説明

下肢用マッサージ装置

【課題】ふくらはぎや足の側方、足の裏側等をマッサージする各種マッサージ機構を備えて、しかもコンパクトな下肢用マッサージ装置を提供する。
【解決手段】ふくらはぎをマッサージするレッグレストマッサージ機構6を備えたレッグレスト2と、足をマッサージするフットレストマッサージ機構7と、足の裏側をマッサージする足裏マッサージ機構8とを備えたフットレスト3と、レッグレストマッサージ機構6及びフットレストマッサージ機構7を駆動する第1駆動機構9と、足裏マッサージ機構8を駆動する第2駆動機構10とを備え、第1駆動機構9をレッグレスト2とフットレスト3の左右方向中央部で、かつフットレストマッサージ機構7とレッグレストマッサージ機構6の間に配置し、フットレストマッサージ機構7の後上方にレッグレストマッサージ機構6を配置し、第1駆動機構9の後方でかつレッグレストマッサージ機構6の下方に駆動モータ56を配置した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人体の下肢をマッサージする下肢用マッサージ装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、下肢をマッサージするマッサージ装置として、左右両下肢の各ふくらはぎをマッサージするレッグレストと、左右両下肢の両足をマッサージするフットレストとを備えたものがある(例えば、特許文献1参照)。
このレッグレスト及びフットレストには、左右のふくらはぎ、又は左右の足を挿入するための左右一対の挿入凹部を有しており、この左右一対の挿入凹部の対向面の内側や底面の内側にエアバッグが備えられている。そして、各エアバッグをエア供給装置で膨張、伸縮することによって挿入凹部に挿入したふくらはぎや足をマッサージするようになっている。
【0003】
このマッサージ装置のレッグレスト及びフットレストは、エアバッグ式であるために、コンプレッサ、エア配管、電磁弁やエアバッグの膨張、伸縮を制御する制御装置が設けられている。
【特許文献1】特開2003−38590号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
当該レッグレスト及びフットレストの制御装置のうち、特にコンプレッサ等はレッグレスト及びフットレストの外部、例えば、マッサージ装置の使用者が座る座部の下部に設けられており、マッサージ装置が大型化する問題があった。即ち、レッグレスト及びフットレストが大型になる問題があった。
そこで、本発明は、上記問題点に鑑み、ふくらはぎや足の側方、足の裏側等マッサージする各種マッサージ機構を備えて、しかもコンパクトな下肢用マッサージ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上記の課題を解決するために以下の技術的手段を講じた。
すなわち、下肢用マッサージ装置は、左右下肢の各ふくらはぎが嵌り込むと共に、嵌り込んだ各ふくらはぎをマッサージするレッグレストマッサージ機構を内部に備えたレッグレストと、左右下肢の各足が嵌り込み可能とされ、嵌り込んだ各足をマッサージするフットレストマッサージ機構と足の裏側をマッサージする足裏マッサージ機構とを内部に備えたフットレストと、前記レッグレストマッサージ機構及びフットレストマッサージ機構とを同時に駆動する第1駆動機構と、前記足裏マッサージ機構を駆動する駆動モータを有する第2駆動機構とを備え、フットレストマッサージ機構の後上方に前記レッグレストマッサージ機構が配置され、前記第1駆動機構は、前記レッグレストおよびフットレストの左右方向中央部で、かつ前記レッグレストマッサージ機構とフットレストマッサージ機構との間に配置され、前記第1駆動機構の後方でかつレッグレストマッサージ機構の下方に前記駆動モータを配置したことを特徴とする。
【0006】
これによれば、フットレストおよびレッグレストの左右方向中央部に第1駆動機構を配置し、その後方に第2駆動機構の駆動モータを配置することで、フットレストやレッグレストの左右方向中間のデッドスペースを有効に活用でき、装置全体をコンパクトな構成にすることができる。
