説明

三次元物体をプロトタイピングするための方法及び装置

【課題】三次元物体をプロトタイピングするための方法及び装置の提供。
【解決手段】メモリに記憶された三次元物体の表示から三次元物体を製造するための装置であって、粉末材料の層を形成するための層化装置と、該粉末材料と反応して固体構造を形成するバインダ液の供給装置と、複数の識別されたカラーを作るための組み合わせ可能な染料の供給装置と、そして該バインダ液が該粉末材料の領域を一緒に固めて該物体の断面を形成するように粉末材料の層上の選ばれた位置に該バインダ液及び該染料を付着させるプリント装置と、を備えることを特徴とする装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、三次元物体をプロトタイピングするための方法及び装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
迅速プロトタイピングは、物体のコンピュータモデルから該物体の三次元プロトタイプを製造する種々の方法を記載している。1つの方法は、三次元プリンテイングであり、これによれば特殊なプリンタを使用して複数の二次元層からプロトタイプを製造する。特に三次元物体のデジタル表示はコンピュータメモリに記憶されている。コンピュータソフトウエアは物体の表示を別々の二次元層に区分する。次いで三次元プリンタはソフトウエアにより区分された各層の材料の層を製造する。同時に、この種々の製造された層は所望のプロトタイプを形成する。
【0003】
三次元プリンティングの1つの方法では、粉末材料の層を制限された区域に堆積させる。バインダ溶液を各層に選択的に付着させて、結合した粉末の領域を形成させる。次いで結合していない粉末を除去して三次元部品を得る。
【0004】
形成材料の層を形成し、そして該層上にプリントするために種々の機構が使用されてきた。重力供給式装置の例が特許文献1に記載されており、この特許文献1ではホッパが形成材料を分配する。特許文献2は形成材料を層化するための往復分配器を記載している。同様な装置が特許文献3及び特許文献4に記載されている。特許文献5は三次元プリンタのプリントジェットを制御するためのシステムを記載している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】国際公開WO95/34468
【特許文献2】国際公開WO94/26446
【特許文献3】ヨーロッパ特許公開公報第0431924号(0431924 A2)
【特許文献4】ドイツ公開公報第4417083号(4417083 A1)
【特許文献5】国際公開WO94/19112
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に従えば、三次元プリンタがメモリに記憶されたデジタル表示から三次元物体を製造する。特定の態様では、デジタル表示はコンピュータによりメモリから与えられる。
【0007】
特に、プリンタの作業区域は、フィード貯蔵部と、形成テーブルと、オーバーフローキャビテイと、製造組立体を含む。形成材料は粉末状でフィード貯蔵部に貯蔵されそして三次元物体を形成するために必要に応じて取り出される。形成テーブルはフィード貯蔵部から移送された形成粉末の増分堆積物iを受け取る。形成粉末は好ましくは適用可能なバインダと反応して固体領域を形成する。形成テーブルに堆積されない余分の形成粉末はオーバーフローキャビテイで受け取られる。製造中、空気中に浮遊した形成材料も作業区域に生じる。
【0008】
真空ポンプ及びフィルタを含むろ過システムは好ましくはオーバーフローキャビテイにカップリングされておりそしてオーバーフローキャビテイから余分の形成粉末を除去する。ろ過システムは好ましくは空気から過剰の水分を除去するための除湿要素も含む。ろ過
システムはプリンタの操作期間中オーバーフローキャビテイから空気を吸い込む。ユーザは吸引を入口に転向するように選んで、移動可能な小型真空クリーナとして作用させることができる。
【0009】
ろ過システムは、好ましくはろ過され、除湿された空気を作業区域からプリンタのクリーン区域に再循環させる。クリーン区域は空気中浮遊形成材料により損傷されうるエレクトロニクス及び他の装置を含むことができる。部分シールが作業区域をクリーン区域から分離し、そして機械的カップリングが部分シールを通って延びていて製造組立体を操作する。正の圧力差は空気中浮遊粉末がクリーン区域に入らないようにするのを助ける。
【0010】
本発明の1つの観点に従えは、バインダ液は好ましくはフィード貯蔵部、形成テーブル及びオーバーフローキャビテイの上に吊るされた移動可能なガントリーにより適用され。ガントリーは、形成材料をフィード貯蔵部から形成テーブルに移送して増分層を形成するためのスプレッダも含むことができる。ガントリーは少なくとも1つのバインダカートリッジにおいてバインダジェットを含み、各バインダジェットはバインダの供給物にカップリングされてバインダを形成材料の層上に選択的に付着させる。
【0011】
本発明の他の観点に従えば、形成材料の層の選ばれた位置に様々の容積のバインダが適用される。これらの種々の量のバインダを適用することによって、部品の強度を制御することができる。特により大きい容積のバインダを断面の周に付着させて堅い外殻を形成する。ジェットからのバインダの流速を変えること又は選ばれた位置に種々の回数バインダを付着させることにより、様々の容積を付着させることができる。
【0012】
本発明の他の観点に従えば、バインダはカラー染料を含むことができる。バインダ及び染料の滴を形成材料の層上に選択的に付着させて多色物体を形成することができる。特に、染料を選択的に付着させて物体の外表面を着色する。バインダ自身は着色されていなくても良く又は染料と組み合わせることができる。
【0013】
操作期間中、バインダジェットはバインダと形成材料の混合物を含むくずにより詰まることがある。本発明の他の観点に従えば、ガントリー上の清浄化組立体はバインダジェットから形成材料及び他のくずを除去するためのワイパ膜を含む。特にワイパ要素はバインダジェットからの路に設けられる。バインダジェットは周期的にワイパ要素を横切って移動するように向けられ、そのためワイパ要素はジェットから残留物を除去することができる。バインダ物質をジェットからワイパ要素の上に流してワイパ要素を清浄化することにより、ワイパ要素を清浄化することができる。得られる廃液を集めて廃棄物容器内に廃棄することができる。
【0014】
詰まり及び不整合を含む多くの理由で、プリントカートリッジにおける特定のバインダジェットは欠点があってもよい。欠点のあるジェットは形成材料の各層において望まない剥離線を形成することがある。
【0015】
本発明の他の観点に従えば、バインダジェットは引き続く層の間で一定の距離だけずらされる。このずれは剥離線の間の不連続性をつくる。このシングリング効果はプリント走査の方向に対してバインダジェットを横にずらすことによりつくりだされる。
【0016】
本発明の他の観点に従えば、フィード貯蔵部と形成室は単一材料から製造されたピストンボックスである。ピストンボックスは曲がった内側コーナで各隣接した側面を接合する側面を含む。ピストンはボックスの内側形状に従う形状を有するように選ばれる。ピストンの外側縁とボックスの内表面との間にシールが設けられてピストンの上に形成材料を保持する。好ましくは、柔軟性金属ベルトを成形して滑らかな内表面を形成することにより
ボックスは形成される。曲がった内側コーナは複数のロッドのまわりにベルトを巻き付けてコーナを規定することにより形成される。次いでベルトをある容積の硬化したウレタンにより所定の位置に固定させそしてロッドを除去して滑らかな内表面を有するピストンボックスを形成する。
【0017】
部品の構造及び組み合わせを含む本発明の上記の特徴及び他の特徴は添付図面を参照して更に詳しく説明され、そして特許請求の範囲において明らかにされるであろう。本発明を具体化する三次元物体をプロトタイピングするための特定の方法及び装置は説明のためにのみ示されており本発明の限定として示されているのではないことが理解されるであろう。この本発明の原理及び特徴は本発明の範囲から逸脱することなく種々のそして多数の態様において具体化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明に従う迅速プロトタイピングのための装置の略図である。
