説明

不動産評価システムおよび記録媒体

【課題】路線価に基づいて不動産価値を迅速かつ正確に評価できる不動産評価システムを提供する。
【解決手段】不動産評価システムは、所定エリア(状況類似地区)の路線に関する地図データを記憶する地図データベースDB1と、状況類似地区の路線位置データおよび状況類似地区の路線の路線価データを記憶する路線価データベースDB2とを備えている。入力手段1から前記路線を入力すると、検索手段4により入力された路線が前記データベースDB1,DB2から検索され、演算手段5により前記路線価データに基づいて推定路線価データを算出し、推定路線価データの適否を判別し、同一エリア内の複数の位置での路線価データに基づいて、推定路線価データを補正するとともに、表示手段6により、地図データ上に複数の路線価データを時系列的に又は階層構造として重ねて表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、不動産の売買および評価などにおいて、路線価をタイムリーに評価するために有用な不動産評価システム、不動産評価方法および記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
土地や建物などの不動産の評価には、地価公示価格、地価調査価格、相続税路線価などが利用されている。
【0003】
特開平10−289266号公報(特許文献1)には、公示価格や調査価格が特定の地点における価格を示し、所定領域全体の地価でないことに鑑み、簡易かつ正確に地価分布などを作成できるシステムが提案されている。この文献には、地理的区画データ、法規制区画データ、および観測地点データを取得するためのデータ取得手段と、処理区画データを生成するための処理区画データ生成手段と、この処理区画データに対して、観測地点地価データを処理区画地価データとして付与するための地価データ付与手段と、処理区画地価データが付与されていない未処理区画の価格を、所定の参照処理区画の地価データに基づいて推論し、処理区画地価データとして付与するための地価データ推論付与手段とを備えており、処理区画データを地価分布データとして得ることにより、地価分布を作成するシステムが開示されている。
【0004】
特開平11−53445号公報(特許文献2)には、地図データ記憶手段と、地図画像を表示するための地図表示手段と、前記地図上において表示するための複数の路線の画像データを記憶するための路線画像データ記憶手段と、前記地図上に路線の画像を表示するための路線表示制御手段と、各路線について、該路線に沿う地区領域の地区区分を表す地区区分データと、該路線に地区領域の路線価データおよび借地権割合データとを含む土地評価データを、前記各路線と対応させて記憶するための土地評価データ記憶手段と、表示された地図上において、任意の基準位置を指定するための基準位置指定手段と、この基準位置と予め定められた位置関係を満足する地図上の路線について、土地評価データ記憶手段から土地評価データを検索する検索手段と、この検索手段により検索された土地評価データを表示するための土地評価データ表示制御手段とを備えている土地評価情報表示システムが開示されている。
【0005】
しかし、これらのシステムでは不動産価値を正確に評価できない。すなわち、地価公示価格は当該年度の1月1日現在でのポイントデータとして各年3月〜4月頃に発表され、地価調査価格は実際の調査に基づいて発表される。さらに、相続税路線価は当該年度の1月1日現在でのエリアデータとして各年8月頃に財産評価基準書「路線価図」において発表される。このような価格情報は時期的にずれて発表されるとともに、ポイントデータとエリアデータとして発表される。一方、不動産の取引は地価の発表時期に関係なく行われるため、不動産評価は、土地評価額を示す路線価が記載された前記財産評価基準書「路線価図」に基づいて行わざるを得ないものの、前記財産評価基準書「路線価図」が膨大な資料であるため、土地評価に多くの労力を要するとともに、迅速かつ簡便に土地評価を行うことが困難である。特に、地価に関する発表時期から時間が経るにつれて、不動産の担保価値などを正確に評価できなくなる。さらに、評価したとしても、不動産の取引の実体が反映されず評価精度が低下する場合がある。特に、地価の変動が激しい場合には、不動産の担保価値などタイムリーに評価することが困難である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平10−289266号公報(特許請求の範囲)
【特許文献2】特開平11−53445号公報(特許請求の範囲)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従って、本発明の目的は、不動産価値を迅速かつ正確に評価できる不動産評価システム、不動産評価方法およびそのための記録媒体を提供することにある。
【0008】
本発明の他の目的は、路線価をタイムリーかつ精度よく推定でき、不動産の担保価値などを評価するために有用な不動産評価システム、不動産評価方法およびそのための記録媒体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、地価に関する公示価格と相続税路線価などとの間に相関性があるという知見に基づいて前記課題を達成するため鋭意検討した結果、ポイント情報としての公示価格などとエリア情報としての路線の路線価とを関係付けると、所定エリア内の路線の路線価を精度よく推定できることを見いだし、本発明を完成した。
【0010】
すなわち、本発明の不動産評価システムは、所定エリア内の路線に関する路線価データ(価格情報)を記憶するための記憶手段と、少なくとも前記路線を指示又は入力するための指示・入力手段と、この指示・入力手段により指示又は入力された路線が前記記憶手段に記憶されたエリア内の路線に対応するとき、前記記憶手段の路線価データ(価格情報)に基づいて、指定された路線の推定路線価データ(推定価格情報)を算出するための演算手段と、この演算手段により算出された推定路線価データ(推定価格情報)を出力処理するための処理手段とを備えている。
