説明

中空体

【課題】ディスペンサからの半流動性媒質の供給をできる限り自動化すること。
【解決手段】開口部(3)および内部に、チューブのための少なくとも1つの小分けユニット(4)を備えたハウジング(2)、スイッチ(6)、モータ(20)、駆動装置(5)および制御ユニット(7)を有し、その場合に開口部(3)内へブラシが、半流動性媒体を載せるために位置決めされる、口片を備えたチューブから半流動性の媒体、特に歯磨きクリーム、を自動的に排出するディスペンサ(1)において、ブラシを開口部(3)からチューブの口片の方向へ自立的に移送するために、位置決め装置(8)上に少なくとも1つの駆動装置(5)、特に、少なくとも1つの連動子(34)を備えた歯車(33)、が配置されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、口片を備えたチューブから半流動性媒質、特に歯磨き用クリームを自動的に供給するためのディスペンサであって、開口を備え、そして内部にチューブのための少なくとも1つの小分けユニットと、スイッチと、モータと、駆動装置と、制御ユニットとを備えたハウジングを有しており、開口内に、半流動性媒質を載せるためにブラシが位置決めされるディスペンサ、並びにその使用に関する。
【背景技術】
【0002】
家庭内で複数の人々によって日常的に必要とされ、そして使用される多種多様な物品がある。家庭内で生活する全ての人々によって毎日何度も必要とされ、且つ家庭内の各個人のためには存在しないこのような物品はしばしば、再三にわたって繰り返し生じる不一致の原因となる。例えば家族の或る一員が歯磨き用チューブをねじ締めず、これにより歯磨き用ペーストは洗面台に達する。或いは、家族の他の一員が歯磨き用チューブの蓋を載せるだけにする。こうすると、歯磨き用チューブは、次の使用者がチューブの蓋のところだけを掴むや否や床に落ち、やはり歯磨き用ペーストが流れ出る。他の家族は、チューブをもはや補助手段を用いてのみ開くことができることが特に良いと考え、このようにチューブを固くねじ締める。このような羅列は任意に続けることができる。
【0003】
さらに、例えば負傷によって、又は病気によって、小さな物品を把持することができない人も、必要な日常的な衛生処置及びボディケアを行わなければならない。
【0004】
日常の要件を克服するために、従来技術から既にいくつかのチューブ小分け補助装置が知られている。
【0005】
このように従来技術からは、例えば、歯磨き用クリームチューブを保持する細長いチャンバを画定する基礎プレートを含む歯磨き用クリームチューブ絞り出し器が知られている。さらに、この絞り出し器は、チャンバの両側の2つの長手方向レールと、チャンバの2つの対向する端部の間で長手方向レールに沿って運動させられる横方向溝と、軸上に、その2つの対向する端部の近くで組み付けられ、そしてそれぞれが長手方向レールと係合する2つの歯車とを含む。さらに、歯磨き用クリームチューブ絞り出し器は、手で回転させるために軸の2つの対向する端部にそれぞれ取り付けられた2つのボタン、歯車の運動を案内する2つのカバー、並びに細長いチャンバ及びカバーの上方の基礎プレートを覆うカバーを含む。歯磨き用クリームチューブ絞り出し器は手によって作動させなければならない。ボタンを指で回転させると、指を傷つけるおそれがある。さらに、歯磨き用クリームチューブ絞り出し器のこのような構造は、手を負傷している人、もしくは手が病気によって病理学的に変化している人にとっては、役に立たない。
【0006】
特許文献1から、チューブ絞り出し器の別の構成が知られている。自動チューブ絞り出し器は、ハウジングと、ハウジング内に組み付けられた絞り出しユニットと、モータとを含む。さらに、絞り出しユニットの制御に役立つ制御金属短冊が組み付けられている。貫通孔内に表示ランプも組み付けられている。
【0007】
特許文献2からは、歯磨き用ペーストチューブから歯磨き用ペーストを小分けするための装置が知られている。この装置によって、片手だけを用いて容易に歯磨き用ペーストを歯ブラシ植込部上に運ぶことができる。このことは、平らな端部を締め付けて歯磨き用ペーストチューブを吊るすためのクランプが設けられており、平らに押された歯磨き用ペーストチューブをローラギャップ内に受容するためのローラ対が、歯磨き用ペーストチューブに沿って移動可能なキャリッジに設けられており、キャリッジがガイド装置、及び駆動部を含む駆動装置に取り付けられていることにより、達成される。さらに、制御装置が設けられており、制御装置は、口片の傍らで歯ブラシを検知して往路移動のために駆動装置を接続するためのセンサ、所定の時間後に移動を遮断するための時間部材、及び復路移動のために駆動装置を接続するための切換え部材を有する。次いでセンサは、歯ブラシ植込部が口片に近付くと、駆動装置を運転させるので、歯磨き用ペーストは口片から歯ブラシ植込部上に流出する。