【図2】三次元プリンタを通る空気流を調節するための基本的要素の斜視図である。
【図3】本発明に従う三次元プリンタの頂面図である。
【図4】本発明に従うプリントガントリーの詳細頂面図である。
【図5A】本発明に従うプリント媒体を制御する方法の略図で、ローラが第1の位置にある時の図である。
【図5B】本発明に従うプリント媒体を制御する方法の略図で、ローラが第2の位置にある時の図である。
【図5C】本発明に従うプリント媒体を制御する方法の略図で、ローラが第3の位置にある時の図である。
【図5D】本発明に従うプリント媒体を制御する方法の略図で、ローラが第4の最終の位置にある時の図である。
【図6】多数のバインダカートリッジを使用する好ましい装置の略図である。
【図7】多数のバインダカートリッジを使用する他の好ましい装置の略図である。
【図8】多数のバインダカートリッジを使用する更に他の好ましい装置の略図である。
【図9】欠陥のあるバインダジェットを有するバインダカートリッジの略図である。
【図10】欠陥のあるバインダジェットを用いて2つの層をプリントする好ましい方法の略図である。
【図11】フィード貯蔵部24と形成室26を製造するための好ましい方法の略図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1は本発明に従う迅速プロトタイピングのための装置の略図である。示されているように、三次元プリンタ3、形成された三次元プリンタ物体5、後処理システム7及び後処理された三次元プロトタイプ物体9がある。
【0020】
コンピュータ1は好ましくはパーソナルコンピュータ、即ち机上コンピュータ又はポータブルコンピュータである。コンピュータ1は独立したコンピュータ又はローカルエリアネットワーク(LAN)又はワイドエリアネットワーク(WAN)の一部であることができる。本発明に従えば、コンピュータ1はソフトウエアアプリケーシヨン12、例えばコンピュータ支援設計(Computer Aided Design)(CAD)/コンピュータ支援製造(Computer Aided Manufacturing)(CAM)プログラムを含む。CAD/CAMプログラム12はデータ記憶エリア15に記憶された三次元物体のデジタル表示17を処理する。CAD/CAMプログラム12は、記憶された表示17を作り出し、修正しそして検索することができる。ユーザが記憶された物体の表示17のプロトタイプ物体9を製造することを望む場合には、ユーザは記憶され
た表示をハイレベル・ソフトウエア・プログラム18に伝える。次いでユーザはハイレベル・プログラム18からプログラム18を指令してプリントする。プログラム18はデジタル表示17を、各々所定の厚さの複数の別々の二次元の層に区分する。
【0021】
プログラム18は、ハイレベル指令を送って三次元プリンタ3を操作するプリンタ3のエレクトロニクス52を制御することにより各層をプリントする。別法として、物体のデジタル表示17はプリンタハードウエアによりコンピュータ読み出し可能な媒体(例えば磁気又は光学ディスク)から直接読み取ることができる。三次元プリンタ3は、プリンティングが行われるダーティ区域20及び制御エレクトロニクス52が収容されているクリーン区域50を含む。
【0022】
三次元プリンタ3はインクジェット型プリントカートリッジを使用して、1996年9月4日に出願された米国特許出願第08/707693号に開示されているような粉末状形成材料の引き続く層上にインクジェットからのバインダ溶液を付着させる。この特許出願の教示はそのまま引用により本明細書に組み込まれる。バインダが形成粉末と一緒になるところで、粉末は反応しそして固体構造に硬化する。これらのバインダジェットからのバインダ小滴の配置を制御することによって、二次元断面の固体構造を物理的に再現することができる。三次元プリンタ3はプログラム18により与えられた各区分された層について物理的層を形成する。ファイルが完全にプリントされると、未仕上げの三次元部品5が形成される。粉末を結合させて物体を形成することの更なる詳細はサクス(Sachs)等に対する米国特許第5340656号及びシマ(Cima)等に対する第5387380号に開示されている。これらの教示はそのまま引用により本明細書に組み込まれる。
【0023】
プリントされた部品5からプロトタイプ物体9を仕上げるのに後加工システム7が典型的に必要とされる。種々の仕上げの選択は達成されるべき結果に依存して変わり得る。好ましい選択は以下に更に詳細に述べられるであろう。
【0024】
空気流
本発明の好ましい態様に従えば、空気を機械全体にわたって循環させて湿度が制御された雰囲気を維持しそして様々の問題を解決することができる。本発明が取り組んだ主要な問題の1つは信頼性の問題を引き起こすことがありうる空気中浮遊粉末の問題である。空気中浮遊粉末はバインダジェットに入り、それによりジェットを詰まらせそしてプリンティングを妨げることがある。粉末はプリンタエレクトロニクス及び他の鋭敏なハードウエアに損傷を引き起こすことがある。最後に、ゆるく固まった粉末はプリンタを覆っている頂部の囲いが開いている場合に環境中に放出されることがあり、これはユーザを悩ます。
【0025】
図2は三次元プリンタ3のための好ましい空気流システムの斜視図である。示されたように、三次元プリンタ3は複数の凹んだキャビテイを有する頂部デッキ22を含む。x軸に沿って示されているのは、底部フィードピストン25を有する長方形フィード貯蔵部24、形成テーブル27を規定する底部形成ピストンを有する長方形形成室26及び漏斗形状のオーバーフローキャビテイ28である。分かりやすくするために図では省かれているけれども、シールがピストン25、27に固定されておりそしてピストンボックス24、26の内壁に対して滑ることができる。示されていないけれども、頂部カバーはプリンティング区域を外部環境から隔離する。
【0026】
オーバーフローキャビテイ28は空気ろ過及び状態調節システム30に接続されている。真空ポンプ34がオーバーフローキャビテイ28から流入導管31を通してフィルタ室32に空気を吸い込む。異物はフィルタ室32により、例えば集塵バッグ及びフィルタ装置を通して空気から取り出される。真空ポンプ34からのろ過された空気はフィルタ導管35により乾燥剤カートリッジ36に与えられて、ろ過された空気の湿度を制御する。除
湿されたろ過された空気は流出導管37によってクリーン区域50に通じている口に与えられる。
【0027】
余分の粉末を捕えることに加えて、オーバーフローキャビテイ28を通る空気流は空気中浮遊粉末の量を減少させて機械の信頼性及びユーザの満足度を高める。
【0028】
オーバーフローキャビテイ28を通る空気流はユーザがボタンを押すこと又は弁39を閉じるスイッチ(示されていない)を操作することにより遮断することができる。吸引は別の流入管31′に向けられ、流入管31′は入り口38で終わり、入り口38はユーザにより延長されることができ、そして部品5の形成が完了すると形成室26中及び形成室26の回りから余分の未結合粉末を真空をかけて除去するための小型真空クリーナとしてユーザにより操作されうる。このクリーニングプロセスを促進するために、上記別の流入管31′は流入導管31より小さい直径であり、そのためこの小型真空機器38が使用されるとき空気流ははるかに高い速度に自動的に跳ね上がる。ユーザが弁39を切り替えてオーバーフローキャビテイ38からの流れを発生させると、空気流はその低いレベルに戻る。好ましくは、形成が再び始まると、弁39はオーバーフローキャビテイ28に自動的に切り替わる。
【0029】
図3は図1の三次元プリンタ3の頂面図である。頂部が除去されている状態でダーティ区域20と後部のクリーン区域50がより詳細に示されている。頂部デッキ22は、3つのボックス24、26、28の外に下記する研磨区域29を含む。プリントガントリー40がトラック57及び支持ロッド23に接続されたアーム組立体55により頂部デッキ22の上に吊るされている。操作期間中、アームはトラック57及び支持ロッド23上でx軸に沿って移動してガントリー40を移動させる。
【0030】
