説明

三次元フィルムおよびその製造法

連続的に押出された不織フィラメントの少なくとも一つの層を三次元画像転写装置の孔が開けられた表面上に直接沈積させる、三次元の表面の上に重合体の熔融物(15)を直接押出すことにより三次元的な画像がつけられたフィルムを製造する方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般に三次元的な画像がつけられた繊維布およびフィルムの製造法に関し、さらに特定的には重合体の熔融物を直接三次元の表面上に押出すことによって画像がつけられたフィルムを製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
フィルムは、フィルムの技術的な品質を有利に用いることができる広く多様な用途に使用されている。フィルム製品の構造の中に選ばれた熱可塑性重合体を使用すること、重合体フィルム(熔融した形または組み込まれた構造物の形のいずれかにおいて)に対し選ばれた処理を施すこと、およびフィルムを有用な構造物に組み込む種々の手段を選んで使用することが、得られた重合体フィルム製品の性能を調整し変更する上で変動させ得る典型的な因子である。
【0003】
熱可塑性重合体から有限の厚さのフィルムを製造することは良く知られた操作である。熱可塑性重合体のフィルムは或る量の熔融した重合体を所望の最終製品の寸法をもった成形型の中に分散させる熱成形法または射出成型法と知られている方法か、或いはダイス型の中に連続的に熔融した重合体を押し込む押出し法として知られた方法のいずれかによって製造することができる。押出された熱可塑性重合体フィルムは、フィルムを冷却した後完成した製品として巻き取るか、または基質材料の上に直接供給して基質およびフィルムの両方の層の性能をもった複合材料にするかのいずれかの方法によって成形することができる。適切な基質材料の例には他のフィルム、重合体または金属のシート材、および織物繊維布または不織繊維布が含まれる。
【0004】
最近になって、重合体フィルムの中に三次元の画像を賦与することが望まれるようになってきた。網目状のフィルムは或る程度の三次元性を与えるフィルムであり、このようなフィルムの製造法は特許文献1に開示されている。不織繊維布の構成をもった網目状のフィルムの表面は、フィルムの中に網目状の孔を付与する一連の凹み部分を含んでいる。フィルムの内部のこの凹み部分は得られたフィルムに三次元的な美的特性を与える。
【0005】
重合体フィルムは多様な医療的、衛生的、および産業的な用途、例えば費用効率の高い使い捨て可能な用途をもった構造物として特に適していることが認められている。外科用の掛け布、医療用の拭き取り材料等に対するこのような材料の使用は次第に拡大している。何故ならば、特定の医療的な用途に対する要求に応じられるようにフィルムの物理的性質および特性を選ぶことができるからである。さらにフィルムを不織布または他のフィルムの層と組み合わせたフィルムの積層構造物も上記の用途に使用することができる。
【0006】
改善された美的特性をもち同時に製品の性能が改善された三次元的な画像がつけられたフィルムを製造する方法に対する要求は未だ満たされていない。さらに、低価格ではあるが、少なくとも毎分300フィートの高速度で製造できる可能性をもった三次元フィルムを製造する方法も要求されている。
【0007】
不織布は、繊維布の技術的な品質を有利に用いることができる広く多様な用途に使用されている。繊維性の繊維布の構成成分の構造の中に選ばれた熱可塑性重合体を使用すること、繊維の成分(繊維の形または組み立てられた構造物の形のいずれかにおいて)に対し選ばれた処理を施すこと、および繊維の成分を有用な繊維布に組み込む種々の手段を選んで使用することが、得られる不織布の性能を調整し変更する上で変動させ得る典型的な因子である。
【0008】
元来、「スパンボンド」と呼ばれている連続フィラメントの基質材料は比較的高い多孔性をもち、必要とされる障壁性能を得るためには他の余分な成分が必要である。典型的には静水頭またはポリメトリー(porimetry)によって測定される障壁性能は、延伸して高速度の空気流によって破砕し、スパンボンド基質材料の上に沈積させて自己アニーリングした塊になったμm程度の大きさのフィラメントから成る「熔融吹き込み」障壁層を被覆することによって強化されてきた。典型的にはこのような熔融吹き込み層は非常に低い多孔度を示し、スパンボンド層とその後で熔融吹き込みを行なった層とからつくられた複合繊維布の障壁特性を強化する。このような不織布構造物は特許文献2に開示されているように障壁繊維布として使用されてきた。この特許は引用により本明細書に包含される。