【0011】
このシステムでは、相続税や贈与税の算定基礎となる路線価と公示価格や固定資産評価額との間に相関関係があることを利用して評価価格(時価)を算出している。すなわち、各年8月頃にエリアデータ(面データ)として発表される路線価は、各年3月〜4月頃にポイントデータとして発表される各年の1月1日現在の地価公示価格に、売買実績などに応じた所定の係数(例えば、0.7〜0.9程度)を乗算した価格である。また、固定資産評価額も、地価公示価格に所定の係数(例えば、0.6〜0.8程度)を乗算した価格である。このような関係を利用して、演算手段により指定された路線の路線価を所定の係数で除算することにより、評価価格(時価)を算出できる。
【0012】
なお、前記処理手段は、所定エリア内の路線に関する地図データとともに推定路線価データを表示するための表示手段であってもよく、推定路線価データを送信するための送信手段であってもよい。前者の場合には、地図データとともに推定路線価データを表示できるので、状況類似地区内での推定路線価データを視覚的に判断できる。また、後者では、電話回線などの通信回線を利用して推定路線価データを送信できる。
【0013】
前記システムの記憶手段は、所定エリア内の路線の位置座標に関するポイントデータと、前記位置座標での路線価データとを記憶していてもよい。このようなシステムは、前記位置座標での路線価データの変動に基づいて、前記エリア内の路線価データを更新するか又は変動した路線価データを蓄積するための手段を備えていてもよい。上記システムでは、路線の位置座標で路線価データが変動すると、変動したポイントデータ(ポイント価格データの変動率など)に基づいて、所定エリア全体の路線価データを更新できる。そのため、所定のエリア内の推定路線価データを最新の路線価データに基づいて算出でき、タイムリーに不動産価値を評価できる。また、所定エリアのポイントデータを当該エリアのエリアデータに更新でき、不動産価値をタイムリーに評価できる。
【0014】
前記エリアは、通常、道路上に布設された路線区分を類似区分を同一地域として区分した状況類似地区に対応する。このような状況類似地区を利用する場合、状況類似地区の路線に関する地図データ(アドレス情報と位置情報とを含む)を記憶するための地図データ記憶手段と、複数の状況類似地区、各状況類似地区の路線位置データ、および各状況類似地区の路線に関する路線価データを記憶するための路線価データ記憶手段と、少なくとも路線の路線位置データを入力するための入力手段と、この入力手段により入力された路線位置データの有無を、路線価データ記憶手段に記憶された路線位置データから検索するための検索手段と、この検索手段において、入力された路線位置データがあるとき、入力された路線位置データに対応する路線価データ記憶手段の路線価データに基づいて、入力路線位置データにおける推定路線価データを算出するための演算手段と、この演算手段により算出された推定路線価データを、地図データ記憶手段の地図データとともに表示するための表示手段とを備えていてもよい。特に、状況類似地区内の不動産に関する価格データに基づいて、前記路線価データ記憶手段に記憶された前記状況類似地区内の路線価データが最新のデータに更新可能である場合には、最新のデータを利用して状況類似地区内の所定路線の評価価格(時価)を評価できる。
【0015】
より具体的には、以下の通りである。
【0016】
(1)所定エリア内の路線に関する路線価データを記憶するための記憶手段と、少なくとも前記路線を指示又は入力するための指示・入力手段と、この指示・入力手段により指示又は入力された路線が前記記憶手段に記憶されたエリア内の路線に対応するとき、前記記憶手段の路線価データに基づいて、指示又は入力された路線の推定路線価データを算出するための演算手段と、この演算手段により算出された推定路線価データを出力処理するための処理手段とを備えている不動産評価システムであって、前記記憶手段が、所定エリア内の路線データ、これらの路線の位置データおよびこの位置データに関する路線価データを記憶又は保存するための一次記憶手段と、前記エリア内の路線データおよび路線の位置データに対応する新たな地価に関するデータを時系列的に記憶又は保存するための二次記憶手段とを備えた記憶手段であり、前記一次記憶手段に記憶又は保存された路線価データに基づいて、演算手段により算出された所定の位置での推定路線価データが、誤差範囲内であるか否かを、同一エリア内の複数の他の位置での路線価データの平均値に基づいて判別するための判別手段と、この判別手段により推定路線価データが誤差範囲を越えると判別されたとき、同一エリア内の複数の位置での路線価データに基づいて、推定路線価データを補正するための補正手段とを備えており、前記処理手段が、所定エリア内の路線に関する地図データ上に、前記二次記憶手段に記憶又は保存された複数の路線価データを時系列的に又は階層構造として重ねて表示するための表示手段を備えている不動産評価システム。
【0017】
(2)複数の路線価データを時系列的に又は階層構造として重ねて表示し、隣接する区分間の価格情報の差異を利用して、状況類似地区を設定又は区画可能な(1)記載の不動産評価システム。
【0018】
(3)前記演算手段が、一次記憶手段に記憶又は保存された路線価データと二次記憶手段に記憶又は保存された地価に関するデータとに基づいて、前記所定エリアの地価変動データ又は所定位置の地価変動データを算出し、表示手段が、地図データ上に前記地価変動データを表示する(1)又は(2)記載の不動産評価システム。
【0019】