ダーティ区域20は滑りシール29によりクリーン区域50から分離されており、アーム組立体55は滑りシール29を通って延びている。滑りシールはプラスチックシートに形成されたスリットであることができる。操作エレクトロニクス52がクリーン区域50に配置されている。ダーティ区域20とクリーン区域50の圧力差のため空気はクリーン区域50から滑りシール29を通ってダーティ区域20に流れる。この正の圧力差が維持されて、粉末粒子及びダストがクリーン区域50に入らないようにする。空気流システム30からクリーン区域50へのこの空気流はエレクトロニクス52を冷却するのを助ける。
【0031】
示されているように、ガントリー40はプリント可能な区域を規定するプリントスロット42及びバインダカートリッジ45を含む。バインダカートリッジ45はプリントトラック46に沿ってy軸において往復する。プリンティング期間中、y軸はガントリー移動のx軸より早いプリント軸である。ガントリー40は好ましくは少なくとも1つのインクジェットプリントカートリッジ45を含み、その各々はバインダ液を付着させるための複数のバインダジェットを有する。バインダジェットは少なくとも1つのバインダ導管77を通してバインダ貯蔵部75(図2)からバインダ溶液を受け取る。フィード貯蔵部24から形成室26に形成粉末を分散させるためのスプレッダローラ48も示されている。
【0032】
図4は図3のプリントガントリー40の拡大略図である。カートリッジ45におけるバインダジェット47の列が示されている。各往復サイクル期間中バインダジェット47から残留物を除去するジェットワイパ43、例えば柔軟性ゴムブレードが含まれる。プリンタカートリッジ45の走査区域の上に囲い44も示されている。以下に更に詳細に説明されるように、フィードカール24及び形成キャビテイ26の縁からの余分のプリント媒体の蓄積を防止するように協働する2つのすき部材49がローラ48の側面に配置されている。
【0033】
空気はクリーン区域50から空気管58を通ってカートリッジ囲い44にも流れる。クリーン区域50に配置されたファン59はカートリッジ囲い44からの空気流を助けて正の圧力を与えそれにより粉末が囲い44に入るのを防止するのに使用することができるけれども、正の空気流はクリーン区域50とダーティ区域20との間の圧力差により釣り合わせることができる。これは、該粉末に衝突する液体バインダの衝撃から生じる空気中浮遊粉末がバインダジェットに移行し、それによりバインダジェットを詰まらせるのを防止する。
【0034】
プリンティング
図5A〜5Dは形成粉末を取り扱うための好ましいプロセスを例示する略図である。頂部デッキ22において凹んだフィード貯蔵部24、形成室26及びオーバーフローキャビテイ28が例示される。形成粉末60の供給物は移動可能なフィードピストン25によりフィード貯蔵部24において支持されておりそして形成テーブル27は形成室26内に示される。当業界で知られているように、フィードピストン25は操作期間中z軸において増分的に上向きに移動し、一方形成テーブル27はz軸において増分的に下向きに移動する。オーバーフローキャビテイ28の下方への一定の空気流は真空ポンプ34(図2)により形成される。
【0035】
図5Aを参照すると、フィード貯蔵部24の床25は、1つの層のための形成材料60の十分な量62がフィード貯蔵部24より上に突き出しているように配置されている。形成テーブル27は形成材料の第1の層を受けいれるように特定の深さに配置されている。好ましくは、形成テーブル27は増分的に降下させられて、各々約5〜9ミル又はそれより少ない厚さの複数の順次の形成層を形成する。
【0036】
図5Bを参照すると、ローラはその前進移動と反対に回転させられて、形成材料の量62を形成室26に向けて前方に押す。図5Cに示されたように、ローラ48は形成室26を横切って形成材料の有限の層64を形成テーブル27に堆積し続ける。全形成層が形成テーブル27上に堆積されるのを確実にするために、過剰の量の形成材料60がフィード貯蔵部24によって与えられそしてフィード貯蔵部24から除去される。この過剰の形成材料66はローラ48によってオーバーフローキャビテイ28に落とされ、そこで空気流がろ過システム30(図2)に粒子を運ぶ。
【0037】
ガントリー40の少なくとも一部はオーバーフローキャビテイ28の上も通って、ガントリー40の底部からくずを清掃する。空気中浮遊粉末がバインダ物質と混合する結果として、堅い外皮を生じた層がガントリーの前底部上に典型的に発生する。この層は時間と共に厚くなる傾向がありそして粉末床を引きずって粉末床の頂部層にぎざぎざを生じさせそして最終部品に傷を生じさせる。小さなブラシ、ループ材料(例えばベルクロ(Velcro)ファスナー材料)又は他の研摩材29が頂部デッキ22の頂部に置かれてガントリーの底部から過剰のくずを掻き取る。次いでこのくずはガントリー40の前縁がオーバーフローキャビテイ28の上を通るとき、オーバーフローキャビテイ28の下に吸い込まれる。
【0038】
x方向におけるガントリーの移動によって今の層が配置されると、その層の二次元断面がプリントされる。特に、負のx方向へのガントリーの逆の通過中y方向におけるプリントカートリッジの引き続く通過期間中にプリンティングは行われる。以下に詳細に述べられたように他のプリンティング方法をその代わりに使用することができる。
【0039】
認められるように、ガントリーに取り付けられたスプレッダローラ48はフィードピストン25の頂部から粉末62をピックアップし、それを形成室26において形成テーブル
27の頂部にスプレッディングさせる。このような距離にわたって粉末62を移動させることにより、この方法は潜在的に最も多くの空気中浮遊粉末を生じさせる方法である。
【0040】
形成材料がスプレッディングされるにつれて粉末65の波が生じそしてローラの移動方向に対して横に移動する傾向がある。すき49(図4)は粉末65の波を押さえる傾向がある。これは形成材料が頂部デッキ22上にあふれ出てパイルを形成するのを防止する。パイルは機械の信頼性及びユーザの満足度の観点から望ましくない。すき49は回転しそして並進しているスプレッダローラ48の端部に対してシールを形成しそして頂部デッキ22の頂部に対してシールを形成する。好ましくはバネを使用してすき49に対するお互いに向けての内へ向かう力を発生させて、すき49にスプレッダローラ48との漏れのないシールを形成させる。バネはすき49に対する下向きの力も発生させて頂部デッキ22の頂部とのシールを形成する。
【0041】
すき49は、粉末スプレッディング期間中すき49の底部と頂部デッキ22の頂部との間の摩擦を減少させるためにオイル充填プラスチック材料から製造されるのが好ましい。オイル充填材料は粉末がすき49の底部に粘着するのを防止するバリヤも形成する。更に、オイル充填材料は自己補充リリース層も提供することができる。
【0042】
スプレッドローラ48は粉末65の波を押すにつれて、すき49の前の区域へと横に押される前縁の粉末の蓄積がある。この粉末は、それが最終的にオーバーフローキャビテイ28を通して吸引されるか又は異常に堆積させられるまで、すき49によって押される。オーバーフローキャビテイ28はこの粉末を捕えるためにフィード貯蔵部24及び形成室26開口より広いのが好ましい。
【0043】
結合期間中粉末層に衝突するバインダの衝撃は粉末を舞い上がらせ、そしてバインダカートリッジの底部に衝突させる。カートリッジはバインダで湿らされるので、粉末は硬化しそしてカートリッジの底部に堅い外皮を形成することがあり又はそれは場合により最終的にジェットの内側に入り、それによりジェットの出口を詰まらせる。更に、過剰のバインダは小滴を形成することがあり、この小滴はカートリッジの底部に載りそして表面張力の結果としてそこに残る。これはジェットの出口の詰まり又はジェットの転向を引き起こすこともある。ジェットが詰まると、バインダは所望のところに付着されず、それにより最終部品の欠陥を引き起こす。従って、粉末の各層が置かれた後粉末又はバインダをカートリッジの底部から清掃してジェット出口を開いて保つ方法が望まれる。
【0044】
図4を参照すると、スキージーのような薄い膜43がプリントスロット42及びピストンボックス24、26の外側でガントリー上に配置される。カートリッジはスキージーの上を通って粉末及びバインダをジェット出口から掻き取らせる。スキージー43をいかにして清浄化するか及びこの区域から粉末及びバインダをいかにして除去するかに関する問題が残る。
【0045】
