説明

中継接続ユニット

【課題】中継接続ユニットがスリープ状態にある場合に、バスに中継不要のメッセージフレームが流れたときに中継接続ユニットのウェイクアップ状態への移行を防ぐ。
【解決手段】ECU30が夫々接続された複数のバス31と接続され、ECU間でのメッセージフレームの送受信を中継する車載用中継接続ユニット10であって、受信部20と、中継処理部11と、中継接続状態の遷移を管理するネットワーク管理処理部12と、中継接続ユニットに接続されるダイアグノーシスとのデータの送受信を行うダイアグ処理部13を備え、受信部20は中継処理部11、ネットワーク管理処理部12、ダイアグ処理部13を含む他の処理部がスリープ状態時でもウェイクアップ状態とし、該状態時において中継する必要があるメッセージフレームを受信すると、接続した少なくとも中継処理部11とネットワーク管理処理部12とダイアグ処理部13とにウェイクアップ信号を出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車載用中継接続ユニットに関し、詳しくは、中継接続ユニットがスリープ状態にある場合において、バスにノイズや該中継接続ユニットが中継を行う必要のないメッセージフレームが流れたときには、中継接続ユニットのウェイクアップ状態への移行を防ぐものである。
【背景技術】
【0002】
従来、車両に搭載される機器を制御する電子制御ユニット(ECU)を多重通信用のバス(通信線)に接続すると共に、該複数のバスを中継接続ユニットに接続し、異なるバスに属するECU間で送受信されるメッセージフレームを該中継接続ユニットが中継している車載用通信システムが採用されている。
【0003】
このような車載用通信システムにおいては、ECUや中継接続ユニットなどの各ノードはウェイクアップ状態(通常動作状態)の高電力消費状態と、スリープ状態の低電力消費状態の2つの動作状態に移行させる機能を備えている。イグニッションキーのオフなどエンジン停止時においては、ウェイクアップ状態にする必要がないノードはスリープ状態として当該ノードが消費する電力の低減を図ると共に、イグニッションキーがオンされると各ノードをウェイクアップ状態として該ノードに接続された機器の制御を行っている。
【0004】
例えば、特開平5−58232号公報(特許文献1)では、各ノードにウェイクアップ信号を発生させるウェイクアップ専用回路を設けると共に、各ノード間を接続するウェイクアップ専用ラインを設けるシステムが提案されている。あるノードがウェイクアップすると該ノードのウェイクアップ専用回路がウェイクアップ信号を送信し、他のノードはウェイクアップ専用ラインを介してウェイクアップ信号を受信してウェイクアップする。
【0005】
しかし、特許文献1では、ウェイクアップ専用ラインを必要とするため、各ノードを接続する通信線の数が多くなるという問題がある。
このため、専用ラインを用いず、各ノードが自己と接続されているバスの波形の変化を検知する方法も提案されている。バスに流れるメッセージフレームはバスの波形の変化として表されるため、各ノードがバスの波形の変化を検知すると、バスからメッセージフレームを受信したとしてウェイクアップ状態となる。
しかし、前記方法では、バスの波形の変化がノイズによって生じた場合であっても、各ノードがウェイクアップ状態となるという問題がある。
また、バスに流れたメッセージフレームが中継接続ユニットによって中継する必要のないメッセージフレームである場合や、ECUが受信する必要のないメッセージフレームである場合でも、中継接続ユニットやECUがウェイクアップ状態になるという問題がある。
【0006】
【特許文献1】特開平5−58232号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、前記問題に鑑みてなされたもので、イグニッションキーがオフであり中継接続ユニットがスリープ状態にある場合において、バスにノイズや該中継接続ユニットが中継を行う必要のないメッセージフレームが流れたときには、中継接続ユニットのウェイクアップ状態への移行を防ぐことを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するため、本発明は、電子制御ユニットが夫々接続された複数のバスと接続され、前記電子制御ユニット間でのメッセージフレームの送受信を中継する車載用の中継接続ユニットであって、
前記バスから前記メッセージフレームを受信する受信部と、
前記メッセージフレームの送受信を中継する中継処理部と、
前記バスに前記メッセージフレームを送信する送信部と、
中継接続状態の遷移を管理するネットワーク管理処理部と、
前記中継接続ユニットに接続されるダイアグノーシスとのデータの送受信を行うダイアグ処理部と、
