説明

中空糸膜モジュール

【課題】 中空糸膜に懸濁物質を付着・堆積するのを効果的に防止し、気泡等による膜面洗浄の際に優れたエアースクラビング効果を得るとともに中空糸膜への衝撃を軽減することにより、中空糸膜モジュールの耐久性を向上するものであり、特に高濃度の懸濁物質を含む水処理において、高い濾過流速を保ち、長期間安定した濾過性能を有する中空糸膜モジュールを提供する。
【解決手段】 複数の中空糸膜束が、中空糸膜の少なくとも一端が開口した状態で接着剤により矩形のケースに集束固定された中空糸膜エレメントであって、中空糸膜束のケースの長さ方向に対する長さdが1〜5cmであり、中空糸膜束のケースの長さ方向に対する中空糸膜束間の間隔sと長さdとの関係が1/20≦s/d≦1/1であることを特徴とする中空糸膜エレメントからなる中空糸膜モジュール。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は水処理用中空糸膜モジュールに関する。さらに詳細には、中空糸膜に懸濁物質を付着・堆積するのを効果的に防止し、気泡等による膜面洗浄の際に優れたエアースクラビング効果を得るとともに中空糸膜への衝撃を軽減することにより、中空糸膜モジュールの耐久性を向上するものであり、特に高濃度の懸濁物質を含む水処理において、高い濾過流速を保ち、長期間安定した濾過性能を有する中空糸膜モジュールを提供するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、高分子系を膜素材とする中空糸膜による分離技術の開発が進み、中空糸膜モジュールは浄水処理をはじめ、産業排水処理、下水処理等様々な用途に幅広く用いられている。その中でも特に近年、中空糸膜モジュールを下排水処理のような高濃度の懸濁物質を含む水処理に利用されている。これは一般的に膜分離活性汚泥法と呼ばれている。
【0003】
一般に排水用途で用いられる浸漬式の中空糸膜によるろ過は、一般的な沈殿式に比べ、膜分離であるため処理水の水質が良好であり、処理水の再利用が可能である。また使用する中空糸膜が限外ろ過膜(UF膜)の方が、精密ろ過膜(MF膜)よりも処理水の水質は良好であるが、処理流量が小さいため、造水コストの点より、一般的にはMF膜が用いられることが多い。
【0004】
一方で中空糸膜モジュールを用いた高濃度の懸濁物質を含む水処理では、経時的に懸濁物質が中空糸膜表面に付着・堆積していき、結果的に膜間差圧の増加や濾過性能の低下を引き起こしており、特に膜束の密集部分或いは固定部近傍の中空糸膜の根元に多くの懸濁物質が付着・堆積する傾向があった。
【0005】
このようなろ過に伴う懸濁物質の付着・堆積を抑制するため、通常中空糸膜モジュールの下方に気泡等を発生する散気装置を設ける。散気装置から発生した気泡等は気液混合流となり膜面を振動させ、中空糸膜に付着・堆積した懸濁物質を剥離・洗浄し、エアースクラビング効果を得る。
【0006】
しかしながら、多量の懸濁物質の付着を防ぐために散気装置から発生する気泡等を過剰にした場合、中空糸膜束への衝撃が大きくなり、特に下端部付近の膜束への負担が大きく、最悪の場合、膜の損傷を引き起こしてしまう。
【0007】
さらに、中空糸膜モジュールが大型になる程、あるいは原水のろ過処理流量が高くなる程、懸濁物質の付着・堆積および濾過性能の低下が顕著なものであった。
【0008】
中空糸膜の分画粒子径が1〜10μmであり、かつ純水透過速度が30000L/m/hr/100kPa以上である大孔径膜は一般のUF・MF膜に比べ中空糸膜の孔径が大きく、高い濾過処理性能をもっている一方で、固定部近傍の中空糸膜の根元に非常に多くの懸濁物質が付着・堆積する傾向が顕著であった。
【0009】
U字状の中空糸膜がその端部を開口状態に保たれつつ固定部材でハウジング内に固定され、固定部材の中空糸膜に垂直な断面の形状が細長いほぼ矩形にすることで濾過を行う際にモジュール内の中空糸膜が固着一体化しにくく、また、使用により低下した濾過機能の回復処理が容易に、かつ効率よく実施できることが知られている。(例えば、特許文献1参照)。
【0010】