スキージー区域を清浄化する1つの好ましい方法は、近くに配置した洗浄ノズルからスキージー43に洗浄溶液を噴出させることである。次いでこの溶液はくずと共に廃棄物管を下って廃棄物容器中に流れ去る。他の好ましい方法はジェットを発射し、そのためバインダ物質は洗浄溶液として作用してスキージー43から廃棄物管を下って廃棄物容器中にくずを洗い落とす。
【0046】
プリント速度及び部品品質
形成速度を最大にすることはユーザには極めて重要である。形成時間は2つの主要な構成部分、即ち、粉末のスプレッディンク及びバインダ液の付着を有する。粉末をスプレッディンクする速度は、滑らかな頂部層を維持し且つ空気中浮遊粉末を最小にする必要を包
含するいくつかのファクターにより制限される。故に、形成速度を増加させる好ましい方法はバインダ付着の速度を増加させることである。バインダを付着させる速度を増加させる好ましい方法は多数のバインダカートリッジを使用することである。
【0047】
図6は多数のバインダカートリッジを使用する好ましい装置の略図である。多数のカートリッジを使用する場合には、カートリッジは上記した単一のカートリッジの態様にたいして90に配置される。即ち、プリンティングは今はガントリー40が移動させられるにつれてx軸に沿って行われる。各カートリッジ45′a、...、45′nはバインダジェット47′a、...、47′nにより占拠される面積より広いので、カートリッジ45′a、...、45′nは、形成室26における頂部粉末層の全体の表面積にわたってバインダ液を付着させることができるような特別の方法で配列されなければならない。カートリッジ45′a、...、45′nが単に並べて配置されるならば、カートリッジ45′a、...、45′nがバインダを付着させることができない区域がある。
【0048】
示されたように、全プリント区域72にわたって結合能力を与えるようにカートリッジ45′a、...、45′nを配列する1つの方法はx軸においていくつかの列においてカートリッジ45′a、...、45′nを配列することであり、そうするとカートリッジ45′a、...、45′nは重なり合って、y軸に沿ってバインダジェット47′a、...、47′nの連続したシーケンスを形成する。故に、単一カートリッジシステムとは対照的に、結合付着期間中y軸方向のカートリッジの移動又は往復はない。バインダは好ましくは共通の貯蔵部75からマニホルド70を通して各カートリッジのジェットの各々に供給される。
【0049】
図7は多数バインダカートリッジを使用する他の好ましい装置の略図である。示されたように、複数のバインダカートリッジ45′′a、...、45′′gが並べて配列され、次いでバインダが2つの方向において付着される。即ち、形成区域74a、...、74gの部分はカートリッジ45′′a、...、45′′gが負のx方向に移動するにつれてバインダで覆われることができ、それによりストライプの列を結合する。カートリッジ45′′a、...、45′′gは次いでジェットアレイ47′′a、...、47′′gの長さだけy軸方向にインデックスされる。プリント可能な区域76の他の部分は、正のx軸方向にカートリッジ45′′a、...、45′′gが戻るときバインダで覆われることができる。これを必要に応じて多数回反復して全体のプリント区域を覆うことができる。最後のストロークが正のx軸方向にあるならば、スプレッディングのすぐ前にプリンティングが行われる。
【0050】
この方法の利点は、余分のストロークがなく、従ってこの方法を使用する際の結合速度において不利益はないということである。この方法の起こりうる欠点はスプレッディングの結果として空気中に浮遊する粉末がジェットに入りそしてバインダの付着に関する信頼性の問題を引き起こすことである。
【0051】
最後のストロークが正のx方向にあるならば、ガントリー40は粉末をスプレッディングする前にフィード貯蔵部24に戻る。2つの方向においてバインダを付着させるための他の方法は、ガントリーが2つのストロークにおいて結合させ、フィード貯蔵部24に戻り、次いで粉末をスプレッディングすることである。これは追加の数のストロークを必要とするという起こりうる欠点を有する。しかしながら、この方法はスプレッディングの結果として空気中浮遊した粉末がバインダの付着を妨害しないという点で利点を与える。別法として、すべての又は丁度最後の2つのプリンティングストロークについて一つの方向でのみプリンティングがなされうる。
【0052】
図8は多数のバインダカートリッジを使用する更に他の好ましい装置の略図である。示
されたように、バインダカートリッジ45′′′a、...、45′′′mはx軸に対して例えば45°の角度で並べて配列される。このようなものとして、バインダジェット47′′′a、...、47′′′mはy軸に沿って連続線において配列されて、連続プリント区域78をプリントする。この方法の利点は、ヘッド形状に依存して、プリンティングが1つのストロークでなされうるか又は最小数のストロークでなされうるということである。
【0053】
当業者は種々のパラメータを最適化するための上記の方法に対する多くの変更を認識するであろう。例えば、ヘッドは或る角度にしそして2つの方向において各方向で1つのストライプをプリントすることができる。
【0054】
特定のジェットのプリンティングに関する種々の問題にもかかわらず一貫して高い部品強度を達成することが望まれる。例えば、バインダカートリッジの或るジェットはときには発射させることができないか又は発射は粗末に製造されているヘッド又は粉末により汚染されているヘッドの結果としてちらつくことがある。
【0055】
図9は欠点のあるバインダジェットを有するバインダカートリッジの略図である。示されたように、カートリッジ45はガントリー40(図3)が移動するにつれてx軸に沿ってプリントする複数のカートリッジの1つである。カートリッジ45の特定のジェット47−6が発射しないならば、プリントされているバインダの特定の層64上にx方向にストライプ96が現れうる。これはプリントされた区域95において望まない不連続性を生じさせる。問題は、結合してない粉末96のこの鉛直のストリップは各層上の同じy位置yにあり、それにより部品が完成すると剥離の面を生じさせるということである。
【0056】
図10は欠点のあるバインダジェットにより2つの層をプリントする好ましい方法の略図である。本発明に従えば、シングリング技術を使用して結合していない鉛直方向ストライプ96−1、96−2を各層64−1、64−2上の異なるy位置に配置させ、それにより弱点の区域を全体の部分にわたって分布させ、それらを1つの面に集中させない。従って、欠点のあるジェット47−6は、すべての隣接した層にたいして各パスにおいて異なるy軸位置に配置されている。多数カートリッジシステムに関するシングリングはバインダの各新しい層を置く前にy軸に沿ってのカートリッジ45の僅かなずれyにより達成することができる。
【0057】
高い形成速度を維持しながら部品強度を最適にすることも望ましい。単位面積当たり多くのバインダを付着させることにより部品強度は形成速度を減少させるという犠牲を払って改良することができる。更に、大きな容積の内部の高いバインダ容積は部分変形を生じさせる。形成速度の大きな増加なしに部品強度を改良する好ましい方法は、バインダが各層の周囲に塗布されるときバインダの容積を増加させ、それにより部品のまわりに堅い殻を形成させることである。これは、バインダが周囲に塗布されるとき流速を増加させること又は部品の周囲に2回バインダを塗布することにより達成することができる。この方法は、部品の内側の部分変形を制御するという追加の利点を有する。
【0058】
カラープリンティング
本発明に従えば、カラーインクジェットプリントヘッドはバインダカートリッジに組み込まれ、それにより広い範囲のカラー又はインクをプリントする能力を与える。好ましいシステムはこれらのヘッドを使用して液体バインダを付着させるので、これらのヘッドは多孔性材料を結合させる物質としてのカラーバインダを付着させるのに使用することができる。好ましくは、粉末材料は白色又は無色であり、そしてインクを吸収して粉末を着色することができる。結果として、本発明の好ましい態様は、カラーが部品全体にわたって変わる着色している三次元部品を形成することができる。
【0059】
