説明

中空金属体の構造強化のための膨張性または膨張したマスチック組成物およびそのような中空体

【課題】本発明は、中空金属体の構造強化のために使用できる熱膨張性または熱膨張したマスチック組成物、この組成物の調製方法、その様な中空体およびこの組成物の使用に関する。本発明は、特に、自動車、航空機および宇宙船の本体パネルに適用する。
【解決手段】本発明による膨張性または膨張したマスチック組成物は、少なくとも1つのエポキシ樹脂を基にし、さらに、式SBMおよび式MAM(ここで、S、B、MおよびAは、それぞれ、ビニル芳香族モノマー、共役ジエンモノマー、メチルメタクリレートおよびアルキルアクリレートまたはメタクリレートから主に誘導されるポリマーブロックを表す)のコポリマーからなる群から選択される少なくとも1つのブロックコポリマーを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、中空金属体の構造強化のために使用することのできる熱膨張性または熱膨張したマスチック組成物、この組成物の調製方法、その様な中空体およびこの組成物の使用に関する。本発明は、特に、自動車、航空機および宇宙船用の本体パネルに適用する。
【背景技術】
【0002】
従来の方法においては、中空金属体、例えば、自動車用の本体パネル等は、硬質発泡タイプの材料で構造的に強化することができる。これらの強化材料は、通常、エポキシ樹脂を基にした組成物であって、加熱、一般的には、160℃〜180℃の範囲の温度での加熱の効果で、それらが含む膨張剤を介して膨張可能とされる組成物からなる。
【0003】
これらの膨張性マスチックに対して求められる主たる性質としては、架橋され膨張した組成物の金属への接着、剪断強度および圧縮強度の特性に加えて、これらの「未硬化」粘着性(すなわち、未硬化状態における粘着性)、加熱処理工程中のこれらの垂直クリープ安定性および低硬度が挙げられ得る。膨張後に、最少の吸水を有するために、独立気泡を伴う、最高度の膨張が膨張したマスチックに求められる。
【0004】
さらに詳しく言えば、これらの膨張性マスチックは、エラストマー、例えば、ニトリルゴム(NBR)等で変性されたエポキシ樹脂と混合される、それぞれ液体および固体の2つのエポキシ樹脂を通常基にしている。その様な膨張性マスチックに対して使用することのできる組成物の詳細な記述については、例えば、EP−B−1163288の文献を参照し得る。
【0005】
これらの公知の膨張性マスチック組成物の最大の欠点は、
未硬化状態において、これらのその後の使用にとって好ましい十分に低い硬度およびこれらを受け入れようとする中空体の金属壁へのこれらの接着にとって好ましい十分なレベルの「未硬化」粘着性、ならびに、
膨張した状態において、十分に低い吸水率
を、上記マスチックのために同時に得ることが不可能である点である。
【0006】
これらの知られている組成物のその他の欠点は、これらが、多くの場合、使用される界面活性剤のタイプに大きな感受性を示す点である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、これらの欠点を解消することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この目的は、驚くべきことに、少なくとも1つのエポキシ樹脂を基にした熱膨張性マスチック組成物への、式SBMおよび式MAM(ここで、S、B、MおよびAは、それぞれ、ビニル芳香族モノマー、共役ジエンモノマー、メチルメタクリレートおよびアルキルアクリレートまたはメタクリレートに主に由来するポリマーブロックを表す)のコポリマーからなる群から選択されるブロックコポリマーの導入が、特に、公知の組成物と比較して、未硬化状態において、減少した硬度および金属材料に対して増加した粘着性を示し、膨張した状態において、減少した吸水率を示す組成物を得ることを可能とし、それによって、中空金属体の十分な構造強化のために使用可能な本発明の組成物を与えることを本出願人が発見したことによって達成される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
前記ブロックコポリマーにより、本発明によるこの組成物に与えられる改善された加工性、改善されたマスチック/金属粘着性および減少した吸水は、従来の組成物で得られるものと実質的に同じ程度の前記組成物の垂直クリープ安定性を損なうことなく得られる点に留意されたい。
【0010】
ブロックSが主に由来するビニル芳香族モノマーの使用例としては、スチレン、アルファ−メチルスチレンまたはビニルトルエンが挙げられ得る。好ましくは、このブロックSは、スチレンに主に由来し、なおさらに好ましくは、このブロックSは、ポリスチレンからなる。