【0008】
従来技術から知られている、歯磨き用ペーストチューブから歯磨き用ペーストを小分けする装置の欠点は、ブラシ植込部上に1小分け分の歯磨き用ペーストを得るために、歯ブラシを使用者によって歯磨き用ペーストチューブの口片の下方に多かれ少なかれ直接に置き、そして取り除かなければならず、もしくは、その程度でしか歯ブラシが動かされないことである。
【0009】
【特許文献1】独国実用新案登録第29800632号明細書
【特許文献2】独国特許出願公開第3904143号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
従って本発明の課題は、ディスペンサからの半流動性媒質の供給をできる限り自動化することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の課題は、ディスペンサであって、ブラシを開口からチューブの口片の方向に自動搬送するために、位置決め装置上に、少なくとも1つの連動子を備えた少なくとも1つの駆動装置、特に歯車が配置されている、ディスペンサによって解決される。この場合の利点は、ブラシはただ置くだけでよく、開口からチューブの口片へ自動的に搬送され、半流動性媒質が放出され、こうして使用者はブラシの正しい位置決めに関して気を使わずに済むことであることが判っている。なぜならば、さもなければ場合によっては、ブラシヘッドの傍らに半流動性媒質が位置決めされるおそれがあり、ひいては、ディスペンサ装置全体に対して手間のかかる清掃を施さなければならないからである。
【0012】
ディスペンサはハウジングを有しており、ハウジングは、後壁と、後壁に旋回可能に取り付けられた側壁と、底プレートと、カバープレートとを含み、これにより、できる限り平滑な、すなわち突起がほとんどない表面を提供することができ、ひいては僅かなダストしか堆積し得ず、もしくは、表面の構造により、容易に清掃することができる。さらに、ハウジング内に位置する機構がハウジングによって保護される。
【0013】
ブラシの搬送のための駆動装置は、複数の歯車を含むことができ、これらの歯車のうちの少なくとも1つが例えば、ディスペンサの他の構成部分からの力伝達を、調和した状態で担うことができ、そしてこのような力をブラシの搬送のために費やすことができる。
【0014】
位置決め装置と歯車との間の相互作用を生じさせるために、歯車上に3つの連動子が互いに120°の角度を成して配置されていてよく、これにより歯車の回転によって、位置決め装置が運動させられる。
【0015】
別の構成において、駆動装置は高さ調節可能、もしくは電気的に高さ調節可能であるようになっており、これにより、その都度使用されるべきブラシのサイズもしくは種類に容易に適合させることができる。
【0016】
フリーホイールを配置することができる。これにより小分け機構/小分けユニットの接続解除が可能になる。フリーホイールは、小分けローラがチューブ交換時に上方に向かって移動する時に必要になる。
【0017】
さらに、駆動装置は少なくとも1つの別の歯車を含み、これらの別の歯車のうちの1つが、力の伝達、特に、小分けユニットの小分けローラを駆動するためにスピンドルの力の伝達を担うようになっている。これにより、供給されたエネルギーが最適に活用される。さらに、例えば位置決め装置及び小分けユニットの小分けローラのようなディスペンサの個々の構成部分の運動が調整され、互いに調和されていることが有利であることが判っている。
【0018】
別の構成において、位置決め装置は、少なくとも1つのブラシボックスと、ブラシボックスを運動させるためのガイド手段、特にレールと、場合によってはブラシを開口方向に再位置決めするための戻し要素、特に、ばねとを含むようになっている、これにより、一方ではチューブの口片に対してブラシの正確な位置決めを行うことができ、また、位置決め装置を口片に接近する方向に動かすか、又は口片から離れる方向に動かすことができ、他方では、ブラシをディスペンサから再び解放することができる。
【0019】
さらに、位置決め装置、特にブラシボックスに、連動子と相互作用するための突起が配置されるようになっており、これにより、歯車は、突起と相互作用する連動子によって歯ブラシボックスを前方に向かって送り、そしてブラシのブラシ植込部上にチューブの口片から半流動性媒質を供給することができる。
【0020】
