不全腱板修復システム及び方法
【課題】腱板の腱を関連上腕頭に付着させる方法及びシステムを提供する。
【解決手段】方法は、位置ガイドを標的部位で上腕頭に向けて腱に通す工程と、縫合糸アンカーを横方向に腱の下に通すことにより、縫合糸アンカーを標的部位で上腕頭と腱との間に位置付ける工程と、を含む。縫合糸アンカーを上腕頭内に駆動させ、縫合糸を縫合糸アンカーから腱に通して標的部位で上腕頭に腱を付着させる。
【解決手段】方法は、位置ガイドを標的部位で上腕頭に向けて腱に通す工程と、縫合糸アンカーを横方向に腱の下に通すことにより、縫合糸アンカーを標的部位で上腕頭と腱との間に位置付ける工程と、を含む。縫合糸アンカーを上腕頭内に駆動させ、縫合糸を縫合糸アンカーから腱に通して標的部位で上腕頭に腱を付着させる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、不全断裂腱板修復を実施するためのシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
肩腱板のPASTA(腱関節面不全断裂)病変は、特に修復が困難である場合がある。腱板は、肩を取り囲む筋肉の群と、上腕頭にこれら筋肉を付着させる腱とを含む。腱は、それが上腕頭に付着する位置にフットプリントを有し、PASTA病変では腱のフットプリントの一部が上腕頭から離れる。かかる病変は、棘上筋腱において最も一般的に見られる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
治療の選択肢の1つは、完全に断裂させ、完全断裂についての標準的な技術を用いて修復することである。したがって保存されている既存の付着は失われ、腱全体を再付着させなければならない。別の選択肢は、腱を通じて上腕頭内に縫合糸アンカーを通し、縫合糸を腱に通し、腱を縛り付けて再付着を試みることである。これは腱に更なる傷害を引き起こす。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、現在の治療の選択肢を超える利点を提供する、PASTA病変を修復するシステム及び方法を提供する。
【0005】
本発明に係る方法は、不全断裂腱板の腱をその関連上腕頭に付着させる。方法は、位置ガイドを標的部位で上腕頭に向けて腱に通す工程と、縫合糸アンカーを横方向に腱の下に通すことにより、縫合糸アンカーを標的部位で上腕頭と腱との間に位置付ける工程と、縫合糸アンカーを上腕頭内に駆動する工程と、縫合糸を縫合糸アンカーから腱に通して、標的部位で上腕頭に腱を付着させる工程と、を含む。
【0006】
好ましくは、位置ガイドは針である。
【0007】
本発明の1つの態様では、縫合糸アンカーを上腕頭内に駆動する工程は、腱と上腕頭との間に横方向に挿入された用具を介して縫合糸アンカーを回転させることを含む。用具はラチェット駆動を使用してもよい。
【0008】
本発明の別の態様では、縫合糸アンカーを駆動する工程は、ドライバを位置ガイドの上から腱に通して、縫合糸アンカーを係合させることを含む。ドライバが縫合糸アンカーを上腕頭内に回転させるよう縫合糸アンカーはねじ付であってもよく、又はドライバは単に縫合糸アンカーを上腕頭に押し込む若しくは上腕頭を叩打する(mallet)こともできる。
【0009】
本発明の1つの態様では、縫合糸アンカーは互いと組み立てられ得る第1の部分と第2の部分とを備え、縫合糸アンカーを標的部位に位置付ける工程は、分解されている状態の第1の部分と第2の部分とを横方向に腱の下に通し、次いで位置ガイドの周囲で第1の部分と第2の部分とを組み立てることを含む。好ましくは、第1の部分と第2の部分とを組み立てる工程中、位置ガイドは上腕頭と係合している。
【0010】
好ましくは、錐頭部を横方向に腱の下に標的部位まで通し、位置ガイドを介して上腕頭に錐頭部を係合させる工程。次いで、錐頭部を上腕頭内に駆動して骨穴を作製することができる。好ましくは、位置ガイドはねじ付遠位先端部を備え、錐頭部を上腕頭内に駆動する工程は、錐頭部を位置ガイドのねじ付遠位先端部に係合させ、位置ガイドを介して錐頭部を嵌入させて骨穴を作製し、次いで骨穴から位置ガイドを螺出することにより錐頭部を位置ガイドから係脱することを含む。次いで、縫合糸アンカーを上腕頭内に駆動することができることは、縫合糸アンカーを骨穴に挿入することを含む。
【0011】
本発明の1つの態様は、内部を縫合糸アンカーに挿入することを含み、その内部は腱を通じて縫合糸アンカーの凹部に入り、凹部内で縫合糸アンカーに係合する。好ましくは、内部は、内部に取り付けられた少なくとも1本の縫合糸を有する。
【0012】
本発明に係る縫合糸アンカーキットは、縫合糸アンカーから延在する少なくとも1本の縫合糸肢部(limb)を有する縫合糸アンカーと、骨に入るための遠位端部と、反対側の近位端部と、遠位端部と近位端部との間の側面とを備える。縫合糸アンカー通過用具は、縫合糸アンカーの側面をつかむよう適合される。
【0013】
好ましくは通過用具は、縫合糸アンカーに隣接して、また縫合糸アンカーを腱板の腱の下に通すのに十分なその長さにわたって、高さを有し、その高さは縫合糸アンカーの遠位端部と近位端部との間の縫合糸アンカーの長さ未満である。
【0014】
本発明の1つの態様では、縫合糸アンカーは側面に開口部を有し、用具は開口部内に収まる大きさの遠位先端部を備え、それによりアンカーをつかむ。
【0015】
好ましくは、係る縫合糸アンカーキットは更に、縫合糸アンカーを腱板の腱の下に通すための説明書を含む使用説明書を含む。
【0016】
本発明に係る縫合糸アンカーキットは、腱板の腱を通過するよう適合された位置ガイドと、縫合糸アンカーと、縫合糸アンカーを上腕頭内に駆動するよう適合されたドライバと、縫合糸アンカーを横方向に腱板の腱の下に通し、腱板の腱を通過する位置ガイドを妨害することにより、縫合糸アンカーを標的部位に位置付けるための説明書とを備える。
【0017】
本発明に係る縫合糸アンカーキットは、腱板の腱を通過するよう適合された位置ガイドと、縫合糸アンカーと、縫合糸アンカーを上腕頭内に駆動するよう適合されたドライバとを備え、ドライバは横方向に縫合糸アンカーと係合し、それにより、縫合糸アンカー及びドライバを横方向に腱板の腱の下に通すことにより、縫合糸アンカー及びドライバを腱板の腱の下の標的部位に位置付けることが可能になる。ドライバは、ラチェット機構を備えてもよい。ドライバはまた、縫合糸アンカーがその中心軸の周りを回転するよう適合された動力源付回転ドライブヘッドを備えてもよい。
【0018】
本発明に係る縫合糸アンカーキットは、腱板の腱を通過するよう適合された位置ガイドと、その中心軸を通る中心孔を有する縫合糸アンカーであって、孔が横方向に開いており、それにより腱板の腱の真下の標的部位で位置ガイドと横方向に係合可能である縫合糸アンカーと、縫合糸アンカーを上腕頭内に駆動するよう適合されたドライバとを備える。
【0019】
縫合糸アンカーは、第1の外側部と第2の外側部とを備えてもよく、第1の外側部と第2の外側部は腱板の腱の真下の標的部位で互いに横方向に中心孔内の位置ガイドと係合可能である。
【0020】
本発明に係る縫合糸アンカーキットは、腱板の腱を通過するよう適合された遠位鋭先端部を有する長手方向に延在する位置ガイドと、位置ガイドの遠位先端部と螺合可能であり、上腕頭に骨穴を形成するよう適合された錐頭部と、縫合糸アンカーと、縫合糸アンカーを骨穴に挿入するよう適合されたドライバとを備える。
【0021】