(4)一次記憶手段が、状況類似地区の路線に関する地図データを記憶するための地図データ記憶手段と、複数の状況類似地区、各状況類似地区の路線位置データ、および各状況類似地区の路線に関する路線価データを記憶するための路線価データ記憶手段とを備えており、少なくとも路線の路線位置データを入力するための入力手段と、この入力手段により入力された路線位置データの有無を、路線価データ記憶手段に記憶された路線位置データから検索するための検索手段と、この検索手段において、入力された路線位置データがあるとき、入力された路線位置データに対応する路線価データ記憶手段の路線価データに基づいて、入力路線位置データにおける推定路線価データを算出するための演算手段と、この演算手段により算出された推定路線価データを、地図データ記憶手段の地図データとともに表示するための表示手段とを備えており、状況類似地区内の不動産に関する価格データに基づいて、前記路線価データ記憶手段に記憶された当該状況類似地区内の路線価データが最新のデータに更新可能である(1)〜(3)のいずれかに記載の不動産評価システム。
【0020】
本発明は、所定エリア内の路線に関する価格情報(路線価データ)を記録し、指示・入力手段により指示又は入力された所定エリア内の路線が、記録された前記エリア内の路線に対応するとき、前記価格情報(路線価データ)に基づいて、指定された路線の推定価格情報(推定路線価データ)を算出し、算出された推定価格情報(推定路線価データ)を出力処理する不動産評価方法も含む。
【0021】
さらに本発明は、前記不動産評価システムのためのデータやプログラムが記録された記録媒体も包含する。すなわち、本発明には、所定エリア内の路線に関する価格情報に基づいて不動産評価を行うためのプログラムを記録した記録媒体であって、所定エリア内の路線に関する価格情報を記録しているとともに、指示・入力手段により指示又は入力された路線が前記エリア内の路線に対応するとき、前記価格情報に基づいて、指定された路線の推定価格情報(推定価格データ)を算出し、算出された推定価格情報(推定価格データ)を出力処理するためのプログラムが記録されている記録媒体も含まれる。さらに、記録媒体には、状況類似地区の路線に関する地図データと、この地図データのアドレス情報および位置情報に対応させて、複数の状況類似地区、各状況類似地区の路線位置データ、および各状況類似地区の路線に関する価格情報(路線価データなど)を記録するとともに、入力手段により入力された路線位置データの有無を、記録された路線位置データから検索し、入力された路線位置データが検索されたとき、入力された路線位置データに対応する価格情報(路線価データなど)に基づいて、入力路線位置データにおける推定価格情報(推定路線価データなどの価格データ)を算出し、算出された推定価格情報(推定路線価データなどの価格データ)を、地図データとともに表示するためのプログラムと、状況類似地区内の不動産に関する価格情報に基づいて、記録された前記状況類似地区内の価格情報(路線価データなど)を最新のデータに更新するためのプログラムを記録してもよい。
【0022】
より具体的には、以下の通りである。
【0023】
(5)所定エリア内の路線に関する価格情報に基づいて不動産評価を行うためのプログラムを記録した記録媒体であって、この記録媒体は、所定エリア内の路線に関する価格情報を記録しているとともに、指示・入力手段により指示又は入力された路線が前記エリア内の路線に対応するとき、前記価格情報に基づいて、指定された路線の推定価格データを算出し、算出された推定価格データを出力処理するためのプログラムが記録された記録媒体であり、一次記憶手段に、所定エリア内の路線データ、これらの路線の位置データおよびこの位置データに関する路線価データを記憶又は保存するとともに、二次記憶手段に、前記エリア内の路線データおよび路線の位置データに対応する新たな地価に関するデータを時系列的に記憶又は保存し、前記一次記憶手段に記憶又は保存された路線価データに基づいて、算出された所定の位置での推定路線価データが、誤差範囲内であるか否かを、同一エリア内の複数の他の位置での路線価データの平均値に基づいて判別し、推定路線価データが誤差範囲を越えると判別されたとき、同一エリア内の複数の位置での路線価データに基づいて、推定路線価データを補正するためのプログラムと、表示手段により、所定エリア内の路線に関する地図データ上に、前記二次記憶手段に記憶又は保存された複数の路線価データを時系列的に又は階層構造として重ねて表示するためのプログラムとを含んでいる記録媒体。
【0024】
(6)複数の路線価データを時系列的に又は階層構造として重ねて表示し、隣接する区分間の価格情報の差異を利用して、状況類似地区を設定又は区画するためのプログラムを含む(5)記載の記録媒体。
【0025】
(7)前記演算手段が、一次記憶手段に記憶又は保存された路線価データと二次記憶手段に記憶又は保存された地価に関するデータとに基づいて、前記所定エリアの地価変動データ又は所定位置の地価変動データを算出し、表示手段により、地図データ上に前記地価変動データを表示するためのプログラムを含む(5)又は(6)記載の記録媒体。
【0026】
(8)状況類似地区の路線に関する地図データと、この地図データのアドレス情報および位置情報に対応させて、複数の状況類似地区、各状況類似地区の路線位置データ、および各状況類似地区の路線に関する価格情報を記録しているとともに、入力手段により入力された路線位置データの有無を、記録された路線位置データから検索し、入力された路線位置データが検索されたとき、入力された路線位置データに対応する価格情報に基づいて、入力路線位置データにおける推定価格データを算出し、算出された推定価格データを、地図データとともに表示するためのプログラムと、状況類似地区内の不動産に関する価格情報に基づいて、記録された前記状況類似地区内の価格情報を最新のデータに更新するためのプログラムが記録されている(5)〜(7)のいずれかに記載の記録媒体。
【0027】
なお、前記のように、相続税路線価、公示価格、固定資産税路線価は互いに高い相関性が認められ、調査価格や取引価格も上記路線価などと関係付けることができる。そのため、本明細書において「路線価データ」とはこれらの価格に関する情報(価格情報)を含むものとする。
