説明

三次元干渉顕微鏡観察のためのシステムおよび方法

一実施形態では、装置は、複数のディテクターとプロセッサーとを有する光学システムを含む。光学システムは、所与の時間で、各ディテクターで、第1の次元と第1の次元に実質的に直交する第2の次元とで、光源の画像を生成するように構成される。画像の各画像は、光源からの第1の方向の発光と、光源からの第1の方向とは異なる第2の方向の発光と、の干渉に基づく。プロセッサーは、画像に基づいて第3の次元で位置を計算するように構成される。第3の次元は、第1の次元と第2の次元とに実質的に直交する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、「三次元干渉顕微鏡観察のためのシステムおよび方法(System and Methods for 3-Dimensional Interferometric Microscopy)」という名称で2006年12月21日に出願された米国仮特許出願第60/871,366号ならびに「三次元干渉顕微鏡観察のためのシステムおよび方法(System and Methods for 3-Dimensional Interferometric Microscopy)」という名称で2007年3月27日に出願された米国仮特許出願第60/908,307号(いずれも参照によりその全体が本明細書に援用されるものとする)に基づく優先権を主張する。本出願はまた、「三次元干渉顕微鏡観察のためのシステムおよび方法(System and Methods for 3-Dimensional Interferometric Microscopy)」という名称の米国特許出願第11/961,601号(その全体が参照により本明細書に援用されるものとする)に基づく優先権を主張するものでありかつその継続出願である。
【0002】
背景
本発明は、一般的には、干渉顕微鏡観察、たとえば、光活性蛍光タンパク質分子から光を内部放射するサンプルのように、空間分解可能な点光源で構成されたもしくは標識されたサンプルの干渉顕微鏡観察、および/または第3の次元(たとえばz座標)で位置情報を決定すると同時に2つの他の次元(たとえばx座標およびy座標)で位置情報を測定するために位相差が測定される干渉顕微鏡観察に関する。
【背景技術】
【0003】
干渉位相を測定する顕微鏡観察システムは公知である。たとえば、1つの公知の顕微鏡観察システムは、外部光源で対象物の延在表面を照明することにより干渉位相を測定する。サンプルから反射された光は、ビームスプリッター中で参照ビームと干渉する。干渉ビームは、ディテクター上に画像化される。参照ビームとサンプルビームとの光路差は、出力干渉ビームの振幅を変調して、対象物の高さの尺度を提供することが可能である。
【0004】
また、対向する対物レンズを介してサンプルからの2つのビームを干渉させて1つの干渉出力ビームだけを測定する顕微鏡観察システムも公知である。そのような顕微鏡観察システムは、位相を明示的に測定しない。こうした顕微鏡観察システムは、軸方向次元で構造を解像することが可能である。
【0005】
しかしながら、そのような公知の顕微鏡観察システムは、いくつかの欠点を抱えている。たとえば、そのようなシステムは、生物学で多く見受けられる蛍光標識サンプルに適用することができない。なぜなら、内部供給蛍光線が、蛍光励起に使用されるいずれの外部供給参照ビームに対しても使用可能な位相関係を有していないからである。参照ビームを用いなければ、干渉を達成することはできない。それに加えて、明滅する蛍光分子または他の単一光子源の場合のように、放射線が一過性であるかまたは強く時間変動する場合、単一位相型もしくは逐次位相型の干渉測定を用いて振幅から干渉位相を分離することはできない。したがって、単一の干渉測定または時系列の測定から、位相および位置情報の定量的尺度を導出することはできない。最後に、遠視野干渉システムの横方向分解能は、アッベ回折長λ/2NAにより制限される。ただし、λは波長であり、かつNAは開口数である。したがって、改良された顕微鏡観察システムの必要性がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
概要
一実施形態では、装置は、複数のディテクターとプロセッサーとを有する光学システムを含む。光学システムは、所与の時間で、各ディテクターで、第1の次元と第1の次元に実質的に直交する第2の次元とで、光源の画像を生成するように構成される。画像の各画像は、光源からの第1の方向の発光と、光源からの第1の方向とは異なる第2の方向の発光と、の干渉に基づく。プロセッサーは、画像に基づいて第3の次元で位置を計算するように構成される。第3の次元は、第1の次元と第2の次元とに実質的に直交する。
【0007】
いくつかの実施形態では、蛍光標識でタグ付けされた対象分子は、回折限界よりも良好な確度で三次元で位置特定が可能である。そのような実施形態では、画像に関連付けられる位相情報を用いてz座標で分子の位置に関する情報を決定することが可能であり、結果的に、三次元でサブ回折確度<<λ/2を有する3D(三次元)表現を達成することが可能である。言い換えれば、第3の次元(たとえばz座標)で分子の位置に関する情報を得ることが可能であると同時に、2つの他の次元(たとえばx座標およびy座標)で分子の位置に関する情報を得ることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図面の簡単な説明
【図1】本発明の実施形態に係る、二位相干渉顕微鏡観察システムおよびサンプルのシステムブロック図を示している。
【図2】本発明の実施形態に係る、二位相干渉顕微鏡システムおよび単一発光体サンプルのシステムブロック図を示している。
【図3】図2の2つのディテクターで検出される放射光の強度のグラフを示している。
【図4】本発明の実施形態に係る、二位相干渉顕微鏡システムおよび延在サンプルのシステムブロック図を示している。
【図5】図4の2つのディテクターで検出される放射光の強度のグラフを示している。
【図6】本発明の実施形態に係る、ビーム位相表現を有する二位相干渉顕微鏡システムのシステムブロック図を示している。
【図7A】図6の各ディテクターで検出される所与の出力ビームの成分のビーム強度の位相を表すグラフを示している。
【図7B】図6の各ディテクターで検出される所与の出力ビームの成分のビーム強度の位相を表すグラフを示している。
【図7C】図7Aに関連付けられる出力ビームの強度を表すグラフを示している。
【図7D】7Bに関連付けられる出力ビームの強度を表すグラフを示している。
【図8】本発明の実施形態に係る、三位相干渉顕微鏡システムのシステムブロック図を示している。
【図8A】本発明の実施形態に係る、三方向ビームスプリッターのシステムブロック図を示している。
【図8B】本発明のさらに他の実施形態に係る、八方向ビームスプリッターのシステムブロック図を示している。
【図9】図8の3つのディテクターで検出される放射光の強度のグラフを示している。
【図10】本発明の実施形態に係る、三方向ビームスプリッターのシステムブロック図を示している。
【図10A】本発明の実施形態に係る、図10の三方向ビームスプリッター中でビームスプリッティングデバイスとして使用されるストライプ状ミラーを示している。
【図10B】本発明の実施形態に係る、図10の三方向ビームスプリッター中でビームスプリッティングデバイスとして使用されるストライプ状ミラーを示している。
【図10C】本発明の実施形態に係る、図10の三方向ビームスプリッター中でビームスプリッティングデバイスとして使用されるストライプ状ミラーを示している。
【図11】図10に示される三方向ビームスプリッターの斜視図を示している。
【図12】本発明の実施形態に係る、四位相干渉顕微鏡システムのシステムブロック図を示している。
【図13】図12の4つのディテクターで検出される放射光の強度のグラフを示している。
【図14】本発明の実施形態に係る、回折グレーティングを有する四位相干渉顕微鏡システムのシステムブロック図を示している。
【図15】本発明の実施形態に係る、回折グレーティングを有する六位相干渉顕微鏡システムのシステムブロック図を示している。
【図16】2つの異なる潜在位置にある単一量子発光体の概念図を示している。
【図17】本発明の実施形態に係る、単一対物レンズを有する三位相干渉顕微鏡観察システムのシステムブロック図を示している。
【図18】図17に示されるビームスプリッター/アニュラーリバーサーシステムのシステムブロック図の例を示している。
【図19】図18に示されるアニュラーエキスパンダーの断面図を示している。
【図20】図18に示されるアニュラーエキスパンダーの端面図を示している。
【図21】図17に示されるアニュラーエキスパンダーの6つのプリズム素子のうちの3つの斜視図を示している。
【図22】図17の3つのディテクターで検出される放射光の強度のグラフを示している。
【図23】本発明の他の実施形態に係る、アニュラーエキスパンダーの端面図を示している。
【図24】ラインXX−XXに沿った図23に示されるアニュラーエキスパンダーの断面図を示している。
【図25】ラインXXI−XXIに沿った図23に示されるアニュラーエキスパンダーの断面図を示している。
【図26】本発明の実施形態に係る、多位相干渉顕微鏡システムのための校正プロセスのフロー図を示している。
【図27】本発明の実施形態に係る、多位相干渉顕微鏡システム内の光活性サンプルの三次元位置情報を取得するためのプロセスのフロー図を示している。
【発明を実施するための形態】
【0009】
詳細な説明
広義には、本明細書に記載の1つ以上の実施形態により、公知の光学顕微鏡観察よりも良好な解像度を有する三次元レンダリングを生成することが可能である。いくつかの実施形態では、干渉顕微鏡で位相差を測定することにより、第3の次元(たとえばz座標)で位置情報を決定すると同時に2つの他の次元(たとえばx座標およびy座標)で位置情報を測定することが可能である。いくつかの実施形態では、一群の点光源を含有するサンプル、たとえば、光活性蛍光標識から光を内部放射するサンプルを干渉顕微鏡で測定することが可能である。
【0010】
たとえば、サンプル中の特定の標識タンパク質の三次元レンダリングを生成することが可能である。特定の標識タンパク質によりコントラストを与えることが可能であるが、なおかつ専用の光学顕微鏡を用いてコントラストを得ることが可能である。たとえば、1つ以上の実施形態を用いて、全3D位置で細胞内の蛍光標識タンパク質の位置を決定することが可能である。
【0011】
