説明

上皮細胞増殖因子を含有する安定な口内炎治療用液状組成物

上皮細胞増殖因子;接着性高分子;並びにエチレンジアミン四酢酸(EDTA)またはその塩、ヒスチジン、リシンまたはその無機酸塩、アルギニンまたはその無機酸塩、およびデキストランからなる群より選択される少なくとも1つの安定化剤;を含む口内炎治療用液状組成物を提供する。該液状組成物は、EDTA(またはその塩)または特定のアミノ酸(またはその無機酸塩)を安定化剤として使用することによって、上皮細胞増殖因子の物理化学的および生物学的な安定性を大きく高めることができ、長期間の保管および流通を可能にする。また、該安定化された組成物は、接着性高分子を含有することによって、スプレー形態で口腔に噴射される場合、炎症部位に速かに付着して長時間薬効を発揮できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、上皮細胞増殖因子を含有する安定な口内炎治療用液状組成物に関するものである。
【背景技術】
【0002】
(背景技術)
口内炎は、口腔粘膜に影響を及ぼす疾患であり、薬理学的、特に化学療法治療または放射線治療によって引き起こされたり、または悪化することがありうる炎症のことであり、場合によっては潰瘍を伴うこともある。口内炎の症状は、軽微なものから深刻なものまでありうるが、深刻な口内炎を患っている患者は、口を介して飲食物を全く摂取できない。また、口内炎の一種である紅斑性粘膜炎は、化学療法または放射線治療を受診した後の3日以内、さらに一般的には5日〜7日以内に現れる。紅斑性粘膜炎から潰瘍性粘膜炎への進行は、一般的に化学療法治療を始めてから一週間以内に起こり、場合によっては、薬物治療を中断しなければならないほどに深刻になる。
【0003】
化学療法治療を受ける患者の多数が、程度は異なるものの、粘膜炎を患う傾向にあるため、効果的で簡便な治療が切に必要とされている。しかし、これまで口内炎治療には、口内清浄、各種ビタミン剤の投与などが一般的であり、特に、化学療法治療および放射線治療に伴う口内炎の治療には、アロプリノールやアルギン酸ナトリウムのマウスウォッシュ投与が行われてきた(Archives,Vol.55,No.1:28,1995;Japanese Journal of Hospital Pharmacy,Vol.18,No.5:510,1992;Japanese Journal of Nursing Acts,Vol.37,No.15:44,1991;The Journal of Japanese Society for Cancer Therapy,Vol.25,No.6:1129,1990)。しかし、これは症状改善効果が弱く、深刻な口内炎に対しては効果が不十分であり、症状が改善されるまで長時間の投与が必要であるため、十分な治療方法であるとはいえない。そこで、これらの問題を解決するために、短期間で治療効果に優れた口内炎の治療薬や治療方法の開発など、さまざまな努力がなされている。
【0004】
従来に開発された口内炎治療用組成物は、ほとんど接着性高分子を含有する軟膏剤、パッチ剤などである。例えば、米国特許第56,578,310号明細書は、ミネラルオイル、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなどを含有するエマルジョンからなる生体接着性軟膏(bioadhesive ointment)を開示しており、大韓民国特許出願公開第1994−0023469号公報は、ステロイド剤薬物を含む二層フィルム構造の湿布剤およびその製造方法を開示している。
【0005】
その他、軟膏剤やパッチ剤以外の剤形として、米国特許出願公開第2002/0219634号公報は、50〜50,000cpsの粘度を有する生体接着性溶液または懸濁液を開示し、大韓民国特許出願公開第2005−55858号公報は、親水性ポリマーおよび水不溶性ポリマーの混合物を含有する液状またはゲル状製剤の口腔内薬物伝達システムを開示している。
【0006】
一方、国際公開第WO03/95637号パンフレットは、上皮細胞増殖因子を口内炎の治療に使用できることを開示している。ウロガストロン(urogastrone)として知られている上皮細胞増殖因子は、53個のアミノ酸と3個のジスルフィド結合(disulfide bond)とを有する分子量6045のポリペプチドであり、上皮細胞と間葉細胞などの各種細胞に対して有糸分裂促進、細胞増殖促進および胃酸分泌抑制などの活性があり、皮膚や角膜の創傷または胃潰瘍の治療に効果があることが知られている(Carpenter,Experimental Cell Research,164:1−10,1986)。従って、上皮細胞増殖因子をヒドロキシプロピルメチルセルロースのような接着性高分子と共に製剤化する場合、口内炎治療剤として高い効果が得られうる。
【0007】