また、足裏マッサージ機構は、支持基板と、この支持基板上に弾性体を介して水平方向振動自在に支持された振動板と、この振動板上の前方側に設けられていてフットレストに嵌り込んだ足の裏側を振動マッサージする足裏マッサージ部材とを備えており、前記第2駆動機構の駆動モータは、振動板の後方側に配置されるとともに、その出力軸が下方を向いて設けられ、かつこの第2駆動機構は、前記駆動モータの出力軸の回転運動を振動板の振動に変えてこの振動板に動力を伝達する動力伝達部材を備えている。
【0007】
これによれば、動力伝達部材によって振動板を振動させ、足裏を効果的にマッサージすることができる。
また、前記駆動モータは支持基板上に設けられた支持部材に支持されており、支持部材には駆動モータを支持する支柱が設けられ、この支柱は、前記振動板に形成された挿通孔に挿通されている。
これによれば、支持部材の支柱は、振動板の振動を阻害することなく、駆動モータを支持することができる。
【0008】
また、前記フットレストマッサージ機構は、足の両側部を挟み込んでマッサージする一対の足両側部用マッサージ部材と、左右方向を向いていて前記足両側部用マッサージ部材を駆動する回転軸を有しており、前記足裏マッサージ部材は、前記回転軸を前後に跨って振動板に設けられている。
これによれば、フットレストマッサージ機構と足裏マッサージ機構とを前後方向でほぼ同位置に近接配置することができ、これによって足の側部から足裏にかけて広い範囲をマッサージすることができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、下肢用マッサージ装置にふくらはぎや足の側方、足の裏側等マッサージする各種マッサージ機構を備えて、しかもその構造をコンパクトにできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態を説明する。
本実施形態の下肢用マッサージ装置1は、図1、2に示すように、左右ふくらはぎが嵌るレッグレスト2と、左右足が嵌るフットレスト3とを有している。レッグレスト2およびフットレスト3は、左右の下肢が嵌るように左右一対とされている。レッグレスト2の表の面には左右のふくらはぎを挿入する挿入凹部4が設けられており、フットレスト3の表の面には、左右の足を挿入する挿入凹部5が設けられている。
レッグレスト2及びフットレスト3の挿入凹部4、5は連続的に連なっており、この挿入凹部4、5に足及びふくらはぎを通すことができるように、レッグレスト2とフットレスト3とは一体的に形成されている。
【0011】
なお、本明細書において、「下肢」とは、人間の脚部のうち膝より下の部分をいう。さらに、下肢を、膝下でくるぶしより上の部分である「ふくらはぎ」と、くるぶしより下の部分である「足」とに分けて説明する。また、図2の矢示線Xで示す方向を前後方向、矢示線Zで示す方向を上下方向、図3の矢示線Yで示す方向を左右方向という。
レッグレスト2は、前記挿入凹部4に挿入されたふくらはぎをマッサージするレッグレストマッサージ機構6を備えている。また、フットレスト3は、人体の足をマッサージするもので、足の両側部をマッサージするフットレストマッサージ機構7と、足の裏側をマッサージする足裏マッサージ機構8を備えている。
【0012】
また、下肢用マッサージ装置1は、前記レッグレストマッサージ機構6とフットレストマッサージ機構7を駆動する第1駆動機構9と、前記足裏マッサージ機構8を駆動する第2駆動機構10を備えている。
各マッサージ機構6、7、8および各駆動機構9、10は、ケーシング13内に設けられており、このケーシング13は、上部が開放されて各マッサージ機構6,7、8および各駆動機構9、10を支持する支持体14と、その支持体14の側部を覆う側部カバー部材15と、この支持体14の上側から支持体14に被さる蓋体16とを有している。前記側部カバー部材15には、下肢用マッサージ装置1を両手で持って持ち運んだりするための取っ手17が設けられている。支持体14の前下部には環状のスタンド21が設けられている。図1に示すように、スタンド21を下方側に張り出すように立てた上で床面に載置すると、ケーシング13自体は後方側に倒れ、レッグレスト2、フットレスト3に楽に下肢を嵌めることができる。
