説明

両刃ウエイビングカッター

【課題】表裏面に凹凸のあるフープ材を切断する。
【解決手段】平行に配設された2枚のベースA、B間に上部ラム1と下部ラム2を摺動自在に設け、該上部ラム1の下端に上刃7を、該下部ラム2の上端に下刃8を固定すると共に、該上部ラム1の上端側に上部偏心軸3を、該下部ラム2の下端側に下部偏心軸4を設けて成り、前記上部偏心軸3および下部偏心軸4を相反する方向に偏心回転させることにより、前記上部ラム1と下部ラム2が遥動しつつ対向方向往復動し、前記上刃7と下刃8との間でフープ材を切断する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フープ材を切断するカッターに関し、特に面に凹凸のあるフープ材のカッターに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のフープ材カッターには各種形式のものがあるが、多くのフープ材カッターは対向する刃物の一方が固定刃、他方が往復動する動刃になっており、この固定刃と動刃の間でフープ材を切断する方式である。これらのフープ材カッターは、例えば特許文献1に示される発明が公知である。
特許文献1の発明は、図3に示すように往復動するラム31の一端に固定された動刃32と本体33側に固定された固定刃34との間でフープ材35を切断する構成であり、図に示す表裏面に凹凸のないフープ材は問題なく切断することができるものである。
【0003】
しかしながら、特許文献1に開示されたフープ材カッターは、例えば図4に示すように切断するフープ材36の表裏面に凹凸がある場合は、フープ材36の凸部37が刃物の端面に押圧されるためにねじれた状態で切断される。これにより切断されたフープ材の切り口がだれてしまうなどの問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平2002―219612号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
解決しようとする問題点は、従来のフープ材カッターは表裏面に凹凸のあるフープ材を切断することが困難なことである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、表裏面に凹凸のあるフープ材を切断するために、対向する双方の刃物がウエイビングしつつ往復動して切断する構成にしたことを最も主要な特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明の両刃ウエイビングカッターは、対向する双方の刃物をウエイビングしつつ往復動する構成にしたことにより、フープ材の表裏面の凸部を刃物で押しつぶすことなく切断することができ、しかも切断されたフープ材の切り口にバリが発生しない正常な切断が可能になった。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】は両刃ウエイビングカッターの構成を示す図である。
【図2】(a)(b)(c)は両刃ウエイビングカッターの構成およびフープ材導入から切断までの過程を示す図である。
【図3】は従来のフープ材カッターにて平坦なフープ材を切断する説明図である。
【図4】は従来のフープ材カッターにて両面に凹凸のあるフープ材を切断する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
表裏面に凹凸のあるフープ材を正常に切断するという目的を、対向する双方の刃物をウエイビングしつつ往復動する構成にて実現した。
【実施例1】
【0010】
図1および図2に示す本実施例の両刃ウエイビングカッターは、ベースAとベースBとの間に上部ラム1と下部ラム2が摺動自在に設けられており、上部ラム1の上端側にカム3aを有する上部偏心軸3が、下部ラム2の下端側にカム4aを有する下部偏心軸4が設けられている。更に、上部ラム1と下部ラム2それぞれにはガイドピン5と、ガイドピン5をガイドするガイド溝6が設けられ、上部ラム1の下端には上刃7が、下部ラム2の上端には下刃8のそれぞれが対向配置され、ボルト9,10にて固定されている。
【0011】
上記構成の両刃ウエイビングカッターは、図示しないモータ駆動にて上部偏心軸3および下部偏心軸4を矢印AおよびBにて示す相反方向に回転することにより、上部ラム1および下部ラム2が、カム3aおよびカム4bの作用で遥動しかつガイドピン5とガイド溝6のガイドにより矢印CおよびDで示す対抗方向に往復動する。一方、図2に示すようにベースBの中央部にはホッパー11が設けられており、フープ材12がこのホッパー11を経て切断部に連続的に送り込まれる。
【0012】
例えば図2(a)に示すように、両面に凹凸のあるフープ材を切断する場合に、ホッパー11から送り込まれたフープ材12が切断部に送り込まれても、切断部では上刃7および下刃8が上下に開いた状態で、少なくとも上刃7および下刃8はホッパー25から上下に離れた位置にあり、フープ材12の凸部13が刃物に当接することはない。この状態で(b)図に示すように上刃7と下刃8がウエイビングしつつ上下方向からフープ材12に向かって進行し、(c)図に示すように上刃7と下刃8がフープ材12の凹部14に至り、刃物が凸部13に当接することなく切断することができる。なお上刃7および下刃8の厚さは凹部14の幅内に設定することにより凸部13に当接することを避けることができる。
【0013】
以上により本発明の両刃ウエイビングカッターは、フープ材12の表裏面の凸部13を刃物で押しつぶすことなく凹部14にて正常な切断をすることができ、しかも切断されたフープ材12の切り口にバリが発生しない。
【符号の説明】
【0014】
1 上部ラム
2 下部ラム
3 上部偏心軸
4 下部偏心軸
5 ガイドピン
6 ガイド溝
7 上刃
8 下刃
9,10 ボルト
11 ホッパー
12 フープ材
13 凸部
14 凹部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
平行に配設された2枚のベース間に上部ラムと下部ラムを摺動自在に設け、該上部ラムの下端に上刃を、該下部ラムの上端に下刃を固定すると共に、該上部ラムの上端側に上部偏心軸を、該下部ラムの下端側に下部偏心軸を設けて成り、前記上部偏心軸および下部偏心軸が相反する方向に偏心回転させることにより、前記上部ラムと下部ラムが対向方向に遥動しつつ往復動し、前記上刃と下刃との間でフープ材を切断することを特徴とする両刃ウエイビングカッター。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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