【発明の効果】
【0028】
本発明では、路線価データに基づいて、指示又は入力された路線の推定路線価データを算出して表示できるので、不動産価値を迅速かつ正確に評価できる。さらに、地価情報の発表時期に依存することなく、路線価をタイムリーかつ精度よく推定でき、不動産の担保価値などを評価するために有用である。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】図1は本発明の不動産評価システムの一例を示す全体の構成図である。
【図2】図2は本発明の不動産評価システムの一例を示すフローチャートである。
【図3】図3は状況類似地区での路線価に関するデータベースのセルデータを示す図である。
【図4】図4は路線価に関するデータベースの作成ステップを示す図である。
【図5】図5は路線価データベースの更新を説明するためのフローチャートである。
【図6】図6は状況類似地区の路線価を説明するための概略図である。
【図7】図7は本発明の不動産評価システムの一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下に、必要に応じて添付図面を参照しつつ本発明をより詳細に説明する。図1は本発明の不動産評価システムの一例を示す全体の構成図である。図2は本発明の不動産評価システムの一例を示すフローチャートである。図3は状況類似地区での路線価に関するデータベースのセルデータを示す図であり、図4は路線価に関するデータベースの作成ステップを示す図である。
【0031】
図1に示す不動産評価システムは、アドレス情報と位置情報とを含み、状況類似地区(エリア又は区画)の路線に関する地図データを記憶・格納するための地図データベース(地図データ記憶手段)DB1と、前記地図データに対応して、複数の状況類似地区(エリア又は区画)、各状況類似地区の路線位置データ、および各状況類似地区の路線に関する路線価データ(価格情報)を記憶・格納するための路線価データベース(価格情報データ記憶手段)DB2とを備えている。前記地図データは、アドレス情報と位置情報とを有しているので、これらの情報を、それぞれ、路線価データ(価格情報)のエリアデータ、路線位置データと関連付けることができる。
【0032】
前記路線価データベースは、例えば、図4に示されるように、状況類似地区を設定するステップS1、状況類似地区内の路線(道路)を選別又は分類するステップS2、このステップで選別した路線に、路線域を示すための矢線を付すステップS3、付された矢線に位置情報として緯度経度データをひも付け(又は関連づけ)するステップS4、付された矢線を識別子としてナンバリングする(又は管理番号を貼り付ける)ステップS5、識別子が付された矢線に少なくとも路線価データ(相続税路線価情報)をひも付け(又は関連づけ)するステップS6とを経ることにより作成できる。なお、識別子が付された矢線には、路線価データだけでなく、公示価格データ(地価公示価格情報)をひも付け(又は関連づけ)するステップS7、固定資産評価額データ(固定資産税路線価情報)をひも付け(又は関連づけ)するステップS8、地価調査のポイント価格情報をひも付け(又は関連づけ)するステップなどを経て、路線価データベースを構築してもよい。なお、価格情報を矢線にひも付け(又は関連づけ)するステップの順序は特に制限されないが、少なくとも路線価データを矢線と関連づけるステップを有するのが好ましい。
【0033】
このようなデータベースDB2では、矢線データは、管理番号と位置情報と価格情報(路線価データ、公示価格データ、固定資産評価額データ、地価調査データなど)とを有する。
【0034】
なお、状況類似地区は、道路上に布設された路線区分を類似した区分毎に同一の地域として面的な拡がりをもってまとめた地区又は区画を意味し、例えば、住宅地では、優良住宅地区、標準住宅地区、混在住宅地区、農家集落地区などに区分できる。また、商業地では、高度商業地区、準高度商業地区、普通商業地区、近隣商業地区、路線商業地区などに区分でき、工業地では、大工場地区、中小工場地区などに区分できる。
【0035】
前記路線価データベースDB2は、図3に示すように、セルデータとして作成することができる。例えば、状況類似地区A,B…において、それぞれ、矢線の管理番号A1,A2,…An,B1,B2,…Bnと、各路線の矢線管理番号に対応する路線位置情報(緯度経度データ)AP1,AP2,…APn,BP1,BP2,…BPnと、各路線位置情報に対応する価格情報(路線価データなど)AC1,AC2,…ACn,BC1,BC2,…BCnとが各セルに記憶されている。
【0036】
このような状況類似地区のデータを地域的に拡げて作成することにより、特定地域のデータベース、都道府県毎のデータベース、全国的なデータベースなどを構築できる。
【0037】
地図データベースDB1及び路線価データベースDB2を含む前記システムは、少なくとも路線(又は道路)に関する路線位置データ(位置情報)を入力又は指示するための入力手段1(キーボード、マウスやポインターなど)と、この入力手段により入力された路線位置データ(位置情報)に応答して一連の処理を行うための中央処理ユニットCPU2と、出力手段6とを備えている。
【0038】
前記CPUには、オペレーティングシステム(OS)および不動産評価のためのプログラムがインストールされたハードディスク、プログラムを実行するためのワークエリアを有するメモリ、入力手段としてのキーボードやマウス、フロッピーディスクドライブやCD−ROMドライブ、コンピュータ端末などと通信するための通信回路、出力手段としてのディスプレー、プリンターなどが接続されている。
【0039】
