttulatus)、ポリデスムス属種(Polydesmus spp.);
唇脚目(Chilopoda)の、例えば、ゲオフィルス属種(Geophilus spp.);
シミ目(Zygentoma)の、例えば、クテノレピスマ属種(Ctenolepisma spp.)、レピスマ・サッカリナ(Lepisma saccharina)、レピスモデス・インクイリヌス(Lepismodes inquilinus);
ゴキブリ目(Blattaria)の、例えば、ブラッタ・オリエンタリエス(Blatta orientalies)、ブラッテラ・ゲルマニカ(Blattella germanica)、ブラッテラ・アサヒナイ(Blattella asahinai)、レウコファエア・マデラエ(Leucophaea maderae)、パンクロラ属種(Panchlora spp.)、パルコブラタ属種(Parcoblatta spp.)、ペリプラネタ・アウストララシアエ(Periplaneta australasiae)、ペリプラネタ・アメリカナ(Periplaneta americana)、ペリプラネタ・ブルネア(Periplaneta brunnea)、ペリプラネタ・フリギノサ(Periplaneta fuliginosa)、スペラ・ロンギパルパ(Supella longipalpa);
サルタトリア目(Saltatoria)の、例えば、アケタ・ドメスチクス(Acheta domesticus);
ハサミムシ目(Dermaptera)の、例えば、フォルフィクラ・アウリクラリア(Forficula auricularia);
シロアリ目(Isoptera)の、例えば、カロテルメス属種(Kalotermes spp.)、レチクリテルメス属種(Reticulitermes spp.);
チャタテムシ目(Psocoptera)の、例えば、レピナツス属種(Lepinatus spp.)、リポセリス属種(Liposcelis spp.);
コレプテラ目(Coleptera)の、例えば、アントレヌス属種(Anthrenus spp.)、アタゲヌス属種(Attagenus spp.)、デルメステス属種(Dermestes spp.)、ラテチクス・オリザエ(Latheticus oryzae)、ネクロビア属種(Necrobia spp.)、プチヌス属種(Ptinus spp.)、リゾペルタ・ドミニカ(Rhizopertha dominica)、シトフィルス・グラナリウス(Sitophilus granarius)、シトフィルス・オリザエ(Sitophilus oryzae)、シトフィルス・ゼアマイス(Sitophilus zeamais)、ステゴビウム・パニセウム(Stegobium paniceum);
双翅目(Diptera)の、例えば、アエデス・アエギプチ(Aedes aegypti)、アエデス・アルボピクツス(Aedes albopictus)、アエデス・タエニオリンクス(Aedes taeniorhynchus)、アノフェレス属種(Anopheles spp.)、カリフォラ・エリトロセファラ(Calliphora erythrocephala)、クリソゾナ・プルビアリス(Chrysozona pluvialis)、クレクス・クインクエファシアツス(Culex quinquefasciatus)、クレクス・ピピエンス(Culex pipiens)、クレクス・タルサリス(Culex tarsalis)、ドロソフィラ属種(Drosophila spp.)、ファニア・カニクラリス(Fannia canicularis)、ムスカ・ドメスチカ(Musca domestica)、フレボトムス属種(Phlebotomus spp.)、サルコファガ・カルナリア(Sarcophaga carnaria)、シムリウム属種(Simulium spp.)、ストモキス・カルシトランス(Stomoxys calcitrans)、チプラ・パルドサ(Tipula paludosa);
鱗翅目(Lepidoptera)の、例えば、アクロイア・グリセラ(Achroia grisella)、ガレリア・メロネラ(Galleria mellonella)、プロジア・インテルプンクテラ(Plodia interpunctella)、チネア・クロアセラ(Tinea cloacella)、チネア・ペリオネラ(Tinea pellionella)、チネオラ・ビセリエラ(Tineola bisselliella);
ノミ目(Siphonaptera)の、例えば、クテノセファリデス・カニス(Ctenocephalides canis)、クテノセファリデス・フェリス(Ctenocephalides felis)、プレクス・イリタンス(Pulex irritans)、ツンガ・ペネトランス(Tunga penetrans)、キセノプシラ・ケオピス(Xenopsylla cheopis);
膜翅目(Hymenoptera)の、例えば、カムポノツス・ヘルクレアヌス(Camponotus herculeanus)、ラシウス・フリギノスス(Lasius fuliginosus)、ラシウス・ニゲル(Lasius niger)、ラシウス・ウムブラツス(Lasius umbratus)、モノモリウム・ファラオニス(Monomorium pharaonis)、パラベスプラ属種(Paravespula spp.)、テトラモリウム・カエスピツム(Tetramorium caespitum);