【0009】
さらに最近になって、繊維布を三次元画像転写装置に露出することにより画像またはパターンを不織布に賦与する技術が開発されてきた。このような三次元画像転写装置は特許文献3に開示されている。この特許は引用により本明細書に包含される。強化された物理的性質並びに美術的に魅力のある外観を繊維布に与えるためには、このような画像転写装置を用いることが望ましい。
【特許文献1】Kellyに対する米国特許第4,381,326号明細書。
【特許文献2】Brock等に対する米国特許第4,041,203号明細書。
【特許文献3】米国特許第5,098,764号明細書。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、連続的につくられるフィラメントを含んで成る不織布の製造法において、熔融した重合体を三次元画像転写装置の表面上に直接押出す方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の概要
本発明は三次元的な画像がつけられたたフィルムの製造法に関し、さらに特定的には重合体の熔融物を直接三次元の表面上に押出すことによって画像がつけられたフィルムを製造する方法に関する。
【0012】
本発明に従えば、熱可塑性フィルムを孔が開けられた(foraminous)表面の上に前進させ、フィルムの中に画像またはパターンが賦与されるように液圧エネルギーを用いて衝突させる。一好適具体化例においては、孔が開けられた表面は三次元画像転写装置である。三次元画像転写装置(ITD)は一般にDrelichに対する米国特許第5,098,764号明細書に従ってつくられた形をしている。この特許は引用により本明細書に包含される。
【0013】
フィルムの基質は種々のオレフィン性熱可塑性重合体の基質であり、この中にはこれだけに限定されないがアイソタクティック・ポリプロピレン、直鎖低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、無定形ポリプロピレン、ポリブチレン、エチレン/酢酸ビニル共重合体、エチレン/アクリル酸エチル共重合体、エチレン/アクリル酸メチル共重合体、ポリスチレン、およびこれらの組合せが含まれる。
【0014】
第1の具体化例においては、重合体フィルムをITDの上に直接押出すが、この際ITDは支持用の真空ロールを具備している。この真空ロールは熔融したフィルムに開口部(aperture)をつくり、また開口部がつくられたフィルムに三次元的な表面を賦与するのに必要な量の吸引を行なう。次に、性能強化用の化学物質、例えば疎水性または親水性の添加物、または美的外観を強化する化学物質、例えば熱変色性の添加物を用いてフィルムを処理することができる。
【0015】
第2の具体化例においては、少なくとも一つの支持用の基質を使用し、この場合重合体フィルムをこの支持用の基質の上に押出す。適当な支持用の基質には種々の多孔性をもったステープルファイバーのウエッブまたは連続フィラメントのウエッブが含まれ、これらのウエッブは平面状または非平面状につくることができ、また開口部をもっていてもいなくても良い。本発明に従えば、ITDの上に置かれた支持用の基質の上に熔融したフィルムを押出し、真空ロールの機械的な手段によりこれを組み込んで繊維状またはフィラメント状の網状構造にする。フィルムを支持用の基質の中に組み込むことによって支持用の基質に対するフィルムの接着性は著しく改善される。
【0016】
画像をつけた後フィルムおよび/または支持用の基質に種々の後処理を行なうことも本発明の範囲に入る。例えば、真空ロールのITDの表面から始まる微小多孔性の亀裂が生じるようにフィルムを延伸し、平面または非平面のITDの表面上で水力による絡み合わせを行ない、エンボッシングを行ない、および/または当業界に公知の種々の手段によって仕上げを行なうことができる。
【0017】