ブラシボックスは、半流動性媒質がブラシヘッド上に押し進むのを可能にするために、上側に切欠きを有している。さらに、この上側は側壁とは所定の間隔を置いて配置されていてよい。これにより、半流動性媒質をブラシボックスと接触することなしに塗布し、そして場合によってはブラシもしくはスパチュラと一緒にブラシボックスから取り出すことができる。
【0021】
本発明の別の構成において、ブラシボックスは、ディスペンサの後壁に向いた横方向の側に、ピンを有することができる。これにより、ディスペンサの運転のためにスイッチを作動させることができる。
【0022】
さらに、ブラシボックスは、底プレートに設けられたガイド手段に配置されるようになっており、これにより一方では、底プレートによって或る程度の安定性が達成されるので、ブラシボックスの正確な位置決めが保証され、他方では、特にレールの形状のガイド手段によって、容易に製造可能であり、且つ低廉な要素を利用することができる。
【0023】
小分けユニットは少なくとも1つのスピンドル、特にねじ山付きスピンドルと、小分けローラと、チューブ保持壁と、クランプ固定具と、位置固定要素とを含み、これにより、チューブを自動的且つ完全に空にするために必要な安定性がもたらされる。
【0024】
別の構成において、小分けローラはねじ山付きスピンドルに運動可能に保持されるようになっており、これにより小分けローラはチューブに沿って運動することができ、チューブはチューブ保持壁に押し付けられ、ひいては、半流動性媒質がチューブの口片から流出する。
【0025】
小分けローラは静かに停止させることができ、さらに圧力軽減することができる。これにより、小分けローラの静止後にチューブから半流動性媒質が後垂れするのを阻止することができる。
【0026】
作動状態において、ディスペンサのチューブは、チューブ保持壁と小分けローラとの間に配置されており、小分けローラの運動によって圧力がチューブに加えられ、そしてこのような運動はチューブ保持壁によって回避することはできず、こうして半流動性媒質は、生じ得る出口箇所で圧力を回避することによって、強制的に口片を通して流出させられる。
【0027】
さらに、口片とは反対側の端部領域でチューブを保持するために、チューブ保持壁にクランプ固定具が配置されるようになっており、これにより、小分けローラによって力が加えられたときに、ディスペンサ内のチューブが滑り落ちるのを阻止することができる。
【0028】
さらに、チューブのための位置固定要素、及び場合によってはチューブの種々異なる口片のためのアダプターが、ハウジングの後壁に配置されるようになっており、これにより、チューブに力が加えられていてもチューブの口片の正確な位置決めが保証される。
【0029】
アダプターの別の構成において、ボール弁が配置されるようになっており、これにより、半流動性媒質のチューブからの流出を制御することができ、こうしてブラシボックスもしくは位置決め装置の汚染、ひいては、媒質の不慮の流出によるディスペンサ全体の汚染を回避することができる。
【0030】
カバープレート内もしくはカバープレートに、少なくとも1つの歯付きベルト車、及び場合によっては歯付きベルトが配置されていてよく、これにより、商業的に入手可能な機械的な力伝達手段を利用することができる。
【0031】
少なくとも1つの歯付きベルト車は小分けユニットの少なくとも1つのスピンドルと相互作用し、そして別の1つの歯付きベルト車はモータと相互作用し、これにより前述の力伝達を行うことができる。
【0032】
さらに、底プレート及び/又はカバープレートのための少なくとも1つのカバーが配置されるようになっており、これにより、歯付きベルト車及び歯付きベルトはディスペンサ内に保護された状態で配置される。
【0033】
カバープレート及び/又はそのカバーには、少なくとも1つの機能コントロールランプを収容するための少なくとも1つの開口が配置されていてよく、これにより、ディスペンサが作業準備できているかどうか、例えば清掃が必要かどうか、又はチューブを補充しなければならないかどうかといった、どの機能を利用できるかを一瞥して認識することができる。
【0034】
さらに、電子制御装置が後壁に配置され、そして少なくとも1つの機能コントロールランプ及び少なくとも1つのスイッチがモータに接続されるようになっており、これにより、ディスペンサの構造ユニット全体は電子的に駆動され、制御ユニットを介してこれらの構造ユニットを調整することができる。
【0035】
別の実施態様の場合、駆動装置の鉛直方向軸に沿ってばね要素が配置されるようになっており、これにより、ブラシの種々異なる実施態様、例えば電気的又は機械的な歯ブラシを考慮に入れることができるディスペンサを提供することができる。
【0036】