しかし、上皮細胞増殖因子および接着性高分子を含有する軟膏剤またはパッチ剤は、患者が直接口腔内炎症や創傷部位に塗布または付着する必要があるため不便であるばかりではなく、塗布または付着する過程で、二次感染が発生する恐れがある。前記の問題点を回避するために、上皮細胞増殖因子および接着性高分子を液状剤形として製造し、これをスプレーのような形態で製剤化することができる。しかしながら、この液状製剤の方法では、分子運動が相対的に活発な水性媒体中での形態であるため、上皮細胞増殖因子の安定性が大きく低下するという問題が発生する。
【発明の概要】
【0008】
(発明の詳細な説明)
(技術的課題)
本発明らは、前記の従来技術の問題点を解決すべく研究を繰り返した結果、一般的な抗酸化剤である、エチレンジアミン四酢酸(EDTA:ethylenediaminetetraacetic acid:以下、EDTAとも称する。)またはその塩、デキストラン、および特定のアミノ酸からなる群より選択されるの安定化剤を使用する場合、安定性にすぐれた液剤を製造できるということを発見した。
【0009】
すなわち、本発明は、EDTAまたはその塩、デキストラン、および特定のアミノ酸からなる群より選択される安定化剤;上皮細胞増殖因子;並びに接着性高分子を含有する、安定な口内炎治療用の液状組成物を提供することを目的とする。
【0010】
また本発明は、前記液状組成物を含む口内炎治療用スプレーを提供することを目的とする。
【0011】
(課題を解決するための手段) 本発明の一様態によって、上皮細胞増殖因子;接着性高分子;エチレンジアミン四酢酸(EDTA)またはその塩、ヒスチジン、リシンまたはその無機酸塩、アルギニンまたはその無機酸塩、およびデキストランからなる群より選択される少なくとも1つの安定化剤、を含む口内炎治療用の液状組成物が提供される。
【0012】
また本発明の他の様態によって、前記液状組成物を含有する口内炎治療用スプレーが提供される。
【0013】
本明細書で「口内炎」とは、口腔粘膜に影響を及ぼし、薬理学的、特に化学療法治療または放射線治療によって引き起こされたり、または悪化することがありうる炎症であり、場合によっては潰瘍を伴うこともある。口内炎の症状は、軽微なものから、口を介しての飲食物を全く摂取できない深刻なものまであり、前記口内炎は、かような症状をいずれも含む。
【0014】
本発明の液状組成物は、EDTA(またはその塩)および特定のアミノ酸(またはその無機酸塩)からなる群より選択される安定化剤を含有することによって、上皮細胞増殖因子の物理化学的および生物学的安定性を大きく高めることができ、長期間の保管および流通を可能にする。また、前記安定化された液状組成物は、接着性高分子を含有することによって、スプレー形態で口腔に噴射される場合、炎症部位に速かに付着して長時間薬効を発揮できる。
【0015】
本発明の液状組成物は、活性成分として作用する上皮細胞増殖因子を含有する。上皮細胞増殖因子は、治療上有効量の天然型蛋白質および組み替え蛋白質いずれも使用することができる。すなわち、単位剤形、例えばスプレー剤形である場合、上皮細胞増殖因子の量は、約0.1〜1,000μg/mL、望ましくは0.5〜500μg/mL、さらに望ましくは1.0〜100μg/mLでありうる。具体的な剤形に製剤化するために製造される液状組成物は、総組成物に対して0.0001〜0.01w/v%の上皮細胞増殖因子を含有できる。
【0016】
本発明の液状組成物は、EDTAまたはその塩(例えば、二ナトリウム塩、カルシウム二ナトリウム塩(calcium disodium salt)、三ナトリウム塩など)、ヒスチジン、リシンまたはその無機酸塩(例えば、塩酸塩など)、アルギニンまたはその無機酸塩(例えば、塩酸塩など)、およびデキストランからなる群より選択される少なくとも1つの安定化剤を含有する。前記安定化剤は、たとえば、EDTA二ナトリウム塩、L−ヒスチジン、L−リシン塩酸塩、L−アルギニン塩酸塩、および/または平均分子量が40,000〜100,000Daであるデキストランを使用することができる。望ましくは、ヒスチジン、リシン、およびアルギニンからなる群より選択される少なくとも1つの安定化剤を含むことができ、例としては、安定化剤として、EDTA二ナトリウム塩および/またはL−ヒスチジンを含むことが挙げられる。
【0017】
本発明の組成物中の前記安定化剤の含有量は、安定化剤の種類によって異なるが、望ましくは総組成物に対して0.01〜10w/v%であり、さらに望ましくは0.05〜5w/v%である。安定化剤の含有量が0.01w/v%未満である場合は、上皮細胞増殖因子の安定化効果を期待し難く、10w/v%を超える場合は、上皮細胞増殖因子の安定性が低くなりうる。
【0018】
本発明の液状組成物は、接着性高分子を含有することによって、口腔への投与時に炎症部位に速かに付着でき、望ましい粘度が維持されうる。前記接着性高分子としては、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウムのようなセルロース類;ヒアルロン酸ナトリウム、カルボマー(例えば、Carbopol 940TM(ISP、米国))、キサンタンガム、ゲランガム、プルラン、ペクチン、または澱粉類(例えば、とうもろこし澱粉)のような親水性高分子;ポリオキシエチレンとポリオキシプロピレンとの共重合体のような非イオン性界面活性剤;を単独で、または混合して使用できる。望ましくは、重量平均分子量7,000〜15,000のポリオキシエチレンとポリオキシプロピレンとの共重合体(例えば、ポロキサマー407TM(BASF、米国)、ポロキサマー188TM(BASF、米国)など)を使用できる。