さらに本発明は、三次元画像転写装置の孔が開けられた表面の上に直接沈積させた連続的に押出された不織布フィラメントの少なくとも一つの層を含んで成る三次元的な画像がつけられた不織布を製造する方法に関する。
【0018】
本発明に従えば、この不織布は少なくとも一つの連続フィラメントのウエッブを含んで成っている。さらに、該不織布は少なくとも一つの支持用の基質を含んで成っている。適当な支持用の基質には種々の多孔性をもったステープルファイバーのウエッブまたは連続フィラメントのウエッブが含まれ、これらのウエッブは平面状または非平面状につくることができ、また開口部をもっていてもいなくても良い。
【0019】
連続フィラメントのウエッブの熱可塑性重合体は、ポリオレフィン、ポリアミド、およびポリエステルから成る群から選ぶことができ、ここでポリオレフィンはポリプロピレン、ポリエチレン、およびこれらの組合せからから成る群から選ばれる。連続フィラメントのウエッブは同一または異なった熱可塑性重合体のいずれかを含んで成っていることができることも本発明の範囲に入る。さらに、連続フィラメントは均一の、二成分の、および/または多成分の側面をもち、また性能変性用添加物およびそれらの配合物を含んで成っていることができる。
【0020】
本発明の他の特徴および利点は下記の詳細な説明、添付図面および添付特許請求の範囲から容易に明らかになるであろう。
【0021】
詳細な説明
本発明は種々の形の具体化例を行なうことができるが、現在のところ好適と考えられる本発明の具体化例を添付図面に示し以下に説明する。但しこれは本発明の一具体化例であって、本発明を例示されたこの特定の具体化例に限定するつもりはないことを了解されたい。
【0022】
図1は代表的な直接押出しフィルム工程法を示す。配合および供給システム1は重合体チップのための少なくとも二つのホッパー・ローダーおよび一つの混合ホッパーを具備している。両方のホッパー・ローダーの内部にある可変速度式のオーガー(auger)は予め定められた量の重合体チップおよび添加物のペレットを混合ホッパーへ移送する。混合ホッパーはこの混合物をさらに均一化する混合用のプロペラを含んでいる。ここに記載されたような基本的な容積計量システムは配合区域システムに対する最低の必要条件である。
【0023】
重合体チップおよび添加物のペレットの配合物をWellex Corporation製のような多区域押出し機2に供給する。この特定のシステムにおいては、2インチの水ジャケット付きの孔をもち、長さ対直径の比が24:1の五つの区域の押出し機を用いる。混合して多区域押出し機2から押出すと、重合体配合物は加熱した重合体用配管7によりスクリーン交換器3を通って送られる。固体のまたは半熔融重合体チップおよび他の微小な破片を保持するために,スクリーン交換器(screen changer)の中で異なった篩のメッシュをもった遮断板(breaker plate)が用いられている。混合された重合体は次いで熔融ポンプ5の中に入る。
【0024】
熔融ポンプ5は多区域押出し機2と共に動的なフィードバックを行なうように作動し、所望の圧力レベルを保つ。圧力設定点区域からのずれを相殺するために、押出し機の速度を変更することにより圧力レベルに応答する歯車型の熔融ポンプが用いられる。
【0025】
計量され混合された重合体配合物は次に結合ブロック6に入る。結合ブロックは多重フィルム層を押出すことができる。上記のようにフィルム層は同じ組成物であるか、異なったシステムから供給されたものであることができる。結合ブロック6は、さらに他の加熱された重合体用配管によりダイス本体9に向かう。
【0026】
このシステムに使用されるこの特定のダイス本体9は幅が37インチのEDIの自動ダイス(Automatic Die)であり、EDIによって供給されるダイスのボルト・コントロールをもっている。ダイス本体9は、ニップロール10および注型ロール11の間において注型ステーション14の中のニップ点の所で押出された熔融フィルム15が沈積するように頭上の方向に配置されている。
【0027】
図2は、製造工程中にフィルムに三次元の特性を賦与する手段を示す。図2は画像およびパターンをつけるドラム24を含み、これはフィルムの基質に画像およびパターンをつけるための三次元画像転写装置(ITD)を具備している。
【0028】