【0011】
ブロックBが主に由来する共役ジエンモノマーの使用例としては、ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエンおよび2−フェニル−1,3−ブタジエンが挙げられてもよい。好ましくは、このブロックBは、ブタジエンに主に由来し、なおさらに好ましくは、このブロックBは、1,4−ポリブタジエンからなる。
【0012】
ブロックMの使用例としては、好ましくは、ポリ(メチルメタクリレート)からなるブロックが挙げられ、ブロックAの使用例としては、好ましくは、アルキルアクリレート、例えば、ブチルアクリレートまたはエチルアクリレート等に主に由来するブロックが挙げられ、なおさらに好ましくは、このブロックAは、ポリ(ブチルアクリレート)からなる。
【0013】
本発明の第1の実施形態によれば、前記ブロックコポリマーまたは前記ブロックコポリマーの少なくとも1つは、式SBM(ここで、S、BおよびMは、それぞれ、ポリスチレンブロック、1,4−ポリブタジエンブロックおよび主にシンジオタクチックポリ(メチルメタクリレート)ブロックを表す)に相当する。
【0014】
したがって、本発明のこの第1の実施形態による組成物は、ポリスチレン/1,4−ポリブタジエン/シンジオタクチックポリ(メチルメタクリレート)トリブロックコポリマー、好ましくは、Nanostrength(登録商標)の名称で、ARKEMA社から販売されているSBMトリブロックコポリマーを含むことができる。
【0015】
本発明の第2の実施形態によれば、前記ブロックコポリマーまたは前記ブロックコポリマーの少なくとも1つは、式MAM(ここで、MおよびAは、それぞれ、主にシンジオタクチックポリ(メチルメタクリレート)ブロックおよびポリ(ブチルアクリレート)ブロックを表す)に相当する。
【0016】
したがって、本発明のこの第2の実施形態による組成物は、シンジオタクチックポリ(メチルメタクリレート)/ポリ(ブチルアクリレート)/シンジオタクチックポリ(メチルメタクリレート)トリブロックコポリマー、好ましくは、Nanostrength(登録商標)の名称で、ARKEMA社から販売されているMAMトリブロックコポリマーを含むことができる。
【0017】
有利には、本発明による前記組成物は、10phr〜60phr(phr:エポキシ樹脂の100部当たりの重量部)、なおさらに有利には、15phr〜30phrの量で前記ブロックコポリマーを含む。
【0018】
本発明のその他の特徴によれば、前記組成物は、少なくとも1つの液体タイプのエポキシ樹脂を含み(すなわち、前記エポキシ樹脂または前記エポキシ樹脂の少なくとも1つが液体タイプである)、液体エポキシ樹脂/固体エポキシ樹脂の質量比は100/0〜30/70であることが可能である。
【0019】
有利には、前記組成物は、固体タイプのどのようなエポキシ樹脂も含まない(すなわち、組成物の前記エポキシ樹脂または各エポキシ樹脂は液体タイプである)。
【0020】
1つまたは複数の液体エポキシ樹脂の本発明による優先的使用は(すなわち、固体エポキシ樹脂なし)、前記組成物の加工性および粘着性がさらに改善される様に前記組成物の未硬化状態における硬度および粘着性をさらに最小化することを可能にする点に留意されたい。
【0021】
有利には、したがって、前記組成物は、未硬化状態において、10未満、好ましくは、実質的に0に等しいショアーA硬度および周囲温度において、前記中空金属体に十分に接着する様に金属材料に対して高い粘着性を有し得る。
【0022】
好ましくは、前記エポキシ樹脂または各エポキシ樹脂は、ビスフェノールAまたはFに由来し、なおさらに好ましくは、前記エポキシ樹脂または各エポキシ樹脂は、ビスフェノールA樹脂のジグリシジルエーテル(DGEBAと略される)である。
【0023】
有利には、本発明による前記組成物は、界面活性剤が組成物の性質に影響を及ぼすことなく、種々のタイプの界面活性剤を含むことができ、本発明の実施の一例によれば、界面活性剤を欠くこともできる。
【0024】
本発明のその他の特徴によれば、前記組成物は、膨張した状態において、独立気泡および使用中の最小吸水に有利に反映される、180℃で5%以下の吸水率を含むことができる。
【0025】
本発明による、前記膨張したマスチック組成物の製造方法は、
a)膨張性組成物の熱機械的混合工程であって、組成物が、
膨張剤(例えば、1〜4phrの範囲であってもよい量で、活性化アゾジカルボンアミドタイプ)、