【0013】
蓋体16の正面側には左右対の開口部19が形成されており、この開口部19を伸縮性の高い布やレザー、スポンジ等で形成されたカバーシート20で覆うことにより、レッグレスト2及びフットレスト3の挿入凹部4,5が形成されている。カバーシート20の周縁と前記開口部19の周縁には、ファスナー等の取付手段が設けられ、これによってカバーシート20は蓋体16に対して着脱自在とされて交換が容易に行えるようになっている。
図2〜4に示すように、支持体14は側面視で略L字状に形成されており、床面等の載置面に載置される底部14aを有し、この底部14aの後部には上下方向を向いた背壁部14bが形成されている。
【0014】
支持体14の後部の背壁部14bの上部にはレッグレストマッサージ機構6が設けられ、支持体14の前部、すなわち底部14aの前部にはフットレストマッサージ機構7と足裏マッサージ機構8が設けられている。したがって、レッグレストマッサージ機構6は、フットレストマッサージ機構7の後上方に設けられている。
前記レッグレストマッサージ機構6は、左右一対のふくらはぎ用マッサージ部材23と、第1駆動機構9により回転する回転軸24と、この回転軸24に固定されると共にふくらはぎ用マッサージ部材23が相対回転自在に嵌合される回転体25と、この回転体25に対してふくらはぎ用マッサージ部材23の共回りを規制する規制手段26とを有している。
【0015】
前記ふくらはぎ用マッサージ部材23は、レッグレスト2の挿入凹部4の対向面側に配置されていて、ふくらはぎを挟み込みできるように左右方向に離れて配置されている。ふくらはぎ用マッサージ部材23は、各レッグレスト2に一対ずつ設けられている。
ふくらはぎ用マッサージ部材23は上下方向に長い板材により構成されている。このふくらはぎ用マッサージ部材23は、プラスチックや板バネ等からなる弾性体により構成されており、左右方向すなわち、ふくらはぎから離れる方向に弾性変形可能となっている。
ふくらはぎ用マッサージ部材23の対向面には、複数の患部押圧部37を有する患部押圧体38が設けられている。この患部押圧体38は、ゴム等の弾性材料より形成されている。
【0016】
回転軸24は、支持体14の左右方向両端に設けられた支持ブラケット27に回転自在に支持されている。回転体25は、回転軸24の中途部に相対回転不能に設けられている。
この回転体25の周縁面(摺動面)には、図6に示すように、回転軸24に対して傾斜する軸心Aを有する略円形の軌道28が形成され、この軌道28を摺動するようにふくらはぎ用マッサージ部材23のボス部29が回転体25に相対回転自在に嵌合している。
詳しくは、左右一対の回転体25の外周面には、軌道28に沿ってベアリング27のインナーレースが嵌め込まれ、回転体25の左右方向外側には、ベアリング27を抜け止めし且つ固定する固定部材31が設けられている。
【0017】
ベアリング27のアウターレースはリング形状をしたボス部29の内周側に嵌め込まれ、このベアリング27を介して、ふくらはぎ用マッサージ部材23が軌道28上を摺動するようになっている。
なお、この回転体25の軌道28の傾斜方向が互いに逆向きとなるように、回転体25は回転軸24に固定されている。また、ふくらはぎ用マッサージ部材23のボス部29の左右方向外側面には、ベアリング27の抜け落ちを防止して固定するリング形状の押さえ部材32が取り付けられている。
【0018】
この押さえ部材32の略下部には係合部材33を取り付ける係合部材取付部34がボス部29に一体に成形され、棒状の係合部材33がボス部29から下方に突出するように固定されている。
この係合部材33の略下方の支持体14には、この係合部材33が係合する規制部材35が設けられている。規制部材35の平面視略中央には、係合部材33が摺動自在に嵌り込む摺動溝36が設けられている。この摺動溝36は、左右方向に延設されており、ふくらはぎ用マッサージ部材23を左右方向に案内すると共に、係合部材33と係合してふくらはぎ用マッサージ部材23が回転体25と供回りするのを規制している。