前記受信部は前記中継処理部、ネットワーク管理処理部およびダイアグ処理部を含む他の処理部がスリープ状態時においてもウェイクアップ状態とし、該状態時において中継する必要があるメッセージフレームを受信すると、接続した少なくとも前記中継処理部とネットワーク管理処理部とダイアグ処理部とにウェイクアップ信号を出力することを特徴とする車載用中継接続ユニットを提供している。
【0009】
中継接続ユニットに電源が投入されており、かつ、イグニッションキーがオフの場合には、バスと接続された受信部はウェイクアップ状態にあるが、中継処理部とネットワーク管理処理部とダイアグ処理部、他の処理部はスリープ状態である。このような状態を中継接続ユニットのスリープ状態としている。
受信部で中継接続ユニットが中継する必要がないメッセージフレームを受信した場合やノイズを受信した場合は、受信部はウェイクアップ信号を出さず、中継処理部とネットワーク管理処理部とダイアグ処理部、他の処理部はスリープ状態を保つ。
一方、受信部で中継接続ユニットが中継する必要のあるメッセージフレームを受信すると、該受信部は少なくとも中継処理部とネットワーク管理処理部とダイアグ処理部にウェイクアップ信号を出してウェイクアップさせ、中継接続ユニットはメッセージフレームの中継を行う。このような状態を中継接続ユニットのウェイクアップ状態としている。
【0010】
このように、受信部は常にウェイクアップ状態としてメッセージフレームを受信し、中継不要なメッセージフレームを受信した場合には、中継処理部とネットワーク管理処理部とダイアグ処理部、他の処理部にウェイクアップ信号を送信しないので、中継接続ユニットがウェイクアップ状態となることを防ぐことができると共に、中継接続ユニットの消費電力を低減することができる。
【0011】
また、中継接続ユニットが、中継処理に必要な処理部として中継処理部とネットワーク管理処理部とダイアグ処理部を備えると共に、中継処理とは関係の無いその他の処理部を備えている場合、受信部が中継する必要があるメッセージフレームを受信すると、受信部は中継処理部とネットワーク管理処理部とダイアグ処理部のみにウェイクアップ信号を出力してウェイクアップ状態とし、その他の処理部には受信部はウェイクアップ信号を出力せずスリープ状態を保つことで、中継接続ユニットの消費電力を低減することができる。
【0012】
前記受信部は、前記バス上を流れるメッセージフレームを受信する受信バッファと、前記スリープ状態時に中継要のメッセージフレームのID(識別子)を記憶する識別子記憶部と、受信するメッセージフレームのIDが前記識別子記憶部に記憶されたIDであるかを判定して中継要のメッセージフレームである場合に前記ウェイクアップ信号を出力するID判定部を備えていることが好ましい。
【0013】
中継接続ユニットに電源投入がなされていると受信部は常にウェイクアップ状態にあり、バス上を流れるメッセージフレームを受信バッファに記憶する。メッセージフレームのうち、ID(識別子)を記憶するアービトレーションフィールドまで記憶すると、ID判定部は受信バッファからアービトレーションフィールドのIDを読み出す。ID判定部は識別子記憶部に記憶されたIDと受信バッファから読み込んだIDとを比較し、受信バッファから読み込んだIDが識別子記憶部に記憶されたIDに含まれていれば、中継接続ユニットが該メッセージフレームの中継を行う必要があると判定して、ウェイクアップ信号を中継処理部とネットワーク管理処理部とダイアグ処理部に出力する。
【0014】
このように、受信部に識別子記憶部とID判定部を備えて、中継要のメッセージフレームを受信したことを判定した場合にのみ中継処理部等にウェイクアップ信号を出力することで、ノイズや中継不要なメッセージフレームがバスに流れた場合に中継接続ユニットがウェイクアップ状態となることを防ぐことができる。
【0015】
前記受信部、中継処理部、ネットワーク管理処理部およびダイアグ処理部はそれぞれコントローラの回路で形成し、前記受信部は受信用コントローラにID検出回路を備えていることが好ましい。
【0016】
中継接続ユニットが、中継処理に必要な処理部として中継処理部とネットワーク管理処理部とダイアグ処理部を備えると共に、中継処理とは関係の無いその他の処理部を備えている場合、中継処理に必要な処理部及び中継処理とは関係の無いその他の処理部をソフトウェアで構成してCPUで動作させると、CPUの動作の際に中継処理に必要な処理部だけをウェイクアップ状態とすることはできず、中継処理に関係の無い他の処理部を含む全ての処理部がウェイクアップ状態となる。
一方、中継処理に必要な処理部である中継処理部、ネットワーク管理処理部およびダイアグ処理部をハードウェアで構成することで、これら中継処理に必要な処理部にのみウェイクアップ信号を出力してウェイクアップ状態とすることができ、かつ、中継処理に関係の無い他の処理部はスリープ状態を保つことができるため、中継接続ユニットの電力の消費を低減することができる。
【0017】