第1の具体化例においては、重合体フィルムをITD上に直接押出すが、この場合ITDは支持用の真空ロールを具備している。真空ロールは、熔融したフィルムに開口部をつくり、開口部のできたフィルムの中に三次元的な表面を賦与するのに必要な力を与える。次いで、フィルムを性能強化用の化学物質、例えば疎水性または親水性の添加物、または美的外観を強化する化学物質、例えば熱変色性の添加物を用いて処理することができる。図3〜5は本発明の原理に従ってつくられた三次元的な画像の付いたフィルムを示す。
【0029】
第2の具体化例においては、少なくとも一つの支持用の層をITDの上に載せ、この支持用の層の上に重合体フィルムを押出す。適当な支持用の層には種々の多孔性をもったステープルファイバーのウエッブまたは連続フィラメントのウエッブが含まれ、これらのウエッブは平面状または非平面状につくることができ、また開口部をもっていてもいなくても良い。本発明に従えば、ITDの上に載せられた支持用の層の上に熔融したフィルムを押出し、真空ロールの機械的な手段によりこれを組み込んで繊維状またはフィラメント状の網状構造にする。フィルムが支持用の層の中に組み込まれることによって支持用の層に対するフィルムの接着性は著しく改善される。図6および7は本発明の原理に従ってつくられた三次元的な画像がつけられたフィルム積層品を示す。
【0030】
本発明のフィルムの基質は種々のオレフィン性熱可塑性重合体の基質であり、この中にはこれだけに限定されないがアイソタクティック・ポリプロピレン、直鎖低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、無定形ポリプロピレン、ポリブチレン、エチレン/酢酸ビニル共重合体、エチレン/アクリル酸エチル共重合体、エチレン/アクリル酸メチル共重合体、ポリスチレン、およびこれらの組合せが含まれる。
【0031】
画像がつけられたフィルムまたはフィルム積層品は多様な医療的、衛生的および産業的な用途に使用することができる。適当な最終用途には、これだけに限定されないが、外科用の掛け布、外科用のガウン、医療用の拭き取り材料等が含まれる。さらに本発明のフィルムは種々の衛生用品としての最終用途に適しており、この場合フィルムは吸収製品の構成成分、例えば女性用の生理用品、失禁対応装置、おむつ等として使用できる。
【0032】
スパンボンド法は熔融した重合体を供給し、次いでこれを加圧して紡糸口金またはダイスとして知られている板の中の多数のオリフィスを通して押出す工程を含んでいる。得られた連続フィラメントを急冷し、任意のいくつかの方法、例えばスロット延伸システム、減衰器・ガン(attenuator gun)またはGodetロールによって延伸する。連続フィラメントをゆるいウエッブとして動いている孔が開けられた表面、例えば針金の網目をもったコンベヤベルトの上に集める。多層繊維布をつくる目的で、2個以上の紡糸口金をインラインで使用する場合には、前につくられたウエッブの一番上の表面上に次のウエッブを集める。次に、通常は加熱および加圧を含む装置により、例えば熱的に点接合を行なってウエッブを少なくとも一時的に凝集させる。この接合法を使用する場合、ウエッブまたはウエッブの層を二つの高温の金属ロールの間に通す。この際このロールの片方は所望の程度の接合点を賦与し達成するためのエンボス・パターンをもっており、通常は表面積全体の10〜40%程度がこのように接合される。
【0033】
連続フィラメントのスパンボンド層の熱可塑性重合体は、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド、および含ハロゲン重合体、エチレン−フッ化炭素共重合体、特にエチレン−クロロトリフルオロエチレン(ECTFE)共重合体から成る群から選ばれ、ここでポリオレフィンはポリプロピレン、ポリエチレン、およびこれらの組み合わせから成る群から選ばれる。連続フィラメントのウエッブは同一または異なった熱可塑性重合体のいずれかを含んで成っていることができることも本発明の範囲内に入る。さらに、連続フィラメントは均一の、二成分の、および/または多成分の側面をもち、また性能変性用添加物およびそれらの配合物を含んで成っていることができる。
【0034】