公知の顕微鏡観察システムの1つは、光活性化位置特定顕微鏡観察(「PALM」)システムである。このPALMシステムは、次の参考文献(参照により本明細書に援用されるものとする)に記載されている。「光変換性光学標識を用いた光学顕微鏡観察(Optical Microscopy with Phototransformable Optical Labels)」という名称で2005年5月23日に出願された米国仮特許出願第60/683,337号、「ほぼ分子分解能での細胞内蛍光タンパク質のイメージング(Imaging Intracellular Fluorescent Proteins at Near-Molecular Resolution)」という名称で2006年3月10日出願に出願された米国仮特許出願第60/780,968号、「光変換性光学標識を用いた光学顕微鏡観察(Optical Microscopy with Phototransformable Optical Labels)」という名称で2006年5月23日に出願されかつPCT国際公開第2006/127682号として2005年11月11日に公開されたPCT特許出願第PCT/US2006/019887号、Betzig, E. et al., "Imaging Intracellular Fluorescent Proteins at Nanometer Resolution," Science, Vol. 313, September 15, 2006、およびBetzig, E. et al., "Supporting online Material for 'Imaging Intracellular Fluorescent Proteins at Nanometer Resolution'," Science Express, August 10, 2006, [online] www.sciencemag.org/cgi/content/full/1127344/DC1(本明細書中ではまとめて「Betzig参考文献」と記す)。
【0012】
PALMシステムは、主に二次元のx,y画像平面内で分子の位置を特定して、回折限界顕微鏡のものよりも優れた高解像度画像を提供する。第3の次元で標識分子の位置に関する情報を取得する公知の方式の1つは、いくつかのセクションでデータを取り出すかまたは焦点面までの距離に依存するデフォーカス分子の点広がり関数変動の定量化によるなどの逐次プロセスを含む。
【0013】
2D PALMシステムの場合と同様に、ここでのスイッチャブル光学標識は、PA−GFPのような光活性蛍光タンパク質でありうる。PA−GFPは、GFPの光活性蛍光タンパク質変異体であり、405nmの光を照射することにより非蛍光形からアニオン形に変換可能であり、アニオン形は、500nmの励起線を吸収して520nmの蛍光線を発する。他の光活性タンパク質は、Dronpa、Eos、Kaede、Kikume、Kindling−FP、PA−CFPであり、その多くは、単量体形、二量体形、および四量体形で使用可能である。そのようなタンパク質は、対象タンパク質を標識するように遺伝子発現および遺伝子結合が可能である。これによりタンパク質特異的画像を構築することが可能である。種々のケージド染料分子を使用することも可能であるが、それらは典型的には免疫標識スキームまたはそれに代わる結合スキームを必要とする。こうしたタンパク質/標識のいくつかは、十分に異なる光物理的性質、たとえば、発光波長、励起波長、または脱色速度を有するので、2つの異なるスイッチャブル光学標識を用いて画像を作成することが可能である。この場合、ビーム経路中にダイクロイックミラーを追加することにより、この3D干渉顕微鏡観察のための新しい第2さらには第3の一連の画像を得ることが可能である。1種のタンパク質の画像化および脱色を行ってから第2のタンパク質の画像化を行うように取得処理を順序付けることは、異なる標識タンパク質を画像化するもう1つの方法である。
【0014】
しかしながら、本明細書に記載のいくつかの実施形態では、光路長差の位相角情報を使用することにより、二次元強度画像(これから標識分子のx,y位置を決定することが可能である)および位相依存性画像(これから標識分子のz位置を決定することが可能である)の両方を同時に取得することが可能であり、かつ再構築することが可能である。言い換えれば、サンプルからの2つ以上の発光ビームを2つ以上のビームにさらにスプリットして互いにペアワイズ干渉させ(それらの異なる位相に基づいて)、得られた干渉ビームで画像を形成し、画像を同時に記録してサンプルの局在化光源の経路長差の位相(すなわちz位置)を再構築する。それに加えて、いくつかの実施形態では、干渉振幅を抽出して垂直方向位置の追加的尺度として使用することも可能である。
【0015】
そのような実施形態は、多くの点で有利である。たとえば、以上で述べたように、本明細書に記載のいくつかの実施形態では、位相差を測定することにより、第3の次元(たとえばz座標)で位置情報を決定すると同時に2つの他の次元(たとえばx座標およびy座標)で位置情報を測定することが可能である。これにより3つの次元すべてで測定が可能になり、この測定は、こうした測定がさまざま時点で行われる公知のシステムよりも正確でありうる。本明細書に記載のそのような測定技術は、たとえば、時間変化する明るさを有する光活性サンプルのように静的でないサンプルに特に有利でありうる。
【0016】
以上にも述べたように、本明細書に記載のいくつかの実施形態では、測定されるサンプルの成分は、サブ回折サイズの点光源として分離可能かつ同定可能である。これにより可能になる測定は、明確な画定が可能であるとともに、測定サンプル成分が位置の分布を有する拡張光源でありかつ光源の種々の部分が光源の他の部分と干渉する可能性がある公知のシステムよりも正確でありうる。本明細書に記載のそのような測定技術は、回折限界未満の確度で測定を行うのに特に有利でありうる。
【0017】
図1は、本発明の実施形態に係る、二位相干渉顕微鏡観察システムおよびサンプルのシステムブロック図を示している。図1に示されるように、顕微鏡観察システム100は、光学素子130および140と、ビームスプリッター150と、光学素子160および170と、ディテクター165および175と、を含む。
【0018】
光学素子130および140は、サンプルSからビームスプリッター150までそれぞれ光路132および142を画定する任意のタイプの光学素子でありうる。たとえば、光学素子130および140は、それぞれ、一連のミラー、レンズ、または対物レンズを含みうる。光学素子130および140は、たとえば、サンプルの点光源から放出される光エネルギーを平行化するレンズまたは対物レンズを含みうる。図1には2つの光学素子130および140中に至る2つの反対方向を向いて対向する経路132および142が示されているが、以下で論述されるいくつかの実施形態では、光学素子140のような単一の光学素子は、2つの対向しない経路132および142を含みうる。
【0019】
光学素子130および/または140は、サンプルSが1種以上の活性化源を受容できるようにする追加の素子および/特徴部を含みうる。たとえば、いくつかの実施形態では、光源(図1には示されていない)からの光エネルギーを用いることによりサンプルSの蛍光応答を活性化させて励起光子を生成することが可能である。そのような実施形態では、たとえば、光学素子130および/または140は、アパーチャーを含みうる。そしてディテクター165および/または175に向かって逆行する励起レーザーからの迷光放射を最小限に抑えつつ、アパーチャーを介して光源からの光エネルギーをサンプルSに照射することが可能である。また、主に蛍光がディテクターに達するように、ディテクター165および/または175に至るビーム経路中にレーザーラインフィルターを存在させることも可能である。第1のレーザー光源は、たとえば、活性化ビームをサンプルSに照射することが可能であり、かつ第2のレーザー光源は、たとえば、励起ビームをサンプルSに照射することが可能である。他の実施形態では、レーザー以外の光源、たとえば、発光ダイオード、白熱ランプなどを活性化用および/または励起用の光源として使用することが可能である。以上で参照により援用されたBetzig参考文献にさらに詳細に記載されているように、活性化ビームは、サンプル中の個別に解像可能な光活性標識の十分に散在したサブセットを活性化させるように構成され、かつ励起ビームは、サンプルSの活性化部分を励起して蛍光に基づく光子を放出させるように構成される。
【0020】
他の選択肢の実施形態では、1種以上の化学物質を用いてサンプルの蛍光応答を活性化させることが可能である。そのような他の選択肢の実施形態では、サンプルを第1の化学物質に暴露してサンプルの分子の蛍光性散在サブセットを活性化させることが可能であり、続いて、光脱色を用いない場合、第2の化学物質に暴露してサンプルの蛍光を失活させることが可能である。
【0021】
ビームスプリッター150は、任意のタイプの適切な光学素子でありうる。ただし、この光学素子は、光路132および142に沿って光エネルギーを受け取って組み合わせて、かつ組み合わされ混合された光エネルギーを光路152および154(それぞれ本明細書中では「レッグ」とも記す)に沿って光学素子160および170に伝送する。たとえば、ビームスプリッター150は、50:50ビームスプリッターでありうる。この場合、組み合わされた光エネルギーはスプリットされて、組み合わされた光エネルギーの実質的に50パーセントは光路152で伝送され、かつ組み合わされた光エネルギーの実質的に50パーセントは光路154で伝送される。光路132および142からの光エネルギーは、ビームスプリッター150により干渉され混合されるので、光路152に沿って得られる光エネルギーは、光路132および142からの光エネルギー間の相対位相差に基づく。同様に、光路132および142に沿った光エネルギーは、ビームスプリッター150中で干渉され混合されるので、光路154に沿って得られる光エネルギーは、光路132および142からの光エネルギー間の相対位相差に基づき、この相対位相差は、光路152に沿った光エネルギーに関連付けられる相対位相差とは異なる。この実施形態では、光路152に沿って得られる光エネルギーと光路154に沿って得られる光エネルギーとは、位相が約180度異なる。他の選択肢として、ビームスプリッター150により、66:33、70:30などのような任意の所望の割合にビームを分割することが可能である。さらに他の実施形態では、ビームスプリッター150は、複数のビームスプリッターの組合せでありうる。そのようなビームスプリッターは、たとえば、2つのガラスセグメントと2つのガラスセグメント間に配設された薄膜コーティングとのブロックから構成可能である。そのようなビームスプリッターは、3つ以上の出力、すなわち、152および158の2つよりも多くの出力を生成することが可能である。これにより、2つのビームの場合の0度および180度ではなく、3つ以上の干渉位相角(たとえば、0度、120度、および240度)で3つ以上の出力ビームを表現することが可能になる。さらに他の実施形態では、薄膜コーティングを有するビームスプリッターに加えてまたはその代わりに、回折グレーティングをビームスプリッターとして使用することが可能であり、かつそれによりビームを2つ以上のビームに分割することが可能である。また、グレーティングにより複数の入力ビームを受け取って、それらを混合して干渉させ、種々の出力ビームを生成することが可能である。いくつかの実施形態では、スイッチャブル散乱中心を有する標識(たとえば、活性散乱特性を有する光スイッチャブル標識)のように実質的に同一の波長で発光する点光源を有するサンプルと組み合わせて、回折グレーティングを使用することが可能である。実質的に同一の波長で発光する点光源を有するそのようなサンプルでは、回折グレーティングにより、入力ビームの波長の関数である比較的狭い偏向角で入力ビームを有利に偏向させることが可能である。
【0022】