また多数の多孔性中空糸膜を並列して得られるシート状の複数枚の中空糸膜エレメントを、多孔性中空糸の繊維方向を垂直にして所定の間隔をおいて平行に列設されてなる中空糸膜モジュールと、同中空糸膜モジュールの下方に配され、同中空糸膜モジュールの下端に向けて微小な気泡を放出し、同中空糸膜モジュールの内部空間と外部空間との間で上下方向に旋回する気液混合流を発生させる散気発生装置とを備え、この膜濾過ユニットが、前記混合流の一部に前記中空糸膜モジュールの多孔性中空糸膜間及びシート状の中空糸膜エレメント間に強制的な流れを形成して、気液混合流中に混在するし渣を中空糸膜モジュールから外へと排除するし渣排除機構を有することで、排水中の毛や繊維、紙片等の膜の束ねや枠材等への絡まり、引っ掛かりを防止し、耐久性を確保できることが知られている。(例えば、特許文献2参照)。
【0011】
この発明に関連する先行技術文献としては次のものがある。
【特許文献1】特開平5−220356号公報
【特許文献2】特開2007−152179号公報
【特許文献3】特開2005−125198号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかしながら、特許文献1では濾過の経過時間の増加と共に中空糸膜の固定部近傍の密集部に懸濁物質が蓄積する傾向があった。
また特許文献2では中空糸膜エレメント中の中空糸膜束を3つに分割しているが、前記分割した間隔が広いため、中空糸膜内部に抱え込んだ懸濁物質を十分に排出することが難しく、また中空糸膜への散気装置から発生する曝気の衝撃を均等に緩和するのが困難である。このようなことから、より懸濁物質の付着・堆積の少ない中空糸膜モジュールが求められている。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記の課題を解決する本発明は、複数の中空糸膜束が、中空糸膜の少なくとも一端が開口した状態で接着剤により矩形のケースに集束固定された中空糸膜エレメントであって、中空糸膜束のケースの長さ方向に対する長さdが1〜5cmであり、中空糸膜束のケースの長さ方向に対する中空糸膜束間の間隔sと長さdとの関係が1/20≦s/d≦1/1であることを特徴とする中空糸膜エレメントからなる中空糸膜モジュールである。
【発明の効果】
【0014】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、中空糸膜に懸濁物質を付着・堆積するのを効果的に防止し、気泡等による膜面洗浄の際に優れたエアースクラビング効果を得るとともに中空糸膜への衝撃を軽減することにより、中空糸膜モジュールの耐久性を向上するものであり、特に高濃度の懸濁物質を含む水処理において、高い濾過流速を保ち、長期間安定した濾過性能を有する中空糸膜モジュールを提供することにある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下に本発明の実施形態の一例を、図面を用いて詳細に説明する。図1は本発明の中空糸膜エレメントを正面から見た図の一例である。本発明の中空糸膜エレメント1は、多数の中空糸膜が収束した中空糸膜束が、中空糸膜の一端が開口した状態で接着剤により矩形のケース3に集束固定された構造を有する。ケース3の長さ方向において、個々の膜束間は間隔sによって隔てられている、中空糸膜束間の間隔sは中空糸膜束内の中空糸膜どうしの間隔より十分に大きい。中空糸膜束Aはケース3の長さ方向に少なくとも4束以上かつ幅方向に3束以下に配置されている。ケース3はろ過水の集水機能を有しており、さらに配管を通じて系外に出すことが可能である。本発明の中空糸膜エレメントにおいて、膜束の膜の数および膜束数は特に限定されないが、中空糸膜束が100本以上であり、かつ中空糸膜束の数が20束以上配置されていることがより好ましい。
【0016】