硬化剤(例えば、5〜15phrの範囲であってもよい量で、活性化ジシアンジアミドタイプ)、および
1つまたは複数の無機充填剤(20〜80phrの範囲であってもよい合計量による、例えば、シリカ、アルミナ三水和物、水酸化マグネシウム、カオリン、粘土、チョーク、およびこれらの混合物から選択される)
を含む工程、
b)得られた膨張性組成物のフォーミング工程(例えば、押出し、射出、圧縮等による)、および次いで、
c)オーブン中、例えば、電気泳動によって前記中空金属体と接触した状態で加熱することにより膨張した組成物を得る、フォーミング組成物の膨張工程を含む。
【0026】
本発明による組成物は、また、前記膨張剤、前記硬化剤および前記充填剤に加えて、膨張性マスチック組成物において通常使用される成分の全てまたは幾つかを含む点に留意されたい。
【0027】
本発明による中空金属体は、上で定義される通りの、本発明による前記熱膨張したマスチック組成物を基にした構造強化エレメントで充填される。
【0028】
本発明のその他の特徴によれば、前記中空体は、前記構造強化エレメントで充填され、次いで、シートの形状にすることのできる、自動車、航空機または宇宙船用の本体パネルを形成するためのものであってもよい。
【0029】
本発明によれば、前記膨張性または膨張した組成物の使用は、中空金属体の構造強化および/または遮音のための製品または半製品の製造に関係する。
【0030】
本発明の上述の特徴等は、非限定的例示により与えられる、本発明の実施の幾つかの例の以下の記述を読むことによりさらに明確に理解される。
【実施例】
【0031】
本発明によるものではない(すなわち、従来方法による)5つの膨張性マスチック組成物A、B、C、DおよびE(それぞれは、それぞれ固体および液体の「DGEBA」タイプの2つのエポキシ樹脂(それぞれは、また、知られている方法において、ニトリルゴム変性「DGEBA」エポキシ樹脂タイプ(この樹脂は、「Struktol Polydis 3604」の名称で販売されている)の柔軟剤を含む)の混合物を基にする)を調製した。
【0032】
本発明による、6つの膨張性組成物I1、I2、I3、I4、I5およびI6(それぞれは、単独の液体エポキシ樹脂を基にし、それぞれは、この変性樹脂に代えて、Nanostrength(登録商標)(メチルメタクリレート/ブチルアクリレート/メチルメタクリレートトリブロック)の名称でARKEMA社から販売されている、上述の式MAMに相当するブロックコポリマーを含む)を調製した。
【0033】
これらの組成物A〜EおよびI1〜I6のそれぞれは、また、特に、活性化アゾジカルボンアミドからなる同じ膨張剤、活性化ジシアンジアミドタイプの同じ硬化剤ならびにシリカおよびアルミナ三水和物(「ATH」と略す)を主体とし、粘土も含む同じ希釈充填剤を含む。
【0034】
さらに詳しく言えば、組成物A、B、C、DおよびI1、I2、I3およびI4は、また、界面活性剤として、シリコーンポリエーテルタイプの同じ界面活性剤T1を含み、一方、組成物EおよびI5は界面活性剤を含まず、組成物I6は、ヒドロキシル化液体ポリブタジエンタイプの界面活性剤T2を含む。
【0035】
これらの組成物A〜Eに対しては、さらに、次のものを変動させた:
固体エポキシ樹脂/液体エポキシ樹脂の質量比(この比は、組成物A、BおよびEに対しては60/40であり、逆に、組成物CおよびDに対しては、40/60である)、および
膨張剤の量(3.5phrまたは1.9phrのいずれか)。
【0036】
これらの膨張性組成物A〜EおよびI1〜I6を、これらの組成物のそれぞれに対して同じ熱機械的混合方法を実施して調製し、次いで、この様にして得た各膨張性組成物を、圧縮によりフォーミングし、次いで、サイズに切断した。
【0037】
次いで、この様に形成された膨張性組成物を、オーブンにおける加熱(約160℃および180℃の2つの温度で)により膨張させた。各組成物に対して、或るサンプルは、接着防止紙上で「自由に」加熱し、その他のサンプルは、相当する膨張した組成物で充填された中空体を形成することを目的として、シート(これらのシートは、加工していない、亜鉛メッキされたまたは電気亜鉛メッキされたスチールからなる)と接触して加熱した。
【0038】
組成物A〜Eは、以下の組成を有する(phr:エポキシ樹脂の100部当たりの重量部):
【0039】
【表1】

【0040】
本発明による組成物I1〜I6は、以下の組成を有する(phr:エポキシ樹脂の100部当たりの重量部):
【0041】
【表2】

【0042】