好ましくは、縫合糸アンカー及び錐のうちの少なくとも1つと横方向に係合可能であり、それにより腱板の腱の下に縫合糸アンカー及び錐のうちの少なくとも1つを挿入することを可能にするマニピュレータが提供される。好ましくは、縫合糸はアンカーから延在し、縫合糸係合ノッチがドライバ又は位置ガイドのうちの1つに設けられ、それにより縫合糸を縫合糸係合ノッチに捕捉し、縫合糸を腱板の腱に通すことが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】PASTA病変を示す腱板の上腕骨及び腱の側面図。
【図2】本発明に係る道具セットの側面図。
【図3】図1の上腕骨の側面図であり、図2の錐が腱の真下に位置付けられ、図2の第1のドライバが腱を通過し錐に係合する本発明に係る手順の工程を示す。
【図4】錐による腱の真下の上腕骨における骨穴の作製を示す図3の手順の側面図。
【図5】骨穴を示し、部位から取り外された錐及び第1のドライバを示す図3の手順の側面図。
【図6】骨穴で腱の真下に位置付けられた図2の縫合糸アンカー、及び腱に通して縫合糸アンカーを係合させる図2の第2のドライバを示す図3の手順の側面図。
【図7】骨穴に駆動されたアンカーを示す図3の手順の側面図。
【図8】上腕骨、並びに錐を腱に通す、本発明に係る道具セット及び手順の第2の実施形態の側面図。
【図9】錐による腱の真下の上腕骨における骨穴の穿孔(tap)を示す図8の手順の側面図。
【図10】腱の真下の骨穴に通した縫合糸アンカーの外部体を示す図8の手順の側面図。
【図11】骨穴に駆動された外部体を示す図8の手順の側面図。
【図12】腱を通じて出ているガイドワイヤで骨穴内に位置付けられた外部体を示す図8の手順の側面図。
【図13】縫合糸アンカーから延在する1対の縫合糸肢部を有する縫合糸アンカーの内部体と、ガイドワイヤを下行させて内部体と係合する挿管されたドライバを示す図8の手順の側面図。
【図14】上腕骨と、脊髄針を腱に通して縫合糸アンカーを配置するために望ましい位置まで通した、本発明に係る道具セット及び手順の第3の実施形態の斜視図。
【図15】(A)および(B)共に、図14の手順のための側面スロットを有する縫合糸アンカー、及び縫合糸アンカーの把持具の斜視図。
【図16】腱の真下に通された縫合糸アンカーを示す図14の手順の斜視図。
【図17】上腕骨と、腱に通されたドライバを介して上腕骨に駆動された腱の下に通した縫合糸アンカーを示す、本発明に係る道具セット及び手順の第4の実施形態の斜視図。
【図18】ドライバが軸方向ではなく横方向に縫合糸アンカーにトルクを与える、本発明に係る道具セットの第5の実施形態の側面図。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図1は、上腕頭12と、上腕頭12に付着している腱14とを有する上腕骨10を表す。腱14は、上腕頭12に付着しているフットプリント16を有し、フットプリント16の係脱部18も見られる。腱14と上腕頭12との間の空間は、明確にするために誇張されている。
【0024】
図2は、縫合糸アンカー20と、縫合糸アンカー20を腱のフットプリント16の係脱部18の真下の上腕頭12内に配置するための道具22を表す。道具22は、第1のドライバ24と、錐頭部26と、第2のドライバ28とを含む。第1のドライバ24は細長い柄部30を有し、ねじ34及び鋭先36を備える遠位端部32で終結する。錐頭部26は、近位端部40にねじ付開口部38を有し、遠位端部44に円錐セクション42を有する。第1のドライバ24のねじ34は、錐頭部26のねじ付開口部38と嵌合する。第2のドライバ28は細長い柄部46を備え、その遠位端部48付近は六角形の断面50を有し、鋭先52で終結する。縫合糸アンカー20は、遠位端部54と、近位端部56と、ねじ付外面58と、第2のドライバ28の六角形部50と嵌合する近位端部56における六角形開口部60とを有する。1対の縫合糸62が、縫合糸アンカー20から延在する。
【0025】
ここで図3〜7を見ると、修復のために、外科医は第1のドライバ24の先36を腱14を通して挿入し、上腕頭12上の外科医が縫合糸アンカー20を埋め込みたい位置に先36を配置する。先36は、上腕頭12内に僅かに叩打されて欠点(defect)を作製する。少量の生体適合性染料を先36より運び、次いで、後に欠点を視覚的に見つけることが容易になるように叩打中骨に移行させてもよい。次いで図3に具体的に示すように、把持具に付着している錐頭部26を有する把持具64を腱14の下に挿入し、錐頭部遠位端部44を第1のドライバ24により作製された欠点内に入れる。第1のドライバ24を錐頭部26内に螺入し、把持具64を取り外す。次いで、第1のドライバ24を介して上腕頭12内に錐頭部26を叩打し(具体的には図4参照)、縫合糸アンカー20を受容するための穴66を作製する。次いで、錐頭部26を把持具64により保持し、第1のドライバ24から係脱し、取り外す(具体的には図5を参照)。
【0026】
ここで穴66が調製されたので、縫合糸アンカー20を腱14の下に通し、把持具64を介して穴66に位置付ける。第2のドライバ28を腱14に通し、好ましくは第1のドライバが通過したのと同じ位置に通し、縫合糸アンカー20と係合させる(具体的には図6を参照)。次いで、アンカー20を第2のドライバ28を介して穴66に駆動する。ここで、アンカー20が成功裏に腱14の真下に配置されることが、続く修復の完了に影響を及ぼす場合がある。例えば、縫合糸把持具(図示せず)を介して腱14に通して縫合糸62を異なる位置に通し、次いで縫合糸を張り、腱14上で結び、上腕頭12に腱14を保持することができる。
【0027】
好ましくはドライバ24及び28はそれぞれ、通過するときに腱14に最低限の損傷しか与えないよう、強度に必要な最小直径を有する。好ましくは、それらは、少なくとも腱14を通過する部分で、4mm未満、より好ましくは3mm未満の直径を有する。図示しない代替実施形態では、第1のドライバ24及び第2のドライバ28の特徴(つまり、ねじ34及び六角形の断面50)を1つのドライバに組み合わせて、腱14の通過を必要な1回だけにする。縫合糸アンカー20は、ステンレス鋼又は生体吸収性ポリマー等の任意の生体適合性材料で形成されてもよい。DePuy Mitek,Inc.(Raynham,MA)から入手可能なBIOCRYL RAPIDEのHEALIX BR二重ねじ付縫合糸アンカー。BIOCRYL RAPIDEは、リン酸三カルシウム(TCP)及びポリ酢酸/ポリグリコール酸(PLGA)の均質なブレンドで形成される生体吸収性ポリマーである。しかし、本発明に開示されたねじ付アンカー20に限定されず、他の種類のアンカー、例えばプッシュインアンカーを用いてもよい。
【0028】
ここで本発明の代替実施形態を示す図8〜図13を見ると、遠位鋭先端部70と、その近位の六角形の断面72を有する錐68が腱14を貫通し、上腕頭12内に叩打され、パイロット穴74を形成する。アンカー外部体76は、雄ねじ78と、外側開口部80と、アンカー外部体76の近位端部84における軸開口部82とを有する。軸開口部は、錐68の六角形の断面72と嵌合する遠位六角形の断面86を有し、また近位ねじ付部88も有する。アンカー外部体76を外側開口部80を通して挿入された通過スティック90を介して腱14の下に通し、次いで錐68は、六角形の断面86を介してアンカー外部体76を係合させる。通過スティック90を取り外し、錐を用いてアンカー外部体76をパイロット穴74で上腕頭12内に駆動する。ガイドワイヤ92はアンカー本体の外に伸びたまま残され、錐68が取り外されるとき腱14を通じて引かれる。手順中、摩擦によりアンカー本体内に保持されて、後に取り外すのを容易にすることが好ましい。次いで、挿管された内部アンカー94をガイドワイヤ92の上から下行させ、アンカー外部体76のねじ付部88に係合させることができる。内部アンカー94は、ねじ付外面96と、六角形の近位開口部98と、ガイドワイヤ92を受容するための軸挿管100と、縫合糸取付具102と、それから延在する1対の縫合糸末端104とを備える。内部アンカー94を、遠位六角形部108とガイドワイヤ92を受容するための挿管110とを有するドライバ106に搭載する。ガイドワイヤ92を挿管100及び110に螺入し、内部アンカー94をガイドワイヤ92に沿って下行させ、アンカー外部体76のねじ付セクション88と嵌合させる。内部アンカー94と外部体76との間の接続は螺入として示されているが、例えば、外部体76上のリップ(lip)に係合して内部アンカー94の近位引き出しを防ぐ、内部アンカー94上の放射状に延在するバーブ(barb)によるスナップ嵌め等の他の種類の接続も可能である。次いで、ドライバ106及びガイドワイヤ92を取り外し、内部アンカー94を、腱14を通過する1対の縫合糸端部104の対で腱14の真下の上腕頭12に固定された状態で残す。