他の実施形態では、ビームスプリッターのうちの1つ以上は、回折グレーティングまたは薄膜コーティングの代わりにストライプ状ミラー部分を含みうる。一実施形態では、ストライプ状ミラー部分は、回折次数により画像平面内に再集光されないように、十分に小さいストライプ周期を有する。波長λ、焦点距離f、および画像サイズdの場合、これは、fλ/d未満の周期を意味する。正方形もしくは六角形のポルカドットのような他のパターンを使用することが可能である。しかしながら、画像中のゴースト発生を防止するために、同一条件のポルカドット周期(すなわちfλ/d未満)を保持しなければならない。
【0023】
光学素子130および140のときと同様に、光学素子160および170は、ビームスプリッター150からそれぞれディテクター165および175までそれぞれ光路152および154を画定する任意のタイプの光学素子でありうる。たとえば、光学素子160および170は、光エネルギーがそれぞれディテクター165および175に集束するように、それぞれ光路152および154からの光エネルギーを非平行にするレンズでありうる。いくつかの実施形態では、光学素子130、140、160、および170、ならびに/またはビームスプリッター150のような光学素子のうちの1つ以上は、補償光学素子を含みうる。
【0024】
使用時、サンプルS中の個別画像化標識の統計学的散在サブセットを活性化した後、測定が行われる。以上で述べたように、サンプルS中の標識の統計学的散在サブセットは、適切な技術により、たとえば、光活性化または化学的活性化により、活性化可能である。活性化の後、レーザーのような励起光源によりサンプルSを励起することが可能である。この結果として、サンプルSから光路132および142に沿って光子が放出されて光学素子130および140を介してビームスプリッター150に達する。光路132および142からの光エネルギーは、ビームスプリッター150で組み合わされ、そして経路152および154に沿って伝送されてそれぞれ光学素子160および170を介してディテクター165および175に達する。ビーム132および142の間の位相差により干渉が引き起こされ、そしてディテクター165および175において検出信号の強度が変調される。以下でさらに詳細に説明されるように、この強度を用いてz座標の位置を決定することが可能である。それに加えて、ディテクター165および175における検出信号は、x、y座標の位置情報をも提供する。検出信号を収集した後、それらの標識からさらなる光信号を検出できなくなるように、サンプルS中の標識の活性化散在サブセットを反復励起により脱色することが可能であり、次に、追加の測定に供すべく、標識のさらなる散在サブセットを活性化し励起することが可能であり、そしてプロセスは反復される。
【0025】
図2は、本発明の実施形態に係る、二位相干渉顕微鏡観察システムおよび単一活性発光体を有するサンプルのシステムブロック図を示している。図2に示されるように、単一量子発光体Sは、中心位置220から距離δの位置に配置される。単一量子発光体Sは、たとえば、蛍光分子、量子ドット、またはサブ波長散乱中心でありうる。放射光子は、量子発光体Sから上向きにレンズ230中にも下向きにレンズ240中にも逃散可能であり、これらのレンズでは、それぞれ、2つの平行ビーム232および242が形成される。平行ビーム232および242は、それぞれ、ミラー234および244により反射されて、ビームスプリッター250で受光される。
【0026】
2つのビーム経路は、次のように画定される。すなわち、量子発光体Sからミラー234までおよびミラー234からビームスプリッター250までの第1のビーム経路(トップ経路とも呼ばれる)、ならびに量子発光体Sからミラー244までおよびミラー244からビームスプリッター250までの第2のビーム経路(ボトム経路とも呼ばれる)。ミラー234および244ならびにビームスプリッター250は、ビーム経路の長さがほぼ波長レベルまで一致するように、すなわち、(L+Ltop=(L+Lbottomになるように、量子発光体Sに対して定置される。ただし、発光体の位置変位δおよびトップビーム経路での90度の位相シフトは除く。式中、Lは、中心位置220とミラー234または244との間の経路長であり、かつLは、ミラー234または244とビームスプリッター250との間の経路長である。この場合、トップビーム経路中の光ビームの電界は、次のとおりである。
=A×exp(−ikδ+ikL+ikL+iπ/2)、
式中、k=2π/λ。
【0027】
ボトムビーム経路中の光ビームの電界は、次のとおりである。
=A×exp(ikδ+ikL+ikL)。
【0028】
ビームスプリッター250で受光された時、光ビームは、組み合わされ、そしてレンズ260および270を介してそれぞれ2つのディテクター265および275に伝送される。各ディテクター265および270に向かって伝搬する1つの光源からの光ビームの電界は、次のとおりである。
12=1/20.5×(E±E)=
1/20.5×(A×exp(−ikδ+ikL+ikL+iπ/2)±A×exp(ikδ+ikL+ikL))。
【0029】
この実施形態では、ディテクター265および275は、それぞれ、電荷結合デバイス(CCD)ディテクターまたは(単一蛍光分子に対する感度向上のために)電子増倍電荷結合ディテクター(EMCCD)である。図3に示されるように、ディテクター265で検出される放射光の強度365およびディテクター275で検出される放射光の強度375は、位相4πδ/λを有して正弦パターンで変化する。より詳細には、ディテクター265で検出される放射光の強度365は、次のとおりである。
=1/2×(E+E=A×(1+sin(2kδ))。
【0030】
ディテクター275で検出される放射光の強度275は、次のとおりである。
=1/20.5×(E−E=A×(1+sin(2kδ+π))。
【0031】
次に、2つの強度式の組合せおよび逆転を行うことにより、次のように変位を計算することが可能である。
(I−I)/(I+I)=sin(4πδ/λ)またはδ=λarcsin((I−I)/(I+I))/4π
【0032】
これは、図4に示されるような顕微鏡観察システムに一般化することができる。より詳細には、図4は、本発明の実施形態に係る、二位相干渉顕微鏡観察システムおよび延在サンプルのシステムブロック図を示している。図4に示されるように、顕微鏡観察システムは、画像平面がディテクター465および475に画定されるように、顕微鏡対物レンズ430および440ならびにレンズ460および470を含む。サンプルSの任意の点光源は、ディテクター465および475に画定される各画像平面上に分解能限界のスポットを形成するであろう。
【0033】
次に、空間的に一体化されたスポットの強度を用いて、以上に記載の強度式によりサンプルの点光源のz座標位置を計算することが可能である。CCD、EMCCD、または他の大面積ディテクターを用いることにより、複数の画像スポットを同時に検出することが可能であり、かつサンプル310の各関連部分のz変位δを実質的に同時に確定することが可能である。検出される光信号の位相を1ラジアンの何分の一まで決定することが可能であるので、波長の何分の一よりも良好なレベル(たとえば<20%)で位置情報を決定することが可能である。たとえば、λ=600nmの波長では、δ=50nmに対応する1ラジアン未満まで位置情報を決定することが可能である。そのような干渉システムは、光源発光体のx,y位置もまたナノメートルスケール分解能で測定できるように構成可能である。
【0034】
サンプルの厚さは、一意的なz座標位置を測定しうる範囲に影響を及ぼす可能性がある。たとえば、図2または4に示される二位相の実施形態では、サンプル210の厚さはλ/4未満であり、その場合、一意的なz座標位置を測定することが可能である。こうした実施形態での変位δの感度は、一様でない。言い換えれば、図3および5に示されるように、強度が正弦波の最小または最大の近傍で決定されるような位相の場合、勾配はゼロに近づくので、感度はゼロに近づく。しかしながら、強度が正弦波の最小または最大から離れて決定されるような位相の場合、こうした実施形態での変位δの感度は、測定可能でありゼロではない。
【0035】
図6は、本発明の実施形態に係る、ビーム位相表現を有する二位相干渉顕微鏡システムのシステムブロック図を示している。ビーム432は、ビーム442の位相とは異なる位相を有し、かつ出力ビーム452は、位相が異なる成分452’および452”を含む。ビーム成分452’および452”は、図6では分離されて示されているが、これは例示を目的としたものであり、当然のことながら、ビーム成分は、互いに同時に存在して干渉する。ビーム成分452’はビーム432に由来し、かつビーム成分452”はビーム442に由来する。同様に、出力ビーム454は、位相が異なる成分454’および454”を含む。ビーム成分454’および454”は、図6では分離されて示されているが、これは例示を目的としたものであり、当然のことながら、ビーム成分は、互いに同時に存在して干渉する。ビーム成分454’はビーム432に由来し、かつビーム成分454”はビーム442に由来する。この実施形態では、ビーム成分452’および452”の間の位相差は、ディテクターCCDφで検出される強度を決定し、かつビーム成分454’および454”の間の位相差は、ディテクターCCDφで検出される強度を決定する。
【0036】
図7Aおよび7Bは、それぞれ、図6の各ディテクターで検出される所与の出力ビームの成分のビーム強度の位相を表すグラフを示している。図6の出力ビーム452および454は、入力ビーム432および442の成分を含む。図7Aに示されるように、452’および452”は、出力ビーム452の成分であり、かつ位相差480だけ位相が分離されている。図7Bに示されるように、454’および454”は、出力ビーム454の成分であり、位相差490だけ位相が分離されている。これらの位相差の差は、対象物の位置の関数として変化するであろう。図7Aに示されるビームの二乗和は、図7Cに示される強度を有するビームを生成し、同様に、表示された図7B中のビームの二乗和は、図7Dに示される強度を有するビームを生成する。これらの2つのビームIおよびIの相対強度は、干渉位相を決定し、それにより鉛直方向変位δを決定する。
【0037】
他の選択肢の実施形態では、干渉顕微鏡観察システムは、二位相よりも多くの位相を有しうる。たとえば、図8は、本発明の実施形態に係る、三位相干渉顕微鏡観察システムのシステムブロック図を示している。図9は、適切に干渉されて図8の3つのディテクターで検出された場合の点光源からの放射光の強度のグラフを示している。
【0038】
図10および11は、三方向ビームスプリッターの実施形態を示している。2つの発光ビーム1010および1020は、50−50ビームスプリッティング表面1050に入る。2つの得られた干渉ビームは、上側66:33ビームスプリッティング表面1040および下側ミラー表面1070に進行する。上側ビームのほとんど(66%)は、出力経路1030に入り、33%は、経路1028に進行して、ミラー表面1070から反射されたビーム1024と干渉する。この最終干渉は、50:50ビームスプリッティング表面1052で起こり、第2および第3の出力ビーム1032および1034を生じる。3つの出力間でバランスのとれた三方向干渉(すなわち、出力ビーム1030、1032、および1034に対して類似の振幅)を得るために、ミラー1070の位置を変化させてギャップ1060を変化させることにより干渉ビーム1028および1024の位相を調整することが可能である。ガラスプリズムの底面上の残留反射率を最小限に抑えるために、ギャップ1060に屈折率整合油を充填することが可能である。