これに加えて、連続フィラメントのウエッブは熔融吹き込み法を適用することにより不連続フィラメントのウエッブを含んで成ることができる。熔融吹き込み法は不織布の層をつくるためのスパンボンド法に関連した方法であり、この場合熔融重合体は紡糸口金またはダイスのオリフィスを通して加圧下で押出される。フィラメントがダイスを出る時に高速の空気をフィラメントに衝突させ、フィラメントを捕捉させる。この段階のエネルギーは、生成したフィラメントの直径が著しく小さくなり、切断されて有限の長さの微小繊維が生じるようなエネルギーである。この点はフィラメントの連続性が保存されるスパンボン法と異なっている。単一層または多重層の繊維布のいずれかをつくる方法は連続的に行なわれる。即ちこの工程段階はフィラメントの押出し工程から中断することなく、第1の層をつくり、次いでこの層を凝集させて次の層をつくり複合繊維布にする。また、熔融吹き込み障壁層に並列して、不織布、繊維布、織物、フィルムおよびこれらの組み合わせから成る群から選ばれる他の層が含まれているいることも本発明の範囲内に入る。
【0035】
またナノ・デニールのフィラメントも同様に混入することもできる。適当なナノ・デニールの連続フィラメント層は、ナノ・デニールのフィラメントを直接紡糸するか、または基質層の上に沈積させる前に多成分フィラメントをつくり、これを細分してナノ・デニールのフィラメントにすることによって製造することができる。米国特許第5,678,379号明細書および同第6,114,017号明細書は本発明を支援して実施し得る直接紡糸法の例である。これらの特許は引用により本明細書に包含される。
【0036】
図1は製造工程中において連続フィラメントのウエッブまたは積層品の中に三次元的な特性を賦与する方法を示している。図1は画像およびパターンをつけるドラム24を含み、これは連続フィラメントの基質に画像およびパターンをつけるための三次元画像転写装置(ITD)を具備している。
【0037】
本発明に従えば、連続的に押出された不織フィラメントの少なくとも一つの層を三次元画像転写装置の孔の開いている表面の上に直接沈積させる。ITDは随時支持用の真空ロールを具備していることができる。この真空ロールはITDの内部の多数の孔を通してフィラメントを引き込むような吸引作用を与える。不織布は連続フィラメントのウエッブの少なくとも一つの層を含んで成っている。さらにこの不織布は少なくとも一つの支持用の基質を具備していることができる。適当な支持用の基質には種々の多孔性をもったステープルファイバーのウエッブまたは連続フィラメントのウエッブが含まれ、これらのウエッブは平面状または非平面状につくることができ、また開口部をもっていてもいなくても良い。
【0038】
押出しを行なう前に、熔融した重合体を種々の性能強化用熔融添加物、例えば熱安定剤、紫外線安定剤、帯電防止剤、着色剤、および造核剤と配合することができる。造核剤はより安定な紡糸工程を行なうために特定的に配合され、同じ工程条件においてはさらに強度を増加させることができる。繊維布を製造した後、繊維布をさらに他の性能強化用添加物に露出することができる。
【0039】
画像がつけられた不織布は種々の衛生用、医療用および産業用の用途に使用することができる。適当な最終用途には、これだけに限定されないが、外科用の掛け布、外科用のガウン、医療用の拭き取り材料、種々の女性用の生理用品、失禁対応装置、おむつ等に対する吸収材製品の構成成分が含まれる。さらに、この繊維布はグリル、芝生用の装置および自動車の戸外用の保護カバーを含む産業用の用途に利用され、或いは蓄電池のセパレーター、濾過装置、または工業的な保護衣料として使用することができる。
【0040】
上記の説明から分かるように、本発明の新規概念の精神および範囲を逸脱することなく多くの変更および変形を行なうことができる。本明細書に例示された特定の具体化例に関して制限を意図するものでなく、また意味すべきではないことを理解すべきである。本明細書においては、添付特許請求の範囲によってこのようなすべての変更は特許請求の範囲に包含されることが意図されている。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明の原理に従ってフィルムまたは画像がつけられた連続フィラメントの繊維布を製造するための処理装置の模式図。
【図2】本発明の原理に従って画像がつけられたフィルムを製造するための三次元画像転写装置の模式図。
【図3】本発明の原理に従ってつくられた画像がつけられたフィルムの顕微鏡写真。