更なる構成の場合、また、駆動装置の領域内にフォーク要素が配置されるようになっており、これにより、駆動装置部分の位置に簡単な機械的変更を加えることによって、ブラシ又はスパチュラに半流動性媒質を供給するための、その都度のブラシに必要なプログラムが作動させられる。
【0037】
フォーク要素は、保持装置によって、特に軸受けによって保持されており、これにより、終端位置への歯車の運動、及びその場所での位置固定が可能になる。
【0038】
さらに、フォーク要素を作動させるために、スイッチが配置されるようになっており、これにより、その都度の種々異なるブラシのための切換え様式を容易に作動させることができる。
【0039】
ディスペンサが歯磨き用クリーム又は靴クリームを供給するために使用できることが有利であることが判っている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0040】
図面において簡単且つ概略的に示した実施例により、本発明を以下により詳細に説明する。
【0041】
念のため述べておくが、種々異なるものとして記載される実施態様において、同一部分には同一参照符号もしくは同一構成部分符号を付す。説明全体に含まれる開示内容は、同一参照符号もしくは同一構成部分符号を有する同一部分に、意味に即して転用することができる。また、説明において選択された位置の記述、例えば上、下、側方などは、直接に説明され図示された図面に関するものであり、そして位置が変化したときには、新しい位置に意味に即して転用することができる。さらに、図示され説明された種々異なる実施例の個々の特徴又は特徴の組み合わせも、それ自体独立した、本発明の、又は本発明による解決手段であり得る。
【0042】
当該記述における値範囲に関する全ての数値は、これらの任意の、及び全ての部分範囲を一緒に含むように理解されるべきである。例えば、数値1から10は、下限値1及び上限値10から出発する全ての部分範囲が一緒に含まれるように、すなわち、全ての部分領域が下限値1以上で始まり、そして上限値10以下で終わる、例えば1から1.7、又は3.2から8.1、又は5.5から10であるように理解されるべきである。
【0043】
本発明は、半流動性媒質の自動的な供給のためのディスペンサに関する。半流動性媒質は、例えば歯磨き用クリーム、歯磨き用ペースト、靴クリーム、靴ペースト、ペースト状形態の食料品、例えばピーナツバターなどであってよい。
【0044】
本発明によるディスペンサ1の最も簡単な図が図1に示されている。ディスペンサ1は、ディスペンサ1の内部機構のカバーを形成する、開口3を備えたハウジング2を有している。この開口3を通して半流動性媒質を受容するために、ブラシもしくはスパチュラを押し進めることができる。ハウジング2の内側には、小分けユニット4と、駆動装置5と、スイッチ6と、電子制御ユニット7とが配置されている。さらに、複数の構成部分を含む位置決め装置8が示されている。
【0045】
ハウジング2は、開口3の他に、後壁9と、後壁9に旋回可能に取り付けられている左側の側壁10及び右側の側壁11とを有している。上側領域12内にはカバープレート13が、そして下側領域14には底プレート15が配置されている。底プレート15は、小分け機構を位置固定している。
【0046】
カバープレート13もしくは底プレート15は、それぞれ1つのカバープレート16, 17を備えていてよい。
【0047】
図2は、ディスペンサ1の上側領域12、特にカバープレート16を備えたカバープレート13の分解図を示している。
【0048】
カバープレート13内もしくはカバープレート13には、複数の歯付きベルト車18が配置されており、これらの歯付きベルト車18は、歯付きベルト19を介して結合される。図2に示されているように、歯付きベルト19を介して結合された3つの歯付きベルト車18が配置されていてよい。しかしながら、別の実施態様の場合、ただ2つの歯付きベルト車18、又は4つ以上の歯付きベルト車18が配置されていてよい。歯付きベルト車18のうちの1つは、図2に示されているようにカバープレート13の下方に配置することができるモータ20に結合されている。モータ20は歯付きベルト車18のうちの1つを駆動する。歯付きベルト19を介して、エネルギーは別の歯付きベルト車18に伝達され、そしてこれにより、例えば別の要素、例えば駆動装置5の部分が駆動される。
【0049】
カバープレート13もしくはカバー16には、開口21が配置されている。これらの開口には、例えば機能コントロールランプ22が配置されていてよい。このように例えば小分けユニット4が下側の終端位置に達すると、1つの機能コントロールランプ22を作動させることができる。このような終端位置には、チューブが空であるときにのみ達することができる。小分けユニット4の構成部分は次いで再び上方に向かって移動する。