【0019】
したがって、係合部材33と、摺動溝36を有する規制部材35とにより規制手段26が構成されている。
図3示すように、左右一対のふくらはぎ用マッサージ部材23の左右方向の略中間には、マッサージローラ39が設けられている。このマッサージローラ39は、ふくらはぎ用マッサージ部材23を駆動する回転軸24に偏心して設けられており、回転軸24の回転に伴って、前後方向にマッサージローラ39が出退し、ふくらはぎを前後方向に押圧するようになっている。
【0020】
フットレストマッサージ機構7は、左右一対の足両側部用マッサージ部材41と、第1駆動機構9により回転する回転軸24と、この回転軸24に固定されると共に足両側部用マッサージ部材41が相対回転自在に嵌合される回転体25と、この回転体25に対して足両側部用マッサージ部材41の共回りを規制する規制手段26とを有している。
前記足両側部用マッサージ部材41は、フットレスト3の挿入凹部5対向面側に配置されていて、足の両側部を挟み込みできるように左右方向に離れて設けられてる。
なお、フットレストマッサージ機構7の回転軸24、回転体25、規制手段26は、上記フットレストマッサージ機構7と同じ構成であるため、同一符号を付して説明を省略する。
【0021】
第1駆動機構9は、レッグレストマッサージ機構6とフットレストマッサージ機構7との間に設けられ、レッグレスト2およびフットレスト3の左右方向の中央部に配置されている。
すなわち、左右対とされたレッグレスト2およびフットレスト3は左右方向に離間されて設けられており、前記「左右方向の中央部」とは、左右に離間されたレッグレスト2およびフットレストのレッグレストの中間位置をいう。または、「左右方向の中央部」は、支持体14の左右方向の中央部ということもできる。詳しくは、この実施形態では、第1駆動機構9は、前記中間位置で、かつ左右方向に沿って設けられたレッグレストマッサージ機構6、フットレストマッサージ機構7の各回転軸24の軸心方向(幅方向)の中央部に配置されている。
【0022】
図3に示すように、前記第1駆動機構9は、ふくらはぎマッサージ部材23aと23bとの間に設けられている。また、第1駆動機構9は、足両側部用マッサージ部材41aと41bとの間に設けられている。前記ふくらはぎマッサージ部材23a、23bは、ふくらはぎの内側をマッサージするものであり、前記足両側部用マッサージ部材41a、41bは、足の内側をマッサージするためのものである。
また、前記「レッグレストマッサージ機構6とフットレストマッサージ機構7との間に設けられ」とは、前記第1駆動機構9がレッグレストマッサージ機構6とフットレストマッサージ機構7とに連結された状態をいい、詳しくは、第1駆動機構9は、レッグレストマッサージ機構6とフットレストマッサージ機構7の各回転軸24に連結されている。
【0023】
この第1駆動機構9は、正逆回転自在な1つの駆動モータ43と、この駆動モータ43の出力軸の前後端部が接続される前後一対の動力伝達手段44とを有しており、この駆動モータ43は、例えば電動モータにより構成されている。
この動力伝達手段44は、レッグレストマッサージ機構6およびフットレストマッサージ機構7の回転軸24にそれぞれ接続されており、この両方の動力伝達手段44は支持体14の左右方向中央部に取り付けられている。
駆動モータ43は、支持体14の左右方向中央部にモータ取付台を介して取り付けられている。駆動モータ43の出力軸は、駆動モータ43を中心として前後方向に延びて、動力伝達手段44に接続されている。この動力伝達手段44には、それぞれウォームギア及びウォームホイルが内蔵されて駆動モータ43の回転が回転軸24に伝えられるようになっている。
【0024】
即ち、駆動モータ43の出力軸の前後端部にそれぞれウォームギアが設けられ、出力軸の前端部に設けられたウォームギアはフットレストマッサージ機構7側の回転軸24に固定されたウォームホイルに噛合し、出力軸の後端部に設けられたウォームギアはレッグレストマッサージ機構6側の回転軸24に固定されたウォームホイルに噛合している。