【0039】
図10A、10B、および10Cは、本発明の実施形態に係る、図10の三方向ビームスプリッター中でビームスプリッティングデバイスとして使用されるストライプ状ミラーを示している。ビーム経路中の望ましくない干渉を低減するために、図10A、10B、および10Cに示される各ストライプ状ミラーは、図10A、10B、および10Cに示される他のストライプ状ミラーに対して回転されている。
【0040】
図10および11は、三方向ビームスプリッターの実施形態を介して対象物および画像平面に関連付けられた波面の伝搬をさらに示している。波面1012および1022を有する発光ビーム1010および1020は、ビームスプリッティング表面1050に入る。波面1012および1022は、サンプルの対象物平面に関連付けられ、かつビームスプリッティング表面1050で互いに干渉される。得られた波面は、三方向ビームスプリッターを通って伝搬する時、ビームスプリッティング表面1040および1052で互いに干渉する。ビームスプリッティング表面1040、1050、および1052は、ビームスプリッティング表面1040、1050、および1052での干渉時に波面の歪みまたは広がりに適合するのに十分な表面積を有する。出力ビーム1030、1032、および1034は、1036、1038、および1039の相対位相シフトでビーム1010および1020を組み合わせた状態で三方向ビームスプリッターから送出される。これにより異なる強度のビーム1030、1032、および103が得られ、これらは、波面1012および1022のインタクトな干渉形であり、ディテクターの画像平面に伝搬する。
【0041】
図12は、本発明の実施形態に係る、四位相干渉顕微鏡観察システムのシステムブロック図を示している。図13は、図12の4つのディテクターで検出される放射光の強度のグラフを示している。図8〜12は、三位相もしくは四位相の干渉顕微鏡観察システムを有する実施形態を示しているが、四位相よりも多くの位相を有するシステム、たとえば、五位相干渉顕微鏡観察システム、六位相干渉顕微鏡観察システムなども可能である。
【0042】
二位相干渉顕微鏡観察システムでは、たとえば、図2に示される50:50ビームスプリッター250のようなビームスプリッターを使用することが可能であるが、二位相よりも多くの位相を有する顕微鏡観察システム用のビームスプリッター(たとえば、図8に示されるもの)を多種多様な方法で具現化することが可能である。たとえば、図8に示されるように、ビームスプリッターは、複数の素子、すなわち、2つの50:50ビームスプリッター、66:33ビームスプリッター、およびミラーを含みうる。こうしたビームスプリッター素子は、たとえば、光学ベンチ上に手動で定置することが可能である。他の選択肢として、こうしたビームスプリッター素子を作製して1対の光学平面間に配設することが可能であり、そのようなビームスプリッター素子の位置を、たとえば、圧電トランスデューサーによる調整することが可能である。そのような調整を行えば、3本のレッグの位相シフトを2π/3だけ離間させたりまたはN本のレッグの実施形態の場合には2π/Nだけ離間させたりすることを保証できるようになり、しかも、スプリッティング平面の平行性を確保することも保証できるようになる。三方向ビームスプリッターの他の選択肢の実施形態を図8Aに示す。
【0043】
図8Bは、本発明のさらに他の実施形態に係る、八方向ビームスプリッターのシステムブロック図を示している。図8Bに示されるように、ビームスプリッターは、複数のビームスプリッター素子を含む。それらはいずれも、破線で表されている。図8Bは、8本の出力ビームを生成する16個のビームスプリッター素子を有するビームスプリッターを明示的に示しているが、当然のことながら、N本の出力ビームを生成するより多数もしくはより少数のビームスプリッター素子の場合にもこの基本構造に従うことが可能である。こうしたビームスプリッター素子は、0〜100%の範囲内の反射率を有しうる。透過率は公称でありうる。ビームスプリッター素子の表面が実質的に互いに平行である場合、ビームの実質的に全部(またはビームの一部)(直径Dを有する)は、元の入力ビームAおよびBの反射ビーム部分またはそれらからスプリットされた他のビーム部分にコヒーレントに干渉可能である。ビームスプリッター素子の表面は、実質的に平行でありうる。たとえば、それぞれ、<λ/Dの角度の範囲内である。また、ビームスプリッター素子は、入力ビームのコヒーレンス長λ/(nΔλ)の範囲内で等しく離間される。ただし、λは波長であり、Δλは波長の範囲であり、かつnは媒体の屈折率である。この隔間により、干渉は、対象のビーム波長範囲dlにわたり実質的にコヒーレントであることが保証される。入力ビームAおよびBは、A−Bがビームスプリッターの平面に対して法線方向のベクトルになるように方向ベクトルを有してビームスプリッターに入る。両入力ビームは、第1のビームスプリッター素子上の同一点に向けられる。ビームスプリッターが平行平面構造であれば、ある範囲内のビーム角で自己干渉が可能になり、このビーム角範囲は、たとえば、いわゆるCCDディテクター(図8Bには示されていない)の画像平面上に集束する前のビームの平行部分の画像に関連付けられる角度範囲に対応しうる。いくつかの実施形態では、1本だけの入力ビーム(たとえば入力ビームAまたは入力ビームB)が適用される場合、N本の出力ビーム(図8Bはn=8の場合を示す)に実質的に等しくスプリットされることが保証されるように、各ビームスプリッター素子の反射率およびビームスプリッター素子間の微細間隔(コヒーレンス長未満であるが干渉角を制御するのに十分である)を変化させることが可能である。さらには、いくつかの実施形態では、入力ビームAと入力ビームBとの間の干渉角を360度/Nの異なる間隔に設定することが可能である。したがって、N=8である図8Bに示される例では、45度、90度、135度の間隔に設定することが可能である。
【0044】
以上に述べたように、いくつかの実施形態では、1つ以上のビームスプリッターは、薄膜コーティングを有するビームスプリッターの代わりに回折グレーティングに基づくものでありうる。たとえば、図14は、本発明の実施形態に係る、回折グレーティングを有する四位相干渉顕微鏡システムのシステムブロック図を示している。この実施形態では、ビームスプリッター1450は、回折グレーティング1451〜1454と、ミラー1462および1464と、位相シフター1472および1474と、を含む。回折グレーティング1451および1452は、それぞれ、ミラー1434および1444から光エネルギーを受け取る。回折グレーティング1451は、受け取った光エネルギーを分割し、分割部分をミラー1462および位相シフター1472に伝送する。回折グレーティング1452は、受け取った光エネルギーを分割し、分割部分をミラー1464および位相シフター1472に伝送する。回折グレーティング1453は、ミラー1462および位相シフター1474から光エネルギーを受け取って混合し、混合された光エネルギーを分割し、各分割部分を異なるディテクターに伝送する。同様に、回折グレーティング1454は、ミラー1464および位相シフター1472から光エネルギーを受け取って混合し、混合された光エネルギーを分割し、各分割部分を異なるディテクターに伝送する。図15は、他の実施形態に係る、回折グレーティングを有する六位相干渉顕微鏡システムのシステムブロック図を示している。
【0045】
いくつかの実施形態では、スイッチャブル光源から放出された光エネルギーへの特定の光エネルギーの寄与を低減または防止するために、分光フィルター(たとえば、帯域幅フィルター、ローパスフィルター、またはハイパスフィルター)を光路中に配設することが可能である。たとえば、光路内の迷光およびノイズならびにディテクターに向かう伝搬を低減するために、光活性化時および/または光励起時に使用される光エネルギーを光路から除去することが可能である。
【0046】
いくつかの実施形態では、光路に沿った1つ以上のサンプル、対物レンズ、ミラー、光学素子、ビームスプリッター、レンズ、分光フィルター、および他の要素を、圧電アクチュエーターなどの多軸ポジショナーに個別に結合させることが可能である。そのような多軸ポジショナーを用いれば、自動もしくは非自動の校正および定置が可能になる。このほかに、そのような多軸ポジショナーを用いれば、定置および校正に関してマニュアル法よりも精度および確度を改良することが可能である。
【0047】
干渉計システムの構成時ならびにその定置およびアライメントのためのガイドとして、2つの入力ビーム経路中に組み込まれたシャッターを有することが有用なこともある。これにより、各経路からの画像を独立して観測し、各経路が最適に焦点調整されていることを確認することが可能である。さらには、2つの部分の画像を観測できるので、両ビームに対してシャッターを開いた時に最適な干渉で重畳されるように、一方の画像を他方の画像に対して移動させることが可能である。
【0048】
二位相よりも多い位相を有する他の選択肢の実施形態では、感度は位相不変でありうる。それに加えて、一意的な動作範囲をλ/2まで拡張することが可能である。変位が大きくなると、λ/2を法とする位置あいまい性を生じるであろう。これは、たとえば、空間領域および時間領域の両方でまたはサンプルのセクション化で選択的照射(励起または活性化)を行うなどの追加の技術を用いて、除去可能である。そのような実施形態では、たとえば、三位相もしくは四位相の干渉計測を行う実施形態では、サンプルの測定部分の位置は、以下の強度により決定される。
ij=G×(AUi+ALi+2×β×AUi×ALi×cos(φ+φ)+Ofs
式中、j=0、1、2、…は、多位相干渉計のレッグを表す、
=点光源のjレッグの強度、オフセット補正なし、
β=j番目のレッグの干渉補正係数、
=j番目のレッグのゲイン、
Ofs=j番目のレッグのオフセット、
Ui=i番目の点光源の振幅、上側対物レンズ、
Li=i番目の点光源の振幅、下側対物レンズ、
φ=j番目のレッグの位相シフト、および
φ=点光源(すなわち蛍光分子)の位相。
【0049】
暗校正AUi=ALi=0を行ってj番目のディテクターからの暗信号を決定するが可能にする。
oj=G×Ofs
ij=G×(AUi+ALi+2×β×AUi×ALi×cos(φ+φ)+Ofs) 全振幅:ATi=AUi+ALi
【0050】
再スケール調整された干渉部分:
=2×AUi×ALi/ATi
【0051】
したがって、これらの変数を用いれば、強度は以下のようになる。
ij=Ioj+G×ATi(1+β×X×cos(φ+φ))
【0052】
zに沿って基準光源をδだけ移動させた時の校正を用いて、残りの装置パラメーターG、β、およびφを決定することが可能である。これにより、位相φ(z)が約4×π/(nλ)δ(z)だけ回転されている三位相の場合、各レッグ中で図7に類似して振動する強度信号が得られるであろう。ここで、nは、シフト経路長を有する媒体(たとえば液浸油)の屈折率である。
【0053】