【0029】
図14〜16は、プッシュインアンカー112が遠位鋭先端部114と、骨への固定を促進するためのとげ付外隆起部116と、全長側面開口部120を有する軸挿管118とを備える、本発明の更なる実施形態を示す。把持具122は、遠位端部126に、アンカー112でスナップ嵌めするよう適合された半円切欠部124を有する。PASTA病変の修復に影響を与えるため、外科医は脊髄針等の針128を腱14に通して入れ、アンカー112を配置するために望ましい位置で上腕頭12に係合する。アンカー112を、把持具122を介して腱14の下に摺動させ、その側面開口部120を通して挿管118内に針128が係合するよう適合させる。開口部120は、アンカー112を針128にスナップ嵌めさせるような大きさであってよい。次いで、挿管ドライバ130を針128の上から下行させ、アンカー112が上腕頭12内に叩打され得るよう近位端部132でアンカー112と係合させる。
【0030】
図17は、遠位鋭先端部134と、とげ付隆起部136と、近位用具受容開口部138とを有するプッシュインアンカー132を、把持具122と類似の把持具140で操作する、類似実施形態を示す。ここでは、ドライバ142は、アンカー132を配置するために望ましい位置で上腕頭12内に小さなパイロット穴を開けるために最初に用いられる遠位鋭先端部144を有する。次いで、アンカー132を腱14の下に摺動させ、穴内に先端部134を位置付ける。ドライバ先端部144はアンカー132の開口部138に係合し、次いでアンカー132は上腕頭12内に叩打される。
【0031】
図18は、ねじ付アンカー146と、六角頭等の、軸方向にではなく側方からアンカー146に係合するアンカー係合具150を有するドライバ148とを係合させるための別の代替物を示す。開口手順のために、ドライバは単純なラチェット機構152を有し、係合具150を通してアンカー146にトルクを与え、らせん状に腱の真下の骨に入ることを可能にする。次いで、ドライバ142を下向きの力のために用いてもよく、回転力を与えなければならない訳ではない。関節鏡視下手順では、回転柄部が係合具150に接続されたウォームギア又は類似のギアに係合し、アンカー146を回転させるために適切な軸に回転を平行移動する、電気駆動を有することが好ましい。他の駆動機構としては、鎖及び歯車又はベルト駆動を挙げることができる。
【0032】
本発明の範囲及び趣旨から乖離することなく本発明の種々の変形及び変更は当技術分野の当業者にとって自明のことであろう。本発明は本明細書に開示された実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲は先行技術と同程度広義に解釈されるべきであることを理解すべきである。例えば、遠位先端部がアンカーの穴に収まり、摩擦、スナップ嵌め、一時的接着、ねじ、脆性接続、磁性等により保持される代替把持具設計を用いてもよい。かかる増強を他の把持具に用いてもよい。更に、アンカーは外面上に欠刻又は平坦部を有し、片持把持具又は図15B等に示すようなスナップ嵌め外部把持具による把持をより容易にすることができる。
【0033】
〔実施の態様〕
(1) 不全断裂腱板の腱をその関連上腕頭に付着させる方法であって、
位置ガイドを標的部位で前記上腕頭に向けて前記腱に通す工程と、
縫合糸アンカーを横方向に前記腱の下に通すことにより、前記縫合糸アンカーを前記標的部位で前記上腕頭と前記腱との間に位置付ける工程と、
前記縫合糸アンカーを前記上腕頭内に駆動する工程と、
縫合糸を前記縫合糸アンカーから前記腱に通して前記標的部位で前記上腕頭に前記腱を付着させる工程と、を含む、方法。
(2) 前記位置ガイドが針である、実施態様1に記載の方法。
(3) 前記縫合糸アンカーを前記上腕頭内に駆動する工程が、前記腱と前記上腕頭との間に横方向に挿入された用具を介して前記縫合糸アンカーを回転させることを含む、実施態様1に記載の方法。
(4) 前記用具がラチェット駆動を使用する、実施態様3に記載の方法。
(5) 前記縫合糸アンカーを駆動する工程が、ドライバを前記位置ガイドの上から前記腱に通して、前記縫合糸アンカーを係合させることを含む、実施態様1に記載の方法。
(6) 前記縫合糸アンカーがねじ付であり、前記ドライバが前記縫合糸アンカーを前記上腕頭内に回転させる、実施態様5に記載の方法。
(7) 前記ドライバが前記縫合糸アンカーを前記上腕頭に押し込む、実施態様5に記載の方法。
(8) 前記縫合糸アンカーが互いに組み立てられ得る第1の部分と第2の部分とを備え、前記縫合糸アンカーを前記標的部位に位置付ける工程が、分解されている状態の前記第1の部分と前記第2の部分とを横方向に前記腱の下に通し、次いで前記位置ガイドの周囲で前記第1の部分と前記第2の部分とを組み立てる工程を含む、実施態様1に記載の方法。
(9) 前記位置ガイドが、前記第1の部分と前記第2の部分とを組み立てる工程中、前記上腕頭と係合している、実施態様8に記載の方法。
(10) 錐頭部を横方向に前記腱の下に前記標的部位まで通し、前記位置ガイドを介して前記上腕頭に前記錐頭部を係合させる工程を更に含む、実施態様1に記載の方法。
【0034】
(11) 前記錐頭部を前記上腕頭内に駆動して骨穴を作製する工程を更に含む、実施態様10に記載の方法。
(12) 前記位置ガイドがねじ付遠位先端部を備え、前記錐頭部を前記上腕頭内に駆動する工程が、前記錐頭部を前記位置ガイドの前記ねじ付遠位先端部に係合させ、前記位置ガイドを介して前記錐頭部を嵌入させて前記骨穴を作製し、次いで前記骨穴から前記位置ガイドを螺出することにより前記錐頭部を前記位置ガイドから係脱することを含む、実施態様11に記載の方法。
(13) 前記縫合糸アンカーを前記上腕頭内に駆動する工程が、前記縫合糸アンカーを前記骨穴に挿入することを含む、実施態様11に記載の方法。
(14) 内部を前記縫合糸アンカーに挿入する工程を更に含み、前記内部は前記腱を通じて前記縫合糸アンカーの凹部に入り、前記凹部内で前記縫合糸アンカーに係合する、実施態様1に記載の方法。
(15) 前記内部が、前記内部に取り付けられた少なくとも1本の縫合糸を有する、実施態様14に記載の方法。
(16) 縫合糸アンカーキットであって、
縫合糸アンカーであって、前記縫合糸アンカーから延在する少なくとも1本の縫合糸肢部を有し、骨に入るための遠位端部と、反対側の近位端部と、前記遠位端部と前記近位端部との間の側面と、を備える、縫合糸アンカーと、
前記縫合糸アンカーの側面をつかむよう適合された縫合糸アンカー通過用具と、を備える、キット。