測定は、この様にして調製された各組成物A〜EおよびI1〜I6について、膨張可能な未硬化状態おいて(初期密度、加熱条件下(160℃)での垂直クリープ安定性、ショアーA硬度および「未硬化」粘着性)および膨張した状態において(160℃および180℃での体積膨張、最終密度、160℃および180℃での吸水率)行った。
【0043】
垂直クリープ安定性を測定するために、次の方法を実施した。
【0044】
「未硬化」マスチックのサンプル(40×40×5mm)を、少し加圧して金属シートに手で適用し、このマスチックの初期位置(p)を特定した。次いで、このシートを、オーブンにおいて、160℃で30分間垂直に懸垂した。この様にして得たプレートをオーブンから取り出し、周囲温度(23℃)に冷却した後に、膨張したマスチックの最終位置(p)を特定した。クリープ安定性は、加熱過程中のマスチックの垂直変位により測定される:d=p−p(mm)。
【0045】
「未硬化」マスチックのショアーA硬度を測定するために、ISO標準868による方法を実施した。
【0046】
膨張が行われる接触状態にあるシートに対する各組成物の「未硬化」粘着性を特徴付ける(粘着性の評価)ために、それぞれ、極めて弱い、中間、強力および極めて強力の粘着性を表す4つのレベルとして0、1、2および3を設けた。
【0047】
以下の表3および4は、本発明によらない組成物A〜Eおよび本発明による組成物I1〜I6のそれぞれに対して得られた結果を示す。
【0048】
【表3】

【0049】
【表4】

【0050】
表3は、本発明によらない組成物A〜Eの中で、組成物Bだけが、所望するものに近い膨張性の妥協を示すことを示す。しかしながら、この組成物Bは、高過ぎる(8%に等しい)ので満足するものではない、180℃での吸水率およびこれもまた高過ぎる(45に等しい)「未硬化」ショアーA硬度ならびに不十分(ほぼ0の水準)である前記シートに関する「未硬化」粘着性を有する点に留意されたい。
【0051】
概して、これらの組成物A〜Eのいずれもが、これらのシートに対する満足のいく「未硬化」粘着性、あるいは十分に低い(すなわち、0に近い)平均「未硬化」ショアーA硬度、あるいは、同時に、十分な吸水性(すなわち、最小吸収)を示さない点に留意されたい。
【0052】
表4は、本発明による組成物I1〜I6の全てが、満足の行く膨張性を示すだけでなく、組成物A〜Eと比較して:
金属材料との接触において金属材料に対する、本発明によるマスチックの改善された接着性を証明する明らかに増加した「未硬化」粘着性(常にレベル3、すなわち最大)、
使用されるフォーミング方法に関係なく、組成物I1〜I6の加工性における顕著な改善を表す、最小化された「未硬化」ショアーA硬度(ほぼ0)、
160℃および180℃の両方で、明らかに減少した吸水率(この吸収率は、組成物I1〜I6に対しては平均3%であるのに対して、組成物A〜Eの平均吸水率は、160℃および180℃で、それぞれ10.6%および23%、すなわち、この吸収度における平均減少率は、組成物I1〜I6では70%以上である)、および
維持された垂直クリープ(組成物A〜Eと同じかそれよりも少ない)、を示す。
【0053】
特に、界面活性剤を含まない本発明による組成物I5は、これもまた界面活性剤を含まない、本発明によらない組成物Eと比較して:
この組成物Eよりもはるかに大きい膨張率(160℃で63%増大、180℃で70%増大)、
この組成物Eと比較して非常に減少した垂直クリープ(80%近くまで減少した)、
シートの金属材料に対する明らかに改善された「未硬化」粘着性(約0に代わるレベル3)、および
この組成物Eと比較して、実質的に維持される吸水率(160℃および180℃の両方で)を示すことが、これらの表3および4から明らかになる。
【0054】
使用される界面活性剤(例えば、シリコーンポリエーテルまたは液体ポリブタジエン)の性質は、組成物I1〜I4との比較において、組成物I6の膨張、吸水、垂直クリープ安定性、硬度および粘着性の全てにより示される通り、本発明による組成物の性質にはほとんど影響を及ぼさないことが表4からも明らかになる。
【0055】
最後に、単独の特に液体のエポキシ樹脂と、本発明による式MAMまたはSBMのトリブロックコポリマーとの組合せは、特に、「未硬化」硬度を最小にし、中空金属体、例えば、自動車、航空機または宇宙船用の本体パネル等の構造強化にとって前記組成物を特に有利にする前記金属材料に関する、本発明による相当する組成物の「未硬化」粘着性を最大にすることを可能にする点に留意されたい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