次に、そのような一群の校正データへのあてはめを行えば、参照基準で発光基準の干渉部分Xおよびその強度ATi=Iを用いて各レッグjに対して以下の式が決定されるであろう。この時点で、装置パラメーターG、β、およびφが決定される。そのような校正は、位相シフト値が正確に120度(3本のレッグ)または2π/N(N本のレッグ)でない場合に有用でありうる。
fj(z)=Ioj+G×I(1+β×X×cos(φ(z)+φ))。
【0054】
、βは、基準単位に規格化することにより定義可能である。
=1かつX=1かつα=ATi/I
ij=Ioj+G×ATi(1+β×X×cos(φ+φ))
ij=(Iij−Ioj)/(G×I) 再スケール調整された強度データ
ij=α×(1+β×X×cos(φ+φ))
【0055】
図26は、本発明の実施形態に係る、自動校正法を用いる多位相干渉顕微鏡システム用の校正プロセス2600のフロー図を示している。2610では、サブ回折基準などの発光体をz平面内の種々の位置で画像化して画像フレームシーケンスを生成する。2610でのこのプロセスは、サブプロセス2611および2612を含み、サブプロセスをz平面内の種々の位置に対して反復して画像フレームシーケンスを生成する。2611では、干渉顕微鏡システム中の各ディテクターで発光体の画像を取り込む。各ディテクターで取り込まれた画像フレームは、他のディテクターで取り込まれた画像フレーム中の情報に対して位相シフトされた位相関連特性(たとえば、j番目のディテクターのφβ)を含む。2612で発光体のz位置をインクリメントし、2611をN回反復して画像フレームシーケンスを生成する。画像フレームシーケンス中の各画像フレームは、発光体の発光分布に関連するx,y平面内の光エネルギー強度に基づく。
【0056】
2621では、発光体の発光分布を所定の分布にあてはめてx,y平面内の発光体発光分布を位置特定する。たとえば、特定の発光体は、ガウス分布に正確にあてはめることが可能な発光分布を有する。そのようなガウス分布により、たとえば、発光体の画像の点広がり関数の尤度を表すことが可能である。2622では、画像フレーム中に組み込まれた基準を用いてドリフトに関して画像フレームを補正する。次に、2623でドリフト補正フレームを変換して、x,y平面内の画像フレーム中に基準をアライメントした変換フレームを生成する。
【0057】
2624では、z平面内の各位置に対して各イメージディテクターで取り込まれた画像フレームを和分して和分画像を生成する。和分画像は、各ディテクターにより取り込まれた位相シフト画像フレームの合成体である。2625では、和分画像を所定の分布にあてはめてx,y平面内の発光体の中心を決定する。
【0058】
2626で変換フレームをガウス分布のような所定の分布にあてはめ、そして2625で決定されたx,y平面内の発光体の中心で各フレーム中の発光体発光分布の振幅を測定する。発光体の中心は、たとえば、発光体の位置の尤度を表すガウス分布(たとえば、三次元分布)の図心に基づきうる。2627では、発光体発光分布の振幅を2624で決定された和に規格化する。各画像に対して2627で決定された規格化振幅および関連z位置を2628で記録する。たとえば、各フレームに対する規格化振幅および関連z位置をルックアップテーブル内に記憶するかまたは上述の式によりパラメーター化してφおよびβを決定することが可能である。
【0059】
以下の式は、干渉顕微鏡観察システムにより収集された強度データから光源の変位δ(すなわち、サンプルの相対z座標位置)を決定しうることを説明するものである。
【0060】
校正が終了した後、データをスケール調整することが可能であり、その場合、干渉計の各出力ビームに対する値βおよびφもわかる。j個の式:
ij=α×(1+β×X×cos(φ(z)+φ))
を用いて軸方向に沿った発光体の位置を決定することが可能である。したがって、i番目の分子の強度に関する3つ以上のデータ値Di0、Di1、Di2、…から、3つの未知の値:α、X、および(最も興味深い)φ(z)を決定するための3つ以上の式が得られる。3つの位相だけが存在する場合、3つの式からこれらの3つの未知量の一意解が得られるであろう。この値、特にφの値は、たとえば、ニュートン法により解くことが可能である。
【0061】
3つの位相よりも多くの位相が存在する場合、4つ以上の式から3つの未知の値を決定することが可能であり、連立方程式は制約過剰である。その場合、未知量の最良値は、χ最小化法を用いて決定可能である。次式の誤差を最小化することによる。
χ=Σ[Dij−α(1+βcos(φ+φ))]
【0062】
十分にバランスのとれた干渉計システム(カメラ間位相シフト増分および均等化ゲインおよび均等化干渉効率を意味する)の近似として、次式により与えられるφの最良値を得ることが可能である。
tan(φ)≒−Σijsin(φ)/Σijcos(φ
【0063】
i番目の発光体の位相φがわかった後、z軸に沿った垂直方向位置δを次式により第一近似で推定することが可能である。nがサンプル環境の屈折率であることに留意されたい。
δ≒λ×φ/(4πn)=λ/(4πn)×atan(Σijsin(φ)/Σijcos(φ))
【0064】
変位δについて解いたこの最後の式は、強度データから位相シフトを記述する。言い換えれば、この最後の式は、干渉顕微鏡システムの各レッグに対するディテクターで検出された強度データに基づいてどのように変位δを計算するかを示している。たとえば、三位相干渉顕微鏡システムでは、(φ)≒−2π/3、0、2π/3である。四位相干渉顕微鏡では、(φ)≒0、π/2、π、3π/2である。
【0065】
変位δを計算するための以上の式は、種々の仮定に基づいていることに留意されたい。他の選択肢の実施形態では、他の仮定を用いて、変位δを計算するための1つ以上の代替手段を得ることが可能である。たとえば、高次の補正を実数部から計算することが可能であり、これにより、各干渉計レッグのN位相が等間隔で離間されるかまたは干渉計レッグの感度が等しいという近似が取り除かれる。他の選択肢の実施形態は、バランスがとれていない強度感度および位相混合角を校正および補正するための手段を提供するさらなる精密化を含みうる。
【0066】
要約すると、N位相干渉計のN個のスポット強度は、垂直方向位置変位δに変換可能なデータDになる。
【0067】
φは周期解であるので、全2πに対して、一意的に決定可能な範囲は、λ/2nにわたる。これより厚いサンプルでは、δを決定するうえで、整数Nに対して±Nλ/2nだけあいまい性が存在する。測定される点広がり関数および干渉効率のような他の属性を用いて、可能性が最も高いNを見いだしたりまたは多値解の最良値を選択したりすることが可能である。事実上、デフォーカスの範囲は、発光体が位置する場所でλ/2n以内で推定するための代替的でそれほど精密ではないが適切な方法である。これを干渉計測により推定された位置と組み合わせることにより、発光体の一意的な垂直方向位置を得ることが可能である。垂直方向位置を推定する際のさらなる検討対象の一つは、ほぼRayleigh長の距離zにわたり焦点でπだけ余分に前進させる余分項であるGouy位相を考慮することである。この場合、δは、次式を解くことにより与えられる。
φ≒4πδ/(nλ)+atan(δ/z)。
【0068】
図27は、本発明の実施形態に係る、多位相干渉顕微鏡システム内の光活性サンプルの三次元位置情報を取得するためのプロセスのフロー図を示している。2710では、サブ回折基準などの種々のスイッチャブル光源を画像化させて画像フレームシーケンスを生成する。2710でのこのプロセスは、サブプロセス2711および2712を含み、サブプロセスをz平面内の種々の位置に対して反復して画像フレームシーケンスを生成する。2711では、スイッチャブル光源を活性化および励起する。2712では、干渉顕微鏡システム中の各ディテクターで画像フレームを取り込んで、2711をN回反復して画像フレームシーケンスを生成する。各ディテクターで取り込まれた画像フレームは、他のディテクターで取り込まれた画像フレーム中の情報に対して位相シフトされた位相関連特性を含む。画像フレームは、スイッチャブル光源の発光分布に関連するx,y平面内の光エネルギー強度に基づく。
【0069】
2721では、スイッチャブル光源の発光分布を所定の分布にあてはめてx,y平面内のスイッチャブル光源の発光分布を位置特定する。たとえば、特定のスイッチャブル光源は、ガウス分布に正確にあてはめうる発光分布を有する。そのようなガウス分布は、たとえば、発光体の画像の点広がり関数を表すことが可能である。2722では、画像フレーム中に組み込まれた基準を用いてドリフトに関して画像フレームを補正する。次に、ドリフト補正フレームを2723で変換して、x,y平面内の画像フレームシーケンスの画像フレーム中に基準をアライメントした変換フレームを生成する。
【0070】
2724では、z平面内の各位置に対して各イメージディテクターで取り込まれた画像フレームを和分して和分画像を生成する。和分画像は、各ディテクターにより取り込まれた位相シフト画像フレームの合成体である。2725では、和分画像を所定の分布にあてはめてx,y平面内のスイッチャブル光源の中心を決定する。
【0071】
変換フレームを2726でガウス分布のような所定の分布にあてはめ、2725で決定されたx,y平面内のスイッチャブル光源の中心で、各フレーム中のスイッチャブル光源の発光分布の振幅を測定する。発光体の中心は、たとえば、発光体の位置の尤度を表すガウス分布の図心に基づきうる。2727では、スイッチャブル光源の発光分布の振幅を2724で決定された和に規格化する。2728では、以上の工程2528で記録された校正データと相関付けることにより、2727で決定された規格化振幅を用いてスイッチャブル光源のz平面座標を取得する。そのような校正データは、たとえば、ルックアップテーブルに記憶可能である。z平面座標は、たとえば、次式で表される最小χを決定することにより規格化振幅に基づいて計算可能である。
[CA(z)−PA+[CA(z)−PA+[CA(z)−PA+...+[CA(z)−PA
式中、N=システム中のディテクターの数であり、
CA(z)=z平面内の特定のサンプル位置に対して校正時に決定されたディテクターにおける規格化ピーク光エネルギー強度振幅であり、
PA=現在のPALM画像フレームから決定されたディテクターにおける規格化ピーク光エネルギー強度振幅である。
【0072】
他の実施形態では、干渉顕微鏡観察システムは、第3の次元zによって異なる経路長差をさらに生成する発光ビームの異なる部分を使用しうる。そのような他の選択肢の実施形態について図16〜22に関連させて論述する。より詳細には、図16は、2つの異なる潜在位置の単一量子発光体の概念図を示しており、図17および18は、単一の対物レンズを有する三位相干渉顕微鏡観察システムのシステムブロック図の例を示しており、図19〜21は、図18のアニュラーエキスパンダーの例を示しており、図22は、図17の3つのディテクターで検出される放射光の強度のグラフを示している。これらの図について以下で論述する。
【0073】