(17) 前記通過用具が、前記縫合糸アンカーに隣接して、また前記縫合糸アンカーを腱板の腱の下に通すのに十分なその長さにわたって、高さを有し、前記高さは前記縫合糸アンカーの遠位端部と近位端部との間の前記縫合糸アンカーの長さ未満である、実施態様16に記載の縫合糸アンカーキット。
(18) 前記縫合糸アンカーが側面に開口部を有し、前記用具が前記開口部内に収まる大きさの遠位先端部を備え、それにより前記アンカーをつかむ、実施態様16に記載の縫合糸アンカーキット。
(19) 前記縫合糸アンカーを腱板の腱の下に通すための説明書を含む使用説明書を更に含む、実施態様16に記載の縫合糸アンカーキット。
(20) 縫合糸アンカーキットであって、
腱板の腱を通過するよう適合された位置ガイドと、
縫合糸アンカーと、
前記縫合糸アンカーを上腕頭内に駆動するよう適合されたドライバと、
前記縫合糸アンカーを横方向に腱板の腱の下に通し、前記腱板の腱を通過する前記位置ガイドを妨害することにより、前記縫合糸アンカーを標的部位に位置付けるための説明書と、を備える、キット。
【0035】
(21) 縫合糸アンカーキットであって、
腱板の腱を通過するよう適合された位置ガイドと、
縫合糸アンカーと、
前記縫合糸アンカーを上腕頭内に駆動するよう適合されたドライバと、を備え、
前記ドライバが横方向に前記縫合糸アンカーと係合し、それらを横方向に前記腱板の腱の下に通すことにより、前記縫合糸アンカー及び前記ドライバを腱板の腱の下の標的部位に位置付ける、キット。
(22) 前記ドライバがラチェット機構を備える、実施態様21に記載の縫合糸アンカーキット。
(23) 前記ドライバが、前記縫合糸アンカーがその中心軸の周りを回転するよう適合された動力源付回転ドライブヘッドを備える、実施態様21に記載の縫合糸アンカーキット。
(24) 縫合糸アンカーキットであって、
腱板の腱を通過するよう適合された位置ガイドと、
中心軸を通る中心孔を有する縫合糸アンカーであって、前記孔が横方向に開いており、それにより前記腱板の腱の真下の標的部位で前記位置ガイドと横方向に係合可能である、縫合糸アンカーと、
前記縫合糸アンカーを上腕頭内に駆動するよう適合されたドライバと、を備える、キット。
(25) 前記縫合糸アンカーが、第1の外側部と第2の外側部とを備え、前記第1の外側部と前記第2の外側部が、腱板の腱の真下の標的部位で互いに横方向に前記中心孔内の前記位置ガイドと係合可能である、実施態様24に記載の縫合糸アンカーキット。
(26) 縫合糸アンカーキットであって、
腱板の腱を通過するよう適合された遠位鋭先端部を有する長手方向に延在する位置ガイドと、
前記位置ガイドの前記遠位先端部と螺合可能であり、上腕頭に骨穴を形成するよう適合された錐頭部と、
縫合糸アンカーと、
前記縫合糸アンカーを前記骨穴に挿入するよう適合されたドライバと、を備える、キット。
(27) 前記縫合糸アンカー及び錐のうちの少なくとも1つと横方向に係合可能であり、それにより前記腱板の腱の下に前記縫合糸アンカー及び錐のうちの少なくとも1つを挿入することを可能にするマニピュレータを更に備える、実施態様26に記載の縫合糸アンカーキット。
(28) 前記アンカーから延在する縫合糸と、縫合糸係合ノッチであって、前記ドライバ又は前記位置ガイドのうちの1つに設けられ、それにより前記縫合糸を前記縫合糸係合ノッチに捕捉し、前記腱板の腱に前記縫合糸を通す、縫合糸係合ノッチと、を更に含む、実施態様26に記載の縫合糸アンカーキット。
【技術分野】
【0001】
本出願は、不全断裂腱板修復を実施するためのシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
肩腱板のPASTA(腱関節面不全断裂)病変は、特に修復が困難である場合がある。腱板は、肩を取り囲む筋肉の群と、上腕頭にこれら筋肉を付着させる腱とを含む。腱は、それが上腕頭に付着する位置にフットプリントを有し、PASTA病変では腱のフットプリントの一部が上腕頭から離れる。かかる病変は、棘上筋腱において最も一般的に見られる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
治療の選択肢の1つは、完全に断裂させ、完全断裂についての標準的な技術を用いて修復することである。したがって保存されている既存の付着は失われ、腱全体を再付着させなければならない。別の選択肢は、腱を通じて上腕頭内に縫合糸アンカーを通し、縫合糸を腱に通し、腱を縛り付けて再付着を試みることである。これは腱に更なる傷害を引き起こす。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、現在の治療の選択肢を超える利点を提供する、PASTA病変を修復するシステム及び方法を提供する。
【0005】
本発明に係る方法は、不全断裂腱板の腱をその関連上腕頭に付着させる。方法は、位置ガイドを標的部位で上腕頭に向けて腱に通す工程と、縫合糸アンカーを横方向に腱の下に通すことにより、縫合糸アンカーを標的部位で上腕頭と腱との間に位置付ける工程と、縫合糸アンカーを上腕頭内に駆動する工程と、縫合糸を縫合糸アンカーから腱に通して、標的部位で上腕頭に腱を付着させる工程と、を含む。
【0006】
好ましくは、位置ガイドは針である。
【0007】
本発明の1つの態様では、縫合糸アンカーを上腕頭内に駆動する工程は、腱と上腕頭との間に横方向に挿入された用具を介して縫合糸アンカーを回転させることを含む。用具はラチェット駆動を使用してもよい。
【0008】
本発明の別の態様では、縫合糸アンカーを駆動する工程は、ドライバを位置ガイドの上から腱に通して、縫合糸アンカーを係合させることを含む。ドライバが縫合糸アンカーを上腕頭内に回転させるよう縫合糸アンカーはねじ付であってもよく、又はドライバは単に縫合糸アンカーを上腕頭に押し込む若しくは上腕頭を叩打する(mallet)こともできる。
【0009】
本発明の1つの態様では、縫合糸アンカーは互いと組み立てられ得る第1の部分と第2の部分とを備え、縫合糸アンカーを標的部位に位置付ける工程は、分解されている状態の第1の部分と第2の部分とを横方向に腱の下に通し、次いで位置ガイドの周囲で第1の部分と第2の部分とを組み立てることを含む。好ましくは、第1の部分と第2の部分とを組み立てる工程中、位置ガイドは上腕頭と係合している。
【0010】
好ましくは、錐頭部を横方向に腱の下に標的部位まで通し、位置ガイドを介して上腕頭に錐頭部を係合させる工程。次いで、錐頭部を上腕頭内に駆動して骨穴を作製することができる。好ましくは、位置ガイドはねじ付遠位先端部を備え、錐頭部を上腕頭内に駆動する工程は、錐頭部を位置ガイドのねじ付遠位先端部に係合させ、位置ガイドを介して錐頭部を嵌入させて骨穴を作製し、次いで骨穴から位置ガイドを螺出することにより錐頭部を位置ガイドから係脱することを含む。次いで、縫合糸アンカーを上腕頭内に駆動することができることは、縫合糸アンカーを骨穴に挿入することを含む。
【0011】
本発明の1つの態様は、内部を縫合糸アンカーに挿入することを含み、その内部は腱を通じて縫合糸アンカーの凹部に入り、凹部内で縫合糸アンカーに係合する。好ましくは、内部は、内部に取り付けられた少なくとも1本の縫合糸を有する。
【0012】
本発明に係る縫合糸アンカーキットは、縫合糸アンカーから延在する少なくとも1本の縫合糸肢部(limb)を有する縫合糸アンカーと、骨に入るための遠位端部と、反対側の近位端部と、遠位端部と近位端部との間の側面とを備える。縫合糸アンカー通過用具は、縫合糸アンカーの側面をつかむよう適合される。
【0013】
好ましくは通過用具は、縫合糸アンカーに隣接して、また縫合糸アンカーを腱板の腱の下に通すのに十分なその長さにわたって、高さを有し、その高さは縫合糸アンカーの遠位端部と近位端部との間の縫合糸アンカーの長さ未満である。