シラミ目(Anoplura)の、例えば、ペジクルス・フマヌス・カピチス(Pediculus humanus capitis)、ペジクルス・フマヌス・コルポリス(Pediculus humanus corporis)、ペムフィグス属種(Pemphigus spp.)、フィロエラ・バスタトリクス(Phylloera vastatrix)、フチルス・プビス(Phthirus pubis);
異翅目(Heteroptera)の、例えば、シメクス・ヘミプテルス(Cimex hemipterus)、シメクス・レクツラリウス(Cimex lectularius)、ロジヌス・プロリクスス(Rhodinus prolixus)、トリアトマ・インフェスタンス(Triatoma infestans)。
【0157】
これらは、家庭用殺虫剤分野においては、単独で使用するか、または、別の適切な活性化合物、例えば、リン酸エステル類、カーバメート類、ピレスロイド類、ネオニコチノイド類、成長調節剤または別の既知のクラスの殺虫剤から選択される活性化合物などと組み合わせて使用する。
【0158】
これらは、エーロゾル、非加圧スプレー製品、例えば、ポンプスプレーおよび噴霧スプレー、自動霧化システム(automatic fogging system)、噴霧器(fogger)、泡、ゲル、セルロース製またはポリマー製のエバポレーター錠剤を有するエバポレーター製品、液体エバポレーター、ゲルおよび膜エバポレーター、プロペラ駆動エバポレーター、エネルギーフリー型蒸発システムまたは受動型蒸発システム、防虫紙(moth papers)、防虫バッグ(moth bags)および防虫ゲル(moth gels)において使用されるか、または、粒剤もしくは粉剤として、ばらまき用の餌(baits for spreading)に入れて使用されるか、または、ベイトステーションで使用される。
【0159】
さらに、本発明による組合せおよび組成物は、植物および収穫した植物素材中の、したがってこれらの素材から作られた食物および動物飼料材料中の、マイコトキシン(カビ毒)含量を減らすために、使用することもできる。
【0160】
特に下記のマイコトキシンが指定され得るが、これらだけではない:
デオキシニバレノール(DON)、ニバレノール、15−Ac−DON、3−Ac−DON、T2−およびHT2−毒素、フモニシン、ゼアラレノン モニリフォルミン、フサリン、ジアセトキシシルペノール(DAS)、ボーベリシン(Beauvericine)、エニアチン(Enniatine)、フサロプロリフェリン、フサレノール、オクラトキシン、パツリン、麦角アルカロイドならびにアフラトキシン、これらは、例えば次の菌類病:フサリウム種(Fusarium spec)、例えばフサリウム・アクミナツム(Fusarium acuminatum)、F.アベナシウム(F.avenaceum)、F.クルークウエレンセ(F.crookwellense)、F.クルモルム(F.culmorum)、F.グラミネアルム(F.graminearum)(ギベレラ・ゼアエ(Gibberella zeae))、F.エキセチ(F.equiseti)、F.フジコロイ(F.fujikoroi)、F.ムサルム(F.musarum)、F.オキシスポルム(F.oxysporum)、F.プロリフェラツム(F.proliferatum)、F.ポアエ(F.poae)、F.シュードグラミネアルム(F.pseudograminearum)、F.サンブシヌム(F.sambucinum)、F.シルピ(F,scirpi)、F.セミテクツム(F.semitectum)、F.ソラニ(F.solani)、F.スポロトリコイデス(F.sporotrichoides)、F.ラングセチアエ(F.langsethiae)、F.サブグルチナンス(F.subglutinans)、F.トリシンクツム(F.tricinctum)、F.ベルチシリオイデス(F.verticillioides)などに起因するが、アスペルギルス種(Aspergillus spec.)、ペニシリウム種(Penicillium spec.)、クラビセプス・プルプレア(Claviceps purpurea)、スタキボトリス種(Stachybotrys spec.)などにも起因する。
【0161】
下記の実施例において、本発明による組合せまたは組成物の非常に良好な殺菌剤効果が示される。単一の活性化合物は、それらの殺菌剤効力において弱点を示すが、それらの組合せまたは組成物は、それぞれの化合物の効力を単独に相加したものを超える効果を示す。
【0162】
本発明による組合せまたは組成物の殺菌剤効力が、S.R.Colby(「Calculation of the synergistic and antagonistic responses of herbicide combinations」、Weeds 1967,15、20−22頁)による、2もしくは3種の活性化合物の組合せについて予想される効力を超える場合、殺菌剤についての相乗作用効果が存在し、その効果は、以下に示すように計算される:
Xが、画定された用量(m ppm)における化合物(A)について観察される効力であり、
Yが、画定された用量(n ppm)における化合物(B)について観察される効力であり、
Zが、画定された用量(r ppm)における化合物(C)について観察される効力であり、
E1が、画定された用量mおよびn ppmにおける一緒になった化合物(A)および化合物(B)について観察される効力であり、
E2が、画定された用量m、nおよびr ppmにおける一緒になった化合物(A)、化合物(B)および化合物(C)について観察される効力である場合、
Colby式は、二元混合物について以下に示すように定義することができる:
【0163】
【数1】