前記CPU2は、入力手段1、記憶手段DB1及びDB2、検索手段4、演算手段5、出力手段6の制御を所定のプログラムに従って行うための制御ユニット3を備えている。さらに、入力された路線位置データ(位置情報)の有無を、路線価データベースDB2に記憶された路線位置データ(位置情報)から検索するための検索ユニット(検索手段)4と、この検索ユニットにおいて、入力された路線位置データ(位置情報)が検索されたとき、入力された路線位置データに対応する路線価データベースDB2の路線価データ(価格情報)に基づいて、入力された路線位置データ(位置情報)における推定路線価データを算出するための演算ユニット(演算手段)5とを備えている。この演算ユニット5では、例えば、路線価データベースDB2の路線価データ(価格情報)において、入力され、かつデータベースDB2から検索された当該路線位置の路線価が1m当たりX円であるとき、評価価格としての推定地価X/0.8円を算出する。
【0040】
前記演算ユニット5により算出された推定路線価データは、出力手段としての表示ユニット6により、地図データベースDB1の地図データとともに平面的に又は立体的に表示できる。
【0041】
さらに、制御ユニット3は、価格情報に変動があったとき、路線価データベースDB2の価格情報を最新のデータに更新している。そのため、演算ユニット5により最新の推定路線価データ(推定価格情報)を算出し、算出した最新の推定路線価データを地図データとともに表示ユニット6により表示できる。すなわち、(各)状況類似地区内の不動産に関する価格情報(例えば、地価公示価格、相続税路線価、固定資産税路線価、調査価格、売買実績などの価格データなど)は、通常、時間の経過に伴って変動する。そのため、前記システムでは、評価時点における不動産の評価価格を正確に算出するため、上記(各)状況類似地区内の不動産に関する価格情報に基づいて、前記路線価データベースDB2に記憶された前記(各)状況類似地区内の路線価データの全てを、最新のデータに更新可能している。
【0042】
より具体的には、図6に示されるように、状況類似地区A内の路線(A1)の路線価(AC1)が100万円/m、路線(A2)の路線価(AC2)が110万円/m、路線(A3)の路線価(AC3)が120万円/m、路線(A4)の路線価(AC4)が130万円/mであるとき、路線(A1)に面する土地(AP1)の評価額は、100万円×係数/m(例えば、100万円÷0.8/m=125万円/m)と算出することができる。そして、地価公示価格などの路線位置(ポイント)での価格情報が変動したとき、例えば、路線(A1)の路線価(AC1)が80万円/mに変動したとき、路線(A1)の路線価(AC1)の変動率(80/100=80%)に基づいて、路線価データベースDB2の路線価データにおいて、路線(A2)の路線価(AC2)を110万円×0.8/m、路線(A3)の路線価(AC3)を120万円×0.8/m、路線(A4)の路線価(AC4)を130万円×0.8/mに更新する。
【0043】
路線価データベースDB2の価格情報が更新可能なシステムを利用すると、評価地点の評価価値を最新のデータに基づいてタイムリーに算出して表示できる。例えば、上記のように路線価が更新されたとき、演算ユニット4は、路線(A3)の最新の路線価(AC3)120万円×0.8/m=96万円/mに基づいて、評価価格としての推定地価を120万円×0.8÷0.8/m=120万円/mと算出することができる。
【0044】
なお、前記のように、公示価格と路線価などとの間には所定の相関性が認められる。そのため、特定の価格情報の変動に基づいて、路線価データベースDB2の他の価格情報を更新することもできる。例えば、路線価(AC1)が100万円/mであった路線(A1)、すなわち路線(A1)に面する土地(AP1)の評価額が125万円/mであった路線(A1)について、路線(A1)に面する土地(AP1)の公示価格が150万円/mであると発表されたとき、価格の変動率(150/125=1.2)を各路線の路線価に乗算することにより、路線(A2)の路線価(AC2)を110万円×1.2/m、路線(A3)の路線価(AC3)を120万円×1.2/m、路線(A4)の路線価(AC4)を130万円×1.2/mにそれぞれ自動的に更新できる。
【0045】
なお、前記路線価データベースDB2の更新は、例えば、図5に示されるように、状況類似地区を入力又は指定する設定するステップS11、入力又は指定された状況類似地区内の矢線に関する位置情報(路線位置データ)を入力又は選択するステップS12、入力又は選択された路線位置データでの路線の最新の価格情報(路線価データなど)を入力するステップS13、入力された最新の価格情報(単位面積の価格としての情報)と路線価データベースに記憶された価格情報(単位面積あたりの価格としての情報)とを比較し、両者の間に差があるか否かを判別するステップS14、両者の間に差があるときには、路線価データベースに記憶された価格情報に対する最新の価格情報の変動率を算出するステップS15、算出された変動率を路線価データベースに記憶された価格情報に乗算し、路線価データベースDB2内に記憶された価格情報を算出された価格情報に更新するステップS16とを経て行うことができる。上記価格情報としては、前記と同様に、路線価データ(相続税路線価情報)、公示価格データ(地価公示価格情報)、固定資産評価額データ(固定資産税路線価情報)、地価調査のポイント価格情報などが挙げられる。なお、入力された最新の価格情報と路線価データベースに記憶された価格情報とに差がない場合には、状況類似地区内の価格情報を最新の価格情報として維持してもよく、最新の価格情報として更新してもよい。
【0046】
路線価データベースの作成および更新において、誤った価格情報の入力を回避するため、入力された価格情報(価格データ)と、基準値(状況類似地区での平均価格データなど)とを比較し、価格データが基準値を超える場合、入力エラーと判断するステップを設けたり、入力された価格データが正しいか否かを確認するためのステップを設けてもよい。
【0047】