【0014】
本発明の1つの態様では、縫合糸アンカーは側面に開口部を有し、用具は開口部内に収まる大きさの遠位先端部を備え、それによりアンカーをつかむ。
【0015】
好ましくは、係る縫合糸アンカーキットは更に、縫合糸アンカーを腱板の腱の下に通すための説明書を含む使用説明書を含む。
【0016】
本発明に係る縫合糸アンカーキットは、腱板の腱を通過するよう適合された位置ガイドと、縫合糸アンカーと、縫合糸アンカーを上腕頭内に駆動するよう適合されたドライバと、縫合糸アンカーを横方向に腱板の腱の下に通し、腱板の腱を通過する位置ガイドを妨害することにより、縫合糸アンカーを標的部位に位置付けるための説明書とを備える。
【0017】
本発明に係る縫合糸アンカーキットは、腱板の腱を通過するよう適合された位置ガイドと、縫合糸アンカーと、縫合糸アンカーを上腕頭内に駆動するよう適合されたドライバとを備え、ドライバは横方向に縫合糸アンカーと係合し、それにより、縫合糸アンカー及びドライバを横方向に腱板の腱の下に通すことにより、縫合糸アンカー及びドライバを腱板の腱の下の標的部位に位置付けることが可能になる。ドライバは、ラチェット機構を備えてもよい。ドライバはまた、縫合糸アンカーがその中心軸の周りを回転するよう適合された動力源付回転ドライブヘッドを備えてもよい。
【0018】
本発明に係る縫合糸アンカーキットは、腱板の腱を通過するよう適合された位置ガイドと、その中心軸を通る中心孔を有する縫合糸アンカーであって、孔が横方向に開いており、それにより腱板の腱の真下の標的部位で位置ガイドと横方向に係合可能である縫合糸アンカーと、縫合糸アンカーを上腕頭内に駆動するよう適合されたドライバとを備える。
【0019】
縫合糸アンカーは、第1の外側部と第2の外側部とを備えてもよく、第1の外側部と第2の外側部は腱板の腱の真下の標的部位で互いに横方向に中心孔内の位置ガイドと係合可能である。
【0020】
本発明に係る縫合糸アンカーキットは、腱板の腱を通過するよう適合された遠位鋭先端部を有する長手方向に延在する位置ガイドと、位置ガイドの遠位先端部と螺合可能であり、上腕頭に骨穴を形成するよう適合された錐頭部と、縫合糸アンカーと、縫合糸アンカーを骨穴に挿入するよう適合されたドライバとを備える。
【0021】
好ましくは、縫合糸アンカー及び錐のうちの少なくとも1つと横方向に係合可能であり、それにより腱板の腱の下に縫合糸アンカー及び錐のうちの少なくとも1つを挿入することを可能にするマニピュレータが提供される。好ましくは、縫合糸はアンカーから延在し、縫合糸係合ノッチがドライバ又は位置ガイドのうちの1つに設けられ、それにより縫合糸を縫合糸係合ノッチに捕捉し、縫合糸を腱板の腱に通すことが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】PASTA病変を示す腱板の上腕骨及び腱の側面図。
【図2】本発明に係る道具セットの側面図。
【図3】図1の上腕骨の側面図であり、図2の錐が腱の真下に位置付けられ、図2の第1のドライバが腱を通過し錐に係合する本発明に係る手順の工程を示す。
【図4】錐による腱の真下の上腕骨における骨穴の作製を示す図3の手順の側面図。
【図5】骨穴を示し、部位から取り外された錐及び第1のドライバを示す図3の手順の側面図。
【図6】骨穴で腱の真下に位置付けられた図2の縫合糸アンカー、及び腱に通して縫合糸アンカーを係合させる図2の第2のドライバを示す図3の手順の側面図。
【図7】骨穴に駆動されたアンカーを示す図3の手順の側面図。
【図8】上腕骨、並びに錐を腱に通す、本発明に係る道具セット及び手順の第2の実施形態の側面図。
【図9】錐による腱の真下の上腕骨における骨穴の穿孔(tap)を示す図8の手順の側面図。
【図10】腱の真下の骨穴に通した縫合糸アンカーの外部体を示す図8の手順の側面図。
【図11】骨穴に駆動された外部体を示す図8の手順の側面図。
【図12】腱を通じて出ているガイドワイヤで骨穴内に位置付けられた外部体を示す図8の手順の側面図。
【図13】縫合糸アンカーから延在する1対の縫合糸肢部を有する縫合糸アンカーの内部体と、ガイドワイヤを下行させて内部体と係合する挿管されたドライバを示す図8の手順の側面図。
【図14】上腕骨と、脊髄針を腱に通して縫合糸アンカーを配置するために望ましい位置まで通した、本発明に係る道具セット及び手順の第3の実施形態の斜視図。
【図15】(A)および(B)共に、図14の手順のための側面スロットを有する縫合糸アンカー、及び縫合糸アンカーの把持具の斜視図。
【図16】腱の真下に通された縫合糸アンカーを示す図14の手順の斜視図。
【図17】上腕骨と、腱に通されたドライバを介して上腕骨に駆動された腱の下に通した縫合糸アンカーを示す、本発明に係る道具セット及び手順の第4の実施形態の斜視図。
【図18】ドライバが軸方向ではなく横方向に縫合糸アンカーにトルクを与える、本発明に係る道具セットの第5の実施形態の側面図。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図1は、上腕頭12と、上腕頭12に付着している腱14とを有する上腕骨10を表す。腱14は、上腕頭12に付着しているフットプリント16を有し、フットプリント16の係脱部18も見られる。腱14と上腕頭12との間の空間は、明確にするために誇張されている。
【0024】
図2は、縫合糸アンカー20と、縫合糸アンカー20を腱のフットプリント16の係脱部18の真下の上腕頭12内に配置するための道具22を表す。道具22は、第1のドライバ24と、錐頭部26と、第2のドライバ28とを含む。第1のドライバ24は細長い柄部30を有し、ねじ34及び鋭先36を備える遠位端部32で終結する。錐頭部26は、近位端部40にねじ付開口部38を有し、遠位端部44に円錐セクション42を有する。第1のドライバ24のねじ34は、錐頭部26のねじ付開口部38と嵌合する。第2のドライバ28は細長い柄部46を備え、その遠位端部48付近は六角形の断面50を有し、鋭先52で終結する。縫合糸アンカー20は、遠位端部54と、近位端部56と、ねじ付外面58と、第2のドライバ28の六角形部50と嵌合する近位端部56における六角形開口部60とを有する。1対の縫合糸62が、縫合糸アンカー20から延在する。
【0025】
ここで図3〜7を見ると、修復のために、外科医は第1のドライバ24の先36を腱14を通して挿入し、上腕頭12上の外科医が縫合糸アンカー20を埋め込みたい位置に先36を配置する。先36は、上腕頭12内に僅かに叩打されて欠点(defect)を作製する。少量の生体適合性染料を先36より運び、次いで、後に欠点を視覚的に見つけることが容易になるように叩打中骨に移行させてもよい。次いで図3に具体的に示すように、把持具に付着している錐頭部26を有する把持具64を腱14の下に挿入し、錐頭部遠位端部44を第1のドライバ24により作製された欠点内に入れる。第1のドライバ24を錐頭部26内に螺入し、把持具64を取り外す。次いで、第1のドライバ24を介して上腕頭12内に錐頭部26を叩打し(具体的には図4参照)、縫合糸アンカー20を受容するための穴66を作製する。次いで、錐頭部26を把持具64により保持し、第1のドライバ24から係脱し、取り外す(具体的には図5を参照)。
【0026】