【0019】
本発明の組成物中の前記接着性高分子の含有量は、高分子の種類によって異なるが、望ましくは、総組成物に対して0.01〜20w/v%であり、さらに望ましくは0.1〜10w/v%である。接着性高分子の含有量が0.01w/v%未満である場合は、剤形の粘度が低くて接着効果が低くなり、20w/v%を超える場合には粘度が大きくなることがあり、組成物の製造および/または製剤化(例えば、スプレー剤形への製剤化)が困難になりうる。
【0020】
本発明の液状組成物は、50〜10,000cps(mPas)の粘度を有することが望ましく、500〜5,000cps(mPas)がさらに望ましい。粘度が50cps未満である場合は、適用時に、薬液の粘度が低く創傷部位に残存できず、薬液がすぐに食道に入り込んでしまう現象が発生しうるので、非常に不便である。また、粘度が10,000cpsを超える場合には、薬液の粘度が高いために、薬液をスプレーなどで適用する場合、噴射が困難になりうる。
【0021】
本発明の液状組成物は、製剤上許容可能な担体を含むことができる。例えば、本発明の液状組成物は、水、精製水、注射用水のような水性媒体を含み、必要によって、pH調節剤、保存剤、甘味剤、着香剤などを含むことができる。本発明の組成物に活性成分として含まれている上皮細胞増殖因子の安定性を考慮すれば、組成物のpHは5〜8、望ましくは6〜7である。pH調節のための前記pH調節剤としては、リン酸二水素ナトリウム、リン酸一水素二ナトリウム、またはクエン酸ナトリウムなどを含有する緩衝液を使用できる。また、前記保存剤としては、メチルパラベン、プロピルパラベン、ベンジルアルコール、安息香酸ナトリウムなどを使用できる。pH調節剤、保存剤、甘味剤、着香剤などの含有量は、必要によって当業者が適切に選択できる。例えば、メチルパラベン、プロピルパラベンのような保存剤は、総組成物に対して0.01〜1.0w/v%でありうるが、それに限定されるものではない。
【0022】
本発明の前記液状組成物は、口腔内投与用剤形に適した多様な形態で製剤化することができ、望ましくは、スプレー剤形に製剤化できる。すなわち、本発明は、前記液状組成物を含有する口内炎治療用スプレーを含む。前記スプレー剤形は、エアゾール状、ポンピングスプレー形態、または用時調製用スプレー形態でありうる。前記ポンピングスプレー形態および用時調製用スプレー形態は、高圧ガスである噴射剤(propellant)などの使用による活性成分の安定性低下を防止できるので、望ましく使われうる。
【0023】
前記ポンピングスプレーとは、負圧の適用された容器内部に、薬液(すなわち、本発明の液状組成物)を入れ、ポンピングによって薬液が噴射される形態をいう。
【0024】
前記用時調製用スプレー形態は、溶剤部(すなわち、本発明のうち接着性賦形剤溶液)と主成分部(すなわち、本発明のうちヒト増殖ホルモンと安定化剤との液状混合組成物)とに分けられ、使用時に溶剤部と主成分部とを混合して投与する形態をいう。すなわち、本発明の一形態として、本発明のスプレーは、接着性高分子を含む溶剤部と、上皮細胞増殖因子および安定化剤を含む主成分部とを互いに異なる容器に含む用時調製用スプレー形態を含む。
【0025】
(発明の効果)
本発明の液状組成物は、EDTA(またはその塩)、デキストラン、および特定のアミノ酸(またはその無機酸塩)からなる群より選択されるの安定化剤を使用することによって、上皮細胞増殖因子の物理化学的および生物学的な安定性を大きく高めることができ、長期間の保管および流通を可能にする。また、前記安定化された組成物は、接着性高分子を含有することによって、スプレー形態で口腔に噴射される場合、炎症部位に速かに付着し長時間薬効を発揮できる。
【実施例】
【0026】
以下、本発明について実施例を介してさらに詳細に説明する。しかし、下記実施例は、本発明を例示するためのものであり、本発明がそれら実施例に制限されるものではない。
【0027】
実施例1〜5および比較例1
表1の成分および含有量で、液状組成物を製造した。表1で各成分の含有量は、w/v%を示す。緩衝剤(リン酸二水素ナトリウム)と塩化ナトリウムとを精製水に溶解させた後、pH調整剤(リン酸)を適量添加し、pHを6〜7に調整した。この溶液を80℃に加熱して保存剤(メチルパラベン)を溶解させた後、接着性高分子(ポロキサマー407TM(BASF、米国))を混合し、均質化されるまで撹拌した。この溶液に、安定化剤(エチレンジアミン四酢酸(EDTA)二ナトリウム塩、L−ヒスチジン、塩酸L−アルギニン、塩酸L−リシン、またはデキストラン70)および上皮細胞増殖因子を溶解させ、水を加えて最終体積を1Lにして液状組成物を製造した。比較例として、安定化剤を加えていない液状組成物を前記と同じ方法で製造した。
【0028】
【表1】

