説明

下肢保持具

【課題】膝を曲げずにかかとを高く保つことを、ふくらはぎを均等に保持することによって応力分散し、脚の負担を軽減させ、長時間持続する。
【解決手段】下肢保持具の上げ角10は、ふくらはぎの均等荷重角11沿って接し、また床面13に接した状態で決定する。脚の上げ角9はこの上げ角10と、個人固有値である、ふくらはぎの均等荷重角11、ひざ関節の曲がり角および脚の長さである基準線4と7で決定されるので、下肢保持具は、ふくらはぎを均等に保持する角度でバランス静止し、膝を曲げずにかかとを高く保持できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ふくらはぎを均等保持し、かかとを高く保つ下肢保持具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
立ち姿勢や座り姿勢を長時間保っていると下肢にむくみ等の症状が出て痛みや疲労が発生する。 これを解消するために、マッサージや体操などにより、また、仰向けに寝てかかと部分を高く保持することで、下肢に滞留している血液、リンパ液などを循環させていた。
【0003】
しかし、マッサージや体操などは、かなりの労力を必要とし面倒であったし、またこれらのサービスを受ければその報酬を支払う必要があった。
【0004】
又従来のかかと部分を高く保持する方法は、高い位置にかかとを載せるため、ひざの関節に負担がかかり、又載せた部分に応力が集中し長時間同じ姿勢を保つのが困難であった。
【0005】
この改善策として、載せた部分に応力が集中しないようにふくらはぎを均等に保持し、膝を曲げずにかかと部分を高く保つ下肢保持具があれば上記の問題点は解消するが、ふくらはぎの形状や足の長さによって人それぞれ異なるため、難があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
なし
【非特許文献】
【0007】
なし
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
解決しようとする問題点は、人それぞれ脚の形状が異なるため、ふくらはぎを均等に保持し膝を曲げずにかかとを高く保持することができる下肢保持具がないという点である。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、下肢保持具が、自動的に、ふくらはぎを均等に保持する角度でバランス静止し、膝を曲げずにかかとを高く保持できることを最も主要な特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明の下肢保持具は、膝を曲げずにかかとを高く保持する際、ふくらはぎを均等に保持することによって応力分散し、脚の負担を軽減させ、長時間保持できるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は本発明の下肢保持具の概観図である。(実施例1)
【図2】図2は本発明の下肢保持具が使用されるときの説明図である。(実施例1)
【図3】図3はひざを十分に延ばすことができない場合でも、本発明の下肢保持具がその機能を発揮できる説明図である。(実施例1)
【発明を実施するための形態】
【0012】
長時間、膝を曲げずにかかとを高く保つという目的を、下肢の荷重、下肢の長さ、ふくらはぎの形状により、下肢保持具がふくらはぎを均等保持しながら、脚の上げ角度を自動的に選びバランス静止することを実現した。
【実施例1】
【0013】
図1は、本発明下肢保持具の概観図で、上面カバー1はこの上にふくらはぎを載せるようになっていて、布等の敷布が緩く張ってある。ふくらはぎの形状に倣い、接触面を多くして、単位面積当たりの荷重を減らす。また敷布が緩く張ってあることで重心位置が下がり、下肢保持具を安定させる働きがある。
【0014】
サイドウォール2は側面形状が接地面に対して円弧状をしている。このため上面カバー1にかかる荷重によって上面の上げ角度は自動的に均等荷重になる角度でバランス静止する機構である。
【0015】
図2は本発明の下肢保持具12と脚の関係を側面から見た図である。実線は脚全体を上げている状態で、破線は下肢保持具が膝を曲げずにかかとを高く上げている状態を示している。
【0016】
かかと3からひざ関節5を経由して股関節6に至る基準線4と7は,股関節8を中心として回転できるので、破線は、ひざを伸ばした状態でふくらはぎの平均形状直線5と本発明下肢保持具12が接した状態で床面13まで降ろした状態である。
【0017】
脚の上げ角9は下肢保持具の上げ角10とふくらはぎの均等荷重角11、ひざ関節の曲がり角および脚の長さである基準線4と7により決まる。
【0018】
また、下肢保持具は、基準線4と7に対してのふくらはぎの均等荷重角11沿って接し、その状態で準線4と7は股関節8を中心として回転し、床面13に接した状態を破線で示している。これにより下肢保持具の上げ角10が決まる。
【0019】
ふくらはぎの均等荷重角11、ひざ関節の曲がり角および脚の長さである基準線4と7はそれぞれ個人特有のものであるから決まっている。
【0020】
つまりどのような脚でも必ず固有の脚の上げ角9と下肢保持具の上げ角10でふくらはぎを均等に保持し、かかとを高く保ち、バランス静止することができる。
【0021】
図3は、たとえ、ひざ関節5がある角度で曲がっていたとしても、その角度を考慮した脚の上げ角9と下肢保持具の上げ角10が変わりバランス静止し、ふくらはぎを均等に保持していることを示している。
【0022】
つまり本発明の下肢保持具12は、どんな脚でも必ず、固有の脚の上げ角9と下肢保持具の上げ角10で ふくらはぎを均等に保持しながら、脚を伸ばした状態でかかとを高く保つことができる。
【産業上の利用可能性】
【0023】
底辺が円弧状のため、上面にかかる荷重が均等になるように上面の角度を変えバランス静止すること及び片持ち支持による荷重から枕、背もたれ、座椅子などに適用できる。
【符号の説明】
【0024】
1上面カバー
2サイドウォール
3かかと
4ふくらはぎ基準線
5ふくらはぎの平均形状直線
6ひざ関節
7太もも基準線
8股関節
9脚の上げ角
10下肢保持具の上げ角
11ふくらはぎの均等荷重角
12 下肢保持具
13 床面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
膝を曲げずにかかとを高く保持した状態でふくらはぎを均等保持しバランス静止できる、側面形状が円弧状の形をした下肢保持具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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