説明

両面表示装置

【課題】複数の表示内容を簡単に変化させ、かつ表示することができる両面表示装置を提供する。
【解決手段】2枚以上の表示板1,1,1,1を上側で、折り返し自在に集束した両面表示装置であって、折り返された隣り合う二枚の表示板1,1,1,1の表示内容を同一とし、表側と裏側の表示内容を同一としたことを特徴とする両面表示装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、主として各種営業行為として機能する集束された複数の表示内容を簡単に変化させ、かつ表示することができる両面表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
広告、或は単なる公演などの演題などを表示するものとして、例えば立看板とかめくり板などの数多くの表示装置は知られている。
【0003】
これらの表示装置は専ら表側、即ち正面に対してのみの表示内容の表示であり、裏側即ち背面の表示はないのが一般的である。
【0004】
これに対して三角筒形の看板であって、一箇所の面の縦一辺に蝶番でもう一枚の板面をつけ、二種類の広告物を掲載できる看板が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0005】
さらに建物の壁面につける看板として、両面に看板機能を備えた表示部を有するものも知られている(例えば、特許文献2参照。)。
【特許文献1】特開平10−247067号公報
【特許文献2】実開平6−36081号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで上述の特許文献1は、三角筒形という特殊な構成の表示装置であり、しかも単に一枚の板面を蝶番で固定の躯体の面と組み合わせて、二種類の図柄を一枚の板面の表裏に表示し、三角筒の躯体の二つの面に前記一枚の板面の表裏に表示した図柄と同一図柄を示して、一枚の板面を蝶番で表裏に回転させることによって二種類の異なった図柄、例えば「営業中」「準備中」などの図柄を三角筒形の二面上に表示できる。
【0007】
また、特許文献2では、建築物の表面に単一の表示面を山形に組み合わせた表面に同一の表示面を示すだけの表示装置にすぎない。
【0008】
したがって、いずれの文献1,2も、2枚以上の多数枚の表示板を用いておらず、多数枚に表示されている多数の表示内容を、正面の表側のみならず背面の裏側の両面に同一表示内容を多数表示することはできないという不都合がある。
【0009】
本発明は、叙上の点に着目して成されたもので、単に板状の表示板の2枚以上の多数の上側を折返し自在に集束して、隣り合う同士の表示板の表裏を同一の表示内容とすることにより折り返した際、常に表側と裏側で同一内容を表示できるようにした両面表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この発明は下記の構成を備えることにより上記課題を解決できるものである。
【0011】
(1)2枚以上の表示板を上側で、折り返し自在に集束した両面表示装置であって、折り返された隣り合う二枚の表示板の表示内容を同一とし、一方の表示板の表側の表示面と、隣り合う他方の表示板の裏側の表示面の表示内容を同一としたことを特徴とする両面表示装置。
【0012】
(2)前記(1)記載の両面表示装置は、起立する支持板の上部で、支持手段を介して多数の表示板の一側を折り返し自在に集束して成ることを特徴とする両面表示装置。
【0013】
(3)支持板は、下端に支持当板を備えて成ることを特徴とする前記(1)または(2)記載の両面表示装置。
【0014】
(4)支持板は上部を枢軸として山形状に配設した二枚の支持板であることを特徴とする前記(1)または(2)記載の両面表示装置。
【0015】