イグニッションキーまたはイグニッションボタンのオン作動時に、ウェイクアップするメインループ受信部を備え、該メインループ受信部から前記中継処理部、ネットワーク管理処理部およびダイアグ処理部を含む全処理部にウェイクアップ信号を出力してウェイクアップさせ、前記受信部は前記バス上を流れるメッセージフレームを前記中継処理部に出力することが好ましい。
【0018】
イグニッションキーまたはイグニッションボタンのオン作動時は、該イグニッションキー等のオン信号をメインループ受信部が受信して自己をウェイクアップすると共に、前記中継処理部、ネットワーク管理処理部およびダイアグ処理部を含む全処理部にウェイクアップ信号を出力して全処理部をウェイクアップさせる。
また、受信部はメッセージフレームを中継処理部に出力してメッセージフレームの中継を行う。
なお、イグニッションキーがオフの時は、受信部が中継要のメッセージフレームを受信すると、受信部がメインループ受信部にウェイクアップ信号を送信してメインループ受信部をウェイクアップさせ、さらにメインループ受信部が中継処理に必要な処理部である中継処理部、ネットワーク管理処理部、ダイアグ処理部にウェイクアップ信号を出してこれら処理部をウェイクアップさせている。
【発明の効果】
【0019】
前述したように、本発明の車載用の中継接続ユニットによれば、受信部は常にウェイクアップ状態としてメッセージフレームを受信し、中継不要なメッセージフレームを受信した場合には、中継処理部とネットワーク管理処理部とダイアグ処理部、他の処理部にウェイクアップ信号を送信しないので、中継接続ユニットがウェイクアップ状態となることを防ぐことができると共に、中継接続ユニットの消費電力を低減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
図1乃至図5は本発明の第1実施形態を示す。
本発明の車載用の中継接続ユニット10は、電子制御ユニット(ECU)30が接続された複数のバス31と接続され、ECU30間でのメッセージフレームの送受信を中継するものである。
本実施形態では、中継接続ユニット10に2本のバス31A、31Bを接続し、各バス31にそれぞれ1つのECU30A、30Bを接続しており、通信プロトコルはCANプロトコルである。
また、中継接続ユニット10はイグニッションキー35と接続してイグニッションキー35のオンオフ信号を受信している。
【0021】
CANプロトコルのメッセージフレームは図5に示す構成となっており、上位ビットより、メッセージフレームの開始を示す1ビットのSOF41と、メッセージ識別子(ID)を備えたアービトレーションフィールド42とを備えている。また、メッセージ長等の制御に関する情報を示すコントロールフィールド43と、送受信されるメッセージ内容を示すデータフィールド44とを備えている。
【0022】
図1に示すように、中継接続ユニット10は受信部20と、中継処理部11と、ネットワーク管理処理部12と、ダイアグ処理部13と、メインループ受信部14と、送信部15と、パラメタ処理部16とを備えている。
受信部20および送信部15は中継接続ユニット10への電源投入時にウェイクアップし、その後もウェイクアップ状態が継続する。メインループ受信部14、中継処理部11、ネットワーク管理処理部12、ダイアグ処理部13、パラメタ処理部16はスリープ状態とウェイクアップ状態とを移行する。
なお、中継接続ユニット10のスリープ状態とは、中継処理部11、ネットワーク管理処理部12、ダイアグ処理部13、パラメタ処理部16がスリープ状態となっていることを言い、中継接続ユニット10のウェイクアップ状態とは受信部20に加えて中継処理部11、ネットワーク管理処理部12、ダイアグ処理部13がウェイクアップ状態となっていることを言う。
【0023】
受信部20(20A、20B)はバス31毎に設けており、図2に示すように、受信バッファ21と、識別子記憶部22と、ID判定部23と、タイミング生成部24と、受信制御部25とを備えている。
タイミング生成部24はバス31と接続しており、バス31上に流れるメッセージフレームを所定のビット数ずつ受信して受信バッファ21に出力している。
受信バッファ21はタイミング生成部24と接続しており、前記バス31上を流れるメッセージフレームを受信して記憶している。また、中継処理部11と接続しており、受信したメッセージフレームを中継処理部11に出力している。
識別子記憶部22はID判定部23と接続しており、中継接続ユニット10のスリープ状態時に中継要のメッセージフレームのID(識別子)を記憶したIDテーブルを備えている。
【0024】
ID判定部23は受信バッファ21と接続しており、受信バッファ21がメッセージフレームのSOF41とアービトレーションフィールド42まで記憶すると、アービトレーションフィールド42から該メッセージフレームのIDを読み出し、該IDが前記識別子記憶部22に記憶されたIDであるかを判定する。中継要のメッセージフレームである場合にはウェイクアップ信号をメインループ受信部14に出力している。