図16は、2つの可能な位置の単一量子発光体の例を示している。そのような量子発光体は、たとえば、蛍光分子、量子ドット、またはサブ波長散乱中心でありうる。放射光子(波長λ)は、図17に示される対物レンズから離れる上方向および図17に示される対物レンズ中に入る下方向などの全方向に伝搬するであろう。対物レンズ中に伝搬する放射光子のエネルギー部分は、ほぼ等しい強度の2つの平行ビーム、すなわち、「B」と記された内側円柱状ビームおよび「C」と記された外側環状ビーム標識化とみなしうる。内側ビーム部分Bおよび外側ビーム部分Cのサイズは、それらの強度が実質的に等しくなるように選択可能であり、そのような実質的に等しい強度は、ビームの非線形強度プロファイルに基づいて異なるビーム部分領域に対応する(たとえば、ビームエネルギーのピークは、ビームの縁に向かって減少する強度を有するビームの中心にある)。たとえば、「B」と記された内側ビーム部分は、全ビーム半径のほぼ1/3に等しい半径を有しうる。「C」と記された外側ビーム部分は、内側ビーム部分「B」の半径に対応する内半径と全ビームの半径に対応する外半径とを有しうる。
【0074】
サンプルが正確に焦点が合っている場合、これらのビーム部分は、一致して同位相である(図16の左側に示されるように)。しかしながら、発光体の位置変位Δzが存在する場合(図16の右側に示されるように)、位相ビーム部分BおよびCは、それぞれ、ΔinnerおよびΔouterだけ変位する。ただし、ΔinnerはΔzに等しく、ΔouterはΔz×cos(θ)に等しい。位相ビーム部分BおよびCのこの変位は、外側ビーム部分Cのほうが少ない光路変化を受けてcos(θ)倍になるという事実に基づく。ただし、θは、発光体からの光線の初期円錐角である。したがって、2つのビーム間の位相シフト差が残り、これは次の値に等しい。
δ=2π(Δinner−Δouter)/λ=Δz×(1−cos(θ))×2πn/(λ)。
【0075】
位相が360度にわたり増加し反復するz範囲は、λ/(n(1−cos(θ))である。この単一対物レンズの実施形態に対するこのz範囲は、図1〜11に関連して以上で述べた対向する対物レンズの実施形態のz範囲よりも長い。発光体の周りの光学環境の屈折率nは、位相シフトを再スケール調整する。単一対物レンズシステムの実施形態については、図17〜20に関連して以下でより詳細に論述する。
【0076】
図17は、単一の対物レンズを有する三位相干渉顕微鏡観察システムのシステムブロック図の例を示している。図18は、図17に示されるビームスプリッター/アニュラーリバーサーシステムのシステムブロック図の例を示している。図17に示されるように、干渉顕微鏡観察システムは、対物レンズ1730と、ミラー1744と、ビームスプリッター/アニュラーリバーサーシステム1740と、ミラー1756と、ビームスプリッター1754、1755、および1758と、レンズ1760、1770、および1780と、ディテクター1765、1775、および1785と、を含む。図18に示されるように、ビームスプリッター/アニュラーリバーサーシステム1740は、ビームスプリッター1741と、ミラー1742〜1747と、アニュラーエキスパンダー1748と、アニュラーリデューサー1749と、を含む。
【0077】
アニュラーエキスパンダー1748は、所与の半径を有する光を受光して光の半径を拡大する任意のタイプのデバイスでありうる。たとえば、アニュラーエキスパンダー1748は、ミラー1742からの光の内側円柱状ビームを受光することが可能であり(断面形状は、図17を参照して論述された内側ビーム「B」に類似している)、より大きい外径を有する環形状を有する光を生成することが可能である(たとえば、断面形状は、図17を参照して論述された外側ビーム「C」に類似している)。同様に、アニュラーリデューサー1749は、所与の半径を有する光を受光して光の半径を縮小する任意のタイプのデバイスでありうる。たとえば、アニュラーリデューサー1749は、ミラー1742からの光の外側環状ビームを受光することが可能であり(断面形状は、図17を参照して論述された外側ビーム「C」に類似している)、より小さい内径を有する内側円柱形状(またはより小さい環形状)を有する光を生成することが可能である(たとえば、断面形状は、図17を参照して論述された内側ビーム「B」に類似している)。
【0078】
図19〜21は、図18に示されるアニュラーエキスパンダーの例を示している。より詳細には、図19は、図18に示されるアニュラーエキスパンダーの断面図を示しており、図20は、図18に示されるアニュラーエキスパンダーの端面図を示しており、そして図21は、図18に示されるアニュラーエキスパンダーの6つのプリズム素子のうちの3つの斜視図を示している。図19〜21に示されるように、アニュラーエキスパンダー1748は、アニュラーエキスパンダー1748の中心線の近傍に離間して配置された6つのプリズム1748a〜1748fを有する。ただし、6つのプリズム1748a〜1748fの一方の端は、6つのプリズム1748a〜1748fの他方の端によりまとめて画定される環状多面表面のサイズとは異なるサイズを有する環状多面表面をまとめて画定する。図19に示されるように、光は、より小さい環状多面表面を画定するプリズム1748a〜1748fの端に入り、そしてより大きい環状多面表面を画定するプリズム1748a〜1748fの端から出る。図20は、より大きい環状多面表面から、より小さい環状多面表面に向かって、ページ中の方向に見たアニュラーエキスパンダー1748の端面図を示している。明示的に示されていないが、アニュラーリデューサー1749は、アニュラーエキスパンダー1748と同様に構成される。ただし、光は、より小さい環状多面表面を画定するプリズムの端に入り、そしてより大きい環状多面表面を画定するプリズムの端から出る。
【0079】
次に、図17および18に戻って、システムを介して伝搬する光を参照しながら、三位相干渉顕微鏡観察システムについて説明する。図17に示されるように、エネルギーは、サンプル(図17中で「S」と記される)から放射され、そしてミラー1744によりビームスプリッター/アニュラーリバーサーシステム1740の方向に反射される。ビームスプリッター/アニュラーリバーサーシステム1740の50:50ビームスプリッター1741(図17に示される)は、光の一部をミラー1742に伝送し、光の残りの部分をミラー1743に伝送する。光を2つのビーム部分に分離するために、ミラー1742は、外側ビーム部分Cをミラー1745の方向に反射するとともに、内側ビーム部分のビームBをミラー1744の方向に反射する。ミラー1745および1744は、それぞれ、外側ビーム部分Cおよび内側ビーム部分Bを、それぞれ、アニュラーエキスパンダー1748およびアニュラーリデューサー1749の方向に反射する。アニュラーエキスパンダー1748は、受光した光をミラー1746の方向に拡大し、このミラーは、拡大された光をビームスプリッター1754の方向に反射する(図17に示される)。同様に、アニュラーリデューサー1749は、その受光した光の半径をミラー1747の方向に縮小し、このミラーは、縮小された光を50:50ビームスプリッター1754の方向に反射する。
【0080】
50:50ビームスプリッター1754は、ミラー1746および1747から受光した光の半分を66:33ビームスプリッター1755の方向に反射し、光の残りの半分をミラー1756に伝送する。50:50ビームスプリッター1754も同様に、ミラー1743からの受光した光の半分をミラー1756の方向に反射し、光の残りの半分を66:33ビームスプリッター1755に伝送する。66:33ビームスプリッター1755は、受光したビームの33%を50:50ビームスプリッター1758の方向に反射し、受光したビームの残りの66%をレンズ1760の方向に伝送する。ミラー1756は、受光したビームを50:50ビームスプリッター1758の方向に反射するとともに余分の位相シフトを追加する。50:50ビームスプリッター1758は、ミラー1756から受光したビームの50%をレンズ1780の方向に反射し、ミラー1756から受光したビームの50%をレンズ1770の方向に伝送する。50:50ビームスプリッター1758も同様に、66:33ビームスプリッター1755から受光したビームの50%をレンズ1770の方向に反射し、66:33ビームスプリッター1755から受光したビームの50%をレンズ1780の方向に伝送する。
【0081】
光路長に差が存在するように、50:50ビームスプリッター1754および1758、ミラー1756、ならびに66:33ビームスプリッター1755を配置しうることに留意されたい。より詳細には、50:50ビームスプリッター1754および1758ならびに66:33ビームスプリッター1755の間の光路距離xは、50:50ビームスプリッター1754および1758ならびにミラー1756の間の距離x+δbeamsplitterよりも短くすることが可能である。たとえば、2つの距離間の光路差δbeamsplitterを波長λの1/8になるように選択することが可能でありかつ波長λが580nmであると仮定すると、2つの距離間の差δbeamsplitterは、72nmに選択可能である。
【0082】
レンズ1760に伝送されたビーム、レンズ1770に伝送されたビーム、およびレンズ1780に伝送されたビームは、それぞれ、実質的に等しい振幅を有する。レンズ1760、1770、および1780は、それぞれ、それぞれのビームをディテクター1765、1775、および1785に集束させる。3つのディテクター1765、1775および1785のそれぞれでの発光画像の強度は、位相/z位置の関数として変化する。なぜなら、3つのディテクター1765、1775、および1785間の相対強度は、約120度の位相シフトを有するからである。図22は、図17に示される3つのディテクターで検出される放射光の強度のグラフを示している。3つのディテクター1765、1775、および1785により検出される強度をモニタリングすることにより、内側ビーム部分Bおよび外側ビーム部分Cの間の初期オフセットの位相シフトは、図1〜11に関連して先に記載したように推定可能である。
【0083】
この位相シフトδを用いて発光体のz位置を計算することが可能である。
Δz=δλ/(n(1−cos(θ))。
【0084】
いくつかの実施形態では、校正技術を用いて、ディテクターのバランスがとれていない強度感度および位相混合角を補正することが可能である。図17〜22に示される実施形態は、約120度の位相シフトを有する3つのディテクターに対して記述したものであるが、異なる数のディテクターを有する他の実施形態が可能である。さらに他の実施形態では、画像化スポット形状を用いて、いかなる周期的あいまい性または位置あいまい性をも解消することが可能である。他の選択肢として、位置計算用の追加情報として画像化スポット形状を使用することが可能である。
【0085】
図23〜25は、本発明の他の実施形態に係る、アニュラーエキスパンダーの例を示している。より詳細には、図23は、アニュラーエキスパンダーの端面図を示しており、図24は、ラインXX−XXに沿った図23のアニュラーエキスパンダーの断面図を示しており、図25は、ラインXXI−XXIに沿った図23のアニュラーエキスパンダーの断面図を示している。図23〜25に示されるように、アニュラーエキスパンダー2300は、6つのプリズム2310a〜2310fと、6つのミラー2320a〜2320fと、6つのミラー2330a〜2330fと、を有する。プリズム2310a〜2310fは、アニュラーエキスパンダー2300の中心線の近傍に離間して配置される。ただし、6つのプリズムの一方の端は、6つのプリズムの他方の端によりまとめて画定される環状表面のサイズとは異なるサイズを有する環状表面をまとめて画定する。ミラー2320a〜2320fは、アニュラーエキスパンダー2300の中心線の近傍にかつ6つのプリズム2310a〜2310fにより画定される内側中央部分内に配置される。ミラー2330a〜2330fは、アニュラーエキスパンダー2300の中心線の近傍にかつ隣接プリズム2310a〜2310f間の間隙により画定される外側部分の近傍に配置される。