本発明に従えば、製品デザイナーは表面に既に施された種々のカラースキーム及び装飾を有する製品のモデルを製造することができる。このような着色は現在のところ手で骨を折って行われている。更に、外科医は患者の身体部分の三次元カラープリンテッドモデルを解剖して、器官、腫瘍、血管等の三次元配列に慣れることができる。モデルについてのデータはコンピュータ・トモグラフィー(CT)又は磁気共鳴画像化(MRI)走査から得ることができる。
【0060】
本発明の好ましい態様に従えば、ソフトウエアは、形成が完了した後ユーザに最終的に見える唯一の部分である各層の外縁でのみカラーインクを使用するように調節する。このような場合に、一色バインダ(例えば黒)はユーザに見えない部品の内側に使用される。これはユーザが補充のために手に入れるのに高価で且つ厄介なことがあるカラーバインダを保存する。更に、一色バインダは優れた性質を有し、従って部品におけるより強いコアに役に立つ。
【0061】
本発明の好ましい態様に従えば、或る量の液体バインダが所定容積の粉末中に付着させられて良い形状の部品を生成する。あまりにも多くのバインダは、バインダが部品の意図した区域を越えて移動することをもたらす。この効果は普通“ブリーデイング”と呼ばれる。しかしながら、この或る量以下のバインダの量は漸次より弱い部品を生成する。カラーの量とは関係なくバインダの最適量を使用するのが望ましい。カラーの制御された変化を伴う部品を製造する1つの方法は下記のとおりである。
【0062】
プリンタは白色粉末上にプリントしそして2組のノズルを有する。1組のノズルは黒色バインダを付着させ、他の組のノズルは白色バインダを付着させる。白色バインダは無色又は透明なバインダであると理解されるべきである。形成される部品の各位置で、2つのタイプのバインダを部品のその領域で望まれるグレー、白色又は黒色の色相を生成する割合で付着させる。かくして部品のすべての領域はより強い部品を製造するのに必要なバインダの最適合計量を受け取る。しかしながら、このような技術は制御されたサイズの小滴を生成させることができるバインダジェットヘッドを必要とする。
【0063】
インクジェットプリントヘッドは制御された範囲の寸法の小滴を生成するように選ばれうるけれども、大抵のヘッドは、1つの寸法のみの小滴を生成するのに使用すると最善に働く。かくして、小滴が層を横切って均一に分布されるならば、部品断面の各位置は黒色小滴又は透明小滴により衝突される。これらの小滴は、グレーが識別される十分な距離から見たとき、拡大されるとそれがドットのパターンとして見えるような方式で分布させることができる。これを行うためのスキームはディザリング及びハーフトニングとして知られている。ディザリング及びハーフトニングの慣用の方法を、各バインダの小滴をどこに置くべきかを決定するのに各層上で使用することができる。仕上げられた部品の表面となるものの上に落ちる小滴の最適配置を決定するためのディザリング及びハーフトニング法のためのアルゴリズムも存在する。
【0064】
他の色のバインダを付着させる追加のノズルを加えることによって、上記のスキームはフルカラー部品を生成するように広げることができる。
【0065】
良く着色した部品を製造するのに必要な着色したバインダの量は良い形状の部品を製造するのに必要なそれより大きい場合に問題が起こる。その場合に、着色又はブリーディングにおいて妥協をしなければならない。顔料入り液体がバインダとして機能しないならば、部品の機械的性質に影響を与えることなくはるかに大きい量を付着させることが可能である。
【0066】
理想的な世界では、加色三原色:シアン、マゼンタ及び黄、のインクがある。三原色を等しい量で混合すると黒色となる。等しい量の2つを混合すると紫、緑及び橙色の3つの二次色が生じる。異なる割合のこれらのインクを混合しそして白色に薄めることによって、すべての可能な色を作ることができる。しかしながら、現実のインクは色相において僅かにオフでありそして明るさにおいて変わる。従ってそれらは典型的に純粋な黒色を得るように組み合わせることはできない。
【0067】
現実世界のインクによるカラープリンティングは、カラードットが実際に混じらないように互いに隣にカラードットを配置することによりなされる。隣接ドットからの反射された光は目で混じり、そして十分な距離から見たとき中間色の幻影をつくる。これらの同じインクが一緒に混合されたならば、くすんだ色を生じるであろう。着色されたドットを配列するためのスキームはカラーハーフトニング又はカラーディザリングと呼ばれる。
【0068】
顔料は、顔料が配置されている区域又は異なるカラーの隣接小滴と混合される区域から移行しないことが望ましい。これは、形成粉末の加熱により顔料を固化させ(set)、凝集させ、そして溶液又は懸濁液から生じさせることにより達成することができる。別法として、インク液はバインダ及び他のカラーのインクと非混和性とされうる。かくして、所定の小滴からの顔料は同じ色の他の小滴中にのみ拡散することができる。
【0069】
後処理
取り扱われるとき薄片にならず、そして良好な最終外観のために仕上げられる(例えばサンディングされ、又は塗装され又は孔あけされる)べき潜在力を有する強い部品を得ることが望ましい。しかしながら、形成室26から出て来たものは弱いことがありうる多孔性部分を有することがある。更に、部品表面は粗くそしてフレーク状でありうる。好ましくは後処理方法7(図1)が三次元物体プロトタイプ9を仕上げるのに使用される。
【0070】
本発明に従えば、部品は毛管作用によつて部品の細孔に浸透する溶液で浸漬させるか又は塗装することができる。溶液は好ましくは、エポキシ、溶媒をベースとする物質、ワックス、プラスチック、ウレタン又はモノマーのような補助物質を含む。溶液が粉末粒子間の結合を形成し、乾燥しそして硬化すると、得られる部品は改良された強度を有する。更に、このプロセスは外殻を硬化させ、これは部品をサンディングし、塗装しそして孔あけすることを可能とする。これは、部品を研磨する粉末なしで部品を取り扱うことも可能とする。この粉末はユーザにとっては困った事でありそして部品を徐々に衰微させることがある。
【0071】
上記した浸漬方法は浴内で行うことができる。部品を底部にスクリーンを有するバスケットに入れ、次いでバスケットを浴に浸漬することができる。バスケットを取り出すと、過剰の溶液がしたたり落ちそして浴に戻るように、それを浴の上に掛ける。この浸漬はバッチ式で又は連続法で行うことができる。
【0072】
部品浸透のための好ましい溶液はエポキシ又は溶媒をベースとする系である。エポキシは二液性エポキシ又は紫外線硬化性エポキシであることができる。あるいは、溶液は部品が軟化する温度より低い温度で溶融する溶融した物質であることができる。このような溶融した物質の例は、ワックス、プラスチック、ゴム又は金属を包含する。溶融した物質中に浸漬するために、空気温度が制御されている囲いの内側にある浴内に部品を入れることができる。部品を空気中で加熱されたバスケットに入れ、次いで浸漬する。次いで部品を取り出しそして温風中に暖かくして放置する。
【0073】
本発明の好ましい態様に従えば、部品を温風中で予熱することができる。溶融した物質中に浸漬する前に部品を予熱することは、3つの目標を達成する。第1には、それは部品
から水分を除去し、それにより部品を硬化させ、これは処理後のたるみの量を減少させることができる。第2に、それは部品から水分を除去し、これは物質をその後浸透させることができる追加の容積を増加させる。これは部品の最終浸透密度を増加させ、それにより部品の強度を改良する結果となる。第3に、全体の部品の予熱は、部品を浸漬するとき部品の外殻に浸透物質が融着するのを防止する。部品を加熱すると、物質は部品中にはるかに深く浸透することができ、これは最終部品強度を改良する。
【0074】
本発明の別の態様に従えば、部品を凍結乾燥して部品の構造を変えることなく水分を除去することができる。形成室の上の赤外光を使用してバインダのドローイング速度を増加させることもできる。これは全体の形成速度を改良することもできる。更に、形成室を通る加熱された空気流を使用して、バインダのドローイングを促進させることができそして場合により水分を制御することができる。
【0075】
部品の後加熱を使用して2つの目標を達成することもできる。第1に、トラップ内部の物質が熔融しそしてトラップの底部を通って出るにつれて、トラップされた容積の排出を可能とする。第2に、それは部品の表面に凍結される余分の物質を熔融しそして分配することにより実用仕上げを改良する。