したがって、この駆動モータ43を出力軸を回転させることによって、レッグレストマッサージ機構6およびフットレストマッサージ機構7の回転軸24を同時に回転できるようになっている。
【0025】
第1駆動機構9の駆動モータ43を回転させると、レッグレストマッサージ機構6、フットレストマッサージ機構7の回転軸24は同時に動力が伝達されて回転し、レッグレストマッサージ機構6およびフットレストマッサージ機構7の回転体25は回転軸24と共に回転する。
このとき、レッグレスト2に着目すると、レッグレストマッサージ機構6のふくらはぎ用マッサージ部材23のボス部29は傾斜した軌道28に沿って動き、例えば右側のボス部29は、回転体25が回転するにつれ、回転軸24に対し左肩上がり斜め、略垂直、右肩上がり斜めの3つの状態を遷移するように揺動する。レッグレストマッサージ機構6の左側の回転体25も対称状態で同様に傾動する。
【0026】
したがって、ボス部29に突設されたふくらはぎ用マッサージ部材23も同様な動きをし、前後方向一端が互いに近接する際には他端が互いに離反し、一端が離反する際には、他端が近接するようなシーソー揺動を行う。
正面視(図3においては、前記ボス部29は回転軸24に対して前述のような揺動を行い、且つ、その外周面は軸心方向にも移動する。しかしながら、ふくらはぎ用マッサージ部材23は、摺動溝36により左右方向に揺動するように規制されているため(回転体25とは供回りしない)、回転軸24の軸心方向(左右方向)に互いに遠近揺動(左右遠近往復移動)することになる。
【0027】
この両者が組み合わさって、ふくらはぎ用マッサージ部材23は左右方向の近接及び離反移動しながら互いにうねるように動作(うねり動作)をするようになる。
フットレスト3の足側面用マッサージ部材9は、ふくらはぎ用マッサージ部材23と同様な対向うねり動作をする。
前記足裏マッサージ機構8は、支持基板51と、この支持基板51上に弾性体からなる支持部材52を介して水平方向振動自在に支持された振動板53と、この振動板53上に設けられていてフットレストに嵌り込んだ足の裏側をマッサージする足裏マッサージ部材54を有している。
【0028】
支持基板51は、その下面側が支持体14の底部14bに固定されており、上面側で前記振動板53を支持している。支持基板51と前記底部14bとの間には、防振部材が設けられていて振動板53の振動がケーシング13に伝わるのを防止している。
支持基板51と振動板53の間には、複数の支持部材52が所定間隔離間されて設けられており、この支持部材(弾性体)52は、円柱状に形成されていて、前後、左右方向に弾性変形可能となっている。
前記振動板53は、不用な振動の発生を防ぐ目的で全体のつりあいを考慮し、四角形状とされていてその前方側(前部)で前記足裏マッサージ部材54を支持しており、他端部側が第2駆動機構10と連結されている。
【0029】
図7に示すように、支持基板51と振動板53の前側の左右方向中央部には開口部70、71が形成されており、この開口部70、71を介して前記第1駆動機構9を支持体14の底部14bに固定できるようになっている。
足裏マッサージ部材54は、足裏が載置可能に前後方向に長い板材により構成されており、足裏マッサージ部材54の上面には足裏を押圧する凸状または半月状の押圧部54aが複数形成されている。足裏マッサージ部材54は、円柱状の支持脚部55を介して振動板53に取り付けられており、この足裏マッサージ部材54の下面と振動板53の上面とは上下方向に離間されている。この足裏マッサージ部材54の下面と振動板53の上面との間には、フットレストマッサージ機構7の回転軸24が配置されている。前記支持脚部55は、足裏マッサージ部材54の前部と後部に設けられており、足裏マッサージ部材54は門形状となってこの回転軸24を前後方向で跨っている。
【0030】
前記第2駆動機構10は、足裏マッサージ機構8を駆動する駆動モータ56と、駆動モータ56の動力を足裏マッサージ機構8に伝達する動力伝達部材57を有している。