また、三元混合物については:
【0164】
【数2】

【0165】
効力の度合は、%として表されて示される。0%は対照についての効力に対応する効力を意味し、一方100%の効力は、病害が全く観察されないことを意味する。
【0166】
実際に観察された殺菌剤効果が、Colbyの式を使用して計算した予測される効力を超える場合、この組合せまたは組成物は、超加成性があり、すなわち相乗作用効果を観察することができる。
【0167】
本発明は、下記の実施例によって例示される。
【実施例1】
【0168】
ピリキュラリア・オリザエ(Pyricularia oryzae)試験(イネ)/予防的
溶媒:50重量部のN,N−ジメチルホルムアミド
乳化剤:1重量部のアルキルアリールポリグリコールエーテル
活性化合物の適切な調製物を製造するために、1重量部の活性化合物を上記量の溶媒および乳化剤と混合させ、得られた濃厚物を水で希釈して所望の濃度とする。
【0169】
予防活性について試験するために、幼植物に、活性化合物の調製物を記載されている施用量で噴霧する。噴霧によるコーティングが乾燥した後、該植物にピリキュラリア・オリザエ(Pyricularia oryzae)の胞子懸濁液を噴霧する。次いでその植物を、25℃で相対大気湿度100%の温室内に置く。
【0170】
試験の評価は、上記接種の10日後に行う。0%は、対照に相当する効力を意味し、100%の効力は、病害が観察されないことを意味する。
【0171】
【表7】

【0172】
【表8】

【実施例2】
【0173】
ブルメリア(Blumeria)試験(オオムギ)/5日間予防的
溶媒:50重量部のN,N−ジメチルアセトアミド
乳化剤:1重量部のアルキルアリールポリグリコールエーテル
活性化合物の適切な調製物を製造するために、1重量部の活性化合物または活性化合物組合せを上記量の溶媒および乳化剤と混合させ、得られた濃厚物を水で希釈して所望の濃度とする。
【0174】
予防活性について試験するために、幼植物に、活性化合物または活性化合物組合せの調製物を上記施用量で噴霧する。
【0175】
噴霧による施用の5日後、該植物に、ブルメリア・グラミニスf.sp.ホルデイ(Blumeria graminis f.sp. hordei)の胞子を振りかける。
【0176】
その植物を、約20℃の温度で相対大気湿度約80%の温室内に置いて、うどんこ病によるいぼ状突起(pustule)の発生を促進する。
【0177】
試験の評価は、上記接種の7日後に行う。0%は、対照に相当する効力を意味し、100%の効力は、病害が観察されないことを意味する。
【0178】
【表9】