中空金属体の構造強化のために使用できる、少なくとも1つのエポキシ樹脂を基にした熱膨張性または熱膨張したマスチック組成物であって、式SBMおよび式MAM(ここで、S、B、MおよびAは、それぞれ、ビニル芳香族モノマー、共役ジエンモノマー、メチルメタクリレートおよびアルキルアクリレートまたはメタクリレートに主に由来するポリマーブロックを表す)のコポリマーからなる群から選択される少なくとも1つのブロックコポリマーをさらに含むことを特徴とする組成物。
【請求項2】
Mが、ポリ(メチルメタクリレート)ブロックを表すことを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
Bが、ポリブタジエンブロックを表すことを特徴とする、請求項1または2に記載の組成物。
【請求項4】
Aが、ポリ(ブチルアクリレート)ブロックを表すことを特徴とする、請求項1または2に記載の組成物。
【請求項5】
前記ブロックコポリマーまたは前記ブロックコポリマーの少なくとも1つが、式SBM(ここで、S、BおよびMは、それぞれ、ポリスチレンブロック、1,4−ポリブタジエンブロックおよび主にシンジオタクチックポリ(メチルメタクリレート)ブロックを表す)に相当することを特徴とする、請求項2および3に記載の組成物。
【請求項6】
前記ブロックコポリマーまたは前記ブロックコポリマーの少なくとも1つが、式MAM(ここで、MおよびAは、それぞれ、主にシンジオタクチックポリ(メチルメタクリレート)ブロックおよびポリ(ブチルアクリレート)ブロックを表す)に相当することを特徴とする、請求項2および4に記載の組成物。
【請求項7】
10phr〜60phrの量(phr:エポキシ樹脂100部当たりの重量部)で前記ブロックコポリマーを含むことを特徴とする、請求項1から6の一項に記載の組成物。
【請求項8】
15phr〜30phrの量で前記ブロックコポリマーを含むことを特徴とする、請求項7に記載の組成物。
【請求項9】
少なくとも1つの液体タイプのエポキシ樹脂を含み、液体エポキシ樹脂/固体エポキシ樹脂の質量比が、100/0〜30/70であることを特徴とする、請求項1から8の一項に記載の組成物。
【請求項10】
固体タイプのエポキシ樹脂を含まないことを特徴とする、請求項9に記載の組成物。
【請求項11】
前記エポキシ樹脂または各エポキシ樹脂が、ビスフェノールAまたはFから誘導されることを特徴とする、請求項1から10の一項に記載の組成物。
【請求項12】
前記エポキシ樹脂または各エポキシ樹脂が、ビスフェノールA樹脂のジグリシジルエーテルであることを特徴とする、請求項11に記載の組成物。
【請求項13】
界面活性剤を含まないことを特徴とする、請求項1から12の一項に記載の組成物。
【請求項14】
未硬化状態において、10未満、好ましくは、実質的に0に等しいショアーA硬度を有することを特徴とする、請求項1から13の一項に記載の組成物。
【請求項15】
周囲温度においておよび未硬化状態において、金属材料に対して粘着性であることを特徴とする、請求項1から14の一項に記載の組成物。
【請求項16】
膨張した状態において、独立気泡および180℃で5%以下の吸水率を含むことを特徴とする、請求項1から15の一項に記載の組成物。
【請求項17】
膨張剤、硬化剤および1つまたは複数の無機充填剤をさらに含む、膨張性組成物を熱機械的に混合する工程、
得られた前記膨張性組成物のフォーミング工程、および次いで、
前記中空金属体と接触している前記フォーミング組成物を加熱により膨張し、膨張した組成物を得る工程
を含むことを特徴とする、請求項1から16の一項に記載の膨張した組成物の製造方法。
【請求項18】
熱膨張したマスチック組成物を基にした構造強化エレメントで充填された中空金属体であって、前記組成物が、請求項1から16の一項に記載のものであることを特徴とする、中空金属体。
【請求項19】
シートの形状の前記構造強化エレメントで充填された、自動車、航空機または宇宙船用の本体パネルを形成するためのものであることを特徴とする、請求項18に記載の中空体。
【請求項20】
中空金属体の構造強化および/または遮音のための製品または半製品の製造のための、請求項1から16の一項に記載の組成物の使用。

【公開番号】特開2007−332378(P2007−332378A)
【公開日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2007−160424(P2007−160424)
【出願日】平成19年6月18日(2007.6.18)
【出願人】(591136931)
【氏名又は名称原語表記】HUTCHINSON
【Fターム(参考)】