【0076】
二重浸漬は、部品を予熱し、それを浸漬し、それを後加熱し、次いでそれを冷却させることにより達成することができる。次いで部品を再び予熱し、再び浸漬しそして再び後加熱する。これは部品により堅い外殻を与え、これはその外観及び取り扱い特性を改良する。第2の浸漬は最初の浸漬と同じ温度、最初の浸漬より高い温度又は低い温度であることができる。これらの別法の各々は最終部品特性に関する異なる結果を与えると予想される。
【0077】
部品強度を改良しそして外殻を硬化させる他の方法は、多液型硬化剤を利用することである。例えば、二液系又は他の多液系の1つの反応性成分を粉末と混合することができ、それにより各層に粉末をスプレッドすることができる。第2成分(及び任意のその次の成分)を後に上記した後処理浸透中に加えて殻を硬化させることができる。あるいは、多液系の1つの反応性成分をバインダと混合し、それによりバインダが付着させられるところに置くことができる。
【0078】
本発明の別の態様に従えば、部品を真空室で溶液に浸漬する。真空が解放されると、溶液は部品中に吸い込まれる。
【0079】
形成室から完成した部品を除去するいくつかの方法がある。1つの方法は、部品のまわりから結合していない粒子を真空で除去し、次いで部品を取り上げることである。キャデイーを使用して部品を取り出すこともできる。例えば、ボックスを形成室26の頂部に置くことができ、粉末をボックス中に上昇させ、次いで金属のシートを粉末と形成テーブル27との間で滑らせる。次いで全体の組立体を粉末除去のために他の場所に移すことができる。
【0080】
本発明の好ましい態様に従えば、形成室26の壁は、粉末を形成室からキャデイー中に持ち上げるとき、粉末に対する剪断力を減少させるために鉛直方向に移動するベルトであることができる。
【0081】
ピストンボックス
フィード貯蔵部24及び形成室26は両方共通常粉末状形成材料を含む。この粉末がこれらのピストンボックス24、26の底部を通して落ちるのを防止することが望ましい。何故ならば、これは下のピストン機構に関する問題を引き起こすことがあり、そしてボッ
クスの下に粉末の蓄積を生じさせることもあるからである。更に、上記したように、空気中浮遊粉末は種々の他の問題を引き起こすことがある。
【0082】
フィードピストン25及び形成ピストン27は、全体の機械寸法の制限内のフィード及び形成容積を最大にするために好ましくは長方形である。円筒形ピストン25、27の代わりに長方形を有することは設計の目的には望ましいが、フィード貯蔵部24及び形成室26は丸みのある内側コーナを有していて、ピストン25、27のまわりにシールを形成することを容易にし、それにより粉末がピストンボックス24、26のの底部を通って落ちるのを防止する。このシールはプラスチック材料から製造されそしてピストン25、27に固定されるのが好ましい。
【0083】
図11はフィード貯蔵部24及び形成室26を製造するための好ましい技術の略図である。丸みのある内部コーナは好ましくはボックス内部の所望の周に等しい周を有する薄い(例えば3−5ミル)一体シート金属ベルト102のセクションから切断されるのが好ましい。ベルト102の長さは所望のボックス24、25の最終高さに等しくなるように切断される。次いでベルト102のこのセクションはボックス24、26のコーナを規定する4つのロッド104の回りに置かれる。ベルト102は、それぞれのロッド間の距離よりその長さが僅かに大きい側面を有する収容ボックス106の内側に置かれる。次いでウレタン108をベルト102の外側と収容ボックス106の内側との間に注ぎ込む。ウレタン108は硬化するにまかせる。ウレタンが硬化した後、ロッド104を除去し、かくして金属内側の丸みのあるコーナ及び薄い壁(約.125〜2.5インチ)を有するボックスを形成する。
【0084】
以上に、本発明をその好ましい態様に関して特定的に示してそして説明したが、特許請求の範囲に記載の本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、形状及び詳細の種々の変更がなされ得ることは当業者には理解されるであろう。これらの及びすべての他の均等物は下記の実施態様により包含されることを意図するものである。
【0085】
本発明の実施態様は、以下の通りである。
【0086】
1.メモリに記憶された三次元物体の表示から三次元物体を製造するための装置であって、
該物体を形成するための形成材料の供給物が貯蔵されているフィード貯蔵部と、
該フィード貯蔵部から該形成材料の増分層を受け取るための形成テーブルと、
該フィード貯蔵部から移送されたが該形成テーブルにより受け取られなかった余分の量の形成材料を受け取るためのオーバーフローキャビテイを具備する装置。
【0087】
2.該オーバーフローキャビテイにカップリングされて該オーバーフローキャビテイからの空気流を生じさせる真空ポンプを更に具備する上記1の装置。
【0088】
3.該空気から形成材料の該余分の量を除去するためのフィルタを更に具備する上記2の装置。
【0089】
4.ろ過された空気から水分を除去するための除湿要素を更に具備する上記3の装置。
【0090】
5.真空ポンプが空気を再循環させる上記2の装置。
【0091】
6.該真空ポンプが該オーバーフローキャビテイからデカップリング可能でありそして移動可能な入り口にカップリング可能である上記2の装置。
【0092】
7.該形成材料が適用可能なバインダと反応して固体構造を形成する粉末である上記1の装置。
【0093】
8.該形成室の回りにゆるく固まった形成材料の蓄積を阻止するためのすき部材を更に具備する上記1の装置。
【0094】
9.各バインダジェットがバインダ溶液の供給物にカップリングされている複数のバインダジェットと、
形成材料の各増分層の制御された位置にバインダ溶液の制御された量を付着させるように各バインダジェットを制御するための制御ユニットを更に具備する上記1の装置。
【0095】
10.該バインダジェットが複数のバインダカートリッジに配列されている上記9の装置。
【0096】
11.該バインダジェットが更にカラー添加剤にカップリングされておりそして該制御ユニットが形成材料の層上の制御された位置におけるカラー添加剤の制御された量の付着を制御する上記9の装置。
【0097】
12.該フィード貯蔵部、該形成テーブル及び該オーバーフローキャビテイに関して取り付けられた移動可能なガントリーを更に具備し、
該ガントリーは、
該形成テーブル上の形成材料上の選ばれた位置にバインダを付着させるための、バインダの供給物にカップリングされた複数のバインダジェットと、
該バインダジェットから形成材料を除去するための清浄化組立体を具備する上記1の装置。
【0098】
13.該清浄化組立体が清浄化溶液の流れにより清浄化可能なワイパ要素を具備する上記12の装置。
【0099】
14.清浄化溶液がバインダでありそして該バインダが該バインダジェットの少なくとも1つから流れる上記13の装置。
【0100】
15.該ガントリーからくずを除去するための該オーバーフローキャビテイに隣接した研磨要素を更に具備する上記12の装置。
【0101】
16.メモリに記憶された三次元物体の表示から三次元物体を製造するための装置であって、
形成材料から該物体を製造するための製造組立体を収容する作業区域を具備し、該作業区域はその中に空気中浮遊形成材料を有しており、
更に、該製造組立体にカップリングされておりそして該空気中浮遊形成材料により損傷されうる装置を収容するクリーン区域と、
該クリーン区域から作業区域を分離する部分シールを具備し、該部分シールを通して機械的カップリングがあることを特徴とする装置。
【0102】
17.該作業区域から該クリーン区域に空気を循環させるろ過システムを更に具備し、該ろ過システムは空気中浮遊形成材料を除去する上記16の装置。
【0103】
18.濾過された空気が、バインダジェットをその中に有する囲いを通して該作業区域に戻される上記16の装置。
【0104】
19.メモリに記憶された三次元物体の表示から三次元物体を製造するための装置であって、
粉末材料の層を形成するための層化装置と、
該粉末材料と反応して固体構造を形成するバインダ液の供給物と、
複数の識別されたカラーをつくるための組み合わせ可能な染料の供給物と、