【図4】本発明の原理に従ってつくられた図3のフィルムの他の顕微鏡写真。
【図5】本発明の原理に従ってつくられた画像がつけられたフィルムの顕微鏡写真。
【図6】本発明の原理に従ってつくられた画像がつけられたフィルム積層品の顕微鏡写真。
【図7】本発明の原理に従ってつくられた図6のフィルム積層品の他の顕微鏡写真。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
三次元的な画像がつけられたフィルムの製造法において、該方法は
a.熔融した重合体をつくり、
b.孔が開けられた表面を提供し、
c.該熔融した重合体を該孔が開けられた表面の上に押出して画像がつけられたフィルムをつくる段階を含んで成ることを特徴とする方法。
【請求項2】
該孔が開けられた表面は三次元画像転写装置であることを特徴とする請求項1記載の三次元的な画像がつけられたフィルムの製造法。
【請求項3】
三次元的な画像がつけられたフィルムの製造法において、該方法は
a.熔融した重合体をつくり、
b.孔が開けられた表面を提供し、
c.保持手段を提供し、そして
d.該熔融した重合体を該孔が開けられた表面の上に押出してフィルムをつくり、
この際該保持手段は多数の孔を通して引き込み、開口部を賦与し該画像がつけられたフィルムとする段階を含んで成ることを特徴とする方法。
【請求項4】
該保持手段は真空であることを特徴とする請求項3記載の三次元的な画像がつけられたフィルムの製造法。
【請求項5】
三次元的な画像がつけられたフィルムの製造法において、該方法は
a.支持用の層をつくり、
b.熔融した重合体をつくり、
c.孔が開けられた表面を提供し、
e.保持手段を提供し、
f.該支持用の層を該孔が開けられた表面の上に載せ、そして
g.該熔融した重合体を該支持用の層の上に押出してフィルムの積層品をつくり、
この際該保持手段は該支持用の層および該熔融した重合体を多数の孔を通して引き込み画像が付けられたフィルム積層品を得ることを特徴とする方法。
【請求項6】
該支持用の層は繊維またはフィラメントの不織布、織物繊維布、フィルムおよびこれらの組み合わせから成る群から選ばれることを特徴とする請求項5記載の三次元的に画像がつけられたフィルムの製造法。
【請求項7】
三次元的な画像がつけられた連続フィラメントの不織布の製造法において、該方法は
a.熔融した重合体をつくり、
b.三次元画像転写装置を提供し、そして
c.該熔融した重合体を該三次元画像転写装置の上に押出して画像がつけられた繊維布をつくる段階を含んで成ることを特徴とする方法。
【請求項8】
三次元的な画像がつけられた連続フィラメントの不織布の製造法において、該方法は
a.支持用の層をつくり、
b.熔融した重合体をつくり、
c.三次元画像転写装置を提供し、
b.保持手段を提供し、
c.該支持用の層を該三次元画像転写装置の上に載せ、そして
d.該熔融した重合体を該支持用の層の上に押出して積層品をつくり、
この際該保持手段は該支持用の層および該熔融した重合体を該三次元画像転写装置の内部にある多数の孔を通して引き込んで画像がつけられた積層品を得ることを特徴とする方法。
【請求項9】
該保持手段は真空であることを特徴とする請求項8記載の三次元的に画像がつけられた連続フィラメントの不織布の製造法。
【請求項10】
該支持用の層は繊維またはフィラメントの不織布、織物繊維布、フィルムおよびこれらの組み合わせから成る群から選ばれることを特徴とする請求項9記載の三次元的に画像がつけられた連続フィラメントの不織布の製造法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2007−500629(P2007−500629A)
【公表日】平成19年1月18日(2007.1.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−532265(P2006−532265)
【出願日】平成16年1月22日(2004.1.22)
【国際出願番号】PCT/US2004/001676
【国際公開番号】WO2005/058578
【国際公開日】平成17年6月30日(2005.6.30)
【出願人】(503126326)ポリマー・グループ・インコーポレーテツド (5)
【Fターム(参考)】