図2は図1に示す本発明の中空糸膜エレメントの拡大図である。図2に示される本発明の中空糸膜エレメントの実施形態は、中空糸膜束のケースの長さ方向に対する長さdが1〜5cmであり、中空糸膜束間の間隔sと中空糸膜束のケースの長さ方向に対する長さdとの関係が1/20≦s/d≦1/1である。好適な態様では、中空糸膜束間の間隔sと中空糸膜束のケースの長さ方向に対する長さdとの関係が1/15≦s/d≦1/2である。ここでいう中空糸膜束間の間隔sとは、集束固定部2における中空糸膜束間の距離である。
【0017】
図3は本発明の中空糸膜エレメントの側面から見た図の一例である。本発明の中空糸膜エレメント1は、複数の中空糸膜束Aが中空糸膜の一端が開口した状態で接着剤によって矩形のケース3の集束固定部2で接着固定されている。図3に示される本発明の中空糸膜エレメントの実施形態は、ケース3の幅方向において中空糸膜束Aは間隔tによって隔てられている。中空糸膜束Aはケース3の幅方向に3束以下に配置されている。
【0018】
図4は図3に示す本発明の中空糸膜エレメントの拡大図である。図3に示される本発明の中空糸膜エレメントの実施形態は、中空糸膜束間の間隔tと中空糸膜束のケースの幅方向に対する長さeとの関係が1/20≦t/e≦1/1である。好適な態様では、中空糸膜束間の間隔tと中空糸膜束のケースの幅方向に対する長さeとの関係が1/15≦t/e≦1/2である。ここでいう中空糸膜束間の間隔tとは、集束固定部2における中空糸膜束間の距離である。
【0019】
本発明で使用される中空糸膜エレメントの充填率は特に限定されないが、エレメントの充填率が5〜70%の範囲が製造コストの点から好まれ、15〜50%の範囲がさらに好まれる。ここでいう充填率というのは、集束固定部の断面積に占める中空糸膜の総断面積の割合のことである。
【0020】
本発明で使用される中空糸膜モジュールの製造方法例として、公知の技術が利用できる。
例えば、額縁状のかせ枠体に中空糸をトラバースさせながら、ループ状に巻き付けて、該中空糸膜の長さ方向と直行する一方向に中空糸膜を多数配列させ、かつ中空糸膜同士を積層した中空糸膜束を形成し(例えば特許文献3参照)、この膜束を本発明で規定する間隔を設けて矩形のケースに収束固定することにより、本発明の中空糸膜モジュールを製造することができる。
【0021】
本発明で使用される中空糸膜としては、種々のものが使用でき、例えばポリオレフィン系、ポリスルホン系、ポリエーテルスルホン系、エチレンービニルアルコール共重合体系、ポリアクリロニトリル系、セルロース系、ポリフッ化ビニリデン系、ポリパーフルオロエチレン系、ポリメタクリル酸エステル系、ポリエステル系、ポリアミド系などの従来公知のものを適用することができるが、その中で特に耐薬品性や強度に優れるポリフッ化ビニリデン系が好まれる。またこれらの樹脂の共重合体や一部に置換基を導入したものであっても良く、複数の種類の樹脂を混合したものであっても良い。
【0022】
有機高分子系の中空糸膜を使用する場合、中空糸膜の製造方法は特に限定されることはなく、素材の特性および所望する中空糸膜性能に応じて、公知の方法から適宜選択した方法を採用することができる。一般的には溶融紡糸法、湿式紡糸法、乾湿式紡糸法などが採用される。また、透水性の観点から、中空糸膜は緻密層と支持層とを有する非対称構造を持つことが好ましいが、一般に溶融紡糸法により製造される中空糸膜は対称構造となることから、湿式紡糸法、乾湿式紡糸法などの相転換法により製造することが好ましい。
【0023】
本発明で使用される中空糸膜の孔径は特に限定されないが、UF膜からMF膜の範囲である孔径0.001〜10μm内であることが、高い透水性を有し、濾過効率が低下するおそれが小さいことから好ましい。特に分画粒子径が1〜10μmであり、かつ純水透過速度が30000L/m/hr/100kPa以上である大孔径膜や限外ろ過膜においてより本発明の効果が顕著である。
【0024】
本発明で使用される中空糸膜の長さは200mmから2000mmの範囲が取り扱い性の点で好ましく、300mmから1500mmの範囲がより好ましい。
【0025】
本発明で使用される中空糸膜エレメントのケース材料としては、機械的強度および耐久性を有するものであればよく、例えばポリカーボネート、ポリスルホン、ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、アクリル樹脂、ABS樹脂等を用いることができる。