粉末材料の層上の選ばれた位置に該バインダ液及び染料を付着させるためのプリンティング装置を具備し、該バインダ液は該粉末材料の領域を固めて該物体の断面を形成することを特徴とする装置。
【0105】
20.染料の供給物が三原色の供給物と黒色の供給物を含む上記19の装置。
【0106】
21.該バインダ液が着色されていない上記20の装置。
【0107】
22.染料の供給物がバインダ液を含む上記19の装置。
【0108】
23.該選ばれた位置が該物体の外側表面を規定する上記19の装置。
【0109】
24.メモリに記憶された三次元物体の表示から三次元物体を製造する方法であって、
フィード貯蔵部を設け、
該フィード貯蔵部において該物体を形成するための形成材料の供給物を貯蔵し、
形成テーブル上で、該フィード貯蔵部から該形成材料の増分層を受け取り、そして
オーバーフローキャビテイで、該フィード貯蔵部から移送されたが該形成テーブルにより受け取られなかった余分の量の形成材料を受け取る工程を含むことを特徴とする方法。
【0110】
25.真空ポンプを該オーバーフローキャビテイにカップリングさせて該オーバーフローキャビテイからの空気流を生じさせる工程を更に含む上記24の方法。
【0111】
26.該空気から形成材料の余分の量をろ過する工程を更に含む上記25の方法。
【0112】
27.ろ過された空気から水分を除去する工程を更に含む上記26の方法。
【0113】
28.真空ポンプが空気を再循環させる上記25の方法。
【0114】
29.該オーバーフローキャビテイから該真空ポンプをデカップリングさせ、そして
該真空ポンプを移動可能な入口にカップリングさせる工程を更に含む上記25の方法。
【0115】
30.該形成材料が適用可能なバインダと反応して固体構造を形成する粉末である上記24の方法。
【0116】
31.すき部材を設けて該形成室のまわりのゆるく固まった形成材料の蓄積を防止する工程を更に含む上記24の方法。
【0117】
32.複数のバインダジェットを設け、
各バインダジェットをバインダ溶液の供給物にカップリングさせ、そして、
各バインダジェットを制御して、形成材料の各増分層上の制御された位置で該バインダ溶液の制御された量を付着させる工程を更に含む上記24の方法。
【0118】
33.複数のバインダカートリッジにおいてバインダジェットを配列する工程を更に含む上記32の方法。
【0119】
34.バインダジェットをカラー添加剤にカップリングさせ、そして
形成材料の層上の制御された位置にカラー添加剤の制御された量を付着させる工程を更に含む上記32の方法。
【0120】
35.該フィード貯蔵部、該形成テーブル及び該オーバーフローキャビテイに関して移動可能なガントリーを取り付ける工程を更に含み、
該ガントリーは、
該形成テーブル上の形成材料上の選ばれた位置にバインダを付着させるためのバインダの供給物にカップリングされた複数のバインダジェットと、
該バインダジェットから形成材料を除去するための清浄化組立体を具備する上記24の方法。
【0121】
36.該清浄化組立体がワイバ要素を具備し、そして清浄化溶液を流して該ワイバ要素から形成材料を清掃する工程を更に含む上記35の方法。
【0122】
37.清浄化溶液が該バインダジェットの少なくとも1つから流れるバインダである上記36の方法。
【0123】
38.該オーバーフローキャビテイに隣接した研磨要素を使用して該ガントリーからくずを除去する工程を更に含む上記34の方法。
【0124】
39.メモリに記憶された三次元物体の表示から三次元物体を製造する方法であって、
形成材料から該物体を製造するための製造組立体を収容する作業区域を設け、該作業区域は空気中浮遊形成材料をその中に有しており、該製造組立体にカップリングされておりそして該空気中浮遊形成材料により損傷されうる装置を収容するクリーン区域を設け、
該クリーン区域から作業区域を分離する部分シールを設ける工程を含み、該部分シールを通して機械的カップリングがあることを特徴とする方法。
【0125】
40.該作業区域からろ過システムを通して該クリーン区域に空気を循環させる工程を更に含み、該ろ過システムが空気中浮遊形成材料を除去する上記39の方法。
【0126】
41.濾過された空気をバインダジェットを有する囲いを通して該作業区域に戻す工程を更に含む上記39の方法。
【0127】
42.メモリに記憶された三次元物体の表示から三次元物体を製造する方法であって、
粉末材料の層を形成し、
該粉末材料と反応して固体構造を形成するバインダ液の供給物を設け、
複数の識別されたカラーをつくるための組み合わせ可能な染料の供給物を設け、そして
粉末材料の層上の選ばれた位置に該バインダ液及び該染料を付着させる工程を含み、該バインダ液は該粉末材料の領域を固めて該物体の断面を形成することを特徴とする方法。
【0128】
43.染料の供給物が三原色の供給物と黒色の供給物を含む上記42の方法。
【0129】
44.該バインダ液が着色されていない上記43の方法。
【0130】
45.染料の供給物がバインダ液を含む上記43の方法。
【0131】
46.該選ばれた位置が該物体の外側表面を規定する上記36の方法。
【0132】
47.粉末状材料を保持するためのピストンボックスを製造する方法であって、
或る高さの単一材料からボックス構造物を形成し、該形成されたボックス構造物は複数の側面と開いた頂部及び底部を有し、各側面は各隣接した側面を曲がった内部コーナで接合しており、
ピストン構造物を該ボックス構造物の内部に挿入し、該ピストン構造物は該ボックス構造物の内表面に従うような形状であり、そして
該ピストン構造物の外側縁と該ボックス構造物の内表面との間にシールを設ける工程を含むことを特徴とする方法。
【0133】
48.該形成する工程が柔軟性ベルトを成形して該ボックス構造物の滑らかな内表面を形成する上記47の方法。
【0134】
49.該成形する工程が、該ボックス構造物の高さに沿って延びている複数のロッドを用いて該曲がった内部コーナを成形することを含む上記48の方法。
【0135】
50.該成形する工程が該ベルトを硬化した材料を用いて所定位置に固定することを含む上記48の方法。
【0136】
51.操作されるとき所望されない欠陥線(fault line)を生じさせる欠陥ジェットを含むバインダジェットを操作して、メモリに記憶された三次元物体の表示から三次元物体を製造する方法であって、
形成材料の第1の層にバインダを適用して該第1の層における該物体の第1の二次元断面を形成し、
該バインダジェットをずらし、そして
形成材料の第2の層にバインダを適用して該第2の層における該物体の第2の二次元断面を形成する工程を含んで成ることを特徴とする方法。
【0137】
52.形成材料の層を横切って第1の方向に該バインダジェットを走査し、そして
該第1の方向に対して横に該バインダジェットをずらす工程を更に含む上記51の方法。
【0138】
53.第1の材料を第2の材料に適用するためのジェットを有するプリンタにおいて、
該ジェットの路にワイパ要素を設け、
該ワイパ要素を横切って移動するように該ジェットを位置決めし、そのため該ワイパ要素は該ジェットから残留物を除去する工程を含んで成ることを特徴とするジェットから残留物を除去する方法。
【0139】
54.該第1の材料がバインダであり、第2の材料が粉末であり、該バインダが該粉末と反応して固体構造を形成する上記53の方法。
【0140】
55.該残留物が該第1の材料と第2の材料の混合物である上記53の方法。
【0141】
56.該ワイパ要素上に清浄化溶液を流して該ワイパ溶液を清浄にする工程を更に含む上記53の方法。
【0142】
57.該清浄化溶液が該ワイパ要素の上でジェットの少なくとも1つから流れるバインダである上記56の方法。
【0143】
58.メモリに記憶された三次元物体の表示から三次元物体を製造する方法であって、
形成材料の層を設け、
該形成材料と反応して固体構造を形成するバインダの供給物を設け、そして、
形成材料の層における選ばれた位置に様々の容積のバインダを適用して該物体の二次元断面を形成する工程を含んで成ることを特徴とする方法。
【0144】
59.該適用する工程が、該断面の周において該断面の内側におけるよりも大きい容積のバインダを適用することを含む上記58の方法。
【0145】
60.該適用する工程が液体バインダの流速を変えることを含む上記58の方法。
【0146】