(5)表示板の表示内容は、各種営業行為の好みの表示内容を表す表示看板として表示することを特徴とする前記(1)ないし(4)いずれかに記載の両面表示装置。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、2枚以上の表示板の上部が集束されて重ね合わされているので、表面側の表示板をめくり上げて反対側に折り返すことにより、好みの表示板を簡単に選択できる。そして2枚以上の表示板の隣り合う同士の表側と裏側とは同一の表示内容が示されているので、どの表示板を選んでも、前方から見ても後方から見ても常に同一の表示が得られる。例えば、商店、店舗などの店先において「営業中」,「準備中」,「本日休業」とか「臨時休業」など、それぞれの店の営業内容に適した好みの業務内容の種類に応じた両面表示が、路上を往来する通行人に対して同様に表示され、しかも表示板を単に折り返す操作という、きわめて簡単によって行えるものであって、集束される2以上の表示板の集束折り返す構成も簡単な止め具などの支持手段を用いて構成できるなど、全体の構成が簡単であり製作も容易であるので廉価量産に適する。
【0017】
また本発明によれば、屋外に設ける看板とか表示器などの他、卓上など屋内での予定表などの小物にも実施できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下本発明を実施するための最良の形態を、実施例により詳しく説明する。
【実施例1】
【0019】
以下に本発明の一実施例を図面について図1ないし図6について説明する。
【0020】
なお、表示板は2以上の方形板の多数を用いることができるが、説明の便宜上4枚の場合について説明する。
【0021】
図面について、1,1,1,1は、2以上の重なり合った表示板を示し、それぞれの表示板1,1,1,1の上側を片持ち構成の棒杆状の支持手段Wによって、折り返し自在に集束された起立する支持体3の上部に取付けられる。
【0022】
なお、図示では支持手段Wは、各表示板1,1,1,1を吊り下げる、蝶番構造の吊片2を接続した支持する突片部4,4,……を突設した多数の止め環部5,5,……より成る構成を示しているが、2以上の重なり合った表示板1,1,1,1を、前記支持体3の上部で折り返し可能の構成であれば、支持手段Wは如何なる構成も問わない。
【0023】
6,6,……は、各表示板1,1,1,1の上部を突片部4,4,……に固着するためのビスなどの止め具で、前記支持手段Wの止め環部5,5,……に着脱可能に固定させることができる。この場合、表示板1,1,1,1の上部の2箇所を2個の止め環部5,5を選んで吊り下げる。
【0024】
,7,7,7は、各表示板1,1,1,1の一面即ち表側の表示面、8,8,8,8は、各表示板1,1,1,1の反対面即ち裏側の表示面を示す。したがって、各表示板1,1,1,1には、それぞれの表側と裏側とには表示面7と8,7と8,7と8,7と8とを備える。
【0025】
そして、折り返されている表示板1と1の表示面7と8と、隣り合う重なり状態の表示板1と1,1と1,1と1……同士、互いに重なり合う表示面7と8,8と7,8と7,8と7とにそれぞれ同一の文字,絵柄などの好みの表示内容A,B,C,Dを表示するものである(図5(1)(2)(3)(4)参照)。
【0026】
例えば、商店,レストランなどの店頭に設置する場合、表示内容Aには「準備中」、Bには「営業中」、Cには「定休日」、Dには「臨時休業」などを表記することができる。
【0027】
なお図4に示すように、表示板1,1,1,1を図1,図2の折り返し支持する支持体3の棒杆状とは異なる板状の起立する支持板3Aとして形成し、表側および裏側には非表示面として構成しても実施できるが、これを表側の表示面3A1,裏側の表示面3B1と構成すれば、表示内容を増やすことができる。そして裏側の表示面3B1と、表示板1の表側の表示面7とを同一の表示内容Aを表示し、表側の表示面3A1と表示板1の裏側の表示面8とを同一の表示内容Eを表示することによって、支持板3A自体の表裏両側の両面を利用して表示板1と1を用いて表示内容を一つ追加して同一の表示内容を示す表示装置を提供できる(図6(1)(2)(3)(4)(5)参照)。
【0028】
例えば、表示内容Eには「本日特売日」などの表示内容を表示できる。
【実施例2】
【0029】
上述の実施例1の構成において、表示板1,1,1,1およびこれらを支持体3の上部に集束して、折り返して表示板1,1,1,1で表示内容を自由に変更して前方からも後方からも同一の表示内容を表示するようにした構成は同一である。
【0030】
異なる点は図7(b),(c)に示すように、支持体3の表側および裏側の表示面も広く活用できる点で実施例1とは異なる。
【0031】