【0029】
試験例1.熱的ストレスに対する安定性試験
実施例1〜5および比較例1で製造した液状組成物を、40℃、75%の相対湿度条件下で4週間保管した後、上皮細胞増殖因子の含有量と活性とを測定した。前記含有量分析は、逆相高速液体クロマトグラフィ(reverse phase HPLC)を利用して測定し、活性は、ELISAで分析した。得られた結果を初期値に対する%で換算した結果は、次の表2の通りである。
【0030】
【表2】

【0031】
表2の結果から確認することができるように、本発明によって得られた液状組成物が熱的ストレスに対して優秀な安定性を有するということが分かる。特に、抗酸化剤として使用されているEDTAまたはL−ヒスチジンを安定化剤として使用した場合、さらにすぐれた安定性を有することがわかった。
【0032】
試験例2.物理的ストレスに対する安定性試験
物理的な外部ストレスに対する上皮細胞増殖因子の物理的安定性を確認するために、実施例1〜5および比較例1で製造した液状組成物を、3時間200rpmで撹拌した後、凝集物の生成を確認した。定量分析は、生成された凝集物を除去した後(0.45μm syringe filter、Millipore)、含有量を分析した。得られた結果を初期値に対する%に換算した結果を次の表3に示した。
【0033】
【表3】

【0034】
表3の結果から確認することができるように、本発明によって得られた液状組成物が物理的ストレスに対してすぐれた安定性を有するということが分かる。
【0035】
実施例6〜11
表4の成分および含有量で、実施例1〜5と同じ方法で、実施例6〜11の液状組成物を製造した。表4で各成分の含有量は、w/v%を示す。
【0036】
【表4】