前記システムの動作及び処理を図2に基づいて説明する。図2に示されるように、スタート信号に応じて、ステップS21で所望する状況類似地区を指定すると、ステップS22において、指定された状況類似地区が路線価データベースDB2から検索される。なお、状況類似地区の指定に伴って、自動的に指定した日時データも入力される。状況類似地区が路線価データベースDB2に存在しない場合には、状況類似地区を入力又は作成するためのステップS23に移行し、状況類似地区が検索されると、ステップS24で路線位置データが指定され、ステップS25で指定された路線位置データが、路線価データベースDB2の当該状況類似地区のセルから検索され、指定された路線位置データがデータベースに存在しない場合には、路線位置データを入力又は作成するためのステップS26に戻る。路線位置データが検索されると、ステップS27では、指定時点での推定路線価データ(推定価格情報)が算出され、ステップS28において、算出された推定路線価データ(推定価格情報)は地図情報とともに表示される。
【0048】
このようなシステムを利用すると、所定エリア(状況類似地区)内の路線に関する路線価データを記録したデータベースDB2を利用して、指示・入力手段により指示又は入力された所定エリア内の路線が、記録された前記エリア内の路線に対応するとき、前記路線価データに基づいて、指定された路線の推定路線価データを算出し、算出された推定路線価データを出力処理できる。また、地図情報とともに推定地価情報を表示できるため、視覚的に地理データを考慮して不動産の評価を行うことができる。特に、路線価データベースDB2の価格情報が更新できるため、地価情報(相続税路線価、公示価格、調査価格など)の発表時期に依存することなく、最新の価格情報を利用してタイムリーに不動産の担保価値などを評価できる。
【0049】
本発明のシステムにおいて、地図データベースとしては、例えば、地理情報システム(GIS)を利用することができる。なお、地図データベースは必ずしも必要ではなく、所定のエリア内の路線の推定価格データ(推定路線価データ)を算出して出力処理できればよい。すなわち、本発明のシステムは、所定エリア(又は状況類似地区)内の路線(又は道路)に関する路線価データ(又は価格情報)を記憶するための記憶手段と、少なくとも前記路線を指示又は入力するための指示・入力手段と、この指示・入力手段により指示又は入力された路線が前記記憶手段に記憶された路線に対応するとき、前記記憶手段の路線価データ(又は価格情報)に基づいて、指定された路線の推定価格情報(推定路線価データなどの推定価格データ)を算出するための演算手段と、この演算手段により算出された推定価格情報を出力処理するための処理手段とを備えていればよい。
【0050】
前記システムでは、状況類似地区と位置情報(路線位置データなど)を入力又は指示しているが、例えば、電子地図上に価格情報(路線価データなど)を重ね合わせる階層構造などを利用して、地図データベースと価格情報データベース(路線価データベースなど)とを、1つのデータベースとして構築する場合には、路線又は路線位置データだけを入力又は指示してもよい。
【0051】
価格情報データベース(路線価データベースなど)では、地図データとともに、土地区画の整備などに伴って、路線の変更や新規路線の設定などに応じて、路線データなどの変更も可能である。なお、前記エリアや状況類似地区は行政コードを利用して入力してもよく、位置情報(ポイント位置情報)は、郵便番号、電話番号などを利用して入力することもできる。
【0052】
前記推定価格情報(推定路線価データなど)を出力処理するための処理手段は、推定路線価データを出力可能である限り特に制限されず、例えば、推定路線価データをプリントアウトするための手段(プリンタ)、推定路線価データを表示するための表示手段(ディスプレー)や、推定路線価データを記録するための記録媒体(フロッピーディスク、ハードディスク、光磁気ディスクなど)などであってもよい。好ましい処理手段は、所定エリア内の路線に関する地図データとともに推定路線価データを表示するための表示手段、推定路線価データを送信するための送信手段である。処理手段が送信手段である場合、通信手段を介して、前記システムと前記入力手段とを接続し、ネットワークシステム、例えば、サービスプロバイダなどの第三者機関を介して前記システムと前記入力手段とを接続したインターネットシステムを構築してもよい。
【0053】
なお、路線(又は道路)の路線価データ(価格情報)に入力ミスがあったり特異な売買などがあると、演算手段により算出された推定路線価データ(推定価格情報)により不動産価値を正確に評価できない場合がある。このような場合、所定エリア内の路線の位置座標に関するポイントデータ(ポイント位置情報)と、前記位置座標での路線価データ(ポイント価格情報)とを記憶する記憶手段を利用し、算出された所定の位置座標での推定路線価データ(ポイント推定価格情報)が誤差範囲内であるか否かを、同一エリア内の他の位置座標での路線価データ(複数のポイント価格情報)に基づいて判別手段により判別し、判別手段により推定路線価データ(ポイント価格情報)が誤差範囲を越えると判別されたとき、同一エリア内の複数の位置座標での路線価データ(複数のポイント価格情報)に基づいて、推定路線価データ(ポイント価格情報)を補正手段により補正してもよい。この補正手段では、例えば、複数の位置座標での路線価データ(複数のポイント価格情報)の平均値を算出し、この算出された平均値に基づいて、前記位置座標での推定路線価データ(ポイント推定価格情報)を算出してもよい。
【0054】
前記記憶手段は、前記のように、ポイントデータ(ポイント価格情報)をエリアデータ(エリア価格情報)に更新するため、通常、所定エリア内の路線の位置座標に関するポイントデータ(ポイント位置情報)と、前記位置座標での路線価データ(ポイント価格情報)とを記憶しており、前記位置座標での路線価データ(ポイント価格情報)の変動に基づいて、前記エリア内の路線価データ(エリア価格情報)を更新するための手段を備えている。前記位置座標での路線価データ(ポイント価格情報)の変動は、地価公示価格、相続税路線価、固定資産税路線価、調査価格、取引実績価格などに基づいて変動率などとして算出できる。また、エリア内の路線価データ(エリア価格情報)の更新は、記憶手段に記憶された各路線価データ(ポイント価格情報)に前記変動率を乗算することにより行うことができる。エリア価格情報の更新は、単一のポイント価格情報の変動率に限らず、複数のポイント価格情報(特に複数のポイント価格情報の平均変動率)に基づいて行うことができる。