ここで穴66が調製されたので、縫合糸アンカー20を腱14の下に通し、把持具64を介して穴66に位置付ける。第2のドライバ28を腱14に通し、好ましくは第1のドライバが通過したのと同じ位置に通し、縫合糸アンカー20と係合させる(具体的には図6を参照)。次いで、アンカー20を第2のドライバ28を介して穴66に駆動する。ここで、アンカー20が成功裏に腱14の真下に配置されることが、続く修復の完了に影響を及ぼす場合がある。例えば、縫合糸把持具(図示せず)を介して腱14に通して縫合糸62を異なる位置に通し、次いで縫合糸を張り、腱14上で結び、上腕頭12に腱14を保持することができる。
【0027】
好ましくはドライバ24及び28はそれぞれ、通過するときに腱14に最低限の損傷しか与えないよう、強度に必要な最小直径を有する。好ましくは、それらは、少なくとも腱14を通過する部分で、4mm未満、より好ましくは3mm未満の直径を有する。図示しない代替実施形態では、第1のドライバ24及び第2のドライバ28の特徴(つまり、ねじ34及び六角形の断面50)を1つのドライバに組み合わせて、腱14の通過を必要な1回だけにする。縫合糸アンカー20は、ステンレス鋼又は生体吸収性ポリマー等の任意の生体適合性材料で形成されてもよい。DePuy Mitek,Inc.(Raynham,MA)から入手可能なBIOCRYL RAPIDEのHEALIX BR二重ねじ付縫合糸アンカー。BIOCRYL RAPIDEは、リン酸三カルシウム(TCP)及びポリ酢酸/ポリグリコール酸(PLGA)の均質なブレンドで形成される生体吸収性ポリマーである。しかし、本発明に開示されたねじ付アンカー20に限定されず、他の種類のアンカー、例えばプッシュインアンカーを用いてもよい。
【0028】
ここで本発明の代替実施形態を示す図8〜図13を見ると、遠位鋭先端部70と、その近位の六角形の断面72を有する錐68が腱14を貫通し、上腕頭12内に叩打され、パイロット穴74を形成する。アンカー外部体76は、雄ねじ78と、外側開口部80と、アンカー外部体76の近位端部84における軸開口部82とを有する。軸開口部は、錐68の六角形の断面72と嵌合する遠位六角形の断面86を有し、また近位ねじ付部88も有する。アンカー外部体76を外側開口部80を通して挿入された通過スティック90を介して腱14の下に通し、次いで錐68は、六角形の断面86を介してアンカー外部体76を係合させる。通過スティック90を取り外し、錐を用いてアンカー外部体76をパイロット穴74で上腕頭12内に駆動する。ガイドワイヤ92はアンカー本体の外に伸びたまま残され、錐68が取り外されるとき腱14を通じて引かれる。手順中、摩擦によりアンカー本体内に保持されて、後に取り外すのを容易にすることが好ましい。次いで、挿管された内部アンカー94をガイドワイヤ92の上から下行させ、アンカー外部体76のねじ付部88に係合させることができる。内部アンカー94は、ねじ付外面96と、六角形の近位開口部98と、ガイドワイヤ92を受容するための軸挿管100と、縫合糸取付具102と、それから延在する1対の縫合糸末端104とを備える。内部アンカー94を、遠位六角形部108とガイドワイヤ92を受容するための挿管110とを有するドライバ106に搭載する。ガイドワイヤ92を挿管100及び110に螺入し、内部アンカー94をガイドワイヤ92に沿って下行させ、アンカー外部体76のねじ付セクション88と嵌合させる。内部アンカー94と外部体76との間の接続は螺入として示されているが、例えば、外部体76上のリップ(lip)に係合して内部アンカー94の近位引き出しを防ぐ、内部アンカー94上の放射状に延在するバーブ(barb)によるスナップ嵌め等の他の種類の接続も可能である。次いで、ドライバ106及びガイドワイヤ92を取り外し、内部アンカー94を、腱14を通過する1対の縫合糸端部104の対で腱14の真下の上腕頭12に固定された状態で残す。
【0029】
図14〜16は、プッシュインアンカー112が遠位鋭先端部114と、骨への固定を促進するためのとげ付外隆起部116と、全長側面開口部120を有する軸挿管118とを備える、本発明の更なる実施形態を示す。把持具122は、遠位端部126に、アンカー112でスナップ嵌めするよう適合された半円切欠部124を有する。PASTA病変の修復に影響を与えるため、外科医は脊髄針等の針128を腱14に通して入れ、アンカー112を配置するために望ましい位置で上腕頭12に係合する。アンカー112を、把持具122を介して腱14の下に摺動させ、その側面開口部120を通して挿管118内に針128が係合するよう適合させる。開口部120は、アンカー112を針128にスナップ嵌めさせるような大きさであってよい。次いで、挿管ドライバ130を針128の上から下行させ、アンカー112が上腕頭12内に叩打され得るよう近位端部132でアンカー112と係合させる。
【0030】
図17は、遠位鋭先端部134と、とげ付隆起部136と、近位用具受容開口部138とを有するプッシュインアンカー132を、把持具122と類似の把持具140で操作する、類似実施形態を示す。ここでは、ドライバ142は、アンカー132を配置するために望ましい位置で上腕頭12内に小さなパイロット穴を開けるために最初に用いられる遠位鋭先端部144を有する。次いで、アンカー132を腱14の下に摺動させ、穴内に先端部134を位置付ける。ドライバ先端部144はアンカー132の開口部138に係合し、次いでアンカー132は上腕頭12内に叩打される。
【0031】
図18は、ねじ付アンカー146と、六角頭等の、軸方向にではなく側方からアンカー146に係合するアンカー係合具150を有するドライバ148とを係合させるための別の代替物を示す。開口手順のために、ドライバは単純なラチェット機構152を有し、係合具150を通してアンカー146にトルクを与え、らせん状に腱の真下の骨に入ることを可能にする。次いで、ドライバ142を下向きの力のために用いてもよく、回転力を与えなければならない訳ではない。関節鏡視下手順では、回転柄部が係合具150に接続されたウォームギア又は類似のギアに係合し、アンカー146を回転させるために適切な軸に回転を平行移動する、電気駆動を有することが好ましい。他の駆動機構としては、鎖及び歯車又はベルト駆動を挙げることができる。
【0032】
本発明の範囲及び趣旨から乖離することなく本発明の種々の変形及び変更は当技術分野の当業者にとって自明のことであろう。本発明は本明細書に開示された実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲は先行技術と同程度広義に解釈されるべきであることを理解すべきである。例えば、遠位先端部がアンカーの穴に収まり、摩擦、スナップ嵌め、一時的接着、ねじ、脆性接続、磁性等により保持される代替把持具設計を用いてもよい。かかる増強を他の把持具に用いてもよい。更に、アンカーは外面上に欠刻又は平坦部を有し、片持把持具又は図15B等に示すようなスナップ嵌め外部把持具による把持をより容易にすることができる。
【0033】
〔実施の態様〕
(1) 不全断裂腱板の腱をその関連上腕頭に付着させる方法であって、
位置ガイドを標的部位で前記上腕頭に向けて前記腱に通す工程と、
縫合糸アンカーを横方向に前記腱の下に通すことにより、前記縫合糸アンカーを前記標的部位で前記上腕頭と前記腱との間に位置付ける工程と、
前記縫合糸アンカーを前記上腕頭内に駆動する工程と、
縫合糸を前記縫合糸アンカーから前記腱に通して前記標的部位で前記上腕頭に前記腱を付着させる工程と、を含む、方法。
(2) 前記位置ガイドが針である、実施態様1に記載の方法。
(3) 前記縫合糸アンカーを前記上腕頭内に駆動する工程が、前記腱と前記上腕頭との間に横方向に挿入された用具を介して前記縫合糸アンカーを回転させることを含む、実施態様1に記載の方法。
(4) 前記用具がラチェット駆動を使用する、実施態様3に記載の方法。