前記駆動モータ56は、レッグレストマッサージ機構6およびフットレストマッサージ機構7の左右方向中央部、すなわち、支持体14の左右方向中央部に設けられており、かつ前記第1駆動機構9の後方に配置されている。詳しくは、第2駆動機構10の駆動モータ56は、第1駆動機構9の駆動モータ43の後方で、かつこの駆動モータ43と左右方向でオーバラップした位置に設けられている。
【0031】
上述のように、第1駆動機構9、第2駆動機構10は、左右対のレッグレスト2、フットレスト3のケーシング13内の空間に配置されているので、レッグレスト2等に嵌った下肢が各駆動機構9、10に当たることがなく、しかもケーシング13内のデッドスペース(レッグレストおよびフットレストの左右方向中央部の空きスペース)を有効に活用でき、装置全体をコンパクトにできる。
駆動モータ56は、振動板53の上方に設けられており、その胴体部56aが上下方向に沿って立設されている。そして、駆動モータ56の出力軸56bは下向きになっている。
【0032】
この駆動モータ56は、前記振動板53の後方側に設けられており、足裏マッサージ機構8の支持基板51に設けられた支持部材59に支持されている。この支持部材59は、その基部から上方に突設された複数(図例では4つ)の支柱59aを有しており、この支柱59aを介して駆動モータ56を支持している。足裏マッサージ機構8の振動板53には、この支柱59aを挿通する挿通孔61および挿通凹部62が設けられており、支柱59aは、これら挿通孔61、挿通凹部62に挿通されて振動板53の上方に突出されており、その上端部で駆動モータ56を支持している。挿通孔61、挿通凹部62は、支柱59aよりも大きく形成されており、支柱59aは、振動板53が振動したときにこの振動板53に干渉しない(当たらない)ようになっている。
【0033】
また、駆動モータ56の胴体部56aは振動板53の上方に配置されており、この駆動モータ56の出力軸56bは下方に向けられている。
前記動力伝達部材57は、駆動モータ56の出力軸56bの回転運動を、振動板53の振動に変えて動力を伝達するものである。この動力伝達部材57は、円板状の本体部64と、この本体部64の一方の面側に形成されていて振動板53を駆動する駆動軸部66とを有している。この本体部64の他方の面側には、この本体部64の中心部に同心状の孔または凹部が形成されており、この孔または凹部に駆動モータ56の出力軸56bを挿通または嵌合して固定されている。
【0034】
前記駆動軸部66は、円板状の本体部64の中心から偏心して形成されており、振動板53に形成された駆動軸部66を挿通する挿通孔68に下向きに通されている。したがって、この駆動軸部66と駆動モータ56の出力軸56bとは平行でかつ下向きに設けられることになる。
この構成から、駆動モータ56の出力軸56bが回転すると、動力伝達部材57が回転し、この動力伝達部材57の駆動軸部66は、本体部64の中心から偏心した位置で、本体部64の中心から駆動軸部66までの距離を半径として本体部64の中心回りに円軌道を描いて回転(公転)する。このとき、支持部材52に支持された振動板53は、この駆動軸部66の動きに共動して前後左右に振動する。この振動板53の振動によって、振動板53上に固定された足裏マッサージ部材54が足の裏側に接した状態で振動マッサージをする。
【0035】
なお、本実施形態にかかる下肢用マッサージ装置1は、上記実施の形態に限定されるものではない。上記の実施の形態では、1つの第1駆動機構9でレッグレストマッサージ機構6およびフットレストマッサージ機構7を駆動するようにしていたが、第1駆動機構9を2つにしてそれぞれ単独でレッグレストマッサージ機構4,フットレストマッサージ機構5を駆動するようにしてもよい。
例えば、レッグレスト2及びフットレスト3の左右方向中間に2つの駆動モータ43を設けて、駆動モータ43の各出力軸をそれぞれ別々にマッサージ機構4,5に動力伝達可能に接続するようにしてもよい。
【0036】