なお、ID判定部23はイグニッションキー35がオフの場合にのみ動作しており、イグニッションキー35がオンの場合には全ての処理部は既にウェイクアップ状態となっているのでウェイクアップ信号を出力する必要がなく動作しない。
受信制御部25はタイミング生成部24及び受信バッファ21と接続し、タイミング生成部24がタイミング(通信速度)を同期して受信バッファ21へメッセージフレームを書き込むよう指令を出している。
【0025】
メインループ処理部は、受信部20と接続していると共にイグニッションキー20と接続しており、イグニッションキー20がオフ時には、受信部20からウェイクアップ信号を受信し、中継処理部11、ネットワーク管理処理部12およびダイアグ処理部13に該ウェイクアップ信号を出力してウェイクアップさせている。
また、イグニッションキー35がオン作動となったことを検知した場合には、中継処理部11、ネットワーク管理処理部12およびダイアグ処理部13、パラメタ処理部16にウェイクアップ信号を出力してウェイクアップさせている。
なお、イグニッションキー35に換えてイグニッションボタンと接続していてもよい。
【0026】
中継処理部11はメインループ受信部14と接続しており、メインループ受信部14からウェイクアップ信号を受信してウェイクアップする。また、受信部20と接続しており、受信部20からメッセージフレームを受信して中継処理を行っている。
ネットワーク管理処理部12はメインループ受信部14と接続しており、中継接続状態の遷移を管理している。
ダイアグ処理部13はメインループ受信部14と接続していると共に、中継接続ユニット10に図示しないダイアグノーシスが接続された場合に、ダイアグノーシスとのデータの送受信を行っている。
送信部15(15A、15B)はバス31毎に設けており、中継接続ユニット10が中継するメッセージフレームをバス31に送信している。
パラメタ処理部16は、各処理部で必要となるパラメタ(通信速度、中継転送するメッセージIDなど)を各処理部へ設定する。このパラメタは外付けのEEPROMにデータが記載されており、その外付けEEPROM等のICからパラメタを読み出して、内部の処理部へ設定する機能を有する。
【0027】
具体的には、前記受信部20、中継処理部11、ネットワーク管理処理部12およびダイアグ処理部13はそれぞれコントローラの回路で形成し、受信部20は受信用コントローラにID判定部23となるID検出回路を備えている。
【0028】
図3は本発明の中継接続ユニット10の動作を示すシーケンス図である。
バス31Aに接続されたECU30Aが送信したメッセージフレームを中継接続ユニット10がバス31Bに中継する場合の動作を例に説明する。
自動車の駐車時などにおいては、中継接続ユニット10は電源と接続されているがイグニッションキー35はオフであり、受信部20がウェイクアップ状態である一方その他の処理部は全てスリープ状態となっている。
【0029】
このような場合において、ステップS1でバス31Aにメッセージフレームが流れると、受信部20Aのタイミング生成部24はメッセージフレームを受信し、受信制御部25は該メッセージフレームを受信バッファ21に記憶させている。
ステップS2では、受信バッファ21がメッセージフレームのアービトレーションフィールド42まで受信すると、ID判定部23はアービトレーションフィールド42から該メッセージフレームのIDを読み出す。識別子記憶部22に記憶されたIDテーブルに読み出したIDが記載さされているか否かを判定し、記載されている場合は、ウェイクアップ信号をメインループ受信部14に出力している。該ウェイクアップ信号を受信したメインループ受信部14はウェイクアップする。
【0030】
ステップS3では、メインループ受信部14が中継処理部11、ネットワーク管理処理部12、ダイアグ処理部13にウェイクアップ信号を送信し、各処理部はウェイクアップして初期化処理を行っている。ここで、パラメタ処理部16はメッセージの中継には関係しないのでウェイクアップ信号を送信していない。
ステップS4で、受信部20Aの受信バッファ21はウェイクアップした中継処理部11にメッセージフレームを送信している。
ステップS5で、中継処理部11は送信部15Bにメッセージフレームを送信し、送信部15Bはバス31Bにメッセージフレームを送信している。
【0031】
図4は本発明の中継接続ユニット10の動作を示すシーケンス図であり、自動車の駐車時などにおいて、中継接続ユニット10は電源と接続されているがイグニッションキー35はオフであり、受信部20がウェイクアップ状態である一方その他の処理部は全てスリープ状態となっている場合に、イグニッションキー35がアクセサリポジション(ACC)またはオンとなるオン作動時の動作について説明する。