(5) 前記縫合糸アンカーを駆動する工程が、ドライバを前記位置ガイドの上から前記腱に通して、前記縫合糸アンカーを係合させることを含む、実施態様1に記載の方法。
(6) 前記縫合糸アンカーがねじ付であり、前記ドライバが前記縫合糸アンカーを前記上腕頭内に回転させる、実施態様5に記載の方法。
(7) 前記ドライバが前記縫合糸アンカーを前記上腕頭に押し込む、実施態様5に記載の方法。
(8) 前記縫合糸アンカーが互いに組み立てられ得る第1の部分と第2の部分とを備え、前記縫合糸アンカーを前記標的部位に位置付ける工程が、分解されている状態の前記第1の部分と前記第2の部分とを横方向に前記腱の下に通し、次いで前記位置ガイドの周囲で前記第1の部分と前記第2の部分とを組み立てる工程を含む、実施態様1に記載の方法。
(9) 前記位置ガイドが、前記第1の部分と前記第2の部分とを組み立てる工程中、前記上腕頭と係合している、実施態様8に記載の方法。
(10) 錐頭部を横方向に前記腱の下に前記標的部位まで通し、前記位置ガイドを介して前記上腕頭に前記錐頭部を係合させる工程を更に含む、実施態様1に記載の方法。
【0034】
(11) 前記錐頭部を前記上腕頭内に駆動して骨穴を作製する工程を更に含む、実施態様10に記載の方法。
(12) 前記位置ガイドがねじ付遠位先端部を備え、前記錐頭部を前記上腕頭内に駆動する工程が、前記錐頭部を前記位置ガイドの前記ねじ付遠位先端部に係合させ、前記位置ガイドを介して前記錐頭部を嵌入させて前記骨穴を作製し、次いで前記骨穴から前記位置ガイドを螺出することにより前記錐頭部を前記位置ガイドから係脱することを含む、実施態様11に記載の方法。
(13) 前記縫合糸アンカーを前記上腕頭内に駆動する工程が、前記縫合糸アンカーを前記骨穴に挿入することを含む、実施態様11に記載の方法。
(14) 内部を前記縫合糸アンカーに挿入する工程を更に含み、前記内部は前記腱を通じて前記縫合糸アンカーの凹部に入り、前記凹部内で前記縫合糸アンカーに係合する、実施態様1に記載の方法。
(15) 前記内部が、前記内部に取り付けられた少なくとも1本の縫合糸を有する、実施態様14に記載の方法。
(16) 縫合糸アンカーキットであって、
縫合糸アンカーであって、前記縫合糸アンカーから延在する少なくとも1本の縫合糸肢部を有し、骨に入るための遠位端部と、反対側の近位端部と、前記遠位端部と前記近位端部との間の側面と、を備える、縫合糸アンカーと、
前記縫合糸アンカーの側面をつかむよう適合された縫合糸アンカー通過用具と、を備える、キット。
(17) 前記通過用具が、前記縫合糸アンカーに隣接して、また前記縫合糸アンカーを腱板の腱の下に通すのに十分なその長さにわたって、高さを有し、前記高さは前記縫合糸アンカーの遠位端部と近位端部との間の前記縫合糸アンカーの長さ未満である、実施態様16に記載の縫合糸アンカーキット。
(18) 前記縫合糸アンカーが側面に開口部を有し、前記用具が前記開口部内に収まる大きさの遠位先端部を備え、それにより前記アンカーをつかむ、実施態様16に記載の縫合糸アンカーキット。
(19) 前記縫合糸アンカーを腱板の腱の下に通すための説明書を含む使用説明書を更に含む、実施態様16に記載の縫合糸アンカーキット。
(20) 縫合糸アンカーキットであって、
腱板の腱を通過するよう適合された位置ガイドと、
縫合糸アンカーと、
前記縫合糸アンカーを上腕頭内に駆動するよう適合されたドライバと、
前記縫合糸アンカーを横方向に腱板の腱の下に通し、前記腱板の腱を通過する前記位置ガイドを妨害することにより、前記縫合糸アンカーを標的部位に位置付けるための説明書と、を備える、キット。
【0035】
(21) 縫合糸アンカーキットであって、
腱板の腱を通過するよう適合された位置ガイドと、
縫合糸アンカーと、
前記縫合糸アンカーを上腕頭内に駆動するよう適合されたドライバと、を備え、
前記ドライバが横方向に前記縫合糸アンカーと係合し、それらを横方向に前記腱板の腱の下に通すことにより、前記縫合糸アンカー及び前記ドライバを腱板の腱の下の標的部位に位置付ける、キット。
(22) 前記ドライバがラチェット機構を備える、実施態様21に記載の縫合糸アンカーキット。
(23) 前記ドライバが、前記縫合糸アンカーがその中心軸の周りを回転するよう適合された動力源付回転ドライブヘッドを備える、実施態様21に記載の縫合糸アンカーキット。
(24) 縫合糸アンカーキットであって、
腱板の腱を通過するよう適合された位置ガイドと、
中心軸を通る中心孔を有する縫合糸アンカーであって、前記孔が横方向に開いており、それにより前記腱板の腱の真下の標的部位で前記位置ガイドと横方向に係合可能である、縫合糸アンカーと、
前記縫合糸アンカーを上腕頭内に駆動するよう適合されたドライバと、を備える、キット。
(25) 前記縫合糸アンカーが、第1の外側部と第2の外側部とを備え、前記第1の外側部と前記第2の外側部が、腱板の腱の真下の標的部位で互いに横方向に前記中心孔内の前記位置ガイドと係合可能である、実施態様24に記載の縫合糸アンカーキット。
(26) 縫合糸アンカーキットであって、
腱板の腱を通過するよう適合された遠位鋭先端部を有する長手方向に延在する位置ガイドと、
前記位置ガイドの前記遠位先端部と螺合可能であり、上腕頭に骨穴を形成するよう適合された錐頭部と、
縫合糸アンカーと、
前記縫合糸アンカーを前記骨穴に挿入するよう適合されたドライバと、を備える、キット。
(27) 前記縫合糸アンカー及び錐のうちの少なくとも1つと横方向に係合可能であり、それにより前記腱板の腱の下に前記縫合糸アンカー及び錐のうちの少なくとも1つを挿入することを可能にするマニピュレータを更に備える、実施態様26に記載の縫合糸アンカーキット。
(28) 前記アンカーから延在する縫合糸と、縫合糸係合ノッチであって、前記ドライバ又は前記位置ガイドのうちの1つに設けられ、それにより前記縫合糸を前記縫合糸係合ノッチに捕捉し、前記腱板の腱に前記縫合糸を通す、縫合糸係合ノッチと、を更に含む、実施態様26に記載の縫合糸アンカーキット。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
縫合糸アンカーキットであって、
縫合糸アンカーであって、前記縫合糸アンカーから延在する少なくとも1本の縫合糸肢部を有し、骨に入るための遠位端部と、反対側の近位端部と、前記遠位端部と前記近位端部との間の側面と、を備える、縫合糸アンカーと、
前記縫合糸アンカーの側面をつかむよう適合された縫合糸アンカー通過用具と、を備える、キット。
【請求項2】
前記通過用具が、前記縫合糸アンカーに隣接して、また前記縫合糸アンカーを腱板の腱の下に通すのに十分なその長さにわたって、高さを有し、前記高さは前記縫合糸アンカーの遠位端部と近位端部との間の前記縫合糸アンカーの長さ未満である、請求項1に記載の縫合糸アンカーキット。
【請求項3】
前記縫合糸アンカーが側面に開口部を有し、前記用具が前記開口部内に収まる大きさの遠位先端部を備え、それにより前記アンカーをつかむ、請求項1に記載の縫合糸アンカーキット。
【請求項4】
前記縫合糸アンカーを腱板の腱の下に通すための説明書を含む使用説明書を更に含む、請求項1に記載の縫合糸アンカーキット。
【請求項5】
縫合糸アンカーキットであって、
腱板の腱を通過するよう適合された位置ガイドと、
縫合糸アンカーと、
前記縫合糸アンカーを上腕頭内に駆動するよう適合されたドライバと、
前記縫合糸アンカーを横方向に腱板の腱の下に通し、前記腱板の腱を通過する前記位置ガイドを妨害することにより、前記縫合糸アンカーを標的部位に位置付けるための説明書と、を備える、キット。
【請求項6】
縫合糸アンカーキットであって、
腱板の腱を通過するよう適合された位置ガイドと、
縫合糸アンカーと、