【0037】
試験例3.官能試験
実施例6〜11と比較例1とで製造した液状組成物に対する官能試験を行った。口内炎を患っている患者は、はなはだしい場合には、食物摂取もほとんど不可能であるために、可能な限り口腔粘膜への刺激があってはならず、口内炎治療薬を口腔内に適用する時に、患部に残っている薬物の量が多くなければならない。口内炎を患っている患者35人を対象に、各実施例別に5人ずつ分けて炎症に適用した後、1時間後に、着用感、および舌への刺激感を考慮した使用感をアンケート調査した。その結果を表5に示した。表5の数値は、患者が感じる程度を平均値で示したものである。
【0038】
【表5】

【0039】
使用感:10(非常に優秀、刺激性が全くない)〜1(不良、刺激的であって痛みが感じられる)
着用感:10(患部にほとんど残っている)〜1(ほぼ全て食道に流れ込む)
前記表5から確認することができるように、本発明の液状組成物は、ほとんど優秀な使用感を有するということが分かる。特に、セルロース系の賦形剤を使用する場合、使い勝手にさらにすぐれているということを確認した。
【0040】
実施例12〜16
表6の成分および含有量で、実施例1〜5と同じ方法で、実施例12〜16の液状組成物を製造した。表6で各成分の含有量は、w/v%を示す。
【0041】
【表6】

【0042】
試験例4.室温安定性試験
実施例12〜16で製造した液状組成物を25℃、60%の相対湿度条件下で3ヵ月間保管した後、上皮細胞増殖因子の含有量と活性とを測定した。前記含有量分析は、逆相高速液体クロマトグラフィ(reverse phase HPLC)を利用して測定し、活性は、ELISAで分析した。得られた結果を初期値に対する%に換算した結果は、次の表7の通りである。
【0043】
【表7】

【0044】
表7の結果から確認することができるように、本発明によって得られた液状組成物は、室温で3ヵ月間非常に安定しているということが分かる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上皮細胞増殖因子;接着性高分子;並びにエチレンジアミン四酢酸(EDTA)またはその塩、ヒスチジン、リシンまたはその無機酸塩、アルギニンまたはその無機酸塩、およびデキストランからなる群より選択される少なくとも1つの安定化剤;を含む口内炎治療用液状組成物。
【請求項2】
前記安定化剤が、EDTA二ナトリウム塩、L−ヒスチジン、L−リシン塩酸塩、L−アルギニン塩酸塩、または平均分子量が40,000〜100,000Daであるデキストランである、請求項1に記載の液状組成物。
【請求項3】
前記安定化剤が、EDTA二ナトリウム塩またはL−ヒスチジンである、請求項1に記載の液状組成物。
【請求項4】
前記安定化剤の含有量が、総組成物に対して0.01〜10w/v%である、請求項1に記載の液状組成物。
【請求項5】
前記接着性高分子が、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒアルロン酸ナトリウム、カルボマー、ポリオキシエチレンとポリオキシプロピレンとの共重合体、キサンタンガム、ゲランガム、プルラン、ペクチン、または澱粉類である、請求項1に記載の液状組成物。
【請求項6】
前記接着性高分子が、重量平均分子量7,000〜15,000のポリオキシエチレンとポリオキシプロピレンとの共重合体である、請求項1に記載の液状組成物。
【請求項7】
前記接着性高分子の含有量が、総組成物に対して0.01〜20w/v%である、請求項1に記載の液状組成物。
【請求項8】
前記上皮細胞増殖因子の含有量が、総組成物に対して0.0001〜0.01w/v%であることを特徴とする請求項1に記載の液状組成物。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか1項に記載の液状組成物を含有する口内炎治療用スプレー。
【請求項10】
接着性高分子を含む溶剤部と、上皮細胞増殖因子および安定化剤を含む主成分部とを互いに異なる容器に含む用時調製用スプレーである、請求項9に記載のスプレー。

【公表番号】特表2010−505942(P2010−505942A)
【公表日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−532289(P2009−532289)
【出願日】平成19年10月9日(2007.10.9)
【国際出願番号】PCT/KR2007/004911
【国際公開番号】WO2008/044852
【国際公開日】平成20年4月17日(2008.4.17)
【出願人】(506122512)デウン カンパニー,リミテッド (6)
【Fターム(参考)】