【0055】
なお、記憶手段は、前記位置座標での路線価データ(ポイント価格情報)の変動に基づいて、前記エリア内の変動した路線価データ(エリア価格情報)を蓄積するための手段を備えていてもよい。例えば、記憶手段は、所定エリア内の路線データ(エリア路線情報)、これらの路線の位置データ(ポイント位置情報)およびこの位置データに関する路線価データ(ポイント価格情報)を記憶又は保存するための一次記憶手段と、前記エリア内の路線データ(エリア路線情報)および路線の位置データ(ポイント位置情報)に対応する新たな地価に関するデータ(地価公示価格、相続税路線価、固定資産税路線価、調査価格、取引実績価格などの価格情報)を時系列的に記憶又は保存するための二次記憶手段とで構成してもよい。このような記憶手段を利用すると、一次記憶手段に記憶又は保存された路線価データ(ポイント価格情報)と二次記憶手段に記憶又は保存された地価に関するデータ(ポイント価格情報)とに基づいて、演算手段により前記所定エリアの地価変動データ(エリア価格変動情報)又は所定位置の地価変動データ(ポイント価格変動情報)を算出でき、表示手段により、路線価の変動データ(エリア価格変動情報又はポイント価格変動情報)を地図データとともに表示できる。特に、上記路線価データの変動を時系列的に表示できるため、不動産価値を時間的ファクターも含めて精度よく評価できる。
【0056】
さらに、前記記憶手段に記憶されたポイント位置情報およびポイント価格情報に基づいて、状況類似地区を設定又は区画することもできる。例えば、複数のポイント価格情報を地図データ上に重ねる(又はマッピングする)と、特定の路線を境界として、隣接する区分間で価格差が生じることを利用して、前記境界を結ぶことにより状況類似地区として区分できる。その際、ポイント価格情報としては、単位面積あたりの価格の変動率を利用するのが効果的である。さらに、前記一次記憶手段と二次記憶手段とを利用して、ポイント価格情報(ポイント価格変動情報、特に価格変動率)を地図データ上に重ねて時系列的に表示すると、特定の路線を境界として、隣接する区分間で価格情報(特に価格変動率)に差異が生じ易くなる。このことを利用して、状況類似地区を設定してもよい。
【0057】
なお、二次記憶手段を有するシステムでは、例えば、図7に示されるようなフローに利用できる。このシステムでは、複数の状況類似地区の路線位置情報を含む地図情報(電子地図などの地図データ)上に、路線位置情報に関する価格情報(路線価データなど)を重ね合わせ1つのデータベースとして構築しており、タッチパネル式に、表示画面の所定の路線位置を指示することにより、指示した路線位置の価格情報を表示可能である。そのため、スタート信号に応じて、ステップ31で表示画面の路線位置を指定すると、前記図2のステップS21〜ステップS24の動作を経たのと同じく、路線位置情報が路線価データベースの当該状況類似地区のセルから検索される。なお、路線位置の指定に伴って、自動的に指定した日時データも入力される。
【0058】
この日時データの入力に応答して、ステップS32では、一次記憶手段および二次記憶手段に時系列的に記憶された価格情報のうちどの時点での価格情報(最新の価格情報など)を算出するか否かの選択メニュー形式で表示され、マウスクリックなどにより選択メニューボタンから、所定の時点での価格情報を選択すると、ステップS33では、一時記憶手段および二次記憶手段に記憶され、かつ選択された時点での価格情報に基づいて、指定した路線位置での価格データが算出される。算出された価格データは、ステップS34において、表示手段により、地図情報上に表示することができる。
【0059】
なお、上記二次記憶手段を含むシステムにおいて、日時データの入力に応答して、最新の価格情報があるか否かを判別するためのステップと、最新の価格情報がない場合には、直近の価格情報に基づいて、指定した路線位置での価格データを算出し、最新の価格情報がある場合には、最新の価格情報に基づいて、指定した路線位置での価格データを算出するためのステップを設けてもよい。
【0060】
本発明には、前記不動産評価システムのためのプログラムを記録した記録媒体、例えば、フロッピーディスク、CD−ROM(読み出し専用メモリ)、ROMカード、光磁気ディスクなども含まれる。この記録媒体は、前記のように、ハードディスク、メモリ、入力手段、ディスクドライブ、通信回路、出力手段などが接続される中央処理ユニットCPU2を用いて構築されたハードウェアシステムと組み合わせて利用される。前記ハードディスクには、オペレーティングシステム(OS)、および前記ドライブを介して、記憶媒体から不動産評価のためのプログラムがインストールされる。
【産業上の利用可能性】
【0061】
本発明のシステムは、不動産の担保価値の評価、不動産に対する投資の要否判断、不動産の証券化のための評価などに有効に利用できる。
【符号の説明】
【0062】
1…入力手段
2…中央処理ユニット
3…制御ユニット
4…検索ユニット
5…演算ユニット
6…表示ユニット
DB1…地図データベース