【0026】
本発明で使用される中空糸膜エレメントの接着剤としては、通常、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン系樹脂、各種ホットメルト樹脂等を用いることができる。また、硬化前の接着剤の粘度は特に限定されるものでないが、接着剤が多数の中空糸膜どうしの間に含浸しやすくなることから、中空糸膜の孔径にもよるが、一般的なUF、MF膜においては、硬化前の接着剤の粘度は500〜3000mPsが好ましい。
【0027】
本発明で使用される中空糸膜の分画粒子径とは、中空糸膜による阻止率が90%である粒子の粒子径(S)のことをいい、異なる粒子径を有する少なくとも2種類の粒子の阻止率を測定し、その測定値を元にして下記の近似式(1)において、Rが90となるSの値を求め、これを分画粒子径としたものである。
R=100/(1−m×exp(−a×log(S))) …(1)
上記の式中、a及びmは中空糸膜によって定まる定数であって、2種類以上の阻止率の測定値をもとに算出される。
【0028】
以下に、本発明の実施例について説明するが、本発明はこれにより限定されるものではない。
【実施例1】
【0029】
ポリフッ化ビニリデン中空糸膜4000本の中空糸膜から予め中空糸膜束を20束となるように準備し、2液硬化タイプのウレタン樹脂を用いて集水機能を有する、材質がABSの矩形のケースに該複数の中空糸膜束を配列するように接着固定し、10mの中空糸膜エレメントを作成した。中空糸膜は内径が600μm、外径が1000μmであり、中空糸膜の分画粒子径が0.04μmの限外ろ過膜(UF膜)であり、膜の有効長は1000mmであった。このときの中空糸膜束間の間隔sと中空糸膜束のケースの長さ方向に対する長さdとの比であるs/dは1/6であった。
【0030】
本発明の中空糸膜モジュールを槽下部に空気曝気の散気管を有する10mの汚泥槽に浸漬し、本発明の中空糸膜エレメント5枚からなる膜面積が50mの中空糸膜モジュールの散気管から標準状態で1m/hrの空気を曝気しつつ、吸引ポンプで膜濾過フラックスが0.5m/m(膜面積)/日となるよう吸引ろ過した。このときの差圧は10kPaで1ヶ月間安定であり、懸濁物質の付着はほとんど観察されなかった。
【0031】
評価期間の汚泥槽のMLSS濃度は、平均15000mg/Lであり、水温は25℃であった。
【0032】
比較例1
実施例1と同一の膜素材、モジュールサイズ、膜面積、構成部材からなる単一の束の中空糸膜エレメントを準備した。このときのs/dは0であった。
【0033】
比較例1の中空糸膜モジュールを槽下部に空気曝気の散気管を有する10mの汚泥槽に浸漬し、本発明の中空糸膜モジュールに散気管から標準状態で1m/hrの空気を曝気しつつ、吸引ポンプで膜濾過フラックスが0.5m/m(膜面積)/日となるよう吸引ろ過した。このときの差圧は10kPaで1ヶ月間安定であったが、中空糸膜の固定部近傍および膜束中央の内側に懸濁物質が著しく付着・堆積していた。
【0034】
評価期間の汚泥槽のMLSS濃度は、平均15000mg/Lであり、水温は25℃であった。
【実施例2】
【0035】
ポリフッ化ビニリデン中空糸膜の中空糸膜束を予め複数束準備し、2液硬化タイプのウレタン樹脂を用いて集水機能を有する、材質がPVCの矩形のケースに該複数の中空糸膜束を配列するように接着固定し、1mの中空糸膜エレメントを作製した。中空糸膜は内径が750μm、外径が1250μmであり、分画粒子径が2.0μmかつ純水透過速度が80000L/m/hr/100k以上の中空糸膜であり、膜の有効長は500mmであった。このときのs/dは1/4であった。
【0036】
本発明の中空糸膜モジュールを500Lの汚泥槽に浸漬し、槽内部に設置した散気装置より0.1m/hrの空気を曝気しつつ、吸引ポンプで膜濾過流速が0.8m/m(膜面積)/日となるよう吸引濾過した。この時の膜間差圧は1週間変化なかった。またこの時の汚泥付着・堆積状態は中空糸膜にほとんど蓄積しておらず、良好な汚泥排出性であった。汚泥の処理水には、ベントナイトを水道水に溶解させた擬似的な汚泥を用いた。評価期間の汚泥槽のMLSS濃度は、平均20000mg/Lであり、水温は15℃であった。