61.該適用する工程が選ばれた位置において様々な回数バインダを適用することを含む上記58の方法。
【0147】
62.三次元物体を製造する方法であって、
該物体を三次元プリンタにおいて形成し、そして
該物体に物質を浸透させる工程を含んで成ることを特徴とする方法。
【0148】
63.該形成する工程が該物体を加熱することを含む上記62の方法。
【0149】
64.該加熱する工程が該物体のまわりに温風を流すことを含む上記63の方法。
【0150】
65.該浸透させる工程が該物体の本体に該物質の溶液を導入することを含む上記62の方法。
【0151】
66.該物質がエポキシ、ワックス、プラスチック、溶媒をベースとする物質、ウレタン及びモノマーから成る群より選ばれる上記65の方法。
【0152】
67.該導入する工程が該物質を溶融させることを含む上記65の方法。
【0153】
68.該溶融した物質の温度より上の温度に該物体を予熱する工程を更に含む上記67の方法。
【0154】
69.該物体を後加熱する工程を更に含む上記65の方法。
【0155】
70.該導入する工程が該物体を凍結乾燥することを含む上記65の方法。
【符号の説明】
【0156】
1:コンピュータ、3:三次元プリンター、4:5:三次元ブリンター物体、6:7:8:9:プロトタイプ物体、10:12:CAd/CAMプログラム、15:データ記憶エリア、17:デジタル表示、18:ハイレベルプログラム、20:ダーティ区域、22:頂部デッキ、24:ピストンボックス、25:ピストン、26:ビストンボックス、27:ピストン、28:オーバーフローキャビティ、30:調節システム、31:流入導管、32:フィルタ室、34:真空ポンプ、40:ガントリー、42:プリントスロット、45:バインダーカートリッジ、46:プリントトラック、47:バインダジェット、48:ローラ、50:クリーン領域、60:形成材料。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
メモリに記憶された三次元物体の表示から三次元物体を製造するための装置であって、
粉末材料の層を形成するための層化装置と、
該粉末材料と反応して固体構造を形成するバインダ液の供給装置と、
複数の識別されたカラーを作るための組み合わせ可能な染料の供給装置と、そして
該バインダ液が該粉末材料の領域を一緒に固めて該物体の断面を形成するように粉末材料の層上の選ばれた位置に該バインダ液及び該染料を付着させるプリント装置と、
を備えることを特徴とする装置。
【請求項2】
a)染料の供給物が三原色の供給物と黒色の供給物とを含み、任意に、
b)該バインダ液が着色されていないか、又は
c)該選ばれた位置が該物体の外側表面を規定する、かのいずれかであることを特徴とする請求項1記載の装置。
【請求項3】
メモリに記憶された三次元物体の表示から三次元物体を製造する方法であって、
粉末材料の層を形成する過程と、
該粉末材料と反応して固体構造を形成するバインダ液の供給物を設ける過程と、
複数の識別されたカラーを作るための組み合わせ可能な染料の供給物を設ける過程と、そして
該バインダ液が該粉末材料の領域を一緒に固めて該物体の断面を形成するように粉末材料の層上の選ばれた位置に該バインダ液及び該染料を付着させる工程と、
を備えることを特徴とする方法。
【請求項4】
a)染料の供給物が三原色の供給物と黒色の供給物とを含み、そして、任意に、
該バインダ液が着色されていないか、又は
染料の供給物がバインダ液を含み、或は
b)該選ばれた位置が該物体の外側表面を規定することを特徴とする請求項3記載の方法。
【請求項5】
三次元プリンタの特定位置で構成材料上にバインダ液を付着する方法であって、
該特定位置で構成材料を固定化するようにバインダ液の総量を決定する過程と、
該特定位置で所要されるカラーを作るようにカラーバインダ液の量を決定する過程と、
バインダ液の総量を得るようにカラーバインダ液に加えられるべきカラーバインダ液の量を決定する過程と、
を備え、特定位置で適用されるべきバインダ液とカラー及びカラー無しバインダ液体の全部の総量が、構成材料の特定位置で構成材料を固体化するように全バインダ液の十分な量に等しいように作られることを特徴とする方法。
【請求項6】
a)特定位置でカラーバインダ液及びカラー無しバインダ液の総量を付着する過程と、
b)バインダ液が構成材料上に付着される前に、構成材料の特定位置で構成材料を結合するようにバインダ液の総量を決定する過程と、
c)特定位置で構成材料を結合するようにカラーバインダ液及びカラー無しバインダ液の寄与を決定するためにソフトウエアインストラクションをプログラム組みする過程と、
d)三次元プリンタの別の特定位置において構成材料を結合するようにカラーバインダ液及びカラー無しバインダ液の第2の総量を決定する過程と、そして、任意に
(i)カラーバインダ液とカラー無しバインダ液の第2の総量が、構成材料の別の特定位置で構成材料を結合するようにバインダ液の十分な総量に略近く、
e)三次元物体の製造中に構成室を流れる空気流を選択製作する過程と、
f)空気流が流れるのを許すことによって構成材料を支持する過程と、
を備えたことを特徴とする請求項5記載の方法。
【請求項7】
構成材料で充填できる構成室と、
構成室を横切って配置するために取り付けられたガントリと、
バインダ液を構成材料上に付着するためにガントリに取り付けられた少なくとも1つのプリンタヘッドと、
特定位置で構成材料を固定化するバインダ液の総量を決定するための第1のソフトウエアインストラクションのセットと、
特定位置で所要されたカラーを作るように構成材料の特定位置におけるカラーバインダ液の寄与を決定するための第2のソフトウエアインストラクションのセットと、
構成材料の特定位置でカラーバインダ液に加えられるべきカラー無しバインダ液の寄与を決定するための第3のソフトウエアインストラクションのセットと、
構成材料の特定位置で構成材料を結合するよう十分なバインダ液の総量に近いカラーバインダ液とカラー無しバインダ液の総量を付着するようにプリンタヘッドを制御するための第4のソフトウエアインストラクションのセットと、
を備えたことを特徴とする特定位置で構成材料を固体化するように必要なバインダ液の十分な量を付着することによって三次元物体を製造するための装置。
【請求項8】
物体を形成するための供給される構成材料が中に貯蔵される供給容器と、
供給容器又は構成室を夫々通る空気流を生じるように供給容器又は構成室に接続された真空ポンプと、を更に備え、任意に、
(i)供給容器又は構成室を通る空気流を許すスイッチ、又は
(ii)三次元物体の製造中に構成室を通る空気流を制御するようにコントローラによって制御される弁であって、任意に
(a)該コントローラがソフトウエアインストラクションを有し、又は
(iii)構成材料を支持して空気流が通って流れるよう許す圧力、
のいずれかを備えることを特徴とする請求項7に記載の装置。
【請求項9】
物体の特定位置で構成材料上にバインダ液の予定された量を付着することによって三次元物体を製造する方法であって、
特定位置で所要されるカラーを作るように必要とされる構成材料の特定位置においてカラーバインダ液の寄与を決定する過程と、
構成材料の特定位置でカラー無しバインダ液の寄与を決定する過程と、
特定位置で構成材料を固体化するよう十分なカラーバインダ液とカラー無しバインダ液の総量を決定し、該カラーバインダ液とカラー無しバインダ液の総量が構成材料の特定位置でのバインダ液の予定された量を越えることのない過程と、
特定位置でカラーバインダ液とカラー無しバインダ液の総量を付着する過程と、を備えることを特徴とする方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図5D】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2010−58519(P2010−58519A)
【公開日】平成22年3月18日(2010.3.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−256211(P2009−256211)
【出願日】平成21年11月9日(2009.11.9)
【分割の表示】特願平10−529073の分割
【原出願日】平成9年12月19日(1997.12.19)
【出願人】(509309422)ゼツド・コーポレーシヨン (1)
【Fターム(参考)】