説明

下向潤滑油清浄器用工具

【課題】 下向装着の清浄器を既存の清浄器レンチを使用して取外す場合に、弛め方向に清浄器が回動して機関側清浄器取付部と清浄器の間に間隙ができると、機関内部の廃油が流出して清浄器と清浄器レンチの外周を流下し、その下側に居る作業者の手や衣服を汚損し、また廃油が高温の場合は火傷の危険性もある。
【解決手段】 既存の、清浄器レンチの取付・取外しが可能な回動連結手段を内側に設けた廃油受け容器の下側中央に、既存の回動工具に係合する角型の突出または角穴を設けた突出形状の回動受動部を付設する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車用内燃機関の潤滑油清浄装置で多用されている取替え使い捨て方式の清浄器で、機関に下向に装着されるものの取外し・取付に使用する工具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より使用されている工具として、清浄器頭部の多角形部に係合するよう内面を多角形に型整したキャップ型で、外側中心部にソケットレンチハンドルなどの工具が係合して回動するための角型の穴または突出形状の回動受動部を設けた清浄器レンチがある。
【0003】
前記清浄器レンチを包含し、清浄器取外し作業時に該部より流出する廃油を受け入れるカップ状の廃油受け容器で、その内側中央に清浄器レンチ外側の回動受動部に係合する回動連結手段を設け、更に該廃油受け容器を手廻しするための握り棒を外側中央に付設したオイルフイルター交換用工具がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】 特開2010−19206号 公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
下向装着の清浄器を既存の清浄器レンチを使用して取外す場合に、弛め方向に清浄器が回動して機関側清浄器取付部と清浄器の間に間隙ができると、機関内部の廃油が流出して清浄器と清浄器レンチの外周を流下し、その下側に居る作業者の手や衣服を汚損し、また廃油が高温の場合は火傷の危険性もある。
【0006】
特許文献1の発明は、油洩れがないように取付けて締付けてある清浄器を既存の清浄器レンチなどの工具で弛めて、手で廻し得る様になった後に使用が可能となるもので、清浄器取外しのために二種の工具を使い分けしなければならない。
【0007】
清浄器はそのメネジ部と機関側のオネジ部が螺合して機関に取付けられるが、稀に該オネジまたはメネジ部に疵があり、そのために螺合が固く、清浄器を取外す場合であれば、清浄器レンチで廻しはじめて螺合が外れてしまうまでソケットレンチハンドルなど使用の回動を要し、手廻しができないことがある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
既存の、清浄器レンチの取付・取外しが可能な回動連結手段を内側に設けた廃油受け容器の下側中央に、既存の回動工具に係合する角型の突出または角穴を設けた突出形状の回動受動部を付設する。
尚既存の回動工具とは、ソケットレンチハンドル・ラチェットハンドル・ソケット・エクステンションバーなどの総称とする。
【0009】
廃油受け容器の内側に、上半部を清浄器の多角形部に係合するよう内面を多角形に型整した筒体を固着し、下側には前記構成と同様に回動受動部を付設する。
【発明の効果】
【0010】
本発明品の使用で、強く締め付けられた清浄器の取付を弛め、そのまま継続して螺合を解き、流出を始めた廃油はそのまま廃油受け容器に受けて、最後に清浄器を取除く作業が単一の工具で可能で、また流出する廃油による衣服や身体の汚損及び高温の廃油による火傷の問題も解消する。
また清浄器の交換で、次の品を取付ける作業にも何ら不都合なく使用できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】 請求項1記載の実施形態の断面図
【図2】 請求項1記載の実施形態の底面図
【図3】 請求項2記載の実施形態の断面図
【図4】 請求項2記載の他の実施形態に請求項3記載の実施形態を加えた断面図
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下本発明の実施形態を図1〜図4に基づいて説明する。
【0013】
図1及び図2において、廃油受け容器(1)の内側中央に既存清浄器レンチの回動受動部に係合する回動連結手段(3)を設け、廃油受け容器(1)の下側中央には既存の回動工具に係合する角型突出形状の回動受動部(2)を設けたものである。
本形態では、多角形部の寸法の異なる複数の清浄器レンチを付け替えて使用することができる。
【0014】
図3においては、廃油受け容器(1)の内側に、上部を清浄器の多角形部に係合する内面多角形(5)に型整した筒体(4)を付設したもので、多角形の寸法が一種類の清浄器に専用で使用するものであり、また回動受動部(2)は角穴をもつ突出形状とした実施形態である。
流通孔(6)は筒体(4)に設けた孔で、廃油受け容器(1)で受ける廃油の容量が減少しないように、筒体(4)内にも流入させるためのものである。
【0015】
図4においては、主要な構成は前記同様であるが、製法などによる部分的な変化をもつ実施形態例で、更に車種による作業環境に対応するために、延長軸部(7)により回動受動部(2)の位置を下げたものである。
【符号の説明】
【0016】
1 廃油受け容器
2 回動受動部
3 回動連結手段
4 筒体
5 内面多角形
6 流通孔
7 延長軸部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
公知技術であるカップ状の廃油受け容器の内側にキャップ型の清浄器レンチの取付・取外しが可能な回動連結手段を設けた手廻しオイルフイルターレンチにおいて、該廃油受け容器の下側中央に、角型の突出部または角穴を設けた突出部による既存回動工具の回動受動部を付設した下向潤滑油清浄器用工具。
【請求項2】
廃油受け容器の内側に、清浄器の多角形部に係合するよう上部内面を多角形に型整した筒体を一体に付設した、請求項1記載の下向潤滑油清浄器用工具。
【請求項3】
既存回動工具の回動受動部を、廃油受け容器の下側と延長軸部を介して距離をもつ位置に付設した、請求項1及び請求項2記載の下向潤滑油清浄器用工具。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate