不活性ガス供給装置及び包装充填装置
【課題】容器内のヘッドスペースにおける不活性ガス置換率を高め、不活性ガスの消費量が低減するできる不活性ガス供給装置及び包装充填装置を提供する。
【解決手段】不活性ガス供給装置は、ヘッドスペースを残して液体食品が充填され、上部開放口３３ａが順次閉鎖されてシールされる容器３３であって、容器の閉鎖前の開放口から容器内のヘッドスペースに挿入され、ヘッドスペースに不活性ガスを充填させるノズル４０と、容器の搬送に連動してノズルを移動させ、閉鎖直前に供給前の容器にノズルを戻す移動手段と、不活性ガス源と、不活性ガスの流量を制御する流量制御手段とを備え、流量制御手段が、ノズル挿入時に速やかにヘッドスペースを不活性ガスで充満させ、充満後、ヘッドスペースから飛散する不活性ガスに相当する量を供給する。
【解決手段】不活性ガス供給装置は、ヘッドスペースを残して液体食品が充填され、上部開放口３３ａが順次閉鎖されてシールされる容器３３であって、容器の閉鎖前の開放口から容器内のヘッドスペースに挿入され、ヘッドスペースに不活性ガスを充填させるノズル４０と、容器の搬送に連動してノズルを移動させ、閉鎖直前に供給前の容器にノズルを戻す移動手段と、不活性ガス源と、不活性ガスの流量を制御する流量制御手段とを備え、流量制御手段が、ノズル挿入時に速やかにヘッドスペースを不活性ガスで充満させ、充満後、ヘッドスペースから飛散する不活性ガスに相当する量を供給する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、ヘッドスペースを残して液体食品が充填され、上部開放口が順次閉鎖されてシールされる容器用の不活性ガス供給装置及び包装充填装置に関する。
【背景技術】
【０００２】
牛乳、果汁、野菜ジュース、豆乳、清涼飲料等の液体食品用の容器には、各種形状の容器がある。例えば、パウチ容器、ゲーブトップ（屋根型）紙容器では、ヘッドスペースを残して液体食品が充填され、上部開放口が順次閉鎖されてシールされる容器である。
【０００３】
図３に示すゲーブトップ紙容器例３６は、屋根型の上部３６ａと、直方体の本体３６ｂとからなり、シール前には、上部に開放口が形成されており、この開放口から液体食品が、ヘッドスペース３６ｄを残す様に、充填される。
この容器では、上方開放口を折目線に沿って内側に折り込んだ状態で上端部を止じ合せ、その止じ合面をヒートシール等の手段によってトップシール３６ｃを形成することで、容器が作られる。シールされた形成された容器の上部には、図示するように四角錐のヘッドスペース３６ｄが形成される。
【０００４】
図２に示す態様のゲーブトップ紙容器用包装充填機例では、折目線が付けられた印刷済み積層包装材料が所定形状に裁断され、容器縦方向に縦シールした容器ブランクス（図示せず）を得る。ブランクスの底が底部シール手段（図示せず）でシールされ、充填ステーション３４ａで上部開放の容器３３の上部の開放口３３ａから液体食品が充填手段３４でヘッドスペースを残して充填される。上部開放口３３ａが折目線に沿って内側に折り込んで、順次閉鎖され、予熱ステーション３５ａ及びトップシールステーション３５ｂで容器３３の上端がトップシール手段（図示せず）でヒートシールされて、図３に示すような充填容器３６を得る。
【０００５】
この容器は、図３に示すように、上方開放口を封止する際に、容器内の上部に、ヘッドスペース（閉空間）３６ｄが形成される。閉空間内には、雰囲気空気の酸素ガスが存在し、容器内に充填された液体食品は閉空間内の酸素と接触し酸化による製品劣化が進む。
この劣化によって、風味を損ね、充填完了後の製品の賞味期限に重大な影響を与える。
ヘッドスペース内を、不活性ガスの窒素ガス等に置換する装置、方法が提案されている。（特許文献１、２、３及び４参照）
【０００６】
例えば、開放口の閉鎖前に開放口を上方から覆う開放口カバーと、開放口カバーを貫通し容器内のヘッドスペースへ不活性ガスを噴射する第１噴射ノズルとを備え、更に、上部開放口が折目線に沿って内側に折り込んで、順次閉鎖される途中に、開放口の上方から容器内のヘッドスペースへ不活性ガスを噴射する第２噴射ノズルも備え、かつ第１噴射ノズルと第２噴射ノズルとの間にも、カバー及び第３の噴射ノズルを設ける不活性ガス置換装置が提案されている。（特許文献１参照）
上部開放口が閉鎖される前に第１噴射ノズルから不活性ガスを噴射し、更に、上部開放口が折目線に沿って内側に折り込んで、順次閉鎖される途中にも、第３及び第２の噴射ノズルで不活性ガスを噴射するので、この雰囲気全体が不活性ガスで包まれて、ヘッドスペースへの不活性ガス置換率が向上することが期待される。
しかしながら、第１噴射ノズル、第２及び第３の噴射ノズルから多量の不活性ガスが噴射され、不活性ガスの消費量が多くなる恐れがある。
【０００７】
また、別の不活性ガス置換装置では、充填ステーションで容器の上部の開放口から液体食品が充填手段でヘッドスペースを残して充填され、予熱ステーションでトップシールのために予熱され、上部開放口が折目線に沿って内側に折り込んで、順次閉鎖される。この装置では、２個毎に間欠的に搬送される容器の開放口の閉鎖前に開放口を上方から覆う開放口カバーと、開放口カバーを貫通し容器内のヘッドスペースへ不活性ガスを噴射する２本の第１噴射ノズルとが設けられる。更に、上部開放口が折目線に沿って内側に折り込んで、順次閉鎖される途中に、開放口の上方から容器内のヘッドスペースへ不活性ガスを噴射する２本の第２噴射ノズルも備える。次いで、トップシールステーションで容器の上端がトップシール手段でヒートシールされる。（特許文献２参照）
不活性ガス供給源（図示せず）から噴射ノズルへの導管は、マニホルドを介して連通し、他の導管と実質的に同様に不活性ガスを均一に噴射することが期待される。
しかしながら、配管及び導管の設計の自由度が低くより適切な配置、位置決めに不都合が生じ、不活性ガスに置換できる割合が高率ではない場合もある。
【特許文献１】特開２００２−３７２１５号公報
【特許文献２】特開２００３−１６５５０９号公報
【特許文献３】特開平７−１８７１３５号公報
【特許文献４】特開昭６１−０４７３２３号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００８】
従来の不活性ガスに置換する装置及び方法では、不活性ガスに置換できる割合が高率ではなく、不活性ガスの消費量が多量にある。
【０００９】
この発明は、上記の不都合を解消し、容器内のヘッドスペースにおける不活性ガス置換率を高め、不活性ガスの消費量が低減する不活性ガス供給装置及び包装充填装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【００１０】
この発明の不活性ガス供給装置は、ヘッドスペースを残して液体食品が充填され、上部開放口が順次閉鎖されてシールされる容器であって、所定個数毎に間欠的に搬送される容器の閉鎖前の開放口から容器内のヘッドスペースに挿入され、ヘッドスペースに不活性ガスを供給させるノズルと、容器の搬送に連動してノズルを移動させ、容器の閉鎖直前に供給前の容器にノズルを戻す移動手段と、導管を介してノズルに不活性ガスを供給する不活性ガス源と、不活性ガスの流量を制御する流量制御手段とを備え、
流量制御手段が、ノズル挿入時に速やかにヘッドスペースを不活性ガスで充満させ、充満後であって容器の閉鎖直前までの間に、ヘッドスペースから飛散する不活性ガスに相当する量を供給する、ことを特徴とする。
【００１１】
この発明の好ましい態様の不活性ガス供給装置において、流量制御手段が、ノズル挿入時に速やかにヘッドスペース相当体積量の不活性ガスを供給し、充満後にヘッドスペース相当体積量の５０〜１％量の不活性ガスを供給する。
【００１２】
この発明の好ましい上記態様の不活性ガス供給装置において、供給される不活性ガスが低温に冷却されている。
【００１３】
この発明の好ましい態様の不活性ガス供給装置において、ノズルの出口の形状及び位置が、ノズル挿入時に速やかにヘッドスペースを不活性ガスで充満させる。
【００１４】
この発明の包装充填装置において、容器にヘッドスペースを残して液体食品を充填し、上部開放口を順次閉鎖してシールする包装充填装置であって、
所定個数毎に間欠的に搬送される容器の閉鎖前の開放口から容器内のヘッドスペースに挿入され、ヘッドスペースに不活性ガスを供給させるノズルと、容器の搬送に連動してノズルを移動させ、容器の閉鎖直前に供給前の容器にノズルを戻す移動手段と、導管を介してノズルに不活性ガスを供給する不活性ガス源と、不活性ガスの流量を制御する流量制御手段とを備え、
流量制御手段が、ノズル挿入時に速やかにヘッドスペースを不活性ガスで充満させ、充満後であって容器の閉鎖直前までの間に、ヘッドスペースから飛散する不活性ガスに相当する量を供給する、
ことを特徴とする。
【００１５】
この発明の好ましい態様の包装充填装置において、容器が屋根型紙容器であり、また屋根型紙容器の内容物の容量が１リットルであり、１時間あたりの包装充填される容器数が５５００個から１００００個である。
【発明の効果】
【００１６】
上記構成を有するこの発明は、以下の様に作用機能し、効果を奏する。
この発明の不活性ガス供給装置／包装充填装置は、ヘッドスペースを残して液体食品が充填され、上部開放口が順次閉鎖されてシールされる容器に対して使用され、ノズルと移動手段と不活性ガス源と流量制御手段とを備える。
ノズルは、例えば１個〜３個の所定個数毎に間欠的に搬送される容器の閉鎖前の開放口から容器内のヘッドスペースに挿入され、ヘッドスペースに不活性ガスを供給する。
移動手段は、充填中の容器の搬送に連動してノズルを移動させ、容器の閉鎖直前に供給前の容器にノズルを戻す。また、この発明の不活性ガス供給装置／包装充填装置は、導管を介してノズルに不活性ガスを供給する不活性ガス源と、不活性ガスの流量を制御する流量制御手段とを備える。
【００１７】
流量制御手段が、ノズル挿入時に速やかにヘッドスペースを不活性ガスで充満させ、充満後であって容器の閉鎖直前までの間に、ヘッドスペースから飛散する不活性ガスに相当する量を供給する。
内容物の液体食品を充填した場所から上部開放口をヒートシールする位置に到着する間に、容器のパッケージに伴送しながら不活性ガスを供給するノズルをヘッドスペース内の空間に挿入し、その状態で不活性ガスを上部開放口の開口部をヒートシールする直前まで供給しつづける。
【００１８】
供給時に、対流による空気の混入を極力避けるべく、一定量の不活性ガスを噴き続けるのではなく、ヘッドスペースを不活性ガスが満たされた後は、風量を減少させ、絶えず不活性ガスがあふれ出るように供給する。
もし、不必要に風量を上げたまま噴射すると対流によって効果が得られない。
あたかも不活性ガスの液体がパッケージ内から湧き出て、あふれ出しているような状態のまま、開口部をシールする場所まで移動しシールするように風量も制御する。すなわち、充満後であって容器の閉鎖直前までの間に、ヘッドスペースから飛散する不活性ガスに相当する量を供給する。
【００１９】
この発明の好ましい態様において、流量制御手段が、ノズル挿入時に速やかにヘッドスペース相当体積量の不活性ガスを供給し、充満後にヘッドスペース相当体積量の５０〜１％量の不活性ガスを供給する。
ヘッドスペースを不活性ガスが満たされた後は、風量を減少させ、絶えず不活性ガスがあふれ出るように供給する。
上部開放口の開口部の周辺を一瞬、多量の不活性ガスで覆うように不活性ガスで満たしてもヘッドスペース内の空気は置換されると考えられるが効率は良くないし、まだ開口されているので、開口部をシールする場所に移動する際に空気がまた入り込むからである。
【００２０】
この発明の好ましい上記態様において、供給される不活性ガスが低温に冷却されている。
低温のガスは密度が低く、不活性ガスがヘッドスペースから飛散することを低減させ、不活性ガス量の供給を低減することができる。
【００２１】
この発明の好ましい態様において、ノズルの出口の形状及び位置が、ノズル挿入時に速やかにヘッドスペースを不活性ガスで充満させる。
不活性ガスの導管断面積に比較して、ノズルの出口の断面積を広くすることによって、噴射することもなく、対流が発生することもなく、不活性ガスがヘッドスペースから飛散することを低減させ、不活性ガス量の供給を低減することができる。
ノズルの出口の流れ方向を全ての方向に向ける形状にして、ヘッドスペースの隅々まで不活性ガスで充満させることができる。
また、ノズルの挿入到達位置を、できるだけ液面に近づけることによって、置換目的において効果的に不活性ガスを供給することができる。
【００２２】
この発明の好ましい態様において、容器が屋根型紙容器であり、また屋根型紙容器の内容物の容量が１リットルであり、１時間あたりの包装充填される容器数が５５００個から１００００個である。
この発明において、搬送中に直接ヘッドスペース内にノズルを進入させ、不活性ガスをヘッドスペース内に満たし、開口部をシールする直前までノズルから不活性ガスを噴射していれば効果や効率は高くなる。また蓋・カバーは特に必要無く、ノズルの断面積の開口のスペースのみがあれば十分である。
【発明を実施するための最良の形態】
【００２３】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
図１は、この発明による不活性ガス供給装置例のノズルを、開放口が容器内のヘッドスペースに挿入した状態を、上部開放口がほぼ半分閉鎖されている段階（図１（Ａ））及び上部開放口が閉鎖されノズルが引出される直前の段階（図１（Ｂ））において示す。
図２は、この発明による包装充填装置例の概略を示す内部側面図である。
図３は、この発明による不活性ガス供給装置例／包装充填装置例に使用される屋根型紙容器例の斜視図である。
図４は、この発明による不活性ガス供給装置例／包装充填装置例に使用される屋根型紙容器例の上部開放口を示す斜視図である。
【００２４】
図２に示すように、この発明による不活性ガス供給装置に使用するゲーブトップ紙容器用包装充填機では、折目線が付けられた包装材料が所定形状に裁断され、容器縦方向に縦シールした容器ブランクス（図示せず）を得る。ブランクスの底が底部シール手段（図示せず）でシールされ、充填ステーション３４ａで容器３３の上部の開放口（３３ａ）から液体食品が充填手段３４でヘッドスペースを残して充填され、上部開放口が折目線に沿って内側に折り込んで、順次閉鎖され、予熱ステーション３５ａ及びトップシールステーション３５ｂで容器３３の上端がトップシール手段（図示せず）でヒートシールされて、図３に示すような充填容器３６を得る。
【００２５】
図２に示すこの発明の包装充填装置例における不活性ガス供給の一態様では、２個毎に間欠的に搬送される容器にヘッドスペースを残して液体食品を充填し、上部開放口を順次閉鎖してシールする包装充填装置である。
この態様では、搬送される容器３３の閉鎖前の開放口３３ａから容器内のヘッドスペースに挿入され、ヘッドスペースに不活性ガスを充填させる一対のノズル４０ａ、４０ｂと、容器の搬送に連動してノズル４０を移動させ、容器の閉鎖直前に供給前の容器にノズルを戻す移動手段（図示せず）と、導管４１を介してノズル４０に不活性ガスを供給する不活性ガス源４２と、不活性ガスの流量を制御する流量制御手段４３とを備える。
この態様では、３組のノズル４０ａ、４０ｂが設けられ、移動手段によって図２の矢印に示すように閉鎖直前の容器から供給前の容器に戻される。
【００２６】
図２に示すこの発明の包装充填装置例における不活性ガスを供給して置換する動作を説明する。
図２に示す予熱ステーション３５ａにおいて、容器３３の上部の開放口３３ａは、図４に示すように、屋根を形成する四方のパネル３３ｂ、３３ｂ、３３ｂ、３３ｂが直立した状態で形成される。
容器内のヘッドスペース３３ｃは、液体食品の内容物の液面３３ｄ上方に形成される空間に相当する。
予熱ステーション３５ａの下流において、一対のノズル４０ａ、４０ｂが、２個数毎に間欠的に搬送される容器３３、３３の閉鎖前の開放口から容器内のヘッドスペースに挿入され、ヘッドスペースに不活性ガスを充填させる。
【００２７】
この態様において、流量制御手段４３が、導管４１、４１を介して不活性ガス源４２からノズル挿入時に速やかにヘッドスペース相当体積量の不活性ガスを供給する。
市販の１リットル屋根型牛乳紙容器の場合、ヘッドスペース相当体積量は、約０．１９２リットルになり、６０００個／時の包装充填装置の場合、１９．２リットル／分の流量となる。
【００２８】
この態様において、不活性ガスの導管断面積に比較して、ノズルの出口の断面積を広くすることによって、噴射することもなく、対流が発生することもなく、不活性ガスがヘッドスペースから飛散することを低減させ、不活性ガス量の供給を低減する。
ノズルの出口の流れ方向を全ての方向に向ける形状にして、ヘッドスペースの隅々まで不活性ガスで充満させ、また、ノズルの挿入到達位置を、できるだけ液面に近づけ、ノズル挿入時に速やかにヘッドスペースを不活性ガスで充満させる。
この態様において、不活性ガス源４２から導管４１を介してノズル４０に不活性ガスを供給する。
【００２９】
この態様において、充満後にヘッドスペース相当体積量の５０〜１％量の不活性ガスを供給する。
ヘッドスペースを不活性ガスが満たされた後、充満後の不活性ガス供給量は、風量を減少させ、絶えず不活性ガスがあふれ出るように供給する。
具体的な不活性ガス供給量は、容器の搬送速度、雰囲気ガスの状態、容器の上部の開放口の形状／向きなどによって変動するために、前もって、実測値若しくは流体シミュレーションによる計算値を得て、流量制御手段４３がこの値を基に不活性ガスを供給する。
上部開放口の開口部を多量の不活性ガスで満たしても、移動する際に空気がまた入り込むために、絶えず不活性ガスがあふれ出るように供給する。
【００３０】
図１に、上部開放口がほぼ半分閉鎖されている段階（図１（Ａ））及び上部開放口が閉鎖されノズルが引出される直前の段階（図１（Ｂ））における、不活性ガス供給装置例のノズルが、開放口から容器内のヘッドスペースに挿入した状態を示す。
上部開放口がほぼ半分閉鎖されている段階（図１（Ａ））では、図面と垂直方向に容器３３が搬送されそれに伴って開放口３３ａに挿入されたノズル４０も移動する。流量制御手段に制御されて、導管４１を介してノズル４０よりヘッドスペース３３cから飛散する不活性ガスに相当する量をヘッドスペース３３cに供給する。
【００３１】
上部開放口が閉鎖されノズルが引出される直前の段階（図１（Ｂ））では、矢印方向に容器３３が搬送されそれに伴って開放口３３ａに挿入されたノズル４０も移動する。この直後に、ノズル４０が開放口３３ａから引出され、流量制御手段によって不活性ガスの供給を停止し、上部開放口３３ａが閉鎖されヒートシールされる。
【００３２】
移動手段は、充填中の容器の搬送に連動してノズルを移動させるとともに、閉鎖直前の容器から供給前の容器にノズルを戻す。
図２に、移動態様例を示す。この態様では、導管４１が可撓性のホースからなり、１組のノズル４０ａ、４０ｂが上方に搬送路から退避し矢印に示すように、上流側に移動する。
上記態様では、ノズル全体がそのまま退避したが、ノズルを伸縮可能にして、退避時にノズルの長さを短くさせることもできる。
【００３３】
なお、本発明は上述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
【産業上の利用可能性】
【００３４】
この発明は、流動性食品を包装充填する包装容器の製造に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【００３５】
【図１】この発明による不活性ガス供給装置例のノズルを、開放口が容器内のヘッドスペースに挿入した状態を、上部開放口がほぼ半分閉鎖されている段階（図１（Ａ））及び上部開放口が閉鎖されノズルが引出される直前の段階（図１（Ｂ））において示す斜視図である。
【図２】この発明による包装充填装置例の概略を示す内部側面図である。
【図３】この発明による不活性ガス供給装置例／包装充填装置例に使用される屋根型紙容器例の斜視図である。
【図４】この発明による不活性ガス供給装置例／包装充填装置例に使用される屋根型紙容器例の上部開放口を示す斜視図である。
【符号の説明】
【００３６】
３３、３６ ・・・容器
３３ａ ・・・開放口
４０ ・・・ノズル
４１ ・・・導管
４２ ・・・流量制御手段
【技術分野】
【０００１】
本発明は、ヘッドスペースを残して液体食品が充填され、上部開放口が順次閉鎖されてシールされる容器用の不活性ガス供給装置及び包装充填装置に関する。
【背景技術】
【０００２】
牛乳、果汁、野菜ジュース、豆乳、清涼飲料等の液体食品用の容器には、各種形状の容器がある。例えば、パウチ容器、ゲーブトップ（屋根型）紙容器では、ヘッドスペースを残して液体食品が充填され、上部開放口が順次閉鎖されてシールされる容器である。
【０００３】
図３に示すゲーブトップ紙容器例３６は、屋根型の上部３６ａと、直方体の本体３６ｂとからなり、シール前には、上部に開放口が形成されており、この開放口から液体食品が、ヘッドスペース３６ｄを残す様に、充填される。
この容器では、上方開放口を折目線に沿って内側に折り込んだ状態で上端部を止じ合せ、その止じ合面をヒートシール等の手段によってトップシール３６ｃを形成することで、容器が作られる。シールされた形成された容器の上部には、図示するように四角錐のヘッドスペース３６ｄが形成される。
【０００４】
図２に示す態様のゲーブトップ紙容器用包装充填機例では、折目線が付けられた印刷済み積層包装材料が所定形状に裁断され、容器縦方向に縦シールした容器ブランクス（図示せず）を得る。ブランクスの底が底部シール手段（図示せず）でシールされ、充填ステーション３４ａで上部開放の容器３３の上部の開放口３３ａから液体食品が充填手段３４でヘッドスペースを残して充填される。上部開放口３３ａが折目線に沿って内側に折り込んで、順次閉鎖され、予熱ステーション３５ａ及びトップシールステーション３５ｂで容器３３の上端がトップシール手段（図示せず）でヒートシールされて、図３に示すような充填容器３６を得る。
【０００５】
この容器は、図３に示すように、上方開放口を封止する際に、容器内の上部に、ヘッドスペース（閉空間）３６ｄが形成される。閉空間内には、雰囲気空気の酸素ガスが存在し、容器内に充填された液体食品は閉空間内の酸素と接触し酸化による製品劣化が進む。
この劣化によって、風味を損ね、充填完了後の製品の賞味期限に重大な影響を与える。
ヘッドスペース内を、不活性ガスの窒素ガス等に置換する装置、方法が提案されている。（特許文献１、２、３及び４参照）
【０００６】
例えば、開放口の閉鎖前に開放口を上方から覆う開放口カバーと、開放口カバーを貫通し容器内のヘッドスペースへ不活性ガスを噴射する第１噴射ノズルとを備え、更に、上部開放口が折目線に沿って内側に折り込んで、順次閉鎖される途中に、開放口の上方から容器内のヘッドスペースへ不活性ガスを噴射する第２噴射ノズルも備え、かつ第１噴射ノズルと第２噴射ノズルとの間にも、カバー及び第３の噴射ノズルを設ける不活性ガス置換装置が提案されている。（特許文献１参照）
上部開放口が閉鎖される前に第１噴射ノズルから不活性ガスを噴射し、更に、上部開放口が折目線に沿って内側に折り込んで、順次閉鎖される途中にも、第３及び第２の噴射ノズルで不活性ガスを噴射するので、この雰囲気全体が不活性ガスで包まれて、ヘッドスペースへの不活性ガス置換率が向上することが期待される。
しかしながら、第１噴射ノズル、第２及び第３の噴射ノズルから多量の不活性ガスが噴射され、不活性ガスの消費量が多くなる恐れがある。
【０００７】
また、別の不活性ガス置換装置では、充填ステーションで容器の上部の開放口から液体食品が充填手段でヘッドスペースを残して充填され、予熱ステーションでトップシールのために予熱され、上部開放口が折目線に沿って内側に折り込んで、順次閉鎖される。この装置では、２個毎に間欠的に搬送される容器の開放口の閉鎖前に開放口を上方から覆う開放口カバーと、開放口カバーを貫通し容器内のヘッドスペースへ不活性ガスを噴射する２本の第１噴射ノズルとが設けられる。更に、上部開放口が折目線に沿って内側に折り込んで、順次閉鎖される途中に、開放口の上方から容器内のヘッドスペースへ不活性ガスを噴射する２本の第２噴射ノズルも備える。次いで、トップシールステーションで容器の上端がトップシール手段でヒートシールされる。（特許文献２参照）
不活性ガス供給源（図示せず）から噴射ノズルへの導管は、マニホルドを介して連通し、他の導管と実質的に同様に不活性ガスを均一に噴射することが期待される。
しかしながら、配管及び導管の設計の自由度が低くより適切な配置、位置決めに不都合が生じ、不活性ガスに置換できる割合が高率ではない場合もある。
【特許文献１】特開２００２−３７２１５号公報
【特許文献２】特開２００３−１６５５０９号公報
【特許文献３】特開平７−１８７１３５号公報
【特許文献４】特開昭６１−０４７３２３号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００８】
従来の不活性ガスに置換する装置及び方法では、不活性ガスに置換できる割合が高率ではなく、不活性ガスの消費量が多量にある。
【０００９】
この発明は、上記の不都合を解消し、容器内のヘッドスペースにおける不活性ガス置換率を高め、不活性ガスの消費量が低減する不活性ガス供給装置及び包装充填装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【００１０】
この発明の不活性ガス供給装置は、ヘッドスペースを残して液体食品が充填され、上部開放口が順次閉鎖されてシールされる容器であって、所定個数毎に間欠的に搬送される容器の閉鎖前の開放口から容器内のヘッドスペースに挿入され、ヘッドスペースに不活性ガスを供給させるノズルと、容器の搬送に連動してノズルを移動させ、容器の閉鎖直前に供給前の容器にノズルを戻す移動手段と、導管を介してノズルに不活性ガスを供給する不活性ガス源と、不活性ガスの流量を制御する流量制御手段とを備え、
流量制御手段が、ノズル挿入時に速やかにヘッドスペースを不活性ガスで充満させ、充満後であって容器の閉鎖直前までの間に、ヘッドスペースから飛散する不活性ガスに相当する量を供給する、ことを特徴とする。
【００１１】
この発明の好ましい態様の不活性ガス供給装置において、流量制御手段が、ノズル挿入時に速やかにヘッドスペース相当体積量の不活性ガスを供給し、充満後にヘッドスペース相当体積量の５０〜１％量の不活性ガスを供給する。
【００１２】
この発明の好ましい上記態様の不活性ガス供給装置において、供給される不活性ガスが低温に冷却されている。
【００１３】
この発明の好ましい態様の不活性ガス供給装置において、ノズルの出口の形状及び位置が、ノズル挿入時に速やかにヘッドスペースを不活性ガスで充満させる。
【００１４】
この発明の包装充填装置において、容器にヘッドスペースを残して液体食品を充填し、上部開放口を順次閉鎖してシールする包装充填装置であって、
所定個数毎に間欠的に搬送される容器の閉鎖前の開放口から容器内のヘッドスペースに挿入され、ヘッドスペースに不活性ガスを供給させるノズルと、容器の搬送に連動してノズルを移動させ、容器の閉鎖直前に供給前の容器にノズルを戻す移動手段と、導管を介してノズルに不活性ガスを供給する不活性ガス源と、不活性ガスの流量を制御する流量制御手段とを備え、
流量制御手段が、ノズル挿入時に速やかにヘッドスペースを不活性ガスで充満させ、充満後であって容器の閉鎖直前までの間に、ヘッドスペースから飛散する不活性ガスに相当する量を供給する、
ことを特徴とする。
【００１５】
この発明の好ましい態様の包装充填装置において、容器が屋根型紙容器であり、また屋根型紙容器の内容物の容量が１リットルであり、１時間あたりの包装充填される容器数が５５００個から１００００個である。
【発明の効果】
【００１６】
上記構成を有するこの発明は、以下の様に作用機能し、効果を奏する。
この発明の不活性ガス供給装置／包装充填装置は、ヘッドスペースを残して液体食品が充填され、上部開放口が順次閉鎖されてシールされる容器に対して使用され、ノズルと移動手段と不活性ガス源と流量制御手段とを備える。
ノズルは、例えば１個〜３個の所定個数毎に間欠的に搬送される容器の閉鎖前の開放口から容器内のヘッドスペースに挿入され、ヘッドスペースに不活性ガスを供給する。
移動手段は、充填中の容器の搬送に連動してノズルを移動させ、容器の閉鎖直前に供給前の容器にノズルを戻す。また、この発明の不活性ガス供給装置／包装充填装置は、導管を介してノズルに不活性ガスを供給する不活性ガス源と、不活性ガスの流量を制御する流量制御手段とを備える。
【００１７】
流量制御手段が、ノズル挿入時に速やかにヘッドスペースを不活性ガスで充満させ、充満後であって容器の閉鎖直前までの間に、ヘッドスペースから飛散する不活性ガスに相当する量を供給する。
内容物の液体食品を充填した場所から上部開放口をヒートシールする位置に到着する間に、容器のパッケージに伴送しながら不活性ガスを供給するノズルをヘッドスペース内の空間に挿入し、その状態で不活性ガスを上部開放口の開口部をヒートシールする直前まで供給しつづける。
【００１８】
供給時に、対流による空気の混入を極力避けるべく、一定量の不活性ガスを噴き続けるのではなく、ヘッドスペースを不活性ガスが満たされた後は、風量を減少させ、絶えず不活性ガスがあふれ出るように供給する。
もし、不必要に風量を上げたまま噴射すると対流によって効果が得られない。
あたかも不活性ガスの液体がパッケージ内から湧き出て、あふれ出しているような状態のまま、開口部をシールする場所まで移動しシールするように風量も制御する。すなわち、充満後であって容器の閉鎖直前までの間に、ヘッドスペースから飛散する不活性ガスに相当する量を供給する。
【００１９】
この発明の好ましい態様において、流量制御手段が、ノズル挿入時に速やかにヘッドスペース相当体積量の不活性ガスを供給し、充満後にヘッドスペース相当体積量の５０〜１％量の不活性ガスを供給する。
ヘッドスペースを不活性ガスが満たされた後は、風量を減少させ、絶えず不活性ガスがあふれ出るように供給する。
上部開放口の開口部の周辺を一瞬、多量の不活性ガスで覆うように不活性ガスで満たしてもヘッドスペース内の空気は置換されると考えられるが効率は良くないし、まだ開口されているので、開口部をシールする場所に移動する際に空気がまた入り込むからである。
【００２０】
この発明の好ましい上記態様において、供給される不活性ガスが低温に冷却されている。
低温のガスは密度が低く、不活性ガスがヘッドスペースから飛散することを低減させ、不活性ガス量の供給を低減することができる。
【００２１】
この発明の好ましい態様において、ノズルの出口の形状及び位置が、ノズル挿入時に速やかにヘッドスペースを不活性ガスで充満させる。
不活性ガスの導管断面積に比較して、ノズルの出口の断面積を広くすることによって、噴射することもなく、対流が発生することもなく、不活性ガスがヘッドスペースから飛散することを低減させ、不活性ガス量の供給を低減することができる。
ノズルの出口の流れ方向を全ての方向に向ける形状にして、ヘッドスペースの隅々まで不活性ガスで充満させることができる。
また、ノズルの挿入到達位置を、できるだけ液面に近づけることによって、置換目的において効果的に不活性ガスを供給することができる。
【００２２】
この発明の好ましい態様において、容器が屋根型紙容器であり、また屋根型紙容器の内容物の容量が１リットルであり、１時間あたりの包装充填される容器数が５５００個から１００００個である。
この発明において、搬送中に直接ヘッドスペース内にノズルを進入させ、不活性ガスをヘッドスペース内に満たし、開口部をシールする直前までノズルから不活性ガスを噴射していれば効果や効率は高くなる。また蓋・カバーは特に必要無く、ノズルの断面積の開口のスペースのみがあれば十分である。
【発明を実施するための最良の形態】
【００２３】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
図１は、この発明による不活性ガス供給装置例のノズルを、開放口が容器内のヘッドスペースに挿入した状態を、上部開放口がほぼ半分閉鎖されている段階（図１（Ａ））及び上部開放口が閉鎖されノズルが引出される直前の段階（図１（Ｂ））において示す。
図２は、この発明による包装充填装置例の概略を示す内部側面図である。
図３は、この発明による不活性ガス供給装置例／包装充填装置例に使用される屋根型紙容器例の斜視図である。
図４は、この発明による不活性ガス供給装置例／包装充填装置例に使用される屋根型紙容器例の上部開放口を示す斜視図である。
【００２４】
図２に示すように、この発明による不活性ガス供給装置に使用するゲーブトップ紙容器用包装充填機では、折目線が付けられた包装材料が所定形状に裁断され、容器縦方向に縦シールした容器ブランクス（図示せず）を得る。ブランクスの底が底部シール手段（図示せず）でシールされ、充填ステーション３４ａで容器３３の上部の開放口（３３ａ）から液体食品が充填手段３４でヘッドスペースを残して充填され、上部開放口が折目線に沿って内側に折り込んで、順次閉鎖され、予熱ステーション３５ａ及びトップシールステーション３５ｂで容器３３の上端がトップシール手段（図示せず）でヒートシールされて、図３に示すような充填容器３６を得る。
【００２５】
図２に示すこの発明の包装充填装置例における不活性ガス供給の一態様では、２個毎に間欠的に搬送される容器にヘッドスペースを残して液体食品を充填し、上部開放口を順次閉鎖してシールする包装充填装置である。
この態様では、搬送される容器３３の閉鎖前の開放口３３ａから容器内のヘッドスペースに挿入され、ヘッドスペースに不活性ガスを充填させる一対のノズル４０ａ、４０ｂと、容器の搬送に連動してノズル４０を移動させ、容器の閉鎖直前に供給前の容器にノズルを戻す移動手段（図示せず）と、導管４１を介してノズル４０に不活性ガスを供給する不活性ガス源４２と、不活性ガスの流量を制御する流量制御手段４３とを備える。
この態様では、３組のノズル４０ａ、４０ｂが設けられ、移動手段によって図２の矢印に示すように閉鎖直前の容器から供給前の容器に戻される。
【００２６】
図２に示すこの発明の包装充填装置例における不活性ガスを供給して置換する動作を説明する。
図２に示す予熱ステーション３５ａにおいて、容器３３の上部の開放口３３ａは、図４に示すように、屋根を形成する四方のパネル３３ｂ、３３ｂ、３３ｂ、３３ｂが直立した状態で形成される。
容器内のヘッドスペース３３ｃは、液体食品の内容物の液面３３ｄ上方に形成される空間に相当する。
予熱ステーション３５ａの下流において、一対のノズル４０ａ、４０ｂが、２個数毎に間欠的に搬送される容器３３、３３の閉鎖前の開放口から容器内のヘッドスペースに挿入され、ヘッドスペースに不活性ガスを充填させる。
【００２７】
この態様において、流量制御手段４３が、導管４１、４１を介して不活性ガス源４２からノズル挿入時に速やかにヘッドスペース相当体積量の不活性ガスを供給する。
市販の１リットル屋根型牛乳紙容器の場合、ヘッドスペース相当体積量は、約０．１９２リットルになり、６０００個／時の包装充填装置の場合、１９．２リットル／分の流量となる。
【００２８】
この態様において、不活性ガスの導管断面積に比較して、ノズルの出口の断面積を広くすることによって、噴射することもなく、対流が発生することもなく、不活性ガスがヘッドスペースから飛散することを低減させ、不活性ガス量の供給を低減する。
ノズルの出口の流れ方向を全ての方向に向ける形状にして、ヘッドスペースの隅々まで不活性ガスで充満させ、また、ノズルの挿入到達位置を、できるだけ液面に近づけ、ノズル挿入時に速やかにヘッドスペースを不活性ガスで充満させる。
この態様において、不活性ガス源４２から導管４１を介してノズル４０に不活性ガスを供給する。
【００２９】
この態様において、充満後にヘッドスペース相当体積量の５０〜１％量の不活性ガスを供給する。
ヘッドスペースを不活性ガスが満たされた後、充満後の不活性ガス供給量は、風量を減少させ、絶えず不活性ガスがあふれ出るように供給する。
具体的な不活性ガス供給量は、容器の搬送速度、雰囲気ガスの状態、容器の上部の開放口の形状／向きなどによって変動するために、前もって、実測値若しくは流体シミュレーションによる計算値を得て、流量制御手段４３がこの値を基に不活性ガスを供給する。
上部開放口の開口部を多量の不活性ガスで満たしても、移動する際に空気がまた入り込むために、絶えず不活性ガスがあふれ出るように供給する。
【００３０】
図１に、上部開放口がほぼ半分閉鎖されている段階（図１（Ａ））及び上部開放口が閉鎖されノズルが引出される直前の段階（図１（Ｂ））における、不活性ガス供給装置例のノズルが、開放口から容器内のヘッドスペースに挿入した状態を示す。
上部開放口がほぼ半分閉鎖されている段階（図１（Ａ））では、図面と垂直方向に容器３３が搬送されそれに伴って開放口３３ａに挿入されたノズル４０も移動する。流量制御手段に制御されて、導管４１を介してノズル４０よりヘッドスペース３３cから飛散する不活性ガスに相当する量をヘッドスペース３３cに供給する。
【００３１】
上部開放口が閉鎖されノズルが引出される直前の段階（図１（Ｂ））では、矢印方向に容器３３が搬送されそれに伴って開放口３３ａに挿入されたノズル４０も移動する。この直後に、ノズル４０が開放口３３ａから引出され、流量制御手段によって不活性ガスの供給を停止し、上部開放口３３ａが閉鎖されヒートシールされる。
【００３２】
移動手段は、充填中の容器の搬送に連動してノズルを移動させるとともに、閉鎖直前の容器から供給前の容器にノズルを戻す。
図２に、移動態様例を示す。この態様では、導管４１が可撓性のホースからなり、１組のノズル４０ａ、４０ｂが上方に搬送路から退避し矢印に示すように、上流側に移動する。
上記態様では、ノズル全体がそのまま退避したが、ノズルを伸縮可能にして、退避時にノズルの長さを短くさせることもできる。
【００３３】
なお、本発明は上述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
【産業上の利用可能性】
【００３４】
この発明は、流動性食品を包装充填する包装容器の製造に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【００３５】
【図１】この発明による不活性ガス供給装置例のノズルを、開放口が容器内のヘッドスペースに挿入した状態を、上部開放口がほぼ半分閉鎖されている段階（図１（Ａ））及び上部開放口が閉鎖されノズルが引出される直前の段階（図１（Ｂ））において示す斜視図である。
【図２】この発明による包装充填装置例の概略を示す内部側面図である。
【図３】この発明による不活性ガス供給装置例／包装充填装置例に使用される屋根型紙容器例の斜視図である。
【図４】この発明による不活性ガス供給装置例／包装充填装置例に使用される屋根型紙容器例の上部開放口を示す斜視図である。
【符号の説明】
【００３６】
３３、３６ ・・・容器
３３ａ ・・・開放口
４０ ・・・ノズル
４１ ・・・導管
４２ ・・・流量制御手段
【特許請求の範囲】
【請求項１】
ヘッドスペースを残して液体食品が充填され、上部開放口が順次閉鎖されシールされる容器であって、所定個数毎に間欠的に搬送される該容器の閉鎖前の該開放口から該容器内のヘッドスペースに挿入され、該ヘッドスペースに不活性ガスを充満させるノズルと、該容器の搬送に連動して該ノズルを移動させ、閉鎖直前の該容器から供給前の該容器に該ノズルを戻す移動手段と、導管を介して該ノズルに不活性ガスを供給する不活性ガス源と、不活性ガスの流量を制御する流量制御手段とを備え、
該流量制御手段が、該ノズル挿入時に速やかに該ヘッドスペースを不活性ガスで充満させ、充満後であって該容器の閉鎖直前までの間に、該ヘッドスペースから飛散する不活性ガスに相当する量を供給する、
ことを特徴とするヘッドスペースを有する容器用の不活性ガス供給装置。
【請求項２】
該流量制御手段が、該ノズル挿入時に速やかにヘッドスペース相当体積量の不活性ガスを供給し、充満後にヘッドスペース相当体積量の５０〜１％量の不活性ガスを供給する、請求項１記載の不活性ガス供給装置。
【請求項３】
供給される不活性ガスが低温に冷却されている、請求項１記載の不活性ガス供給装置。
【請求項４】
該ノズルの出口の形状及び位置が、該ノズル挿入時に速やかに該ヘッドスペースを不活性ガスで充満させる、請求項１記載の不活性ガス供給装置。
【請求項５】
容器にヘッドスペースを残して液体食品を充填し、上部開放口を順次閉鎖してシールする包装充填装置であって、
所定個数毎に間欠的に搬送される該容器の閉鎖前の該開放口から該容器内のヘッドスペースに挿入され、該ヘッドスペースに不活性ガスを充満させるノズルと、該容器の搬送に連動して該ノズルを移動させ、閉鎖直前の該容器から供給前の該容器に該ノズルを戻す移動手段と、導管を介して該ノズルに不活性ガスを供給する不活性ガス源と、不活性ガスの流量を制御する流量制御手段とを備え、
該流量制御手段が、該ノズル挿入時に速やかに該ヘッドスペースを不活性ガスで充満させ、充満後であって該容器の閉鎖直前までの間に、該ヘッドスペースから飛散する不活性ガスに相当する量を供給する、
ことを特徴とするヘッドスペースを有する容器の包装充填装置。
【請求項６】
該容器が、屋根型紙容器である、請求項５記載の包装充填装置。
【請求項７】
該屋根型紙容器の内容物の容量が１リットルであり、１時間あたりの包装充填される容器数が５５００個から１００００個である、請求項５記載の包装充填装置。
【請求項１】
ヘッドスペースを残して液体食品が充填され、上部開放口が順次閉鎖されシールされる容器であって、所定個数毎に間欠的に搬送される該容器の閉鎖前の該開放口から該容器内のヘッドスペースに挿入され、該ヘッドスペースに不活性ガスを充満させるノズルと、該容器の搬送に連動して該ノズルを移動させ、閉鎖直前の該容器から供給前の該容器に該ノズルを戻す移動手段と、導管を介して該ノズルに不活性ガスを供給する不活性ガス源と、不活性ガスの流量を制御する流量制御手段とを備え、
該流量制御手段が、該ノズル挿入時に速やかに該ヘッドスペースを不活性ガスで充満させ、充満後であって該容器の閉鎖直前までの間に、該ヘッドスペースから飛散する不活性ガスに相当する量を供給する、
ことを特徴とするヘッドスペースを有する容器用の不活性ガス供給装置。
【請求項２】
該流量制御手段が、該ノズル挿入時に速やかにヘッドスペース相当体積量の不活性ガスを供給し、充満後にヘッドスペース相当体積量の５０〜１％量の不活性ガスを供給する、請求項１記載の不活性ガス供給装置。
【請求項３】
供給される不活性ガスが低温に冷却されている、請求項１記載の不活性ガス供給装置。
【請求項４】
該ノズルの出口の形状及び位置が、該ノズル挿入時に速やかに該ヘッドスペースを不活性ガスで充満させる、請求項１記載の不活性ガス供給装置。
【請求項５】
容器にヘッドスペースを残して液体食品を充填し、上部開放口を順次閉鎖してシールする包装充填装置であって、
所定個数毎に間欠的に搬送される該容器の閉鎖前の該開放口から該容器内のヘッドスペースに挿入され、該ヘッドスペースに不活性ガスを充満させるノズルと、該容器の搬送に連動して該ノズルを移動させ、閉鎖直前の該容器から供給前の該容器に該ノズルを戻す移動手段と、導管を介して該ノズルに不活性ガスを供給する不活性ガス源と、不活性ガスの流量を制御する流量制御手段とを備え、
該流量制御手段が、該ノズル挿入時に速やかに該ヘッドスペースを不活性ガスで充満させ、充満後であって該容器の閉鎖直前までの間に、該ヘッドスペースから飛散する不活性ガスに相当する量を供給する、
ことを特徴とするヘッドスペースを有する容器の包装充填装置。
【請求項６】
該容器が、屋根型紙容器である、請求項５記載の包装充填装置。
【請求項７】
該屋根型紙容器の内容物の容量が１リットルであり、１時間あたりの包装充填される容器数が５５００個から１００００個である、請求項５記載の包装充填装置。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図２】
【図３】
【図４】
【公開番号】特開２００９−２５５９６４（Ｐ２００９−２５５９６４Ａ）
【公開日】平成２１年１１月５日（２００９．１１．５）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００８−１０８９０１（Ｐ２００８−１０８９０１）
【出願日】平成２０年４月１８日（２００８．４．１８）
【出願人】（０００２２９２３２）日本テトラパック株式会社 (259)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２１年１１月５日（２００９．１１．５）
【国際特許分類】
【出願日】平成２０年４月１８日（２００８．４．１８）
【出願人】（０００２２９２３２）日本テトラパック株式会社 (259)
【Ｆターム（参考）】
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