【0179】
【表10】

【0180】
【表11】

【0181】
2種の化合物の組合せの効力についての式
2種の化合物の所与の組合せの予測される効力は、下記のように計算される(Colby,S.R.「Calculating Synergistic and antagonistic Responses of Herbicide Combinations」、Weeds 15、20−22頁、1967を参照されたい):
Xが、それぞれm g/haである濃度m ppmにおける試験用化合物Aについて、未処理対照標準の枯損量%で表した効力であり、
Yが、それぞれn g/haである濃度n ppmにおける試験用化合物Bについて、未処理対照標準の枯損量%で表した効力であり、
Zが、それぞれo g/haである濃度o ppmにおける試験用化合物Cについて、未処理対照標準の枯損量%で表した効力であり、
Eが、それぞれm、nおよびo g/haであるm、nおよびo ppmにおけるA、BおよびCを使用した、未処理対照標準の枯損量%で表した効力である場合、
【0182】
【数3】

である。
【0183】
2種の化合物の組合せについて観察された殺虫剤効力が、「E」として計算された殺虫剤効力を超える場合、この2種の化合物の組合せは、加成性を超えるものであり、すなわち相乗作用効果が存在している。
【実施例3】
【0184】
オオタバコガ(Heliothis armigera)試験
溶媒:7重量部のジメチルホルムアミド
乳化剤:2重量部のアルキルアリールポリグリコールエーテル
活性化合物の適切な調製物を製造するために、1重量部の活性化合物を上記量の溶媒および乳化剤と混合し、得られた濃厚物を乳化剤を含んでいる水で希釈して、所望の濃度とする。
【0185】
所望濃度の活性化合物の調製物で噴霧することによりダイズ(Glycine max)の葉を処理し、その葉がまだ湿っている間に、オオタバコガ(cotton boll worm)(Heliothis armigera)の幼虫を寄生させる。
【0186】
指定された期間が経過した後、死亡率(%)を求める。100%は、全てのオオタバコガ幼虫が死んだことを意味し、0%は、死んだオオタバコガ幼虫が無かったことを意味する。
【0187】
本出願により、この試験において例えば下記の組合せは、単一化合物と比較して相乗作用効果を示す:
【0188】
【表12】

【実施例4】
【0189】
ニラパルバタ・ルゲンス(Nilaparvata lugens)試験
溶媒:7重量部のジメチルホルムアミド
乳化剤:2重量部のアルキルアリールポリグリコールエーテル
活性化合物の適切な調製物を製造するために、1重量部の活性化合物を上記量の溶媒および乳化剤と混合し、得られた濃厚物を乳化剤を含んでいる水で希釈して、所望の濃度とする。
【0190】
所望濃度の活性化合物の調製物で噴霧することによりイネ植物(Oryza sativa)を処理し、その葉がまだ湿っている間に、トビイロウンカ(Brown plant hopper)(ニラパルバタ・ルゲンス(Nilaparvata lugens))の幼虫を寄生させる。
【0191】
指定された期間が経過した後、死亡率(%)を求める。100%は、全てのトビイロウンカ幼虫が死んだことを意味し、0%は、死んだトビイロウンカ幼虫が無かったことを意味する。
【0192】
本出願により、この試験において例えば下記の組合せは、単一化合物と比較して相乗作用効果を示す:
【0193】
【表13】

【実施例5】
【0194】
ファエドン・コクレアリアエ(Phaedon cochleariae)試験
溶媒:7重量部のジメチルホルムアミド
乳化剤:2重量部のアルキルアリールポリグリコールエーテル
活性化合物の適切な調製物を製造するために、1重量部の活性化合物を上記量の溶媒および乳化剤と混合し、得られた濃厚物を乳化剤を含んでいる水で希釈して、所望の濃度とする。
【0195】
所望濃度の活性化合物の調製物で噴霧することによりキャベツ(Brassica oleracea)の葉を処理し、その葉がまだ湿っている間に、マスタードビートル(ファエドン・コクレアリアエ(Phaedon cochleariae))の幼虫を寄生させる。
【0196】
指定された期間が経過した後、死亡率(%)を求める。100%は、全てのマスタードビートル幼虫が死んだことを意味し、0%は、死んだマスタードビートル幼虫が無かったことを意味する。
【0197】
本出願により、この試験において例えば下記の組合せは、単一化合物と比較して相乗作用効果を示す:
【0198】
【表14】