【0037】
比較例2
実施例2と同一の膜素材、モジュールサイズ、膜面積、構成部材からなる単一の束の中空糸膜エレメントを準備した。
【0038】
比較例2の中空糸膜モジュールを500Lの汚泥槽に浸漬し、槽内部に設置した散気装置より0.1 m/hrの空気を曝気しつつ、吸引ポンプで膜濾過流速が0.8m/m(膜面積)/日となるよう吸引濾過した。この時の膜間差圧は数時間で徐々に増加し、60kPaまで達し、吸引濾過ができなくなった。またこの時の汚泥付着・堆積状態は中空糸膜内部によく見られ、特に固定樹脂近傍の膜の密集部に顕著に蓄積していた。汚泥の処理水には、ベントナイトを水道水に溶解させた擬似的な汚泥を用いた。評価期間の汚泥槽のMLSS濃度は、平均20000mg/Lであり、水温は15℃であった。
【0039】
参考例
ポリスルホン中空糸膜40本を2液硬化タイプのウレタン樹脂を用いて、集水機能を有する矩形のケースに中空糸膜間に1mmの隙間を設けるように1列に接着固定した。中空糸膜は内径が750μm、外径が1250μmであり、分画粒子径が2.0μmの中空糸膜であり、膜の有効長は400mmであった。このときのs/dは4/5であった。
【0040】
試作エレメントを100Lの水槽に浸漬し、槽内部に設置した散気装置より0.6m/hrの空気を供給し、曝気耐久性試験を実施した。このとき、約3週間膜破断はなかった。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明の中空糸膜モジュールの正面から見た一例を示す図である。
【図2】本発明の中空糸膜モジュールの図1の拡大図である。
【図3】本発明の中空糸膜モジュールの側面から見た一例を示す図である。
【図4】本発明の中空糸膜モジュールの図3の拡大図である。
【符号の説明】
【0042】
A…中空糸膜束
d…中空糸膜束のケースの長さ方向に対する長さ
e…中空糸膜束のケースの幅方向に対する長さ
s…矩形のケースの長さ方向における中空糸膜束間の間隙
t…矩形のケースの幅方向における中空糸膜束間の間隙
1…中空糸膜エレメント
2…集束固定部
3…濾過水集水機能を有するケース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の中空糸膜束が、中空糸膜の少なくとも一端が開口した状態で接着剤により矩形のケースに集束固定された中空糸膜エレメントであって、中空糸膜束のケースの長さ方向に対する長さdが1〜5cmであり、中空糸膜束のケースの長さ方向に対する中空糸膜束間の間隔sと長さdとの関係が1/20≦s/d≦1/1であることを特徴とする中空糸膜エレメントからなる中空糸膜モジュール。
【請求項2】
中空糸膜束のケースの幅方向に対する長さeと、中空糸膜束間の間隔tとの関係が1/20≦t/e≦1/1であることを特徴とする請求項1に記載の中空糸膜モジュール。
【請求項3】
中空糸膜の分画粒子径が1〜10μmであり、かつ純水透過速度が30000L/m/hr/100kPa以上である請求項1または2に記載の中空糸膜モジュール。
【請求項4】
中空糸膜が限外ろ過膜である請求項1または2に記載の中空糸膜モジュール。
【請求項5】
中空糸膜がポリフッ化ビニリデン系樹脂からなる請求項1〜4のいずれか一項に記載の中空糸膜モジュール。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−119959(P2010−119959A)
【公開日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−296380(P2008−296380)
【出願日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【出願人】(000001085)株式会社クラレ (1,607)
【Fターム(参考)】