DB2…路線価データベース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定エリア内の路線に関する路線価データを記憶するための記憶手段と、少なくとも前記路線を指示又は入力するための指示・入力手段と、この指示・入力手段により指示又は入力された路線が前記記憶手段に記憶されたエリア内の路線に対応するとき、前記記憶手段の路線価データに基づいて、指示又は入力された路線の推定路線価データを算出するための演算手段と、この演算手段により算出された推定路線価データを出力処理するための処理手段とを備えている不動産評価システムであって、前記記憶手段が、所定エリア内の路線データ、これらの路線の位置データおよびこの位置データに関する路線価データを記憶又は保存するための一次記憶手段と、前記エリア内の路線データおよび路線の位置データに対応する新たな地価に関するデータを時系列的に記憶又は保存するための二次記憶手段とを備えた記憶手段であり、前記一次記憶手段に記憶又は保存された路線価データに基づいて、演算手段により算出された所定の位置での推定路線価データが、誤差範囲内であるか否かを、同一エリア内の複数の他の位置での路線価データの平均値に基づいて判別するための判別手段と、この判別手段により推定路線価データが誤差範囲を越えると判別されたとき、同一エリア内の複数の位置での路線価データに基づいて、推定路線価データを補正するための補正手段とを備えており、前記処理手段が、所定エリア内の路線に関する地図データ上に、前記二次記憶手段に記憶又は保存された複数の路線価データを時系列的に又は階層構造として重ねて表示するための表示手段を備えている不動産評価システム。
【請求項2】
前記演算手段が、一次記憶手段に記憶又は保存された路線価データと二次記憶手段に記憶又は保存された地価に関するデータとに基づいて、前記所定エリアの地価変動データ又は所定位置の地価変動データを算出し、表示手段が、地図データ上に前記地価変動データを表示する請求項1記載の不動産評価システム。
【請求項3】
一次記憶手段が、状況類似地区の路線に関する地図データを記憶するための地図データ記憶手段と、複数の状況類似地区、各状況類似地区の路線位置データ、および各状況類似地区の路線に関する路線価データを記憶するための路線価データ記憶手段とを備えており、少なくとも路線の路線位置データを入力するための入力手段と、この入力手段により入力された路線位置データの有無を、路線価データ記憶手段に記憶された路線位置データから検索するための検索手段と、この検索手段において、入力された路線位置データがあるとき、入力された路線位置データに対応する路線価データ記憶手段の路線価データに基づいて、入力路線位置データにおける推定路線価データを算出するための演算手段と、この演算手段により算出された推定路線価データを、地図データ記憶手段の地図データとともに表示するための表示手段とを備えており、状況類似地区内の不動産に関する価格データに基づいて、前記路線価データ記憶手段に記憶された当該状況類似地区内の路線価データが最新のデータに更新可能である請求項1又は2記載の不動産評価システム。
【請求項4】
所定エリア内の路線に関する価格情報に基づいて不動産評価を行うためのプログラムを記録した記録媒体であって、この記録媒体は、所定エリア内の路線に関する価格情報を記録しているとともに、指示・入力手段により指示又は入力された路線が前記エリア内の路線に対応するとき、前記価格情報に基づいて、指定された路線の推定価格データを算出し、算出された推定価格データを出力処理するためのプログラムが記録された記録媒体であり、一次記憶手段に、所定エリア内の路線データ、これらの路線の位置データおよびこの位置データに関する路線価データを記憶又は保存するとともに、二次記憶手段に、前記エリア内の路線データおよび路線の位置データに対応する新たな地価に関するデータを時系列的に記憶又は保存し、前記一次記憶手段に記憶又は保存された路線価データに基づいて、算出された所定の位置での推定路線価データが、誤差範囲内であるか否かを、同一エリア内の複数の他の位置での路線価データの平均値に基づいて判別し、推定路線価データが誤差範囲を越えると判別されたとき、同一エリア内の複数の位置での路線価データに基づいて、推定路線価データを補正するためのプログラムと、表示手段により、所定エリア内の路線に関する地図データ上に、前記二次記憶手段に記憶又は保存された複数の路線価データを時系列的に又は階層構造として重ねて表示するためのプログラムとを含んでいる記録媒体。
【請求項5】
前記演算手段が、一次記憶手段に記憶又は保存された路線価データと二次記憶手段に記憶又は保存された地価に関するデータとに基づいて、前記所定エリアの地価変動データ又は所定位置の地価変動データを算出し、表示手段により、地図データ上に前記地価変動データを表示するためのプログラムを含む請求項4記載の記録媒体。
【請求項6】
状況類似地区の路線に関する地図データと、この地図データのアドレス情報および位置情報に対応させて、複数の状況類似地区、各状況類似地区の路線位置データ、および各状況類似地区の路線に関する価格情報を記録しているとともに、入力手段により入力された路線位置データの有無を、記録された路線位置データから検索し、入力された路線位置データが検索されたとき、入力された路線位置データに対応する価格情報に基づいて、入力路線位置データにおける推定価格データを算出し、算出された推定価格データを、地図データとともに表示するためのプログラムと、状況類似地区内の不動産に関する価格情報に基づいて、記録された前記状況類似地区内の価格情報を最新のデータに更新するためのプログラムが記録されている請求項4又は5記載の記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−244560(P2010−244560A)
【公開日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−120131(P2010−120131)
【出願日】平成22年5月26日(2010.5.26)
【分割の表示】特願2000−248167(P2000−248167)の分割
【原出願日】平成12年8月18日(2000.8.18)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.フロッピー
【出願人】(591241512)寿精版印刷株式会社 (26)
【Fターム(参考)】