前記縫合糸アンカーを上腕頭内に駆動するよう適合されたドライバと、を備え、
前記ドライバが横方向に前記縫合糸アンカーと係合し、それらを横方向に前記腱板の腱の下に通すことにより、前記縫合糸アンカー及び前記ドライバを腱板の腱の下の標的部位に位置付ける、キット。
【請求項7】
前記ドライバがラチェット機構を備える、請求項6に記載の縫合糸アンカーキット。
【請求項8】
前記ドライバが、前記縫合糸アンカーがその中心軸の周りを回転するよう適合された動力源付回転ドライブヘッドを備える、請求項6に記載の縫合糸アンカーキット。
【請求項9】
縫合糸アンカーキットであって、
腱板の腱を通過するよう適合された位置ガイドと、
中心軸を通る中心孔を有する縫合糸アンカーであって、前記孔が横方向に開いており、それにより前記腱板の腱の真下の標的部位で前記位置ガイドと横方向に係合可能である、縫合糸アンカーと、
前記縫合糸アンカーを上腕頭内に駆動するよう適合されたドライバと、を備える、キット。
【請求項10】
前記縫合糸アンカーが、第1の外側部と第2の外側部とを備え、前記第1の外側部と前記第2の外側部が、腱板の腱の真下の標的部位で互いに横方向に前記中心孔内の前記位置ガイドと係合可能である、請求項9に記載の縫合糸アンカーキット。
【請求項11】
縫合糸アンカーキットであって、
腱板の腱を通過するよう適合された遠位鋭先端部を有する長手方向に延在する位置ガイドと、
前記位置ガイドの前記遠位先端部と螺合可能であり、上腕頭に骨穴を形成するよう適合された錐頭部と、
縫合糸アンカーと、
前記縫合糸アンカーを前記骨穴に挿入するよう適合されたドライバと、を備える、キット。
【請求項12】
前記縫合糸アンカー及び錐のうちの少なくとも1つと横方向に係合可能であり、それにより前記腱板の腱の下に前記縫合糸アンカー及び錐のうちの少なくとも1つを挿入することを可能にするマニピュレータを更に備える、請求項11に記載の縫合糸アンカーキット。
【請求項13】
前記アンカーから延在する縫合糸と、縫合糸係合ノッチであって、前記ドライバ又は前記位置ガイドのうちの1つに設けられ、それにより前記縫合糸を前記縫合糸係合ノッチに捕捉し、前記腱板の腱に前記縫合糸を通す、縫合糸係合ノッチと、を更に含む、請求項11に記載の縫合糸アンカーキット。
【請求項1】
縫合糸アンカーキットであって、
縫合糸アンカーであって、前記縫合糸アンカーから延在する少なくとも1本の縫合糸肢部を有し、骨に入るための遠位端部と、反対側の近位端部と、前記遠位端部と前記近位端部との間の側面と、を備える、縫合糸アンカーと、
前記縫合糸アンカーの側面をつかむよう適合された縫合糸アンカー通過用具と、を備える、キット。
【請求項2】
前記通過用具が、前記縫合糸アンカーに隣接して、また前記縫合糸アンカーを腱板の腱の下に通すのに十分なその長さにわたって、高さを有し、前記高さは前記縫合糸アンカーの遠位端部と近位端部との間の前記縫合糸アンカーの長さ未満である、請求項1に記載の縫合糸アンカーキット。
【請求項3】
前記縫合糸アンカーが側面に開口部を有し、前記用具が前記開口部内に収まる大きさの遠位先端部を備え、それにより前記アンカーをつかむ、請求項1に記載の縫合糸アンカーキット。
【請求項4】
前記縫合糸アンカーを腱板の腱の下に通すための説明書を含む使用説明書を更に含む、請求項1に記載の縫合糸アンカーキット。
【請求項5】
縫合糸アンカーキットであって、
腱板の腱を通過するよう適合された位置ガイドと、
縫合糸アンカーと、
前記縫合糸アンカーを上腕頭内に駆動するよう適合されたドライバと、
前記縫合糸アンカーを横方向に腱板の腱の下に通し、前記腱板の腱を通過する前記位置ガイドを妨害することにより、前記縫合糸アンカーを標的部位に位置付けるための説明書と、を備える、キット。
【請求項6】
縫合糸アンカーキットであって、
腱板の腱を通過するよう適合された位置ガイドと、
縫合糸アンカーと、
前記縫合糸アンカーを上腕頭内に駆動するよう適合されたドライバと、を備え、
前記ドライバが横方向に前記縫合糸アンカーと係合し、それらを横方向に前記腱板の腱の下に通すことにより、前記縫合糸アンカー及び前記ドライバを腱板の腱の下の標的部位に位置付ける、キット。
【請求項7】
前記ドライバがラチェット機構を備える、請求項6に記載の縫合糸アンカーキット。
【請求項8】
前記ドライバが、前記縫合糸アンカーがその中心軸の周りを回転するよう適合された動力源付回転ドライブヘッドを備える、請求項6に記載の縫合糸アンカーキット。
【請求項9】
縫合糸アンカーキットであって、
腱板の腱を通過するよう適合された位置ガイドと、
中心軸を通る中心孔を有する縫合糸アンカーであって、前記孔が横方向に開いており、それにより前記腱板の腱の真下の標的部位で前記位置ガイドと横方向に係合可能である、縫合糸アンカーと、
前記縫合糸アンカーを上腕頭内に駆動するよう適合されたドライバと、を備える、キット。
【請求項10】
前記縫合糸アンカーが、第1の外側部と第2の外側部とを備え、前記第1の外側部と前記第2の外側部が、腱板の腱の真下の標的部位で互いに横方向に前記中心孔内の前記位置ガイドと係合可能である、請求項9に記載の縫合糸アンカーキット。
【請求項11】
縫合糸アンカーキットであって、
腱板の腱を通過するよう適合された遠位鋭先端部を有する長手方向に延在する位置ガイドと、
前記位置ガイドの前記遠位先端部と螺合可能であり、上腕頭に骨穴を形成するよう適合された錐頭部と、
縫合糸アンカーと、
前記縫合糸アンカーを前記骨穴に挿入するよう適合されたドライバと、を備える、キット。
【請求項12】
前記縫合糸アンカー及び錐のうちの少なくとも1つと横方向に係合可能であり、それにより前記腱板の腱の下に前記縫合糸アンカー及び錐のうちの少なくとも1つを挿入することを可能にするマニピュレータを更に備える、請求項11に記載の縫合糸アンカーキット。
【請求項13】
前記アンカーから延在する縫合糸と、縫合糸係合ノッチであって、前記ドライバ又は前記位置ガイドのうちの1つに設けられ、それにより前記縫合糸を前記縫合糸係合ノッチに捕捉し、前記腱板の腱に前記縫合糸を通す、縫合糸係合ノッチと、を更に含む、請求項11に記載の縫合糸アンカーキット。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2011−92741(P2011−92741A)
【公開日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−243405(P2010−243405)
【出願日】平成22年10月29日(2010.10.29)
【出願人】(507083478)デピュイ・ミテック・インコーポレイテッド (47)
【氏名又は名称原語表記】DePuy Mitek,Inc.
【住所又は居所原語表記】325 Paramount Drive,Raynham,Massachusetts 02767 United States of America
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−243405(P2010−243405)
【出願日】平成22年10月29日(2010.10.29)
【出願人】(507083478)デピュイ・ミテック・インコーポレイテッド (47)
【氏名又は名称原語表記】DePuy Mitek,Inc.
【住所又は居所原語表記】325 Paramount Drive,Raynham,Massachusetts 02767 United States of America
【Fターム(参考)】
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