【0086】
図24に示されるように、各プリズム2310は、入射面2310’および出射面2310”を含む。入射面2310’は、出射面2310”に平行であり、かつそれよりも小さい内半径および外半径を有する。各プリズム2310はまた、全内部反射(TIR)の条件が満たされるように、入射面2310’および出射面2310”に対して角度を付けた2つの側壁2310’’’および2310’’’を含む。したがって、光は、入射面2310’で各プリズム2310に入り、側壁2310’’’でTIRによる反射および側壁2310””でTIRによる反射を受け、次に、出射面2310”から出る。このようにすれば、アニュラーエキスパンダー2300を出る時に入射光の半径を拡大することが可能になる。
【0087】
図25に示されるように、ミラー2320a〜2320fは、それぞれ、アニュラーエキスパンダー2300の中心線に沿ってかつその近傍でミラー2330a〜2330fの方向に外向きに光を反射する。ミラー2330a〜2330fは、隣接プリズム2310a〜2310fにより画定される間隙間に受光した光を反射する。たとえば、ミラー2320aは、アニュラーエキスパンダー2300の中心線の近傍で光の一部をミラー2330aの方向に反射し、ミラー2330aは、プリズム2310aおよびプリズム2310bとの間に画定された間隙間にこの光を反射する。全体として、これにより光の中央部分を拡大して、増大されたスループットを提供することが可能になる。
【0088】
明示的に示されていないが、アニュラーリデューサーは、アニュラーエキスパンダー2310と同様に構成することが可能である。ただし、光は、より大きい環状表面を画定するプリズムの端に入り、より小さい環状表面を画定するプリズムの端から出る。図19〜20および23〜25に示される実施形態は、特定の屈折素子および/または反射素子を用いて示されているが、他の実施形態および配置、たとえば、回折素子またはそれらの任意の組合せを有する実施形態も可能である。
【0089】
いくつかの実施形態は、プロセッサーと、種々のプロセッサー実行操作を行うための命令またはコンピューターコードを有する関連プロセッサー可読媒体と、を含む。そのようなプロセッサーは、内蔵マイクロプロセッサー、コンピューターシステムの一部としてのマイクロプロセッサー、特定用途向け集積回路(「ASIC」)、およびプログラマブルロジックデバイス(「PLD」)のようなハードウェアモジュールとして実装可能である。そのようなプロセッサーはまた、Java(登録商標)、C++、C、アセンブラーのようなプログラミング言語、ハードウェア記述言語、または任意の他の好適なプログラミング言語で記述された1つ以上のソフトウェアモジュールとして実装することも可能である。いくつかの実施形態に係るプロセッサーは、1つもしくは複数の特定目的のために特別に設計および構成された媒体およびコンピューターコード(コードと呼ばれることもある)を含む。プロセッサー可読媒体の例としては、次のものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。磁気記憶媒体、たとえば、ハードディスク、フロッピーディスク(登録商標)、および磁気テープ、光記憶媒体、たとえば、コンパクトディスク/ディジタルビデオディスク(「CD/DVD」)、コンパクトディスクリードオンリーメモリー(「CD−ROM」)、およびホログラフィックデバイス、光磁気記憶媒体、たとえば、フロッピーディスク(登録商標)ならびにリードオンリーメモリー(「ROM」)デバイスおよびランダムアクセスメモリー(「RAM」)デバイス。コンピューターコードの例としては、マイクロコードまたはマイクロ命令、機械命令、たとえば、コンパイラーにより生成されるもの、およびインタープリターを用いてコンピューターにより実行されるより高レベルの命令を含有するファイルが挙げられるが、これらに限定されるものではない。たとえば、本発明の実施形態は、Java(登録商標)、C++、または他のオブジェクト指向型プログラミング言語、および開発ツールを用いて実施可能である。コンピューターコードのそのほかの例としては、制御信号、暗号化コード、および圧縮コードが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0090】
特定の実施形態を以上に示して説明してきたが、形態および細部にさまざまな変更を加えうることは、当業者であればわかるであろう。たとえば、照明技術の変更が可能であり、それにより強度データのモジュロλ/2周期性を改良することが可能である。それに加えて、Betzig参考文献に記載の種々の実施形態を本明細書に記載の種々の実施形態と組み合わせることが可能である。たとえば、一実施形態では、トップ/ボトムTIRF照明を行って、一波長λまでの厚さを有するサンプルを測定することが可能である。他の選択肢の実施形態では、短パルスのコヒーレント再位相調整により照明平面を形成することが可能である。さらに他の実施形態では、サンプルの種々の高さのz座標でガウシアンウエストを形成する側方照明により、物理的セクション化に頼ることなくz座標方向の範囲をさらに拡張することが可能である。したがって、当然のことながら、本明細書に記載のシステムは、さまざまな記載の実施形態の素子および/または特徴部のさまざまな組合せおよび/または部分的組合せを含みうる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のディテクターを有する光学システムであって、光源の第1の方向の発光と光源の第2の方向の発光との干渉に基づいて、第1の次元および第1の次元に実質的に直交する第2の次元で、前記光源の複数の画像を生成するように構成され、前記第2の方向は前記第1の方向とは異なり、前記複数のディテクターの各ディテクターは、ある時間点で前記複数の画像の画像に一意的に関連付けられる光学システムと、
前記複数の画像に基づいて第3の次元で前記光源の位置を計算するように構成されたプロセッサーであって、前記第3の次元は、前記第1の次元および前記第2の次元に実質的に直交するプロセッサーと、
を含む、装置。
【請求項2】
前記プロセッサーが、前記光源に対応する少なくとも2つの画像の一部分間の振幅差に基づいて前記第3の次元で位置を計算するように構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記複数の画像が第1の画像および第2の画像を含み、前記第1の画像が、前記光源からの前記第1の方向の発光の第1の部分および前記光源からの前記第2の方向の発光の第1の部分に関連付けられ、前記第2の画像が、前記光源からの前記第1の方向の発光の第2の部分および前記光源からの前記第2の方向の発光の第2の部分に関連付けられ、
前記第1の方向の発光の前記第1の部分が、前記第1の方向の発光の前記第2の部分とは異なり、前記第2の方向の発光の前記第1の部分が、前記第2の方向の発光の前記第2の部分とは異なる、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記光学システムが、前記複数のディテクターの第1のディテクターに対して前記第1の方向の発光の前記第1の部分および前記第2の方向の発光の前記第2の部分をアライメントするように構成され、かつ
前記光学システムが、前記複数のディテクターの第2のディテクターに対して前記第1の方向の発光の前記第2の部分および前記第2の方向の発光の前記第1の部分をアライメントするように構成される、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記光学システムが、ビームスプリッターを含み、かつ前記複数の画像を生成するように構成され、前記複数の画像の各画像は、前記ビームスプリッターにおける前記第1の方向の発光の位相と、前記第1の方向の発光の前記位相に依存しない、前記ビームスプリッターにおける前記第2の方向の発光の位相と、に基づくものとする、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記光学システムが、
前記光源からの前記第1の方向の発光と前記光源からの前記第2の方向の発光とを干渉させて少なくとも2本の出力ビームを生成するように構成されたビームスプリッターデバイスと、
前記光源と前記ビームスプリッターデバイスとの間に第1の光路を画定するように構成された第1の光学素子と、
前記光源と前記ビームスプリッターデバイスとの間に第2の光路を画定するように構成された第2の光学素子と、
前記ビームスプリッターデバイスの少なくとも2本の出力ビームから光エネルギーを検出するように構成された少なくとも2つの光ディテクターと、
を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記光学システムが、前記光源と前記少なくとも2つの光ディテクターとの間の光路に沿って配設された少なくとも1つの分光フィルターを含み、前記少なくとも1つの分光フィルターが、帯域幅フィルター、ローパスフィルター、またはハイパスフィルターである、請求項2に記載の装置。
【請求項8】
前記光学システムが、
前記ビームスプリッターデバイス、前記第1の光学素子、前記第2の光学素子、または少なくとも2つの光ディテクターのうちの少なくとも1つに結合された多軸ポジショナー、
を含む、請求項2に記載の装置。
【請求項9】
前記光学システムが、
第1の位相を有する発光と第2の位相を有する発光とを干渉させて少なくとも3本の出力ビームを生成するように構成されたビームスプリッターデバイスと、
前記ビームスプリッターデバイスの少なくとも3本の出力ビームから光エネルギーを検出するように構成された少なくとも3つの光ディテクターと、
を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記複数のディテクターが第1の複数のディテクターであり、前記複数の画像が第1の複数の画像であり、前記光源が、ある波長を有する第1の光源であり、
前記光学システムが、第2の複数のディテクターと複数のダイクロイックフィルターとをさらに含み、構成された前記第2の複数のディテクターが、前記第1の光源の波長と異なる波長を有する第2の複数の画像を生成し、
前記複数のダイクロイックフィルターの各ダイクロイックフィルターが、前記第1の複数のディテクターのディテクターおよび前記第2の複数のディテクターのディテクターに一意的に関連付けられ、
前記複数のダイクロイックフィルターの各ダイクロイックフィルターが、第1の光源からの発光と第2の光源からの発光とを分離するように構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
ある時間点で光源から第1の位相を有する発光と第1の位相とは異なる第2の位相を有する発光とを受光して前記時間点に関連付けられた複数の画像を生成するように構成された光学システムと、