【0032】
ステップS11で、イグニッションキー35がオン作動すると、オン信号が中継接続ユニット10のメインループ受信部14に入力され、メインループ受信部14がウェイクアップする。
ステップS12で、メインループ受信部14が中継接続ユニット10の全ての処理部(中継処理部11、ネットワーク管理処理部12、ダイアグ処理部13、パラメタ処理部16)にウェイクアップ信号を送信し、各処理部はウェイクアップして初期化処理を行っている。
【0033】
前記構成によれば、受信部20は常にウェイクアップ状態としてメッセージフレームを受信すると共に、他の処理部はスリープ状態を保ち、中継不要なメッセージフレームを受信した場合には、中継処理部11とネットワーク管理処理部12とダイアグ処理部13、パラメタ処理部16にウェイクアップ信号を送信しないので、中継接続ユニット10がウェイクアップ状態となることを防ぐことができると共に、中継接続ユニット10の消費電力を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明の中継接続ユニット10の第1実施形態を示す構成図である。
【図2】受信部20の構成図である。
【図3】バス31にメッセージフレームが流れた場合の中継接続ユニット10のシーケンス図である。
【図4】イグニッションキー35がオン作動した場合の中継接続ユニット10のシーケンス図である。
【図5】メッセージフレームの構成図である。
【符号の説明】
【0035】
10 中継接続ユニット
11 中継処理部
12 ネットワーク管理処理部
13 ダイアグ処理部
14 メインループ受信部
20 受信部
21 受信バッファ
22 識別子記憶部
23 ID判定部
30 電子制御ユニット(ECU)
31 バス
35 イグニッションキー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子制御ユニットが夫々接続された複数のバスと接続され、前記電子制御ユニット間でのメッセージフレームの送受信を中継する車載用の中継接続ユニットであって、
前記バスから前記メッセージフレームを受信する受信部と、
前記メッセージフレームの送受信を中継する中継処理部と、
前記バスに前記メッセージフレームを送信する送信部と、
中継接続状態の遷移を管理するネットワーク管理処理部と、
前記中継接続ユニットに接続されるダイアグノーシスとのデータの送受信を行うダイアグ処理部と、
前記受信部は前記中継処理部、ネットワーク管理処理部およびダイアグ処理部を含む他の処理部がスリープ状態時においてもウェイクアップ状態とし、該状態時において中継する必要があるメッセージフレームを受信すると、接続した少なくとも前記中継処理部とネットワーク管理処理部とダイアグ処理部とにウェイクアップ信号を出力することを特徴とする車載用中継接続ユニット。
【請求項2】
前記受信部は、前記バス上を流れるメッセージフレームを受信する受信バッファと、前記スリープ状態時に中継要のメッセージフレームのID(識別子)を記憶する識別子記憶部と、受信するメッセージフレームのIDが前記識別子記憶部に記憶されたIDであるかを判定して中継要のメッセージフレームである場合に前記ウェイクアップ信号を出力する
ID判定部を備えている請求項1に記載の車載用中継接続ユニット。
【請求項3】
前記受信部、中継処理部、ネットワーク管理処理部およびダイアグ処理部はそれぞれコントローラの回路で形成し、前記受信部は受信用コントローラにID検出回路を備えている請求項1または請求項2に記載の車載用中継接続ユニット。
【請求項4】
イグニッションキーまたはイグニッションボタンのオン作動時に、ウェイクアップするメインループ受信部を備え、該メインループ受信部から前記中継処理部、ネットワーク管理処理部およびダイアグ処理部を含む全処理部にウェイクアップ信号を出力してウェイクアップさせ、前記受信部は前記バス上を流れるメッセージフレームを前記中継処理部に出力する請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の車載用中継接続ユニット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−277975(P2008−277975A)
【公開日】平成20年11月13日(2008.11.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−116869(P2007−116869)
【出願日】平成19年4月26日(2007.4.26)
【出願人】(395011665)株式会社オートネットワーク技術研究所 (2,668)
【出願人】(000183406)住友電装株式会社 (6,135)
【出願人】(000002130)住友電気工業株式会社 (12,747)
【Fターム(参考)】