すなわち、表示板1,1,1,1は、その上下の長さを短尺とし、支持体3の表側および裏側の表示部分9を広く形成し、広い表示部分9に使用する店舗,レストランなどの商店の特色ある広告,商品,サービスなどを固定状態で通行人に対して表示することができるようにすることができる。
【0032】
さらに広い表示部分9の一部には、図7(c)のように商店名などを記入できる区劃部10を設けることができる。この区劃部10と同様に、図7(a)のように商店,企業などを示す表示区劃部11を設けることもできる。
【0033】
以上、実施例1および2について記述したが、特に支持体3および支持手段Wは何等図示される構成に限るものでなく、図7(a)に示すような三角形,山形の支持板3aとか、図7(b),(c)のように好みの構成の支持板として構成でき、かつ支持手段Wは、例えば表示板1,1,1,1のそれぞれの上部に切欠孔12,12,……を設け、支持体の上部に設けた環体13,13,……に挿通させて折り返し反転できるようにでき、好みの数の2以上の表示板を用い、表裏折り返して広告,宣伝などの表示を行うことができる。また必要に応じて表示板の数は、使用中において追加架設することができると共に、反対に不必要な表示板を削除することもできる。
【0034】
なお図に於いて、図1に示す14は間隔保持環、15は位置を規制する止環をそれぞれ示す。また各図において、16は支持体,支持板の支持台を示す。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明に係る両面表示装置の基本構成を示す一実施例の正面図
【図2】図1のII−II線拡大断面構成図
【図3】支持構成部分を省略して表示板の構成を分かり易く配設した斜面説明図
【図4】支持板の構成を備えた表示板の支持構成を示す図1の構成に変形を加えた両面表示装置の側面構成図
【図5】(1),(2),(3),(4)は、図1に示す4枚の表示板の表裏組合せ構成を示す説明図
【図6】(1),(2),(3),(4),(5)は、図4に示す起立した支持板を配設した場合の4枚の表示板の表裏組合せ構成を示す説明図
【図7】(a),(b),(c)は、支持体の他の構成を示す3例の両面表示装置の斜面図
【符号の説明】
【0036】
,1,1,1 表示板
2 吊片
3 支持体
3A 支持板
3a 支持板
3A1 支持板3Aの表側の表示面
3B1 支持板3Aの裏側の表示面
4,4,…… 突片部
5,5,…… 止め環部
6,6,…… 止め具
,7,7,7 一面即ち表側の表示面
,8,8,8 反対面即ち裏側の表示面
9 表示部分
10 区劃部
11 表示区劃部
12,12,…… 切欠孔
13,13,…… 環体
14 間隔保持環
15 止環
16 支持台
W 支持手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
2枚以上の表示板を上側で、折り返し自在に集束した両面表示装置であって、折り返された隣り合う二枚の表示板の表示内容を同一とし、一方の表示板の表側の表示面と、隣り合う他方の表示板の裏側の表示面の表示内容を同一としたことを特徴とする両面表示装置。
【請求項2】
請求項1記載の両面表示装置は、起立する支持板の上部で、支持手段を介して多数の表示板の一側を折り返し自在に集束して成ることを特徴とする両面表示装置。
【請求項3】
支持板は、下端に支持当板を備えて成ることを特徴とする請求項1または2記載の両面表示装置。
【請求項4】
支持板は上部を枢軸として山形状に配設した二枚の支持板であることを特徴とする請求項1または2記載の両面表示装置。
【請求項5】
表示板の表示内容は、各種営業行為の好みの表示内容を表す表示看板として表示することを特徴とする請求項1ないし4いずれか記載の両面表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−122586(P2008−122586A)
【公開日】平成20年5月29日(2008.5.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−305234(P2006−305234)
【出願日】平成18年11月10日(2006.11.10)
【出願人】(593141207)
【Fターム(参考)】