【0199】
【表15】

【実施例6】
【0200】
ツマジロクサヨトウ(Spodoptera frugiperda)試験
溶媒:7重量部のジメチルホルムアミド
乳化剤:2重量部のアルキルアリールポリグリコールエーテル
活性化合物の適切な調製物を製造するために、1重量部の活性化合物を上記量の溶媒および乳化剤と混合し、得られた濃厚物を乳化剤を含んでいる水で希釈して、所望の濃度とする。
【0201】
所望濃度の活性化合物の調製物に浸漬することによりキャベツ(Brassica oleracea)の葉を処理し、その葉がまだ湿っている間に、ツマジロクサヨトウ(fall army worm)(Spodoptera frugiperda)の幼虫を寄生させる。
【0202】
指定された期間が経過した後、死亡率(%)を求める。100%は、全てのツマジロクサヨトウ幼虫が死んだことを意味し、0%は、死んだツマジロクサヨトウ幼虫が無かったことを意味する。
【0203】
本出願により、この試験において例えば下記の組合せは、単一化合物と比較して相乗作用効果を示す:
【0204】
【表16】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)3,4−ジクロロ−N−(2−シアノフェニル)−5−イソチアゾールカルボキシアミド
および
(B)イミダクロプリド
および
(C)エチプロール、フィプロニル、チアクロプリド、スピノサド、チフルザミド、(S)−3−クロル−N1−{2−メチル−4−[1,2,2,2−テトラフルオル−1−(トリフルオルメチル)エチル]フェニル}−N2−(1−メチル−2−メチルスルホニルエチル)フタルアミド、N−[2−(1,3−ジメチルブチル)フェニル]−5−フルオル−1,3−ジメチル−1H−ピラゾール−4−カルボキシアミドからなる殺菌剤および殺虫剤として活性な化合物の群から選択される、1種のさらなる活性化合物
を含む組合せ。
【請求項2】
任意の2種の成分(A)、(B)または(C)間の重量比が、互いに独立に1:100から100:1である、請求項1に記載の組合せ。
【請求項3】
補助剤、溶媒、担体、界面活性剤または増量剤をさらに含む、請求項1または2に記載の組成物。
【請求項4】
種子、植物繁殖材料、植物への施用、または前記植物の果実への施用、またはその中で前記植物が生長しているもしくはその植物が生長することを所望されている土壌への施用による請求項3に記載の殺菌剤および/または殺虫剤組成物の使用を含む、植物もしくは作物の植物病原性菌類および/または微生物および/または有害生物を治癒的もしくは予防的に防除する方法。
【請求項5】
化合物(A)、(B)または(C)を同時にまたは順次に施用するステップを含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
請求項1または2に記載の組合せ/組成物の量が、茎葉および土壌処理について0.1g/haから10kg/haであり、また種子処理について2から200g/種子100キログラムである、請求項4または5に記載の方法。
【請求項7】
種子を処理するための、請求項1に記載の組合せの使用。
【請求項8】
トランスジェニック種子を処理するための、請求項7に記載の使用。
【請求項9】
請求項1に記載の組合せにより未播種の種子を処理するステップを含む、種子ならびに/または前記種子から生長した植物の苗条および茎葉を、有害生物もしくは菌類による被害から保護する方法。
【請求項10】
前記種子が、化合物(A)、(B)および(C)により同時に処理される、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記種子が、化合物(A)、(B)および(C)により別々に処理される、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
請求項1に記載の組合せにより処理されている種子。

【公表番号】特表2010−534625(P2010−534625A)
【公表日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−517294(P2010−517294)
【出願日】平成20年7月15日(2008.7.15)
【国際出願番号】PCT/EP2008/005748
【国際公開番号】WO2009/015763
【国際公開日】平成21年2月5日(2009.2.5)
【出願人】(302063961)バイエル・クロツプサイエンス・アクチエンゲゼルシヤフト (524)
【Fターム(参考)】