前記光学システムにより画定される回折限界未満の確度まで前記時間点での前記光源の三次元位置を計算するように構成されたプロセッサーと、
を含む、装置。
【請求項12】
前記光学システムが、ある方向から前記第1の位相を有する発光を受光しかつ前記第1の位相を有する発光の方向と異なる方向から前記第2の位相を有する発光を受光するように構成される、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記プロセッサーが、前記光源に対応する複数の画像の一部分間の振幅差に基づいて前記光源の三次元位置を計算するように構成される、請求項11に記載の装置。
【請求項14】
光源から複数の方向に放出される光エネルギーを干渉させて複数の出力ビームを生成する工程と、
前記複数の出力ビームの各出力ビームの強度に基づいて前記光源の三次元位置情報を決定する工程と、
を含む、方法。
【請求項15】
前記複数の方向の各方向からの光エネルギーが、前記複数の方向の少なくとも1つの異なる方向の光エネルギーの位相と異なる位相を有するように、前記光エネルギーを受け取る工程、
をさらに含み、
前記複数の出力ビームの各出力ビームが、前記複数のビームの残りの出力ビームの位相とは異なる位相を有する、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記複数の出力ビームに基づいて複数の画像を実質的に同時に検出する工程であって、前記複数の画像の各画像は、前記複数の出力ビームの出力ビームに一意的に基づく工程、
をさらに含み、
前記決定する工程が、前記複数の画像の各画像の強度に基づく、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
前記複数の出力ビームに基づいて複数の画像を実質的に同時に検出する工程であって、前記複数の画像の各画像は、前記複数の出力ビームの出力ビームに一意的に基づく工程、
をさらに含み、
前記決定する工程が、前記複数の画像内の前記光源の画像に対応する前記複数の画像の各画像の一部分の強度に基づいて三次元位置情報を計算する工程を含む、請求項14に記載の方法。
【請求項18】
前記光源がスイッチャブルである、請求項14に記載の方法。
【請求項19】
前記光源から放出される光エネルギーが一連の単一光子である、請求項14に記載の方法。
【請求項20】
前記光源がスイッチャブルであり、前記方法が、
前記干渉の前にスイッチャブル光源を活性化させる工程と、
前記スイッチャブル光源から放出される光エネルギーが、複数の方向の第1の方向および第2の方向に放出されるように、前記活性化の後かつ前記干渉の前に前記スイッチャブル光源を励起する工程と、
をさらに含む、請求項14に記載の方法。
【請求項21】
前記光源が点光源または準点光源である、請求項14に記載の方法。
【請求項22】
入力ビームスプリッターを有する光学素子と、前記光学素子内に配設された第1の出力ビームスプリッターおよび第2の出力ビームスプリッターとを含む装置であって、前記入力ビームスプリッターは、画像平面を有する画像に関連付けられた光信号を受け取るように構成され、前記第1の出力ビームスプリッターは、前記入力ビームスプリッターから受け取った光信号の一部分と前記第2の出力ビームスプリッターから受け取った光信号の一部分とを干渉させるように構成される、装置。
【請求項23】
前記入力ビームスプリッターが、第1の方向で受け取った光信号の第1の部分と、前記第1の方向とは異なる第2の方向で受け取った光信号の第2の部分と、を干渉させるように構成される、請求項22に記載の装置。
【請求項24】
前記入力ビームスプリッターが、第1の方向で受け取った光信号の第1の部分と、前記第1の方向とは異なる第2の方向で受け取った光信号の第2の部分と、を干渉させて第1のビームおよび第2のビームを生成するように構成され、
前記光学素子が、前記第1のビームを前記入力ビームスプリッターから前記第1の出力ビームスプリッターまで伝送するように構成され、
前記光学素子が、前記第2のビームを前記入力ビームスプリッターから前記第2の出力ビームスプリッターまで伝送するように構成される、請求項22に記載の装置。
【請求項25】
前記光学素子が、前記光信号に基づいて少なくとも3本の出力光ビームを出力するように構成され、前記少なくとも3本の出力光ビームのそれぞれの出力光ビームの振幅が、前記少なくとも3本の出力光ビームのそれぞれの残りの出力光ビームの振幅に実質的に等しい、請求項22に記載の装置。
【請求項26】
第1の入力光ビームおよび第2の入力光ビームを受け取るように構成された光学素子であって、複数の入力光ビームの前記第1の入力光ビームは、複数の入力光ビームの前記第2の入力光ビームの位相とは異なる位相を有し、前記第1の入力光ビームは画像平面を含み、かつ前記第2の入力光ビームは画像平面を含む光学素子、
を含む装置であって、
前記光学素子が、第1の出力光ビーム、第2の出力光ビーム、および第3の出力光ビームを伝送し、前記第1の出力光ビームが、前記第1の入力光ビームおよび前記第2の入力光ビームの一部分と、前記第1の入力光ビームおよび前記第2の入力光ビームの一部分間の位相差と、を含み、前記第2の出力光ビームが、前記第1の入力光ビームおよび前記第2の入力光ビームの一部分と、前記第1の入力光ビームおよび前記第2の入力光ビームの一部分間の位相差と、を含み、前記第3の出力光ビームが、前記第1の入力光ビームおよび前記第2の入力光ビームの一部分と、前記第1の入力光ビームおよび前記第2の入力光ビームの一部分間の位相差と、を含む、装置。
【請求項27】
前記光学素子が、入力ビームスプリッター、第1の出力ビームスプリッター、および第2の出力ビームスプリッターを含み、
前記入力ビームスプリッターが、複数の入力光ビームの少なくとも2本の入力光ビームを受け取るように構成され、
前記第1の出力ビームスプリッターが、前記少なくとも3本の出力光ビームの少なくとも1本の出力光ビームを伝送するように構成され、
前記第2の出力ビームスプリッターが、前記少なくとも3本の出力光ビームの少なくとも2本の出力光ビームを伝送するように構成される、請求項26に記載の装置。
【請求項28】
前記第1の出力ビームに関連付けられた位相差、前記第2の出力ビームに関連付けられた位相差、および前記第3の出力ビームに関連付けられた位相差が異なる、請求項26に記載の装置。
【請求項29】
第1の入力光ビームおよび第2の入力光ビームを受け取る工程であって、複数の入力光ビームの前記第1の入力光ビームは、複数の入力光ビームの前記第2の入力光ビームの位相とは異なる位相を有し、前記第1の入力光ビームは画像平面を含み、かつ前記第2の入力光ビームは画像平面を含む工程と、
前記第1の入力光ビームおよび前記第2の入力光ビームから、第1の出力光ビーム、第2の出力光ビーム、および第3の出力ビームを生成する工程であって、前記第1の出力光ビームは、前記第1の入力光ビームの第1の部分および前記第2の入力光ビームの第1の部分と、前記第1の入力光ビームの第1の部分および前記第2の入力光ビームの第1の部分の間の位相差と、を含み、前記第2の出力光ビームは、前記第1の入力光ビームの第2の部分および前記第2の入力光ビームの第2の部分と、前記第1の入力光ビームの第2の部分および前記第2の入力光ビームの第2の部分の間の位相差と、を含み、前記第3の出力光ビームは、前記第1の入力光ビームの第3の部分および前記第2の入力光ビームの第3の部分と、前記第1の入力光ビームの第3の部分および前記第2の入力光ビームの第3の部分の間の位相差と、を含む工程と、
を含む、方法。
【請求項30】
前記第1の入力光ビームの第1の部分および前記第2の入力光ビームの第1の部分の間の位相差が、前記第1の入力光ビームの第2の部分および前記第2の入力光ビームの第2の部分の間の位相差とは異なり、前記第1の入力光ビームの第1の部分および前記第2の入力光ビームの第1の部分の間の位相差が、前記第1の入力光ビームの第3の部分および前記第2の入力光ビームの第3の部分の間の位相差とは異なる、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記第1の入力光ビームの第1の部分および前記第2の入力光ビームの第1の部分の間の位相差、前記第1の入力光ビームの第2の部分および前記第2の入力光ビームの第2の部分の間の位相差、ならびに前記第1の入力光ビームの第3の部分および前記第2の入力光ビームの第3の部分の間の位相差に基づいて光源の位置を決定する工程、
をさらに含む、請求項29に記載の方法。
【請求項32】
z平面内の複数の所定位置で光源の位相シフト画像を逐次的に取得して複数の画像フレームシーケンスを形成する工程と、
前記複数の画像フレームシーケンスから、z平面内の前記光源の各所定位置に関連付けられる少なくとも1つの位相関連特性を決定する工程と、
前記少なくとも1つの位相関連特性およびz平面内の前記光源の所定位置を記憶する工程と、
を含む、方法。
【請求項33】
複数の画像フレームに基づいて、z平面内の光源の位置に関連付けられる少なくとも1つの位相関連特性を決定する工程と、
前記少なくとも1つの位相関連特性を、z平面内の光源の複数の所定位置に関連付けられる複数の位相関連特性と相関付けて、z平面内の光源の位置を特定する工程と、
を含む、方法。
【請求項34】
前記光源の複数の位相シフト発光を検出して複数の画像フレームを形成する工程と、
前記複数の画像フレームに基づいてx,y平面内の光源の位置を特定する工程と、
をさらに含む、請求項33に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【図7D】
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【図8】
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【図8A】
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【図8B】
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【図9】
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【図10】
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【図10A】
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【図10B】
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【図10C】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【公表番号】特表2010−515084(P2010−515084A)
【公表日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−543248(P2009−543248)
【出願日】平成19年12月21日(2007.12.21)
【国際出願番号】PCT/US2007/088488
【国際公開番号】WO2008/080032
【国際公開日】平成20年7月3日(2008.7.3)
【出願人】(502352427)ハワード ヒューズ メディカル インスティチュート (3)
【Fターム(参考)】