【0050】
上側の終端位置に達したときには、別の機能コントロールランプ22を作動させることができる。この場合、チューブが空であり、そして小分けユニット4が、新しい充填済チューブを収容する準備ができていることが信号化される。
【0051】
他方において、さらに別の機能コントロールランプ22が、小分け過程中に点灯する。
チューブが交換されるとすぐに、好ましくは、小分け機構を一度作動させることにより、運転準備ができた状態を再び生じさせることができる。
【0052】
もちろん、ディスペンサ1の全体的な運転準備完了状態を信号化する1つの機能コントロールランプ22が配置されていてもよい。
【0053】
さらに、図2には、小分けユニット4の部分が示されている。図示の実施態様の場合、小分けユニット4は2つのスピンドル23と1つの小分けローラ24とを有している。スピンドル23は好ましくは、ねじ山付きスピンドルとして形成されており、これにより、小分けローラ24をスピンドル23に沿って動かすことができ、ひいては小分け過程中にチューブが押し合わされる。小分けローラ24は、チューブから半流動性媒質が後垂れするのを阻止するために、圧力軽減を伴う自動的な送りを可能にする。
【0054】
図3は、特に位置決め装置8の分解図を示す。位置決め装置8は少なくとも1つのブラシボックス25と、ガイド手段26、特にブラシボックス25を案内するためのレールと、場合によっては戻し要素27、特に、ブラシボックス25をハウジング2の開口3の方向に再位置決めするためのばねとを含む。
【0055】
図3に示すように、ブラシボックス25に突出部28が配置されており、その突出部は駆動装置5の構成部品と相互作用するために用いられる。ブラシボックス25は、その上側44に切欠き43を有しており、それを通してチューブの半流動性の媒体が直接ブラシヘッドないしヘラ上へ達することができる。切欠き43は、好ましくはその長手方向の広がりおいて、その横方向の広がりよりも大きい寸法を有している。さらに、ブラシボックス25の上側44は、チューブからブラシヘッドないしヘラ上へ押し出された半流動性の媒体がブラシボックス25に触れないように、側壁45に対して隔てて配置することもできる。
【0056】
本発明の展開において、ブラシボックス25はその、ディスペンサ1の背壁9へ向いた横側に、ボルト46またはピンを有することができる。ボルト46は、場合によってはばね部材を介して、ブラシをブラシボックス25内へ差し込むことによって、スイッチ6の操作を能動化させることができる。
【0057】
ガイド手段26が、底プレート15に配置されている。ガイド手段26内でブラシボックス25が移動される。
【0058】
背壁9には、さらに、チューブの口片のための固定部材29が配置されている。固定部材29は、半流動性の媒体を有するチューブの口片を収容するために用いられる。半流動性媒体の様々なチューブのための種々の固定部材29を配置することができる。
【0059】
さらに、ブラシボックス25には、チューブの様々な口片用のアダプタ30を配置することができる。アダプタ30は、チューブを閉鎖するために、固定部材28と相互作用する。
【0060】
さらに図3には、クリップ固定部材32を有するチューブ保持壁31が示されている。チューブ保持壁31は、チューブのために押圧面として用いられる。クリップ固定部材32は、チューブ保持壁に配置されており、チューブの、口片とは逆の終端領域を保持するために用いられる。駆動状態において、チューブはチューブ保持壁31と小分けローラ24との間に配置されて、押圧される。
【0061】
図4には、駆動装置5の詳細が示されている。駆動装置5は、複数の歯車33を有しており、その場合に歯車33上に少なくとも1つの連動子34が配置されている。図示の実施形態において、歯車33上には3つの連動子34がほぼ120°の角度で配置されている。
【0062】
駆動装置5は、連動子34を有する歯車33の他に、少なくとも1つの他の歯車35を有しており、この歯車は小分けユニット4のスピンドル36の力を変換するために用いられる。駆動装置5は、さらにフリーホィール37を有しており、そのフリーホィールは、チューブ交換の際に小分けローラ24が上方へ変位した場合に、必要とされる。その場合に、小分け機構の分離が可能になる。
【0063】
駆動装置5は、高さ調節可能、特に電気的に高さ調節可能とすることができる。
さらに、図4には、スイッチ6が示されており、そのスイッチは、ブラシがブラシボックス25内でストッパまで案内された場合に、ディスペンサ1を能動化するために操作され。それによって小分けプロセスが作動される。
【0064】
図5は、本発明に基づくディスペンサ1を開口部3の領域において断面で示している。底プレート15に、ガイド手段26が配置されており、そのガイド手段上でブラシボックス25が移動される。ブラシがブラシボックス25内へ達して、ストッパまで案内された場合に、スイッチ6が能動化されて、従って小分けプロセス全体が能動化される。歯車33の連動子34と相互作用する、ブラシボックス25の突出部28によって、歯車33が移動されて、歯車33が3分の1回転した後に、ブラシボックス25の突出部28が連動子34を通過する。復帰部材27が、ブラシボックス25を再び初期位置へ引き戻す。
【0065】
図5には、さらに、継手リンク38を介して背壁9と側壁10、11のリンク結合を行うことができることが、示されている。
【0066】
図6には、ディスペンサ1の代替的な実施形態が示されており、その場合にこの代替的な実施形態は拡張であって、たとえば電気的または機械的なブラシのような、様々なブラシを考慮している。その場合にばね部材39が、駆動装置5の歯車33の垂直軸に沿って配置されている。ばね部材39は、機械的なブラシであるか、電気的なブラシ、特に歯ブラシであるか、に従って、歯車33、35をそれぞれの位置に固定するために用いられる。
【0067】
さらに、フォーク状部材40が配置されており、それが歯車33、35を終端位置へ移動させて、そこに固定する。フォーク状部材40を軸承するために、軸受41が設けられている。さらに、スイッチ42が、電気的歯ブラシのための小分けプロセスの能動化を作動させることができる。
【0068】
ディスペンサ1の機能方法を、以下で簡単に説明する。
ブラシが、ブラシボックス25内の開口部3内へ、後方のストッパまで差し込まれる。そこで、スイッチ6によって小分けプロセスが作動される。代替的な実施形態においては、スイッチ6はブラシボックス25の、ディスペンサ1の背壁9へ向いた横側に配置されたボルト46によっても、作動することができる。スイッチ6は、制御ユニット7を介してモータ20を操作し、そのモータが歯付きベルト19と歯付きベルトディスク18を介してスピンドル23を駆動する。スピンドル23の回転によって、小分けローラ24が下方へ移動される。小分けローラ24とチューブ保持壁31との間に位置するチューブは、圧縮される。さらに、スピンドル23を介して、かつ歯車35を介して回転運動が連動子34を有する歯車33上へ伝達される。連動子34を有する歯車33が、ブラシボックス25を前方へ移動させる。連動子34を有する歯車33が3分の1回転した後に、ブラシボックス25の突出部28が連動子34を通過する。復帰機構27が、ブラシボックス25を再び初期位置へ引き戻す。
【0069】
代替的な実施形態の機能方法は、上述した機能方法と同様である。もちろん、電気的な歯ブラシのための小分けプロセスを能動化させるために、フォーク状部材40を移動させる可能性がある。その場合に、歯車33は、駆動結合から外される。それによって同時にスイッチ42が接続される。スイッチ42の操作によって、電気的はブラシが開口部3内へ挿入された場合の、それに応じた小分けプログラムが能動化される。機械的または電気的歯ブラシのために、実際に調節された小分け種類が、たとえばLEDのような、機能コントロールランプ22を介して外部に表示される。
【0070】
実施例は、ディスペンサ1の可能な実施変形例を示しており、その場合にここで注意すべきことは、本発明は、具体的に示された、本発明の実施変形例に限定されるものではなく、むしろ、個々の実施変形例の互いに対する様々な組合せが可能であることであって、これらの変形可能性は、具体的発明による技術的取扱いのための教示に基づいて、この技術的分野で活動する当業者の技量の範囲にある。従って、図示され、かつ説明された実施変形例の個々の詳細を組み合わせることによって可能な、すべての考えられる実施変形例も、保護範囲に含まれる。
【0071】
図6には、ディスペンサ1の他の、場合によってはそれ自体自立した実施形態が示されており、その場合にここでも同じ部分には、上述した図1から5におけるのと、同一の参照符号ないし構成部分名称が使用される。不必要な繰返しを避けるために、上述した図の詳細な説明が指示され、ないしは参照される。
【0072】
念のために最後に付言するが、ディスペンサ1の構造を理解しやすくするために、ディスペンサないしその構成部分は、部分的に寸法を無視し、かつ/または拡大および/または縮小して表示されている。
【0073】
自立した発明的解決の基礎となる課題は、明細書から明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】図1は、本発明によるディスペンサの内側を示す図である。
【図2】図2は、本発明によるディスペンサのカバープレートの領域を示す分解図である。
【図3】図3は、本発明によるディスペンサの中央及び下側の領域を示す分解図である。
【図4】図4は、本発明によるディスペンサの駆動装置を示す詳細図である。
【図5】図5は、本発明によるディスペンサの底プレート領域を水平方向で断面して示す図である。
【図6】図6は、本発明によるディスペンサの下側領域の別の実施態様を示す図である。
【符号の説明】
【0075】
1 ディスペンサ
2 ハウジング
3 開口部
4 小分けユニット
5 駆動装置
6 スイッチ
7 制御ユニット
8 位置決め装置
9 背壁
10 側壁
11 側壁
12 領域
13 カバープレート
14 領域
15 底プレート
16 カバープレート
17 カバープレート
18 歯付きベルトディスク
19 歯付きベルト
20 モータ
21 開口部
22 コントロールランプ
23 スピンドル
24 小分けローラ
25 ブラシボックス
26 ガイド手段
27 復帰部材
28 突出部
29 固定部材
30 アダプタ
31 チューブ保持壁
32 クリップ固定部材
33 歯車
34 連動子
35 歯車
36 スピンドル
37 フリーホィール
38 継手
39 ばね部材
40 フォーク状部材
41 軸受
42 スイッチ
43 切欠き
44 上側
45 側壁
46 ボルト

【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口部(3)および内部に、チューブのための少なくとも1つの小分けユニット(4)を備えたハウジング(2)、スイッチ(6)、モータ(20)、駆動装置(5)および制御ユニット(7)を有し、その場合に開口部(3)内へブラシが、半流動性の媒体を載せるために位置決めされる、口片を備えたチューブから半流動性の媒体、特に歯磨きクリーム、を自動的に排出するディスペンサ(1)において、
ブラシを開口部(3)からチューブの口片の方向へ自立的に移送するために、位置決め装置(8)上に少なくとも1つの駆動装置(5)、特に、少なくとも1つの連動子(34)を備えた歯車(33)、が配置されていることを特徴とする、半流動性の媒体を自動的に排出するディスペンサ。
【請求項2】
ハウジング(2)が、背壁(9)、背壁(9)にリンク結合されている側壁(10、11)、底プレート(15)およびカバープレート(16)を有していることを特徴とする請求項1に記載のディスペンサ(1)。
【請求項3】
駆動装置(5)が、複数の歯車(33、35)を有していることを特徴とする請求項1または2に記載のディスペンサ(1)。
【請求項4】
歯車(33)上に、3つの連動子(34)がほぼ120°の角度で配置されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のディスペンサ(1)。
【請求項5】
駆動装置(5)が、高さ調節可能、特に電気的に高さ調節可能であることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のディスペンサ(1)。
【請求項6】
フリーホィール(37)が配置されていることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載のディスペンサ(1)。
【請求項7】
駆動装置(5)が、少なくとも1つの他の歯車(35)を有しており、その場合に他の歯車(35)の1つが、特に小分けユニット(4)のスピンドル(36)の、力の変換を引き受けることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載のディスペンサ(1)。
【請求項8】
位置決め装置(8)が、少なくとも1つのブラシボックス(25)、ブラシボックス(25)を固定するためのガイド手段(26)、特にレールおよび場合によっては、開口部(3)の方向にブラシを位置決めし直すための復帰部材(27)、特にばねを有していることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載のディスペンサ(1)。
【請求項9】
位置決め装置(8)に、特にブラシボックス(25)に、連動子(34)と相互作用するための突出部(28)が配置されていることを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載のディスペンサ(1)。
【請求項10】
ブラシボックス(25)がその上側(44)に切欠き(43)を有しており、かつ上側(44)が場合によっては側壁(45)に対して隔たって配置されていることを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載のディスペンサ(1)。
【請求項11】
ブラシボックス(25)がその、ディスペンサ(1)の背壁(9)へ向いた横側に、ボルト(46)、場合によっては付勢されたボルト(46)、を有していることを特徴とする請求項1から10のいずれか1項に記載のディスペンサ(1)。
【請求項12】
ブラシボックス(25)が、底プレート(15)に設けられたガイド手段(26)に配置されていることを特徴とする請求項1から11のいずれか1項に記載のディスペンサ(1)。
【請求項13】
小分けユニット(4)が、少なくとも1つのスピンドル(36)、特にねじスピンドル、小分けローラ(24)、チューブ保持壁(31)、クリップ固定部材(32)および固定部材(29)を有していることを特徴とする請求項1から12のいずれか1項に記載のディスペンサ(1)。
【請求項14】
小分けローラ(24)が、スピンドル(36)に移動可能に保持されていることを特徴とする請求項1から13のいずれか1項に記載のディスペンサ(1)。
【請求項15】
小分けローラ(24)が、圧力除去によって摺動可能であることを特徴とする請求項1から14のいずれか1項に記載のディスペンサ(1)。
【請求項16】
チューブが、ディスペンサ(1)の駆動状態において、チューブ保持壁(31)と小分けローラ(24)の間に配置されていることを特徴とする請求項1から15のいずれか1項に記載のディスペンサ(1)。
【請求項17】
クリップ固定部材(32)が、チューブをその口片とは逆の端部領域において保持するためのチューブ保持壁(31)に配置されていることを特徴とする請求項1から16のいずれか1項に記載のディスペンサ(1)。
【請求項18】
チューブのための固定部材(29)と、場合によってはチューブの異なる口片のためのアダプタ(30)が、ハウジング(2)の背壁(9)に配置されていることを特徴とする請求項1から17のいずれか1項に記載のディスペンサ(1)。
【請求項19】
アダプタ(30)内に、玉弁が配置されていることを特徴とする請求項18に記載のディスペンサ(1)。
【請求項20】
カバープレート(13)内に、または、カバープレート(13)上に、少なくとも1つの歯付きベルトディスク(18)と、場合によっては歯付きベルト(19)が配置されていることを特徴とする請求項1から19のいずれか1項に記載のディスペンサ(1)。
【請求項21】
少なくとも1つの歯付きベルトディスク(18)が、小分けユニット(4)の少なくとも1つのスピンドル(36)と相互作用することを特徴とする請求項1から20のいずれか1項に記載のディスペンサ(1)。
【請求項22】
底プレートおよび/またはカバープレート(13、15)のための少なくとも1つのカバープレート(16、17)が配置されていることを特徴とする請求項1から21のいずれか1項に記載のディスペンサ(1)。
【請求項23】
カバープレート(13)および/またはそのカバー(16)内に、少なくとも1つの機能コントロールランプ(22)を収容するための少なくとも1つの開口部(21)が配置されていることを特徴とする請求項1から22のいずれか1項に記載のディスペンサ(1)。
【請求項24】
電子的な制御ユニット(7)が、背壁(9)に配置されており、かつモータ(20)、機能コントロールランプ(22)の少なくとも1つおよび少なくとも1つのスイッチ(6)への接続を有していることを特徴とする請求項1から23のいずれか1項に記載のディスペンサ(1)。
【請求項25】
ばね部材(39)が、駆動装置(5)に対して垂直の方向に配置されていることを特徴とする請求項1から24のいずれか1項に記載のディスペンサ(1)。
【請求項26】
フォーク状部材(40)が、駆動装置(5)の領域内に配置されていることを特徴とする請求項1から25のいずれか1項に記載のディスペンサ(1)。
【請求項27】
フォーク状部材(40)が、保持装置によって、特に軸受(41)を用いて保持されていることを特徴とする請求項1から26のいずれか1項に記載のディスペンサ(1)。
【請求項28】
フォーク状部材(40)を能動化するために、スイッチ(42)が配置されていることを特徴とする請求項1から27のいずれか1項に記載のディスペンサ(1)。
【請求項29】
歯磨きクリームまたは靴クリームを排出するために、請求項1から28のいずれか1項に記載のディスペンサ(1)の使用。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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