また、レッグレスト2とフットレスト3とを一体化していたがレッグレスト2及びフットレスト3とを別体に構成してもよい。また、別々に構成したレッグレスト2の先端部にフットレスト3を回転自在に接続してレッグレスト2に対するフットレスト3の角度を自在に変更できるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】下肢用マッサージ装置の斜視図である。
【図2】蓋体とカバー部材の一方を取り外した下肢用マッサージ装置の側面図である。
【図3】蓋体を取り外した下肢用マッサージ装置の正面図である。
【図4】レッグレストマッサージ機構を示す断面図である。
【図5】蓋体とカバー部材の一方を取り外した下肢用マッサージ装置の下部の側面図である。
【図6】支持体の背壁側から見た下肢用マッサージ装置の内部の斜視図である。
【図7】足裏マッサージ機構の斜視図である。
【図8】足裏マッサージ機構の側面図である。
【符号の説明】
【0038】
1 下肢用マッサージ装置
2 レッグレスト
3 フットレスト
4 挿入凹部
5 挿入凹部
6 レッグレストマッサージ機構
7 フットレストマッサージ機構
8 足裏マッサージ機構
9 第1駆動機構
10 第2駆動機構
14 支持体
24 回転軸
51 支持基板
52 弾性体
53 振動板
54 足裏マッサージ部材
56 駆動モータ
57 動力伝達部材
59 支持部材
59a 支柱

【特許請求の範囲】
【請求項1】
左右下肢の各ふくらはぎが嵌り込むと共に、嵌り込んだ各ふくらはぎをマッサージするレッグレストマッサージ機構を内部に備えたレッグレストと、
左右下肢の各足が嵌り込み可能とされ、嵌り込んだ各足をマッサージするフットレストマッサージ機構と足の裏側をマッサージする足裏マッサージ機構とを内部に備えたフットレストと、
前記レッグレストマッサージ機構及びフットレストマッサージ機構とを同時に駆動する第1駆動機構と、前記足裏マッサージ機構を駆動する駆動モータを有する第2駆動機構とを備え、
フットレストマッサージ機構の後上方に前記レッグレストマッサージ機構が配置され、
前記第1駆動機構は、前記レッグレストおよびフットレストの左右方向中央部で、かつ前記レッグレストマッサージ機構とフットレストマッサージ機構との間に配置され、
前記第1駆動機構の後方でかつレッグレストマッサージ機構の下方に前記駆動モータを配置したことを特徴とする下肢用マッサージ装置。
【請求項2】
足裏マッサージ機構は、支持基板と、この支持基板上に弾性体を介して水平方向振動自在に支持された振動板と、この振動板上の前方側に設けられていてフットレストに嵌り込んだ足の裏側を振動マッサージする足裏マッサージ部材とを備えており、
前記第2駆動機構の駆動モータは、振動板の後方側に配置されるとともにその出力軸が下方を向いて設けられ、かつこの第2駆動機構は、前記駆動モータの出力軸の回転運動を振動板の振動に変えてこの振動板に動力を伝達する動力伝達部材を備えていることを特徴とする請求項1に記載の下肢用マッサージ装置。
【請求項3】
前記駆動モータは支持基板上に設けられた支持部材に支持されており、
支持部材は駆動モータを支持する支柱を有し、この支柱は前記振動板に形成された挿通孔に挿通されていることを特徴とする請求項2に記載の下肢用マッサージ装置。
【請求項4】
前記フットレストマッサージ機構は、足の両側部を挟み込んでマッサージする一対の足両側部用マッサージ部材と、左右方向を向いていて前記足両側部用マッサージ部材を駆動する回転軸とを有しており、
前記足裏マッサージ部材は、前記回転軸を前後に跨って振動板に設けられていることを特徴とする請求項2または3に記載の下肢用マッサージ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−87741(P2006−87741A)
【公開日】平成18年4月6日(2006.4.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−278116(P2004−278116)
【出願日】平成16年9月24日(2004.9.24)
【出願人】(592009214)大東電機工業株式会社 (106)
【Fターム(参考)】